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JP2003269434A - ボルト締結体 - Google Patents

ボルト締結体

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Publication number
JP2003269434A
JP2003269434A JP2002356542A JP2002356542A JP2003269434A JP 2003269434 A JP2003269434 A JP 2003269434A JP 2002356542 A JP2002356542 A JP 2002356542A JP 2002356542 A JP2002356542 A JP 2002356542A JP 2003269434 A JP2003269434 A JP 2003269434A
Authority
JP
Japan
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bolt
taper
elastic
pressure
washer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002356542A
Other languages
English (en)
Inventor
Sukejiro Nagata
助次郎 永田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Technos Co Ltd
Original Assignee
Technos Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Technos Co Ltd filed Critical Technos Co Ltd
Priority to JP2002356542A priority Critical patent/JP2003269434A/ja
Publication of JP2003269434A publication Critical patent/JP2003269434A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡素な構成で、高い緩み止め効果を有する、
ボルト、ナット、座金からなるボルト締結体を提案す
る。 【解決手段】 頭部下面に、内方へ縮径する圧接テーパ
ー面aが形成されるボルト2aの螺子杆7aに、上面に
該圧接テーパー面aと密接する形状の受圧テーパー面b
が形成される弾性テーパー座金3aを嵌着し、ボルト締
結体1aの締結時に、該弾性テーパー座金3aが、ボル
ト頭部6aと被締結部10aとの間で挟圧され、受圧テ
ーパー面bの案内作用により、拡開方向へ弾性変形する
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボルト、ナット、
座金の組み合わせからなるボルト締結体に関するもの
で、特に振動や繰り返し荷重による螺子の緩み止め機能
を有するボルト締結体に関する。
【0002】
【従来の技術】振動や繰り返し荷重による、ボルト締結
体の螺子の緩みを防止する構成として、ナットの下面
に、内方へ縮径する圧接テーパー面を形成した凸部を形
成し、かつ該凸部に切り溝を等間隔で形成して、内方へ
の弾性変形を容易とするとともに、ナットと被締結部と
の間で螺子杆に嵌着されるテーパー座金を備えたものが
ある(例えば特許文献1,2)。かかる構成にあって
は、ボルトとナットを緊締することにより、該ナットの
圧接テーパー面が、テーパー座金の受圧テーパー面に圧
接し、該受圧テーパー面の案内作用により、ナットが縮
径方向へ弾性変形することとなる。そして、該ナットの
螺子が、ボルトの螺子に食い込むことにより、両者が緊
密に結合し、螺子の緩みが防止されるものである。ま
た、ナットに圧接テーパ面を形成し、かつテーパー座金
を形状記憶合金により構成し、ボルトの締結時に、該テ
ーパー座金を加熱し、縮径させることにより、螺子の緩
みを防止した構成も提案されている(例えば特許文献
3)。
【0003】
【特許文献1】特開平1−150011号公報
【特許文献2】特開平2−76919号公報
【特許文献3】特開平5−332340号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述したナッ
