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JP2003311955A - インクジェットヘッド、および、インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタ - Google Patents

インクジェットヘッド、および、インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタ

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Publication number
JP2003311955A
JP2003311955A JP2003039800A JP2003039800A JP2003311955A JP 2003311955 A JP2003311955 A JP 2003311955A JP 2003039800 A JP2003039800 A JP 2003039800A JP 2003039800 A JP2003039800 A JP 2003039800A JP 2003311955 A JP2003311955 A JP 2003311955A
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JP
Japan
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pressure chamber
nozzle
common ink
pressure
ink passage
Prior art date
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Application number
JP2003039800A
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English (en)
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Atsushi Hirota
淳 廣田
Hidetoshi Watanabe
英年 渡邉
Atsuo Sakaida
惇夫 坂井田
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
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Publication of JP2003311955A publication Critical patent/JP2003311955A/ja
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    • B41J2/14209Structure of print heads with piezoelectric elements of finger type, chamber walls consisting integrally of piezoelectric material
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    • B41J2/14209Structure of print heads with piezoelectric elements of finger type, chamber walls consisting integrally of piezoelectric material
    • B41J2002/14225Finger type piezoelectric element on only one side of the chamber
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    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/20Modules

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク供給の円滑化を図ることができるよう
にする。 【解決手段】 インクジェットヘッドの流路ユニットに
は、平面内の配列方向A及び配列方向Bに沿ってマトリ
クス状に配置された複数の圧力室10、及び、配列方向
Aに沿って延在し且つ各圧力室10に連通した複数の副
マニホールド5aが設けられている。複数の圧力室10
は、流路ユニット平面に垂直な方向から見た圧力室10
に接続するインク吐出口8の配置によって、配列方向A
に沿って、第1の圧力室列11aおよび第2の圧力室列
11bを形成している。第1の圧力室列11aを構成す
る圧力室10は、菱形領域10xの長い方の対角線方向
に関してインク吐出口8が紙面上側に偏在し、第2の圧
力室列11bを構成する圧力室10bはインク吐出口8
が紙面下側に偏在している。副マニホールド5aは、イ
ンク吐出口8と重ならない範囲で、互いに隣接した第1
および第2の圧力室列11a,11bの大部分を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体にインク
を吐出して印刷を行うインクジェットヘッド、および、
インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタ
に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタにおいて、イン
クジェットヘッドは、インクタンクから供給されたイン
クを複数の圧力室に分配する。そしてシート状の圧電セ
ラミックからなるアクチュエータユニットなどによって
圧力室に選択的にパルス状の圧力を付与して圧力波を発
生させることにより、各圧力室に接続するノズルからイ
ンクを吐出する。このようなヘッドを用紙の幅方向に高
速で往復移動させながら、印字作業が行われる。
【0003】インクジェットヘッドにおける圧力室の配
置については、ヘッドの長手方向に例えば1〜2列に配
列する一次元的配置と、ヘッド表面に沿ったマトリクス
状の二次元的配置とがある。近年要求されている印刷の
高解像度化や高速化などを達成するには、圧力室を二次
元的に配置するのがより効果的である。圧力室を表面に
沿って二次元的に配置したインクジェットヘッドの一例
としては、ヘッド表面と垂直な方向から見てノズルが圧
力室の中央に配置されたものが知られている(特許文献
1参照)。この場合、圧力室にパルス状の圧力が付与さ
れると、圧力室内にはヘッド表面と垂直な方向に圧力波
が伝播し、ヘッド表面と垂直な方向から見て圧力室の中
央に配置されたノズルからインクが吐出される。
【0004】
【特許文献1】特表平10−508808号公報 (第
11頁、図3)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヘッド
表面と垂直な方向から見てノズルが圧力室中央に配置さ
れていると、マトリクス状に配置された圧力室に対して
インクを供給する場合、インク供給用の共通インク通路
の幅が隣接した圧力室に対応したノズルの間隔に制限さ
れる。これは、共通インク通路をヘッド表面と垂直な方
向から見て圧力室中央のノズルと重ならないよう配置す
る必要があるためである。また、このとき印刷の高解像
度化や高速化の要求に応じるためにノズルを高密度に配
置すると、共通インク通路の幅が制限されることにな
る。そして共通インク通路の幅が制限されると、共通イ
ンク通路のインクに対する流路抵抗が大きくなり、最大
のインク吐出サイクルに対応したインク供給の円滑化を
図ることができない。
【0006】そこで、本発明の目的は、インク供給の円
滑化を図ることができるインクジェットヘッド、および
インクジェットヘッドを有するインクジェットプリンタ
を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のインクジェットヘッドは、ノズルに接続さ
れ且つ平面に沿ってマトリクス状に配置されることによ
り平面内における第1の方向に複数の圧力室列を形成す
る複数の圧力室と、第1の方向に沿って延在し且つ複数
の圧力室に連通した複数の共通インク通路とが設けられ
た流路ユニットを備えており、圧力室列が、平面と垂直
な第3の方向から見て、第1の方向と交差する第2の方
向に関して、接続されたノズルが一方側に偏在した圧力
室からなる第1の圧力室列と他方側に偏在した圧力室か
らなる第2の圧力室列とを含み、共通インク通路が、第
3の方向から見て、接続されたノズルが外側を向くよう
に互いに隣接した1つの第1の圧力室列と1つの第2の
圧力室列との境界領域を少なくとも含み且つノズルと重
ならないことを特徴とする(請求項1)。
【0008】上記構成によると、表面と垂直な第3の方
向から見てノズルを圧力室の中央ではなくその一方側に
偏在させ、第1の方向に関して互いにノズルが反対側に
偏在した第1および第2の圧力室列の境界領域を含むよ
うに共通インク通路を配置することで、共通インク通路
の幅を広くすることができる。したがって、共通インク
通路の上記第3の方向の厚さ(深さ)が決められている
場合でも、共通インク通路のインクに対する流路抵抗が
小さくなり、圧力室へのインクの供給を円滑に行うこと
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、図面を参照しつつ説明する。
【0010】図1は、本発明の一実施の形態によるイン
クジェットヘッドを含むインクジェットプリンタの概略
図である。図1に示すインクジェットプリンタ101
は、4つのインクジェットヘッド1を有するカラーイン
クジェットプリンタである。このプリンタ101には、
図中左方に給紙部111が、図中右方に排紙部112
が、それぞれ構成されている。
【0011】プリンタ1内部には、給紙部111から排
紙部112に向かって用紙が搬送される用紙搬送経路が
形成されている。給紙部111のすぐ下流側には、画像
記録媒体たる用紙を挟持搬送する一対の送りローラ10
