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JP2003221684A - マグネシウム及び/又はマグネシウム合金の表面処理方法及びマグネシウム及び/又はマグネシウム合金製品 - Google Patents

マグネシウム及び/又はマグネシウム合金の表面処理方法及びマグネシウム及び/又はマグネシウム合金製品

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JP2003221684A
JP2003221684A JP2002337780A JP2002337780A JP2003221684A JP 2003221684 A JP2003221684 A JP 2003221684A JP 2002337780 A JP2002337780 A JP 2002337780A JP 2002337780 A JP2002337780 A JP 2002337780A JP 2003221684 A JP2003221684 A JP 2003221684A
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magnesium
magnesium alloy
chemical conversion
surface treatment
treatment
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JP2002337780A
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Masanobu Yomogihara
正伸 蓬原
Hisafumi Maejima
尚史 前島
Katsuyoshi Yamazoe
勝芳 山添
Kiyotada Yasuhara
清忠 安原
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境や人体に有害なクロムやマンガン等の物
質を実質的に含まない処理剤を使用して、かつ高い皮膜
電気抵抗との両立を示すマグネシウム金属及び/又はマ
グネシウム合金の表面処理方法を提供する。 【解決手段】 マグネシウム及び/又はマグネシウム合
金を0.001〜10質量%の炭酸塩化合物を含む化成
処理水溶液(A)によって処理するマグネシウム及び/
又はマグネシウム合金の表面処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネシウム金
属、マグネシウム合金よりなる部材・製品に高い耐食性
と塗膜密着性を付与する表面処理方法に関する。更に、
高い塗膜密着性と塗装後耐食性を必要とする自動車部材
や、上記性能の他に電気伝導性を必要とするテレビ、オ
ーディオ機器等の家電製品や、パソコン、携帯電話等の
電子機器のマグネシウム合金製部材にも好適に用いるこ
とができる表面処理方法に関する。また、形成される皮
膜中には、クロムやマンガン等の人体に有害な元素を含
まないので、マグネシウム金属で作製される生体材料の
表面処理としても将来有望なものである。
【0002】
【従来の技術】マグネシウム金属、マグネシウム合金の
化成処理技術として多くの特許、論文、専門書等で公開
されている。これらのうち最も一般的なのは、クロメー
ト処理である。クロメート処理は適応できる製品の範囲
が広く優れた耐食性と塗膜密着性をマグネシウム製品に
付与することができる。しかしながら、化成処理浴及び
それから作製される化成皮膜には、人体及び環境に悪影
響を与える6価クロムが含まれている。そのため、クロ
ムを用いない化成処理技術、いわゆるノンクロム化成処
理技術の開発が行われており、その結果、リン酸化処
理、ジルコニウム系化成処理、マンガン系化成処理が開
発され、一部は実用化されている(例えば、特許文献
1、特許文献2等参照。)。
【0003】リン酸化処理は、マグネシウム合金の耐食
性、塗膜密着性をある程度まで向上させることができる
が、不充分な場合が多く、用途はかなり限定される。リ
ン酸化処理を行うと、マグネシウム合金表面に形成され
る化成皮膜において、水溶性のMgHPOが形成され
