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JP2003317612A - プラズマディスプレイパネル用背面板のリブ形成方法 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用背面板のリブ形成方法

Info

Publication number
JP2003317612A
JP2003317612A JP2002122365A JP2002122365A JP2003317612A JP 2003317612 A JP2003317612 A JP 2003317612A JP 2002122365 A JP2002122365 A JP 2002122365A JP 2002122365 A JP2002122365 A JP 2002122365A JP 2003317612 A JP2003317612 A JP 2003317612A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rib
forming material
alkali
exhaust hole
forming
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2002122365A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Nakamura
洋之 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2002122365A priority Critical patent/JP2003317612A/ja
Publication of JP2003317612A publication Critical patent/JP2003317612A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 PDP用背面板のリブ形成工程で、排気孔内
にリブ形成材料が入り込むことによる不良品発生を防止
するため、排気孔内にリブ形成材料が入らない方法を提
供する。 【解決手段】 アルカリ現像型の感光性レジストをサン
ドブラストのマスクとして用い、リブ形成材料が排気孔
内に入らないように、予めアルカリ可溶性物質を排気孔
に充填してからリブ形成材料を塗布する方法、もしくは
排気孔の内壁にアルカリ可溶性物質を塗布してからリブ
形成材料を塗布する方法であって、前記2つの方法はと
もに、感光性レジストの現像および/または剥膜時に、
アルカリ可溶性物質を感光性レジストの現像液および/
または剥膜液で溶解除去する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(以下、PDPと記す)のパネル化工程でパ
ネル内の排気や放電ガス封入に使用する排気孔を設けた
PDP用背面板のリブ形成方法に関し、さらに詳しく
は、PDP背面板に精度良く塗布膜を形成し、かつ、排
気孔内への塗布膜材料の入り込みを防ぐ方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】近年、プラズマディスプレイパネル(以
下、PDPと記す)は、その奥行きの薄いこと、軽量で
あること、鮮明な表示と視野角が広いことにより、種々
の表示装置に利用されつつある。一般に、PDPは、2
枚の対向するガラス基板にそれぞれ規則的に配列した一
対の電極を設け、その間にネオン、キセノン等を主体と
するガスを封入した構造になっている。そして、これら
の電極間に電圧を印加し、電極周辺の微小なセル内で放
電を発生させることにより、各セルを発光させて表示を
行うようにしている。特に情報表示をするためには、規
則的に並んだセルを選択的に放電発光させている。
【0003】ここで、PDPの構成を、図1に示すAC
型PDPの一例をあげて説明しておく。図1はPDP構
成斜視図であるが、分かり易くするため前面板(ガラス
基板1)と背面板(ガラス基板2)を実際より離した状
態で示してある。図示のように2枚のガラス基板1、2
が互いに平行に且つ対向して配設されており、両者は背
面板となるガラス基板2上に互いに平行に設けられたリ
ブ(障壁ともいう)3により、一定の間隔に保持される
ようになっている。前面板となるガラス基板1の背面側
には、透明電極よりなる放電維持電極4と金属電極より
なるバス電極5とで構成される複合電極が互いに平行に