5a、105bが配置されている。一対の送りローラ1
05a、105bによって用紙は図中左方から右方へ送
られる。用紙搬送経路の中間部には、二つのベルトロー
ラ106、107と、両ローラ106、107間に架け
渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト10
8とが配置されている。搬送ベルト108の外周面すな
わち搬送面にはシリコーン処理が施されており、一対の
送りローラ105a、105bによって搬送されてくる
用紙を、搬送ベルト108の搬送面にその粘着力により
保持させながら、一方のベルトローラ106の図中時計
回り(矢印104の方向)への回転駆動によって下流側
(右方)に向けて搬送できるようになっている。
【0012】用紙のベルトローラ106に対する挿入及
び排出位置には、押さえ部材109a、109bがそれ
ぞれ配置されている。押さえ部材109a,109b
は、搬送ベルト108上の用紙が搬送面から浮かないよ
うに、搬送ベルト108の搬送面に用紙を押し付けて搬
送面上に確実に粘着させるためのものである。
【0013】用紙搬送経路に沿って搬送ベルト108の
すぐ下流側には、剥離機構110が設けられている。剥
離機構110は、搬送ベルト108の搬送面に粘着され
ている用紙を搬送面から剥離して、右方の排紙部112
へ向けて送るように構成されている。
【0014】4つのインクジェットヘッド1は、その下
端にヘッド本体1a(後述するように、圧力室を含むイ
ンク流路が形成された流路ユニットと、圧力室内のイン
クに圧力を与えるアクチュエータユニットとが貼り合わ
されたものである)を有している。ヘッド本体1aは、
それぞれが矩形断面を有しており、その長手方向が用紙
搬送方向に垂直な方向(図1の紙面垂直方向)となるよ
うに互いに近接配置されている。つまり、このプリンタ
101は、ライン式プリンタである。4つのヘッド本体
1aの各底面は用紙搬送経路に対向しており、これら底
面には微小径を有する多数のインク吐出口が形成された
ノズルが設けられている。4つのヘッド本体1aのそれ
ぞれからは、マゼンタ、イエロー、シアン、ブラックの
インクが吐出される。
【0015】ヘッド本体1aは、その下面と搬送ベルト
108の搬送面との間に少量の隙間が形成されるように
配置されており、この隙間部分に用紙搬送経路が形成さ
れている。この構成で、搬送ベルト108上を搬送され
る用紙が4つのヘッド本体1aのすぐ下方側を順に通過
する際、この用紙の上面すなわち印刷面に向けてノズル
から各色のインクが噴射されることで、用紙上に所望の
カラー画像を形成できるようになっている。
【0016】インクジェットプリンタ101は、インク
ジェットヘッド1に対するメンテナンスを自動的に行う
ためのメンテナンスユニット117を有している。この
メンテナンスユニット117には、4つのヘッド本体1
aの下面を覆うための4つのキャップ116や、図示せ
ぬパージ機構などが設けられている。
【0017】メンテナンスユニット117は、インクジ
ェットプリンタ101で印刷が行われているときには、
給紙部111の直下方の位置(退避位置)に位置してい
る。そして、印刷終了後に所定の条件が満たされたとき
(例えば、印刷動作が行われない状態が所定の時間だけ
継続したときや、プリンタ101の電源OFF操作がさ
れたとき)は、4つのヘッド本体1aの直ぐ下方の位置
に移動して、この位置(キャップ位置)にて、キャップ
116によってヘッド本体1aの下面をそれぞれ覆い、
ヘッド本体1aのノズル部分のインクの乾燥を防止する
ようになっている。
【0018】ベルトローラ106、107や搬送ベルト
108は、シャーシ113によって支持されている。シ
ャーシ113は、その下方に配置された円筒部材115
上に載置されている。円筒部材115は、その中心から
外れた位置に取り付けられた軸114を中心として回転
可能となっている。そのため、軸114の回転に伴って
円筒部材115の上端高さが変化すると、それに合わせ
てシャーシ113が昇降する。メンテナンスユニット1
17を退避位置からキャップ位置に移動させる際には、
予め円筒部材115を適宜の角度回転させてシャーシ1
13、搬送ベルト108及びベルトローラ106、10
7を図1に示す位置から適宜の距離だけ下降させ、メン
テナンスユニット117の移動のためのスペースを確保
しておく必要がある。
【0019】搬送ベルト108によって囲まれた領域内
には、インクジェットヘッド1と対向する位置、つまり
上側にある搬送ベルト108の下面と接触することによ
って内周側からこれを支持するほぼ直方体形状(搬送ベ
ルト108と同程度の幅を有している)のガイド121
が配置されている。
【0020】次に、本実施の形態によるインクジェット
ヘッド1の構造について、より詳細に説明する。図2
は、インクジェットヘッド1の斜視図である。図3は、
図2のII−II線に沿った断面図である。図2及び図
3に示すように、本実施の形態によるインクジェットヘ
ッド1は、一方向(主走査方向)に延在した矩形平面形
状を有するヘッド本体1aと、ヘッド本体1aを支持す
るための基部131とを有している。基部131は、ヘ
ッド本体1aのほかに、個別電極35a、35b(図6
及び図10参照)などに駆動信号を供給するドライバI
C132および基板133を支持している。
【0021】基部131は、図2に示すように、ヘッド
本体1aの上面と部分的に接着されることでヘッド本体
1aを支持するベースブロック138と、ベースブロッ
ク138の上面と接着されることでベースブロック13
8を保持するホルダ139とから構成されている。ベー
スブロック138は、ヘッド本体1aの長尺方向長さと
ほぼ同じ長さを有する略直方体形状の部材である。ステ
ンレスなどの金属材料からなるベースブロック138
は、ホルダ139を補強する軽量の構造体としての機能
を有している。ホルダ139は、ヘッド本体1a側に配
置されるホルダ本体141と、ホルダ本体141からヘ
ッド本体1aとは反対側に延在した一対のホルダ支持部
142とから構成されている。一対のホルダ支持部14
2は、いずれも平板状の部材であって、ホルダ本体14
1の長尺方向に沿って所定の間隔を隔てて互いに平行に
設けられている。
【0022】ホルダ本体141の副走査方向(主走査方
向と直交する方向)両端部には、下方に突出した一対の
スカート部141aが設けられている。ここで、一対の
スカート部141aは、いずれもホルダ本体141の長
尺方向全幅にわたって形成されているため、ホルダ本体
141の下面には、一対のスカート部141aによって
略直方体形状の溝部141bが形成されている。この溝
部141b内に、ベースブロック138が収納されてい
る。ベースブロック138の上面と、ホルダ本体141
の溝部141bの底面とは、接着剤によって接着されて
いる。ベースブロック138の厚さは、ホルダ本体14
1の溝部141bの深さよりも若干大きいため、ベース
ブロック138の下端部は、スカート部141aよりも
下方に飛び出している。
【0023】ベースブロック138の内部には、ヘッド
本体1aに供給されるインクの流路として、その長尺方
向に延在する略直方体形状の空隙(中空領域)であるイ
ンク溜まり3が形成されている。ベースブロック138
の下面145には、インク溜まり3に連通した開口3b
(図4参照)が形成されている。なお、インク溜まり3
は、プリンタ本体内の図示しないメインインクタンク
(インク供給源)に、図示しない供給チューブにより接
続されている。そのため、インク溜まり3には、メイン
インクタンクから適宜インクが補充されるようになって
いる。
【0024】ベースブロック138の下面145は、開
口3bの近傍において周囲よりも下方に飛び出してい
る。そして、ベースブロック138は、下面145の開
口3b近傍部分145aにおいてのみヘッド本体1aの
流路ユニット4(図3参照)と接触している。そのた
め、ベースブロック138の下面145の開口3b近傍
部分145a以外の領域は、ヘッド本体1aから離隔し
ており、この離隔部分にアクチュエータユニット21が
配されている。
【0025】ホルダ139のホルダ支持部142の外側
面には、スポンジなどの弾性部材137を介してドライ
バIC132が固定されている。ドライバIC132の
外側面には、ヒートシンク134が密着配置されてい
る。ヒートシンク134は、略直方体形状の部材であっ
て、ドライバIC132で発生する熱を効率的に散逸さ
せる。ドライバIC132には、給電部材であるフレキ
シブルプリント配線板(FPC:Flexible Printed Cir
cuit)136が接続されている。ドライバIC132に
接続されたFPC136は、基板133及びヘッド本体
1aとハンダ付けによって電気的に接合されている。ド
ライバIC132およびヒートシンク134の上方であ
って、FPC136の外側には、基板133が配置され
ている。ヒートシンク134の上面と基板133との
間、および、ヒートシンク134の下面とFPC136
との間は、それぞれシール部材149で接着されてい
る。
【0026】ホルダ本体141のスカート部141aの
下面と流路ユニット4の上面との間には、FPC136
を挟むようにシール部材150が配置されている。つま
りFPC136は、流路ユニット4およびホルダ本体1
41に対してシール部材150によって固定されてい
る。これにより、ヘッド本体1aが長尺化した場合の撓
みの防止、アクチュエータユニット21とFPC136
との接続部への応力印可の防止およびFPC136の確
実な保持が可能となる。
【0027】図2に示すように、インクジェットヘッド
1の主走査方向に沿った下方角部近傍には、インクジェ
ットヘッド1の側壁に沿って6つの凸設部30aが均等
に離隔配置されている。これらシート状部材は、ヘッド
本体1aの最下層にあるノズルプレート30(図7参
照)の副走査方向両端部に設けられた部分である。つま
り、ノズルプレート30は、凸設部30aとそれ以外の
部分との境界線に沿って約90度折り曲げられている。
凸設部30aは、プリンタ101において印刷に用いら
