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JP2003298510A - 送信パワ制御方法 - Google Patents

送信パワ制御方法

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Publication number
JP2003298510A
JP2003298510A JP2003064021A JP2003064021A JP2003298510A JP 2003298510 A JP2003298510 A JP 2003298510A JP 2003064021 A JP2003064021 A JP 2003064021A JP 2003064021 A JP2003064021 A JP 2003064021A JP 2003298510 A JP2003298510 A JP 2003298510A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
communication terminal
transmission
base station
signal
transmission power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003064021A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenichi Miyoshi
憲一 三好
Takahisa Aoyama
高久 青山
Toyoki Kami
豊樹 上
Osamu Kato
修 加藤
Katsuhiko Hiramatsu
勝彦 平松
Atsushi Sumasu
淳 須増
Junichi Aizawa
純一 相沢
Toshiyuki Uehara
利幸 上原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2003064021A priority Critical patent/JP2003298510A/ja
Publication of JP2003298510A publication Critical patent/JP2003298510A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Mobile Radio Communication Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 他基地局装置との間でHDRを用いた通
信を行う通信端末装置、および、同時刻に自局とHDR
を用いた通信を行っている通信端末装置に及ぼす干渉を
抑えること。 【解決手段】 本発明の基地局装置は、通信端末装置の
実際の受信品質に基づいて前記通信端末装置に対する送
信信号の伝送レートを設定する伝送レート設定手段と、
設定された伝送レートの送信信号についての前記通信端
末装置における受信信号の特性が所望品質を満たす最小
の送信電力値を、前記通信端末装置に対する送信電力値
として設定する電力値設定手段と、設定された送信電力
値を用いて、設定された伝送レートの送信信号を前記通
信端末装置に送信する送信手段と、を具備する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルラ通信システ
ムに用いられる送信パワ制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セルラ通信システムでは、1つの基地局
が複数の通信端末と同時に無線通信を行う。このセルラ
通信システムでは伝送効率を高めることが要求されてい
る。
【0003】基地局から通信端末への下り回線の伝送効
率を高める技術としてHDR(HighData Rate)が提案
されている。HDRは、通信リソースを時間分割して各
通信端末に割り振るスケジューリングを行い、さらに通
信品質に従って通信端末毎に伝送レートを設定してデー
タの伝送効率を高める方法である。
【0004】以下、HDRを用いた通信について、図2
2を用いて説明する。図22において、基地局11は、
現在、この基地局11がカバーするセルエリア15に存
在する通信端末12〜14と通信を行っているものとす
る。なお、通信端末20〜22は、セルエリア15の範
囲内に存在しているが、基地局11以外の基地局(図示
しない)と通信を行うものである。
【0005】まず、基地局11が通信端末12〜14に
パイロット信号を送信する。通信端末12〜14は、基
地局11に送信されたパイロット信号を用いて、CIR
(希望波対干渉波比)等により通信品質を推定し、通信
可能な伝送レートを求める。さらに、通信端末12〜1
4は、通信可能な伝送レートに基づいて、パケット長、
エラー訂正、変調方式の組み合わせを示す通信モードを
選択し、通信モードを示す信号を基地局11に対して送
信する。
【0006】基地局11は、通信端末12〜14により
選択された通信モードに基づいてスケジューリングを行
い、通信端末毎に伝送レートを設定し、コントロールチ
ャネルを通して通信端末12〜14に通信リソースの割
り振りを示す信号を報知する。
【0007】基地局11は、割り振った時間において、
該当する通信端末に対してのみ、データチャネルを介し
てデータを送信する。例えば、時間t1を通信端末12
に割り振った場合、基地局11は、時間t1において
は、通信端末12に対してのみデータを送信し、通信端
末13および通信端末14に対してはデータを送信しな
い。また、基地局11が通信端末12〜14にデータを
送信する際における送信パワは、常に一定とされてい
る。
【0008】なお、HDRにおいては、上述したような
通信と並行して、基地局11と通信端末12〜14と
は、HDRに用いられた周波数帯域とは別の帯域を用い
て、通常のCDMA(Code Division Multiple Acces
s)方式の通信を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のHDRを用いた通信においては、次のような問題が
ある。すなわち、再度図22を参照するに、基地局11
は、通信端末12〜14との間の距離とは無関係に、各
通信端末に対して常に一定の電力を用いてデータを送信
している。このときの電力は、セルエリア15に存在す
るすべての通信端末における受信品質が十分に良好とな
るように、大きなものとされている。
【0010】このため、基地局11以外の基地局(以下
「他基地局」という。)とHDRを用いた通信を行って
いる通信端末のうち、基地局11がカバーするセルエリ
ア15内に存在する通信端末(図22では通信端末20
〜22)は、基地局11から通信端末12〜14のいず
れかに対して送信された信号により干渉を受ける可能性
がある。この結果、上記のように干渉を受けた通信端末
の受信品質が劣化する。例えば、基地局11が通信端末
12に対してデータチャネルを介してデータを送信する
時間と、他基地局が通信端末20に対してデータチャネ
ルを介してデータを送信する時間とが一致する場合に
は、通信端末20は、基地局11から通信端末12に対
して送信された信号により干渉を受ける。
【0011】また、基地局11が複数の通信端末(例え
ば、通信端末12〜14)に対して同時刻にHDR送信
を行う場合(将来的には、このようなHDR送信が実現
される可能性がある。)には、複数の通信端末に送信さ
れた信号の遅延波が互いに干渉を及ぼし合うために、上
記複数の通信端末の通信品質が劣化する。
【0012】以上のように、上記従来のHDRを用いた
通信においては、HDRを用いた通信を行う基地局は、
他基地局とHDRを用いた通信を行っている通信端末
や、同時刻に自局と通信を行っている通信端末に対して
干渉を与えうるという問題がある。
【0013】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、他基地局装置との間でHDRを用いた通信を行
う通信端末装置、および、同時刻に自局とHDRを用い
た通信を行っている通信端末装置に及ぼす干渉を抑える
送信パワ制御方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の送信パワ制御方
法は、変調多値数が異なる複数の変調方式から定まるい
ずれかの変調方式を用いて送信される下り回線信号の送
信パワ制御方法であって、変調多値数が最大の変調方式
以外の変調方式では、送信パワを一定にしたまま、下り
回線品質がより良いほど変調多値数をより大きくし、変
調多値数が最大の変調方式では、変調方式を固定したま
ま、下り回線品質がより良いほど送信パワをより減少さ
せるようにした。
【0015】本発明の送信制御方法は、下り回線信号の
送信制御方法であって、下り回線品質が所定値より悪い
場合には、送信パワを一定にしたまま変調多値数を変え
る第1の制御を行い、下り回線品質が所定値より良い場
合には、変調方式を固定したまま送信パワを変える第2
の制御を行うようにした。
【0016】これらの方法によれば、HDR送信時に品
質を満たすことのできる最低限の送信パワで送信するこ
とが可能になるので、所望の通信端末装置に対する送信
品質は保ちながら、他基地局装置との間でHDR通信を
行う通信端末装置や、同時刻に自局と通信を行っている
通信端末装置への干渉を減らすことが可能になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施
の形態において、パイロット信号は、制御チャネルを介
して基地局装置から通信端末装置に送信され、データ
(音声やパケット等)は、データチャネルを介して基地
局装置から通信端末装置に送信される。また、制御チャ
ネルおよびデータチャネルを介して通信される信号を、
それぞれ、「制御チャネル信号」および「データチャネ
ル信号」とする。
【0018】(実施の形態1)図1は、本発明の実施の
形態1にかかる通信装置を備えた基地局装置の構成を示
すブロック図である。図1において、割り当て部101
は、後述するDRC信号検出部116により検出された
データレートコントロール(以下「DRC」という。)
信号に基づいて各通信端末装置の通信可能な伝送レート
を把握し、各通信端末装置への通信リソースの割り振り
を決定し、バッファ102に下り送信データの出力を指
示する。ここで、DRC信号とは、通信端末装置が所望
の品質で受信可能である伝送レートを示す信号である。
このDRC信号の詳細については後述する。
【0019】また、割り当て部101は、適応符号化部
103に対して下り送信データの符号化方式を指示し、
適応変調部104に対して下り送信データの変調方式を
指示し、適応拡散部105に対して下り送信データに乗
算する拡散符号を指示する。
【0020】バッファ102は、下り送信データを保持
し、割り当て部101からの指示に従って、所定の通信
端末装置に対する下り送信データを適応符号化部103
に出力する。適応符号化部103は、割り当て部101
の指示に従って、バッファ102からの送信データに符
号化を行い、符号化された送信データを適応変調部10
4に出力する。
【0021】適応変調部104は、割り当て部101の
