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JP2003246906A - フッ素系共重合体含有組成物 - Google Patents

フッ素系共重合体含有組成物

Info

Publication number
JP2003246906A
JP2003246906A JP2002047776A JP2002047776A JP2003246906A JP 2003246906 A JP2003246906 A JP 2003246906A JP 2002047776 A JP2002047776 A JP 2002047776A JP 2002047776 A JP2002047776 A JP 2002047776A JP 2003246906 A JP2003246906 A JP 2003246906A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
composition
polymerization
chemical
mass
copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002047776A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimichi Nakayama
美道 中山
Masanori Ikeda
池田  正紀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2002047776A priority Critical patent/JP2003246906A/ja
Publication of JP2003246906A publication Critical patent/JP2003246906A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 取扱時の応力に耐える高い強度と実用条件下
における高い耐久性を共に達成し得る、補強、かつ、架
橋された含フッ素陽イオン交換膜、ガス拡散電極、膜電
極接合体等の製造原料として極めて有用な新規組成物を
提供すること。 【解決手段】 官能基としてSO2FおよびSO2NHR
を含む特定のフッ素系3元共重合体100質量部に対し
て、特定の液状のフルオロオリゴエーテル10〜100
00質量部を含有する組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解用隔膜及び燃
料電池用隔膜として有用な含フッ素陽イオン交換膜、ガ
ス拡散電極、膜電極接合体等の製造原料として有用な、
非電解質SO2F型官能基含有フッ素系3元共重合体と
液状のフルオロオリゴエーテルとからなる組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】含フッ素陽イオン交換膜は、食塩電解用
隔膜、燃料電池用隔膜等に広く用いられている。含フッ
素陽イオン交換膜には、取扱条件下及び実用条件下にお
ける高い強度及び高い耐久性が望まれている。これらを
達成する方法として、ポリテトラフルオロエチレン多孔
質フィルムによる補強方法(例えば、特表平11−50
1964号公報)やスルホンイミド化等による架橋方法
(例えば、特開2000−188013号公報)などが
提案されている。
【0003】しかしながら、特表平11−501964
号公報に記載された補強方法では、フィルム取扱時の強
度は向上できるものの、原料の溶液が電解質型(SO3
H型等)の官能基を含有するフッ素系共重合体より形成
されているため、官能基を含有するフッ素系共重合体の
樹脂間及び樹脂と基材ポリテトラフルオロエチレン樹脂
間に十分な接着強度を付与することが困難であり、長期
耐性が充分ではなかった。特開2000−188013
号公報に記載された架橋方法では、耐久性(高温耐性)
を向上させる点では効果があるものの、架橋構造の均質
性に欠けるため、フィルムの処理や備え付け等の取扱時
の寸法安定性や強度が不十分であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解消するものであり、取扱時の応力に耐える高い強度
と実用条件下における高い耐久性を共に達成し得る、補
強、かつ、架橋された含フッ素陽イオン交換膜、ガス拡
散電極、膜電極接合体等の製造原料として極めて有用な
新規組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、完全な固
体構造(結晶構造等)の形成が阻害されている、非電解
質SO2F型官能基含有フッ素系3元共重合体(スルホ
ンイミド架橋前駆体であるスルホンアミド基を含有する
フッ素系3元共重合体)とフルオロオリゴエーテルとか
らなる組成物により、上記の目的が達成されることを見
出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、以下のとおりであ
る。 [1]化学式(1)、(2)及び(3)で示す繰り返し
単位からなり、繰り返し単位のモル比は、化学式(2)
の単位1モルに対して、化学式(1)の単位は2〜20
モル、化学式(3)の単位は0.001〜1モルである
パーフルオロ共重合体100質量部に対して、化学式
(4)で示す繰り返し単位の一種又は二種以上からな
る、重合度6〜100の液状のフルオロオリゴエーテル
10〜10000質量部を含有することを特徴とするフ
ッ素系共重合体含有組成物。
【0007】
【化5】
【0008】
【化6】
【0009】
【化7】
【0010】
【化8】 (式中、n及びn’は、それぞれ独立に0〜2の整数、
m及びm’は、それぞれ独立に1〜4の整数、RはH、
非置換炭化水素基又は置換炭化水素基、Rfは、炭素数
1〜4のパーフルオロアルキレン基である)
【0011】[2]繰り返し単位−(Rf−O)−は、
−(CF(CF3)−CF2−O)−、−(CF2CF2
2−O)、又は−(CF2−O)及び−(CF2−CF
Y−O)−であることを特徴とする[1]に記載のフッ
