JP2003261027A - 鉄道車両の低速走行時の脱線検出装置 - Google Patents
鉄道車両の低速走行時の脱線検出装置Info
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- JP2003261027A JP2003261027A JP2002060537A JP2002060537A JP2003261027A JP 2003261027 A JP2003261027 A JP 2003261027A JP 2002060537 A JP2002060537 A JP 2002060537A JP 2002060537 A JP2002060537 A JP 2002060537A JP 2003261027 A JP2003261027 A JP 2003261027A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】鉄道車両の低速走行時の脱線を検知する。
【解決手段】方向加速度検出センサ3と、該上下方向加
速度センサの出力を所定の範囲に濾波するフィルタ4
と、該フィルタ出力と鉄道車両の低速走行時の脱線検知
基準値とを比較して、この比較値に基づいて脱線検知出
力信号を出力する検知回路5とを備えた脱線検出装置。
速度センサの出力を所定の範囲に濾波するフィルタ4
と、該フィルタ出力と鉄道車両の低速走行時の脱線検知
基準値とを比較して、この比較値に基づいて脱線検知出
力信号を出力する検知回路5とを備えた脱線検出装置。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、鉄道車両の低速
での脱線検出を可能にし、脱線を検出したときの前後の
状態を記憶する脱線検出装置に関する。
での脱線検出を可能にし、脱線を検出したときの前後の
状態を記憶する脱線検出装置に関する。
【0002】
【従来の技術】鉄道車両が脱線したとき、鉄道車両及び
乗客や貨物に対するものだけでなく、脱線に気付かず走
行を続け、線路、枕木、信号設備、通信設備等の付帯す
る機器装置に対して被害を及ぼす。また、車両の走行速
度が比較的小さい、例えば10km/h、更には5km/h程度の
低速走行条件の場合に脱線が多いと言われており、脱線
時の衝撃も少ないこともあって脱線に気付かず走行を続
け付帯設備への被害を大きくする。これを防止するもの
として、従来、2軸貨車用走行特性試験車に上下振動加
速度センサを搭載し、上下振動加速度センサの出力と所
定値を比較し、所定値を越えた時に脱線と判断して、自
動的に非常ブレーキを掛ける脱線検知器が提案されてい
る。しかし、この従来装置は、鉄道車両の高速走行時の
試験車両の脱線を検出することを意図し、しかも試験車
両用のものであり、鉄道車両の低速度走行時には該上下
振動加速度センサの出力により脱線を検出できない欠点
を有する。
乗客や貨物に対するものだけでなく、脱線に気付かず走
行を続け、線路、枕木、信号設備、通信設備等の付帯す
る機器装置に対して被害を及ぼす。また、車両の走行速
度が比較的小さい、例えば10km/h、更には5km/h程度の
低速走行条件の場合に脱線が多いと言われており、脱線
時の衝撃も少ないこともあって脱線に気付かず走行を続
け付帯設備への被害を大きくする。これを防止するもの
として、従来、2軸貨車用走行特性試験車に上下振動加
速度センサを搭載し、上下振動加速度センサの出力と所
定値を比較し、所定値を越えた時に脱線と判断して、自
動的に非常ブレーキを掛ける脱線検知器が提案されてい
る。しかし、この従来装置は、鉄道車両の高速走行時の
試験車両の脱線を検出することを意図し、しかも試験車
両用のものであり、鉄道車両の低速度走行時には該上下
振動加速度センサの出力により脱線を検出できない欠点
を有する。
【0003】また、従来、特開平9−39790号公報
に記載される様に、加速度信号を二重積分して上下方向
の変位量を求め、且つ車両の走行速度を同時に検出し、
実走行速度に対応する鉛直方向加速度にもとづいて脱線
を検出する装置が提案されている。しかし、この従来装
置は、回路、機構共に構成が複雑となり製造にあたって
の効率も悪く、また形状も大型化し鉄道車両へ搭載する