指示に従って、適応符号化部103により符号化された
送信データを変調し、変調された送信データを適応拡散
部105に出力する。適応拡散部105は、割り当て部
101の指示に従って、適応変調部104により変調さ
れた送信データを拡散し、拡散された送信データを多重
部108に出力する。
【0022】一方、変調部106は、パイロット信号を
変調して拡散部107に出力する。拡散部107は、変
調部106により変調されたパイロット信号を拡散して
多重部108に出力する。
【0023】多重部108は、拡散された下り送信デー
タと拡散されたパイロット信号とを時間多重して送信信
号を生成し、生成された送信信号を電力制御部109に
出力する。なお、通信開始時には、多重部108から電
力制御部109に対してパイロット信号のみが出力され
る。
【0024】電力制御部109は、後述する電力設定部
118により設定された送信電力値となるように、多重
部108により生成された送信信号を増幅し、増幅され
た送信信号を送信RF部110に出力する。
【0025】送信RF部110は、電力制御部109に
より増幅された送信信号の周波数を無線周波数に変換し
て共用器111に出力する。共用器111は、送信RF
部110により無線周波数に変換された送信信号をアン
テナ112を介して通信端末装置に送信する。また、共
用器111は、各通信端末装置により送信され、アンテ
ナ112を介して受信された信号(受信信号)を、受信
RF部113に出力する。
【0026】受信RF部113は、共用器111からの
受信信号の周波数をベースバンドに変換し、ベースバン
ドに変換された受信信号を逆拡散部114に出力する。
逆拡散部114は、ベースバンド信号に変換された受信
信号を逆拡散して復調部115に出力する。復調部11
5は、逆拡散部114により逆拡散された受信信号を復
調して復調信号を生成し、生成した復調信号をDRC信
号検出部116とパワマージン情報検出部117に出力
する。
【0027】DRC検出部116は、復調部115によ
り生成された復調信号からDRC信号を検出し、検出さ
れたDRC信号を割り当て部101に出力する。パワマ
ージン情報検出部117は、復調部115により生成さ
れた復調信号からパワマージン情報を検出し、検出され
たパワマージン情報を電力設定部118に出力する。
【0028】電力設定部118は、パワマージン情報検
出部117からのパワマージン情報を用いて、各通信端
末装置の送信信号の送信電力値を設定し、設定された送
信電力値を電力制御部109に出力する。
【0029】図2は、本発明の実施の形態1にかかる通
信装置を備えた通信端末装置の構成を示すブロック図で
ある。図2において、要求変調方式決定部201は、後
述するCIR測定部214により測定されたCIRに基
づいて、通信端末装置が所望の品質で受信可能な伝送レ
ートを決定し、決定された伝送レートをマージン算出部
202およびDRC信号作成部203に出力する。
【0030】また、要求変調方式決定部201は、決定
された伝送レートに基づいて、適応逆拡散部210に対
して受信信号に乗算する拡散符号を指示し、適応復調部
211に対して受信信号の復調方式を指示し、適応復号
化部212に対して受信信号の復号化方式を指示する。
【0031】マージン算出部202は、後述するCIR
測定部214により測定されたCIR、および、要求変
調方式決定部201により決定された伝送レートを用い
て、パワマージンを算出し、算出したパワマージンに関
する情報すなわちパワマージン情報を合成部215に出
力する。DRC信号作成部203は、要求変調方式決定
部201により算出された伝送レートを示すDRC信号
を作成して合成部215に出力する。
【0032】合成部215は、DRC信号作成部203
からのDRC信号とマージン算出部202からのパワマ
ージン情報とを合成することにより合成信号を生成し、
生成された合成信号を変調部204に出力する。
【0033】変調部204は、合成部215からの合成
信号を変調して拡散部205に出力する。拡散部205
は、変調部204により変調された合成信号を拡散して
送信RF部206に出力する。送信RF部206は、拡
散部205により拡散された合成信号を無線周波数に周
波数変換して共用器207に出力する。
【0034】共用器207は、送信RF部206により
周波数変換された合成信号を、アンテナ208を介して
基地局装置に送信する。また、共用器207は、基地局
装置から送信され、アンテナ208に受信された信号
(受信信号)を受信RF部209に出力する。
【0035】受信RF部209は、共用器207からの
受信信号の周波数をベースバンドに変換し、ベースバン
ドに変換された受信信号を適応逆拡散部210および逆
拡散部213に出力する。
【0036】適応逆拡散部210は、要求変調方式決定
部201の指示に従って、受信RF部209からの受信
信号を逆拡散して、受信信号におけるパイロット信号以
外の成分(データに対応する成分)を抽出し、抽出され
た成分を適応復調部211に出力する。適応復調部21
1は、要求変調方式決定部201の指示に従って、適応
逆拡散部210により抽出された成分を復調して復調信
号を生成する。適応復号化部212は、要求変調方式決
定部201の指示に従って、適応復調部211からの復
調信号を復号化することにより、受信データを取り出
す。
【0037】一方、逆拡散部213は、受信RF部20
9からの受信信号を逆拡散して、受信信号におけるパイ
ロット信号の成分を抽出し、抽出したパイロット信号の
成分をCIR測定部214に出力する。CIR測定部2
14は、逆拡散部213からのパイロット信号の成分を
用いてCIRを測定し、測定したCIRを要求変調方式
決定部201およびマージン算出部202に出力する。
【0038】次いで、図1に示した基地局装置と図2に
示した通信端末装置との間でなされる動作について説明
する。まず、通信開始時に、基地局装置においてパイロ
ット信号が、変調部106により変調され、拡散部10
7により拡散され、多重部108に出力される。多重部
108から電力制御部109に対しては、拡散されたパ
イロット信号のみが出力される。多重部108からのパ
イロット信号は、電力制御部109により所定の送信電
力値となるように増幅される。増幅されたパイロット信
号は、送信RF部110により無線周波数に周波数変換
されて、共用器111を介してアンテナ112から各通
信端末装置に送信される。このパイロット信号は、制御
チャネルを介して各通信端末装置に送信される。
【0039】基地局装置により送信されたパイロット信
号(制御チャネル信号)は、通信端末装置のアンテナ2
08に受信される。アンテナ208により受信された信
号(受信信号)は、共用器207を介して受信RF部2
09に出力される。共用器207からの受信信号は、受
信RF部209によりベースバンドに周波数変換され、
逆拡散部213により逆拡散される。これにより、逆拡
散部213では、受信信号におけるパイロット信号が抽
出される。抽出されたパイロット信号は、CIR測定部
214に出力される。
【0040】CIR測定部214では、逆拡散部213
により出力されたパイロット信号に基づいてCIRが測
定される。測定されたCIRは、要求変調方式決定部2
01およびマージン算出部202に送られる。
【0041】要求変調方式決定部201では、CIR測
定部214により測定されたCIRに基づいて、本通信
端末装置が所望の品質で受信可能な伝送レートが決定さ
れる。要求変調方式決定部201による伝送レートの決
定方法について、図3を用いて説明する。図3は、本発
明の実施の形態1にかかる通信装置を備えた通信端末装
置の要求変調方式決定部201による伝送レートの決定
方法を示す模式図である。
【0042】要求変調方式決定部201では、CIR測
定部214により測定されたCIR(受信品質)に基づ
いて、本通信端末装置の受信信号の特性(誤り率特性)
が所望品質を満たし、かつ、データの伝送効率が最良と
なるように、基地局装置に要求する伝送レートが決定さ
れる。
【0043】具体的には、例えば、CIR測定部214
により測定されたCIRが、図3に示すような値(受信
CIR301)であった場合には、本通信端末装置の受
信信号の特性が所望品質(ここでは誤り率が10-3であ
るとする。)を満たす伝送レートは、QPSKに対応す
る伝送レート、16QAMに対応する伝送レート、およ
び、64QAMに対応する伝送レートのいずれかとな
る。このような伝送レートのうち、データの伝送効率が
最良となるような伝送レートは、64QAMに対応する
伝送レートとなる。この結果、図3に示すようなCIR
が測定された場合には、基地局装置に要求する伝送レー
トとして、64QAMに対応する伝送レートが決定され
る。
【0044】以上のようにして要求変調方式決定部20
1により決定された伝送レートは、マージン算出部20
2およびDRC信号作成部203に出力される。伝送レ
ートが決定された後、要求変調方式決定部201から、
適応逆拡散部210、適応復調部211および適応復号
化部212に対して、それぞれ、受信信号に乗算する拡
散符号を指示する信号、受信信号の復調方式を指示する
信号、および、受信信号の復号化方式を指示する信号が
出力される。
【0045】マージン算出部202では、CIR測定部
214により測定されたCIR、および、要求変調方式
決定部201により決定された伝送レートを用いて、パ
ワマージンが算出される。すなわち、マージン算出部2
02では、まず、要求変調方式決定部201により決定
された伝送レートが適用され、要求した伝送レートで基
地局から送信された場合の受信品質(以下「第1受信品
質」という。)と、この場合の受信信号の特性が所望品
質を満たすのに最低限必要な受信品質(以下「第2受信
品質」という。)との差が算出される。この後、算出さ
れた差に対応する電力値として、パワマージンが算出さ
れる。このパワマージンとは、本通信端末装置が第1受
信品質を得るために必要な基地局装置における送信電力
値(通常送信される送信電力)と、本通信端末装置が第
2受信品質を得るために必要な基地局装置における送信
電力値との差に相当する。
【0046】具体的には、図3を参照するに、まず、要
求変調方式決定部201により決定された伝送レート
(64QAMに対応する伝送レート)のCIR対BER
特性を表す曲線に従って、受信信号の特性が所望品質
(BER=10-3)を満たすのに最低限必要な第2受信
品質(CIR302)が算出される。さらに、第1受信
品質(受信CIR301)と第2受信品質(CIR30
2)との差が算出された後、算出された差に対応する電
力値がパワマージン303として算出される。
【0047】なお、パワマージンを算出するために、本
通信端末装置が第1受信品質を得るために必要な基地局
装置における送信電力値、および、本通信端末装置が第
2受信品質を得るために必要な基地局装置における送信
電力値をそれぞれ算出した後、各送信電力値の差を算出
するようにしてもよい。以上のようにして算出されたパ
ワマージンに関する情報は、パワマージン情報として合
成部215に出力される。
【0048】DRC信号作成部203では、要求変調方
式決定部201により算出された伝送レートを示すDR
