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JP2003316125A - 帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置 - Google Patents

帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置

Info

Publication number
JP2003316125A
JP2003316125A JP2002127165A JP2002127165A JP2003316125A JP 2003316125 A JP2003316125 A JP 2003316125A JP 2002127165 A JP2002127165 A JP 2002127165A JP 2002127165 A JP2002127165 A JP 2002127165A JP 2003316125 A JP2003316125 A JP 2003316125A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
charging
image forming
forming apparatus
particles
roller
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002127165A
Other languages
English (en)
Inventor
Harumi Ishiyama
晴美 石山
Jun Hirabayashi
純 平林
Yasunori Kono
康則 児野
Akira Inoue
亮 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2002127165A priority Critical patent/JP2003316125A/ja
Publication of JP2003316125A publication Critical patent/JP2003316125A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Cleaning In Electrography (AREA)
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯電部材とこれを接触した感光体との間に保
持した帯電促進粒子の感光体への急激な排出を緩和し
て、帯電促進粒子の感光体を介した帯電部材への移行に
よる影響をなくして、感光体を良好に帯電するととも
に、帯電後に遮光のない画像露光を可能として、遮光の
ない良好な画像形成をできるようにすることである。 【解決手段】 帯電装置は、感光ドラムに接触した帯電
ローラを有し、帯電ローラと感光ドラムとが接触した帯
電ニップ部に帯電促進粒子を保持した状態下で、帯電ロ
ーラに印加した帯電バイアスにより、感光ドラムの表面
を帯電する。この帯電バイアスの印加時、帯電ローラか
らの帯電促進粒子の感光ドラムへの急激な排出を緩和す
るために、帯電バイアスの電圧波形の電位の立ち上が
り、立ち下がりに、帯電ローラの表面の帯電ニップ部通
過時間以上の長さのスロープを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式を利
用した複写機やプリンタ等の画像形成装置、画像形成装
置本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジ、及
び、その帯電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば電子写真装置や静電記録
装置等の画像形成装置では、電子写真感光体、静電記録
誘電体等の像担持体を所要の極性・電位に一様に帯電
(反対極性への帯電、すなわち除電も含む)するのに、
コロナ帯電器が使用されていた。
【0003】コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であ
り、放電ワイヤ等の放電電極とこれを囲むシールド電極
を備え、放電開口部を被帯電体である像担持体に非接触
に対向させて配置し、放電電極とシールド電極に高電圧
を印加して生じる放電電流(コロナシャワー)に像担持
体の表面を曝すことにより、像担持体の表面を帯電する
ものである。
【0004】近年、像担持体等の被帯電体の帯電装置と
して、コロナ帯電器に比べて低オゾン、低電力等の利点
があることから、接触型の帯電装置が多く提案され、ま
た実用化されている。
【0005】帯電装置は、像担持体等の被帯電体に、ロ
ーラ、ファーブラシ、磁気ブラシ、ブレード等の導電性
の帯電部材を接触させ、この帯電部材に所定の帯電バイ
アスを印加して、被帯電体の表面を所定の極性・電位に
帯電させるものである。
【0006】接触帯電には、(1)放電帯電機構と
(2)注入帯電機構の2種類の帯電機構が混在してお
り、どちらが支配的であるかにより各々の特性が現れ
る。
【0007】(1)放電帯電機構 帯電部材とこれを接触した被帯電体との微小間隙に生じ
る放電現象により、被帯電体の表面を帯電するものであ
る。放電帯電機構は、接触帯電部材と被帯電体との間に
一定の放電しきい値を有するため、帯電電位より大きな
電圧を帯電部材に印加する必要がある。またコロナ帯電
器に比べれば発生量は格段に少ないが、オゾンなどの放
電生成物を生じることが原理的に避けられないため、放
電生成物による弊害は避けられない。
【0008】たとえば、帯電部材として帯電ローラ(導
電性ローラ)を用いたローラ帯電方式は、帯電の安定性
という点で好ましく、広く用いられているが、このロー
ラ帯電では、その帯電機構は放電帯電機構が支配的であ
る。
【0009】すなわち、帯電ローラは、導電性あるいは
中抵抗のゴム材もしくは発泡体を用いて作成されてお
り、これらを積層して所望の特性を持たせることも行わ
れる。帯電ローラは、被帯電体の感光体に対し一定の接
触状態を得るために弾性を持たせており、このため摩擦