れる各種サイズの用紙の両端部付近に対応する位置に設
けられている。ノズルプレート30の折り曲げ部分は直
角ではなく丸みを帯びた形状となっているため、ヘッド
1と近接する方向に搬送されてきた用紙の先端部がヘッ
ド1の側面と接触することで生じる用紙の詰まりすなわ
ちジャミングが起こりにくくなっている。
【0028】図4は、ヘッド本体1aの模式的な平面図
である。図4において、ベースブロック138内に形成
されたインク溜まり3が仮想的に破線で描かれている。
図4に示すように、ヘッド本体1aは、一方向(主走査
方向)に延在した矩形平面形状をしている。ヘッド本体
1aは、後述する多数の圧力室10やノズル先端のイン
ク吐出口8(共に図5、図6、図7参照)が形成された
流路ユニット4を有しており、その上面には、千鳥状に
なって2列に配列された複数の台形のアクチュエータユ
ニット21が接着されている。各アクチュエータユニッ
ト21は、その平行対向辺(上辺及び下辺)が流路ユニ
ット4の長手方向に沿うように配置されている。そし
て、隣接するアクチュエータユニット21の斜辺同士
が、流路ユニット4の幅方向にオーバーラップしてい
る。
【0029】アクチュエータユニット21の接着領域と
対応した流路ユニット4の下面は、インク吐出領域とな
っている。インク吐出領域の表面には、後述するよう
に、多数のインク吐出口8がマトリクス状に配列されて
いる。また、流路ユニット4の上方に配置されたベース
ブロック138内には、その長手方向に沿ってインク溜
まり3が形成されている。インク溜まり3は、その一端
に設けられた開口3aを介してインクタンク(図示せ
ず)に連通しており、常にインクで満たされている。イ
ンク溜まり3には、その延在方向に沿って開口3bが2
つずつ対になって、アクチュエータユニット21が設け
られていない領域に対応して千鳥状に設けられている。
【0030】図5は、図4内に描かれた一点鎖線で囲ま
れた領域の拡大図である。図4及び図5に示すように、
インク溜まり3は、開口3bを介してその下層にある流
路ユニット4内のマニホールド5と連通している。開口
3bには、インク内に含有される塵埃などを捕獲するた
めのフィルタ(図示せず)が設けられている。マニホー
ルド5は、その先端部が2つに分岐して副マニホールド
5aとなっている。1つのアクチュエータユニット21
の下部には、当該アクチュエータユニット21に対して
インクジェットヘッド1の長手方向両隣にある2つの開
口3bからそれぞれ2つの副マニホールド5aが進入し
てきている。つまり、1つのアクチュエータユニット2
1の下部には、合計で4つの副マニホールド5aがイン
クジェットヘッド1の長手方向に沿って延在している。
副マニホールド5aは共通インク通路として機能し、そ
の各々はインク溜まり3から供給されたインクで満たさ
れている。
【0031】図6は、図5に描かれた一点鎖線で囲まれ
た領域の拡大図である。図5及び図6は、流路ユニット
4における多数の圧力室10がマトリクス状に配置され
た平面を、垂直方向から見た状態を示している。流路ユ
ニット4の構成要素である圧力室10、アパーチャ1
2、ノズル8、副マニホールドなどは、後述するよう
に、図5及び図6の紙面に垂直方向においてそれぞれ異
なる高さに配置されている(図7参照)。
【0032】複数の圧力室10は、ノズル(図5及び図
6にはノズルの先端に形成されたインク吐出口8が示さ
れている)に接続されると共に、図5に示す台形のイン
ク吐出領域の表面に沿って、配列方向A(第1の方向)
および配列方向B(図6に描かれた菱形領域10xの紙
面上下方向に沿った斜辺の方向)の2方向に、マトリク
ス状に配置されている。圧力室10は、上記2方向にマ
トリクス状に配置された菱形領域10x内にそれぞれ収
まり且つ角部にアールが施された略菱形の平面形状(長
さ900μm、幅350μm)を有している。複数の菱
形領域10xは互いに重なり合うことなく各辺を共有す
るようにマトリクス状に隣接配置されている。各菱形領
域10x内の圧力室10は、対応する菱形領域10xと
中心を共通にして配置されているので、互いに離隔して
いる。各圧力室10は、図7にも示すように、一端をノ
ズルに接続すると共に、他端を共通インク通路としての
副マニホールド5aに連通している。
【0033】なお、図6には、平面視において圧力室1
0と重なり合い、圧力室10と相似で一回り小さい平面
形状を有する個別電極35a,35bが描かれている。
【0034】マトリクス状に配置された複数の圧力室1
0は、図6に示す配列方向A(第1の方向)に沿って、
複数の圧力室列を形成している。圧力室列としては、図
6の紙面に対して垂直な方向(第3の方向)から見て、
圧力室10に接続されたノズルの配置によって、第1の
圧力室列11aおよび第2の圧力室列11bに分けられ
る。第1の圧力室列11aを構成する圧力室10aは、
紙面に対して垂直な方向(第3の方向)から見て、配列
方向Aと交差する菱形領域10xの長い方の対角線方向
(第2の方向)に関して、接続されたノズルおよびその
先端に形成されたインク吐出口8が紙面上側に偏在して
いる。つまり、図6に示すように、本実施の形態におけ
る第1の圧力室列11aを構成する圧力室10aでは、
インク吐出口8がそれぞれ対応する菱形領域10xの上
端部に配置されている。一方、第2の圧力室列11bを
構成する圧力室10bは、上記第2の方向に関して、接
続されたノズルおよびその先端に形成されたインク吐出
口8が紙面下側に偏在している。つまり、図6に示すよ
うに、本実施の形態における第2の圧力室列11bを構
成する圧力室10bでは、インク吐出口8がそれぞれ対
応する菱形領域10xの下端部に配置されている。そし
てこれら第1および第2の圧力室列11a,11bは、
2列ずつ交互に配列されている。なお、図6に示す配列
方向A(第1の方向)は、インクジェットヘッド1の長
手方向、配列方向Bはインクジェットヘッド1の幅方向
からやや傾いた菱形の領域10xの一斜辺方向と対応す
るものである。
【0035】共通インク通路として機能する副マニホー
ルド5aは、配列方向Aに沿って延在し、且つ副マニホ
ールド5aの両側に配置された複数の圧力室10と連通
している。副マニホールド5aは、図6の紙面に対して
垂直な方向(第3の方向)から見て、ノズルおよびその
先端のインク吐出口8が副マニホールド5aを挟んで外
側を向くように互いに隣接した第1の圧力室列11aと
第2の圧力室列11bとを含み、ノズルおよびその先端
のインク吐出口8とは重ならないように延在している。
なお、副マニホールド5aは、その幅が広くなるよう
に、ノズルおよびインク吐出口8と重ならない範囲で互
いに隣接した第1および第2の圧力室列11a,11b
の大部分を含むのが好ましい。つまり、連通する各圧力
室10にインクを円滑に供給するために、副マニホール
ド5aの幅限界を圧力室10のインク吐出口8が接続さ
れた一端近傍までとするのが好ましい。これにより、副
マニホールド5aの上記第3の方向の厚さ(深さ)が決
められている場合でも、副マニホールド5aのインクに
対する流路抵抗を小さくすることができる。
【0036】図7は、図4に描かれたヘッド本体1aの
部分断面図である。各インク吐出口8は、図7からもわ
かるように、先細形状のノズルの先端に形成されてい
る。また、圧力室10と副マニホールド5aとの間に
は、アパーチャ12が、圧力室10と同様に流路ユニッ
ト4の表面と実質的に平行に延在している。このアパー
チャ12は、インクの流れを制限することで適当な流路
抵抗を付与してインク吐出の安定化を図るためのもので
ある。各インク吐出口8は、圧力室10(長さ900μ
m、幅350μm)及びアパーチャ12を介して副マニ
ホールド5aと連通している。このようにして、インク
ジェットヘッド1には、インクタンクからインク溜まり
3、マニホールド5、副マニホールド5a、アパーチャ
12及び圧力室10を経てインク吐出口8に至るインク
流路32が形成されている。
【0037】例えば、図7に示す圧力室10が図6に示
した第1の圧力室列11aを構成するものであるとする
と、副マニホールド5aの紙面右側には、第2の圧力室
列11bを構成する圧力室10に接続されたノズルが配
置されることになる。
【0038】図6の紙面に対して垂直な方向(第3の方
向)から見て、1つの圧力室10に連通したアパーチャ
12は、当該圧力室に隣接する圧力室10に重なるよう
に配置されている。このようなことが可能なことの一因
は、アパーチャ12を紙面に対して垂直な方向(第3の
方向)に関して圧力室10よりも副マニホールド5a側
に設け、圧力室10とアパーチャ12とを異なる高さと
したことにある。即ち、図7にも示すように、圧力室1
0、アパーチャ12、及び副マニホールド5aはそれぞ
れ、積層されたシート部材により形成され、上記第3の
方向から見ると、互いに重なりを持つように配置されて
いる。
【0039】なお、図5および図6においては、図面を
分かりやすくするために、アクチュエータユニット21
の下方にあって破線で描くべき圧力室10およびアパー
チャ12などを実線で描いている。
【0040】アクチュエータユニット21により圧力室
10にパルス状の圧力が付与されて圧力波が発生する
と、当該圧力室10内には菱形領域10xの長い方の対
角線方向(第2の方向)に沿って、インク吐出に寄与す
る圧力波が伝播する。圧力波の伝播方向が表面に垂直の
場合は、圧力室10の平面形状を円形や正多角形など原
点に対称な形状とするのが一般的である。しかし本実施
の形態のように、圧力室10内における流路ユニット4
の表面に沿った特定の方向に伝播する圧力波をインク吐
出のために利用する場合、圧力波の伝播時間長さ(AL
長:Acoustic Length)を長くすることで、インクの吐
出量や吐出周期を制御しやすくするため、圧力室10の
平面形状を圧力波の伝播方向に細長にするのが好まし
い。
【0041】圧力室10は、図5及び図6に描かれた平
面内において、インクジェットヘッド1の長手方向(配
列方向A)と、インクジェットヘッド1の幅方向からや
や傾いた方向(配列方向B)との2方向にインク吐出領
