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JP2003249279A - 多孔質半導体層の作製方法及び色素増感型太陽電池 - Google Patents

多孔質半導体層の作製方法及び色素増感型太陽電池

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Publication number
JP2003249279A
JP2003249279A JP2002050034A JP2002050034A JP2003249279A JP 2003249279 A JP2003249279 A JP 2003249279A JP 2002050034 A JP2002050034 A JP 2002050034A JP 2002050034 A JP2002050034 A JP 2002050034A JP 2003249279 A JP2003249279 A JP 2003249279A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dye
film
semiconductor layer
titanium oxide
porous semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002050034A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiko Imai
寿子 今井
Kazuhiro Enomoto
和弘 榎本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2002050034A priority Critical patent/JP2003249279A/ja
Publication of JP2003249279A publication Critical patent/JP2003249279A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • H01G9/2027Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode
    • H01G9/2036Light-sensitive devices comprising an oxide semiconductor electrode comprising mixed oxides, e.g. ZnO covered TiO2 particles
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01GCAPACITORS; CAPACITORS, RECTIFIERS, DETECTORS, SWITCHING DEVICES, LIGHT-SENSITIVE OR TEMPERATURE-SENSITIVE DEVICES OF THE ELECTROLYTIC TYPE
    • H01G9/00Electrolytic capacitors, rectifiers, detectors, switching devices, light-sensitive or temperature-sensitive devices; Processes of their manufacture
    • H01G9/20Light-sensitive devices
    • H01G9/2059Light-sensitive devices comprising an organic dye as the active light absorbing material, e.g. adsorbed on an electrode or dissolved in solution
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/542Dye sensitized solar cells

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  • Power Engineering (AREA)
  • Microelectronics & Electronic Packaging (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 相異なる色素を多孔質半導体層の表面に効率
よく共吸着させることを課題とする。 【解決手段】 表面に相異なる2種以上の色素が共吸着
した多孔質半導体層の製造方法であって、多孔質半導体
層の表面の一部に特定の溶媒に可溶な皮膜を設ける工
程、ついで溶解させた第一の色素を該多孔質半導体層の
表面に吸着させる工程、ついで該溶媒により皮膜上の色
素を皮膜と共に取り除く工程、更には第二の色素を該多
孔質半導体層の表面に吸着させる工程を少なくとも含む
多孔質半導体層の作製方法により上記課題を解決する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔質半導体層の
作製方法及び色素増感型太陽電池に関する。具体的に
は、本発明は、相異なる色素を多孔質半導体層の表面に
効率よく共吸着さすことにより、高効率でかつ分光増感
領域の広い色素増感型太陽電池用の多孔質半導体層を製
造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の産業の発達によりエネルギー及び
電力の使用量が急増している。そのため二酸化炭素等の
地球温暖化物質の排出も増え、地球環境を守るため無視
できない量になっている。太陽エネルギーを電気に変換
する太陽電池は、直接には二酸化炭素を排出せずに電力
を製造できるので、その普及が期待されている。しか
し、従来のシリコンを使用した太陽電池は、製造コスト