抵抗が大きく、多くの場合、感光体に従動もしくは若干
の速度差をもって駆動される。従って、帯電ローラ表面
の形状のムラや歓呼体表面の付着物により、非接触状態
が避けられないので、従来は、帯電ローラによる帯電機
構は、放電帯電機構が支配的となる。
【0010】より具体的に説明すると、感光層厚25μ
mのOPC感光体に対し帯電ローラを当接して帯電する
場合、帯電ローラに約640V以上の電圧を印加すれ
ば、感光体の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電
圧に対し傾き1で線形に感光体の表面電位が増加する。
このしきい値電圧を帯電開始電圧Vthとすると、電子
写真に必要とされる感光体の表面電位Vdを得るために
は、帯電ローラにはVd+Vthという必要以上のDC
電圧の印加が要求される。
【0011】このように、DC電圧のみを帯電部材に印
加して、感光体の帯電を行う方式をDC帯電方式と呼
ぶ。しかし、DC帯電方式では、環境変動等によって帯
電部材の抵抗が変動するため、また感光体の削れによっ
て膜厚が変化すると帯電開始電圧Vthが変動するた
め、感光体を所望の電位にすることが難しかった。
【0012】このため、さらなる帯電器の均一化を図る
ために、特開昭63−149669号等に開示されるよ
うに、所望の表面電位Vdに相当するDC電圧に2×V
th以上のピーク間電圧を持つAC成分を重畳した振動
電圧を帯電部材に印加して、像担持体を直接帯電するA
C+DC帯電方式が用いられる。これは、AC電圧によ
る電位の均しを利用したもので、像担持体の電位はAC
電圧のピークの中央であるVdに収束し、環境等の外乱
に影響されることはない。
【0013】しかしながら、このような接触帯電におい
ても、その本質的な帯電機構は、帯電部材から感光体へ
の放電現象を用いているため、前述したように、帯電に
必要な電圧は、感光体の表面電位Vd+放電しきい値電
圧よりも大きな電圧が必要とされ、従って微量のオゾン
が発生する。また帯電の均一化のためのAC+DC帯電
の場合、さらなるオゾンの発生、AC電圧の電界による
帯電部材と感光体の振動騒音(AC帯電音)の発生、放
電による感光体表面の劣化等が顕著になり、新たな問題
となっていた。
【0014】(2)注入帯電機構 中抵抗の帯電部材から、これを接触した被帯電体に電荷
を注入することにより、基本的に放電現象を用いずに、
被帯電体を帯電する直接帯電するもので、直接帯電機構
とも呼ばれる。特開平6−3921号等で提案されてい
る。この方式は、被帯電体表面への電荷の注入により帯
電するので、接触帯電部材への印加電圧が放電しきい値
以下であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位に帯電
することができる。
【0015】より具体的には、帯電ローラ、帯電ブラ
シ、帯電磁気ブラシ等の帯電部材に電圧を印加して感光
体に接触し、感光体表面にあるトラップ順位または電荷
注入層の導電粒子等の電荷保持部材に電荷を注入して、
直接注入帯電を行う機構である。放電現象が支配的でな
いため、帯電に必要とされる電圧は、感光体に得る表面
電位都道電位の電圧のみでよく、オゾンの発生もない。
この注入帯電機構は、放電生成物の発生をともなわない
ため、放電生成物による弊害は生じない。
【0016】図6に、放電帯電機構と注入帯電機構の帯
電特性の一例を示す。横軸は帯電部材に印加したバイア
スを、縦軸はそのとき得られた感光体の帯電電位を示
す。
【0017】放電帯電機構は、図6に直線Aで示すよう
になり、おおよそ−500Vの放電しきい値を過ぎてか
ら帯電が始まっている。従って、−500Vに帯電する
場合は−1000Vの直流電圧を印加するか、−500
Vの直流電圧に加えて、放電しきい値以上の電位差を常
に持つようにピーク間電圧1200Vの交流電圧を印加
して、感光体電位を帯電電位に収束させる方法が一般的
である。
【0018】一方、注入帯電機構は、直線Bで示すよう
になり、放電しきい値がなく、印加バイアスとほぼ比例
した帯電電位を得ることが可能になる。
【0019】ところで、画像形成装置の小型化やコスト
ダウンのために、特に専用の感光体クリーニング手段を
設けずに、感光体上の転写残りトナーを、帯電装置によ
り帯電同時クリーニングしたり、現像装置により現像同
時クリーニングする方法がいくつか提案されている。
【0020】すなわち、転写方式の画像形成装置では、
転写後の感光体に残存する転写残りトナーは、クリーナ
によって感光体の表面から除去して、廃トナーとして廃
棄されているが、この廃トナーは環境保護の面からも出
ないことが望ましい。そこで、クリーナをなくし、転写
残りトナーを現像装置によって現像時に回収し、再使用
可能とした、現像同時クリーニング方式のクリナーレ
ス、トナーリサイクルプロセスの画像形成装置が出現し
ている。
【0021】この現像同時クリーニングは、前工程の感
光体上の転写残りトナーを次工程以降の画像形成時、引
き続き感光体を帯電し、露光して潜像を形成し、この潜
像を現像する際に、かぶり取りバイアス(現像装置に印
加する直流電圧と感光体の表面電位との電位差であるか
ぶり取り電位差Vback)によって回収するものであ
る。
【0022】この方法によれば、転写残りトナーを現像
装置に回収して、次工程以降に再利用できるため、廃ト
ナーをなくし、メンテナンスに手を煩わせることも少な
くすることができる。またクリナーをなくせるので、ス
ペース面での利点も大きく、画像形成装置を大幅に小型
化できるようになる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、帯電ロ
ーラを用いて、簡易に感光体を直接帯電することは難し
く、帯電不良による画像のかぶり(反転現像の場合には
白地部にトナーが付着する)や帯電ムラなどによる画像
不良が生じる。
【0024】そこで、感光体との接触性を向上して帯電
を促進させるために、感光体と帯電ローラとの当接ニッ
プ部に帯電促進粒子を保持させることが行われ、これに
よれば密な接触を得ることが可能であり、簡易な構成で
注入帯電により良好な帯電性を得ることが可能になる。