C信号が作成される。作成されたDRC信号は合成部2
15に出力される。
【0049】合成部215では、DRC信号作成部20
3からのDRC信号とマージン算出部202からのパワ
マージン情報とが合成されることにより、合成信号が生
成される。生成された合成信号は、変調部204に出力
される。
【0050】合成信号は、変調部204により変調さ
れ、拡散部205により拡散され、送信RF部206に
より無線周波数に周波数変換され、共用器207を介し
てアンテナ208により基地局装置に送信される。
【0051】通信端末装置により送信された信号は、基
地局装置のアンテナ112により受信される。アンテナ
112により受信された信号(受信信号)は、共用器1
11を介して受信RF部113に出力される。共用器1
11からの受信信号は、受信RF部113によりベース
バンドに周波数変換され、逆拡散部114により逆拡散
され、復調部115により復調される。この結果、復調
部115により復調信号が生成される。生成された復調
信号は、DRC信号検出部116およびパワマージン情
報検出部117に出力される。
【0052】パワマージン情報検出部117では、復調
部115からの復調信号からパワマージン情報が検出さ
れる。検出されたパワマージン情報は、電力設定部11
8に出力される。
【0053】電力設定部118では、検出されたパワマ
ージン情報により各通信端末装置のパワマージンが認識
される。さらに、電力設定部118では、認識された各
通信端末装置のパワマージンを考慮して、各通信端末装
置の送信信号の送信電力値が設定される。具体的には、
従来のHDRを用いた通信においては、各通信端末装置
の送信信号の送信電力は常に所定の送信電力値(一定)
とされていたが、本実施の形態では、所定の送信電力値
から通信端末装置のパワマージンを差し引いた値が、こ
の通信端末装置の送信信号の送信電力値として設定され
る。このようにして設定された通信端末装置の送信信号
の送信電力値は、この通信端末装置により要求された伝
送レートを適用した際に、この通信端末装置が第2受信
品質を得るために必要な本基地局装置の送信電力値に相
当する。このように電力設定部118により設定された
各通信端末装置の送信信号の送信電力値は、電力制御部
109に出力される。
【0054】一方、DRC信号検出部116では、復調
部115により生成された復調信号からDRC信号が検
出される。検出されたDRC信号は、割り当て部101
に出力される。
【0055】割り当て部101では、各通信端末装置に
より送信されたDRC信号に基づいて、各通信端末装置
への通信リソースの割り振りがなされる。基地局装置か
ら通信端末装置に送られる下り送信データは、通信リソ
ースの割り振りがなされるまでバッファ102に蓄えら
れる。
【0056】バッファ102により出力された下り送信
データは、適応符号化部103により通信端末装置で受
信可能な符号化方式で符号化され、適応変調部104に
より通信端末装置で受信可能な変調方式で変調され、適
応拡散部105により通信端末装置で受信可能な拡散符
号で拡散され、多重部108に出力される。多重部10
8では、拡散された下り送信データに拡散されたパイロ
ット信号が時間多重されることにより、送信信号が生成
される。
【0057】多重部108により生成された送信信号
は、電力制御部109において、電力設定部118によ
り設定された送信電力値となるように増幅される。増幅
された送信信号は、送信RF部110により無線周波数
に周波数変換され、共用器111を介してアンテナ11
2により各通信端末装置に送信される。
【0058】基地局装置により送信された信号は、通信
端末装置のアンテナ208により受信される。アンテナ
208により受信された信号(受信信号)は、共用器2
07を介して受信RF部209に出力される。共用器2
07からの受信信号は、受信RF部209によりベース
バンドに周波数変換され、適応逆拡散部210により逆
拡散される。これにより、適応逆拡散部210では、受
信信号におけるパイロット信号以外の成分(データに対
応する成分)が抽出される。抽出されたパイロット信号
以外の成分は、適応復調部211で復調され、適応復号
化部212により復号化される。これにより受信データ
が取り出される。
【0059】次いで、本実施の形態にかかる通信装置に
よる効果について、図4を参照して説明する。図4は、
本発明の実施の形態1にかかる通信装置を備えた通信端
末装置と基地局装置がHDRを用いた通信を行う様子を
示す模式図である。
【0060】図4において、基地局装置401は図1に
示した基地局装置に相当し、通信端末装置402〜40
4および通信端末装置410〜412は、図2に示した
通信端末装置に相当する。基地局装置401は、現在、
この基地局装置401がカバーするセルエリア405に
存在する通信端末装置402〜404と通信を行ってい
るものとする。なお、通信端末装置410〜412は、
セルエリア405の範囲内に存在しているが、基地局装
置401以外の基地局装置と通信を行っているものとす
る。セルエリアは通常オーバーラップするように設計さ
れるため、通信端末装置410〜412は、基地局装置
401のセルエリアと基地局装置401以外の基地局の
セルエリアとのオーバーラップしたエリアに存在してい
ることになる。
【0061】基地局装置401は、上述したように、通
信端末装置402〜404により選択された通信モード
に基づいてスケジューリングを行い、通信端末装置毎に
伝送レートを設定し、コントロールチャネルを通して通
信端末装置402〜404に通信リソースの割り振りを
示す信号を報知する。さらに、基地局装置401は、割
り振った時間において、該当する通信端末装置に対して
のみ、データチャネルを介してデータを送信する。
【0062】ここで、一例として、基地局装置401が
通信端末装置402に対してデータを送信する時間に着
目する。従来方式によれば、基地局装置401は、所定
の通信端末装置にデータを送信する際には、セルエリア
405に存在するすべての通信端末装置における受信品
質が十分に良好となるように、大きなものとする。この
場合には、上述したように、通信端末装置410〜41
2のうち他の基地局装置からデータを受信している通信
端末装置は、基地局装置401から通信端末装置402
に対して送信された信号により干渉を受けることにな
る。
【0063】ところが、本実施の形態では、基地局装置
401は、通信端末装置402に対して、セルエリア4
05に存在するすべて通信端末装置における受信品質が
十分に良好となるような送信電力値を用いてデータを送
信しない。すなわち、基地局装置401は、通信端末装
置402により要求された伝送レートを適用した場合
に、通信端末装置402の受信信号の特性が所望品質を
満たすのに最低限必要な送信電力値で、通信端末装置4
02にデータを送信する。この最低限必要な送信電力値
とは、エリア406内に存在する通信端末装置の受信品
質が所望品質を満たすのに最低限必要な送信電力値に相
当する。
【0064】基地局装置401がこのような送信電力値
を用いて通信端末装置402にデータを送信すれば、基
地局装置401が通信端末装置402に送信した信号に
よる、他の基地局装置からデータを受信する通信端末装
置410〜412が受ける干渉は、抑えられる。このと
き、通信端末装置402は、所望品質を満たす受信信号
を得ることができる。
【0065】なお、上述した通信と並行して、基地局装
置401と通信端末装置402〜404とは、HDRに
用いられた周波数帯域とは別の帯域を用いて、通常のC
DMA方式の通信を行っていることは、いうまでもな
い。
【0066】また、本実施の形態では、基地局装置は、
同一時刻に1つの通信端末装置のみに対してデータを送
信する場合について説明したが、本発明は、基地局装置
が、同一時刻に複数の通信端末装置に対してデータを送
信する場合にも適用可能である。この場合には、基地局
装置から複数の通信端末装置に送信された信号の遅延波
が、互いに干渉を及ぼし合う可能性を抑えることができ
るので、複数の通信端末装置の通信品質を良好に保つこ
とができる。
【0067】このように、本実施の形態においては、H
DRを用いた通信時に、基地局装置は、この基地局装置
がカバーするセル内に存在するすべての通信端末装置の
受信品質が十分に良好となるような送信電力値を用い
て、通信端末装置にデータを送信するのではなく、通信
端末装置の受信信号の特性が所望品質を満たすのに最低
限必要な送信電力値を用いて、この通信端末装置にデー
タを送信する。これにより、通信端末装置における受信
信号の品質を所望品質に保持しつつ、基地局装置がカバ
ーするエリアに存在する通信端末装置のうち、他の基地
局装置とHDRを用いた通信を行っている通信端末装置
に与える干渉を抑えることができる。
【0068】なお、本実施の形態では、通信端末装置
が、測定した受信品質に基づいて伝送レートおよびパワ
マージンを決定し、決定した伝送レートおよびパワマー
ジンを基地局装置に報知した後、基地局装置が、報知さ
れた伝送レートおよびパワマージンを用いて、この通信
端末装置の送信信号の送信電力値を設定する場合を例に
とり説明したが、通信端末装置が測定した受信品質を基
地局装置に報知し、基地局装置が、報知された受信品質
に基づいて決定した伝送レートおよびパワマージンを用
いて、この通信端末装置の送信信号の送信電力値を設定
するようにしてもよい。これにより、通信端末装置の規
模および消費電力を抑えることができる。
【0069】また、通信端末装置からパワマージンを送
信するのは、最も伝送レートの早いDRCをリクエスト
したときのみとしてもよい。これにより、通信端末装置
の規模および消費電力を抑えることができる。この場
合、高い伝送レートを要求できるということはCIRが
よいということになるので、基地局の近くに位置してい
る可能性が高い。よって、基地局の送信パワを大幅に低
減できるので、干渉回避の効果が大きい。
【0070】(実施の形態2)本実施の形態では、通信
端末装置におけるDRC選択時にあらかじめ送信パワの
低減までも考慮する場合について説明する。以下、本実
施の形態について説明する。
【0071】まず、本実施の形態にかかる通信端末装置
の構成について、図5を参照して説明する。図5は、本
発明の実施の形態2にかかる通信端末装置の構成を示す
ブロック図である。なお、図5における実施の形態1
(図2)と同様の構成については、図2におけるものと
同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0072】図5において、DRC信号作成部501
は、要求変調方式決定部201により決定された伝送レ
ート、および、マージン算出部202からのパワマージ
ン情報を用いて、DRC信号を作成する。また、DRC
信号作成部501は、作成したDRC信号を変調部50
2に出力する。なお、本実施の形態におけるDRC信号
の詳細については後述する。変調部502は、DRC信
号作成部501からのDRC信号を変調して拡散部20
5に出力する。
【0073】次に、本実施の形態にかかる基地局装置の
構成について、図6を参照して説明する。図6は、本発
明の実施の形態2にかかる基地局装置の構成を示すブロ
