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JP2003244479A - 動きベクトル検出装置、像振れ補正装置、距離検出装置、およびカメラ - Google Patents

動きベクトル検出装置、像振れ補正装置、距離検出装置、およびカメラ

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Publication number
JP2003244479A
JP2003244479A JP2002036557A JP2002036557A JP2003244479A JP 2003244479 A JP2003244479 A JP 2003244479A JP 2002036557 A JP2002036557 A JP 2002036557A JP 2002036557 A JP2002036557 A JP 2002036557A JP 2003244479 A JP2003244479 A JP 2003244479A
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JP
Japan
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motion vector
image
images
detecting
value
Prior art date
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Pending
Application number
JP2002036557A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuki Konishi
一樹 小西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
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Publication of JP2003244479A publication Critical patent/JP2003244479A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速かつ正確に動きベクトルを検出すること
ができる動きベクトル検出装置を提供する。 【解決手段】 1フレーム前の画像と現在の画像の複数
の二像の相関関係を基に動きベクトルを検出する動きベ
クトル検出装置において、前記複数の二像の相関関係を
異なる複数の演算式を用いて求め、前記動きベクトルを
検出する(#404)。前記動きベクトルを検出する際
に用いる第1の演算式は、前記二像の像一致度を所定画
素毎の像信号を用いて求め、その最小値を検出する演算
内容を有するものであり、第2の演算式は、前記第1の
演算式により検出された最小値付近の二像の複数の像信
号を用いて補間演算を行い、前記動きベクトルを検出す
る演算内容を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、時系列に得られる
二像の相関関係を基に動きベクトルを検出する動きベク
トル検出装置や、該動きベクトル検出装置を有する像振
れ補正装置、距離検出装置、さらにはカメラの改良に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】イメージセンサを用いて像振れ(像揺
れ)を検出する装置に関する従来の提案としては、特開
平5−292385号などがある。
【0003】上記特開平5−292385号は、メモリ
を増大させることなく、撮影倍率の変化に対応した動き
ベクトルの検出を高速かつ高精度に行う動きベクトル検
出装置を提供することを目的としており、これを実現す
る為の構成として、第一のフィールド画像に複数のブロ
ックからなる所定領域を定め、この各ブロック内に形成
される代表点を記憶する代表点メモリと第二フィールド
画像に前記ブロックと等しいか又はそれ以上である相関
演算領域を設定する相関検出範囲設定回路と、前記相関
演算のパラメータTを設定するパラメータ設定回路と、
前記パラメータTに応じて所定代表点に対して前記相関
検出領域のT画素毎の画像信号との相関値を記憶する相
関値メモリと、前記相関値メモリに記憶された相関値の
最小値を動きベクトルとして検出する最小値検出器と、
前記最小値付近の複数の画素信号を用いて前記動きベク
トルに補間演算を行い、補間された動きベクトルを検出
する補間演算器とからなる動きベクトル検出装置として
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述従来
例では、パラメータ設定回路で設定された相関演算のパ
ラメータTに応じて所定代表点に対してT画素毎の画像
信号との相関演算を行い、その最小値を検出したのち、
最小値付近の複数の画素信号を用いて補間演算を行い、
動きベクトルを検出している。この補間演算は、最小値
付近において相関演算値は勾配の等しい二つの一次関数
で近似できると仮定し、その両者の交点を補間演算され
た最小点、すなわち補間演算後の動きベクトルとして検
出している。
【0005】このため、動きベクトルの検出を高速にす
るためにパラメータTを大きくとると、検出された最小
値付近での相関演算値を一次関数近似するために補間演
算の誤差が大きくなり、正確な動きベクトルを検出でき
ないという欠点があった。
【0006】(発明の目的)本発明の第1の目的は、高
速かつ正確に動きベクトルを検出することのできる動き
ベクトル検出装置を提供しようとするものである。
【0007】本発明の第2の目的は、高速かつ正確に動
きベクトルを検出し、精度の良い像振れ補正を迅速に行
うことのできる像振れ補正装置を提供しようとするもの
である。
【0008】本発明の第3の目的は、高速かつ正確に動
きベクトルを検出し、精度の良い距離に関する情報の検
出を迅速に行うことのできる距離検出装置を提供しよう
とするものである。
【0009】本発明の第4の目的は、高速かつ正確に動
きベクトルを検出し、精度の良い像振れ補正や距離に関
する情報の検出を迅速に行うことのできるカメラを提供
しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1〜4に記載の発明は、1フレーム前
の画像と現在の画像の複数の二像の相関関係を基に動き
ベクトルを検出する動きベクトル検出装置において、前
記複数の二像の相関関係を異なる複数の演算式を用いて
求め、前記動きベクトルを検出する動きベクトル検出装
