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JP2003301978A - 管用球面継手 - Google Patents

管用球面継手

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Publication number
JP2003301978A
JP2003301978A JP2002107643A JP2002107643A JP2003301978A JP 2003301978 A JP2003301978 A JP 2003301978A JP 2002107643 A JP2002107643 A JP 2002107643A JP 2002107643 A JP2002107643 A JP 2002107643A JP 2003301978 A JP2003301978 A JP 2003301978A
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JP
Japan
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pipe
spherical
curvature
centers
joint
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JP2002107643A
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Inventor
Masahiro Nishi
雅洋 西
Yuichi Sakuma
裕一 佐久間
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Publication of JP2003301978A publication Critical patent/JP2003301978A/ja
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  • Joints Allowing Movement (AREA)
  • Gasket Seals (AREA)
  • Exhaust Silencers (AREA)
  • Flanged Joints, Insulating Joints, And Other Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 上流側管もしくは下流側管どちらか一方の管
軸直方向変位を、他方へ伝えにくくするという優れた伝
達抑制性能を発揮することができると共に、上流側管も
しくは下流側管どちらか一方が他方から離れる方向の変
位を、他方へ伝えにくくするという優れた効果も発揮す
ることができる管用球面継手を提供すること。 【解決手段】 管用球面継手1は、上流側管2と下流側
管3の双方の接続端部に設けた接続フランジ4,8と、
2つの接続フランジ4,8とそれぞれ摺接するシール部
材13と、2つの接続フランジ4,8を相対変位可能に
結合する結合手段10とを備え、前記2つの接続フラン
ジ4,8は、他方の接続フランジ側に向けて凸形となる
球状座面11,12を有し、前記シール部材13は、2
つの球状座面11,12とそれぞれ対応する凹形の球状
シール面16,17を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の排気管等
に適用される管用球面継手の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、上流側管と下流側管とを接続する
管用球面継手としては、特開2000−27640号公
報に記載のものが知られている。
【0003】この従来技術は、上流側管と下流側管のい
ずれか一方の接続端部に、他方の接続端部に向けて凸形
の球状座面を有する凸形の接続フランジを設け、かつ、
他方の接続端部に一方の接続端部に向けて凹形の球状座
面を有する凹形の接続フランジを設け、これら2つの球
状座面にそれぞれ摺接する球状シール面を備えたシール
部材を前記2つの接続フランジ間に介装して2つの接続
フランジを相対変位可能に結合し、前記各球状シール面
の曲率中心を異なる位置に設定することにより、1つの
継手の中に2つの球状シール面を持ちながら、シール部
材の組み付け作業を簡単かつ効率よく行えるようにした
ものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の管用球面継手にあっては、2つの摺動面を設けるこ
とによって、上流側管もしくは下流側管のうち原動側と
なる管の軸直方向の変位を従動側の管へ伝わりにくい構
造とし、管軸直方向変位の伝達抑制性能の向上を図ろう
とはしているものの、2つの摺動面を同一方向に向かっ
て近接配置しているので、各球状シール面の曲率中心間
距離が短く、実際には十分な伝達抑制性能が得られない
という問題があった。
【0005】本発明は、上記問題に着目してなされたも
ので、その目的とするところは、上流側管もしくは下流
側管どちらか一方の管軸直方向変位を、他方へ伝えにく
くするという優れた伝達抑制性能を発揮することができ
ると共に、上流側管もしくは下流側管どちらか一方が他
方から離れる方向の変位を、他方へ伝えにくくするとい
う優れた効果も発揮することができる管用球面継手を提
供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、上流側管と下流側管の双方の接続端部
に設けた接続フランジと、これら2つの接続フランジと
摺接するシール部材と、前記2つの接続フランジを相対
変位可能に結合する結合手段と、を備えた管用球面継手
において、前記2つの接続フランジは、互いに相手方の
接続フランジ側に向けて凸形となる球状座面をそれぞれ
有することを特徴とする。
【0007】
【発明の効果】本発明では、双方の凸形による球状座面
の曲率中心が、上流側管の接続フランジについては上流
側に、また、下流側管の接続フランジについては下流側
に、それぞれ分かれて存在するので、双方の球状座面の
曲率中心が上流側または下流側の一方のみに存在するよ
うに2つの接続フランジの形状を設定した管用球面継手
に比して、曲率中心間距離を大きくとることができる。
【0008】よって、双方の球状座面の曲率中心間距離
を大きくとることにより、上流側管もしくは下流側管ど
ちらか一方の管軸直方向変位を、他方へ伝えにくくする
という優れた伝達抑制性能を発揮することができると共
に、上流側管もしくは下流側管どちらか一方が他方から
離れる方向の変位を、他方へ伝えにくくするという優れ
た効果も発揮することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の管用球面継手を実
現する実施の形態を、請求項1,2,3に係る発明に対
応する第1実施例と、請求項1,2,3,4に係る発明
に対応する第2実施例と、請求項1,2,3,5に係る
発明に対応する第3実施例と、に基づいて説明する。
【0010】(第1実施例)まず、構成を説明する。図
1は第1実施例の管用球面継手1を示す断面図である。
図1において、2は上流側管、3は下流側管であり、前
記下流側管3の接続端部における筒内径は、上流側管2
の筒内径よりも大きくなるように拡径され、上流側から
下流側へ流体が流れやすくしている。
【0011】前記上流側管2の接続端部には、環状の接
続フランジ4が周設されており、この接続フランジ4に
は、軸直方向対称位置にボルト貫通穴5,5が形成され
ている。このボルト貫通穴5,5には、上流側からボル
ト6,6が挿入され、このボルト6,6のボルト頭部と
接続フランジ4との間には、ワッシャを介して弾性部材
であるコイルスプリング7,7が介装されている。
【0012】なお、ボルト6には、つば状のストッパ6
aが形成されており、前記ボルト貫通穴5,5の内径
は、ストッパ6a,6aが通り抜け可能な径を有してい
る。また、このストッパ6a,6aを挟んだボルト6,
6の先端側に雄ねじ部が形成されている。
【0013】前記下流側管3の接続端部には、環状の接
続フランジ8が周設されており、この接続フランジ8に
は、中心を挟んで対称となる2カ所にボルト貫通穴9,
9が形成されている。このボルト貫通穴9,9と前記接
続フランジ4のボルト貫通穴5,5とは、中心を挟んで
対称となるそれぞれの位置で対応しており、この対応す
るそれぞれにボルト6,6が差し込まれている。
【0014】前記ボルト貫通穴5,5に上流側(図中左
側)から差し込まれたボルト6,6は、先端をボルト貫
通穴9,9に貫通させ、この先端をナット22,22で
締結されている。これらナット22,22のねじ込み
は、ボルト6,6に設けられたストッパ6a,6aが接
続フランジ8に当接することによって規制されている。
【0015】上述したボルト6,6、ボルト貫通穴5,
5、ボルト貫通穴9,9、コイルスプリング7,7およ