素系共重合体含有組成物。(式中、Yは、F又はCF3
である) [3]パーフルオロ共重合体100質量部に対して、液
状のフルオロオリゴエーテルを200〜10000質量
部含有し、パーフルオロ共重合体がフルオロオリゴエー
テル中に分散されていることを特徴とする[1]又は
[2]に記載のフッ素系共重合体含有組成物。 [4]パーフルオロ共重合体の平均粒子径が100μm
以下であることを特徴とする[3]に記載のフッ素系共
重合体含有組成物。
【0012】以下、本発明について詳細に説明する。 (組成物)本発明の組成物は、化学式(1)、(2)及
び(3)で示す繰り返し単位からなり、繰り返し単位の
モル比は、化学式(2)の単位1モルに対して、化学式
(1)の単位は2〜20モル、化学式(3)の単位は
0.001〜1モルであるパーフルオロ共重合体と、化
学式(4)で示す繰り返し単位の一種又は二種以上から
なる、重合度6〜100の液状のフルオロオリゴエーテ
ルとを含有する。
【0013】(組成物に含有されるパーフルオロ共重合
体)本発明の組成物に含有されるパーフルオロ共重合体
は、オリフィスの内径2.09mm、長さ8mmの装置
を用いてメルトインデックスを測定すると、温度250
〜290℃、荷重21.2Nの条件で、通常、0.01
〜500g/10分(換算値)の範囲内にあるのが好ま
しい。
【0014】このパーフルオロ共重合体は、化学式
(2)の単位1モルに対して、化学式(1)の単位のモ
ル比(p)は2〜20であり、化学式(3)の単位のモ
ル比(p’)は0.001〜1、好ましくは0.01〜
0.1である。pが2未満の場合は、上記の組成物から
得られる膜が十分な強度を維持できるに足る大きな重合
度の達成が困難となり、20を越えると、膜に十分に大
きなイオン伝導度を付与することができない。p’が
0.001未満の場合は、イミド架橋構造を導入した後
の、十分な架橋効果(耐熱性)が得られず、1を越える
と、膜製造に際して、加熱溶融時の樹脂間又は樹脂と基
材間との十分な接着性が得られない。p及びp’の値
は、用途に応じて適宜選択され、重合条件を適当に選ぶ
ことにより調節することができる。
【0015】本発明の組成物中に、二種以上のパーフル
オロ共重合体が混在していてもよい。本発明の組成物に
含有されるパーフルオロ共重合体は、非電解質SO2
型の側鎖末端官能基を含有するため、膜製造の際に、加
熱溶融により樹脂間及び樹脂と基材間の接着強度を高
め、耐久性を向上できる点に大きな特徴を有する。
【0016】(組成物に含有されるフルオロオリゴエー
テル)本発明の組成物に含有されるフルオロオリゴエー
テルは、化学式(4)で示す繰り返し単位の一種又は二
種以上からなる、液状のフルオロオリゴエーテルであ
る。化学式(4)で示す、一種の繰り返し単位からなる
オリゴマーであっても、二種以上の繰り返し単位からな
るオリゴマーであってもよい。後者の例として、二種以
上の繰り返し単位がランダムに結合したもの、各繰り返
し単位のブロックが結合したものなどがある。「液状」
とは、60℃以下の温度においても液状又はオイル状を
示し、流動性を示すことを表わす。
【0017】フルオロオリゴエーテルの重合度は6〜1
00であり、好ましくは6〜60である。重合度が6未
満の場合は沸点が低く蒸気圧が大きいため、モノマーや
重合溶剤の除去、パーフルオロ共重合体との安定な組成
物の形成、及び高温下(160℃以上)での取扱が困難
であり、100を越えると重合収率が低くなるため経済
的に不利であり、また、粘度が大きくなり過ぎて取扱が
困難になる。フルオロオリゴエーテルは、そのエーテル
結合により分子の自由度が高いため、より分子量の高い
ものを用いることができる。そのため、高温下でも蒸気
圧が低いという利点がある。フルオロオリゴエーテル
は、そのエーテル構造故に、高分子量体であってもオイ
ル状、すなわち、流動性を示すため、100量体もの高
分子量体まで用いることが可能である。
【0018】フルオロオリゴエーテルの分子鎖末端基の
化学構造には制約がないが、高温で処理される場合に
は、その温度で安定な構造であることが好ましく、分子
鎖末端にカルボン酸基を持たない構造がより好ましい。
フルオロオリゴエーテルの具体例としては、市販され入
手し易いものとして、−(CF(CF3)−CF2
O)、−(CF2CF2CF2−O)−、又は−(CF2
O)と−(CF2−CFY−O)−の繰り返し単位を有
するものが挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。これらは、例えば、デュポン社よりKrytox
(登録商標)、ダイキン社よりデムナム(登録商標)、
アウジモント社よりFOMBLIN(登録商標)として
入手できる。これらのフルオロオリゴエーテルは、何れ
も分子鎖末端がCF3基であり、熱的に極めて安定な構
造を有するので好ましい。
【0019】3種以上の異なる繰り返し単位を含むフル
オロオリゴエーテルとして、例えば、−(CF2
O)、−(CF(CF3)−O)−及び、−[CF(CF
3)−CF 2−O]−を含む構造単位からなるものが挙げ
られる。これらのフルオロオリゴエーテルは単独で用い
てもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。フルオ
ロオリゴエーテルとしては、通常、0〜100℃におけ
る動粘度が0.1〜5cm2/secの範囲内にある液
体が好ましく用いられ、低粘度〜高粘度のものまで、用
途・目的に応じて適宜選択される。
【0020】(組成物の比率)本発明の組成物は、パー
フルオロ共重合体100質量部に対してフルオロオリゴ
エーテル10〜10000質量部を含有することを特徴
とする。フルオロオリゴエーテルが10質量部未満の場
合は、本発明の効果が小さくなり、フルオロオリゴエー
テルが10000質量部を越えると、経済的に不利であ
る。
【0021】パーフルオロ共重合体100質量部に対
し、フルオロオリゴエーテルが200質量部以上の場合
は、平均粒子径が100μm以下のパーフルオロ共重合
体粒子が安定にフルオロオリゴエーテル中で分散した構