際の制約が大きい欠点を有する。
に記載される様に、加速度信号を二重積分して上下方向
の変位量を求め、且つ車両の走行速度を同時に検出し、
実走行速度に対応する鉛直方向加速度にもとづいて脱線
を検出する装置が提案されている。しかし、この従来装
置は、回路、機構共に構成が複雑となり製造にあたって
の効率も悪く、また形状も大型化し鉄道車両へ搭載する
際の制約が大きい欠点を有する。
【0004】また、従来特開平10―278795号公
報に記載される様に、正常走行時の振動センサの出力を
常時監視記録し、走行中の振動センサの出力を該記録と
比較することにより脱線を検知するものも提案されてい
る。しかし、これを実現するには大容量の記憶装置を必
要とする。また振動波形と振動波形を直接比較しようと
するものであり、両データの位相を合わせる必要があり
複雑な構成となることが避けられない。更には電気的ノ
イズ環境の劣悪な鉄道車両にあって、このように微細且
つ複雑な演算を行わせるには、ノイズの影響の対策が必
要であり、これを含めるとその構成は複雑となり、また
形状も大きくなるので実施する場合の制約が大きい等の
欠点がある。
報に記載される様に、正常走行時の振動センサの出力を
常時監視記録し、走行中の振動センサの出力を該記録と
比較することにより脱線を検知するものも提案されてい
る。しかし、これを実現するには大容量の記憶装置を必
要とする。また振動波形と振動波形を直接比較しようと
するものであり、両データの位相を合わせる必要があり
複雑な構成となることが避けられない。更には電気的ノ
イズ環境の劣悪な鉄道車両にあって、このように微細且
つ複雑な演算を行わせるには、ノイズの影響の対策が必
要であり、これを含めるとその構成は複雑となり、また
形状も大きくなるので実施する場合の制約が大きい等の
欠点がある。
【0005】また、国際公開番号W000/09379
号公報に記載される様に、振動加速度の検出と同時に鉄
道車両の走行速度を検出し、走行速度と共に変化する振
動加速度を測定しその最大値を得て限界値とし、これを
超える加速度を検出したとき脱線と判定するものが提案
されている。しかし、走行速度という別のパラメータを
同時に演算処理しなければならないので構成が複雑とな
り生産効率も悪く、また形状も大きくなり実用面での制
約が大きい欠点がある。
号公報に記載される様に、振動加速度の検出と同時に鉄
道車両の走行速度を検出し、走行速度と共に変化する振
動加速度を測定しその最大値を得て限界値とし、これを
超える加速度を検出したとき脱線と判定するものが提案
されている。しかし、走行速度という別のパラメータを
同時に演算処理しなければならないので構成が複雑とな
り生産効率も悪く、また形状も大きくなり実用面での制
約が大きい欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、これらの点
を改良するもので、実際の脱線が低速走行時に多発する
点に鑑みなされたもので、実際の走行試験及び脱線実験
から求めた脱線データを有効に利用して、低速走行時の
脱線を確実に検出でき、走行速度の検知が不要で、また
加速度信号を単一のローパスフィルターを経由させるの
みで複雑な構成を必要せず、且つ小型に製作でき搭載場
所の選択が容易で、しかも複雑な記録手段を要しないで
脱線前後の有用なデータの記憶が可能で、生産効率の良
い脱線検出装置を提供することを目的とする。
を改良するもので、実際の脱線が低速走行時に多発する
点に鑑みなされたもので、実際の走行試験及び脱線実験
から求めた脱線データを有効に利用して、低速走行時の
脱線を確実に検出でき、走行速度の検知が不要で、また
加速度信号を単一のローパスフィルターを経由させるの
みで複雑な構成を必要せず、且つ小型に製作でき搭載場
所の選択が容易で、しかも複雑な記録手段を要しないで
脱線前後の有用なデータの記憶が可能で、生産効率の良
い脱線検出装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、上下方向加速度検出センサと、該上下方向加速度セ
ンサの出力を所定の範囲に濾波するフィルタと、該フィ
ルタ出力と鉄道車両の低速走行時の脱線検知基準値とを
