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JP2003329514A - ノックセンサ信号処理装置及びその設計方法 - Google Patents

ノックセンサ信号処理装置及びその設計方法

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Publication number
JP2003329514A
JP2003329514A JP2002135728A JP2002135728A JP2003329514A JP 2003329514 A JP2003329514 A JP 2003329514A JP 2002135728 A JP2002135728 A JP 2002135728A JP 2002135728 A JP2002135728 A JP 2002135728A JP 2003329514 A JP2003329514 A JP 2003329514A
Authority
JP
Japan
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filter
data
frequency
khz
waveform
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002135728A
Other languages
English (en)
Inventor
Takayoshi Honda
隆芳 本多
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2002135728A priority Critical patent/JP2003329514A/ja
Priority to US10/298,582 priority patent/US6750798B2/en
Publication of JP2003329514A publication Critical patent/JP2003329514A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • HELECTRICITY
    • H03ELECTRONIC CIRCUITRY
    • H03HIMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
    • H03H17/00Networks using digital techniques
    • H03H17/02Frequency selective networks
    • H03H17/0211Frequency selective networks using specific transformation algorithms, e.g. WALSH functions, Fermat transforms, Mersenne transforms, polynomial transforms, Hilbert transforms
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01LMEASURING FORCE, STRESS, TORQUE, WORK, MECHANICAL POWER, MECHANICAL EFFICIENCY, OR FLUID PRESSURE
    • G01L23/00Devices or apparatus for measuring or indicating or recording rapid changes, such as oscillations, in the pressure of steam, gas, or liquid; Indicators for determining work or energy of steam, internal-combustion, or other fluid-pressure engines from the condition of the working fluid
    • G01L23/22Devices or apparatus for measuring or indicating or recording rapid changes, such as oscillations, in the pressure of steam, gas, or liquid; Indicators for determining work or energy of steam, internal-combustion, or other fluid-pressure engines from the condition of the working fluid for detecting or indicating knocks in internal-combustion engines; Units comprising pressure-sensitive members combined with ignitors for firing internal-combustion engines
    • G01L23/221Devices or apparatus for measuring or indicating or recording rapid changes, such as oscillations, in the pressure of steam, gas, or liquid; Indicators for determining work or energy of steam, internal-combustion, or other fluid-pressure engines from the condition of the working fluid for detecting or indicating knocks in internal-combustion engines; Units comprising pressure-sensitive members combined with ignitors for firing internal-combustion engines for detecting or indicating knocks in internal combustion engines
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノックセンサ信号を解析してノッキングの発
生を検出するノッキング検出装置に用いられる信号処理
装置でのフィルタ処理負荷を低減する。 【解決手段】 A/D変換器により一定の周期T毎にA
/D変換されたノックセンサ信号のデータを順次入力し
て処理するデジタルフィルタを備えた信号処理装置にお
いて、そのフィルタは、正弦波の半波である波形と該波
形の高さを半分にした波形とをつなげて左右反転対称の
形にした基準波形を端から周期T毎に刻んだ各点0〜1
6の値と、フィルタ係数とが同じであるFIRフィルタ
として構成され、これにより、各フィルタ係数のうち、
「m−1」番目の係数と「m+1」番目の係数との符号
が異なる場合のm番目の係数(点4,8,12に相当す
る係数)が0となり、また、絶対値の同じ係数が4つ以
上存在するようになっている(点1,3,13,15と
点5,7,9,11の各組に相当する係数)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のノッキ
ングを検出する技術に関し、特に、ノッキング検出のた
めにノックセンサからのアナログ信号をデジタル処理す
る信号処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】内燃機関のノッキング検出装置として、
例えば特許第2764495号公報(特開平5−248
937号公報)に記載されているものがある。そして、
上記公報に記載の装置では、ノックセンサからのアナロ
グ信号(以下、ノックセンサ信号ともいう)をウェーブ
レット変換により解析してノッキングの発生を検出する
ようにしており、そのために、ノックセンサ信号をA/
D変換器により一定のサンプリング周期毎にA/D変換
すると共に、そのA/D変換された時系列のデータを、
所定の基本ウェーブレット関数とインパルス応答の等し
いデジタルフィルタである周波数サンプリングフィルタ
に入力し、該周波数サンプリングフィルタの処理結果に
基づいて、ノッキングの発生を検出するようにしてい
る。
【0003】つまり、ウェーブレット変換を実装するに
は、ウェーブレット変換によってノッキングの有無を判
定するためのフィルタ対象の周波数(フィルタ周波数)
Fを事前に決めておき、その周波数Fに反応する周波数
サンプリングフィルタを設けることとなるが、こうした
ウェーブレット変換用の周波数サンプリングフィルタ
は、一般に、インパルス応答が、基本ウェーブレット関
数の周波数(所謂スケール)をフィルタ対象の周波数F
に一致させた波形(即ち、周波数がFであるウェーブレ
ット関数)Hと同じになるように設計される。そのた
め、このように設計された周波数サンプリングフィルタ
の出力値は、入力される時系列のA/D変換データによ
って表される波形Hinの周波数がフィルタ対象の周波数
Fと同じであると共に、その波形Hinが上記波形Hを上
下方向に大きく伸ばしたものであるほど大きくなり、そ
のような特性の周波数サンプリングフィルタの出力値を
解析して、ノッキングの有無を判定するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
記載の装置では、周波数サンプリングフィルタを、櫛形
フィルタと共振器とで構成することにより、その周波数
サンプリングフィルタにおける乗算回数を低減させてい
る。
【0005】しかし、上記公報には、「50個のスケー
ルの異なるウェーブレット関数によってウェーブレット
変換を行う場合に、1サンプル毎の乗算回数が750回
となる」旨の記載があり、このことから、上記公報の周
波数サンプリングフィルタでは、1つのフィルタ対象の
周波数について、1サンプル毎に15(=750/5
0)回の乗算が必要となる。
【0006】ここで、例えば、最大14kHzの周波数
までフィルタ処理(デジタルフィルタ処理)しようとし
た場合、サンプリング周波数(即ち、サンプリング周期
の逆数)は、サンプリング定理より、28kHz以上に
設定する必要があり、ノッキングの検出精度を良好にす
るためには、100kHz程度に設定することが望まし
い。そして、この場合、フィルタ対象の周波数を、14
kHzを含む3つの周波数とし、上記公報の周波数サン
プリングフィルタを用いたならば、100kHzに相当
する10μs毎に45回(=3×15)回の乗算が必要
となり、通常のマイコンによってフィルタ処理を実施す
るには(換言すれば、通常のマイコンをデジタルフィル
タとして機能させるには)負荷が過大となってしまう。
このため、DSP等の高価な専用マイコンが必要となっ
てしまう。
【0007】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、ノックセンサからのアナログ信号を解析して
ノッキングの発生を検出するノッキング検出装置に用い
られるノックセンサ信号処理装置でのフィルタ処理負荷
を低減することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達成するためになされた請求項1に記載のノックセン
サ信号処理装置は、内燃機関に取り付けられたノックセ
ンサからのアナログ信号(ノックセンサ信号)を一定の
サンプリング周期毎にA/D変換するA/D変換器と、
そのA/D変換器によりA/D変換されたデータ(以
下、サンプリングデータともいう)を順次入力して処理
するデジタルフィルタとを備えている。
【0009】そして特に、この請求項1のノックセンサ