置とするものである。
【0011】上記構成においては、前記動きベクトルを
検出する際に用いる第1の演算式は、前記二像の像一致
度を所定画素毎の像信号を用いて求め、その最小値を検
出する第1の演算式と、該第1の演算式により検出され
た最小値付近の二像の複数の像信号を用いて補間演算を
行う第2の演算式を用い、前記動きベクトルを検出する
ようにしている。
【0012】詳しくは、前記第2の演算式は、前記二像
のうち一方の像の信号を所定画素分所定方向にシフトし
たうえで二像の小さい方の値を選択しその和を求めた結
果と、もう一方の像の信号を所定画素分所定方向にシフ
トしたうえで二像の信号の小さい方の値を選択しその和
を求めた結果との差を求め、相関演算を行う演算内容を
有するもの、もしくは、前記二像のうち一方の像の信号
を所定画素分所定方向にシフトしたうえで二像の大きい
方の値を選択しその和を求めた結果と、もう一方の像の
信号を所定画素分所定方向にシフトしたうえで二像の信
号の大きい方の値を選択しその和を求めた結果との差を
求め、相関演算を行う演算内容を有するものである。
【0013】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載
の動きベクトル検出装置と、該動きベクトル検出装置に
て検出される動きベクトルより像振れ量を検出し、前記
像振れを補正する像振れ補正手段とを有する像振れ補正
装置とするものである。
【0014】また、上記第3の目的を達成するために、
請求項6に記載の発明は、請求項1〜4の何れかに記載
の動きベクトル検出装置と、該動きベクトル検出装置に
て検出される動きベクトルより物体までの距離に関する
情報を算出する距離検出手段とを有する距離検出装置と
するものである。
【0015】また、上記第4の目的を達成するために、
請求項7に記載の発明は、請求項5に記載の像振れ補正
装置と請求項6に記載の距離検出装置の、少なくとも一
方の装置を具備したカメラとするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図示の実施の形態
に基づいて詳細に説明する。
【0017】図1は本発明の実施の第1の形態に係るカ
メラの要部構成を示すブロック図であり、同図におい
て、1はMPU(マイクロプロセッシングユニット)、
2はメモリー、3はEEPROM、4は後述のイメージ
センサに画像を形成するための受光レンズ、5は像振れ
を検出するためのイメージセンサ、6はイメージセンサ
5の出力を増幅する増幅回路、7はピッチ方向に後述す
る補正レンズを駆動するための補正レンズ駆動装置、8
はヨー方向に後述する補正レンズを駆動するための補正
レンズ駆動装置、9は像振れを補正するための補正レン
ズである。
【0018】図1において、イメージセンサ5の出力は
増幅回路6を介してMPU1のA/D変換入力端子に接
続されている。また、イメージセンサ5は自身の駆動回
路機能を内蔵している。
【0019】この実施の形態においては、イメージセン
サ5上に形成された画像の水平方向・垂直方向の射影信
号を該イメージセンサ5における画像処理機能を用いて
算出し、この射影信号をMPU1のDMA(Direct Mem
ory Access)機能(MPUを介さずに直接A/D変換端
子などから入力したデータをメモリーに、又はメモリー
からD/A変換端子などに出力データを転送する機能)
を用いてA/D変換端子からメモリー2に転送し、メモ
リーに転送されたデータから動きベクトルを求めること
によって像振れを検出し、これを基に像振れを補正する
方向に補正レンズ9を駆動する事で、像振れを補正して
いる。
【0020】像振れ補正のシーケンスを図2〜図4に、
そのタイミングチャートを図5に、イメージセンサ5の
構成の概略を図6に、それぞれ示す。
【0021】図6において、501はイメージゾーン、
502は画像処理回路、503はメモリーゾーン、50
4はメモリーゾーン503に記憶された画像処理をして
いない信号を読み出す際に用いる読み出し用のシフトレ
ジスタ、505は画像処理回路502で求められた射影
信号を記憶するメモリー、506は画像処理回路502
で求められた水平方向の射影信号を読み出す際に用いる
読み出し用のシフトレジスタ、507は画像処理回路5
02で求められた垂直方向の射影信号を読み出す際に用
いる読み出し用のシフトレジスタ、508は読み出す信
号を選択するための切換えスイッチ、510は増幅器、
520はイメージセンサのドライバーである。
【0022】カメラの動作シーケンスの説明に先立ち、
イメージセンサ5の射影信号算出機能について説明す
る。
【0023】図6に示すように、イメージセンサ5の画
面を水平・垂直方向に各々4分割した場合を例に説明す
る。
【0024】水平方向の射影信号は、イメージセンサ5
の画面を4分割した水平方向に長い短冊状の領域におい
て該イメージセンサ5における画像処理機能を用いて求
められる。同様に垂直方向の射影信号は、イメージセン
サ5の画面を4分割した垂直方向に長い短冊状の領域に
おいて該イメージセンサ5における画像処理機能を用い
て求められる。すなわち、水平方向の射影信号を求める
領域と垂直方向の射影信号を求める領域はその一部が重
なる異なる領域となる。それぞれ四角い枠で囲った部分
が一番目の射影信号を求める際の領域となる。水平方向
の射影信号は、領域内の水平方向位置の等しい各画素の
輝度を垂直方向に足し合わせたものである。
【0025】また、垂直方向の射影信号は、領域内の垂
直方向位置の等しい各画素の輝度を水平方向に足し合わ
せたものである。イメージセンサ5の画像処理回路50
2ではこの足し合わせの演算を行う。この足し合わせの
演算はMPU1から送られる転送パルスに同期して行わ
れる。そしてその結果はメモリー505の所定の領域
に、MPU1から送られる転送パルスに同期して記憶さ
れる。
【0026】例えば、100×100画素のセンサを水
平・垂直に各々4分割した場合を考える。水平方向の1
列目にある25画素(1行目から25行目)の信号を足
し合わせ、第一の領域の水平方向の射影信号の1番目の
値を求める。同様に2列目以降の25画素(1行目から
25行目)の信号を足し合わせ、第一の領域の水平方向
の射影信号の2番目以降の値を求める。この様にして第
一の領域の水平方向の射影信号を求める。
【0027】次いで、水平方向の1列目にある26行目
から50行目の25画素の信号を足し合わせ、第二の領
域の水平方向の射影信号の1番目の値を求める。同様
に、2列目以降にある26行目から50行目の25画素
の信号を足し合わせ、第二の領域の水平方向の射影信号
の2番目以降の値を求める。この様にして第二の領域の
水平方向の射影信号を求める。同様にして、51行目か
ら75行目の25画素の信号を足し合わせ、第三の領域
の水平方向の射影信号を、76行目から100行目の2
5画素の信号を足し合わせ、第四の領域の水平方向の射
影信号を求める。
【0028】また、垂直方向の1行目にある25画素
(1列目から25列目)の信号を足し合わせ、第一の領
域の垂直方向の射影信号の1番目の値を求める。同様
に、2行目以降の25画素(1列目から25列目)の信
号を足し合わせ、第一の領域の垂直方向の射影信号の2
番目以降の値を求める。この様にして第一の領域の垂直
方向の射影信号を求める。
【0029】同様にして、26列目から50列目の25
画素の信号を足し合わせ、第二の領域の垂直方向の射影
信号を、51列目から75列目の25画素の信号を足し
合わせ、第三の領域の垂直方向の射影信号を、76列目
から100列目の25画素の信号を足し合わせ第四の領
域の垂直方向の射影信号を求める。
【0030】以上のようにして、水平方向・垂直方向に
分割された各々の領域の射影信号を求める。
【0031】次に、図2〜図3及び図5を用いて説明す
る。
【0032】カメラのメインスイッチがオンするなどし
て、カメラのメインシーケンスが開始されると、MPU
1は初期処理の一連の動作の中でEEPROM3から各
種のパラメータを読み込み、メモリー2の所定のアドレ
スに格納する(図2の#101)。そして、スイッチS
W1がオンされるなどして防振システムの一連の動作を
撮影者が開始させる状態にしたなら(ISスタート、但
し振れ補正は未だ行っていない)、処理で用いる変数の
初期化、AGCなどの処理を行う(#102→#103
→#104)。
【0033】AGCは、像振れを検出するイメージセン
サ5の蓄積時間、増幅回路6の増幅率を決定するための
処理である。比較的短い一定時間、イメージセンサ5の
蓄積を行い、それにより形成された画像の射影信号をイ
メージセンサ5における画像処理機能を用いて算出し、
この射影信号をMPU1のA/D変換端子から読み込
み、その平均値を求める。この際に用いる射影信号は水
平もしくは垂直方向の射影信号のうちどちらか一方を用
いれば良い。4つの領域の射影信号をMPU1のA/D
変換端子から読み込み、全ての信号値の平均値を求め
る。そして、その値からイメージセンサ5の蓄積時間、
増幅回路6の増幅率を決定する。その決定はあらかじめ
求められたテーブルを参照することにより行われる。な
お、このテーブルはEEPROM3に記憶されており、
初期化の際にメモリー2に転送されている。また、ここ
で決定される本蓄積(像振れを検出する信号を得るため
の蓄積)の最長時間は10msec程度が望ましい。
【0034】その後、MPU1は本蓄積終了のタイミン
グを得るための第一のタイマを起動し、本蓄積(像振れ
を検出するための信号を得るための蓄積)を開始する
(#105→#106)。本蓄積は、イメージセンサ5
のイメージゾーン501の電荷をメモリーゾーン503
へ転送することによってクリアすることにより開始され
る。前記第一のタイマは、図5に示す様に、一定時間経
過時に割り込みを発生するものであり、この一定時間が
蓄積時間である。また、次回以降の本蓄積開始タイミン
グを得るための第二のタイマも同時に起動する(図5参
照)。この第二のタイマも起動後は所定時間毎に割り込
みを生じるものである。MPU1はこの所定時間毎の割
り込みが生じる度に本蓄積を開始することになる(#1
06)。この所定時間は像振れ補正の能力を左右するも
のであるが、蓄積時間などとの関係から通常は数10ms
ec程度となる。
【0035】次に、図3を用いて、第一のタイマ割り込
み時の動作について説明する。
【0036】MPU1は、上記第一のタイマによる割り
込みが発生したならば蓄積終了の処理を行う。これはイ
メージセンサ5のイメージゾーン501からメモリーゾ
ーン503へ電荷を転送することによって行われる。ま
た、この転送の際にイメージセンサ5上に形成された画
像の各々の領域における水平方向・垂直方向の射影信号
をイメージセンサ5における画像処理機能を用いて算出
し、該イメージセンサ5の射影信号用のメモリー505
に記憶する(#301)。
【0037】MPU1はイメージセンサ5に対して与え
る指示信号により、メモリーゾーン503に転送された
画像そのものを読み出すか、メモリー505に記憶され
た射影信号を読み出すかを切換えスイッチ508にて選
択できるが、ここでは射影信号を読み出すようにイメー
ジセンサ5に指示を与える(#302)。それと同時に
DMAを行うための設定を行う(#303)。この設定
が終了したならば、MPU1はイメージセンサ5に内蔵
されたドライバー520に対して読み出しパルスを出力
する(#304)。
【0038】今、イメージセンサ5は射影信号読み出し
の状態に設定されているので、読み出しパルスが入力さ
れる度に、まず水平方向の4つの領域の射影信号を出力
する。次いで、垂直方向の4つの領域の射影信号を出力
する。MPU1は読み出しパルスに同期してA/D変換
を行い、その結果をDMA転送により図1のメモリー2
に格納する。
【0039】次いで、第二のタイマによる割り込みが発
生した場合について、図4のフローチャートを用いて説
明する。
【0040】第二のタイマによる割り込みが発生したな
らば、MPU1は一定時間を計時する第一のタイマを起
動し(#401)、本蓄積(像振れを検出する信号を得
るための蓄積)を開始する(#402)とともに、動き
ベクトルを求める演算処理を行う(#403〜#40
5)。但し、今回は一度目の第二のタイマによる割り込
みであるため、動きベクトルを求める際の相関演算の対
象となる1フレーム前の射影信号のデータが無いので、
ここでは現在メモリー2に格納されているデータを相関
演算の対象データを格納するエリアに転送するなどの処
理(#403→#405)のみを行い、相関演算は行わ
ない。
【0041】この相関演算に用いる対象データを格納す
るエリアへの転送は次の様に行われる。相関演算は水平
・垂直に各々4分割された16の領域について行い、相
関演算の対象となるのは、16分割された領域の現在の
データの中央の一部であるので、その中央部分の射影信
号のデータのみを相関演算の対象データを格納するエリ
アへ転送する。
【0042】例えば、100×100画素のセンサを用
いていた場合は、各々の領域の射影信号として25画素
分のデータがあるので、その中央部分の13画素、それ
ぞれの領域の7画素目から19画素目までが相関演算の
対象データとなる。よって、この中央部分の射影信号の
データのみを相関演算の対象データを格納するエリアへ
転送する。この転送動作を16個の領域について行う。
【0043】そして再び第一のタイマからの割り込みが
発生したならば、前回と同一の処理を行う。
【0044】つまり、図3に示すように、まずは蓄積終
了の処理を行う。具体的には、イメージセンサ5のイメ
ージゾーン501からメモリーゾーン503へ電荷を転
送し、この転送の際にイメージセンサ5上に形成された
画像の各々の領域の水平・垂直方向の射影信号をイメー
ジセンサ5における画像処理機能を用いて算出し、イメ
ージセンサ5の射影信号用のメモリー505に各々記憶
する。MPU1はイメージセンサ5に対して射影信号を
読み出すように指示を与える。それと同時にDMAを行
うための設定を行う。この設定が終了したならば、MP
U1はイメージセンサ5に内蔵されたドライバーに対し
て読み出しパルスを出力する。今、イメージセンサ5は
射影信号読み出しの状態に設定されているので、読み出
しパルスが入力される毎に、各々の領域の水平垂直方向
の射影信号を出力する。MPU1は読み出しパルスに同
期してA/D変換を行い、その結果をDMA転送により
メモリー2に格納する。
【0045】さらに、第二のタイマによる割り込みが発
生したならば、図4に示したように、MPU1は第一の
タイマを起動し、本蓄積(像振れを検出するための信号
を得るための蓄積)を開始するとともに、動きベクトル
を求める演算処理を行う。
【0046】今回の動きベクトルの算出は、相関演算の
対象となる1フレーム前の射影信号データと現在の射影
信号データの相関値を演算し、その値が最小となる点を
見つけることで行われる(図4の#403→#40
4)。本実施の形態における相関演算は、二つの相関演
算方法を組み合わせている。
【0047】まず、像一致度Cvkを、次式により求め
る。
【0048】
【数式1】 d[k+j]は現フレームの射影信号 pd[j]は1フレーム前の射影信号 すなわちN(=動きベクトルを求める際のパラメータに
相当する)画素づつずらしながら、上記の式(1)を用
いて像一致度Cvkを計算し、それが最小となるkを求
める。ここではNは、粗く動きベクトルを求めて大まか
な値を知る為に、2〜3画素程度を想定しているが、全
体の画素数、要求される演算時間、演算器の能力などに
よって決定されるため、この画素数に限定されるもので
はない。
【0049】さらに補間演算を行い、N画素以下の分解
能で相関値が最小となる点を求める。この方法を以下に
示す。
【0050】ここでは複数の二像の相関度を求めるもう
一つの演算方法(上記式(1)で大まかに求めた値を細
く相関演算する方法)として、「一方の像の信号を所定
画素分所定方向にシフトしたうえで二像の信号の小さい
方の値を選択しその和を求めた結果と、もう一方の像の
信号を所定画素分所定方向にシフトしたうえで二像の信
号の小さい方の値を選択しその和を求めた結果との差を
求める演算」を用いる。また、所定画素は1画素、所定
方向は右方向(+方向)とする。
【0051】今、上記の式1において、k=pで像一致
度Cvkが最小になったならば、補間演算はp−2Nか
らp+2Nの範囲で行う。そして二像のうち一方の像を
1画素分右にシフトしたうえで二像のうち小さい値を選
択しその和を求めた結果と、もう一方の像を1画素分右
にシフトしたうえで二像のうち小さい値を選択しその和
を求めた結果との差Ukを求める。
【0052】Ukを式に表わすと、以下のようになる。
【0053】
【数式2】 但し、min(A, B) は、A,Bのうち、小さい方を選択
する演算である。
【0054】k=p−2Nからkを1画素づつずらしな
がら、k=p+2Nまで、上記の式(2)を用いて相関
値Ukを計算し、相関値Ukの符号が逆転するkを求め
る。k=qとk=q+1の間でUkの符号が逆転したと
すると、最小点δはqとq+1の間に存在することにな
る。図7に示すような直線補間を考えると、 δ=q+|Uq |/(|Uq |+|U[q+1] |) ………(3) となる。このδを、動きベクトルとする。
【0055】もしも像一致度を表わす式(1)において
求まった最小値付近(p−2Nからp+2N)で、上記
式(2)の符号が逆転する点が求まらない場合は、式
(1)において二番目にその値が小さな点の付近におい
て、上記式(2)の符号が逆転する点を求める。それで
も符号が逆転する点が求まらない場合は、三番目、四番
目に式(1)の値の小さな点を用いるが、あまり多くの
点を用いることは高速化の主旨に反するので、センサの
画素数にもよるが、五番目くらいまでにとどめる。最小
値の次に式(1)に示す像一致度の値の小さな点は、最
小値から2N画素以上離れた範囲で求める。
【0056】例えば、100×100画素のセンサを水
平・垂直に各々4分割している場合は、射影信号として
100画素分のデータがあり、相関演算の対象データと
して13画素のデータがある。よって、jの範囲はそれ
ぞれ、j=−6からj=6となる。また、kの範囲は各
領域で異なり、左側の領域からそれぞれ、k=−6から
k=81まで、k=−31からk=56まで、k=−5
6からk=31まで、k=−81からk=6までとな
る。
【0057】以下に、図8を用いて詳述する。
【0058】各領域の画素数は25画素であるので、下
式を用いる相関値を求める相関演算
【0059】
【数式3】 は、その中央の13画素を相関演算の対象として用い
る。図8に示すように、13画素の中央の座標を0とす
ると、中央13画素の部分の座標は−6から6となる。
和をとるのはこの13画素の部分なので、上記式におけ
るjの範囲は「−6〜6」となる。一方、相関演算はN
画素づつずらしながら相関値を演算していき、その値が
最小値となるもの(上式においては最小の相関値を得た
時のk)を求める。従って、13画素の中央の座標を0
とすると、100画素それぞれの座標は−12から87
になる。よって、相関演算の対象となる中央の13画素
を一番左にずらすには、左に6画素ずらせば良いことに
なる。これは、符号を考えると−6画素(=−12−
(−6)画素)ずらすことになる。
【0060】同様に、一番右にずらすには、右に81画
素ずらせば良いことになる。これは、符号を考えると8
1画素(=87−6画素)ずらすことになる。よって、
kの範囲は「−6〜81」になる。同様に左から2番目
の25画素のエリアに関しては、13画素の部分の中央
の座標を0にすると、中央13画素の部分の座標は−6
から6となり、和をとるのはこの13画素の部分なの
で、上記式(1)におけるjの範囲は「−6〜6」とな
る。100画素それぞれの座標は−37から62になる
ので、相関演算の対象となる中央の13画素を一番左に
ずらすには、−31画素(=−37−(−6)画素)ず
らすことになる。同様に一番右にずらすには、56画素
(=62−6画素)ずらすことになり、kの範囲は「−
31〜56」になる。同様に3番目、4番目のエリアに
関しても求めると、jの範囲は「−6〜6」となる。そ
して、kの範囲は、3番目のエリアが「−56〜3
1」、4番目のエリアが「−81〜6」となる。
【0061】但し、これでは相関演算の計算量が多いの
で、kの範囲は狭くしても構わない。またこの値は相関
演算の間引きを表す画素数Nによっても変化する。
【0062】よって、一番左側の領域は、まずk=−6
として、jを−6から+1しながら相関値を計算し、メ
モリーに記憶する。次いで、k=−6+Nとし、像一致
度Cvkを上記式(1)により計算し、その値をメモリ
ーに記憶する。同様にして、k=81まで像一致度Cv
kを計算してメモリーに記憶する。全ての相関値が計算
されたら、その値を比較し、最小になる座標kを求め
る。
【0063】さらに補間演算を行い、1画素以下の分解
能で相関値が最小となる点を求める。
【0064】補間演算は、前述したようにk=pにおい
て像一致度が最小になった場合は、p−2Nからp+2
Nの範囲で行なわれる。k=p−2Nからkを1画素づ
つずらしながら、k=p+2Nまで、上記の式(2)を
用いて相関値Ukを計算し、Ukの符号が逆転するkを
求める。k=qとk=q+1の間でUkの符号が逆転し
たとすると最小点δは、 δ=q+|Uq |/(|Uq |+|Uq+1 |) となる。このδを、動きベクトルとする。
【0065】上記の処理を水平方向、垂直方向に関して
行い、各々の領域の水平方向の動きベクトル、垂直方向
の動きベクトルを求める。この処理を全ての領域につい
て行い、16個の領域の水平方向の動きベクトル、垂直
方向の動きベクトルを求める。
【0066】全ての領域の水平方向、垂直方向の動きベ
クトルが求まったならば、その平均を求め、全体の水平
方向、垂直方向の動きベクトルを求める。
【0067】次いで、MPU1は動きベクトルから補正
レンズ9の駆動位置を求め、その位置に駆動することに
より、像振れを補正する。
【0068】本実施の形態では、ムービングマグネット
(MM)を用いたコイルに流す電流に比例した位置に補
正レンズ9が移動する駆動装置を用いている(#40
4)。
【0069】MPU1は水平方向の振れ量に相当する動
きベクトルからコイルに与える電流値を求める。今はコ
イルに流す電流はアナログ量として与えるのではなく、
PWM(パルス幅変調)したものとディジタル量として
与えるようにしている。これは、MPU1を用いて電流
を制御する際は、コスト的に有利であるなどの理由によ
る。よって、水平方向の動きベクトルの値からPWMの
デュティーを求めるテーブルを用意しておき、MPU1
は水平方向の動きベクトルの値から該当するPWMのデ
ュティーの値が格納されているメモリーのアドレスを求
め、その値を読み込むことでPWMのデュティーを設定
する。なお、このテーブルはEEPROMに設定してお
くことが望ましい。
【0070】このようにしてPWMの周期、デュティー
が求まったならばMPU1は所定のレジスタにこの値を
設定する。これにより、PWMされた駆動信号が補正レ
ンズ駆動装置7に与えられる。駆動信号を与えられた補
正レンズ駆動装置7は、与えられた信号に比例する電流
値をコイルに流し、補正レンズを水平方向の所定位置に
駆動する。すなわち、次の駆動信号が与えられるまで
は、いま与えられた駆動信号に従って補正レンズ9を所
定位置に保持する。
【0071】次いで、MPU1は垂直方向の動きベクト
ルから補正レンズ9の駆動位置を求める。
【0072】MPU1は垂直方向の振れ量に相当する動
きベクトルの値からコイルに与える電流値を求める。水
平方向と同様に、MPU1は垂直方向の動きベクトルの
値から該当するPWMのデュティーの値が格納されてい
るメモリーのアドレスと求め、その値を読み込むことで
PWMのデュティーを設定する。なお、このテーブルは
EEPROMに設定しておくことが望ましい。
【0073】このようにしてPWMの周期、デュティー
が求まったならば、MPU1は所定のレジスタにこの値
を設定する。これにより、PWMされた駆動信号が補正
レンズ駆動装置8に与えられる。駆動信号を与えられた
補正レンズ駆動装置8は、与えられた信号に比例する電
流値をコイルに流し、補正レンズ9を水平方向の所定位
置に駆動する。
【0074】そして、この処理の最後に現在メモリーに
格納されているデータを相関演算の対象データを格納す
るエリアに転送する(#405)。この相関演算の対象
データを格納するエリアへの転送は上述の様に行われ
る。相関演算の対象となるのは、各々の領域のデータの
中央部の一部である。例えば、上述したように、各々の
領域の射影信号として25画素分のデータがあれば、そ
の中央部分の13画素、7画素目から19画素目までが
相関演算の対象データとなる。よって、この中央部分の
射影信号のデータのみを相関演算の対象データを格納す
るエリアへ転送する。
【0075】そして、再び第二のタイマーによる割り込
みが発生したならば、MPU1は第一のタイマーを起動
し、本蓄積(像振れを検出するための信号を得るための
蓄積)を開始する。
【0076】以下、同様の処理を繰り返す。
【0077】上記実施の第1の形態によれば、1フレー
ム前の画像と、現在の画像から動きベクトルを求める際
に、まず二像の像一致度をN画素毎の画像信号を用いて
求めてその最小値を検出し、その後、この最小値付近の
複数の画素信号を用いて、二像のうち一方の像を1画素
分右にシフトしたうえで二像のうち小さい値を選択して
その和を求めた結果と、もう一方の像を1画素分右にシ
フトしたうえで二像のうち小さい値を選択してその和を
求めた結果との差を求める相関演算を用いて補間演算を
行い、動きベクトルを検出するようにしているので、イ
メージセンサーを用いた像振れ防止システムにおいて、
高速かつ正確に動きベクトルを検出し、像振れを補正す
ることが可能になった。
【0078】更に詳しく述べると、動きベクトルを検出
する際のパラメータは、上記実施の形態では、式(1)
における像一致度Cvkを計算する際に用いるNに相当
し、該N画素づつずらしながら上記式(1)を計算して
いる。式(3)においても一次関数補間(直線補間)を
用いているが、しかしこの補間は隣接するポイントでの
値を行っている。上記の例では、k=qとk=q+1の
間でUkの符号が逆転したとして、動きベクトルδを補
間演算で求めている。
【0079】上記実施の形態では、式(1)においてパ
ラメータを大きくし、粗く動きベクトルを求め大まかな
値を知り、式(2)では細かく相関演算を行い、式
(3)で補間して動きベクトルを求めている。
【0080】上記式(1)の相関演算方式は、一次関数
近似での補間演算の際の誤差が大きくなるが、粗く演算
を行ってもN画素単位の動きベクトルを求める際の間違
えはほとんどない。一方、式(2)の相関演算方式は一
次関数近似で誤差は小さくなるが、補間演算式(3)に
適応するqを求める際の間違いが生じることが起き易い
欠点がある。背景が複雑で輝度が細かく変化するような
場合は、予期せぬ場所で式(2)のUkの符号が反転
し、式(3)に用いるqが複数発生する。これはパラメ
ータNを大きくすると顕著になる。よって、高速化する
ためにNを大きくし、粗く動くベクトル検出を行うと、
式(1)なら大まかではあっても正しい値を得ることが
できる。式(2)は正しい値を得ることは難しいが、画
素以下の細かい値を求めるのは該式(2)の方が有利で
ある。
【0081】そこで、本実施の第1の形態では、式
(1)の方法で式(2)の演算を行う範囲を狭め、つま
り式(1)によって求められた範囲で式(2)の演算を
行い、その後、式(3)に適応するqを求めるようにし
ている。これにより、式(3)に適応するqは正しいq
のみが求められることになり、従来例(特開平5−29
2385号)と異なり、動きベクトルの検出を高速にす
るためにパラメータを大きくしても補間演算の誤差は生
じず、高速で正確な動きベクトルの検出を行うことが可
能となる。
【0082】(実施の第2の形態)次に、本発明の実施
の第2の形態に係るカメラについて説明する。
【0083】なお、カメラの回路構成は上記図1や図6
と同様であり、又基本的な動作の流れは、上記実施の第
1の形態と同様であるので、上記図2〜図3及び図5を
用いて主要部分の動作説明を行う。上記実施の第1の形
態と異なるのは、上記式(2)が以下の式(4)に変更
される点である。
【0084】カメラのメインスイッチがオンするなどし
て、カメラのメインシーケンスが開始されると、MPU
1は初期処理の一連の動作の中でEEPROM3から各
種のパラメータを読み込み、メモリー2の所定のアドレ
スに格納する(図2の#101)。そして、スイッチS
W1がオンされるなどして防振システムの一連の動作を
撮影者が開始させる状態にしたなら(ISスタート、但
し振れ補正は未だ行っていない)、処理で用いる変数の
初期化、AGCなどの処理を行う(#102→#103
→#104)。
【0085】その後、MPU1は本蓄積終了のタイミン
グを得るための第一のタイマを起動し、本蓄積(像振れ
を検出するための信号を得るための蓄積)を開始する
(#105→#106)。前記第一のタイマは、図5に
示す様に、一定時間経過時に割り込みを発生するもので
あり、この一定時間が蓄積時間である。また、次回以降
の本蓄積開始タイミングを得るための第二のタイマも同
時に起動する(図5参照)。この第二のタイマも起動後
は所定時間毎に割り込みを生じるものである。MPU1
はこの所定時間毎の割り込みが生じる度に本蓄積を開始
することになる。
【0086】次にMPU1は、上記第一のタイマによる
割り込みが発生したならば蓄積終了の処理を行う。ま
た、この転送の際にイメージセンサ5上に形成された画
像の各々の領域における水平方向・垂直方向の射影信号
をイメージセンサ5における画像処理機能を用いて算出
し、該イメージセンサ5の射影信号用のメモリー505
に記憶する(図3の#301)。
【0087】そして、MPU1はイメージセンサ5に対
して与える指示信号により、メモリーゾーン503に転
送された画像そのものを読み出すか、メモリー505に
記憶された射影信号を読み出すかを切換えスイッチ50
8にて選択できるが、ここでは射影信号を読み出すよう
にイメージセンサ5に指示を与える(#302)。それ
と同時にDMAを行うための設定を行う(#303)。
この設定が終了したならば、MPU1はイメージセンサ
5に内蔵されたドライバー520に対して読み出しパル
スを出力する(#304)。
【0088】今、イメージセンサ5は射影信号読み出し
の状態に設定されているので、読み出しパルスが入力さ
れる度に、まず水平方向の4つの領域の射影信号を出力
する。次いで、垂直方向の4つの領域の射影信号を出力
する。MPU1は読み出しパルスに同期してA/D変換
を行い、その結果をDMA転送により図1のメモリー2
に格納する。
【0089】次いで、第二のタイマによる割り込みが発
生したならば、MPU1は一定時間を計時する第一のタ
イマを起動し(図4の#401)、本蓄積(像振れを検
出する信号を得るための蓄積)を開始する(#402)
とともに、動きベクトルを求める演算処理を行う(#4
03〜#405)。但し、今回は一度目の第二のタイマ
による割り込みであるため、動きベクトルを求める際の
相関演算の対象となる1フレーム前の射影信号のデータ
が無いので、ここでは現在メモリー2に格納されている
データを相関演算の対象データを格納するエリアに転送
するなどの処理(#403→#405)のみを行い、相
関演算は行わない。
【0090】そして再び第一のタイマからの割り込みが
発生したならば、前回と同一の処理を行う。つまり、図
3に示すように、まずは蓄積終了の処理を行う。そし
て、MPU1はイメージセンサ5に対して射影信号を読
み出すように指示を与える。それと同時にDMAを行う
ための設定を行う。この設定が終了したならば、MPU
1はイメージセンサ5に内蔵されたドライバーに対して
読み出しパルスを出力する。今、イメージセンサ5は射
影信号読み出しの状態に設定されているので、読み出し
パルスが入力される毎に、各々の領域の水平垂直方向の
射影信号を出力する。MPU1は読み出しパルスに同期
してA/D変換を行い、その結果をDMA転送によりメ
モリー2に格納する。
【0091】さらに、第二のタイマによる割り込みが発
生したならば、図4に示したように、MPU1は第一の
タイマを起動し、本蓄積(像振れを検出するための信号
を得るための蓄積)を開始するとともに、動きベクトル
を求める演算処理を行う。
【0092】今回の動きベクトルの算出は、相関演算の
対象となる1フレーム前の射影信号データと現在の射影
信号データの相関値を演算し、その値が最小となる点を
見つけることで行われる(図4の#403→#40
4)。本実施の形態における相関演算は、二つの相関演
算方法を組み合わせている。
【0093】まず、像一致度Cvkを、次式により求め
る。
【0094】
【数式4】 d[k+j]は現フレームの射影信号 pd[j]は1フレーム前の射影信号 すなわちN画素づつずらしながら、上記の式(1)を用
いて像一致度Cvkを計算し、それが最小となるkを求
める。ここではNは、粗く動きベクトルを求めて大まか
な値を知る為に、2〜3画素程度を想定しているが、全
体の画素数、要求される演算時間、演算器の能力などに
よって決定されるため、この画素数に限定されるもので
はない。
【0095】さらに補間演算を行い、N画素以下の分解
能で相関値が最小となる点を求める。この方法を以下に
示す。
【0096】ここでは複数の二像の相関度を求めるもう
一つの演算方法(上記式(1)で大まかに求めた値を細
く相関演算する方法)として、「一方の像の信号を所定
画素分所定方向にシフトしたうえで二像の信号の大きい
方の値を選択しその和を求めた結果と、もう一方の像の
信号を所定画素分所定方向にシフトしたうえで二像の信
号の大きい方の値を選択しその和を求めた結果との差を
求める演算」を用いる。また、所定画素は1画素、所定
方向は右方向(+方向)とする。
【0097】今、上記の式1において、k=pで像一致
度Cvkが最小になったならば、補間演算はp−2Nか
らp+2Nの範囲で行う。そして二像のうち一方の像を
1画素分右にシフトしたうえで二像のうち大きい値を選
択しその和を求めた結果と、もう一方の像を1画素分右
にシフトしたうえで二像のうち大きい値を選択しその和
を求めた結果との差Ukを求める。
【0098】Ukを式に表わすと、以下のようになる。
【0099】
【数式5】 但し、max(A, B) は、A,Bのうち、大きい方を選択
する演算である。
【0100】k=p−2Nからkを1画素づつずらしな
がら、k=p+2Nまで、上記の式(2)を用いて相関
値Ukを計算し、相関値Ukの符号が逆転するkを求め
る。k=qとk=q+1の間でUkの符号が逆転したと
すると、最小点δはqとq+1の間に存在することにな
る。図7に示すような直線補間を考えると、 δ=q+|Uq |/(|Uq |+|U[q+1] |) ………(3) となる。このδを、動きベクトルとする。
【0101】もしも像一致度を表わす式(1)において
求まった最小値付近(p−2Nからp+2N)で、上記
式(2)の符号が逆転する点が求まらない場合は、式
(1)において二番目にその値が小さな点の付近におい
て、上記式(2)の符号が逆転する点を求める。それで
も符号が逆転する点が求まらない場合は、三番目、四番
目に式(1)の値の小さな点を用いるが、あまり多くの
点を用いることは高速化の主旨に反するので、センサの
画素数にもよるが、五番目くらいまでにとどめる。最小
値の次に式(1)に示す像一致度の値の小さな点は、最
小値から2N画素以上離れた範囲で求める。
【0102】例えば、100×100画素のセンサを水
平・垂直に各々4分割している場合は、射影信号として
100画素分のデータがあり、相関演算の対象データと
して13画素のデータがある。よって、jの範囲はそれ
ぞれ、j=−6からj=6となる。また、kの範囲は各
領域で異なり、左側の領域からそれぞれ、k=−6から
k=81まで、k=−31からk=56まで、k=−5
6からk=31まで、k=−81からk=6までとな
る。
【0103】但し、これでは相関演算の計算量が多いの
で、kの範囲は狭くしても構わない。またこの値は相関
演算の間引きを表す画素数Nによっても変化する。上記
はN=3と仮定した場合である。
【0104】よって、一番左側の領域は、まずk=−6
として、jを−6から+1しながら相関値を計算し、メ
モリーに記憶する。次いで、k=−6+Nとし、像一致
度Cvkを計算し、その値をメモリーに記憶する。同様
にして、k=81まで像一致度Cvkを計算してメモリ
ーに記憶する。全ての相関値が計算されたら、その値を
比較し、最小になる座標pを上記式(2)により求め
る。
【0105】さらに補間演算を行い、1画素以下の分解
能で相関値が最小となる点を求める。
【0106】補間演算は、前述したように、p−2Nか
らp+2Nの範囲で行なわれる。k=p−2Nからkを
1画素づつずらしながら、k=p+2Nまで、上記の式
(3を用いて相関値Ukを計算し、Ukの符号が逆転す
るkを求める。k=qとk=q+1の間でUkの符号が
逆転したとすると最小点δは、 δ=q+|Uq |/(|Uq |+|Uq+1 |) となる。このδを、動きベクトルとする。
【0107】上記の処理を水平方向、垂直方向に関して
行い、各々の領域の水平方向の動きベクトル、垂直方向
の動きベクトルを求める。この処理を全ての領域につい
て行い、16個の領域の水平方向の動きベクトル、垂直
方向の動きベクトルを求める。
【0108】全ての領域の水平方向、垂直方向の動きベ
クトルが求まったならば、その平均を求め、全体の水平
方向、垂直方向の動きベクトルを求める。
【0109】次いで、MPU1は動きベクトルから補正
レンズ9の駆動位置を求め、その位置に駆動することに
より、像振れを補正する。
【0110】本実施の形態では、ムービングマグネット
(MM)を用いたコイルに流す電流に比例した位置に補
正レンズ9が移動する駆動装置を用いている(#40
4)。
【0111】そして、この処理の最後に現在メモリーに
格納されているデータを相関演算の対象データを格納す
るエリアに転送する(#405)。この相関演算の対象
データを格納するエリアへの転送は上述の様に行われ
る。相関演算の対象となるのは、各々の領域のデータの
中央部の一部である。例えば、上述したように、各々の
領域の射影信号として25画素分のデータがあれば、そ
の中央部分の13画素、7画素目から19画素目までが
相関演算の対象データとなる。よって、この中央部分の
射影信号のデータのみを相関演算の対象データを格納す
るエリアへ転送する。
【0112】そして、再び第二のタイマーによる割り込
みが発生したならば、MPU1は第一のタイマーを起動
し、本蓄積(像振れを検出するための信号を得るための
蓄積)を開始する。
【0113】以下、同様の処理を繰り返す。
【0114】上記実施の第2の形態によれば、1フレー
ム前の画像と、現在の画像から動きベクトルを求める際
に、まず二像の像一致度をN画素毎の画像信号を用いて
求めてその最小値を検出し、その後、この最小値付近の
複数の画素信号を用いて、二像のうち一方の像を1画素
分右にシフトしたうえで二像のうち大きい値を選択して
その和を求めた結果と、もう一方の像を1画素分右にシ
フトしたうえで二像のうち大きい値を選択してその和を
求めた結果との差を求める相関演算を用いて補間演算を
行い、動きベクトルを検出するようにしているので、イ
メージセンサーを用いた像振れ防止システムにおいて、
高速かつ正確に動きベクトルを検出し、像振れを補正す
ることが可能になった。
【0115】(変形例)上記実施の各形態では、画像か
ら動きベクトル、さらには像振れ量を求める例を示して
いるが、本発明はこれに限定されるものではない。例え
ば、二像の像ずれ量からデフォーカス料を演算する位相