トの圧接テーパー面を内方に弾性変形させる構成では、
圧接テーパー面に切り溝を形成する加工を要するため、
形成が面倒で、小口径のものには向かない。また、形状
記憶作用によりテーパー座金を縮径させる構成にあって
は、形状記憶合金といった特殊な材料を使用するため、
コストが嵩むと共に、ボルトを締付けた後に、熱処理を
要するため、締付け作業が煩雑となっている。
【0005】本発明は、かかる課題を解決するために、
簡素な構成で、高い緩み止め効果を有する、ボルト、ナ
ット、座金からなるボルト締結体の提案を目的とするも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、ボルトと、該
ボルトの螺子杆に螺着するナットと、ボルト頭部と被締
結部との間で螺子杆に嵌着される環状の弾性テーパー座
金とからなり、ボルトの頭部下面に、内方へ縮径する圧
接テーパー面が形成されると共に、弾性テーパー座金
は、その上面に該圧接テーパー面と密接する形状の受圧
テーパー面が形成され、ボルトの軸力が発生すると、受
圧テーパー面の案内作用により、拡開方向へ弾性変形す
るものであることを特徴とするボルト締結体である(請
求項1)。ここで、ボルト頭部、ナット、及び座金の下
方とは、締結時の被締結部側にあたる方向を指し、上方
とは、その反対側を指す。
【0007】かかる構成では、ボルトを被締結部の貫通
孔に挿通し、ナットを、ボルトの螺子杆に締付けると、
弾性テーパー座金が、被締結部と、ボルトの圧接テーパ
ー面との間で挟圧され、拡開方向に弾性変形することと
なる。このため、ボルトとナットの緊締状態にあって
は、弾性テーパー座金の弾性収縮力が、受圧テーパー面
と圧接テーパー面との案内作用により、ボルトをを上方
に押し上げる方向に働くき、振動や繰り返し荷重によ
る、ボルトの軸力低下を抑え、ナットを緩み難くするこ
ととなる。
【0008】また、ボルトと、該ボルトの螺子杆に螺着
するナットと、ボルト頭部に接するように螺子杆に外嵌
する欠環状の補助リングと、該補助リングと被締結部と
の間で螺子杆に嵌着される環状の弾性テーパー座金とか
らなり、補助リングは、その下面に内方へ縮径する圧接
テーパー面が形成され、その弾性力により、螺子杆に圧
接するものであると共に、弾性テーパー座金は、その上
面に該圧接テーパー面と密接する形状の受圧テーパー面
が形成され、受圧テーパー面の案内作用により、拡開方
向へ弾性変形するものである構成も提案される(請求項
2)。
【0009】かかる構成にあっては、補助リングは、圧
接テーパー面を下方に向けた状態で、欠環状のリングを
弾性的に拡開させて、螺子杆に外嵌される。そして、そ
の上面をボルト頭部に接した状態で、螺子杆に弾性力で
圧接することにより、ボルト頭部と一体となる。これに
より、ボルト締結体の締結時には、補助リングの圧接テ
ーパー面で、受圧テーパー面を押圧し、弾性テーパー座
金を拡開方向に弾性変形させることとなる。すなわち、
従来の下面が平坦なボルトに、補助リングを嵌着するこ
とにより、ボルトとナットの緊締時に、弾性テーパー座
金を弾性変形させ、緩み止め効果を生じさせることが可
能となる。
【0010】ここで、ナットの下面に、内方へ縮径する
圧接テーパー面が形成されると共に、ナットと被締結部
との間で螺子杆に嵌着される弾性テーパー座金を備え、
該弾性テーパー座金は、その上面に該圧接テーパー面と
密接する形状の受圧テーパー面が形成され、ボルトとナ
ットの緊締により挟圧されて、受圧テーパー面の案内作
用により、拡開方向へ弾性変形する構成も考えられる
(請求項3)。かかる構成にあっては、ボルト頭部側だ
けでなく、ナット側にも弾性テーパー座金を設けること
によりボルトとナットの緊締時に、ボルトに付加される
弾性力が倍増し、軸力低下防止効果がより強力となる。
【0011】そして、弾性テーパー座金の材質として
は、バネ鋼又はベリリウム銅で構成することが提案され
る(請求項4)。かかる構成にあっては、高い引張り応
力と、低い弾性率を持つ、バネ鋼やベリリウム銅を用い
て、弾性テーパー座金を構成することで、ボルトとナッ
トの緊締時に生じる、弾性テーパー座金の弾性変形量が
大きなものとなる。
【0012】ここで、弾性テーパー座金の形状として
は、拡開方向への弾性変形量が大きくなるように、中心
縦断面積Zの小さいものが望まれるが、その一方で、該
中心縦断面積Zは、ボルトの保証荷重までの締付けに対