ック図である。なお、図6における実施の形態1(図
1)と同様の構成については、図1におけるものと同一
の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0074】図6において、電力設定部601は、DR
C信号検出部116により検出されたDRC信号を用い
て、各通信端末装置の送信信号の送信電力値を設定し、
設定された送信電力値を電力制御部602に出力する。
【0075】電力制御部602は、電力設定部601に
より設定された送信電力値となるように、適応拡散部1
05により拡散された送信データを増幅し、増幅された
送信データを多重部604に出力する。
【0076】電力制御部603は、拡散部107により
拡散されたパイロット信号を、所定(一定)の送信電力
値となるように増幅し、増幅されたパイロット信号を多
重部604に出力する。
【0077】多重部604は、電力制御部602により
増幅された送信データと、電力制御部603により増幅
されたパイロット信号とを多重することにより、多重信
号を生成し、生成された多重信号を送信RF部110に
出力する。
【0078】次いで、図5に示した通信端末装置と図6
に示した基地局装置との間でなされる動作について説明
する。なお、本実施の形態における実施の形態1と同様
の動作については詳しい説明を省略し、本実施の形態に
おける実施の形態1と相違する動作のみを説明する。
【0079】図5において、要求変調方式決定部201
では、実施の形態1で説明したように、CIR測定部2
14により測定されたCIRに基づいて、本通信端末装
置が所望の品質で受信可能な伝送レートが決定される。
要求変調方式決定部201により決定された伝送レート
は、マージン算出部202およびDRC信号作成部50
1に出力される。
【0080】マージン算出部202では、実施の形態1
で説明したように、CIR測定部214により測定され
たCIR、および、要求変調方式決定部201により決
定された伝送レートを用いて、パワマージンが算出され
る。算出されたパワマージンに関する情報は、パワマー
ジン情報としてDRC信号作成部501に出力される。
【0081】DRC信号作成部501では、要求変調方
式決定部201により決定された伝送レート、および、
マージン算出部202からのパワマージン情報を用い
て、DRC信号を作成する。具体的には、DRC信号作
成部501では、伝送レートおよびパワマージン情報に
対応するDRC信号を示すDRCテーブルがあらかじめ
準備されており、要求変調方式決定部201からの伝送
レート、および、マージン算出部202からのパワマー
ジン情報に基づいて、DRC信号が一義的に決定され
る。
【0082】ここで、実施の形態1におけるDRC信号
は、「通信端末装置が所望の品質で受信可能となる伝送
レートを示す」ものであるのに対して、本実施の形態に
おけるDRC信号は、「通信端末装置が所望の品質で
受信可能となる伝送レート、および、この伝送レート
が選択された場合におけるパワマージン(このパワマー
ジンは実施の形態1におけるものと同様である)」を示
すものである。
【0083】DRC信号作成部501により用いられる
DRCテーブルの具体例について、図7を参照して説明
する。図7は、本発明の実施の形態2にかかる通信端末
装置により用いられるDRCテーブルの一例を示す模式
図である。
【0084】図7に示すDRCテーブルでは、要求変調
方式決定部201により決定された伝送レートに対応す
る変調方式(BPSK、QPSK、16QAM等)、お
よび、マージン算出部202からのパワマージン情報
(0、5、10、15[dB]等)に、DRC信号(1
〜6)が対応付けられている。
【0085】例えば、要求変調方式決定部201により
16QAMに対応する伝送レートが選択され、かつ、マ
ージン算出部202によりパワマージン5[dB]が算
出された(5[dB]送信パワを下げても所望の品質を
満たすことができる)場合には、信号内容が「4」であ
るDRC信号が決定される。このようにしてDRC信号
作成部501により作成されたDRC信号は、変調部5
02により変調された後、拡散部205に出力される。
【0086】図6において、DRC信号検出部116に
より検出されたDRC信号は、割り当て部101および
電力設定部601に出力される。なお、割り当て部10
1では、実施の形態1で説明したような処理が行われ
る。
【0087】電力設定部601では、DRC信号検出部
116からのDRC信号に基づいて、各通信端末装置の
送信信号の送信電力値が設定される。具体的には、電力
設定部601では、図5に示した通信端末装置により用
いられたDRCテーブルを用いて、DRC信号検出部1
16からのDRC信号に対応するパワマージンが認識さ
れる。さらに、所定の送信電力値からこのパワマージン
が差し引かれた値が、この通信端末装置の送信信号の送
信電力値として設定される。
【0088】例えば、ある通信端末装置のDRC信号が
「4」である場合には、電力設定部601において、こ
の通信端末装置により送信電力値を5[dB]下げる旨
の要求がされていることが認識されて、この通信端末装
置の送信電力値は、所定の送信電力値から5[dB]差
し引かれた値に設定される。このように設定された送信
電力値は、電力制御部602に出力される。
【0089】電力制御部602では、適応拡散部105
により拡散された送信データは、電力設定部601によ
り設定された送信電力値となるように増幅される。増幅
された送信データは、多重部604に出力される。
【0090】電力制御部603では、拡散部107によ
り拡散されたパイロット信号は、常に所定(略一定)の
送信電力値となるように増幅される。増幅されたパイロ
ット信号は、多重部604に出力される。
【0091】電力制御部602により増幅された送信デ
ータと、電力制御部603により増幅されたパイロット
信号は、多重部604により多重される。これにより、
多重信号が生成される。生成された多重信号は、送信R
F部110に出力される。以上が、図5に示した通信端
末装置と図6に示した基地局装置との間でなされる動作
である。
【0092】以上のように、本実施の形態では、通信端
末装置が伝送レート(変調方式)を示す情報とパワマー
ジンとを示す情報とを個別に基地局装置に対して送信す
る(実施の形態1)のではなく、通信端末装置が伝送レ
ート(変調方式)とパワマージンとの組み合わせを示す
情報を基地局装置に対して送信する。これにより、通信
端末装置が基地局装置に対して送信する情報(伝送レー
トおよび送信電力値に関する情報)量、すなわち、無線
回線における情報量を削減することができる。
【0093】例えば、パワマージンの送信に必要な情報
量に着目すると、実施の形態1では、扱われるパワマー
ジンが2桁の値(0〜99[dB])であれば、パワマ
ージンだけでも少なくとも7ビットの情報量が必要とな
るのに対して、実施の形態2では、4ビットの情報量の
みで、伝送レートとパワマージンの組み合わせを示す1
6通りの情報を送信することができる。
【0094】また、本実施の形態では、基地局装置は送
信電力値を常に略一定としてパイロット信号(通信端末
装置において通信品質を測定する際に基準とされる信
号:基準信号)を送信することにより、通信端末装置
は、正確に通信品質を測定することができるので、正確
にDRC選択(変調方式およびパワマージンの選択)を
行うことができる。
【0095】さらに、基地局装置が送信電力値を常に略
一定としてパイロット信号を送信することを、実施の形
態1に適用した場合においても、実施の形態2と同様の
効果が得られる。
【0096】なお、本発明の実施の形態においては、変
調方式とパワマージンとの組み合わせがあらかじめ設定
されたDRCテーブルを用いた場合について記述した
が、このDRCテーブルの内容(例えば、16QAM送
信時のパワ低減量が5[dB]、10[dB]である
等)は、通信が行われる前に、基地局装置から通信端末
装置に対してあらかじめ報知チャネル等により報知され
るようにしてもよい。
【0097】また、通信中においても、通信品質等の様
々な条件に応じて、通信端末装置毎にDRCテーブル内
容を適応的に変更することにより、最適なパワ低減量を
選択することが可能になる。
【0098】さらに、本実施の形態では、通信端末装置
が、伝送レートとパワマージンとの組み合わせを示すD
RC信号を送信する場合について説明したが、通信端末
装置が、パワマージンに基づいて基地局装置における送
信電力値を算出し、伝送レートとこの算出された送信電
力値との組み合わせを示すDRC信号を送信し、基地局
装置が、このDRC信号における送信電力値を用いて送
信電力値を設定するようにしてもよい。
【0099】(実施の形態3)本実施の形態では、通信
品質が良好な通信端末装置に対する送信データの通信
が、基地局装置の下り回線(データチャネル)において
支配的となった際に、パイロット信号およびすべての通
信端末装置に対する送信データの送信電力を下げる場合
について説明する。
【0100】通信品質が良好な通信端末装置、すなわ
ち、基地局装置に近い位置に存在する通信端末装置(例
えば、図7の4〜6のDRC信号を基地局装置に報告す
る通信端末装置)に対する送信データの通信が、基地局
装置のセル内における下り回線において支配的な場合に
は、下り回線は、このセルの端に存在する通信端末装置
(基地局装置から遠い位置に存在する通信端末装置)に
割り当てられることが少ないと考えられる。このような
場合でも、従来方式では、基地局装置は、セル内におけ
るすべての通信端末装置に到達するような一定の電力を
用いて、パイロット信号および送信データを送信する。
【0101】ところが、上記のような場合には、まず第
1に、送信データに着目すると、基地局装置は、自局か
ら遠い位置に存在する通信端末装置には、送信データを
送信する可能性が低いのにもかかわらず、この通信端末
装置の受信品質が良好となるような一定の電力を用い
て、自局に近い位置に存在する通信端末装置に対して送
信データを送信する。すなわち、基地局装置は、必要以
上の送信電力を用いて、通信端末装置に対して送信デー
タを送信することになる。
【0102】この結果、基地局装置は、他の基地局装置
がカバーするセルにおける通信端末装置に対して大きな
干渉を与える。また、基地局装置が、同時刻に複数の通
信端末装置に対してHDR通信を行う場合には、自局が
カバーするセルに存在する複数の通信端末装置に対して
大きな干渉を与える。
【0103】第2に、上記のような場合には、パイロッ
ト信号に着目すると、基地局装置は、セルに存在するす
べての通信端末装置に到達するような電力を用いて、パ
イロット信号を送信する。ここで、基地局装置は、自局
から遠い位置に存在する通信端末装置には、送信データ
を送信する可能性が低い。よって、通信品質が良好な通
信端末装置に対する送信データの通信が、基地局装置の
下り回線において支配的となった状況のみに限定すれ
ば、基地局装置が、自局から遠い位置に存在する通信端
末装置に対してパイロット信号を送信する必要性は低
い。したがって、基地局装置は、必要以上の送信電力を
用いてパイロット信号を送信しているといえる。
【0104】さらには、基地局装置が必要以上の送信電
