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JP2003506394A - 視力の保持を容易にするために視神経、脈絡膜、および網膜の血流を増大させるための方法 - Google Patents

視力の保持を容易にするために視神経、脈絡膜、および網膜の血流を増大させるための方法

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JP2003506394A
JP2003506394A JP2001514927A JP2001514927A JP2003506394A JP 2003506394 A JP2003506394 A JP 2003506394A JP 2001514927 A JP2001514927 A JP 2001514927A JP 2001514927 A JP2001514927 A JP 2001514927A JP 2003506394 A JP2003506394 A JP 2003506394A
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JP
Japan
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cyclic
macular
blood flow
eye
gmp
Prior art date
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JP2001514927A
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English (en)
Inventor
ウイリアム イー. スポンセル,
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University of Texas System
Original Assignee
University of Texas System
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、一般的には、眼用の医薬品の分野に関する。より詳細には、本発明は、眼の障害を処置するため、および眼の健康状態を維持するための方法に関する。本発明は、より詳細には、サイクリック−グアノシン一リン酸(サイクリック−GMP)のレベルを増大させる因子を含有している組成物の有効量の、直接の、またはサイクリック−GMP合成を刺激することによって、またはサイクリック−GMP選択的ホスホジエステラーゼ(単数または複数)を阻害することによってのいずれかによる適用を通じて、視覚の機能を改善し、そしてその中の血流を増大させることによって視神経および網膜の健康状態を最良にするための方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本願は、1999年8月10日に出願された、仮特許出願番号第60/148
,150号に対して優先権を主張する。上記に言及される開示の本文全体が、拒
否を伴うことなく本明細書中で詳細に参考として援用される。
【0002】 (1.発明の分野) 本発明は、一般的には、眼用の医薬品の分野に関する。より詳細には、本発明
は、眼の障害を処置するため、および眼の健康状態を維持するための方法に関す
る。本発明は、より詳細には、サイクリック−グアノシン一リン酸(サイクリッ
ク−GMP)のレベルを増大させる因子を含有している組成物の有効量の、直接
の、またはサイクリック−GMP合成を刺激することによって、またはサイクリ
ック−GMP選択的ホスホジエステラーゼ(単数または複数)を阻害することに
よってのいずれかによる適用を通じて、視覚の機能を改善し、そしてその中の血
流を増大させることによって視神経および網膜の健康状態を最良にするための方
法に関する。
【0003】 (2.背景情報) 一般的には、視覚のプロセスは、脳への複雑な経路に関与する。見るためには
、光が角膜およびレンズを通じて入らなければならない;網膜を通じて眼の裏側
まで深く入り込む;ガングリオン細胞および両極細胞を通過する;次いで、シナ
プス小胞、内部線維(inner fiber)、核、外部線維、末端バー(t
erminal bars)、繊毛を通じて網状層の外側に伝わる;そして最終
的に光レセプターに到達する。光レセプターは、可視光線のインスタントフィル
ム処理を行うと考えられ得る。光線が光レセプターのディスク中で処理された後
、光線は、繊毛、楕円体、筋様体、ミュラー細胞(Muller cell)、
外部線維、核、内部線維、シナプス小胞、外部網状層、内部核層、両極細胞、内
部網状層を通過して戻り、最終的にガングリオン細胞に到達する。ここでは、光
線は、軸索シグナルに処理される。それがガングリオン細胞に達した後、シグナ
ルが、視神経線維を通じて脳に輸送される。ここで、それが評価され、そして視
覚的な画像を形成するように視覚的な大脳葉によって組み合わせられる。何もの
にも遮られないシグナルが網膜によって保有され、視神経の先端および視神経線
維が視覚的な画像を作成するためのプロセスの最も重要な部分であると考えられ
る。十分な血流によって、この経路を通じる組織を育成し、従って軸索の流れを
確実にする。
【0004】 ヒトの眼(および、実際には、ほとんどの哺乳動物の眼の構造)が、2つの大
きな別々の循環システム(網膜およびブドウ膜)を有することが、理解される。
網膜の循環は、全ての眼の循環の約2%のみと計算されるが、この2%が、脳に
対する眼の神経の接続の健康状態について重要である。すなわち、120万の軸
索(これは、神経幹を作成する)が、視神経として公知である。この接続のため
の遺伝的な材料および代謝機構を含有している細胞体は全て、網膜の内部の層に
配置され、そして局所的に自動調節される網膜の循環からのそれらの血液の供給
の実質的に全て(すなわち、エネルギー、酸素/二酸化炭素、および代謝による
副生産物の交換を含む)を駆動する。網膜の循環に対する任意の有意な妥協が、
代表的には、視覚の喪失によって達成される。
【0005】 一方、眼の内部循環の大部分は、ブドウ膜のシステム、スポンジ様の拡張性の
血管のもつれ(これは、網膜の後およびその色素の上皮にある)を通じて通過す
る。この血管のベッドは、網膜の外部、およびそれらを支持する色素上皮の光レ
セプターを代謝によって活性化するための栄養素の豊富な供給源を提供する。さ
らに、この表面上は過剰な血液の供給は、そうでなければ神経組織を損傷させ得
る焦点に集められた光による熱エネルギーを吸収するように、熱のシンクとして
作用する。脈絡膜の循環(網膜のすぐ後に存在するブドウ膜の血管のベッドの一
部)は、いくつかの局所的な調節特性を有するが、これはまた、眼自体において
必ずしも生成されるわけではない刺激に応答して循環容量において主要な変化を
生じ得る、自立神経を用いて供給される。
【0006】 網膜および視神経の血流の速度に着手するためには、網膜が本質的に脳の特殊
化された部分であり、そしてその循環が非常にしっかりと調節されることを理解
することが重要である。脳を通じる血流は、代表的には、マラソンを走っている
かまたは眠っているかにはかかわらず、健康な個体において一定である。明らか
に、脳への頚動脈の血液の流入圧における膨大なバリエーションが、代表的な日
を通じて生じ、そして大脳皮質中での血管形成がその耐性を調節することによっ
て応答する。このことは、脳を通じる血管の収縮または膨張によって達成される
。脳脊髄の液体の圧力は増大させられる場合、それによって、有効に、大脳皮質
中の固い血管のベッドを作成し、脳中の血管が本来備わっている耐性を減少させ
るように膨張され、それによって一定の血流を維持する。このプロセスは、自律
調節と呼ばれる。
【0007】 網膜中での自律調節は、脳において見出されるものと同様である。従って、眼
内圧が低下した場合には、網膜中の循環は必ずしも増大させられるわけではない
。この点は、過呼吸の例の一致する特徴として(二酸化炭素を吐き出し(blo
w off)、それによって眼の本来備わっている血管の全てに対する循環を減
少させる)、そしてラタノプロスト(latanoprost)での処置として
(眼の外の透明な液体の流れを上昇させる)、明らかに示される。これらの両方
ともが、眼内圧力の有意な低下を生じるが、視覚の機能は、実際に、同時に低下
させられ得る。
【0008】 網膜内での循環もまた、高度にpH依存性である。種々の気体が血流中に呼吸
器系を通じて導入される実験は、CO2レベルが増大しそしてpHが低下すると
、網膜への循環は、代表的には、大気での呼吸の間に観察される基底レベルより
も40%までの上昇によって増大することを明らかに実証する。逆に、純粋な酸
素の呼吸は、網膜中での循環において重大な減少を生じる。この後者の応答は、
水晶体後線維増殖症、または未熟な網膜症として公知の疾患プロセスの部分に原
因があり得る。これは、多くの未熟児において全体的なまたは部分的な失明を引
き起こす。
【0009】 健康な眼においては、脈絡膜の比較的豊富な血管に起因して、脈絡膜の血流に
おけるかなり大きな変化が、最少の視覚の機能の変化によって達成され得る。し
かし、ブドウ膜の循環が眼の容量の有意な部分を含むので、脈絡膜の血流におけ
る実質的な減少は、一般的には、眼内圧における有意な低下によって達成される
。このように、例えば、過呼吸の間には、天然の血管拡張因子である二酸化炭度