域内で配列されている。配列方向Aと配列方向Bは、直
角よりもやや小さい角度θをなしている。インク吐出口
8は、配列方向Aには50dpiで配列されている。一
方で、圧力室10は、配列方向Bには1つのアクチュエ
ータユニット21に対応するインク吐出領域内に12個
が含まれるように配列いる。これにより、インクジェッ
トヘッド1の全幅内で、配列方向Aに隣接する2つのイ
ンク吐出口8間の距離だけ離隔した範囲には、12個の
インク吐出口8が存在するようになっている。なお、各
インク吐出領域の配列方向Aについての両端部(アクチ
ュエータユニット21の斜辺に相当する)では、インク
ジェットヘッド1の幅方向に対向する別のアクチュエー
タユニット21に対応するインク吐出領域と相補関係と
なることで上記条件を満たしている。そのため、本実施
の形態によるインクジェットヘッド1では、配列方向A
及び配列方向Bに配列された多数のインク吐出口8か
ら、インクジェットヘッド1の幅方向への用紙に対する
相対的な移動に伴って順次インク滴を吐出させること
で、主走査方向に600dpiで印刷を行うことが可能
になっている。
【0042】次に、図8を参照して、流路ユニット4の
構造をより詳細に説明する。図8に示すように、圧力室
10は、配列方向Aに所定の間隔である50dpiで列
状に配列されている。このような圧力室10の列は、配
列方向Bには12列配列されて、全体として圧力室10
は1つのアクチュエータユニット21に対応したインク
吐出領域内において2次元配列をしている。
【0043】圧力室10には、ノズルが図8中上側の鋭
角部に接続されている圧力室10aと、下側の鋭角部に
接続されている圧力室10bとの2種類がある。複数の
圧力室10a及び複数の圧力室10bは、共に配列方向
Aに配列されて圧力室列11a、11bをそれぞれ形成
している。図8に示すように、1つのアクチュエータユ
ニット21に対応したインク吐出領域内においては、図
8中下側から順に2列の圧力室列11aが配列され、そ
の上側に隣接して2列の圧力室列11bが配列されてい
る。このような2列の圧力室列11aと2列の圧力室列
11bとの合わせて4列の圧力室列を1組とした圧力室
列の組が、1つのアクチュエータユニット21に対応し
たインク吐出領域内において、下側から3回繰り返して
配列されている。各圧力室列11a、11b中の各圧力
室の上側鋭角部を結ぶ直線は、この圧力室列に上側から
隣接する圧力室列中の各圧力室の下側斜辺と交差してい
る。
【0044】上述のように、図8の紙面に対して垂直な
方向から見て、圧力室10に接続されたノズルの配置位
置が異なる第1の圧力室列11aと第2の圧力室列11
bとを2列ずつ隣接して配列することにより、全体とし
て圧力室10は規則正しく整列している。一方、ノズル
は、これら4列の圧力室列を1組とした圧力室列の組の
中において中央領域に集まって配列されることになる。
これにより、上述のように、4列の圧力室列を1組とし
て、下側から3回繰り返して圧力室列の組を配置した場
合、圧力室列の組と組との境界近傍領域、すなわち、こ
のような4列の圧力室列からなる組の両側には、ノズル
が存在しない領域が形成される。そして、そこに各圧力
室10にインクを供給するための幅の広い副マニホール
ド5aが延設されている。本案施の形態では、1つのア
クチュエータユニット21に対応したインク吐出領域内
において、図中下側に1本、一番下側の圧力室列の組と
二番目の圧力室列の組との間に1本、一番上側の圧力室
列の組の両側に2本、合わせて4本の幅の広い副マニホ
ールド5aが配列方向Aに延設されている。
【0045】図8に示すように、インクを吐出するイン
ク吐出口8に連通するノズルは、配列方向Aには、この
方向に規則正しく並ぶ圧力室10に対応して、50dp
iの等間隔で配列されている。また、配列方向Aと角度
θで交差している配列方向Bにも12個の圧力室10が
規則正しく配列されているのとは異なり、これら12個
の圧力室10に対応した12個のノズルは、上述したよ
うに圧力室10の上側の鋭角部に連通したものと下側の
鋭角部に連通したものとがあって、配列方向Bに規則的
に一定の間隔で配列されていない。
【0046】他方、ノズルが圧力室10の同じ側の鋭角
部に常に連通している場合には、ノズルも配列方向Bの
方向に規則的に一定の間隔で配列されることになる。す
なわち、この場合、ノズルは、図中下側から上側に1圧
力室列上がるごとに配列方向Aに印字時の解像度である
600dpiに相当する間隔ずつ変位するように配列さ
れる。これに対して、本実施の形態では、2列の圧力室
列11aと2列の圧力室列11bとの合わせて4列の圧
力室列を1組として、これが下側から3回繰り返して配
列されているので、図中下側から上側に1圧力室列上が
るごとのノズル位置の配列方向Aへの変位は常に同じで
はない。
【0047】本実施の形態によるインクジェットヘッド
1において、配列方向Aに50dpiに相当する幅(約
508.0μm)を有し、この配列方向Aと直交する方
向に延在する帯状領域Rについて考える。この帯状領域
Rの中には、12列の圧力室列の内の何れの列について
も、ノズルが1つしか存在していない。すなわち、1つ
のアクチュエータユニット21に対応したインク吐出領
域内の任意の位置に、このような帯状領域Rを区画した
場合、この帯状領域R内には、常に12個のノズルが分
布している。そして、これら12個の各ノズルを配列方
向Aに延びる直線上に射影した点の位置は、印字時の解
像度である600dpiに相当する間隔ずつ離隔してい
る。
【0048】1つの帯状領域Rに属する12個のノズル
を配列方向Aに延びる直線上に射影した位置が左にある
ものから順に、これら12個のノズルを(1)〜(12)と記
することにしたとき、これら12個のノズルは、下か
ら、(1)、(7)、(2)、(8)、(5)、(11)、(6)、(12)、
(9)、(3)、(10)、(4)の順番に並んでいる。
【0049】このように構成された本実施の形態による
インクジェットヘッド1において、アクチュエータユニ
ット21内の活性層を適宜駆動させると、600dpi
の解像度を有する文字や図形等を描画することができ
る。つまり、12列の圧力室列に対応した活性層を印字
媒体の搬送に合わせて順次選択的に駆動することで、特
定の文字や図形を印字媒体に印刷することができる。
【0050】例えば、600dpiの解像度で配列方向
Aに延びる直線を印字する場合について説明する。ま
ず、ノズルが圧力室10の同じ側の鋭角部に連通してい
る場合について簡単に説明する。この場合には、印字蝶
体が搬送されるのに対応して、図8中一番下に位置する
圧力室列中のノズルからインクの吐出を始め、順次上側
に隣接する圧力室列に属するノズルを選択してインクを
吐出する。これにより、インクのドットが配列方向Aに
向かって600dpiの間隔で隣接しながら形成されて
いく。最終的には、全体で600dpiの解像度で配列
方向Aに延びる直線が描かれることになる。
【0051】一方、本案施の形態では、図8中一番下に
位置する圧力室列11a中のノズルからインクの吐出を
始め、印字媒体が搬送されるのに伴って順次上側に隣接
する圧力室に連通するノズルを選択してインクを吐出し
ていく。このとき、下側から上側に1圧力室列上がるご
とのノズル位置の配列方向Aへの変位が常に同じでない
ので、印字媒体が搬送されるのに伴って配列方向Aに沿
って順次形成されるインクのドットは、600dpiの
間隔で等間隔にはならない。
【0052】すなわち、図8に示したように、印字媒体
が搬送されるのに対応して、まず図中一番下の圧力室列
11aに連通するノズル(1)からインクが吐出され、印
字媒体上に50dpiに相当する間隔(約508.0μ
m)でドット列が形成される。この後、印字媒体の搬送
に伴って、直線の形成位置が下から2番目の圧力室列1
1aに連通するノズル(7)の位置に達すると、このノズ
ル(7)からインクが吐出される。これにより、始めに形
成されたドット位置から600dpiに相当する間隔分
(約42.3μm)の6倍だけ配列方向Aに変位した位
置(約42.3μm×6=約254.0μm)に2番目
のインクドットが形成される。
【0053】次に、印字媒体の搬送に伴って、直線の形
成位置が下から3番目の圧力室列11bに連通するノズ
ル(2)の位置に達すると、ノズル(2)からインクが吐出さ
れる。これにより、始めに形成されたドット位置から6
00dpiに相当する間隔分(約42.3μm)だけ配
列方向Aに変位した位置に3番目のインクドットが形成
される。さらに、印字媒体の搬送に伴って、直線の形成
位置が下から4番目の圧力室列11bに連通するノズル
(8)の位置に達すると、ノズル(8)からインクが吐出され
る。これにより、始めに形成されたドットの位置から6
00dpiに相当する間隔分(約42.3μm)の7倍
だけ配列方向Aに変位した位置(約42.3μm×7=
約296.3μm)に4番目のインクドットが形成され
る。さらに、印字媒体の搬送に伴って、直線の形成位置
が下から5番目の圧力室列11aに連通するノズル(5)
の位置に達すると、ノズル(5)からインクが吐出され
る。これにより、始めに形成されたドット位置から60
0dpiに相当する間隔分(約42.3μm)の4倍だ
け配列方向Aに変位した位置(約42.3μm×4=約
169.3μm)に5番目のインクドットが形成され
る。
【0054】以下同様にして、順次図中下側から上側に
位置する圧力室10に連通するノズルを選択しながらイ
ンクドットが形成されていく。このとき、図8中に示し
たノズルの番号をNとすると、(倍率n=N−1)×
(600dpiに相当する間隔)に相当する分だけ、始
めに形成されたドット位置から配列方向Aに変位した位
置にインクドットが形成される。最終的に12個のノズ
ルを選択し終わったときには、図中一番下の圧力室列1
1a中のノズル(1)により50dpiに相当する間隔
(約508.0μm)で形成されたインクドットの間が
600dpiに相当する間隔(約42.3μm)毎に離
れて形成された12個のドットで繋げられ、全体で60
0dpiの解像度で配列方向Aに延びる直線を描くこと