して、耐え得るものでなくてはならない。そこで、弾性
テーパー座金の断面積Zを、次の数式を充足するように
して、ボルト締結体を調和の取れた構成とすることが提
案される(請求項5)。 0.8≦(S×σ1)/(Z×σ2×π×tanθ)≦
1.2 (ここでπ;円周率、θ;受圧テーパー面のボルトの中
心軸線に対する傾斜角度、S;ボルト螺子部の有効断面
積、Z;弾性テーパー座金の中心縦断面の断面積、σ
1;ボルトの許容応力、σ2;弾性テーパー座金の許容
応力)
【0013】かかる条件式は、ボルトの保証荷重と、弾
性テーパー座金が破損することのない保証荷重との関係
を規定するもので、以下のようにして求められる。な
お、図1には、弾性テーパー座金3の縦断面図を示す。
まず、弾性テーパー座金3に摩擦力が働かないものとす
ると、ボルトとナットを緊締すると、ボルトには軸力A
が発生し、弾性テーパー座金3には、受圧テーパー面g
を介して、円周方向に均一の力が働く。かかる状態は、
ボルトの軸力Aが、弾性テーパー座金3の内面に均一に
働く内圧Pとテーパー面を介して釣り合った状態とみな
すことができ、以下の式が導かれる。 P=A/(B×π×t×tanθ) (ここで、B;弾性テーパー座金3の内周直径、t;弾
性テーパー座金の板厚)
【0014】ここで、弾性テーパー座金3の任意の中心
縦断面に働く力をFとすると、 F=内圧P×内径部の射影面積 ={A/(B×π×t×tanθ)}×(B×t) =A/(π×tanθ) となる。
【0015】一方、ボルトの保証荷重Amaxと、弾性
テーパー座金3の拡開方向への弾性テーパー座金3が、
ボルトの保証荷重Amaxで締付けた場合にも破損しな
いものとするには、弾性テーパー座金3の中心縦断面の
保証荷重Tmaxが以下の式を満たす必要がある。 Tmax≧Amax/(π×tanθ) ここで、 Amax=S×σ1 Fmax=Z×σ2 で表されるから、 (S×σ1)/(π×tanθ)≦Z×σ2 (S×σ1)/(Z×σ2×π×tanθ)≦1 となる。
【0016】しかし、実際には、弾性テーパー座金3の
受圧テーパー面gや、その下面には摩擦力が働くため、 (S×σ1)/(Z×σ2×π×tanθ)≦1.2 の範囲であれば、ボルトの保証荷重Amaxでの締付け
ても、弾性テーパー座金3の銃断面に、保証荷重Tma
xが付加されることはない。一方、弾性テーパー座金3
の縦断面積Zを大きくしていくと、弾性テーパー座金3
の弾性変形量が少なくなる。そのため、実用上から中心
縦断面積Zの上限が決められ、以下の数式が導き出され
ることとなる。 0.8≦(S×σ1)/(Z×σ2×π×tanθ)≦
1.2
【0017】ここで、弾性テーパー座金の下面に、ボル
トとナットの緊締状態で、被締結部に圧接するテーパー
状弾接凹面を形成した攻勢も考えられる(請求項6)。
かかる構成では、ボルトとナットの緊締時には、弾性テ
ーパー座金は、拡開方向に弾性変形するだけでなく、そ
の内側部を、被締結部側に螺子るように弾性変形するこ
ととなり、ボルト頭部を、上方へ押圧する弾性力が増加
することとなる。
【0018】さらに、圧接テーパー面、又は受圧テーパ
ー面の少なくとも一方に、環状凸面を形成する構成も提
案される(請求項7)。かかる構成にあっては、ボルト
締結体を締結した際には、該環状凸面が弾性変形し、圧
接テーパー面と、受圧テーパー面との間に、弾性反発力
を生じることとなる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の第一実施例を図2,3を
参照して説明する。本実施例のボルト締結体1aは、図
2に示すように、螺子杆7aの上端に六角形のボルト頭
部6aを備えてなるボルト2aと、該螺子杆7aに螺合
する六角形ナット4と、ボルト2a又はナット4と接す
るように、螺子杆7aに外嵌する弾性テーパー座金3
a,3bとからなる。
【0020】前記ボルト2aの螺子杆7aは、その下方
に雄螺子部13aが形成される。そして、螺子杆7aの
上部のボルト頭部6aの下面には、下方に向かうに連れ
て、内方に縮径する圧接テーパー面aが、ボルト2aの
中心軸線に対して45°の傾斜をなすように形成され
る。
【0021】一方、ナット4は上方視六角形状をしてお
り、その中心には、螺子杆7aの雄螺子部13aに螺合
する雌螺子部15が形成される。そして、その下面(図
1上側)には、下方に向かうにつれて、内方に縮径す
る、圧接テーパー面cが形成されている。かかる圧接テ
ーパー面cも、ボルト2aの中心軸線に対して45°の