形成され、これを覆って誘電体層6が形成されており、
さらにその上に保護層7(MgO層)が形成されている。
また、背面板となるガラス基板2の前面側には、前記複
合電極と直交するようにリブ3の間に位置してアドレス
電極8が互いに平行に形成されており、これを覆って誘
電体層9が形成され、さらにリブ3の壁面とセル底面を
覆うようにして蛍光体10が設けられている。リブ3は
放電空間を区画するためのもので、区画された各放電空
間をセルないし単位発光領域と言う。このAC型PDP
は面放電型であって、前面板上の複合電極間に交流電圧
を印加し、放電させる構造である。この場合、交流をか
けているために電界の向きは周波数に対応して変化す
る。そして、この放電により生じる紫外線により蛍光体
10を発光させ、前面板を透過する光を観察者が視認す
るようになっている。なお、DC型PDPにあっては、
電極は誘電体層で被覆されていない構造を有する点でA
C型と相違するが、その放電効果は同じである。
【0004】そして、従来、上記PDPに使用する背面
板のリブの形成方法としては、ガラス基板上にリブ形成
材料をリブパタ−ン形状に、スクリ−ン印刷にて複数回
繰り返して重ねて印刷して所要の高さに積み上げ乾燥さ
せるスクリ−ン印刷法、あるいは、ガラス基板上にリブ
形成材料を全面に塗布した後、塗布面上にサンドブラス
トに耐性を有するレジストを所定形状にパタ−ニング形
成し、該レジストをマスクとしてサンドブラストにより
リブ形成材料を所定形状に形成するサンドブラスト法が
採られていた。しかし、上記のスクリ−ン印刷法におい
ては、リブとしての所定の厚さを得るには、数回から1
0数回程度のリブ形成材料のスクリ−ン印刷が必要で手
間がかかる上に、印刷精度の管理が必要となり、品質的
にも満足のいくものを得ることが難しく、現在では、サ
ンドブラスト法が主流となっている。
【0005】ここで、サンドブラスト法によるリブ形成
方法を図2に示し、さらに説明しておく。図2(a)に
示すように、パネル組立て時に必要となる排気孔11
を、予め所定の位置に孔開けしたガラス基板12の一面
上に、下引き層(図示はしていない)を介して電極配線
13を形成した後、該電極配線13を覆うように誘電体
層14を形成する。次いで、誘電体層14を覆って、リ
ブ形成材料15を塗布する(図2(b))。リブ形成材
料は、一般に、少なくともPbO等を主成分とする低融
点ガラス粉末と、アルミナ等のセラミック粉体よりなる
耐火物フィラ−と、セルロ−ス系樹脂等よりなるバイン
ダ−樹脂と、溶剤とを含むペ−スト状の材料である。次
いで、リブ形成材料15上にサンドブラスト処理に耐性
のある感光性のレジスト層を設け、形成するリブの形状
に対応した所定形状のパタ−ンを有するフォトマスクを
用いて露光し、現像して、所定形状のレジストパタ−ン
17を形成する(図2(c))。そして、レジストパタ
−ン17をサンドブラスト処理する際のマスクとして、
サンドブラスト処理を行い、マスクから露出しているリ
ブ形成材料のみを切削除去して、所定の形状にパタ−ン
化したリブ形成材料18を得る(図2(d))。次に、
レジストを除去し、パタ−ン化したリブ形成材料18を
焼成して、リブ19を誘電体層14上に形成する(図2
(e))。この後、蛍光体層20をリブ間に形成し、蛍
光体を焼成することによりPDP用背面板の製造工程は
完了する(図2(f))。
【0006】上記の製造工程で作製したPDP用背面板
を、別途作製した前面板と貼り合わせて封着してパネル
とし、そのパネル内を排気し、特定のガス(ネオン、キ
セノン、ヘリウム等が主成分)を封入することでパネル
が完成する。
【0007】PDP用背面板は、前面板と貼り合わせた
後に、パネル内部の空気を真空排気し、放電ガスを封入
するために、数mmの十分な口径を有する孔(排気孔と
呼ぶ)をガラス基板に設ける必要がある。そのため、上
述のように、製造工程の最初の段階で、PDPパネルの
設計に基づき、背面板の周辺部に少なくとも1箇所の排
気孔を設けている。一般に、排気は、前面板と背面板を
封着した後、背面板の排気孔にガラス製の中空の排気管
をシ−ル剤を用いて取り付けた後、真空排気し、次に放
電ガスを封入する。その後、この排気管の開口部分をバ
−ナ−で熱をかけて溶融して封じ切ることが行われてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】近年、PDPではディ
スプレイとしての有効表示エリアを大きく取り、排気効