【0025】しかしながら、帯電電圧印加時に、帯電ロ
ーラ表面に存在する帯電促進粒子やトナーが、帯電ロー
ラと感光体との間に生じる電界によって、感光体上に急
激に排出されるため、(1)感光体上に排出された帯電
促進粒子が画像露光を遮光することによる画像不良が発
生する、(2)多くの帯電促進粒子が排出されるため、
感光体上の静電潜像の現像が十分にできず、帯状の画像
不良が発生する、等の問題が生じることがあった。
【0026】これらの現象は、特にクリーナレスの画像
形成装置の場合に顕著に生じる。またクリーナレス装置
の場合は、転写電圧の印加時やオフ時の電位差によって
も、転写ローラ上に付着しているトナーや帯電促進粒子
等が、一度感光体上に移行することがあるため、それら
粒子が感光体によって搬送されて、帯電ローラと感光体
とのニップ部に到達し、帯電性に影響を与える。
【0027】本発明の目的は、帯電部材とこれを接触し
た感光体との間に保持した帯電促進粒子の感光体への急
激な排出を緩和して、帯電促進粒子の感光体を介した帯
電部材への移行による影響をなくして、感光体を良好に
帯電するとともに、帯電後に遮光のない画像露光を可能
とした帯電装置、並びに、遮光のない良好な画像形成を
行うことを可能とした画像形成装置及びプロセスカート
リッジを提供することである。
【0028】本発明の他の目的は、転写帯電装置の帯電
部材上に付着した帯電促進粒子やトナー粒子の感光体へ
の急激な排出を緩和して、排出された粒子の固まりによ
る感光体の帯電不良をも防止することができ、感光体専
用のクリーニング装置を省略したクリーナレス装置とし
て使用するのに好適な画像形成装置及びプロセスカート
リッジを提供することである。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的は、本発明にか
かる帯電装置、プロセスカートリッジ及び画像形成装置
にて達成される。要約すれば、本発明は、電圧を印加し
た回動する帯電部材を、回動する被帯電体と速度差を持
って接触させて、少なくとも帯電部材と被帯電部材とが
接触した帯電ニップ部に導電性粒子を保持した状態下
で、前記被帯電体の表面を帯電する帯電装置であって、
前記帯電部材に印加する電圧の波形は、電位の立ち上が
りおよび立ち下がりにスロープを有し、その各スロープ
の時間が、前記帯電部材の表面が帯電ニップ部を通過す
る時間よりも長いことを特徴とする帯電装置である。
【0030】本発明によれば、好ましくは、前記導電性
粒子の抵抗値が1012Ωcm以下であり、前記導電粒子
の平均粒径がトナーの粒径よりも小さく、また前記被帯
電体の表面の抵抗が109〜1014Ωcmであり、前記
被帯電体が電子写真感光体である。さらにまた、前記帯
電部材が被帯電体に対してカーウンター方向に回動し、
前記帯電部材が、芯金上に弾性発泡体をローラ形状に形
成した帯電ローラである。
【0031】また、本発明は、電子写真感光体の周囲
に、感光体の表面を帯電する一次帯電器、帯電した感光
体に画像露光して形成された静電潜像を現像する現像剤
を収容した現像器、および潜像の現像で得られたトナー
画像を記録材に転写する転写帯電器を少なくとも備えた
画像形成装置において、前記一次帯電器は、電圧を印加
した回動する帯電部材を回動する感光体と速度差を持っ
て接触させて、少なくとも帯電部材と感光体との帯電ニ
ップ部に導電性粒子を保持した状態下で前記感光体の表
面を帯電し、前記帯電部材に印加する電圧の波形は、電
位の立ち上がりおよび立ち下がりにスロープを有し、そ
の各スロープの時間が、前記帯電部材の表面が帯電ニッ
プ部を通過する時間よりも長いことを特徴とする画像形
成装置である。
【0032】本発明によれば、前記一次帯電器は、感光
体に接触して感光体との間で帯電促進粒子を保持する規
制ブレードを有し、前記保持された帯電促進粒子が感光
体の回動により搬送されて、前記帯電ニップ部に供給さ
れ、もしくは、前記現像器内に収容された現像剤に帯電
促進粒子が混合され、前記混合された帯電促進粒子が感
光体に付着して搬送され、前記帯電ニップに供給され
る。また、前記現像器は、前記潜像の現像と同時に、そ
の現像剤担持体と感光体との電位差により、感光体に残
留した転写残りのトナーを現像剤担持体に回収する機能
を兼ねることができる。
【0033】また、前記転写帯電器に印加する電圧は、
立ち上げ時において転写ニップ通過時間より長いスロー
プを持ち、オフ時においても同様に転写ニップ通過時間
より長いスロープを持つ。
【0034】更に、本発明は、像担持体に該像担持体を
帯電する工程を含む作像プロセスを適用して画像形成を
実行する画像形成装置本体に対して着脱自在のプロセス
カートリッジであり、少なくとも像担持体と該像担持体
を帯電する工程手段を包含しており、該帯電工程手段が
請求項1〜7のいずれかの項に記載の帯電装置であるこ
とを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に即
して詳細に説明する。
【0036】実施例1 図1は、本発明の一実施例にかかる帯電装置を示す断面
図である。
【0037】本発明は、帯電装置2の帯電ローラ21に
印加する帯電電圧の印加時とオフ時に、帯電電圧にスロ
ープを持たせることにより、帯電ローラ21と感光ドラ
ム1とが当接した帯電ニップ部に保持した帯電促進粒子
2dの感光ドラム1への排出を緩和して、帯電促進粒子
2dによる画像露光の遮りを低減し、遮光等の画像不良
の発生を防止することを可能としたことが大きな特徴で
ある。
【0038】本実施例によれば、一次帯電装置である帯
電装置2は、感光ドラム1と接触した帯電ローラ21
と、感光ドラム1の表面に接触した帯電促進粒子供給手
段としての規制ブレード2cとからなっている。
【0039】帯電ローラ21は、芯金2a上に弾性体の
中抵抗層2bを形成してなっている。本実施例では、た
とえばウレタンなどの樹脂中にカーボンブラックなどの
導電性粒子、発泡剤等を配合した材料を用いて、芯金2
a上に中抵抗層2bをローラ状に形成し、その後、必要
に応じてローラ表面を研磨して、長さ250mm、直径
12mmの帯電ローラ21を作成した。