力を用いてパイロット信号を送信するということは、他
の基地局装置のセルに存在する通信端末装置に対して干
渉を与えることに相当する。
【0105】そこで、本実施の形態では、上記のような
問題を防止するために、通信品質が良好な通信端末装置
に対する送信データの通信が、基地局装置の下り回線に
おいて支配的となった場合(すなわち、下り回線が過剰
品質となった場合)には、基地局装置は、通信品質が良
好な通信端末装置に対する送信データの送信電力を下げ
るだけでなく、他の通信端末装置に対する送信データの
送信電力およびパイロット信号の送信電力を、良好な通
信端末装置に対する送信データの送信電力と同レベルだ
け下げるようにする。
【0106】すなわち、基地局装置は、セル半径を小さ
くする(各通信端末装置はパイロット信号のCIRを用
いて通信品質を測定するので、基地局装置がパイロット
信号の送信電力を下げることは、基地局装置がセルの大
きさを小さくすることと等価である)。換言すれば、基
地局装置は、送信データの送信先として選択した通信端
末装置のうち自局から近い位置に存在する通信端末装置
に対して、通常の送信電力より小さい電力を用いて集中
的に送信データを送信し、自局から遠い位置に存在する
通信端末装置については、他の基地局装置のセルに収容
してもらうか、自局から近い位置に存在する通信端末装
置への送信データの送信が終了した後に、送信データの
送信を行うようにする。
【0107】これにより、基地局装置は、他セルへの干
渉を抑えつつ、通信品質の良好な通信端末装置への送信
データの通信を集中的に行うことができる。
【0108】通信品質が良好な通信端末装置に対する送
信データの通信が少なくなったときには、基地局装置
は、送信データの送信電力およびパイロット信号の送信
電力を元に戻し(セルの大きさを元に戻し)て、送信デ
ータおよびパイロット信号が、セル内におけるすべての
通信端末装置に十分な品質で届くようにする。すなわ
ち、このときには、基地局装置は、送信データの送信先
として選択した通信端末装置のうちの多くが、自局から
遠い位置に存在する通信端末装置であることに着目し
て、送信データおよびパイロット信号の送信電力を元に
戻す。
【0109】すべての基地局装置が、上述したような送
信電力の制御を行うことにより、他の基地局装置との間
における干渉電力を下げることができる。これにより、
すべての基地局装置は、消費電力を下げることができる
ので、より効果的に無線資源を活用することができる。
【0110】次いで、上述した基地局装置の構成につい
て、図8を参照して説明する。図8は、本発明の実施の
形態3にかかる基地局装置の構成を示すブロック図であ
る。ここでは、図8に示す基地局装置は、一例として、
図7に示すDRCテーブルを用いる図5に示す通信端末
装置と通信を行う場合を例にとり説明するが、図8に示
す基地局装置と通信を行う通信端末装置としては、DR
C信号を基地局装置に報告する構成を有するものであれ
ば何でもよい。なお、図8における図1または図6と同
様の構成については、図1または図6におけるものと同
一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0111】割り当て部101は、実施の形態1と同様
に、DRC信号に基づいて各通信端末装置への通信リソ
ースの割り振りを決定する(高いDRC信号を報告して
きた通信端末装置に対して、送信データの送信を優先的
に割り当てる)。
【0112】下り回線品質推定部801は、DRC信号
検出部116からのDRC信号を用いて、自局に近い位
置に存在する通信端末装置、すなわち、通信品質が良好
な通信端末装置(パイロット信号のCIRが所定値より
大きい通信端末装置)がどれだけあるかを認識し、認識
結果に基づいて送信電力を指示する情報を生成して電力
設定部802に出力する。
【0113】電力設定部802は、下り回線品質推定部
801からの情報に基づいて、パイロット信号および送
信データの送信電力値を設定し、設定した送信電力値を
電力制御部109に出力する。
【0114】次いで、上記構成を有する基地局装置の動
作について、図8に加えて図9を参照して説明する。図
9は、本発明の実施の形態3にかかる基地局装置の動作
を示すフロー図である。なお、本実施の形態における実
施の形態1または実施の形態2と同様の動作については
省略する。
【0115】下り回線品質推定部801において、ま
ず、工程(以下「ST」という。)901に示すよう
に、DRC値6を報告してきた通信端末装置の数、また
は、自局のセル内で通信を行う全通信端末装置における
DRC値6を報告してきた通信端末装置の占める割合
(以下単に「DRC値6の通信端末装置の数または割
合」という。)が、所定値を超えた場合には、ST90
2に示すように、送信電力値を通常より15[dB]下
げる旨を指示する情報が、電力設定部802に出力され
る。逆に、DRC値6の通信端末装置の数または割合が
所定値以下である場合には、処理はST903に移行す
る。
【0116】ST903では、DRC値5以上の通信端
末装置の数または割合が所定値を超えた場合には、ST
904に示すように、送信電力値を通常より10[d
B]下げる旨を指示する情報が、電力設定部802に出
力される。逆に、DRC値5以上の通信端末装置の数ま
たは割合が所定値以下である場合には、処理はST90
5に移行する。
【0117】ST905では、DRC値4以上の通信端
末装置の数または割合が所定値を超えた場合には、ST
906に示すように、送信電力値を通常より5[dB]
下げる旨を指示する情報が、電力設定部802に出力さ
れる。逆に、DRC値4以上の通信端末装置の数または
割合が所定値以下である場合には、処理はST907に
移行する。
【0118】ST907では、通信品質が良好な通信端
末装置に対する送信データの通信が、基地局装置の下り
回線において支配的になっていない旨が認識されて、送
信電力値を通常のものにする旨を示す情報が電力設定部
802に出力される。
【0119】この後、電力設定部802では、下り回線
品質推定部801により指示された情報に基づいて、パ
イロット信号および送信データの送信電力値が設定され
る。すなわち、下り回線品質推定部801からの情報に
基づいて、通常の送信電力値から、15[dB](ST
902)、10[dB](ST904)、5[dB]
(ST906)および0[dB](ST907)のうち
のいずれかが差し引かれることにより、パイロット信号
および送信データの送信電力値が設定される。ここでの
通常の送信電力値とは、自局のセルに存在するすべての
通信端末装置が十分な品質で受信できるような送信電力
値に相当することは、いうまでもない。
【0120】なお、通常の送信電力値から差し引く値を
DRC値の大きさに応じて設定している(図9における
ST902、ST904、ST906およびST90
7)のは、通信端末装置が報告してきたDRC値の大き
さ、すなわち、通信端末装置の自局からの距離によっ
て、この通信端末装置に対する送信電力値の最適値が異
なることを考慮しているからである。これにより、送信
データを受信する通信端末装置における受信品質を確実
に良好に保つことができる。
【0121】この後、多重部108により生成された送
信信号(パイロット信号および各通信端末装置に対する
送信データが多重された信号)は、電力制御部109に
おいて、電力設定部802により設定された送信電力値
となるように、一律に増幅されて送信RF部110に出
力される。
【0122】次いで、すべての通信端末装置に対する送
信データの送信電力値だけでなく、パイロット信号の送
信電力値も下げる理由について説明する。送信データの
送信電力値だけ下げて、パイロット信号の送信電力を通
常の値にした場合には、ある他の基地局装置のセルに存
在する通信端末装置では、パイロット信号を受信する際
の受信品質が、送信データを実際に受信する際の受信品
質よりも低くなる可能性がある。よって、これらの通信
端末装置は、本来所定の受信品質を満たすのに十分な伝
送レートよりも低速な伝送レートを基地局装置に対して
報告することになる。この結果、上記他の基地局装置に
おける下り回線の総スループット(通信端末装置へ送信
した送信データの総量)が低下する。
【0123】そこで、本実施の形態では、すべての通信
端末装置に対する送信データおよびパイロット信号の送
信電力値を同レベルだけ低くする。これにより、他の基
地局装置における総スループットの低下を防止すること
ができる。
【0124】このように、本実施の形態においては、通
信品質が良好な(基地局装置から近い位置に存在する)
通信端末装置への送信データの通信が下り回線に占める
割合に応じて、すなわち、下り回線に対する通信品質が
良好な通信端末装置への送信データへの通信の割合に応
じて、基地局装置が、パイロット信号およびすべての通
信端末装置に対する送信データの送信電力値を決定する
ことにより、自局のセルおよび他局のセルに存在する通
信端末装置に対する干渉を抑えるとともに、下り回線の
総スループット(通信端末装置へ送信した送信データの
総量)を向上させることができる。
【0125】具体的には、通信品質が良好な通信端末装
置への送信データの通信が下り回線に占める割合が大き
い場合には、上記通信品質が良好な通信端末装置の自局
との距離に基づいて、パイロット信号および全通信端末
装置に対する送信データの送信電力値を一律に下げるこ
とにより、上記通信品質が良好な通信端末装置における
受信品質を良好に保ちつつ、自局のセルおよび他局のセ
ルに存在する通信端末装置に対する干渉を抑えることが
できる。
【0126】逆に、通信品質が良好な通信端末装置への
送信データの通信が下り回線に占める割合が小さい場合
には、パイロット信号および全通信端末装置に対する送
信データの送信電力値を下げたままでは、基地局装置か
ら遠い位置に存在する多くの通信端末装置における受信
品質が悪くなるために、下り回線の総スループットが下
がることになるので、パイロット信号および全通信端末
装置に対する送信データの送信電力値を通常の値にす
る。これにより、下り回線の総スループットを大きくす
ること、すなわち、伝送効率を向上させることができ
る。
【0127】(実施の形態4)本実施の形態では、実施
の形態3において、下り回線における総スループットの
変化に応じて、パイロット信号および送信データの送信
電力値を通常の送信電力値に近づける場合について説明
する。
【0128】上記実施の形態3では、通信品質が良好な
通信端末装置への送信データの通信が下り回線に占める
割合に応じて、パイロット信号および送信データの送信
電力値を下げている。ところが、送信データの送信電力
値を下げることにより、通信端末装置において正しく受
信されないパケットが多数発生して、下り回線の総スル
ープットが低下する可能性がある。この結果、非効率な
伝送がなされることになる。
【0129】そこで、本実施の形態では、下り回線の総
スループットを維持できているか否かを監視して、送信
データの送信電力値を下げた後に下り回線の総スループ
ットが低下した場合には、送信データの送信電力値を通
常の値に近づけるようにする。
【0130】以下、本実施の形態にかかる基地局装置の
構成について、図10を参照して説明する。図10は、