るために、充分な防食性を持つ皮膜が形成されがたいこ
とが原因である。また、処理温度や処理時間が長いこと
も欠点であり、更に、リン酸も土壌富栄養化等の環境汚
染の原因とされている。
【0004】ジルコニウム系化成処理は、マグネシウム
合金表面にジルコニウムの水酸化物、酸化物、リン酸化
合物を形成し、マグネシウム合金に耐食性、塗膜密着性
を付与するものである。しかしながら、クロメート処理
と比較すると、未塗装耐食性が若干劣る場合があり、用
途によっては充分でないことがある。ジルコニウムは稀
少元素でもあり、資源的に乏しく高価である。また、溶
液中で安定に存在するためには、フッ素錯イオンとして
存在させるのが一般的であり、フッ素の含有を避けるこ
とは難しく、環境保全上好ましくない。
【0005】クロメート処理に匹敵する性能を発揮する
のが、マンガン系化成処理である。大別してリン酸系、
非リン酸系に大別される。マンガン系化成処理は、ノー
ト型パーソナルコンピューターのマグネシウム合金製筐
体では、現在の主流となっている。しかし、マンガン
は、6価クロムより規制は厳しくはないが、排出規制物
質であることには変わりない。将来、排出規制がより厳
しくなれば、その使用も難しくなる。
【0006】このような問題を改善するため、重金属を
使用しない化成処理を行った場合、塗膜密着性、耐食性
及び電気抵抗といったマグネシウム合金製品において要
求される物性をバランスよく満たすことが困難となる。
特に、パソコン等の情報機器や携帯電話の筐体等に使用
する場合は、帯電防止等の点からみて、マグネシウム合
金表面の電気抵抗を低い抵抗値に保たなければならな
い。表面に形成される化成処理皮膜が高い電気抵抗を有
することは好ましくない。このため、塩水噴霧試験24
時間での腐食発生率が5%以下であり、皮膜の電気抵抗
値が0.2Ω程度以下であり、かつ塩水噴霧試験120
時間で塗膜剥離を起こさない程度の皮膜電気抵抗と耐食
性との両立が求められている。
【0007】更に、マグネシウム合金製品の成形方法に
よっては、金属表面が離型剤によって汚染されており、
これを除去することが困難なため、耐食性、塗膜密着性
を付与することが困難な場合もあるが、このような場合
であっても、金属表面に充分な耐食性、塗膜密着性を付
与することが必要とされている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、6価クロ
ム、過マンガン酸イオン、リン酸イオン等の環境・人体
に有害な物質を含んでいること、及び、皮膜電気抵抗と
耐食性の両立に限界があるという問題点を有している。
従って、本発明の目的は、環境や人体に有害なクロムや
マンガン等の物質を実質的に含まない処理剤を使用し、
しかも、高耐食性、塗膜密着性、高い皮膜電気抵抗性の
要求性能を満たした化成処理皮膜を形成することができ
るマグネシウム金属及び/又はマグネシウム合金の表面
処理方法、及び、このような表面処理方法によって処理
されたマグネシウム及び/又はマグネシウム合金製品を
提供することである。
【0009】
【特許文献1】特開平8−35073号公報(第2頁)
【0010】
【特許文献2】特開平7−126858号公報(第2
頁)
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、マグネシウム
及び/又はマグネシウム合金を0.001〜10質量%
の炭酸塩化合物を含む化成処理水溶液(A)によって処
理することを特徴とするマグネシウム及び/又はマグネ
シウム合金の表面処理方法である。
【0012】上記化成処理水溶液(A)は、更に、塗膜
密着促進剤を含むものであり、上記塗膜密着促進剤は、
0.01〜1質量%のトリアジンチオール化合物、シラ
ンカップリング剤及びポリアリルアミンの群から選ばれ
る1種以上の化合物であることが好ましい。
【0013】上記マグネシウム及び/又はマグネシウム
合金の表面処理方法は、更に、上記化成処理水溶液
(A)によって処理されたマグネシウム及び/又はマグ
ネシウム合金を第2の塗膜密着促進剤を含む化成処理水
溶液(B)によって処理するものであり、上記第2の塗