びナット22,22から、2つの接続フランジ4,8を
相対変位可能に結合する結合手段10が構成されてい
る。
【0016】前記2つの接続フランジ4,8は、他方の
接続フランジ側が凸形となる球状座面11,12を有し
ている。前記球状座面11の曲率中心は接続フランジ4
の上流側に位置し、一方、球状座面12の曲率中心は接
続フランジ8の下流側に位置している。そして、各球状
座面11,12の間にはシール部材13が介装されてい
る。
【0017】このシール部材13には、前記2つの球状
座面11,12に対応した凹形の球状シール面16,1
7がそれぞれ形成されており、2つの球状座面11,1
2とそれぞれ摺接している。つまり、2つの球状座面1
1,12の形状は、シール部材16,17の形状とそれ
ぞれ対応している。
【0018】ちなみに、2つの球状座面11,12が、
各球状シール面16,17の形状に対応するということ
は、互いに摺接する球状シール面と球状座面との曲率が
同じであることを意味している。したがって、各球状シ
ール面16,17の曲率中心は、各対応する接続フラン
ジ4,8の各球状座面11,12の曲率中心と同じ位置
に存在する。
【0019】前記シール部材13は、図2に示すよう
に、真球面の一部を環状に切り取った球状シール面を左
右両側に形成したガスケット部13aと、このガスケッ
ト部13aの環状内面に装着される円筒部13bと、前
記ガスケット部13aの環状外面に装着される円筒部1
3cとによって形成されている。
【0020】前記円筒部13bと円筒部13cは、弾性
圧縮状態で2つの接続フランジ4,8に挟み付けられる
ガスケット部13aの破損防止や、ガスケット部13a
の球状シール面の変形防止という作用をもつだけでな
く、エンジンの排気管継手として用いられる場合に、円
筒部13bは高温排気の直撃によるガスケット部13a
の熱劣化や熱老化の防止、前記円筒部13cはシール部
材13の放熱という作用をもつ。
【0021】前記シール部材13は、図に示すように、
その外周側表面積が内周側表面積よりも大きくなるよう
に形成されているので、主要な受熱面である円筒部13
bの内周側表面積に比して、主要な放熱面である円筒部
13cの外周側表面積を十分大きく取ることができる。
よって、2つの摺動面が同一方向に向かって近接配置さ
れた従来例のシール部材(図3参照)と比較して、放熱
性能、すなわち耐熱性能の点で有利である。
【0022】次に、作用を説明する。
【0023】[曲率中心間距離の比較]第1実施例と従
来例とを比較した時に、第1実施例の方が従来例よりも
各曲率中心間距離が長くなることを図3に示す。図3は
特開2000−27640号公報に記載された従来の排
気管用球面継手を示す断面図である。
【0024】図3において、各曲率中心O01,O02
は、球状座面011,012の曲率半径R01,R02
をもって定まっている。なお、曲率中心O,Oは、
図1に示した第1実施例の各球状座面11,12の曲率
半径R,Rをもって定まっている。
【0025】すなわち、図3において、上流側管02の
みに2つの中心を持つ従来例の場合、曲率中心間距離D
01は2つの曲率中心O01,O02の間の距離とな
る。これに対し、上流側管と下流側管にそれぞれ中心を
持つ第1実施例の場合、曲率中心間距離Dは曲率中心
,Oの間の距離となる。
【0026】よって、一方の曲率中心O01,Oを同
じ位置に設定した場合、第1実施例の曲率中心間距離D
の方が、従来例の曲率中心間距離D01より長くなる
ことは明らかである。
【0027】[曲率中心間距離と変位伝達抑制性能との
関係]次に、2つの球状シール面を1つの継手の中に有
する管用球面継手において、上流側管もしくは下流側管
のいずれか一方から他方へ伝達される管軸直方向変位の
伝達抑制性能の指標として、2つの球状シール面の曲率
中心間距離が有効であることを説明する。
【0028】従来例および第1実施例を含め、2つの球
状シール面を1つの継手の中に有する管用球面継手の場
合、上流側管・下流側管の各球状座面で決まる曲率中心
と、この球状座面に対応するシール側の各球状シール面
の曲率中心との相対位置(距離)は、常に0であり、か
つ、2つの球状座面の曲率中心間距離は一方の管に変位
が発生しても不変であり、その距離はシール側の各球状
シール面の曲率中心間距離に等しい。
【0029】つまり、上流側管もしくは下流側管の一方
を、変位を発生させる原因となる原動側管とし、他方を
原動側管につられて変位させられる従動側管とすると、