が吐き出されると、脈絡膜および網膜の両方の循環が、並んで減少し、そして対
応して視覚の機能が低下する。代表的には、過呼吸の結果としての大きな眼内圧
の減少を有する個体は、非常に大きな視覚の機能の喪失を有する。
【0010】 従って、網膜中および視神経の周囲の血流が、多数の眼の障害において重要な
役割を果たすことが明らかになる。新しい技術が、眼の後方の容貌の説明、なら
びに循環、代謝、および血液学的な因子の評価によってより容易になり、それに
よって種々の眼の疾患の原因を決定することを向上させる。順番に、種々の治療
薬が、特異的な眼の障害、より詳細には、その進行が弱められるか、緩和される
か、または眼の循環を改善することによって逆転させられ得るそのような眼の障
害の根底にある病態生理学により正確に着手するために、適用され得る。
【0011】 例えば、他の研究者らは、サイクリック3’,5’−アデノシン1リン酸(c
AMP)の産生を刺激し、それによって眼内圧を低下させそして眼の循環を増大
させるために薬物を使用した。いくつかの組織中のβ−アドレナリン作用性の刺
激が、セカンドメッセンジャーであるcAMPによって細胞内で媒介されること
が周知である。cAMPは、膜に結合した酵素であるアデニル酸シクラーゼによ
ってATPから産生される。cAMPはさらに、タンパク質のリン酸化を導く一
連のプロセスにおける工程を、そして最終的な生物学的な活性を活性化すると考
えられている。一般的には、cAMP工程は短い持続時間のプロセスであると考
えられている。なぜなら、cAMPは、豊富に存在しているcAMPホスホジエ
ステラーゼによって迅速かつ効率よく細胞内で分解されるからである。
【0012】 cAMPが産生される経路は極めて複雑である。cAMPは、アデニル酸シク
ラーゼが多くのレセプターの活性化を通じて活性化された場合に、産生される。
この刺激は、Gsによって、そしてGタンパク質のGiクラスに属している少なく
とも1つの他のタンパク質の阻害によって媒介される。少なくとも10個の組織
特異的アデニル酸シクラーゼイソ酵素(それぞれが、調節性の応答の特有のパタ
ーンを有している)が存在することが公知である。これらのイソ酵素のいくつか
は、Gタンパク質βγサブユニットによって阻害される。他のものは、Gsのα
サブユニットによって同時に刺激された場合に、これらのサブユニットによって
刺激される。他のものは、Ca2+またはCa2+−カルモジュリン複合体によって
刺激される。アドレナリン作動性の薬物は、cAMPの産生を媒介し、それによ
って眼内圧を低下させ、そして血管の血流を増大させる。
【0013】 一般的には、眼の血流を調節し得る因子での処置に敏感に反応し得る疾患とし
て、視神経の疾患、網膜の疾患、または脈絡膜の疾患が挙げられるが、これらに
限定されない。より特異的な障害として、黄斑の浮腫、または黄斑の退行が挙げ
られるが、これに限定されない。例えば、黄斑の浮腫は、眼の後方の孔の極めて
重要な中心的な視覚の領域中の網膜中に膨張しているとして定義される。液体の
蓄積は、別のものから、そしてそれらの局所的な血液の供給源から網膜の神経エ
レメントを分裂させる傾向にあり、それによってその領域中の視覚の機能の休止
状態を作成する。通常は、このプロセスは自己制御式であるが、時折、持続的な
視覚の障害が、黄斑の浮腫によって生じる。しばしば、膨張は、透明にするため
に数ヶ月を要し得る。膨張が誘発される正確な機構は明らかではないが、おそら
く、特定の神経代謝性の毒素が疾患のプロセスにおいて重要な役割を果たし得る
。黄斑の膨張はまた、人工的なレンズ移植物の挿入および白内障の種々に続いて
、特に、液体で満たされた前方のチャンバーからガラス状のゲルを分離させるレ
ンズカプセル中に破れ目が存在する場合に、生じ得る。白内障の手術の後の長期
にわたる黄斑の浮腫は、眼科学の全てにおいて最もフラストレーションを引き起
こすジレンマの1つであり、そして著しく一般的である。黄斑の浮腫は、一般的
でありそして恐怖心を抱かせる眼の問題である。それについては、眼の治療の有
用な形態は、以前には公知ではない。嚢腫様の黄斑の浮腫の2つのタイプは以下
である:(a)血管の漏出を伴わないもの:網膜炎の色素沈着、および他の色素
性の網膜の退行性障害、初期段階の黄斑孔、および脈絡膜の新血管形成;ならび
に(b)血管の漏出を伴うもの:糖尿病による網膜障害;分岐した網膜の静脈の
閉塞;中間種のブドウ膜炎;および特発性の網膜の毛細血管拡張症。
【0014】 別のなおより一般的な慢性的な症状は、黄斑の退行である。網膜の外部での液
体の蓄積の代わりに、代謝の老廃物であるリポフスチンの過度の蓄積は、光レセ
プターと網膜の色素上皮の絨毛との間に蓄積する傾向にある。これらの蓄積は、
段階的に大きくなり、そしてそれらの初期の病理学的な時期においては、結晶腔
として公知の離散性の蓄積を作成する。リポフスチンは、光レセプターエレメン
トの破れの結果として蓄積すると考えられている。光レセプターの細胞性の成分
の放棄は、一貫して、健康な網膜中に存在している。良好な網膜の色上皮の代謝
は、一般的には、そのような視覚の異化副産物の迅速な除去を確実にする。この
老廃物質の蓄積は、網膜と網膜の色素上皮との間での相互作用を遅らせる。この
相互作用によって、栄養素に達し、そしてそれを通じて異化代謝産物が洗われ、
それによって異化代謝産物の蓄積の半永久的なサイクルが確立される。蓄積は、
網膜と網膜の色素上皮との間での代謝物の移動をブロックするだけではなく、こ
れらは実際に光応答性の代謝を受け続け、一貫して利点を有することなく正確に
NADHを還元する力を衰えさせる。
【0015】 改善された局所の循環は、リポフスチンの蓄積を遅らせるかまたは妨げ得、そ
して網膜に通過するかまたは網膜からの代謝産物の進行性の遮断および排出のサ
イクルを中断させる。結晶腔が多数蓄積し、そして癒着を開始するので、網膜の
光レセプターの大部分の領域が、それらの近くにある網膜の色素の上皮の絨毛か
ら永久に開放させられ得る。そのように罹患した網膜の部分は、失明する。不幸
なことに、歳をとっている集団中の最大の傾向は、結晶腔について、視覚の非常
に中心的な領域である黄斑中に蓄積することである。従って、黄斑の退行は、米
国および欧州での成年の失明の最も一般的な原因である。黄斑の浮腫は一般的に
は、1つの眼のみを罹患するが、黄斑の退行は、代表的には、両方の眼に関係し
、そして通常は、その所見および進行においてかなり対称的である。問題は、増
大についてであり、そして増加し続けることが予想される。
【0016】 明らかに、正常な代謝は、プロトンおよびCO2の蓄積を伴って異化による老
廃物を生じる傾向にある。眼の組織の多くの慢性的な疾患は、局所的な代謝を停
滞させる傾向にあり、そして正常な異化代謝産物(これは、そうでなければ増大
させられた局所的な循環を「動員」する)は、実際には産生されない。代わりに
、組織の崩壊産物が蓄積し、それによって補充を伴うことなく崩壊の誤ったサイ
クルを生じる。従って、この状況で局所的な循環を増強し得る種々の因子は、明
確な組織の崩壊産物を補助し得、そして正常な代謝機能の回復を刺激し得る。
【0017】 (発明の要旨) 本発明は、眼の血流、灌流、および/または循環を増大させることによって、
視神経の疾患を処置するための方法を提供する。眼の血流は、一般的には、眼に
対して直接または全身的にのいずれかで、眼の血管の血流を増強する因子の薬理
学的有効量を適用することによって改善される。本明細書中で使用される場合、
句「眼の血管の血流を増強する因子」は、サイクリック−GMPアナログ、サイ
クリック−GMPホスホジエステラーゼ(単数または複数)(PDE)を阻害す
る因子、グアニル酸シクラーゼの活性を増大させる因子、サイクリック−GMP
のレベルを増大させる因子、または眼の組織中の一酸化窒素(NO)のレベルを
増大させる因子をいう。例えば、NOの産生を増強させるかまたはNOの利用能
力もしくは寿命を増大させるかのいずれかであり、それによってグアニル酸シク
ラーゼを活性化する因子は、サイクリック−GMPのレベルを増大させ、そして
眼の血流の増大を引き起こす。
【0018】 好ましい実施形態においては、処置される視神経の疾患として、正常圧性の陥
没視神経病、虚血性の視神経病、毒性の視神経病、外傷性の視神経病、または特
発性の視神経病が挙げられるが、これらに限定されない。正常圧性の陥没視神経
病の例として、原発性の眼の萎縮症、眼の虚血症候群、ショックに関連する眼の
萎縮症、または慢性的な全身の低血圧が挙げられる。虚血性の視神経病の例とし
て、前方の虚血性の視神経病、後方の虚血性の視神経病、巨大細胞の動脈炎、ま
たはフォスター・ケネディ症候群が挙げられる。毒性の視神経病の例として、薬
物によって誘導される視神経病または栄養性の視神経病が挙げられる。外傷性の
視神経病の例として炎症性の視神経病、または視神経網膜炎が挙げられる。特発
性の視神経病の例として、視神経の結晶腔または良性の頭蓋内圧亢進が挙げられ
る。本発明の特定の局面においては、同じ患者において生じている複数の視神経
の疾患が、本発明の組成物および方法を使用して処置される。
【0019】 あるいは、本発明は、網膜の疾患を罹患している患者に対して眼の血管の血流
を増強する因子を含有している組成物を投与することによって、または罹患した
眼に対して直接組成物を適用することによって、網膜の疾患を処置するための方
法を提供する。特定の局面においては、処置される網膜の疾患は、網膜の新血管
形成、虚血性の血液/血流障害、または毒性の黄斑症であり得る。網膜の新血管
