JP2003313326A - ポリマーフイルムのアルカリ鹸化方法、表面鹸化セルロースエステルフイルム、及びそれを用いた光学フイルム - Google Patents
ポリマーフイルムのアルカリ鹸化方法、表面鹸化セルロースエステルフイルム、及びそれを用いた光学フイルムInfo
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Abstract
処理する。 【解決手段】 アルカリ溶液を、表面温度が室温以上の
ポリマーフイルムに塗布する工程、及び、アルカリ溶液
をポリマーフイルムから洗い落とす工程によりポリマー
フイルムをアルカリ鹸化する。
Description
のアルカリ鹸化方法に関する。特に本発明は、長尺光学
補償シートの透明支持体として有利に用いられるセルロ
ースエステルフイルムのアルカリ鹸化方法に関する。
よび光学補償シート(位相差板)からなる。透過型液晶
表示装置では、2枚の偏光板を液晶セルの両側に取り付
け、1枚または2枚の光学補償シートを液晶セルと偏光
板との間に配置する。反射型液晶表示装置は、反射板、
液晶セル、1枚の光学補償シート、そして1枚の偏光板
からなる。液晶セルは、棒状液晶性分子、それを封入す
るための2枚の基板、および棒状液晶性分子に電圧を加
えるための電極層からなり、液晶セルは、棒状液晶分子
の配向状態の違いで、透過型については、TN(Twiste
d Nematic)、IPS(In-Plane Switching)、FLC
(Ferro-electric Liquid Crystal)、OCB(Optical
ly Compensatory Bend)、STN(Super Twisted Nema
tic)、VA(Vertically Aligned)、反射型について
は、HAN(Hybrid Aligned Nematic)のような様々な
表示モードが提案されている。偏光板は、一般に、偏光
板とその両側に設けられた2枚の透明保護膜とからな
る。偏向膜は、一般に、ポリビニルアルコールにヨウ素
または2色性染料の水溶液を含浸させ、さらにこのフイ
ルムを一軸延伸することより得られる。
視野角を拡大するために、様々な液晶表示装置に用いら
れている。光学補償シートとしては、延伸複屈折フイル
ムが、従来から使用されていた。延伸複屈折フイルムか
らなる光学補償シートに代えて、透明支持体上に液晶性
分子(特にディスコティック液晶性分子)から形成され
た光学異方性層を有する光学補償シートを使用すること
が提案されている。光学異方性層は、液晶性分子を配向
させ、その配向状態を固定化することにより形成する。
一般に、重合性基を有する液晶性分子を用いて、重合反
応により配向状態を固定する。液晶性分子は、大きな複
屈折を有する。さらに、液晶性分子には、多様な配向形
態がある。光学補償シートに液晶性分子を用いること
で、従来の延伸複屈折フイルムでは得ることの出来なか
った光学特性を実現することが可能となった。
の光学的性質、具体的には上記のような液晶セルの表示
モードの違いに応じて設計する。光学補償シートには液
晶性分子、特にディスコティック液晶性分子を用いる
と、液晶セルの種々の表示モードに対応する様々な光学
特性を有する光学補償シートを作りだすことができる。
ディスコティック液晶性分子を用いた光学補償シートに
は、種々の表示モードに対応するものが提案されてい
る。具体的には、TNモードの液晶セル用光学補償シー
ト(例えば、特許文献1〜4参照)、IPSモードまた
はFLCモードの液晶セル用光学補償シート(例えば、
特許文献5参照)、OCBモードまたはHANモードの
液晶セル用光学補償シート(例えば、特許文献6、7参
照)、STNモードの液晶セル用光学補償シート(例え
ば、特許文献8参照)、およびVAモードの液晶セル用
光学補償シート(例えば、特許文献9参照)が提案され
ている。
膜とを積層して楕円偏光板を形成すれば、光学補償シー
トを、偏光板の一方の透明保護膜としても機能させるこ
とができる。その様な楕円偏光板は、透明保護膜、偏光
膜、透明支持体、そして液晶性分子から形成された光学
異方性層が、この順で積層された層構成を有する。液晶
表示装置には薄型で軽量である特性を求められるため、
構成要素の1つを兼用(偏光板の透明保護膜と光学補償
シート)することによって削減できれば、装置をさらに
薄く軽量にすることが可能となる。また、液晶表示装置
の構成要素を1つ削減することによって、構成要素の貼
り付け工程も1つ削減され、装置を組み立てる際に故障
等が生じる可能性も低くなり好ましい。液晶性分子を用
いた光学補償シートの透明支持体と偏光板の一方の保護
膜を共通化した一体型楕円偏光板は、既に具体的に提案
されている(例えば、特許文献10〜12参照)。
明細書
ット
または一体型楕円偏光板を液晶表示装置に用いた場合、
表示画面上に微細な表示ムラが発生することがあり、こ
の原因の一つが、光学補償シートに使われる透明支持体
の厚みムラにあることが判明した。
固定化した光学異方性層を設けた光学補償シートを製造
する場合、透明支持体(通常は、セルロースアセテート
フイルムに代表されるセルロースエステルフイルム)と
配向膜(通常はポリビニルアルコール)との間の良好な
密着が必要となる。セルロースエステルフイルムとポリ
ビニルアルコールとの親和性は弱く、この界面での剥が
れや割れが発生してしまうため、セルロースエステルフ
イルム上にゼラチンの下引き層を設けていた。しかしな
がら、ゼラチン下引き層を塗設する際の塗布液溶媒とし
て、この下引き層とセルロースエステルフイルムの密着
を発現させるためにはセルロースエステルフイルムに浸
透する溶媒(例えば、ケトン系溶剤など)を用いなけれ
ばならないため、セルロースエステルフイルムが膨潤
し、続く乾燥工程で収縮する過程でフイルムの微細な屈
曲が発生する問題があった。この屈曲したフイルム上に
配向膜、次いで液晶性分子層を塗設すると、屈曲形状に
沿って配向膜と液晶性分子層の厚みムラや液晶性分子の
配向ムラが発生し、液晶表示装置の描画品質を劣化させ
ることがわかった。
ースエステルフイルムと親水性材料(例えば配向膜)と
の密着性を改良する一般的な方法として、フイルムをア
ルカリ水溶液中に浸漬する、いわゆる鹸化浴処理を行う
方法が知られている。この様な鹸化処理方法の詳細は、
特開平8−94838号公報に記載されている。しかし
ながら、この浸漬による鹸化浴処理においては、セルロ
ースエステルフイルムの両面が同時に親水化してしまう
ため、片面にポリビニルアルコールなどの親水性層を塗
設した後にロール状に巻き取ると、表裏が接着してしま
う問題が発生する。鹸化浴処理にて、片面のみを親水化
する手段としては、目的としない面をラミネートなどの
防水加工を施して鹸化処理する方法が挙げられるが、煩
雑な工程が増えるばかりでなく、不要な廃棄物が発生す
るなど、生産性、環境保全の観点で好ましくなかった。
ルムの片面のみに水または水および有機溶剤のアルカリ
溶液を連続塗布し、反応時間の経過後、アルカリ溶液を
ポリマーフイルムから洗い落とす鹸化方法が提案され
た。しかし、使用する有機溶剤の種類によっては、ポリ
マーフイルムを溶解したり膨潤したりはしないが、可塑
剤など、ポリマーフイルム中の添加物質を抽出すること
はしばしばあり得る。これら添加物質の多くは疎水的で
あり、鹸化反応後に純水を用いて水洗する際、有機溶媒
の水希釈とともに不溶解化して沈殿する。この沈殿物が
ポリマーフイルム表面に付着すると光の散乱が起こり、
ヘイズを発生させる原因となる。ヘイズが高くなること
で光学フイルムとしての品質は劣化する。
示欠陥のない大きい面積の光学補償シートを容易に製造
するために、セルロースエステルフイルムを適切にアル
カリ鹸化処理することである。また、本発明の目的は、
光学補償シートの透明支持体を、透明性や平面性を損な
わない手段で、アルカリ鹸化処理することでもある。さ
らに、本発明の目的は、光学補償シートの透明支持体と
配向膜との密着性を高い精度で制御できるように、透明
支持体として用いるポリマーフイルムをアルカリ鹸化処
理することでもある。
媒を含むことによって、純粋な水溶媒よりも鹸化反応活
性を高めることが可能となるが、有機溶媒の種類によっ
てはポリマーフイルムの光学特性を劣化してしまう欠点
も発生する。発明者らはこの問題を解決するべく鋭意検
討した結果、鹸化処理するポリマーフィルムの塗布表面
の温度を予め所定の温度に制御し、アルカリ液を塗布し
た後も所定の温度で所定時間保持した後に鹸化処理液を
除去すること、及び用いるアルカリ溶液中に界面活性剤
を添加することによって、光学特性を損なうことなく迅
速にポリマーフィルム表面を鹸化処理する方法を見出し
た。界面活性剤は、ポリマーフイルム含有物質のフィル
ムからの溶出を著しく抑制若しくは解消すること、ま
た、例え有機溶媒がフイルム含有物質を溶出したとして
もアルカリ溶液中に安定に存在させ、後の水洗工程にお
いても抽出物質が析出、固体化しないこと等の効果を働
くものと考えられる。
め、混合溶媒の場合、本発明の処理工程では鹸化液塗布
後に有機溶媒が先行して蒸発する。このため、反応区間
の後半でアルカリ溶液中のアルカリ剤の濃度が増加し、
フィルム表面の鹸化反応が迅速に進行し鹸化処理後のフ
ィルム表面は均一に親水化される。これは、水が占める
割合の増加すること及び界面活性剤の存在により鹸化反
応で副生するカルボン酸塩のフィルム表面上での析出が
抑えられることによると推定される。また、フイルムよ
り抽出された疎水性物質の濃度が高くなり、時として飽
和溶解度に達すると水洗に至る前にも析出が発生する。
こうした場合でも、界面活性剤は、反応後半で水リッチ
になったアルカリ溶液中の疎水性物質を安定に分散しつ
つ、水洗水でさらに希釈されて、ほとんど水溶媒化した
後にもポリマーフイルム表面に堆積することなく、水洗
水とともに剥離して洗い流されることを可能にする等の
作用をするものと推定される。
リ鹸化方法を提供する。また、下記(21)の表面鹸化
セルロースエステルフイルム、及び下記(22)の光学
フイルムを提供する。 (1)アルカリ溶液を、温度が室温以上のポリマーフイ
ルムに塗布する工程、及び、アルカリ溶液をポリマーフ
イルムから洗い落とす工程からなるポリマーフイルムの
アルカリ鹸化方法。 (2)アルカリ溶液を、温度が室温以上のポリマーフイ
ルムに塗布する工程、ポリマーフイルムの温度を室温以
上に維持する工程、及び、アルカリ溶液をポリマーフイ
ルムから洗い落とす工程からなるポリマーフイルムのア
ルカリ鹸化方法。 (3)ポリマーフイルムを予め室温以上に加熱する工
程、ポリマーフイルムにアルカリ溶液を塗布する工程、
ポリマーフイルムの温度を室温以上に維持する工程、そ
して、アルカリ溶液をポリマーフイルムから洗い落とす
工程からなるポリマーフイルムのアルカリ鹸化方法。 (4)ポリマーフイルムを搬送しながら各工程を実施す
ることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の
アルカリ鹸化方法。 (5)ポリマーフイルムを連続的に搬送する(4)に記
載のアルカリ鹸化方法。
0.1〜5であり、塗布量が1〜50cc/m2 である
ことを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載のア
ルカリ鹸化方法。 (7)アルカリ溶液のアルカリ剤がアルカリ金属の水酸
化物であり、アルカリ溶液の溶媒が、炭素原子数8以下
のアルコール、炭素原子数が6以下のケトン、炭素原子
数が6以下のエステル、炭素原子数が6以下の多価アル
コールから選ばれる1種または2種以上の有機溶媒およ
び水からなることを特徴とする(1)〜(6)のいずれ
かに記載のアルカリ鹸化方法。
性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性
界面活性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を
含有することを特徴とする(1)〜(7)のいずれかに
記載のアルカリ鹸化方法。 (9)界面活性剤の濃度が0.1〜10質量%であるこ
とを特徴とする(8)に記載のアルカリ鹸化方法。 (10)該界面活性剤が下記一般式(1)で表されるノ
ニオン界面活性剤であることを特徴とする(8)または
(9)に記載のアルカリ鹸化方法。 一般式(1) R1−L1−Q1 [式中、R1は炭素数8以上のアルキル基を表し、L1
はR1とQ1を連結する基を表し、直接結合または2価
の連結基を表し、Q1はノニオン親水性基、またはアニ
オン親水性基を表す]。 (11)該界面活性剤が下記一般式(2)で表されるノ
ニオン界面活性剤であることを特徴とする(8)〜(1
0)のいずれかに記載のアルカリ鹸化方法: 一般式(2) R2−L2−Q2 [式中、R2及びL2は、一般式(1)中のR1、L1
と同一内容を表す。Q2は、ポリオキシエチレンユニッ
ト(重合度5〜150)、ポリグリセリンユニット(重
合度3〜30)、親水性糖鎖ユニットから選ばれるノニ
オン親水性基を表す]。 (12)該界面活性剤が下記一般式(3)で表されるア
ニオン界面活性剤であることを特徴とする(8)〜(1
0)のいずれかに記載のアルカリ鹸化方法: 一般式(3) R3−L3−Q3 [式中、R3は一般式(1)中のR1と同一内容を表
す。L3は下記群から選ばれるユニットを組み合わせて
得られる極性部分構造を有する2価の連結基を表す。ユ
ニット:−O−、−CO−、−NR5−(R5は炭素数
1〜5のアルキル基)、−OH、−CH=CH−、−S
O2 −を表す。Q3はアニオン性基を表す。 (13)ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、
またはソルビトールを親水基に有し、疎水基のアルキル
鎖長の炭素数が8以上の非イオン性界面活性剤であるこ
とを特徴とする(8)または(9)に記載のアルカリ鹸
化方法。 (14)スルフォン酸塩または硫酸塩を親水基に有し、
親水基と疎水基の連結部分に水酸基、エステル基、アミ
ド基を少なくとも一つ有し、疎水基のアルキル鎖長の炭
素数が8以上のアニオン性界面活性剤であることを特徴
とする(8)または(9)に記載のアルカリ鹸化方法。
45mN/m以下であり、かつ粘度が0.8〜20mP
a・sであることを特徴とする(1)〜(14)のいず
れかに記載のアルカリ鹸化方法。 (16)該アルカリ鹸化溶液の密度が0.65g/cm
3 〜1.05g/cm 3 であることを特徴とする(1)
〜(15)のいずれかに記載のアルカリ鹸化方法。 (17)該アルカリ鹸化溶液の電気伝導度が1mS/c
m〜100mS/cmであることを特徴とする(1)〜
(16)のいずれかに記載のアルカリ鹸化方法。 (18)該アルカリ鹸化溶液の測定波長400nmでの
吸光度が0〜2.0%であることを特徴とする(1)〜
(17)のいずれかに記載のアルカリ鹸化方法。(1
9)ポリマーフイルムが、セルロースエステルフイルム
であることを特徴とする(1)〜(18)のいずれかに
記載のアルカリ鹸化方法。
法により作製されて得られることを特徴とする表面鹸化
セルロースエステルフイルム。
ースエステルフイルムを用いたことを特徴とする光学フ
イルム。
アルカリ鹸化したポリマーフイルムは、その上に配向膜
を形成し、次いで配向膜の上に液晶性分子を塗布し、液
晶性分子の配向を固定化して光学異方性層を形成するこ
とにより光学補償シートを製造できる。また、偏光膜お
よびその両面に配置された2枚の透明保護膜からなる偏
光板であって、透明保護膜の一方が、ポリマーフイルム