【0040】この帯電ローラ21の抵抗を測定したとこ
ろ、100kΩ(106Ω)であった。測定は、帯電ロ
ーラ21の芯金2aに総圧1kgの加重がかかるよう
に、帯電ローラ21を直径30mmのアルミニウムドラ
ムに圧着した状態で、芯金2aとアルミニウムドラムと
の間に100Vを印加して行った。
【0041】帯電ローラ21は、電極として機能するこ
とが重要であり、弾性を持たせて移動する感光ドラム1
との間に十分な接触状態を得ると同時に、この感光ドラ
ム1に電荷を付与するのに十分な低い抵抗を有すること
が必要がある。その一方で、感光ドラム1にピンホール
などの欠陥部位が存在した場合に、電圧のリークを防止
する必要がある。
【0042】このようなことから、帯電ローラ21は、
十分な帯電性と耐リーク性を持たせるために、104
107Ω程度の抵抗とすることが好ましい。また帯電ロ
ーラ21の硬度は、低すぎるとローラ形状が安定しない
ために、感光ドラム1との接触性が悪くなり、高すぎる
と感光ドラム1との間に帯電ニップを確保できないだけ
でなく、感光ドラム1表面へのミクロな接触性が悪くな
るので、アスカーC硬度で25゜から50゜の範囲が好
ましい。
【0043】帯電ローラ21の中抵抗層2bに使用する
弾性体材料としては、EPDM、ウレタン、NBR、シ
リコーンゴム、IR等に、抵抗調整のためにカーボンブ
ラックや金属酸化物等の導電性物質を分散したゴム材が
挙がられる。また導電性物質を分散させずに、イオン導
電性の材料を用いて抵抗調整することも可能であり、さ
らには金属酸化物等の導電性物質とイオン導電性の材料
とを混合して抵抗調整することも可能である。
【0044】本実施例では、帯電促進粒子2dとして、
比抵抗が1.7×103Ωcm、平均粒径4.5μmの
導電性酸化亜鉛粒子を用いた。帯電促進粒子としては、
他の金属酸化物などの導電性無機粒子や、これと有機物
との混合物など、各種の導電性粒子が使用可能である。
帯電促進粒子2dを介して帯電ローラ21と感光ドラム
1との間で電荷の授受を行うためには、帯電促進粒子の
比抵抗は1012Ωcm以下であることが好ましく、より
好ましくは1010Ωcm以下である。帯電促進粒子の比
抵抗の下限は10-1Ωcm程度が好ましい。これは、帯
電導電粒子が帯電され、感光体上に現像されるために好
ましい。
【0045】本発明では、帯電促進粒子2dの比抵抗の
測定を錠剤法により行った。具体的には、底面積2.2
6cm2の円筒内に約0.5gの帯電促進粒子の測定試
料を充填し、その粒子充填層を上下から電極で挟んで1
5kgの加圧を加えた状態で、電極に100Vの電圧を
印加し、そのとき流れる電流値から充填層の抵抗値を求
め、その後、これを正規化して帯電促進粒子の比抵抗を
求めた。
【0046】帯電促進粒子2dの粒径は、良好な帯電の
均一性を得るためには、50μm以下が好ましい。帯電
促進粒子の粒径の下限は、帯電促進粒子を安定して得る
ことができる10nmが限界である。
【0047】本発明では、帯電促進粒子2dの粒径の測
定は、光学顕微鏡もしくは電子顕微鏡により帯電促進粒
子を観察して、粒子を100個以上抽出し、その粒子の
水平方向最大弦長を持って粒子の体積粒度分布を算出
し、その50%平均粒径を粒径として決定することによ
り行った。帯電促進粒子が凝集体を形成している場合
は、その凝集体の平均粒径を帯電促進粒子の粒径とし
た。
【0048】より好ましくは、帯電促進粒子2dは、画
像露光を妨げる恐れがない無色あるいは白色に近い粒子
であることがよい。さらにカラー画像を考えた場合、画
像の記録材への転写時に、帯電促進粒子2dが感光ドラ
ム1から記録材に一部転写したときに、画像の劣化が目
立つので、この点からも、帯電促進粒子は無色あるいは
白色のものが好ましい。また帯電促進粒子2aの粒径
は、画像露光時の帯電促進粒子による光散乱を防止する
観点から、画像の画素サイズ以下がよい。
【0049】上述したように、本実施例では、帯電装置
2に、帯電促進粒子2dを帯電ローラ21と感光ドラム
1との帯電ニップ部(当接ニップ部)に均一に供給する
ために、帯電促進粒子供給手段として規制ブレード2c
を設けた。
【0050】この規制ブレード2cは、感光ドラム1の
帯電ニップ部よりも回転方向上流側で、感光ドラム1の
表面に斜めに当接され、規制ブレード2cと感光ドラム
1との間に帯電促進粒子2dを保持した粒子溜まり2D
を形成している。粒子溜まり2Dに保持された帯電促進
粒子2dは、感光ドラム1の回転にともない規制ブレー
ド規制されながら少量づつ一定量で搬送され、帯電ロー
ラ21と感光ドラム1との帯電ニップ部に供給される。
【0051】より簡易な構成の帯電促進粒子供給手段と
しては、帯電促進粒子2dを含ませた発泡体あるいはフ
ァーブラシを感光ドラム1に当接する方法などがあり、
上記に限定されるものではない。
【0052】本実施例の帯電装置2による帯電動作につ
いて説明する。
【0053】本実施例では、被帯電体の感光ドラム1は
24mmの外径を有し、矢印A方向に30rpm(周速
37.68mm/秒)の一定速度で回転させた。この感
光ドラム1に対し、外径12mmの帯電ローラ21をニ
ップ(帯電ニップ)が3mm程度となるように侵入量を
規制して総荷重1400gで圧接し、感光ドラム1との
ニップ部で逆方向に移動する向き(カウンター方向)の
矢印B方向に、120rmpの一定速度で回転させた。
【0054】帯電ローラ21は、表面に存在する微小突
起に帯電促進粒子2dを保持しながら、上記の帯電ロー
ラ21の感光ドラム1に対する約−200%の周速差に
よって、帯電ローラ21があらゆる形状に変形しながら
感光ドラム1の表面に接触するので、感光ドラムの表面
を高い接触性で接触して良好に帯電することが可能にな
る。
【0055】上記において、帯電ローラ21の感光ドラ
ム1との周速差は、帯電ローラ21の周速の符号を、ニ
ップ部で感光ドラム1の移動方向(矢印A)と同方向を
正、逆方向を負にとって、 周速差(%)=(帯電ローラ周速−感光ドラム周速)/
感光ドラム周速×100 と定義した。
【0056】帯電ローラ21は、感光ドラム1に対して
カウンタ方向回転だけでなく、同方向に速い速度回転し