率および放電ガス封入効率を上げるために、排気孔は有
効表示エリアのすぐ隣に設けられることが多くなってき
ており、リブと僅か1mm程度しか離れていない排気孔
もある。一方、PDPの大画面化が進行していること、
および製造工程の生産性を上げるために、2面付け、3
面付けと多面付けが採用されるようになるに従い、ガラ
ス基板は次第に大型化してきており、塗布において生産
効率が高いダイコ−ト等の一括塗布方法が、リブ形成材
料の塗布工程に用いられることが多くなってきている。
リブ形成において、リブ形成材料の塗布厚が100μm
〜300μm程度と厚いことも一括塗布方式が用いられ
るようになってきた一因である。
【0009】ところが、リブ形成用材料の塗布に一括塗
布法を用いた場合、排気孔に関係して新たな課題が生じ
てきた。一括塗布法では、前述の図2において示すよう
に、塗布面の周辺部に膜厚が不安定となる領域16が存
在し、この領域はリブ形成に使用できない。従来はこの
膜厚不安定領域16をリブ形成の十分外側に設けること
により、リブの膜厚均一性を確保してきた。しかし、排
気孔をリブ形成領域から離すということは画像非表示領
域を増やすことになり、PDPの商品サイズを不必要に
大きくすることになるため好ましくない。そのため、近
年は、排気孔の位置がリブ形成領域に近くなってきてお
り、膜厚不安定領域を十分にリブ形成領域外に設けるこ
とができなくなってきた。ガラス基板上に設けられた排
気孔が、画面としての有効表示エリアを構成する層のす
ぐ傍にあるために、排気孔を避けようとして有効表示エ
リアに沿ってリブ形成材料を塗布すると、排気孔に近い
有効表示エリアの周辺部において、リブ形成材料の膜厚
の盛り上がり等を生じて塗布ムラとなり、塗布基板が不
良品になるという問題が生じていた。また、複数の面付
けを行うガラス基板では、全ての排気孔を避け得るよう
な一括塗布方法は困難であった。
【0010】このため、まず均一な塗布面を形成するこ
とを優先し、有効表示エリアから塗布ムラ等の膜厚不安
定領域を避け、少し広い範囲で塗布を行う方法が多く用
いられるようになってきている。図3(a)は、1面付
けによりガラス基板21上の広い範囲でリブ形成材料2
2を塗布した場合の上面図であり、排気孔23の上にも
リブ形成材料22が塗布されている状態を模式的に示
す。図3(b)は図3(a)のA−A線における拡大縦
断面図であるが、図3(b)に示すように、塗布したリ
ブ形成材料22が排気孔23に入り込んでしまうという
問題が生じていた。サンドブラスト処理工程において、
リブパタ−ン形成に不要なガラス表面上に存在するリブ
形成材料は、ブラスト研削材により切削除去されてしま
うが、排気孔内に入り込んだリブ形成材料は、図3
(c)に示すように、サンドブラスト処理工程後も内壁
に付着したリブ形成材料28として残存してしまうとい
う問題があった。一般に、排気孔は口径数mmの丸穴で
あるが、排気孔に入り込んで残存したリブ形成材料28
は、そのままでは排気孔を塞ぐか孔径を小さくしてしま
う。例え、若干でも排気孔内にリブ形成材料が残存した
ままで、焼成してリブ形成材料を固化すると、取り除く
のが困難になり、パネル組立て後の排気効率を悪くした
り、後工程の蛍光体焼成時で排気孔部分からのガラス基
板破損の原因ともなっていた。したがって、少なくとも
リブ形成材料の焼成前に排気孔内のリブ形成材料28を
取り除く必要があり、排気孔23の洗浄設備および人員
の増加が問題となっていた。
【0011】本出願人は、上記の問題点を解決するため
に、特開平11−167862号公報に示すように、排
気孔を予めフィルムあるいはピンで一時的に塞いでリブ
形成材料を塗布し、塗布後に、フィルムあるいはピンを
除去する方法を開示している。しかし、特開平11−1
67862号公報が示す方法は、最近のPDP背面板の
ように、リブと排気孔が1mm程度と近接していたり、
あるいはリブ間に排気孔を設けるような製品には、スペ
−スの余裕が無く、フィルムあるいはピンの適用が困難
であるという問題点が生じてきた。
【0012】そこで、本発明はこのような問題点を解消
するためになされたものである。その目的は、特開平1
1−167862号公報が示すのとは別の方法で排気孔
にリブ形成材料が入り込まないリブ形成方法を提供する
ことである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に係るプラズマ
ディスプレイパネル用背面板のリブ形成方法は、排気孔
を有する基板上に少なくとも電極、誘電体およびサンド