形成の例として、網膜の新血管形成の糖尿病に関連する形態、異常ヘモグロビン
症、または炎症性の血管の狭窄が挙げられる。網膜の新血管形成の糖尿病に関連
する形態は、例えば、糖尿病による黄斑の浮腫、虚血、および新血管形成、また
は非増殖性の糖尿病による網膜障害であり得る。異常ヘモグロビン症の例は、鎌
状赤血球体質である。炎症性の血管の狭窄の例として、狼瘡、コラーゲン血管疾
患、HIV網膜障害、CMV網膜障害、または類肉腫症が挙げられる。虚血性の
血液/血流障害の例として、中心的な網膜の静脈の閉塞、または分岐した網膜の
静脈の閉塞が挙げられる。毒性の黄斑症の例として、薬物に関連する黄斑症、ま
たはクロロキン網膜症が挙げられる。本発明の特定の局面においては、同じ患者
において存在している複数の網膜の疾患が、本発明の組成物および方法を使用し
て処置される。
【0020】 本発明の特定の他の好ましい方法においては、脈絡膜の疾患は、眼の血流を増
大させる少なくとも第1の因子を含有している組成物の治療有効量を、罹患した
眼に対して適用することによって処置される。脈絡膜の疾患の例として、後方脈
絡膜の虚血性障害、退行性の網膜下新血管形成、糖尿病による脈絡膜の虚血、炎
症性の網膜下新血管形成、または年齢には関係しない脈絡膜の虚血が挙げられる
が、これらに限定されない。後方脈絡膜の虚血性障害の例として、黄斑の退行性
の結晶腔(すなわち、乾性の年齢に関係する黄斑の退行)、黄斑の網膜の色素上
皮萎縮症、および網膜の色素上皮の剥離が挙げられる。退行性の網膜下の新血管
形成は、湿性の年齢に関連する黄斑の退行である。糖尿病による脈絡膜の虚血の
例として、糖尿病による脈絡膜症(choroidopathy)が挙げられる
。炎症性の網膜下の新血管形成の例として、推定される眼のヒストプラスマ症候
群が挙げられる。年齢には関係しない脈絡膜の虚血の例として、近視性の退行ま
たは高度な近視が挙げられる。本発明の特定の局面においては、同じ患者におい
て存在している複数の脈絡膜の疾患が、本発明の組成物および方法を使用して処
置される。
【0021】 当然、患者は、しばしば、上記の疾患のいずれかの複数の形態を伴って存在し
、そして本明細書中に記載されている組成物および方法が、同じ患者の複数の障
害の処置に有効である。例えば、本明細書中に記載されている組成物および方法
は、視神経の疾患および網膜の疾患を罹患している患者を処置するために有用で
ある。
【0022】 本発明の方法は、さらに、黄斑の浮腫、黄斑の退行、結晶腔、高血圧に関連す
る黄斑の障害、血管腫、乳頭炎、視神経網膜炎または色素性の網膜退行性障害、
毒性の黄斑症、および流動学の異常に対する二次的な黄斑症のような、黄斑の障
害の処置に有効である。本発明の方法は、血管の漏出を伴うかまたは伴わない、
黄斑の浮腫の処置に有用である。血管の漏出を伴わない黄斑の浮腫の例として、
網膜炎の色素沈着、色素性の網膜の退行性障害、初期段階の黄斑孔、または脈絡
膜の新血管形成が挙げられる。血管の漏出を伴う黄斑の浮腫の例として、糖尿病
による網膜障害、分岐した網膜の静脈の閉塞、中間種のブドウ膜炎、または特発
性の網膜の毛細血管拡張症が挙げられる。本発明の方法はまた、眼でのリポフス
チンの蓄積を阻害するかまたは予防するために使用され得る。
【0023】 上記に記載されている本発明の方法においては、組成物中に含まれる因子は、
サイクリック−GMPアナログ、サイクリック−GMP PDE(単数または複
数)を阻害する化合物、グアニル酸シクラーゼを活性化する化合物、またはサイ
クリック−GMPのレベルを増大させる化合物である。好ましいサイクリック−
GMPアナログとしては、8−ブロモグアノシン−3,5−サイクリック一リン
酸が挙げられる。サイクリック−GMP PDE(単数または複数)を阻害する
好ましい因子として、クエン酸シルデナフィル、ジピリダモール、ザプリナスト
、フィラミナスト、デンブフィレン、ピクラミラスト、またはザルダベリン、カ
ルボリン誘導体、ピリドカルバゾール誘導体、またはキノゾリノン化合物が挙げ
られる。特定の好ましい局面においては、PDEインヒビターは、5型のPDE
(PDE5)または6型のPDE(PDE6)について選択的である。グアニル
酸シクラーゼを活性化する(NOのレベルを増大させることによって)好ましい
因子として、アジ化ナトリウム、硝酸ナトリウム、ヒドロキシルアミン、ヒドラ
ジン、ニトログリセリン、ニトロプルシド、ニトロソ尿素、またはニトロソアミ
ンが挙げられる。グアニル酸シクラーゼを活性化することによって、これらの因
子はまた、サイクリック−GMPのレベルをも増大させる。NOレベルはまた、
NOドナーまたはNO合成酵素の刺激因子によっても増大させられ得、そしてこ
のような化合物は、本発明の方法における使用のための組成物中で有用である。
好ましいNOドナーとして、ニトロソプルシドナトリウム、ニトログリセリン、
SIN−1、イソソルビドモノニトラート、イソソルビドジニトラート、ジエチ
レントリアミン/NO,グリセロールトリニトリト(torinitrite)
、ペンタエリトリチルテトラニトリト、マンニトールヘキサニトリト、イノシト
ールヘキサニトリト、またはプロパチルニトラートが挙げられる。好ましいNO
合成酵素の刺激因子として、2−アリール−β−チオフェンが挙げられる。他の
好ましい化合物として、ニトロソ化および/またはニトロキシル化されたPDE
インヒビター、またはNOを放出するポリマー性の材料が挙げられる。上記に列
挙される2つ以上の因子の組み合わせもまた、本発明の特定の局面において意図
される。
【0024】 適用の好ましい方法として、経口および非経口的な投与(眼科的、経皮的、肺
動脈による、鼻から、頬側で、または舌下を含む)が挙げられる。より詳細には
、組成物は、溶液、ゲル、半個体、懸濁物、測定された用量デバイス、経皮パッ
チ、またはフィルムの方法によって投与され得る。
【0025】 本発明の別の局面は、以下を含有している、眼の障害の処置のためのキットを
提供する:眼の血管の血流を増大させる因子を含有している組成物を収容してい
るシールされた容器、および眼の障害を罹患している患者に対して組成物を投与
するための説明書。その結果、患者の眼の血流が増大させられる。本発明のキッ
ト中に含まれる組成物として、上記に記載されているような因子が挙げられる。
【0026】 本発明はまた、眼の健康状態を維持するための有効な処置、ならびに眼の網膜
および脈絡膜中、ならびに視神経の周辺の眼の血流を改善することによる種々の
他の眼の症状の有効な処置を提供する。
【0027】 上記の指示に加えて、本発明は、視力、対比の感受性、および周界の光感受性
を含むがこれに限定されない視覚の機能を増大させる目的のために、正常な視覚
を有している被験体に対する、本明細書中に記載されている組成物の投与を意図
する。
【0028】 (好ましい実施形態の詳細な説明) (1.眼の障害の処置のために増強された血流) 驚くべきことに、視神経およびその周辺への血流を増強する因子は、多数の眼
の障害を処置することにおいて有用であることが見出されている。脈絡膜の血流
における比較的大きな変化が、最少の視覚の機能の変化によって達成され得るこ
とが公知である。しかし、網膜の循環は、脳の中で非常に厳しく調節される。眼
の内部循環の大部分が、網膜およびその色素上皮の後に存在しているブドウ膜シ
ステムを通過する。脈絡膜の循環は、網膜のすぐ後に存在している血管のベッド
の一部であり、そして刺激に対して応答する循環容量における主要な変化を生じ
得る自律神経を含む。これは、眼の中または眼の外で生成され得る。
【0029】 視覚のプロセスは極めて複雑であるが、網膜、視神経の先端部、および視神経
線維によって保有されるシグナルが、このプロセスの最も重要な部分であると考
えられる。適切な血流は、この経路を通じて組織を育成し、そしてシグナルの伝
達を確実にする。多くの眼の障害が、数種の眼の血流の遮断またはそれに対する
障害を含むことが公知である。
【0030】 ヒトの脈絡膜(これは、網膜の外部の代謝機能をサポートする)は、拡張性の
組織であり、これは、陰茎海綿体の特定の局面と同様である。 有る窓の脈絡膜
の血管は、局所的および神経性の刺激の両方に対して高度に応答性であり、そし
てこれがその一部であるブドウ膜システムは、眼内の血液の容量の98%までを
保持し得る。脈絡膜の血流が、北米の先天性の盲目の主要な原因である黄斑変性
を減少させることが、最近、報告されている。本発明者らは、眼の血流を調節す
ることができる因子が、脈絡膜、網膜、および軸索の範囲の障害の処置において
治療的な価値があると判断した。これによって、循環の増強が、衰弱している代
謝の損傷または血管の漏出を伴うことなく達成され得ることを提供する。
【0031】 眼の血流を増大させることが有益である多数の眼の疾患が存在する。本発明の
方法は、このような眼の疾患状態を罹患している患者に対して眼の血流を増大さ
せる因子を投与する工程を包含する。表1は、本発明の方法を使用する処置によ
って恩恵を受ける多数の疾患状態を示す。
【0032】
【表1】 表1に示すように(徹底的であることは意図されない)、一般的には、増大さ
せられた眼の血流によって恩恵を受ける、眼の疾患状態の3つ広いカテゴリーが
存在する。これらは、視神経の疾患、網膜の疾患、および脈絡膜の疾患である。
これらの一般的なカテゴリーの中には、多数のさらなるカテゴリーが存在し、こ
れらは例示のために提供されるより特異的な例を含む。もちろん、当業者は、眼