が可能になっている。
【0055】図9は、図4に描かれたヘッド本体1aの
部分分解斜視図である。図7及び図9に示すように、イ
ンクジェットヘッド1の底部側の要部は、上から、アク
チュエータユニット21、キャビティプレート22、ベ
ースプレート23、アパーチャプレート24、サプライ
プレート25、マニホールドプレート26,27,2
8、カバープレート29及びノズルプレート30の合計
10枚のシート材が積層された積層構造を有している。
これらのうち、アクチュエータユニット21を除いた9
枚のプレートから流路ユニット4が構成されている。
【0056】アクチュエータユニット21は、後で詳述
するように、5枚の圧電シートが積層され且つ電極が配
されることによってそのうちの3層が電界印加時に活性
層となる部分を有する層(以下、単に「活性層と含む
層」と称する)とされ残り2層が非活性層とされたもの
である。キャビティプレート22は、圧力室10に対応
するほぼ菱形の開口が多数設けられた金属プレートであ
る。ベースプレート23は、キャビティプレート22の
1つの圧力室10について、圧力室10とアパーチャ1
2との連絡孔及び圧力室10からインク吐出口8への連
絡孔がそれぞれ設けられた金属プレートである。アパー
チャプレート24は、キャビティプレート22の1つの
圧力室10について、アパーチャ12のほかに圧力室1
0からインク吐出口8への連絡孔がそれぞれ設けられた
金属プレートである。サプライプレート25は、キャビ
ティプレート22の1つの圧力室10について、アパー
チャ12と副マニホールド5aとの連絡孔及び圧力室1
0からインク吐出口8への連絡孔がそれぞれ設けられた
金属プレートである。マニホールドプレート26、2
7、28は、副マニホールド5aに加えて、キャビティ
プレート22の1つの圧力室10について、圧力室10
からインク吐出口8への連絡孔がそれぞれ設けられた金
属プレートである。カバープレート29は、キャビティ
プレート22の1つの圧力室10について、圧力室10
からインク吐出口8への連絡孔がそれぞれ設けられた金
属プレートである。ノズルプレート30は、キャビティ
プレート22の1つの圧力室10について、ノズルとし
て機能する先細のインク吐出口8がそれぞれ設けられた
金属プレートである。
【0057】これら10枚のプレート21〜30は、図
7に示すようなインク流路32が形成されるように、互
いに位置合わせして積層される。このインク流路32
は、副マニホールド5aからまず上方へ向かい、アパー
チャ12において水平に延在し、それからさらに上方に
向かい、圧力室10において再び水平に延在し、それか
らしばらくアパーチャ12から離れる方向に斜め下方に
向かってから垂直下方にインク吐出口8へと向かう。
【0058】次に、アクチュエータユニット21の構造
について説明する。図10は、図7内に描かれた一点鎖
線で囲まれた領域を横方向から見た拡大断面図である。
図10に示すように、アクチュエータユニット21は、
それぞれ厚みが15μm程度で同じになるように形成さ
れた5枚の圧電シート41,42,43,44,45を
含んでいる。これら圧電シート41〜45は、インクジ
ェットヘッド1内の1つのインク吐出領域内に形成され
た多数の圧力室10に跨って配置されるように連続した
層状の平板(連続平板層)となっている。圧電シート4
1〜45が連続平板層として多数の圧力室10に跨って
配置されることで、例えばスクリーン印刷技術を用いる
ことにより、個別電極35a、35bを高密度に配置す
ることが可能となっている。そのため、個別電極35
a、35bに対応する位置に形成される圧力室10をも
高密度に配置することが可能となって、高解像度画像の
印刷ができるようになる。本実施の形態において、圧電
シート41〜45は、強誘電性を有するチタン酸ジルコ
ン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料からなるもので
ある。
【0059】アクチュエータユニット21の最上層にあ
る圧電シート41とその下方に隣接した圧電シート42
との間には、厚み2μm程度の共通電極34aが介在し
ている。共通電極34aは、1つのアクチュエータユニ
ット21内のほぼ全域にわたって延在した1枚の導電シ
ートである。同様に、圧電シート42の下方に隣接した
圧電シート43とその下方に隣接した圧電シート44と
の間にも、共通電極34aと同様の形状を有する厚み2
μm程度の共通電極34bが介在している。
【0060】なお、共通電極34a、34bは、積層方
向への射影領域が圧力室領域を含むように圧力室10よ
りも大きいものが圧力室10ごとに多数形成されてもよ
いし、或いは、射影領域が圧力室領域に含まれるように
圧力室10よりもやや小さいものが圧力室10ごとに多
数形成されてもよく、必ずしもシート全面に形成された
1枚の導電シートである必要はない。ただし、このと
き、圧力室10に対応する部分がすべて同一電位となる
ように共通電極どうしが電気的に接続されていることが
必要である。
【0061】図10に示すように、圧電シート41の上
面であって圧力室10に対応する位置には、厚み1μm
程度の個別電極35aが形成されている。個別電極35
aは、平面形状が略菱形であって圧力室10とほぼ相似
形状(長さ850μm、幅250μm)を有し、積層方
向への射影領域が圧力室10領域に含まれる(図6参
照)。圧電シート42と圧電シート43との間であって
個別電極35aと対応する位置には、個別電極35aと
同様の平面形状を有する厚み2μm程度の個別電極35
bが介在している。なお、圧電シート44とその下方に
隣接した圧電シート45との間、及び、圧電シート45
の下方には、電極が配置されていない。各電極34a,
34b,35a,35bは、Ag−Pd系等の金属材料
からなるものである。
【0062】共通電極34a,34bは、図示しない領
域において接地されている。これにより、共通電極34
a,34bは、すべての圧力室10に対応する領域にお
いて等しくグランド電位に保たれている。また、個別電
極35a,35bは、各圧力室10に対応するものごと
に電位を制御することができるように、各個別電極35
a,35bごとに独立した別のリード線を含むFPC1
36を介してドライバIC132に接続されている(図
2および図3参照)。このとき、上下で対になった個別
電極35a,35b同士は同じリード線を介してドライ
バIC132に接続されてよい。
【0063】本実施の形態によるインクジェットヘッド
1において、圧電シート41〜43はその厚み方向に分
極されている。従って、個別電極35a,35bを共通
電極34a,34bと異なる電位にして圧電シート41
〜43に対してその分極方向に電界を印加すると、圧電
シート41〜43における電界が印加された部分が活性
層として働き、その厚み方向すなわち積層方向には伸長
又は収縮し、圧電横効果により積層方向と垂直な方向す
なわち面方向には収縮又は伸長しようとする。一方、残
り2枚の圧電シート44、45は、個別電極35a,3
5bと共通電極34a,34bとに挟まれた領域をもた
ない非活性層であるので、自発的に変形することができ
ない。つまり、アクチュエータユニット21は、上側
(つまり、圧力室10とは離れた)3枚の圧電シート4
1〜43を活性層を含む層とし且つ下側(つまり、圧力
室10に近い)2枚の圧電シート44,45を非活性層
とした、いわゆるユニモルフタイプの構成となってい
る。
【0064】そのため、電界と分極とが同方向となるよ
うにドライバIC132を制御して個別電極35a,3
5bを共通電極34a,34bに対して正又は負の所定
電位とすると、圧電シート41〜43の個別電極35
a,35bと共通電極34a,34bとで挟まれた活性
層が面方向に収縮し、その一方で圧電シート44,45
は自発的には収縮しない。このとき、図10で示したよ
うに、圧電シート41〜45の下面はキャビティプレー
ト22に形成された圧力室10を区画する隔壁の上面に
固着されているので、圧電横効果に基づく面方向の収縮
により、圧電シート41〜45は圧力室10側へ凸にな
るように変形(ユニモルフ変形)する。すると、圧力室
10の容積が低下して、インクの圧力が上昇し、インク
吐出口8からインクが吐出される。その後、個別電極3
5a,35bの電位が元に戻れば、圧電シート41〜4
5は元の平板形状となり、圧力室10の容積が元の容積
に戻るので、インクをマニホールド5側から吸い込む。
【0065】なお、他の駆動方法として、圧電シート4
1〜45が圧力室10側へ凸に変形するように、予め個
別電極35a,35bを共通電極34a,34bと異な
る電位にしておき、吐出要求があるごとに個別電極35
a,35bを共通電極34a,34bと一旦同じ電位と
し、その後所定のタイミングにて再び個別電極35a,
35bを共通電極34a,34bと異なる電位にするこ
ともできる。この場合は、個別電極35a,35bと共
通電極34a,34bとが同じ電位になるタイミング
で、圧電シート41〜45が元の形状に戻り、圧力室1
0の容積は初期状態(両電極の電位が異なる状態)と比
較して増加し、インクがマニホールド5側から圧力室1
0内に吸い込まれる。その後再び個別電極35a,35
bを共通電極34a,34bと異なる電位にしたタイミ
ングで、圧電シート41〜45が圧力室10側へ凸とな
るように変形し、圧力室10の容積低下によりインクへ
の圧力が上昇し、インクが吐出される。
【0066】圧電シート41〜43に印加される電界方
向とその分極方向とが逆であれば、個別電極35a,3
5bと共通電極34a,34bとで挟まれた圧電シート
41〜43中の活性層が分極方向と直角方向に伸長しよ
うとする。従って、圧電シート41〜45は、圧電横効
果に基づき、圧力室10側に凹となるように変形する。
このため、圧力室10の容積が増加して、インクをマニ
ホールド5側から吸い込む。その後、個別電極35a,
35bの電位が元に戻れば、圧電シート41〜45は元
の平板形状となり、圧力室10の容積が元の容積に戻る
ので、インク吐出口8からインクを吐出する。
【0067】以上のように、本実施の形態のインクジェ
