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JP2003315129A - 熱式流量計測装置 - Google Patents

熱式流量計測装置

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JP2003315129A
JP2003315129A JP2002119741A JP2002119741A JP2003315129A JP 2003315129 A JP2003315129 A JP 2003315129A JP 2002119741 A JP2002119741 A JP 2002119741A JP 2002119741 A JP2002119741 A JP 2002119741A JP 2003315129 A JP2003315129 A JP 2003315129A
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resistance
flow rate
ambient temperature
measuring
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Yasuharu Oishi
安治 大石
Katsusuke Shimada
勝介 島田
Hidenori Hibi
秀則 日比
Koichiro Shinkawa
宏一郎 新川
Masami Seo
雅己 瀬尾
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Azbil Corp
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Azbil Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周囲温度の変化にかかわることなく、且つ広
い流量範囲で高精度な流量計測を行い得る熱式流量計測
装置を提供する。 【解決手段】 ヒータ素子を間にして、流体の通流方向
に第1および第2の測温抵抗素子を設けた流量センサの
ヒータ素子の発熱温度を、上記第1および第2の測温抵
抗素子の測温温度の平均値がヒータ素子に設けられた周
囲温度測温抵抗素子で測温される周囲温度上昇よりもさ
らに高くなるように、ヒータ制御手段が制御すること
で、広い流量計測範囲で高精度な流量計測を可能とし、
かつヒータ制御手段は、周囲温度の変化に応じて、上記
発熱温度と周囲温度との差を制御し、温度変化による流
量センサ感度変化を軽減して周囲温度の変化にかかわる
ことなく高精度な流量計測を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、周囲温度の変化に
かかわることなく、且つ広い流量範囲で高精度な流量計
測を行い得る熱式流量計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱式流量計測装置を構成する流量センサ
は、たとえば図5に示すようにシリコン基板B上に設け
た発熱抵抗体からなるヒータ素子Rhを間にして、流体
の通流方向Fに測温抵抗体からなる一対の温度センサR
u、Rdを設けた素子構造を有する。この熱式流量計測
装置は、上記ヒータ素子Rhに供給される電流によって
発せられる熱で生じる前記流体の通流方向Fにおける温
度分布(以下「ヒータ周辺温度分布」という)が前記流
体の流速によって変化することを利用し、温度センサR
u,Rdの温度による抵抗値変化から、前記流体の流量
を検出するように構成される。
【0003】具体的なヒータ周辺温度分布は、流体の流
量Qがゼロの場合には、通流方向下流側の温度は通流方
向上流側の温度と同一となり、流体の流量Qがゼロでな
い場合には、下流側の温度が上流側の温度よりも高くな
