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JP2003347051A - 有機電界発光素子 - Google Patents

有機電界発光素子

Info

Publication number
JP2003347051A
JP2003347051A JP2002154805A JP2002154805A JP2003347051A JP 2003347051 A JP2003347051 A JP 2003347051A JP 2002154805 A JP2002154805 A JP 2002154805A JP 2002154805 A JP2002154805 A JP 2002154805A JP 2003347051 A JP2003347051 A JP 2003347051A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
organic compound
light emitting
cathode
electron
light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002154805A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Kono
謙司 河野
Junji Kido
淳二 城戸
Kenji Tsubaki
健治 椿
Yukihiro Kondo
行廣 近藤
Yasuhisa Kishigami
泰久 岸上
Nobuhiro Ide
伸弘 井出
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2002154805A priority Critical patent/JP2003347051A/ja
Publication of JP2003347051A publication Critical patent/JP2003347051A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 発光層への電子輸送性能を向上させ、発光効
率を高めることができる有機電界発光素子を提供する。 【解決手段】 陽極1と陰極2の間に、ホスト有機化合
物に発光性有機化合物を分散して形成された発光層3を
備えた有機電界発光素子に関する。発光層3に、ホスト
有機化合物よりエネルギーギャップが大きく且つ発光性
有機化合物に陰極の電子を供給する電子輸送性有機化合
物を含有させる。陰極からの電子が効率良く発光層に移
動し、発光層へのホールの注入量と電子の注入量のバラ
ンスを良好なものにすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラットパネルデ
ィスプレイ、液晶表示機用バックライト、照明光源など
に用いられる有機電界発光素子に関するものであり、詳
しくは、陽極と陰極の間に、ホスト有機化合物に発光性
有機化合物を分散して形成された発光層を備えた有機電
界発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フラットパネルディスプレイ、液晶表示
機用バックライト、照明光源などに用いられる発光体と
して、フラットパネルディスプレイの薄型化、液晶表示
機を備える電子機器の小型化や薄型化、あるいは照明器
具の形状の自由化などのために、薄く、軽量であり、か
つ高効率であるものが近年ますます要求されるようにな
っている。そしてこのような要求に応じることができる
ものとして、有機電界発光素子(有機エレクトロルミネ
ッセンス素子)が注目されている。
【0003】有機電界発光素子が低電圧で発光すること
は、イーストマン・コダック社のC.W.Tangらに
より、電極間に二層の薄膜を積層した構成の素子におい
て初めて示された(Appl.Phys.Lett.,
51,12,913(1987))。そしてこれ以降、
有機電界発光素子は、電池などの10V程度の低電圧で
100〜100000cd/m程度の高輝度の発光が
可能なこと、蛍光物質を構成する材料の組み合せで多数
の色を発光させることが可能なこと、非常に薄い面発光
体として使用可能なこと、などから産業界で注目され、
素子構成に改良を加えた種々の薄膜構成の有機電界発光
素子が検討されている。
【0004】ここで、有機電界発光素子の基本的な素子
構成は、陽極/有機発光層/陰極であるが、その他、陽
極/ホール輸送層/有機発光層/電子輸送層/陰極の構
成、陽極/ホール注入層/ホール輸送層/有機発光層/
電子輸送層/陰極の構成、陽極/ホール注入層/有機発
光層/電子輸送層/電子注入層/陰極の構成、陽極/ホ
ール注入層/有機発光層/電子注入層/陰極の構成な
ど、種々の構成のものが挙げられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そして、有機電界発光
素子の発光効率を向上させることを目的として、上記の
各層を最適化することの検討が従来から種々行なわれて
いる。この検討の中で、有機電界発光素子において発光
効率が悪い原因の一つとして、有機発光層における電子
輸送能力が低いということが挙げられている。つまり、