上に、配向膜、および液晶性分子の配向を固定した光学
異方性層がこの順に設けられている光学補償シートから
なる場合、光学フイルムとして、その配向膜を形成する
側の表面を上記(1)〜(19)のいずれかの方法でア
ルカリ鹸化したポリマーフイルムを有利に用いることが
できる。
イルムは、光透過率が80%以上であるポリマーフイル
ムを用いる事が好ましい。ポリマーフイルムとしては、
外力により複屈折が発現しにくいものが好ましい。ポリ
マーフイルムは、エステル結合あるいはアミド結合のよ
うな加水分解できる結合(鹸化処理の対象となる結合)
を含む。エステル結合が好ましく、エステル結合がポリ
マーの側鎖に存在していることがさらに好ましい。エス
テル結合が側鎖に存在しているポリマーとしては、セル
ロースエステルが代表的である。セルロースの低級脂肪
酸エステルがより好ましく、セルロースアセテートがさ
らに好ましく、酢化度が59.0〜61.5%であるセ
ルロースアセテートが最も好ましい。酢化度とは、セル
ロース単位質量当たりの結合酢酸量を意味する。酢化度
は、ASTM:D−817−91(セルロースアセテー
ト等の試験法)におけるアセチル化度の測定および計算
に従う。
P)は、250以上であることが好ましく、290以上
であることがさらに好ましい。また、本発明に使用する
セルロースエステルは、ゲルパーミエーションクロマト
グラフィーによるMw/Mn(Mwは質量平均分子量、
Mnは数平均分子量)の分子量分布が狭いことが好まし
い。具体的なMw/Mnの値としては、1.0〜1.7
であることが好ましい。
る場合、ポリマーフイルムは、高いレターデーション値
を有することが好ましい。フイルムのReレターデーシ
ョン値およびRthレターデーション値は、それぞれ、下
記式(I)および(II)で定義される。 (I) Re=|nx−ny|×d (II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d 式(I)および(II)において、nxは、フイルム面内
の遅相軸方向(屈折率が最大となる方向)の屈折率、n
yは、フイルム面内の進相軸方向(屈折率が最小となる
方向)の屈折率、nzは、フイルムの厚み方向の屈折
率、dは、単位をnmとするフイルムの厚みである。ポ
リマーフイルムのReレターデーション値は1〜200
nmであり、そして、Rthレターデーション値は70〜
400nmであることが好ましい。具体的な値は、測定
光の入射方向をフイルム膜面の鉛直方向に対して傾斜さ
せた測定結果より外挿して求める。測定は、エリプソメ
ーター(例えば、M−150、日本分光(株)製)を用
いて実施できる。測定波長としては、632.8nm
(He−Neレーザー)を採用する。
整するためには延伸のような外力を与える方法が一般的
であるが、また光学異方性を調節するためのレターデー
ション上昇剤が、場合により添加される。セルロースア
シレートフイルムのレターデーションを調整するには、
芳香族環を少なくとも二つ有する芳香族化合物をレター
デーション上昇剤として使用することが好ましい。芳香
族化合物は、セルロースアシレート100質量部に対し
て、0.01〜20質量部の範囲で使用することが好ま
しい。また、二種類以上の芳香族化合物を併用してもよ
い。芳香族化合物の芳香族環には、芳香族炭化水素環に
加えて、芳香族性ヘテロ環を含む。例えば、欧州特許0
911656A2号明細書、特開2000−11191
4号、同2000−275434号公報等記載の化合物
が挙げられる。レターデーション上昇剤の分子量は、3
00〜800であることが好ましい。
ルムを製造することが好ましい。ソルベントキャスト法
では、ポリマー材料を有機溶媒に溶解した溶液(ドー
プ)を用いてフイルムを製造する。有機溶媒は、炭素原
子数が3〜12のエーテル、炭素原子数が3〜12のケ
トン、炭素原子数が3〜12のエステルおよび炭素原子
数が1〜6のハロゲン化炭化水素から選ばれる溶媒を含
むことが好ましい。エーテル、ケトンおよびエステル
は、環状構造を有していてもよい。エーテル、ケトンお
よびエステルの官能基(すなわち、−O−、−CO−お
よび−COO−)のいずれかを2つ以上有する化合物
も、有機溶媒として用いることができる。有機溶媒は、
アルコール性水酸基のような他の官能基を有していても
よい。2種類以上の官能基を有する有機溶媒の場合、そ
の炭素原子数は、いずれかの官能基を有する化合物の規
定範囲内であればよい。
は、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシメタン、ジメ
トキシエタン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソ
ラン、テトラヒドロフラン、アニソールおよびフェネト
ールが含まれる。炭素原子数が3〜12のケトン類の例
には、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケト
ン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノンおよびメチ
ルシクロヘキサノンが含まれる。炭素原子数が3〜12
のエステル類の例には、エチルホルメート、プロピルホ
ルメート、ペンチルホルメート、メチルアセテート、エ
チルアセテートおよびペンチルアセテートが含まれる。
2種類以上の官能基を有する有機溶媒の例には、2−エ
トキシエチルアセテート、2−メトキシエタノールおよ
び2−ブトキシエタノールが含まれる。ハロゲン化炭化
水素の炭素原子数は、1または2であることが好まし
く、1であることが最も好ましい。ハロゲン化炭化水素
のハロゲンは、塩素であることが好ましい。ハロゲン化
炭化水素の水素原子が、ハロゲンに置換されている割合
は、25〜75モル%であることが好ましく、30〜7
0モル%であることがより好ましく、35〜65モル%
であることがさらに好ましく、40〜60モル%である
ことが最も好ましい。メチレンクロリドが、代表的なハ
ロゲン化炭化水素である。さらに2種類以上の有機溶媒
を混合して用いてもよい。
る。一般的な方法とは、0℃以上の温度(常温または高
温)で、処理することを意味する。溶液の調製は、通常
のソルベントキャスト法におけるドープの調製方法およ
び装置を用いて実施することができる。なお、一般的な
方法の場合は、有機溶媒としてハロゲン化炭化水素(特
にメチレンクロリド)を用いることが好ましい。ポリマ
ーの量は、得られる溶液中に10〜40質量%含まれる
ように調整する。ポリマーの量は、10〜30質量%で
あることがさらに好ましい。有機溶媒(主溶媒)中に
は、後述する任意の添加剤を添加しておいてもよい。溶
液は、常温(0〜40℃)でポリマーと有機溶媒とを攪
拌することにより調製することができる。高濃度の溶液
は、加圧および加熱条件下で攪拌してもよい。具体的に
は、ポリマーと有機溶媒とを加圧容器に入れて密閉し、
加圧下で溶媒の常温における沸点以上、かつ溶媒が沸騰
しない範囲の温度に加熱しながら攪拌する。加熱温度
は、通常は40℃以上であり、好ましくは60〜200
℃であり、さらに好ましくは80〜110℃である。
もよい。また、順次容器に投入してもよい。容器は攪拌
できるように構成されている必要がある。窒素ガス等の
不活性気体を注入して容器を加圧することができる。ま
た、加熱による溶媒の蒸気圧の上昇を利用してもよい。
あるいは、容器を密閉後、各成分を圧力下で添加しても
よい。加熱する場合、容器の外部より加熱することが好
ましい。例えば、ジャケット構造の加熱装置を用いるこ
とができる。また、容器の外部にプレートヒーターを設
け、配管して液体を循環させることにより容器全体を加
熱することもできる。容器内部に攪拌翼を設けて、これ
を用いて攪拌することが好ましい。攪拌翼は、容器の壁
付近に達する長さのものが好ましい。攪拌翼の末端に
は、容器の壁の液膜を更新するため、掻取翼を設けるこ
とが好ましい。容器には、圧力計、温度計等の計器類を
設置してもよい。容器内で各成分を溶剤中に溶解する。
調製したドープは冷却後、容器から取り出すか、あるい
は、取り出した後、熱交換器等を用いて冷却する。
できる。冷却溶解法では、通常の溶解方法では溶解させ
ることが困難な有機溶媒中にもポリマーを溶解させるこ
とができる。なお、通常の溶解方法でポリマーを溶解で
きる溶媒であっても、冷却溶解法によると迅速に均一な
溶液が得られる効果がある。冷却溶解法では最初に、室
温で有機溶媒中にポリマーを撹拌しながら徐々に添加す
る。ポリマーの量は、この混合物中に10〜40質量%
含まれるように調整することが好ましい。ポリマーの量
は、10〜30質量%であることがさらに好ましい。さ
らに、混合物中には後述する任意の添加剤を添加してお
いてもよい。
しくは−80〜−10℃、さらに好ましくは−50〜−
20℃、最も好ましくは−50〜−30℃に冷却する。
冷却は、例えば、ドライアイス・メタノール浴(−75
℃)や冷却したジエチレングリコール溶液(−30〜−
20℃)中で実施できる。このように冷却すると、ポリ
マーと有機溶媒の混合物は固化する。冷却速度は、4℃
/分以上であることが好ましく、8℃/分以上であるこ
とがさらに好ましく、12℃/分以上であることが最も
好ましい。なお、冷却速度とは、冷却を開始する時の温
度と最終的な冷却温度との差を冷却を開始してから最終
的な冷却温度に達するまでの時間で割った値である。
0〜150℃、さらに好ましくは0〜120℃、最も好
ましくは0〜50℃に加温すると、有機溶媒中にポリマ
ーが溶解する。昇温は、室温中に放置するだけでもよい
し、温浴中で加温してもよい。加温速度は、4℃/分以
上であることが好ましく、8℃/分以上であることがさ
らに好ましく、12℃/分以上であることが最も好まし
い。なお、加温速度とは、加温を開始する時の温度と最
終的な加温温度との差を加温を開始してから最終的な加
温温度に達するまでの時間で割った値である。以上のよ
うにして、均一な溶液が得られる。なお、溶解が不充分
である場合は冷却、加温の操作を繰り返してもよい。溶
解が充分であるかどうかは、目視により溶液の外観を観
察するだけで判断することができる。
る水分混入を避けるため、密閉容器を用いることが望ま
しい。また、冷却加温操作において、冷却時に加圧し、
加温時に減圧すると、溶解時間を短縮することができ
る。加圧および減圧を実施するためには、耐圧性容器を
用いることが望ましい。なお、セルロースアセテート
(酢化度:60.9%、粘度平均重合度:299)を冷
却溶解法によりメチルアセテート中に溶解した20質量
%の溶液は、示差走査熱量測定(DSC)によると、3
3℃近傍にゾル状態とゲル状態との疑似相転移点が存在
し、この温度以下では均一なゲル状態となる。従って、
この溶液は疑似相転移温度以上、好ましくはゲル相転移
温度プラス10℃程度の温度で保温する必要がある。た
だし、この疑似相転移温度は、セルロースアセテートの
酢化度、粘度平均重合度、溶液濃度や使用する有機溶媒
により異なる。
ルベントキャスト法によりポリマーフイルムを製膜す
る。ドープは、ドラムまたはバンド上に流延し、溶媒を
蒸発させてフイルムを形成する。流延前のドープは、固
形分量が18〜35%となるように濃度を調整すること
が好ましい。ドラムまたはバンドの表面は、鏡面状態に
加工しておくことが好ましい。ソルベントキャスト法に
おける流延および乾燥方法については、米国特許233
6310号、同2367603号、同2492078
号、同2492977号、同2492978号、同26
07704号、同2739069号、同2739070
号、英国特許640731号、同736892号の各明
細書、特公昭45−4554号、同49−5614号、
特開昭60−176834号、同60−203430
号、同62−115035号の各公報に記載がある。ド
ープは、表面温度が10℃以下のドラムまたはバンド上
に流延することが好ましい。流延してから2秒以上風に
当てて乾燥することが好ましい。得られたフイルムをド
ラムまたはバンドから剥ぎ取り、さらに100から16
0℃まで逐次温度を変えた高温風で乾燥して残留溶剤を
蒸発させることもできる。以上の方法は、特公平5−1
7844号公報に記載がある。この方法によると、流延
から剥ぎ取りまでの時間を短縮することが可能である。
この方法を実施するためには、流延時のドラムまたはバ
ンドの表面温度においてドープがゲル化することが必要
である。
するため、または乾燥速度を向上するために、可塑剤を
添加することができる。可塑剤としては、リン酸エステ
ルまたはカルボン酸エステルが用いられる。具体的に
は、発明協会公開技報(公技番号 2001−174
5、2001年3月15日発行、発明協会)の16頁に
詳細の化合物等が挙げられる。可塑剤の添加量は、セル
ロースエステルの量の0.1〜25質量%であることが
好ましく、1〜20質量%であることがさらに好まし
く、3〜15質量%であることが最も好ましい。
用途に応じた種々の添加剤(例えば、紫外線防止剤、微
粒子、剥離剤、帯電防止剤、劣化防止剤(例、酸化防止
剤、過酸化物分解剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化
剤、酸捕獲剤、アミン)、赤外吸収剤を等)を加えるこ
とができ、それらは固体でもよく油状物でもよい。ま
た、フィルムが多層から形成される場合、各層の添加物
の種類や添加量が異なってもよい。これらの詳細は、上
記の公技番号 2001−1745号技法の17頁〜2
2頁に詳細に記載されている素材が好ましく用いられ
る。これらの添加剤の使用量は、各素材の添加量は機能
が発現する限りにおいて特に限定されないが、ポリマー
フィルム全組成物中、0.001〜20質量%の範囲で
適宜用いられることが好ましい。
りレターデーションを調整することができる。延伸倍率
は、3〜100%であることが好ましい。ポリマーフイ
ルムの厚さは、30〜200μmであることが好まし
く、40〜120μmであることがさらに好ましい。
イルムは、予め室温以上に加熱する工程、ポリマーフイ
ルムにアルカリ溶液を塗布する工程、ポリマーフイルム
の温度を室温以上に維持する工程、そして、アルカリ溶
液をポリマーから洗い落とす工程によりアルカリ鹸化処
理を実施する。ポリマーフイルムを搬送しながら、これ
らの工程及びその前後の工程を実施することが好まし
い。
れるアルカリ溶液について説明する。本発明のアルカリ
溶液は、水または有機溶剤と水との混合液にアルカリを
溶解して調製できる。好ましい有機溶媒は、炭素原子数
8以下のアルコール、炭素原子数が6以下のケトン、炭
素原子数が6以下のエステル、炭素原子数が6以下の多
価アルコールから選ばれる1種または2種以上の有機溶
媒である。
剤ポケットブック(オーム社、1994年刊)に記載が
あり、有機溶剤の具体例としては、一価アルコール
(例、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、2
−ブタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコー
ル、フッ素化アルコールなど)、ケトン(例、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンな
ど)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブ
チルなど)、多価アルコール(例、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセリンなど)、アミド(例、N,N−ジメチルホルム
アミド、ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、
ジメチルスルホキシド)およびエーテル(例、メチルセ
ルソルブ、エチレングリコールジエチルエーテル)が挙
げられる。特に好ましいものは、メタノール、エタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、イソブタノール、2−ブタノール、アセトン、メ
チルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、エチレングリコール、ジエチレングリ
コール、プロピレングリコール、グリセリンである。
り膨潤したりしないことが必要である。また、アルカリ
鹸化溶液の塗布が容易になるように、アルカリ溶液の液
物性の項で記載されるように、表面張力が適度に低い有
機溶剤を選択することも望ましい。また、有機溶媒の溶
媒中の使用割合は、溶媒の種類、水との混和性(溶解
性)、反応温度および反応時間に応じて決定する。短い
時間で鹸化反応を完了するためには、高い濃度に溶液を
調製することが好ましい。ただし、溶媒濃度が高すぎる
とポリマーフィルム中の成分(可塑剤など)が抽出され
たり、フィルムの過度の膨潤が起こる場合があり、適切
に選択する。水と有機溶媒の混合比は、3/97〜85
/15質量比が好ましい。より好ましくは5/95〜6
0/40質量比であり、さらに好ましくは15/85〜
40/60質量比である。この範囲において、フィルム
の光学特性を損なうことなく容易にフィルム全面が均一
に鹸化処理される。
は、無機塩基および有機塩基のいずれも使用できる。低
い濃度で鹸化反応をおこすためには強塩基が好ましい。
アルカリ金属の水酸化物(例、NaOH、KOH、Li
OH)、アミン(例、パーフルオロトリブチルアミン、
トリエチルアミン、ジアザビシクロノネン、ジアザビシ
クロウンデセン等)、テトラアルキルアンモニウムヒド
ロキシト゛(アルキル基として、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基等)、および錯塩の遊離塩基(例、
[Pt(NH3 )6](OH)4 )が好ましく、アルカ
リ金属の水酸化物がさらに好ましく、NaOHおよびK
OHが最も好ましい。
の種類、反応温度および反応時間に応じて決定する。短
い時間で鹸化反応を完了するためには、高い濃度に溶液
を調製することが好ましい。ただし、アルカリ濃度が高
すぎるとアルカリ溶液の安定性が損なわれ、長時間塗布
において析出する場合もある。アルカリ溶液の濃度は
0.1〜5規定(N)であることが好ましく、0.5〜5
Nであることがさらに好ましく、0.5〜3Nであるこ
とが最も好ましい。
2 を吸収して溶液中で炭酸となりpHを下げるととも
に、炭酸塩の沈殿物を発生させやすくなるため、環境雰
囲気のCO2 濃度は5000ppm以下が好ましい。環
境雰囲気のCO2 の吸収を抑制するために、アルカリ溶
液の塗布コーターを半密閉構造としたり、乾燥空気、不
活性ガスやアルカリ溶液の有機溶剤飽和蒸気で覆うよう
にすることがより好ましい。
界面活性剤を含有することもできる。界面活性剤を添加
することによって、たとえ有機溶媒がフイルム含有物質
を抽出したとしてもアルカリ溶液中に安定に存在させ、
後の水洗工程においても抽出物質が析出、固体化しな
い。界面活性剤の濃度は、ポリマーフイルムからアルカ
リ溶液中に抽出された疎水性添加物を安定に分散できる
濃度を設定する。アルカリ溶液に使用する有機溶剤がポ
リマーフイルムを溶解したり膨潤したりしないとする
と、フイルムより抽出される添加物はフイルム表面近傍
からのみである。疎水性添加物の抽出量は、本発明で塗
布する1〜50cc/m2 のアルカリ溶液塗布量中に、
最大でも1質量%と見積もれる。界面活性剤の濃度は、
この抽出量の10倍である10質量%添加すれば、十分
な分散特性が得られることが分かった。一方、界面活性
剤の種類によっては、水洗工程で十分洗い落とされずに
残留すると、後にポリマーフイルム上に配向膜を塗布す
る際に、フイルムと配向膜との結合(密着)に支障をき
たす場合がある。また、液晶性分子を塗布する際にも液
晶性分子の配向を妨げることがあるため、必要以上に添
加することは好ましくない。界面活性剤の添加濃度は、
0.1〜10質量%が好ましく、0.5〜5質量%がさ
らに好ましい。本発明のアルカリ鹸化方法に好ましく用
いられる界面活性剤については、本発明のアルカリ鹸化
液に溶解または分散可能なものであれば特に制限はな
い。ノニオン界面活性剤、イオン性界面活性剤(アニオ
ン、カチオン、両性界面活性剤)等のいずれをも好適に
用いることができる。界面活性剤の中でも、ノニオン界
面活性剤とアニオン界面活性剤が溶解性と鹸化性能の観
点から好ましく用いられる。
加しても異なる陰イオン性界面活性剤やノニオン性界面
活性剤を1種類以上、または陰イオン性とノニオン性を
組み合わせて添加してもよい。
いて順次説明する。 (ノニオン性界面活性剤)ノニオン性界面活性剤の例と
しては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキ
シエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、
グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部
分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステ
ル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、し
ょ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビ
タン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビ
トール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル
類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチ
レングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノ
ールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキル
アミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエ
タノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオ
キシド等が挙げられる。
記一般式(1)で表される化合物を挙げることができ
る。 一般式(1) R1−L1−Q1 式中、R1は炭素数8以上の直鎖または分岐のアルキル
基(置換基を有していても良い)を表し、単素数8〜2
2のアルキル基が好ましく、特に好ましいのは炭素数1
0〜18のアルキル基である。該アルキル基は、適当な
置換基を有していても良い。該置換基としては、ハロゲ
ン原子、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシル基、ア
リールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ア
シル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アミノ基、
アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、オキシカル
ボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルファモ
イル基、スルホンアミド基、スルホリル基、カルボキシ
ル基などが挙げられる。L1はRIとQ1を連結する基
を表し、直接結合または2価の連結基を表し、好ましく
は、単結合、−O−、−CO−、−NR11−、−S
−、−SO2 −、−PO(OR12)−、アルキレン
基、アリーレン基またはこれらを組み合わせて形成され
る2価の連結基である。ここでR11は、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。R
12はアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を
表す。L1としては、直接結合、−O−、−CO−、−
NR11−、−S−、−SO 2 −、アルキレン基、アリ
ーレン基を含むことが好ましく、−CO−、−O−、−
NR11−、アルキレン基、またはアリーレン基を含ん
でいることが特に好ましい。L1が、アルキレン基を含
む場合、アルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜1
0、より好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜6であ
る。特に好ましいアルキレン基の具体例として、メチレ
ン、エチレン、トリメチレン、テトラブチレン、ヘキサ
メチレン基等が挙げられる。L1が、アリーレン基を含
む場合、アリーレン基の炭素数は、好ましくは6〜2
4、より好ましくは6〜18、特に好ましくは6〜12
である。特に好ましいアリーレン基の具体例として、フ
ェニレン、ナフタレン基等が挙げられる。L1が、アル
キレン基とアリーレン基を組み合わせて得られる2価の
連結基(即ちアラルキレン基)を含む場合、アラルキレ
ン基の炭素数は、好ましくは7〜34、より好ましくは
7〜26、特に好ましくは7〜16である。特に好まし
いアラルキレン基の具体例として、フェニレンメチレン
基、フェニレンエチレン基、メチレンフェニレン基等が
挙げられる。L1として挙げられた基は、適当な置換基
を有していても良い。このような置換基としては先にR
11における置換基として挙げた置換基と同様なものを
挙げることができる。Q1はノニオン親水性基を表す。
化合物が挙げられる。 一般式(2) R2−L2−Q2 式中R2、L2は、各々式(1)中のR1、L1と同一
の内容を表す。Q2は、ポリオキシエチレンユニット
(重合度5〜150)、ポリグリセリンユニット(重合
度3〜30)、親水性糖鎖ユニットから選ばれるノニオ
ン親水性基が好ましく用いられる。特に重合度10〜5
0のポリオキシエチレンユニット、重合度5〜15のポ
リグリセリンユニットに加え、グルコース、アラビノー
ス、フルクトース、ソルビトール、マンノース等の親水
性糖鎖ユニットが好ましい。
リオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレ
ンノニルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキ
シエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンベヘ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンセチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロ
ピレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシ
エチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレンステアリ
ン酸アミド、ポリオキシエチレンオレイン酸アミド、ポ
リオキシエチレンひまし油、ポリオキシエチレンエチレ
ンアビエチルエーテル、ポリオキシエチレンノニンエー
テル、ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシ
エチレンモノステアレート、ポリオキシエチレングリセ
リルモノオレート、ポリオキシエチレングリセリルモノ
ステアレート、ポリオキシエチレンプロピレングリコー
ルモノステアレート、オキシエチレンオキシプロピレン
ブロックポリマー、ジスチレン化フェノールポリエチレ
ンオキシド付加物、トリベンジルフェノールポリエチレ
ンオキシド付加物、オクチルフェノールポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレン付加物、グリセロールモノス
テアレート、ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエ
チレンソルビタンモノラウレート等が挙げられる。これ
らのノニオン性界面活性剤の質量平均分子量は、300
〜50000が好ましく、500〜5000が特に好ま
しい。
剤としては、例えば、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、
ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン
酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、αオレ
フィンスルホン酸塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン
酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アル
キルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポ
リオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシ
エチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メ
チル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキ
ルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホ
ン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫
酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸
モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキ
シエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩
類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレン
アルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、ス
チレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、オレ
フィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、ナフ
タレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類等が好適に挙げ
られる。
記一般式(1)においてQ1がアニオン性基を表す化合
物が挙げられる。より好ましくは、下記一般式(3)で
表される化合物を挙げることができる。 一般式(3) R3−L3−Q3 式中、R3は炭素数8以上の直鎖または分岐のアルキル
基(置換基を有していても良い)を表し、単素数8〜2
2のアルキル基が好ましく、特に好ましいのは単素数1
0〜18のアルキル基である。該アルキル基は、適当な
置換基を有していても良い。該置換基としては、ハロゲ
ン原子、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシル基、ア
リールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、ア
シル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アミノ基、
アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、オキシカル
ボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルファモ
イル基、スルホンアミド基、スルホリル基、カルボキシ
ル基などが挙げられる。L3は2価の連結基を表し、好
ましくは、下記群から選ばれるユニットを組み合わせて
得られる極性部分構造を有する2価の連結基である。 ユニット:−O−、−CO−、−NR5−(R5は炭素
数1〜5のアルキル基)、−OH、−CH=CH−、−
SO2 − 具体的には、上記一般式(3)中のL3において、必
ず、上記ユニットの少なくとも1つを含む様に構造を選
択すればよい。特に好ましいのは、極性部分構造として
エステル基(−COO−、−OCO−)、アミド基(−
CONR5−、−NR5CO−)、水酸基(−OH)、
−CH=CH−を有する場合である。Q3はアニオン親
水性基を表し、好ましくは−COOM、−OSO3M、
−P(=O)(OR21)OM、−SO3 Mで表される
基(ここでMはカチオンを、R21はMまたは単素数1
〜3のアルキル基を表す)であり、特に好ましいのは−
SO3 Mである。Mはアニオン性基の対カチオンを表
し、水素イオン、アルカリ金属イオン(リチウム、ナト
リウム、カリウムなど)、アンモニウムイオンが好まし
い。特に好ましいのは、ナトリウムイオン、カリウムイ
オン、アンモニウムイオンである。
剤としては、例えば、アルキルアミン塩類、テトラブチ
ルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩類、
ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレン
ポリアミン誘導体等が挙げられる。
は、例えば、カルボキシベタイン類、アルキルアミノカ
ルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル
類、イミダゾリン類等が挙げられる。
チレン」とあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキ
シプロピレン、ポリオキシブチレン等のポリオキシアル
キレンに読み替えることもでき、それらもまた前記界面
活性剤に包含される。前記界面活性剤は、一種単独で使
用してもよいし、併用により効果を損なわない限りにお
いては、2種以上を併用してもよい。また、これらの界
面活性剤とともに、分子内にパーフルオロアルキル基を
含有するフッ素系界面活性剤を併用しても良い。例え
ば、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロ
アルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エ
ステル等のアニオン型、パーフルオロアルキルベタイン
等の両性型、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニ
ウム塩等のカチオン型、パーフルオロアルキルアミンオ
キサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加
物、パーフルオロアルキル基及び親水性基含有オリゴマ
ー、パーフルオロアルキル基及び親油性基含有オリゴマ
ー、パーフルオロアルキル基、親水性基及び親油性基含
有オリゴマー、パーフルオロアルキル基及び親油性基含
有ウレタン等の非イオン型が挙げられる。
ニオン活性剤またはノニオン活性剤とカチオン活性剤を
共存させて用いることも本発明の効果が高められて好ま
しい。
る添加量は、好ましくは、0.001〜20質量%であ
り、より好ましくは、0.01〜10質量%であり、特
に好ましくは、0.03〜3質量%である。添加量が、
0.001質量%より少ない場合には、界面活性剤の添
加効果が得難く、20質量%よりも多い場合には、鹸化
性が低下する傾向がある。
リ溶液には消泡剤を含有させることが好ましい。この添
加剤は、アルカリ水溶液中に、好ましくは0.001〜
5質量%、特に好ましくは0.005〜3質量%の濃度
で含有させることができる。この範囲において、フィル
ム表面への微小な気泡の付着も無くなり、アルカリ処理
による鹸化がムラ無く均一に進行する。特に、長尺フィ
ルムを連続して迅速に処理するのに有効である。
油脂系、ステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸系、天然
ワックス等の脂肪酸エステル系、ポリオキシアルキレン
モノハイドリックアルコール等のアルコール系、ジ−t
−アミルフェノキシエタノール、ヘプチルセロソルブ、
ノニルセロソルブ、3−ヘプチルカルビトール等のエー
テル系、トリブチルフォスフェート、トリス(ブトキシ
エチル)フォスフェート等の燐酸エステル系、ジアミル
アミン等のアミン系、ポリアルキレンアミド、アシレー
トポリアミド等のアミド系、ステアリン酸アルミニウ
ム、ステアリン酸カルシウム、オレイン酸カリウム、羊
毛オレイン酸のカルシウム塩等の金属石鹸系、ラウリル
硫酸エステルナトリウム等の硫酸エステル系、ジメチル
ポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチ
ル水素ポリシロキサン、フロロポリシロキサン、ジメチ
ルポリシロキサンとポリアルキレンオキサイドとの共重
合体等のシリコーンオイル、及びその溶液型、エマルジ
ョン型、ペースト型シリコーンオイル等のシリコーン系
の消泡剤が挙げられる。
リ溶液への界面活性剤、消泡剤の溶解助剤として、上述
した有機溶剤以外の有機溶媒を添加することができる。
好ましくは水への溶解度を持つ溶媒であれば特に制限は
ない。例えば、N−フェニルエタノールアミンおよびN
−フェニルジエタノールアミン、フッ化アルコール(例
えば、Cn F2n+1(CH2 )k OH(nは3〜8の整
数、kは1または2の整数)、1,2,2,3,3−ヘ
プタフロロプロパノール、ヘキサフロロブタンジオー
ル、パーフロロシクロヘキサノール等)等を挙げること
ができる。これらの有機溶剤の含有量は使用液の総質量
に対して0.1〜5%が好ましい。
リ溶液には、さらに、防黴剤及び/または防菌剤を含有
させることが好ましい。本発明において使用される防黴
剤及び防菌剤は、アルカリ鹸化に悪影響を及ぼさないも
のであれば何でもよい。具体的には、L.E.West,"Water
Quality Criteria"Phot.Sci.and Eng.,Vol9 No.6(19
65)記載の殺菌剤、特開昭57−8542号、同58
−105145号、同59−126533号、同55−
111942号、同57−157244号公報記載の各
種防黴剤、「防菌防黴の化学」堀口博著・三共出版(昭
57)、「防菌防黴技術ハンドブック」日本防菌防黴学
会・技報堂(昭61)に記載されているような化学物な
どを用いることができる。これら防黴剤及び/または防
菌剤の添加量は、アルカリ水溶液中に0.01〜50g
/Lであることが好ましく、より好ましくは0.05〜
20g/Lである。
アルカリ溶液には、他の添加剤を併用しても良い。例え
ば、アルカリ液安定化剤(酸化防止剤等)、水溶性化合
物(ポリアルキレングリコール類、天然水溶性樹脂等)
が挙げられる。なお、本発明においてアルカリ溶液の添
加剤は、これらに限定されるものではない。
ては、日本国水道法(昭和32年法律第177号)及び
それに基づく水質基準に関する省令(昭和53年8月3
1日厚生省令第56号)、同国温泉法(昭和23年7月
10日法律第125号及びその別表)、及び、WHO規
定水道水基準によって規定される水中の混入の状態に於
ける各元素やミネラル等への影響、等に基づくものが好
ましい。
に、上述した水を用いることが好ましく、アルカリ溶液
のカルシウム濃度は、0.001〜400mg/Lであ
るのが好ましく、0.001〜150mg/Lであるの
がさらに好ましく、0.001〜10mg/Lであるの
が特に好ましい。マグネシウム濃度は、0.001〜4
00mg/Lであるのが好ましく、0.001〜150
mg/Lであるのがさらに好ましく、0.001〜10
mg/Lであるのが特に好ましい。カルシウムやマグネ
シウム以外の他の多価の金属イオンも含まれないことが
好ましい。多価金属イオンの濃度は0.002〜100
0mg/Lであることが好ましい。一方、アルカリ溶液
に塩化物イオンや炭酸イオンなどのアニオンも含まない
ことが好ましい。塩化物イオン濃度は0.001〜50
0mg/Lであることが好ましく、0.001〜300
mg/Lであるのがさらに好ましく、0.001〜10
0mg/Lであるのが特に好ましい。また、炭酸イオン
も含まれないことが好ましい。炭酸イオン濃度は0.0
01〜3500mg/Lであることが好ましく、0.0
01〜1000mg/Lであるのがさらに好ましく、
0.001〜200mg/Lであるのが特に好ましい。
これらの濃度範囲において、溶液中の不溶解物の生成が
抑えられる。
るアルカリ溶液は上記で説明の組成物から構成される
が、以下に記載の液体物性の範囲になるように調整され
ることが好ましい。アルカリ溶液は、その表面張力が4
5mN/m以下であリ、且つ粘度が0.8〜20mPa
・sであることが好ましい。より好ましくは、表面張力
が20〜40mN/mであり、且つ粘度が1〜15mP
a・sである。この範囲で、アルカリ溶液の塗布が搬送
速度に応じて安定な塗布操作が容易に行える様になり、
且つフィルム表面への液の濡れ性、フィルム表面に塗布
した溶液の保持性、鹸化処理後のフィルム表面からのア
ルカリ液の除去性が充分に行われる。また、アルカリ溶
液の密度は、0.65〜1.05g/cm3であること
が好ましい。より好ましくは、0.70〜1.00g/
cm3であり、さらには0.75〜0.95g/cm3
であることが特に好ましい。この粘度範囲において、搬
送での風圧による風ムラ、自重により搬送方向に平行な
塗布スジ等を生じることなく鹸化処理が均一に行われ
る。さらには、本発明のアルカリ溶液の電気伝導度は、
1mS/cm〜100mS/cmであることが好まし
く、2mS/cm〜50mS/cmであることがより好
ましく、3mS/cm〜50mS/cmであることが特
に好ましい。この電気伝導度の範囲において、鹸化反応
が均一に進行し、且つ鹸化反応後の鹸化液のフィルム表
面からの除去も容易となる。電気伝導度が1mS/cm
よりも小さいと、鹸化処理後のフィルム表面に残存する
不純物のために輝点故障が多く発生したり、光学補償層
の密着不良が生じやすくなり好ましくない。また、アル
カリ鹸化溶液の液特性として、測定波長400nmにお
ける液の吸光度は2.0未満であることが好ましい。
理は、少なくとも、予め室温以上に加熱する工程、ポリ
マーフイルムにアルカリ溶液を塗布する工程、ポリマー
フイルムの温度を室温以上に維持する工程、そして、ア
ルカリ溶液をポリマーから洗い落とす工程によりアルカ
リ鹸化処理を実施することから成る。また、ポリマーフ
イルムを予め室温以上に加熱する工程、あるいは、ポリ
マーフイルムにアルカリ溶液を塗布する工程の前に、粉
塵を除去するため、並びに膜表面の濡れ性をより均一に
するために除電処理、除塵処理あるいは、ウエット処理
を実施することもできるこれらの方法は一般に知られて
いる方法を用いることができ、除電方法としては、特開
昭62−131500号公報に記載の方法、や除塵方法
としては特開平2−43157号公報に記載の方法を挙
げることができる。ポリマーフイルムを予め室温以上に
加熱する工程では、温・熱風の衝突、加熱ロールによる
接触伝熱、マイクロ波による誘導加熱、あるいは赤外線
ヒーターによる輻射熱加熱等が好ましく利用できる。特
に加熱ロールによる接触伝熱は、熱伝達効率が高く小さ
な設置面積で行える点、搬送開始時のフイルム温度の立
上りが速い点で好ましい。一般の2重ジャケットロール
や電磁誘導ロール(トクデン社製)が利用できる。加熱
後のフイルム表面温度は、15〜150℃であることが
好ましく、25〜100℃がさらに好ましく、30〜8
0℃が最も好ましい。
る工程では、ダイコーター(エクストルージョンコータ
ー、スライドコーター)、ロールコーター(順転ロール
コーター、逆転ロールコーター、グラビアコーター)、
ロッドコーター(細い金属線を巻いたロッド)が好まし
く利用できる。塗布方式に関しては、各種文献(例え
ば、Modern Coating and Drying Technology,Edward C
ohen and Edgar B. Gutoff, Edits., VCH Publishers,
Inc, 1992) に記載されている。アルカリ溶液の塗布量
は、その後、水洗除去するため廃液処理を考慮して、極
力抑制することが望ましく、1〜100cc/m2 が好
ましく、1〜50cc/m2 がより好ましい。少ない塗
布量域でも安定に操作できるロッドコーター、グラビア
コーター、ブレードコーター、ダイコーターが特に好ま
しい。また、アルカリ溶液を塗布し、ポリマーフイルム
を鹸化処理したのち、アルカリ溶液をポリマーフイルム
から容易に洗い落とすために、アルカリ溶液はポリマー
フイルムの下面に塗布することが好ましい。塗布量の変
動をポリマーフイルムの幅方向および塗布時間に対して
30%未満に抑制することが好ましい。また、連続塗布
方式を採用することもできる。本発明においては、ポリ
マーフイルムを、酸素濃度が0〜18%の範囲にある雰
囲気下において鹸化処理することが好ましい。酸素濃度
は、0〜15%がさらに好ましく、0〜10%が最も好
ましい。低酸素濃度下で鹸化塗布液を(アルカリ溶液)
を塗布することで、フイルムの表面特性を制御でき、密
着性の高い表面を得ることができる。雰囲気中の酸素以
外の気体成分は、不活性ガス(例、窒素、ヘリウム、ア
ルゴン)であることが好ましく、窒素であることが特に
好ましい。
マーフイルムの単位面積当りの鹸化反応サイト数に配向
膜との密着を発現させるために必要な鹸化深さを乗じた
総鹸化サイト数(=理論アルカリ塗布量)が目安とな
る。鹸化反応の進行にともなってアルカリが消費され反
応速度が低下するため、実際には上述の理論アルカリ塗
布量の数倍を塗布することが好ましい。具体的には、理
論アルカリ塗布量の2〜20倍であることが好ましく、
2〜5倍であることがさらに好ましい。
マーフイルムの温度)に等しいことが望ましい。使用す
る有機溶媒の種類によっては、反応温度がアルカリ溶液
の沸点を越える場合もある。安定な塗布を行うために
は、アルカリ溶液の沸点よりも低い温度であることが好
ましく、沸点よりも5℃低い温度であることがさらに好
ましく、沸点よりも10℃低い温度であることが最も好
ましい。
を塗布した後、鹸化反応が終了するまで、ポリマーフイ
ルムの温度を室温以上に保つ。本発明において、室温と
は15℃である。加熱する手段は、ポリマーフイルムの
片面がアルカリ溶液により濡れている状態であることを
考慮して選択する。塗布の反対面への熱風の衝突、加熱
ロールによる接触伝熱、マイクロ波による誘導加熱、赤
外線ヒーターによる輻射熱加熱等が好ましく利用でき
る。赤外線ヒーターは、非接触、かつ空気の流れを伴わ
ずに加熱できるため、アルカリ溶液塗布面への影響を最
小にできるため好ましい。赤外線ヒーターは、電気式、
ガス式、オイル式あるいはスチーム式の遠赤外セラミッ
クヒーターが利用できる。市販の赤外線ヒーター(例え
ば(株)ノリタケカンパニーリミテド製)を用いてもよ
い。熱媒体が、オイルまたはスチームを用いるオイル式
またはスチーム式の赤外ヒーターは、有機溶剤が共存す
る雰囲気における防爆の観点で好ましい。ポリマーフイ
ルムの温度は、アルカリ溶液塗布前に加熱した温度と同
じでも異なっていてもよい。また、鹸化反応中に温度を
連続的、または段階的に変更してもよい。フイルム温度
は、15℃〜150℃、好ましくは25℃〜100℃、
さらに好ましくは30℃〜80℃である。フイルム温度
の検出には、一般に市販されている非接触の赤外線温度
計が利用でき、上記温度範囲に制御するために、加熱手
段に対してフィードバック制御を行ってもよい。
に上記温度範囲に保持する時間は、後述する搬送速度に
もよるが、1秒〜5分に保つことが好ましく、2〜10
0秒間保つことがより好ましく、3〜50秒間保つこと
が特に好ましい。
理を実施し、アルカリ鹸化処理を行うことが好ましい。
ポリマーフイルムの搬送速度は、上記アルカリ溶液の組
成と塗布方式の組み合わせによって決定する。一般に、
10〜500m/分が好ましく、20〜300m/分が
さらに好ましい。
測定波長400nmにおける液の吸光度は2.0未満で
あることが好ましい。塗布時にポリマーフイルム中の添
加剤を抽出して液の吸光度が上がらないように送液系や
コーターの大きさを決定する必要がある。吸光度の高い
液を用いると液中に溶け出したポリマーフイルムの添加
剤がポリマーフイルム上に付着して輝点故障の発生原因
となる。アルカリ鹸化溶液の吸光度の制御には活性炭を
用い、溶出成分を吸着、除去する方法が利用できる。活
性炭は、鹸化溶液中の着色成分を除去する機能を有すれ
ば良く、その形態、材質等に制限はない。活性炭を直接
アルカリ溶液槽に入れる方法であったり、鹸化溶液槽と
活性炭を充填した浄化装置間に鹸化溶液を循環させる方
法であっても構わない。
反応を停止するには、大きく3つの方法がある。一つ
は、塗布されたアルカリ溶液を希釈してアルカリ濃度を
下げ、反応速度を低下させる方法であり、二つ目は、ア
ルカリ溶液が塗布されたポリマーフイルムの温度を下
げ、反応速度を低下させる方法であり、三つ目は、酸性
の液によって中和する方法である。
は、希釈溶媒を塗布する方法、希釈溶媒を吹き付ける方
法、希釈溶媒の入った容器にポリマーフイルムごと浸漬
する方法が採用できる。希釈溶媒を塗布する方法と吹き
付ける方法がポリマーフイルムを連続搬送しながら実施
する上で好ましい方法である。希釈溶媒を塗布する方法
は、必要最小限の希釈溶媒量を用いて実施できるために
最も好ましい。
布されたポリマーフイルム上に希釈溶媒を再度適用でき
る連続塗布可能な方式であることが望ましい。塗布は、
前記アルカリ溶液の塗布工程で説明と同様のダイコータ
ー(エクストルージョンコーター、スライドコータ
ー)、ロールコーター(順転ロールコーター、逆転ロー
ルコーター、グラビアコーター)、ロッドコータが好ま
しく利用できる。アルカリ溶液と希釈溶媒とを速やかに
混合してアルカリ濃度を低下させるためには、希釈溶媒
が塗布される微小領域(塗布ビードと呼ぶこともある)
において、流れが層流であるダイコーターよりも、流れ
が一様とならないロールコーターやロッドコーターが好
ましい。
とが目的であるため、アルカリ溶液中のアルカリ剤を溶
解する溶媒でなければならない。よって、水または有機
溶剤と水との混合液を用いることが好ましく、二種類以
上の有機溶媒を混合して用いてもよい。前述したアルカ
リ鹸化溶液に用いた有機溶剤が優位に用いることができ
る。好ましい溶剤は水である。
に応じて決定する。塗布ビードにおける流れが層流であ
るダイコーターの場合、塗布量は、元のアルカリ濃度を
1.5〜10倍に希釈することが好ましく、2〜5倍に
希釈することがさらに好ましい。ロールコーターやロッ
ドコーターの場合は、塗布ビード内の流動が一様でない
ため、アルカリ溶液と希釈溶媒との混合が発生し、この
混合した液が再塗布される。したがって、この場合は希
釈溶媒の塗布量によって希釈率を特定することができな
いため、希釈溶媒塗布後のアルカリ濃度を測定する必要
がある。ロールコーターやロッドコーターにおいても、
塗布量は、元のアルカリ濃度を1.5〜10倍に希釈す
ることが好ましく、2〜5倍に希釈することがさらに好
ましい。
ため、酸を用いることもできる。少ない量で中和するた
め、強酸を用いることが好ましい。さらに、水洗の容易
さを考慮すると、アルカリと中和反応後に生成する塩が
水に対する溶解度が高い酸を選定することが好ましい。
塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クロム酸、メタンスルホン
酸、クエン酸が特に好ましい。
めには、酸溶液を塗布する方法、酸溶液を吹き付ける方
法、あるいは酸溶液の入った容器にポリマーフイルムご
と浸漬する方法が採用できる。酸溶液を塗布する方法と
吹き付ける方法がポリマーフイルムを連続搬送しながら
実施する上で好ましい。酸溶液を塗布する方法は、必要
最小限の酸溶液を用いて実施できるために最も好まし
い。
されたポリマーフイルム上に酸溶液を再度適用できる連
続塗布可能な方式であることが望ましい。塗布は、前記
塗布工程で説明と同様のダイコーター(エクストルージ
ョンコーター、スライドコーター)、ロールコーター
(順転ロールコーター、逆転ロールコーター、グラビア
コーター)、ロッドコーター(細い金属線を巻いたロッ
ド)が好ましく利用できる。アルカリ溶液と希釈溶媒と
を速やかに混合してアルカリ濃度を低下させるために
は、希釈溶媒が塗布される微小領域(塗布ビードと呼ぶ
こともある)において、流れが層流であるダイコーター
よりも、流れが一様とならないロールコーターやロッド
コーターが好ましい。
カリ溶液の濃度に応じて決定する。塗布ビードにおける
流れが層流であるダイコーターの場合、酸の塗布量は、
元のアルカリ塗布量の0.1〜5倍であることが好まし
く、0.5〜2倍であることがさらに好ましい。ロール
コーターやロッドコーターの場合は、塗布ビード内の流
動が一様でないため、アルカリ溶液と酸性溶液との混合
が発生し、混合した液が再塗布される。したがって、こ
の場合は酸性溶液の塗布量によって中和率を特定するこ
とができないため、酸溶液塗布後のアルカリ濃度を測定
する必要がある。ロールコーターやロッドコーターにお
いては、酸溶液塗布後のpHが4〜9になる様に酸溶液
の塗布量を決定することが好ましく、6〜8になるよう
に決定することがさらに好ましい。
化反応を停止することもできる。反応を促進させるため
に室温以上に保たれた状態から、充分に温度低下させる
ことによって実質的に鹸化反応を停止させる。ポリマー
フイルムの温度を低下させる手段は、ポリマーフイルム
の片面が濡れていることを考慮して決定する。塗布の反
対面への冷風の衝突、あるいは、冷却ロールによる接触
伝熱等が好ましく採用できる。冷却後のフイルム温度
は、5℃〜60℃であることが好ましく、10℃〜50
℃であることがさらに好ましく、15℃〜30℃である
ことが最も好ましい。フイルム温度は、非接触式の赤外
線温度計で測定することが好ましい。冷却手段に対して
フィーッドバック制御を行い、冷却温度を調節すること
もできる。
に実施する。アルカリ溶液が残っていると、鹸化反応が
進行するばかりでなく、後に塗布する配向膜ならびに液
晶性分子層の塗膜形成や液晶分子の配向に影響を及ぼ
す。洗浄は、洗浄水を塗布する方法、洗浄水を吹き付け
る方法、あるいは、洗浄水の入った容器にポリマーフイ
ルムごと浸漬する方法で実施できる。洗浄水を塗布する
方法と吹き付ける方法が、ポリマーフイルムを連続搬送
しながら実施するために好ましい。洗浄水を吹き付ける
方法では、噴流によってポリマーフイルム上の洗浄水と
アルカリ性塗布液との乱流混合が得られるために、特に
好ましい。
ァウンテンコーター、フロッグマウスコーター)を用い
る方法、あるいは、空気の加湿や塗装、タンクの自動洗
浄に利用されるスプレーノズルを用いる方法で実施でき
る。塗布方式に関しては、「コーティングのすべて」荒
木正義編集、(株)加工技術研究会(1999年)に記載
がある。円錐状あるいは扇状のスプレーノズルをポリマ
ーフイルムの幅方向に配列して、全幅に水流が衝突する
ように配置することができる。市販のスプレーノズル
(例えば、(株)いけうち製、スプレーイングシステム
ズ社製)を用いてもよい。
流混合が得られる。ただし、速度が大きいと、連続搬送
するポリマーフイルムの搬送安定性を損なう場合もあ
る。吹き付けの衝突速度は、50〜1000cm/秒が
好ましく、100〜700cm/秒がさらに好ましく、
100〜500cm/秒が最も好ましい。
る理論希釈率を上回る量である。 理論希釈倍率=水洗水の使用量[cc/m2 ]÷アルカ
リ鹸化溶液の塗布量[cc/m2 ] すなわち、水洗に使用される水の全てがアルカリ性塗布
液の希釈混合に寄与したという仮定の理論希釈率を定義
する。実際には、完全混合は起こらないので、理論希釈
率を上回る水洗水量を使用することとなる。用いたアル
カリ性塗布液のアルカリ濃度や副次添加物、溶媒の種類
にもよるが、少なくとも100〜1000倍、好ましく
は500〜1万倍、さらに好ましくは1000〜十万倍
の理論希釈が得られる水洗水を使用する。
マーフイルムの幅方向および塗布時間に対して30%未
満に制御することが好ましい。ただし、ポリマーフイル
ムの幅方向の両端では、アルカリ溶液の塗布量や中和に
使用した酸溶液の塗布量が多いことがしばしば発生す
る。塗布量が多い部分の洗浄性を確保するために、幅方
向両端の水吹き付け量を増やすこともできる。塗布ヘッ
ドを用いる場合は、両端の流量が多くなるように水が吐
出するスリットのクリアランスを広く設定する。また、
局所的に両端に水膜を供給するために幅が狭いコーター
を別途、設置してもよい。幅が狭いコーターは、複数設
置することもできる。スプレーノズルを用いる場合も、
両端に局所的に水吹き付けるためのノズルを設置する。
量適用するよりも数回に分割して適用する回分式洗浄方
法が好ましい。すなわち、水の量を幾つかに分けて、ポ
リマーフイルムの搬送方向にタンデムに設置した複数の
水洗手段に供給する。一つの水洗手段と次の水洗手段と
の間には適当な時間(距離)を設けて、拡散によるアル
カリ性塗布液の希釈を進行させる。さらに好ましくは、
搬送されるポリマーフイルムに傾斜を設けるなどして、
フイルム上の水がフイルム面に沿って流れる様にすれ
ば、拡散に加えて、流動による混合希釈が得られる。最
も好ましい方法としては、水洗手段と水洗手段の間にポ
リマーフイルム上の水膜を除去する水切り手段を設ける
ことで、さらに水洗希釈効率を高められる。具体的な水
切り手段としては、ブレードコーターに用いられるブレ
ード、エアナイフコーターに用いられるエアナイフ、ロ
ッドコーターに用いられるロッド、ロールコーターに用
いられるロールが挙げられる。タンデムに配置された水
洗手段の数は、多いほうが有利である。ただし、設置ス
ペースならびに設備コストの観点から、通常は2〜10
段、好ましくは2〜5段が使用される。
しいが、用いる水切り手段の種類によって最低水膜厚み
が制限される。ブレード、ロッド、ロールなど、物理的
に固体をポリマーフイルムに接触させる方法において
は、例え固体がゴムなどの硬度の低い弾性体であったと
しても、フイルム表面にキズを付けたり、弾性体が磨り
減ったりするので有限の水膜を潤滑流体として残す必要
がある。通常は、数μm以上、好ましくは10μm以上
の水膜を潤滑流体として残存させる。
手段としては、エアナイフが好ましい。充分な風量と風
圧を設定することにより、水膜厚みをゼロに近づけるこ
とが出来る。ただし、エアの吹出し量が大きすぎると、
ばたつきや寄りなど、ポリマーフイルムの搬送安定性に
影響を及ぼすことがあるので、好ましい範囲が存在す
る。ポリマーフイルム上の元の水膜厚み、フイルムの搬
送速度にもよるが、通常は10〜500m/秒、好まし
くは20〜300m/秒、より好ましくは30〜200
m/秒の風速を使用する。また、均一に水膜除去を行う
ためには、ポリマーフイルムの幅方向の風速分布を、通
常は10%以内、好ましくは5%以内になる様、エアナ
イフの吹出し口やエアナイフへの給気方法を調整する。
搬送するポリマーフイルム表面とエアナイフ吹出し口の
間隙は、狭い方が水切り能が増すが、ポリマーフイルム
と接触して傷付ける可能性が高くなるため、適当な範囲
がある。通常は、10μm〜10cm、好ましくは10
0μm〜5cm、さらに好ましくは500μm〜1cm
の間隙をもって、エアナイフを設置する。さらに、エア
ナイフと対向する様に、ポリマーフイルムの水洗面と反
対側にバックアップロールを設置することで、間隙の設
定が安定するとともに、フイルムのバタツキやシワ、変
形などの影響を緩和することができるために好ましい。
い。本発明に用いられる純水とは、比電気抵抗が少なく
とも0.1MΩ以上であり、特にナトリウム、カリウ
ム、マグネシウム、カルシウムなどの金属イオンは1p
pm未満、クロル、硝酸などのアニオンは0.1ppm
未満であることが好ましい。純水は、逆浸透膜、イオン
交換樹脂、蒸留などの単体、あるいはそれらの組み合わ
せによって得ることができる。
る。しかし、搬送されるポリマーフイルム上に水を吹き
付ける方法においては、空気と接触する水の面積が大き
く、高温ほど蒸発が著しくなるため、周囲の湿度が増
し、結露する危険性が高くなる。このため、洗浄水の温
度は、通常は5〜90℃、好ましくは25℃〜80℃、
さらに好ましくは25℃〜60℃の範囲で設定する。
の生成物が水に容易に溶けない場合、水洗工程の前また
は後に水に不溶な成分を除去するための溶剤洗浄工程を
付加しても良い。溶剤洗浄工程は、上に述べた水洗方
法、水切り手段を利用することができる。用いる有機溶
剤については、前述のアルカリ鹸化溶液に使用できる溶
剤のほか、新版溶剤ポケットブック(オーム社、199
4年刊)に記載の溶剤を使用することができる。
できる。通常は、エアナイフなどの水切り手段で充分に
水膜を除去できることが多く、乾燥工程は必要でないこ
とあるが、ポリマーフイルムをロール状に巻き取る前
に、好ましい含水率に調整するために加熱乾燥してもよ
い。逆に、設定された湿度を有する風で調湿することも
できる。乾燥風の温度は30〜200℃が好ましく、4
0〜150℃がより好ましく、50〜120℃が特に好
ましい。
処理工程の後に連続して機能層の塗設を行うことができ
る。塗布により片面に鹸化処理を実施し、その上に機能
層の塗設を行うことにより、機能層を設けた後にフイル
ムをロール状に巻き取っても、機能層面とフイルムの反
対面との間で貼りついたりすることを防止することがで
きる。
性]塗布による鹸化を行うことで「輝点故障」や「表示
ムラ」を改善できるが、「輝点故障」を確実に改善する
には、鹸化後のフイルムの表面特性を調節することが必
要であることがわかった。また逆に鹸化後のフイルムの
表面特性を調節しないと塗布による鹸化処理を行っても
輝点故障が発生し、さらには液晶表示装置を長期にわた
り使用した後に「雲状故障」を生じる場合があることが
わかった。
に生ずる星状に輝く欠陥であり、画面が黒表示の場合に
容易に観察することができる。このような輝点故障につ
いて調べた結果、輝点は配向膜あるいは光学異方性層な
どの屑が付着して生じていることがわかった。これらの
屑は、液晶表示装置の寸法に合わせて光学補償シートを
切断(あるいは打ち抜き)する際の衝撃により、フイル
ムから配向膜(と同時に光学異方性層)が僅かながら剥
離することで生じることがわかった。「雲状故障」と
は、液晶表示装置の画面上に、雲状にくすんだように見
えるムラが生じる欠陥であり、画面が白表示の場合に観
察し易い欠陥である。この雲状故障は、液晶表示装置を
製造した直後には発生し難く、長期経時後に発生し易
い。このような雲状ムラについて調べた結果、雲状ムラ
は、光学補償シートに用いられるセルロースエステルフ
イルム中の低分子量化合物(例えば可塑剤など)が、長
期経時後に配向膜と光学異方性層の界面にまで析出する
ことで発生することがわかった。さらに雲状故障は、従
来のような浸漬による鹸化処理より、塗布による鹸化処
理を施したほうが生じ易いこともわかった。
る鹸化処理が施された面の表面特性を、下記の〜の
表面特性のうちの少なくとも一つ(好ましくは複数)を
満足させることで、塗布による鹸化処理を用いる利点
(フイルムの平滑な面状を保てることなど)に加えて、
光学補償シートを液晶表示装置に用いた際の輝点故障
を、雲状故障の発生もなく改善できることがわかった。
セルロースエステルフイルムに塗布による鹸化処理を施
した場合に、「輝点故障」および「雲状故障」の発生を
抑えることのできるフイルムの表面特性を以下に記載す
る。
〜0.8μmの範囲にあること。鹸化深さは、0.02
0〜0.6μmの範囲にあることが好ましく、0.04
0〜0.4μmの範囲にあることがより好ましい。 表面における化学結合の存在量の比を示すC=O/C
−O比が0〜0.6の範囲にあり、かつC−C/C−O
比が0.45〜0.75の範囲にあること。C=O/C
−O比は、0〜0.55の範囲にあることが好ましく、
0〜0.5の範囲にあることがより好ましい。C−C/
C−O比は、0.5以上0.7の範囲にあることが好ま
しく、0.5〜0.65の範囲にあることがより好まし
い。 セルロースエステルフイルムに可塑剤としてリン化合
物添加されている場合、表面における元素の存在量の比
を示すO/C比が0.62〜0.75の範囲にあり、か
つP/C比が0.007〜0.015の範囲にあるこ
と。表面のO/C比は、0.63〜0.73の範囲にあ
ることが好ましく、0.64〜0.71の範囲にあるこ
とがより好ましい。表面のP/C比は、0.008〜
0.0145の範囲にあることが好ましく、0.009
〜0.014の範囲にあることがより好ましい。 セルロースエステルフイルムとしてセルロースアセテ
ートフイルムを用いた場合、フイルム表面のアセチル置
換度が、1.8〜2.7の範囲にあること。アセチル置
換度は、1.85〜2.5の範囲にあることが好まし
く、1.9〜2.4の範囲にあることがより好ましい。 フイルム表面における水との接触角が、20〜55度
の範囲にあること。水との接触角は、25〜50度の範
囲にあることが好ましく、30〜45度の範囲にあるこ
とがより好ましい。 フィルム表面における表面エネルギーは55〜75m
N/mの範囲にあることが好ましい。
点故障と雲状故障が抑えられる理由についてはわかって
いないが、以下のように推測される。例えば、鹸化深さ
が深すぎる場合には、表面付近のセルロースエステルの
主鎖などの切断が生じていると推測される。この主鎖の
切断によりフイルム表面のセルロースエステルの分子量
が低下して脆くなり、フイルムと配向膜の密着性が低下
すると考えられる。そしてフイルム表面が過度に(表面
から深くまで)鹸化処理されることにより低分子量化合
物(可塑剤など)の発生が多くなり表面付近に多く付着
すると考えられる。長期経時後に低分子量化合物が配向
膜の表面へと析出することで雲状故障を生じると推測さ
れる。一方、鹸化深さが浅すぎる場合には、鹸化処理が
不充分であるためにフイルムと配向膜の密着性が低下す
ると考えられる。そして鹸化深さが極端に浅いためにセ
ルロースエステルフイルム表面の極近傍に微量に存在す
る低分子量化合物(可塑剤など)が長期経時後に配向膜
の表面にまで析出しやすいと考えられる。
上記の範囲に調節するには、塗布による鹸化処理の条件
を調節することで達成できる。表面特性を調節するため
の最大のポイントは、18%以下の低酸素雰囲気下でア
ルカリ溶液をセルロースエステルフイルムに塗布するこ
と、およびこの後アルカリ溶液を30℃〜80℃の洗浄
液(温水が好ましい)で洗浄することである。
ルフイルムの表面特性〜の評価方法については、W
O02/46809号公報明細書の27頁〜30頁に記
載の方法で行うことが出来る。表面特性の表面エネルギ
ー(評価項目)の評価方法は、「ぬれの基礎と応用」
(リアライズ社、1989年刊行)に記載の接触角法、
湿潤熱法、及び吸着法により求めることが出来る。本発
明のセルロースエステルフイルムの場合、接触角法を用
いることが好ましい。具体的には、表面エネルギーが既
知の2種類の溶媒をセルロースエステルフイルムに滴下
し、液滴表面とフィルム表面との交点において、液滴に
引いた接線とフィルム表面のなす角で、液滴を含む方の
角を接触角と定義し、計算によりフィルムの表面エネル
ギーを算出できる。
フイルムは、光学補償シートの透明支持体として好まし
く用いられる。光学補償シートは、アルカリ溶液を塗布
することにより鹸化したポリマーフイルム、配向膜形成
用樹脂層、および液晶性分子の配向を固定化した光学異
方性層が、この順に積層された層構成を有する。配向膜
の形成においては、ポリマーフイルムを加熱する工程、
ポリマーフイルムの配向膜側の表面にアルカリ溶液を塗
布する工程、アルカリ溶液塗布面の温度を維持する工
程、反応を停止する工程、アルカリ溶液を洗浄してフイ
ルムの表面から除去する工程に次いで、配向膜を塗布し
て乾燥する工程を付加することもできる。さらに、配向
膜を塗布、乾燥後に配向膜表面をラビング処理し、液晶
性分子層を塗布、乾燥して、最終的な光学補償シートま
で完成することもできる。ポリマーフイルムの鹸化処理
のみならず、配向膜、液晶性分子層を一貫して形成する
ことにより、高い生産性が得られる。さらに、鹸化処理
〜配向膜塗布までの時間経過がない、活性化した鹸化面
の劣化が少ない、鹸化処理の水洗工程が湿式の除塵と兼
ねられる、複数回の送り出し、巻取りに伴うロール末端
部のロスが発生しないことが、利点として挙げられる。
フイルムからなる透明支持体、その上に設けられた配向
膜および配向膜上に形成された円盤状構造単位を有する
光学異方層からなる。配向膜は架橋されたポリマーから
なるラビング処理された膜であることが好ましい。光学
異方層に用いられる円盤状構造単位を有する化合物とし
ては、低分子量の円盤状液晶性化合物(モノマー)また
は重合性円盤状液晶性化合物の重合により得られるポリ
マーを用いることができる。円盤状化合物(ディスコテ
ィック化合物)は、一般に、ディスコティック液晶相
(即ち、ディスコティックネマチック相)を有する化合
物とディスコティック液晶相を持たない化合物に大別す
ることができる。円盤状化合物は、一般に負の複屈折を
有する。光学異方層は、ディスコティック化合物の負の
複屈折性を利用したものである。
れたポリマーからなる膜をラビング処理して形成するこ
とが好ましい。配向膜は、架橋された2種のポリマーか
らなることがさらに好ましい。2種のポリマーの一方
は、それ自体架橋可能なポリマーまたは架橋剤により架
橋されるポリマーである。配向膜は、官能基を有するポ
リマーあるいはポリマーに官能基を導入したものを、
光、熱あるいはpH変化により、ポリマー間で反応させ
て形成するか、あるいは、反応活性の高い化合物である
架橋剤を用いてポリマー間に架橋剤に由来する結合基を
導入して、ポリマー間を架橋することにより形成するこ
とができる。
ーと架橋剤の混合物を含む塗布液を透明支持体上に塗布
した後、加熱することにより実施できる。配向膜を透明
支持体上に塗設した後から、光学補償シートを得るまで
のいずれかの段階で架橋させる処理を行なってもよい。
配向膜上に形成される円盤状構造を有する化合物(光学
異方層)の配向を考慮すると、円盤状構造を有する化合
物を配向させた後に最終の架橋を行なうことも好まし
い。すなわち、透明支持体上にポリマーおよびポリマー
を架橋することができる架橋剤を含む塗布液を塗布した
場合、加熱乾燥した後、ラビング処理を行なって配向膜
を形成し、次いでこの配向膜上に円盤状構造単位を有す
る化合物を含む塗布液を塗布し、ディスコティックネマ
チック相形成温度以上に加熱した後、冷却して光学異方
層を形成する。
架橋可能なポリマーあるいは架橋剤により架橋されるポ
リマーのいずれも使用することができし、これらの組み
合わせを複数使用することができる。ポリマーの例に
は、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリ
ル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポ
リビニルアルコールおよび変性ポリビニルアルコール、
ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビ
ニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレ
ン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオ
レフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩
化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピ
レンおよびポリカーボネートが含まれる。シランカップ
リング剤をポリマーとして用いることができる。水溶性
ポリマー(例、ポリ(N−メチロールアクリルアミ
ド)、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリビ
ニルアルコール、変性ポリビニルアルコール)が好まし
く、ゼラチン、ポリビニルアルコールおよび変性ポリビ
ニルアルコールがさらに好ましく、ポリビニルアルコー
ルおよび変性ポリビニルアルコールが最も好ましい。重
合度が異なるポリビニルアルコールまたは変性ポリビニ
ルアルコールを2種類併用することが特に好ましい。
100%が好ましく、80〜100%がさらに好まし
く、85〜95%が最も好ましい。ポリビニルアルコー
ルの重合度は、100〜3000であることが好まし
い。変性ポリビニルアルコールの変性基は、共重合変
性、連鎖移動変性またはブロック重合変性により導入で
きる。変性基の例には、親水性基(カルボン酸基、スル
ホン酸基、ホスホン酸基、アミノ基、アンモニウム基、
アミド基、チオール基等)、炭素数10〜100個の炭
化水素基、フッ素原子置換の炭化水素基、チオエーテル
基、重合性基(不飽和重合性基、エポキシ基、アジリニ
ジル基等)、アルコキシシリル基(トリアルコキシ、ジ
アルコキシ、モノアルコキシ)等が挙げられる。これら
の変性ポリビニルアルコール化合物の具体例として、例
えば特開2000−155216号公報明細書中の段落
番号[0022]〜[0145]、同2002−624
26号公報明細書中の段落番号[0018]〜[02
2]に記載のもの等が挙げられる。
らに好ましくはポリビニルアルコールまたは変性ポリビ
ニルアルコールの架橋剤の例には、アルデヒド、N−メ
チロール化合物、ジオキサン誘導体、カルボキシル基を
活性化することにより作用する化合物、活性ビニル化合
物、活性ハロゲン化合物、イソオキサゾールおよびジア
ルデヒド澱粉が含まれる。二種類以上の架橋剤を併用し
てもよい。具体的には、例えば特開2002−6242
6号公報明細書中の段落番号[0023]〜[024]
記載の化合物等が挙げられる。反応活性の高いアルデヒ
ド、特にグルタルアルデヒドが好ましい。
1〜20質量%が好ましく、0.5〜15質量%がさら
に好ましい。配向膜に残存する未反応の架橋剤の量は、
1.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%
以下であることがさらに好ましい。配向膜中に1.0質
量%を超える量で架橋剤が残存していると、充分な耐久
性が得られない。そのような配向膜を液晶表示装置に使
用すると、長期使用、あるいは高温高湿の雰囲気下に長
期間放置した場合にレチキュレーションが発生すること
がある。
る上記ポリマー、架橋剤を含む透明支持体上に塗布した
後、加熱乾燥(架橋させ)し、ラビング処理することに
より形成することができる。架橋反応は、前記のよう
に、透明支持体上に塗布した後、任意の時期に行なって
良い。ポリビニルアルコールのような水溶性ポリマーを
配向膜形成材料として用いる場合には、塗布液は消泡作
用のある有機溶媒(例、メタノール)と水の混合溶媒と
することが好ましい。その比率は質量比で水:メタノー
ルが0:100〜99:1が好ましく、0:100〜9
1:9であることがさらに好ましい。これにより、泡の
発生が抑えられ、配向膜、さらには光学異方層の層表面
の欠陥が著しく減少する。配向膜の塗布方法は、スピン
コーティング法、ディップコーティング法、カーテンコ
ーティング法、エクストルージョンコーティング法、ロ
ッドコーティング法またはロールコーティング法が好ま
しい。特にロッドコーティング法が好ましい。また、乾
燥後の膜厚は0.1〜10μmが好ましい。加熱乾燥
は、15℃〜110℃で行なうことができる。充分な架
橋を形成するためには60℃〜100℃が好ましく、特
に80℃〜100℃が好ましい。乾燥時間は1分〜36
時間で行なうことができるが、好ましくは1分〜30分
である。pHも、使用する架橋剤に最適な値に設定する
ことが好ましく、グルタルアルデヒドを使用した場合
は、pH4.5〜5.5で、特に5が好ましい。
上に設けられる。配向膜は、上記のようにポリマー層を
架橋したのち、表面をラビング処理することにより得る
ことができる。配向膜は、その上に設けられる液晶性デ
ィスコティック化合物の配向方向を規定するために設け
られる。
理工程として広く採用されている処理方法を適用するこ
とができる。即ち、配向膜の表面を、紙やガーゼ、フェ
ルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維などを
用いて一定方向に擦ることにより、配向を得る方法を用
いることができる。一般的には、長さおよび太さが均一
な繊維を平均的に植毛した布などを用いて数回程度ラビ
ングを行うことにより実施される。
層は、配向膜上に形成される。光学異方層は、円盤状構
造単位を有する化合物からなる負の複屈折を有する層で
あることが好ましい。光学異方層は、低分子量の液晶性
円盤状化合物(モノマー)の層または重合性の液晶性円
盤状化合物の重合(硬化)により得られるポリマーの層
である。円盤状(ディスコティック)化合物には、C.Destr
adeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載
されているベンゼン誘導体、C.Destradeらの研究報告、Mo
l.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Physics lett,A,78巻、82
頁(1990) に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohne
らの研究報告、Angew.Chem.96巻、70頁(1984年) に記載さ
れたシクロヘキサン誘導体およびJ.M.Lehnらの研究報
告、J.Chem.Commun.,1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報
告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年) に記載されて
いるアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイ
クルが含まれる。ディスコティック(円盤状)化合物
は、一般的にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアル
キル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基がその
直鎖として放射線状に置換された構造である。円盤状化
合物には、液晶性を示すディスコティック液晶が含まれ
る。円盤状化合物から形成した光学異方層には、熱や光
で反応する基を有する低分子ディスコティツク液晶を反
応させて重合または架橋することにより、高分子量化し
て液晶性を失ったものも含まれる。円盤状化合物につい
ては、特開平8−50206号公報に記載がある。
を有する化合物からなる負の複屈折を有する層であっ
て、そしてディスコティック構造単位の面が、透明支持
体面に対して傾き、且つ該ディスコティック構造単位の
面と透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方
向に変化していることが好ましい。
斜角)は、一般に、光学異方層の深さ方向でかつ光学異
方層の配向膜底面からの距離の増加と共に増加または減
少している。上記傾斜角は、距離の増加と共に増加する
ことが好ましい。さらに、傾斜角の変化としては、連続
的増加、連続的減少、間欠的増加、間欠的減少、連続的
増加と連続的減少を含む変化、および増加および減少を
含む間欠的変化等を挙げることができる。間欠的変化
は、厚さ方向の途中で傾斜角が変化しない領域を含んで
いる。傾斜角は、変化しない領域を含んでいても、全体
として増加または減少していることが好ましい。さら
に、傾斜角は全体として増加していることが好ましく、
特に連続的に変化することが好ましい。
ク化合物および他の化合物を溶剤に溶解した溶液を配向
膜上に塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマチ
ック相形成温度まで加熱し、その後配向状態(ディスコ
ティックネマチック相)を維持して冷却することにより
得られる。あるいは、上記光学異方層は、ディスコティ
ック化合物および他の化合物(さらに、例えば重合性モ
ノマー、光重合開始剤)を溶剤に溶解した溶液を配向膜
上に塗布し、乾燥し、次いでディスコティックネマチッ
ク相形成温度まで加熱したのち重合させ(UV光の照射
等により)、さらに冷却することにより得られる。本発
明に用いるディスコティック液晶性化合物のディスコテ
ィックネマティック液晶相−固相転移温度としては、7
0〜300℃が好ましく、特に70〜170℃が好まし
い。
は、一般にディスコティック化合物あるいは配向膜の材
料を選択することにより、またはラビング処理方法を選
択することにより、調整することができる。また、表面
側(空気側)のディスコティック単位の傾斜角は、一般
にディスコティック化合物あるいはディスコティック化
合物と共に使用する他の化合物(例、可塑剤、界面活性
剤、重合性モノマーおよびポリマー)を選択することに
より調整することができる。さらに、傾斜角の変化の程
度も上記選択により調整することができる。
としては、ディスコティック化合物と適度の相溶性を有
し、液晶性ディスコティック化合物の傾斜角の変化を与
えられるか、あるいは配向を阻害しない限り、どのよう
な化合物も使用することができる。これらの中で、重合
性モノマー(例、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロ
イル基およびメタクリロイル基を有する化合物)が好ま
しい。上記化合物は、ディスコティック化合物に対して
一般に1〜50質量%、好ましくは5〜30質量%の量
にて使用される。
物と相溶性を有し、液晶性ディスコティック化合物に傾
斜角の変化を与えられる限り、どのようなポリマーも使
用することができる。ポリマーの例としては、セルロー
スエステルを挙げることができる。セルロースエステル
の好ましい例としては、セルロースアセテート、セルロ
ースアセテートプロピオネート、ヒドロキシプロピルセ
ルロースおよびセルロースアセテートブチレートを挙げ
ることができる。上記ポリマーは、液晶性ディスコティ
ック化合物の配向を阻害しないように、ディスコティッ
ク化合物に対して一般に0.1〜10質量%、好ましく
は0.1〜8質量%、特に好ましくは0.1〜5質量%
の量にて使用される。
に配向膜および液晶性分子の配向を固定化した光学異方
性層を設けた光学補償シート、偏光膜、透明保護膜がこ
の順に積層された層構成を有する。透明保護膜には、通
常のセルロースアセテートフイルムを用いてもよい。偏
光膜には、ヨウ素系偏光膜、2色性染料を用いる染料系
偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜およ
び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フイ
ルムを用いて製造する。ポリマーフイルムの遅相軸と偏
光膜の透過軸の関係は、適用される液晶表示装置の種類
により異なる。TN、MVAまたはOCBの場合は、実
質的に平行になるように配置する。反射型液晶表示装置
の場合は、実質的に45度となるように配置することが
好ましい。
光板は、液晶表示装置に有利に用いられる。TN、MV
A、およびOCBモードの液晶表示装置は、液晶セルお
よびその両側に配置された2枚の偏光板からなる。液晶
セルは、2枚の電極基板の間に液晶を担持している。光
学補償シートは、液晶セルと一方の偏光板との間に、1
枚配置するか、あるいは液晶セルと双方の偏光板との間
に2枚配置する。OCBモードの液晶表示装置の場合、
光学補償シートは、ポリマーフイルム上に円盤状化合
物、もしくは棒状液晶化合物を含む光学異方性層を有し
ていても良い。光学異方性層は、円盤状化合物(もしく
は棒状液晶化合物)を配向させ、その配向状態を固定す
ることにより形成する。円盤状化合物は、一般に大きな
複屈折率を有する。また、円盤状化合物には、多様な配
向形態がある。従って、円盤状化合物を用いることで、
従来の延伸複屈折フイルムでは得ることができない光学
的性質を有する光学補償シートを製造することができ
る。円盤状化合物を用いた光学補償シートについては、
特開平6−214116号公報、米国特許558367
9号、同5646703号、西独特許公報391162
0A1号の各明細書に記載がある。
置される透明保護膜として、前記のポリマーフイルムを
用いることができる。一方の偏光板の(液晶セルと偏光
膜との間の)透明保護膜のみ上記のポリマーフイルムを
用いるか、あるいは双方の偏光板の(液晶セルと偏光膜
との間の)2枚の透明保護膜に、上記のポリマーフイル
ムを用いる。液晶セルはOCBモード、またはTNモー
ドであることが好ましい。OCBモードの液晶セルは、
棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆
の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液
晶セルを用いた液晶表示装置であり、米国特許4583
825号、同5410422号の各明細書に開示されて
いる。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称
的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セル
は、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モ
ードは、OCB(Optically Compensatory Bend) 液晶モ
ードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置
は、応答速度が速い利点がある。TNモードの液晶セル
では、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配
向し、さらに60〜120゜にねじれ配向している。T
Nモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置とし
て最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
組成物をミキシングタンクに投入し、加熱攪拌して各成
分を溶解し、セルロースアセテート溶液Aを調製した。
各成分を分散、混合し、マット剤溶液を調製した。
し、加熱しながら攪拌して、各成分を溶解し、レターデ
ーション上昇剤溶液を調製した。
6質量部、マット剤溶液を1.3質量部、レターデーシ
ョン上昇剤溶液4.1質量部それぞれを濾過後に混合
し、バンド流延機を用いて流延した。レターデーション
上昇剤のセルロースアセテートに対する質量比は4.6
%であった。残留溶剤量30%でフイルムをバンドから
剥離し、130℃の条件で、残留溶剤量が13質量%の
フイルムをテンターを用いて28%の延伸倍率で横延伸
し、延伸後の幅のまま140℃で30秒間保持した。そ
の後、クリップを外して140℃で40分間乾燥させセ
ルロースアセテートフイルムCF−1を作製した。出来
あがったセルロースアセテートフイルムの残留溶剤量は
0.2%であり、膜厚は72μmであった。
ロースアセテートフイルムCF−1を60℃に加熱した
誘電式加熱ロールを通過させ、40℃まで昇温した後
に、40℃に保温したKOH5.6g、イソプロピルア
ルコール66.1g、プロピレングリコール15g、水
13.3gから成る1.0規定のKOH溶液(アルカリ
鹸化液S−2)をロッドコーターを用いて14cc/m
2 塗布した。110℃に加熱した(株)ノリタケカンパ
ニーリミテド製のスチーム式遠赤外ヒーターの下に7秒
滞留させた後に、同じくロッドコーターを用いて純水を
3cc/m2 塗布し、アルカリを洗い落とした。この
時、フイルム温度は40〜45℃に維持し、純水塗布後
の塗膜のKOH濃度は0.6規定となった。次いで、フ
ァウンテンコーターによる水洗とエアナイフによる水切
りを3回繰り返し、アルカリを洗い落とした後に70℃
の乾燥ゾーンに5秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理フイ
ルムKF−2を作製した。アルカリ鹸化液S−2の表面
張力は、24mN/mであり、液の粘度は4.2Pa・
s、液の密度は0.90、電気伝導度は6.9mS/c
mであった。
鹸化処理フイルムKF−2と同様にセルロースアセテー
トフイルムCF−1を搬送しながら各工程を実施し、鹸
化処理を行った。ただし、アルカリ鹸化溶液S−2に、
CH3 −(CH2 )11−CH=CH−SO3 Naを60
モル%と、CH3 −(CH2 )13−SO3 Naを40モ
ル%とからなる陰イオン性界面活性剤Aを1質量%添加
したアルカリ鹸化溶液S−3を用いて、鹸化処理フイル
ムKF−3を作製した。
鹸化処理フイルムKF−2と同様にセルロースアセテー
トフイルムCF−1の鹸化処理を行った。ただし、アル
カリ鹸化溶液S−2に上記の陰イオン性界面活性剤Aを
0.1質量%添加したアルカリ鹸化溶液S−4を用い
て、鹸化処理フイルムKF−4を作製した。
鹸化処理フイルムKF−2と同様にセルロースアセテー
トフイルムCF−1の鹸化処理を行った。ただし、アル
カリ鹸化溶液S−2に上記の陰イオン性界面活性剤Aを
10質量%添加したアルカリ鹸化溶液S−5を用いて、
鹸化処理フイルムKF−5を作製した。
鹸化処理フイルムKF−2と同様にセルロースアセテー
トフイルムCF−1の鹸化処理を行った。ただし、アル
カリ鹸化溶液S−2に、C16H33−O−(CH2 CH2
O)10−Hからなる非イオン性界面活性剤Bを1質量%
添加したアルカリ鹸化溶液S−6を用いて、鹸化処理フ
イルムKF−6を作製した。
鹸化処理フイルムKF−2と同様にセルロースアセテー
トフイルムCF−1の鹸化処理を行った。ただし、アル
カリ鹸化溶液S−2に、非イオン性界面活性剤Cとし
て、ソルビタン・モノステアレート・POE・エーテル
(Tween 60)を1質量%添加したアルカリ鹸化溶液S−
7を用いて、鹸化処理フイルムKF−7を作製した。
鹸化処理フイルムKF−2と同様にセルロースアセテー
トフイルムCF−1の鹸化処理を行った。ただし、アル
カリ鹸化溶液S−2に下記の陰イオン性界面活性剤Dを
1質量%添加したアルカリ鹸化溶液S−8を用いて、鹸
化処理フイルムKF−8を作製した。
鹸化処理フイルムKF−2と同様にセルロースアセテー
トフイルムCF−1の鹸化処理を行った。ただし、アル
カリ鹸化溶液S−2に下記の陰イオン性界面活性剤E
(SDBS)を1質量%添加したアルカリ鹸化溶液S−
9を用いて、鹸化処理フイルムKF−9を作製した。
記鹸化処理フイルムKF−2と同様にセルロースアセテ
ートフイルムCF−1の鹸化処理を行った。ただし、ア
ルカリ鹸化溶液S−2に下記の陰イオン性界面活性剤F
(ATO)を1質量%添加したアルカリ鹸化溶液S−1
0を用いて、鹸化処理フイルムKF−10を作製した。
鹸化処理フイルムKF−2〜KF−10について、日本
電色(株)社製NDH−300A型光学試験機を用いて
ヘイズの測定を行った。
テートフイルムCF−1と鹸化処理フイルムKF−2〜
KF−10の鹸化処理面に下記変性ポリビニルアルコー
ル20質量部、水360質量部、メタノール120質量
部、ならびにグルタルアルデヒド0.5質量部からなる
配向膜塗布液をロッドコーターで30cc/m2塗布
し、60℃の温風で60秒、さらに90℃の熱風で15
0秒間、乾燥した後に搬送方向に鉛直に配置したベルベ
ット布ラビングロールを用いて、ラビング処理を行って
配向膜を形成した。
F−2〜KF−10に形成した配向膜の上に、下記のデ
ィスコティック化合物41.01質量部、エチレンオキ
サイド変成トリメチロールプロパントリアクリレート
(V#360、大阪有機化学(株)製)1.22質量
部、多官能アクリレートモノマー(NKエステル A−
TMMT 新中村化学工業製)2.84質量部、セルロ
ースアセテートブチレート(CAB551−0.2、イ
ーストマンケミカル社製)0.90質量部、セルロース
アセテートブチレート(CAB531−1、イーストマ
ンケミカル社製)0.23質量部、光重合開始剤(イル
ガキュアー907、チバガイギー社製)1.35質量
部、増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)
製)0.45質量部を、102質量部のメチルエチルケ
トンに溶解した後に#4のワイヤーバーで塗布した。続
き、連結する130℃の熱風ゾーンで2分間加熱し、円