傾斜をなしている。
【0022】そして、螺子杆7aに外嵌する弾性テーパ
ー座金3a,3bは、プレス成型された閉環状のバネ鋼
により構成される。そして、該弾性テーパー座金3a,
3bには、その内周面に、一方の開口に向けて拡径する
受圧テーパー面b,dが形成される。そして、該受圧テ
ーパー面b,dは、螺子杆7aの軸線に対して、45°
の角度をなすように形成されており、ボルト締結体1a
により、被締結部10a,10bの締結した時に、圧接
テーパー面a,cと、それぞれの受圧テーパー面b,d
が、前記圧接テーパー面a,cと密接するようになって
いる(図3参照)。
【0023】そして、図3に示すように、ボルト2aを
被締結部10a,10bの貫通孔17に通し、ナット4
を締付けると、弾性テーパー座金3a,3bが、被締結
部10a,10bと、圧接テーパー面a,cと当接し、
螺子杆7aに、軸力が発生する。そうすると、弾性テー
パー座金3a,3bは、圧接テーパー面a,cと、被締
結部10a,10bとの間で挟圧され、受圧テーパー面
b,dの案内作用により、拡開方向へ弾性変形すること
となる。
【0024】かかる構成では、ボルト2aとナット4の
緊締時には、弾性変形した弾性テーパー座金3a,3b
が、ボルト2a、及びナット4を、軸力を付加する方向
へ押圧するため、振動や繰り返し荷重による、ボルトの
軸力の減少を抑え、螺子の緩みを防止することができ
る。
【0025】なお、かかるボルト締結体1aは、以下の
式を満たすものであり、ボルト締結体1aをボルト2a
の保証荷重で締付けた場合にも、弾性テーパ座金3a,
3bが破損しないようになっている。 (S×σ1)/(Z×σ2×π)=1.0 (ここでπ;円周率、S;ボルト螺子部の有効断面積、
Z;弾性テーパー座金の中心縦断の断面積、σ1;ボル
トの許容応力、σ2;弾性テーパー座金の許容応力)
【0026】次に、下面が平坦なボルト頭部6dを有す
るボルト2bに、圧接テーパー面fが形成された補助リ
ング5を設けた第二実施例を説明する。なお、弾性テー
パー座金3a,3b、及びナット4は、上述した第一実
施例と同構成であるため、同一符号を付して、説明を省
略する。
【0027】本実施例のボルト締結体1bは、図4に示
すように、ボルト2bと、補助リング5と、弾性テーパ
ー座金3a,3bと、ナット4とからなる。ここで、補
助リング5は、図5に示すように、切欠き部8を有する
欠環状の鋼材からなる。そして、その外周面には、下方
に向かうに連れ、内方に縮径する圧接テーパー面eが、
ボルト2bの中心軸線に対して45°の角度をなすよう
に形成される。
【0028】また、ボルト2bのボルト頭部6bは、図
4に示すように、下面が平坦形状であり、前記補助リン
グ5が、その上面をボルト頭部6bの下面と接するよう
にして、螺子杆7bに嵌着される。ここで、補助リング
5は、その内径が螺子杆7bの柄部14bの径よりも僅
かに小さくなるように成型されており、補助リング5
は、弾性収縮力により、螺子杆7bの柄部14bに圧接
し、ボルト頭部6bと一体となっている。
【0029】このため、補助リング5を、ボルト頭部6
bの下面に密着させた状態では、ボルト2bと、補助リ
ング5は、下面に圧接テーパー面eが形成されたボルト
として機能し、ボルト締結体1bで被締結部10a,1
0bを締付けていくと、補助リング5の圧接テーパー面
により、弾性テーパー座金3aを弾性変形させることと
なり、第一実施例と同様の緩み止め効果を得ることがで
きる。かかる構成にあっては、補助リング5を組み合わ
せることで、従来のボルト頭部6b下面が平らなボルト
2bを用いて、弾性テーパー座金3aを弾性変形させる
ことができ、ボルト締結体1bを低コストで作製するこ
とが可能となる。
【0030】図6に示す、第三実施例は、弾性テーパー
座金3cの下面に、テーパー状弾接凹面iを形成したも
のである。このテーパー状弾接凹面iは、弾性テーパー
座金3cの環状の下面に、中心へ向かうにつれて、上方
へα°の傾斜をなすように形成したものである。かかる
弾性テーパー座金3cを用いた場合には、被締結部10
a,10bの締結時に、弾性テーパー座金3cの、受圧
テーパー面hが押圧され、拡開方向へ弾性変形すると共
に、その内周部を、下方に捻るように弾性変形し、テー
パー状弾接凹面iを被締結部10に密着することとな
る。このため、ボルト2とナット4の緊締時に、ボルト
頭部6やナット4を上方へ押圧する弾性テーパー座金3
