JP2004008132A - 形質転換酵母、それを用いた多環芳香族化合物の測定方法、および多環芳香族化合物測定用キット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】マウス由来の特定のアミノ酸配列を有するAhレセプター。該アミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつAhレセプターとして機能する蛋白質。及び、特定のアミノ酸配列を有するマウスArnt蛋白質。該アミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつArntとして機能する蛋白質。これら蛋白質をコードするDNAが染色体内に発現可能に導入された形質転換酵母。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ダイオキシン類に代表される多環芳香族化合物の測定に利用可能な形質転換酵母、この形質転換酵母を用いた多環芳香族化合物の測定方法、および多環芳香族化合物測定用キットに関する。
【0002】
【従来の技術】
ダイオキシン類をはじめとする多環芳香族化合物の検出や分析には、高価で大掛りな分析装置が必要であり、操作も煩雑である。また、機器分析では、被験物中に含まれる多種の多環芳香族化合物を分離して検出することは可能であるが、測定結果から環境中の総合的な毒性を判断することは難しい。
【0003】
ところで、動物にダイオキシン類などの多環芳香族化合物を投与した場合に薬物代謝酵素の誘導を仲介する因子としてAhレセプター(アリルハイドロカーボンレセプター;aryl hydrocarbon receptor)の存在が知られている。また、Ahレセプターの補助因子としてArnt(aryl hydrocarbon receptor nuclear translocator)と呼ばれる核内移動因子も同定されている。AhレセプターおよびArntは、多環芳香族化合物と複合体を形成してリガンド応答性の遺伝子発現に関与し、他の構造遺伝子の転写調節因子として機能するものである。
【0004】
そして、特開2000−354494号公報や特開2001−78782号公報では、ラットやハムスター由来のAhレセプター遺伝子を、レポーター遺伝子とともに細胞に導入し、得られた形質転換細胞を利用して化学物質などのレポーターアッセイを行う方法や、形質転換細胞を培養して得られるAhレセプターを利用してレセプターバインディングアッセイを行う方法が提案されている。しかし、上記公報の形質転換細胞は、宿主細胞として昆虫やヒト由来の培養細胞を用いる方法であるため、培養方法が煩雑で培養時間も長いことから、多環芳香族化合物の測定結果が出るまでに時間がかかるという問題がある。
【0005】
一方、Ahレセプター遺伝子を導入して形質転換した微生物として、ヒト由来のAhレセプター遺伝子を導入したサッカロマイセス・シェレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)を用い、数種の多環芳香族化合物に対するリガンド応答性を調査した報告がなされている[Miller, Toxicology and Applied Pharmacology 160, 297−303(1999)]。しかし、この報告で使用されているヒト由来のAhレセプター遺伝子はリガンド応答性が低く、多環芳香族化合物の検出感度が低い。また、本発明者が行った試験結果によれば、ヒト由来のAhレセプター遺伝子を導入した形質転換酵母を用いる方法では、バックグラウンド値が高くなる傾向があるため、環境中に微量に含まれる多環芳香族化合物の測定に適したものとは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、環境中などに存在する多環芳香族化合物を、生化学的な手法を用いて簡易な操作で迅速に測定する方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の形質転換酵母の発明は、マウス由来のAhレセプター遺伝子およびマウス由来のArnt遺伝子が染色体内に発現可能に導入されていることを特徴とする。
【0008】
この形質転換酵母は、マウス由来のAhレセプター遺伝子およびArnt遺伝子が導入されているため、後記実施例に示されるように、ダイオキシン類をはじめとする多環芳香族化合物の測定において、検出感度が高い一方で、バックグラウンドを低くすることができる。また、この形質転換体の宿主細胞は酵母であるため、培養細胞に比べて取り扱いが容易であり、増殖も速く測定に長時間を要しない。さらに、使用する機器も簡易なもので済み、安価に多環芳香族化合物の分析が可能になる。