比較して、この比較値に基づいて低速走行時の脱線検知
出力信号を出力する検知回路と、を備えたことを特徴と
する。請求項2に記載の発明は、前記フィルタが30Hzの
遮断周波数の低域通過濾波帯域を有し、前記検知回路が
0.8Gから1.3Gの間の脱線検知基準値を有するこ
とを特徴とする。請求項3の発明は、前記フィルタの出
力を上書き記憶し、前記検知回路の脱線検知出力により
該上書き記憶動作を停止する記憶手段を更に備えたこと
を特徴とする。請求項4の発明は、前記記憶手段へ記憶
されるべきデータを20m秒の周期でサンプリングし、少
なくとも2分間データを該記憶手段に保持させる手段を
更に備えたことを特徴とする。
は、上下方向加速度検出センサと、該上下方向加速度セ
ンサの出力を所定の範囲に濾波するフィルタと、該フィ
ルタ出力と鉄道車両の低速走行時の脱線検知基準値とを
比較して、この比較値に基づいて低速走行時の脱線検知
出力信号を出力する検知回路と、を備えたことを特徴と
する。請求項2に記載の発明は、前記フィルタが30Hzの
遮断周波数の低域通過濾波帯域を有し、前記検知回路が
0.8Gから1.3Gの間の脱線検知基準値を有するこ
とを特徴とする。請求項3の発明は、前記フィルタの出
力を上書き記憶し、前記検知回路の脱線検知出力により
該上書き記憶動作を停止する記憶手段を更に備えたこと
を特徴とする。請求項4の発明は、前記記憶手段へ記憶
されるべきデータを20m秒の周期でサンプリングし、少
なくとも2分間データを該記憶手段に保持させる手段を
更に備えたことを特徴とする。
【0008】
【作用】したがって、鉄道車両の低速走行時の脱線が正
確に検出でき、脱線時のデータも保持される。
確に検出でき、脱線時のデータも保持される。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態を図を用い
て説明する。図1は、本発明一実施の形態の要部ブロッ
ク図を示す。図1は、大きく分けて振動検知部1と振動
記憶部2とで構成される。振動検知部1は鉄道車両の構
体に取り付けられ、この振動検知部1は上下方向加速度
センサ3、フィルタ回路4、検知回路5及びDC−DC
コンバータ6で構成される。即ち、振動検知部1内に上
下方向加速度センサ3が設けられ、この上下方向加速度
センサ3の出力はフィルタ回路4に接続され、このフィ
ルタ回路4の出力は検知回路5に接続される。この検知
回路5の出力はアラーム装置(図示せず)に接続されて
いる。また、前記上下方向加速度センサ3には、DC−
DCコンバータ6の出力が接続され、このDC−DCコ
ンバータ6には電源電圧DC100Vが供給される。
て説明する。図1は、本発明一実施の形態の要部ブロッ
ク図を示す。図1は、大きく分けて振動検知部1と振動
記憶部2とで構成される。振動検知部1は鉄道車両の構
体に取り付けられ、この振動検知部1は上下方向加速度
センサ3、フィルタ回路4、検知回路5及びDC−DC
コンバータ6で構成される。即ち、振動検知部1内に上
下方向加速度センサ3が設けられ、この上下方向加速度
センサ3の出力はフィルタ回路4に接続され、このフィ
ルタ回路4の出力は検知回路5に接続される。この検知
回路5の出力はアラーム装置(図示せず)に接続されて
いる。また、前記上下方向加速度センサ3には、DC−
DCコンバータ6の出力が接続され、このDC−DCコ
ンバータ6には電源電圧DC100Vが供給される。
【0010】また、振動記憶部2は信号処理部8と、二
次電池9と、データ記憶部10で構成される。即ち、前
記検知回路5の出力が信号処理部8に接続され、前記D
C−DCコンバータ6の出力が二次電池9に接続され
る。二次電池9は、信号処理部8とデータ記憶部10に
接続される。データ記憶部10には、信号処理部8の出
力および前記フィルタ回路4の出力がそれぞれ接続され
る。図2は、上下方向加速度センサ3の出力波形(a)
を示す波形図。図3は、フィルタ回路の出力波形(b)
を示す波形図。図4は、検知回路から出力されるアラー
ム信号(c)を示す波形図を示す。
次電池9と、データ記憶部10で構成される。即ち、前
記検知回路5の出力が信号処理部8に接続され、前記D
C−DCコンバータ6の出力が二次電池9に接続され
る。二次電池9は、信号処理部8とデータ記憶部10に
