[go: up one dir, main page]

JP2003267220A - 移動体自己位置検出方法、及び移動体自己位置検出システム - Google Patents

移動体自己位置検出方法、及び移動体自己位置検出システム

Info

Publication number
JP2003267220A
JP2003267220A JP2002068351A JP2002068351A JP2003267220A JP 2003267220 A JP2003267220 A JP 2003267220A JP 2002068351 A JP2002068351 A JP 2002068351A JP 2002068351 A JP2002068351 A JP 2002068351A JP 2003267220 A JP2003267220 A JP 2003267220A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
marker
ground
reliability
information
time
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002068351A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3898967B2 (ja
Inventor
Yasutaka Maki
康隆 真木
Mamoru Enomoto
衛 榎本
Kimiaki Sasaki
君章 佐々木
Isao Okamoto
勲 岡本
Satoshi Nakano
敏 中野
Masako Kamiyama
雅子 神山
Yoshio Sugawara
能生 菅原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP2002068351A priority Critical patent/JP3898967B2/ja
Publication of JP2003267220A publication Critical patent/JP2003267220A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3898967B2 publication Critical patent/JP3898967B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Navigation (AREA)
  • Train Traffic Observation, Control, And Security (AREA)
  • Control Of Position, Course, Altitude, Or Attitude Of Moving Bodies (AREA)
  • Position Fixing By Use Of Radio Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 地球を周回する複数のGPS衛星から電波に
よって送信されるGPS情報等に基づいて鉄道車両等の
位置を検出する方法及びシステムを提供する。 【解決手段】 DGPSを移動体走行システムに適用
し、鉄道車両2の第1回走行を行い、地上マーカ12の
検出後、情報処理部22は、その時点の座標を既知マー
カ位置座標として情報記憶部23に記憶させ、第2回以
降の走行時には、地上マーカ12の検出後、情報処理部
22は、その時点の座標である現在マーカ位置座標に最
も近い既知マーカ位置座標を情報記憶部23中から検索
して検索既知マーカ位置座標とし、検索既知マーカ位置
座標と現在マーカ位置座標との相対距離が許容値以下の
場合には、地上マーカの位置座標として検索既知マーカ
位置座標を出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地球を周回する複
数のGPS衛星から電波によって送信されるGPS情報
等に基づいて移動体の位置を検出する方法及びシステム
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄道において、鉄道車両の走行し
ている位置を検出する方法として、地上に設置した地上
マーカを基準とし、地上マーカからの積算距離によって
自車位置を算出する方法が知られている。この方法で
は、位置座標等があらかじめ計測され既知の位置に地上
マーカが設置される。地上マーカとしては、鉄道車両に
対して電波を送信するATS地上子などが用いられる。
また、地上マーカからの積算距離は、鉄道車両に取り付
けられた速度発電機等によって算出される。速度発電機
は、鉄道車両の車軸や電動機軸等の回転数に応じてパル
スを発生させる装置であり、このパルスによって車軸等
の回転速度が計測される。鉄道車両に搭載された位置検
出装置は、上記のようにして得られた車軸等の回転速度
から、鉄道車両の移動距離が積算され、地上マーカの位
置座標から、鉄道車両の現在の位置が特定される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の自車位置検出方法においては、車輪の空転、滑
走などにより、積算距離に誤差が混入する場合がある。
また、保守作業や工事等により、地上マーカが当初の位
置から他の位置へ移設される場合があり、この場合に
は、移設後の位置座標を計測し、移設後のデータを上記
の位置検出システムに再設定しておかないと、得られた
自車位置は正確なものではなくなってしまう、という問
題があった。
【0004】本発明は上記の問題を解決するためになさ
れたものであり、本発明の解決しようとする課題は、地
球を周回する複数のGPS衛星から電波によって送信さ
れるGPS情報等に基づいて鉄道車両等の位置を検出す
る方法及びシステムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る移動体自己位置検出方法は、走行路の
近傍に設置される複数の地上マーカと、前記走行路を走
行する移動体に搭載される移動体搭載装置と、位置が計
測されている基準位置局と、地球を周回する複数のGP
S衛星を用い、前記移動体の位置を前記移動体搭載装置
により検出する方法であって、前記移動体搭載装置に、
前記地上マーカを検出する地上マーカ検出手段と、前記
GPS衛星から電波によって送信されるGPS情報と、
前記基準位置局から電波によって送信される位置補正情
報を受信し、前記GPS情報及び前記位置補正情報に基
づいて位置座標を算出するGPS受信手段と、情報記憶
手段と、情報処理手段を設け、前記移動体の第1回走行
を行い、前記地上マーカ検出手段が前記地上マーカを検
出した場合には、前記情報処理手段は、その時点での前
記位置座標を既知マーカ位置座標として前記情報記憶手
段に記憶させ、前記移動体の第2回以降の走行において
は、前記地上マーカ検出手段が前記地上マーカを検出し
た場合には、前記情報処理手段は、その時点での前記位
置座標を現在マーカ位置座標とし、前記現在マーカ位置
座標に最も近い前記既知マーカ位置座標を前記情報記憶
手段の中から検索し、検索された既知マーカ位置座標で
ある検索既知マーカ位置座標の位置と前記現在マーカ位
置座標の位置の間の相対距離が誤差許容値以下であった
場合には、前記地上マーカ検出手段により検出された地
上マーカの位置座標として前記検索既知マーカ位置座標
を出力することを特徴とする。
【0006】上記の移動体自己位置検出方法において、
好ましくは、前記情報処理手段は、前記移動体の第1回
走行の際の前記GPS情報又は前記位置補正情報の内容
に基づいて、前記地上マーカ検出手段により検出された
地上マーカについての受信時点での前記GPS情報及び
前記位置補正情報の信頼性の程度である受信信頼度を表
す受信信頼度係数を演算し、前記受信信頼度係数の値に
基づき前記受信信頼度が信頼度基準値以上であると判別
した地上マーカについては当該地上マーカに関する位置
座標を前記既知マーカ位置座標として、当該受信信頼度
係数とともに前記情報記憶手段に記憶させ、前記受信信
頼度係数の値に基づき前記受信信頼度が前記信頼度基準
値よりも低いと判別した地上マーカについては前記情報
記憶手段に情報を記憶させないように制御する。
【0007】また、上記の移動体自己位置検出方法にお
いて、好ましくは、前記受信信頼度係数は、前記GPS
情報の受信に用いた前記GPS衛星の個数nの関数であ
り、前記nが4以上の値であれば前記nが大きいほど前
記受信信頼度が高いことを表現する第1項と、地球上の
観測点における水平方向での位置精度の低下率であるH
DOPの関数であり、前記HDOPが小さいほど前記受
信信頼度が高いことを表現する第2項と、前記位置補正
情報を受信した最近の時刻と、前記受信信頼度係数の演
算時刻との時間差であるディファレンシャル補正データ
更新時間tの関数であり、前記tが小さいほど前記受信
信頼度が高いことを表現する第3項のうちの少なくとも
1つを有して構成される関数である。
【0008】また、上記の移動体自己位置検出方法にお
いて、好ましくは、前記受信信頼度係数は、前記第1項
と前記第2項の和に、前記第3項を乗算することにより
得られる関数である。
【0009】また、上記の移動体自己位置検出方法にお
いて、好ましくは、前記情報処理手段は、前記移動体の
第2回以降の走行の際の前記GPS情報又は前記位置補
正情報の内容に基づいて、前記地上マーカ検出手段によ