が高い問題があり、大規模電力用としては期待されるよ
うな普及に至っていない。
【0003】このシリコンを使用した太陽電池に替わる
製造コストが低い太陽電池として、半導体電極に可視光
を吸収する色素を吸着した湿式太陽電池が注目されてい
る。半導体自身が本来もつ光吸収領域より低いエネルギ
ー領域で、言い換えれば長波長側で光電変換させる原理
は光増感と呼ばれ古くから知られていた。しかし、それ
を光電変換素子に応用し太陽電池とした場合、変換効率
は低かった。
【0004】M.Graetzelらは、Natur
e、vol.357、737ページ(1991年)に、
n型半導体である酸化チタンを微粒子化しフイルム状に
形成し、それに色素としてルテニウム錯体(RuL
2(NCS)2、L=4,4−ジカルボキシル−2,2’
ビピリジン)を表面に吸着させた光電変換素子が発表さ
れている。酸化チタンの微粒子を用いることにより表面
粗さ係数であるラフネスファクタ(電極内実表面積/投
影面積)が大きくなる。これにより光の受光面積が大き
くなるので、変換効率が大幅に向上した。
【0005】しかし、J.Am.Chem.Soc,V
ol.115,No14,6382ページ(1993
年)のM.Graetzelらの論文にあるように、こ
の色素は波長530〜550nmをピークとし400〜
800nmの波長しか利用していない。太陽光は紫外光
から赤外光に至るまでエネルギーのスペクトル分布が広
い。したがって、この方法では太陽光のエネルギーの一
部しか利用できない問題がある。変換効率を上げるため
には太陽エネルギーを十分吸収することが重要である。
【0006】従来技術1として、特開平9−19974
4号公報には、色素の吸収波長域を拡大させる新規増感
色素とそれを用いた湿式太陽電池が開示されている。こ
れは、新規色素をナノ構造をもつ酸化物半導体に吸着さ
せたものである。
【0007】従来技術2として、Jpn.J.App
l.Phys.Vol.37,L132−135ぺ−
ジ,Part2,No2A(1998年)には、複数の
色素を酸化チタンに吸着させる技術が開示されている。
すなわち、2つの色素テトラスルホニドガリウムフタロ
シアニン(GaTsPc)とテトラスルホニド亜鉛ポル
フェリン(ZnTsPP)をDMSO溶液に溶解し酸化
チタンに吸着させたものである。
【0008】従来技術3として、特開2000−245
466号公報には、光スペクトルの吸収波長領域を拡大
し、光エネルギーから電気エネルギーへの変換特性を向
上させる新規増感色素とそれを用いた湿式太陽電池が開
示されている。これは導電性基板上に複数の半導体層が
積層して設けられ、導電性基板の対極をなす導電性基板
上に触媒が吸着され、両導電性基板の間に電解質層が設
けられ、半導体層ごとに異なる吸収波長を有する色素が
吸着され、入射光側に位置する半導体層の色素の吸収波
長が、半導体層の後方の半導体層の色素の吸収波長より
短波長になっている光電変換素子である。
【0009】従来技術4として、表示素子、又は看板等
の複数の部位に複数の色を配置した、色素増感型太陽電
池が開示されている。これは透明電極と、その上に設け
られた透明半導体層と、透明半導体層表面の複数の部位
に吸着した複数色の増感色素吸着部と、増感色素吸着部
上に設けられたキャリア移動層と、キャリア移動層上に
設けられたべつの透明電極とから構成された色素増感型
太陽電池である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1による多孔質半導体層及びその作製方法は、単独の
色素を使用しているので、新規色素といえども吸収スペ
クトルの範囲が限定されてしまう。そのため太陽光を利
用する場合、太陽光のごく一部のスペクトルしか吸収で
きず、その結果、この多孔質半導体層を用いた光電変換
素子全体の光電変換効率は低いものとなる。
【0011】また、従来技術2による多孔質半導体層及
びその作製方法は、光子−電子変換量子効率(IPC
E)が短波長側400〜500nmの波長で前述の色素
ZnTsPPに比べ激減し、長波長側600〜750n
mで若干向上し吸収波長域は拡大が認められる。しかし
これを用いた光電変換素子は、光電流として大きな値が
得られないため全体の光電変換効率は小さい。この原因
として、色素の会合やそれによる色素同士の相互作用で
光励起された色素から半導体電極に全ての電荷が注入さ
れないことが考えられる。
【0012】また、従来技術3による多孔質半導体層及
びその作製方法は、半導体層を焼成しておらず半導体層
中のキャリア移動が阻害され再結合が促進されるため、
高い電子輸送効率を実現することができず、これを用い
た光電変換素子は高い変換効率を得ることはできない。
また構造上の観点から複数色素を用いた光電変換素子に
おいては、色素の吸光特性に基づいて色素の吸着量を制
御し波長ごとに無駄な吸収を抑え、かつ高い収集効率を
実現することが不可欠である。しかし、該従来技術によ
る作製方法では複数の半導体層を形成するにあたり同一
の溶剤を用いるため実際には層間のオーバーラップが起
こり組織的な半導体層の形成が不可能である。もしくは
2つの層の間に第三の層が形成される。そのため、多孔
質電極へ設計どおりに複数色素を吸着させることは困難
である。
【0013】また、従来技術4による多孔質半導体層及
びその作製方法は、デザイン性は高いが複数の色素を光
の入射方向へ積層させる形での色素吸着を組織だって行
うことはできないため、これを用いた光電変換素子は高
い変換効率を得ることはできない。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため種々の検討をした結果、半導体層中のキ
ャリア輸送や半導体層表面での光電子移動を阻害させる
ことなく光スペクトルの吸収波長領域を拡大し、光電変
換の収集効率を向上させるとともに、表示装置としての
機能も併せもつ多孔質半導体層の作製方法を見出し、本
発明にいたった。
【0015】かくして本発明によれば、表面に相異なる
2種以上の色素が共吸着した多孔質半導体層の製造方法
であって、多孔質半導体層の表面の一部に特定の溶媒に
可溶な皮膜を設ける工程、ついで溶解させた第一の色素
を該多孔質半導体層の表面に吸着させる工程、ついで該
溶媒により皮膜上の色素を皮膜と共に取り除く工程、更
には第二の色素を該多孔質半導体層の表面に吸着させる
工程を少なくとも含む多孔質半導体層の作製方法が提供
される。
【0016】更に、本発明によれば、上記方法により得
られた多孔質半導体層を光電変換層として用いた色素増
感型太陽電池が提供される。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明では、多孔質半導体層表面
への相異なる色素をあらかじめ設計されたとおりの部位
に吸着させるため以下のような技術的手段を採用してい
る。多孔質半導体層上の第一の色素を吸着させたい部位
に、あらかじめ特定の溶媒に溶解する皮膜をもうけてお
く。皮膜が設けられた多孔質半導体層の表面に第二の色
素を吸着させた後、該溶媒により皮膜及び皮膜上の第二
の色素を取り除き、次いで皮膜を取り除いた部分へ第一
の色素を吸着させることにより、2種類の色素を意図し
た部分へ吸着させることができる。
【0018】本発明で使用できる多孔質半導体とは、一
般に光電変換材料用に使用されるものであれば特に限定
されるものではなく、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、
酸化タングステン、酸化スズ、チタン酸バリウム、チタ
ン酸ストロンチウム、硫化カドミウム等の公知の半導体
の1種又は2種以上を用いることができる。なかでも、
安定性、安全性の点から酸化チタンが好ましい。なお、
本発明で使用される酸化チタンは、アナターゼ型酸化チ
タン、ルチル型酸化チタン、無定形酸化チタン、メタチ
タン酸、オルソチタン酸等の種々の酸化チタン、あるい
は水酸化チタン、含酸化チタン等のすべてが包含され
る。EOSIN Y等の一部の色素については、酸化亜
鉛/酸化スズを適切な比率で混合し用いることで光電子
移動特性を向上させることができる。
【0019】多孔質半導体層の形状は、特に限定され
ず、粒子の凝集体、板状等の形状を取り得る。
【0020】次に、多孔質半導体層の表面の一部には皮
膜が形成される。皮膜は、特定の溶媒に溶解せず、皮膜
の表面に付着又は吸着した色素とともに溶解、剥離又は
沈殿する物質からなることが好ましい。また、皮膜は、
皮膜で覆われていない多孔性半導体の表面への色素の吸
着を妨げないようなものを使用することが好ましい。具
体的には、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化セ
シウム等のアルカリ土類金属を含む化合物が挙げられ
る。例えば、皮膜には、皮膜を構成する物質とは別の組
成の物質を包含していてもよい。
【0021】表面の一部に皮膜をもつ多孔質半導体層
は、皮膜のない微粒子半導体を含むペーストと皮膜をも
つ微粒子半導体を含むペーストをそれぞれ用意し、パタ
ーニングが可能な塗布法により作製することができる。
塗布法としては、スキージ法、印刷法、又はインクジェ
ット等のノンインパクト法が適用される。更に、多孔質
半導体層の所望の位置に皮膜を形成しうる材料を含む溶
液をスプレーしたり、該材料を含む溶液中に部分的に浸
漬したりすることで形成することも可能である。
【0022】本発明では、複数種類の皮膜を用いること
で、3種類もしくはそれ以上の色素を多孔質半導体層の
意図した部分へ吸着させることができる。
【0023】本発明で使用しうる色素としては、太陽電
池用の場合、発電効率からは長波長側に、太陽電池の耐
久性からは短波長側に制約が生じるため、主に400〜
1200nmの波長を利用することが妥当となる。光電
子移動の性能に優れた色素では単体で300〜400n
m程度の波長域に対し光電子移動が実現できることを考
えると、半導体多孔質層上へ吸着させる色素の種類は2
ないし3が適当である。
【0024】ここで使用することができる色素は、分光
増感剤として機能する色素であり、特に可視光領域及び
/又は赤外光領域に吸収をもつものであれば問題はな
い。具体的には、ローズベンガル、ローダミンB等のキ
サンテン系色素;マラカイトグリーン、クリスタルバイ
オレット等のトリフルメタン色素、[perylene
−bis(4−dicarboxylphenyl)−
3,4,9,10−tetraCarboxylici
mide]等のペリレン系色素、銅フタロシアニン及
び、Phys.Rev.Lett V81,N14,p
2154−2957(1998年)に開示されているよ
うな亜鉛フタロシアニン[2,9,16,23−tet
ra(4−Carboxyphenoxy)phtha
locyanine Zinc(II)]等の金属フタ
ロシアニン、クロロフィル、ヘミン、又はルテニウム、
オスミウム、鉄、亜鉛を1以上含有する錯体(特開平1
−220380号、特表平5−504023号公報に記
載)等の金属錯塩、EOSINY等が挙げられる。
【0025】上記色素の内、特に金属錯塩は、酸化物半
導体からなる多孔質半導体層に吸着したとき吸収波長域
が著しく長波長領域へ拡張されるという特性をもつた
め、広い吸収波長域を必要とする光電変換素子を作製す
る場合は好ましい。
【0026】色素の吸着方法は特に限定されず、公知の
方法をいずれも使用することができる。例えば、色素を
溶解した溶液に皮膜の形成された多孔質半導体層を浸漬
し、乾燥させる方法が挙げられる。
【0027】皮膜の除去方法としては、対応する皮膜の
種類に応じて、選択された除去溶液に浸漬する方法が挙
げられる。除去溶液としては、例えば、塩酸、硝酸、リ
ン酸、希硫酸等の無機酸溶液あるいはこれらの混酸、酢
酸、フェノール、トリフロロメチルスルホン酸等の有機
酸溶液が挙げられる。
【0028】本発明の方法により得られた多孔質半導体
層は、太陽電池の光電変換層に好適に使用できる。つま
り、多孔質半導体層は、十分な電子輸送を行うことがで
きる。更に、あらかじめ設計した部位に皮膜をもつこと
で、色素の吸着部位を設計どおりに制御することができ
る。また、好ましい多孔質半導体と色素の組み合わせを
選ぶことで、高い光電変換効率を有する色素増感型太陽
電池用酸化物半導体電極を提供することができる。
【0029】また、多孔質半導体層は異なる種類の色素
が別々の部位に吸着されていて異なる種類の色素の会合
や相互作用がないので光電子移動が阻害されることが無
い。更に複数の色素により増感されるため、入射光の広
い波長領域を用いた太陽電池を作製することができる。
【0030】
【実施例】以下に、本発明の実施例を説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0031】(実施例1)2種類の色素を異なる多孔質
半導体膜へ吸着させた多孔質半導体層の作製方法を図1
(ア)〜図2(カ)を用いて説明する。図1(ア)〜図
2(カ)において1は酸化チタン多孔質膜、2は1と異
なる色素を吸着させる酸化チタン多孔質膜、3はSol
aronix社製ルテニウム535[cis−dith
iocyanine−n−bis(2,2’−bipy
ridy−4,4’−dicarboxylicaci
d)ruthenium](以下ルテニウム色素)、4
は[perylene−bis(4−dicarbox
ylphenyl)−3,4,9,10−tetraC
arboxylicimide](以下ペリレン色
素)、5は酸化マグネシウム皮膜、6は透明基板、7は
透明導電膜である。また酸化マグネシウム皮膜をもつ酸
化チタン多孔質膜をA、Aの元となる酸化チタン多孔質
膜をAlとする。
【0032】酸化チタン多孔質膜1の元になる、酸化チ
タン多孔質膜Aを作製する塗液は、市販の酸化チタン粒
子(テイカ株式会社社製、商品名AMT−600、アナ
ターゼ型結晶、平均粒径30nm、比表面積50mm2
/g)4.0gとジエチレングリコールモノメチルエー
テル20mlとをガラスビーズを使用し、ペイントシェ
イカーで6時間分散させ、酸化チタン懸濁液を調製し
た。この酸化チタン懸濁液をドクターブレードを用い
て、透明導電膜7上へ塗布し100℃で30分間予備乾
燥した後、460℃で40分間酸素下で焼成し、10m
m×30mmの面積で、膜厚8μm、比表面積48mm
2/g、密度2.1g/cm3の酸化チタン多孔質膜Al
を作製した(図1(ア)参照) 次に上記酸化チタン多孔質膜Al表面に、酸化マグネシ
ウム皮膜5を作製する。市販のマグネシウムエトキシド
20gを250mlの無水エタノールで希釈し、撹拌す
る。べつに、5gの水と酢酸20gを250mlの無水
エタノールで希釈したものを用意し、先に作製した液に
加えよく撹拌する。作製した液を、上記酸化チタン多孔
質膜表面に0.1ml滴下する。280℃で12時間保
持し、表面に酸化マグネシウム皮膜をもつ酸化チタン多
孔質膜Aを作製した(図1(イ)参照)。
【0033】表面に酸化マグネシウム皮膜5をもつ酸化
チタン多孔質膜A上に、更に上記酸化チタン懸濁液をド
クターブレードを用いて塗布し、100℃で30分間予
備乾燥した後、460℃で40分間酸素下で焼成し、酸
化チタン多孔質膜2を作製した(図1(ウ)参照)。
【0034】次にルテニウム色素3を無水エタノールに
濃度4×10-4モル/リットルで溶解させ吸着用色素溶
液を作製した。上で得られた酸化チタン多孔質膜A、2
と透明導電膜7を具備した透明基板6をこの吸着用色素
溶液に10時間浸漬させ、色素を吸着させる。その後、
無水エタノールで数回洗浄し約60℃で約20分間乾燥
させた(図2(エ)参照)。
【0035】ここで、色素を吸着させた上記基板を、p
H2〜5に調整した塩酸に30分浸漬させ、酸化チタン
多孔質膜A上の酸化マグネシウム皮膜を取り除く。酸化
チタン多孔質膜A上に吸着していたルテニウム色素3も
共に除去され、酸化チタン多孔質膜1が形成される(図
2(オ)参照)。
【0036】次にペリレン色素4を無水エタノールに濃
度4×10-4モル/リットルで溶解させ吸着用色素溶液
を作製した。上で得られた酸化チタン多孔質膜1、2と
透明導電膜7を具備した透明基板6をこの吸着用色素溶
液に10時間浸漬させ、色素を吸着させる。その後、無
水エタノールで数回洗浄し約60℃で約20分間乾燥さ
せた。ペリレン色素4はすでにルテニウム色素3が吸着
した酸化チタン多孔質膜2にはほとんど吸着せず、主に
酸化チタン多孔質膜1に吸着する。これにより2種類の
色素を異なる多孔質半導体膜へ吸着させた多孔質半導体
層を作製することができる(図2(カ)参照)。
【0037】この多孔質半導体層を用いて、短絡電流値
を向上させることで変換効率を向上させる色素増感型太
陽電池の製造方法について図3を用いて以下に説明す
る。図3において、11は色素を吸着させた多孔質半導
体層、12は透明基板、13は透明導電膜、14は導電
性基板、15は白金膜、16は酸化還元性電解液、17
はスペーサーを示している。
【0038】スペーサー17を図3に示すように透明導
電膜13上に設置する。このときのスペーサーは、多孔
質半導体層11より厚くなければならない。具体的に
は、ポリエチレン熱融着フイルム(三井デュポン社製、
厚さ50μm)を30mm×2mmに成形したものを用
いる。その後、導電性基板4の導電面に白金膜15を約
1μmの膜厚で蒸着し、白金膜15と色素を吸着させた
多孔質半導体層11が対向する形で重ね合わす。そのま
まクリップで固定し90℃下に10分置いて、白金膜1
5と色素を吸着させた多孔質半導体層11をスペーサー
17により融着し固定する。
【0039】注入する酸化還元性電解液16は、アセト
ニトリルを溶媒として濃度0.3モル/リットルのヨウ
化リチウムと濃度0.03モル/リットルのヨウ素を溶
解させて作製した。この酸化還元性電解液16を白金膜
15と多孔質半導体層11の間に注入する。
【0040】上述の方法により、短絡電流値18.2m
A/cm2、開放電圧0.65V、F.F.0.68、
変換効率8.04%の性能を有する色素増感型太陽電池
が得られた。従来の方法により作製した酸化チタンによ
る多孔質半導体層を用いた色素増感型太陽電池の特性
(短絡電流値14.0mA/cm2、開放電圧0.67
V、F.F.0.63、変換効率5.90%)と比較し
特に短絡電流が向上することで太陽電池の変換効率が向
上している。
【0041】(実施例2)2種類の色素を異なる多孔質
半導体膜へ吸着させデザイン性を向上させた多孔質半導
体層の製造方法について図4(ア)〜図5(ク)を用い
て以下に説明する。図4(ア)〜図5(ク)において、
21は酸化チタン多孔質膜、22は21と異なる色素を
吸着させる酸化チタン多孔質膜、23はルテニウム色
素、24はクマリン色素、25は酸化マグネシウム皮
膜、26は透明基板、27は透明導電膜、28はポリエ
チレン薄膜である。また酸化マグネシウム皮膜をもつ酸
化チタン多孔質膜をB、Bの元となる酸化チタン多孔質
膜をBlとする。
【0042】酸化チタン多孔質膜21のもとになる、酸
化チタン多孔質膜Blを作製する塗液は、酸化チタンペ
ースト(Solaronix 社製、Ti−Nanox
ide D/SP)を用いた。これをスクリーン印刷に
より、透明導電膜23上の酸化チタン多孔質膜21を作
製する部位に印刷する。130℃で10分乾燥させたの
ち、500℃で20分焼成し酸化チタン多孔質膜Blを
作製する(図1(ア)参照)。その後、酸化チタン多孔
質膜2を作製することになる部位に、市販のベンゼンに
市販のポリスチレン(分子量10万)を1重量%溶解さ
せたコーティング液を塗布しポリスチレン薄膜28を形
成する(図4(イ)参照)。
【0043】次に上記酸化チタン多孔質膜Bl表面に、
酸化マグネシウム皮膜を作製する。市販のマグネシウム
エトキシド20gを250mlの無水エタノールで希釈
し、撹拌する。べつに、5gの水と酢酸20gを250
mlの無水エタノールで希釈したものを用意し、先に作
製した液に加えよく撹拌する。作製した液を、上記酸化
チタン多孔質膜表面に0.1ml滴下する。280℃で
12時間保持し、表面に酸化マグネシウム皮膜をもつ酸
化チタン多孔質膜Bを作製した(図4(ウ)参照)。
【0044】この基板をアセトンに1時間放置すること
で、酸化チタン多孔質膜22を作製する部位の酸化マグ
ネシウムを取り除くことができる(図4(エ)参照)。
【0045】つづいて酸化チタン多孔質膜22を次のよ
うに作製する。酸化チタンペースト(Solaroni
x社製、Ti−Nanoxide D/SP)を用い
た。これをスクリーン印刷により、酸化チタン多孔質膜
2を作製する部位に印刷する。130℃で10分乾燥さ
せたのち、500℃で20分焼成し酸化チタン多孔質膜
22を作製する(図5(オ)参照)。
【0046】このあとの操作は実施例1に準じて行い酸
化チタン多孔質膜21,22上に異なる色素を吸着さ
せ、2種類の色素を異なる多孔質半導体膜へ吸着させデ
ザイン性を向上させた多孔質半導体層を作製することが
できる。更に実施例1に準じて同様の換作を行い色素増
感型太陽電池を作製することができる。上述の方法によ
り、短絡電流値16.2mA/cm2、開放電圧0.7
2V、F.F.0.64、変換効率7.46%の性能を
有する色素増感型太陽電池が得られた。従来の方法によ
り作製した酸化チタンによる多孔質半導体電極を用いた
色素増感型太陽電池の特性(短絡電流値14.0mA/
cm2、開放電圧0.67V、F.F.0.63、変換
効率5.90%)と比較し特に短絡電流の値が向上する
ことで太陽電池の変換効率が向上している。また、酸化
チタン多孔質膜上の透明導電膜側の部位には、ルテニウ
ム色素(赤)、クマリン色素(黄)があらかじめ設計さ
れた位置に吸着されているため単一の色素を用いたばあ
い、及び実施例1に見られるように入射光方向へ色素を
積層させる構造のものと比較しデザイン性も向上してい
る。
【0047】(実施例3)複数の色素を多孔質半導体膜
の任意の位置へ吸着させることでデザイン性を向上させ
表示体としての機能をもつ酸化物多孔質膜の製造方法に
ついて図6(ア)〜図8(ケ)を用いて以下に説明す
る。図6(ア)〜図8(ケ)において31は酸化チタン
多孔質膜、32は31と異なる色素を吸着させる酸化チ
タン多孔質膜、33は31,32と異なる色素を吸着さ
せる酸化チタン多孔質膜、34はルテニウム色素、35
は[2,9,16,23−tetra(4−Carbo
xyphenoxy)phthalocyanine
Zinc(II)](以下亜鉛フタロシアニン色素)、
36はペリレン色素、37は酸化マグネシウム皮膜、3
8は酸化バリウム皮膜、39は透明基板、40は透明導
電膜である。また酸化バリウム皮膜をもつ酸化チタン多
孔質膜をC、Cの元となる酸化チタン多孔質膜をCl、
酸化マグネシウム皮膜をもつ酸化チタン多孔質膜をDと
する。
【0048】酸化チタン多孔質膜31のもとになる酸化
チタン多孔質膜Clを作製する塗液は、酸化チタンペー
スト(Solaronix社製、Ti−Nanoxid
eD/SP)を用いた。これをスクリーン印刷により、
透明導電膜40上の、酸化チタン多孔質膜31を作製す
る部位に印刷する。130℃で10分乾燥させたのち、
500℃で20分焼成し酸化チタン多孔質膜Clを作製
する(図6(ア)参照)。
【0049】次に、上記酸化チタン多孔質膜Cl表面
に、酸化バリウム皮膜38を作製する。市販のバリウム
イソプロポキシド15gを250mlの2−プロパノー
ルで希釈し、撹拌する。これにアセチルアセトン10m
lをくわえ更に酢酸15mlと水の2−プロパノール溶
液250ml(0.1vol%)を加え撹拌を続ける。
作製した液を、上記酸化チタン多孔質膜Cl表面に0.
1ml滴下する。280℃で12時間保持し、表面に酸
化バリウム皮膜38をもつ酸化チタン多孔質膜Cを作製
した(図6(イ)参照)。
【0050】酸化チタン多孔質膜32を作製する塗液
は、酸化チタンペースト(Solaronix社製、T
i−Nanoxide T/SP)を用いた。これをス
クリーン印刷により、酸化チタン多孔質膜2を作製する
部位に印刷する(このとき一部もしくはすべてが酸化チ
タン多孔質膜1上にあってもよい)。130℃で10分
乾燥させたのち、500℃で20分焼成し酸化チタン多
孔質膜32を作製する(図6(ウ)参照)。
【0051】酸化チタン多孔質膜33のもとになる酸化
チタン多孔質膜Dは以下のように作製する。
【0052】市販のマグネシウムエトキシド20gを2
50mlの無水エタノールで希釈し、撹拌する。べつ
に、5gの水と酢酸20gを250mlの無水エタノー
ルで希釈したものを用意し、先に作製した液に加えよく
撹拌する。作製した液10mlに酸化チタン粒子(テイ
カ株式会社社製、商品名AMT−600、アナターゼ型
結晶、平均粒径30nm、比表面積50mm2/g)
4.0gを加えよく撹拌した後80℃で2日放置する。
沈殿物のみ取り出し280℃で12時間保持し、酸化マ
グネシウム皮膜をもつ酸化チタン粒子を作製した。この
粒子とジエチレングリコールモノメチルエーテル20m
lとをガラスビーズを使用し、ペイントシェイカーで6
時間分散させ、酸化チタン懸濁液を調製した。この酸化
チタン懸濁液をドクターブレードを用いて、酸化チタン
多孔質膜31、32上に塗布した。100℃で30分間
予備乾燥した後、460℃で40分間酸素下で焼成し、
マグネシウム皮膜をもつ酸化チタン多孔質膜Dを作製す
る(図7(エ)参照)。
【0053】次に亜鉛フタロシアニン色素35をアセト
ンに濃度4×10-4モル/リットルで溶解させ吸着用色
素溶液を作製した。上で得られた酸化チタン多孔質膜
C,32,Dと透明導電膜40を具備した透明基板39
をこの吸着用色素溶液に10時間浸漬させ、色素を吸着
させる(図7(オ)参照)。
【0054】その後、無水エタノールで数回洗浄し約6
0℃で約20分間乾燥させた。このとき、酸化チタン多
孔質膜C上の酸化バリウムが除去されるため酸化チタン
多孔質膜C上にあった色素は除去することができる。こ
れにより酸化チタン多孔質膜31が形成される(図7
(カ)参照)。
【0055】次にルテニウム色素34を無水エタノール
に濃度4×10-4モル/リットルで溶解させ吸着用色素
溶液を作製した。上で得られた酸化チタン多孔質膜3
1,32、Dと透明導電膜40を具備した透明基板39
をこの吸着用色素溶液に10時間浸漬させ、色素を吸着
させる。その後、無水エタノールで数回洗浄し約60℃
で約20分間乾燥させた(図8(キ)参照)。
【0056】ルテニウム色素34は、すでに亜鉛フタロ
シアニン色素35が吸着した酸化チタン多孔質膜32に
はほとんど吸着しない。ここで、色素を吸着させた上記
基板を、pH2〜5に調整した塩酸に30分浸潰させ、
酸化チタン多孔質膜D上の酸化マグネシウム皮膜を取り
除く。酸化チタン多孔質膜D上に吸着していたルテニウ
ム色素も共に除去される。したがって、ルテニウム色素
34は主に酸化チタン多孔質膜31上に吸着している。
またこれにより酸化チタン多孔質膜33が形成される
(図8(ク)参照)。
【0057】次にペリレン色素36を無水エタノールに
濃度4×10-4モル/リットルで溶解させ吸着用色素溶
液を作製した。上で得られた酸化チタン多孔質膜31、
32、33と透明導電膜13を具備した透明基板12を
この吸着用色素溶液に10時間浸漬させ、色素を吸着さ
せる。その後、無水エタノールで数回洗浄し約60℃で
約20分間乾燥させた。ペリレン色素36はすでに亜鉛
フタロシアニン35、ルテニウム色素34が吸着した酸
化チタン多孔質膜31,32にはほとんど吸着せず、主
に酸化チタン多孔質膜33に吸着する(図8(ケ)参
照)。
【0058】これにより複数の色素を多孔質半導体層の
任意の位置へ吸着させ光電流を増加させることにより光
電変換効率を向上させデザイン性を向上させ表示体とし
ての機能をもつ酸化物多孔質膜作製することができる。
【0059】更に実施例1に準じて同様の操作を行い色
素増感型太陽電池を作製することができる。上述の方法
により、短絡電流値22.4mA/cm2、開放電圧
0.68V、F.F.0.64、変換効率9.75%の
性能を有する色素増感型太陽電池が得られた。従来の方
法により作製した酸化チタンによる多孔質半導体電極を
用いた色素増感型太陽電池の特性(短絡電流値20.3
mA/cm2、開放電圧0.67V、F.F.0.6
3、変換効率8.56%)と比較し特に短絡電流の値が
向上することで太陽電池の変換効率が向上している。ま
た実施例2と比較しても、ルテニウム色素(赤)、ペリ
レン色素(黄)及び亜鉛フタロシアニン色素(緑)を用
いていることから更にデザイン性、変換効率を向上させ
ることができる。
【0060】(実施例4)複数の色素を複数の多孔質半
導体から構成された多孔質半導体膜の任意の位置へ吸着
させることでデザイン性を向上させ、表示体としての機
能をもつ多孔質半導体層の製造方法について図9(ア)
〜図11(ケ)を用いて以下に説明する。図9(ア)〜
図11(ケ)において、41は酸化スズ・酸化亜鉛多孔
質膜、42は酸化チタン多孔質膜、43は42と異なる
色素を吸着させる酸化チタン多孔質膜、44はEOSI
N Y、45は亜鉛フタロシアニン色素、46はペリレ
ン色素、47は酸化マグネシウム皮膜、48は酸化バリ
ウム皮膜、49は透明基板、50は透明導電膜である。
また酸化マグネシウム皮膜をもつ酸化チタン多孔質膜を
E、酸化バリウム皮膜をもつ酸化スズ・酸化亜鉛多孔質
膜をF、Fの元となる酸化スズ・酸化亜鉛多孔質膜をF
lとする。
【0061】酸化スズ・酸化亜鉛多孔質膜41のもとに
なる酸化スズ・酸化亜鉛多孔質膜Flを作製する塗液
は、AlraAesarの酸化すずコロイド水溶液(1
5w%)1.5mlに氷酢酸をスポイトで4滴くわえ更
に酸化亜鉛の粉体(Aldrich、99.9%)0.