従動側管の位置は、この管の球状座面の曲率中心位置に
対して相対位置(距離)が0であるこの球状座面と摺接
するシール側の球状シール面の曲率中心位置に依存する
こととなる。
【0030】この時、原動側管と摺接するシール側の球
状シール面曲率中心の変位は、原動側の球状座面の曲率
中心位置の変位で決まるとともに、従動側管と摺接する
シール側の球状シール面曲率中心の変位は、従動側管の
変位量と従動側支持構造の拘束条件によって決まるこの
従動側管の支持構造にて発生する応力が、最も少ない位
置で決まることとなる。
【0031】すなわち、管軸直方向の変位の伝達抑制性
能は、前記2つの球状シール面を1つの継手の中に有す
る管用球面継手の場合の条件を満たしながら、従動側管
の拘束条件で決まる従動側管の変位ベクトルが如何なる
向きであっても、2つの球状シール面曲率中心間の距離
が長い時に、原動側管の単位変位量に対する従動側管の
球状座面の曲率中心位置の変位量がより少ないことを証
明できれば、良いということができる。
【0032】それを証明している図が、図5〜図8であ
る。図5は図4(イ)に示す従来例略図において、管0
2が軸直方向に変位した場合の模式図であり、図6は図
4(イ)に示す従来例略図において、管03が軸直方向
に変位した場合の模式図である。それに対し、図7は図
4(ロ)に示す第1実施例略図において、管2が軸直方
向に変位した場合の模式図であり、図8は図4(ロ)に
示す第1実施例略図において、管3が軸直方向に変位し
た場合の模式図である。これらの模式図はいずれの場合
も、2つの球状シール面曲率中心間の距離が長い程、原
動側管の単位変位量に対する従動側管の変位量が小さい
ことを示しているため、図5を代表例として説明する。
【0033】図4において、管02が管軸直方向にYだ
け移動した場合、すなわち図4において曲率中心O01
がO01'へYだけ変位した時、O02'はO01'から
の距離がDの円弧上のどこかに存在する。その位置は、
管03の拘束条件から定まるO02→O02'の変位ベ
クトルとの交点となる。よって、管03の拘束条件が同
じ場合に、Dの距離が長い方が、O02の変位量が小さ
いことを証明できれば良い。
【0034】図5は、O02の変位がどうなるかを、D
が長い場合と短い場合との違いをO 02の変位前の位置
を基準にして重ねて描いたものである。図5から明らか
なように、O02の変位ベクトルの向きが同じであれ
ば、距離Dが長い方が、より変位量が小さいことが分か
る(O02'の比較の一例として、Dが短い時のO02'
AとDが長いときのO02'Bとを比べると、O02'B
の方がよりO02に近い。)。
【0035】また、図6から、上記は管03が変位した
場合にも同じことがいえることが分かる。さらに、第1
実施例についても、図7,図8から、曲率中心間距離D
が長い方が従動側管の変位量が小さいことは明らかであ
る。
【0036】以上の4つの例から、原動側管の軸直変位
量に対する従動側管の変位量をできるだけ小さくするた
めには、曲率中心間距離Dを長くすることが有効である
といえる。別の言い方をすれば、原動側管の変位量に対
する従動側管の変位量は曲率中心間距離Dに依存する。
また、上記と同様な考え方により、原動側管の球状座面
で決まる曲率中心が、従動側管の球状座面で決まる曲率
中心に対し、離れるような方向の変位に対しても有効で
あることも解る。
【0037】[曲率中心間距離の設定実例]次に、第1
実施例が従来例に対し、2つの球状シール面の曲率中心
間距離を長くできる実例を示す。
【0038】まず、継手各部の寸法を定義する。図9は
従来例と第1実施例の各部の寸法を略図で示したもので
ある。図において、2つの球状シール面のうち、一方に
対し曲率半径が同じもしくは大きい方の曲率半径をRと
し、このRをもつ球状シール面とは別の球状シール面の
半径をrとする(つまり、R≧r)。さらに、両接続フ
ランジの球状座面の軸直方向幅をH、2つの接続フラン
ジで構成される軸方向幅をL、曲率半径Rをもつ接続フ
ランジの軸方向幅をT、曲率半径Rをもつ接続フランジ
の球状座面の球状シール面と管中心軸の交点に対する曲
率半径Rをもつ接続フランジ端面の距離をG、曲率半径
rをもつ接続フランジの軸方向幅をt、曲率半径rをも
つ接続フランジの球状座面の球状シール面と管中心軸の
交点に対する曲率半径rをもつ接続フランジ端面の距離
をgとする。
【0039】この時、LとHは継手の大きさ等の制約か
ら決まり、またT,t,G,gは球状シール面曲率半径