ットヘッド1では、図6に示すように、流路ユニット4
の表面と垂直な方向(第3の方向)から見て、各圧力室
10に接続されたノズル(図6には先端のインク吐出口
8が示されている)を圧力室10の中央に設けずに一端
に偏在させ、配列方向Aに関して互いにノズルが反対側
に偏在した第1および第2の圧力室列11a,11bの
境界領域を含むように共通インク通路として機能する副
マニホールド5aを配置することで、副マニホールド5
aの幅を広くすることができる。したがって、副マニホ
ールド5aの上記第3の方向の厚さ(深さ)が決められ
ている場合でも、副マニホールド5aのインクに対する
流路抵抗が小さくなり、圧力室10へのインクの供給を
円滑に行うことができる。
【0068】また、図7に示すように、流路ユニット4
はその表面とほぼ平行に延在するアパーチャ12を含
み、各圧力室10と副マニホールド5aとをアパーチャ
12を介して接続することにより、副マニホールド5a
の数を少なくすることができる。例えば各圧力室10と
副マニホールド5aとをアパーチャ12を介さずに直接
連通させる場合、副マニホールド5aを図6に示す各圧
力室列11a,11bに対してその列方向に沿って延在
させる必要がある。しかし本実施の形態のように各圧力
室10と副マニホールド5aとをアパーチャ12を介し
て接続することにより、流路ユニット4表面と垂直な第
3の方向から見て圧力室10が副マニホールド5aから
多少離れていてもインク供給が可能になるため、圧力室
列11a,11b毎に設ける必要がなくなる。
【0069】また、図7に示すように、圧力室10とア
パーチャ12とを流路ユニット4表面と垂直な方向(第
3の方向)に関して異なる高さに設けることで、第3の
方向から見て圧力室10とアパーチャ12とを重ねるこ
とができる。これにより、圧力室10の高集積化が可能
となり、比較的小さな占有面積のインクジェットヘッド
1による高解像度の画像形成が実現される。
【0070】また、図6に示すように、第1の圧力室列
11aと第2の圧力室列11bとを2列ずつ交互に配列
することで、後述の変形例の場合と比べて副マニホール
ド5aの数を少なくすることができる。また、隣接する
2列ずつの圧力室列11a,11bに対して1つの副マ
ニホールド5aを配置することにより、副マニホールド
5aの幅を広くすることができるため、流路抵抗がより
小さくなってインクの供給が円滑に行われる。
【0071】なお、流路抵抗に関して副マニホールド5
aの幅を広げることが有利であることは、以下のような
考察により説明できる。先ず、幅a深さbの矩形断面で
流路長lの副マニホールドについて考えると、この副マ
ニホールドを通過するインクに対する流路抵抗Rは次式
(1)で表される。
【0072】
【数1】 μ:インクの粘度
【0073】次に上記の副マニホールドに比べて小さい
幅a/n(n:2以上の整数)を有する副マニホールド
をn本並設することで全体としての幅をaとした場合、
各副マニホールドを通過するインクに対する流路抵抗
R’は次式(2)で表される。
【0074】
【数2】
【0075】式(1),(2)より、次式(3)が得ら
れる。
【0076】
【数3】
【0077】式(3)よりR/R’<1であることか
ら、全流路幅を同じにしようとする場合、幅の小さい副
マニホールドを多数設けるよりも幅の大きい副マニホー
ルドを少数設ける方が、流路抵抗が小さくなるのがわか
る。また逆に、副マニホールドの幅が広いとインクに対
する流路抵抗が小さくなってインクが供給されやすくな
ることを考慮すると、所定の数の圧力室と圧力室列の長
さに対して、幅の小さい副マニホールドを多数設けるよ
りも幅の大きい副マニホールドを少数設ける方が、全流
路幅が小さくなっても過不足なくインクの供給ができる
ともいえる。
【0078】なお、副マニホールド5aの幅は各圧力室
10に対して過不足なくインクの供給ができる範囲で決
めればよい。本実施の形態では、隣接する2列ずつの圧
力室列11a,11bに対して1つの副マニホールド5
aをノズル近傍まで広げて配置している。
【0079】また、本実施形態の副マニホールド5a
は、流路ユニット4表面と垂直な方向(第3の方向)か
ら見て、各圧力室10に接続されたノズルのインク吐出
口8が外側を向くように、互いに隣接した1つの第1の
圧力室列11aと1つの第2の圧力室列11bとの大部
分を含んでいる。このように副マニホールド5aの幅を
ノズルおよびその先端のインク吐出口8と重ならない範
囲で広くすることで、副マニホールド5aの流路抵抗を
より小さくしてインク供給の円滑化を図ることができ
る。
【0080】また、圧力室10内における圧力波の伝播
方向が流路ユニット4の表面とほぼ平行であるので、伝
播方向が流路ユニット4の表面と垂直な場合と比べてA
L長を利用したインクの吐出制御が容易になる。AL長
が短い場合はいわゆる「押し打ち」によりインクを吐出
させるのが一般的であるが、本実施の形態のようにAL
長が長い場合、圧力波の反転反射を利用して「押し打
ち」よりも投入エネルギーの小さい「引き打ち」(予め
全ての個別電極35a,35bに電圧を印加して全ての
圧力室10の容積を縮小させておき、インクの吐出動作
をしようとする圧力室10のみ個別電極35a,35b
の電圧を解除して容積を拡大し、その後、再び個別電極
35a,35bに電圧を印加して圧力室10の容積を縮
小することにより圧力室10内を伝播する圧力波を利用
して効率よくインクに吐出圧力を加える方式)を行う時
間的余裕ができる。したがって、圧力波の伝播方向が圧
力室10の表面に垂直な場合と比較して、エネルギー効
率を改善することができる。
【0081】また、流路ユニット4はそれぞれに対応し
た開口を設けた9枚のシート部材22〜30を積層して
形成されているため、流路ユニット4の作製が容易であ
る。
【0082】また、インクジェットヘッド1のヘッド本
体1aでは、インク吐出領域ごとに分割された複数のア
クチュエータユニット21が、流路ユニット4に接着さ
れた状態でその長手方向に沿って配列されている。これ
により、焼結などによって成形されるために寸法精度に
ばらつきが生じやすいアクチュエータユニット21ごと
に流路ユニット4との位置合わせを行うことが可能とな
り、ヘッドを長尺化しても各アクチュエータユニット2
1と流路ユニット4との位置ずれ量の増加が抑制され、
両者を精度よく位置合わせすることができる。よって、
目印から比較的遠くにある個別電極35a、35bにつ
いてもその圧力室10に対する位置が所定位置から大幅
にずれることが少なくなって、インクジェットヘッド1
の製造歩留まりが飛躍的に向上する。他方、これとは異
なり、アクチュエータユニット21を流路ユニット4と
同様の長尺体として形成すると、アクチュエータユニッ
ト21を流路ユニット4と重ねたときの平面視における
各圧力室10に対する個別電極35a、35bの位置の
所定位置からのずれ量が目印から離れるに連れて大きく
なり、目印から比較的離れた圧力室10におけるインク
吐出性能が劣化し、インクジェットヘッド1内でのイン
ク吐出性能の均一性が失われてしまう。
【0083】アクチュエータユニット21では圧電シー
ト41〜43を共通電極34a、34bと個別電極35
a、35bとで挟み込んでいるので、圧電効果によって
容易に圧力室10の容積を変化させることができる。ま
た、圧電シート41〜45が連続した層状の平板(連続
平板層)であるため、アクチュエータユニット21を容
易に製造することが可能である。
【0084】また、インクジェットヘッド1は、圧力室
10に近い圧電シート44、45を非活性層とし、圧力
室10から離れた圧電シート41〜43を活性層を含む
層としたユニモルフ構造のアクチュエータユニット21
を有している。そのため、圧電横効果により圧力室10
の容積変化量を大きくすることができて、圧力室10側
に活性層、その反対側に非活性層が配置されたアクチュ
エータユニットと比較して個別電極35a、35bの駆
動電圧の低電圧化および/又は圧力室10の高集積化を
図ることが可能となる。駆動電圧の低電圧化を図ること
により、個別電極35a、35bを駆動するドライバを
小型化できてコストを抑えることができ、圧力室10を
小さくできてその高集積化を図ったときであっても十分
な量のインクを吐出することが可能となって、ヘッド1
の小型化と印刷ドットの高密度配置が実現される。
【0085】さらに、上述のように、インクジェットヘ
ッド1のヘッド本体1aでは、各アクチュエータユニッ
ト21が実質的に台形形状を有しており、各アクチュエ
ータユニット21の平行対向辺が流路ユニット4の長手
方向に沿い且つ隣接するアクチュエータユニット21の
斜辺同士が流路ユニット4の幅方向にオーバーラップす
るように複数のアクチュエータユニット21が千鳥状に
2列配置されている。このように、隣接するアクチュエ
ータユニット21の斜辺同士がオーバーラップしている
ことで、インクジェットヘッド1の長手方向において、
流路ユニット4の幅方向に沿って存在する圧力室10同
士が補完し合うことができ、高解像度印刷を実現しつ
つ、非常に幅の狭い小型のインクジェットヘッド1とす
ることができる。
【0086】以上、本発明の好適な実施の形態について
説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるもので
はなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な
設計変更が可能なものである。
【0087】例えば、流路ユニット4の表面に沿ってマ
トリクス状に配置された複数の圧力室10の配列方向と
しては、流路ユニット4の表面に沿っていれば、上述し
た実施の形態において図6に示した配列方向A,Bに限
定されず、様々な方向を取ってよい。流路ユニット4に
おける圧力室10の配列の変形例として、図11に示す
ものがある。図11では、図6とは配列方向Aと配列方
向Bとのなす角度θが異なり、より小さい角度になって
いる。また、配列方向A及び配列方向Bと、菱形領域1
0xの長い方の対角線方向との関係も、図6に示したも
のとは異なり、配列方向Aに対して対角線方向の方が配