ブラスト法によりリブを形成してなるプラズマディスプ
レイ用背面板のリブ形成方法において、前記排気孔にア
ルカリ可溶性物質を充填した後に基板上にリブ形成材料
を塗布する工程と、該リブ形成材料上にアルカリ現像型
の感光性レジスト層を形成し、パタ−ン露光後の現像時
および/またはサンドブラスト後の感光性レジスト層の
剥膜時に、前記アルカリ可溶性物質を溶解して除去する
工程とを含むことを特徴とするものである。
【0014】請求項2に係るプラズマディスプレイパネ
ル用背面板のリブ形成方法は、排気孔を有する基板上に
少なくとも電極、誘電体およびサンドブラスト法により
リブを形成してなるプラズマディスプレイ用背面板のリ
ブ形成方法において、前記排気孔の内壁にアルカリ可溶
性物質の塗布膜を形成した後に基板上にリブ形成材料を
塗布する工程と、該リブ形成材料上にアルカリ現像型の
感光性レジスト層を形成し、パタ−ン露光後の現像時お
よび/またはサンドブラスト後の感光性レジスト層の剥
膜時に、前記アルカリ可溶性物質を溶解して除去する工
程を含むことを特徴とするものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態について説明する。
【0016】図4は本発明の請求項1に関するリブ形成
方法を示す断面図である。基板としては、一般にガラス
基板が用いられるが、必ずしもガラス基板に限定されて
いる訳ではなく、基板としての諸特性が製品仕様を満足
すれば、セラミック基板を用いることもできる。まず、
図4(a)に示すように、電極24、誘電体25が設け
られたガラス基板21の排気孔23に、アルカリ可溶性
物質の溶液29を注入する。アルカリ可溶性物質として
は、フェノ−ル性水酸基、カルボン酸基、カルボキシア
ミド基、スルホン基、スルホンアミド基等を有する物質
が挙げられ、常温で固体であれば特に限定されないが、
排気孔内でリブ形成材料の浸入を一定時間防ぐ機能を必
要とするので、アルカリ水溶液に溶解するポリマ−樹脂
がより好ましい。そのようなポリマ−樹脂としては、例
えば、クレゾ−ルノボラック樹脂、ポリビニルフェノ−
ル、ポリヒドロキシスチレン、ポリアミド酸、ポリヒド
ロキシアミド、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、あ
るいはこれらの共重合体、混合物、ポリビニルアルコ−
ル、あるいは、ロジン変性マレイン酸樹脂、セラック、
カゼイン、グリュ−等の天然樹脂が用いられる。
【0017】これらのアルカリ可溶性物質を溶解する溶
媒としては、各々をよく溶解する溶媒ならば特に限定さ
れないが、溶媒は塗布後に乾燥除去するので、低沸点溶
媒の方がより好ましい。また、アルカリ可溶性物質溶液
の乾燥後の厚さを確保するために、アルカリ可溶性物質
を溶解した溶液はできるだけ高濃度が望ましい。
【0018】上記のアルカリ可溶性物質を排気孔内に注
入する方法としては、特に限定されないが、例えば、図
4(a)に示すように、アルカリ可溶性物質を各々に適
した溶媒に高濃度で溶解し、ガラス基板21のリブ形成
材料を塗布する面側から排気孔23を十分に覆う程度に
あて板30を一定の圧力で押さえ、裏面のガラス側から
上記のアルカリ可溶性物質溶液29を注入し、乾燥させ
て、図4(b)に示すように、排気孔内にアルカリ可溶
性物質31を充填する。アルカリ可溶性物質31の充填
度合いは、必ずしも排気孔23が完全に埋まっている必
要はなく、塗布面側からガラス厚のほぼ半分程度以上に
充填されていれば十分である。あて板30としては、ア
ルカリ可溶性物質溶液29が漏れず、溶媒乾燥後に、固
体化したアルカリ可溶性物質31からあて板30が容易
に離れるように、適度の弾性があるシリコン樹脂で作製
するのが望ましいが、それに限定されるわけではない。
【0019】次に、図4(c)に示すように、リブ形成
材料32を塗布するが、排気孔23内はすでにアルカリ
可溶性物質31で埋まっているために、リブ形成材料3
2は排気孔23内部には入り込まない。次いで、リブ形
成材料32を乾燥後、その上にサンドブラスト処理に耐
性のある感光性レジスト層を設け、形成するリブの形状
に対応した所定形状のパタ−ンを有するフォトマスクを
用いて露光し、現像して、図4(d)に示すように、所
定形状のレジストパタ−ン33を形成する。この現像時
に、排気孔内のアルカリ可溶性物質31も現像液で溶解
するが、たとえ完全に溶解除去し得なくても、後のレジ
スト剥膜工程で除去することができる。現像液濃度、現
像時間はレジストパタ−ンの形成に依存するので、アル
カリ現像液のアルカリ性の強さとアルカリ可溶性物質の
溶解度との関係で、この現像工程でほとんどアルカリ可
溶性物質31が溶解しなくても、後の剥膜工程で除去し
得る。図4では、現像工程でアルカリ可溶性物質31を
除去し得た場合を図示してある。
【0020】本発明において、パタ−ン露光後の現像時
および/またはサンドブラスト後の感光性レジスト層の
剥膜時に、排気孔内に充填されたアルカリ可溶性物質を
溶解して除去するアルカリとしては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、アンモニア、炭酸ナトリウム、炭
酸カリウム、炭酸カルシウム、硼酸カリウム、テトラメ
チルアンモニウムヒドロキシド、ジエチルアミノエタノ
−ル、ジエタノ−ルアミン等の水溶液が挙げられる。
【0021】次に、レジストパタ−ン33をサンドブラ
スト処理する際のマスクとして、サンドブラスト処理を
行い、マスクから露出しているリブ形成材料のみを切削
除去して、図4(e)に示すように、所定の形状にパタ
−ン化したリブ形成材料34を得る。次に、レジストを
アルカリ水溶液により剥膜除去し、まだアルカリ可溶性
物質が排気孔23内に残存している場合には、この剥膜
工程で完全に溶解除去する(図4(f))。剥膜工程で
は、アルカリ性の強い条件を使用することが可能であ
る。その後は、従来の方法と同じく、パタ−ン化したリ
ブ形成材料を焼成する以降の工程を行って、PDP背面
板を製造する。
【0022】図5は本発明の請求項2に関するリブ形成
方法を示す断面図である。図5(a)に示すように、電
極24、誘電体25が設けられたガラス基板21の排気
孔23の内壁に、アルカリ可溶性物質35を塗布する。
アルカリ可溶性物質35およびその溶液、アルカリ可溶
性物質35を溶解するアルカリとしては、前述の請求項
1のリブ形成方法で説明したものと同じ物質を用いるこ
とができる。
【0023】次に、排気孔23の内壁に塗布する方法と
しては、特に限定はされないが、例えば、前述のアルカ
リ可溶性物質を各々のアルカリ可溶性物質に適した溶媒
に高濃度で溶解し、柔らかい微小なハケで内壁に、数μ
m〜10数μmの塗布膜厚で塗布する方法、あるいは微
小な塗布ノズルにより噴霧する方法等を用いることがで
きる。塗布時には、リブ形成材料の塗布面側にアルカリ
可溶性物質が廻り込まないように、前述のあて材を用い
るのが望ましい。
【0024】次に、図5(b)に示すように、リブ形成
材料36を塗布するが、排気孔23は埋まってはいない
ので、排気孔23内にもリブ形成材料は落ち込み、排気
孔の内壁に塗布したアルカリ可溶性物質35の上に被さ
る。次いで、リブ形成材料36を乾燥後、その上にサン
ドブラスト処理に耐性のある感光性レジスト層を設け、
形成するリブの形状に対応した所定形状のパタ−ンを有
するフォトマスクを用いて露光し、現像して、図5
(c)に示すように、所定形状のレジストパタ−ン38
を形成する。この現像時に、排気孔内壁のアルカリ可溶
性物質35も溶解するが、完全に溶解除去し得なくて
も、後のレジスト剥膜工程で除去することができる。ま
た、前述のように、アルカリ現像液のアルカリ性の強さ
とアルカリ可溶性物質の溶解度との関係で、この現像工
程でほとんどアルカリ可溶性物質35が溶解しなくて
も、後の剥膜工程で除去し得る。図5(c)では、現像
工程でアルカリ可溶性物質35が除去し得た場合を図示
してある。
【0025】そして、レジストパタ−ン38をサンドブ
ラスト処理する際のマスクとして、サンドブラスト処理
を行い、マスクから露出しているリブ形成材料のみを切
削除去して、図5(d)に示すように、所定の形状にパ
タ−ン化したリブ形成材料39を得る。排気孔23内に
落ち込んだリブ形成材料37は、アルカリ可溶性物質が
除去されていればガラス基板21からは分離されている
ので、サンドブラスト処理時に容易に除去される。次
に、レジストをアルカリ水溶液で剥膜除去する(図5
(e))。もし、まだアルカリ可溶性物質がその上を被
うのリブ形成材料と共に、排気孔23の内壁に残存付着
していたら、この剥膜工程でアルカリ可溶性物質を溶解
除去することにより、リブ形成材料も除去される。その
後は、従来の方法と同じく、パタ−ン化したリブ形成材
料を焼成する以降の工程を行って、PDP背面板を製造
する。
【0026】
【実施例1】ガラス基板として、口径2mmの排気孔を
有する、大きさ1400mm×1000mm、厚さ2.