有機発光層へのホールの注入量が電子の注入量より多
く、再結合領域でのホールと電子のバランスが最適でな
いことが問題になるものであった。
【0006】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、発光層への電子輸送性能を向上させ、発光効率を
高めることができる有機電界発光素子を提供することを
目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に係る
有機電界発光素子は、陽極と陰極の間に、ホスト有機化
合物に発光性有機化合物を分散して形成された発光層を
備えた有機電界発光素子において、発光層に、ホスト有
機化合物よりエネルギーギャップが大きく且つ発光性有
機化合物に陰極の電子を供給する電子輸送性有機化合物
を含有して成ることを特徴とするものである。
【0008】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、電子輸送性有機化合物は電子移動度が10−5cm
/Vs以上のものであることを特徴とするものであ
る。
【0009】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、電子輸送性有機化合物がホスト有機化合物に対
して0.1〜20質量%含有されていることを特徴とす
るものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0011】本発明に係る有機電界発光素子は、陽極1
と陰極2の間に有機発光層3を備えたものである。そし
て図1は有機電界発光素子の一例を示すものであり、基
板10の表面上に透明導電膜などからなる陽極1を積層
し、陽極1の表面上にホール輸送層11を介して発光層
3を積層すると共に、さらにこの発光層3の上に電子輸
送層12を介して陰極2が積層してある。これを基本構
成として有機電界発光素子、すなわち有機エレクトロル
ミネッセンス素子(有機EL素子)を形成することがで
きるものであり、陽極1に正電圧を、陰極2に負電圧を
印加すると、電子輸送層12を介して発光層3に注入さ
れた電子と、ホール輸送層11を介して発光層3に注入
されたホールとが、発光層3内、又は発光層3とホール
輸送層11の界面等にて再結合して発光が起こるもので
ある。ここで、発光層3を複数層に形成することによっ
て、任意の色調において発光効率の高い有機電界発光素
子を得ることができ、特に白色など、単一の発光性有機
材料からなる単一層の発光層3では実現が難しい発光色
を容易に、かつ必要に応じて任意に得ることが可能にな
るものである。
【0012】上記の発光層3は、ホスト有機化合物に発
光性有機化合物(蛍光物質)を分散してドープされた有
機材料よりなるものであり、本発明において発光層3に
はさらに、ホスト有機化合物よりエネルギーギャップが
大きく且つ発光性有機化合物に陰極2の電子を供給する
電子輸送性有機化合物が含有させてある。
【0013】ここで、発光層3を構成するホスト有機化
合物としては、電子輸送性の材料、ホール輸送性の材料
のいずれとも使用することができるものであり、後述の
ホール輸送層11を構成するホール輸送材料や、電子輸
送層12を構成する電子輸送材料を用いることができ
る。
【0014】また本発明において発光層3に用いること
のできる発光性有機化合物としては、公知の任意のもの
を挙げることができる。例えば、アントラセン、ナフタ
レン、ピレン、テトラセン、コロネン、ペリレン、フタ
ロペリレン、ナフタロペリレン、ジフェニルブタジエ
ン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジア
ゾール、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、シクロ
ペンタジエン、キノリン金属錯体、トリス(8−ヒドロ
キシキノリナート)アルミニウム錯体、トリス(4-メ
チル−8−キノリナート)アルミニウム錯体、トリス
(5−フェニル−8−キノリナート)アルミニウム錯
体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯
体、トリ−(p−ターフェニル−4−イル)アミン、1
−アリール−2,5−ジ(2−チエニル)ピロール誘導
体、ピラン、キナクリドン、ルブレン、ジスチルベンゼ
ン誘導体、ジスチルアリーレン(DSA)誘導体、及び
これらの発光性有機化合物を分子内に有するものである
が、これに限定されるものではない。またこれらの化合
物に代表される蛍光色素由来の化合物のみならず、三重
項状態からの燐光発光が可能な材料およびこれらからな
る基を分子内の一部分に有する化合物も好適に用いるこ
とができる。
【0015】ホスト有機化合物に対する発光性有機化合
物の添加量は0.01〜20質量%の範囲が好ましい。
発光性有機化合物の添加量がこの範囲より少ない場合
は、ホールと電子が限られた量の発光性有機化合物上で
しか再結合できず、多くのホールと電子は対極へ漏れて
しまい、発光効率が低下するおそれがある。発光性有機
化合物の添加量がこの範囲より多い場合は、発光性有機
化合物が凝集し易くなり、濃度消光を起し易くなって、
発光効率が低下するおそれがある。