造をとることができる。分散粒子の「平均粒子径」と
は、パーフルオロ共重合体の含有量が0.1質量%程度
となるようにフルオロオリゴエーテルで希釈した分散液
を用いて、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定
され算出される平均粒子径を示す。
【0022】この構成の組成物は、通常、白濁したペー
スト状の形態を有する。この安定構造を形成し得る、パ
ーフルオロ共重合体とフルオロオリゴエーテルとの比率
は、パーフルオロ共重合体の当量質量(EW)、分子
量、SO2F型官能基とSO2NHR型官能基との比率、
及びフルオロオリゴエーテルの性質、分子量等により変
わる。本発明の組成物は、多くの用途に適し、長期にわ
たる貯蔵安定性を有する。分散粒子径が100μm以下
の組成物においては、液状のフルオロオリゴエーテルが
余剰に存在し、フルオロオリゴエーテルで溶媒和され膨
潤されたパーフルオロ共重合体の微分散粒子がフルオロ
オリゴエーテル中に安定に分散した構造となっている。
したがって、フルオロオリゴエーテルを過剰に増やして
も本発明の組成物の性状は維持され変化しない。
【0023】なお、余剰のフルオロオリゴエーテルを含
有する組成物は、長時間静置することにより、通常、白
濁したペースト状物(ゲル状物)が沈降して2相分離す
るが、組成物の特性には全く影響が無い。この場合は、
使用時に攪拌して均質な組成物として用いることができ
る。また、この安定な組成物においては、デカント法や
減圧濾過等による余剰のフルオロオリゴエーテルの除去
により、組成物の本来の性質を損なうことなく、パーフ
ルオロ共重合体濃度を増大させることが可能である。
【0024】本発明の組成物において、パーフルオロ共
重合体100質量部に対し、フルオロオリゴエーテル1
0〜200質量部を含有する場合は、それ自体がその組
成において安定な分散構造を形成する。また、パーフル
オロ共重合体100質量部に対しフルオロオリゴエーテ
ルが200質量部を越える場合においても、例えば、低
EW、かつ、極めて高い分子量のパーフルオロ共重合体
(例えば、EWが1000以下、かつ、メルトインデッ
クスが0.01〜1g/10分(換算値)のパーフルオ
ロ共重合体)においては、ゴム状の形態を示す場合があ
り、この組成物もその組成において安定な分散構造を形
成する。
【0025】本発明の組成物は、従来技術である溶融混
練法によっては製造できない新規なものであり、加え
て、含有されるフルオロオリゴエーテルによる可塑化効
果によって極めて優れた溶融成形加工性及び溶融押出成
膜性を有するものである。以上の特徴から、パーフルオ
ロ共重合体とフルオロオリゴエーテルとの質量比率は、
通常は、目的・用途に応じて、パーフルオロ共重合体を
含有する重合液組成物から本発明の組成物を形成させる
際に、又は重合前に添加するフルオロオリゴエーテルの
量と重合方法・条件により決定される。
【0026】(組成物の製造方法)本発明の組成物の製
造方法は、重合後にフルオロオリゴエーテルを添加する
方法と、重合前に予めフルオロオリゴエーテルを添加し
ておく方法の2つに分かれる。 (イ)重合後にフルオロオリゴエーテルを添加する、組
成物の製造方法 本発明の組成物の製造には、化学式(5)で表される少
なくとも一種の官能基含有パーフルオロカーボンモノマ
ー、化学式(6)で表される少なくとも一種の官能基含
有パーフルオロカーボンモノマー、及びテトラフルオロ
エチレンを含む三種以上のモノマーを共重合して得られ
るパーフルオロ共重合体が用いられる。
【0027】
【化9】 (式中のnは0〜2の整数、mは1〜4の整数であ
る。)
【0028】
【化10】 (式中のn’は0〜2の整数、m’は1〜4の整数、R
はH、非置換炭化水素基又は置換炭化水素基である。)
【0029】この共重合には、フッ素化されたエチレン
の均一重合又は共重合に対して用いられる公知の溶液重
合又は塊状重合方法を用いることができる。重合条件
は、生成したパーフルオロ共重合体が完全な固形物とな
らない限りにおいて、広範囲にわたる条件を選択でき
る。微分散された組成物を製造するには、生成したパー
フルオロ共重合体が十分に膨潤しうる重合条件を選択す
ることが好ましい。
【0030】溶液重合を行う場合の重合温度は10〜8
0℃が好ましく、より好ましくは20〜60℃、反応初
期圧力は0.1〜2MPaが好ましく、より好ましくは
0.1〜1MPaである。重合溶剤としては、公知の広
範囲の含フッ素溶剤を用いることができ、例えば、CF
2ClCFCl2(CFC113)、CClF2CF2CF
HCl(HCFC225cb)、CF3CHFCHFC
2CF3(HFC43−10mee)、パーフルオロメ
チルシクロヘキサン、パーフルオロジメチルシクロブタ
ン、パーフルオロオクタン、パーフルオロベンゼンのよ
うな不活性な含フッ素溶剤が好ましく用いられる。
【0031】パーフルオロ共重合体を含有する重合液組
成物の製造において、この含フッ素溶剤は、通常、モノ
マーの合計100質量部に対して、50〜1000質量
部の割合で用いるのが好ましい。この他に、官能基含有
パーフルオロカーボンモノマー自体を重合溶剤として用
いた塊状重合も採用できる。重合開始剤としては、アゾ
ビスイソブチロニトリルようなアゾ化合物、ベンゾイル
パーオキサイド、ジペンタフルオロプロピオニルパーオ
キサイドのようなジアシルパーオキサイド類、t−ブチ
ルパーオキシイソブチレートのようなパーオキシエステ
ル類、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド
のようなハイドロパーオキサイド類等の油溶性重合開始
剤を、広範囲にわたって使用できる。
【0032】パーフルオロ共重合体の分子量を調節する
目的で、ペンタン、ヘキサン等のアルカン類、メタノー
ル、エタノール等のアルカノール類等の周知、公知の連
鎖移動剤を添加することもできる。上記の方法によっ
て、化学式(5)及び(6)で表わされる官能基含有パ
ーフルオロカーボンモノマーと、テトラフルオロエチレ