接続される。データ記憶部10には、信号処理部8の出
力および前記フィルタ回路4の出力がそれぞれ接続され
る。図2は、上下方向加速度センサ3の出力波形(a)
を示す波形図。図3は、フィルタ回路の出力波形(b)
を示す波形図。図4は、検知回路から出力されるアラー
ム信号(c)を示す波形図を示す。
【0011】この様な構成において、本一実施の形態の
特徴ある動作を説明する。振動検知部1に収納された上
下方向加速度センサ3からは図2に示す様なセンサ出力
(a)が鉄道車両の振動に対応して出力され、フィルタ
回路4に供給される。該フィルタ回路4は、このセンサ
出力を30Hzの遮断周波数低域通過周波数で濾波した
フィルタ出力信号(b)を出力する。図2のセンサ出力
波形(a)のは衝突事故があった時点の上下方向加速
度を示し、は該衝突事故によって誘起された脱線が生
じた時の上下方向加速度を示す。上述の如く、このセン
サ出力波形(a)は、フィルタ回路4で濾波され、フィ
ルタ出力波形(b)のが衝突事故発生時点を示し、
が脱線時点を示す。図3の及びのタイミングは図2
と同じである。
特徴ある動作を説明する。振動検知部1に収納された上
下方向加速度センサ3からは図2に示す様なセンサ出力
(a)が鉄道車両の振動に対応して出力され、フィルタ
回路4に供給される。該フィルタ回路4は、このセンサ
出力を30Hzの遮断周波数低域通過周波数で濾波した
フィルタ出力信号(b)を出力する。図2のセンサ出力
波形(a)のは衝突事故があった時点の上下方向加速
度を示し、は該衝突事故によって誘起された脱線が生
じた時の上下方向加速度を示す。上述の如く、このセン
サ出力波形(a)は、フィルタ回路4で濾波され、フィ
ルタ出力波形(b)のが衝突事故発生時点を示し、
が脱線時点を示す。図3の及びのタイミングは図2
と同じである。
【0012】このフィルタ出力(b)は、振動データと
してデータ記憶部10に供給される。データ記憶部10
は、記憶されるべ振動きデータを20m秒の周期でサンプ
リングし、書き込んだ振動データを2分間記憶する。こ
れにより、本願発明のデータ記憶部10の記憶容量は従
来装置に比べて著しく軽減される。これは、本願発明の
特徴の一つである。
してデータ記憶部10に供給される。データ記憶部10
は、記憶されるべ振動きデータを20m秒の周期でサンプ
リングし、書き込んだ振動データを2分間記憶する。こ
れにより、本願発明のデータ記憶部10の記憶容量は従
来装置に比べて著しく軽減される。これは、本願発明の
特徴の一つである。
【0013】更に、該フィルタ出力(b)は、振動デー
タとして検知回路5に供給され、脱線検知基準値と比較
される。検知回路7は、本発明の特徴の一つであり、鉄
道車両の低速走行時の脱線を検知するものである。即
ち、
タとして検知回路5に供給され、脱線検知基準値と比較
される。検知回路7は、本発明の特徴の一つであり、鉄
道車両の低速走行時の脱線を検知するものである。即
ち、
【0014】
【表1】
【0015】表1は、鉄道車両の脱線を繰り返した行っ
た実験データをまとめたのもである。この表1から鉄道
車両の通常走行時の上下振動加速度の最大値は0.4G
以下(Gは重力加速度9,8m/sec2を示す)であり、脱線
時の上下加速度の最大値の閾値は1.0G程度であるこ
とが理解される。しかし、上下振動加速度の最大値0.
73の実験結果にみられるようにこの付近でも脱線の可
能性が存在する。この為、本発明の検知回路5は、脱線
検知基準値として0.8〜1.3Gの基準値を備えてい
る。これに対して、従来の脱線検知装置は、鉄道車両の
脱線の高速走行時に生じる脱線を検出する事に重点をお
くもので低速走行時の脱線は全く考えられていない。こ
の様に、本願の発明が鉄道車両の低度走行時に脱線が生
じることに着目して、鉄道車両の低度走行時の脱線を検
出するための検出回路5を備えることは本願発明の特徴
の一つである。
た実験データをまとめたのもである。この表1から鉄道
車両の通常走行時の上下振動加速度の最大値は0.4G
以下(Gは重力加速度9,8m/sec2を示す)であり、脱線
時の上下加速度の最大値の閾値は1.0G程度であるこ
とが理解される。しかし、上下振動加速度の最大値0.