【0016】そして、本発明において電子輸送性有機化
合物は、上記のようにホスト有機化合物よりエネルギー
ギャップが大きく且つ発光性有機化合物に陰極2の電子
を供給するものであり、発光層3にこのような電子輸送
性有機化合物を含有させることによって、陰極2からの
電子が効率良く発光層3に移動し、発光層3へのホール
の注入量と電子の注入量のバランスを良好なものにし
て、発光性有機化合物を効率良く発光させることがで
き、初期特性に優れた有機電界発光素子を得ることがで
きるものである。尚、エネルギーギャップとは、イオン
化ポテンシャルと電子親和力との差として表される値で
あり、イオン化ポテンシャルは、真空準位に対する有機
化合物の価電子帯準位を表す値の絶対値に相当し、電子
親和力は、真空準位に対する有機化合物の伝導帯準位を
表す値の絶対値に相当する。
【0017】ここで、電子輸送性有機化合物の電子移動
度は10−5cm/Vs以上であることが好ましい。
発光層3の発光性有機化合物に陰極2の電子を効率良く
供給するためには、電子輸送性有機化合物の電子移動度
は10−5cm/Vs以上であることが好ましいので
あり、発光層3の電子輸送性を高めて初期発光特性に優
れた有機電界発光素子を得ることができるものである。
電子輸送性有機化合物の電子移動度は高いほど好まし
く、上限値は特に設定されないが、10cm/Vs
程度が入手の可能性などのうえから実質上の上限であ
る。
【0018】上記のような電子輸送性有機化合物として
は、バソフェナントロリン、バソクプロイン、及びこれ
らの誘導体、シロール化合物、TPBi(2,2′,
2″−(1,3,5−ベンゼントリル)トリス−[1−
フェニル−1H−ベンツイミダゾール])、トリアゾー
ル化合物などを挙げることがでできるが、エネルギーギ
ャップが大きく電子輸送性であればこれらに限られるも
のではない。また発光層3中の電子輸送性化合物の含有
量は、ホスト有機化合物に対して0.1〜20質量%の
範囲が好ましい。電子輸送性化合物の含有量をこの範囲
に調整することによって、ホスト有機化合物と発光性有
機化合物の関係に悪影響を与えることがなく、電子輸送
性に優れて、初期発光特性に優れた有機電界発光素子を
得ることができるものである。
【0019】尚、発光層3を複数の層を積層して形成す
る場合、総ての層において電子輸送性有機化合物を含有
させることができるのは勿論であるが、必ずしも総ての
層に電子輸送性有機化合物を含有させる必要はなく、少
なくとも陰極2に最も近い層に電子輸送性有機化合物を
含有させればよい。そして複数層の発光層3のうち一部
の層のみに電子輸送性化合物を含有させる場合、上記の
ホスト有機化合物と電子輸送性有機化合物のエネルギー
ギャップの関係や、ホスト有機化合物に対する電子輸送
性有機化合物の含有量の関係は、電子輸送性有機化合物
を含有する層においてのみ成立すればよいものである。
【0020】有機電界発光素子を構成する他の部材、例
えば、積層された素子を保持する基板10、陽極1、陰
極2、ホール輸送層11、電子輸送層12等には、従来
から使用されている公知のものを適宜使用することがで
きる。
【0021】上記の基板10としては、発光層3で発光
された光が基板10を通して出射されるものである場合
には、光透過性を有するものが使用されるが、無色透明
のものの他に、多少着色されているものや、スリガラス
状のものであってもよい。例えば、ソーダライムガラ
ス、無アルカリガラスなどの透明ガラス板、ポリエステ
ル、ポリオレフィン、ポリアミド、エポキシ樹脂、フッ
素系樹脂などの樹脂から任意の方法で作製されたプラス
チックフィルムやプラスチック板などを用いることがで
きる。またさらに、基板10内に基板10の母材と屈折
率の異なる粒子、粉体、泡等を含有することによって、
光拡散効果を有するものを使用することも可能である。
さらに基板10には公知の光散乱層、マイクロレンズ、
プリズム等を配置して設けてもよい。また、発光層3で
発光された光を基板10を通さずに出射させる場合に
は、基板10は必ずしも光透過性を有するものでなくて
もかまわない。そして有機電界発光素子の発光特性、寿
命特性等を損なわない限り、任意の基板10を用いるこ
とができるものであり、特に通電時の有機電界発光素子
の発熱による温度上昇を低減するために、熱伝導性の高
い基板10を用いることもできるものである。
【0022】上記の陽極1は素子にホールを注入するた
めの電極であり、この陽極1としては、仕事関数の大き
い金属、合金、電気伝導性化合物、あるいはこれらの混
合物からなる電極材料を用いるのが好ましく、特に仕事
関数が4eV以上の電極材料を用いるのが好ましい。こ
のような電極材料としては、具体的には、金などの金
属、CuI、ITO(インジウム−スズ酸化物)、Sn
、ZnO、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)等の
導電性透明材料があげられる。例えばこれらの電極材料
を基板10の上に真空蒸着法やスパッタリング法等の方
法で成膜することによって、陽極1を薄膜として作製す
ることができる。発光層3における発光を陽極1を透過
させて基板10から外部に照射する場合には、陽極1の
光透過率を70%以上にすることが好ましい。また、陽