8mmの高歪点ガラス(旭硝子(株)製「PD20
0」)を用い、2面付け(排気孔は2個)にて、ガラス
基板上に電極を形成し、その上に誘電体層を形成した。
次に、リブ形成材料を塗布する面側から、排気孔が十分
塞がる大きさのシリコン樹脂製のあて板を圧接した状態
で、数平均分子量10000のメタクリル酸とメタクリ
ル酸メチル(重量比1:1)の共重合樹脂をメチルエチ
ルケトンに溶解してポリマ−溶液とし、裏面のガラス面
側から排気孔に注入し、乾燥後、あて板をはずし、排気
孔を塞いだ。
【0027】次に、リブ形成材料をダイコ−ト法により
排気孔を含めてほぼ全面に塗布したが、排気孔は上記の
ポリマ−で埋まっているために、リブ形成材料は排気孔
内には入り込まず、均一な塗布面が得られた。次いで、
塗布したリブ形成材料層を温風乾燥して膜厚200μm
の乾燥膜を得た。
【0028】続いて、乾燥したリブ形成材料上に感光性
樹脂フィルム(東京応化工業(株)製「オ−ディルBF
603」)をラミネ−トし、線幅80μm、ピッチ22
0μmのラインパタ−ンを有するフォトマスクを用いて
紫外線露光し、露光後、炭酸ナトリウム0.2%水溶液
で現像し、線幅80μm、ピッチ220μmのレジスト
パタ−ンを形成した。この現像時に、排気孔内壁のポリ
マ−も若干溶解したが、かなりのポリマ−は残存してい
た。続いて、研削材料として褐色溶融アルミナ#100
0を用いてサンドブラスト加工を行い、レジストパタ−
ンから露出している不要部を切削除去した後、レジスト
パタ−ンを水酸化ナトリウム5%水溶液で溶解剥膜し
た。この時、アルカリ可溶性のポリマ−も同時に溶解し
除去された。次いで、焼成炉によりピ−ク温度550℃
にて焼成し、表面平滑性が高く形状の良好なパタ−ン化
したリブを作製した。
【0029】次に、後工程として、PDP用として使用
される通常の紫外線励起型の蛍光体をスクリ−ン印刷
し、焼成して、それぞれのリブ間に赤色、緑色、青色の
蛍光体層を形成し、PDP用背面板を得た。
【0030】このPDP用背面板と、別途作製した前面
板を貼り合せて封着してパネルとした後、パネル内を真
空排気したが、排気および次のガス封入も効率よく容易
に行うことができた。
【0031】
【実施例2】実施例1と同じガラス基板を用い、ガラス
基板上に電極を形成し、その上に誘電体層を形成した。
次に、リブ形成材料を塗布する面側から、排気孔が十分
塞がる大きさのシリコン樹脂製のあて板を圧接した状態
で、実施例1と同じメタクリル酸とメタクリル酸メチル
(重量比1:1)の共重合樹脂をメチルエチルケトンに
溶解してポリマ−溶液とし、微小なハケにより排気孔内
壁に塗布し、乾燥後、あて板をはずし、排気孔内壁に塗
布膜を形成した。
【0032】次に、リブ形成材料をダイコ−ト法により
排気孔を含めてほぼ全面に塗布したが、排気孔は埋まっ
てはいないので、排気孔内にもリブ形成材料は落ち込
み、排気孔の内壁に塗布したアルカリ可溶性のポリマ−
塗布膜の上に被さった。次いで、塗布したリブ形成材料
層を温風乾燥して膜厚200μmの乾燥膜を得た。
【0033】続いて、乾燥したリブ形成材料上に実施例
1と同じ感光性樹脂フィルムをラミネ−トし、フォトマ
スクを用いて紫外線露光し、露光後、炭酸ナトリウム
0.2%水溶液で現像し、線幅80μm、ピッチ220
μmのレジストパタ−ンを形成した。この現像時に、排
気孔内壁のポリマ−も若干溶解したが、かなりのポリマ
−は残存していた。続いて、アルミナ#1000を用い
てサンドブラスト加工を行い、レジストパタ−ンから露
出している不要部を切削除去した。排気孔内にはポリマ
−上に若干のリブ形成材料が残存していたが、レジスト
パタ−ンを水酸化ナトリウム5%水溶液で溶解剥膜した
時に、ポリマ−も同時に溶解し除去され、ポリマ−上に