本発明の実施の形態4にかかる基地局装置の構成を示す
ブロック図である。なお、図10における実施の形態3
(図8)と同様の構成については、図8におけるものと
同一の符号を付して、詳しい説明を省略する。
【0131】図10において、割当て部1001は、次
の点を除いて、実施の形態3における割当て部101と
同様の構成を有するものである。すなわち、割当て部1
001は、DRC信号に基づいて決定した各通信端末装
置への通信リソースの割り振り結果(どの通信端末装置
に対してどのような伝送レートで送信を行うか)を、下
り回線品質推定部1002に出力する。
【0132】下り回線品質推定部1002は、次の点を
除いて、実施の形態3における下り回線品質推定部80
1と同様の構成を有するものである。すなわち、下り回
線品質推定部1002は、割当て部1001からの割り
振り結果を用いて、下り回線全体の総スループットの変
化を監視し、実施の形態3で説明した認識結果およびこ
の総スループットの変化に基づいて送信電力を指示する
情報を生成して電力設定部802に出力する。
【0133】次いで、上記構成を有する基地局装置の動
作について、図10に加えて図11を参照して説明す
る。図11は、本発明の実施の形態4にかかる基地局装
置の動作を示すフロー図である。なお、図11における
図9と同様の動作については、詳しい説明を省略する。
【0134】ST902において送信電力値が通常より
15[dB]下げられた後には、ST1101に示すよ
うに、下り回線品質推定部1002では、割当て部10
01からの割り振り結果に基づいて下り回線の総スルー
プットが監視され、送信電力が下げられる前より総スル
ープットが低下しているか否かが判定される。総スルー
プットが低下していない場合には、処理は上述したST
901に移行する。総スループットが低下している場合
には、処理は上述したST904に移行する。
【0135】同様に、ST904において送信電力値が
通常より10[dB]下げられた後には、ST1102
に示すように、下り回線品質推定部1002では、送信
電力が下げられる前より総スループットが低下している
か否かが判定される。総スループットが低下していない
場合には、処理は上述したST901に移行する。総ス
ループットが低下している場合には、処理は上述したS
T906に移行する。
【0136】同様に、ST906において送信電力値が
通常より5[dB]下げられた後には、ST1103に
示すように、下り回線品質推定部1002では、送信電
力が下げられる前より総スループットが低下しているか
否かが判定される。総スループットが低下していない場
合には、処理は上述したST901に移行する。総スル
ープットが低下している場合には、処理は上述したST
907に移行する。
【0137】なお、本実施の形態では、送信電力値を下
げた後の総スループットを、送信電力値を下げる前にお
ける総スループットに維持できないときに、段階的に送
信電力を通常の値に近づけていく(段階的に送信電力値
を上げていく)場合について説明したが、送信電力値を
直接通常の値にまで戻すようにしてもよい。
【0138】このように、本実施の形態によれば、下り
回線の総スループットの変化に応じて、パイロット信号
および送信データの送信電力値を通常の値に近づけるこ
とにより、送信データを下げることに起因する下り回線
の総スループットの低下を防止することができる。これ
により、効率的な送信データの伝送を実現することがで
きる。
【0139】(実施の形態5)本実施の形態では、基地
局装置が、所定のDRC信号を報告してきた通信端末装
置の数に基づいて、通信品質が良好な通信端末装置(自
局から近い位置に存在する通信端末装置)に対する送信
データの通信が下り回線において支配的になっているか
否か(すなわち、下り回線が過剰品質となっているか否
か)を検出し、さらに、検出結果に基づいて、パイロッ
ト信号およびすべての通信端末装置に対する送信データ
の送信電力を変更する場合について説明する。
【0140】上記実施の形態3では、通信品質が良好な
通信端末装置に対する送信データの通信が、基地局装置
のセル内における下り回線において支配的であるか否か
を、送信データの送信先となる通信端末装置の総数と、
所定のDRC信号を報告してきた通信端末装置の数との
割合を用いて、検出している。
【0141】ところが、例えば、送信データの送信先と
なる通信端末装置の総数が少ない場合には、上記割合が
閾値を超えたことによりパイロット信号およびすべての
通信端末装置に対する送信データの送信電力を下げたと
きには、総スループットが下がる可能性がある。
【0142】そこで、本実施の形態では、所定のDRC
信号を報告してきた通信端末装置の数に基づいて、通信
品質が良好な通信端末装置への通信が下り回線において
支配的となっているか否かを検出し、この検出結果に基
づいてパイロット信号および全通信端末装置に対する送
信データの送信電力を変化させる。
【0143】具体的には、例えば、所定のDRC信号を
報告してきた通信端末装置の数が閾値以上である場合に
は、通信品質が良好な通信端末装置への通信が下り回線
において支配的になっていることを認識し、必要以上の
送信電力を用いて送信を行うことを防止するために、送
信電力を下げる。逆に、所定のDRC信号を報告してき
た通信端末装置の数が閾値を下回っている場合には、送
信データの送信先となる通信端末装置の多くが自局から
遠い位置に存在していることを認識し、送信電力を通常
の電力値に戻す。これにより、自局のセルおよび他局の
セルに存在する通信端末装置に対する干渉を抑えるとと
もに、下り回線の総スループットを向上させることがで
きる。
【0144】次いで、本実施の形態にかかる通信端末装
置および基地局装置の構成について、図12から図14
を用いて説明する。図12は、本発明の実施の形態5に
かかる通信端末装置の構成を示すブロック図である。図
13は、本発明の実施の形態5にかかる通信端末装置に
より用いられるDRC信号の一例を示す模式図である。
図14は、本発明の実施の形態5にかかる基地局装置の
構成を示すブロック図である。
【0145】まず、通信端末装置の構成について図12
を参照して説明する。なお、図12における図5と同様
の構成については、図5におけるものと同一の符号を付
して、詳しい説明を省略する。
【0146】DRC信号作成部1201は、要求変調方
式決定部201により決定された伝送レートを用いてD
RC信号を作成する。具体的には、DRC信号作成部1
201は、伝送レートに対応するDRC信号を示すDR
Cテーブル(例えば図13に示すDRCテーブル)を有
しており、要求変調方式決定部201により決定された
伝送レートに対応するDRC信号を作成する。このDR
C信号作成部1201は、作成したDRC信号を変調部
502に出力する。
【0147】次に、基地局装置の構成について図14を
参照して説明する。なお、図14における図8と同様の
構成については、図8におけるものと同一の符号を付し
て、詳しい説明を省略する。
【0148】下り回線品質推定部1401は、DRC信
号検出部116からのDRC信号を用いて、自局に近い
位置に存在する通信端末装置、すなわち、通信品質が良
好な通信端末装置(パイロット信号のCIRが所定値よ
り大きい通信端末装置)の数を認識し、さらに、認識さ
れた数と閾値との比較を行う。この下り回線品質推定部
1401は、比較結果に基づいて送信電力を指示する情
報を生成して電力設定部802に出力する。
【0149】次いで、上記構成を有する通信端末装置お
よび基地局装置の動作について、さらに図15を参照し
て説明する。図15は、本発明の実施の形態5にかかる
基地局装置の動作を示すフロー図である。なお、本実施
の形態における実施の形態1〜実施の形態4と同様の動
作については省略する。
【0150】図12に示す通信端末装置において、DR
C信号作成部1201では、図13に示したDRCテー
ブルに従って、要求変調方式決定部201により決定さ
れた伝送レートに対応するDRC信号が生成される。生
成されたDRC信号は、変調部502に出力される。
【0151】図14に示す基地局装置における動作は次
の通りである。すなわち、下り回線品質推定部1401
では、まず、ST1501に示すように、DRC信号検
出部116からのDRC信号を用いて、DRC値3を報
告してきた通信端末装置の数が認識された後、認識され
た数と閾値との比較がなされる。
【0152】この比較の結果、DRC値3を報告してき
た通信端末装置の数が閾値以上である場合には、通信品
質の良好な通信端末装置(DRC値3を報告してきた通
信端末装置)への送信データの通信が下り回線において
支配的になっていることが認識されて、ST1502に
示すように、送信電力を例えば1[dB]下げる旨を指
示する情報が生成される。逆に、DRC値3を報告して
きた通信端末装置の数が閾値を下回っている場合には、
送信データの送信先となる通信端末装置の多くが自局か
ら遠い位置に存在している通信端末装置であることが認
識されて、処理はST1503に移行する。
【0153】ST1503では、現時点での送信電力値
が通常の送信電力値(最大値)であるか否かの判定がな
される。現時点での送信電力値が通常の送信電力値より
小さい場合には、ST1504に示すように、送信電力
を例えば1[dB]上げる旨を指示する情報が生成され
る。逆に、現時点での送信電力値が通常の送信電力値で
ある場合には、送信電力を変更しない旨を指示する情報
が生成されて処理はST1501へ移行する。
【0154】以上のようにして下り回線品質推定部14
01により生成された情報は、電力設定部802に出力
される。電力設定部802では、下り回線品質推定部1
401により指示された情報に基づいて、パイロット信
号および送信データの送信電力値が設定される。
【0155】このように、本実施の形態においては、通
信品質が良好な(基地局装置から近い位置に存在する)
通信端末装置の数に応じて、基地局装置が、パイロット
信号およびすべての通信端末装置への送信データの送信
電力値を決定することにより、自局のセルおよび他局の
セルに存在する通信端末装置に対する干渉を抑えるとと
もに、下り回線の総スループットを向上させることがで
きる。
【0156】具体的には、通信品質が良好な通信端末装
置の数が閾値以上である場合には、パイロット信号およ
び全通信端末装置に対する送信データの送信電力値を一
律に下げることにより、上記通信品質が良好な通信端末
装置における受信品質を良好に保ちつつ、自局のセルお
よび他局のセルに存在する通信端末装置に対する干渉を
抑えることができる。
【0157】逆に、通信品質が良好な通信端末装置の数
が閾値を下回る場合には、パイロット信号および全通信
端末装置に対する送信データの送信電力値を下げたまま
では、基地局装置から遠い位置に存在する多くの通信端
末装置における受信品質が悪化するために、下り回線の
総スループットが下がることになるので、パイロット信
号および全通信端末装置に対する送信データの送信電力
値を通常の送信電力値に近づけていく。これにより、下
り回線の総スループットを大きくすること、すなわち、
伝送効率を向上させることができる。
【0158】さらに、本実施の形態によれば、送信デー
