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JP2003258167A - 構造物 - Google Patents

構造物

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Publication number
JP2003258167A
JP2003258167A JP2002057018A JP2002057018A JP2003258167A JP 2003258167 A JP2003258167 A JP 2003258167A JP 2002057018 A JP2002057018 A JP 2002057018A JP 2002057018 A JP2002057018 A JP 2002057018A JP 2003258167 A JP2003258167 A JP 2003258167A
Authority
JP
Japan
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base plate
metal
ceramic substrate
frame
aluminum
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002057018A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahiro Ibukiyama
正浩 伊吹山
Isao Sugimoto
勲 杉本
Ryozo Nonogaki
良三 野々垣
Takuya Okada
拓也 岡田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denka Co Ltd
Original Assignee
Denki Kagaku Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denki Kagaku Kogyo KK filed Critical Denki Kagaku Kogyo KK
Priority to JP2002057018A priority Critical patent/JP2003258167A/ja
Publication of JP2003258167A publication Critical patent/JP2003258167A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/0001Technical content checked by a classifier
    • H01L2924/0002Not covered by any one of groups H01L24/00, H01L24/00 and H01L2224/00

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い信頼性と長期の熱放散性を維持することの
出来る、パワーモジュールに好適な放熱構造物を提供す
る。 【解決手段】開口部を有する金属製枠と、両面に金属層
が設けられたセラミックス基板と、前記セラミックス基
板の一方の金属層上に設けられた金属製ベース板とから
なり、前記セラミックス基板及び/又は金属製ベース板
が前記金属製枠の前記開口部に配置され、前記金属ベー
ス板を前記金属製枠が固定している構造物であって、セ
ラミックス基板の熱膨張率と金属製ベース板の熱膨張率
の差が6〜23ppmであることを特徴とする構造物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミックス基板
を有していて、高出力の半導体素子を搭載することがで
き、それ故自動車等の移動機器に搭載する電源を初めと
する各種の高電力電源等の用途に好適な電気部品を提供
可能な放熱構造体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、IGBTやMOSFET等の半導
体素子を使用したパワーモジュールでは、それらの半導
体素子等で発生する熱を外へ逃がして、半導体素子の温
度が所定の温度以上に上がらないようにするため、酸化
アルミニウム(Al23)、窒化ケイ素(Si34)、
窒化アルミニウム(AlN)等のセラミックス回路基板
を、銅(Cu)やアルミニウム(Al)等の金属からな
るベース板に半田付けしてなる放熱構造体を使用するの
が一般的であった。
【0003】しかし、電鉄用やハイブリッドカーを含む
電気自動車用パワーモジュールに関しては、より高い熱
の放散性と信頼性が要求されており、前記のセラミック
回路基板と金属製ベース板を半田付けした放熱構造体
は、使用条件によっては、セラミックス基板の割れや、
半田層にクラック(以下、半田クラックという)が発生
することが知られており、熱の放散性と信頼性に問題が
生ずる場合があった。
【0004】セラミックス基板に発生するクラックは絶
縁不良の原因となるし、半田層に発生するクラックは熱
放散性を悪化させ、その結果半導体素子の温度が上昇し
て動作不能となる。このような現象が発生しない、長期
に渡って信頼性の高いパワーモジュールを実現する放熱
構造体(以下、単に構造体ともいう)が強く求められて
いる。
【0005】セラミックス基板に生じるクラックを防止
するために、応力緩和性に優れるアルミニウム(Al)
金属を回路用金属として用いることや、セラミックス回
路基板とベース板との間の半田層に発生する応力を低減