り検出された地上マーカについての前記受信信頼度係数
を演算し、今回走行時の現在マーカ位置座標の位置での
受信信頼度である現在マーカ信頼度が前記信頼度基準値
以上であると判別される場合には、前記現在マーカ位置
座標の位置との間の相対距離が誤差許容値以下となる検
索既知マーカ位置座標の位置での受信信頼度である検索
既知マーカ信頼度と前記現在マーカ信頼度を比較し、前
記検索既知マーカ信頼度が前記現在マーカ信頼度以上で
あると判別した場合には、前記地上マーカ検出手段によ
り検出された地上マーカの位置座標として前記検索既知
マーカ位置座標を出力する。
【0010】また、上記の移動体自己位置検出方法にお
いて、好ましくは、前記情報処理手段は、前記検索既知
マーカ信頼度と前記現在マーカ信頼度との比較の結果、
前記現在マーカ信頼度が前記検索既知マーカ信頼度より
も高いと判別した場合には、前記地上マーカ検出手段に
より検出された地上マーカの位置座標として当該現在マ
ーカ位置座標を出力するとともに、当該現在マーカ位置
座標を新たな既知マーカ位置座標として、その受信信頼
度係数とともに前記情報記憶手段に記憶させる。
【0011】また、上記の移動体自己位置検出方法にお
いて、好ましくは、前記情報処理手段は、前記移動体の
第2回以降の走行の際の前記GPS情報又は前記位置補
正情報の内容に基づいて、前記地上マーカ検出手段によ
り検出された地上マーカについての前記受信信頼度係数
を演算し、今回走行時の現在マーカ位置座標の位置での
受信信頼度である現在マーカ信頼度が前記信頼度基準値
以上であると判別される場合には、当該現在マーカ位置
座標の位置に最も近い前記既知マーカ位置座標を前記情
報記憶手段の中から検索し、検索された既知マーカ位置
座標である検索既知マーカ位置座標の位置と前記現在マ
ーカ位置座標の位置の間の相対距離が誤差許容値より大
きい場合には、前記地上マーカ検出手段により検出され
た地上マーカの位置座標として当該現在マーカ位置座標
を出力するとともに、当該現在マーカ位置座標を新たな
既知マーカ位置座標として、当該受信信頼度係数ととも
に前記情報記憶手段に記憶させる。
【0012】また、上記の移動体自己位置検出方法にお
いて、好ましくは、前記情報処理手段は、前記移動体の
第2回以降の走行の際の前記GPS情報又は前記位置補
正情報の内容に基づいて、前記地上マーカ検出手段によ
り検出された地上マーカについての前記受信信頼度係数
を演算し、今回走行時の現在マーカ位置座標の位置での
受信信頼度である現在マーカ信頼度が前記信頼度基準値
未満であると判別される場合には、前記地上マーカ検出
手段により検出された地上マーカの位置座標の出力を行
わないように制御する。
【0013】また、本発明に係る移動体自己位置検出シ
ステムは、走行路の近傍に設置されるとともに、その位
置があらかじめ測定されて既知な複数の地上マーカと、
前記走行路を走行する移動体に搭載される移動体搭載装
置と、位置が計測されている基準位置局と、地球を周回
する複数のGPS衛星を有し、前記移動体の位置を前記
移動体搭載装置が検出するシステムであって、前記移動
体搭載装置は、前記地上マーカを検出する地上マーカ検
出手段と、前記GPS衛星から電波によって送信される
GPS情報と、前記基準位置局から電波によって送信さ
れる位置補正情報を受信し、前記GPS情報及び前記位
置補正情報に基づいて位置座標を算出するGPS受信手
段と、前記地上マーカの位置座標を既知マーカ位置座標
として記憶する情報記憶手段と、前記地上マーカ検出手
段が前記地上マーカを検出した場合には、その時点での
前記位置座標を現在マーカ位置座標とし、前記現在マー
カ位置座標に最も近い前記既知マーカ位置座標を前記情
報記憶手段の中から検索し、検索された既知マーカ位置
座標である検索既知マーカ位置座標の位置と前記現在マ
ーカ位置座標の位置の間の相対距離が誤差許容値以下で
あった場合には、前記地上マーカ検出手段により検出さ
れた地上マーカの位置座標として前記検索既知マーカ位
置座標を出力する情報処理手段を備えることを特徴とす
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0015】図1は、本発明の一実施形態である列車自
車位置検出システムの構成を示すブロック図である。
【0016】図1に示すように、この列車自車位置検出
システム100は、地上マーカ12と、車両搭載装置2
0と、基準位置局3と、GPS衛星G1,G2,G3,
…,Gnを備えて構成されている。
【0017】地上マーカ12は、鉄道線路11の近傍に
設置されている。また、地上マーカ12は、鉄道線路の
長手方向の複数の位置にそれぞれ配置されている。地上
マーカ12としては、鉄道車両に対して電波を送信する
ATS(AutomaticTrain Stop:自
動列車停止装置)の地上子や、ATC(Automat
ic Train Control:自動列車制御装
置)の地上子などが用いられる。ここに、鉄道線路11
は、特許請求の範囲における走行路に相当している。
【0018】また、車両搭載装置20は、鉄道線路12
を走行する鉄道車両2に搭載されている。ここに、鉄道
車両2は、特許請求の範囲における移動体に相当し、車
両搭載装置20は、特許請求の範囲における移動体搭載
装置に相当している。
【0019】また、基準位置局3の位置は、あらかじめ
計測されて既知である。基準位置局3は、送信アンテナ
31を有しており、基準位置局3の位置や時間等に関す
る位置補正情報を電波によって送信している。
【0020】また、複数のGPS衛星G1〜Gnは、地
球を周回する人工衛星であり、その測位用コード、送信
元のGPS衛星の軌道情報(送信元のGPS衛星の三次
元位置座標と時間等に関する情報を含む)などのGPS
情報を電波によって送信している。
【0021】したがって、地上マーカ12と、車両搭載
装置20と複数のGPS衛星G1〜Gnと基準基地局3
により、DGPS(Differential Glo
bal Positioning System:差動
地球測位システム)が構成されている。
【0022】上記した車両搭載装置20は、地上マーカ
検出部21と、情報処理部22と、情報記憶部23と、
第1アンテナ24と、第2アンテナ25と、GPS処理
部26と、ディファレンシャル受信部27を有してい
る。ここに、地上マーカ検出部21は、特許請求の範囲
における地上マーカ検出手段に相当し、情報処理部22
は、特許請求の範囲における情報処理手段に相当し、情
報記憶手段23は、特許請求の範囲における情報記憶手
段に相当している。また、第1アンテナ24とGPS処
理部26と第2アンテナ25とディファレンシャル受信
部27は、特許請求の範囲におけるGPS受信手段に相
当している。
【0023】上記の地上マーカ検出部21は、地上マー
カ12から送信されるパルス信号等を検出し、情報処理
部22に出力する部分である。また、第1アンテナ24
は、GPS衛星G1等から送信される電波を検出し、G
PS処理部26に出力する。また、第2アンテナ25
は、基準位置局3から送信される電波を検出し、ディフ
ァレンシャル受信部27に出力する。ディファレンシャ
ル受信部27は、第2アンテナ25が検出した電波をG
PS処理部26に出力する。GPS処理部26は、これ
らの入力からGPS情報と位置補正情報を抽出し、情報
処理部22に出力する。
【0024】情報処理部22は、GPS処理部26から
送られてくるGPS情報と位置補正情報を処理・解析す
る部分である。この情報処理部22は、図示はしていな
いが、CPU(Central Processing
Unit:中央演算処理装置)、RAM、インタフェ
ース、データ・指令入力部、画像表示部等を有してい
る。
【0025】CPUは、図示はしていないが、CPU内
部での電流(信号)の授受を行うための信号線である内
部バスを有しており、この内部バスに、演算部と、レジ
スタと、クロック生成部と、命令処理部等を有してい
る。CPU内の演算部は、一般に、レジスタに記憶され
ている各種データに対して、四則演算(加算、減算、乗
算、及び除算)を行い、又は論理演算(論理積、論理
和、否定、排他的論理和など)を行い、又はデータ比
較、若しくはデータシフトなどの処理を実行する部分で
ある。処理の結果は、レジスタに格納されるのが一般的
である。
【0026】レジスタは、一般に、1語のデータを記憶
する部分である。通常、CPU内には、複数のレジスタ
が設けられている。クロック生成部は、CPUの各部分
の時間の同期をとるための刻時信号(クロック信号)を
生成する部分である。CPUは、このクロック信号に基
づいて動作する。命令処理部は、演算部等が実行すべき
命令の取り出し、その解読、及びその実行などを制御し
処理する部分である。
【0027】情報記憶部23は、図示はしていないが、
ハードディスク装置(HDD)、ROM(Read O
nly Memory:読出し専用メモリ)等を有して
おり、CPUを制御するための制御プログラムや、CP
Uが用いる各種データ等を格納している部分である。ハ
ードディスク装置は、図示はしていないが、その内部
に、円盤状の磁気ディスクを有しており、この磁気ディ
スクをディスク駆動機構により回転駆動し、磁気ヘッド
をヘッド駆動機構によって磁気ディスクの任意位置に移
動させ、磁気ディスク表面の磁性膜を磁気ヘッドからの
書込電流によって磁化することによりデータを記録し、
磁化された磁性膜の上を磁気ヘッドが移動する際に磁気