【0009】
また、請求項2に記載の形質転換酵母の発明は、下記の(a)または(b)に示す蛋白質をコードするDNAと、下記の(c)または(d)に示す蛋白質をコードするDNAとが染色体内に発現可能に導入されたことを特徴とする。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するマウスAhレセプター。
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつAhレセプターとして機能する蛋白質。
(c)配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するマウスArnt。
(d)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつArntとして機能する蛋白質。
この請求項2に記載された形質転換酵母についても、上記請求項1に記載の形質転換酵母と実質的に同様の作用効果が得られる。
【0010】
また、請求項3に記載の形質転換酵母の発明は、請求項1または請求項2において、レポータープラスミドを細胞内に有しており、該レポータープラスミドは、AhレセプターもしくはAhレセプターとして機能する蛋白質、ArntもしくはArntとして機能する蛋白質、および多環芳香族化合物から形成される複合体が結合可能な塩基配列と、レポーター遺伝子とを含むプラスミドであることを特徴とする。この形質転換酵母は、AhレセプターもしくはAhレセプターとして機能する蛋白質、ArntもしくはArntとして機能する蛋白質および多環芳香族化合物からなる複合体(以下、単に「複合体」と記すことがある)が結合可能な塩基配列(以下、「複合体認識配列」と記すことがある)とレポーター遺伝子とを含むプラスミドを細胞内に有することにより、形質転換酵母内でレポーター遺伝子の発現までを行うことが可能になる。したがって、多環芳香族化合物の測定に際し、処理操作の簡素化と測定時間の短縮を図ることができる。
【0011】
請求項4に記載の多環芳香族化合物の測定方法は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の形質転換酵母を被験物に接触させることを特徴とする。この特徴によれば、多環芳香族化合物の測定において、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載した形質転換酵母の利点が如何なく発揮される。すなわち、測定における検出感度が高い一方で、バックグラウンドが低く、信頼性の高い測定結果が得られる。また、酵母を用いるため、培養細胞に比べて操作が容易であり、測定に長時間を必要としない。さらに、使用する機器も簡易なもので済み、安価に多環芳香族化合物の分析が可能になる。
また、複合体認識配列とレポーター遺伝子とを含むプラスミドを細胞内に有する形質転換酵母を使用する場合には、レポーター遺伝子の発現により生成する酵素等の活性を測定することにより、簡単に多環芳香族化合物を測定できるので、処理操作の簡素化と測定時間の短縮を図ることができる。
さらに、本測定方法は、ダイオキシン類等の多環芳香族化合物の生体感受性に深く関与するAhレセプターの機能を利用する方法であるため、測定結果は機器分析と異なり毒性等量(TEQ)を反映しており、生体への影響を知る指標となり得る。したがって、環境中の多環芳香族化合物の検出や定量に利用する意義が極めて大きい測定方法である。
また、本測定方法は、リガンド応答性の遺伝子発現を利用するため、被験目的とする多環芳香族化合物への特異性が高い方法である。
【0012】
請求項5に記載の多環芳香族化合物測定用キットの発明は、少なくとも、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の形質転換酵母を含むことを特徴とする。この多環芳香族化合物測定用キットを用いることにより、多環芳香族化合物の高精度の測定を容易に行うことができる。
【0013】