ンとが3元共重合されたパーフルオロ共重合体が製造さ
れるが、必要に応じて、前記以外の官能基含有パーフル
オロカーボンモノマーを同時に用いることもできる。ま
た、化学式(7)で表わされるパーフルオロビニルエー
テルを、前記モノマーの合計に対して10モル%以下の
割合で併用することもできる。
【0033】 CF2=CFORf (7) (Rfは炭素数1〜10のパーフルオロアルキル基であ
る。)
【0034】化学式(5)で表される官能基含有パーフ
ルオロカーボンモノマーとしては、例えば、化学式
(8)、(9)、(10)、(11)に示すようなSO
2F型の非電解質型官能基を有するものが用いられる。
【0035】
【化11】
【0036】
【化12】
【0037】
【化13】
【0038】
【化14】
【0039】化学式(6)で表される官能基含有パーフ
ルオロカーボンモノマーとしては、例えば、化学式(1
2)、(13)、(14)、(15)に示すようなSO
2NHR型の官能基を有するものが用いられる。
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】これらのモノマーにおけるRは、水素原
子、又は炭素原子数1〜10個の非置換炭化水素基又は
置換炭化水素基であり、好ましくは水素原子、又は炭素
原子数1〜4個の非置換炭化水素基又は置換炭化水素
基、より好ましくは水素原子である。炭化水素基の具体
例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプ
ロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基
等が挙げられ、必要により置換基としてエーテル基やフ
ッ素原子のようなハロゲン基を含有していてもよい。
【0045】本発明のパーフルオロ共重合体を含有する
重合液組成物に、40℃程度以下の温度で、化学式
(4)で表されるフルオロオリゴエーテルを添加して攪
拌、混合した後、150℃以下で、未反応の官能基含有
パーフルオロカーボンモノマー、含フッ素溶剤等の低沸
点化合物を除去する。低沸点化合物の除去方法として
は、ハイドロカーボン系溶剤を用いて抽出除去する方法
が好ましく用いられる。除去する際の温度は150℃以
下が好ましく、より好ましくは40℃以下であり、通常
は、常温、常圧下で好適に実施される。
【0046】上記の方法以外に、例えば、目的の組成を
得るために、必要なフルオロオリゴエーテルを添加した
後に、攪拌・混合して形成させた、前記のパーフルオロ
共重合体を含有する重合液組成物に、ハイドロカーボン
系溶剤を添加し、攪拌・混合した後、静置して2層分離
させ、下層のパーフルオロ共重合体とフルオロオリゴエ
ーテルとの分散体(パーフルオロ共重合体の濃度によ
り、ペースト状から、ゴム状乃至粉体状まで形態が変化
し、通常、白濁した分散体となる)を取得する。そし
て、必要に応じて、ハイドロカーボン系溶剤で繰り返し
洗浄し、含有される低沸点化合物である官能基含有パー
フルオロカーボンモノマー、含フッ素溶剤等を抽出・除
去してもよい。
【0047】このハイドロカーボン系溶剤は、フルオロ
オリゴエーテルと相溶せず2層分離し、洗浄除去すべき
官能基含有パーフルオロカーボンモノマー等の化合物と
相溶性がよいものが好ましい。したがって、このハイド
ロカーボン系溶剤には、通常の溶剤が用いられる。その
一部を例示すると、メタノール、エタノール等のアルカ
ノール類、ヘキサン、ヘプタン等のアルカン類、ジエチ
ルエーテル等のエーテル類、アセトン等のケトン類、酢
酸エチル等のエステル類、等である。残存する低分子量
の不純物である含フッ素化合物を効率よく除去する目的
で、これらのハイドロカーボン系溶剤と含フッ素溶剤と
を混合して用いてもよい。
【0048】残存する低沸点化合物をほぼ完全に除去す
るために、加熱減圧乾燥を行うのが好ましいが、これ
は、低沸点化合物が多く残存した場合、高温での加熱固
定、溶融成形加工の際に、ボイドが発生する場合がある
からである。この加熱減圧乾燥は150℃以下の温度で
行うことが好ましく、90℃以下が好ましい。前記のフ
ルオロオリゴエーテルの添加を、重合液組成物及び/又
はフルオロオリゴエーテルが、含フッ素溶剤及び/又は
官能基含有パーフルオロカーボンモノマーで希釈された
後に行ってもよい。
【0049】(ロ)予め、重合前にフルオロオリゴエー
テルを添加する、組成物の製造方法本発明の組成物を製
造するに際して、予め、重合開始前にフルオロオリゴエ
ーテルを添加しておく方法を採用してもよい。これは、
フルオロオリゴエーテルは熱的・化学的に安定であり、
かつ、重合において不活性であるからである。
【0050】重合開始前に、予め、フルオロオリゴエー
テルを添加しておく方法においては、官能基含有パーフ
ルオロカーボンモノマー自体を重合溶剤とする塊状重
合、含フッ素溶剤を重合溶剤として用いた溶液重合に加
えて、水を重合溶剤として用いることもできる。塊状重
合及び溶液重合の場合には、通常、フルオロオリゴエー
テルを重合開始前のどの段階で添加してもよいが、水を
重合溶剤とした懸濁重合、乳化重合等の水系重合の場合
には、フルオロオリゴエーテルは、予め、官能基含有パ
ーフルオロカーボンモノマーに溶解した形で用いること
が好ましい。この理由は、均質な組成の組成物を製造で
きるからである。
【0051】予め、重合開始前にフルオロオリゴエーテ
ルを添加しておく場合の重合条件も、前記した重合条件
と全く同様であるが、目的とする組成物に合わせて、添
加するフルオロオリゴエーテル量、官能基含有パーフル
オロカーボンモノマーの転化率、テトラフルオロエチレ
ンのガス圧力等を決める。なお、水を重合溶剤として用
いる場合には、通常、界面活性剤や、必要に応じて、緩
衝剤を添加して重合する。水系の重合で用いられる重合
開始剤は、前記した油溶性開始剤に加え、公知の水溶性
開始剤も幅広く使用できる。水溶性開始剤を例示するな
らば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムのような無
機過酸化物、過硫酸アンモニウム−硫酸第一鉄、過硫酸