ても、高い接触性を得て良好に帯電することができる。
周速差の適正な範囲としては絶対値で150〜300%
であり、周速差が少ないと接触性の点から帯電性が不十
分となり、周速差が大きすぎると帯電ローラ21等の支
持部材の削れなどが懸念され、装置構成上不適である。
【0057】帯電時、帯電ローラ21の芯金2aに帯電
バイアスとして所定の直流電圧を印加し、これにより、
感光ドラム1の表面が印加電圧とほぼ等しい電位に帯電
される。本実施例では、帯電バイアスとして−600V
の直流電圧を印加した。
【0058】本発明では、上述したように、この帯電バ
イアスの印加時と終了時に工夫を凝らしたことが大きな
特徴である。すなわち、従来は、図3に示すように、電
位の立ち上がり、立ち下がりがほぼ直角にシャープに変
移する波形の帯電バイアスを用いており、立ち上がり時
の急激な電位変化によって、帯電ニップ部において、帯
電ローラ21上に存在する帯電促進粒子やトナー粒子が
長手方向一線で瞬時に感光ドラム1に排出され、これら
の粒子がその下流での画像露光を遮り、画像不良を発生
する。反転現像の場合の黒やハーフトーンといった画像
では、画像不良は長手方向に白っぽい横線として現れ
る。
【0059】そこで、本発明では、図2に示すように、
帯電バイアスの波形の電位の立ち上がり、立ち下がりに
スロープを持たせ、そのスロープの時間を、帯電ローラ
21の表面が帯電ニップ部を通過する時間以上の長さと
した。本実施例では、帯電ニップ通過時間は70ms
(ミリ秒))であり、帯電バイアスの立ち上がり、立ち
下がりのスロープの時間を100msとした。
【0060】このような波形の帯電バイアスによれば、
帯電バイアスの印加時、電位の立ち上がりにスロープを
持たせているので、帯電ローラ21と感光ドラム1の表
面の電位差が周方向上の各位置で少なくなって、各位置
で帯電ローラ21上の帯電促進粒子やトナー粒子に働く
電界も小さくなり、このため感光ドラム1の単位面積あ
たりに対する粒子の排出量も少なくなって、画像にほと
んど影響ない程度にできる。
【0061】帯電バイアスのオフ時にも、帯電ローラ2
1上の帯電促進粒子やトナー粒子が感光ドラム1に排出
されるが、帯電バイアスの電位の立ち下がりにも、立ち
上がりと同様なスロープを持たせたので、感光ドラム1
への単位面積あたりの粒子排出量を少なくできる。
【0062】以上説明したように、本実施例では、帯電
装置2の帯電ローラ21と感光ドラム1とが当接した帯
電ニップ部に帯電促進粒子2dを保持して、帯電バイア
スを印加した帯電ローラ2により感光ドラム1を帯電す
るに際し、帯電バイアスの電位の立ち上がり、立ち下が
りに帯電ニップ部通過時間よりも長いスロープを持たせ
たので、電荷注入により感光ドラム1を良好に直接帯電
できるとともに、帯電促進粒子2dの感光ドラム1への
排出を緩和でき、帯電後に遮光のない画像露光を行っ
て、遮光などの画像不良のない高品質な画像を得ること
ができる。
【0063】実施例2 図4に本実施例にかかる画像形成装置を示す。
【0064】本画像形成装置は、図4に示されるよう
に、感光ドラム1の周囲に、帯電装置2、露光装置6、
上記の現像器3、転写帯電器4および定着器5を備えて
いる。画像形成装置はクリーナレスとされており、感光
ドラム1に対して専用のドラムクリーニング部材を設置
せず、現像器3に現像同時クリーニング方式を採用して
いる。
【0065】なお、本例では、感光ドラム1、帯電装置
2、現像器3はプロセスカートリッジ7に内包して一体
化され、カートリッジ7ごと画像形成装置本体に着脱自
在に設置されているが、必ずしもカートリッジ形態をと
る必要はない。
【0066】また帯電装置2は、帯電ローラ2と感光ド
ラム1とが当接した帯電ニップ部に帯電促進粒子を供給
する専用の供給手段を備えていない。その代わり、帯電
ローラ2の表面に予め帯電促進粒子2dが塗布されてお
り、また現像器3内のトナー3aに帯電促進粒子2dが
混合さていて、現像器3から感光ドラム1を介して帯電
ニップ部に帯電促進粒子2dが供給されるようになって
いる。
【0067】帯電ローラ21の基本構成は実施例1と同
様であるが、本実施例では、帯電ローラ21の中抵抗層
2bの材料として、予めカーボンブラックを分散して抵
抗調整されたウレタン樹脂を発泡した発泡弾性体(商品
名:ルビセル)を用いた。帯電ローラ21の抵抗値は2
×105Ωであった。
【0068】帯電促進粒子2dは、実施例1と同様、比
抵抗が1.7×103Ωcm、平均粒径4.5μmの導
電性酸化亜鉛粒子を用いた。
【0069】さて、従来のクリーナレス画像形成装置で
は、現像により感光ドラム1上に形成されたトナー画像
は、記録材Pに転写されるが、感光ドラム1上にはトナ
ーの一部が転写残りトナーとして残留する。このトナー
は絶縁体であるため、感光ドラム1の帯電で帯電不良を
引き起こす原因になる。
【0070】しかし、本実施例では、帯電ローラ21の
表面に予め帯電促進粒子2dが存在し、また現像器3か
ら帯電促進粒子2dが感光ドラム1を介して帯電ニップ
部に供給されるので、帯電ローラ21の表面にトナーが
付着しても帯電ローラ21の感光ドラム1との接触性お
よび接触抵抗を維持でき、帯電不良を生じることなく、
電荷注入による感光ドラム1の直接帯電を行うことが可
能となる。また帯電促進粒子2dが帯電ローラ21から
脱落しても、現像器3から供給され続けるため、上記の
良好な帯電性を安定して維持することができる。
【0071】帯電装置2による感光ドラム1の帯電は、
実施例1と同様で、矢印方向Aに30rpm(周速3
7.68mm/秒)で回転する感光ドラム1(外径24
mm)に対し、帯電ローラ21(外径)を矢印B方向に
120rmpでカウンター回転し、その芯金21aに帯
電バイアスとして−500Vの直流電圧を印加し、感光
ドラム1を帯電した。
【0072】帯電バイアスは、実施例1と同様、図2に
示したような帯電バイアス波形の電位の立ち上がり、立
ち下がりにスロープがあるものを使用した。これによ
り、感光ドラム1の表面を印加電圧とほぼ等しい電位に
帯電できた。
【0073】本実施例では、現像器3は磁性一成分現像