の血流が本発明の方法を使用する処置によって恩恵を受ける要素である他の疾患
状態を理解している。本発明の利点は、例示の目的だけのために、脈絡膜の疾患
、年齢に関係する黄斑変性の特定の型を使用して、以下により詳細に記載される
。本発明の方法および組成物が、任意の眼の疾患状態の処置に有用であることが
理解される。
【0033】 年齢に関係する黄斑変性(ARMD)は、60歳を超える米国人の間での視覚
の喪失の主な原因である。黄斑が変性するに伴って、中心的な読む視覚が低下し
、一方、周辺の視覚はまれにしか影響を受けない。2つの形態のARMD(乾性
または萎縮性ARMD、および湿性または滲出性ARMD)が存在する。湿性の
ARMDは、異常な血管の増殖(網膜下新生血管形成)に関係し、そしてARM
D患者の間で直面される最も重篤な視覚の崩壊の高い割合の原因である。しかし
、湿性のARMDは、ARMDの症例の10%のみを計上するにすぎない。その
劇的な病理の経過のために、湿性のARMDは大きな注目を受け、そして多数の
処置様式が、この形態の疾患を軽減するために考案されており、それらのほとん
どが、レーザーまたは他の手段によって、侵害されている漏出している血管を破
壊することに向けられている。乾性のARMDは、はるかにより一般的であり、
よりゆっくりと進行し、そしてARMDの症例の90%を計上する。乾性のAR
MDの豊富な症例は、米国、欧州、オーストラリア、またはアジアの一部で、法
的に失明を宣告された個体の高い割合を構成する。さらに、湿性のARMDの症
例のうちの高い割合が、乾性のARMDとして開始する。乾性のARMDについ
ての有効な処置が長期間にわたって必要とされているにもかかわらず、本発明の
以前には利用可能な処置は存在しなかった。
【0034】 脈絡膜中の網膜の基礎をなしている血管を通じる血液の循環は、ARMDを罹
患している患者においては損傷されている(Pauleikboffら、199
0;Chenら、1990;Giovanniniら、1994;Grunwa
ldら、1994;Friedmanら、1995;Rossら、1998;C
iullaら、1999;Dontsovら、1999)。脈絡膜が網膜の外部
の光レセプターについて唯一の栄養の供給源を提供し、そして老廃物を除去する
ための唯一の手段を提供するので、この循環における減少は、身体の最も代謝的
に活性な組織の1つである黄斑に対して極度の影響を有し得る。
【0035】 ARMDにおいては、リポフスチンの蓄積、網膜外部に由来する崩壊産物の凝
集は、指状構造を形成する網膜の光レセプターと繊毛の色素上皮細胞との間の空
間に生じる。網膜の色素上皮(RPE)は、不可欠な代謝因子である。これは、
光色素を再生し、そして多くの重要な支持および輸送プロセスを行い、それによ
って網膜の機能を維持する。網膜の機能をサポートしている解剖学的なサンドイ
ッチの最も外部の層は、この高度に活性な組織複合体に栄養を供給しそしてここ
からの異化代謝産物をきれいにする高度な血管組織である脈絡膜である。リポフ
スチンは、疾患の眼においては、RPEと脈絡膜との間の空間を構築する。不完
全に崩壊されたリポフスチンに結合した色素の破片(これは、ARMDにおいて
はこの空間に蓄積する)は、絶えず占有し、そして、光の非存在下でもなお、脈
絡膜からRPEへと通過する分子エネルギーを酸化的に排出する(Sponse
lら、2000)。従って、ARMDは、一旦確立されると、ひどい病理学的ス
パイラルを従える傾向にあり、それによって最大の代謝活性の領域である黄斑を
選択的に罹患させる。
【0036】 失明の他の主要な原因である、湿性のARMD,近視性変性、または糖尿病に
よる網膜障害は、網膜の物質の後またはその中での異常な血管の形成によって特
徴付けられる。新しい異常な血管(これは、これらの症状の典型である)は、局
所的に放出されたホルモン因子の作用を通じて増殖する。ホルモン因子は、眼の
内部での弱められた循環に応答して放出される。このような血管は、それらが形
成された後もなお、周辺組織において不適切に持続している循環を維持すること
によって、ただ維持される。代謝性の組織の要求、栄養の供給、および異化代謝
物のクリアランスの間の平衡の正常化によって、これらの漏出しておりそして失
明の可能性がある異常な血管の退行を生じる。従って、網膜および脈絡膜中の血
流を増大させる本発明の方法および組成物は、湿性のARMDおよび増殖性の糖
尿病による網膜障害の後期の段階を処置することにおいて恩恵を受けると予想さ
れる。さらに、前増殖性(preproliferative)の糖尿病および
乾性のARMDを有する危険のある個体の適時の処置が、本明細書中に記載され
るように、これらの疾患の血管新生段階への進行を防ぐことが予想される。
【0037】 (2.血流を増強する因子) 本発明は、眼の血流を増大させること(特に、眼の網膜中で)が、眼の健康状
態を維持するため、およびそれらの病因において不適切な血管の血流を有してい
る種々の眼の障害(例えば、黄斑の浮腫および黄斑変性)を処置するための、安
全でありそして有効な方法であるという発見に基づく。正確な理論は完全には理
解されていないが、眼の網膜および脈絡膜の内部およびそれらへの改善された(
すなわち増大させられた)血流は、網膜および視神経の健康状態を大きく改善し
得、次いで黄斑の浮腫、黄斑変性、および他の眼の障害を効率よく防止する。
【0038】 酵素グアニル酸シクラーゼが、グアニジン三リン酸(GTP)のサイクリック
−GMPへの転換を触媒することは公知である。グアニル酸シクラーゼが活性化
されると、サイクリック−GMPレベルが増大する。Muradらは、窒素を含
有している化合物(例えば、アジ化ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、およびヒド
ロキシルアミン)を、グアニル酸シクラーゼを活性化するために使用し、そして
これらの化合物が活性な中間体である一酸化窒素(NO)に転換されることを発
見した。一酸化窒素は、グアニル酸シクラーゼの活性化、および続くGTPから
サイクリック−GMPへの転換に直接関係する。従って、中間体NOの形成を通
じてグアニル酸シクラーゼを活性化し、それによってNOレベルを増大させ、続
いてサイクリック−GMPレベルを増大させ、そして眼の血管の血流を増大させ
る因子は、本発明の方法において特に有用である。本発明の組成物は、グアニル
酸シクラーゼを活性化する1つ以上の因子を含み得る。
【0039】 上記に記載されているように、サイクリック−AMPもまた、血管の血流を増
大させることが公知である。しかし、これは、サイクリック−GMPのものとは
有意に異なる経路を通じて作動する。簡潔には、特定のアドレナリン作動性の薬
物がサイクリック−AMPの産生を媒介し、それによって眼内圧を低下させ、そ
して血管の血流を増大させる。従って、この作用機構は、本明細書中に記載され
ているように、眼の血管の血流の刺激においてサイクリック−GMPに続く経路
とは有意に異なる。
【0040】 その上、グアニル酸シクラーゼを活性化する因子(例えば、アジ化ナトリウム
、亜硝酸ナトリウム、またはヒドロキシルアミン)が上記に記載されているが、
グアニル酸シクラーゼを活性化し、NOレベルを増大させ、そして/またはサイ
クリック−GMPレベルを増大させる他の因子もまた、眼の血流を増大させ、そ
して視覚を改善する。他のグアニル酸シクラーゼ活性化因子として、ヒドラジン
、ニトログリセリン、ニトロプルシド(nitroprusside)、ニトロ
ソ尿素、またはニトロソアミンが挙げられる。
【0041】 NOレベルを増大させる因子として、一酸化窒素のドナーであり、一酸化窒素
シンターゼを刺激するか、または一酸化窒素の利用能力または寿命を増大させる
、因子が挙げられる。一酸化窒素シンターゼを刺激する因子として、例えば、米
国特許第5,811,437号に記載されている(本明細書中に参考として援用
されている))2−アリール−β−チオフェンまたは他の化合物(例えば、米国
特許第5,478,946号に記載されている(本明細書中に参考として援用さ
れている)が挙げられる。一酸化窒素のドナーである因子として、ニトロプルシ
ドナトリウム、ニトログリセリン、SIN−1、イソソルビドモノニトレート、
イソソルビドジニトレート、ジエチレントリアミン/NO、グリセロールトリニ
トライト、ペンタエチルトリチルテトラニトライト(pentaerytrit
yl tetranitrite)、マンニトールヘキサニトライト、イノシト
ールヘキサイトライト、またはプロパチルニトレートが挙げられる。本発明の組
成物において有用である他の化合物として、ニトロソ化/およびニトロシル化さ
れたPDEインヒビター(例えば、米国特許第5,958,926号および同第
5,874,437号に記載されている(それぞれが、本明細書中で参考として
援用されている))、またはNOを放出するポリマー性の材料(例えば、米国特
許第5,994,444号および同第5,770,645号に記載されている(
それぞれが、本明細書中で参考として援用されている))が挙げられる。本発明
の組成物は、NOレベルを増大する1つより多くの因子を含み得る。
【0042】 サイクリック−GMP PDE(単数または複数)の阻害(特に、5型および
6型のPDEの阻害)が、サイクリック−GMP(cGMP)のレベルの増大を
促進することもまた、公知である。これは次いで、ブドウ膜システム中の血流の
増大を促進する。これは、網膜中および視神経の周辺組織における増大させられ