アンモニウム−亜硫酸水素アンモニウムのようなレドッ
クス系開始剤、過酸化ジサクシノイルのような水溶性有
機過酸化物等である。
【0052】塊状重合及び溶液重合後の処理及び水系で
重合後に公知の方法に基づいて、生成した重合体を凝集
させ、界面活性剤や塩等を洗浄除去した後の処理におい
ては、前記したように、重合後にフルオロオリゴエーテ
ルを添加する組成物の製造方法におけるのと同様に、1
50℃以下で得られた組成物中の低沸点化合物を除去
し、本発明の組成物を製造する。 (組成物を原料とした含フッ素陽イオン交換膜の製造方
法)本発明の組成物は、含フッ素陽イオン交換膜(電解
用隔膜又は燃料電池用隔膜)、膜電極接合体の製造等、
多彩な用途に幅広く用いることができる。この製造方法
には、本発明者らがPCT/JP01/08443で提
案した方法を採用でき、基材との極めて高い接着性及び
構造安定性を実現できる。
【0053】本発明の組成物を単独で用いて含フッ素用
イオン交換膜又は膜電極接合体の製造原料としてもよい
し、電極粉末、耐アルカリ性無機物粒子、犠牲粒子など
の固体粒子が均質に分散された組成物とした後に製造原
料として用いてもよい。電極粉末としては、例えば、白
金族金属及びそれらの酸化物の1種又は2種以上からな
る電極粉末、又は鉄、ニッケル、ステンレス、ラネーニ
ッケル、カルボニルニッケル及び白金族金属を担持した
炭素粉末の1種又は2種以上からなる電極粉末が用いら
れる。
【0054】耐アルカリ性無機物粒子としては、周期律
表第IV族から選ばれる元素の酸化物、窒化物及び炭化
物の少なくとも1種類の耐アルカリ性無機物粒子が用い
られ、例えば、酸化ジルコニウムのような耐アルカリ性
無機物粒子が用いられる。犠牲粒子としては、例えば、
ポリアミド、ポリエステル等のアルカリに溶解可能なポ
リマー粒子、アルミニウム粉末等の金属粒子又はハロゲ
ン化アルカリ金属塩等の中性無機塩粒子から選ばれた1
種又は2種以上の固体粒子が用いられる。これらの製造
原料としての利用方法についてはPCT/JP01/0
8443に詳しく記載されている。
【0055】本発明の組成物を用いた製造方法による
と、PCT/JP01/08443記載の方法の特徴に
加えて、ルイス塩基で処理して、含有されるスルホンア
ミド型官能基の一部乃至全部をスルホンイミド架橋構造
に変換することにより、耐久性に優れた、より強固な構
造を実現できるという優れた効果を有する。スルホンイ
ミド架橋構造化に用いられるルイス塩基としては広範囲
のものを採用でき、各種の有機窒素化合物系ルイス塩基
(飽和、不飽和、環式、非環式を含む)を用いることが
できる。例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチル
アニリン等の3級アミン類、N(CH2CH2OCF2
HFCF33で代表されるフッ素原子で部分置換された
3級アミン類、ピリジン、アルキル置換ピリジン、キノ
リン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン
(DABCO)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.
0]−7−ウンデセン(DBU)、1,5−ジアザビシ
クロ[4.3.0]−5−ノネン(DBN)、イミダゾ
ールあるいはその誘導体等の各種の複素環アミン類が挙
げられる。
【0056】この架橋反応には、ルイス塩基自体を単独
で用いてもよいし、前記の含フッ素溶剤、グライム類、
ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル類、ジメチ
ルスルホキシド、ジメチルホルムアミド等の極性溶媒等
のハイドロカーボン系溶剤、及びこれらの混合溶剤を溶
媒として用いてもよい。架橋反応にいおいて、反応溶液
中に多量の水が存在すると、パーフルオロ共重合体中の
SO2F型官能基の加水分解が顕著となり、目的とする
架橋構造の均質な形成が妨げられるので、この処理の際
には系内への水の混入を極力防ぐことが好ましい。反応
温度は、一般には0℃以上、好ましくは40℃以上、よ
り好ましくは60℃以上であり、上限温度としては20
0℃以下、好ましくは150℃以下である。
【0057】(ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィ
ルムにパーフルオロ共重合体が含浸されてなる含浸フィ
ルム)ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィルムに本
発明のパーフルオロ共重合体が含浸されてなる本発明の
含浸フィルムは、非電解質SO2F型官能基を含有し、
溶融成形及び加熱融着が可能であるため、構造安定性に
極めて優れていることを大きな特徴としている。更に、
含有SO2F型官能基と含有SO2NHR型官能基とのル
イス塩基による反応でスルホンイミド架橋構造を導入す
ることにより、耐久性をより大きくできるという優れた
効果を有する。
【0058】基材の多孔質フィルムとしては、ポリテト
ラフルオロエチレンからなる多孔質フィルムが選ばれる
が、その理由は、ポリテトラフルオロエチレンの高い化
学的・熱的安定性にある。この基材フィルムにおける、
膜厚み、空孔の平均孔径、空隙率は限定されることな
く、幅広く採用され、用途・目的に応じて選択される。
例示するなら、膜厚は、通常、5〜200μm程度、空
孔の平均孔径は、通常、0.1〜100μm程度、空隙
率は、通常、50〜95%程度である。
【0059】含有される官能基は、燃料電池用隔膜用途
の場合、水酸化アルカリ金属の水溶液又はアルコール類
やジメチルスルホキシド等の有機溶剤を膨潤剤とした水
酸化アルカリ金属の水溶液を用いた10〜95℃の温度
下の加水分解処理、及び続いて実施される塩酸、硫酸等
の無機酸を用いた酸処理により、非電解質SO2F型官
能基を酸型(SO3H型)に変換した後に実用に供され
る。これらの官能基の変換方法には、公知の方法が広く
用いられる。
【0060】本発明のパーフルオロ共重合体が含浸され