ヘッドのコイル等に流れる電流を検出することにより記
録データを読み出す装置である。また、ROMは、一般
に、半導体チップ等により構成される。
【0028】上記した制御プログラムは、OS(Ope
rating System)等のCPUの基本ソフト
ウェアのほか、画像処理や分析演算等をCPUに実行さ
せるための命令等の処理手順が、所定のプログラム用言
語で記述された文字や記号の集合である。
【0029】また、情報処理部22は、図示はしていな
いが、RAM(Random Access Memo
ry:随時書込み読出しメモリ)等を有している。RA
Mは、CPUにより演算された途中のデータ等を一時記
憶する部分である。RAMは、一般に、半導体チップ等
により構成される。
【0030】また、情報処理部22は、図示はしていな
いが、インタフェース(I/O)を有している。インタ
フェースは、信号線又はその集合であるバスと、各種コ
ネクタ、各種ポート、ハードディスク装置の読取り・書
込み制御機構などを有しており、CPUからの信号や各
装置からの信号を授受するための部分である。
【0031】また、情報処理部22は、図示はしていな
いが、データ・入力部を有している。データ・指令入力
部は、キーボード、トラックボール又はタッチパッド若
しくはスティックポインタ等を含むポインティングデバ
イス、タッチパネル装置等を有しており、CPUへの命
令信号や、CPUが処理するデータ等を外部から入力す
るための部分である。
【0032】また、情報処理部22は、図示はしていな
いが、画像表示部を有している。画像表示部は、CRT
(Cathode Ray Tube:陰極線管表示装
置)モニタ、液晶表示パネル、プラズマディスプレイ装
置等を有しており、CPUの演算結果や処理したデータ
を、画像や文字等として画面に表示する部分である。
【0033】また、情報処理部22は、図示はしていな
いが、出力部を有している。出力部は、プリンタ、外部
出力端子、モデムなどの通信装置、LAN(Local
Area Network)ポート等を有しており、
CPUの演算結果や処理したデータを、紙等に印字した
り、あるいは電気信号として外部へ出力又は送信する部
分である。なお、外部出力端子に、フレキシブル・ディ
スク(FD)装置、光磁気ディスク装置、PCカード装
置等の外部記録装置を接続すれば、録音した打撃音デー
タや、CPUが処理した結果データ等をディスク等の記
録媒体に記録して外部に取り出すことができる。
【0034】また、本実施形態の列車自車位置検出シス
テム100におけるGPS処理部26も、図示はしてい
ないが、上記したものと同様の構成及び作用を有するC
PU、RAM、ROM、インタフェース、データ・指令
入力部等を有している。
【0035】次に、上記した列車自車位置検出システム
100の行う作用について、図2ないし図4を参照しつ
つ、さらに詳細に説明する。
【0036】列車自車位置検出システム100の行う作
用の説明に先立ち、DGPSの構成及び作用について説
明を行う。
【0037】GPS衛星G1等は、地球の上空約200
00kmで地球を取り巻く軌道上を周回する人工衛星で
ある。軌道は、6個の異なる軌道があり、それぞれの軌
道は、地球の赤道面を横切る経度が60度ずつずらされ
ている。GPS衛星の総数は24個であり、各軌道には
GPS衛星がそれぞれ4個ずつ配置されている。このよ
うな構成により、地球上のどの地点においても、4個以
上のGPS衛星が視界に入るようになっている。
【0038】それぞれのGPS衛星G1等からは、測位
用の電波信号が発信されている。この電波信号は、ディ
ジタル信号であり、このディジタル信号の中には、所定
周期(例えば1ミリ秒)ごとに繰り返される測位用コー
ド、発信されたGPS衛星の軌道情報などが含まれてい
る。この測位用コードは、GPS処理部26の内部でも
生成されている。このため、GPS衛星G1等が搭載し
ている時計の時刻と、受信する側(例えばGPS処理部
26)の時計の時刻が誤差なく一致していれば、測位用
コードの時間のずれ(以下、「時間差」という。)を検
出することにより、受信したGPS衛星と、受信した装
置の位置の間の距離(以下、「疑似距離」という。)を
算出することができる。
【0039】すなわち、GPS衛星からの電波受信位置
から、あるGPS衛星までの疑似距離は、上記の時間差
に電波の速度(光速度)を乗算することにより得ること
ができる。各時刻におけるGPS衛星の三次元位置座標
は、上記したディジタル信号中の軌道情報から算出する
ことができる。ある時刻におけるあるGPS衛星の三次
元位置座標を(α,β,γ)とし、GPS電波受信位置
の三次元位置座標を(x,y,z)とし、その時刻にお
ける疑似距離をRとすれば、下式(1)が成立する。 (x−α)2+(y−β)2+(z−γ)2=R2………(1)
【0040】GPS電波受信位置の三次元位置座標
(x,y,z)の変数の個数は3個であるから、同時に
異なる3個のGPS衛星からの電波を受信して疑似距離
を算出し、上式(1)と同様の関係式を3個求め、これ
らを解くことにより、x,y,zの値を得ることができ
ることになる。しかし、GPS衛星の時計と、受信装置
の時計との間には時間の誤差があるため、算出された疑
似距離Rには、誤差ΔRが含まれる。このため、上記の
方法では、x,y,zの値を一義的に決定することはで
きない。
【0041】これを解決するためには、同時に異なる少
なくとも4個のGPS衛星からの電波を受信して疑似距
離を算出し、上式(1)と同様の関係式を少なくとも4
個求めれば、ΔRを考慮しつつ、x,y,zの値を一義
的に決定することができる。本実施形態の列車自車位置
検出システム100におけるGPS処理部26は、受信
したGPS衛星の個数nを情報処理部22に出力するよ
うに構成されている。
【0042】4個以上のGPS衛星を捕捉して、その電
波信号を得ても、GPS衛星どうしの相対的な配置状態
によっては、測位精度はかえって低下する。これは、幾
何学的な性質によるものである。このため、このような
場合の精度を、幾何学的精度低下率(Geometri
c Dilution of Precision:以
下、「GDOP」という。)という。
【0043】GDOPの値が小さいほど精度は高くな
る。例えば、GPS電波信号の受信位置と、各GPS衛
星を結ぶ線どうしが作る相対角度が大きいほど、GDO
Pの値は小さくなる。したがって、4つのGPS衛星を
結んで作成される四面体の体積が大きいほどGDOP値
は小さくなる。このため、GPS処理部26において
は、5個以上のGPS衛星を捕捉した場合には、GDO
P値が最小となるような4個のGPS衛星の組み合わせ
を選択し、これを測位計算に採用するようにしている。
【0044】また、上記のGDOPは、下式(2)で表
される。 GDOP2=PDOP2+TDOP2………(2)
【0045】上式(2)において、PDOPは、地球上
の観測点における位置精度の低下率(Position
Dilution of Precision:以
下、「位置精度低下率」という。)を示しており、TD
OPは、時刻の精度低下率(Time Dilutio
n of Precision:以下、「時刻精度低下
率」という。)を示している。
【0046】また、PDOPは、下式(3)で表され
る。 PDOP2=HDOP2+VDOP2………(3)
【0047】上式(3)において、HDOPは、地球上
の観測点における水平方向での位置精度の低下率(Ho
rizontal Dilution of Prec
ision:以下、「水平方向位置精度低下率」とい
う。)を示しており、VDOPは、地球上の観測点にお
ける垂直方向での位置精度の低下率(Vertical
Dilution of Precision:以下、
「垂直方向位置精度低下率」という。)を示している。
【0048】本実施形態の列車自車位置検出システム1
00におけるGPS処理部26は、所定の比例定数を用
いて算出したHDOP値を情報処理部22に出力するよ
うに構成されている。
【0049】上記の説明は、GPS(Global P
ositioning System:地球測位システ
ム)の一般的な構成と作用に関するものである。通常の
GPS衛星からの電波信号の中には、電離層や対流層の
影響による電波の遅延、GPS受信装置側の時計の誤
差、GPS衛星内の時計の誤差が含まれる。このため、
これらの影響により、測位結果にも誤差が含まれるよう
になる。このような誤差を低減し、測位結果の精度を高
めることを目的としたものがDGPSである。
【0050】DGPSでは、GPS衛星と受信装置に加
え、正確な位置データ(緯度、経度、地球楕円体上の高
さ)が測量等によって計測されている基準位置におい
て、上記のGPSによる測位(単独測位)を行う。これ
により、基準位置の既知の位置データ(基準位置デー
タ)と、その時点のGPSによる位置データ(GPS位
置データ)の両方が得られる。基準位置データとGPS
位置データの差は、他の位置における補正量として用い
ることが可能である。
【0051】このため、この基準位置データとGPS位
置データの差のデータを、リアルタイムで演算し、位置
補正情報として電波により発信すれば、この位置補正情
報を受信した他の箇所においては、GPSの単独測位に
より算出された位置座標から位置補正情報に示す補正量
の分だけ差し引く補正を行うことにより、さらに高精度
の値を得ることができる。このようなシステムがDGP
Sである。本実施形態の列車自車位置検出システム10