させるため、セラミックス基板に近い熱膨張率を持つア
ルミニウム−炭化珪素(Al−SiC)複合材や銅−モ
リブデン(Cu−Mo)複合材等の材料をベース板とし
て用いることが検討されている。
【0006】アルミニウム回路付セラミックス基板と複
合材からなるベース板とを組み合わせて使用したパワー
モジュールは、高信頼性を有し、電鉄車両やハイブリッ
ドカーなどに好適なものであるが、高価であることが大
きな欠点となっており、用途拡大の足枷になっている。
Al−SiCやCu−Mo等の複合材は、従来の金属製
ベース板に比べて特殊な方法によって製造せざるを得な
い上に、加工工程や表面処理工程のコストが高く、金属
製ベース板の数倍と高価になってしまうからである。
【0007】しかし、前述したとおりに、安価な金属製
ベース板を用いたパワーモジュールに関しては、組み立
て工程や実使用条件下で受ける熱応力によって、半田層
にクラックが発生したり、あるいは半田の劣化が生ずる
ことが知られている。
【0008】これら問題に対して、セラミック回路基板
とベース板との接合に半田を使用すること自体が信頼性
低下の原因となるとの考えから、半田に代えてロウ材を
用いて、ベース板とセラミック回路基板とを直接に接合
する構造を採用することで信頼性の向上を期待する検討
もされている(特開平9−97865号公報、特開平1
0−270596号公報参照)。
【0009】しかしながら、本発明者らが前記の構造の
放熱構造体について検討したところ、通常の半田付けで
構成した放熱構造体よりも、実使用の初期における熱抵
抗が大きい場合があることやヒートサイクルを長期に渡
って被ると熱抵抗が増大することがある等の解決するべ
き課題があることを見出した。
【0010】本発明者は、前記問題点についていろいろ
検討を行ったところ、ベース板下面(セラミック回路基
板が接合してある面と反対側の面)の反りや放熱構造体
の固定方法に由来する場合と、セラミックス回路基板の
回路上に半導体等の発熱性電気部品を搭載するときに、
前記回路と発熱性電気部品との接合に用いる半田にクラ
ックが発生している場合とが有ることを見出した。
【0011】ベース板の反りは、ベース板とセラミック
基板の熱膨張差に起因している。即ち、金属製ベース
板、例えば銅(熱膨張率は17ppm/℃)を用いる場
合、その熱膨張率はセラミック基板の熱膨張率(4pp
m/℃前後)よりはるかに大きいため、300℃前後で
半田付けしたり600℃〜900℃付近でロー付け接合
した後に室温付近まで冷却するとベース板とセラミック
ス回路基板の接合体が大きく反る。そして、その反りは
ベース板下面が凹となるため、前記接合体を更に放熱ブ
ロックに接合しようとすると、放熱ブロックとベース板
下面との間に隙間が発生し、仮に前記隙間に放熱グリー
スが存在しても、熱伝導性が悪くなり、パワーモジュー
ルを構成している半導体素子等の電子部品の温度が上昇
することになる。
【0012】ベース板の反りを、下に凸で、かつ適当な
範囲にするために、ベース板にあらかじめ下に凸の反り
を付けて回路基板と半田付けする方法があるが、その場
合、半田層に半田ボイドが多く発生して熱抵抗の上昇な
どを招く場合がある。また、曲率を付けた治具に挟みな
がらロー付け接合する方法が考えられるが、このように
してベース板に下に凸の反りを付けても、放熱構造体の
放熱ブロックへの固定方法やヒートサイクル条件によっ
ては、ベース板下面が充分に放熱ブロックに圧接されな
くなる場合がある。例えば、特にアルミニウム回路基板
と金属ベース板とのロー付け一体化構造物を用いた場
合、半導体素子(半導体チップともいう)の半田付け工
程で加熱冷却されると、その前後でベース板の反りが大
きく変化する場合があることが見いだされた。このよう
な現象が起きると、半田付け後にベース板下面が平らに
なるようにするには、半田付け前に下に凸な状態にして
おく必要があるが、反り変化量が大きい場合には、初期
の反りを下に大きく凸にしておく必要があり、従って半
田付け工程で加熱された状態では大きく下に凸に反った
状態になっており、半田層の厚さの不均一や半田層中の
ボイド発生の原因になる可能性がある。いずれにしろ、
このような方法では、回路基板の寸法や配置により反り
形状が複雑に変化するため、適当な反り付けが困難な場
合がある。
【0013】また、放熱構造体を長期にわたるヒートサ
イクルにさらすと、セラミックス基板とベース板との熱
膨張差に起因して反りが繰り返し発生することにより、
ベース板と放熱ブロック間で、放熱グリースの偏りや空
気層の形成が起こる場合がある。前記のセラミックス回
路基板とベース板とが直接に接合した放熱構造体の場合
には、セラミック回路基板とベース板の間に応力緩和層
として働く半田層が存在しないので、従来の半田付けし
た放熱構造体よりも、ヒートサイクル時の反りの繰り返
し変化が大きくなる傾向を示し、前記のグリースの偏り
や空気層形成が起きやすくなる傾向がある。このような
現象は、熱サイクルによって生じる反りの変化が大きい
場合に顕著に生じると予想される。
【0014】加えて、セラミック回路基板とベース板と
が直接に接合されても、半導体素子等の発熱性電気部品
は依然としてセラミック回路基板上の回路に半田付けさ
れる。そのため、セラミック回路基板とベース板とが応
力緩和の働きを持つ半田層を介さずに直接接合されたこ
とにより、セラミック基板に加わる応力が従来のパワー
モジュールの場合に比べて大きくなり、セラミック回路
基板と半導体素子の間の半田層に加わる応力もまた大き
くなるため、半田クラックがより発生し易くなる。この
発生応力は、基板とベース板の熱膨張率差が大きいほど