請求項6に記載の多環芳香族化合物測定用キットの発明は、請求項5において、さらに、前記形質転換酵母の培養用組成物と、前記形質転換酵母を溶菌可能な成分を含む緩衝液と、前記レポータープラスミドの活性を識別するための試薬と、を含むことを特徴とする。この多環芳香族化合物測定用キットは、多環芳香族化合物を測定するために必要な試薬等の要素を最適な組み合わせで具備したものであるため、このキットを用いることにより、吸光度計などの簡易な計測器を準備するだけでダイオキシン類等の多環芳香族化合物の高精度の測定が可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明に係る形質転換酵母は、マウス由来のAhレセプター遺伝子とマウス由来のArnt遺伝子とが染色体内に発現可能に導入されたものである。ここでマウス由来のAhレセプター遺伝子やマウス由来のArnt遺伝子の塩基配列は公知であり、一般的に利用可能なデータベースからも入手できる[例えば、マウス由来のAhレセプター遺伝子NM01344(NCBI);例えば、マウス由来のArnt遺伝子U10325(NCBI)など]。
【0015】
マウス由来のAhレセプター遺伝子の具体的な例としては、配列番号3で表される塩基配列からなるDNAのほか、この配列番号3で表される塩基配列において、1個もしくは数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された配列を有し、かつAhレセプターとして機能する蛋白質をコードするDNAを挙げることができる。
【0016】
また、マウス由来のArnt遺伝子の具体的な例としては、配列番号4で表される塩基配列からなるDNAのほか、配列番号4で表される塩基配列において、1個もしくは数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された配列を有し、かつArntとして機能する蛋白質をコードするDNAも用いることができる。
【0017】
上記「配列番号3で表される塩基配列において、1個もしくは数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された配列を有し、かつAhレセプターとして機能する蛋白質をコードするDNA」や、上記「配列番号4で表される塩基配列において、1個もしくは数個の塩基が欠失、置換もしくは付加された配列を有し、かつArntとして機能する蛋白質をコードするDNA」は、配列番号3マウス由来のAhレセプター遺伝子や配列番号4のマウス由来のArnt遺伝子を元に、例えば部位特異的変位導入法などの方法で作成できる。
【0018】
また、本発明の形質転換酵母は、下記の(a)または(b)に示す蛋白質をコードするDNAと、および下記の(c)または(d)に示す蛋白質をコードするDNAとが染色体内に発現可能に導入されたもの、としても特定され得る。
【0019】
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するマウスAhレセプター。
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつAhレセプターとして機能する蛋白質。
(c)配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するマウスArnt。
(d)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつArntとして機能する蛋白質。
【0020】
ここで、上記(b)の「配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつAhレセプターとして機能する蛋白質」や上記(d)の「配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつArntとして機能する蛋白質」についても、前記と同様にマウス由来のAhレセプター遺伝子やマウス由来のArnt遺伝子を元に、例えば、部位特異的変位導入法などの方法で作成できる。
【0021】
本発明で形質転換に使用する酵母は、一般的に遺伝子組換え技術が適用できるものであれば特に制限なく利用できるが、もっとも技術の確立しているものとしては、サッカロマイセス・シェレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)を用いることが好ましい。この他、分裂酵母(Schizoaccharomyces)や糸状酵母(Candida)等も遺伝子組換え技術が適用できるものであれば制限なく利用できる。
【0022】
形質転換酵母の調製は、例えば以下のような手順で行うことができる。