0においては、基準位置局3の位置が既知であり、基準
位置局3がリアルタイムで位置補正情報を送信してい
る。
【0052】なお、DGPSにおいては、基準位置局か
らの位置補正情報を、同時刻のGPS測位位置の補正に
用いることが理想的であるが、実際には、基準位置局か
らの位置補正情報を、ある時間が経過した時点のGPS
測位位置の補正に用いることになる。しかし、GPS衛
星は時々刻々と移動しているため、時間が経過するにし
たがって、位置補正情報にも誤差が入ってくる。基準位
置局からの位置補正情報の送信時刻を基準としたとき
の、他の箇所の補正を行う時刻を「遅延時間」とし、τ
で表した場合、位置補正情報の誤差は、τ2に比例する
ことが知られている。本実施形態の列車自車位置検出シ
ステム100におけるGPS処理部26は、位置補正情
報を受信した最近の時刻と、補正を行うデータの時刻と
の時間差を、ディファレンシャル補正データ更新時間t
として、情報処理部22に出力するように構成されてい
る。
【0053】次に、上記のようなDGPSを備えた本実
施形態の列車自車位置検出システム100の作用につい
て、さらに詳細に説明を行う。
【0054】まず、図2(A)に示すように、鉄道車両
2によって、鉄道線路11の第1回走行が行われる。図
2において、鉄道線路11は、図の左右方向に設置され
ており、鉄道車両2は、図の左から右へ向かって走行す
るように図示されている。この第1回走行では、地上マ
ーカ検出部21(図1参照)が地上マーカm1(図2
(B)参照)の近傍位置に達すると、地上マーカm1か
ら送信されたパルス信号が地上マーカ検出部21により
検出される(図2(C)参照)。
【0055】この地上マーカからのパルス信号検出を受
けると、情報処理部22内のCPU(図示せず)は、そ
の時点でGPS処理部26から入力されてきたGPS情
報と位置補正情報から、受信信頼度係数を算出する。受
信信頼度係数は、GPS情報と位置補正情報の信頼性の
程度である受信信頼度を表す値である。
【0056】受信信頼度係数をcと表すと、受信信頼度
係数cは、下式(4)で表される。 c={f(n)+g(HDOP)}×h(t)………(4) この場合、cの値が大きいほど受信の信頼性が高いこと
を示している。
【0057】上式(4)において、第1項であるf
(n)は、GPS情報の受信に用いたGPS衛星の個数
nの関数を示している。f(n)の値は、nの値が零か
ら3までの間は、零となっている。また、nの値が4以
上の場合には、f(n)の値は、nに等しい。すなわ
ち、nの値が4の場合には、f(n)の値は4となり、
nの値が5の場合には、f(n)の値は5となる。以下
は同様である。
【0058】上記したように、DGPSにおいて受信位
置での位置座標を求めるためには、一般のGPSの単独
測位の場合と同様に、GPS衛星の個数nは、少なくと
も4個は必要である。したがって、nが3以下の場合に
は、測位の信頼性の程度は最も低いので、零と設定し
た。また、nが4以上となれば、GDOP(又はHDO
P)が最良となるようにGPS衛星の組み合わせ(4
個)を選定することができ、nの値が大きくなるほど、
精度のよい組み合わせを選定できると考えられるため、
測位の信頼性の程度は増加する。この性質を表すため、
nが4以上の場合には、f(n)=nとした。
【0059】なお、f(n)の関数は、上記以外のもの
であってもよい。例えば、nが3以下の場合には、零以
外の一定値kとするようにしてもよい。また、この場合
で、nが4以上の場合には、f(n)=n2+kとして
もよい。あるいは、nが3以下の場合には、零以外の一
定値kとし、nが4以上の場合には、f(n)=na
kとしてもよい。この場合、aは、1以上の整数であ
る。あるいは、nが3以下の場合には、零以外の一定値
kとし、nが4以上の場合には、f(n)=f1(n)
+kとしてもよい。この場合、f1(n)は、nが増加
するにつれて増加する関数である。要は、関数f(n)
は、nが3以下の場合には、一定値kであり、nが4以
上の場合には、kから増加するような関数であれば、ど
のような関数であってもよいのである。
【0060】また、上式(4)において、第2項である
g(HDOP)は、水平方向位置精度低下率HDOPの
関数を示している。簡単にするためにHDOPをpと表
すと、g(p)は、pが小さくなるにつれて、その値が
大きくなるような関数となる。例えば、g(p)は、p
に反比例する関数、g(p)=1/pとしてもよい。あ
るいは、g(p)は、p2に反比例する関数、g(p)
=1/p2としてもよい。一般に、g(p)は、pbに反
比例する関数、g(p)=1/pbとしてもよい。この
場合、bは、1以上の整数である。
【0061】上記したように、DGPSにおいて、受信
位置での水平方向の位置精度を増加させるためには、水
平方向位置精度低下率HDOPの値が小さいほど有利で
ある。このため、g(p)は、HDOPが小さいほど大
きな値となる関数となるように設定した。
【0062】なお、g(p)の関数は、上記以外のもの
であってもよい。例えば、一般に、g(p)は、pb
反比例するとともに、bが零のときに切片を持つ関数、
g(p)=1/(p+e)bとしてもよい。この場合、
bは1以上の整数であり、eは正の実数である。要は、
関数g(HDOP)は、HDOPが小さいほど大きな値
となるような関数であれば、どのような関数であっても
よいのである。
【0063】また、上式(4)において、第3項である
h(t)は、ディファレンシャル補正データ更新時間t
の関数を示している。h(t)は、t2が大きくなるに
つれて、その値が小さくなり、tが零のときに切片を持
つような関数となる。例えば、h(t)は、h(t)=
1/(t2+q)rとしてもよい。この場合、qは正の実
数であり、rは1以上の整数である。
【0064】上記したように、DGPSにおいて、受信
位置での位置精度を増加させるためには、ディファレン
シャル補正データ更新時間tの値が小さいほど有利であ
る。また、t2の値に比例して誤差は増大する。このた
め、h(t)は、t2が小さいほど大きな値となる関数
となるように設定した。
【0065】なお、h(t)の関数は、上記以外のもの
であってもよい。要は、関数h(t)は、t2が小さい
ほど大きな値となるような関数であれば、どのような関
数であってもよいのである。
【0066】なお、受信信頼度係数cは、上式(4)の
関数には限定されない。一般には、上式(4)の第1項
f(n)、第2項g(HDOP)、第3項h(t)のう
ちの少なくとも1つを有して構成される関数であれば、
どのような関数であってもよい。例えば、第1項f
(n)と第2項g(HDOP)と第3項h(t)の総和
であってもよい。あるいは、第1項f(n)と第2項g
(HDOP)と第3項h(t)を乗算したものであって
もよい。あるいは、第1項f(n)と第3項h(t)の
和に第2項g(HDOP)を乗算することにより得られ
る関数であってもよい。あるいは、第2項g(HDO
P)と第3項h(t)の和に第1項f(n)を乗算する
ことにより得られる関数であってもよい。あるいは、い
ずれか2つの項を乗算したものに残りの1項を加算する
ことによって得られる関数であってもよい。
【0067】情報処理部22内のCPU(図示せず)
は、図2(D)に示すように、パルス信号が検出された
地上マーカm1の時点での受信信頼度係数c11を演算
した後、情報記憶部23に記憶されている信頼度基準値
と、演算された受信信頼度係数c11を比較する。この
結果、演算された受信信頼度係数c11が、信頼度基準
値以上であれば、情報処理部22内のCPU(図示せ
ず)は、この受信信頼度係数c11を演算した元のデー
タであるGPS情報と位置補正情報の信頼性は高いと判
断し、この場合のGPS情報と位置補正情報から、受信
時点における地上マーカm1の緯度の値a11、経度の
値b11、受信信頼度係数c11の値を、情報記憶部2
3の基準データテーブルに記憶させる。
【0068】図3は、情報記憶部23の基準データテー
ブルの構成を示したものである。図3に示すように、緯
度a11、経度b11、受信信頼度係数c11を持つマ
ーカは、既知マーカM1(図2(E)参照)として、情
報記憶部23の基準データテーブルに記憶される。この
場合、緯度a11と経度b11は、既知マーカM1の既
知マーカ位置座標となる。また、この場合の受信信頼度
係数c11は、既知マーカ信頼度となる。
【0069】次に、鉄道車両2は、図1における右方向
へ移動し、地上マーカ検出部21(図1参照)が地上マ
ーカm2(図2(B)参照)の近傍位置に達する。この
場合、地上マーカm2から送信されたパルス信号が地上
マーカ検出部21により検出される(図2(C)参照)
と、情報処理部22内のCPU(図示せず)は、その時
点でGPS処理部26から入力されてきたGPS情報と
位置補正情報から、受信信頼度係数c12を算出する。
【0070】情報処理部22内のCPU(図示せず)
は、図2(D)に示すように、パルス信号が検出された
地上マーカm2の時点での受信信頼度係数c12を演算
した後、情報記憶部23に記憶されている信頼度基準値
と、演算された受信信頼度係数c12を比較する。この
結果、演算された受信信頼度係数c12が、信頼度基準
値未満の場合には、情報処理部22内のCPU(図示せ
ず)は、この受信信頼度係数c12を演算した元のデー
タであるGPS情報と位置補正情報の信頼性は低いと判
断し、この地上マーカm2のデータは情報記憶部23の