cの弾性力に、捻り方向の弾性力が付加されることとな
り、弾性テーパー座金3cによる、螺子の緩み止め効果
を一層増すこととなる。
【0031】そして、図7に示す、第四実施例は、圧接
テーパー面jや、受圧テーパー面kに、環状凸面を形成
したものである。本実施例にあっては、ボルト2cの圧
接テーパー面jには、その縮径方向に沿って曲率半径R
1の凸曲面が形成され、該ボルト2cの圧接テーパー面
jと接する受圧テーパー面kには、その傾斜方向に沿っ
て、曲率半径R2の凸曲面が形成されている。このた
め、ボルト締結体の締結時には、圧接テーパー面jと、
受圧テーパー面kの凸部分が、弾性変形し、相互に弾性
反発力を生じることとなる。このため、被締結部10
a,10bの締結時には、圧接テーパー面jと、受圧テ
ーパー面kに働く弾性力が、該弾性反発力の分だけ増加
することとなり、ボルト2cをより強い力で押し上げる
ことが可能となる。
【0032】以上、実施例を説明したが、本発明は、上
述した実施例の構成に限定されるものではなく、本発明
の趣旨の範囲内で適宜変更可能である。例えば、弾性テ
ーパー座金3は、必ずしも、ボルト2と、ナット4の両
側に設ける必要はなく、一側だけの構成でもよい。ま
た、被締結部10を締結する際に、弾性テーパー座金3
と、被締結部10との間に、皿バネ座金や、平座金等を
介装して、更なる緩み止め効果が得られるようにしても
よい。
【0033】
【発明の効果】本発明は、ボルトと、該ボルトの螺子杆
に螺着するナットと、ボルト頭部と被締結部との間で螺
子杆に嵌着される環状の弾性テーパー座金とからなり、
ボルトの頭部下面に、内方へ縮径する圧接テーパー面が
形成されると共に、弾性テーパー座金は、その上面に該
圧接テーパー面と密接する形状の受圧テーパー面が形成
され、ボルトの軸力が発生すると、受圧テーパー面の案
内作用により、拡開方向へ弾性変形するものであるから
(請求項1)、ボルトとナットの緊締時には、弾性テー
パー座金の弾性力により、ボルト頭部が、上方へ押圧さ
れるため、振動や繰り返し荷重による、螺子の緩みを防
止することができる。また、その構成は、簡素なため、
小口径のボルトでも簡単に作製可能である。
【0034】また、ボルトと、該ボルトの螺子杆に螺着
するナットと、ボルト頭部に接するように螺子杆に外嵌
する欠環状の補助リングと、該補助リングと被締結部と
の間で螺子杆に嵌着される環状の弾性テーパー座金とか
らなり、補助リングは、その下面に内方へ縮径する圧接
テーパー面が形成され、その弾性力により、螺子杆に圧
接するものであると共に、弾性テーパー座金は、その上
面に該圧接テーパー面と密接する形状の受圧テーパー面
が形成され、受圧テーパー面の案内作用により、拡開方
向へ弾性変形するものとした場合には(請求項2)、ボ
ルトとして、下面の平坦なボルトを用いることで、ボル
ト締結体の生産コストを下げることが可能となる。
【0035】さらに、ナットの下面に、内方へ縮径する
圧接テーパー面が形成されると共に、ナットと被締結部
との間で螺子杆に嵌着される弾性テーパー座金を備え、
該弾性テーパー座金は、その上面に該圧接テーパー面と
密接する形状の受圧テーパー面が形成され、ボルトとナ
ットの緊締により挟圧されて、受圧テーパー面の案内作
用により、拡開方向へ弾性変形する構成とすれば(請求
項3)、二つの弾性テーパー座金により、ボルトの軸力
低下を抑えるため、ボルトの緩み止め効果を一層高める
ことができる。
【0036】そして、前記弾性テーパー座金を、ベリリ
ウム銅や、バネ用鋼で構成すれば(請求項4)、ボルト
とナットの緊締時における、弾性テーパー座金の弾性変
形量が大きくできる。
【0037】ここで、 弾性テーパー座金の断面積Z
が、以下の数式を充足するものとすれば(請求項5)、 0.8≦(S×σ1)/(Z×σ2×π×tanθ)≦
1.2 (ここでπ;円周率、θ;受圧テーパー面のボルトの中
心軸線に対する傾斜角度、S;ボルト螺子部の有効断面
積、Z;弾性テーパー座金の中心縦断面の断面積、σ
1;ボルトの許容応力、σ2;弾性テーパー座金の許容
応力) 弾性テーパー座金の強度を損なわない程度に、該弾性テ
ーパー座金の弾性変形量を大きくできる。
【0038】さらに、弾性テーパー座金の下面に、ボル
トとナットの緊締状態で、被締結部に圧接するテーパー
状弾接凹面を形成すれば(請求項6)、弾性テーパー座
金が、ボルト頭部を押し上げる弾性力を増加させること
により、更なる緩み止め効果を得ることができる。