R,rや管径、継手の大きさから定まることになる。ま
た、Rとrは、継手としてのシール性、耐久性、許容折
れ角および継手寸法等から設計上制約を受けるが、それ
らは継手の適用部位が同じであれば、従来例と第1実施
例は前記制約条件が同じであると考えられるため、従来
例と第1実施例の各部の寸法は、同じ記号の所は同じ寸
法値となる。
【0040】よって、従来例の曲率中心間距離をD
第1実施例の曲率中心間距離をDとし、DとDを比較
すると、下記〜の数式に示すように、第1実施例の
方が曲率中心間距離を長くできる。つまりは従来例より
も変位の伝達抑制性能を確実に向上させることができ
る。 D=R+L+g−r−G−T ... D=R+r+L−G−T−g−t ... D−D=2r−(2g+t)>0 ... (∵r>g+t)
【0041】ここで、このことが現実的である理由を、
一方の球状シール面円弧よりも内側に他方の球状シール
面を配置し、この一方の球状シール面曲率半径以上の半
径を他方の球状シール面曲率半径にもたせた、従来例の
中では球状シール面曲率中心間距離を一番長く取ること
ができる図3の例を用いて以下に示す。
【0042】従来例の球状シール面曲率中心間距離を長
くするためには、大きく分けて以下の3つの方法があ
る。1つ目の方法は、図10に示したもので、従来例の
元の曲率中心間距離D01を第1実施例の球状シール面
曲率中心間距離Dと同じにするために、曲率中心O
01、曲率半径がR01で管02に設けられた球状座面
011を、接続フランジの外寸法が変わらないように位
置はそのままにしつつ球状シール面の曲率半径をR03
と大きくし、曲率中心がO03となるような球状座面0
11aにすることによって、第1実施例の曲率中心間距
離Dと同じ長さの曲率中心間距離D を実現しよう
としたものである。
【0043】しかしこの方法で球状シール面曲率中心間
距離を長距離化した場合、上記のようにシール性、耐久
性、許容折れ角および継手寸法等から設計上の制約を受
ける曲率半径がR03でも許容されるのであれば、図か
ら明らかなように、第1実施例では、さらに長距離な球
状シール面曲率中心間距離D+Dを持たせることが
でき、第1実施例の優位は変わらないといえる。
【0044】2つ目の方法は、図11に示したもので、
従来例のシール013を管軸方向の厚さを増やし、すな
わちは管03に設けられた接続フランジ08の球状座面
012の曲率半径はそのままに、曲率中心をO02から
04へと移動させるために球状座面位置を012'へ
移動することにより、図10で示した第1実施例の曲率
中心間距離Dと同じ長さをもつ球状シール面曲率中心
間距離D03を従来例にて実現しようとしたものであ
る。しかしながら、図から明らかなように、曲率中心間
距離D03を実現させるには、接続フランジの外寸法が
大きくなるというデメリットが発生する。また、別の見
方として、設計上の制約が図の曲率中心距離D03を実
現できる球状座面の位置012'を許容できるなら、第
1実施例ではさらに長い曲率中心間距離を実現できるこ
とは明らかであり、従来例に対する第1実施例の優位は
変わらない。
【0045】そして、3つ目の方法は、図12に示した
もので、従来例における管03に設けられる球状座面0
12の球状シール面曲率中心O02を、管02に設けら
れる球状座面011の球状シール面曲率中心O01から
離すために、管03の球状座面の曲率半径をRのよう
に小さくして球状座面を012"、球状シール面曲率中
心をO05としたものである。しかし、図からも明らか
なように、この方法では、接続フランジの外寸法が大き
くなるだけでなく、フランジ08の管02寄りの管軸直
端面位置よりも管03寄りに球状シール面曲率中心O
05を配置させることは不可能である。そのため、球状
シール面曲率中心間距離を長くしようとしても、図にお
ける球状シール面曲率中心間距離D04までしか長くす
ることができない。
【0046】以上のことから、管軸直方向変位の伝達抑
制性能向上には、従来例よりも第1実施例の方が現実的
に優れている。
【0047】次に、効果を説明する。 (1) 接続フランジ4,8が、互いに相手方の接続フラン
ジ側に向けて凸形となる球状座面11,12をそれぞれ
有するので、従来例よりも曲率中心間距離を長く設定す
ることができ、この結果、上流側管2もしくは下流側管
3どちらか一方の管軸直方向変位を、他方へ伝えにくく
するという優れた伝達抑制性能を発揮することができる
と共に、上流側管2もしくは下流側管3どちらか一方が