タの送信先となる通信端末装置の総数が少ない場合にお
いては、通信品質の良好な通信端末装置の数に基づいて
送信電力を変化させるので、実施の形態3に比べて、下
り回線の総スループットの低下を抑えることができる。
【0159】なお、本実施の形態においては、通信端末
装置が変調方式のみを指定するDRC信号を基地局装置
に対して報告する場合を例にとり説明したが、本発明
は、通信端末装置が、実施の形態1〜実施の形態4で説
明したようなDRC信号を報告する場合においても適用
可能なものであることはいうまでもない。
【0160】また、本実施の形態においては、送信デー
タの送信先となる通信端末装置の総数が少ないことに起
因する、下り回線の総スループットの低下を防止するた
めに、通信品質の良好な通信端末装置の数に基づいて、
送信電力を変化させる場合について説明したが、実施の
形態3と同様に、通信品質の良好な通信端末装置の数
と、送信データの送信先となる通信端末装置の総数との
割合に基づいて、送信電力を変化させることも可能であ
ることはいうまでもない。
【0161】(実施の形態6)本実施の形態では、実施
の形態5において、下り回線における総スループットの
変化に応じて、パイロット信号および送信データの送信
電力値を通常の送信電力値に近づける場合について説明
する。
【0162】上記実施の形態5では、通信品質が良好な
通信端末装置の数に応じて、パイロット信号および送信
データの送信電力値を下げている。ところが、実施の形
態4で述べたように、送信データの送信電力値を下げる
ことにより、通信端末装置において正しく受信されない
パケットが多数発生して、下り回線の総スループットが
低下する可能性がある。この結果、非効率な伝送がなさ
れることになる。
【0163】そこで、本実施の形態では、実施の形態4
と同様に、下り回線の総スループットを維持できている
かを監視して、送信データの送信電力値を下げた後に下
り回線の総スループットが低下した場合には、送信デー
タの送信電力値を通常の値に近づけるようにする。
【0164】以下、本実施の形態にかかる基地局装置の
構成について、図16を参照して説明する。図16は、
本発明の実施の形態6にかかる基地局装置の構成を示す
ブロック図である。なお、図16における図10および
図14と同様の構成については、図10および図14に
おけるものと同一の符号を付して、詳しい説明を省略す
る。
【0165】図16において、下り回線品質推定部16
01は、次の点を除いて、実施の形態5における下り回
線品質推定部1401と同様の構成を有するものであ
る。すなわち、下り回線品質推定部1601は、割当て
部1001からの割り振り結果を用いて、下り回線全体
の総スループットの変化を監視し、実施の形態5で説明
した比較結果およびこの総スループットの変化に基づい
て送信電力を指示する情報を生成して電力設定部802
に出力する。なお、本実施の形態にかかる通信端末装置
の構成については、実施の形態5(図12)と同様であ
るので、詳しい説明を省略する。
【0166】次いで、上記構成を有する基地局装置の動
作について、さらに図17を参照して説明する。図17
は、本発明の実施の形態6にかかる基地局装置の動作を
示すフロー図である。なお、図17における図15と同
様の動作については、詳しい説明を省略する。
【0167】ST1502において送信電力値が1[d
B]下げられた後には、ST1701に示すように、下
り回線品質推定部1601では、割当て部1001から
の割り振り結果に基づいて下り回線の総スループットが
監視され、送信電力が下げられる前より総スループット
が低下しているか否かが判定される。総スループットが
低下していない場合には、処理は上述したST1501
に移行する。総スループットが低下している場合には、
処理は上述したST1504に移行する。
【0168】なお、本実施の形態では、送信電力値を下
げた後の総スループットを、送信電力値を下げる前にお
ける総スループットに維持できないときに、段階的に送
信電力を通常の値に近づけていく(段階的に送信電力値
を上げていく)場合について説明したが、送信電力値を
直接通常の値にまで戻すようにしてもよい。
【0169】このように、本実施の形態によれば、下り
回線の総スループットの変化に応じて、パイロット信号
および送信データの送信電力値を通常の値に近づけるこ
とにより、送信データを下げることに起因する下り回線
の総スループットの低下を防止することができる。これ
により、効率的な送信データの伝送を実現することがで
きる。
【0170】(実施の形態7)本実施の形態では、下り
回線(データチャネル)が過剰品質になっているか否か
を検出するための指標として、DRCの最高値を報告す
る通信端末装置の数または割合だけを用いる他に、通信
端末装置が報告するDRC値の分布を用いる場合につい
て説明する。
【0171】図18(a)は、本発明の実施の形態7に
かかる通信端末装置により報告されたDRC値の分布の
第1例を概念的に示す模式図である。図18(b)は、
本発明の実施の形態7にかかる通信端末装置により報告
されたDRC値の分布の第2例を概念的に示す模式図で
ある。図18(a)および図18(b)においては、横
軸に示す各DRC値に対して、そのDRC値を報告して
きた通信端末装置の数が縦軸に示されている。
【0172】図18(a)に示すように、DRC値の分
布が高い方(より高速な伝送レートの方)に極端に偏っ
ている場合には、セルの下り回線が過剰品質になってい
ると推測することができる。すなわち、基地局装置は、
必要以上の送信電力を用いて送信を行うので、自局のセ
ルおよび他局のセルに存在する通信端末装置に対して大
きな干渉を与えることになる。
【0173】そこで、このような場合には、パイロット
信号および送信データの送信電力を下げることにより、
図18(b)に示すように、DRC値の分布が高い方に
極端に偏らないように(すなわち、通信品質の良好な通
信端末装置に対する送信データの通信が下り回線におい
て支配的とならないように)する。これにより、自局の
セルおよび他局のセルに存在する通信端末装置に対する
干渉を抑えることができる。
【0174】以下、本実施の形態にかかる基地局装置の
構成について説明する。本実施の形態にかかる基地局装
置の構成は、下り回線品質推定部が以下のような構成を
有する点を除いて、図14に示したものと同様である。
【0175】すなわち、下り回線品質推定部は、DRC
信号検出部116からのDRC信号を用いてDRC値
(換言すれば、各通信端末装置におけるパイロット信号
の受信品質)の平均値および分散を算出し、算出結果に
基づいてDRC値の分布状態を判定する。この下り回線
品質推定部は、分布状態の判定結果に基づいて送信電力
を指示する情報を生成して電力設定部802に出力す
る。
【0176】次に、本実施の形態にかかる基地局装置の
動作について、さらに図19を参照して説明する。図1
9は、本発明の実施の形態7にかかる基地局装置の動作
を示すフロー図である。なお、本実施の形態における実
施の形態5と同様の動作については、説明を省略する。
【0177】下り回線品質推定部において、まず、各通
信端末装置により報告されたDRC値の平均値および分
散が算出される。ST1901では、算出された平均値
が閾値以上であるか否かの判定がなされ、算出された平
均値が、閾値以上である場合には処理はST1902に
移行し、閾値未満である場合には処理はST1904に
移行する。
【0178】ST1902では、算出されたDRC値の
分散が閾値以下であるか否かの判定がなされ、算出され
た分散が、閾値以下である場合には処理はST1903
に移行し、閾値より大きい場合には処理はST1904
に移行する。
【0179】ST1903では、算出された平均値が閾
値以上であり、かつ、算出された分散が閾値以下である
ことにより、DRCの分布が高い方に極端に偏っている
ことが認識される。このため、送信電力を例えば1[d
B]下げる旨を指示する情報が生成される。
【0180】一方、ST1904では、算出された平均
値が閾値未満であるか、または、算出された分散が閾値
より大きい場合には、DRCの分布が高い方に極端に偏
っていないことが認識される。さらに、現時点の送信電
力値が通常の送信電力値(最大値)であるか否かの判定
がなされる。現時点の送信電力値が、通常の送信電力値
である場合には処理はST1901に移行し、通常の送
信電力値未満である場合には処理はST1905に移行
する。ST1905では、送信電力を例えば1[dB]
上げる旨を指示する情報が生成される。ST1903ま
たはST1905において生成された情報は、電力設定
部802に出力される。
【0181】このように、本実施の形態においては、通
信端末装置により報告されたDRC値の分布を用いるこ
とにより、下り回線が過剰品質になっているか否か、す
なわち、通信品質が良好な通信端末装置への送信データ
の通信が下り回線において支配的になっているか否か、
を確実に検出することができる。
【0182】(実施の形態8)本実施の形態では、実施
の形態7において、DRC値の平均値と分散の大きさに
応じて送信電力値を制御する場合について説明する。
【0183】上記実施の形態7では、DRC値の平均値
と分散とを用いてDRC値の分布状態を検出し、検出し
た分布状態を用いて、DRCの分布が高い方に極端に偏
っている場合には送信電力を1[db]下げ、DRCの
分布が高い方に極端に偏っていない場合には、送信電力
を通常の送信電力値に近づけるように1[dB]だけ上
げている。
【0184】ところが、DRCの分布が高い方に偏って
いる状況の中でも、DRCの分布がより高いDRC値に
偏っている第1の場合もあれば、DRCの分布が第1の
場合よりも小さいDRC値に偏っている第2の場合もあ
る。DRCの分布状態が第1の場合にあるときと第2の
場合にあるときとでは、送信電力値の最適な下げ幅は異
なる。すなわち、第2の場合における最適な下げ幅は、
他セルにおける通信端末装置に対する干渉および総スル
ープットの観点からみれば、第1の場合における最適な
下げ幅より小さくした方が好ましい。
【0185】同様に、DRCの分布が低い方に偏ってい
る状況の中でも、DRCの分布がより低いDRC値に偏
っている第3の場合もあれば、DRCの分布が第3の場
合よりも高いDRC値に偏っている第4の場合もある。
DRCの分布状態が第3の場合にあるときと第4の場合
にあるときとでは、送信電力値の最適な上げ幅は異な
る。すなわち、第3の場合における最適な上げ幅は、他
セルにおける通信端末装置に対する干渉および総スルー
プットの観点からみれば、第4の場合における上げ幅よ
り大きくした方が好ましい。
【0186】そこで、本実施の形態においては、DRC
値の平均値および分散を用いて検出されるDRC値の分
布状況に基づいて、どのDRC値に極端な偏りが生じて
いるのかを判断した後、判断結果に応じて送信電力値の
制御(すなわち、上げ幅または下げ幅の制御)を行う。
【0187】以下、本実施の形態にかかる基地局装置の
構成について説明する。本実施の形態にかかる基地局装
置の構成は、下り回線品質推定部が以下のような構成を
有する点を除いて、図14に示したものと同様である。
【0188】すなわち、下り回線品質推定部は、DRC