マウスのDNA中のAhレセプター遺伝子およびArnt遺伝子の作成は、上記配列番号3および配列番号4の塩基配列や、一般に利用可能なデータベース(前掲)の情報を元に、適切なプライマーを選定してPCR法を利用したり、化学合成などにより行うことができる。
【0023】
PCR法では、テンプレートとなるマウスのDNAを元に、公知のAhレセプター遺伝子やArnt遺伝子の部分的な塩基配列(例えば、配列番号3、配列番号4の塩基配列の一部など)をプライマーとしてAhレセプター遺伝子およびArnt遺伝子を合成することができる。ここでテンプレートとなるマウスのDNAは、マウスの組織から、公知の遺伝子工学的手法により入手できる。例えば、マウスの肝臓などの組織由来のRNAを抽出し、得られたRNAを鋳型として一本鎖cDNAを合成する。次いで、一本鎖cDNAを鋳型として二本鎖のcDNAを合成し、得られた二本鎖cDNAを、例えばプラスミドやファージなどのベクターに挿入することによりcDNAライブラリーを作製する。このcDNAライブラリーから、公知のAhレセプター遺伝子やArnt遺伝子の部分的な塩基配列(例えば、配列番号3、配列番号4の塩基配列の一部など)をプローブとして利用するハイブリダイゼーション法等によってテンプレートとなるDNAを入手することができる。また、公知のAhレセプター遺伝子やArnt遺伝子の部分的な塩基配列を元にプライマーを作成し、上記cDNAライブラリーからPCR法によって直接Ahレセプター遺伝子やArnt遺伝子を合成することもできる。
【0024】
また、化学合成の場合は、公知のAhレセプター遺伝子やArnt遺伝子の塩基配列(例えば、配列番号3、配列番号4の塩基配列)から、ホスホアミダイト法など既知の方法に従い合成すればよい。
【0025】
次に、得られた遺伝子を適切な制限酵素(例えば、Sal I、Hpa I等)により処理し、同様に切断した酵母用シャトルベクター[例えば、pAUR101、pAUR224等(以上、タカラ酒造製)、pl−RED1(東洋紡製)等]と修飾酵素[例えば、Ligation High(東洋紡製)、T4 DNA Ligase(タカラ酒造製)、T4 DNA Ligase、DNA Ligase(以上、NEB製)等]を用いてライゲーションする。ライゲーションの終わったDNAを例えばエレクトロポーレーション法や、リン酸カルシウム法などにより化学的処理をした大腸菌の細胞等に形質転換し、適量まで増殖させた後、例えば溶菌、吸着抽出などにより目的のプラスミドを取り出す。
【0026】
上記のような処理をしたシャトルベクターを例えばエレクトロポーレーション法や酢酸リチウム法などの化学的処理により、酵母に対し形質転換し、適切な選択培地等を用いて形質転換体を選抜する。
【0027】
形質転換酵母は、Ahレセプター遺伝子およびArnt遺伝子が染色体内に導入されているため、リガンド(多環芳香族化合物)応答性の遺伝子発現に関与する転写調節因子としてのマウスAhレセプターやマウスArntを産生する。
【0028】
すなわち、形質転換酵母が多環芳香族化合物に接触すると、AhレセプターとArntとが、多環芳香族化合物と複合体を形成する。この複合体は、DNA上のXRE(Xenobiotic Response Element)とよばれるエンハンサー領域などの複合体認識配列に結合し、その下流の構造遺伝子の発現を誘導する。
【0029】
したがって、上記性質を利用し、複合体を直接公知の免疫学的測定法などにより測定したり、あるいは酵母細胞にリガンド応答性遺伝子発現により誘導され得るレポーター遺伝子を導入しておき、その発現産物を測定できるようにしておくことにより、多環芳香族化合物を測定することができる。特に、形質転換酵母として、リガンド応答性遺伝子発現によりレポーター遺伝子が誘導されるよう構築したプラスミド(レポータープラスミド)を形質転換酵母の細胞内に導入しておくことにより、多環芳香族化合物を容易に測定することができる。
【0030】
レポータープラスミドの例としては、Ahレセプター、Arntおよび多環芳香族化合物から形成される複合体が結合可能な複合体認識配列と、適切なプロモーターにより発現可能な状態のレポーター遺伝子とを含むプラスミドを挙げることができる。レポーター遺伝子としては、レポーター遺伝子によりコードされる酵素などの測定を容易に行えるものが好ましく、例えば、ルシフェラーゼ遺伝子やβ−ガラクトシダーゼ遺伝子など既知のレポーター遺伝子を利用することができる。また、複合体認識配列としては、公知のXRE(Xenobiotic Response Element)などの塩基配列[上掲のMiller, Toxicology and Applied Pharmacology 160, 297−303(1999)参照]を、化学合成等の手法で作成したものが利用できる。本発明では、マウス由来のAhレセプターおよびArntを用いるため、XREもマウス由来のものを用いることが好ましい。