信号処理装置において、デジタルフィルタは、FIR
(Finite Impulse Response )フィルタであると共に、
該フィルタの各係数h(k)(但し、k=0〜nであ
り、nは正の整数)のうち、係数h(m−1)の符号と
係数h(m+1)の符号とが異なる場合の係数h(m)
が0となるように構成されている。
【0010】このような請求項1のノックセンサ信号処
理装置によれば、ノックセンサ信号に対するフィルタ処
理負荷を、効果的に低減することができる。即ち、一般
に、FIRフィルタは、入力をサンプリング周期分ずつ
遅延して出力する複数の遅延器が直列に接続されると共
に、そのうちの初段の遅延器にサンプリングデータが順
次入力される遅延器群を備え、その遅延器群の各遅延器
の出力に所定の係数(フィルタ係数又はフィルタ定数と
も呼ばれる)h(k)を夫々乗じた値の総和(つまり、
各遅延器の出力の積和演算値)が、当該フィルタの出力
値となるように構成されるが、請求項1のノックセンサ
信号処理装置では、「m−1」番目の係数h(m−1)
の符号と、「m+1」番目の係数h(m+1)の符号と
が異なる場合の、その間のm番目の係数h(m)が0と
なるようにしており、その0である係数h(m)に該当
する遅延器の出力については、演算無しで済む。
【0011】換言すれば、デジタルフィルタにおけるフ
ィルタ係数の符号(極性)が変わる場合、積極的にゼロ
点を使用することで、計算負荷を軽減している。具体的
に説明すると、あるフィルタ対象の周波数fに反応する
FIRフィルタ(つまり、フィルタ周波数がfであるF
IRフィルタ)を構成する場合、その各フィルタ係数h
(k)を、周波数がfである所定の基準波形を該基準波
形の端からサンプリング周期毎に刻んだ場合の当該基準
波形上の各点(以下、刻み点という)の値と同じになる
ように設定すれば、入力される時系列のデータによって
表される波形の周波数がfの場合に出力値が大きくなる
フィルタを得ることができるが、その場合に、基準波形
のゼロクロス点が刻み点となるようにすれば良い。そし
て、このようにすれば、そのゼロクロス点である刻み点
に該当する遅延器の出力については、乗ずるべき係数が
0となり、演算無しで済む。
【0012】このようなことから、請求項1のノックセ
ンサ信号処理装置によれば、フィルタ処理負荷を、一般
的なマイコンで容易に実施できる程度にまで低減するこ
とが可能となる。次に、請求項2に記載のノックセンサ
信号処理装置も、ノックセンサ信号を一定のサンプリン
グ周期毎にA/D変換するA/D変換器と、そのA/D
変換器によりA/D変換されたデータを順次入力して処
理するデジタルフィルタとを備えている。
【0013】そして特に、請求項2のノックセンサ信号
処理装置においては、デジタルフィルタがFIRフィル
タであると共に、そのフィルタは、各係数のうちで、絶
対値が同じ係数が4つ以上あるように構成されている。
このような請求項2のノックセンサ信号処理装置によれ
ば、デジタルフィルタとしてのFIRフィルタにおい
て、絶対値が同じ4つ以上の係数に夫々該当する各遅延
器の出力については、それらを加減算(加算又は減算)
してから係数の絶対値を乗ずるための処理を行えば良
い。
【0014】よって、このような請求項2のノックセン
サ信号処理装置によっても、フィルタ処理負荷を効果的
に低減することができる。尚、絶対値が同じ係数を4つ
以上設けるためには、例えば、上記基準波形として、左
右対称の波形や、少なくとも1周期分が左右反転対象
(点対象)である波形など、上下又は左右に同じ形が現
れる波形を用いれば良い。
【0015】次に、請求項3に記載のノックセンサ信号
処理装置も、ノックセンサ信号を一定のサンプリング周
期毎にA/D変換するA/D変換器と、そのA/D変換
器によりA/D変換されたデータ(サンプリングデー
タ)を順次入力して処理するデジタルフィルタとを備え
ている。
【0016】そして特に、請求項3のノックセンサ信号
処理装置では、デジタルフィルタが、サンプリングデー
タに対する計算処理を、シフト処理と加減算処理(加算
処理又は減算処理)とからのみ行うように構成されてい
る。このような請求項3のノックセンサ信号処理装置に
よれば、フィルタ処理のために、処理負荷が比較的大き
い乗算処理を行わないため、フィルタ処理負荷を、一般
的なマイコンで容易に実施できる程度にまで低減するこ
とができる。
【0017】次に、請求項4に記載のノックセンサ信号
処理装置は、ノックセンサ信号を一定のサンプリング周
期T毎にA/D変換するA/D変換器と、該A/D変換
器によりA/D変換されたデータを順次入力して処理す
るデジタルフィルタとを備えており、特に、上記サンプ
リング周期Tを変更することにより、デジタルフィルタ
のフィルタ周波数fを変えるように構成されている。
尚、「サンプリング周期Tを変更する」とは、サンプリ
ング周波数(=1/T)を変更することと同じである。
【0018】このような請求項4のノックセンサ信号処
理装置によれば、あるフィルタ周波数f1で処理負荷が
小さくなるように構成したデジタルフィルタを、f1と
は違うフィルタ周波数f2の場合でもそのまま使用し
て、そのフィルタ周波数f2の場合でもフィルタ処理負
荷を小さくすることができる。また、フィルタ周波数を
変更する場合に、サンプリング周期Tを変更するだけで
良く、デジタルフィルタの設計変更は不要である。
【0019】次に、請求項5に記載のノックセンサ信号
処理装置の設計方法は、ノックセンサ信号を一定のサン
プリング周期毎にA/D変換するA/D変換器を備える
と共に、該A/D変換器によりA/D変換されたデータ
を順次入力して処理するデジタルフィルタを、複数通り
の各フィルタ周波数毎に夫々備えたノックセンサ信号処
理装置を設計するためのものである。
【0020】そして、請求項5の設計方法では、各デジ
タルフィルタとしてFIRフィルタを用いると共に、A
/D変換器によるサンプリング周期の逆数であるサンプ
リング周波数を、上記複数通りの各フィルタ周波数の公
倍数に設定するか、或いは、サンプリング周期を、各フ
ィルタ周波数の逆数である各周期時間の公約数に設定す
ることを特徴としている。
【0021】このような請求項5の設計方法によれば、
フィルタ周波数が異なる複数のデジタルフィルタを備え
たノックセンサ信号処理装置でのフィルタ処理負荷を、
効果的に低減することができる。つまり、:まず、1
つのデジタルフィルタについて、サンプリング周波数を
フィルタ周波数の整数倍に設定すれば、そのフィルタを
上記請求項1についての具体的説明で述べたように構成
する場合、同じ絶対値の刻み点が複数でき易くなり、そ
の結果、同じ絶対値の係数を複数設け易くなる。そし
て、絶対値が同じ係数に夫々該当する各遅延器の出力に
ついては、それらを加減算してから係数の絶対値を乗ず
るための処理を1回行えば良いため、同じ絶対値の係数
を多く設けることで、フィルタ処理負荷を低減すること
ができる。:そして特に、サンプリング周波数を、複
数通りの各フィルタ周波数の公倍数に設定するか、或い
は、サンプリング周期を、各フィルタ周波数の逆数であ
る各周期時間の公約数に設定すれば、フィルタ周波数の
異なる全デジタルフィルタについて、サンプリング周波
数はフィルタ周波数の整数倍となり、上記の効果が得
られることとなる。
【0022】このようなことから、請求項5の設計方法
によれば、フィルタ周波数が異なる複数のデジタルフィ
ルタについて、フィルタ処理負荷を効果的に低減するこ
とが可能となる。次に、請求項6に記載のノックセンサ
信号処理装置の設計方法では、請求項5の設計方法にお
いて、更に、サンプリング周波数を、各フィルタ周波数
の最小公倍数の偶数倍に設定するか、或いは、サンプリ
ング周期を、各フィルタ周波数の逆数である各周期時間
の最大公約数の偶数分の1に設定することを特徴として
いる。
【0023】そして、このように設定すれば、サンプリ
ング周波数が全てのフィルタ周波数の偶数倍になる。よ
って、全てのデジタルフィルタについて、上記基準波形
のゼロクロス点の全て(換言すれば、基準波形の半周期
毎のゼロクロス点)が上述の刻み点になり、その結果、
演算無しで済む遅延器の出力(即ち、使用しない遅延器
の出力)を増やすことができるため、フィルタ処理負荷
を一層低減することが可能となる。
【0024】また、上記請求項5の設計方法において、
複数通りのフィルタ周波数の中に、そのうちの特定の周
波数faの1/nの周波数fb(但し、nは正の整数)
が存在する場合には、請求項7に記載の如く、フィルタ
周波数が前記1/nの周波数fbであるデジタルフィル
タは、フィルタ周波数が前記特定の周波数faであるデ
ジタルフィルタの遅延器群における各遅延器を、n個直
列の遅延器に夫々置き換えた構成のFIRフィルタとす
るのが望ましい。つまり、フィルタ周波数がfbである
デジタルフィルタは、フィルタ周波数がfaであるデジ
タルフィルタの遅延器の数をn倍にすると共に、その各
遅延器の出力をn個毎に間引いて(n個毎の遅延器の出
力だけを)フィルタ演算に使用するように構成するので
ある。
【0025】このようにすれば、複数の各デジタルフィ
ルタを設計する作業が容易となり、しかも、フィルタ周
波数がfbであるデジタルフィルタでの計算回数を効率
的に減らすことができる。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明が適用された実施形
態のノックセンサ信号処理装置について説明する。ま
ず、以下に述べる各実施形態に共通の内容について説明
する。
【0027】図1に示すように、本実施形態のノックセ
ンサ信号処理装置31は、内燃機関に取り付けられたノ
ックセンサ32からのアナログ信号(ノックセンサ信
号)をウェーブレット変換により解析してノッキングの
発生を検出するノッキング検出装置の一部として、内燃
機関を制御するエンジン制御装置に実装されるものであ
り、ノックセンサ信号を一定のサンプリング周期T毎に
A/D変換するA/D変換器33と、そのA/D変換器
33によりA/D変換されたデータ(サンプリングデー
タ)を順次入力して処理するN個のデジタルフィルタと
しての周波数サンプリングフィルタ34(34−1〜3
4−N)とを備えている。
【0028】そして、周波数サンプリングフィルタ34
(34−1〜34−N)の出力は、本ノックセンサ信号
処理装置31と共にノッキング検出装置を形成するノッ
キング検出部35に入力され、そのノッキング検出部3
5が、各周波数サンプリングフィルタ34の出力値に基
づいて、ノッキング発生の有無を判定する。
【0029】尚、各周波数サンプリングフィルタ34と
ノッキング検出部35は、ハードウエアではなく、エン
ジン制御装置に搭載されたマイコン及び該マイコンのソ
フト処理によって実現されるものである。また、本実施
形態において、各周波数サンプリングフィルタ34は、
ウェーブレット変換用のデジタルフィルタであり、その
各々のフィルタ周波数は異なっている。そして、各周波
数サンプリングフィルタ34は、A/D変換器33から
入力される時系列のサンプリングデータによって表され
る波形(以下、入力波形という)の周波数が自己のフィ
ルタ周波数と同じであると共に、その入力波形がフィル
タ周波数である所定の基準波形(スケールがフィルタ周
波数と同じウェーブレット関数に相当)を上下方向に大
きく伸ばしたものであるほど、出力値が大きくなるよう
に構成される。
【0030】[第1実施形態]第1実施形態のノックセ
ンサ信号処理装置31では、ノッキングが発生した際の
ノックセンサ信号の波形の特徴を考慮し、周波数サンプ
リングフィルタ(以下単に、フィルタともいう)34と
して、ノッキング発生時のノックセンサ信号の基本波で
あるノック基本波の周波数(ここでは7kHz)をフィ
ルタ周波数としたフィルタ(7kHz用のフィルタ)3
4−1と、ノック基本波の2次高調波の周波数(ここで
は14kHz)をフィルタ周波数としたフィルタ(14
kHz用のフィルタ)34−2と、ノック基本波の1.
