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JP2003251934A - インクジェット記録体用塗被組成物およびインクジェット記録体 - Google Patents

インクジェット記録体用塗被組成物およびインクジェット記録体

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Publication number
JP2003251934A
JP2003251934A JP2002364603A JP2002364603A JP2003251934A JP 2003251934 A JP2003251934 A JP 2003251934A JP 2002364603 A JP2002364603 A JP 2002364603A JP 2002364603 A JP2002364603 A JP 2002364603A JP 2003251934 A JP2003251934 A JP 2003251934A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coating composition
average particle
recording material
particle diameter
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002364603A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideji Takeuchi
秀治 竹内
Junji Shiiki
潤二 椎木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Arakawa Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Arakawa Chemical Industries Ltd filed Critical Arakawa Chemical Industries Ltd
Priority to JP2002364603A priority Critical patent/JP2003251934A/ja
Publication of JP2003251934A publication Critical patent/JP2003251934A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速印刷に適したインクジェット記録体のイ
ンク受容層に適用でき、しかも当該受容層の光沢、透明
性、インク吸収性、インク画像の高解像度などの点で優
れたインクジェット記録体塗被組成物、および当該塗被
組成物を容易に提供する。 【解決手段】 第3級アミノ基または第4級アンモニウ
ム基を含有するカチオン性重合体水溶液中で不飽和単量
体を乳化重合させてなる平均粒子径10〜200nmの
カチオン性架橋ポリマー微粒子の水分散液(A1)と、
当該(A1)に対し凝集性を有する化合物(B)とを混
合し凝集させてなる平均粒子径20〜300nmのカチ
オン性架橋ポリマー微粒子の水分散液(A2)であっ
て、平均粒子径比(A2の平均粒子径/A1の平均粒子
径)が1.01〜1.50であるものを有効成分として
含有することを特徴とするインクジェット記録体用塗被
組成物

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定の架橋ポリマ
ー微粒子を有効成分として含有するインクジェット記録
体用塗被組成物およびインクジェット記録体に関する。
より詳しくは、高速印刷に適したインクジェット記録体
のインク受容層に適用でき、しかも当該受容層の光沢、
透明性、インク吸収性、インク画像の高解像度などの点
で優れたインクジェット記録体塗被組成物、および当該
塗被組成物を含有してなるインク受容層が設けられたイ
ンク受容層を有するインクジェット記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、低騒音、高
速記録性能などの優れた特性を有するため、情報機器を
はじめとする種々の分野で賞用されている。しかし、イ
ンクジェット記録方式では、インク吸収性を向上させる
ため受容層中にシリカ、アルミナ等の無機微粒子が使用
されている。当該無機微粒子を含有する塗被組成物を上
質紙に塗工した場合は、得られるインクジェット記録体
のインク受容層の光沢が劣り、また合成樹脂フィルムな
どの透明支持体に塗工した場合は得られるインク受容層
の光沢や透明性が劣るなどの欠点があった。
【0003】このため、インクジェット記録体のインク
受容層として、当該無機微粒子を用いた塗被組成物の代
わりに、ポリマー微粒子を用いた塗被組成物についての
検討が行われている。その方法として、例えば、平均粒
子径200nm以下の架橋されたポリマー微粒子を用い
ることが提案されている(特許文献1参照)が、このよ
うなポリマー微粒子は、無機微粒子を用いたものと比較
して透明性は優れているものの、インク吸収性は不満足
であり鮮明な画像が得られない。また、親水性バインダ
ーの重量に対して2〜8倍の重量のポリマーラテックス
粒子を有する親水性バインダー層を下層にして、少なく
とも一層の親水性バインダー層を設けることによって光
沢を改善する試みがなされている(特許文献2参照)
が、当該方法による場合には、インクジェット記録体の
製造工程が複雑化し、製品コストが高くなるなどの不利
がある。
【0004】
【特許文献1】特開平9−156211号公報
【特許文献2】特開平9−164759号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明では、前記従来
技術における課題、すなわち無機微粒子を用いたインク
受容層に見られる光沢不良、不透明性の問題を解消した