【0031】
形質転換体に導入するレポータープラスミドの構築は、例えば、市販の酵母用自立発現型ベクター[例えば、pESP VECTORS(東洋紡製)、pAUR112(タカラ酒造製)等]に前記した複合体認識配列とレポーター遺伝子を適切な遺伝子組換え手法に従い導入することによって行うことができる。
【0032】
このレポータープラスミドを形質転換酵母に対し、例えばエレクトロポーレーション法や酢酸リチウム法などの化学的処理により導入することで、レポータープラスミドを有する形質転換酵母を得ることができる。レポータープラスミドを導入した本発明形質転換酵母の例として、サッカロマイセス・シェレビシェ(Saccharomyces cerevisiae) YA−0106株(IFO 11028)を挙げることができる。
【0033】
以上のようにして得られた形質転換酵母は、通常の培養条件で継代培養できるほか、凍結乾燥して保存することも可能である。
【0034】
本発明の多環芳香族化合物の測定方法は、上記形質転換酵母を被験物に接触させることにより行われる。ここで多環芳香族化合物としては、例えば、ダイオキシン類、ポリ塩化ジベンゾフラン(PCDF)、ポリ塩化ビフェニル(PCB)、β−ナフトフラボン、3−メチルコラントレン、ベンゾピレンおよびその誘導体、ベンゾイミダゾール、ジベンゾアンスラセン、ペンタクロロフェノール、ジコホール、オクタクロロスチレンなどを挙げることができる。被験物としては、特に制限はないが、例えばダイオキシン類による汚染が懸念される水、土壌、焼却灰などを挙げることができる。また、形質転換酵母を被験物に接触させる方法としては、例えば形質転換酵母、または形質転換酵母を含む培養液を試験物と混合することや、その混合状態を酵母の培養条件下で所定時間維持して多環芳香族化合物を形質転換酵母菌体に十分作用させることによって実施される。
【0035】
本発明測定方法の一般的な実施方法の例を挙げれば、以下のとおりである。 まず、測定においては、形質転換酵母を前培養して菌の増殖を図り、十分な菌体量を確保することが好ましい。
前培養は、形質転換酵母として表1に示すようなアミノ酸、無機塩、ビタミン類、糖類等からなる培地で継続的に培養された状態のものを利用する場合には、培養液50μlを分取し、表1に示す培地5000μl中に加え、例えば30℃で12〜24時間程度振とう培養することによって行う。形質転換酵母が凍結乾燥菌体である場合には、例えばYPD培地などの栄養培地を加え、30℃で24時間培養した培養液を50μl分取し、前記と同様に表1に示す培地5000μlに加え、30℃で12〜24時間程度振とう培養することによって前培養を行う。
【0036】
【表1】
【0037】
前培養により菌が十分に増殖したら、レポーター遺伝子のプロモーターの特性にあった培地(例えば、レポーター遺伝子がβ−ガラクトシダーゼである場合は、炭素源としてガラクトースを使用したものなど)中に、被験物と前培養液を適当な割合で混合し、28〜30℃程度の温度条件で所定時間(例えば18時間程度)培養して多環芳香族化合物を菌体に対し十分作用させる。被験物が固体の場合には、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)等の菌体に対して毒性を示さない溶媒を用い、被験物を溶解し、あるいは被験物中の多環芳香族化合物を抽出してから混合することが好ましい。
【0038】
被験物と形質転換酵母との接触を十分に行った後、公知の手法により形質転換酵母菌体を溶菌させる。
すなわち、例えば表2に示すZ緩衝液(溶菌剤として、界面活性剤のサルコシルを添加)などにより菌体を溶菌させる。
【0039】
【表2】
【0040】
次に、上記溶菌液を適量採取し、複合体の結合により活性化したレポータープラスミドの酵素活性等を適切な手段により測定する。例えば、レポーター遺伝子がβ−ガラクトシダーゼをコードする場合であれば、ONPG(オルソニトロフェニルガラクトピラノシド)等の発色試薬を作用させ、常法により吸光度を測定する。この測定において、予め既知の濃度の多環芳香族化合物を測定し、検量線を作成しておくことにより、被験物中の多環芳香族化合物を測定することが可能になる。なお、前記検量線は被験物の測定と同時に作成することが望ましい。また、測定に際しては、用量作用関係の範囲内に納まるように被験物を適宜希釈することが重要である。