膜密着促進剤は、トリアジンチオール化合物、シランカ
ップリング剤及びポリアリルアミンからなる群から選ば
れる少なくとも1つであることが好ましい。
【0014】上記トリアジンチオール化合物は、1,
3,5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、2−
(ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−1,3,
5−トリアジン、及び、2−(フェニルアミノ)−4,
6−ジメルカプト−1,3,5−トリアジンからなる群
から選ばれる少なくとも1の化合物であることが好まし
い。
【0015】上記シランカップリング剤は、N−(6−
アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリエトキ
シシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピル
トリクロロシラン、N−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエ
チル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリクロロ
シラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、及び、3
−アミノプロピルメトキシシランからなる群から選ばれ
る少なくとも1のアミノシラン化合物であることが好ま
しい。
【0016】上記塗膜密着促進剤は、トリアジンチオー
ル化合物であり、上記第2の塗膜密着促進剤は、ポリア
リルアミンであることが好ましい。
【0017】上記表面処理を行う前に、脱脂、酸洗、脱
スマット処理を行い、表面に存在する汚染物、偏折物を
除去するものであることが好ましい。本発明はまた、上
記マグネシウム及び/又はマグネシウム合金の表面処理
方法によって処理されたことを特徴とするマグネシウム
及び/又はマグネシウム合金合金製品でもある。以下
に、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明のマグネシウム及び/又はマグネシ
ウム合金の表面処理方法は、重金属を実質的に含有しな
い処理剤を使用する表面処理方法である。すなわち、従
来のマグネシウム金属、マグネシウム合金の表面処理方
法で使用されていたクロム、マンガン、ジルコニウム、
チタン等の重金属化合物を実質的に含有しない処理剤を
使用して、マグネシウム金属、マグネシウム合金の表面
処理を行う方法である。
【0019】上記マグネシウム及び/又はマグネシウム
合金の表面処理方法において、処理剤が重金属を実質的
に含有しないとは、意図的に重金属イオンを加えていな
いことであり、処理剤中において重金属が機能を発揮す
るほど含まれてないことを意味する。
【0020】本発明のマグネシウム及び/又はマグネシ
ウム合金の表面処理方法により処理されるマグネシウム
金属及びマグネシウム合金は、圧延、ダイキャスト法や
チクソモールド法等により作製されるマグネシウム金属
やマグネシウム合金である。マグネシウム金属は、生体
材料として有望であり、AZ31合金、99.9%の純
マグネシウム金属が経済的な観点から将来多く用いられ
ると思われる。本発明は、マグネシウム合金にも用いる
ことができる。更に好適に用いられる合金は、AZ9
1、AZ31、AM60、AM50等である。ここで、
表記のAZやAMは添加されている金属元素を示す。A
はアルミニウムであり、Mはマンガン、Zは亜鉛であ
る。これら表記に続く数字は、これら添加元素の添加濃
度を表しており、例えば、AZ91であれば、アルミニ
ウムが9%であり、亜鉛が1%であることを示してい
る。Mが0とはMnの含有量が1%未満という意味であ
る。特に、AZ91、AM60等のアルミニウムを5%
以上含有する合金に好適に用いられる。
【0021】マグネシウム金属やマグネシウム合金を加
工する場合には、機械油や離型剤が用いられる。特に、
ダイキャストやチクソモールドで作製する場合、離型剤
が金属又は合金表面だけでなく、金属又は合金内部20
〜30μm、ときにはそれより内部にまで残存する場合