5次相当の高調波の周波数である9.3kHzをフィル
タ周波数としたフィルタ(9.3kHz用のフィルタ)
34−3と、ノック基本波の1.5次相当の高調波の周
波数である11.2kHzをフィルタ周波数としたフィ
ルタ(11.2kHz用のフィルタ)34−4とを設け
ている。尚、9.3kHzは、厳密には「14kHz/
1.5」の周波数である。また、11.2kHzは、
「14kHz/1.25」の周波数である。
【0031】そして、各フィルタ34−1〜34−4
は、以下のように設計されている。 (1−1):まず、各フィルタ34−1〜34−4のウ
ェーブレット関数の波形に相当する基準波形を、フィル
タ周波数と同じ周波数のsin波(正弦波)の半波を組
み合わせて、図2のように作成する。
【0032】即ち、14kHz用のフィルタ34−2で
あれば、図2の上段に示すように、14kHzのsin
波の半波である最大波高値=1の波形Aと、その波形A
の高さを1/2にした波形Bとを、「波形Bの反転−波
形A−波形Aの反転−波形B」の順につなげることによ
り、2組の波形Aと2組の波形Bとを含んだ左右反転対
称(点対称)の基準波形を作成する。
【0033】同様に、7kHz用のフィルタ34−1で
あれば、図2の下段に示すように、7kHzのsin波
の半波である最大波高値=1の波形Aと、その波形Aの
高さを1/2にした波形Bとを、「波形Bの反転−波形
A−波形Aの反転−波形B」の順につなげることによ
り、2組の波形Aと2組の波形Bとを含んだ左右反転対
称の基準波形を作成する。尚、図2の下段の波形は、図
2の上段の波形を横方向に2倍した波形である。
【0034】そして、9.3kHz用のフィルタ34−
3と11.2kHz用のフィルタ34−4との各々につ
いても、9.3kHzと11.2kHzの各sin波の
半波A,Bから、同様の要領で基準波形を作成する。こ
のため、9.3kHz用のフィルタ34−3の基準波形
は、14kHz用のフィルタ34−2の基準波形(図2
の上段の波形)を横方向に1.5(=14/9.3)倍
した波形となり、11.2kHz用のフィルタ34−4
の基準波形は、14kHz用のフィルタ34−2の基準
波形を横方向に1.25(=14/11.2)倍した波
形となる。
【0035】つまり、本第1実施形態では、sin波の
半波であって最大波高値が1である波形Aと、その波形
Aの高さを2の−1乗倍した波形Bとを、「波形Bの反
転−波形A−波形Aの反転−波形B」の順につなげた左
右反転対象の波形を、基本ウェーブレット関数(マザー
ウェーブレット)としている。
【0036】(1−2):また、A/D変換器33がノ
ックセンサ信号をA/D変換するサンプリング周波数
(即ち、サンプリング周期Tの逆数)を、全てのフィル
タ周波数(7kHz,9.3kHz,11.2kHz,
14kHz)の公倍数であって、特に、その各フィルタ
周波数の最小公倍数(=56kHz)の偶数倍に設定し
ており、ここでは、112kHz(=2×56kHz=
8×14kHz)に設定している。換言すれば、サンプ
リング周期(サンプリング間隔)Tを、各フィルタ周波
数の逆数である各周期時間の公約数であって、特に、そ
の各周期時間の最大公約数の偶数分の1に設定してい
る。
【0037】(1−3):そして、各フィルタ34−1
〜34−4は、インパルス応答が有限長のFIRフィル
タであって、上記(1−1)の要領で作成した左右反転
対称の基準波形を該基準波形の端からサンプリング周期
T毎に刻んだ場合の当該基準波形上の各点である各刻み
点の値(詳しくは、該刻み点の高さの値)と、そのフィ
ルタの各係数とが、同じになるように構成されている。
そこで以下、各フィルタ34−1〜34−4の具体的な
構成について説明する。
【0038】(1−3−1):まず、14kHz用のフ
ィルタ34−2の場合、基準波形の各刻み点は、図3に
て0〜16の番号を付した各点(即ち、基準波形を端か
ら45°位相分毎に16等分した場合の各点)となる。
そして、14kHz用のフィルタ34−2は、当該フィ
ルタ34−2の各係数が図3の各刻み点の値と同じにな
るように、図4の如く構成されている。
【0039】即ち、14kHz用のフィルタ34−2
は、入力をサンプリング周期T分ずつ遅延して出力する
14個の遅延器41が直列に接続され、そのうちの初段
の遅延器41にA/D変換器33からのサンプリングデ
ータが順次入力される遅延器群42と、加減算部43,
44,45,46と、入力を1回(1ビット分)右へシ
フトして出力する2個の右シフト部47,48と、入力
に対し係数αとしてsin45°の値(=0.707)
を乗算する乗算部49とから構成されている。
【0040】そして、遅延器群42を構成する各遅延器
41のうち、初段の遅延器41の入力をデータ1とし、
その初段の遅延器41の出力をデータ2とし、2段目以
降の各遅延器41の出力を順番にデータ3,データ4,
…,データ15とすると、この14kHz用フィルタ3
4−2では、加減算部43により、「データ13+デー
タ15−データ1−データ3」の加減算が行われ、その
加減算部43の出力が、右シフト部47により1回右へ
シフトされて、1/2の値にされる。
【0041】更に、加減算部44により、「右シフト部
47の出力+データ5+データ7−データ9−データ1
1」の加減算が行われ、その加減算部44の出力に対し
て、乗算部49により、sin45°の値(=0.70
7)が乗算される。また、加減算部45により、「デー
タ14−データ2」の減算が行われ、その加減算部45
の出力が、右シフト部48により1回右へシフトされ
て、1/2の値にされる。そして更に、加減算部46に
より、「乗算部49の出力+データ6−データ10+右
シフト部48の出力」の加減算が行われ、その加減算部
46の出力が、当該フィルタ34−2の出力となる。
【0042】そして、図3にて0〜16の番号を付した
各刻み点を、刻み点0,刻み点1,刻み点2,…,刻み
点15,刻み点16と呼ぶことにすると、この14kH
z用フィルタ34−2では、データ1に対する係数が刻
み点1の値(=−sin45°/2)になり、データ2
に対する係数が刻み点2の値(=−0.5)になり、デ
ータ3に対する係数が刻み点3の値(=−sin45°
/2)になり、データ4に対する係数が刻み点4の値
(=0)になり、データ5に対する係数が刻み点5の値
(=sin45°)になり、データ6に対する係数が刻
み点6の値(=1)になり、…、データ15に対する係
数が刻み点15の値(=sin45°/2)になるとい
うように、各係数が図3の各刻み点の値と同じになる。
【0043】尚、図3における白丸(○)印の5つの刻
み点0,4,8,12,16は、基準波形のゼロクロス
点であるため、刻み点0と刻み点16とに該当する遅延
器は設けられず、また、刻み点4,8,12に夫々該当
する3段目と7段目と11段目の各遅延器41の出力
は、乗ずるべき係数が0であり、演算の対象から除外さ
れている。
【0044】(1−3−2):次に、7kHz用のフィ
ルタ34−1の場合、基準波形の各刻み点は、図5に示
すように、0〜16の番号を付した各点(即ち、基準波
形を端から45°位相分毎に16等分した場合の各点)
と、その各点間の中間位相の△印を付した各点となる。
そして、7kHz用のフィルタ34−1は、当該フィル
タ34−1の各係数が、図5の各刻み点のうち、△印の
点以外の1つおきの(2個毎の)各点の値と同じになる
ように、図6の如く構成されている。
【0045】即ち、7kHz用のフィルタ34−1は、
14kHz用フィルタ34−2の遅延器群42における
各遅延器41を、2個直列の遅延器41b,41aに夫
々置き換えたものであり、それ以外の構成は、14kH
z用フィルタ34−2と同じである。換言すれば、7k
Hz用フィルタ34−1は、14kHz用フィルタ34
−2の遅延器41の数を2倍にすると共に、その各遅延
器41の出力を1つおきに間引いて(1つおきの遅延器
41の出力だけを)フィルタ演算に用いるように構成さ
れている。
【0046】そして、図5にて0〜16の番号を付した
各刻み点を、刻み点0,刻み点1,刻み点2,…,刻み
点15,刻み点16と呼ぶことにすると、この7kHz
用フィルタ34−1では、2個1組の遅延器41b,4
1aを2サンプリング周期(=2×T)分の遅延器とし
た場合の各係数が、刻み点1〜15の各値と同じにな
る。
【0047】尚、図5における△印の刻み点は、上記間
引きにより考慮外とされており、図6にて、その△印の
刻み点に該当する遅延器(即ち、図4に対して追加され
ている遅延器41b)の出力は、演算の対象から除外さ
れている。 (1−3−3):次に、9.3kHz用のフィルタ34
−3の場合、基準波形の各刻み点は、図7にて0〜24
の番号を付した各点(即ち、基準波形を端から30°位
相分毎に24等分した場合の各点)となる。そして、
9.3kHz用のフィルタ34−3は、当該フィルタ3
4−3の各係数が図7の各刻み点の値と同じになるよう
に、図8の如く構成されている。
【0048】即ち、9.3kHz用のフィルタ34−3
は、入力をサンプリング周期T分ずつ遅延して出力する
22個の遅延器41が直列に接続され、そのうちの初段
の遅延器41にA/D変換器33からのサンプリングデ
ータが順次入力される遅延器群52と、加減算部53,
54,55,56,57と、入力を1回(1ビット分)
右へシフトして出力する3個の右シフト部58,59,
60と、入力に対し係数αとしてsin60°の値(=
0.866)を乗算する乗算部61とから構成されてい
る。
【0049】そして、遅延器群52を構成する各遅延器
41のうち、初段の遅延器41の入力をデータ1とし、
その初段の遅延器41の出力をデータ2とし、2段目以
降の各遅延器41の出力を順番にデータ3,データ4,
…,データ23とすると、この9.3kHz用フィルタ
34−3では、加減算部53により、「データ19+デ
ータ23−データ1−データ5」の加減算が行われ、そ
の加減算部53の出力が、右シフト部58により1回右
へシフトされて、1/2の値にされる。
【0050】更に、加減算部54により、「右シフト部
58の出力−データ3+データ7+データ11−データ
13−データ17+データ21」の加減算が行われ、そ