た血流の速度によって特徴付けられる。従って、サイクリック−GMP PDE
(単数または複数)を阻害する因子もまた、本発明の方法において有用である。
本発明の組成物は、1つより多くのサイクリック−GMP PDE(単数または
複数)のインヒビターを含み得る。
【0043】 ザプリナストおよびジピリダモールは、両方とも、5型のPDEファミリーの
インヒビターであることが公知であり、従って、本発明の方法において眼の血流
を増大させるように作用すると予想される。本発明の方法において有用である他
のPDEインヒビターとして、フィラミナスト、デンブフィレン、ピクリマリス
ト(piclimalist)、ペントキシフィリン、カルボリン誘導体(例え
ば、米国特許第6,043,252号に記載されている(本明細書中で参考とし
て援用されている))、ピリドカルバゾール誘導体(例えば、米国特許第6,0
18,046号に記載されている(本明細書中で参考として援用されている))
、またはキノゾリノン化合物(例えば、米国特許第6,087,368号に記載
されている(本明細書中で参考として援用されている))が挙げられる。
【0044】 本発明の組成物が任意の上記の因子の組合せを含み得ることもまた、理解され
る。
【0045】 本発明の方法における使用について特に好ましい化合物の以下のより詳細な考
察は、例示の目的のみのために提供され、本発明の範囲を限定するようには意味
されない。当業者は、上記の因子および他の同様に作用する因子が、本発明の方
法において有用であることを認識する。
【0046】 本発明に従う使用に特に好ましい化合物は、シルデナフィル(sildena
fil)(好ましくは、クエン酸塩)である。シルデナフィルは、平滑筋の弛緩
を生じ、そして血流を増大させることが公知であり、そしてサイクリックグアノ
シン一リン酸(cGMP)特異的5型PDE(PDE5)の選択的なインヒビタ
ーである。クエン酸シルデナフィルは、1−[3−(6,7−ジヒドロ−1−メ
チル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾール[4,3−d]ピリミジン
−5−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル−4−メチルピペラジンシト
レートとして化学的に表され、そして以下の構造式を有する:
【0047】
【化1】 クエン酸シルデナフィルは、水中で3.5mg/mLの水可溶性、および66
6.7の分子量を有する白色からオフホワイトの結晶性の粉末である。クエン酸
シルデナフィルは、最も最近では、勃起不全の経口治療のための基剤として利用
されており、そしてPfizer Labsによって登録商標Viagra(登
録商標)のもとで販売されている。シルデナフィルの良性の視覚の副作用(例え
ば、視覚における青色の移動、光感受性、およびいくつかの患者において生じる
と報告されている不鮮明)に関する刊行物により、FDAが、製品に警告書を挿
入するように強く要求した。
【0048】 これらの副作用にもかかわらず、本発明者らは、シルデナフィルが、適切な設
定で治療上で有利であり得ると仮定した。サイクリック−GMPレベル(強力な
血管拡張因子)の上昇は、PDE活性に対するシルデナフィルの影響によっても
たらされる。この機構(すなわち、細胞内サイクリック−GMPに対するPDE
インヒビターの局所的な影響)および可能性のある中心的に媒介される神経形成
の効果を認識することによって、本発明者らは、シルデナフィルが脈絡膜の血流
において有意な増大をおそらく媒介し得ると理由づけた。従って、視覚および眼
の血液における変化を、1ダースの臨床的なボランティアの間で、シルデナフィ
ルの1回の50mgの経口用量の摂取の前および後で評価した。脈絡膜の循環お
よび高度な解像の中心的な視覚の機能の両方が、経口のシルデナフィルによって
実質的に増大させられたことが明らかになった。
【0049】 拍動性の眼の血流における有意な増大(+29%;916+/−103から1
185+/−158μl/分;p≦0.02)および対比感受性(+34%;9
2+/−11から122+/−11対数単位;p≦0.01)が、シルデナフィ
ルの投与後110+/−8分で存在した。網膜の微小循環は、9の眼のうちの7
において増大した。ここでは、安定な走査が存在した(+8%;p≦0.09)
。視野計測の結果は有意には変化せず、平均の収縮期および拡張期の血圧、全身
の脈拍の大きさ、および眼内圧も変化しなかった。いずれの被験体も、任意の主
観的な視覚の症状を報告しなかった(Sponselら、2000)。
【0050】 拍動性の眼の血流は、脈絡膜の循環の心臓同調充填の結果として生じる。ここ
では、眼の血液の容量の大部分が見られる。シルデナフィルの投与後の拍動性の
脈絡膜の血流における増大は、おそらく、脈絡膜の血管の拡張に起因した。なぜ
なら、眼内圧または全身の脈拍の大きさ、他の脈絡膜の血流の主要な決定因子に
は変化がなかったからである。
【0051】 勃起不全の治療方法としてのクエン酸シルデナフィルの使用に関連する機構は
、本発明の方法におけるその有効な使用を説明し得る。ペニスの勃起の生理学的
な機構は、性的な刺激の間の陰茎海綿体中での一酸化窒素(NO)の放出に関係
する。次いで、NOは、酵素グアニル酸シクラーゼを活性化し、これは、サイク
リックグアノシン一リン酸(cGMP)の増大したレベルを生じ、それによって
陰茎海綿体中での平滑筋の弛緩を生じ、そして血液を流入させる。シルデナフィ
ルは、単離されたヒトの陰茎海綿体に対しては直接弛緩効果は有さないが、5型
のPDE(PDE5)(これは、陰茎海綿体中のcGMPの崩壊に応答する)を
阻害することによって一酸化窒素(NO)の効果を増強する。性的な刺激がNO
の局所的な放出を生じると、シルデナフィルによるPDE5の阻害は、陰茎海綿
体中のcGMPのレベルを増大させ、それによって平滑筋の弛緩を生じ、そして
陰茎海綿体へ血液を流入させる。
【0052】 インビトロでの研究(Pfizerによる)は、シルデナフィルがPDE5に
ついて選択的であることを示す。この効果は、他の公知のPDEよりもPDE5
についてより強力である(PDE6について>10倍、PDE1について80倍
、PDE2、PDE3、およびPDE4について>1000倍)。PDE3に対
してPDE5についての約4000倍の選択性が、重要である。なぜなら、PD
E3は心臓の収縮性の制御に関与しているからである。
【0053】 (3.眼の疾患状態の処置における使用のための処方物) 本発明の方法における使用のための因子は、経口的に、全身的に送達され得る
か、または眼に対する直接的な局所適用のために処方され得る。用語「適用」の
使用は、本明細書中では、任意の送達の方法について言及する。これは、経口、
全身的、局所的、またはそれ以外を含む。これらの送達システムは、視神経およ
び網膜の血流の速度を増大させる目的のために眼に対して本発明の方法における
使用のための組成物を投与するために有効である。本発明に従うと、組成物が溶
液、ゲル、半固体、懸濁物、測定された用量デバイス、経皮パッチ、またはフィ
ルムの方法で投与され得ることが明らかである。他の送達手段もまた、意図され
る。クエン酸シルデナフィルの投与経路は、例えば、代表的には経口および非経
口(眼科的、経皮的、肺循環、鼻、頬、舌下を含む)である。
【0054】 本発明の方法における使用に好ましい組成物は、代表的には、溶液、ゲル、半
固体、懸濁物、測定された用量デバイス、経皮パッチ、またはフィルムを含むが
、必ずしもこれらの限定されない。これらは、例えば、眼の血流を増強する因子
、緩衝システム(例えば、塩酸、水酸化ナトリウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム
、酢酸、酢酸ナトリウム、ニリン酸ナトリウム、一塩基のリン酸ナトリウム、ニ
塩基のリン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸ナトリウム(sodium
acid phosphate)、リン酸ニナトリウム、チオ硫酸ナトリウム;
それぞれ0.1〜5%など)、保存システム(例えば、塩化ベンズアルコニウム
、0.01〜5%、塩化ベンズトニウム、0.01〜5%、クロロブタノール、
0.01〜5%、メチルパラベン、0.01〜5%、プロピルパラベン、0.0
1、フェニルマーキュリックアセテート、0.01〜5%、フェニルマーキュリ
ックニトレート、0.01〜5%、、チメロサール、0.01、ソルビン酸、0
.01〜5%、過ホウ酸ナトリウム、0.01〜5%、ベンジルアルコール、0
.01〜5%など)、吸収増強剤システム(例えば、ポリソルベート 80、0
.005〜6%、トコフェロール TPGS、0.01〜10%、チロキサポー
ル、0.005〜6%など)、安定剤システム(例えば、アスコルビン酸、0.
01〜5%、トコフェロール、0.01〜5%、エチレンジアミン四酢酸ニナト
リウム、0.01〜5%、エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム、0.01〜5
%など)、界面活性剤システム(例えば、ポリソルベート 80、0.005〜
6%、チロキサポール、0.005〜6%、ポロキサマー、0.5〜10%など
)、粘性増大システム(例えば、ポリビニルアルコール、0.5〜5%、ポリエ
チレングリコール、0.5〜5%、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、0.