基準データテーブルに記憶させない。
【0071】次に、鉄道車両2は、図2(A)のさらに
右方向へ移動し、地上マーカ検出部21(図1参照)が
地上マーカm3(図2(B)参照)の近傍位置に達す
る。この場合、地上マーカm3から送信されたパルス信
号が地上マーカ検出部21により検出される(図2
(C)参照)と、情報処理部22内のCPU(図示せ
ず)は、その時点でGPS処理部26から入力されてき
たGPS情報と位置補正情報から、受信信頼度係数c1
3を算出する。
【0072】情報処理部22内のCPU(図示せず)
は、図2(D)に示すように、パルス信号が検出された
地上マーカm3の時点での受信信頼度係数c13を演算
した後、情報記憶部23に記憶されている信頼度基準値
と、演算された受信信頼度係数c13を比較する。この
結果、演算された受信信頼度係数c13が、信頼度基準
値以上であれば、情報処理部22内のCPU(図示せ
ず)は、この受信信頼度係数c13を演算した元のデー
タであるGPS情報と位置補正情報の信頼性は高いと判
断し、この場合のGPS情報と位置補正情報から、受信
時点における地上マーカm3の緯度の値a13、経度の
値b13、受信信頼度係数c13の値を、情報記憶部2
3の基準データテーブルに記憶させる。
【0073】したがって、図3の基準データテーブルに
示すように、緯度a13、経度b13、受信信頼度係数
c13を持つマーカは、既知マーカM2(図2(E)参
照)として、情報記憶部23の基準データテーブルに記
憶される。この場合、緯度a13と経度b13は、特許
請求の範囲における既知マーカM2の既知マーカ位置座
標に相当している。
【0074】上記のようにして、鉄道車両2の第1回走
行を行うことにより、図3の基準データテーブルに示す
ように、受信信頼度係数cの値が所定の信頼度基準値以
上となる地上マーカが既知マーカMとして記憶され、そ
の位置データである既知マーカ位置座標(緯度a、経度
b)と、受信信頼度係数cの値が基準データテーブルに
記憶される。この第1回走行は、本実施形態の列車自車
位置検出システム100によって列車の自車位置を検出
するための準備作業となる。この第1回走行によって、
基準データテーブルが作成され、情報記憶部23に記憶
された後は、本システムによる自車位置検出が可能とな
る。
【0075】図4は、本実施形態の列車自車位置検出シ
ステム100における鉄道車両2の第2回以降の走行の
場合の作用を説明する図である。図4(A)に示すよう
に、鉄道車両2の第2回以降の走行においては、鉄道車
両2は、図4(A)の右方向へ移動し、地上マーカ検出
部21(図1参照)が既知の地上マーカ、例えばM1
(図4(B)参照)の近傍位置P1(図4(C)参照)
に達する。この場合、パルス信号が地上マーカ検出部2
1により検出される(図4(C)参照)と、情報処理部
22内のCPU(図示せず)は、その時点でGPS処理
部26から入力されてきたGPS情報と位置補正情報か
ら、受信信頼度係数c21を算出する。
【0076】情報処理部22内のCPU(図示せず)
は、図4(D)に示すように、パルス信号が検出された
位置P1(図4(C)参照)の時点での受信信頼度係数
c21を演算した後、情報記憶部23に記憶されている
信頼度基準値と、演算された受信信頼度係数c21を比
較する。この結果、演算された受信信頼度係数c21
が、信頼度基準値以上であれば、情報処理部22内のC
PU(図示せず)は、この受信信頼度係数c21を演算
した元のデータである今回走行の受信時のGPS情報と
位置補正情報の信頼性は高いと判断し、この場合のGP
S情報と位置補正情報から、今回受信時点におけるパル
ス信号検出位置P1(図4(C)参照)の緯度の値a2
1と、経度の値b21の値を算出する。この場合、緯度
a21と経度b21は、特許請求の範囲における現在マ
ーカ位置座標に相当している。
【0077】次に、情報処理部22内のCPU(図示せ
ず)は、情報記憶部23の基準データテーブル中から、
今回の現在マーカ位置座標(緯度a21,経度b21)
に最も近い既知マーカ位置座標を検索する。検索の方法
としては、現在マーカ位置座標が表す点と、既知マーカ
位置座標が表す点の間の距離を算出し、その値が最小と
なるような既知マーカ位置座標を検索する方法が挙げら
れる。例えば、今回の現在マーカ位置座標が(緯度a2
1,経度b21)で、既知マーカ位置座標が(緯度a1
1,経度b11)の場合には、これらが表す2点間の距
離L(以下、「相対距離」という。)は、下式(5)で
表される。 L={(a21−a11)2+(b21−b11)21/2………(5)
【0078】あるいは、今回の現在マーカ位置座標(緯
度a21,経度b21)を、ある位置を基準としたxy
座標系に変換して(x21,y21)を算出し、かつ既
知マーカ位置座標(緯度a11,経度b11)を上記の
xy座標系に変換して(x11,y11)を算出し、2
点間の相対距離Lを、下式(6)によって算出してもよ
い。 L={(x21−x11)2+(y21−y11)21/2………(6)
【0079】次に、情報処理部22内のCPU(図示せ
ず)は、上記のようにして算出された相対距離の最小値
L1(図4(E)参照)を求め、そのときの既知マーカ
をM1と特定し、その位置座標を特定する。次に、情報
処理部22内のCPU(図示せず)は、上記の相対距離
の最小値L1と、情報記憶部23に記憶されている誤差
許容値を比較する。誤差許容値の値は、例えば5〜10
メートル程度とする。これは、地上マーカが移設されて
いない場合には、GPSによる測位の精度から、同じ地
点の測位結果は、5〜10メートル程度の範囲内に収ま
ることが知られているからである。
【0080】上記の比較の結果、相対距離の最小値L1
が誤差許容値以下であった場合には、情報処理部22内
のCPU(図示せず)は、今回走行時にパルス信号が検
出された地点P1(図4(A)参照)は、既知マーカM
1であると判別する。
【0081】次に、情報処理部22内のCPU(図示せ
ず)は、今回走行時にパルス信号が検出された地点P1
の位置として、現在の基準データテーブル(図3参照)
に記憶されている既知マーカM1の既知マーカ位置座標
(緯度a11,経度b11)を採用するか、あるいは、
今回走行時にパルス信号が検出された地点P1の現在マ
ーカ位置座標(緯度a21,経度b21)を採用するか
について判定を行う。
【0082】この判定は、現在の基準データテーブル
(図3参照)に記憶されている既知マーカM1の受信信
頼度係数c11(既知マーカ信頼度)と、今回走行時に
パルス信号が検出された地点P1の時点における受信信
頼度係数c21(現在マーカ信頼度)の値の比較によっ
て行われる。
【0083】上記の比較の結果、既知マーカM1の受信
信頼度係数である既知マーカ信頼度c11が、今回走行
時にパルス信号が検出された地点P1を走行していた時
点における受信信頼度係数である現在マーカ信頼度c2
1の値以上の場合、すなわち、c11≧c21の場合に
は、情報処理部22内のCPU(図示せず)は、現在の
基準データテーブル(図3参照)に記憶されているデー
タの方が信頼性が高いと判定する。
【0084】この結果、情報処理部22内のCPU(図
示せず)は、今回走行時にパルス信号が検出された地点
P1の時点における地上マーカの位置座標は、現在の基
準データテーブル(図3参照)に記憶されている位置座
標(緯度a11,経度b11)である、と決定する。こ
れにより、情報処理部22内のCPU(図示せず)は、
今回走行時にパルス信号が検出された地点P1を走行し
ていた時点における鉄道車両2の位置座標は、(緯度a
11,経度b11)であることを出力する。これらの時
刻と、その時点の位置座標は、情報記憶部23内の所定
の記憶領域にも記憶される。また、この場合には、現在
の基準データテーブル(図3参照)に記憶されている既
知マーカM1のデータ、緯度a11,経度b11,受信
信頼度係数c11は、変更されることなくそのまま記憶
される(図4(F)参照)。
【0085】上記した相対距離と誤差許容値との大小関
係、あるいは既知マーカ信頼度と現在マーカ信頼度の大
小関係が異なると、情報処理部22内のCPU(図示せ
ず)は、上記とは異なる処理を行う。
【0086】鉄道車両2が、図4(A)における右方向
へ移動すると、地上マーカ検出部21(図1参照)が既
知の地上マーカ、例えばM2(図4(B)参照)の近傍
位置P2(図4(C)参照)に達する。この場合、パル
ス信号が地上マーカ検出部21により検出される(図4
(C)参照)と、情報処理部22内のCPU(図示せ
ず)は、その時点でGPS処理部26から入力されてき
たGPS情報と位置補正情報から、受信信頼度係数c2
2を算出する。
【0087】情報処理部22内のCPU(図示せず)
は、図4(D)に示すように、パルス信号が検出された
位置P2(図4(C)参照)の時点での受信信頼度係数
c22を演算した後、情報記憶部23に記憶されている
信頼度基準値と、演算された受信信頼度係数c22を比
較する。この結果、演算された受信信頼度係数c22
が、信頼度基準値以上であれば、情報処理部22内のC
PU(図示せず)は、この受信信頼度係数c22を演算
した元のデータである今回走行の受信時のGPS情報と
位置補正情報の信頼性は高いと判断し、この場合のGP
S情報と位置補正情報から、今回受信時点におけるパル
ス信号検出位置P2(図4(C)参照)の現在マーカ位
置座標(緯度a22,経度b22)の値を算出する。
【0088】次に、情報処理部22内のCPU(図示せ