の加減算部54の出力が、右シフト部59により1回右
へシフトされて、1/2の値にされる。
【0051】また、加減算部55により、「データ20
+データ22−データ2−データ4」の加減算が行わ
れ、その加減算部55の出力が、右シフト部60により
1回右へシフトされて、1/2の値にされる。更に、加
減算部56により、「右シフト部60の出力+データ8
+データ10−データ14−データ16」の加減算が行
われ、その加減算部56の出力に対して、乗算部61に
より、sin60°の値(=0.866)が乗算され
る。
【0052】そして更に、加減算部57により、「乗算
部61の出力+右シフト部59の出力+データ9−デー
タ15」の加減算が行われ、その加減算部57の出力
が、当該フィルタ34−3の出力となる。そして、図7
にて0〜24の番号を付した各刻み点を、刻み点0,刻
み点1,刻み点2,…,刻み点23,刻み点24と呼ぶ
ことにすると、この9.3kHz用フィルタ34−3で
は、データ1に対する係数が刻み点1の値(=−0.2
5)になり、データ2に対する係数が刻み点2の値(=
−sin60°/2)になり、データ3に対する係数が
刻み点3の値(=−0.5)になり、…、データ23に
対する係数が刻み点23の値(=0.25)になるとい
うように、各係数が図7の各刻み点の値と同じになる。
【0053】尚、図7における白丸(○)印の5つの刻
み点0,6,12,18,24は、基準波形のゼロクロ
ス点であるため、刻み点0と刻み点24とに該当する遅
延器は設けられず、また、刻み点6,12,18に夫々
該当する5段目と11段目と17段目の各遅延器41の
出力は、乗ずるべき係数が0であり、演算の対象から除
外されている。一方、図8の右シフト部59は、データ
1,5,7,11,13,17,19,23について
は、sin30°の値を乗ずる役割を果たしており、デ
ータ3,21については、1/2する役割を果たしてい
る。
【0054】(1−3−4):次に、11.2kHz用
のフィルタ34−4の場合、基準波形の各刻み点は、図
9にて0〜20の番号を付した各点(即ち、基準波形を
端から36°位相分毎に20等分した場合の各点)とな
る。そして、11.2kHz用のフィルタ34−4は、
当該フィルタ34−4の各係数が図9の各刻み点の値と
同じになるように、図10の如く構成されている。
【0055】即ち、11.2kHz用のフィルタ34−
4は、入力をサンプリング周期T分ずつ遅延して出力す
る18個の遅延器41が直列に接続され、そのうちの初
段の遅延器41にA/D変換器33からのサンプリング
データが順次入力される遅延器群62と、加減算部6
3,64,65,66,67と、入力を1回(1ビット
分)右へシフトして出力する2個の右シフト部68,6
9と、入力に対し係数αとしてsin36°に相当する
値(ここでは=0.618)を乗算する乗算部70とか
ら構成されている。尚、乗算部で乗ずる係数αを、si
n36°(=0.588)ではなく、0.618にして
いるのは、この11.2kHz用フィルタ34−4で
は、sin72°(=0.951)の値を1としてお
り、その倍率(=1/0.951=1.051)の分だ
け、sin36°に相当する値を大きくしているからで
ある。
【0056】そして、遅延器群62を構成する各遅延器
41のうち、初段の遅延器41の入力をデータ1とし、
その初段の遅延器41の出力をデータ2とし、2段目以
降の各遅延器41の出力を順番にデータ3,データ4,
…,データ19とすると、この11.2kHz用フィル
タ34−4では、加減算部63により、「データ16+
データ19−データ1−データ4」の加減算が行われ、
その加減算部63の出力が、右シフト部68により1回
右へシフトされて、1/2の値にされる。
【0057】更に、加減算部64により、「右シフト部
68の出力+データ6+データ9−データ11−データ
14」の加減算が行われ、その加減算部64の出力に対
して、乗算部70により、係数αとしての0.618が
乗算される。また、加減算部65により、「データ17
+データ18−データ2−データ3」の加減算が行わ
れ、その加減算部65の出力が、右シフト部69により
1回右へシフトされて、1/2の値にされる。
【0058】また更に、加減算部66により、「データ
7+データ8−データ12−データ13」の加減算が行
われる。そして、加減算部67により、「乗算部70の
出力+右シフト部69の出力+加減算部66の出力」の
加算が行われ、その加減算部67の出力が、当該フィル
タ34−4の出力となる。
【0059】このため、図9にて0〜20の番号を付し
た各刻み点を、刻み点0,刻み点1,刻み点2,…,刻
み点19,刻み点20と呼ぶことにすると、この11.
2kHz用フィルタ34−4では、データ1に対する係
数が、刻み点1の値を1.051倍した値(=−0.6
18/2)になり、データ2に対する係数が、刻み点2
の値を1.051倍した値(=−0.5)になり、…、
データ6に対する係数が、刻み点6の値を1.051倍
した値(=0.618)になり、データ7に対する係数
が、刻み点7の値を1.051倍した値(=1)にな
り、…、データ19に対する係数が、刻み点19の値を
1.051倍した値(=0.618/2)になるという
ように、各係数が図9の各刻み点の値と同じようにな
る。つまり、このフィルタ34−4では、前述したよう
に、sin72°を1とし、sin36°を0.618
としているため、各係数は、図9における各刻み点1〜
19の値を1.051倍した値となる。
【0060】尚、この11.2kHz用フィルタ34−
4においても、図9における白丸(○)印の5つの刻み
点0,5,10,15,20は、基準波形のゼロクロス
点であるため、刻み点0と刻み点20とに該当する遅延
器は設けられず、また、刻み点5,10,15に夫々該
当する4段目と9段目と14段目の各遅延器41の出力
は、乗ずるべき係数が0であり、演算の対象から除外さ
れている。
【0061】以上のように、本第1実施形態では、フィ
ルタ周波数が14kHzと7kHzと9.3kHzと1
1.2kHzとの各々である各周波数サンプリングフィ
ルタ34−1〜34−4を設計するに当たり、ウェーブ
レット関数の波形に相当するものとして、上記(1−
1)の要領で、左右反転対象の基準波形を作成すると共
に、各フィルタ34−1〜34−4とサンプリングタイ
ミング(A/D変換器33のA/D変換タイミング)と
の関係を表す図11,図12のように、サンプリング周
波数を、各フィルタ周波数(7kHz,9.3kHz,
11.2kHz,14kHz)の最小公倍数の偶数倍で
ある112kHzに設定している。そして、各フィルタ
34−1〜34−4を、上記(1−3)で述べたよう
に、上記(1−1)の要領で作成した左右反転対称の基
準波形をサンプリング周期T毎に刻んだ場合の該基準波
形上の各刻み点の値と、そのフィルタの各係数とが同じ
になるように構成するようにしている。
【0062】このような本第1実施形態のノックセンサ
信号処理装置31では、各各周波数サンプリングフィル
タ34−1〜34−4において、フィルタ係数を決定す
るための基準波形のゼロクロス点の全てが刻み点とな
り、そのゼロクロス点である刻み点に該当する遅延器4
1の出力については、乗ずるべき係数が0であるため演
算無しで済む。つまり、「m−1」番目の係数h(m−
1)と「m+1」番目の係数h(m+1)との符号が異
なる場合の、m番目の係数h(m)が0となっている。
【0063】しかも、各フィルタ34−1〜34−4
は、例えば、図8のフィルタ34−3におけるデータ
3,データ7,データ11,データ13,データ17,
データ21の各々に対する6つの係数の絶対値は共に
0.5であり、また、そのフィルタ34−3におけるデ
ータ1,データ5,データ19,データ23の各々に対
する4つの係数の絶対値は共に0.25である、といっ
た具合に、絶対値の同じ係数が4つ以上存在するように
構成されている。このため、そのような絶対値が同じ4
つ以上の係数に夫々該当する各遅延器の出力について
は、それらを加減算してから係数の絶対値を乗ずるため
の処理を行うようにしている。
【0064】また、各フィルタ34−1〜34−4にお
いて、基準波形における波形Aの頂部である刻み点に該
当する遅延器41の出力は、乗算無しでそのまま加算又
は減算すれば良く、波形Bの頂部である刻み点に該当す
る遅延器41の出力については、1/2を乗ずることと
なるが、それは右シフトの処理で済ましている。
【0065】そして、このようなことから、本第1実施
形態のノックセンサ信号処理装置31によれば、各フィ
ルタ34−1〜34−4が、偶数個の遅延器と、2〜3
個の右シフト部と、数個の加減算部と、1個の乗算部と
で実現されており、フィルタ処理負荷を、通常のマイコ
ンにて容易に実施できる程度にまで低減することができ
る。
【0066】そして更に、本第1実施形態では、フィル
タ周波数の中に、倍数の関係(上記の例では2倍:n=
2)である14kHzと7kHzとが存在しており、7
kHz用フィルタ34−1としては、14kHz用フィ
ルタ34−2の遅延器群42における各遅延器41を、
2つ直列の遅延器41b,41aに夫々置き換えたもの
用いている。このため、全フィルタの設計作業が楽にな
ると共に、7kHz用フィルタ34−1での計算回数を
効率的に減らすことができる。尚、この手法は、2倍の
関係に限らず適用することができ、例えば、フィルタ周
波数の中に、7倍の関係である14kHzと2kHzと
が存在するならば、2kHz用フィルタは、14kHz
用フィルタの遅延器群における各遅延器を、7個直列の
遅延器に夫々置き換えたものにすれば良い。
【0067】[第2実施形態]次に、第2実施形態のノ
ックセンサ信号処理装置31では、周波数サンプリング
フィルタ34として、7kHz用のフィルタ34−1
と、14kHz用のフィルタ34−2とを設けている。
【0068】そして、各フィルタ34−1,34−2
は、以下のように設計されている。 (2−1):まず、各フィルタ34−1,34−2のウ
ェーブレット関数の波形に相当する基準波形を、フィル
タ周波数と同じ周波数のsin波の半波を組み合わせ
て、図13のように作成する。
【0069】即ち、14kHz用のフィルタ34−2で