【0041】
上記の本発明測定方法を簡単に実施するため、前記形質転換酵母を含む多環芳香族化合物の測定用キットを作成しておくこともできる。この測定用キットには、例えば、凍結乾燥形質転換酵母に加え、形質転換酵母の培養用組成物(液状または粉末状培地)、形質転換酵母を溶菌可能な成分を含む緩衝液、レポータープラスミドの活性を識別する試薬、濃度既知の試料に基づき作成した検量線データなどの構成要素を含めることができる。キットに含める上記各構成要素は、それぞれ前記した内容に準じて調製することができる。なお、ポリスチレンに吸着しやすいメチルコラントレン等が被験物である場合は、試験操作にはガラス製の容器、器具を用いることが好ましい。
【0042】
【実施例】
以下、実施例および比較例等を挙げ本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって何ら制約を受けるものではない。
【0043】
実施例1
<Arnt遺伝子の作成>
Arnt遺伝子は、以下に述べるRT−PCR法により作成した。
C57BLマウス肺細胞より、AbsolutelyRNART−PCR MiniprepKit(東洋紡製)により全RNA(Total−RNA)を抽出し、Poly(A) Quik mRNA(東洋紡製)を用いてm−RNAの精製を行った。これにより得られたm−RNAをRever TraAce−α(東洋紡製)により逆転写反応させることでcDNAを合成し、このcDNAをテンプレートとしてPCRを行うことでRT−PCR法を行った。この時のPCR反応では、プライマーとして配列番号5の塩基配列のフォワードプライマーおよび配列番号6の塩基配列のリバースプライマーを用いた。
【0044】
PCR法に使用する反応液は以下の組成のものを用いた。
反応液:5μlKOD+用緩衝液、5μl 2mMdNTP、
2μl 25mMMgCl2、1.5μl プライマー、
2μl テンプレート、1μl KOD+ポリメラーゼ(東洋紡製)
【0045】
また、PCR法における温度条件は、▲1▼94℃で熱変性、▲2▼53℃で30秒のアニーリング、▲3▼68℃で7分の伸長を1サイクルとし、▲1▼〜▲3▼を30サイクル繰り返して反応を行った。
【0046】
<Ahレセプター遺伝子の作成>
Ahレセプター遺伝子も、以下に述べるRT−PCR法により作成した。
C57BLマウス肺細胞より、AbsolutelyRNART−PCR MiniprepKit(東洋紡製)により全RNA(Total−RNA)を抽出し、Poly(A) Quik mRNA(東洋紡製)を用いてm−RNAの精製を行った。これにより得られたm−RNAをRever TraAce−α(東洋紡製)により逆転写反応させることでcDNAを合成し、このcDNAをテンプレートとしてPCRを行うことでRT−PCR法を行った。この時のPCR反応では、プライマーとして配列番号7の塩基配列のフォワードプライマーおよび配列番号8の塩基配列のリバースプライマーを用いた。
【0047】
PCR法に使用する反応液は以下の組成のものを用いた。
反応液:5μlKOD+用緩衝液、5μl 2mMdNTP、
2μl 25mMMgCl2、1.5μl プライマー、
2μl テンプレート、1μl KOD+ポリメラーゼ(東洋紡製)
【0048】
また、PCR法における温度条件は、▲1▼94℃で熱変性、▲2▼53℃で30秒のアニーリング、▲3▼68℃で7分の伸長を1サイクルとし、▲1▼〜▲3▼を30サイクル繰り返して反応を行った。
【0049】
<プロモーターとのライゲーション>
Gal 1,10プロモーター領域を有するプラスミド(YEp181 Gal 1,10;GenBank,pBM272)をBamH IおよびSal Iで処理し、同じくBamH IおよびSalIで処理したArnt遺伝子をLigation High(東洋紡製)を用い、16℃でライゲーションした。得られた反応物をSma IおよびEcoR Iで処理した後、Sma IおよびMfe Iで処理したAhレセプター遺伝子をLigation High(東洋紡製)を用い、16℃でライゲーションした。
【0050】
<シャトルベクターの作成>
得られたプロモーターと上記遺伝子のライゲーション産物をSal IおよびHpa Iを用いて処理し、Sal IおよびSma Iで処理したシャトルベクターpAUR101