法を採用しているが、特に現像法を限定するものではな
い。現像器3は、内に磁性トナー3aを収容し、感光ド
ラム1と対面した開口部に非磁性現像スリーブ3bを、
感光ドラム1と所定間隙をあけて回転自在に配置してい
る。現像スリーブ3b内にはマグネットローラ3cが非
回転に配置され、現像スリーブ3bの略頂部の表面には
弾性ブレード3dが当接配置されている。
【0074】磁性トナー3aは、結着樹脂、磁性体粒
子、電荷制御剤を混合し、混練、粉砕、分級の各工程を
経て作成したもので、流動化剤を外添してトナーとして
使用した。本実施例では、トナー3aの粒径は重量平均
粒径(D4)で7μmであった。本実施例によれば、こ
のトナー3aには、上述したように、さらに帯電促進粒
子2dを混合した。
【0075】現像器3内の磁性トナー3aは、マグネッ
トローラ3cの磁力によって現像スリーブ3b上に担持
され、現像スリーブ3bの回転にともない規制ブレード
3dのところに搬送され、規制ブレード3dで規制され
て層厚および摩擦帯電電荷を付与された後、感光ドラム
1と対向した現像部位に導入される。そして図示しない
現像電源から現像スリーブ3bに印加した現像バイアス
により、トナーが感光ドラム1上に形成された静電潜像
に付着して現像する。
【0076】ところで、クリーナレス画像形成装置で
は、感光ドラム1から転写ローラ4に付着したトナーや
帯電促進粒子が、転写ローラ4に印加した転写バイアス
の印加時やオフ時に感光ドラム1へ移行することがあ
り、同様に、帯電装置2による帯電に影響を与える。
【0077】そこで、本実施例では、転写バイアスの印
加時の転写ローラ4からの感光ドラム1への帯電促進粒
子等の転移を緩和するために、転写バイアスについて
も、そのバイアス波形の立ち上がりおよび立ち下がり
に、帯電バイアスと同様なスロープを設け、転写ニップ
通過時間以上の長さで電位を立ち上げ、またオフするよ
うにした。もちろん、通常の転写工程では、転写に必要
な電圧および電流が十分に得られるように、このスロー
プは画像形成時にかからないように設定する必要があ
る。
【0078】このようにすることにより、転写ローラ4
に付着したトナー粒子や帯電促進粒子は、一度に感光ド
ラム1に排出されず、徐々に移行し、感光ドラム1によ
り帯電ローラ21に搬送されて、感光ドラム1から帯電
ローラ21に移行するので、帯電ローラ21へのトナー
粒子等の粒子量も平均化して緩和され、帯電ローラ21
上に存在するトナーの密度も均一になるので、トナーに
よる帯電不良は生じない。
【0079】従来は、転写ローラ4からトナー粒子等が
感光ドラム1に一度に多量に排出され、感光ドラム1を
介して帯電ローラ21に移行するので、そのトナーが付
着した帯電ローラ21の部分が、感光ドラム1の帯電不
良を引き起こしたり、帯電ローラ21に付着したトナー
が再度感光ドラム1に移行して、画像露光を遮光すると
いった弊害も生じていたが、本実施例では、このような
不具合が改善された。
【0080】この場合、転写バイアスを印加したときの
感光ドラム1の部分は、帯電バイアスを印加したときの
感光ドラム1の部分と、重ならないようにすることが好
ましい。双方のバイアス印加時の感光ドラムの部分を重
ならないようにすれば、双方のバイアス印加により排出
されたトナー粒子等は、感光ドラム1の同じ位置に存在
しないようになるので、上記の帯電不良や遮光等の防止
を一層向上することができる。
【0081】画像形成装置全体の動作を説明すれば、感
光ドラム1を矢印A方向に回転し、帯電装置2の帯電ロ
ーラ21を感光ドラム1に当接して矢印B方向に回転す
ると同時に、帯電電源S1から帯電ローラ21の芯金2
aに先に述べたスロープを有する波形の帯電バイアスを
印加して、帯電ローラ21の表面に予め塗布した帯電促
進粒子2dを介して感光ドラム1の表面を所望の極性・
電位に一様帯電する。ついで露光装置6から画像露光L
を施して、感光ドラム1の表面に静電潜像を形成し、こ
の静電潜像を現像器3により磁性トナー3aを用いて現
像して、潜像をトナー画像として可視化する。得られた
トナー画像は、転写電源S3から転写ローラ4に先に述
べたスロープを有する波形の転写バイアスを印加して、
感光ドラム1に供給された転写材Pに転写し、その後、
転写材Pを定着器5に送って、トナー画像の転写材Pへ
の定着を行い、記録画像を得る。
【0082】その後、感光ドラム1上に残留した転写残
りとなったトナーは、帯電ローラ21の表面の微小な突
起に引っかかり、帯電ローラ表面近傍に攪乱されつつ混
入するが、本発明の帯電装置2ではトナーと同時に帯電
導電粒子も帯電ローラ21に回収され保持されるため、
帯電ローラ表面には、充分な帯電導電粒子が存在し、感
光ドラム1に対して緻密な接触性と接触抵抗を保つこと
ができる。従って、帯電導電粒子を介して感光ドラム表
面への電荷の直接注入帯電が可能になる。
【0083】そして、帯電ローラ21表面近傍に混入し
たトナーは、感光ドラム1や帯電導電粒子そして帯電ロ
ーラ21との摩擦により、トナーが本来持つ極性(本実
施例では負極性)に帯電し、帯電ローラ21に印加する
帯電極性と同じなので、徐々に帯電装置2から吐き出さ
れ、現像器3にて回収され或いは現像される。このよう
な工程を繰り返すことによりトナーリサイクルを可能に
しながら、直接注入帯電を行い、且つそれを長期にわた
り維持することができる。
【0084】以上説明したように、本実施例では、クリ
ーナレス画像形成装置において、帯電場バイアスのみな
らず、転写バイアスにも、バイアスの印加時およびオフ
時にスロープを付けたので、帯電不良や遮光のない良好
な画像を得ることができる。
【0085】実施例3 本実施例は、図4にした実施例2において、図5に示す
ような表面に電荷注入層16を有する感光ドラム1を使
用し、また転写バイアスを弱く印加している。帯電不良
や遮光や帯電不良のない画像形成を行わせるために、帯
電バイアスおよび転写バイアスの電位の立ち上がりおよ
び立ち下がりにスロープを設ける点は、実施例2と同様
である。
【0086】感光ドラム1は、図5に示したように、ア
ルミニウム製のドラム基体11上に、下引き層12、正