極1のシート抵抗は数百Ω/□以下であることが好まし
く、特に100Ω/□以下であることが好ましい。さら
に陽極1の膜厚は、陽極1の光透過率、シート抵抗等の
特性を上記のように制御するために、材料により異なる
が、通常500nm以下に設定するのが好ましく、より
好ましくは10〜200nmの範囲である。
【0023】上記の陰極2は、発光層3中に電子を注入
するための電極であり、この陰極2としては、仕事関数
の小さい金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混
合物からなる電極材料を用いることが好ましく、仕事関
数が5eV以下の電極材料を用いるのが好ましい。この
ような電極材料としては、アルカリ金属、アルカリ金属
のハロゲン化物、アルカリ金属の酸化物、アルカリ土類
金属等や、これらと他の金属との合金などを用いること
ができるものであり、例えばナトリウム、ナトリウム−
カリウム合金、リチウム、マグネシウム、マグネシウム
−銀混合物、マグネシウム−インジウム混合物、アルミ
ニウム−リチウム合金、Al/LiF混合物などを例と
して挙げることができる。これらの他にアルミニウム、
Al/Al混合物なども使用可能である。またア
ルカリ金属の酸化物、アルカリ金属のハロゲン化物、あ
るいは金属酸化物を下地として用い、上記の仕事関数が
5eV以下である材料(あるいはこれらを含有する合
金)を1層以上積層して陰極2を作製することもでき
る。例えば、アルカリ金属/Alの積層、アルカリ金属
のハロゲン化物/アルカリ土類金属/Alの積層、Al
/Alの積層などを例として挙げることができ
る。またITO、IZOなどに代表される透明電極で陰
極2を作製し、発光層3で発光した光を陰極2の側から
取り出す構成に形成するようにしてもよい。さらに、陰
極2の界面の電子輸送層12にリチウム、ナトリウム、
セシウム、カルシウム等のアルカリ金属、アルカリ土類
金属をドープしてもよい。
【0024】陰極2は、例えば上記の電極材料を、真空
蒸着法やスパッタリング法等の方法により、薄膜に形成
することによって作製することができる。また、発光層
3における発光を陽極1を透過させて外部に照射する場
合には、陰極2の光透過率を10%以下にすることが好
ましく、逆に発光層3における発光を陰極2を透過させ
て外部に照射する場合には、陰極2の光透過率を70%
以上にすることが好ましい。ここで、陰極2の膜厚は、
陰極2の光透過率等の特性を上記のように制御するため
に、材料により異なるが、通常500nm以下に設定す
るのが好ましく、好ましくは100〜200nmの範囲
とするのがよい。さらに、陰極2の上にAl等の金属を
スパッタで積層したり、フッ素系化合物、フッ素系高分
子、その他の有機分子など高分子を、蒸着、スパッタ、
CVD、プラズマ重合、塗布した後に紫外線硬化させる
方法、熱硬化、その他の方法で形成することも可能であ
る。
【0025】ホール輸送層11を構成する材料として
は、ホールを輸送する能力を有し、陽極1からのホール
注入効果を有するとともに、発光層3や発光性有機化合
物に対して優れたホール注入効果を有し、さらに電子の
ホール輸送層11への移動を防止し、かつ薄膜形成能力
の優れた化合物を挙げることができる。具体的にはフタ
ロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィ
リン誘導体、N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−
(1,1'−ビフェニル)−4,4'−ジアミン(TP
D)や4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N−フェニ
ル−アミノ]ビフェニル(α−NPD)等の芳香族ジア
ミン化合物、オキサゾール、オキサジアゾール、トリア
ゾール、イミダゾール、イミダゾロン、スチルベン誘導
体、ピラゾリン誘導体、テトラヒドロイミダゾール、ポ
リアリールアルカン、ブタジエン、4,4’,4”−ト
リス(N−(3−メチルフェニル)N−フェニルアミ
ノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)、及びポ
リビニルカルバゾール、ポリシラン、ポリエチレンジオ
キサイドチオフェン(PEDOT)等の導電性高分子な
ど、高分子材料が挙げられるが、これらに限定されるも
のではない。
【0026】電子輸送層12を構成する電子輸送材料と
しては、電子を輸送する能力を有し、陰極2からの電子
注入効果を有するとともに、発光層3や発光性有機化合
物に対して優れた電子注入効果を有し、さらにホールの
電子輸送層12への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の
優れた化合物を挙げることができる。具体的には、フル
オレン、バソフェナントロリン、バソクプロイン、アン
トラキノジメタン、ジフェノキノン、オキサゾール、オ
キサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、アント
ラキノジメタン等やそれらの化合物、金属錯体化合物も
しくは含窒素五員環誘導体を挙げることができる。上記