がある。このため、従来の表面処理方法では塗装後耐食
性、塗膜密着性が不充分であるが、本発明の表面処理方
法は、このようなマグネシウム金属やマグネシウム合金
に対しても充分な耐食性、塗膜密着性を付与することが
できるものである。
【0022】本発明のマグネシウム及び/又はマグネシ
ウム合金の表面処理方法(以下、表面処理方法ともい
う。)は、マグネシウム及び/又はマグネシウム合金を
0.001〜10質量%の炭酸塩化合物を含む化成処理
水溶液(A)によって処理するものである。
【0023】上記表面処理方法の特徴は、炭酸イオンを
含む水溶液、又は、炭酸イオンと塗膜密着促進剤とを含
む水溶液によって、マグネシウム金属及び/又はマグネ
シウム合金を処理することにある。塗膜密着促進剤を含
まない場合の処理法の化学的な重要なポイントは、マグ
ネシウム金属やマグネシウム合金が安定なアルカリ性溶
液中、例えば、1質量%のK(CO)溶液で、溶液
のpHは11.5(測定して確認)程度において、反応
液を高温に保ち酸化物皮膜若しくは水酸化物皮膜、両者
の混合皮膜の生成を促進させること、炭酸イオンとの反
応により炭酸マグネシウムを生成させることである。
【0024】上記炭酸イオンの供給源としては、例え
ば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭
酸カルシウム等の炭酸塩化合物が挙げられる。溶解度、
コストを考慮すれば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムの
使用が好ましい。この場合の炭酸塩化合物の濃度は、
0.001〜10質量%であり、使用する炭酸塩化合物
が示す溶解度の限度の鞄囲で使用することができる。好
ましくは0.01〜10質量%であり、より好ましくは
0.1〜3質量%である。0.001質量%未満である
と、充分な耐食性、皮膜電気抵抗値が得られずまた、1
0質量%を超えても、それ以上の効果の向上は認められ
ず、経済的に好ましくない。
【0025】上記化成処理水溶液(A)によるマグネシ
ウム及び/又はマグネシウム合金の処理方法は、特に限
定されず、例えば、スプレー、浸漬等の公知の方法によ
って被処理物表面と化成処理水溶液(A)を接触させる
ことによって行うことができる。パソコン筐体、携帯電
話筐体、自動車部材・部品、その他複雑な形状をした製
品の処理に好適に用いることができる点から、浸漬法に
よる処理であることが好ましい。
【0026】上記表面処理方法において、化成処理浴の
温度は特に限定されず、通常50℃以上であれば良い
が、好ましくは60〜90℃の範囲であり、より好まし
くは80〜90℃である。50℃未満の温度では、酸化
皮膜形成が不充分となり、良好な性能を示さないので不
適である。90℃を超えると、溶液の蒸発、熱源の確保
等無駄なことが多いだけでなく、特別な性能の向上も認
められないので好ましくない。
【0027】上記表面処理方法において、処理時間は1
〜5分間であることが好ましい。1分未満であると、酸
化皮膜形成が不充分となり、良好な性能を示さないので
不適である。5分を超えると、溶液の蒸発、熱源の確保
等無駄なことが多いだけでなく、特別な性能の向上も認
められないので好ましくない。3〜5分間であることが
より好ましい。
【0028】上記表面処理方法は、上記炭酸塩化合物単
独での処理でも充分な塗膜密着性が得られるが、更に、
塗膜密着促進剤を添加すると、より強固な塗膜密着性を
マグネシウム金属やマグネシウム合金に付与することが
できる。特に、除去し難い離型剤を使用している場合
や、湯流れが悪く組織がポーラスである等、品質の悪い
マグネシウム鋳造品にも、耐食性・塗膜密着性を付与す
ることができる
【0029】上記表面処理方法において使用する塗膜密
着促進剤としては、末端にアミノ基を持つシランカップ
剤、トリアジンチオール化合物、ポリアリルアミンの使
用が好適である。
【0030】上記シランカップリング剤としては、例え
ば、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロ
ピルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)
アミノプロピルトリクロロシラン、N−アミノエチル)
−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−
アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルト
リクロロシラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、
3−アミノプロピルメトキシシラン等のアミノシラン化
合物を挙げることができる。
【0031】上記トリアジンチオール化合物は、トリア
ジン環とチオール基の両方を有する化合物である。特
に、チオール置換の1,3,5−トリアジンが好まし
い。また上記トリアジンチオール化合物は、トリアジン
環の一部がアルキルアミノ置換したものであってもよ
い。上記トリアジンチオール化合物としては、例えば、
1,3,5−トリアジン−2,4,6トリチオール、2
−(ジブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−1,
3,5−トリアジン、2−(フェニルアミノ)−4,6
−ジメルカプト−1,3,5−トリアジン等を挙げるこ
とができる。
【0032】上記ポリアリルアミンは、下記一般式
(1)
【0033】
【化1】
【0034】で表わされる重合体である。上記一般式
(1)中、重合度nは、下限10、上限1200の範囲
内であることが好ましい。重合度が低すぎると、塗膜密
着性の効果が得られない場合があり、重合度が高すぎる
と、浴安定が悪いという問題がある。上記ポリアリルア
ミンとしては、日東紡社製PAAシリーズ(PAA−0
1、PAA−03、PAA−05、PAA−15、PA
A−15B、PAA−10C、PAA−H−10C)等
の市販のものを使用することができる。
【0035】上記表面処理方法に使用することができる
塗膜密着促進剤としては、これ等にかぎらず、アルカリ
性雰囲気で安定であり、塗膜密着に有効な官能基を持
ち、本化成処理皮膜に吸着可能な有機分子なら使用する
ことができる。上記塗膜密着促進剤を使用する濃度は
0.01〜1質量%が良く、0.01質量%未満では効
果が弱くなり好ましくない。一方1質量%を超えても、
効果の増大が認められず、経済的に好ましくない。上記
塗膜密着促進剤を使用する場合の処理浴中の炭酸塩の濃
度は、先の炭酸塩処理の場合と同様であり、0.001
〜10質量%、好ましくは0.01〜10質量%、より
好ましくは0.1〜3質量%で使用できる。また、上記
塗膜密着促進剤を使用する場合の化成処理浴の温度は4
0℃以上であればよく、好ましくは60〜90℃、より
好ましくは60〜80℃であれば良い。
【0036】本発明のマグネシウム及び/又はマグネシ
ウム合金の表面処理方法は、先ず、上述したように、マ
グネシウム及び/又はマグネシウム合金を0.001〜
10質量%の炭酸塩化合物を含む化成処理水溶液(A)
によって処理した後に、第2の塗膜密着促進剤を含む化
成処理水溶液(B)によって処理するものであることが
好ましい。
【0037】化成処理水溶液(A)で処理することによ
って、金属表面に炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウ
ム、酸化マグネシウム等のマグネシウム化合物の混合物
皮膜が形成され、これによって耐食性能を得ることがで
き、上記化成処理水溶液(B)によって更に処理を行う
ことによって、耐食性及び塗膜密着性をより向上させる
ことができる。化成処理水溶液(B)によって更に処理
を行うことによって、上記マグネシウム化合物の混合物
皮膜上に、上記塗膜密着促進剤及び第2の塗膜密着促進
剤とからなる有機分子吸着層が形成され、上記有機分子
吸着層によって、更に耐食性が改善され、同時に塗膜と
マグネシウム金属、マグネシウム合金表面との密着性が
向上するものと推察される。また、上記マグネシウム化
合物の混合物皮膜は、分子レベルの非常に薄い皮膜であ
るため、マグネシウム金属やマグネシウム合金の導電性
を著しく損なうことなく、耐食性及び塗膜密着性を付与