(タカラ酒造製)にLigation High(東洋紡製)を用い、16℃でライゲーションした。
【0051】
<形質転換>
上記の作成されたシャトルベクターをサッカロマイセス・シェレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)W303株(ATCC No.MYA−151)に酢酸リチウム法によって形質転換した。
【0052】
<レポータープラスミドの導入>
β−ガラクトシダーゼをコードする遺伝子を含むプラスミドpRW95−3[Wolf etal.; Biotechniques 20, 568−573 (1996)]のBamH IとXma Iの切断部位に、マウス由来のXRE配列を含む配列番号9の塩基配列をライゲーションした。このプラスミドを酢酸リチウム法により前記形質転換サッカロマイセス・シェレビシェ(Saccharomyces cerevisiae)W303株に導入し本発明形質転換酵母とした。
【0053】
比較例1
実施例1のマウス由来のAhレセプター遺伝子およびArnt遺伝子に替え、ヒト由来のAhレセプター遺伝子[配列番号10;XM 004988(NCBI)]およびヒト由来のArnt遺伝子[配列番号11;NM 001668(NCBI)]を用いる以外は実施例1に準じて比較形質転換酵母を作成した。
【0054】
試験例1
β−ガラクトシダーゼ活性の調査:
実施例1で得た本発明形質転換酵母のコロニーをYPD培地に接種し、30℃で600nmの吸光度が2になるまで培養した。その後、培養液50μlを表1に示される培地5000μlに対して加え、30℃で12時間振とう培養し、前培養により菌の増殖を図った。培養液は菌体の濃度を600nmの吸光度が1になるように調製した。
【0055】
次に96穴のウェルプレートに、多環芳香族化合物としてナフトフラボン、メチルコラントレン、ベンゾピレンを所定濃度となるようにDMSOに溶かしたものをそれぞれ1μlずつ入れ、さらに前掲表1の培地の炭素源としてガラクトースを使用したもの200μl、および前述の培養液を5μl入れ、30℃で18時間培養した。
【0056】
培養の終わったプレートから別の新しいプレートに対し、各10μlを分注し、Z緩衝液(前掲表2)140μl、および4mg/lの濃度のONPGを50μl入れ、37℃で1時間培養した。培養後、415nmにおける吸光度を測定し、下式に基づきβ―ガラクトシダーゼ活性を算出した。
【0057】
【数1】
【0058】
各試験区分(ナフトフラボン、メチルコラントレン、ベンゾピレン)における各濃度でのβ―ガラクトシダーゼ活性を図1に示した。
【0059】
試験例2
バックグラウンド値の測定:
実施例1で得た本発明形質転換酵母および比較例1で得た比較形質転換酵母を用い、多環芳香族化合物を含まないブランク試料(DMSOのみを含む試料)を用い、試験例1に準じた方法で415nmにおける吸光度を測定した。その結果を図2に示した。図2から見て取れるようにヒト由来のAhレセプター遺伝子、Arnt遺伝子で形質転換された比較形質転換酵母は、マウス由来のAhレセプター遺伝子およびArnt遺伝子で形質転換された本発明形質転換酵母に比べてバックグラウンドが高いことが示された。
【0060】
したがって、本発明形質転換酵母を用いる測定では、低濃度の領域における測定値の信頼性が高く、被験物を溶解した溶媒の影響が少ないため、正確な測定が可能となる。
【0061】
【発明の効果】
マウス由来のAhレセプター遺伝子およびArnt遺伝子が導入されている本発明の形質転換酵母を、ダイオキシン類をはじめとする多環芳香族化合物の測定に用いることにより、高い検出感度で、バックグラウンドが低く信頼性の高い測定結果が得られる。したがって、本発明形質転換酵母は、環境浄化、廃棄物処理、安全性評価などの分野で有用である。また、酵母形質転換を用いることにより、培養細胞に比べて操作が容易であり、測定時間を短縮することができる。さらに、使用する機器も簡易なもので済み、安価に多環芳香族化合物の分析が可能になる。特に、複合体認識配列とレポーター遺伝子とを含むプラスミドを細胞内に有する形質転換酵母を使用する場合には、形質転換酵母内でレポーター遺伝子の発現までを行うことが可能になり、処理操作を簡素化と測定時間の短縮を図ることができる。さらに、本発明の測定方法は、ダイオキシン類等の多環芳香族化合物の生体感受性に深く関与するAhレセプターを利用する方法であるため、測定結果は機器分析に比べて毒性等量を反映しており、環境中の多環芳香族化合物の測定に利用する意義が大きい。また、本測定方法は、リガンド応答性の遺伝子発現を利用するため、被験目的とする多環芳香族化合物への特異性が高い。