盤状化合物を配向させた。最後に80℃の雰囲気下のも
と、膜面温度が約100℃の状態で120W/cm高圧
水銀灯を用いて、0.4秒間UV照射しディスコティッ
ク化合物を重合させ、光学異方性層を形成し、光学補償
シートKHF−1〜KHF−10を作製した。波長63
3nmで測定した光学異方性層のReレターデーション
値は45nmであった。また、円盤面と第1透明支持体
面との間の角度(傾斜角)は平均で39°であった。
光学補償シートKHF−1〜KHF−10を、クロスニ
コルス配置した2枚の偏光板の間に挟み、透過光のムラ
を目視で観察した。光学異方性層の塗布ムラ、あるいは
ディスコティック化合物の配向ムラを特定し、4段階の
官能評価を行った。 A:全く発生しない(100人が評価し、1人も認識で
きないレベル) B:僅かに発生する(100人が評価し、1〜3人が認
識するレベル) C:弱く発生する (100人が評価し、4〜20人が
認識するレベル) D:強く発生する (100人が評価し、20人以上が
認識するレベル)
cmに裁断し、25℃相対湿度60%の条件下で1日放
置した後、光学異方性層側に幅1.2cm、長さ10c
mのセロテープ(ニチバン社製No.405)を100
枚貼り付け、1枚ずつ1秒間ではがし取り、フイルムと
配向膜の間で剥離する状態を検査した。100枚のセロ
テープの内、何枚に塗布層間の破壊が発生するかによっ
て、相対的な密着性の優劣を評価した。
ましい鹸化処理を実施したKHF−3、KHF−4、K
HF−5、KHF−6、KHF−7、KHF−8、KH
F−9やKHF−10は、界面活性剤を添加しないKH
F−2よりもヘイズが低く、また、透過光のムラや剥離
試験についても極めて良い結果であることが分かる。界
面活性剤濃度が0.08%であった比較試料はKHF−
2と同様の性能であった。表面処理のないKHF−1、
ならびに界面活性剤濃度が12質量%であった比較試料
は光学補償シートとして使用できないものであった。
−2に下記第2表に記載の界面活性剤を添加しアルカリ
鹸化溶液を作製して用いた他は、実施例1のKHF−3
と同様に試料KHF−11〜KHF−16を作製し、性
能を評価した。その結果、各試料ともに実施例1のKH
F−3と同様に同等の性能を示した。
ローストリアセテートフイルム:フジタックTD80U
F(富士写真フイルム(株)製)に100℃の熱風を衝
突させ、55℃まで加熱した後、25℃に保温した下記
内容のアルカリ鹸化溶液(S−17)をロッドコーター
を用いて、8cc/m2 塗布し10秒間経過後、再びロ
ッドコーターを用いて純水を5cc/m2 塗布した。こ
の時のフイルム維持温度は45℃であった。次いで、エ
クストルージョン型コーターを用いて1000cc/m
2 の純水を塗布し、水洗を行い、5秒間経過後に100
m/秒の風をエアナイフより水塗布面に衝突させた。こ
のエクストルージョンコーターによる水洗とエアナイフ
による水切りを2回繰り返した後に80℃の乾燥ゾーン
に10秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理フイルムKF−
17を作製した。この鹸化処理フイルムに対する水の接
触角は42度、この鹸化フイルムの表面自由エネルギー
は55mN/mであった。
4、1.2質量%、消泡剤:プルロニックTR701
(旭電化工業(株)製)0.1質量%、プロピルアルコ
ール55質量%、メチルイソブチルケトン5質量%、酢
酸イソプロピル5質量%、プロピレングリコール5質量
%、純水22質量%からなる液。このアルカリ鹸化液S
−17の表面張力は、20mN/mであり、液の粘度は
5.2Pa・s、液の密度は0.93、電気伝導度は1
8.5mS/cmであった。
アルコール、メチルイソブチルケトンの割合を変えて、
表3に示すようにアルカリ鹸化液の表面張力を変える以
外はアルカリ鹸化処理フイルムSF−17と同様にアル
カリ鹸化処理フイルム(KF−18〜KH−20)を作
製し、さらに光学補償フイルム(KHF−17〜KHF
−20)を作製した。
ましい鹸化処理を実施したKHF−17〜KHF−20
は表面張力が高くなるとヘイズがやや高く、また、透過
光のムラが僅かに発生するものの良好な結果であること
が分かる。
ローストリアセテートフイルム:フジタックTD80U
F(富士写真フイルム(株)製)に40℃の熱風を衝突
させ、15℃まで加熱した後、15℃に保温した上記内
容のアルカリ鹸化溶液(S−21)を、ロッドコーター
を用いて、8cc/m2 塗布し60秒間経過後、再びロ
ッドコーターを用いて純水を10cc/m2 塗布した。
この時のフイルム維持温度は15℃であった。次いで、
エクストルージョン型コーターを用いて800cc/m
2 の純水を塗布し、水洗を行い、8秒間経過後に80m
/秒の風をエアナイフより水塗布面に衝突させた。この
エクストルージョンコーターによる水洗とエアナイフに
よる水切りを2回繰り返した後に60℃の乾燥ゾーンに
30秒間滞留させて乾燥し、鹸化処理フイルムKF−2
1を作製した。この鹸化処理フイルムに対する水の接触
角は48度、この鹸化フイルムの表面自由エネルギーは
61mN/mであった。
1.0質量%、消泡剤:プルロニックTR701(旭電
化工業(株)製)0.01質量%、イソプロピルアルコ
ール60質量%、酢酸イソプロピル4質量%、プロピレ
ングリコール10質量%、純水16.99質量%からな
る液。このアルカリ鹸化液S−21の表面張力は、22
mN/mであり、液の粘度は4.8Pa・s、液の密度
は0.92、電気伝導度は20.5mS/cmであっ
た。アルカリ鹸化処理フイルムSF−17と同様にアル
カリ鹸化処理フイルムKF−21を作製し、さらに光学
補償フイルムKHF−21を作製した。
ましい鹸化処理を実施したKHF−21は、ヘイズが小
さく、透過光ムラ特性に優れ、異常剥離の発生しない良
好な結果であることが分かる。
ルフイルムにヨウ素を吸着させて偏光膜を作製し、ポリ
ビニルアルコール系接着剤を用いて、実施例1で作製し
た光学補償シート(KHF−2〜KHF−10)を偏光
膜の片側に、もう一方には市販のセルローストリアセテ
ートフイルム(フジタックTD80UF、富士写真フイ
ルム(株)製)に鹸化処理を行い貼り付けた後、80℃
で10分間乾燥させた。偏光膜の透過軸と光学補償シー
トの遅相軸とが平行になるように配置した。偏光膜の透
過軸と市販のセルローストリアセテートフイルムの遅相
軸とは、直交するように配置した。このようにして偏光
板(HB−2〜HB−10)を作製した。
(6E−A3、シャープ(株)製)に設けられている一
対の偏光板を剥がし、代わりに上記に作製した偏光板
を、光学補償シートが液晶セル側となるように粘着剤を
介して、観察者側およびバックライト側に一枚ずつ貼り
付けた。観察者側の偏光板の透過軸と、バックライト側
の偏光板の透過軸とは、Oモードとなるように配置し液
晶表示装置を組み上げた。
(EZ-Contrast 160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示
(L1)時の描画ムラを目視で観察した。結果を第5表
に示すが、界面活性剤を使用しなかった光学補償フイル
ムを用いた偏光板HB−2や界面活性剤濃度が0.08
%であったものを用いた液晶表示装置では液晶画面の全
面が曇って、輝度が低下したが、本発明のHB−3、H
B−4、HB−5、HB−6、HB−7、HB−8、H
B−9、HB−10においては、高い輝度が得られた。
また、本発明よりも高い界面活性剤濃度を使用した比較
試料も、全面に描画ムラが発生した。
号公報の実施例1記載の内容で、反射防止膜を設けたセ
ルロースアシレートフイルムを作製した。次に、このセ
ルロースアシレートフイルムの防汚層の表面にポリエチ
レンテレフタレートフイルム(SAT−106TS、
(株)サンエイ化研製)を貼り合わせた。このフイルム
を、浸漬処理装置として電子製版システム用のマスター
エッチングプロセッサー:E−380IIを用いて、この
装置に下記内容のアルカリ鹸化溶液(S−22)を入れ
て液温45℃に設定した。フイルムの浸漬時間が30秒
間になるように浸漬した後、純水に浸漬してアルカリ鹸
化溶液を充分に洗い流した。次いで、0.5%希硫酸水
溶液に10秒間浸漬した後、純水に浸漬して充分に洗浄
した。さらにこのフイルムを100℃で乾燥させて鹸化
セルロースアシレートフィルム(KF−22)を作製し
た。ポリエチレンテレフタレートフイルムを、セルロー
ストリアセテートフイルムから取り除き、第1偏光板保
護フイルムを作製した。
イソプロピル18質量%、ジエチレングリコール12質
量%、純水18質量%、ベタイン型界面活性剤アモーゲ
ンK(第一工業製薬社製)1質量%、D−ソルビトール
0.95質量%、消泡剤:サーフィノール104(日信
化学工業(株)製)0.05質量%から成るアルカリ鹸
化溶液。
ルアルコールフイルム(クラレ(株)製)を、ヨウ素7
質量部およびヨウ化カリウム105質量部を水1000
質量部に溶解した水溶液に5分間浸漬し、フイルムにヨ
ウ素を吸着させた。次いで、フイルムを40℃の4質量
%ホウ酸水溶液中で、4.4倍に縦方向に1軸延伸をし
た後、緊張状態のまま乾燥して偏光膜を作製した。ポリ
ビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の一方の面
に第1偏光板保護フイルムの鹸化処理面を貼り合わせ、
もう一方に実施例2で作製した光学補償シート(KHF
−11〜KHF−16)に鹸化処理を行い、そのセルロ
ースアシレートフイルム面を貼り付けた後、80℃で1
0分間乾燥させ、偏光板(HB−11〜HB−16)を
作製した。
を各100枚作製し、それぞれ、アクリル系接着剤を用
いてガラス板に貼り合わせ、恒温恒湿槽にて70℃、9
0%RHの雰囲気と25℃、90%RHの雰囲気とに1
2時間ずつ交互に設定変更し、のべ1200時間放置し
て耐久性試験を行った。偏光板とガラス板の間の剥が
れ、泡の発生状況を調べところ、いずれの偏光板とも1
00枚全てにおいて剥がれ、泡の発生が認められなかっ
た。また、実施例4と同様に新たに、液晶表示装置を組
み上げ、作製した液晶表示装置について、測定機(EZ-C
ontrast 160D、ELDIM社製)を用いて、黒表示(L1)
時の描画ムラを目視で観察した。全画面にムラ等の視覚
上の欠陥は全く見られなかった。
Claims (18)
- 【請求項1】 アルカリ溶液を、温度が室温以上のポリ
マーフイルムに塗布する工程、及び、アルカリ溶液をポ
リマーフイルムから洗い落とす工程からなるポリマーフ
イルムのアルカリ鹸化方法。 - 【請求項2】 アルカリ溶液を、温度が室温以上のポリ
マーフイルムに塗布する工程、ポリマーフイルムの温度
を室温以上に維持する工程、及び、アルカリ溶液をポリ
マーフイルムから洗い落とす工程からなるポリマーフイ
ルムのアルカリ鹸化方法。 - 【請求項3】 ポリマーフイルムを予め室温以上に加熱
する工程、ポリマーフイルムにアルカリ溶液を塗布する
工程、ポリマーフイルムの温度を室温以上に維持する工
程、そして、アルカリ溶液をポリマーフイルムから洗い
落とす工程からなるポリマーフイルムのアルカリ鹸化方
法。 - 【請求項4】 ポリマーフイルムを搬送しながら各工程
を実施することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載のアルカリ鹸化方法。 - 【請求項5】 ポリマーフイルムを連続的に搬送する請
求項4に記載のアルカリ鹸化方法。 - 【請求項6】 アルカリ溶液のアルカリ規定度が0.1
〜5であり、塗布量が1〜50cc/m2 であることを
特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアルカリ鹸
化方法。 - 【請求項7】 アルカリ溶液のアルカリ剤がアルカリ金
属の水酸化物であり、アルカリ溶液の溶媒が、炭素原子
数8以下のアルコール、炭素原子数が6以下のケトン、
炭素原子数が6以下のエステル、炭素原子数が6以下の
多価アルコールから選ばれる1種または2種以上の有機
溶媒および水からなることを特徴とする請求項1〜6の
いずれかに記載のアルカリ鹸化方法。 - 【請求項8】 アルカリ溶液が、ノニオン界面活性剤、
アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活
性剤から選ばれる少なくとも1種の界面活性剤を含有す
ることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のア
ルカリ鹸化方法。 - 【請求項9】 界面活性剤の濃度が0.1〜10質量%
であることを特徴とする請求項8に記載のアルカリ鹸化
方法。 - 【請求項10】 該界面活性剤が下記一般式(1)で表
される界面活性剤であることを特徴とする請求項8また
は9に記載のアルカリ鹸化方法: 一般式(1) R1−L1−Q1 [式中、R1は炭素数8以上のアルキル基を表し、L1
はR1とQ1を連結する基を表し、直接結合または2価
の連結基を表し、Q1はノニオン親水性基、またはアニ
オン親水性基を表す]。 - 【請求項11】 該界面活性剤が下記一般式(2)で表
されるノニオン界面活性剤であることを特徴とする請求
項8〜10のいずれかに記載のアルカリ鹸化方法: 一般式(2) R2−L2−Q2 [式中、R2及びL2は、一般式(1)中のR1、L1
と同一内容を表す。Q2は、ポリオキシエチレンユニッ
ト(重合度5〜150)、ポリグリセリンユニット(重
合度3〜30)、親水性糖鎖ユニットから選ばれるノニ
オン親水性基を表す]。 - 【請求項12】 該界面活性剤が下記一般式(3)で表
されるアニオン界面活性剤であることを特徴とする請求
項8〜10のいずれかに記載のアルカリ鹸化方法: 一般式(3) R3−L3−Q3 [式中、R3は一般式(1)中のR1と同一内容を表
す。L3は、−O−、−CO−、−NR5−(R5は炭
素数1〜5のアルキル基)、−OH、−CH=CH−お
よび−SO2 −からなる群より選ばれるユニットを組み
合わせて得られる極性部分構造を有する2価の連結基を
表す。Q3は、アニオン性基を表す。 - 【請求項13】 該アルカリ鹸化溶液の表面張力が45
mN/m以下であり、かつ粘度が0.8〜20mPa・
sであることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに
記載のアルカリ鹸化方法。 - 【請求項14】 該アルカリ鹸化溶液の密度が0.65
g/cm3 〜1.05g/cm3 であることを特徴とす
る請求項1〜13のいずれかに記載のアルカリ鹸化方
法。 - 【請求項15】 該アルカリ鹸化溶液の電気伝導度が1
mS/cm〜100mS/cmであることを特徴とする
請求項1〜14のいずれかに記載のアルカリ鹸化方法。 - 【請求項16】 ポリマーフイルムが、セルロースエス
テルフイルムであることを特徴とする請求項1〜15の
いずれかに記載のアルカリ鹸化方法。 - 【請求項17】 請求項16に記載のアルカリ鹸化方法
により作製されて得られることを特徴とする表面鹸化セ
ルロースエステルフイルム。 - 【請求項18】 請求項17に記載の表面鹸化セルロー
スエステルフイルムを用いたことを特徴とする光学フイ
ルム。
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JP2002043673 | 2002-02-20 | ||
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