5〜5%、ポビドン、0.5〜5%、ヒドロキシエチルセルロース、0.5〜5
%、メチルセルロース、0.5〜5%、デキストラン、0.5〜5%、アカシア
、0.5〜5%、白色ワセリン、50〜99.9%、ミネラルオイル、1〜8%
、ラノリン、1〜8%、プロピレングリコール、1〜20%、グリセリン、1〜
20%、カルボポール、1〜10%、カルボキシメチルセルロース、0.5〜5
%、ラノリンアルコール、0.5〜5%など)、ゲル化システム(例えば、カル
ボポール、1〜10%、ポリビニルアルコール、0.5〜5%、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、0.5〜10%、ヒドロキシエチルセルロース、0.5〜10
%、メチルセルロース、0.5〜10%、ポロキサマー、0.5〜10%、ポリ
アクリルアミド、0.5〜10%、ヒアルロン酸、0.5〜10%、ゲランガム
、0.5〜10%、ペクチン、0.5〜10%など)、浸透圧調節システム(塩
化カリウム、0.2〜0.9%、塩化ナトリウム、0.2〜0.9%、塩化マグ
ネシウム、0.2〜0.9%、塩化カルシウム、0.2〜0.9%、硫酸亜鉛、
0.2〜0.9%、ポリエチレングリコール、0.2〜0.9%、ホウ酸、0.
2〜0.9%など)、およびビヒクル(例えば、水、白色ワセリン;それぞれ5
〜99.9%)を含む。
【0055】 本発明での使用のためのいくつかの組成物は、上記に列挙したエレメントの全
てを含み得るが、他の有用な組成物は、上記に列挙したエレメントの全てよりも
少ないものを含み得る。これは、一般的には、安定性、保存性、貯蔵寿命などを
増大させるように作用する。例えば緩衝システムおよびビヒクルを伴う、眼の血
流を増強する(すなわち、NOを増大させること、サイクリック−GMPを増大
させること、および/またはcGMP PDEを阻害することによって)化合物
を含有している組成物が有用であり得ると予想され得る。あるいは、粘性を増大
させるシステムおよび浸透圧を調節するシステムともに、眼の血流を増強する化
合物を含有している組成物が有用であり得る。これらの例は、特定の好ましい実
施態様の説明として意図され、そしていかなる方法においても、本発明の範囲に
ついて徹底的であるかまたは限定的であるとは意味されない。
【0056】 好ましい組成物は、上記に記載されているような、経口または眼科用の調製物
中にクエン酸シルデナフィルを含む。クエン酸シルデナフィルが経口によって投
与される実施態様については、クエン酸シルデナフィルは、代表的には、用量あ
たり約5mgから約500mgの間の範囲の量で存在する。より好ましくは、経
口用量は、約10mgから約400mgの間のクエン酸シルデナフィル、または
約15mgから約300mgの間のクエン酸シルデナフィル、または約20mg
から約250mgの間のクエン酸シルデナフィル、または約25mgから約20
0mgの間のクエン酸シルデナフィルを含む。最も好ましくは、経口用量は、約
50から約100mgの間のクエン酸シルデナフィルを含む。例えば、約5mg
から約500mgの間の範囲が、その範囲内の全ての一体化された量(すなわち
、6mg、7mg、8mg、9mgなど、30mg、31mg、32mg、33
mgなど、45mg、46mg、47mg、48mg、49mgなど、55mg
、56mg、57mg、58mgなど、75mg、76mg、77mg、78m
gなど、101mg、102mg、103mg、104mgなど、150mg、
151mg、152mg、153mgなど、201mg、202mg、203m
g、204mgなど、220mg、221mg、222mg、223mgなど、
450mg、451mg、452mg、453mgなど、475mg、476m
g、477mg、478mg、479mgなど)を含むことが、理解される。
【0057】 本発明の好ましい眼科用調製物は、一般的には、例えば、約0.001%から
約20%(容量あたりの重量)の間の濃度で(その範囲内の全ての量を含む)、
クエン酸シルデナフィルを含む。より好ましくは、クエン酸シルデナフィルは、
約0.01から5%の間の濃度で眼科用調製物中に存在し、そして最も好ましく
は、本発明の眼科用調製物は、約1%のクエン酸シルデナフィルを含む。もちろ
ん、当業者は、記載される範囲が、その範囲内の全ての量(すなわち、0.02
%、0.03%、0.04%など、0.1%、0.11%、0.12%など、0
.2%、0.3%など、1%、1.1%、1.2%、1.3%、1.4%など、
4.0%、4.1%、4.2%、4.3%、4.4%、4.5%、4.6%、4
.7%、4.8%、4.9%など、15%、16%、17%、18%、19%な
ど)を含むことを理解する。
【0058】 所望される場合は、測定された用量を送達するための便利な様式は、噴霧剤シ
ステムを用いて加圧されたデバイスの使用を通じるか、または水性のポンプスプ
レーによって送達される。噴霧剤システムとして、1,1,1,2−テトラフル
オロエタン(30〜99.9%)、および/または1,1,1,2,3,3,3
−ヘプタフルオロプロパン(30〜99.9%)、または他の公知の噴霧剤が挙
げられる。使用される場合は、代表的にエタノールが、補助溶媒(0.5〜5%
)として使用されるが、他の溶媒もまた、本発明の方法と組合せて有用であり得
る。好ましい噴霧剤によって加圧された測定された用量吸入装置についての平均
の液滴の大きさの分布は、2〜5ミクロンであり、そして鼻用の加圧された測定
された用量吸入装置についての好ましい平均の液滴の大きさの分布は、10〜2
0ミクロンである。
【0059】 処方のための例示的なプロセスは以下のとおりである: 溶液処方物については、眼の血管の血流を増強する因子(例えば、クエン酸シ
ルデナフィル(3.5mg/mlの可溶性))の量が、ビヒクルの一部に溶解さ
せられる。ビヒクルは、ビヒクル中の薬物(眼の血管の血流を増強する因子)の
可溶性を増大させるための補助溶媒システムを含む。溶液のpHが調節され、そ
して溶液が緩衝化される。溶液は保存され、そして弾力性が調節される。溶液の
粘性は、粘性を増大させる因子を添加することによって調節される。溶液の最終
的な容量は、ビヒクルの残りを使用して調節される。溶液は、薬物の実態の安定
性、および最終産物の完全性を最適化するために、適切な容器/閉包システム中
にパッケージされる。
【0060】 ゲル処方物については、ゲル化剤が、水のアリコートの中に溶解させられる。
水の別々の部分中に、薬物、保存料、安定剤、緩衝剤、および浸透圧調節剤が溶
解させられる。この混合物は、ゲルと混合され、そして均質になるまで攪拌され
る。温度は、混合プロセスを促進するために上昇させられ得る。より高い剪断能
力のホモジナイザーが、ゲル処方物を調製するために好ましい。薬物を含有して
いるゲルが、薬物の実態の安定性、および最終産物の完全性を最適化するために
、適切な容器/閉包システム中にパッケージされる。
【0061】 半固体の処方物については、ビヒクルは、少ない熱量を使用して加熱され、そ
して保存料が、融解したビヒクル混合物に対して添加される。次いで、薬物が、
融解したビヒクル混合物中への持続的な混合を用いて取りこまれ、そして250
0〜5000psiでホモジナイズされる。調製物は、熱源から移動させられ、
そして固まるまで室温で混合されつづける。最終的な半固体は、薬物の実態の安
定性、および最終産物の完全性を最適化するために、適切な容器/閉包システム
中にパッケージされる。
【0062】 懸濁処方物については、過度の溶解度(例えば、クエン酸シルデナフィルの3
.5mg/ml以上)のミクロナイズされた因子の量が、界面活性システム、保
存システム、緩衝システム、浸透圧調節システム、および粘性増大システムを含
有している水性のビヒクルに対して添加される。懸濁物は、高度な剪断能力の混
合装置(圧力5000psi)を使用して、薬物が均質に分散されるまで分散さ
せられる。眼の血管の血流を増強する因子を含有している最終的な懸濁物が、薬
物の実態の安定性、および最終産物の完全性を最適化するために、適切な容器/
閉包システム中にパッケージされる。
【0063】 組成物を含有している容器/閉包システムが、眼の血流を増大させるために有
用な投与のための説明書とともにキット中に含まれることが、意図される。説明
書は、代表的には、投与量、適用、頻度、および本発明の方法を実行するための
他の関連する情報についての指針を含む。
【0064】 フィルム処方物(眼、皮膚、頬の窩への送達のため)が、ホットメルト押出し
、キャストフィルム法、または薄いフィルムの形成のために適切な他の方法によ
って調製される。好ましい方法は、眼の血管の血流を増強する因子(例えば、ク
エン酸シルデナフィル)を熱可塑性ポリマーの混合物と混合すること、および適
切な押出機を通じる薬物を含有している塊のホットメルト押出しである。フィル
ムの厚みは、処方物の成分によって、そして押出機のパラメーターを操作するこ
とによって処理される。薬物を含有しているフィルムは、眼科用、頬、または経
皮での適用のために適切な大きさに切断され、そして薬物の実態の安定性、およ
び最終産物の完全性を最適化するために、適切な容器/閉包システム中にパッケ
ージされる。
【0065】 再び、容器/閉包システム中にパッケージされたフィルムが、本発明によって
意図されるように、眼の血流を増大させるためにかまたは黄斑障害などを処置す
るために有効なフィルムの適用のための説明書とともに、キット中に含まれ得る
。説明書は、代表的には、フィルムの適用の位置、適用頻度、適用の期間などの
ような情報を含む。説明書は、フィルムを包んでいる容器/閉包システムの外側
に印刷され得るか、またはフィルム容器/閉包システムとは別にキット中に含ま
れ得る。
【0066】 加圧された測定された用量吸入器については、眼の血管の血流を増強する因子
(例えば、クエン酸シルデナフィル)は、「薬物濃縮物」を産生するようにエタ
ノールと混合され、そして薬物濃縮物のアリコートが、エポキシで裏張りされた
アルミニウム缶(または裏張りされたI型のガラスバイアル)中に分配される。