電荷注入防止層13、電荷発生層14および電荷輸送層
15を下から順に塗工して一般的な有機感光層を設け、
さらに有機感光層の電荷輸送層15上に電荷注入層16
を塗工してなっており、この電荷注入層16により感光
ドラム1の表面の感光層の抵抗を所定の範囲に調節する
ことにより、長期間にわたって感光ドラム1の均一な帯
電を感光ドラム側からも担保するようにした。
【0087】本実施例では、電荷注入層16は、光硬化
型のアクリル樹脂に、粒径0.03μmのSnO2超微
粒子16a、四フッ化エチレン樹脂(商品名:テフロ
ン)等の滑剤、重合開始剤等を混合分散し、電荷輸送層
15上に塗工後、光硬化法により膜形成した。
【0088】一般に電荷注入層の重要な点は、これを設
けた被帯電体の表面抵抗を下げることであり、電荷注入
による直接帯電では、被帯電体の表面抵抗を下げると、
電荷の授受をより効率よく行って、被帯電体を帯電する
ことができるようになる。
【0089】このようなことから、感光ドラム1の感光
層表層に設ける電荷注入層16は、体積抵抗率1014Ω
cm以下の抵抗とすることが好ましい。一方、感光ドラ
ム1は静電潜像を一定時間保持する必要があるため、低
抵抗すぎてもよくなく、好ましくは、体積抵抗率109
Ωcm以上とすることがよい。
【0090】なお、本実施例では、感光ドラム1の表面
抵抗を下げるために、電荷注入層16を設けたが、電荷
輸送層15自体を同様な抵抗範囲にしてもよく、同様な
効果が得られる。さらに体積抵抗率が約1013Ωcmで
あるアモルファスシリコンを感光層に用いても、同様な
効果がある。
【0091】本実施例における転写バイアスの印加方法
について説明する。通常、画像形成時には、図4の感光
ドラム1上からトナーを転写材Pに転写するのに必要な
転写バイアスを、転写ローラ4により感光ドラム1に印
加しているが、感光ドラム1の転写材が存在しない非画
像部に対しても、トナーと逆極性に帯電している帯電促
進粒子が転写ローラ4に付着しにくいように、逆バイア
スを印加することが好ましい。
【0092】しかし、通常の転写バイアスを転写材が存
在しない感光ドラム1に対し印加すると、感光ドラム1
にダメージを与えてしまう。本実施例では、これを防ぐ
ために転写バイアスを弱めに印加しているが、このよう
な場合にも、バイアスが瞬時に変化したときには、転写
ローラ4に付着したトナー粒子や帯電促進粒子が感光ド
ラム1に移行し、次回の画像形成時に画像不良を生じて
しまう。
【0093】そこで、本実施例では、この転写バイアス
を弱く印加する場合においても、その波形の電位の立ち
上がりおよび立ち下がりにスロープを持たせた。具体的
には、実施例2の場合と同様、転写ニップ通過時間以上
の長さで電位を変化させた。
【0094】このようにすれば、実施例2で述べたのと
同様、転写ローラ4に付着しているトナー粒子や帯電促
進粒子が感光ドラム1に一度に移行されず、徐々に移行
されて、感光ドラム1を介した帯電ローラ21へのトナ
ー等の粒子の移行量も平均化により緩和され、帯電ロー
ラ4上に存在するトナーの密度も均一になって、トナー
による帯電不良を発生しなくできる。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
帯電バイアスを印加した帯電ローラを感光ドラム等の感
光体と速度差を持って接触させて、少なくとも帯電ロー
ラと感光体とが接触した帯電ニップ部に導電性粒子(帯
電促進粒子)を保持した状態下で、感光体の表面を帯電
するに際し、帯電バイアスの電圧波形の電位の立ち上が
りおよび立ち下がりに、帯電ローラの表面が帯電ニップ
部を通過する時間よりも長いスロープを持たせたので、
帯電ローラ上に存在する帯電促進粒子やトナー粒子が一
度に多量に感光体へ急激に移行するのを防止でき、これ
ら粒子の感光体を介した帯電ローラへの移行量を平均化
して緩和できる。このため、感光体を良好に帯電すると
ともに、帯電後に遮光のない画像露光を行うことがで
き、遮光のない良好な画像を得ることができる。
【0096】また、感光体のトナー画像を記録材へ転写
する転写ローラに印加する転写バイアスの電圧波形の電
位の立ち上がりおよび立ち下がりに、転写ローラの表面
が転写ニップ部を通過する時間よりも長いスロープを持
たせた場合には、転写ローラ上に存在するトナー粒子や
帯電促進粒子が一度に多量に感光体へ急激に移行するの
を防止して、これら粒子の感光体を介した帯電ローラへ
の移行量を平均化し緩和でき、転写ローラからの粒子に
よる影響をなくして、同様に、感光体を良好に帯電し、
また帯電後に遮光のない画像露光を行って、遮光のない
良好な画像を得ることができる。
【0097】従って、本発明によれば、感光体専用のク
リーニング装置を省略したクリーナレス装置に好適な画
像形成装置を構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる帯電装置を示す断面
図である。
【図2】図1の帯電装置の帯電ローラに印加する帯電バ
イアスを示す波形図である。
【図3】帯電ローラに印加する従来の帯電バイアスを示
す波形図である。
【図4】本発明の他の一実施例にかかる画像形成装置を
示す概略構成図である。
【図5】図4の画像形成装置で使用した感光ドラムの感
光層の層構成を示す断面図である。
【図6】各種接触帯電における帯電効率を示す特性図で
ある。
【符号の説明】
1 感光ドラム 2 帯電装置 2a 芯金 2b 中抵抗層 2c 規制ブレード 2d 帯電促進粒子(導電性粒子) 3 現像器 3a 磁性トナー 4 転写ローラ 21 帯電ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 児野 康則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 井上 亮 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H077 AA37 AC16 AD06 AD13 AD17 AD23 AD31 AD35 EA13 FA00 FA19 GA01 GA17 2H134 GA01 GB02 HF13 KH01 2H171 FA02 JA02 JA04 JA23 JA27 JA29 QA02 QA17 QA19 QB03 QB07 QB09 QB14 QB15 QB42 QB52 UA03 UA08 2H200 FA17 FA18 FA20 GA23 GA34 GA46 GA54 GA59 GB37 HA03 HA21 HA28 HA29 HB12 HB17 HB22 HB43 HB45 HB46 HB47 HB48 JA02 JA28 JA29 MA01 MA03 MA08 MA14 MA20 MB01 MB04 MB06 MC02 MC15 NA02 NA09 PA10 PA11 PA22