残存していたリブ形成材料も除去された。次いで、焼成
炉によりピ−ク温度550℃にて焼成し、表面平滑性が
高く形状の良好なパタ−ン化したリブを作製した。
【0034】次に、後工程として、PDP用として使用
される通常の紫外線励起型の蛍光体をスクリ−ン印刷
し、焼成して、それぞれのリブ間に赤色、緑色、青色の
蛍光体層を形成し、PDP用背面板を得た。
【0035】
【発明の効果】本発明によるPDP用背面板の製造方法
は、排気孔内にリブ形成材料が入り込まないようにする
ことによって、高品質の背面板とすることができ、前面
板とのパネル組立て時の真空排気と放電ガス導入を円滑
に行うことができ、排気孔の汚れによる不良品の発生を
防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 AC型PDPの一構成例を示す分解斜視図
【図2】 PDP用背面板のサンドブラスト法によるリ
ブ形成方法を示す工程図
【図3】 排気孔を覆ってリブ形成材料を塗布した場合
の模式図
【図4】 本発明の排気孔にアルカリ可溶性物質を注入
充填したリブ形成方法を示す工程図
【図5】 本発明の排気孔の内壁にアルカリ可溶性物質
の塗布膜を形成したリブ形成方法を示す工程図
【符号の説明】
1、2、12、21 ガラス基板 3 リブ 4 放電維持電極 5 バス電極 6、9、14、25 誘電体層 7 保護層(MgO層) 8 アドレス電極 10、19 蛍光体層 11、23 排気孔 13、24 電極配線 15、22、32、36 リブ形成材料 16 膜厚不安定領域 17、26、33、38 レジストパタ−ン 18、27、34、39 パタ−ン化したリブ形成材料 19 焼成されたリブ 28 排気孔内壁に付着したリブ形成材料 29 アルカリ可溶性物質溶液 30 あて板 31、35 アルカリ可溶性物質 37 排気孔内に落ち込んだリブ形成材料

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気孔を有する基板上に少なくとも電
    極、誘電体およびサンドブラスト法によりリブを形成し
    てなるプラズマディスプレイ用背面板のリブ形成方法に
    おいて、前記排気孔にアルカリ可溶性物質を充填した後
    に基板上にリブ形成材料を塗布する工程と、該リブ形成
    材料上にアルカリ現像型の感光性レジスト層を形成し、
    パタ−ン露光後の現像時および/またはサンドブラスト
    後の感光性レジスト層の剥膜時に、前記アルカリ可溶性
    物質を溶解して除去する工程とを含むことを特徴とする
    プラズマディスプレイパネル用背面板のリブ形成方法。
  2. 【請求項2】 排気孔を有する基板上に少なくとも電
    極、誘電体およびサンドブラスト法によりリブを形成し
    てなるプラズマディスプレイ用背面板のリブ形成方法に
    おいて、前記排気孔の内壁にアルカリ可溶性物質の塗布
    膜を形成した後に基板上にリブ形成材料を塗布する工程
    と、該リブ形成材料上にアルカリ現像型の感光性レジス
    ト層を形成し、パタ−ン露光後の現像時および/または
    サンドブラスト後の感光性レジスト層の剥膜時に、前記
    アルカリ可溶性物質を溶解して除去する工程を含むこと
    を特徴とするプラズマディスプレイパネル用背面板のリ
    ブ形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007059357A (ja) * 2005-08-26 2007-03-08 Matsushita Electric Works Ltd 無電極放電灯装置及びこの無電極放電灯装置を備えた照明器具

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