他方から離れる方向の変位を、他方へ伝えにくくすると
いう優れた効果も発揮することができる。 (2) シート部材13の球状シール面16,17が、球状
座面11,12に対応した凹形に形成されているので、
密封機能をなす接触面積が広く確保され、高いシール性
を達成することができる。 (3) シール材13の主要な受熱面である円筒部13bの
内周側表面積に比して、主要な放熱面である円筒部13
cの外周側表面積が十分大きく形成されているので、高
い耐熱性能が得られる。
【0048】(第2実施例)第2実施例は、第1実施例
の管用球面継手1をエンジンEの排気管に適用した例で
ある。
【0049】すなわち、図13に示すように、自動車の
エンジンEにおいて、燃焼加振力により発生するロール
方向の振動に対する配置例であり、第1実施例の管用球
面継手1をエンジンE(原動機)と消音器との間の排気
管に接続し、2つの球状座面の各距離率中心を結んだ線
の延長線を、エンジンEのロールセンタ点を通るように
配置したものである。この配置例は、主にアイドル回転
時やエンジン低回転時の振動形態に配慮したものであ
る。
【0050】作用を説明すると、上記の如く、第1実施
例の管用球面継手1は、原動側管の軸直方向または従動
側管から離れる方向の変位伝達抑制性能に優れている。
【0051】よって、第1実施例の管用球面継手1の効
果をより有効に利用するためには、原動側管の変位が管
軸直方向または従動側管から離れる方向になるように配
置する必要がある。
【0052】これに対し、第2実施例では、エンジンE
のロール方向の動きが、原動側管に対し、軸直方向また
は従動側管から離れる方向の変位を与えるため、結果と
してアイドル回転時やエンジン低回転時の排気系振動を
効果的に低減することができる。
【0053】以上説明したように、第2実施例の管用球
面継手にあっては、第1実施例の管用球面継手1をエン
ジンEの排気管に適用し、原動側排気管および従動側排
気管の2つの接続フランジは、2つの球状座面の各曲率
中心を結んだ線の延長線を、エンジンEのロールセンタ
点を通るように設定したため、エンジンEのロール方向
の動きが、原動側管に対し、軸直方向または従動側管か
ら離れる方向の変位を与えるアイドル回転時やエンジン
低回転時の排気系振動を効果的に低減することができ
る。
【0054】(第3実施例)第3実施例は、第2実施例
と同様に、第1実施例の管用球面継手1をエンジンEの
排気管に適用した例である。
【0055】すなわち、図14に示すように、自動車の
エンジンEにおいて、ピストン等の質量のあるものの並
進方向運動によって発生する並進方向の慣性加振力によ
る並進方向振動に対する配置例であり、第1実施例の管
用球状継手1をエンジンE(原動機)と消音器との間の
排気管に接続し、2つの球状座面の各曲率中心を結んだ
線の延長線を、エンジンEの並進変位方向と垂直となる
ように配置したものである。この配置例は、主にエンジ
ン高回転時の振動形態に配慮したものである。なお、こ
こでいう垂直とは、完全な垂直だけではなく、それに近
似した角度も含む。
【0056】作用を説明すると、第3実施例では、図1
4から明らかなように、原動側管には管軸直方向の変位
成分が入ることになるため、結果としてエンジン高回転
時の排気系振動を効果的に低減することができる。
【0057】以上説明したように、第3実施例の管用球
面継手にあっては、第1実施例の管用球面継手1をエン
ジンEの排気管に適用し、原動側排気管および従動側排
気管の2つの接続フランジは、2つの球状座面の各曲率
中心を結んだ線を、エンジンEの並進変位方向と垂直と
なるように設定したため、エンジンEの並進変位方向の
動きにより、原動側が管軸直方向の変位となるエンジン
高回転時の排気系振動を効果的に低減することができ
る。
【0058】(他の実施例)以上、本発明の管用球面継
手を第1実施例〜第3実施例に基づき説明してきたが、
具体的な構成については、これらの実施例に限られるも
のではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要
旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容され
る。
【0059】例えば、第2実施例及び第3実施例では、
管用球面継手1を自動車のエンジンの排気管に適用した
例を示したが、振動変位が伝達される様々な管系に本発
明の管用球面継手を適用することができる。また、シー