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧を印加した回動する帯電部材を、回
    動する被帯電体と速度差を持って接触させて、少なくと
    も帯電部材と被帯電部材とが接触した帯電ニップ部に導
    電性粒子を保持した状態下で、前記被帯電体の表面を帯
    電する帯電装置であって、前記帯電部材に印加する電圧
    の波形は、電位の立ち上がりおよび立ち下がりにスロー
    プを有し、その各スロープの時間が、前記帯電部材の表
    面が帯電ニップ部を通過する時間よりも長いことを特徴
    とする帯電装置。
  2. 【請求項2】 前記導電性粒子の抵抗値が1012Ωcm
    以下である請求項1の帯電装置。
  3. 【請求項3】 前記導電粒子の平均粒径がトナーの粒径
    よりも小さい請求項1または2の帯電装置。
  4. 【請求項4】 前記被帯電体の表面の抵抗が109〜1
    14Ωcmである請求項1〜3のいずれかの項に記載の
    帯電装置。
  5. 【請求項5】 前記被帯電体が電子写真感光体である請
    求項1〜4のいずれかの項に記載の帯電装置。
  6. 【請求項6】 前記帯電部材が被帯電体に対してカーウ
    ンター方向に回動する請求項1〜5のいずれかの項に記
    載の帯電装置。
  7. 【請求項7】 前記帯電部材が、芯金上に弾性発泡体を
    ローラ形状に形成した帯電ローラである請求項1〜6の
    いずれかの項に記載の帯電装置。
  8. 【請求項8】 電子写真感光体の周囲に、感光体の表面
    を帯電する一次帯電器、帯電した感光体に画像露光して
    形成された静電潜像を現像する現像剤を収容した現像
    器、および潜像の現像で得られたトナー画像を記録材に
    転写する転写帯電器を少なくとも備えた画像形成装置に
    おいて、 前記一次帯電器は、電圧を印加した回動する帯電部材を
    回動する感光体と速度差を持って接触させて、少なくと
    も帯電部材と感光体との帯電ニップ部に導電性粒子を保
    持した状態下で前記感光体の表面を帯電し、前記帯電部
    材に印加する電圧の波形は、電位の立ち上がりおよび立
    ち下がりにスロープを有し、その各スロープの時間が、
    前記帯電部材の表面が帯電ニップ部を通過する時間より
    も長いことを特徴とする画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記導電性粒子の抵抗値が1012Ωcm
    以下である請求項8の画像形成装置。
  10. 【請求項10】 前記導電性粒子の平均粒径がトナーの
    粒径よりも小さい請求項8または9の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記被帯電体の表面の抵抗が109
    1014Ωcmである請求項8〜10のいずれかの項に記
    載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記帯電部材が感光体に対してカーウ
    ンター方向に回動する請求項8〜11のいずれかの項に
    記載の帯電装置。
  13. 【請求項13】 前記帯電部材が、芯金上に弾性発泡体
    をローラ形状に形成した帯電ローラである請求項8〜1
    2のいずれかの項に記載の画像形成装置。
  14. 【請求項14】 前記一次帯電器は、感光体に接触して
    感光体との間で帯電促進粒子を保持する規制ブレードを
    有し、前記保持された帯電促進粒子が感光体の回動によ
    り搬送されて、前記帯電ニップ部に供給される請求項8
    〜13のいずれかに記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記現像器内に収容された現像剤に帯
    電促進粒子が混合され、前記混合された帯電促進粒子が
    感光体に付着して搬送され、前記帯電ニップに供給され
    る請求項8〜13のいずれかに記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記現像器は、前記潜像の現像と同時
    に、その現像剤担持体と感光体との電位差により、感光
    体に残留した転写残りのトナーを現像剤担持体に回収す
    る機能を兼ねる請求項8〜15のいずれかに記載の画像
    形成装置。
  17. 【請求項17】 前記転写帯電器に印加する電圧は、立
    ち上げ時において転写ニップ通過時間より長いスロープ
    を持ち、オフ時においても同様に転写ニップ通過時間よ
    り長いスロープを持つことを特徴とする請求項8〜16
    のいずれかに記載の画像形成装置。
  18. 【請求項18】 像担持体に該像担持体を帯電する工程
    を含む作像プロセスを適用して画像形成を実行する画像
    形成装置本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジ
    であり、少なくとも像担持体と該像担持体を帯電する工
    程手段を包含しており、該帯電工程手段が請求項1〜7
    のいずれかの項に記載の帯電装置であることを特徴とす
    るプロセスカートリッジ。
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