【0062】
また、本発明の多環芳香族化合物測定用キットを用いることにより、多環芳香族化合物の高精度の測定を容易に実施することができる。
【0063】
[配列表フリーテキスト]
配列番号5
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー。
配列番号6
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー。
配列番号7
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー。
配列番号8
PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】ナフトフラボン、メチルコラントレン、ベンゾピレンの各濃度でのβ―ガラクトシダーゼ活性を示すグラフ図面。
【図2】本発明形質転換酵母と比較形質転換酵母におけるβ−ガラクトシダーゼ活性測定時のバックグラウンド値を示すグラフ図面。
Claims (6)
- マウス由来のAhレセプター遺伝子およびマウス由来のArnt遺伝子が染色体内に発現可能に導入されている形質転換酵母。
- 下記の(a)または(b)に示す蛋白質をコードするDNAと、下記の(c)または(d)に示す蛋白質をコードするDNAとが染色体内に発現可能に導入された形質転換酵母。
(a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を有するマウスAhレセプター。
(b)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつAhレセプターとして機能する蛋白質。
(c)配列番号2で表されるアミノ酸配列を有するマウスArnt。
(d)配列番号2で表されるアミノ酸配列において、1個もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換もしくは付加されたアミノ酸配列を有し、かつArntとして機能する蛋白質。 - 請求項1または請求項2において、レポータープラスミドを細胞内に有しており、
該レポータープラスミドは、AhレセプターもしくはAhレセプターとして機能する蛋白質、ArntもしくはArntとして機能する蛋白質、および多環芳香族化合物から形成される複合体が結合可能な塩基配列と、レポーター遺伝子とを含むプラスミドであることを特徴とする、形質転換酵母。 - 請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の形質転換酵母を被験物に接触させることを特徴とする、多環芳香族化合物の測定方法。
- 少なくとも、請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の形質転換酵母を含む多環芳香族化合物測定用キット。
- 請求項5において、さらに、前記形質転換酵母の培養用組成物と、前記形質転換酵母を溶菌可能な成分を含む緩衝液と、レポータープラスミドの活性を識別するための試薬と、を含む多環芳香族化合物測定用キット。
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
WO2005093055A1 (en) * | 2004-03-26 | 2005-10-06 | Frontier Science Co. Ltd. | Transformed yeasts for detecting and measuring dioxins and methods for detecting, measuring and screening for dioxins employing the same |
JP2010107238A (ja) * | 2008-10-28 | 2010-05-13 | Rohm Co Ltd | マイクロチップおよびこれに用いられる基板 |
US8877142B2 (en) | 2006-06-20 | 2014-11-04 | Johnson & Johnson Ab | Assay device and method |
-
2002
- 2002-06-10 JP JP2002168074A patent/JP2004008132A/ja active Pending
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