る。そこで熱式流量計測装置は、通流下流側の温度セン
サRdと通流上流側の温度センサRuとの測温結果か
ら、下流側と上流側との温度差を流量センサの出力とし
て検出し流量Qを計測するものである。なお、図5中R
rは前記ヒータ素子Rhから離れた位置に設けられた周
囲温度測温抵抗素子をなす温度センサであり、周囲温度
(計測対象である流体の温度)の計測に用いられる。
【0004】こうした熱式流量計測装置では、ヒータ素
子Rhと周囲温度との温度差((ヒータ素子Rhの温
度)−(周囲温度)、以下「(ヒータ温度−周囲温度)
DT」と表示する)を常に一定に保つようにヒータ素子
Rhを駆動・制御するものがある。しかし、こうした熱
式流量計測装置では、図6の流量計測特性に示すよう
に、周囲温度が高くなるほど、流量センサの出力は低下
する(流量センサの感度は低下する)ことが知られてい
る(図6中の温度は周囲温度を示す)。また、流量Qの
増加と共に、ヒータ素子Rhの発した熱が流体と共に流
量センサ外に流出する。このため、流量Qの増加と共
に、上記温度センサRd、Ru間の温度差の増加率は減
少し、流量計測特性を表す曲線は流量Qの増加と共にそ
の傾斜が小さくなり、ついには飽和する。そうすると高
流量領域における流量計測の精度が低下することのみな
らず、熱式流量計測装置の流量計測範囲が狭くなる。
【0005】他方、(ヒータ温度−周囲温度)DTを大
きくするほど、ヒータ周辺温度分布の通流方向Fに対す
る変化は大きくなり、流量センサの感度が向上する。そ
こで実公平7−51618号公報に開示されるように、
周囲温度が高くなるほど、図7(a)の実線に示すよう
に、(ヒータ温度−周囲温度)DTを大きくし、流量セ
ンサの感度が温度上昇で低下することを軽減する熱式流
量計測装置が提供されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、周囲温度が高
くなるほど(ヒータ温度−周囲温度)DTを大きくして
も、周囲温度の上昇に伴う流量センサの感度低下を軽減
できるだけであり、流量Qの増加に伴って流量計測特性
曲線の傾斜が小さくなることを軽減することはできな
い。
【0007】そのため、上述の熱式流量計測装置は、広
い流量計測範囲で温度変化に対して流量センサの感度の
変化を減少することができず、図7(b)に示すよう
に、たとえば上記流量Qxにおいてのみ各温度の流量計
測特性曲線を重ね得るにすぎないのであり、広い流量範
囲で周囲温度の影響を軽減して高精度な流量計測を行う
ことができない、という問題がある。そして、図7
(b)に示すように、上記流量Qxを境界点とし、流量
がQxより多いときには温度上昇によるセンサ感度の変
化が低下し、流量がQxより少ないときには温度上昇に
よるセンサ感度の変化が増加するような流量計測特性曲
線の温度補償は、一般に複雑化して困難か或いはコスト
アップを招来する、という問題もある。
【0008】また、上述の熱式流量計測装置の例として
家庭用のガスメータがあるが、家庭用のガスメータで
は、ガス料金の公平性の観点から、如何なる時間帯で如
何なる量のガスが消費されても、消費されたガスの真の
量(真のガス流量に対応)に応じた真のガス料金を基準
として、消費者が支払った実際の料金の誤差を所定の誤
差範囲(百分率)内におさめることが要求されている。
【0009】しかし、一般の流量計では流量計測のフル
スパンを基準として、流量計測の精度を規定するので
(以下「%FS」という)、フルスパン以下の流量で
は、真の流量に対する許容誤差が増加する。たとえば1
%FSの精度の流量計で、フルスパンの10%の流量に
おいて許容される誤差はフルスパンの流量の1%、すな
わち(1%)/(10%)=10%の誤差が許容される
ことになる。そうすると、家庭用ガスメータでは、少量
のガスを長時間にわたって消費する消費者のガス消費量
計測の精度が低下し、上記ガス料金の公平性維持から好