てなるポリテトラフルオロエチレン多孔質フィルムは、
加熱融着可能な非電解質SO2F型官能基を有するた
め、その製造過程においてポリテトラフルオロエチレン
多孔質フィルムの−(CF2)−連鎖からなる分子鎖と
の間の接着強度を大きくでき、加えて含浸されたパーフ
ルオロ共重合体が強固な固体構造を形成できるため、含
浸フィルムの構造の安定性が極めて大きく、更にルイス
塩基による処理で化学式(16)で表されるスルホンイ
ミド架橋構造を導入することにより、大きな強度及び耐
久性の2つを同時に実現することが可能である。
【0061】
【化19】 (式中、R’は、水素、又は非置換又は置換炭化水素、
q及びq’は、それぞれ独立に1〜4の整数)
【0062】このフィルムは、スルホンイミド架橋構造
が導入された後に及び/又は必要に応じて複合化された
後に、含有される官能基が塩型又は酸型に変換される過
程での寸法安定性、備え付けなどの取扱時における寸法
安定性に優れ、また官能基が塩型又は酸型に変換されて
後に実用に付された後も寸法安定性に優れ、かつ、強固
な構造を維持することができるため、高い耐久性を有す
るものである。
【0063】特にスルホンイミド架橋構造が導入された
フィルムは高い耐久性を実現できる。例えば、本発明の
パーフルオロ共重合体が含浸されたポリテトラフルオロ
エチレン多孔質フィルムにおいて、化学式(3)のスル
ホンアミド基の一部または全部を、化学式(16)で表
されるスルホンイミド架橋構造で架橋した後、加水分
解、酸処理して形成される、化学式(1)、(3)及び
(17)
【0064】
【化20】 (式中、mは、1〜4の整数、nは、0〜2の整数)
【0065】で示す繰り返し単位からなるパーフルオロ
共重合体が含浸されてなるポリテトラフルオロエチレン
多孔質フィルムは、水/エタノール=50/50体積比
の混合液で120℃で4時間加熱処理を施しても、溶解
抽出されるパーフルオロ共重合体の量は、初めに含有さ
れていた官能基含有パーフルオロ共重合体の50質量%
以下(実質的には10質量%以下)という優れた構造安
定性を示す。
【0066】よりマイルドな水単独系の条件下(実用条
件に近い条件下)であれば、このポリテトラフルオロエ
チレン多孔質フィルムは、150℃もの高温履歴を受け
ても、溶解抽出されるパーフルオロ共重合体は殆ど無い
(実質的に0%)という優れた構造安定性を示す。
【0067】従来技術であるSO3H型パーフルオロカ
ーボン共重合体を、予め、水/アルコール系の混合液に
溶解した溶液を用いて含浸させてなる膜の場合は、上記
の水/エタノール=50/50体積比の混合液における
120℃、4時間の履歴を与えた場合にはほぼ完全に構
造が破壊され(90質量%を越える殆ど大部分の樹脂が
溶出及び/又は脱落する)、更には、この従来の含浸膜
は、よりマイルドな水単独系の条件下においてさえ、1
50℃の高温履歴を受けた場合は、ほぼ完全に構造が破
壊される(90質量%を越える殆ど大部分の樹脂が溶出
及び/又は脱落する)のとは極めて対照的である。
【0068】また、この従来の含浸膜では、製造原料で
あるフッ素系共重合体に含有される官能基が電解質型
(SO3H型、SO3Na型等)であるため、本発明の含
浸膜におけるような均質なスルホンイミド架橋構造を導
入することは実質的に不可能であり、耐久性の向上は極
めて困難であるという本質的な問題点を有する。
【0069】(ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィ
ルムの空隙にパーフルオロ共重合体を含浸させてなる含
浸フィルムの製造方法)ポリテトラフルオロエチレン多
孔質フィルムの空隙に本発明のパーフルオロ共重合体が
含浸されてなる含浸フィルムの製造方法によれば、ポリ
テトラフルオロエチレン多孔質フィルムに、本発明の組
成物が塗布され、加圧下に160〜340℃に加熱さ
れ、基材フィルムの空隙にパーフルオロ共重合体を含浸
させるのと同時に加熱固定され、フルオロオリゴエーテ
ルを含有するパーフルオロ共重合体が含有されてなる多
孔質フィルムが形成される。この後、含フッ素溶剤を用
いてフルオロオリゴエーテルが洗浄除去される。
【0070】これに用いる本発明の組成物は、分散粒子
の平均粒子径が100μm以下のものが好ましい。この
理由は、平均孔径が0.1μmもの小孔径のポリテトラ
フルオロエチレン多孔質フィルムの空隙でさえ、容易
に、パーフルオロ共重合体(又はフルオロオリゴエーテ
ルを含有するパーフルオロ共重合体)を含浸できるから
である。なお、安定な分散体を形成している限りにおい
て、用いる本発明の組成物は、通常は、パーフルオロ共
重合体の比率が高い方が好ましい。これは、一段で、ポ
リテトラフルオロエチレン多孔質フィルムの空隙に十分
な量のパーフルオロ共重合体を含浸させることが可能で
あり、また、経済的にも有利であるからである。
【0071】本発明のパーフルオロ共重合体が含有され
てなるポリテトラフルオロエチレン多孔質フィルムの製
造方法によれば、本発明の組成物が基材に塗布され、加
圧下で160〜340℃に加熱され、フィルムの空隙に
パーフルオロ共重合体(又はフルオロオリゴエーテルを
含有するパーフルオロ共重合体)を含浸させるのと同時
に加熱固定され、この過程においてパーフルオロ共重合
体の固体構造が形成される。加熱温度は、パーフルオロ
共重合体の固体構造の形成の観点から160℃以上、パ
ーフルオロ共重合体の熱分解性の観点から340℃以下
が選ばれる。
【0072】加圧方法としては、例えば、プレス成形方
法が採用される。加圧と同時に160〜340℃に加熱
されるが、より厳密には、加圧された状態で160℃以
下の低温から160〜340℃に昇温するのが好まし
い。この理由は、加圧される以前に160〜340℃に
加熱された場合、パーフルオロ共重合体の完全な固体構
造が形成され、ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィ
ルムの空隙への含浸が困難になる場合があるからであ
る。加圧下の上記昇温に要する時間は限定されない。
【0073】加圧下に加熱処理された後のポリテトラフ