信号検出部116からのDRC信号を用いてDRC値
(換言すれば、各通信端末装置におけるパイロット信号
の受信品質)の平均値および分散を算出し、算出結果に
基づいてDRC値の分布状態(具体的には、どのDRC
値に偏りが生じているか)を判定する。この下り回線品
質推定部は、分布状態の判定結果に基づいて送信電力を
指示する情報を生成して電力設定部802に出力する。
【0189】次に、本実施の形態にかかる基地局装置の
動作について、図20および図21を参照して説明す
る。図20は、本発明の実施の形態8にかかる基地局装
置におけるDRC値の平均値および分散と送信電力値と
の関係の一例を示す模式図である。図21は、本発明の
実施の形態8にかかる基地局装置の動作を示すフロー図
である。なお、本実施の形態における実施の形態7と同
様の動作については、詳しい説明を省略する。
【0190】下り回線品質推定部において、まず、各通
信端末装置により報告されたDRC値の平均値および分
散が算出される。さらに、算出された平均値および分散
を用いて、図20に示す関係に従って、送信電力を指示
する情報が生成される。
【0191】具体的には、ST2101では、DRC値
の平均値および分散が図20に示す領域6にあるか否か
の判定がなされる。平均値および分散が領域6にある場
合(すなわち、最も高いDRC値に偏りが生じている場
合)には、ST2102において送信電力を10[d
B]下げる旨の情報が生成された後、処理はST210
1に戻る。逆に、平均値および分散が領域6にない場合
には、処理はST2103に移行する。
【0192】ST2103では、DRC値の平均値およ
び分散が領域5にあるか否かの判定がなされる。平均値
および分散が領域5にある場合(すなわち、領域6の場
合より低いDRC値に偏りが生じている場合)には、S
T2104において送信電力を6[dB]下げる旨の情
報が生成された後、処理はST2101に戻る。逆に、
平均値および分散が領域5にない場合には、処理はST
2105に移行する。
【0193】ST2105では、DRC値の平均値およ
び分散が領域4にあるか否かの判定がなされる。平均値
および分散が領域4にある場合(すなわち、領域5の場
合より低いDRC値に偏りが生じている場合)には、S
T2106において送信電力を3[dB]下げる旨の情
報が生成された後、処理はST2101に移行する。逆
に、平均値および分散が領域4にない場合には、処理は
ST2107に移行する。
【0194】ST2107では、DRC値の平均値およ
び分散が領域3にあるか否かの判定がなされる。平均値
および分散が領域3にある場合(すなわち、いずれのD
RC値にも偏りが生じていない最も好ましい場合)に
は、送信電力を上げるかまたは下げるかを指示する情報
は生成されず、処理はST2101に移行する。逆に、
平均値および分散が領域3にない場合には、処理はST
2108に移行する。
【0195】ST2108では、DRC値の平均値およ
び分散が領域2にあるか否かの判定がなされる。平均値
および分散が領域2にある場合(すなわち、低いDRC
値に偏りが生じている場合)には、ST2109におい
て現時点での送信電力値が通常の送信電力値であるか否
かの判定がなされる。現時点での送信電力値が通常の送
信電力値である場合には、送信電力を変化させる旨の情
報は生成されず、処理はST2101に戻る。現時点で
の送信電力値が通常の送信電力値でない場合には、ST
2110において送信電力を3[dB]上げる旨を指示
する情報が生成された後、処理はST2101に戻る。
逆に、ST2108において平均値および分散が領域2
にない場合には、処理はST2111に移行する。
【0196】ST2111では、DRC値の平均値およ
び分散が領域1にあるか否かの判定がなされる。平均値
および分散が領域1にある場合(すなわち、領域2の場
合より低いDRC値に偏りが生じている場合)には、S
T2112において現時点での送信電力値が通常の送信
電力値であるか否かの判定がなされる。現時点での送信
電力値が通常の送信電力値である場合には、送信電力を
変化させる旨の情報は生成されず、処理はST2101
に戻る。現時点の送信電力値が通常の送信電力値でない
場合には、ST2113において送信電力値を6[d
B]上げる旨を指示する情報が生成された後、処理はS
T2101に移行する。
【0197】このように、本実施の形態においては、D
RC値の平均値および分散を用いて、どのDRC値に極
端な偏りが生じているかを判断した後、判断結果に基づ
いて、送信電力の制御を行うことにより、他セルにおけ
る通信端末装置に対する干渉の低減および総スループッ
トの改善を高速かつ高精度に行うことができる。
【0198】なお、上記実施の形態1〜上記実施の形態
8で説明した制御をすべての基地局装置が行った場合に
は、各基地局装置のエリアがオーバーラップしている部
分を減らすことができるので、送信電力を下げた一瞬は
スループットが低下するかもしれないが、長期的にみれ
ば、システム全体のスループットを極大化することがで
きる。また、上記実施の形態1〜上記実施の形態8で説
明した基地局装置および通信端末装置は、それぞれ組み
合わせて用いることが可能なものである。
【0199】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
他基地局装置との間でHDRを用いた通信を行う通信端
末装置、および、同時刻に自局とHDRを用いた通信を
行っている通信端末装置に及ぼす干渉を抑える通信装置
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかる通信装置を備え
た基地局装置の構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態1にかかる通信装置を備え
た通信端末装置の構成を示すブロック図
【図3】本発明の実施の形態1にかかる通信装置を備え
た通信端末装置の要求変調方式決定部による伝送レート
の決定方法を示す模式図
【図4】本発明の実施の形態1にかかる通信装置を備え
た通信端末装置と基地局装置がHDRを用いた通信を行
う様子を示す模式図
【図5】本発明の実施の形態2にかかる通信端末装置の
構成を示すブロック図
【図6】本発明の実施の形態2にかかる基地局装置の構
成を示すブロック図
【図7】本発明の実施の形態2にかかる通信端末装置に
より用いられるDRCテーブルの一例を示す模式図
【図8】本発明の実施の形態3にかかる基地局装置の構
成を示すブロック図
【図9】本発明の実施の形態3にかかる基地局装置の動
作を示すフロー図
【図10】本発明の実施の形態4にかかる基地局装置の
構成を示すブロック図
【図11】本発明の実施の形態4にかかる基地局装置の
動作を示すフロー図
【図12】本発明の実施の形態5にかかる通信端末装置
の構成を示すブロック図
【図13】本発明の実施の形態5にかかる通信端末装置
により用いられるDRC信号の一例を示す模式図
【図14】本発明の実施の形態5にかかる基地局装置の
構成を示すブロック図
【図15】本発明の実施の形態5にかかる基地局装置の
動作を示すフロー図
【図16】本発明の実施の形態6にかかる基地局装置の
構成を示すブロック図
【図17】本発明の実施の形態6にかかる基地局装置の
動作を示すフロー図
【図18】(a)本発明の実施の形態7にかかる通信端
末装置により報告されたDRC値の分布の第1例を概念
的に示す模式図 (b)本発明の実施の形態7にかかる通信端末装置によ
り報告されたDRC値の分布の第2例を概念的に示す模
式図
【図19】本発明の実施の形態7にかかる基地局装置の
動作を示すフロー図
【図20】本発明の実施の形態8にかかる基地局装置に
おけるDRC値の平均値および分散と送信電力値との関
係の一例を示す模式図
【図21】本発明の実施の形態8にかかる基地局装置の
動作を示すフロー図
【図22】従来のHDRを用いた通信を行う様子を示す
模式図
【符号の説明】
101,1001 割り当て部 102 バッファ 103 適応符号化部 104 適応変調部 105 適応拡散部 108 多重部 109 電力制御部 110 送信RF部 115 復調部 116 DRC信号検出部 117 パワマージン情報検出部 118,802 電力設定部 201 要求変調方式決定部 202 マージン算出部 203 DRC信号作成部 213 逆拡散部 214 CIR測定部 801,1002,1401,1601 下り回線品質
推定部
フロントページの続き (72)発明者 青山 高久 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 パナソニック モバイルコミュニケー ションズ株式会社内 (72)発明者 上 豊樹 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 パナソニック モバイルコミュニケー ションズ株式会社内 (72)発明者 加藤 修 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 パナソニック モバイルコミュニケー ションズ株式会社内 (72)発明者 平松 勝彦 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 パナソニック モバイルコミュニケー ションズ株式会社内 (72)発明者 須増 淳 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 パナソニック モバイルコミュニケー ションズ株式会社内 (72)発明者 相沢 純一 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 パナソニック モバイルコミュニケー ションズ株式会社内 (72)発明者 上原 利幸 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 パナソニック モバイルコミュニケー ションズ株式会社内 Fターム(参考) 5K022 EE02 EE14 EE21 EE31 5K067 AA21 BB21 CC10 DD11 DD51 EE02 EE10 GG08 HH22

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 変調多値数が異なる複数の変調方式から
    定まるいずれかの変調方式を用いて送信される下り回線
    信号の送信パワ制御方法であって、 変調多値数が最大の変調方式以外の変調方式では、送信
    パワを一定にしたまま、下り回線品質がより良いほど変
    調多値数をより大きくし、 変調多値数が最大の変調方式では、変調方式を固定した
    まま、下り回線品質がより良いほど送信パワをより減少
    させる、ことを特徴とする送信パワ制御方法。
  2. 【請求項2】 下り回線信号の送信制御方法であって、 下り回線品質が所定値より悪い場合には、送信パワを一
    定にしたまま変調多値数を変える第1の制御を行い、 下り回線品質が所定値より良い場合には、変調方式を固
    定したまま送信パワを変える第2の制御を行う、 ことを特徴とする送信制御方法。
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