ず)は、情報記憶部23の基準データテーブル中から、
今回の現在マーカ位置座標(緯度a22,経度b22)
に最も近い既知マーカ位置座標を、上記と同様の方法で
検索する。
【0089】この場合、情報処理部22内のCPU(図
示せず)は、上記と同様にして、現在マーカ位置と既知
マーカ位置との間の相対距離の最小値L2(図4(E)
参照)を求め、そのときの既知マーカをM2と特定し、
その位置座標を特定する。次に、情報処理部22内のC
PU(図示せず)は、上記の相対距離の最小値L2と、
情報記憶部23に記憶されている誤差許容値を比較す
る。
【0090】上記の比較の結果、相対距離の最小値L2
が誤差許容値以下であった場合には、情報処理部22内
のCPU(図示せず)は、今回走行時にパルス信号が検
出された地点P2(図4(A)参照)は、既知マーカM
2であると判別する。
【0091】次に、情報処理部22内のCPU(図示せ
ず)は、今回走行時にパルス信号が検出された地点P2
の位置として、現在の基準データテーブル(図3参照)
に記憶されている既知マーカM2の既知マーカ位置座標
(緯度a13,経度b13)を採用するか、あるいは、
今回走行時にパルス信号が検出された地点P2の現在マ
ーカ位置座標(緯度a22,経度b22)を採用するか
について、上記と同様の方法で判定を行う。
【0092】この比較の結果、既知マーカM2の受信信
頼度係数である既知マーカ信頼度c13(図3参照)
が、今回走行時にパルス信号が検出された地点P2を走
行していた時点における受信信頼度係数である現在マー
カ信頼度c22の値未満の場合、すなわち、c13<c
22の場合には、情報処理部22内のCPU(図示せ
ず)は、現在の基準データテーブル(図3参照)に記憶
されているデータよりも、今回走行時のデータ方が信頼
性が高いと判定する。
【0093】この結果、情報処理部22内のCPU(図
示せず)は、今回走行時にパルス信号が検出された地点
P2の時点における地上マーカの位置座標は、今回走行
時に受信し演算された位置座標(緯度a22,経度b2
2)である、と決定する。これにより、情報処理部22
内のCPU(図示せず)は、今回走行時にパルス信号が
検出された地点P2を走行していた時点における鉄道車
両2の位置座標は、(緯度a22,経度b22)である
ことを出力する。これらの時刻と、その時点の位置座標
は、情報記憶部23内の所定の記憶領域にも記憶され
る。また、この場合には、現在の基準データテーブル
(図3参照)に記憶されている既知マーカM2のデータ
は、図5に示すように、既知マーカM2´,緯度a2
2,経度b22,受信信頼度係数c22と、変更されて
記憶される(図4(F)参照)。
【0094】また、上記とはさらに異なる場合もあり、
その場合には、情報処理部22内のCPU(図示せず)
は、上記とは異なる処理を行う。
【0095】例えば、上記した地点P2でパルス信号が
地上マーカ検出部21により検出された場合(図4
(C)参照)で、情報処理部22内のCPU(図示せ
ず)が、その時点でGPS処理部26から入力されてき
たGPS情報と位置補正情報から、受信信頼度係数c2
2を算出した場合に、算出された受信信頼度係数c22
が、信頼度基準値未満であったときには、情報処理部2
2内のCPU(図示せず)は、この受信信頼度係数を演
算した元のデータである今回走行の受信時のGPS情報
と位置補正情報の信頼性は低いと判断し、以後の処理は
行わない。したがって、この時点での列車の自車位置は
検出されず、出力もされない。基準データテーブルの記
憶データも変更されない。
【0096】あるいは、図6に示すように、ある地点P
*でパルス信号が地上マーカ検出部21により検出され
(図6(C)参照)、かつ受信信頼度係数c32(図6
(D)参照)が信頼度基準値以上であった場合で、現在
マーカ位置と既知マーカ位置との間の相対距離の最小値
が誤差許容値を越えてしまう場合があり得る。このよう
な場合としては、「既存の地上マーカが何らかの理由に
より移設された」、あるいは「以前の走行時には受信信
頼度係数が信頼度基準値未満であったため、基準データ
テーブルに記憶されていなかった」等の状況が考えられ
る。この場合には、情報処理部22内のCPU(図示せ
ず)は、図7に示すように、別の新規のマーカM*とし
て、その位置座標(緯度a32,経度b32)と受信信
頼度係数c32を情報記憶部23内の基準データテーブ
ル内に記憶する。これにより、情報処理部22内のCP
U(図示せず)は、今回走行時にパルス信号が検出され
た地点P*を走行していた時点における鉄道車両2の位
置座標は、(緯度a32,経度b32)であることを出
力する。これらの時刻と、その時点の位置座標は、情報
記憶部23内の所定の記憶領域にも記憶される。
【0097】本実施形態の列車自車位置検出システム1
00によれば、地上マーカに到達するごとに、DGPS
を用いた測位により位置座標を検出することができ、地
上マーカが移設された場合等においても、精度よく位置
検出を行うことができる、という利点を有している。
【0098】なお、本発明は、上記した実施形態に限定
されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本
発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的
に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、
いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含され
る。
【0099】例えば、上記実施形態においては、地上マ
ーカとして、ATS地上子、ATC地上子を例に挙げて
説明したが、本発明はこれには限定されず、他の構成の
地上マーカ、例えば、このシステム専用のものとして新
設される地上マーカであってもよい。地上マーカは、鉄
道車両に対してパルス信号等の電波を送信する機能を有
していれば、どのような構成のものであってもよい。
【0100】また、上記実施形態においては、情報処理
手段である情報処理部22のCPU(図示せず)は、地
上マーカからのパルス信号が検出された後、受信信頼度
係数を算出して信頼度基準値と比較する比較過程を実行
する処理手順を例に挙げて説明したが、本発明はこれに
は限定されず、情報処理手段は、他の内容の処理手順を
行うようにしてもよい。例えば、受信信頼度係数の算出
と信頼度基準値との比較を行わない処理手順としてもよ
い。この場合には、第1回走行時には、地上マーカから
のパルス信号が検出された後、その時点での位置座標を
既知マーカ位置座標として情報記憶手段に記憶させるこ
とになる。また、第2回以降の走行においては、地上マ
ーカからのパルス信号が検出された後、その時点での位
置座標を現在マーカ位置座標とし、現在マーカ位置座標
に最も近い既知マーカ位置座標を情報記憶手段の中から
検索し、検索された既知マーカ位置座標である検索既知
マーカ位置座標の位置と現在マーカ位置座標の位置の間
の相対距離が誤差許容値以下であった場合には、地上マ
ーカ検出手段により検出された地上マーカの位置座標と
して検索既知マーカ位置座標を出力することになる。
【0101】また、上記実施形態においては、移動体と
して、鉄道車両を例に挙げて説明したが、本発明はこれ
には限定されず、他の構成の移動体、例えば、新交通シ
ステム、モノレール等に適用してもよい。
【0102】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
DGPSを移動体走行システムに適用するとともに、情
報処理手段と情報記憶手段を設け、移動体の第1回走行
を行い、地上マーカ検出手段が地上マーカを検出した場
合には、情報処理手段は、その時点での位置座標を既知
マーカ位置座標として情報記憶手段に記憶させ、移動体
の第2回以降の走行においては、地上マーカ検出手段が
地上マーカを検出した場合には、情報処理手段は、その
時点での位置座標を現在マーカ位置座標とし、現在マー
カ位置座標に最も近い既知マーカ位置座標を情報記憶手
段の中から検索し、検索された検索既知マーカ位置座標
の位置と現在マーカ位置座標との相対距離が誤差許容値
以下であった場合には、地上マーカの位置座標として検
索既知マーカ位置座標を出力させるように構成したの
で、地上マーカに到達するごとに、DGPSを用いた測
位により位置座標を検出することができ、地上マーカが
移設された場合等においても、精度よく位置検出を行う
ことができる、といった利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である列車自車位置検出シ
ステムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す列車自車位置検出システムの作用を
説明する第1の図である。
【図3】図1に示す列車自車位置検出システムの作用を
説明する第2の図である。
【図4】図1に示す列車自車位置検出システムの作用を
説明する第3の図である。
【図5】図1に示す列車自車位置検出システムの作用を
説明する第4の図である。
【図6】図1に示す列車自車位置検出システムの作用を
説明する第5の図である。
【図7】図1に示す列車自車位置検出システムの作用を
説明する第6の図である。
【符号の説明】