ルオロエチレン多孔質フィルムは、その空隙にパーフル
オロ共重合体が含有されると同時に、分離した液体フル
オロオリゴエーテルがポリテトラフルオロエチレン多孔
質フィルムの外側に排出される。フルオロオリゴエーテ
ルは、含フッ素溶剤を用いて、通常、含フッ素溶剤の常
圧沸点以下の温度にて容易に洗浄抽出除去される。更
に、110℃程度以下の温度で減圧乾燥され、含フッ素
溶剤が除去される。
【0074】ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィル
ムの空隙に含有されたパーフルオロ共重合体間の接着強
度を高める目的で、また、基材のポリテトラフルオロエ
チレンとパーフルオロ共重合体との相互作用を高め接着
性を向上する目的で、続いて、160〜340℃の加熱
処理又は加熱プレス処理を加えるのが好ましい。フルオ
ロオリゴエーテル自体は、熱的・化学的に安定であるた
め、パーフルオロ共重合体に残存していてもよい。
【0075】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を実施例に基づい
て具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定さ
れるものではない。本発明における、パーフルオロ共重
合体を含浸してなるポリテトラフルオロエチレン多孔質
フィルムの「パーフルオロ共重合体の抽出率」は、以下
の方法により測定する。
【0076】基材となるポリテトラフルオロエチレン多
孔質フィルムの質量(W1)を予め精秤しておく。この
試験片の質量は1g以下とする。初めに、対象となる酸
型(SO3H型)の官能基を含有するパーフルオロ共重
合体を含浸してなるポリテトラフルオロエチレン多孔質
フィルムを、1N塩酸又は1N硫酸を用いて90℃で8
時間処理する。この後に、流水で十分に洗浄し、風乾後
に、110℃で8時間減圧乾燥し、速やかにその質量
(W2)を精秤する。
【0077】この試料を径φ28mm、高さ200mm
の試験管に仕込み、水/エタノール=50/50体積比
の混合液60ミリリットル(試験片に対し十分に多い
量)を加える。この試験管を5リットルのオートクレー
ブに仕込み、上記試験管の外部(オートクレーブ内部)
に水/エタノール=50/50体積比の混合液約2リッ
トルを仕込み、これを内温が120℃になるまで加熱
し、120℃になってから4時間そのまま加熱処理した
後、室温まで冷却する。室温から120℃までの昇温過
程及び120℃から室温までの降温過程は、各々、約2
時間かけて行う。
【0078】加熱処理後にオートクレーブ内の試験管か
ら試験片を取り出し、室温で、水/エタノール=50/
50体積比の混合液にて十分な洗浄を行う。これを11
0℃で8時間減圧乾燥し、速やかにその質量(W3)を
精秤する。得られた質量の値:W1、W2及びW3から、
次のようにしてパーフルオロ共重合体の抽出率E(質量
%)を求める。試験片におけるポリテトラフルオロエチ
レンの含有量が不明な場合には、上記試験片を更に24
0℃以上の高温にて加熱溶解処理し、含有されるパーフ
ルオロ共重合体の全てを溶解、脱落させ、110℃で8
時間減圧乾燥した後に精秤し、この質量をW1とする。
樹脂が完全に脱落したことは、IR等にて残存する官能
基を定量することにより確認する。 E(質量%)={1−(W3−W1)/(W2−W1)}×
100
【0079】
【実施例1】1リットルのステンレス製オートクレーブ
に、CF2Cl−CFCl2580g、化学式(18)で
示すモノマー280g、化学式(19)で示すモノマー
2g及び分子量調製剤としてのメタノール0.02gを
仕込んだ後、窒素でパージした。続いて、テトラフルオ
ロエチレン(TFE)でパージした。
【0080】
【化21】
【0081】
【化22】
【0082】温度を25℃とし、TFEの圧力を0.1
65MPa−G(ゲージ圧力)とした後、(n−C37
COO−)2を5質量%含むCF2Cl−CFCl2溶液
を7g添加して重合を行った。オートクレーブの系外か
らTFEを断続的にフィードしつつ、TFE圧力を初期
0.165MPa−Gから終了時0.142MPa−G
まで降下させて6時間重合した。オートクレーブの系内
のTFEを窒素でパージして大気圧とした後、重合液組
成物を得た。
【0083】この重合液組成物に、デュポン社製Kry
tox(登録商標)143AD(これは、−(CF(C
3)−CF2−O)−の繰り返し単位を有するヘキサフ
ルオロプロペンオキシドのオリゴマーであり、38℃に
おける動粘度が4.95cm 2/secの液体である)
400gを、室温で添加し混合、攪拌した。これによ
り、重合液組成物は白濁した。続いて、室温で、この分
散液に1リットルのn−ヘキサンを加え混合、攪拌した
後、静置し2層分離させ、無色透明の上層と白濁した下
層とに分けた。
【0084】白濁した下層を取り出し、室温で、1リッ
トルのn−ヘキサンによる洗浄を5回繰り返した後、9
0℃にて16時間減圧乾燥して低沸点化合物を除去し、
白濁したペースト状(ゲル状)の組成物460gを得
た。この組成物を1週間静置した後に上層(無色透明の
液(前記Krytox(登録商標)143AD))を除
去して、パーフルオロ共重合体が濃縮されてなるペース
ト状の組成物を取り出した。
【0085】続いて、この組成物を目の開き212μm
のステンレス製の篩に通し、含有される少量の異物(大
きな粒子)を除去し、原料となる組成物を作成した。こ
の組成物に含有されるパーフルオロ共重合体のEW(S
2F型官能基を基準とするEW)は960、SO2NH
2型官能基の含有率は全官能基量(SO2F型官能基及び
SO2NH2型官能基の総量)に対して約0.7モル%、
270℃におけるメルトインデックスは16g/10分
(換算値)、含有されている共重合体の濃度は24質量
%であった。
【0086】このペースト状物を原料に用いて、以下の
ようにして、ADVANTEC社製MEMBRANE
FILTER(POLYMER:PTFE、CAT.N
O.:T300A293D)、平均孔径:3μm、厚