ましくない。
【0010】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、周囲温度の変化にかかわることなく、
且つ広い流量範囲で高精度な流量計測を行い得る熱式流
量計測装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に記載の熱式流量計測装置は、ヒ
ータ素子、このヒータ素子を間にして流体の通流方向に
それぞれ設けられた第1および第2の測温抵抗素子、お
よびその周囲温度を検出する周囲温度測温抵抗素子を備
えた流量センサと、周囲温度測温抵抗素子による測温温
度の変化に応じて、第1および第2の測温抵抗素子によ
る測温温度の平均値を周囲温度測温抵抗素子による測温
温度上昇よりもさらに高く維持するようにヒータ温度を
制御するヒータ制御手段と、第1の測温抵抗素子と第2
の測温抵抗素子との測温温度差から流量センサを通流す
る流体の流量を計測する流量計測手段とを備える。
【0012】上記ヒータ制御手段は、周囲温度測温抵抗
素子による周囲温度の測温結果に基づき、(ヒータ温度
−周囲温度)DTを周囲温度の上昇よりも大きくするこ
とによって、温度上昇に伴う流量センサの感度低下を軽
減することができる。また、上記ヒータ制御手段は、第
1および第2の測温抵抗素子の測温温度の平均値の計測
結果から、周囲温度が一定の場合に、通流する流体の流
量が増加しても、ヒータ素子の駆動を制御することによ
って、第1および第2の測温抵抗素子の測温温度の平均
値を一定値に維持することができる。したがって、周囲
温度が一定の場合に、流量Qの増加に伴い流量センサか
ら流出する熱量が増加しても、第1の測温抵抗素子およ
び第2の測温抵抗素子に与える上記熱量流出の影響が軽
減される。そうすると、流量Qの増加と共に、ヒータ素
子Rhの発した熱が流体と共に流量センサ外に流出する
ために生じる温度センサRd、Ru間の温度差の増加率
の減少が軽減されて、流量Qの増加に伴って流量計測特
性曲線の傾斜が小さくなることが改善され、高流量領域
における流量計測特性を表す曲線の飽和も軽減される。
【0013】すなわち、上記ヒータ制御手段は、温度上
昇に伴う流量センサの感度低下を軽減すると共に、流量
Qの増加に伴って流量計測特性曲線の傾斜が小さくなる
ことを軽減するので、周囲温度の変化にかかわることな
く、且つ広い流量範囲で高精度な流量計測を行い得る熱
式流量計測装置が実現される。また、特定の流量を境界
点として行う複雑或いはコストアップを招来する温度補
償を必要としない。
【0014】請求項2に記載の熱式流量計測装置は、第
1および第2の測温抵抗素子との直列回路、並びに/ま
たは周囲温度測温抵抗素子に並列接続された抵抗温度係
数設定用の抵抗素子を備える。したがって、周囲温度測
温抵抗素子とこの周囲温度測温抵抗素子に並列接続され
る抵抗温度係数設定用の抵抗素子(以下「第1の抵抗素
子」)との合成抵抗の抵抗温度係数、および/または第
1および第2の測温抵抗素子との直列回路とこれら測温
抵抗素子に並列接続される抵抗温度係数設定用の抵抗素
子(以下「第2の抵抗素子」)との合成抵抗の抵抗温度
係数を、それぞれ任意に設定することができる。
【0015】かくして、上記各抵抗温度係数の設定によ
り、第1および第2の測温抵抗素子による測温温度の平
均値を周囲温度測温抵抗素子による測温温度よりも所定
温度だけ高く維持するようにヒータ温度を制御するヒー
タ制御手段は、周囲温度が上昇した場合に、周囲温度測
温抵抗素子による測温温度計測に基づき(ヒータ温度−
周囲温度)DTを周囲温度の上昇よりも大きくする制御
をすることができ、温度上昇に伴う流量センサの感度低
下を軽減することができる。
【0016】請求項3に記載の熱式流量計測装置は、周
囲温度測温抵抗素子と第1の抵抗素子との並列接続の合
成抵抗の抵抗温度係数が、直列接続された第1および第
2の測温抵抗素子と第2の抵抗素子との並列接続の合成
抵抗の抵抗温度係数よりも大きいことを特徴とする。し
たがって、上記各抵抗素子の抵抗温度係数を正の値とす
れば、周囲温度が上昇すると、直列接続された第1およ
び第2の測温抵抗素子側の抵抗値増加に対して、周囲温
度測温抵抗素子側の抵抗値増加の方が大きくなる。これ
ら抵抗値増加の相違(周囲温度測温抵抗素子側の抵抗値
増加の方が大きいこと)を電圧として検出することによ
り、ヒータ制御手段は、上記ヒータ素子に印加される電
圧を増加することができ、周囲温度が上昇した場合に、
(ヒータ温度−周囲温度)DTを周囲温度の上昇よりも
大きくすることが可能となり、流量センサの感度低下を
軽減することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態に係る熱式流量計測装置を説明する。図1は本
発明に係る熱式流量計測装置の一実施形態の概略要部構
成図である。この熱式流量計測装置1は、図5に示す構
造を有する流量センサ10と、ヒータ制御手段をなす増
幅器11およびトランジスタ12と、流量計測手段をな
す第1のブリッジ回路を有しており、この第1のブリッ
ジ回路は上流側の温度センサRu(流量センサ10が備
える第1の測温抵抗素子)、下流側の温度センサRd
(流量センサ10が備える第2の測温抵抗素子)、抵抗
Raおよび抵抗Rbからなる。
【0018】上記流量計測手段をなす第1のブリッジ回
路は、温度センサRu、Rdの直列回路と、抵抗Ra、
Rbの直列回路とを並列接続してなり、温度センサRd
と抵抗Rbが接続された該第1のブリッジ回路の一端側
は接地され、該第1のブリッジ回路の他端側は抵抗R1
を介して電源線Vcに接続されている。そして、抵抗R
aと抵抗Rbとの接続点N1および温度センサRuと温
度センサRdとの接続点N2が該第1のブリッジ回路の
出力となっている。接続点N1の電位は抵抗Ra、Rb
の分圧比で決定され、一方接続点N2の電位は各温度セ
ンサRu、Rdの各抵抗値によって決定される。
【0019】たとえば抵抗Ra、Rbの抵抗値を等しく
設定した場合、温度センサRu、Rdの抵抗値が等しい
ときには、該第1のブリッジ回路は平衡して、接続点N
1、N2間の電位差はゼロ(V)となる。他方、温度セ
ンサRu、Rdの抵抗値が等しくないときには、該第1
のブリッジ回路は平衡せず、接続点N1、N2間に電位
差が生じる。こうして接続点N1、N2間の電位差から
温度センサRu、Rdの各測温温度の差を検出でき、接
続点N1、N2は流量センサ出力端子となる。
【0020】熱式流量計測装置1はさらに第2のブリッ
ジ回路によって、前記第1および第2の測温抵抗素子の
測温温度の平均値と前記周囲温度測温抵抗素子の測温温
度との差を測定し、この測定結果に基づきヒータ制御手
段が(ヒータ温度−周囲温度)DTを制御すべくヒータ
素子Rhを駆動するものとなっている。上記第2のブリ
ッジ回路は、第1のブリッジ回路(なお該第1のブリッ
ジ回路には後述する抵抗Rxが並列接続される)と抵抗
R1との直列回路が、周囲温度測温抵抗素子Rr(なお
周囲温度測温抵抗素子Rrには後述する抵抗Ryが並列
接続される)と抵抗R2との直列回路に並列接続されて
なり、周囲温度測温抵抗素子Rrと前記第1のブリッジ
回路の一端側が接続される該第2のブリッジ回路の一端
側は接地され、抵抗R1およびR2が接続される該第2
のブリッジ回路の他端側は電源線Vcに接続されてい
る。
【0021】第1のブリッジ回路と抵抗R1との接続点
N3、および周囲温度測温抵抗素子Rrと抵抗R2との
接続点N4が第2のブリッジ回路の出力であり、接続点
N3は増幅器11の非反転入力端子に接続され、接続点
N4は増幅器11の反転入力端子に接続されている。増
幅器11はエミッタが電源線Vcに接続されたトランジ
スタ12(PNPトランジスタ)を介してヒータ素子R
hを駆動する。該第2のブリッジは接続点N3、N4の
電位が等しいときに平衡する(この平衡状態が維持され
るように増幅器11とトランジスタ12がヒータ素子R
hを駆動する)。
【0022】ここで接続点N3は、温度センサRu、R
dの測温温度の合計値に対応した抵抗値により電位が定
まり、この電位が増幅器11の非反転入力端子に入力さ
れる。この場合、温度センサRu、Rdの測温温度の合
計値は温度センサRu、Rdの測温温度の平均値の2倍
であり、増幅器11の非反転入力端子側の利得と増幅器
11の反転入力端子側の利得との関係を適宜設定するこ
とで、温度センサRu、Rdの測温温度の合計値を温度
センサRu、Rdの測温温度の平均値として扱うことが
できる。
【0023】なおヒータ制御手段はコンデンサCによる
負帰還でその動作の安定化が計られ、増幅器11の出力
端子とトランジスタ12のベース間には、抵抗R3が直
列に介在してトランジスタ12のベース電流を制限して
いる。そして、第2のブリッジ回路においては、(ヒー
タ温度−周囲温度)DTを周囲温度の上昇よりも大きく
増加させるため、周囲温度測温抵抗素子Rrと抵抗Ry
とを並列接続した該並列接続の合成抵抗の抵抗温度係数
(以下「Rr側温度係数」と表示する)は、温度センサ
Ru、Rdの直列回路と抵抗Rxとを並列接続した該並
列接続の合成抵抗の抵抗温度係数(以下「Rud側温度
係数」と表示する)よりも、大きな抵抗温度係数を有し
ている。
【0024】たとえば、20℃における周囲温度測温抵
抗素子Rrの抵抗値と抵抗Ryの抵抗値が等しく、周囲
温度測温抵抗素子Rrの抵抗温度係数がα1であり抵抗
Ryの抵抗温度係数がゼロならば、Rr側温度係数は
(α1)/2になるが如くに、Rr側温度係数とRud
側温度係数とを任意に設定することができる。なお抵抗
Ra、Rbの抵抗値は、いずれも温度センサRu、Rd
の抵抗値よりも充分高い抵抗値であり、Rud側温度係
数に影響を与えないものとする。
【0025】次に流量Qの増加に伴い流量計測特性曲線
の傾斜減少を軽減する作用について説明する。流量Qが
ゼロでたとえば周囲温度が20℃の場合には、図2
(a)に示すように、ヒータ素子Rhが発する熱による
ヒータ周辺温度分布は、ヒータ素子Rhが配置された位
置(図中Hと表示する)を中心に対象に分布し、温度セ
ンサRu、Rdが配置された位置(図中それぞれU、D
と表示する)の温度は等しく、たとえば30℃で同一と
なるとする。そしてこのとき(ヒータ温度−周囲温度)
DTは45℃で上記位置U,Dの温度を30℃に維持し
ており、位置Hの温度は65℃であるとする。
【0026】上記ヒータ周辺温度分布が維持されると
き、周囲温度測温抵抗素子Rrは20℃に対応した抵抗
値であり、温度センサRu、Rdの直列抵抗が、温度セ
ンサRu、Rdの合計温度が60℃(平均値は30℃)
に対応した抵抗値において、第2のブリッジ回路は平衡
し、この平衡状態が維持されるようにヒータ素子Rhは
増幅器11とトランジスタ12で駆動されている。
【0027】上述のように流量Qがゼロの状態では、温
度センサRu、Rdの各抵抗値は等しいので第1のブリ
ッジ回路は平衡し、流量センサ出力端子(接続点N1と
接続点N2間)の電位差がゼロになり、熱式流量計測装
置1は、流量Qがゼロであることを計測することにな
る。次に、周囲温度が上述20℃で一定の場合におい
て、流量がQ1に増加したときのヒータ制御手段の作用
について説明する。
【0028】このとき、仮に(ヒータ温度−周囲温度)
DTが上述の45℃で一定であるとすると、ヒータが発
する熱は通流する流体によってセンサ素子外部に流出す
る。そうすると、図2(b)に示すように位置U、Dの
合計温度が低下する。たとえば位置Uの温度は27℃と
なり位置Dの温度は29℃となって、温度センサRd,
Ruの測温温度の合計値は56℃で平均値は28℃とな
るが如きである。
【0029】上記位置U、Dの合計値の低下(平均値の
低下)は接続点N3の電位を低下させ、増幅器11の出
力電圧が低下してトランジスタ12のコレクタ電流を増
加させヒータ素子Rhの発熱が増加する。そして、図2
(c)に示すように、たとえば位置Uの温度は28℃と
なり位置Dの温度は32℃となって位置U、Dの温度の
合計値が60℃(平均値30℃)に上昇することで接続
点N3に生じる電位と、周囲温度測温抵抗素子Rrの測
温温度20℃に対応して接続点N4に生じる電位とが一
致して、前記第2のブリッジ回路が平衡する。すなわ
ち、流体の流量Qの変化に対して、位置U、Dの温度の
平均値を一定値に維持すべく(ヒータ温度−周囲温度)
DTを制御している。
【0030】かくして、熱式流量計測装置1では、流量
センサ10における位置U、Dの温度の平均値が30℃
に維持される。そうすると、流量Qの増加と共に、ヒー
タ素子Rhの発した熱が流体と共に流量センサ外に流出
するために生じる温度センサRd、Ru間の温度差の増
加率の減少が軽減されるので、図3(a)に示すように
高流量領域において、流量計測特性曲線の傾斜が小さく
なることが軽減され、且つ高流量領域における流量計測
特性を表す曲線の飽和も軽減される。
【0031】次に、周囲温度が上昇した場合における、
流量センサの感度低下を軽減する作用について説明す
る。ここで、第2のブリッジ回路は、前述のようにRr
側温度係数がRud側温度係数よりも、大きく設定され
ている。仮に図1に示す熱式流量計測装置1で、Rr側
温度係数とRud側温度係数とが等しい場合には、周囲
温度上昇に対する第2のブリッジ回路の接続点N3の電
位上昇と、温度センサRu、Rdの測温温度の平均値上
昇による接続点N4の電位上昇とが等しくなるように第
2のブリッジ回路が平衡する。したがって周囲温度の上
昇によって、温度センサRu、Rdの測温温度の平均値
を、周囲温度の上昇に等しくするように、ヒータ制御手
段がヒータ素子Rhを駆動する。すなわち、(ヒータ温
度−周囲温度)DTは周囲温度の上昇に等しくなる。
【0032】しかし、図1に示す熱式流量計測装置1で
は、Rr側温度係数がRud側温度係数よりも大きい。
そうすると、上記の場合に比べて、周囲温度が上昇した
ときに、接続点N4の電位上昇が接続点N3の電位上昇
よりも大きくなる。このとき、第2のブリッジ回路が平
衡するためには、周囲温度上昇よりも温度センサRu、
Rdの測温温度の平均値の上昇が大きくなければなら
ず、ヒータ制御手段が周囲温度の上昇よりもさらに(ヒ
ータ温度−周囲温度)DTを増加させるように作用する
ことになる。こうして(ヒータ温度−周囲温度)DTが
周囲温度の上昇よりも大きくなるので、周囲温度の上昇
に伴う流量センサ10の感度低下が軽減される。
【0033】かくして、示す熱式流量計測装置1は、流
量Qの増加に伴って流量計測特性曲線の傾斜が小さくな
ることが軽減され、高流量領域における流量計測特性を
表す曲線の飽和も軽減され、且つ図3(b)に示すよう
に、周囲温度の上昇に伴う流量センサ10の感度低下が
軽減されるので、周囲温度の変化にかかわることなく、
且つ広い流量範囲で高精度な流量計測を行うことができ
る。
【0034】なお図4は熱式流量計測装置1の流速に対
する感度(流速計測特性)の実測例を示すものであり、
流速が0〜16m/秒の範囲で良好な感度が得られ、且
つ(−20℃〜60℃)の温度範囲で上記流速範囲で感
度誤差が良好に軽減されている。ここで流体の流量は、
流量計測部位における流体通流部の断面積と流速の積で
あるので、流速計測範囲が広いことは流量計測範囲が広
いことと同意義である。
【0035】なお、周囲温度測温抵抗素子側の抵抗温度
係数設定用の抵抗素子と第1および第2の測温抵抗素子
側の抵抗温度係数設定用の抵抗素子は、必ずしも2つと
も使用する必要はなく、何れか一方の使用により、第2
のブリッジ回路出力に基づき、ヒータ制御手段が、周囲
温度の上昇よりもさらに(ヒータ温度−周囲温度)DT
を増加させるように制御できるものであればよい。
【0036】また、第1および第2の測温抵抗素子の直
列回路並びに周囲温度測温抵抗素子と、増幅器の入力端
子(非反転入力端子、反転入力端子)との接続を、上述
した実施形態と逆の関係に接続し、第1および第2の測
温抵抗素子の直列回路側の抵抗温度係数を、周囲温度測
温抵抗素子側の抵抗温度係数よりも大きくしても同様の
作用効果が得られる。
【0037】さらに、ヒータ制御手段をマイクロプロセ
ッサ等で構成することもできる。たとえば、第2のブリ
ッジ回路の出力(接続点N3,N4間のアナログ電圧出
力)をアナログ・ディジタル変換し、上記第2のブリッ
ジ回路の出力をゼロ(V)にするように、マイクロプロ
セッサ等が所定のプログラムに従ってディジタル・アナ
ログ変換器を介しヒータ素子Rhを駆動するが如くであ
る。
【0038】このように、本発明は上述した実施形態に
限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で
変形して実施することができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に記載の熱式流量計測装置によれば、流量センサの上流
側温度センサと下流側温度センサの測温温度の平均値を
維持するように上記各センサの間に配置されたヒータ素
子の発熱を制御するので、流量Qの増加に伴って流量計
測特性曲線の傾斜が小さくなることが軽減され、高流量
領域における流量計測特性を表す曲線の飽和も軽減され
る。
【0040】またヒータ制御手段が、上流側温度センサ
と下流側温度センサの測温温度の平均値と周囲温度測温
抵抗素子の測温温度との温度差に応じてヒータ素子の駆
動を制御するので、(ヒータ温度−周囲温度)DTを周
囲温度の上昇よりも大きくすることができ、周囲温度上
昇による流量センサの感度低下が軽減される。すなわち
周囲温度の変化にかかわることなく、且つ広い流量範囲
で高精度な流量計測が可能となり、また、特定の流量を
境界点として行う複雑或いはコストアップを招来する温
度補償を必要としない。さらに、家庭用ガスメータにお
いては、如何なる流量でも高精度でガスの流量を計測で
き、ガス料金の公平性が容易に維持される、といった効
果が発揮される。
【0041】請求項2に記載の熱式流量計測装置によれ
ば、周囲温度測温抵抗素子と第1の抵抗素子との合成抵
抗の抵抗温度係数、および上流側温度センサと下流側温
度センサとの直列回路と第2の抵抗素子との合成抵抗の
抵抗温度係数を任意に設定することができる。したがっ
て上記各抵抗温度係数の設定により、周囲温度が上昇し
た場合に、ヒータ制御手段は(ヒータ温度−周囲温度)
DTを周囲温度の上昇よりも大きくすることができ、流
量センサの感度低下を軽減する熱式流量計測装置が実現
される。
【0042】請求項3の熱式流量計測装置によれば、周
囲温度測温抵抗素子と前記第1の抵抗素子との合成抵抗
の抵抗温度係数が、上流側温度センサと前記第2の抵抗
素子との合成抵抗の抵抗温度係数よりも大きく設定され
る。したがって、周囲温度が上昇したとき、周囲温度測
温抵抗素子側は、上流側温度センサと下流側温度センサ
との直列抵抗側に対して、抵抗値変化が大きい。したが
って、周囲温度が上昇した場合に、ヒータ制御手段は
(ヒータ温度−周囲温度)DTを周囲温度の上昇よりも
大きくすることができ、流量センサの感度低下を軽減す
る熱式流量計測装置が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る熱式流量計測装置の一実施形態の
概略要部構成図である。
【図2】熱式流量計測装置におけるヒータ周辺温度分布
の例を示すグラフである。
【図3】図1の熱式流量計測装置における流量計測特性
の例を示すグラフである。
【図4】本発明に係る熱式流量計測装置の流速計測特性
の実測例を示すグラフである。
【図5】流量センサの要部概略構成を示す図である。
【図6】(ヒータ温度−周囲温度)DTを一定に制御す
る従来の熱式流量計測装置における流量計測特性の例を
示すグラフである。
【図7】周囲温度が高くなるほど(ヒータ温度−周囲温
度)DTを大きくする従来の熱式流量計測装置における
流量計測特性の例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 熱式流量計測装置 10 流量センサ 11 増幅器(ヒータ制御手段) 12 トランジスタ(ヒータ制御手段) Rh ヒータ素子 Rr 周囲温度測温抵抗素子 Ru 温度センサ(第1の測温抵抗素子) Rd 温度センサ(第2の測温抵抗素子) Rx 抵抗(抵抗温度係数設定用の抵抗素子) Ry 抵抗(抵抗温度係数設定用の抵抗素子)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日比 秀則 東京都渋谷区渋谷2丁目12番19号 株式会 社山武内 (72)発明者 新川 宏一郎 東京都渋谷区渋谷2丁目12番19号 株式会 社山武内 (72)発明者 瀬尾 雅己 東京都渋谷区渋谷2丁目12番19号 株式会 社山武内 Fターム(参考) 2F030 CC13 CD15 CE01 2F035 EA05 EA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒータ素子、このヒータ素子を間にして
    流体の通流方向にそれぞれ設けられた第1および第2の
    測温抵抗素子、およびその周囲温度を検出する周囲温度
    測温抵抗素子を備えた流量センサと、 前記周囲温度測温抵抗素子による測温温度の変化に応じ
    て、前記第1および第2の測温抵抗素子による測温温度
    の平均値を、前記周囲温度測温抵抗素子による測温温度
    上昇よりもさらに高く維持するように、前記ヒータ温度
    を制御するヒータ制御手段と、 前記第1の測温抵抗素子と前記第2の測温抵抗素子との
    測温温度差から前記流量センサを通流する流体の流量を
    計測する流量計測手段とを備えたことを特徴とする熱式
    流量計測装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の熱式流量計測装置にお
    いて、 前記第1および第2の測温抵抗素子との直列回路、並び
    に/または前記周囲温度測温抵抗素子に並列接続された
    抵抗温度係数設定用の抵抗素子を備えたことを特徴とす
    る熱式流量計測装置。
  3. 【請求項3】 前記周囲温度測温抵抗素子とこの前記周
    囲温度測温抵抗素子に並列接続された前記抵抗温度係数
    設定用の抵抗素子との合成抵抗の抵抗温度係数が、前記
    第1および第2の測温抵抗素子の直列回路とこの直列回
    路に並列接続された前記抵抗温度係数設定用の抵抗素子
    との合成抵抗の抵抗温度係数よりも大きいことを特徴と
    する請求項2に記載の熱式流量計測装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006208112A (ja) * 2005-01-26 2006-08-10 Hitachi Ltd 熱式流量計測装置
JP2006226796A (ja) * 2005-02-17 2006-08-31 Yokogawa Electric Corp 熱式流量計
JP2013534991A (ja) * 2010-06-28 2013-09-09 クムヤン インディ.シーオー., エルティーディー. 船舶用内燃機関のピストン冷却オイルの流量感知のための熱量式流量感知システム

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