することができる。
【0038】上記化成処理水溶液(B)で更に処理する
ことにより、上記化成処理水溶液(A)で処理するだけ
では、充分な化成処理を行うことが困難であるような被
処理物、例えば、より強固に離型剤が付着しているよう
な特に品質の悪いマグネシウム鋳造品にも、充分な化成
処理を行うことができる。
【0039】上記化成処理水溶液(B)で更に処理する
場合、上記化成処理水溶液(A)は、pHが10以上で
あることが好ましい。上記範囲内とすることによって、
炭酸塩による化成処理反応が効率よく生じ、効率のよい
化成処理を行うことができる。上記pHは、11以上で
あることがより好ましい。また、pHの上限は特に限定
されるものではないが、13以下であることが好まし
い。
【0040】上記化成処理水溶液(B)で更に処理する
場合、上記化成処理水溶液(A)は、pHを上記範囲内
のものとするために、pH調整剤として塩基性化合物を
含有するものであってもよい。上記塩基性化合物として
は特に限定されず、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウム、アンモニア等を挙げること
ができる。
【0041】上記第2の塗膜密着促進剤は、トリアジン
チオール化合物、シランカップリング剤及びポリアリル
アミンからなる群から選ばれる少なくとも1つであるこ
とが好ましい。上記第2の塗膜密着促進剤として使用す
ることができるトリアジン化合物、シランカップリング
剤、ポリアリルアミンとしては特に限定されず、例え
ば、塗膜密着促進剤に使用することができるとして上述
した化合物を挙げることができる。
【0042】上記第2の塗膜密着促進剤としてトリアジ
ンチオール化合物を使用する場合、上記トリアジンチオ
ール化合物の含有量は、化成処理水溶液(B)に対して
下限10ppm、上限10000ppmの範囲内である
ことが好ましい。10ppm未満であると、充分な耐食
性が得られない場合があり、10000ppmを超えて
も、それ以上の効果の向上は認められず、経済的に好ま
しくない。上記下限は、100ppmであることがより
好ましく、500ppmであることが更に好ましい。上
記上限は、5000ppmであることがより好ましく、
2000ppmであることが更に好ましい。
【0043】上記第2の塗膜密着促進剤としてアミノシ
ラン化合物を使用する場合、上記アミノシラン化合物の
含有量は、化成処理水溶液(B)に対して下限10pp
m、上限10000ppmの範囲内であることが好まし
い。10ppm未満であると、充分な耐食性が得られな
い場合があり、10000ppmを超えても、それ以上
の効果の向上は認められず、経済的に好ましくない。上
記下限は、100ppmであることがより好ましく、5
00ppmであることが更に好ましい。上記上限は、5
000ppmであることがより好ましく、2000pp
mであることが更に好ましい。
【0044】上記第2の塗膜密着促進剤としてポリアリ
ルアミンを使用する場合、上記ポリアリルアミンの含有
量は、化成処理水溶液(B)に対して下限50ppm、
上限10000ppmの範囲内であることが好ましい。
50ppm未満であると、充分な耐食性が得られない場
合があり、10000ppmを超えても、それ以上の効
果の向上は認められず、経済的に好ましくない。上記下
限は、100ppmであることがより好ましく、500
ppmであることが更に好ましい。上記上限は、500
0ppmであることがより好ましく、3000ppmで
あることが更に好ましい。
【0045】上記第2の塗膜密着促進剤は、上記塗膜密
着促進剤と同一の化合物であってもよいが、相違するも
のであるほうが、塗膜密着促進効果が良好なものとなる
ため、より好ましい。
【0046】上記塗膜密着促進剤と上記第2の塗膜密着
促進剤の組み合わせとしては、塗膜密着促進剤がトリア
ジンチオール化合物で第2の塗膜密着促進剤がアミノシ
ラン化合物又はポリアリルアミンである組み合わせ、塗
膜密着促進剤がアミノシラン化合物で第2の塗膜密着促
進剤がポリアリルアミンである組み合わせが密着性向上
の観点からみて好ましい。なかでも、塗膜密着促進剤が
トリアジンチオール化合物で第2の塗膜密着促進剤がポ