列方向Bよりも大きな角度をなしている。
【0088】さらに流路ユニット4における圧力室10
の配置の変形例として、図12に示すような、第1の圧
力室列11aと第2の圧力室列11bとを1列ずつ交互
に配列したものがある。第1の圧力室列11aを構成す
る配列方向Aにおいて互いに隣接する圧力室10の間の
領域には、それぞれ、紙面上側から、第2の圧力室列1
1bを構成する圧力室10が入り込むように配置されて
いる。この領域には、紙面下側から、別の第2の圧力室
列11bを構成する圧力室10が配置されている。また
同様に、第2の圧力室列11bを構成する配列方向Aに
おいて互いに隣接する圧力室10の間の領域には、それ
ぞれ、紙面上側及び下側から、第1の圧力室列11aを
構成する圧力室10が入り込むように配置されている。
このため、図6に示す上述の実施の形態の場合と比較し
て、副マニホールド15aの幅が狭くなる。しかし、菱
形領域10xの長い方の対角線方向に関して一方側にイ
ンク吐出口8が偏在して配置された圧力室10で構成さ
れた場合や、インク吐出口8を圧力室10の中央部に配
置して構成された場合のように、隣接する圧力室列にお
けるインク吐出口8間の距離の広がりが生じない場合と
比べると、副マニホールド15aの幅は広くなる。した
がって、副マニホールド5aのインクに対する流路抵抗
が小さくなり、圧力室10へのインクの供給を円滑に行
うことができる。
【0089】また、圧力室10の収まる領域は菱形では
なく平行四辺形など様々な形状であってよく、それに収
まる圧力室10自体の平面形状も平行四辺形などに適宜
変更してもよい。また、圧力室10の高集積化は期待で
きないが、圧力室10を圧力波の伝播方向に細長の形状
としなくてもよい。
【0090】また、インク吐出の安定化という観点から
は好ましくないが、圧力室10と副マニホールド5aと
はアパーチャ12を介さず直接連通されてよい。また、
アパーチャ12を流路ユニット4の表面と垂直な第3の
方向に関して圧力室10と同じ高さに設けてよい。しか
しこの場合、流路ユニット4の表面と垂直な方向(第3
の方向)から見て圧力室10とアパーチャ12とを重ね
られないので圧力室10の高集積化を図ることはできな
い。
【0091】また、流路抵抗を小さくするという観点か
らは、副マニホールド5aが互いに隣接した圧力室列1
1a,11bの大部分を含むのが好ましいが、少なくと
もそれらの列の境界領域を含めばよい。
【0092】また、圧力室10内における圧力波の伝播
方向が流路ユニット4の平面に沿っていなくてもよい。
【0093】また、流路ユニット4は、複数のシート部
材を積層したものでなくてもよい。
【0094】また、アクチュエータユニット21におけ
る圧電シートや電極の材料は、上述したものに限らず、
その他の公知の材料に変更してもよい。また、非活性層
として、圧電シート以外の絶縁シートを用いてもよい。
さらに活性層を含む層の数、非活性層の数なども、適宜
変更してよい。例えば、上述の実施の形態において、ア
クチュエータユニット21に含まれる活性層を含む層で
ある圧電シートは3又は5層に積層されているが、7層
以上に積層されてもよい。そして圧電シートの積層数に
伴い、個別電極および共通電極の数も適宜変更してよ
い。また、上述した実施の形態ではアクチュエータユニ
ット21に含まれる非活性層の圧電シートは2層となっ
ているが、1層であってもよいし、アクチュエータユニ
ット21の伸縮変形が阻害されない範囲で3層以上とし
てもよい。また、上述した実施の形態のアクチュエータ
ユニット21では、活性層を含む層の圧力室側に非活性
層が配置されているが、非活性層の圧力室10側に活性
層を含む層が配置されてもよいし、非活性層を設けなく
てもよい。ただし、活性層を含む層の圧力室10側に非
活性層44、45を設けることで、アクチュエータユニ
ット21の変位効率がさらに向上することが期待でき
る。
【0095】また、上述の実施の形態では共通電極をグ
ランド電位に保つものとしているが、各圧力室10に共
通の電位であればこれに限定されるものではない。
【0096】また、上述の実施の形態では、図4に示す
ように、台形とした複数のアクチュエータユニット21
を2列に千鳥状に配置しているが、アクチュエータユニ
ットは必ずしも台形にしなくてもよく、複数のアクチュ
エータユニットを流路ユニットの長手方向に沿って単に
1列に配列してもよい。或いは、アクチュエータユニッ
トを3列以上に千鳥状に配置してもよい。また、1つの
アクチュエータユニット21を複数の圧力室10に跨っ
て配置するのではなく、各圧力室10に1つのアクチュ
エータユニット21を配置してもよい。
【0097】また、共通電極34a,34bは、積層方
向への射影領域が圧力室領域を含むように或いは射影領
域が圧力室領域に含まれるように圧力室10ごとに多数
形成されたものであってもよく、必ずしも1つのアクチ
ュエータユニット21内のほぼ全域に設けられた1枚の
導電シートである必要はない。ただし、このとき、圧力
室10に対応する部分がすべて同一電位となるように共
通電極同士が電気的に接続されていることが必要であ
る。
【0098】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1による
と、共通インク通路のインクに対する流路抵抗が小さく
なり、圧力室へのインクの供給を円滑に行うことができ
る。
【0099】請求項2によると、共通インク通路を圧力
室列毎に設ける必要がなくなる。
【0100】請求項3によると、圧力室の高集積化が可
能となり、比較的小さな占有面積のインクジェットヘッ
ドによる高解像度の画像形成が実現される。
【0101】請求項4によると、副マニホールドの数を
少なくすることができ、流路抵抗をより小さく抑えてイ
ンクの供給を円滑に行うことができる。
【0102】請求項5によると、共通インク通路内の流
路抵抗をより小さくしてインク供給の円滑化を図ること
ができる。
【0103】請求項6によると、エネルギー効率を改善
することができる。
【0104】請求項7によると、流路ユニットの作製が
容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるインクジェットヘ
ッドを含むインクジェットプリンタの概略図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるインクジェットヘ
ッドの斜視図である。
【図3】図2のII−II線に沿った断面図である。
【図4】図2に描かれたインクジェットヘッドに含まれ
るヘッド本体の平面図である。
【図5】図4に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大
図である。
【図6】図5に描かれた一点鎖線で囲まれた領域の拡大
図である。
【図7】図6に描かれたIII−III線に沿った、図
4に描かれたヘッド本体の部分断面図である。
【図8】図5内に描かれた二点鎖線で囲まれた領域の拡
大図である。
【図9】図4に描かれたヘッド本体の部分分解斜視図で
ある。
【図10】図7内に描かれた一点鎖線で囲まれた領域を
横方向から見た拡大断面図である。
【図11】流路ユニットにおける圧力室の配置の一変形
例を示す模式図である。
【図12】流路ユニットにおける圧力室の配置の別の変
形例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 1a ヘッド本体 3 インク溜まり 3a、3b 開口 4 流路ユニット 5 マニホールド 5a,15a 副マニホールド(共通インク通路) 8 インク吐出口(ノズル) 10 圧力室 10x 菱形領域(平行四辺形領域) 22,23,24,25,26,27,28,29,3
0(シート部材) 12 アパーチャ 21 アクチュエータユニット 22 キャビティプレート 30 ノズルプレート 32 インク流路 34a、34b 共通電極 35a、35b 個別電極 11a 第1の圧力室列 11b 第2の圧力室列 41〜43 圧電シート 44、45 圧電シート 50 フレキシブルプリント配線板(FPC) 101 インクジェットプリンタ R 帯状領域
フロントページの続き (72)発明者 坂井田 惇夫 愛知県名古屋市瑞穂区苗代町15番1号 ブ ラザー工業株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF06 AG15 AG33 AG38 AG91 AH05 AN05 AP02 BA04 BA14

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズルに接続され且つ平面に沿ってマト
    リクス状に配置されることにより前記平面内における第
    1の方向に複数の圧力室列を形成する複数の圧力室と、
    前記第1の方向に沿って延在し且つ複数の前記圧力室に
    連通した複数の共通インク通路とが設けられた流路ユニ
    ットを備えており、 前記圧力室列が、前記平面と垂直な第3の方向から見
    て、前記第1の方向と交差する第2の方向に関して、接
    続された前記ノズルが一方側に偏在した前記圧力室から
    なる第1の圧力室列と他方側に偏在した前記圧力室から
    なる第2の圧力室列とを含み、 前記共通インク通路が、前記第3の方向から見て、接続
    された前記ノズルが外側を向くように互いに隣接した1
    つの前記第1の圧力室列と1つの前記第2の圧力室列と
    の境界領域を少なくとも含み且つ前記ノズルと重ならな
    いことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記流路ユニットが前記平面と実質的に
    平行に延在するアパーチャを含み、前記圧力室と前記共
    通インク通路とが前記アパーチャを介して接続されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘ
    ッド。
  3. 【請求項3】 前記アパーチャが前記第3の方向に関し