り、従来のポリマー微粒子を用いたインク受容層に見ら
れるインク吸収性不良や解像度不良、インクジェット記
録体の生産工程の複雑化などの問題点を解消することに
ある。すなわち、本発明の目的は、高速印刷に適したイ
ンクジェット記録体のインク受容層に適用でき、しかも
当該受容層の光沢、透明性、インク吸収性、インク画像
の高解像度などの点で優れたインクジェット記録体塗被
組成物、および当該塗被組成物を容易に提供することに
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする手段】本発明者は、前記課題
を解決すべく、インク受容層を形成する塗被組成物に着
目して鋭意研究を重ねた結果、特定の架橋ポリマー微粒
子を有効成分として含有するインクジェット記録体用塗
被組成物を用いることにより前記課題を悉く解決しうる
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、第3級アミノ基また
は第4級アンモニウム基を含有するカチオン性重合体水
溶液中で不飽和単量体を乳化重合させてなる平均粒子径
10〜200nmのカチオン性架橋ポリマー微粒子の水
分散液(A1)と、当該(A1)に対し凝集性を有する
化合物(B)とを混合し凝集させてなる平均粒子径20
〜300nmのカチオン性架橋ポリマー微粒子の水分散
液(A2)であって、平均粒子径比(A2の平均粒子径
/A1の平均粒子径)が1.01〜1.5であるものを
有効成分として含有することを特徴とするインクジェッ
ト記録体用塗被組成物に関する。また本発明は、当該塗
被組成物を含有するインク受容層が設けられたインクジ
ェット記録体に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のインクジェット記録体用
塗被組成物、および当該塗被組成物を含有するインク受
容層が設けられたインクジェット記録体につき、以下詳
述する。本発明のインクジェット記録体用塗被組成物
は、当該必須成分として、前記で特定した凝集処理がな
されたカチオン性架橋ポリマー微粒子の水分散液(A
2)(以下、(A2)成分という)を含有するものであ
る。当該(A2)成分は、前記のように、カチオン性架
橋ポリマー微粒子の水分散液(A1)(以下、(A1)
成分という)と凝集性化合物(B)(以下、(B)成分
という)から構成されている。
【0009】(A2)成分を構成する(A1)成分は、
その平均粒子径が通常10〜200nm、好ましくは2
0〜150nmである。本明細書では、平均粒子径とは
光散乱法により測定される水分散状態での粒子径の平均
値をいう。当該平均粒子径が10nm未満では支持体に
塗工した場合に得られるインクジェット記録体のインク
受容層中に形成される空隙が小さくなり、インク吸収性
が劣る。200nmを超える場合は、上質紙に塗工した
場合は、得られるインクジェット記録体のインク受容層
の光沢が劣り、また合成樹脂フィルムなどの透明支持体
に塗工した場合は得られるインク受容層の光沢や透明性
が悪くなる傾向があり、いずれも好ましくない。
【0010】(A1)成分は、第3級アミノ基または第
4級アンモニウム基を含有するカチオン性重合体水溶液
中で不飽和単量体を乳化重合することにより得られる。
すなわち、第3級アミノ基または第4級アンモニウム基
を含有する当該カチオン性重合体水溶液(以下、(a)
成分という)は、不飽和単量体を乳化重合させる際の乳
化剤として機能する。(a)成分とは、ノニオン性不飽
和単量体に基づく繰り返し単位、第3級アミノ基を有す
る不飽和単量体に基づく繰り返し単位、および第3級ア
ミノ基を有する不飽和単量体を4級化したもの(第4級
アンモニウム塩基)に基づく繰り返し単位および重合性
二重結合を有する構造単位を含有するカチオン性重合体
水溶液であり、前記の通り不飽和単量体を乳化重合させ
る際の乳化剤として機能するが、架橋剤としても機能す
る。すなわち、(a)成分は、得られる(A1)成分で
ある共重合体に内部架橋構造を付与しうるものであれば
よく、(a)成分自体の内部架橋構造については格別限
定はされない。(a)成分に重合性二重結合を有する構
造単位を付与するには、例えば、当該共重合体中の第3
級アミノ基の全部又は一部を、二重結合を有する4級化
剤を用いて4級化することにより行なうことができる。
【0011】すなわち、(a)成分は、下記のような第
3級アミノ基を有する不飽和単量体や第4級アンモニウ
ム基を有する不飽和単量体(これらを併せて、カチオン
性不飽和単量体という)および重合性二重結合を有する
構造単位およびノニオン性不飽和単量体を必須構成成分
とするものである。
【0012】(a)成分における必須成分である該カチ
オン性不飽和単量体としては、特に限定はされず、例え
ばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート(ここ
に、(メタ)アクリレートとは、当該アクリレートまた
はメタクリレートを意味する。以下同様)、N,N−ジ
エチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジ
メチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N
−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドまた
はトリアリルアミンなどの第3級アミノ基を有する不飽
和単量体;該第3級アミノ基を有する不飽和単量体と、
塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸との塩類;該第3級アミ
ノ基を有する不飽和単量体と(メタ)アクリル酸などの
有機酸との塩類;該第3級アミノ基含有不飽和単量体
と、メチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル
硫酸、ジエチル硫酸、エピクロルヒドリン、アルキルグ
リシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、スルト
ン、置換スルホネート、p−クロロメチルスチレンなど
公知の4級化剤との反応によって得られる第4級アンモ
ニウム塩を含有する不飽和単量体などがあげられる。該
カチオン性不飽和単量体は、いずれか1種単独でまたは
2種以上の混合物として使用できる。なお、前記塩類の
形成は、第3級アミノ基を有する不飽和単量体を構成単
位とする重合体を製造した後、該重合体に対してなされ
るのが一般的である。
【0013】二重結合を有する4級化剤としては、前記
4級化剤のうち、グリシジル(メタ)アクリレート、ア
リルグリシジルエーテル、p−クロロメチルスチレン等
が該当する。4級化にあたっては、二重結合を有する4
級化剤(I)の他に、二重結合を有しない4級化剤を使
用することもできる。通常、使用する4級化剤のうち、
二重結合を有する4級化剤の使用割合は、前記共重合体
中の第3級アミノ基に対して5〜100モル%程度、好
ましくは10〜100モル%である。なお、二重結合を
有しない4級化剤は、あらかじめ第3級アミノ基を有す
る不飽和単量体と反応させ、第4級アンモニウム塩基を
有する不飽和単量体の形態とした後に使用してもよい。
【0014】(a)成分における必須成分であるノニオ
ン性不飽和単量体としては、特に限定されず、例えばア
ルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)
アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アク
リレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどの(メ
タ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチ
レン、ビニルトルエンなどのスチレン類;その他、酢酸
ビニルなどのビニルエステル類などの各種公知のものが
使用できる。これらは何れか1種を単独でまたは2種以
上を組み合わせて使用できる。前記ノニオン性不飽和単
量体は、他の構成単量体である第3級アミノ基を有する
不飽和単量体等との共重合性を考慮すると、スチレン類
および(メタ)アクリル酸エステル系類から選ばれた少
なくとも1種が特に好ましい。
【0015】(a)成分の乳化剤としての性能、すなわ
ち(A1)成分が安定に乳化重合して得られるか否かに
ついては、前記カチオン性不飽和単量体とノニオン性不
飽和単量体との使用割合が重要となる。通常は、両者の
合計100モル%に対し、カチオン性不飽和単量体の使
用量は5〜95モル%程度、好ましくは10〜90モル
%とされ、ノニオン性ビニル単量体の使用量は95〜5
モル%程度、好ましくは90〜10モル%とされる。カ
チオン性不飽和単量体の使用量が5モル%未満では得ら
れる(a)成分の水溶性が低下し、乳化重合時の乳化分
散能が不充分となり、同様に該使用量が95モル%を越
える場合にも乳化分散能が不充分となる傾向がある。
【0016】前記(a)成分であるカチオン性重合体の
製造法は、特に限定はされず、例えば水溶液重合法、イ
ソプロピルアルコールなどを用いた溶液重合法など従来
公知の各種製造法を適用できる。前記各種の該単量体を
重合反応系に供給するには、一括添加、分割添加、連続
滴下などいずれの方法を用いてもよい。また。該重合体
の製造に際しては、通常は不活性気流下に、重合開始
剤、前記単量体および必要により連鎖移動剤を攪拌下に
供給し、60〜90℃で1〜8時間程度、共重合させれ
ばよい。なお、水溶液重合法で用いる重合開始剤として
は、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩
酸塩、2,2′−アゾビス[2−メチルプロピオンアミ
ジン]二塩酸塩、2,2′−アゾビス{2−[1−(2
−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]
プロパン}二塩酸塩などの水溶性アゾ系重合開始剤が好
ましく、一方、イソプロピルアルコールを用いる溶液重
合法の場合には、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化
物などの油溶性重合開始剤が好ましく、該使用量は、前
記単量体総量100モルに対し0.03〜5モル程度と
される。また、重合反応終了後、前記の酸で中和した
り、4級化剤と反応させることにより、3級塩や4級塩
となすことができる。イソプロピルアルコールなどを用
いた溶液重合法による場合は、重合反応終了後、必要に
応じて水蒸気蒸留により溶剤を留去したのち、3級塩や
4級塩となすことができる。
【0017】(A1)成分の製造は、前記のように、
(a)成分の存在下に不飽和単量体を乳化重合すること
により行なわれる。当該不飽和単量体の種類は、特に限
定はされず、前記(a)成分の製造に用いたノニオン性
不飽和単量体と同様のものを適宜選択して使用できる。
また、(A1)成分であるカチオン性架橋ポリマー微粒
子の物理的強度をより高度に付与するために架橋性単量
体を使用することもできる。当該架橋剤としては、たと
えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレートなどのジ(メタ)
アクリレート、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、
エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレン
ビス(メタ)アクリルアミドなどのビス(メタ)アクリ
ルアミド、アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニルな
どのジビニルエステル、アリル(メタ)アクリレート、
エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アク
リレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジ
アリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム、ジアリ
ルフタレート、ジアリルクロレンデート、ジビニルベン
ゼンなどの2官能性単量体;1,3,5−トリ(メタ)
アクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリ
ルイソシアヌレート、トリアリルアミン、トリアリルト
リメリテート、N,N−ジアリル(メタ)アクリルアミ
ドなどの3官能性単量体;テトラメチロールエタンテト
ラ(メタ)アクリレート、テトラアリルピロメリテー
ト、N,N,N′,N′−テトラアリル−1,4−ジア
ミノブタン、テトラアリルアミン塩、テトラアリルオキ
シエタンなどの4官能性単量体などがあげられ、これら
は単独でまたは2種以上を混合して用いることができ
る。架橋剤の使用量にはとくに限定がないが、該架橋剤
の量が、通常不飽和単量体全量の20モル%未満程度と
なるように調整することが好ましい。当該架橋性単量体
の使用量が20モル%以上の場合には安定な架橋ポリマ
ー微粒子が得られ難くなる傾向がある。
【0018】(A1)成分を製造するための乳化重合反
応においては、前記カチオン性重合体である(a)成分
と前記不飽和単量体との使用割合が、得られる(A1)
成分の平均粒子径や、乳化重合時の安定性に影響を及ぼ
すため、これらの観点から適宜に決定される。凝集物の
発生防止の観点から、不飽和単量体100重量部に対し
て、(a)成分(固形分換算)を通常2重量部以上、好
ましくは4重量部以上使用するのが好ましい。また重合
時の増粘によるゾル状やゲル化の発生を防止する観点か
ら、不飽和単量体100重量部に対して、(a)成分の
使用量は900重量部以下、好ましくは850重量部以
下とするのが好ましい。
【0019】前記の乳化重合に際しては、重合温度、重
合時間、重合開始剤、連鎖移動剤、重合媒体などの種々
の条件があるが、これらの条件は特に限定はされず、通
常の乳化重合での条件から適宜に選択決定すればよい。
具体的には、条件の多くは前記(a)成分の製造条件と
同様であればよい。なお、乳化重合の際には、得られる
(A1)成分の性能を低下させない範囲であれば、低分
子界面活性剤や、カゼイン、レシチン、ポリビニルアル
コール、アクリルアミド系共重合体などの水溶性高分子
化合物を用いることができる。また、耐光性改善の目的
で光安定剤および紫外線吸収剤等の耐光安定剤を用いる
こともできる。さらに蛍光増白剤を用いても良い。
【0020】前記のようにして得られるカチオン性架橋
ポリマー水分散液である(A1)成分は、通常、固形分
が5〜35重量%、pHが4〜6、25℃での粘度が5
00mPa・s以下の水分散液である。
【0021】本発明における(A2)成分は、上記で得
られた(A1)成分およびこれを凝集させる性質を有す
る(B)成分を混合して凝集させることにより製造する
ことができる。(B)成分としては、(A1)成分と混
合した場合に、これらが凝集してポリマー微粒子(A
2)を生成させるような化合物であれば格別限定はされ
ず、例えばアニオン性有機化合物および/または無機化
合物が使用できる。当該アニオン性有機化合物として
は、アニオン性界面活性剤、アニオン性非架橋ポリマ
ー、アニオン性架橋ポリマー、アニオン性非架橋ポリマ
ー微粒子およびアニオン性架橋ポリマー微粒子などがあ
げられ、これらの内から適宜に選択使用することができ
る。
【0022】(B)成分のうちアニオン性界面活性剤と
しては、例えば高級脂肪酸塩、第2級脂肪酸塩、高級ア
ルキル・ジカルボン酸塩、第1級高級アルコール硫酸エ
ステル塩、第2級アルコール硫酸エステル塩、第1級ア
ルキル・スルホン酸塩、第2級アルキル・スルホン酸
塩、高級アルキル・ジスルホン酸塩、硫酸化脂肪および
脂肪酸塩、スルホン化高級脂肪酸塩、高級アルキル燐酸
エステル塩、高級脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、高
級脂肪酸エステルの硫酸スルホン塩、高級脂肪酸アルコ
ール・エーテルの硫酸エステル塩、高級脂肪酸アルコー
ル・エーテルの硫酸スルホン塩、高級脂肪酸と蛋白質分
解アミノ酸の縮合物、高級脂肪酸とアミノ酸の縮合物、
高級脂肪酸アミドのアルキロール硫酸エステル塩、高級
脂肪酸アミドのアルキル・スルホン酸塩、高級アルキル
・スルホンアミドのアルキル・カルボン酸塩、スルホ琥
珀酸エステル塩、アルキル・ベンゼン・スルホン酸塩、
アルキル・フェノール・スルホン酸塩、アルキル・ナフ
タリン・スルホン酸塩、アルキル・ナフタリン・スルホ
ン酸塩のホルマリン縮合物、アルキル・ジフェニールお
よびその他多数の環よりなるスルホン酸塩、アルキル・
アリル・スルホン酸塩のケトン化合物、石油スルホン酸
塩などがあげられる。
【0023】(B)成分のうちアニオン性非架橋ポリマ
ーやアニオン性架橋ポリマーとしては、例えばポリアク
リルアミドの加水分解物、(メタ)アクリルアミドと
(メタ)アクリル酸ナトリウムとの共重合体、ポリ(メ
タ)アクリルアミドの加水分解物、アクリルアミドと2
−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸ナト
リウムの共重合体、アクリルアミドとアクリル酸ナトリ
ウムおよびメタクリル酸ナトリウムの三次元共重合体、
(メタ)アクリルアミドと(メタ)アクリル酸ナトリウ
ムおよびアクリルアミドと2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸ナトリウムの三次元共重合体お
よびアルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウ
ム、カルボキシメチルセルローズ−ナトリウム塩などが
あげられる。
【0024】(B)成分のうちアニオン性非架橋ポリマ
ー微粒子やアニオン性架橋ポリマー微粒子としては、分
子中に炭素−炭素二重結合を1個以上有する反応性乳化
剤の存在下にノニオン性不飽和単量体やアニオン性不飽
和単量体を乳化重合させて得られるものがあげられる。
また、当該ポリマー微粒子としては、当該重合時の構成
単量体として、架橋性ビニルモノマーを20モル%未満
で用いて架橋密度を高くしてもよい。
【0025】(B)成分のうち無機化合物としては、い
わゆる無機系凝集剤として公知の各種のものを使用で
き、例えば塩基性塩化アルミニウム、硫酸第一鉄、硫酸
第二鉄、塩化第二鉄、硫酸アルミニウム、アルミン酸ナ
トリウム、硫酸ナトリウムなどがあげられる。また、前
記の凝集作用に悪影響しない範囲内であれば、ポリアク
リルアミドなどの非イオン性およびカチオン性ポリマー
を前記(B)成分と併用してもよい。
【0026】前記(A1)成分と(B)成分との混合・
凝集の条件は得られる(A2)成分の性能に影響を及ぼ
すため、慎重に決定しなければならない。混合・凝集の
方法は、通常(A1)成分を攪拌しながら(B)成分を
滴下することにより行われるが、(B)成分をあらかじ
めイオン交換水などで希釈したものを用いても良い。ま
た、(B)成分を攪拌しながら(A1)成分を滴下して
も構わない。(A1)成分と(B)成分の使用割合、す
なわち、「(A1)成分(固形分換算)におけるカチオ
ン性官能基の当量数/(B)成分におけるアニオン性官
能基の当量数」は、通常350〜7000程度、好まし
くは1000〜3500である。当該割合が350に満
たない場合は、(B)成分によって(A1)成分が過度
に凝集するため、(A2)成分の平均粒子径が前記特定
の範囲を超えてしまい、得られるインクジェット記録体
のインク受容層の光沢・透明性が損なわれる傾向があ
る。当該割合が7000より大きい場合は、(B)成分
による(A1)成分の凝集が過少となり、得られるイン
クジェット記録体のインク吸収性やインク画像の解像度
が満足なレベルに達しにくい傾向がある。(A1)成分
の粘度は攪拌が容易に行える程度である限り特に限定さ
れないが、通常500mPa・s以下、好ましくは30
0mPa・s以下である。(A1)成分の粘度が500
mPa・sより大きい場合は、凝集状態が均一とならな
い可能性がある。混合・凝集時の温度は、分散媒の沸点
以下であれば特に問題はない。通常は分散媒の蒸散等に
よる損失を極力抑制するため、室温(25℃)付近で行
うのがよい。混合・凝集時の攪拌速度は、(A1)成分
と(B)成分の混合が均一に行われる速度である限り特
に限定されない。通常は100rpm以上、好ましくは
200rpm以上である。攪拌速度が100rpmより
遅い場合は、(A1)成分と(B)成分の混合・凝集が
充分進行せず、目的とする粒子径または粒子系分布の組
成物が得られない可能性がある。混合・凝集の時間は、
(A1)成分と(B)成分の混合が均一に行われる限り
特に限定されず、通常は(B)成分の滴下終了後10分
以上、好ましくは60分以上攪拌を継続する。混合時間
が10分以下の場合は、(A1)成分と(B)成分の混
合・凝集が充分進行せず、目的とする粒子径または粒子
系分布の組成物が得られにくくなる。
【0027】上記のようにして得られる(A2)成分の
平均粒子径は20〜300nmであり、かつ(A2の平
均粒子径/A1の平均粒子径)は1.01〜1.5、好
ましくは1.02〜1.45である。また、(A1)成
分の光散乱強度測定により観察される粒子径分布が1つ
のピークであるのに対して、(A2)成分では粒子径分
布が粒子径の大きい方に広がる傾向があり、(B)成分
の添加量が多くなるにしたがい、2つのピークが観察さ
れる。また、当該2つのピークのうち粒子径が小さいほ
うのピークは、(A1)成分とほぼ同じ平均粒子径およ
び粒子径分布を持っている。これらのことから、(A
1)成分と(B)成分の混合によって、(A1)成分中
のカチオン性架橋ポリマー微粒子の一部が(B)成分に
よって凝集せしめられ、より大きな平均粒子径をもつ粒
子である(A2)成分を形成していると考えられる。な
お、本明細書では、粒子径分布とは光散乱法により測定
される水分散状態での粒子径と粒子散乱光強度の関係を
ヒストグラムで表したものをいう。
【0028】本発明のインクジェット記録体用塗被組成
物は、これに含まれている(A2)成分に起因して、透
明性、物理的強度、支持体との密着性などの点で優れる
ものである。なお、強度補強や支持体との密着性を一層
改善する目的で、(メタ)アクリル系共重合体エマルジ
ョン、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス、天
然ゴムラテックス、ポリビニルアルコール、酸化澱粉、
などの各種公知の高分子バインダーを添加してもよく、
また本発明の目的を逸脱しない範囲であれば、インク受
容層のインクの吸水性を更に高めるためにシリカ、クレ
ー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、アルミナな
どの各種公知の充填剤を配合してもよい。また、本発明
のインクジェット記録体用塗被組成物は、必要に応じ
て、粘度調節剤、レベリング剤、消泡剤、着色剤、安定
剤、紫外線吸収剤、反応性紫外線吸収剤、サイズ剤、定
着剤、歩留向上剤などの各種添加剤を配合することもで
きが、前記(A1)成分と(B)成分との混合後にこれ
ら各種添加剤を配合することもできる。なお、当該イン
クジェット記録体用塗被組成物の固形分濃度は、通常1
〜70重量%程度であり、好ましくは下限が5重量%、
上限が60重量%である。当該組成物の粘度は通常5〜
500mPa・s(25℃)程度である。
【0029】前記組成物を各種公知の支持体上に塗工す
ることにより本発明の目的とするインクジェット記録体
を容易に収得できる。なお、支持体としては、紙や合成
紙に限定されず、各種の合成樹脂フィルムも適用可能で
あり、また塗被組成物の塗工方法も格別な限定はなく、
サイズプレス、ロールコーター、エアードクターコータ
ー、エアーナイフコーター、ブレードコーター、カーテ
ンコーター、ロッドコーター、バーコーターその他の形
式のコーターを使用して支持体に塗工することができ、
塗被組成物の塗工量(固形分換算)は通常1〜30g/
程度、好ましくは2〜25g/mである。
【0030】本発明のインクジェット記録体に対して
は、従来公知の各種水性インクが問題なく使用できる。
当該水性インクには、水溶性酸性染料、水溶性直接染
料、水溶性塩基性染料、水溶性反応性染料、食品用色素
等の水溶性染料および水分散性顔料のうち少なくとも1
種類が含有され、必要に応じて湿潤剤、染料溶解剤、防
腐剤、防黴剤等も添加される。なお、当該水溶性酸性染
料としては、C.I.アシッドブラック、C.I.アシ
ッドブルー、C.I.アシッドレッド、C.I.アシッ
ドイエロー等が挙げられ、水溶性直接染料としては、
C.I.アシッドダイレクトブラック、C.I.アシッ
ドダイレクトブルー、C.I.アシッドダイレクトレッ
ド、C.I.アシッドダイレクトイエロー等があげられ
る。また、水分散性顔料としては、ピグメントブラッ
ク、ピグメントブルー、ピグメントレッド、ピグメント
バイオレッド、ピグメントイエロー等が挙げられる。水
溶性インクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶
媒を用いることが出来る。
【0031】
【発明の効果】本発明のインクジェット記録体用塗被組
成物によれば、高速印刷に適したインクジェット記録体
のインク受容層に適用できる。すなわち、光沢、透明
性、インク吸収性、インク画像の解像度などの点で優れ
る受容層を有するインクジェット記録体を容易に収得で
きる。本発明のインクジェット記録体は優れた光沢を持
つ受容層を有するため、従来技術に見られるような親水
性上塗り層を設ける必要がなく、製造工程や製品価格の
点でも多大な効果を奏する。
【0032】
【実施例】以下、合成例および実施例をあげて本発明を
より具体的に説明するが、本発明はかかる合成例および
実施例に限定されるものではない。尚、各例中、部及び
%は特記しない限りすべて重量基準である。
【0033】合成例1((A1)成分の合成) 攪拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管及び温度計を備え
た反応容器に、スチレン365.8部、メチルメタクリ
レート37.7部、N,N−ジメチルアミノエチルメタ
クリレート177.5部、イソプロピルアルコール27
4.9部、および重合開始剤としてアゾイソブチロニト
リル5.8部を仕込み、攪拌して均一にした。窒素雰囲
気下、攪拌しながら80℃に昇温し6時間保温して、重
合を完結させた。60℃に冷却し、ついで、酢酸67.
7部を添加し30分攪拌した後、イオン交換水144
6.2部、グリシジルメタクリレート80.1部を加え
て、空気雰囲気下で60℃に加熱し3時間保温してカチ
オン性重合体水溶液を得た。この水溶液の固形分は2
6.6%であった。
【0034】同様の反応容器に、前記水溶液2459.
0部およびイオン交換水2088.5部を仕込んだ後、
攪拌下にスチレン470.7部、メチルメタクリレート
65.0部、ジビニルベンゼン(純度57%)114.
3部を加えて乳化した。ついで、2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩3.1部を添加し、
窒素雰囲気下、攪拌しながら80℃に昇温し4時間保温
して、重合を完結させ、平均粒子径70nmのカチオン
性架橋ポリマー微粒子の水分散液を得た。
【0035】合成例2((A1)成分の合成) 合成例1と同様の反応容器に、スチレン365.8部、
メチルメタクリレート32.7部、ブチルアクリレート
6.4部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト177.5部、イソプロピルアルコール275.6
部、および重合開始剤としてt−アミルパーオキシ−2
−エチルヘキサノエート(アトフィナ吉富(株)製 商
品名「ルバゾール575」)5.8部を仕込み、攪拌し
て均一にした。窒素雰囲気下、攪拌しながら80℃に昇
温し6時間保温して、重合を完結させた。60℃に冷却
し、酢酸67.3部を添加し30分攪拌した後、イオン
交換水1454.5部、グリシジルメタクリレート7
5.1部を加えて空気雰囲気下で60℃に加熱し3時間
保温してカチオン性重合体の水溶液を得た。この水溶液
の固形分は26.3%であった。
【0036】同様の反応容器に、前記水溶液2459.
0部およびイオン交換水2088.5部を仕込んだ後、
攪拌下にスチレン347.9部、メチルメタクリレート
247.4部、ジビニルベンゼン37.0部(純度57
%)を加えて乳化した。ついで、2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩を3.1部添加し、
窒素雰囲気下、攪拌しながら80℃に昇温し4時間保温
して、重合を完結させ、平均粒子径60nmのカチオン
性架橋ポリマー微粒子の水分散液を得た。
【0037】合成例3((A1)成分の合成) 攪拌機、還流冷却器、窒素ガス導入管及び温度計を備え
た反応容器に、メチルメタクリレート51.0部、N,
N−ジメチルアミノエチルメタクリレート23.0部、
イソプロピルアルコール76.0部、および重合開始剤
としてt−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト(アトフィナ吉富(株)製 商品名「ルバゾール57
5」)1.2部を仕込み、攪拌して均一にした。窒素雰
囲気下、攪拌しながら80℃に昇温し6時間保温して、
重合を完結させた。60℃に冷却し、ついで、酢酸9.
0部を添加し30分攪拌した後、イオン交換水146.
0部、グリシジルメタクリレート11.0部を加えて、
空気雰囲気下で60℃に加熱し3時間保温してカチオン
性重合体水溶液を得た。この水溶液の固形分は26.5
%であった。
【0038】同様の反応容器に、前記水溶液320.0
部およびイオン交換水3530.0部を仕込んだ後、攪
拌下にメチルメタクリレート1144.0部、ジビニル
ベンゼン(純度57%)10.0部を加えて乳化した。
ついで、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)
二塩酸塩3.0部を添加し、窒素雰囲気下、攪拌しなが
ら80℃に昇温し4時間保温して、重合を完結させ、平
均粒子径80nmのカチオン性架橋ポリマー微粒子の水
分散液を得た。
【0039】合成例4((B)成分の合成) 合成例1と同様の反応容器に、イオン交換水636.1
部、硫酸銅溶液(濃度5.0×10-4モル/リットル)
10.6部、反応性乳化剤としてニューフロンティアS
−510(第一工業製薬(株)製)4.7部、エレミノ
ールJS−2(三洋化成(株)製)12.5部を仕込
み、アンモニア水でpH4に調整し溶解した後、メチル
メタクリレート147.2部を加え、窒素気流下におい
て一定の攪拌速度で乳化した。チオ硫酸ナトリウム0.
2部を水に溶解したものを添加し40℃で30分プレ乳
化を行った後、過硫酸カリウム0.4部を水に溶解した
ものを添加し80℃で2時間保温し重合を完結させ、平
均粒子径70nmのアニオン性架橋ポリマー微粒子の水
分散液を得た。
【0040】合成例5((A2)成分の合成) 合成例1で得られたカチオン性架橋ポリマー微粒子の水
分散液100部(固形分25部)を攪拌しながら、合成
例4で得られたアニオン性架橋ポリマー微粒子の水分散
液の希釈物(合成例4で得られたアニオン性架橋ポリマ
ー微粒子の水分散液をイオン交換水で固形分1%に希釈
した)25.0部を約15分かけて連続的に添加し、更
に60分攪拌混合を行い、平均粒子径85nmの凝集し
たカチオン性架橋ポリマー微粒子の水分散物を得た。平
均粒子径比(合成例5の架橋ポリマー微粒子の平均粒子
径/合成例1の架橋ポリマー微粒子の平均粒子径)=
1.21であった。
【0041】合成例6((A2)成分の合成) 合成例1で得られたカチオン性架橋ポリマー微粒子の水
分散液100部(固形分25部)を攪拌しながら、分子
量約2000のポリアクリル酸ナトリウム((株)日本
触媒製、商品名「アクアリックTX172」)の希釈物
(当該製品をイオン交換水で固形分1%に希釈したも
の)25.0部を約15分かけて連続添加し、60分攪
拌混合を行い、粒子径80nmの凝集したカチオン性架
橋ポリマー微粒子の水分散液を得た。平均粒子径比(合
成例6の架橋ポリマー微粒子の平均粒子径/合成例1の
架橋ポリマー微粒子の平均粒子径)=1.14であっ
た。
【0042】合成例7((A2)成分の合成) 合成例2で得られたカチオン性架橋ポリマー微粒子の水
分散液100部(固形分25部)を攪拌しながら、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム(第一工業製薬
(株)製、商品名「ネオゲンSC」)の希釈物(当該製
品をイオン交換水で1%に希釈したもの)25.0部を
約15分かけて連続添加し、更に60分攪拌混合を行
い、粒子径70nmの凝集したカチオン性架橋ポリマー
微粒子の水分散液を得た。平均粒子径比(合成例7の架
橋ポリマー微粒子の平均粒子径/合成例2の架橋ポリマ
ー微粒子の平均粒子径)=1.17であった。
【0043】合成例8((A2)成分の合成) 合成例1で得られたカチオン性架橋ポリマー微粒子の水
分散液100部(固形分25部)を攪拌しながら、硫酸
ナトリウム(和光純薬(株)製)をイオン交換水で固形
分1%に希釈したもの)25.0部を約15分かけて連
続添加し、更に60分攪拌混合を行い、粒子径80nm
の凝集したカチオン性架橋ポリマー微粒子の水分散液を
得た。平均粒子径比(合成例8の架橋ポリマー微粒子の
平均粒子径/合成例1の架橋ポリマー微粒子の平均粒子
径)=1.14であった。
【0044】合成例9((A2)成分の合成) 合成例3で得られたカチオン性架橋ポリマー微粒子の水
分散液100部(固形分25部)を攪拌しながら、分子
量約2000のポリアクリル酸ナトリウム((株)日本
触媒製、商品名「アクアリックTX172」)の希釈物
(当該製品をイオン交換水で固形分1%に希釈したも
の)25.0部を約15分かけて連続添加し、60分攪
拌混合を行い、粒子径95nmの凝集したカチオン性架
橋ポリマー微粒子の水分散液を得た。平均粒子径比(合
成例9の架橋ポリマー微粒子の平均粒子径/合成例3の
架橋ポリマー微粒子の平均粒子径)=1.19であっ
た。
【0045】実施例1(インクジェット記録体用塗被組
成物およびインクジェット記録体の調製) 合成例5で得たカチオン性架橋ポリマー微粒子の水分散
液100部(固形分20部)と、ポリビニルアルコール
(クラレ(株)製、商品名「PVA−217」、平均重
合度1700〜2400)の10%水溶液50部とを均
一混合して、固形分17%の塗被組成物を調製した。つ
いで、支持体(市販上質紙(坪量80g/m2)および
透明OHP用フィルム)の片側に該塗被組成物を固形分
換算で10g/m2となるようにバーコーターを用いて
塗布し、100℃で10分乾燥させることにより、イン
クジェット記録体を得た。
【0046】実施例2〜5 実施例1において、カチオン性架橋ポリマー微粒子の水
分散液(合成例5のもの)に代えて表1に示す各種のカ
チオン性架橋ポリマー微粒子の水分散液を用いた他は、
同様にして固形分17%の塗被組成物を調製した。ま
た、同様にして、インクジェット記録体を得た。
【0047】比較例1 合成例1で得たカチオン性架橋ポリマー微粒子水分散液
100部(固形分25部)、ポリビニルアルコールの1
0%水溶液(前記と同じ)50部を均一混合して、固形
分20%の塗被組成物を調製した。ついで、前記の実施
例1と同様に支持体の片側に該塗被組成物を塗布、乾燥
させることにより、インクジェット記録体を得た。
【0048】比較例2 比較例1において、カチオン性架橋ポリマー微粒子水分
散液(合成例1のもの)に代えて合成例2のものを使用
した他は、同様にして固形分20%の塗被組成物を調製
した。また、同様にして、インクジェット記録体を得
た。
【0049】比較例3 実施例1において、カチオン性架橋ポリマー微粒子の水
分散液に代えて、コロイダルシリカ水分散液(日産化学
工業(株)製、商品名「スノーテックスUP」)100
部を用いた他は同様にして、インクジェット記録体を得
た。
【0050】比較例4 実施例1において、カチオン性架橋ポリマー微粒子の水
分散液に代えて、アルミナゾル(日産化学工業(株)
製、商品名「アルミナゾル520」)100部を用いた
他は同様にして、インクジェット記録体を得た。
【0051】(インクジェット記録体の性能)実施例1
〜5および比較例1〜4で得られたインクジェット記録
体の性能評価は、インクジェットプリンター((株)エ
プソン製、商品名「PM−880C」、)を用いて、ブ
ラック、イエロー、シアン、マゼンダの各色を10mm
画の格子柄状に印刷(光沢フィルム用設定条件)し、下
記の測定方法に基づき行った。結果は表2に示す。
【0052】(1)インク吸収性 印刷直後の画像を指触し、インクが付着せず、且つ隣接
画像が滲み合っていない状態を○、インクが一部指先に
わずかに付着するか、または、隣り合った画像がお互い
にわずかに滲み合っている状態を△、インクが一部指先
に付着するか、または、隣り合った画像がお互いに滲み
合っている状態を×とした。 (2)光沢性 変角光沢度計(日本電色工業(株)製 VG−1001
DP)を用いて、印刷していない白色部の表面光沢(7
5゜)を測定した。 (3)透明性 ヘイズメーター(日本電色工業(株)製 NDH−20
00)を用いて、平行光線透過率を測定した。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第3級アミノ基または第4級アンモニウ
    ム基を含有するカチオン性重合体水溶液中で不飽和単量
    体を乳化重合させてなる平均粒子径10〜200nmの
    カチオン性架橋ポリマー微粒子の水分散液(A1)と、
    当該(A1)に対し凝集性を有する化合物(B)とを混
    合し凝集させてなる平均粒子径20〜300nmのカチ
    オン性架橋ポリマー微粒子の水分散液(A2)であっ
    て、平均粒子径比(A2の平均粒子径/A1の平均粒子
    径)が1.01〜1.50であるものを有効成分として
    含有することを特徴とするインクジェット記録体用塗被
    組成物。
  2. 【請求項2】 前記(A1)で用いられる不飽和単量体
    が、架橋性単量体を含む単量体混合物である請求項1に
    記載のインクジェット記録体用塗被組成物。
  3. 【請求項3】 前記凝集性化合物(B)が、アニオン性
    有機化合物および/または無機化合物である請求項1ま
    たは2に記載のインクジェット記録体用塗被組成物。
  4. 【請求項4】 前記アニオン性有機化合物が、アニオン
    性界面活性剤、アニオン性非架橋ポリマー、アニオン性
    架橋ポリマー、アニオン性非架橋ポリマー微粒子および
    アニオン性架橋ポリマー微粒子からなる群より選ばれる
    少なくとも1種である請求項3に記載のインクジェット
    記録体用塗被組成物。
  5. 【請求項5】 前記無機化合物が、無機系凝集剤である
    請求項3に記載のインクジェット記録体用塗被組成物。
  6. 【請求項6】 前記(A2)が光散乱強度分布のピーク
    を2つ有するものである請求項1〜3のいずれかに記載
    のインクジェット記録体用塗被組成物。
  7. 【請求項7】 支持体上に、請求項1〜6のいずれかに
    記載のインクジェット記録体用塗被組成物を含有してな
    るインク受容層が設けられたインクジェット記録体。
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