あれば、図13の上段に示すように、14kHzのsi
n波の半波である最大波高値=1の波形Aと、その波形
Aの高さを1/2にした波形を負側へ反転させた波形B
とを、「波形B−波形A−波形B」の順につなげること
により、1組の波形Aと2組の波形Bとを含んだ左右対
称の基準波形を作成する。
【0070】同様に、7kHz用のフィルタ34−1で
あれば、図13の下段に示すように、7kHzのsin
波の半波である最大波高値=1の波形Aと、その波形A
の高さを1/2にした波形を負側へ反転させた波形Bと
を、「波形B−波形A−波形B」の順につなげることに
より、1組の波形Aと2組の波形Bとを含んだ左右対称
の基準波形を作成する。尚、図13の下段の波形は、図
13の上段の波形を横方向に2倍した波形である。
【0071】つまり、本第2実施形態では、sin波の
半波であって最大波高値が1である波形Aと、その波形
Aの高さを2の−1乗倍した波形を負側へ反転させた波
形Bとを、「波形B−波形A−波形B」の順につなげた
左右対象の波形を、基本ウェーブレット関数としてい
る。
【0072】(2−2):また、本第2実施形態におい
ても、A/D変換器33によるサンプリング周波数を、
全てのフィルタ周波数(7kHz,14kHz)の公倍
数であって、特に、その各フィルタ周波数の最小公倍数
(=28kHz)の偶数倍に設定しており、ここでは、
第1実施形態と同じ112kHz(=4×28kHz=
8×14kHz)に設定している。
【0073】(2−3):そして、本第2実施形態にお
いても、各フィルタ34−1,34−2は、インパルス
応答が有限長のFIRフィルタであって、上記(2−
1)の要領で作成した左右対称の基準波形を該基準波形
の端からサンプリング周期T毎に刻んだ場合の当該基準
波形上の各点である各刻み点の値と、そのフィルタの各
係数とが、同じになるように構成されている。そこで以
下、各フィルタ34−1,34−2の具体的な構成につ
いて説明する。
【0074】(2−3−1):まず、14kHz用フィ
ルタ34−2の場合、基準波形の各刻み点は、図14に
て0〜12の番号を付した各点(即ち、基準波形を端か
ら45°位相分毎に12等分した場合の各点)となる。
そして、14kHz用フィルタ34−2は、当該フィル
タ34−2の各係数が図15の各刻み点の値と同じにな
るように、図15の如く構成されている。
【0075】即ち、14kHz用フィルタ34−2は、
入力をサンプリング周期T分ずつ遅延して出力する10
個の遅延器41が直列に接続され、そのうちの初段の遅
延器41にA/D変換器33からのサンプリングデータ
が順次入力される遅延器群72と、加減算部73,7
4,75,76と、入力を1回(1ビット分)右へシフ
トして出力する2個の右シフト部77,78と、入力に
対し係数αとしてsin45°の値(=0.707)を
乗算する乗算部79とから構成されている。
【0076】そして、遅延器群72を構成する各遅延器
41のうち、初段の遅延器41の入力をデータ1とし、
その初段の遅延器41の出力をデータ2とし、2段目以
降の各遅延器41の出力を順番にデータ3,データ4,
…,データ11とすると、この14kHz用フィルタ3
4−2では、加減算部73により、「−データ1−デー
タ3−データ9−データ11」の減算が行われ、その加
減算部73の出力が、右シフト部77により1回右へシ
フトされて、1/2の値にされる。
【0077】更に、加減算部74により、「右シフト部
77の出力+データ5+データ7」の加算が行われ、そ
の加減算部74の出力に対して、乗算部79により、s
in45°の値(=0.707)が乗算される。また、
加減算部75により、「データ2+データ10」の加算
が行われ、その加減算部75の出力が、右シフト部78
により1回右へシフトされて、1/2の値にされる。そ
して更に、加減算部76により、「乗算部79の出力+
データ6−右シフト部78の出力」の加減算が行われ、
その加減算部76の出力が、当該フィルタ34−2の出
力となる。
【0078】そして、図14にて0〜12の番号を付し
た各刻み点を、刻み点0,刻み点1,刻み点2,…,刻
み点11,刻み点12と呼ぶことにすると、この14k
Hz用フィルタ34−2では、データ1に対する係数が
刻み点1の値(=−sin45°/2)になり、データ
2に対する係数が刻み点2の値(=−0.5)になり、
…、データ5に対する係数が刻み点5の値(=sin4
5°)になり、データ6に対する係数が刻み点6の値
(=1)になり、…、データ11に対する係数が刻み点
11の値(=−sin45°/2)になるというよう
に、各係数が図14の各刻み点の値と同じになる。
【0079】尚、図14における白丸(○)印の4つの
刻み点0,4,8,12は、基準波形のゼロクロス点で
あるため、刻み点0と刻み点12とに該当する遅延器は
設けられず、また、刻み点4,8に夫々該当する3段目
と7段目の各遅延器41の出力は、乗ずるべき係数が0
であり、演算の対象から除外されている。
【0080】(2−3−2):次に、7kHz用のフィ
ルタ34−1の場合、基準波形の各刻み点は、図16に
示すように、0〜12の番号を付した各点(即ち、基準
波形を端から45°位相分毎に12等分した場合の各
点)と、その各点間の中間位相の△印を付した各点とな
る。そして、7kHz用のフィルタ34−1は、当該フ
ィルタ34−1の各係数が、図16の各刻み点のうち、
△印の点以外の1つおきの各点の値と同じになるよう
に、図17の如く構成されている。
【0081】即ち、7kHz用フィルタ34−1は、図
15に示した14kHz用フィルタ34−2の遅延器群
72における各遅延器41を、2つ直列の遅延器41
b,41aに夫々置き換えたものであり、それ以外の構
成は、14kHz用フィルタ34−2と同じである。つ
まり、本第2実施形態の7kHz用フィルタ34−1
も、第1実施形態と同様に、14kHz用フィルタ34
−2の遅延器41の数を2倍にすると共に、その各遅延
器41の出力を1つおきに間引いてフィルタ演算に用い
るように構成されている。
【0082】そして、図16にて0〜12の番号を付し
た各刻み点を、刻み点0,刻み点1,刻み点2,…,刻
み点11,刻み点12と呼ぶことにすると、この7kH
z用フィルタ34−1では、2個1組の遅延器41b,
41aを2サンプリング周期(=2×T)分の遅延器と
した場合の各係数が、刻み点1〜11の各値と同じにな
る。
【0083】尚、図16における△印の刻み点は、上記
間引きにより考慮外とされており、図17にて、その△
印の刻み点に該当する遅延器(即ち、図15に対して追
加されている遅延器41b)の出力は、演算の対象から
除外されている。以上のように、本第2実施形態では、
フィルタ周波数が14kHzと7kHzとの各々である
各周波数サンプリングフィルタ34−1,34−2を設
計するに当たり、ウェーブレット関数の波形に相当する
ものとして、上記(2−1)の要領で、左右対象の基準
波形を作成するようにしている。そして、第1実施形態
と同様に、サンプリング周波数を、各フィルタ周波数
(7kHz,14kHz)の最小公倍数の偶数倍である
112kHzに設定すると共に、各フィルタ34−1,
34−2を、上記(2−1)の要領で作成した左右対称
の基準波形をサンプリング周期T毎に刻んだ場合の該基
準波形上の各刻み点の値と、そのフィルタの各係数とが
同じになるように構成するようにしている。
【0084】このような第2実施形態のノックセンサ信
号処理装置31によっても、各各周波数サンプリングフ
ィルタ34−1,34−2において、「m−1」番目の
係数h(m−1)と「m+1」番目の係数h(m+1)
との符号が異なる場合のm番目の係数h(m)が0とな
り、また、各フィルタ34−1,34−2は、例えば、
図15のフィルタ34−2におけるデータ1,データ
3,データ9,データ11の各々に対する4つの係数の
絶対値は共に「sin45°/2」であるといった具合
に、絶対値の同じ係数が4つ以上存在するように構成さ
れる。
【0085】そして、このような本第2実施形態のノッ
クセンサ信号処理装置31によっても、各フィルタ34
−1,34−2を、偶数個の遅延器と、2個の右シフト
部と、数個の加減算部と、1個の乗算部とで実現するこ
とができ、フィルタ処理負荷を、通常のマイコンにて容
易に実施できる程度にまで低減することができる。
【0086】そして更に、本第2実施形態においても、
7kHz用フィルタ34−1としては、14kHz用フ
ィルタ34−2の遅延器群72における各遅延器41
を、2つ直列の遅延器41b,41aに夫々置き換えた
もの用いているため、全フィルタの設計作業が楽になる
と共に、7kHz用フィルタ34−1での計算回数を効
率的に減らすことができる。
【0087】尚、ここでは、7kHz用フィルタ34−
1と14kHz用フィルタ34−2との構成例について
説明したが、ノック基本波の1.5次相当の高調波の周
波数(9kHz〜11kHz)をフィルタ周波数とした
フィルタも、同じ要領で構成することができ、第1実施
形態と同様に、そのような1.5次相当の高調波用のフ
ィルタを追加すれば、ノッキングの検出精度を更に上げ
ることができる。
【0088】また、本第2実施形態では、ウェーブレッ
ト関数に相当する基準波形として、左右対称の波形を用
いたが、第1実施形態のような左右反転対象の波形を用
いる方が、ノッキングの検出精度を一層高めることがで
き、有利である。つまり、ノックセンサ信号は、一般
に、基準点を中心に上下対象に振れ易く、そのようなノ
ックセンサ信号の波形パターンに出力値が的確に反応す
る周波数サンプリングフィルタが得られるからである。
【0089】[第3実施形態]次に、第3実施形態のノ
ックセンサ信号処理装置31では、周波数サンプリング
フィルタ34として、7kHz用のフィルタ34−1
と、14kHz用のフィルタ34−2と、ノック基本波
の1.5次相当の高調波の周波数である10.5kHz
をフィルタ周波数としたフィルタ(10.5kHz用の
フィルタ)34−5とを設けている。
【0090】そして、各フィルタ34−1,34−2,
34−5は、以下のように設計されている。 (3−1):まず、各フィルタ34−1,34−2,3