1 鉄道線路 2 鉄道車両 3 基準位置局 11 レール 12 地上マーカ 20 車両搭載装置 21 地上マーカ検出部 22 情報処理部 23 情報記憶部 24 第1アンテナ 25 第2アンテナ 26 GPS処理部 27 ディファレンシャル受信部 31 送信アンテナ 100 列車自車位置検出システム G1〜Gn GPS衛星
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 君章 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 岡本 勲 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 中野 敏 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 神山 雅子 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 (72)発明者 菅原 能生 東京都国分寺市光町二丁目8番地38 財団 法人鉄道総合技術研究所内 Fターム(参考) 2F029 AA03 AB07 AC02 AC16 AD01 5H161 AA01 BB03 CC13 DD12 DD23 5H301 AA03 AA09 BB20 CC03 EE02 EE12 FF02 FF08 FF11 5J062 AA01 AA02 AA08 AA13 BB01 CC07 DD15 DD22 DD24 EE04 FF00 FF01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 走行路の近傍に設置される複数の地上マ
    ーカと、前記走行路を走行する移動体に搭載される移動
    体搭載装置と、位置が計測されている基準位置局と、地
    球を周回する複数のGPS衛星を用い、前記移動体の位
    置を前記移動体搭載装置により検出する方法であって、 前記移動体搭載装置に、 前記地上マーカを検出する地上マーカ検出手段と、 前記GPS衛星から電波によって送信されるGPS情報
    と、前記基準位置局から電波によって送信される位置補
    正情報を受信し、前記GPS情報及び前記位置補正情報
    に基づいて位置座標を算出するGPS受信手段と、 情報記憶手段と、 情報処理手段を設け、 前記移動体の第1回走行を行い、前記地上マーカ検出手
    段が前記地上マーカを検出した場合には、前記情報処理
    手段は、その時点での前記位置座標を既知マーカ位置座
    標として前記情報記憶手段に記憶させ、 前記移動体の第2回以降の走行においては、前記地上マ
    ーカ検出手段が前記地上マーカを検出した場合には、前
    記情報処理手段は、その時点での前記位置座標を現在マ
    ーカ位置座標とし、前記現在マーカ位置座標に最も近い
    前記既知マーカ位置座標を前記情報記憶手段の中から検
    索し、検索された既知マーカ位置座標である検索既知マ
    ーカ位置座標の位置と前記現在マーカ位置座標の位置の
    間の相対距離が誤差許容値以下であった場合には、前記
    地上マーカ検出手段により検出された地上マーカの位置
    座標として前記検索既知マーカ位置座標を出力すること
    を特徴とする移動体自己位置検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の移動体自己位置検出方
    法において、 前記情報処理手段は、前記移動体の第1回走行の際の前
    記GPS情報又は前記位置補正情報の内容に基づいて、
    前記地上マーカ検出手段により検出された地上マーカに
    ついての受信時点での前記GPS情報及び前記位置補正
    情報の信頼性の程度である受信信頼度を表す受信信頼度
    係数を演算し、 前記受信信頼度係数の値に基づき前記受信信頼度が信頼
    度基準値以上であると判別した地上マーカについては当
    該地上マーカに関する位置座標を前記既知マーカ位置座
    標として、当該受信信頼度係数とともに前記情報記憶手
    段に記憶させ、 前記受信信頼度係数の値に基づき前記受信信頼度が前記
    信頼度基準値よりも低いと判別した地上マーカについて
    は前記情報記憶手段に情報を記憶させないように制御す
    ることを特徴とする移動体自己位置検出方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の移動体自己位置検出方
    法において、 前記受信信頼度係数は、 前記GPS情報の受信に用いた前記GPS衛星の個数n
    の関数であり、前記nが4以上の値であれば前記nが大
    きいほど前記受信信頼度が高いことを表現する第1項
    と、 地球上の観測点における水平方向での位置精度の低下率
    であるHDOPの関数であり、前記HDOPが小さいほ
    ど前記受信信頼度が高いことを表現する第2項と、 前記位置補正情報を受信した最近の時刻と、前記受信信
    頼度係数の演算時刻との時間差であるディファレンシャ
    ル補正データ更新時間tの関数であり、前記tが小さい
    ほど前記受信信頼度が高いことを表現する第3項のうち
    の少なくとも1つを有して構成される関数であることを
    特徴とする移動体自己位置検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の移動体自己位置検出方
    法において、 前記受信信頼度係数は、 前記第1項と前記第2項の和に、前記第3項を乗算する
    ことにより得られる関数であることを特徴とする移動体
    自己位置検出方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載の移動体自己位置検出方
    法において、 前記情報処理手段は、前記移動体の第2回以降の走行の
    際の前記GPS情報又は前記位置補正情報の内容に基づ
    いて、前記地上マーカ検出手段により検出された地上マ
    ーカについての前記受信信頼度係数を演算し、今回走行
    時の現在マーカ位置座標の位置での受信信頼度である現
    在マーカ信頼度が前記信頼度基準値以上であると判別さ
    れる場合には、前記現在マーカ位置座標の位置との間の
    相対距離が誤差許容値以下となる検索既知マーカ位置座
    標の位置での受信信頼度である検索既知マーカ信頼度と
    前記現在マーカ信頼度を比較し、 前記検索既知マーカ信頼度が前記現在マーカ信頼度以上
    であると判別した場合には、前記地上マーカ検出手段に
    より検出された地上マーカの位置座標として前記検索既
    知マーカ位置座標を出力することを特徴とする移動体自
    己位置検出方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の移動体自己位置検出方
    法において、 前記情報処理手段は、前記検索既知マーカ信頼度と前記
    現在マーカ信頼度との比較の結果、前記現在マーカ信頼
    度が前記検索既知マーカ信頼度よりも高いと判別した場
    合には、前記地上マーカ検出手段により検出された地上
    マーカの位置座標として当該現在マーカ位置座標を出力
    するとともに、当該現在マーカ位置座標を新たな既知マ
    ーカ位置座標として、その受信信頼度係数とともに前記
    情報記憶手段に記憶させることを特徴とする移動体自己
    位置検出方法。
  7. 【請求項7】 請求項2に記載の移動体自己位置検出方
    法において、 前記情報処理手段は、前記移動体の第2回以降の走行の
    際の前記GPS情報又は前記位置補正情報の内容に基づ
    いて、前記地上マーカ検出手段により検出された地上マ
    ーカについての前記受信信頼度係数を演算し、今回走行
    時の現在マーカ位置座標の位置での受信信頼度である現
    在マーカ信頼度が前記信頼度基準値以上であると判別さ
    れる場合には、当該現在マーカ位置座標の位置に最も近
    い前記既知マーカ位置座標を前記情報記憶手段の中から
    検索し、検索された既知マーカ位置座標である検索既知
    マーカ位置座標の位置と前記現在マーカ位置座標の位置
    の間の相対距離が誤差許容値より大きい場合には、前記
    地上マーカ検出手段により検出された地上マーカの位置
    座標として当該現在マーカ位置座標を出力するととも
    に、当該現在マーカ位置座標を新たな既知マーカ位置座
    標として、当該受信信頼度係数とともに前記情報記憶手
    段に記憶させることを特徴とする移動体自己位置検出方
    法。
  8. 【請求項8】 請求項2に記載の移動体自己位置検出方
    法において、 前記情報処理手段は、前記移動体の第2回以降の走行の
    際の前記GPS情報又は前記位置補正情報の内容に基づ
    いて、前記地上マーカ検出手段により検出された地上マ
    ーカについての前記受信信頼度係数を演算し、今回走行
    時の現在マーカ位置座標の位置での受信信頼度である現
    在マーカ信頼度が前記信頼度基準値未満であると判別さ
    れる場合には、前記地上マーカ検出手段により検出され
    た地上マーカの位置座標の出力を行わないように制御す
    ることを特徴とする移動体自己位置検出方法。
  9. 【請求項9】 走行路の近傍に設置されるとともに、そ
    の位置があらかじめ測定されて既知な複数の地上マーカ