測定値(好ましくは、20〜150マイクロリットル)が、缶の頚部に形付けら
れる。噴霧剤システムは、その値まで満たされる。小さな缶が、作動装置ととも
に組合せられる(肺については経口;鼻への送達については鼻;眼への送達につ
いては眼科的)。あるいは、眼の血管の血流を増強する因子(例えば、クエン酸
シルデナフィル)が、ポンプを使用して測定された用量の水性の分散物中で投与
される。薬物は、界面活性剤および水と混合される。薬物を溶解させるための混
合の後、粘性を増大させる因子が添加され、そして混合物が攪拌される。保存シ
ステムが分散され、そして混合物が攪拌される。薬物処方物は、容器(高密度の
ポリエチレン)中に満たされ、そしてポンプがねじ込まれる。
【0067】 以下の実施例は、本発明の好ましい実施態様を示すために含まれる。以下の実
施例において開示される技術が、本発明を実施するための十分に機能することが
本発明者らによって発見され、そして従って、その実施のための好ましい態様を
構成すると考えられ得ることが、当業者に明らかであるはずである。しかし、当
業者には、本発明の開示を参照して、多くの変更が開示されている特異的な実施
態様の中で行われ得、そしてなお、本発明の精神および範囲を逸脱することなく
、同様または類似の結果を得ることが明らかである。
【0068】 (実施例1) 右眼に極端な中心部周辺の視野の喪失および脈絡膜の陥没性の視神経病を有す
る63歳の男性は、Humphrey 30−2 SITA−標準試験で彼の右
の一時的な(inferiotemporal)視野暗点の新しい拡張を発症し
た。この試験では、その四分円の黄斑の領域に14デシベルの限界を分割固定し
た。患者に、1ダース以上の事前のHumphrey視野試験を受けさせた。こ
れは、薬物投与を伴わずに、6〜10mmHgまでの眼内圧(IOP)を維持し
ているにもかかわらず、視野の喪失の永久的な進行を示している。鼻の頭部から
中心部周辺の右回りの限界は、26、26、14、および25dBであった(図
6A)。
【0069】 視野および対比感受性試験を行ったすぐ後に、患者に一回に50mgの経口用
量のクエン酸シルデナフィル(Viagra(登録商標))を与え、そして11
0分後にこれらの視覚の試験を繰り返した。中心部周辺の視野の欠損の劇的な消
失が存在した。これは、14から23デシベルの限界にまで増大した。中心部周
辺の限界値は右回りに進むと、28、29、23、および26dBであり、平均
の増大は黄斑の領域の位置については3.75デシベルであり、光感受性におい
てほぼ10倍増大した(図6B)。
【0070】 シルデナフィルの投与の前および後で行った中心部の網膜の対比感受性測定は
また、明らかな改善を示した。1秒あたり15回の反転で、1度(cpd)あた
り1から4サイクルの7度のサインの波のパターン(NeuroScienti
fic)を、シルデナフィルの前および後で示した。両方の眼の対比感受性測定
の訓練の3回の完全な設定を、試験の前に行った。それぞれ、5.8および44
.0の低い限界値が、薬物を投与される前の中心部周辺の視野の喪失(OD)を
有する眼において1および4cpdで得られた。その後の眼の限界値は、それぞ
れ、10.0および92.3であった。経口のシルデナフィルの投与の110分
後、左眼の測定値ははっきりと一定であったが、中心部周辺に視野の喪失(OD
)を有している眼は、1および4cdpでそれぞれ、31.2および92.3に
劇的に増大した。IOPおよび血圧は変更されなかった。
【0071】 (実施例2) 別の患者である、機敏な78歳の退職した血管外科の教授に、拍動性の眼の血
流の測定、およびHumphrey 10−2視野分析を、50mgの経口のシ
ルデナフィルの摂取前およびその1時間後に受けさせた。彼のより病気が進行し
ている右眼においては、全体的な鼻の上部の視野は、非機能的な完全な暗点であ
り、一時的な四分円の位置の17のうちの10もまた、ゼロの限界値を有した(
図7A)。右の鼻の上部から黄斑の領域までに伸びるの視覚の機能のほぼ全てが
、機能していないことに注目する。
【0072】 この眼の中の患者の拍動性の眼の血流(POBF)は、すでにかなり高く、1
554μl/分であった。シルデナフィルの摂取の1時間後、彼の右眼のPOB
Fは、1975μl/分に増大した。以前は失明していた鼻の上部の四分円は、
ここでは、水平方向の経線の上部の中心の6度を横断して、26、28、および
27デシベルの視覚の限界値を有する連続している位置を示し、そして一時的な
位置の17のうちの16が、ここでポジティブな限界を有し、そしてそのうちの
15が二桁であった(図17B)。
【0073】 (実施例3) 極めて明らかであるように、クエン酸シルデナフィルは、経口的に投与された
場合にもなお、血流および視覚の機能に対して、非常に簡潔な期間でポジティブ
な影響を与え得る。薬物を含有している組成物の局所的な適用によって、同様の
驚くべき結果が得られた: 正常な視覚の機能、細隙灯、および基底部の所見を有している45歳の男性に
、Humphrey 10−2 全限界中心視野分析および対比感受性試験(1
秒あたり15回の反転で、1度あたり1から4サイクルの7度のサインの波のパ
ターン;NeuroScientific)を受けさせた。被験体に、多数回の
事前のHumphrey視野試験および対比感受性試験を受けさせ、反復試験に
対する予想される任意の有意な学習効果の見込みを排除した。
【0074】 基底の視野試験および対比感受性試験を行ったすぐ後に、彼に、彼の右眼には
、マスクされた様式の1滴の人工的な涙の溶液を、そして左眼には、1滴のシル
デナフィル溶液(シルデナフィル 1%(pH8.0に緩衝化したSchein
の人工的な涙の溶液中に10mg/ml))を受容させた。彼は、いずれの一滴
についても不快感を報告しなかった。そして、眼がどの因子を受容したかは知ら
なかった。彼に、眼滴を受けた100分後に、両方の眼において視覚の機能の試
験を繰り返した。
【0075】 シルデナフィルを受容した眼においては、中心部周辺の対比感受性において劇
的な増大が存在したが、偽処置した眼の機能は、比較的一定のままであった。1
度の刺激あたり1サイクルについての対比感受性(CS)比は、処置前には、右
眼においては203であり、そして左眼においては235であった。偽処置した
右眼は、100分後には235のCS比を有したが、シルデナフィルで処置した
眼は、317のCS比(p<0.0001)を有した。シルデナフィルを用いた
1度の刺激あたり4サイクルについてのCS比における増大は、同様に印象的で
あり、処置の100分後には、シルデナフィルで処置した左眼の581に対して
、偽処置した右眼は194の値を有した(p<0.0001)。
【0076】 Humphrey 10−2視野は、同様の現象を示した。左眼は処置の前の
右眼よりも低い光感受性を有しているにもかかわらず、これは、局所的なシルデ
ナフィルを受容した100分後には、右眼よりも有意に高い網膜の光感受性を示
した。左眼の10度の視野についての予備処置の平均限界値は、31.2(+/
−0.19)デシベルであった;シルデナフィルの眼滴の適用の100分後には
、これは、32.7(+/−0.17)デシベル(p<0.0001)に増大し
、70%の増加であった。眼内圧は、両方の眼において約100mmHgのまま
であり、そして実験期間の合間には上昇しなかった。引き出された有害な影響ま
たは有意な視覚の症状はなく、そして眼の外観、瞳孔の直径、結膜および角膜の
外観は、両方の眼において対称でありそして正常であった。
【0077】 (実施例4) 図1Aおよび図1Bは、スキャンレーザードップラーベロシメトリ(scan
ning laser doppler velocimetry)を使用して
測定した、網膜の血流および血液の速度における増大を示す3人の患者からの患
者のデータを示す。このデータは、50mgの経口のクエン酸シルデナフィル(
Viagra(登録商標))の投与から約85分までの時間の期間にわたる増大
を示す。図1Aは、経時的な3人の試験被験体についての、Heidelber
g Retinal Flowmetry(HRF)によって測定した、網膜の
血流のグラフである。図1Bは、経時的な、3人の被験体についての、Heid
elberg Retinal Flowmetry(HRF)によって測定し
た、網膜の血液の速度のグラフである。
【0078】 (実施例5) 図2Aおよび図2Bは、50mgの経口のクエン酸シルデナフィル(Viag
ra(登録商標))の投与後の約75分から125分までの時間の期間にわたる
対比感受性における増大を示す、2人の患者によるデータを示す。図2Aは、2
人の被験体についての、経時的な、4.26 SF cpd対比感受性(視覚お
の機能)のグラフである。図2Bは、2人の試験被験体についての、経時的な、
8.53 SF cpd対比感受性(中心の黄斑の視覚の機能)のグラフである
【0079】 (実施例6) 図3Aおよび図3Bは、2人の別々の個体についての視野応答における改善を
示す。この報告は、基底(それぞれの図の左側)および50mgの経口のクエン
酸シルデナフィル(Viagra(登録商標))の投与後の両方を示す。図3A
は、第1の試験被験体についての基底(左)および適用後(右)の状態について
の、Humphrey Frequency Doubling Techno
logy(FDT)の視野の報告を提供する。図3Bは、第2の試験被験体につ
いての基底(左)および適用後(右)の状態についての、Humphrey F
requency Doubling Technology(FDT)の視野
を提供する。
【0080】 (実施例7) 図4A、4B、5A、および5Bは、50mgのクエン酸シルデナフィル(V
iagra(登録商標))の投与から約100から200分までの時間の期間に
わたる、他の関連する眼のデータを示す、2人の患者による患者のデータを示す
。図4Aは、経時的な、2つの試験被験体についての、拍動性の眼の血流(OB
F)のグラフである。図4Bは、経時的な、2つの試験被験体についての、OB
Fに付随して測定した眼内圧のグラフである。図5Aは、経時的な、2つの試験
被験体についての、青色の領域の密度(黄斑の周辺の網膜の毛細血管の循環容量
)のグラフである。図5Bは、経時的な、2つの試験被験体についての、青色の
領域の平均速度(黄斑の周辺の網膜の毛細血管の循環速度)のグラフである。
【0081】 本発明は、特異的な実施態様を参照して記載されているが、この記載が、限定
的な意味に解釈されるようには意図されない。開示されている実施態様の種々の
改変、ならびに本発明の別の実施態様が、本発明の記載を参照して当業者に明ら
かとなる。
【0082】 (参考文献) 以下の参考文献は、それらが本明細書中で示される例示的な手順または他の補
助的な詳細を提供する程度に、本明細書中で特異的に参考として援用される。
【0083】
【数1】 以下の図面は、本明細書の一部を形成し、そして本発明の特定の局面をさらに
実証するために含まれる。本発明は、本明細書中に示される特異的な実施形態の
詳細な説明と組合せて、1つ以上のこれらの図面を参照して良好に理解され得る
【図面の簡単な説明】
【図1A】 図1Aは、経時的な3つの試験被験体についての、Heidelberg R
etinal Flowmetry(HRF)によって測定した、網膜の血流の
グラフである。
【図1B】 図1Bは、経時的な3つの試験被験体についての、Heidelberg R
etinal Flowmetry(HRF)によって測定した、網膜の血液の
速度のグラフである。
【図2A】 図2Aは、経時的な2つの試験被験体についての、4.26 SF cpd対
比感受性(視覚の機能)のグラフである。
【図2B】 図2Bは、経時的な2つの試験被験体についての、8.53 SF cpd対
比感受性(中心の黄斑の視覚の機能)のグラフである。
【図3A】 図3Aは、第1の試験被験体の基底(左)および適用後(右)の状態について
の、Humphrey Frequency Doubling Techno
logy(FDT)の視野報告を提供する。
【図3B】 図3Bは、第2の試験被験体についての基底(左)および適用後(右)の状態
についての、Humphrey Frequency Doubling Te
chnology(FDT)の視野報告を提供する。
【図4A】 図4Aは、経時的な、2つの試験被験体についての、拍動性の眼の血流(OB
F)のグラフである。
【図4B】 図4Bは、経時的な、2つの試験被験体についての、OBFに付随して測定し
た眼内圧のグラフである。
【図5A】 図5Aは、経時的な、2つの試験被験体についての、青色の領域の密度(黄斑
の周辺の網膜の毛細血管の循環容量)のグラフである。
【図5B】 図5Bは、経時的な、2つの試験被験体についての、青色の領域の平均速度(
黄斑の周辺の網膜の毛細血管の循環速度)のグラフである。
【図6A】 図6Aは、Humphrey視野試験であり、これは、薬物投与を伴わずに6
〜10mmHgまでの眼内圧(IOP)を維持しているにもかかわらず、永久的
な視野の喪失の進行の程度を示す。鼻の上部から右回りに中心部周辺の限界は、
26、26、14、および25dBであった。
【図6B】 中心部周辺の限界値の右回りの進行は、28、29、23、および26dBで
あり、黄斑の領域の場所については3.75デシベルの平均増加、光感受性にお
いてほぼ10倍の増大であった。
【図7A】 図7Aは、50mgの経口でのシルデナフィルの摂取の前および1時間後の、
Humphrey 10−2視野試験である。
【図7B】 図7Bは、Humphrey視野試験であり、これは、26、28、および2
7デシベルの視覚の限界が水平の経線上の中心の6度を通過すること、および1
7のうちの16の上部の一時的な場所が、ここでポジティブな限界を有し、その
うちの15が二桁であったことを示す。
【手続補正書】
【提出日】平成14年3月15日(2002.3.15)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6A
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図6A】
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図6B
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図6B】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7A
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図7A】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7B
【補正方法】変更
【補正の内容】
【図7B】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/519 A61K 31/519 A61P 27/02 A61P 27/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN,YU, ZA,ZW Fターム(参考) 4C076 AA07 AA09 AA12 AA22 AA72 BB01 BB11 BB31 CC10 4C086 AA01 AA02 CB06 MA01 MA04 NA14 ZA33

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 眼科的に受容可能なキャリアおよび眼のサイクリック−GM
    Pのレベルを増大させるために有効な量でサイクリック−GMPを上昇させる因
    子を含有しており、それによって眼の血流を増大させる、眼の血流を増大させる
    ことにおける使用のための、眼科用調製物。
  2. 【請求項2】 前記因子が、サイクリック−GMPホスホジエステラーゼイ
    ンヒビター、5型ホスホジエステラーゼについて選択的であるサイクリック−G
    MPホスホジエステラーゼインヒビター、グアニル酸シクラーゼ活性化因子、ま
    たはサイクリック−GMPアナログである、請求項1に記載の眼科用調製物。
  3. 【請求項3】 前記因子が、クエン酸シルデナフィル、ジピリダモール、ザ
    プリナスト、フィラミナスト、デンブフィレン、ピクラミラスト、ザルダベリン
    、カルボリン誘導体、ピリドカルバゾール誘導体、キノゾリノン化合物、アジ化
    ナトリウム、硝酸ナトリウム、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ニトログリセ
    リン、ニトロプルシド、ニトロソ尿素、およびニトロソアミンからなる群より選
    択される、請求項2に記載の眼科用調製物。
  4. 【請求項4】 患者の眼の血流を増大させることによって、眼の障害を予防
    するまたは処置するための医薬品の製造における、サイクリック−GMPレベル
    を上昇させる因子の使用。
  5. 【請求項5】 前記因子が、サイクリック−GMPホスホジエステラーゼイ
    ンヒビター、5型ホスホジエステラーゼについて選択的であるサイクリック−G
    MPホスホジエステラーゼインヒビター、グアニル酸シクラーゼ活性化因子、ま
    たはサイクリック−GMPアナログである、請求項4に記載の使用。
  6. 【請求項6】 前記因子が、クエン酸シルデナフィル、ジピリダモール、ザ
    プリナスト、フィラミナスト、デンブフィレン、ピクラミラスト、ザルダベリン
    、カルボリン誘導体、ピリドカルバゾール誘導体、キノゾリノン化合物、アジ化
    ナトリウム、硝酸ナトリウム、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、ニトログリセ
    リン、ニトロプルシド、ニトロソ尿素、およびニトロソアミンからなる群より選
    択される、請求項5に記載の使用。
  7. 【請求項7】 前記医薬品が、以下からなる群より選択される眼の障害を予
    防または処置するために意図される、請求項4から6のいずれか1項に記載の使
    用:視神経の疾患、正常圧性の陥没性の視神経病、虚血性の視神経病、毒性の視
    神経病、外傷性の視神経病、特発性の視神経病、視神経の結晶腔、良性の頭蓋内
    圧亢進、網膜疾患、網膜の新血管形成、虚血性の血液/血流障害、毒性の黄斑症
    、脈絡膜の疾患、退行性の網膜下新血管形成、糖尿病による脈絡膜の虚血、炎症
    性の網膜下新血管形成、年齢には関係しない脈絡膜の虚血、後方脈絡膜の虚血性
    障害、黄斑の退行性の結晶腔、黄斑の網膜の色素上皮の萎縮症、網膜の色素上皮
    の剥離、退行性の網膜下新血管形成、湿性の年齢に関係する黄斑の退行、黄斑の
    障害、黄斑の退行、家族性の結晶腔、高血圧に関連する黄斑の障害、血管腫、乳
    頭炎、視神経網膜炎、色素性の網膜退行性障害、血管の漏出を伴わない黄斑の浮
    腫、網膜炎の色素沈着、色素性の網膜の退行性障害、初期段階の黄斑孔、脈絡膜
    の新血管形成、血管の漏出を伴う黄斑の浮腫、糖尿病による網膜障害、分岐した
    網膜の静脈の閉塞、中間種のブドウ膜炎、特発性の網膜の毛細血管拡張症、およ
    び眼中でのリポフスチンの蓄積。
  8. 【請求項8】 前記医薬品が、非経口的にまたは経口的に前記患者に対して
    投与される、請求項4から7のいずれか1項に記載の使用。
  9. 【請求項9】 前記医薬品が、前記患者の眼に対して投与される、請求項4
    から7のいずれか1項に記載の使用。
  10. 【請求項10】 前記医薬品が、溶液、ゲル、半固体、懸濁物、測定された
    用量デバイス、経皮用のパッチ、フィルム、または眼科用調製物として、前記患
    者に対して投与される、請求項4から9のいずれか1項に記載の使用。
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