73の実験結果にみられるようにこの付近でも脱線の可
能性が存在する。この為、本発明の検知回路5は、脱線
検知基準値として0.8〜1.3Gの基準値を備えてい
る。これに対して、従来の脱線検知装置は、鉄道車両の
脱線の高速走行時に生じる脱線を検出する事に重点をお
くもので低速走行時の脱線は全く考えられていない。こ
の様に、本願の発明が鉄道車両の低度走行時に脱線が生
じることに着目して、鉄道車両の低度走行時の脱線を検
出するための検出回路5を備えることは本願発明の特徴
の一つである。
【0016】検知回路5は、入力されたフィルタ出力信
号(b)が脱線検知基準値0.8〜1.3Gを超えれ
ば、鉄道車両の脱線を検知し、図4中ののタイミング
で脱線を乗務員に知らせるアラーム信号(c)、即ち脱
線検知信号を、例えば乗務員室のモニタ装置に送出す
る。図4中ののタイミングは図2及び図3中のと同
一である。この様に、本発明では、鉄道車両の低速走行
時の脱線が検知回路5により正確に検知される。低速で
の脱線を知った乗務員が鉄道車両を手動にて直ちに停止
させ、被害を最小限度に止めることができる。
号(b)が脱線検知基準値0.8〜1.3Gを超えれ
ば、鉄道車両の脱線を検知し、図4中ののタイミング
で脱線を乗務員に知らせるアラーム信号(c)、即ち脱
線検知信号を、例えば乗務員室のモニタ装置に送出す
る。図4中ののタイミングは図2及び図3中のと同
一である。この様に、本発明では、鉄道車両の低速走行
時の脱線が検知回路5により正確に検知される。低速で
の脱線を知った乗務員が鉄道車両を手動にて直ちに停止
させ、被害を最小限度に止めることができる。
【0017】また、前記脱線検知信号は、信号処理部8
に供給され、論理回路等で信号処理され、データ記憶部
10のエンドレス上書き記憶動作(即ち、繰り返して上
書きして記憶する動作)を停止させるトリガ信号として
出力される。データ記憶部に供給された前記フィルタ回
路4からの振動データは、平常時はデータ記憶部10に
エンドレス上書き記憶されているが、検知回路5が脱線
を検知すると信号処理部8からのトリガ信号により、エ
ンドレス上書き記憶動作が停止される。これは、本願の
発明の特徴の一つである。これにより、鉄道車両の脱線
の前後の振動データが正確に記憶媒体に記憶され、後日
の事故調査の貴重はデータとして使用される。これに対
して、従来の脱線検知装置は、車両の走行中の振動デー
タをすべて記憶する構成であるので、大記憶容量を必要
とし、装置の大型化、高コスト化をもたらしている。
に供給され、論理回路等で信号処理され、データ記憶部
10のエンドレス上書き記憶動作(即ち、繰り返して上
書きして記憶する動作)を停止させるトリガ信号として
出力される。データ記憶部に供給された前記フィルタ回
路4からの振動データは、平常時はデータ記憶部10に
エンドレス上書き記憶されているが、検知回路5が脱線
を検知すると信号処理部8からのトリガ信号により、エ
ンドレス上書き記憶動作が停止される。これは、本願の
発明の特徴の一つである。これにより、鉄道車両の脱線
の前後の振動データが正確に記憶媒体に記憶され、後日
の事故調査の貴重はデータとして使用される。これに対
して、従来の脱線検知装置は、車両の走行中の振動デー
タをすべて記憶する構成であるので、大記憶容量を必要
とし、装置の大型化、高コスト化をもたらしている。
【0018】DC-DCコンバータ5は、列車側から供給さ
れるDC100Vを所要の電圧に変換して、上下方向加速度セ
ンサ3に電源を供給するとともに、振動記憶部2の二次
電池9に電源を供給する。二次電池9は平常時はDC-DC
コンバータ6から供給される電源により充電されてお
り、脱線あるいは脱線後にデータ記憶部のデータを処理
するまでの間、データを保持しておく為のバックアップ
電源として使われる。
れるDC100Vを所要の電圧に変換して、上下方向加速度セ
ンサ3に電源を供給するとともに、振動記憶部2の二次
電池9に電源を供給する。二次電池9は平常時はDC-DC
コンバータ6から供給される電源により充電されてお
り、脱線あるいは脱線後にデータ記憶部のデータを処理
するまでの間、データを保持しておく為のバックアップ
電源として使われる。
【0019】ここで、上下方向加速度センサ3の出力
を、ローパスフィルタを通さずそのまま検知回路5へ供
給しても鉄道車両の脱線の検知は可能である。但し、こ
の場合は脱線以外の要因による上下方向加速度センサ3
の出力をも捉えてアラーム信号を送出するという不都合
がある。低域通過フィルタを通すことで高い周波数成分
が除去され、脱線以外の要因によってアラーム信号が送
出されることはない。本願の発明は、上下方向加速度セ
ンサ5が客車内での乗客による振動で生じる振動を検知
しても、車両自体の振動による上下方向加速度だけが検
知回路5に出力されるようにノイズの発生帯域を実験的
に且つ統計的に研究して、フィルタ回路4のフィルタ周