み:60μm、空隙率:82%(空隙率は基材PTFE
の真比重を2.2とし密度法により算出した値である)
から切り出した7cm×7cm角の試験片フィルムにS
2F型及びSO2NH 2型官能基を含有するパーフルオ
ロ共重合体を含浸させた。
【0087】まず、カプトンフィルムの片面に上記のペ
ースト状物3gを薄く均一に塗布したものを2枚作成し
た。この2枚のカプトン(登録商標、デュポン社製)フ
ィルムで、上記のフィルム試験片を、この試験片にペー
スト状物が接触するように挟み、フィルム試験片部分の
空気を除去した。これを厚さ2mmのステンレス版で挟
み、270℃に加熱したプレス成形機にセットし、直ち
に20MPaに加圧し、5分間処理した。
【0088】20MPa加圧下に冷却プレスした後にフ
ィルム試験片を取り出し、HFC43−10meeにて
洗浄し、フルオロオリゴエーテルを除去した後、110
℃で2時間減圧乾燥した。このフィルム試験片をカプト
ンフィルムに挟み、再度、270℃に加熱したプレス成
形機にセットし、20MPa加圧下に30分間処理し
た。上記のようにしてフィルム試験片を2枚作成した。
このフィルム試験片は、SO2F型及びSO2NH2型官
能基を含有する樹脂がポリテトラフルオロエチレン多孔
質フィルムの空隙を完全に満たしており、透明であっ
た。
【0089】上記処理で得たフィルム試験片の1枚(試
験片A)に対して、そのまま加水分解処理及び酸処理を
行い、他方のフィルム試験片(試験片B)はトリエチル
アミン/1,4−ジオキサン=3/5体積比の混合液還
流下に3時間浸漬処理し、スルホンイミド架橋反応を行
った後に加水分解処理及び酸処理を行った。加水分解処
理としては、15質量%のKOH、30質量%のDMS
Oを含有する水溶液を用いて、90℃、1時間処理、酸
処理としては、1N硫酸による90℃、1時間処理を行
った。
【0090】これら試験片A及び試験片Bにおけるパー
フルオロ共重合体の含有率は、それぞれ77質量%及び
74質量%(何れも乾燥後の値)であった。試験片A及
び試験片Bを用いて測定された「パーフルオロ共重合体
の抽出率」は、各々、31質量%及び9質量%であっ
た。何れのフィルムも透明性を十分に維持できていた。
試験片B(スルホンイミド架橋構造を有する含浸フィル
ム)においては、樹脂の溶出/脱落を大きく低減でき、
大きな耐久性を実現し得ることを確認できた。
【0091】これはSO2NH2型官能基の含有率が約
0.7モル%と低い上記フィルムにおいてさえも、均質
な架橋構造を達成できた結果と考えられる。なお、予
め、原料の組成物あるいは共重合体含浸後/再加熱前の
含浸フィルムから十分に低分子量物を除去しておくこと
により及び/又はSO2NH2型官能基の含有率を上げる
ことにより、耐久性を更に著しく向上させることが可能
である。
【0092】
【比較例1】上記実施例に用いたのと同じポリテトラフ
ルオロエチレン多孔質フィルムを基材に用い、従来技術
に基づきSO3H型官能基含有パーフルオロ共重合体の
水/アルコール溶液(デュポン社製)を用いて作成した
SO3H型官能基含有パーフルオロ共重合体含浸フィル
ムにおける「パーフルオロ共重合体の抽出率」は94質
量%であった。この抽出率測定における処理により、殆
ど全てのパーフルオロ共重合体が溶解、脱落し、元の基
材フィルム(ポリテトラフルオロエチレン多孔質フィル
ム)の状態に戻った。
【0093】
【発明の効果】本発明の組成物は、含有されるパーフル
オロ共重合体が非電解質SO2F型官能基を有するため
溶融成形加工性に優れ、かつ、完全な固体構造の形成が
阻害されたものであり、多種多様の含フッ素陽イオン交
換膜、例えば、電解用隔膜及び燃料電池用隔膜等の含フ
ッ素陽イオン交換膜、の製造原料として有用である。そ
して、本発明の組成物は、加熱固定処理により膜を構成
する樹脂間、樹脂と基材間の接着強度が高められ、架橋
構造の導入により耐久性が高められる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式(1)、(2)及び(3)で示す
    繰り返し単位からなり、繰り返し単位のモル比は、化学
    式(2)の単位1モルに対して、化学式(1)の単位は
    2〜20モル、化学式(3)の単位は0.001〜1モ
    ルであるパーフルオロ共重合体100質量部に対して、
    化学式(4)で示す繰り返し単位の一種又は二種以上か
    らなる、重合度6〜100の液状のフルオロオリゴエー
    テル10〜10000質量部を含有することを特徴とす
    るフッ素系共重合体含有組成物。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 (式中、n及びn’は、それぞれ独立に0〜2の整数、
    m及びm’は、それぞれ独立に1〜4の整数、RはH、
    非置換炭化水素基又は置換炭化水素基、Rfは、炭素数
    1〜4のパーフルオロアルキレン基である)
  2. 【請求項2】 繰り返し単位−(Rf−O)−は、−
    (CF(CF3)−CF 2−O)−、−(CF2CF2CF
    2−O)、又は−(CF2−O)及び−(CF2−CFY
    −O)−であることを特徴とする請求項1記載のフッ素
    系共重合体含有組成物。(式中、Yは、F又はCF3
    ある)
  3. 【請求項3】 パーフルオロ共重合体100質量部に対
    して、液状のフルオロオリゴエーテルを200〜100
    00質量部含有し、パーフルオロ共重合体がフルオロオ
    リゴエーテル中に分散されていることを特徴とする請求
    項1又は2記載のフッ素系共重合体含有組成物。
  4. 【請求項4】 パーフルオロ共重合体の平均粒子径が1
    00μm以下であることを特徴とする請求項3記載のフ
    ッ素系共重合体含有組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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