4−5のウェーブレット関数の波形に相当する基準波形
を、第1実施形態と同じ要領(上記(1−1)の要領)
で作成する。但し、本第3実施形態では、波形Aの最大
波高値を2としており、このため、波形Bの最大波高値
が0.5ではなく1となっている(図18参照)。
【0091】(3−2):次に、本第3実施形態におい
ても、A/D変換器33によるサンプリング周波数を、
全てのフィルタ周波数(7kHz,10.5kHz,1
4kHz)の公倍数であって、特に、その各フィルタ周
波数の最小公倍数(=42kHz)の偶数倍に設定して
いるが、ここでは、84kHz(=2×42kHz=6
×14kHz)に設定している。このため、サンプリン
グ周波数は、10.5kHzに対しては8倍であり、7
kHzに対しては12倍となる。
【0092】(3−3):そして、本第3実施形態にお
いても、各フィルタ34−1,34−2,34−5は、
インパルス応答が有限長のFIRフィルタであって、上
記(3−1)の要領で作成した左右反転対称の基準波形
を該基準波形の端からサンプリング周期T毎に刻んだ場
合の当該基準波形上の各点である各刻み点の値と、その
フィルタの各係数とが、同じになるように構成されてい
る。そこで以下、各フィルタ34−1,34−2,34
−5の具体的な構成について説明する。
【0093】(3−3−1):まず、14kHz用フィ
ルタ34−2の場合、基準波形の各刻み点は、図18に
て0〜12の番号を付した各点(即ち、基準波形を端か
ら60°位相分毎に12等分した場合の各点)となる。
そして、14kHz用フィルタ34−2は、当該フィル
タ34−2の各係数が図18の各刻み点の値と同じにな
るように、図19の如く構成されている。
【0094】即ち、14kHz用フィルタ34−2は、
入力をサンプリング周期T分ずつ遅延して出力する10
個の遅延器41が直列に接続され、そのうちの初段の遅
延器41にA/D変換器33からのサンプリングデータ
が順次入力される遅延器群82と、加減算部83,84
と、入力を1回(1ビット分)左へシフトして出力する
左シフト部85とから構成されている。
【0095】そして、遅延器群82を構成する各遅延器
41のうち、初段の遅延器41の入力をデータ1とし、
その初段の遅延器41の出力をデータ2とし、2段目以
降の各遅延器41の出力を順番にデータ3,データ4,
…,データ11とすると、この14kHz用フィルタ3
4−2では、加減算部83により、「データ4+データ
5−データ7−データ8」の加減算が行われ、その加減
算部83の出力が、左シフト部85により1回左へシフ
トされて、2倍の値にされる。尚、加減算部83の出力
を左シフト部85により1回左へシフトしているのは、
本第3実施形態の14kHz用フィルタ34−2では、
sin60°(=0.866)の値を1としているから
であり、本来ならば係数として「2×sin60°」を
乗ずるべきデータ4,5,7,8の各々に2を乗ずるた
めである。
【0096】そして更に、本第3実施形態の14kHz
用フィルタ34−2では、加減算部84により、「左シ
フト部85の出力−データ1−データ2+データ10+
データ11」の加減算が行われ、その加減算部84の出
力が、当該フィルタ34−2の出力となる。尚、データ
1,2,10,11に対してsin60°を乗じないの
は、前述したように、sin60°の値を1としている
からである。
【0097】このため、図18にて0〜12の番号を付
した各刻み点を、刻み点0,刻み点1,刻み点2,…,
刻み点11,刻み点12と呼ぶことにすると、この14
kHz用フィルタ34−2では、データ1,2に対する
係数が、刻み点1,2の値を「1/sin60°」倍し
た値(=−1)になり、データ3,6,9に対する係数
が、刻み点3,6,9の値である0になり、データ4,
5に対する係数が、刻み点4,5の値を「1/sin6
0°」倍した値(=2)になり、データ7,8に対する
係数が、刻み点7,8の値を「1/sin60°」倍し
た値(=−2)になり、データ10,11に対する係数
が、刻み点10,11の値を「1/sin60°」倍し
た値(=1)になる。つまり、このフィルタ34−2で
は、前述したように、sin60°を1とし、2×si
n60°を2としているため、各係数は、図18におけ
る各刻み点1〜11の値を「1/sin60°」倍した
値となる。
【0098】尚、図18における白丸(○)印の5つの
刻み点0,3,6,9,12は、基準波形のゼロクロス
点であるため、刻み点0と刻み点12とに該当する遅延
器は設けられず、また、刻み点3,6,9に夫々該当す
る2段目と5段目と8段目の各遅延器41の出力は、乗
ずるべき係数が0であり、演算の対象から除外されてい
る。
【0099】(3−3−2):次に、図示はしないが、
7kHz用フィルタ34−1は、第1実施形態の図4と
図6との関係と全く同様に、図19に示した14kHz
用フィルタ34−2の遅延器群82における各遅延器4
1を、2つ直列の遅延器に夫々置き換えたものである。
つまり、本第3実施形態の7kHz用フィルタ34−1
も、第1実施形態と同様に、14kHz用フィルタ34
−2の遅延器41の数を2倍にすると共に、その各遅延
器41の出力を1つおきに間引いてフィルタ演算に用い
るように構成されている。
【0100】(3−3−3):次に、10.5kHz用
のフィルタ34−5は、図4に示した第1実施形態の1
4kHz用フィルタ34−2と同じ構成である。つま
り、本第3実施形態では、各フィルタ34−1,34−
2,34−5とサンプリングタイミングとの関係を表す
図20のように、サンプリング周波数が10.5kHz
の8倍であり、これは、第1実施形態においてサンプリ
ング周波数が14kHzの8倍である点(図11,12
参照)と同じであるからである。
【0101】尚、10.5kHz用フィルタ34−5を
図4と全く同じ構成にした場合、そのフィルタ34−5
の出力値のゲインは、他のフィルタ34−1,34−2
の半分になる。このため、他のフィルタ34−1,34
−2とゲインを合わせるのであれば、図4の構成に対し
て、加減算部46の出力を1回左シフトする左シフト部
を追加し、その左シフト部の出力を、10.5kHz用
フィルタ34−5の出力とするように構成すれば良い。
【0102】以上のような第3実施形態によれば、特
に、7kHz用フィルタ34−1と14kHz用フィル
タ34−2とを、偶数個の遅延器,1個の左シフト部,
及び数個の加減算部だけで実現して、その各フィルタ3
4−1,34−2での乗算回数を0回にすることがで
き、第1実施形態よりも、更にフィルタ処理負荷を低減
することができる。
【0103】[第4実施形態]ところで、上記第1〜第
3実施形態では、各フィルタ34のウェーブレット関数
の波形に相当する基準波形を、sin波の半波を組み合
わせて作成したが、図21の左側における<例1>に示
すように、フィルタ周波数と同じ周波数のsin波の全
波である波形A(最大波高値は例えば1)と、その波形
Aの高さを例えば「1/2」倍した波形Bとをつなげた
波形を、基準波形として、各フィルタ34を構成するよ
うにしても良い。
【0104】そして、この場合にも、前述した各実施形
態と同様に、サンプリング周波数をフィルタ周波数の偶
数倍に設定すると共に、フィルタ34は、上記全波の波
形A,Bからなる基準波形をサンプリング周期T毎に刻
んだ場合の該基準波形上の各刻み点の値と、そのフィル
タ34の各係数とが同じになるように構成すれば良い
が、特に、この場合、各係数は、基準波形の波形B側の
端を始端とすると、新しい入力データに対応する係数ほ
ど、その始端側の刻み点に対応するように設定する。つ
まり、最も新しい入力データに対応する係数が基準波形
の波形B側の端の方の刻み点に対応し、最も古い入力デ
ータに対応する係数が基準波形の波形A側の端の方の刻
み点に対応するように設定するのである。
【0105】例えば、図21の<例1>において、フィ
ルタ周波数(即ち、波形A,B及びそれらからなる基準
波形の周波数)が14kHzであると共に、サンプリン
グ周波数を、その14kHzの8倍に設定したとし、更
に、基準波形を波形B側の端からサンプリング周期T毎
に刻んでいったとすると、その基準波形の各刻み点は、
右側から左側へ0〜16の番号を付した各点(刻み点
0,刻み点1,刻み点2,…,刻み点16)となる。
【0106】そして、この場合、14kHz用のフィル
タ34−2は、図4に示した第1実施形態のフィルタ3
4−2と同様に、14個の遅延器41からなる遅延器群
42を備えると共に、その各遅延器41のうち、初段の
遅延器41の入力をデータ1とし、その初段の遅延器4
1の出力をデータ2とし、2段目以降の各遅延器41の
出力を順番にデータ3,データ4…とすると、最新の入
力データとしてのデータ1に対する係数が刻み点1の値
(=−sin45°/2)になり、データ1の1つ前の
データ2に対する係数が刻み点2の値(=−0.5)に
なり、データ3に対する係数が刻み点3の値(=−si
n45°/2)になり、データ4に対する係数が刻み点
4の値(=0)になり、データ5に対する係数が刻み点
5の値(=sin45°/2)になり、データ6に対す
る係数が刻み点6の値(=0.5)になり、データ7に
対する係数が刻み点7の値(=sin45°/2)にな
り、データ8に対する係数が刻み点8の値(=0)にな
り、データ9に対する係数が刻み点9の値(=−sin
45°)になり、データ10に対する係数が刻み点10
の値(=−1)になり、データ11に対する係数が刻み
点11の値(=−sin45°)になり、データ12に
対する係数が刻み点12の値(=0)になり、データ1
3に対する係数が刻み点13の値(=sin45°)に
なり、データ14に対する係数が刻み点14の値(=
1)になり、最古の入力データとしてのデータ15に対
する係数が刻み点15の値(=sin45°)になるよ
うに、構成すれば良い。
【0107】つまり、この場合の14kHz用フィルタ
34−2は、図4に示したフィルタ34−2を以下のよ
うに変更したものとなる。即ち、データ13に代えてデ
ータ5を加減算部43に入力し、データ14に代えてデ
ータ6を加減算部45に入力し、データ15に代えてデ
ータ7を加減算部43に入力し、データ5に代えてデー
タ13を加減算部44に入力し、データ6に代えてデー
タ14を加減算部46に入力し、データ7に代えてデー
タ15を加減算部44に入力するように変更すれば良
い。尚、フィルタ周波数が異なる他のフィルタ34につ
いても同様に構成すれば良い。
【0108】そして、本第4実施形態のようにフィルタ
34を構成しても、第1実施形態と同様の効果が得られ
る。つまり、フィルタ34を、偶数個の遅延器と、2〜
3個の右シフト部と、数個の加減算部と、1個の乗算部
とで実現することができ、ノックセンサ信号処理装置3
1におけるフィルタ処理の負荷を、通常のマイコンにて
容易に実施できる程度にまで低減することができる。
【0109】そして更に、本第4実施形態のようにフィ
ルタ34を構成すれば、sin波の全波である波形A
と、その波形Aの高さを小さくした波形Bとをつなげた
減衰パターンの波形が、ウェーブレット関数に相当する
基準波形となるため、ノッキングの検出精度を高めるこ
とができる。つまり、ノックセンサ信号は、図26に示
すように、ノッキングの発生時において、最初に大きく
振れ、その後、振幅が次第に小さくなっていく、といっ
た波形パターンを有しており、そのようなノックセンサ
信号の減衰波形パターンに出力値が的確に反応する周波
数サンプリングフィルタが得られるからである。
【0110】尚、本第4実施形態において、フィルタ3
4の基準波形を構成する波形Bは、1つに限らず、ま
た、1種類でなくても良い。例えば、図21における右
側の<例2>に示すように、上記<例1>の波形の右側
(即ち、波形Aの高さを「1/2」倍した波形Bの波形
A側とは反対側)に、更に波形Bとして、波形Aの高さ
を「1/4」倍した波形をつなげ、その3周期分の波形
を基準波形としても良い。
【0111】[第5実施形態]次に、第5実施形態のノ
ックセンサ信号処理装置31は、周波数サンプリングフ
ィルタ34として、例えば、第1実施形態で述べた7k
Hz用のフィルタ34−1(図6)と、11.2kHz
用のフィルタ34−4(図10)と、14kHz用のフ
ィルタ34−2(図4)とを備えている。
【0112】そして、本第5実施形態のノックセンサ信
号処理装置31においては、図22に示すように、ノッ
キング検出部35に切替信号が入力されるようになって
おり、また、A/D変換器33は、ノッキング検出部3
5からの設定信号によって、サンプリング周波数(換言
すれば、A/D変換の周期であるサンプリング周期T)
が変更されるようになっている。
【0113】ここで、切替信号は、ハイレベル又はロー
レベルの二値信号であり、例えば、フィルタ34及びノ
ッキング検出部35を成すマイコンの外部に設けられた
ジャンパ線が、ハイレベルに相当する電源電圧に接続さ
れれば、ハイレベルとなり、逆に、上記ジャンパ線が、
ローレベルに相当する接地電位(グランドライン)に接
続されれば、ローレベルになる。
【0114】そして、ノッキング検出部35は、切替信
号がハイレベルであれば、A/D変換器33によるサン
プリング周波数を、第1実施形態と同じ112kHzに
設定し、切替信号がローレベルであれば、A/D変換器
33によるサンプリング周波数を、112kHzとは異
なる値(本実施形態では、112×(6.5/7)=1
04kHz)に設定する。
【0115】尚、サンプリング周波数のバリエーション
(この例では、112kHzと104kHzの2通り)
と、切替信号のどの状態がどのサンプリング周波数に該
当するかの対応関係は、フィルタ34及びノッキング検
出部35を成すマイコンのメモリ(ROM,RAM,レ
ジスタ等)に記憶されている。
【0116】このような第5実施形態のノックセンサ信
号処理装置31によれば、ノック基本波の周波数(ノッ
キング発生時のノックセンサ信号の中心周波数)が第1
実施形態と同じ7kHzである内燃機関(以下、機種a
の内燃機関という)に用いる場合には、上記ジャンパ線
により切替信号をハイレベルにすれば良く、また、ノッ
ク基本波の周波数が6.5kHzである内燃機関(以
下、機種bの内燃機関という)に用いる場合には、上記
ジャンパ線により切替信号をローレベルにすれば良い。
【0117】つまり、切替信号をハイレベルにすれば、
A/D変換器33によるサンプリング周波数が112k
Hzとなるため、第1実施形態と同様に、フィルタ34
−1(図6)は、フィルタ周波数が7kHzのフィルタ
として機能し、フィルタ34−4(図10)は、フィル
タ周波数が11.2kHzのフィルタとして機能し、フ
ィルタ34−2(図4)は、フィルタ周波数が14kH
zのフィルタとして機能する。そして、この結果、フィ
ルタ34−1,34−4,34−2は、機種aの内燃機
関のノッキング検出に最適なフィルタとなる。
【0118】これに対して、切替信号をローレベルにす
れば、A/D変換器33によるサンプリング周波数が1
12kHzの「6.5/7」倍である104kHzとな
るため、フィルタ34−1(図6)のフィルタ周波数
が、7kHzではなく6.5kHzとなり、フィルタ3
4−4(図10)のフィルタ周波数が、11.2kHz
ではなく10.4kHzとなり、フィルタ34−2(図
4)のフィルタ周波数が、14kHzではなく13kH
zとなる。そして、この結果、フィルタ34−1,34
−4,34−2は、機種bの内燃機関のノッキング検出
に最適なフィルタとなる。
【0119】このような第5実施形態のノックセンサ信
号処理装置31によれば、あるフィルタ周波数で処理負
荷が小さくなるように構成したフィルタ34−1,34
−4,34−2を、複数通りの各フィルタ周波数の場合
でもそのまま使用して、フィルタ処理負荷を小さくする
ことができる。また、フィルタ周波数を変更する場合
に、フィルタの設計変更は不要である。
【0120】尚、切替信号を、二値信号ではなく複数ビ
ットの信号にして、サンプリング周波数を3通り以上に
変更することができるようにしても良し、シリアルやパ
ラレル通信などによって送受信できるようにしても良
い。また、外部から切替信号を与えるのではなく、サン
プリング周波数は、マイコンのROMに書き込むように
しても良い。つまり、サンプリング周波数が、ROM内
のプログラムによって変更できるように構成しておけば
良い。また、この場合、サンプリング周波数は、初期状
態からの動作開始時(いわゆるイニシャル時)などに、
設定すれば良い。
【0121】一方、ノック基本波の周波数(延いては、
ノッキング検出に最適なフィルタ周波数)が、エンジン
回転数などの運転状態に応じて若干ずれる場合には、A
/D変換器33によるサンプリング周波数を、その内燃
機関の運転状態に応じて切り替えるように構成しても良
い。例えば、エンジン回転数が5000rpm未満であ
れば、サンプリング周波数を112kHzに設定して、
フィルタ34−1,34−4,34−2の各フィルタ周
波数を7kHz,11.2kHz,14kHzの各々に
し、エンジン回転数が5000rpm以上になると、サ
ンプリング周波数を104kHzに設定して、フィルタ
34−1,34−4,34−2の各フィルタ周波数を
6.5kHz,10.4kHz,13kHzの各々にす
る、といった具合に構成することもできる。
【0122】また、マイコンのメモリに記憶しておくの
は、サンプリング周波数ではなく、サンプリング周期T
であっても良い。何れもにしても同じことだからであ
る。また更に、上記第5実施形態の手法は、第1実施形
態で述べたフィルタ34−3(図8)や、第2,第3,
第4の各実施形態で述べた他のフィルタ34を有する装
置に対しても、同様に適用することができる。つまり、
第1〜第4の各実施形態で述べた各フィルタ34は、何
れも、サンプリング周波数をS倍にすれば、フィルタ周
波数がS倍になる構成を有しているからである。
【0123】以上、本発明の一実施形態について説明し
たが、本発明は、種々の形態を採り得ることは言うまで
もない。例えば、上記各実施形態では、基準波形を構成
する波形Bの高さ(波高値)を、波形Aの波高値の「1
/2」倍(第4実施形態では更に「1/4」倍)といっ
た具合に、2の−Y乗倍(Yは1以上の整数)に設定し
たが、波形Bとしては、波形Aの波高値を任意のX倍
(但し、Xは1より小さい正の数)した波形でも良い。
【0124】但し、波形Bとして、波形Aの波高値を2
の「−n/2」乗倍(nは1以上の整数)した波形を用
いれば、図23に例示する如く、波形Aの頂部の高さを
1とした場合に、値が2の−Y乗となる刻み点(即ち、
値が波形Aの頂部高さの2の−Y乗倍である刻み点であ
って、それに該当する遅延器の出力については係数を乗
ずるための計算処理を右シフト処理で済ますことができ
る刻み点)を増やし易く、フィルタ処理の負荷を効率的
に低減できるため、より有利である。
【0125】また、 上記実施形態の周波数サンプリン
グフィルタにおいて、sin45°の値を乗ずる乗算部
49,79の処理は、以下のように、シフト処理と加算
処理とで簡単に実施することも可能である。 sin45°=0.707… =0.003906+0.015625+0.0625+0.125+0.5 =2-8+2-6+2-4+2-3+2-1 =((((2-2+1)×2-2+1)×2-1+1)×2-2+1)×2-1 =0.707031 つまり、Vという入力があった場合、V>>nが、Vを右
へn回シフトすることを示すものとすると、 ((((V>>2+V)>>2+V)>>1+V)>>2+V)
>>1 を計算すればよく、sin45°の値を乗ずる処理を、
5個のシフト命令と4回の加算命令によって実現でき
る。
【0126】同様に、上記実施形態の周波数サンプリン
グフィルタにおいて、sin60°の値を乗ずる乗算部
61の処理は、以下のように、シフト処理と加減算処理
とで簡単に実施することも可能である。 sin60°=0.866… =−0.007813+0.125+0.25+0.5 =−2-7+2-3+2-2+2-1 =((( 1−2-4)×2-1+1)×2-1+1)×2-1 =0.867187 つまり、Wという入力があった場合、W>>nが、Wを右
へn回シフトすることを示すものとすると、 ((( W−W>>4)>>1+W)>>1+W)>>1 を計算すればよく、sin60°の値を乗ずる処理を、
4個のシフト命令と3回の加減算命令によって実現でき
る。
【0127】そして、乗算部49,79の処理と乗算部
61の処理とを、上記の如くシフト処理と加減算処理と
から実施するように構成すれば、前述した周波数サンプ
リングフィルタ34のうち、図10の11.2kHz用
フィルタ34−4を除く全てのフィルタは、サンプリン
グデータに対する計算処理を、シフト処理と加減算処理
とからのみ行うこととなる。このため、フィルタ処理負
荷を一層低減することができる。
【0128】一方、ウェーブレット関数相当の基準波形
を作成するのに用いるベース波形としては、一般にノッ
クセンサ信号の波形はsin波状であることから、上記
各実施形態のようにsin波を用いるのが好ましいが、
図24に例示するように、三角波を用いて基準波形を作
成し、その基準波形に反応するフィルタを上記各実施形
態と同じ要領で設計しても良い。尚、図24(a)は、
三角波の半波である最大波高値=1の波形Aと、その波
形Aの高さを1/2にした波形Bとを、「波形B−波形
Aの反転−波形A−波形Bの反転」の順につなげて作成
した左右反転対称の基準波形を表しており、図24
(b)は、三角波の半波である最大波高値=1の波形A
と、その波形Aの高さを1/2にした波形を負側へ反転
させた波形Bとを、「波形B−波形A−波形B」の順に
つなげて作成した左右対称の基準波形を表している。
【0129】また、基準波形を作成するのに用いるベー
ス波形としては、sin波や三角波に限らず、例えば鋸
波などでも良い。一方また、フィルタの基準波形として
は、図25に示すように、波高値が一定のものであって
も良い。尚、図25(a)は、2周期分のsin波から
なる基準波形を表しており、図25(b)は、1周期分
の三角波からなる基準波形を表しており、図25(c)
は、2周期分の三角波からなる基準波形を表しており、
図25(d)は、3周期分の三角波からなる基準波形を
表している。
【0130】また更に、上記各実施形態では、サンプリ
ング周波数を、その各実施形態の場合のフィルタ周波数
の組み合わせにおいて最も好ましいと思われる値に設定
したが、サンプリング周波数は、前述した値に限るもの
ではなく、例えば、各フィルタ周波数の奇数倍(各フィ
ルタ周波数の最小公倍数の奇数倍)に設定することも可
能である。但し、偶数倍に設定した方が、前述したよう
に、基準波形のゼロクロス点の全てが刻み点になり、演
算無しで済む遅延器の出力を増やすことができるという
点で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施形態のノックセンサ信号処理装置の構成
を表すブロック図である。
【図2】 第1実施形態の周波数サンプリングフィルタ
のウェーブレット関数の波形に相当する基準波形の作成
方法を表す説明図である。
【図3】 第1実施形態の14kHz用フィルタについ
ての基準波形の各刻み点を表す図である。
【図4】 第1実施形態の14kHz用フィルタの構成
を表す構成図である。
【図5】 第1実施形態の7kHz用フィルタについて
の基準波形の各刻み点を表す図である。
【図6】 第1実施形態の7kHz用フィルタの構成を
表す構成図である。
【図7】 第1実施形態の9.3kHz用フィルタにつ
いての基準波形の各刻み点を表す図である。
【図8】 第1実施形態の9.3kHz用フィルタの構
成を表す構成図である。
【図9】 第1実施形態の11.2kHz用フィルタに
ついての基準波形の各刻み点を表す図である。
【図10】 第1実施形態の11.2kHz用フィルタ
の構成を表す構成図である。
【図11】 第1実施形態の14kHz用フィルタ,
9.3kHz用フィルタ,及び7kHz用フィルタと、
サンプリングタイミングとの関係を表す図である。
【図12】 第1実施形態の14kHz用フィルタ,1
1.2kHz用フィルタ,及び7kHz用フィルタと、
サンプリングタイミングとの関係を表す図である。
【図13】 第2実施形態の周波数サンプリングフィル
タのウェーブレット関数の波形に相当する基準波形の作
成方法を表す説明図である。
【図14】 第2実施形態の14kHz用フィルタにつ
いての基準波形の各刻み点を表す図である。
【図15】 第2実施形態の14kHz用フィルタの構
成を表す構成図である。
【図16】 第2実施形態の7kHz用フィルタについ
ての基準波形の各刻み点を表す図である。
【図17】 第2実施形態の7kHz用フィルタの構成
を表す構成図である。
【図18】 第3実施形態の14kHz用フィルタにつ
いての基準波形の各刻み点を表す図である。
【図19】 第3実施形態の14kHz用フィルタの構
成を表す構成図である。
【図20】 第3実施形態の14kHz用フィルタ,1
0.5kHz用フィルタ,及び7kHz用フィルタと、
サンプリングタイミングとの関係を表す図である。
【図21】 第4実施形態を説明する説明図である。
【図22】 第5実施形態のノックセンサ信号処理装置
に特有の構成を表すブロック図である。
【図23】 他の変形例を説明する説明図の、その1で
ある。
【図24】 他の変形例を説明する説明図の、その2で
ある。
【図25】 他の変形例を説明する説明図の、その3で
ある。
【図26】 ノックセンサ信号のノッキング発生時の波
形を表す図である。
【符号の説明】
31…ノックセンサ信号処理装置、32…ノックセン
サ、33…A/D変換器、34,34−1〜34−5,
34−N…周波数サンプリングフィルタ、35…ノッキ
ング検出部、41,41a,41b…遅延器、42,5
2,62,72,82…遅延器群、43〜46,53〜
57,63〜67,73〜76,83,84…加減算
部、47,48,58〜60,68,69,77,78
…右シフト部、49,61,70,79…乗算部、85
…左シフト部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関に取り付けられたノックセンサ
    からのアナログ信号を一定のサンプリング周期毎にA/
    D変換するA/D変換器と、 該A/D変換器によりA/D変換されたデータを順次入
    力して処理するデジタルフィルタと、 を備えたノックセンサ信号処理装置において、 前記デジタルフィルタは、FIRフィルタであると共
    に、該フィルタの各係数h(k)(但し、k=0〜nで
    あり、nは正の整数)のうち、係数h(m−1)の符号
    と係数h(m+1)の符号とが異なる場合の係数h
    (m)が0となるように構成されていること、 を特徴とするノックセンサ信号処理装置。
  2. 【請求項2】 内燃機関に取り付けられたノックセンサ
    からのアナログ信号を一定のサンプリング周期毎にA/
    D変換するA/D変換器と、 該A/D変換器によりA/D変換されたデータを順次入
    力して処理するデジタルフィルタと、 を備えたノックセンサ信号処理装置において、 前記デジタルフィルタは、FIRフィルタであると共
    に、 該フィルタの各係数のうち、絶対値が同じ係数が4つ以
    上あること、 を特徴とするノックセンサ信号処理装置。
  3. 【請求項3】 内燃機関に取り付けられたノックセンサ
    からのアナログ信号を一定のサンプリング周期毎にA/
    D変換するA/D変換器と、 該A/D変換器によりA/D変換されたデータを順次入
    力して処理するデジタルフィルタと、 を備えたノックセンサ信号処理装置において、 前記デジタルフィルタは、前記データに対する計算処理
    を、シフト処理と加減算処理とからのみ行うように構成
    されていること、 を特徴とするノックセンサ信号処理装置。
  4. 【請求項4】 内燃機関に取り付けられたノックセンサ
    からのアナログ信号を一定のサンプリング周期毎にA/
    D変換するA/D変換器と、 該A/D変換器によりA/D変換されたデータを順次入
    力して処理するデジタルフィルタと、 を備えたノックセンサ信号処理装置において、 前記サンプリング周期を変更することにより、前記デジ
    タルフィルタのフィルタ周波数を変えるように構成され
    ていること、 を特徴とするノックセンサ信号処理装置。
  5. 【請求項5】 内燃機関に取り付けられたノックセンサ
    からのアナログ信号を一定のサンプリング周期毎にA/
    D変換するA/D変換器を備えると共に、 該A/D変換器によりA/D変換されたデータを順次入
    力して処理するデジタルフィルタを、複数通りの各フィ
    ルタ周波数毎に夫々備えたノックセンサ信号処理装置の
    設計方法であって、 前記デジタルフィルタとしてFIRフィルタを用いると
    共に、 前記サンプリング周期の逆数であるサンプリング周波数
    を、前記各フィルタ周波数の公倍数に設定するか、或い
    は、前記サンプリング周期を、前記各フィルタ周波数の
    逆数である各周期時間の公約数に設定すること、 を特徴とするノックセンサ信号処理装置の設計方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のノックセンサ信号処理
    装置の設計方法において、 前記サンプリング周波数を、前記各フィルタ周波数の最
    小公倍数の偶数倍に設定するか、或いは、前記サンプリ
    ング周期を、前記各フィルタ周波数の逆数である各周期
    時間の最大公約数の偶数分の1に設定すること、 を特徴とするノックセンサ信号処理装置の設計方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載のノックセンサ信号処理
    装置の設計方法において、 前記複数通りのフィルタ周波数の中に、そのうちの特定
    の周波数の1/nの周波数(但し、nは正の整数)が存
    在する場合、 フィルタ周波数が前記1/nの周波数であるデジタルフ
    ィルタは、 フィルタ周波数が前記特定の周波数であるデジタルフィ
    ルタの遅延器群における各遅延器を、n個直列の遅延器
    に夫々置き換えた構成のFIRフィルタとすること、 を特徴とするノックセンサ信号処理装置の設計方法。
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