3g、トリトンX(スポイトで4滴)、メタノール20
mlを加えよく撹拌し調製した。
【0062】この酸化すず・酸化亜鉛懸濁液をスプレー
法を用いて、マスクをおいた透明電極に塗付し、100
℃で30分間予備乾燥した後、460℃で40分間酸素
下で焼成し、10mm×30mmの面積で、膜厚15μ
mの酸化すず・酸化亜鉛多孔質膜Flを作製した(図9
(ア)参照)。なお、酸化スズ、酸化亜鉛による多孔質
膜は後述の色素EOSIN Yを用いると特に好まし
い。
【0063】次に上記酸化スズ・酸化亜鉛多孔質膜Fl
表面に、酸化バリウム皮膜48を作製する。市販のバリ
ウムイソプロポキシド15gを250mlの2−プロパ
ノールで希釈し、撹拌する。これにアセチルアセトン1
0mlをくわえ更に酢酸15mlと水の2−プロパノー
ル溶液250ml(0.1vol%)を加え撹拌を続け
る。作製した液を、上記酸化スズ・酸化亜鉛多孔質膜表
面に0.1ml滴下する。280℃で12時間保持し、
表面に酸化バリウム皮膜48をもつ酸化スズ・酸化亜鉛
多孔質膜Fを作製した(図9(イ)参照)。
【0064】酸化チタン多孔質膜42を作製する塗液
は、酸化チタンペースト(Solaronix社製、T
i−Nanoxide T/SP)を用いた。これをス
クリーン印刷により、酸化チタン多孔質膜41を作製す
る部位に印刷する(このとき一部もしくはすべてが酸化
スズ・酸化亜鉛多孔質膜F上にあってもよい)。130
℃で10分乾燥させたのち、500℃で20分焼成し酸
化チタン多孔質膜42を作製する(図9(ウ)参照)。
【0065】酸化チタン多孔質膜43のもとになる酸化
チタン多孔質膜Eは以下のように作製する。
【0066】市販のマグネシウムエトキシド20gを2
50mlの無水エタノールで希釈し、撹拌する。べつ
に、5gの水と酢酸20gを250mlの無水エタノー
ルで希釈したものを用意し、先に作製した液に加えよく
撹拌する。作製した液10mlに酸化チタン粒子(テイ
カ株式会社社製、商品名AMT−600、アナターゼ型
結晶、平均粒径30nm、比表面積50mm2/g)
4.0gを加えよく撹拌した後80℃で1日放置する。
沈殿物のみ取り出し230℃で12時間保持し、酸化マ
グネシウム皮瞭をもつ酸化チタン粒子を作製した。この
粒子とジエチレングリコールモノメチルエーテル20m
lと、エタノール20mlに溶解させたエチルセルロー
ス(分子量4万)15gをガラスビーズを使用し、ペイ
ントシェイカーで6時間分散させる。その後エタノール
を蒸発させることで酸化チタンペーストを調製した。こ
の酸化チタンペーストをスクリーン印刷により、酸化ス
ズ・酸化亜鉛多孔質膜F、酸化チタン多孔質膜42が作
成された基板上に塗布した(このとき一部もしくはすべ
てが酸化スズ・酸化亜鉛多孔質膜F、酸化チタン多孔質
膜42上にあってもよい)。100℃で30分間予備乾
燥した後、460℃で40分間酸素下で焼成し、酸化マ
グネシウム皮膜をもつ酸化チタン多孔質膜Eを作製した
(図9(エ)参照)。
【0067】次に亜鉛フタロシアニンをアセトンに濃度
4×10-4モル/リットルで溶解させ吸着用色素溶液を
作製した。上で得られた酸化スズ・酸化亜鉛多孔質膜
F、酸化チタン多孔質膜2、Fと透明導電膜50を具備
した透明基板49をこの吸着用色素溶液に10時間浸漬
させ、色素を吸着させる(図10(オ)参照)。
【0068】その後、無水エタノールで数回洗浄し約6
0℃で約20分間乾燥させた。このとき、酸化スズ・酸
化亜鉛多孔質膜F上の酸化バリウムが除去されるため酸
化スズ・酸化亜鉛多孔質膜F上にあった色素は除去する
ことができる。これにより酸化スズ・酸化亜鉛多孔質膜
41が形成される(図10(カ)参照)。
【0069】次にEOSIN Y44を無水エタノール
に濃度4×10-4モル/リットルで溶解させ吸着用色素
溶液を作製した。上で得られた酸化スズ・酸化亜鉛多孔
質膜41、酸化チタン多孔質膜42、Eと透明導電膜5
0を具備した透明基板49をこの吸着用色素溶液に10
時間浸漬させ、色素を吸着させる。その後、無水エタノ
ールで数回洗浄し約60℃で約20分間乾燥させた(図
10(キ)参照)。
【0070】EOSIN Y44は、すでに亜鉛フタロ
シアニン45が吸着した酸化チタン多孔質膜42にはほ
とんど吸着しない。ここで、色素を吸着させた上記基板
を、pH2〜5に調整した塩酸に30分浸漬させ、酸化
チタン多孔質膜E上の酸化マグネシウム皮膜を取り除
く。酸化チタン多孔質膜E上に吸着していたEOSIN
Y44も共に除去される。したがって、EOSIN Y
44は主に酸化スズ・酸化亜鉛多孔質膜41上に吸着し
ている。この工程により酸化チタン多孔質膜43が形成
される(図11(ク)参照)。
【0071】次にペリレン色素46を無水エタノールに
濃度4×10-4モル/リットルで溶解させ吸着用色素溶
液を作製した。上で得られた酸化スズ・酸化亜鉛多孔質
膜41、酸化チタン多孔質膜42、43と透明導電膜5
0を具備した透明基板49をこの吸着用色素溶液に10
時間浸漬させ、色素を吸着させる。その後、無水エタノ
ールで数回洗浄し約60℃で約20分間乾燥させた(図
11(ケ)参照)。
【0072】ペリレン色素46はすでに亜鉛フタロシア
ニン45、EOSIN Y44が吸着した酸化スズ・酸
化亜鉛多孔質膜41、酸化チタン多孔質膜43にはほと
んど吸着せず、主に酸化チタン多孔質膜42に吸着す
る。これにより複数の色素を複数の多孔質半導体から構
成された多孔質半導体膜の任意の位置へ吸着させること
でデザイン性を向上させ、表示体としての機能をもつ多
孔質半導体層を作製することができる(図11(ケ)参
照)。
【0073】更に実施例1に準じて同様の操作を行い色
素増感型太陽電池を作製することができる。上述の方法
により、短絡電流値22.5mA/cm2、開放電圧
0.69V、F.F.0.68、変換効率10.56%
の性能を有する色素増感型太陽電池が得られた。従来の
方法及び実施例1〜3記載の方法により作製した酸化チ
タンによる多孔質半導体電極を用いた色素増感型太陽電
池の特性と比較し特に短絡電流の値が向上することで太
陽電池の変換効率が向上している。また3種類の色素を
用いることで、実施例3と同等のデザイン性を有してい
る。
【0074】
【発明の効果】以上のように、本発明は、多孔質半導体
層の別の部位に異なる色素を吸着させるため、表面の一
部にあらかじめ特定の溶媒に溶解する皮膜が設けられた
多孔質半導体層の表面に分子を吸着させた後、該溶媒に
より皮膜とその上の色素を取り除き、皮膜を取り除いた
部分へ先に吸着されたものと異なる色素を吸着させるこ
とにより、複数の色素を意図した部分へ吸着させること
ができる。
【0075】この方法を用いれば、太陽電池として動作
するときも十分な電子輸送を行う多孔質半導体層を用い
ることができる。更に、あらかじめ設計した部位に皮膜
をもつ多孔質半導体層を作製することで、色素の吸着部
位を設計どおりに制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1にかかわる多孔質半導体層の
作製方法を説明する概略図である。
【図2】本発明の実施例1にかかわる多孔質半導体層の
作製方法を説明する概略図である。
【図3】本発明の実施例により作製された多孔質半導体
層を用いた色素増感型太陽電池の構成図である。
【図4】本発明の実施例2にかかわる多孔質半導体層の
作製方法を説明する概略図である。
【図5】本発明の実施例2にかかわる多孔質半導体層の
作製方法を説明する概略図である。
【図6】本発明の実施例3にかかわる多孔質半導体層の
作製方法を説明する概略図である。
【図7】本発明の実施例3にかかわる多孔質半導体層の
作製方法を説明する概略図である。
【図8】本発明の実施例3にかかわる多孔質半導体層の
作製方法を説明する概略図である。
【図9】本発明の実施例4にかかわる多孔質半導体層の
作製方法を説明する概略図である。
【図10】本発明の実施例4にかかわる多孔質半導体層
の作製方法を説明する概略図である。
【図11】本発明の実施例4にかかわる多孔質半導体層
の作製方法を説明する概略図である。
【符号の説明】
1、21、31、42 酸化チタン多孔質膜 2 1と異なる色素を吸着させる酸化チタン多孔質膜 3、23、34 ルテニウム色素 4、36、46 ペリレン色素 5、25、37、47 酸化マグネシウム皮膜 6、12、26、39、49 透明基板 7、13、27、40、50 透明導電膜 11 色素を吸着させた多孔質半導体層 15 白金膜 16 酸化還元性電解液 17 スペーサー 22 21と異なる色素を吸着させる酸化チタン多孔質
膜 24 クマリン色素 28 ポリエチレン薄膜 32 31と異なる色素を吸着させる酸化チタン多孔質
膜 33 31,32と異なる色素を吸着させる酸化チタン
多孔質膜 35、45 亜鉛フタロシアニン色素 38、48 酸化バリウム皮膜 41 酸化スズ・酸化亜鉛多孔質膜 43 42と異なる色素を吸着させる酸化チタン多孔質
膜 44 EOSIN Y A、B、D、E 酸化マグネシウム皮膜をもつ酸化チタ
ン多孔質膜 A1 Aの元となる酸化チタン多孔質膜 B1 Bの元となる酸化チタン多孔質膜 C 酸化バリウム皮膜をもつ酸化チタン多孔質膜 C1 Cの元となる酸化チタン多孔質膜 F 酸化バリウム皮膜をもつ酸化スズ・酸化亜鉛多孔質
膜 F1 Fの元となる酸化スズ・酸化亜鉛多孔質膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5F051 AA14 BA18 GA03 5H032 AA06 AS06 AS16 AS19 BB05 EE16

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に相異なる2種以上の色素が共吸着
    した多孔質半導体層の製造方法であって、多孔質半導体
    層の表面の一部に特定の溶媒に可溶な皮膜を設ける工
    程、ついで溶解させた第一の色素を該多孔質半導体層の
    表面に吸着させる工程、ついで該溶媒により皮膜上の色
    素を皮膜と共に取り除く工程、更には第二の色素を該多
    孔質半導体層の表面に吸着させる工程を少なくとも含む
    多孔質半導体層の作製方法。
  2. 【請求項2】 特定の溶媒が、少なくとも有機酸化合物
    又は無機酸化合物を含有している請求項1に記載の多孔
    質半導体層の作製方法。
  3. 【請求項3】 皮膜が、アルカリ土類金属から構成され
    ている請求項1又は2に記載の多孔質半導体層の作製方
    法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1つに記載の方
    法により得られた多孔質半導体層を光電変換層として用
    いた色素増感型太陽電池。
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