大きくなると考えられるが、熱膨張率のみならず、上記
の熱処理による反り変化量の大小にも影響される。
【0015】これらの問題発生は、モジュール中の半導
体素子等の電気部品や回路から発生する熱の放散性を悪
化させ、半導体素子の温度を上昇させることになり、半
導体素子の誤動作を生じたり寿命を短くする等の現象を
引き起こすので、実用上好ましくない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたものであり、パワーモジュールに用い
る放熱構造とその信頼性との関係を明らかにし、高い信
頼性と長期の熱放散性を維持することの出来る構造物を
提供することを目的としている。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑みて鋭意検討を行い、セラミック回路基板、金属製
ベース板、および金属製枠との組み合わせについて、い
ろいろな構造物を試作し、その信頼性を評価することに
より、特定の構造を有する構造物が、半田付け等の熱履
歴を経てもその反り変化量が少なく、ひいては半田クラ
ック、基板割れが発生しがたく、長期間に渡って熱放散
性に優れることを見出し、本発明に至ったものである。
【0018】即ち、本発明は、開口部を有する金属製枠
と、両面に金属層が設けられたセラミックス基板と、前
記セラミックス基板の一方の金属層上に設けられた金属
製ベース板とからなり、前記セラミックス基板及び/又
は金属製ベース板が前記金属製枠の前記開口部に配置さ
れ、前記金属ベース板を前記金属製枠が固定している構
造物であって、セラミックス基板の熱膨張率と金属製ベ
ース板の熱膨張率の差が6〜23ppmであることを特
徴とする構造物である。
【0019】また、本発明は、金属製枠が鉄、アルミニ
ウム、銅、又は鉄、アルミニウム、銅のいずれかを主成
分とする合金からなり、セラミックス基板が、窒化珪素
又は窒化アルミニウムであり、金属ベース板がアルミニ
ウム、銅、又はアルミニウム若しくは銅を主成分とする
合金からなることを特徴とする前記構造物である。更
に、金属ベース板を金属製枠に固定する方法が、圧入、
焼きばめ、又はかしめのいずれかであることを特徴とす
る前記構造物である。
【0020】また、本発明の好ましい実施態様として、
セラミックス基板の金属製ベース板に面する側の金属層
と、金属製ベース板とがロウ材で接合されてなることを
特徴とする前記構造物であり、セラミックス基板の両面
に設けられた金属層がいずれも高純度アルミニウムから
なり、前記金属層のうち金属製ベース板に面する側の金
属層が、その反対側の金属層と同等以上の厚さであるこ
とを特徴とする前記構造物である。
【0021】更に本発明の好ましい実施態様として、セ
ラミックス基板と金属製ベース板に面する側の金属層と
の接合、また前記金属層と金属製ベース板との接合が、
いずれも、Mg、Ag、Cuのうちの一種以上を含むア
ルミニウム合金からなるロウ材により接合されているこ
とを特徴とする前記構造物である。
【0022】また、本発明は、前記構造物を用い、セラ
ミックス基板上の金属製ベース板に面していない側の金
属層を回路形成し、更に前記回路上に1個以上の半導体
素子を搭載してなることを特徴とするモジュール。
【0023】更に、本発明は、(1)両面に金属層を有
するセラミックス基板を作製する工程、(2)セラミッ
クス基板のいずれかの金属層上に金属製べース板を設け
ることでベース板一体型セラミックス基板とする工程、
(3)予め前記セラミックス基板及び/又は金属製ベー
ス板を収納し得る大きさの開口部を有する金属製枠を準
備する工程、(4)前記ベース板一体型セラミックス基
板のセラミックス基板及び/又は金属製ベース板を前記
金属製枠の開口部に配置し、金属製枠と金属製ベース板
とを固定し一体化する工程、を含むことを特徴とする構
造物の製造方法である。
【0024】加えて、本発明は、前記(4)の工程が、
金属製枠を加熱し、金属製枠の開口部内に前記ベース板
一体型セラミックス基板の金属製ベース部分を収納し、
冷却することで、金属製枠ベース板一体型セラミックス
基板の金属ベース板とを固定し一体化する工程、である
ことを特徴とする前記の構造物の製造方法である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるセラミック基
板は、必要とされる電気絶縁特性や熱伝導率や機械強度
などの特性を満たしていればどの様なものでも構わない
が、高熱伝導率を有するセラミクスである窒化アルミニ
ウム(AlN)、或いは高い強度と比較的高い熱伝導率
を兼ね備えた窒化ケイ素(Si34)がより好適であ
る。特に、ベース板と回路基板を直接ロー付けする場合
には、機械的特性に優れた窒化珪素基板を用いることが
好ましい。
【0026】セラミック基板の片面に設けられ、発熱性
電気部品をその一部に搭載される回路となる金属板とし
ては、良導電性の金属であれば何でもかまわないが、安
価で熱伝導率が高い銅やアルミニウムが好ましく用いら
れる。また、前記銅やアルミニウムとしては、熱伝導率
や電気伝導率が高く、応力発生に対して塑性変形能が高
い、高純度のものが好ましい。
【0027】本発明に於いて、セラミック基板のベース
板側にベース板と接するように設けられた金属板は、好
ましくは200MPa以下の引っ張り強度と20%以上
の伸びを有する金属、更に好ましくは150MPa以下
の引っ張り強度と30%以上の伸びを有する金属が選ば
れる。即ち、前記金属板の存在は、熱放散性とともにセ
ラミックス基板とベース板との接合力向上を主目的とす
るものであるが、本発明者の実験的検討結果に拠れば、
前記特性を有するものを選択するときに、応力緩和性に
優れ、実使用下で繰り返しの熱履歴を受けても高信頼性
のモジュールが得られ、本発明の効果を一層容易に達成
しやすくなるからである。前記金属板の例としては、ア
ルミニウム、スズ、鉛、亜鉛、バナジウム、イットリウ
ム、カドミウム、カルシウム、インジウム、白金、パラ
ジウム、銀、金、それらの合金等がある。中でも、入手
しやすさ、安価な点から、アルミニウム、亜鉛、スズお
よびそれらの合金等を用いると良い。また、アルミニウ
ム合金の中では、純度99%以上のアルミニウム、JI
S呼称3003、8011等が特に好ましく用いられ
る。
【0028】本発明に於いて、セラミックス基板の両面
に設けられた金属層がいずれも高純度アルミニウムから
なり、特に99.9%以上の純度を持つ高純度アルミニ
ウムが好ましい。これは、前述の通りに高純度アルミニ
ウムが、回路となる金属板の有すべき性質とセラミック
基板のベース板側にベース板と接するように設けられた
金属板の有すべき性質とを併せ持つからである。また、
前記金属層のうち金属製ベース板に面する側の金属層
が、その反対側の金属層と同等以上の厚さであることが
望ましい。これは、ベース板に面する側の金属層がある
厚さを持っていないと、セラミック基板とベース板の熱
膨張率差を緩和するのに充分ではなく、ヒートサイクル
などの長期信頼性が劣ることがあるからである。
【0029】本発明に用いるベース板の熱膨張率とセラ
ミックス基板の熱膨張率の差は、6〜23ppmである
ように選択される。熱膨張率差が23ppmより大きな
材料の組み合わせでは、熱膨張率差に起因する応力や反
りが大きくなり、信頼性を損ねるからである。一方、熱
膨張率差が小さい場合は、熱履歴によって反りの変化は
小さく、枠材を用いなくても比較的信頼性を確保しやす
くなり、本発明による必要が無くなること、熱膨張率が
セラミックと大差ない材料、例えばAl−SiC複合材
やCu−Mo複合材等をベース板として用いると、それ
らは金属製ベース板より高価なためコストアップになる
し、金属製枠材よりベース板の方が熱膨張率が小さくな
り、一体化した構造物の信頼性が劣る場合があることか
ら、6〜23ppmのときに本発明の目的を明瞭に達成
できる。
【0030】一般に金属の熱膨張率はセラミクスのそれ
より大きく、窒化アルミニウムや窒化珪素は3〜5pp
mであるのに対し、銅やアルミニウムは15〜25pp
m程度であるので、これら材料の組み合わせは本発明に
用いることが出来る。本発明の構造物を用いれば、この
様に大きな熱膨張率差がある材料の組み合わせでも、長
期信頼性が保たれるという点で画期的である。
【0031】本発明の構造物は、好ましくは、セラミッ
クス基板の金属製ベース板に面する側の金属層と、金属
製ベース板とがロウ材で接合されているとよい。ロウ付
けは半田付けより接合の信頼性や接合強度が高いからで
ある。更に好ましくは、セラミックス基板と金属製ベー
ス板に面する側の金属層との接合、また前記金属層と金
属製ベース板との接合が、いずれも、Mg、Ag、Cu
のうちの一種以上を含むアルミニウム合金からなるロウ
材により接合されていることが好ましい。このようなロ
ウ材を用いることにより、一層信頼性の高い接合を実現
できる。
【0032】本発明の放熱構造体において、ベース板に
接する金属板の大きさが、該セラミックス回路基板の表
面回路上に搭載する発熱性電気部品の外形よりも片側
(以下同じ)で1mm以上(すなわち両側2mm)大き
いことが好ましい。更に長期の信頼性を必要とする場合
は、2.0mm以上大きいことが望ましい。この要件を
満たすとき、発熱性電気部品からの熱放散が確実に保た
れ易くなり、本発明の目的を一層確実に達成できるから
である。
【0033】モジュールに於いては、半導体素子等の発
熱性電気部品で発生した熱の大部分は、セラミック基板
やベース板を通じて外部に逃げていく。その時、熱を放
散する面積を十分大きく取ることが熱の放散性を確保す
るために重要である。特に、ベース板とセラミック回路
基板が半田を介さずに接合された場合、前述したよう
に、熱発生により生じた温度差が原因となる部分的な反
りの発生を促すので、セラミック基板裏面の熱放散のた
めの接触面積を十分確保するために、ベース板と接する
金属板の大きさを発熱素子の外周より1mm以上大きく
取る必要がある。
【0034】また、ベース板に接する側の金属板の大き
さは、セラミック基板の外形を基準として、−2.0m
m以上大きくすることが好ましい。この理由は、金属板
がセラミック基板より小さすぎると、発熱性電気部品か
らの熱の放散性の確保が難しくなり、発熱性電気部品の
配置に制限が生じたり、接合後のニッケルメッキ工程で
セラミック基板とベース板の間のすきまにメッキ液が残
りやすく不都合が生じる、等の欠点が生じることがある
ためである。尚、金属板の大きさは、セラミックス基板
の外形を基準として、+4.0mm以上大きくないこと
が好ましく、その理由は金属板が大きすぎるとその外周
部に集中する応力により金属板の不規則な変形が起きた
り、ベース板との接合不良が起きることがあるからであ
る。最も好ましくは、セラミック基板の外形を基準とし
て−1.5〜+1.0mmである。
【0035】また、前記したとおりに、回路基板に接合
されるベース板側の金属板の厚さは、回路側の金属板の
厚さより厚い方が好ましい。実用上からは、ベース板側
金属板の厚さを回路側金属板の厚さの1から3倍程度に
することが好ましい。更に好ましくは1.2倍から2.
5倍、更に好ましくは1.4倍から2倍にするとよい。
こうすることにより、半田付け工程などの熱サイクルに
よっても反りの変化の少ない基板とベース板の一体化物
が得られる。
【0036】放熱構造体の熱放散特性に関して、構成材
料のベース板とセラミックス回路基板間の接触面積を充
分に大きくとることは、実使用条件下でその初期から熱
抵抗を下げるためにも重要であるが、同時に長期的な熱
放散性の確保、従って信頼性の観点からも非常に重要で
ある。後者については、例えば、−40℃〜125℃の
ヒートサイクルを長期間継続することによって、その傾
向をとらえることが出来る。
【0037】本発明に用いる金属製枠については、鉄、
アルミニウム、銅、又は鉄、アルミニウム、銅のいずれ
かを主成分とする合金からなることが好ましい。出来る
だけ高い剛性を持った枠材を用いるのが好ましいので、
純金属より合金が望ましく、また、加工硬化が施された
材料が望ましい。コスト面と剛性の面から鉄を枠材に用
いるとよい。
【0038】本発明の放熱構造物は、上述したとおり
に、特定の構造を採用しているので、繰り返しの熱変動
を受けてもセラミックス基板や半田層でのクラックや割
れの発生がなく、熱放散性が確保され、長期に渡って高
信頼性を呈することができる特徴がある。
【0039】また、本発明は、前記放熱構造物を用い、
前記放熱構造物中のセラミックス基板上の金属製ベース
板に面していない側の金属層を回路形成し、更に前記回
路上に1個以上の半導体素子を搭載してなることを特徴
とするモジュールである。本発明のモジュールは、前記
の特徴を有する放熱構造体を用いていることから、高信
頼性のモジュールであるが、この特性は回路上に1個以
上の半導体素子を搭載したモジュールに於いて顕著であ
る。然るに、半導体素子を搭載したモジュールは、電源
用途に於いて電力制御用に用いられ、この用途に於いて
は極めて過酷な繰り返しの熱変動を受けるからである。
本発明のモジュールは、例えば、自動車を初めとする移
動機器の電源用途の電力制御用のモジュールとして好適
である。尚、本発明のモジュールには、1個の枠に複数
の金属製ベース板、更にその上に複数のセラミックス基
板を有する構造のものも当然含まれる。
【0040】次に、本発明の放熱構造物を得る方法につ
いて、本発明の構造物の製造方法を例として説明する。
【0041】本発明の構造物は、枠とベース板を一体化
してから、セラミック基板を接合しても良いし、ベース
板にセラミック基板を接合した後、枠と結合しても良
い。また、セラミック基板の両面に設けられた金属層
は、ベース板と接合するときに同時に接合しても良い。
【0042】本発明の構造物の製造方法は、(1)両面
に金属層を有するセラミックス基板を作製する工程、
(2)セラミックス基板のいずれかの金属層上に金属製
べース板を設けることでベース板一体型セラミックス基
板とする工程、(3)予め前記セラミックス基板及び/
又は金属製ベース板を収納し得る大きさの開口部を有す
る金属製枠を準備する工程、(4)前記ベース板一体型
セラミックス基板のセラミックス基板及び/又は金属製
ベース板を前記金属製枠の開口部に配置し、金属製枠と
金属製ベース板とを固定し一体化する工程、を含むこと
を特徴とする構造物の製造方法である。
【0043】この工程の組み合わせを採用することで、
枠とベース板を一体化してからセラミック基板を接合す
る場合に比べて枠材がさらされる温度が低下するので、
枠材の剛性を高く保つことが出来、本発明の目的の一つ
である、枠材によるベース板の変形を押さえる効果を発
揮することが出来る。
【0044】一般にベース板表面はニッケルメッキ膜で
覆われていることが多いが、使用環境で腐食等の問題が
起きなければ必ずしも必要がない。また、ロウ付け前に
ベース板にメッキが必要かどうかは、採用する製造方法
によっても異なる。また、枠材も、必要に応じてメッキ
処理をしても良い。鉄を用いる場合は、クロメート処理
などの防錆処理を行うとよい。
【0045】前記(1)両面に金属層を有するセラミッ
クス基板を作製する工程では、前記セラミックス基板を
作製する方法を特に限定する必要はなく、公知の方法を
用いることが出来る。例えば、金属層がアルミニウムで
ある場合は、銅とゲルマニウムとケイ素からなる群から
選ばれる少なくとも一種以上の元素とマグネシウムとを
含有するアルミニウム合金をロウ材に用いるとよい。特
にJIS呼称2017の箔を、金属板とセラミック基板
の間に挿入し、圧力をかけながら600℃以上に加熱す
ると、信頼性の高い接合が可能である。金属板としてア
ルミニウムより融点の低い金属を用いる場合は、適宜、
低融点ロウ材を用いたり、超音波やプラズマ処理等の表
面反応促進手段を併用して接合することが望ましい。
【0046】前記(2)セラミックス基板のいずれかの
金属層上に金属製べース板を設けることでベース板一体
型セラミックス基板とする工程においては、接合する材
料に応じてロウ材を適宜選択してロウ付けしたり、場合
によってはロウ材を用いず固相拡散接合により接合する
ことができる。好ましくは、前記金属層がアルミニウム
の場合、金属製ベース板との接合が、いずれも、Mg、
Ag、Cuのうちの一種以上を含むアルミニウム合金か
らなるロウ材により接合されているとよい。このような
ロー材を用いることにより、一層信頼性の高い接合を実
現できる。銅とアルミニウムを接合するには、ロウ材を
使用しなくても銅板とアルミニウム板を重ね合わせて、
銅とアルミニウムの共晶温度付近に加熱することにより
接合出来るし、マグネシウムや亜鉛等を含む融点の低い
ロウ材を用いて接合する事もできる。特に融点の低い金
属を接合する場合、固相拡散接合は有用である。
【0047】本発明の放熱構造体は、金属板をあらかじ
め接合して得たセラミック回路基板とベース板とを接合
して得ることが出来るが、金属板とセラミック基板とベ
ース板とを一回で接合して作製することもできる。即
ち、所望の形状の凹面とそれに対向する凸面とを一対と
する型の前記凹凸面間に、一主面上に回路となる金属板
を設け、それと反対面に所望の金属板を設けたセラミッ
ク回路基板と、ロウ材を介して、又は介することなく、
ベース板を配置して、治具に固定し、ロウ材の一部を溶
融するように或いは所望の金属板とベース板との表面を
反応させながら、加熱して、セラミック回路基板とベー
ス板とを接合し、本発明で使用する放熱構造体を得る事
もできるし、また、所望の形状の凹面とそれに対向する
凸面とを一対とする型の前記凹凸面間に、回路となる金
属板、ロウ材、セラミック基板、ロウ材、金属板、ロウ
材、ベース板の順に積層し、治具に固定し、ロウ材の一
部を溶融するように或いは所望の金属板とベース板との
表面を反応させながら、加熱して、セラミック回路基板
とベース板とを接合し、本発明で使用する放熱構造体を
得る事もできる。
【0048】前記の(3)開口部を有する金属製枠を準
備する工程において、開口部の形成の方法は公知の各種
方法を用いることができる。最も一般的な方法は、金属
板をプレス機と金型を用いて打ち抜く方法である。開口
部の寸法は、ベース板と金属板の熱膨張率差を考慮して
決める必要があり、またベース板と枠の組み立て方法に
よっても異なる。
【0049】従来のパワーモジュールは、ベース板に設
けられた穴を利用して水冷ブロックや放熱フィンにねじ
で取り付けて使用される。本発明の構造物を用いたパワ
ーモジュールでは、枠に設けた取り付け用穴を利用して
同様にねじで締め付けて使用することができる。このと
き、回路基板が取り付けられたベース板が、水冷ブロッ
クや放熱フィンに密着するよう、十分に押しつける力が
働くような構造とする必要がある。そのため、ベース板
と枠とが相対する面に関して、図3に示すように段差を
設けたり、テーパーをつける等することが好ましい。
【0050】前記の(4)の工程では、公知の各種方法
を用いることが出来るが、圧入、焼きばめ、又はかしめ
のいずれかであることが好ましい。圧入とは、ベース板
とほぼ同寸法の開口部を枠材に設け、その開口部にベー
ス板をプレス機などを用いて、押し込む方法である。こ
の時、開口部寸法をベース板より5〜40μm小さくす
ると、ベース板と枠の密着性がよくなり、熱を放散する
のに都合がよいし、信頼性も高くなる。
【0051】焼きばめとは、ベース板寸法より若干小さ
な開口部を設けた金属製枠を加熱して膨張させ、開口部
を大きくしたところに、金属製ベース板を収納し、冷却
することで、金属製枠とベース材を固定し一体化する方
法である。この方法は、他の方法に比して格別高価な設
備を必要とせず、量産性にも優れる特徴があり、好まし
い。
【0052】かしめとは、枠材またはベース板の一部を
機械的に変形させて突起を作り、それで枠とベース板を
固着させる方法である。かしめて一体化する場合、枠材
の熱膨張率がベース板に比べて大きいと、通常の外周か
しめでは、加熱に伴って枠とベース板の結合力が小さく
なり、問題が生じることがある。この場合は、ベース板
に一個若しくは複数個の穴を開け、そこに枠材に形成し
たボスを挿入し、そのボスを上下からプレス機で押しつ
ぶしてかしめるとよい。このポイント式のかしめ方法
は、枠材とベース板の熱膨張率に差がある場合に適して
いる。枠材とベース板の熱膨張率差による新たな応力発
生を避けるには、開口部内周とベース板外周の間に、加
熱冷却時の寸法変化を吸収する隙間を開ける必要があ
り、そのような場合、ベース板外周でのかしめは信頼性
が劣る。また、かしめる点数が少ない方が、余計な応力
が発生しないので、構造物の信頼性を増すことが出来
る。
【0053】
【実施例】〔実施例1〕セラミック基板として、レーザ
ーフラッシュ法で測定した熱伝導率が65W/mK、3
点曲げ強さの平均値が720MPaの窒化ケイ素基板
(寸法45×30×0.635mm)を用意した。ま
た、寸法が45×30×0.4mm、純度が99.99
%のアルミニウム板を用意した。前記窒化ケイ素基板の
表裏両面に、JIS呼称2017アルミニウム合金箔を
介して前記アルミニウム板を重ねて、治具にセットし、
加圧しながら、真空中で、アルミニウム板と窒化ケイ素
板とを接合した。接合後、アルミニウム板表面の所望部
分にエッチングレジストをスクリーン印刷して、エッチ
ング処理することによりパターンを形成し、セラミック
回路基板を作製した。
【0054】次に、ベース板として、寸法55×40×
4mm厚のアルミニウム合金JIS呼称6063材を用
意した。そして、前記セラミック回路基板と前記アルミ
ニウム合金ベース板との間に、JIS呼称2017アル
ミニウム合金箔を置き、各部が図1、図2に示された形
状になるように配置して黒鉛治具にセットした。黒鉛治
具は、凹面を有する板と凸面を有する板を一対として、
前記凹凸面がスパン50mmで100μmのものを用い
た。黒鉛治具で加圧しながら590℃×4minの加熱
条件で接合して、回路基板とベース板の一体化物を得
た。
【0055】枠材として、厚さ4mmのアルミニウム合
金JIS呼称6063を用意し、前記の一体化物の外形
寸法より20μm小さい開口部を中央付近に設け、外周
部に4つのねじ穴を設けた、外形115×80mmの板
を作成した。この枠に上記の一体化物をプレス機で押し
込み、構造物を得た。
【0056】構造物の放熱性の評価のために、回路基板
の所定の位置に10mm角のシリコン半導体素子(以
下、シリコン素子という)を半田付けした。半田付け前
と後に、構造物の裏面のベース板中央を通る長手方向の
形状を輪郭形状測定器で測定し、その差を求めた。その
後、構造物の底面にアルミニウム製放熱ユニットをシリ
コーングリースを介して、四つのネジで締め付けた。こ
のネジで締め付けた状態のモジュールを、−40℃〜1
25℃のヒートサイクル試験を行い、所定のサイクル数
毎に熱抵抗の変化を調べた。熱抵抗は、放熱ユニットを
水冷し、シリコン素子の厚さ方向に定電流を流しなが
ら、シリコン素子の温度とアルミニウム製放熱ユニット
の温度を測定することにより求めた。表1には、半田付
け前後の反り変化量と、熱抵抗が初期値の120%に達
したときのヒートサイクル試験のサイクル数を示した。
【0057】
【表1】
【0058】〔実施例2〕実施例1と同様に作製した鋼
製の枠材を300℃に加熱して膨張させ、その中央の穴
に実施例1と同様に作製した一体化物を素早く押し込ん
だ後冷却し、構造物を作製した。実施例1と同様に評価
し、その結果を表1に示した。
【0059】〔実施例3〕アルミニウム合金製のベース
板の外周部に段差を設け、その段差を上から押さえるこ
とのできる段差付き枠を鋼材で作製した。また、ベース
板にかしめ用の直径3mmの穴をあけ、ベース板と枠を
組み立てたときにベース板の前記かしめ用穴にはまるよ
うなボスを枠側に設け、これらを組み合わせた後、プレ
ス機と金型を用いてボスを上下からたたいてつぶし、か
しめて構造物を作製した(図3参照)。実施例1と同様
に評価し、その結果を表1に示した。
【0060】〔実施例4〕実施例1において、窒化珪素
板を窒化アルミニウム板に換え、ベース板をニッケルメ
ッキ付き無酸素銅に換え、更に枠材を銅合金CDAN
o.19210相当に換えて、その他は同様にして、構
造物を得た。実施例1と同様に評価し、その結果を表1
に示した。
【0061】〔実施例5〕実施例4で、窒化アルミニウ
ム回路基板とベース板を一体化する工程を、ロウ付けで
なく半田付けによって行った以外は、実施例4と同様に
して構造物を得た。実施例1と同様に評価し、その結果
を表1に示した。
【0062】〔実施例6〕窒化珪素基板の片面に厚さ
0.4mmの99.99%の高純度アルミニウム板を、
片面に厚さ0.8mmの高純度アルミニウム板を接合
し、回路基板とベース板の接合にAl−Ag−Mg系ロ
ー材を用いた以外は、実施例1と同様にして構造物を作
製した。実施例1と同様に評価し、その結果を表1に示
した。
【0063】〔比較例〕ベース板寸法を115×80m
mとし枠材を用いなかったこと以外は実施例1と同様に
して構造物を作製した。半田付け前後の反りの変化量と
ヒートサイクル試験を行って熱抵抗が初期値の120%
になった回数を表1に示した。
【0064】
【発明の効果】本発明の構造物は、高い信頼性と高い熱
放散性を有する特徴があり、半導体素子の半田付け時に
反りの変化が小さく、反りに起因するパワーモジュール
組み立て工程における問題を解決し、しかもこれを用い
て得られるモジュールは、長期間のヒートサイクルを経
た後にも、高い放熱性を維持する特徴があるので高信頼
性と高い放熱性能の両方が求められる電力制御用のパワ
ーモジュール、ことに自動車や電車等の移動用機器の電
力制御用のパワーモジュールとして好適に用いることが
でき、産業上有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構造物の一例の平面図。
【図2】本発明の構造物の一例の断面図。
【図3】本発明の実施例3に係る構造物の断面図。
【符号の説明】
1 (金属製)ベース板 2 セラミック回路基板 3 セラミック基板 4 金属板(回路) 5 金属板 6 接合層 7 半田層 8 半導体素子 9 ネジ穴 10 (金属製)枠 11 開口部 12 かしめ用穴 13 ボス 14 段差
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡田 拓也 東京都町田市旭町三丁目5番1号 電気化 学工業株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 5F036 AA01 BB08 BC06 BD01 BD03 BD14

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】開口部を有する金属製枠と、両面に金属層
    が設けられたセラミックス基板と、前記セラミックス基
    板の一方の金属層側に設けられた金属製ベース板とから
    なり、前記セラミックス基板及び/又は金属製ベース板
    が前記金属製枠の前記開口部に配置され、前記金属ベー
    ス板を前記金属製枠が固定している構造物であって、セ
    ラミックス基板の熱膨張率と金属製ベース板の熱膨張率
    の差が6〜23ppmであることを特徴とする構造物。
  2. 【請求項2】金属製枠が鉄、アルミニウム、銅、又は
    鉄、アルミニウム、銅のいずれかを主成分とする合金か
    らなり、セラミックス基板が、窒化珪素又は窒化アルミ
    ニウムであり、金属製ベース板がアルミニウム、銅、又
    はアルミニウム若しくは銅を主成分とする合金からなる
    ことを特徴とする請求項1記載の構造物。
  3. 【請求項3】金属製ベース板を金属製枠に固定する方法
    が、圧入、焼きばめ、又はかしめのいずれかであること
    を特徴とする請求項1又は請求項2記載の構造物。
  4. 【請求項4】セラミックス基板の金属製ベース板に面す
    る側の金属層と、金属製ベース板とがロウ材で接合され
    てなることを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求
    項3記載の構造物。
  5. 【請求項5】セラミックス基板の両面に設けられた金属
    層がいずれも高純度アルミニウムからなり、前記金属層
    のうち金属製ベース板に面する側の金属層が、その反対
    側の金属層と同等以上の厚さであることを特徴とする請
    求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4記載の構造
    物。
  6. 【請求項6】セラミックス基板と金属製ベース板に面す
    る側の金属層との接合、また前記金属層と金属製ベース
    板との接合が、いずれも、Mg、Ag、Cuのうちの一
    種以上を含むアルミニウム合金からなるロウ材により接
    合されていることを特徴とする請求項4又は請求項5記
    載の構造物。
  7. 【請求項7】請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4、請求項5又は請求項6記載の構造物を用い、セラミ
    ックス基板上の金属製ベース板に面していない側の金属
    層を回路形成し、更に前記回路上に1個以上の半導体素
    子を搭載してなることを特徴とするモジュール。
  8. 【請求項8】(1)両面に金属層を有するセラミックス
    基板を作製する工程、(2)セラミックス基板のいずれ
    かの金属層上に金属製べース板を設けることでベース板
    一体型セラミックス基板とする工程、(3)予め前記セ
    ラミックス基板及び/又は金属製ベース板を収納し得る
    大きさの開口部を有する金属製枠を準備する工程、
    (4)前記ベース板一体型セラミックス基板のセラミッ
    クス基板及び/又は金属製ベース板を前記金属製枠の開
    口部に配置し、金属製枠と金属製ベース板とを固定し一
    体化する工程、を含むことを特徴とする構造物の製造方
    法。
  9. 【請求項9】前記(4)の工程が、金属製枠を加熱し、金
    属製枠の開口部内に前記ベース板一体型セラミックス基
    板の金属製ベース部分を収納し、冷却することで、金属
    製枠ベース板一体型セラミックス基板の金属ベース板と
    を固定し一体化する工程、であることを特徴とする請求
    項8記載の構造物の製造方法。
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