    て前記圧力室と異なる高さに設けられていることを特徴
    とする請求項1又は2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 前記第1の圧力室列と前記第2の圧力室
    列とが2列ずつ交互に配列されていることを特徴とする
    請求項2又は3に記載のインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 前記共通インク通路が、前記第3の方向
    から見て、接続された前記ノズルが外側を向くように互
    いに隣接した1つの前記第1の圧力室列と1つの前記第
    2の圧力室列との大部分を含んでいることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェットヘ
    ッド。
  6. 【請求項6】 前記圧力室内における圧力波の伝播方向
    が前記平面と実質的に平行であることを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェットヘッ
    ド。
  7. 【請求項7】 前記流路ユニットが複数のシート部材を
    積層して形成されていることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか一項に記載のインクジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 インクを吐出する複数のノズルと、 前記ノズルに連通すると共に実質的に平行四辺形の平面
    形状を有する複数の圧力室が互いに隣接配置されたこと
    によって形成された複数の圧力室列と、 前記複数の圧力室のいずれかに連通すると共に前記複数
    の圧力室列に跨るように互いに平行に延在する第1及び
    第2の共通インク通路とを備えており、 前記圧力室列が、 一方の鋭角部において前記第1の共通インク通路、他方
    の鋭角部において第1のノズルにそれぞれ連通する第1
    の圧力室と、 前記第1の圧力室と前記第1のノズルに連通する鋭角部
    側において隣接し、前記第1の圧力室と対向する側の鋭
    角部において前記第1の共通インク通路、もう一方の鋭
    角部において第2のノズルにそれぞれ連通する第2の圧
    力室と、 前記第2の圧力室と前記第2のノズルに連通する鋭角部
    側において隣接し、前記第2の圧力室と対向する側の鋭
    角部において第3のノズル、もう一方の鋭角部において
    前記第2の共通インク通路にそれぞれ連通する第3の圧
    力室と、 前記第3の圧力室と前記第2の共通インク通路に連通す
    る鋭角部側において隣接し、前記第3の圧力室と対向す
    る側の鋭角部において第4のノズル、もう一方の鋭角部
    において前記第2の共通インク通路にそれぞれ連通する
    第4の圧力室とを有し、 前記複数の圧力室列が形成された平面内において、前記
    第1のノズル、前記第2のノズル、前記第3のノズル、
    および前記第4のノズルが、前記第1の共通インク通路
    と前記第2の共通インク通路との間に配置されているこ
    とを特徴とするインクジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 それぞれ複数の前記圧力室列を含み、互
    いに離隔しつつ、前記第1及び第2の共通インク通路の
    延在方向と直交する方向に関してオーバーラップするよ
    うに配置された、第1の圧力室群及び第2の圧力室群を
    備え、 前記オーバーラップした部分における、前記第1の圧力
    室群および前記第2の圧力室群それぞれの前記圧力室列
    に含まれる圧力室の数が前記オーバーラップしていない
    部分よりも少なく、且つ、前記第1の圧力室群および前
    記第2の圧力室群における前記圧力室列に含まれる圧力
    室の合計が前記オーバーラップしていない部分における
    前記圧力室列に含まれる圧力室の数と等しいことを特徴
    とする請求項8に記載のインクジェットヘッド。
  10. 【請求項10】 インクを吐出する複数のノズルと、 前記ノズルに連通すると共に実質的に平行四辺形の平面
    形状を有する複数の圧力室が互いに隣接配置されたこと
    によって形成された複数の圧力室列と、 前記複数の圧力室のいずれかに連通すると共に前記複数
    の圧力室列に跨るように互いに平行に延在する第1の共
    通インク通路とを備えており、 前記圧力室列が、 一方の鋭角部において前記第1の共通インク通路、他方
    の鋭角部において第1のノズルにそれぞれ連通する第1
    の圧力室と、 前記第1の圧力室と前記第1の共通インク通路に連通す
    る鋭角部側において隣接し、前記第1の圧力室と対向す
    る側の鋭角部において前記第1の共通インク通路、もう
    一方の鋭角部において第2のノズルにそれぞれ連通する
    第2の圧力室とを有し、 前記複数の圧力室列が形成された平面内において、前記
    第1の共通インク通路が前記第1のノズルと前記第2の
    ノズルとの間に配置されていることを特徴とするインク
    ジェットヘッド。
  11. 【請求項11】 前記圧力室列の配列方向が前記第1の
    共通インク通路の延在方向と鋭角をなしていると共に、
    前記複数のノズルの前記第1の共通インク通路の延在方
    向に沿った直線上への射影線の隣接するもの同士が所定
    距離ずつ離隔していることを特徴とする請求項10に記
    載のインクジェットヘッド。
  12. 【請求項12】 前記第1の共通インク通路と平行に延
    在する第2の共通インク通路をさらに備えており、 前記圧力室列が、 前記第2の圧力室と前記第2のノズルに連通する鋭角部
    側において隣接し、前記第2の圧力室と対向する側の鋭
    角部において前記第1の共通インク通路、もう一方の鋭
    角部において第3のノズルにそれぞれ連通する第3の圧
    力室と、 前記第3の圧力室と前記第3のノズルに連通する鋭角部
    側において隣接し、前記第3の圧力室と対向する側の鋭
    角部において第4のノズル、もう一方の鋭角部において
    第2の共通インク通路にそれぞれ連通する第4の圧力室
    とをさらに有していることを特徴とする請求項10又は
    11に記載のインクジェットヘッド。
  13. 【請求項13】 前記圧力室列の配列方向が前記第1及
    び第2の共通インク通路の延在方向と鋭角をなしている
    と共に、前記複数のノズルの前記第1及び第2の共通イ
    ンク通路の延在方向に沿った直線上への射影線の隣接す
    るもの同士が所定距離ずつ離隔していることを特徴とす
    る請求項8、9、又は12に記載のインクジェットヘッ
    ド。
  14. 【請求項14】 インクを吐出する複数のノズルと、 互いに平行に延在する複数の共通インク通路と、 一端を前記ノズルに他端を前記共通インク通路にそれぞ
    れ連通すると共に角部にアールが施された実質的に平行
    四辺形の平面形状を有する複数の圧力室と、 前記圧力室と実質的に相似な平面形状を有して前記圧力
    室を1つずつ内包すると共に2次元配列された複数の平
    行四辺形領域と、 前記共通インク通路から供給されたインクを前記ノズル
    から吐出させるために前記圧力室内に圧力を発生させる
    アクチュエータユニットとを備えており、 前記複数の平行四辺形領域が、互いに一斜辺を共有する
    よう前記共通インク通路の延在方向と鋭角をなす方向に
    隣接配置された、一方の鋭角部に第1のノズルを有する
    第1の平行四辺形領域と、前記第1の平行四辺形領域と
    前記第1のノズル側において隣接し且つ前記第1の平行
    四辺形領域と対向する側とは反対側の鋭角部に第2のノ
    ズルを有する第2の平行四辺形領域と、前記第2の平行
    四辺形領域と前記第2のノズル側において隣接し且つ前
    記第2の平行四辺形領域と対向する側の鋭角部に第3の
    ノズルを有する第3の平行四辺形領域と、前記第3の平
    行四辺形領域と前記第3のノズルの反対側において隣接
    し且つ前記第3の平行四辺形領域と対向する側の鋭角部
    に第4のノズルを有する第4の平行四辺形領域とからな
    る平行四辺形領域群を有し、 前記共通インク通路が前記第1のノズルおよび前記第4
    のノズルの少なくともいずれか一方に近接するよう配置
    されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  15. 【請求項15】 前記第1〜第4のノズルの前記共通イ
    ンク通路の延在方向に沿った直線上への射影線は互いに
    重なることなく、且つ、前記第1のノズルにおける前記
    射影線と前記第3のノズルにおける前記射影線との間隔
    が、前記第2のノズルにおける前記射影線と前記第4の
    ノズルにおける前記射影線との間隔に等しいことを特徴
    とする請求項14に記載のインクジェットヘッド。
  16. 【請求項16】 前記共通インク通路の延在方向におい
    て所定間隔の幅を有すると共に前記共通インク通路の延
    在方向と直交する方向に沿って延在する帯状領域内に1
    又は複数の前記平行四辺形領域群が存在しており、 前記平行四辺形領域群に属する前記ノズルの前記共通イ
    ンク通路の延在方向に沿った直線上への射影線の隣接す
    るもの同士が印刷時の解像度に対応した間隔で離隔して
    いることを特徴とする請求項14又は15に記載のイン
    クジェットヘッド。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれか一項に係る
    インクジェットヘッドを備えていることを特徴とするイ
    ンクジェットプリンタ。
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