【0039】また、圧接テーパー面、又は受圧テーパー
面の少なくとも一方に、環状凸面を形成した場合には
(請求項7)、ボルト締結体を締付けた時に、圧接テー
パー面と受圧テーパー面の間に生じる弾性反発力より、
ボルトの軸力低下を一層抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】弾性テーパー座金3を示す中心縦断断面図であ
る。
【図2】ボルト締結体1aの分解正面図である。
【図3】締付け状態の、ボルト締結体1aを示す、部分
断面図である。
【図4】締付け状態の、ボルト締結体1bを示す、部分
断面図である。
【図5】(イ)は、補助リングの上面図、(ロ)は、補
助リングの正面図である。
【図6】弾性テーパー座金3cの中心縦断面図である。
【図7】(イ)は、ボルト2cの部分正面図であり、
(ロ)は、弾性テーパー座金3dの正面図である。
【符号の説明】
a,c,e,f,j 圧接テーパー面 b,d,g,h,k 受圧テーパー面 i テーパー状弾接凹面 1a,1b ボルト締結体 2,2a,2b,2c ボルト 3,3a,3b,3c,3d 弾性テーパー座金 4 ナット 5 補助リング

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ボルトと、該ボルトの螺子杆に螺着するナ
    ットと、ボルト頭部と被締結部との間で螺子杆に嵌着さ
    れる環状の弾性テーパー座金とからなり、 ボルトの頭部下面に、内方へ縮径する圧接テーパー面が
    形成されると共に、 弾性テーパー座金は、その上面に該圧接テーパー面と密
    接する形状の受圧テーパー面が形成され、ボルトの軸力
    が発生すると、受圧テーパー面の案内作用により、拡開
    方向へ弾性変形するものであることを特徴とするボルト
    締結体。
  2. 【請求項2】ボルトと、該ボルトの螺子杆に螺着するナ
    ットと、ボルト頭部に接するように螺子杆に外嵌する欠
    環状の補助リングと、該補助リングと被締結部との間で
    螺子杆に嵌着される環状の弾性テーパー座金とからな
    り、 補助リングは、その下面に内方へ縮径する圧接テーパー
    面が形成され、その弾性力により、螺子杆に圧接するも
    のであると共に、 弾性テーパー座金は、その上面に該圧接テーパー面と密
    接する形状の受圧テーパー面が形成され、受圧テーパー
    面の案内作用により、拡開方向へ弾性変形するものであ
    ることを特徴とするボルト締結体。
  3. 【請求項3】ナットの下面に、内方へ縮径する圧接テー
    パー面が形成されると共に、 ナットと被締結部との間で螺子杆に嵌着される弾性テー
    パー座金を備え、 該弾性テーパー座金は、その上面に該圧接テーパー面と
    密接する形状の受圧テーパー面が形成され、ボルトとナ
    ットの緊締により挟圧されて、受圧テーパー面の案内作
    用により、拡開方向へ弾性変形するものである請求項1
    又は請求項2に記載のボルト締結体。
  4. 【請求項4】弾性テーパー座金が、バネ鋼又はベリリウ
    ム銅で構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項
    3のいずれかに記載のボルト締結体。
  5. 【請求項5】ボルト締結体が、次の数式を充足すること
    を特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の
    ボルト締結体。 0.8≦(S×σ1)/(Z×σ2×π×tanθ)≦
    1.2 (ここでπ;円周率、θ;受圧テーパー面のボルトの中
    心軸線に対する傾斜角度、S;ボルト螺子部の有効断面
    積、Z;弾性テーパー座金の中心縦断面の断面積、σ
    1;ボルトの許容応力、σ2;弾性テーパー座金の許容
    応力)
  6. 【請求項6】弾性テーパー座金の下面に、ボルトとナッ
    トの緊締状態で、被締結部に圧接するテーパー状弾接凹
    面が形成されている請求項1乃至請求項5のいずれかに
    記載のボルト締結体。
  7. 【請求項7】圧接テーパー面、又は受圧テーパー面の少
    なくとも一方に、環状凸面が形成されている請求項1乃
    至請求項6のいずれかに記載のボルト締結体。
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