の金属錯体化合物としては、具体的には、トリス(8−
ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−
メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、
トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス
(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリ
ウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナー
ト)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o
−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キ
ノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム等があ
るが、これらに限定されるものではない。また上記の含
窒素五員環誘導体としては、オキサゾール、チアゾー
ル、オキサジアゾール、チアジアゾールもしくはトリア
ゾール誘導体が好ましい。具体的には、2,5−ビス
(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、2,5
−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、
2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジ
アゾール、2−(4’−tert−ブチルフェニル)−
5−(4”−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾー
ル、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキ
サジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチア
ジアゾリル)]ベンゼン、2,5−ビス(1−ナフチ
ル)−1,3,4−トリアゾール、3−(4−ビフェニ
ルイル)−4−フェニル−5−(4−t−ブチルフェニ
ル)−1,2,4−トリアゾール等があるが、これらに
限定されるものではない。さらに、ポリマー有機発光素
子に使用されるポリマー材料も使用することができる。
例えば、ポリパラフェニレン及びその誘導体、フルオレ
ン及びその誘導体等である。
【0027】この電子輸送層12にはアルカリ金属、ア
ルカリ土類金属、希土類をドープしてもよい。例えばセ
シウムをバソフェナントロリンにモル比1:1の割合で
ドープして電子輸送層12を形成したものを挙げること
ができる。
【0028】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0029】(実施例1)基板10として、厚み0.7
mmの透明ガラス板を用い、この基板10の一方の表面
に、ITO(インジウム−スズ酸化物)をスパッタして
シート抵抗7Ω/□の透明電極からなる陽極1を形成し
た。そしてこれをアセトン、純水、イソプロピルアルコ
ールで15分間超音波洗浄した後、乾燥させた。
【0030】次に、この基板10を真空蒸着装置にセッ
トし、1×10−6Torr(1.33×10−4
a)の減圧下、4,4’−ビス[N−(ナフチル)−N
−フェニル−アミノ]ビフェニル(株式会社同仁化学研
究所製:以下α−NPDと略す)を1〜2Å/sの蒸着
速度で300Å厚に蒸着し、陽極1の上にホール輸送層
11を形成した。
【0031】次に、ホール輸送層11の上に、α−NP
Dに発光性有機化合物としてルブレン(アクロス社製:
化学式1)を1質量%ドープした黄色発光層を100Å
厚で蒸着し、さらにこの上に、ジスチリルビフェニル誘
導体(出光興産社製「DPVBi」:化学式2、エネル
ギーギャップ3.1eV)に、発光性有機化合物として
末端にカルバゾリル基を有するDSA誘導体(出光興産
社製「BCzVBi」:化学式3)を12質量%、電子
輸送性有機化合物としてバソクプロイン(株式会社同仁
化学研究所製:エネルギーギャプ3.3eV、電子移動
度10−4cm /Vs)を1質量%ドープした青色発
光層を500Å厚で蒸着し、黄色発光層と青色発光層か
らなる発光層3を形成した。
【0032】
【化1】
【0033】次に、発光層3の上に、バソクプロイン
(株式会社同仁化学研究所製)とCsをモル比1:1で
共蒸着して膜厚100Åの電子輸送層12を形成し、最
後に、電子輸送層12の上にAlを10Å/sの蒸着速
度で厚み1500Å蒸着して陰極2を形成した。
【0034】この後、これらの各層を蒸着して形成した
基板10を露点−76℃以下のドライ窒素雰囲気のグロ
ーブボックスに大気に曝露することなく搬送した。一
方、通気性を有する袋に吸水剤として酸化バリウムの粉
末を入れてこれをガラス製の封止板に粘着剤で貼り付け
ると共に封止板の外周部に紫外線硬化樹脂製のシール剤
を塗布したものを予め用意した。そしてグローブボック
ス内において基板10に封止板をシール剤で貼り合わ