波数を30HZに設計した。これは、本願の発明の特徴
の一つである。
を、ローパスフィルタを通さずそのまま検知回路5へ供
給しても鉄道車両の脱線の検知は可能である。但し、こ
の場合は脱線以外の要因による上下方向加速度センサ3
の出力をも捉えてアラーム信号を送出するという不都合
がある。低域通過フィルタを通すことで高い周波数成分
が除去され、脱線以外の要因によってアラーム信号が送
出されることはない。本願の発明は、上下方向加速度セ
ンサ5が客車内での乗客による振動で生じる振動を検知
しても、車両自体の振動による上下方向加速度だけが検
知回路5に出力されるようにノイズの発生帯域を実験的
に且つ統計的に研究して、フィルタ回路4のフィルタ周
波数を30HZに設計した。これは、本願の発明の特徴
の一つである。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、脱線が発生したと
き、これを乗務員へ直ちに知らしめ列車を停止させるこ
とで、被害を最小に止めることができる。本発明による
脱線検出装置は、脱線が発生したときだけ、その事実を
確実に且つ直ちに通報を発し、これを知った乗務員が列
車手動で停止させる。これにより鉄道列車及び付帯設備
機器の被害を僅少に止めることができる。また、脱線を
検知すると、脱線の前後の所定の期間、振動加速度の状
況を記憶させておくので、後日これを解析することによ
り脱線の原因の調査や、再発防止対策を策定するときに
有用である。また、本発明による脱線検出装置はその構
成が複雑ではないので生産効率も良く、比較的安価に提
供できることから、多数の鉄道車両に搭載普及させるこ
とができ、脱線事故の被害を抑制できる。
き、これを乗務員へ直ちに知らしめ列車を停止させるこ
とで、被害を最小に止めることができる。本発明による
脱線検出装置は、脱線が発生したときだけ、その事実を
確実に且つ直ちに通報を発し、これを知った乗務員が列
車手動で停止させる。これにより鉄道列車及び付帯設備
機器の被害を僅少に止めることができる。また、脱線を
検知すると、脱線の前後の所定の期間、振動加速度の状
況を記憶させておくので、後日これを解析することによ
り脱線の原因の調査や、再発防止対策を策定するときに
有用である。また、本発明による脱線検出装置はその構
成が複雑ではないので生産効率も良く、比較的安価に提
供できることから、多数の鉄道車両に搭載普及させるこ
とができ、脱線事故の被害を抑制できる。
【図1】本発明一実施の形態の要部ブロック図を示す。
【図2】上下方向加速度センサ3の出力波形(a)を示
す波形図。
す波形図。
【図3】フィルタ回路の出力波形(b)を示す波形図。
【図4】検知回路から出力されるアラーム信号(c)を
示す波形図を示す。
示す波形図を示す。
1 振動検知部
2 振動記憶部
3 上下方向加速度度センサ
4 フィルタ回路
5 検知回路
6 DC−DCコンバータ
8 信号処理部
9 二次電池
10 データ記憶部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 岡本 隆
福岡県福岡市博多区博多駅前3−25−21
九州旅客鉄道株式会社運輸部車両課
(72)発明者 折田 誠治
福岡県福岡市博多区博多駅前3−25−21
九州旅客鉄道株式会社運輸部車両課
(72)発明者 西田 直喜
福岡県福岡市博多区博多駅前3−25−21
九州旅客鉄道株式会社運輸部車両課
Fターム(参考) 2G064 AA14 AB07 AB08 AB24 CC06
CC54 DD18
Claims (4)
- 【請求項1】 上下方向加速度検出センサと、該上下方
向加速度センサの出力を所定の範囲に濾波するフィルタ
と、該フィルタ出力と鉄道車両の低速走行時の脱線検知
基準値とを比較して、この比較値に基づいて低速走行時
の脱線検知出力信号を出力する検知回路と、 を備えた鉄道車両の低速走行時の脱線検出装置。 - 【請求項2】 前記フィルタが30Hzの遮断周波数の低域
通過濾波帯域を有し、前記検知回路が0.8Gから1.
3Gの間の脱線検知基準値を有する請求項1に記載の鉄
道車両の低速走行時の脱線検出装置。 - 【請求項3】前記フィルタの出力を上書き記憶し、前記
検知回路の脱線検知出力信号により該上書き記憶動作を
停止する記憶手段を更に備えた請求項1または請求項2
に記載の鉄道車両の低速走行時の脱線検出装置。 - 【請求項4】前記記憶手段へ記憶されるべきデータを20
m秒の周期でサンプリングし、少なくとも2分間データ
を該記憶手段に保持させる手段を更に備えた鉄道車両の
低速走行時の脱線検出装置。
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---|---|---|---|
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