ル部材13の外周にフィンを周設することによって、シ
ール部材13の放熱(耐熱)効果をさらに高めることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の管用球面継手を示す側面図であ
る。
【図2】シール部材の側面断面図(イ)、正面図(ロ)
である。
【図3】従来例と第1実施例の曲率中心間距離比較を示
す説明図である。
【図4】従来例の構造略図(イ)、第1実施例の構造略
図(ロ)である。
【図5】図4(イ)において管02が軸直方向に変位し
た場合の模式図である。
【図6】図4(イ)において管03が軸直方向に変位し
た場合の模式図である。
【図7】図4(ロ)において管2が軸直方向に変位した
場合の模式図である。
【図8】図4(ロ)において管3が軸直方向に変位した
場合の模式図である。
【図9】従来例の各部寸法略図(イ)、第1実施例の各
部寸法略図(ロ)である。
【図10】従来例と第1実施例の球状シール面曲率中心
間距離の長距離化困難性比較を示す説明図である。
【図11】従来例と第1実施例の球状シール面曲率中心
間距離の長距離化困難性比較を示す説明図である。
【図12】従来例と第1実施例の球状シール面曲率中心
間距離の長距離化困難性比較を示す説明図である。
【図13】第2実施例の構成を示す模式図である。
【図14】第3実施例の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 管用球面継手 2 上流側管 3 下流側管 4,8 接続フランジ 5,9 ボルト貫通穴 6 ボルト 7 コイルスプリング 10 結合手段 11,12 球状座面 13 シール部材 16,17 球状シール面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3G004 AA01 DA11 EA03 3H016 AD00 AE00 3H104 JA03 JB01 JC08 JD03 LA03 LF16 LG03 LG30 MA10 3J040 BA01 EA41 HA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上流側管と下流側管の双方の接続端部に
    設けた接続フランジと、 これら2つの接続フランジと摺接するシール部材と、 前記2つの接続フランジを相対変位可能に結合する結合
    手段と、 を備えた管用球面継手において、 前記2つの接続フランジは、互いに相手方の接続フラン
    ジ側に向けて凸形となる球状座面をそれぞれ有すること
    を特徴とする管用球面継手。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された管用球面継手にお
    いて、 前記シール部材は、前記2つの球状座面とそれぞれ対応
    する凹形の球状シール面を有することを特徴とする管用
    球面継手。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載された管
    用球面継手において、 前記シール部材は、その外周側表面積が内周側表面積よ
    りも大きくなるように設定したことを特徴とする管用球
    面継手。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載された管用球面継手において、 前記上流側管および下流側管は、各々原動機に接続され
    る原動側排気管および従動側排気管であり、 前記原動側排気管および従動側排気管の2つの接続フラ
    ンジは、2つの球状座面の各曲率中心を結んだ線の延長
    線を、前記原動機のロールセンタ点を通るように設定し
    たことを特徴とする管用球面継手。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載された管用球面継手において、 前記上流側管および下流側管は、各々原動機に接続され
    る原動側排気管および従動側排気管であり、 前記原動側排気管および従動側排気管の2つの接続フラ
    ンジは、2つの球状座面の各曲率中心を結んだ線の延長
    線を、前記原動機の並進変位方向と垂直となるように設
    定したことを特徴とする管用球面継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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