せ、UV照射してシール剤を硬化させることによって封
止板で各層を封止した有機電界発光素子を得た。
【0035】(実施例2)電子輸送性有機化合物とし
て、バソクプロインの代りに、バソフェナントロリン
(株式会社同仁化学研究所製:エネルギーギャプ3.3
eV、電子移動度10 −4cm/Vs)を用いるよう
にした他は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を
得た。
【0036】(実施例3)電子輸送性有機化合物とし
て、バソクプロインの代りに、TPBi(株式会社同仁
化学研究所製:エネルギーギャプ3.5eV、電子移動
度10−4cm/Vs)を用いるようにした他は、実
施例1と同様にして有機電界発光素子を得た。
【0037】(比較例1)電子輸送性有機化合物とし
て、バソクプロインの代りに、トリス(8−ヒドロキシ
キノリナート)アルミニウム錯体(株式会社同仁化学研
究所製:エネルギーギャプ2.7eV、電子移動度10
−6cm/Vs)を用いるようにした他は、実施例1
と同様にして有機電界発光素子を得た。
【0038】(比較例2)発光性有機化合物を用いない
で発光層を形成するようにした他は、実施例1と同様に
して有機電界発光素子を得た。
【0039】上記のようにして実施例1〜3及び比較例
1〜2で得た発光素子を電源(東陽テクニカ社製「KE
ITHLEY236モデル」)に接続し、発光輝度を輝
度計(ミノルタ社製「LS−110」)で測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1にみられるように、各実施例の有機電
界発光素子は初期発光特性が優れていることが確認され
る。
【0042】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1に係る有
機電界発光素子は、陽極と陰極の間に、ホスト有機化合
物に発光性有機化合物を分散して形成された発光層を備
えた有機電界発光素子において、発光層に、ホスト有機
化合物よりエネルギーギャップが大きく且つ発光性有機
化合物に陰極の電子を供給する電子輸送性有機化合物を
含有するので、発光層にこのような電子輸送性有機化合
物を含有させることによって、陰極からの電子が効率良
く発光層に移動し、発光層へのホールの注入量と電子の
注入量のバランスを良好なものにすることができるもの
であり、発光性有機化合物を効率良く発光させることが
でき、発光特性に優れた有機電界発光素子を得ることが
できるものである。
【0043】また請求項2の発明は、請求項1におい
て、電子輸送性有機化合物は電子移動度が10−5cm
/Vs以上のものであるので、発光層の発光性有機化
合物に陰極の電子を効率良く供給することができ、発光
特性に優れた有機電界発光素子を得ることができるもの
である。
【0044】また請求項3の発明は、請求項1又は2に
おいて、電子輸送性有機化合物をホスト有機化合物に対
して0.1〜20質量%含有させるようにしたので、ホ
スト有機化合物と発光性有機化合物の関係に悪影響を与
えることなく、電子輸送性を高めて、発光特性に優れた
有機電界発光素子を得ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示す概略断面図で
ある。
【符号の説明】
1 陽極 2 陰極 3 発光層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 城戸 淳二 山形県米沢市中央2丁目6番6号 サンロ ード米沢中央408 (72)発明者 椿 健治 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 近藤 行廣 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 岸上 泰久 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 (72)発明者 井出 伸弘 大阪府門真市大字門真1048番地 松下電工 株式会社内 Fターム(参考) 3K007 AB03 DB03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極と陰極の間に、ホスト有機化合物に
    発光性有機化合物を分散して形成された発光層を備えた
    有機電界発光素子において、発光層に、ホスト有機化合
    物よりエネルギーギャップが大きく且つ発光性有機化合
    物に陰極の電子を供給する電子輸送性有機化合物を含有
    して成ることを特徴とする有機電界発光素子。
  2. 【請求項2】 電子輸送性有機化合物は電子移動度が1
    −5cm/Vs以上のものであることを特徴とする
    請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 【請求項3】 電子輸送性有機化合物がホスト有機化合
    物に対して0.1〜20質量%含有されていることを特
    徴とする請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
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