    と、 前記走行路を走行する移動体に搭載される移動体搭載装
    置と、 位置が計測されている基準位置局と、 地球を周回する複数のGPS衛星を有し、前記移動体の
    位置を前記移動体搭載装置が検出するシステムであっ
    て、 前記移動体搭載装置は、 前記地上マーカを検出する地上マーカ検出手段と、 前記GPS衛星から電波によって送信されるGPS情報
    と、前記基準位置局から電波によって送信される位置補
    正情報を受信し、前記GPS情報及び前記位置補正情報
    に基づいて位置座標を算出するGPS受信手段と、 前記地上マーカの位置座標を既知マーカ位置座標として
    記憶する情報記憶手段と、 前記地上マーカ検出手段が前記地上マーカを検出した場
    合には、その時点での前記位置座標を現在マーカ位置座
    標とし、前記現在マーカ位置座標に最も近い前記既知マ
    ーカ位置座標を前記情報記憶手段の中から検索し、検索
    された既知マーカ位置座標である検索既知マーカ位置座
    標の位置と前記現在マーカ位置座標の位置の間の相対距
    離が誤差許容値以下であった場合には、前記地上マーカ
    検出手段により検出された地上マーカの位置座標として
    前記検索既知マーカ位置座標を出力する情報処理手段を
    備えることを特徴とする移動体自己位置検出システム。
JP2002068351A 2002-03-13 2002-03-13 移動体自己位置検出方法、及び移動体自己位置検出システム Expired - Fee Related JP3898967B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002068351A JP3898967B2 (ja) 2002-03-13 2002-03-13 移動体自己位置検出方法、及び移動体自己位置検出システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002068351A JP3898967B2 (ja) 2002-03-13 2002-03-13 移動体自己位置検出方法、及び移動体自己位置検出システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003267220A true JP2003267220A (ja) 2003-09-25
JP3898967B2 JP3898967B2 (ja) 2007-03-28

Family

ID=29199468

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002068351A Expired - Fee Related JP3898967B2 (ja) 2002-03-13 2002-03-13 移動体自己位置検出方法、及び移動体自己位置検出システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3898967B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007284013A (ja) * 2006-04-20 2007-11-01 Mitsubishi Electric Corp 車両位置測位装置及び車両位置測位方法
JP2007325146A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Mitsubishi Electric Corp 列車放送受信システム
JP2013130480A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Toyota Central R&D Labs Inc 位置推定装置及びプログラム
KR101527410B1 (ko) * 2013-11-12 2015-06-09 한국철도기술연구원 초고속 자기부상열차의 실시간 상대위치 및 절대위치 검지 장치
JP2022053163A (ja) * 2020-09-24 2022-04-05 独立行政法人自動車技術総合機構 測位システムおよび測位誤差取得方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007284013A (ja) * 2006-04-20 2007-11-01 Mitsubishi Electric Corp 車両位置測位装置及び車両位置測位方法
JP2007325146A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Mitsubishi Electric Corp 列車放送受信システム
JP2013130480A (ja) * 2011-12-21 2013-07-04 Toyota Central R&D Labs Inc 位置推定装置及びプログラム
KR101527410B1 (ko) * 2013-11-12 2015-06-09 한국철도기술연구원 초고속 자기부상열차의 실시간 상대위치 및 절대위치 검지 장치
JP2022053163A (ja) * 2020-09-24 2022-04-05 独立行政法人自動車技術総合機構 測位システムおよび測位誤差取得方法
JP7562133B2 (ja) 2020-09-24 2024-10-07 独立行政法人自動車技術総合機構 測位システムおよび測位誤差取得方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3898967B2 (ja) 2007-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5442559A (en) Navigation apparatus
JP3816018B2 (ja) 列車自車位置検出方法、及び列車自車位置検出システム
EP0393935B1 (en) Vehicle location detecting system
EP0496538B1 (en) Vehicle heading correction apparatus
CN1590965B (zh) 用于在导航系统中检测车辆位置的装置和方法
US5307277A (en) Location detecting apparatus
US4881080A (en) Apparatus for and a method of determining compass headings
JP3380727B2 (ja) 方位検出センサを使用して角速度補正を行うナビゲーション方法
US5422815A (en) Navigation apparatus and navigation method
EP1550840A1 (en) Device and method for detecting current position of a moving vehicle
JPH06213993A (ja) 衛星をベースとするナビゲーションシステムを使用してビークルの位置を決定する方法及び装置
JP2007284013A (ja) 車両位置測位装置及び車両位置測位方法
KR102209422B1 (ko) Rtk gnss 기반 운전면허시험 차량의 포지션 결정 장치
JP2004271255A (ja) 列車自車位置検出方法、及び列車自車位置検出システム
EP0875877B1 (en) Navigation system
JP2003267220A (ja) 移動体自己位置検出方法、及び移動体自己位置検出システム
JP2006275619A (ja) 高度算出装置及びナビゲーション装置
JP2002174528A (ja) カーナビゲーションシステム及び方法、カーナビゲーション用ソフトウェア並びにカーナビゲーションソフトウェアを記録した記録媒体
Le Marchand et al. Performance evaluation of fault detection algorithms as applied to automotive localisation
KR0167045B1 (ko) 차량을 이용한 지도검수 장치
WO2024025655A3 (en) Techniques for validating uav position using visual localization
KR20160008785A (ko) 측위 방법 및 그 측위 장치
JP3019719B2 (ja) 位置測定方法
JP4133426B2 (ja) ナビゲーション装置
JP2786309B2 (ja) 車両位置検出装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041109

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060829

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061025

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20061025

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061212

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees