JP2003241117A - 光スイッチ装置 - Google Patents
光スイッチ装置Info
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Landscapes
- Mechanical Light Control Or Optical Switches (AREA)
- Micromachines (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 可動電極と固定電極とに印加する電圧を低い
電圧値に設定でき、全体を小型化し、光の切換動作を安
定させ信頼性を向上できるようにする。 【解決手段】 基板11上に第1の可動体12、第2の
可動体16,16および第3の可動体21を設ける。可
動体12は支持梁14により支えられた可動部13を有
し、その端部には光の切換を行うミラー部15Aを設け
る。可動体12を駆動する可動体16,16は、可動部
13に対して斜め側方に配置し、支持梁18により支え
られた可動部17を有すると共に可動電極19を形成す
る。また、可動電極19に対向して固定電極20を設け
る。可動体12の位置保持を行う可動体21は、支持梁
23により支えられた可動部22を有すると共に可動電
極24を形成する。また、可動電極24に対向して固定
電極25を設ける。
電圧値に設定でき、全体を小型化し、光の切換動作を安
定させ信頼性を向上できるようにする。 【解決手段】 基板11上に第1の可動体12、第2の
可動体16,16および第3の可動体21を設ける。可
動体12は支持梁14により支えられた可動部13を有
し、その端部には光の切換を行うミラー部15Aを設け
る。可動体12を駆動する可動体16,16は、可動部
13に対して斜め側方に配置し、支持梁18により支え
られた可動部17を有すると共に可動電極19を形成す
る。また、可動電極19に対向して固定電極20を設け
る。可動体12の位置保持を行う可動体21は、支持梁
23により支えられた可動部22を有すると共に可動電
極24を形成する。また、可動電極24に対向して固定
電極25を設ける。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばミラー等を
用いて光の進路を切換える構成とした光スイッチ装置に
関し、特に、電極間の静電力を用いて光の切換動作を行
うようにした光スイッチ装置に関する。
用いて光の進路を切換える構成とした光スイッチ装置に
関し、特に、電極間の静電力を用いて光の切換動作を行
うようにした光スイッチ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、マイクロマシニング技術を用い
ることによって基板上に各種の微小な静電アクチュエー
タを形成し、この静電アクチュエータにより光の進路を
切換える構成とした光スイッチ装置は知られている。
ることによって基板上に各種の微小な静電アクチュエー
タを形成し、この静電アクチュエータにより光の進路を
切換える構成とした光スイッチ装置は知られている。
【0003】そこで、この種の従来技術による光スイッ
チ装置について、図9を参照して説明する。
チ装置について、図9を参照して説明する。
【0004】図中、1は光スイッチ装置のベースとなる
基板を示し、該基板1は、例えばガラス材料によって数
ミリ程度の大きさをもって四角形状に形成されている。
そして、基板1は平坦な表面を有し、後述の可動体2は
基板1の表面に沿って矢示A,B方向に進退されるもの
である。
基板を示し、該基板1は、例えばガラス材料によって数
ミリ程度の大きさをもって四角形状に形成されている。
そして、基板1は平坦な表面を有し、後述の可動体2は
基板1の表面に沿って矢示A,B方向に進退されるもの
である。
【0005】2は基板1上に設けられた切換動作部とし
ての可動体で、該可動体2は、基板1の表面に沿って矢
示A,B方向に延びる細長棒状の可動部3と、該可動部
3の一端側に一体形成され弾性変形可能となった支持梁
4と、可動部3の他端側に形成され後述する光の進路に
対して進退されるミラー支持部5と、後述の可動電極6
とにより構成されている。
ての可動体で、該可動体2は、基板1の表面に沿って矢
示A,B方向に延びる細長棒状の可動部3と、該可動部
3の一端側に一体形成され弾性変形可能となった支持梁
4と、可動部3の他端側に形成され後述する光の進路に
対して進退されるミラー支持部5と、後述の可動電極6
とにより構成されている。
【0006】そして、可動体2の可動部3、支持梁4、
ミラー支持部5および可動電極6は後述の固定電極7と
共に、例えば単結晶または多結晶のシリコン材料を用い
てエッチング加工(マイクロマシニング技術)等を施す
ことにより形成され、可動電極6と固定電極7との間で
静電引力を発生させる静電アクチュエータを構成するも
のである。
ミラー支持部5および可動電極6は後述の固定電極7と
共に、例えば単結晶または多結晶のシリコン材料を用い
てエッチング加工(マイクロマシニング技術)等を施す
ことにより形成され、可動電極6と固定電極7との間で
静電引力を発生させる静電アクチュエータを構成するも
のである。
【0007】ここで、支持梁4は、長さ方向の両端側が
基板1上に固定される固定部4A,4Aとなり、支持梁
4の長さ方向中間部には、可動部3の一端側が一体形成
されている。そして、支持梁4は、基板1に対し可動部
3を片持ち状態で支え、可動部3が矢示A,B方向に変
位するのを許すものである。
基板1上に固定される固定部4A,4Aとなり、支持梁
4の長さ方向中間部には、可動部3の一端側が一体形成
されている。そして、支持梁4は、基板1に対し可動部
3を片持ち状態で支え、可動部3が矢示A,B方向に変
位するのを許すものである。
【0008】また、ミラー支持部5には、後述する光の
進路を矢示C方向から矢示D方向に切換える光切換部と
してのミラー部5Aが設けられ、該ミラー部5Aの表面
は全属膜をメッキ、蒸着、スパッタ等の手段を用いて成
膜し、鏡面仕上げされている。そして、ミラー部5A
は、可動体2が矢示A方向に変位するときに、光の進路
を図9中に実線で示す矢示C方向から仮想線で示す矢示
D方向に切換え、可動体2が矢示B方向に変位するとき
には、光の進路を矢示D方向から矢示C方向に戻すもの
である。
進路を矢示C方向から矢示D方向に切換える光切換部と
してのミラー部5Aが設けられ、該ミラー部5Aの表面
は全属膜をメッキ、蒸着、スパッタ等の手段を用いて成
膜し、鏡面仕上げされている。そして、ミラー部5A
は、可動体2が矢示A方向に変位するときに、光の進路
を図9中に実線で示す矢示C方向から仮想線で示す矢示
D方向に切換え、可動体2が矢示B方向に変位するとき
には、光の進路を矢示D方向から矢示C方向に戻すもの
である。
【0009】6,6は可動部3の左,右両側に一体形成
された可動電極、7,7は該各可動電極6と対向配置さ
れた固定電極を示し、これらの可動電極6、固定電極7
は、くし歯状電極からなり、電圧印加時には両者の間に
静電引力が発生するものである。そして、可動体2は、
電極6,7間の静電引力により支持梁4を弾性的に撓み
変形させつつ矢示A方向に駆動され、電圧印加(通電)
を解除したときには、支持梁4の弾性復元力により矢示
B方向に変位するものである。
された可動電極、7,7は該各可動電極6と対向配置さ
れた固定電極を示し、これらの可動電極6、固定電極7
は、くし歯状電極からなり、電圧印加時には両者の間に
静電引力が発生するものである。そして、可動体2は、
電極6,7間の静電引力により支持梁4を弾性的に撓み
変形させつつ矢示A方向に駆動され、電圧印加(通電)
を解除したときには、支持梁4の弾性復元力により矢示
B方向に変位するものである。
【0010】8は基板1上に設けられた光学装置で、該
光学装置8は、支持台8A上に配設された発光部8Bと
受光部8C,8Dとからなり、これらの発光部8B、受
光部8C,8Dにはそれぞれ光ファイバ(図示せず)等
が接続されている。そして、発光部8Bは、例えばレー
ザ光等の光ビームを受光部8Cに向けて矢示C方向に発
射するものである。また、受光部8Dは、矢示C方向の
光ビームに対し約90度だけ斜めに傾斜した位置に配置
されている。
光学装置8は、支持台8A上に配設された発光部8Bと
受光部8C,8Dとからなり、これらの発光部8B、受
光部8C,8Dにはそれぞれ光ファイバ(図示せず)等
が接続されている。そして、発光部8Bは、例えばレー
ザ光等の光ビームを受光部8Cに向けて矢示C方向に発
射するものである。また、受光部8Dは、矢示C方向の
光ビームに対し約90度だけ斜めに傾斜した位置に配置
されている。
【0011】そして、可動体2が図9中に実線で示す位
置にあるときには、発光部8Bから発射された光ビーム
に対しミラー部5Aが後退した位置に留まるので、この
ときの光ビームは受光部8Cで受光される。また、可動
体2が矢示A方向に変位してミラー部5Aが図9中に仮
想線で示す位置まで進出したときには、発光部8Bから
発射された光ビームがミラー部5Aによって反射される
ので、このときの光ビームは矢示D方向へと進路が切換
えられ、受光部8Dによって受光される。
置にあるときには、発光部8Bから発射された光ビーム
に対しミラー部5Aが後退した位置に留まるので、この
ときの光ビームは受光部8Cで受光される。また、可動
体2が矢示A方向に変位してミラー部5Aが図9中に仮
想線で示す位置まで進出したときには、発光部8Bから
発射された光ビームがミラー部5Aによって反射される
ので、このときの光ビームは矢示D方向へと進路が切換
えられ、受光部8Dによって受光される。
【0012】従来技術による光スイッチ装置は、上述の
如き構成を有するもので、次に、そのスイッチング動作
について説明する。
如き構成を有するもので、次に、そのスイッチング動作
について説明する。
【0013】まず、可動電極6と固定電極7との間に電
圧を印加するまでは、可動体2が図9中の実線で示す位
置にあり、ミラー部5Aは矢示C方向の光ビームから矢
示B方向に後退した位置に留まるので、発光部8Bから
の光ビームは受光部8Cで受光され、このときには発光
部8Bと受光部8Cとの間で光通信等が行われる。
圧を印加するまでは、可動体2が図9中の実線で示す位
置にあり、ミラー部5Aは矢示C方向の光ビームから矢
示B方向に後退した位置に留まるので、発光部8Bから
の光ビームは受光部8Cで受光され、このときには発光
部8Bと受光部8Cとの間で光通信等が行われる。
【0014】次に、可動電極6と固定電極7との間に、
例えば数10ボルトの電圧を印加すると、可動電極6と
固定電極7との間に静電引力が発生し、この静電引力に
よって可動電極6が固定電極7側に吸引され、可動体2
は支持梁4を弾性的に撓み変形させつつ矢示A方向に駆
動される。
例えば数10ボルトの電圧を印加すると、可動電極6と
固定電極7との間に静電引力が発生し、この静電引力に
よって可動電極6が固定電極7側に吸引され、可動体2
は支持梁4を弾性的に撓み変形させつつ矢示A方向に駆
動される。
【0015】そして、可動体2が矢示A方向に変位して
ミラー部5Aが図9中に仮想線で示す位置まで進出した
ときには、発光部8Bからの光ビームがミラー部5Aに
より反射されるため、このときの光ビームは矢示D方向
へと進路が切換えられ、発光部8Bと受光部8Dとの間
で光通信等が行われる。
ミラー部5Aが図9中に仮想線で示す位置まで進出した
ときには、発光部8Bからの光ビームがミラー部5Aに
より反射されるため、このときの光ビームは矢示D方向
へと進路が切換えられ、発光部8Bと受光部8Dとの間
で光通信等が行われる。
【0016】次に、この状態で電極6,7間の電圧印加
(通電)を解除すると、前述した静電引力が失効し可動
体2は支持梁4の弾性復元力により矢示B方向に変位す
る。これにより、可動体2が図9中に実線で示す位置に
復帰し、ミラー部5Aは矢示C方向の光ビームから矢示
B方向に後退した位置に戻るので、発光部8Bからの光
ビームは受光部8Cで受光され、発光部8Bと受光部8
Cとの間で再び光通信等が行われるものである。
(通電)を解除すると、前述した静電引力が失効し可動
体2は支持梁4の弾性復元力により矢示B方向に変位す
る。これにより、可動体2が図9中に実線で示す位置に
復帰し、ミラー部5Aは矢示C方向の光ビームから矢示
B方向に後退した位置に戻るので、発光部8Bからの光
ビームは受光部8Cで受光され、発光部8Bと受光部8
Cとの間で再び光通信等が行われるものである。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、発光部8Bと受光部8C,8Dとの間で光
ビームの切換動作(スイッチング動作)を安定して行う
ために、ミラー部5Aを光のビーム径よりも大きく(例
えば、矢示A方向に50〜100μm程度)変位させる
ことが要求される。
来技術では、発光部8Bと受光部8C,8Dとの間で光
ビームの切換動作(スイッチング動作)を安定して行う
ために、ミラー部5Aを光のビーム径よりも大きく(例
えば、矢示A方向に50〜100μm程度)変位させる
ことが要求される。
【0018】そして、このためには可動電極6と固定電
極7との間の電極間隔Lを、例えば50〜100μm以
上の寸法に形成する必要が生じる。しかし、この状態で
可動体2を矢示A,B方向に例えば50μm程度変位さ
せるためには、可動電極6と固定電極7との間に印加す
る電圧を数10ボルトまで昇圧しなければならない。
極7との間の電極間隔Lを、例えば50〜100μm以
上の寸法に形成する必要が生じる。しかし、この状態で
可動体2を矢示A,B方向に例えば50μm程度変位さ
せるためには、可動電極6と固定電極7との間に印加す
る電圧を数10ボルトまで昇圧しなければならない。
【0019】このため従来技術では、例えば10ボルト
程度の電源電圧を昇圧回路等を用いて数10ボルトまで
昇圧するようにしており、昇圧回路等を付加することに
より回路構成が複雑化し、製造コストが嵩むばかりでな
く、全体を小型化しコンパクトに形成することができな
いという問題がある。
程度の電源電圧を昇圧回路等を用いて数10ボルトまで
昇圧するようにしており、昇圧回路等を付加することに
より回路構成が複雑化し、製造コストが嵩むばかりでな
く、全体を小型化しコンパクトに形成することができな
いという問題がある。
【0020】また、印加電圧を下げるためには可動電極
6と固定電極7とのくし歯電極数を増加させる等の対策
が考えられる。しかし、可動電極6と固定電極7とのく
し歯電極数を増加するためには、可動電極6と固定電極
7をさらに大なる寸法で形成しなければならず、これに
伴って基板1の面積も大きくする必要が生じるので、装
置全体が大型化するという問題がある。
6と固定電極7とのくし歯電極数を増加させる等の対策
が考えられる。しかし、可動電極6と固定電極7とのく
し歯電極数を増加するためには、可動電極6と固定電極
7をさらに大なる寸法で形成しなければならず、これに
伴って基板1の面積も大きくする必要が生じるので、装
置全体が大型化するという問題がある。
【0021】また、一般に光スイッチ装置等には、電力
供給が停止した状態でもミラー部5Aの位置保持を可能
とすることにより、停電等に対する信頼性を高めたいと
いう要求がある。
供給が停止した状態でもミラー部5Aの位置保持を可能
とすることにより、停電等に対する信頼性を高めたいと
いう要求がある。
【0022】しかし、従来技術の場合には、可動体2に
よりミラー部5Aを図9中に仮想線で示す位置まで進出
させた後に、ミラー部5Aをこの位置に保持するために
は可動電極6と固定電極7との間に電圧を印加し続ける
必要がある。このため、図9中に仮想線で示す位置にミ
ラー部5Aを保持する間は、電力消費が嵩む上に、停電
等の不具合が発生したときにはミラー部5Aの位置保持
が困難になるという問題がある。
よりミラー部5Aを図9中に仮想線で示す位置まで進出
させた後に、ミラー部5Aをこの位置に保持するために
は可動電極6と固定電極7との間に電圧を印加し続ける
必要がある。このため、図9中に仮想線で示す位置にミ
ラー部5Aを保持する間は、電力消費が嵩む上に、停電
等の不具合が発生したときにはミラー部5Aの位置保持
が困難になるという問題がある。
【0023】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、可動電極と固定電極と
に印加する電圧を低い電圧に設定できると共に、全体を
小型化でき、光の切換動作を安定させ信頼性を向上する
ことができるようにした光スイッチ装置を提供すること
にある。
されたもので、本発明の目的は、可動電極と固定電極と
に印加する電圧を低い電圧に設定できると共に、全体を
小型化でき、光の切換動作を安定させ信頼性を向上する
ことができるようにした光スイッチ装置を提供すること
にある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明による光スイッチ装置は、光の
進路に対して進退可能に設けられ光の切換動作を行う切
換動作部と、互いに対向配置された固定電極、可動電極
を有し、該各電極間に発生する静電力により前記切換動
作部を光の進路に対して進退する方向に駆動する駆動部
と、前記切換動作部を駆動部により駆動変位させた状態
で該駆動部による静電力を解除したときに前記切換動作
部を変位した位置に係脱可能に保持する変位保持部とか
らなる構成を採用している。
ために、請求項1の発明による光スイッチ装置は、光の
進路に対して進退可能に設けられ光の切換動作を行う切
換動作部と、互いに対向配置された固定電極、可動電極
を有し、該各電極間に発生する静電力により前記切換動
作部を光の進路に対して進退する方向に駆動する駆動部
と、前記切換動作部を駆動部により駆動変位させた状態
で該駆動部による静電力を解除したときに前記切換動作
部を変位した位置に係脱可能に保持する変位保持部とか
らなる構成を採用している。
【0025】このように構成することにより、駆動部の
可動電極と固定電極との間に電圧を印加すると、これら
の電極間に静電力を発生させて切換動作部を駆動でき
る。また、切換動作部を駆動変位させた状態では変位保
持部を切換動作部に係合させることにより、駆動部によ
る静電力を解除したときにも前記切換動作部を変位した
位置に保持することができる。そして、このような動作
を繰返すことにより前記切換動作部は、例えば尺取り虫
のような動きを繰返して変位量を増大でき、該切換動作
部を光の進路に対し十分な変位量をもって進退させるこ
とができる。また、切換動作部が光の進路に進出したま
まの状態で、変位保持部により切換動作部をこの位置に
保持することができる。
可動電極と固定電極との間に電圧を印加すると、これら
の電極間に静電力を発生させて切換動作部を駆動でき
る。また、切換動作部を駆動変位させた状態では変位保
持部を切換動作部に係合させることにより、駆動部によ
る静電力を解除したときにも前記切換動作部を変位した
位置に保持することができる。そして、このような動作
を繰返すことにより前記切換動作部は、例えば尺取り虫
のような動きを繰返して変位量を増大でき、該切換動作
部を光の進路に対し十分な変位量をもって進退させるこ
とができる。また、切換動作部が光の進路に進出したま
まの状態で、変位保持部により切換動作部をこの位置に
保持することができる。
【0026】また、請求項2の発明によると、駆動部は
切換動作部に対し斜め側方に配置して設け、各電極間に
発生する静電力により前記切換動作部を斜め方向から駆
動する構成としている。
切換動作部に対し斜め側方に配置して設け、各電極間に
発生する静電力により前記切換動作部を斜め方向から駆
動する構成としている。
【0027】これにより、切換動作部を斜め方向から駆
動すると、このときの水平方向分力により切換動作部を
光の進路に向けて変位させることができ、このような動
作を繰返すことにより切換動作部が尺取り虫のような動
きを繰返し、切換動作部に大きな変位を発生できる。
動すると、このときの水平方向分力により切換動作部を
光の進路に向けて変位させることができ、このような動
作を繰返すことにより切換動作部が尺取り虫のような動
きを繰返し、切換動作部に大きな変位を発生できる。
【0028】また、請求項3の発明によると、切換動作
部には駆動部から離間した位置に複数の凹凸部を形成
し、変位保持部は該各凹凸部のうちいずれか1つの凹凸
部に係脱可能に係合することにより前記切換動作部を位
置保持する構成としている。
部には駆動部から離間した位置に複数の凹凸部を形成
し、変位保持部は該各凹凸部のうちいずれか1つの凹凸
部に係脱可能に係合することにより前記切換動作部を位
置保持する構成としている。
【0029】この場合には、例えば変位保持部の先端を
切換動作部の凹凸部に係合させることにより、切換動作
部の位置保持を行うことができ、切換動作部を駆動部で
駆動変位させるときには、切換動作部の凹凸部と変位保
持部との係合を解除しつつ、駆動部を作動させて切換動
作部を動かすことができる。
切換動作部の凹凸部に係合させることにより、切換動作
部の位置保持を行うことができ、切換動作部を駆動部で
駆動変位させるときには、切換動作部の凹凸部と変位保
持部との係合を解除しつつ、駆動部を作動させて切換動
作部を動かすことができる。
【0030】一方、請求項4の発明によると、切換動作
部は、弾性変形可能な第1の支持梁により支えられ光の
切換を行う光切換部が設けられた第1の可動体からな
り、駆動部は、該第1の可動体に対して斜め側方に配置
され弾性変形可能な第2の支持梁により支えられると共
に駆動用の可動電極が形成された第2の可動体と、該第
2の可動体の可動電極に対向して設けられた駆動用の固
定電極とにより構成し、変位保持部は、前記第2の可動
体から離間した位置で前記第1の可動体の側方に配置さ
れ弾性変形可能な第3の支持梁により支えられると共に
変位保持用の可動電極が形成された第3の可動体と、該
第3の可動体の可動電極に対向して設けられた変位保持
用の固定電極とにより構成している。
部は、弾性変形可能な第1の支持梁により支えられ光の
切換を行う光切換部が設けられた第1の可動体からな
り、駆動部は、該第1の可動体に対して斜め側方に配置
され弾性変形可能な第2の支持梁により支えられると共
に駆動用の可動電極が形成された第2の可動体と、該第
2の可動体の可動電極に対向して設けられた駆動用の固
定電極とにより構成し、変位保持部は、前記第2の可動
体から離間した位置で前記第1の可動体の側方に配置さ
れ弾性変形可能な第3の支持梁により支えられると共に
変位保持用の可動電極が形成された第3の可動体と、該
第3の可動体の可動電極に対向して設けられた変位保持
用の固定電極とにより構成している。
【0031】これにより、第2の可動体の可動電極と固
定電極との間に電圧を印加すると、これらの電極間に静
電力を発生させて第1の可動体を斜め側方から駆動で
き、このときには第1の支持梁を弾性的に撓み変形させ
つつ、第1の可動体を光の進路に向けて進退させること
ができる。また、第3の可動体は可動電極と固定電極と
の間に電圧を印加または解除することにより、例えば第
3の可動体の先端側を第1の可動体に係脱可能に係合さ
せることができ、静電力を解除した状態でも第1の可動
体を変位した位置に保持することができる。そして、こ
のような動作を繰返すことにより前記第1の可動体の変
位量を増大でき、該第1の可動体を光の進路に対し十分
な変位量をもって進退させることができる。
定電極との間に電圧を印加すると、これらの電極間に静
電力を発生させて第1の可動体を斜め側方から駆動で
き、このときには第1の支持梁を弾性的に撓み変形させ
つつ、第1の可動体を光の進路に向けて進退させること
ができる。また、第3の可動体は可動電極と固定電極と
の間に電圧を印加または解除することにより、例えば第
3の可動体の先端側を第1の可動体に係脱可能に係合さ
せることができ、静電力を解除した状態でも第1の可動
体を変位した位置に保持することができる。そして、こ
のような動作を繰返すことにより前記第1の可動体の変
位量を増大でき、該第1の可動体を光の進路に対し十分
な変位量をもって進退させることができる。
【0032】また、請求項5の発明によると、第1,第
2,第3の支持梁はそれぞれの端部を基板上に固定して
設け、第1,第2,第3の可動体は、該基板の表面に沿
って互いに異なる方向に変位する構成としている。
2,第3の支持梁はそれぞれの端部を基板上に固定して
設け、第1,第2,第3の可動体は、該基板の表面に沿
って互いに異なる方向に変位する構成としている。
【0033】これにより、第1,第2,第3の可動体は
それぞれ第1,第2,第3の支持梁を介して基板上に変
位可能に配置でき、第1,第2,第3の可動体を基板の
表面に沿って互いに異なる方向に変位させつつ、第1の
可動体を光の進路に対し十分な変位量をもって進退駆動
することができる。
それぞれ第1,第2,第3の支持梁を介して基板上に変
位可能に配置でき、第1,第2,第3の可動体を基板の
表面に沿って互いに異なる方向に変位させつつ、第1の
可動体を光の進路に対し十分な変位量をもって進退駆動
することができる。
【0034】さらに、請求項6の発明は、第1,第2,
第3の可動体および各固定電極は、単結晶または多結晶
なシリコン材料によって形成する構成としている。この
場合には、シリコン材料にエッチング処理を施すことに
よって、第1,第2,第3の可動体および各固定電極を
それぞれ加工、形成することができる。
第3の可動体および各固定電極は、単結晶または多結晶
なシリコン材料によって形成する構成としている。この
場合には、シリコン材料にエッチング処理を施すことに
よって、第1,第2,第3の可動体および各固定電極を
それぞれ加工、形成することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、本発明による実施の形態に
よる光スイッチ装置を添付図面に従って詳細に説明す
る。なお、本実施の形態では、前述した従来技術と同一
の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するも
のとする。
よる光スイッチ装置を添付図面に従って詳細に説明す
る。なお、本実施の形態では、前述した従来技術と同一
の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するも
のとする。
【0036】ここで、図1ないし図6は第1の実施の形
態による光スイッチ装置を示し、図中、11は光スイッ
チ装置のベースとなる基板で、該基板11は、従来技術
で述べた基板1とほぼ同様にガラス材料等を用いて形成
されている。
態による光スイッチ装置を示し、図中、11は光スイッ
チ装置のベースとなる基板で、該基板11は、従来技術
で述べた基板1とほぼ同様にガラス材料等を用いて形成
されている。
【0037】12は基板11上に設けられた切換動作部
としての第1の可動体で、該可動体12は、基板11の
表面に沿って矢示A,B方向に延びる細長棒状の第1の
可動部13と、該可動部13の一端側に一体形成され弾
性変形可能となった第1の支持梁14と、可動部13の
他端側に形成され発光部8Bによる光の進路に対して進
退されるミラー支持部15とにより構成されている。
としての第1の可動体で、該可動体12は、基板11の
表面に沿って矢示A,B方向に延びる細長棒状の第1の
可動部13と、該可動部13の一端側に一体形成され弾
性変形可能となった第1の支持梁14と、可動部13の
他端側に形成され発光部8Bによる光の進路に対して進
退されるミラー支持部15とにより構成されている。
【0038】そして、第1の可動体12の可動部13、
支持梁14およびミラー支持部15は、後述する第2の
可動体16、固定電極20、第3の可動体21、固定電
極25と共に、例えば単結晶または多結晶のシリコン材
料を用いてマイクロマシニング技術によるエッチング加
工等を施すことにより形成されている。
支持梁14およびミラー支持部15は、後述する第2の
可動体16、固定電極20、第3の可動体21、固定電
極25と共に、例えば単結晶または多結晶のシリコン材
料を用いてマイクロマシニング技術によるエッチング加
工等を施すことにより形成されている。
【0039】この場合、支持梁14は、矢示A,B方向
とほぼ直交する方向に延び、その長さ方向の両端側が基
板11上に固定される固定部14A,14Aとなってい
る。また、支持梁14の長さ方向中間部には、可動部1
3の一端側が一体形成されている。そして、支持梁14
は、基板11に対し可動部13を片持ち状態で支え、可
動部13と基板11との間には、図2に示す如く隙間S
(例えば、数μm程度)が形成されている。
とほぼ直交する方向に延び、その長さ方向の両端側が基
板11上に固定される固定部14A,14Aとなってい
る。また、支持梁14の長さ方向中間部には、可動部1
3の一端側が一体形成されている。そして、支持梁14
は、基板11に対し可動部13を片持ち状態で支え、可
動部13と基板11との間には、図2に示す如く隙間S
(例えば、数μm程度)が形成されている。
【0040】また、可動部13の側面には、第3の可動
体21の可動部22と対向する位置に複数の凹凸部13
A,13A,…が形成され、これらの凹凸部13Aは、
可動部13の長さ方向に定間隔(後述の変位量Tにほぼ
対応する間隔)をもって列設されている。そして、これ
らの凹凸部13Aには、可動体21の可動部22が係脱
可能に係合し、これによって可動体12の可動部13は
後述の如く位置保持されるものである。
体21の可動部22と対向する位置に複数の凹凸部13
A,13A,…が形成され、これらの凹凸部13Aは、
可動部13の長さ方向に定間隔(後述の変位量Tにほぼ
対応する間隔)をもって列設されている。そして、これ
らの凹凸部13Aには、可動体21の可動部22が係脱
可能に係合し、これによって可動体12の可動部13は
後述の如く位置保持されるものである。
【0041】また、ミラー支持部15には、光ビームの
進路を矢示C方向から矢示D方向に切換える光切換部と
してのミラー部15Aが、従来技術とほぼ同様に設けら
れている。そして、ミラー部15Aは、可動体12が矢
示A方向に変位するときに、光ビームの進路を図1中に
実線で示す矢示C方向から仮想線で示す矢示D方向に切
換え、可動体12が矢示B方向に変位するときには、光
ビームの進路を矢示D方向から矢示C方向に戻すもので
ある。
進路を矢示C方向から矢示D方向に切換える光切換部と
してのミラー部15Aが、従来技術とほぼ同様に設けら
れている。そして、ミラー部15Aは、可動体12が矢
示A方向に変位するときに、光ビームの進路を図1中に
実線で示す矢示C方向から仮想線で示す矢示D方向に切
換え、可動体12が矢示B方向に変位するときには、光
ビームの進路を矢示D方向から矢示C方向に戻すもので
ある。
【0042】16,16は基板11上に設けられた駆動
部としての第2の可動体で、該各可動体16は、第1の
可動部13を左,右両側から挟むように該可動部13の
斜め側方に配置され、基板11の表面に沿って棒状に延
びた第2の可動部17と、該可動部17の一方の端部に
一体形成され弾性変形可能となった第2の支持梁18
と、可動部17の長さ方向途中部位にそれぞれ一体形成
され後述の固定電極20と対向配置された駆動用の可動
電極19,19とにより構成されている。
部としての第2の可動体で、該各可動体16は、第1の
可動部13を左,右両側から挟むように該可動部13の
斜め側方に配置され、基板11の表面に沿って棒状に延
びた第2の可動部17と、該可動部17の一方の端部に
一体形成され弾性変形可能となった第2の支持梁18
と、可動部17の長さ方向途中部位にそれぞれ一体形成
され後述の固定電極20と対向配置された駆動用の可動
電極19,19とにより構成されている。
【0043】ここで、第2の可動部17は、第1の可動
部13に対し一定の角度(例えば、20〜45度程度)
だけ斜めに傾いて延び、その先端は可動部13の側面に
当接,離間する。そして、第2の各可動部17,17
は、第1の可動部13を左,右両側から挟込むように矢
示E方向に変位し、これのときの水平方向分力によって
可動部13を矢示A方向に駆動変位させるものである。
部13に対し一定の角度(例えば、20〜45度程度)
だけ斜めに傾いて延び、その先端は可動部13の側面に
当接,離間する。そして、第2の各可動部17,17
は、第1の可動部13を左,右両側から挟込むように矢
示E方向に変位し、これのときの水平方向分力によって
可動部13を矢示A方向に駆動変位させるものである。
【0044】また、支持梁18は、矢示E,F方向とほ
ぼ直交する方向に延び、その長さ方向の両端側が基板1
1上に固定される固定部18A,18Aとなり、可動体
16全体を基板11に対して片持ち状態で変位可能に支
持している。そして、この可動体16も可動部17、可
動電極19と基板11との間に、図2に例示した隙間S
とほぼ同様の隙間が形成されている。
ぼ直交する方向に延び、その長さ方向の両端側が基板1
1上に固定される固定部18A,18Aとなり、可動体
16全体を基板11に対して片持ち状態で変位可能に支
持している。そして、この可動体16も可動部17、可
動電極19と基板11との間に、図2に例示した隙間S
とほぼ同様の隙間が形成されている。
【0045】20,20は各可動体16の可動電極19
に対向配置された駆動用の固定電極で、該各固定電極2
0は、可動電極19よりも第1の可動部13に近い位置
に設けられ、第2の可動体16と共に光スイッチ装置の
駆動部を構成するものである。この場合、固定電極20
は可動電極19と共に平行平板型の電極、または櫛歯型
の電極として形成している。
に対向配置された駆動用の固定電極で、該各固定電極2
0は、可動電極19よりも第1の可動部13に近い位置
に設けられ、第2の可動体16と共に光スイッチ装置の
駆動部を構成するものである。この場合、固定電極20
は可動電極19と共に平行平板型の電極、または櫛歯型
の電極として形成している。
【0046】そして、可動電極19と固定電極20との
間の間隔L1 は、例えば0.5〜10μm程度に形成さ
れるものである。なお、これらの可動電極19と固定電
極20は、平行平板型の電極構造に限るものではなく、
例えば従来技術で述べた可動電極6、固定電極7と同様
にくし歯状電極として形成してもよいものである。
間の間隔L1 は、例えば0.5〜10μm程度に形成さ
れるものである。なお、これらの可動電極19と固定電
極20は、平行平板型の電極構造に限るものではなく、
例えば従来技術で述べた可動電極6、固定電極7と同様
にくし歯状電極として形成してもよいものである。
【0047】ここで、可動電極19と固定電極20は、
例えば10ボルト以下の電圧が外部から印加されると、
両者の間に静電引力が発生する。そして、可動体16
は、電極19,20間の静電引力により支持梁18を弾
性的に撓み変形させつつ矢示E方向に駆動され、電圧印
加(通電)を解除したときには、支持梁18の弾性復元
力により矢示F方向に変位するものである。
例えば10ボルト以下の電圧が外部から印加されると、
両者の間に静電引力が発生する。そして、可動体16
は、電極19,20間の静電引力により支持梁18を弾
性的に撓み変形させつつ矢示E方向に駆動され、電圧印
加(通電)を解除したときには、支持梁18の弾性復元
力により矢示F方向に変位するものである。
【0048】21は基板11上に設けられた変位保持部
としての第3の可動体で、該可動体21は、第2の可動
体16から離間して第1の可動部13の側方に配置さ
れ、基板11の表面に沿って棒状に延びた第3の可動部
22と、該可動部22の一方の端部に一体形成され弾性
変形可能となった第3の支持梁23と、可動部22の長
さ方向途中部位にそれぞれ一体形成され後述の固定電極
25と対向配置された変位保持用の可動電極24,24
とにより構成されている。
としての第3の可動体で、該可動体21は、第2の可動
体16から離間して第1の可動部13の側方に配置さ
れ、基板11の表面に沿って棒状に延びた第3の可動部
22と、該可動部22の一方の端部に一体形成され弾性
変形可能となった第3の支持梁23と、可動部22の長
さ方向途中部位にそれぞれ一体形成され後述の固定電極
25と対向配置された変位保持用の可動電極24,24
とにより構成されている。
【0049】ここで、第3の可動部22は、第1の可動
部13に対しほぼ垂直となる方向に延び、その先端側は
可動部13の各凹凸部13Aに係合,離脱するものであ
る。また、可動体21の支持梁23、変位保持用の可動
電極24は、第1の可動部13とほぼ平行またはある角
度をもつ方向に配置されている。
部13に対しほぼ垂直となる方向に延び、その先端側は
可動部13の各凹凸部13Aに係合,離脱するものであ
る。また、可動体21の支持梁23、変位保持用の可動
電極24は、第1の可動部13とほぼ平行またはある角
度をもつ方向に配置されている。
【0050】また、支持梁23は、長さ方向の両端側が
基板11上に固定される固定部23A,23Aとなり、
可動体21全体を基板11に対して片持ち状態で変位可
能に支持している。そして、この可動体21も可動部2
2、可動電極24と基板11との間に、図2に例示した
隙間Sとほぼ同様の隙間が形成されている。
基板11上に固定される固定部23A,23Aとなり、
可動体21全体を基板11に対して片持ち状態で変位可
能に支持している。そして、この可動体21も可動部2
2、可動電極24と基板11との間に、図2に例示した
隙間Sとほぼ同様の隙間が形成されている。
【0051】25,25は可動体21の各可動電極24
に対向配置された変位保持用の固定電極で、該各固定電
極25は、可動電極24よりも第1の可動部13に近い
位置に設けられ、第3の可動体21と共に光スイッチ装
置の変位保持部を構成するものである。この場合、固定
電極25は可動電極24と共に平行平板型の電極として
形成している。しかし、これらの可動電極24および固
定電極25は、従来技術で述べた可動電極6および固定
電極7と同様にくし歯状電極として形成してもよいもの
である。
に対向配置された変位保持用の固定電極で、該各固定電
極25は、可動電極24よりも第1の可動部13に近い
位置に設けられ、第3の可動体21と共に光スイッチ装
置の変位保持部を構成するものである。この場合、固定
電極25は可動電極24と共に平行平板型の電極として
形成している。しかし、これらの可動電極24および固
定電極25は、従来技術で述べた可動電極6および固定
電極7と同様にくし歯状電極として形成してもよいもの
である。
【0052】ここで、可動電極24と固定電極25は、
例えば10ボルト以下の電圧が外部から印加されると、
両者の間に静電引力が発生する。そして、可動体21
は、電極24,25間の静電引力により支持梁23を弾
性的に撓み変形させつつ可動部22を矢示G方向に変位
させ、このときに可動部22の先端側を凹凸部13Aか
ら離脱させる。
例えば10ボルト以下の電圧が外部から印加されると、
両者の間に静電引力が発生する。そして、可動体21
は、電極24,25間の静電引力により支持梁23を弾
性的に撓み変形させつつ可動部22を矢示G方向に変位
させ、このときに可動部22の先端側を凹凸部13Aか
ら離脱させる。
【0053】また、可動体21は、電極24,25間へ
の電圧印加(通電)を解除したときに前記静電引力が失
効するので、可動部22が支持梁23の弾性復元力によ
り矢示H方向に変位する。これにより、可動部22の先
端側は凹凸部13Aに係合するものである。
の電圧印加(通電)を解除したときに前記静電引力が失
効するので、可動部22が支持梁23の弾性復元力によ
り矢示H方向に変位する。これにより、可動部22の先
端側は凹凸部13Aに係合するものである。
【0054】本実施の形態による光スイッチ装置は、上
述の如き構成を有するもので、次にそのスイッチング動
作について図1ないし図6を参照しつつ説明する。
述の如き構成を有するもので、次にそのスイッチング動
作について図1ないし図6を参照しつつ説明する。
【0055】まず、全ての電圧印加を停止した初期状態
では、図1に示すように可動体21の可動部22が、可
動体12の可動部13に形成した複数の凹凸部13A,
13A,…のうち図1中の最右側に位置する凹凸部13
Aに係合し、これにより可動体12の可動部13は矢示
B方向の後退位置(ストロークエンド)に保持される。
では、図1に示すように可動体21の可動部22が、可
動体12の可動部13に形成した複数の凹凸部13A,
13A,…のうち図1中の最右側に位置する凹凸部13
Aに係合し、これにより可動体12の可動部13は矢示
B方向の後退位置(ストロークエンド)に保持される。
【0056】そして、このときには可動体12が図1中
に実線で示す位置にあり、ミラー部15Aは矢示C方向
の光ビームから矢示B方向に後退した位置に留まるの
で、発光部8Bからの光ビームは受光部8Cで受光さ
れ、このときには発光部8Bと受光部8Cとの間で光通
信等が行われる。
に実線で示す位置にあり、ミラー部15Aは矢示C方向
の光ビームから矢示B方向に後退した位置に留まるの
で、発光部8Bからの光ビームは受光部8Cで受光さ
れ、このときには発光部8Bと受光部8Cとの間で光通
信等が行われる。
【0057】次に、可動体12の可動部13を矢示A方
向に駆動するときには、まず、各可動体16の可動電極
19と固定電極20との間に、例えば10ボルト以下の
電圧を印加する。これにより、可動電極19と固定電極
20との間に静電引力が発生し、可動電極19が固定電
極20側に吸引される。
向に駆動するときには、まず、各可動体16の可動電極
19と固定電極20との間に、例えば10ボルト以下の
電圧を印加する。これにより、可動電極19と固定電極
20との間に静電引力が発生し、可動電極19が固定電
極20側に吸引される。
【0058】このため、各可動体16は、図3に示す如
く支持梁18を弾性的に撓み変形させつつ可動部17を
矢示E方向に変位させ、可動体12の可動部13を左,
右両側から挟むようにして押圧し始める。
く支持梁18を弾性的に撓み変形させつつ可動部17を
矢示E方向に変位させ、可動体12の可動部13を左,
右両側から挟むようにして押圧し始める。
【0059】そして、この状態で可動体21の可動電極
24と固定電極25との間に、例えば10ボルト以下の
電圧を印加すると、可動電極24と固定電極25との間
に静電引力が発生するので、可動電極24が固定電極2
5側に吸引され、可動体21は、図3に示す如く支持梁
23を弾性的に撓み変形させつつ可動部22を矢示G方
向に変位させ、可動部22の先端側を凹凸部13Aから
離脱させる。
24と固定電極25との間に、例えば10ボルト以下の
電圧を印加すると、可動電極24と固定電極25との間
に静電引力が発生するので、可動電極24が固定電極2
5側に吸引され、可動体21は、図3に示す如く支持梁
23を弾性的に撓み変形させつつ可動部22を矢示G方
向に変位させ、可動部22の先端側を凹凸部13Aから
離脱させる。
【0060】この結果、可動体12の可動部13は、可
動体21による位置保持が解除されて、例えば矢示A方
向に変位可能な状態となる。また、各可動体16は、図
3に示す如く可動部17を矢示E方向に変位させ、可動
部13を左,右両側から挟むように押圧し続けている。
動体21による位置保持が解除されて、例えば矢示A方
向に変位可能な状態となる。また、各可動体16は、図
3に示す如く可動部17を矢示E方向に変位させ、可動
部13を左,右両側から挟むように押圧し続けている。
【0061】このため、可動体12の可動部13は、一
対の可動部17から受ける矢示E方向の押圧力のうち、
水平方向の分力に従って矢示A方向に駆動される。これ
により可動体12は、支持梁14が図3に示すように弾
性的に撓み変形され、可動部13が一定の変位量T(例
えば、数μm程度の変位量)をもって矢示A方向に変位
する。
対の可動部17から受ける矢示E方向の押圧力のうち、
水平方向の分力に従って矢示A方向に駆動される。これ
により可動体12は、支持梁14が図3に示すように弾
性的に撓み変形され、可動部13が一定の変位量T(例
えば、数μm程度の変位量)をもって矢示A方向に変位
する。
【0062】次に、この状態で可動体21の可動電極2
4と固定電極25との間の電圧印加を停止すると、電極
24,25間の静電引力が解除されるので、可動体21
は図4に示す如く支持梁23の弾性復元力により矢示H
方向に変位する。これによって、可動部22の先端側が
次なる凹凸部13Aに係合し、可動体12の可動部13
は変位量Tだけ変位した位置に可動体21により位置保
持される。
4と固定電極25との間の電圧印加を停止すると、電極
24,25間の静電引力が解除されるので、可動体21
は図4に示す如く支持梁23の弾性復元力により矢示H
方向に変位する。これによって、可動部22の先端側が
次なる凹凸部13Aに係合し、可動体12の可動部13
は変位量Tだけ変位した位置に可動体21により位置保
持される。
【0063】そして、この状態で各可動体16の可動電
極19と固定電極20との間の電圧印加を停止すると、
電極19,20間の静電引力が解除されるので、各可動
体16は図5に示す如く支持梁18の弾性復元力により
矢示F方向に変位する。これにより各可動体16は、可
動部17の先端側が可動部13の側面から離間し、次な
る電圧印加に備えて待機位置に置かれる。
極19と固定電極20との間の電圧印加を停止すると、
電極19,20間の静電引力が解除されるので、各可動
体16は図5に示す如く支持梁18の弾性復元力により
矢示F方向に変位する。これにより各可動体16は、可
動部17の先端側が可動部13の側面から離間し、次な
る電圧印加に備えて待機位置に置かれる。
【0064】このように、第2の可動体16側での電極
19,20間の電圧印加、解除と、第3の可動体21側
での電極24,25間の電圧印加、解除とを順次繰返す
ことにより、第1の可動体12は、支持梁14を弾性的
に撓み変形させつつ可動部13が矢示A方向に変位量T
をもって駆動変位される。そして、可動部13が一定の
変位量T分だけ変位したときには、第3の可動部22が
凹凸部13Aに係合して第1の可動部13の位置保持を
行う。
19,20間の電圧印加、解除と、第3の可動体21側
での電極24,25間の電圧印加、解除とを順次繰返す
ことにより、第1の可動体12は、支持梁14を弾性的
に撓み変形させつつ可動部13が矢示A方向に変位量T
をもって駆動変位される。そして、可動部13が一定の
変位量T分だけ変位したときには、第3の可動部22が
凹凸部13Aに係合して第1の可動部13の位置保持を
行う。
【0065】これにより、第1の可動部13は、尺取り
虫のような動き(変位量T毎の間欠変位)を繰返し、ミ
ラー部15Aは、発光部8Bから発射された光ビームの
進路に向けて間欠的に前進する。そして、このような動
作をn回(n=2,3,4,5,…)繰返して可動部1
3の変位量が、図6に示すように(n×T)なる変位
量、例えば50〜100μm程度の変位量に達すると、
ミラー部15Aが図6中に実線で示す位置まで進出す
る。
虫のような動き(変位量T毎の間欠変位)を繰返し、ミ
ラー部15Aは、発光部8Bから発射された光ビームの
進路に向けて間欠的に前進する。そして、このような動
作をn回(n=2,3,4,5,…)繰返して可動部1
3の変位量が、図6に示すように(n×T)なる変位
量、例えば50〜100μm程度の変位量に達すると、
ミラー部15Aが図6中に実線で示す位置まで進出す
る。
【0066】そして、可動部13が図6に示す矢示A方
向のストロークエンドまで進出したときには、発光部8
Bからの光ビームがミラー部15Aにより反射されるた
め、このときの光ビームは矢示D方向へと進路が変更さ
れ、発光部8Bと受光部8Dとの間で光通信等が行われ
るものである。
向のストロークエンドまで進出したときには、発光部8
Bからの光ビームがミラー部15Aにより反射されるた
め、このときの光ビームは矢示D方向へと進路が変更さ
れ、発光部8Bと受光部8Dとの間で光通信等が行われ
るものである。
【0067】また、図6に示す状態では第2の可動体1
6側での電極19,20間と、第3の可動体21側での
電極24,25間とが共に電圧印加を解除され、この通
電解除状態で第1の可動体12を図6に例示するストロ
ークエンド(最大変位位置)に第3の可動体21により
保持することができる。
6側での電極19,20間と、第3の可動体21側での
電極24,25間とが共に電圧印加を解除され、この通
電解除状態で第1の可動体12を図6に例示するストロ
ークエンド(最大変位位置)に第3の可動体21により
保持することができる。
【0068】一方、第1の可動体12を図1に示す初期
位置に戻すときには、まず第2の可動体16側で電極1
9,20間に電圧を印加し、電極19,20間に発生す
る静電引力により可動部17を矢示E方向に変位させ、
第1の可動部13を矢示A方向に駆動し始めると共に、
これとほぼ同時に、第3の可動体21側で電極24,2
5間に電圧を印加する。
位置に戻すときには、まず第2の可動体16側で電極1
9,20間に電圧を印加し、電極19,20間に発生す
る静電引力により可動部17を矢示E方向に変位させ、
第1の可動部13を矢示A方向に駆動し始めると共に、
これとほぼ同時に、第3の可動体21側で電極24,2
5間に電圧を印加する。
【0069】これにより、第3の可動部22は、電極2
4,25間に発生する静電引力により矢示G方向に駆動
される。そして、このときには第1の可動部13が矢示
A方向に押されているので、可動部22の先端側を凹凸
部13Aから円滑に離脱させることができる。
4,25間に発生する静電引力により矢示G方向に駆動
される。そして、このときには第1の可動部13が矢示
A方向に押されているので、可動部22の先端側を凹凸
部13Aから円滑に離脱させることができる。
【0070】次に、この状態で第2の可動体16におけ
る電極19,20間の電圧印加を解除し、支持梁18の
弾性復元力により可動部17を矢示F方向に変位させる
と、この可動部17は第1の可動部13から僅かに離間
する。このため第1の可動体12は、支持梁14の弾性
復元力により可動部13が矢示B方向へと引っ張られる
ように変位し始め、図1に示す初期位置(矢示B方向の
ストロークエンド)へと自動的に復帰する。
る電極19,20間の電圧印加を解除し、支持梁18の
弾性復元力により可動部17を矢示F方向に変位させる
と、この可動部17は第1の可動部13から僅かに離間
する。このため第1の可動体12は、支持梁14の弾性
復元力により可動部13が矢示B方向へと引っ張られる
ように変位し始め、図1に示す初期位置(矢示B方向の
ストロークエンド)へと自動的に復帰する。
【0071】そして、この状態で第3の可動体21側で
電極24,25間の電圧印加を解除すると、第3の可動
体21は支持梁23の弾性復元力により可動部22を矢
示H方向に駆動し、該可動部22の先端側が可動部13
の凹凸部13A内に図1に示す如く係合する。
電極24,25間の電圧印加を解除すると、第3の可動
体21は支持梁23の弾性復元力により可動部22を矢
示H方向に駆動し、該可動部22の先端側が可動部13
の凹凸部13A内に図1に示す如く係合する。
【0072】このため、第1の可動体12は全ての電圧
印加を解除した状態で図1に示す初期位置に位置保持さ
れる。そして、このときにはミラー部15Aが、矢示C
方向の光ビームから矢示B方向に後退した位置に戻るの
で、発光部8Bからの光ビームは受光部8Cで受光さ
れ、発光部8Bと受光部8Cとの間で再び光通信等を行
うことができる。
印加を解除した状態で図1に示す初期位置に位置保持さ
れる。そして、このときにはミラー部15Aが、矢示C
方向の光ビームから矢示B方向に後退した位置に戻るの
で、発光部8Bからの光ビームは受光部8Cで受光さ
れ、発光部8Bと受光部8Cとの間で再び光通信等を行
うことができる。
【0073】かくして、本実施の形態による光スイッチ
装置は、第2の可動体16側での電極19,20間の電
圧印加、解除と、第3の可動体21側での電極24,2
5間の電圧印加、解除とを順次繰返すことにより、第1
の可動部13を尺取り虫のように変位量T毎に間欠的に
変位させる構成としたので、このような動作をn回繰返
すことにより、可動部13の変位量(n×T)を、例え
ば50〜100μm程度まで大きくすることができる。
装置は、第2の可動体16側での電極19,20間の電
圧印加、解除と、第3の可動体21側での電極24,2
5間の電圧印加、解除とを順次繰返すことにより、第1
の可動部13を尺取り虫のように変位量T毎に間欠的に
変位させる構成としたので、このような動作をn回繰返
すことにより、可動部13の変位量(n×T)を、例え
ば50〜100μm程度まで大きくすることができる。
【0074】この結果、第1の可動体12のミラー支持
部15に設けたミラー部15Aを、発光部8Bから発射
される光のビーム径よりも大きく変位させることがで
き、発光部8Bと受光部8C,8Dとの間で光ビームの
切換動作(スイッチング動作)を安定して行うことがで
きる。
部15に設けたミラー部15Aを、発光部8Bから発射
される光のビーム径よりも大きく変位させることがで
き、発光部8Bと受光部8C,8Dとの間で光ビームの
切換動作(スイッチング動作)を安定して行うことがで
きる。
【0075】また、このときに可動電極19と固定電極
20との間に印加する電圧を、例えば10ボルト以下ま
で下げることができ、従来技術で述べたように高い電圧
を印加する必要がなくなり、電源側の回路構成等を簡略
化することができる。
20との間に印加する電圧を、例えば10ボルト以下ま
で下げることができ、従来技術で述べたように高い電圧
を印加する必要がなくなり、電源側の回路構成等を簡略
化することができる。
【0076】そして、第1の可動体12を矢示A,B方
向のストロークエンドとなる初期位置と最大変位位置と
に位置保持するときには、全ての電圧印加を解除し、各
電極19,20間と各電極24,25間との静電引力を
失効させるので、ミラー部15Aを矢示A,B方向に大
きく進退させたいずれか一方の状態に、給電停止時にも
位置保持でき、発光部8Bと受光部8C,8Dとの間で
光ビームの切換動作を安定して行うことができる。
向のストロークエンドとなる初期位置と最大変位位置と
に位置保持するときには、全ての電圧印加を解除し、各
電極19,20間と各電極24,25間との静電引力を
失効させるので、ミラー部15Aを矢示A,B方向に大
きく進退させたいずれか一方の状態に、給電停止時にも
位置保持でき、発光部8Bと受光部8C,8Dとの間で
光ビームの切換動作を安定して行うことができる。
【0077】従って、本実施の形態によれば、例えば第
2の可動体16の可動電極19と固定電極20との間に
印加する電圧を10ボルト以下の低い電圧に設定でき、
光ビームの切換えを安定して行うことができると共に、
電極構造等を大型化することなく全体を小型化でき、光
スイッチ装置としての信頼性を確実に向上させることが
できる。
2の可動体16の可動電極19と固定電極20との間に
印加する電圧を10ボルト以下の低い電圧に設定でき、
光ビームの切換えを安定して行うことができると共に、
電極構造等を大型化することなく全体を小型化でき、光
スイッチ装置としての信頼性を確実に向上させることが
できる。
【0078】また、第1の可動体12を矢示A,B方向
のストロークエンドとなる初期位置と最大変位位置とに
位置保持するときには、各電極に対する給電を停止する
構成であるため、小電力化、省エネルギ化を図ることが
できると共に、停電等の不具合が発生したときにもミラ
ー部15Aの位置保持が可能となる。
のストロークエンドとなる初期位置と最大変位位置とに
位置保持するときには、各電極に対する給電を停止する
構成であるため、小電力化、省エネルギ化を図ることが
できると共に、停電等の不具合が発生したときにもミラ
ー部15Aの位置保持が可能となる。
【0079】また、第1,第2,第3の可動体12,1
6,21および固定電極20,25等を、単結晶または
多結晶のシリコン材料を用いて形成している。このた
め、このシリコン材料にマイクロマシニング技術による
エッチング処理等を施すことによって、可動体12,1
6,21および固定電極20,25等をそれぞれ微細に
加工して成形でき、当該光スイッチ装置を数ミリ程度の
大きさをもって小型の装置として形成することができ
る。
6,21および固定電極20,25等を、単結晶または
多結晶のシリコン材料を用いて形成している。このた
め、このシリコン材料にマイクロマシニング技術による
エッチング処理等を施すことによって、可動体12,1
6,21および固定電極20,25等をそれぞれ微細に
加工して成形でき、当該光スイッチ装置を数ミリ程度の
大きさをもって小型の装置として形成することができ
る。
【0080】次に、図7は本発明の第2の実施の形態を
示し、本実施の形態の特徴は、光の切換動作部となる第
1の可動体に2本の支持梁を設け、可動部の尺取り虫の
如き変位を安定させる構成としたことにある。なお、本
実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものと
する。
示し、本実施の形態の特徴は、光の切換動作部となる第
1の可動体に2本の支持梁を設け、可動部の尺取り虫の
如き変位を安定させる構成としたことにある。なお、本
実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構
成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものと
する。
【0081】図中、31は基板11上に設けられた切換
動作部としての第1の可動体で、該可動体31は、第1
の実施の形態で述べた第1の可動体12とほぼ同様に、
側面に各凹凸部32Aが形成された細長棒状の可動部3
2と、該可動部32の一端側に一体形成され各固定部3
3Aを有する支持梁33と、可動部32の他端側に形成
されミラー部34Aを有するミラー支持部34とにより
構成されている。
動作部としての第1の可動体で、該可動体31は、第1
の実施の形態で述べた第1の可動体12とほぼ同様に、
側面に各凹凸部32Aが形成された細長棒状の可動部3
2と、該可動部32の一端側に一体形成され各固定部3
3Aを有する支持梁33と、可動部32の他端側に形成
されミラー部34Aを有するミラー支持部34とにより
構成されている。
【0082】しかし、本実施の形態で用いる第1の可動
体31は、可動部32の他端側に他の支持梁35が一体
形成されている。この支持梁35は、ミラー支持部34
と第3の可動体21との間に位置し、可動部32とほぼ
直交する方向で、支持梁33とほぼ平行に延びている。
体31は、可動部32の他端側に他の支持梁35が一体
形成されている。この支持梁35は、ミラー支持部34
と第3の可動体21との間に位置し、可動部32とほぼ
直交する方向で、支持梁33とほぼ平行に延びている。
【0083】また、支持梁35の長さ方向両端側にも、
基板11上に固定される固定部35A,35Aが設けら
れ、支持梁35の長さ方向中間部は可動部32の途中部
位に一体形成されている。そして、可動部32は、支持
梁33,35により基板11上に両持ち状態で支えら
れ、可動部32と基板11との間には、図2に例示した
ように隙間S(例えば、数μm程度)が形成されてい
る。
基板11上に固定される固定部35A,35Aが設けら
れ、支持梁35の長さ方向中間部は可動部32の途中部
位に一体形成されている。そして、可動部32は、支持
梁33,35により基板11上に両持ち状態で支えら
れ、可動部32と基板11との間には、図2に例示した
ように隙間S(例えば、数μm程度)が形成されてい
る。
【0084】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用
効果を得ることができる。しかし、本実施の形態では、
2本の支持梁33,35を用いて可動部32を両持ち状
態で支える構成としているので、可動部32が矢示A,
B方向に尺取り虫の如く変位するときにも、可動部32
の動きを2本の支持梁33,35により安定させ、誤動
作等の発生を良好に防いで、信頼性をより一層向上する
ことができる。
形態でも、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用
効果を得ることができる。しかし、本実施の形態では、
2本の支持梁33,35を用いて可動部32を両持ち状
態で支える構成としているので、可動部32が矢示A,
B方向に尺取り虫の如く変位するときにも、可動部32
の動きを2本の支持梁33,35により安定させ、誤動
作等の発生を良好に防いで、信頼性をより一層向上する
ことができる。
【0085】次に、図8は本発明の第3の実施の形態を
示し、本実施の形態の特徴は、光の切換動作部となる第
1の可動体に設ける可動部に、鋸刃状の凹凸部を形成す
る構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前
述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号
を付し、その説明を省略するものとする。
示し、本実施の形態の特徴は、光の切換動作部となる第
1の可動体に設ける可動部に、鋸刃状の凹凸部を形成す
る構成としたことにある。なお、本実施の形態では、前
述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号
を付し、その説明を省略するものとする。
【0086】図中、41は基板11上に設けられた切換
動作部としての第1の可動体で、該可動体41は、第1
の実施の形態で述べた第1の可動体12とほぼ同様に、
細長棒状の可動部42と、該可動部42の一端側に一体
形成され各固定部43Aを有する支持梁43と、可動部
42の他端側に形成されミラー部44Aを有するミラー
支持部44とにより構成されている。
動作部としての第1の可動体で、該可動体41は、第1
の実施の形態で述べた第1の可動体12とほぼ同様に、
細長棒状の可動部42と、該可動部42の一端側に一体
形成され各固定部43Aを有する支持梁43と、可動部
42の他端側に形成されミラー部44Aを有するミラー
支持部44とにより構成されている。
【0087】しかし、本実施の形態で採用した第1の可
動体41は、可動部42の長さ方向途中位置に略三角形
の鋸刃状をなす凹凸部42A,42A,…(以下、鋸刃
状凹凸部42Aという)を形成し、これらの鋸刃状凹凸
部42Aを可動部42の側面に沿って一定の間隔(変位
量Tに対応する間隔)で列設する構成としている。
動体41は、可動部42の長さ方向途中位置に略三角形
の鋸刃状をなす凹凸部42A,42A,…(以下、鋸刃
状凹凸部42Aという)を形成し、これらの鋸刃状凹凸
部42Aを可動部42の側面に沿って一定の間隔(変位
量Tに対応する間隔)で列設する構成としている。
【0088】45は基板11上に設けられた変位保持部
としての第3の可動体で、該可動体45は、第1の実施
の形態で述べた第3の可動体21と同様に、可動部4
6、固定部47Aを有する支持梁47および変位保持用
の可動電極48,48とにより構成されている。
としての第3の可動体で、該可動体45は、第1の実施
の形態で述べた第3の可動体21と同様に、可動部4
6、固定部47Aを有する支持梁47および変位保持用
の可動電極48,48とにより構成されている。
【0089】しかし、第3の可動体45は、可動部46
の先端側が可動部42の鋸刃状凹凸部42Aに対応して
斜めにカット(切断)した形状となり、これによって可
動部46の先端側は、所謂ラチェット機構の如く可動部
42の各鋸刃状凹凸部42Aに係脱可能に係合するもの
である。
の先端側が可動部42の鋸刃状凹凸部42Aに対応して
斜めにカット(切断)した形状となり、これによって可
動部46の先端側は、所謂ラチェット機構の如く可動部
42の各鋸刃状凹凸部42Aに係脱可能に係合するもの
である。
【0090】49,49は可動体45の各可動電極48
に対向配置された変位保持用の固定電極で、該各固定電
極49は、第1の実施の形態で述べた固定電極25と同
様に形成され、可動体45と共に光スイッチ装置の変位
保持部を構成している。
に対向配置された変位保持用の固定電極で、該各固定電
極49は、第1の実施の形態で述べた固定電極25と同
様に形成され、可動体45と共に光スイッチ装置の変位
保持部を構成している。
【0091】この場合、固定電極49は可動電極48と
共に平行平板型の電極として形成している。しかし、こ
れらの可動電極48および固定電極49も、従来技術で
述べた可動電極6および固定電極7と同様にくし歯状電
極として形成してもよいものである。
共に平行平板型の電極として形成している。しかし、こ
れらの可動電極48および固定電極49も、従来技術で
述べた可動電極6および固定電極7と同様にくし歯状電
極として形成してもよいものである。
【0092】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用
効果を得ることができ、可動部42の変位量(n×T)
を、例えば50〜100μm程度まで大きくできる。し
かし、本実施の形態では、光の切換動作部となる第1の
可動体41に設ける可動部42に、略三角形の鋸刃状凹
凸部42A,42A,…を形成したので、下記のような
作用効果を得ることができる。
形態でも、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用
効果を得ることができ、可動部42の変位量(n×T)
を、例えば50〜100μm程度まで大きくできる。し
かし、本実施の形態では、光の切換動作部となる第1の
可動体41に設ける可動部42に、略三角形の鋸刃状凹
凸部42A,42A,…を形成したので、下記のような
作用効果を得ることができる。
【0093】即ち、第2の可動体16の可動電極19と
固定電極20との間に電圧を印加して静電引力を発生さ
せ、可動部17を矢示E方向に変位させることにより、
第1の可動部42を矢示A方向に駆動するときに、鋸刃
状凹凸部42Aにより第3の可動部46を支持梁47に
抗して矢示G方向に変位させることができる。
固定電極20との間に電圧を印加して静電引力を発生さ
せ、可動部17を矢示E方向に変位させることにより、
第1の可動部42を矢示A方向に駆動するときに、鋸刃
状凹凸部42Aにより第3の可動部46を支持梁47に
抗して矢示G方向に変位させることができる。
【0094】このため、第3の可動体45の可動電極4
8と固定電極49との間に電圧を印加することなく、第
1の可動部42を尺取り虫の如く変位量T毎に間欠的に
駆動でき、第2の可動体16における電極19,20間
の電圧印加を停止したときには、第3の可動部46を支
持梁47の弾性力により、次なる鋸刃状凹凸部42Aに
係合させつつ、可動部42の位置保持を自動的に行うこ
とができる。
8と固定電極49との間に電圧を印加することなく、第
1の可動部42を尺取り虫の如く変位量T毎に間欠的に
駆動でき、第2の可動体16における電極19,20間
の電圧印加を停止したときには、第3の可動部46を支
持梁47の弾性力により、次なる鋸刃状凹凸部42Aに
係合させつつ、可動部42の位置保持を自動的に行うこ
とができる。
【0095】従って、第1の可動部42を矢示A方向に
進出させる間は、第3の可動体45における電極48,
49間の電圧印加を不要にでき、小電力化、省エネルギ
化を図ることができる。
進出させる間は、第3の可動体45における電極48,
49間の電圧印加を不要にでき、小電力化、省エネルギ
化を図ることができる。
【0096】また、第1の可動部42が変位量(n×
T)分だけ矢示A方向に変位した後、第1の可動部42
を矢示B方向に復帰させるときには、第3の可動体45
の可動電極48と固定電極49との間に電圧を印加し、
第3の可動部46を矢示G方向に変位させれば、これに
よって第3の可動部46と鋸刃状凹凸部42Aとの係合
が解除される。
T)分だけ矢示A方向に変位した後、第1の可動部42
を矢示B方向に復帰させるときには、第3の可動体45
の可動電極48と固定電極49との間に電圧を印加し、
第3の可動部46を矢示G方向に変位させれば、これに
よって第3の可動部46と鋸刃状凹凸部42Aとの係合
が解除される。
【0097】このため、第1の可動体41は、支持梁4
3の弾性復元力により第1の可動部42を矢示B方向に
後退させ、第1の可動部42を変位量(n×T)分だけ
矢示B方向に自動的に復帰させることができる。そし
て、この状態で第3の可動体45における電極48,4
9間の電圧印加を解除でき、第1の可動体41を初期位
置に保持することができる。
3の弾性復元力により第1の可動部42を矢示B方向に
後退させ、第1の可動部42を変位量(n×T)分だけ
矢示B方向に自動的に復帰させることができる。そし
て、この状態で第3の可動体45における電極48,4
9間の電圧印加を解除でき、第1の可動体41を初期位
置に保持することができる。
【0098】なお、前記第1の実施の形態では、第1の
可動体12のミラー支持部15にミラー部15Aを形成
し、発光部8Bと受光部8C,8Dとの間で光ビームの
進路をミラー部15Aにより反射させて切換える場合を
例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るもの
ではなく、例えばミラー支持部15に遮光板等のシャッ
タを光切換部として設け、光の光路をON,OFFさせ
る光シャッタ等のスイッチ装置に適用してもよい。この
点は第2,第3の実施の形態についても同様である。
可動体12のミラー支持部15にミラー部15Aを形成
し、発光部8Bと受光部8C,8Dとの間で光ビームの
進路をミラー部15Aにより反射させて切換える場合を
例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るもの
ではなく、例えばミラー支持部15に遮光板等のシャッ
タを光切換部として設け、光の光路をON,OFFさせ
る光シャッタ等のスイッチ装置に適用してもよい。この
点は第2,第3の実施の形態についても同様である。
【0099】また、第2の可動体16における可動電極
19と固定電極20は、平行平板型の電極構造に限るも
のではなく、例えば従来技術で述べた可動電極6、固定
電極7と同様にくし歯状電極として形成してもよいもの
である。
19と固定電極20は、平行平板型の電極構造に限るも
のではなく、例えば従来技術で述べた可動電極6、固定
電極7と同様にくし歯状電極として形成してもよいもの
である。
【0100】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、光の進路に対して進退可能に設けられ光の
切換動作を行う切換動作部と、固定電極と可動電極との
間に発生する静電力により前記切換動作部を光の進路に
対して進退する方向に駆動する駆動部と、前記切換動作
部を変位した位置に係脱可能に保持する変位保持部とを
備える構成としているので、切換動作部を尺取り虫の如
く間欠的に動かして変位量を増大でき、該切換動作部を
光の進路に対し十分な変位量をもって進退させることが
できる。
明によれば、光の進路に対して進退可能に設けられ光の
切換動作を行う切換動作部と、固定電極と可動電極との
間に発生する静電力により前記切換動作部を光の進路に
対して進退する方向に駆動する駆動部と、前記切換動作
部を変位した位置に係脱可能に保持する変位保持部とを
備える構成としているので、切換動作部を尺取り虫の如
く間欠的に動かして変位量を増大でき、該切換動作部を
光の進路に対し十分な変位量をもって進退させることが
できる。
【0101】そして、切換動作部を光の進路上に進出さ
せたままの状態で、変位保持部により切換動作部をこの
位置に保持することができ、駆動部の可動電極と固定電
極とに印加する電圧を低い電圧に設定できると共に、全
体を小型化でき、光の切換動作を安定させ信頼性を向上
することができる。また、切換動作部をストロークエン
ドとなる初期位置と最大変位位置とに位置保持するとき
には、各電極に対する給電を停止でき、小電力化、省エ
ネルギ化を図ることができると共に、停電等の不具合が
発生したときにも切換動作部を位置保持することができ
る。
せたままの状態で、変位保持部により切換動作部をこの
位置に保持することができ、駆動部の可動電極と固定電
極とに印加する電圧を低い電圧に設定できると共に、全
体を小型化でき、光の切換動作を安定させ信頼性を向上
することができる。また、切換動作部をストロークエン
ドとなる初期位置と最大変位位置とに位置保持するとき
には、各電極に対する給電を停止でき、小電力化、省エ
ネルギ化を図ることができると共に、停電等の不具合が
発生したときにも切換動作部を位置保持することができ
る。
【0102】また、請求項2に記載の発明によると、駆
動部は切換動作部に対し斜め側方に配置して設け、各電
極間に発生する静電力により切換動作部を斜め方向から
駆動する構成としているので、駆動部により切換動作部
を斜め方向から駆動すると、このときの水平方向分力に
より切換動作部を光の進路に向けて変位させることがで
き、このような動作を繰返すことにより切換動作部が尺
取り虫のような動きを繰返し、切換動作部に大きな変位
を発生できる。
動部は切換動作部に対し斜め側方に配置して設け、各電
極間に発生する静電力により切換動作部を斜め方向から
駆動する構成としているので、駆動部により切換動作部
を斜め方向から駆動すると、このときの水平方向分力に
より切換動作部を光の進路に向けて変位させることがで
き、このような動作を繰返すことにより切換動作部が尺
取り虫のような動きを繰返し、切換動作部に大きな変位
を発生できる。
【0103】また、請求項3に記載の発明によると、切
換動作部には駆動部から離間した位置に複数の凹凸部を
形成し、変位保持部は該各凹凸部のうちいずれか1つの
凹凸部に係脱可能に係合する構成としているので、例え
ば変位保持部の先端を切換動作部の凹凸部に係合させる
ことにより、切換動作部の位置保持を行うことができ、
切換動作部を駆動部で駆動変位させるときには、切換動
作部の凹凸部と変位保持部との係合を解除しつつ、駆動
部を作動させて切換動作部を動かすことができる。
換動作部には駆動部から離間した位置に複数の凹凸部を
形成し、変位保持部は該各凹凸部のうちいずれか1つの
凹凸部に係脱可能に係合する構成としているので、例え
ば変位保持部の先端を切換動作部の凹凸部に係合させる
ことにより、切換動作部の位置保持を行うことができ、
切換動作部を駆動部で駆動変位させるときには、切換動
作部の凹凸部と変位保持部との係合を解除しつつ、駆動
部を作動させて切換動作部を動かすことができる。
【0104】一方、請求項4に記載の発明は、切換動作
部を光切換部が設けられた第1の可動体とし、駆動部
は、該第1の可動体に対して斜め側方に配置され駆動用
の可動電極が形成された第2の可動体と、該第2の可動
体の可動電極に対向して設けられた駆動用の固定電極と
により構成し、変位保持部は、前記第2の可動体から離
間した位置で前記第1の可動体の側方に配置され変位保
持用の可動電極が形成された第3の可動体と、該第3の
可動体の可動電極に対向して設けられた変位保持用の固
定電極とにより構成しているので、第2の可動体の可動
電極と固定電極との間に電圧を印加すると、これらの電
極間に静電力を発生させて第1の可動体を斜め側方から
駆動でき、このときには第1の支持梁を弾性的に撓み変
形させつつ、第1の可動体を光の進路に向けて進退させ
ることができる。また、第3の可動体は可動電極と固定
電極との間に電圧を印加または解除することにより、例
えば第3の可動体の先端側を第1の可動体に係脱可能に
係合させることができ、静電力を解除した状態でも第1
の可動体を変位した位置に保持することができる。そし
て、このような動作を繰返すことにより前記第1の可動
体の変位量を増大でき、該第1の可動体を光の進路に対
し十分な変位量をもって進退させることができる。
部を光切換部が設けられた第1の可動体とし、駆動部
は、該第1の可動体に対して斜め側方に配置され駆動用
の可動電極が形成された第2の可動体と、該第2の可動
体の可動電極に対向して設けられた駆動用の固定電極と
により構成し、変位保持部は、前記第2の可動体から離
間した位置で前記第1の可動体の側方に配置され変位保
持用の可動電極が形成された第3の可動体と、該第3の
可動体の可動電極に対向して設けられた変位保持用の固
定電極とにより構成しているので、第2の可動体の可動
電極と固定電極との間に電圧を印加すると、これらの電
極間に静電力を発生させて第1の可動体を斜め側方から
駆動でき、このときには第1の支持梁を弾性的に撓み変
形させつつ、第1の可動体を光の進路に向けて進退させ
ることができる。また、第3の可動体は可動電極と固定
電極との間に電圧を印加または解除することにより、例
えば第3の可動体の先端側を第1の可動体に係脱可能に
係合させることができ、静電力を解除した状態でも第1
の可動体を変位した位置に保持することができる。そし
て、このような動作を繰返すことにより前記第1の可動
体の変位量を増大でき、該第1の可動体を光の進路に対
し十分な変位量をもって進退させることができる。
【0105】また、請求項5に記載の発明によると、第
1,第2,第3の支持梁はそれぞれの端部を基板上に固
定して設け、第1,第2,第3の可動体は、該基板の表
面に沿って互いに異なる方向に変位する構成としている
ので、第1,第2,第3の可動体はそれぞれ第1,第
2,第3の支持梁を介して基板上に変位可能に配置で
き、第1,第2,第3の可動体を基板の表面に沿って互
いに異なる方向に変位させつつ、第1の可動体を光の進
路に対し十分な変位量をもって進退駆動することができ
る。
1,第2,第3の支持梁はそれぞれの端部を基板上に固
定して設け、第1,第2,第3の可動体は、該基板の表
面に沿って互いに異なる方向に変位する構成としている
ので、第1,第2,第3の可動体はそれぞれ第1,第
2,第3の支持梁を介して基板上に変位可能に配置で
き、第1,第2,第3の可動体を基板の表面に沿って互
いに異なる方向に変位させつつ、第1の可動体を光の進
路に対し十分な変位量をもって進退駆動することができ
る。
【0106】さらに、請求項6に記載の発明は、第1,
第2,第3の可動体および各固定電極を、単結晶または
多結晶なシリコン材料によって形成しているので、シリ
コン材料にエッチング処理を施すことによって、第1,
第2,第3の可動体および各固定電極をそれぞれ微細に
加工、成形することができ、当該光スイッチ装置を数ミ
リ程度の大きさに形成できる。
第2,第3の可動体および各固定電極を、単結晶または
多結晶なシリコン材料によって形成しているので、シリ
コン材料にエッチング処理を施すことによって、第1,
第2,第3の可動体および各固定電極をそれぞれ微細に
加工、成形することができ、当該光スイッチ装置を数ミ
リ程度の大きさに形成できる。
【図1】本発明の第1の実施の形態による光スイッチ装
置を示す平面図である。
置を示す平面図である。
【図2】第1の可動体を図1中の矢示II−II方向からみ
た断面図である。
た断面図である。
【図3】第1の可動体を第2の可動体により駆動した状
態を示す図1とほぼ同様の平面図である。
態を示す図1とほぼ同様の平面図である。
【図4】第1の可動体を第3の可動体により位置保持し
た状態を示す図1とほぼ同様の平面図である。
た状態を示す図1とほぼ同様の平面図である。
【図5】第1の可動体を位置保持した後に第2の可動部
を第1の可動部から離間させた状態を示す図1とほぼ同
様の平面図である。
を第1の可動部から離間させた状態を示す図1とほぼ同
様の平面図である。
【図6】第1の可動体を最大変位位置まで駆動し光の進
路を切換えた状態を示す図1とほぼ同様の平面図であ
る。
路を切換えた状態を示す図1とほぼ同様の平面図であ
る。
【図7】第2の実施の形態による光スイッチ装置を示す
平面図である。
平面図である。
【図8】第3の実施の形態による光スイッチ装置を示す
平面図である。
平面図である。
【図9】従来技術による光スイッチ装置を示す平面図で
ある。
ある。
11 基板
12,31,41 第1の可動体(切換動作部)
13,32,42 第1の可動部
13A,32A 凹凸部
14,33,35,43 第1の支持梁
15A,34A,44A ミラー部(光切換部)
16 第2の可動体(駆動部)
17 第2の可動部
18 第2の支持梁
19 駆動用の可動電極
20 駆動用の固定電極
21,45 第3の可動体(切換動作部)
22,46 第3の可動部
23,47 第3の支持梁
24,48 変位保持用の可動電極
25,49 変位保持用の固定電極
42A 鋸刃状の凹凸部
Claims (6)
- 【請求項1】 光の進路に対して進退可能に設けられ光
の切換動作を行う切換動作部と、 互いに対向配置された固定電極、可動電極を有し、該各
電極間に発生する静電力により前記切換動作部を光の進
路に対して進退する方向に駆動する駆動部と、 前記切換動作部を駆動部により駆動変位させた状態で該
駆動部による静電力を解除したときに前記切換動作部を
変位した位置に係脱可能に保持する変位保持部とにより
構成してなる光スイッチ装置。 - 【請求項2】 前記駆動部は切換動作部に対し斜め側方
に配置して設け、前記各電極間に発生する静電力により
前記切換動作部を斜め方向から駆動する構成としてなる
請求項1に記載の光スイッチ装置。 - 【請求項3】 前記切換動作部には前記駆動部から離間
した位置に複数の凹凸部を形成し、前記変位保持部は該
各凹凸部のうちいずれか1つの凹凸部に係脱可能に係合
することにより前記切換動作部を位置保持する構成とし
てなる請求項1または2に記載の光スイッチ装置。 - 【請求項4】 前記切換動作部は、弾性変形可能な第1
の支持梁により支えられ光の切換を行う光切換部が設け
られた第1の可動体からなり、 前記駆動部は、該第1の可動体に対して斜め側方に配置
され弾性変形可能な第2の支持梁により支えられると共
に駆動用の前記可動電極が形成された第2の可動体と、
該第2の可動体の可動電極に対向して設けられた駆動用
の前記固定電極とにより構成し、 前記変位保持部は、前記第2の可動体から離間した位置
で前記第1の可動体の側方に配置され弾性変形可能な第
3の支持梁により支えられると共に変位保持用の可動電
極が形成された第3の可動体と、該第3の可動体の可動
電極に対向して設けられた変位保持用の固定電極とによ
り構成してなる請求項1,2または3に記載の光スイッ
チ装置。 - 【請求項5】 前記第1,第2,第3の支持梁はそれぞ
れの端部を基板上に固定して設け、前記第1,第2,第
3の可動体は、該基板の表面に沿って互いに異なる方向
に変位する構成としてなる請求項4に記載の光スイッチ
装置。 - 【請求項6】 前記第1,第2,第3の可動体および各
固定電極は、単結晶または多結晶なシリコン材料によっ
て形成してなる請求項4または5に記載の光スイッチ装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002040498A JP2003241117A (ja) | 2002-02-18 | 2002-02-18 | 光スイッチ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002040498A JP2003241117A (ja) | 2002-02-18 | 2002-02-18 | 光スイッチ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003241117A true JP2003241117A (ja) | 2003-08-27 |
Family
ID=27781228
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002040498A Pending JP2003241117A (ja) | 2002-02-18 | 2002-02-18 | 光スイッチ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003241117A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006280181A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Yamaguchi Univ | 静電アクチュエータ |
JP2009274158A (ja) * | 2008-05-13 | 2009-11-26 | Japan Aviation Electronics Industry Ltd | 微細可動デバイス及びその駆動方法 |
-
2002
- 2002-02-18 JP JP2002040498A patent/JP2003241117A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006280181A (ja) * | 2005-03-30 | 2006-10-12 | Yamaguchi Univ | 静電アクチュエータ |
JP2009274158A (ja) * | 2008-05-13 | 2009-11-26 | Japan Aviation Electronics Industry Ltd | 微細可動デバイス及びその駆動方法 |
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