差オートフォーカススステムや、二像の像ずれ量から物
体までの距離を計測する装置など、像ずれ量を利用する
システムにも適用できるものである。
【0116】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜4の何
れかに記載の発明によれば、高速かつ正確に動きベクト
ルを検出することができる動きベクトル検出装置を提供
できるものである。
【0117】また、請求項5に記載の発明によれば、高
速かつ正確に動きベクトルを検出し、精度の良い像振れ
補正を迅速に行うことができる像振れ補正装置を提供で
きるものである。
【0118】また、請求項6に記載の発明によれば、高
速かつ正確に動きベクトルを検出し、精度の良い距離に
関する情報の検出を迅速に行うことができる距離検出装
置を提供できるものである。
【0119】また、請求項7に記載の発明によれば、高
速かつ正確に動きベクトルを検出し、精度の良い像振れ
補正や距離に関する情報の検出を迅速に行うことができ
るカメラを提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の各形態に係るカメラの要部構成
を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の各形態に係るカメラの主要部分
の動作を示すフローチャートである。
【図3】同じく本発明の実施の各形態に係るカメラの主
要部分の動作を示すフローチャートである。
【図4】同じく本発明の実施の各形態に係るカメラの主
要部分の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の各形態に係るカメラの動作のタ
イミングを示す図である。
【図6】本発明の実施の各形態に用いられるイメージセ
ンサの構成の概略を示す図である。
【図7】本発明の実施の各形態において補間演算時の動
作説明を助ける為の図である。
【図8】本発明の実施の各形態に係るカメラの主要部分
の動作説明を助ける為の図である。
【符号の説明】
1 MPU(マイクロプロセッシングユニット) 2 メモリー 3 EEPROM 4 レンズ 5 イメージセンサ 6 増幅回路 7 ピッチ方向に補正レンズを駆動するための補正レン
ズ駆動装置 8 ヨー方向に補正レンズを駆動するための補正レンズ
駆動装置 9 補正レンズ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03B 13/36 H04N 5/232 Z H04N 5/225 G02B 7/11 N 5/232 G03B 3/00 A

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1フレーム前の画像と現在の画像の複数
    の二像の相関関係を基に動きベクトルを検出する動きベ
    クトル検出装置において、 前記複数の二像の相関関係を異なる複数の演算式を用い
    て求め、前記動きベクトルを検出することを特徴とする
    動きベクトル検出装置。
  2. 【請求項2】 前記動きベクトルを検出する際に用いる
    第1の演算式は、前記二像の像一致度を所定画素毎の像
    信号を用いて求め、その最小値を検出する演算内容を有
    するものであり、 第2の演算式は、前記第1の演算式により検出された最
    小値付近の二像の複数の像信号を用いて補間演算を行
    い、前記動きベクトルを検出する演算内容を有するもの
    であることを特徴とする請求項1に記載の動きベクトル
    検出装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の演算式は、前記二像のうち一
    方の像の信号を所定画素分所定方向にシフトしたうえで
    二像の小さい方の値を選択しその和を求めた結果と、も
    う一方の像の信号を所定画素分所定方向にシフトしたう
    えで二像の信号の小さい方の値を選択しその和を求めた
    結果との差を求め、相関演算を行う演算内容を有するも
    のであることを特徴とする請求項2に記載の動きベクト
    ル検出装置。
  4. 【請求項4】 前記第2の演算式は、前記二像のうち一
    方の像の信号を所定画素分所定方向にシフトしたうえで
    二像の大きい方の値を選択しその和を求めた結果と、も
    う一方の像の信号を所定画素分所定方向にシフトしたう
    えで二像の信号の大きい方の値を選択しその和を求めた
    結果との差を求め、相関演算を行う演算内容を有するも
    のであることを特徴とする請求項2に記載の動きベクト
    ル検出装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかに記載の動きベク
    トル検出装置と、該動きベクトル検出装置にて検出され
    る動きベクトルより像振れ量を検出し、前記像振れを補
    正する像振れ補正手段とを有することを特徴とする像振
    れ補正装置。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4の何れかに記載の動きベク
    トル検出装置と、該動きベクトル検出装置にて検出され
    る動きベクトルより物体までの距離に関する情報を算出
    する距離検出手段とを有することを特徴とする距離検出
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の像振れ補正装置と請求
    項6に記載の距離検出装置の、少なくとも一方の装置を
    具備したことを特徴とするカメラ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007267240A (ja) * 2006-03-29 2007-10-11 Fujifilm Corp 移動ベクトル算出プログラム及び算出装置並びに撮像装置
US8045009B2 (en) 2004-05-10 2011-10-25 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Image-exposure systems and methods using detecting motion of a camera to terminate exposure
US8072499B2 (en) * 2005-09-20 2011-12-06 Sony Corporation Image capture device and method

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