リアリルアミンである組み合わせが最も好ましい。
【0047】上記化成処理水溶液(B)による処理方法
は、特に限定されず、スプレー、浸漬等の公知の方法に
よって被処理物と化成処理水溶液(B)を接触させるこ
とによって行うことができる。第2の化成処理反応を効
率よく行うために、化成処理水溶液(B)の温度は、下
限40℃、上限80℃の範囲内であることが好ましい。
40℃未満の温度では、皮膜形成が不充分となり、良好
な性能を示さないので不適である。80℃を超えると、
溶液の蒸発、熱源の確保等無駄なことが多いだけでな
く、特別な性能の向上も認められないので好ましくな
い。上記下限は、50℃であることがより好ましく、上
記上限は、60℃であることがより好ましい。
【0048】本発明のマグネシウム及び/又はマグネシ
ウム合金の表面処理方法においては、より効率よく処理
を施すために、上記表面処理を行う前に、脱脂、酸洗、
脱スマット処理の工程を行うことがより好ましい。例え
ば、被処理物において、離型剤が被処理物表面だけでな
く、内部にまで残存するような場合は、被処理物表面か
ら、これら機槻油や離型剤を除去する必要がある。この
ように、機械油や金型の離型剤で激しく汚染されたマグ
ネシウム金属、マグネシウム合金を処理する場合、その
離型剤除去工程は、被処理物の汚染の程度によって工程
や条件が多少異なるが、脱脂→水洗→酸エッチング→水
洗→脱スマット→水洗で行われるのが一般的である。
【0049】上記脱脂工程では、界面活性剤を含んだア
ルカリ性脱脂剤の水溶液が用いられるのが一般的であ
る。この工程は表面にゆるく付着した機械油や離型剤の
除去を目的として行う。使用する脱脂剤は特に限定され
るものではない。汚染の程度が小さい場合は、この脱脂
だけで充分な場合もあるが、不充分な場合がほとんどで
あり、一般的には酸エッチングが行われる。
【0050】上記酸エッチング工程の目的は、金属、合
金表面の不均一な酸化物層、被処理物表面に付着してい
る機械油と、金属、合金内部にまで進入した離型剤を金
属、合金の溶解により除去することである。これらの除
去が不充分であると、充分な耐食性と塗膜密着性を付与
できないおそれがある。また、完全に除去する必要はな
いものの離型剤の除去が著しく不充分であると、これも
耐食性と塗膜密着性に悪影響を及ぼすおそれがある。特
に離型剤での汚染の激しい場合には、この工程は必須で
あり、重要である。
【0051】上記酸エッチング工程に使用する酸として
は、リン酸、硫酸、硝酸等の無機酸の他に、シュウ酸、
酢酸等の有機酸が使用できる。酸エッチング溶液中の酸
濃度は、0.1〜5g/lが良く、より好ましくは0.
3〜1g/lである。0.1g/l未満では、マグネシ
ウム溶解によるpH上昇のため、溶液の交換頻度が多く
なるので好ましくない。5g/lを超えると、マグネシ
ウム金属、マグネシウム合金の溶解が著しく起こり、激
しい水素発生がおこる。そのため、金属、合金表面ヘダ
メージを与えることがあり不適である。また、カルボン
酸やリン酸を5g/lを超える濃度で使用すると、表面
にシュウ酸塩やリン酸塩が析出して、充分な離型剤除去
が行えないことがある。これら酸は、シュウ酸や硝酸の
ように、単独で使用して効果のあるものもあるが、一般
的には、2種類以上の混酸として使用するのが好まし
い。例えば、硫酸と硝酸、リン酸とケイフッ化水素酸等
が好適に使用できる。
【0052】上記脱スマット工程は、KOHやNaOH
のアルカリ性化合物を主成分とする水溶液が好適に使用
できるが、これらに制限されるものではない。酸エッチ
ングで表面に付着した生成物の除去、金属、合金表面に
偏折したアルミニウムの除去とそのアルミニウム近傍に
付着している離型剤の除去等を目的として行われる。
【0053】上記表面処理方法によって処理されたマグ
ネシウム金属、マグネシウム合金製品は、携帯電話、パ
ソコンの筐体、蓋材等に好適に使用することができる。
このようなマグネシウム合金製品も、本発明の一つであ
る。
【0054】本発明のマグネシウム及び/又はマグネシ
ウム合金の表面処理方法は、マグネシウム及び/又はマ
グネシウム合金を0.001〜10質量%の炭酸塩化合
物を含む化成処理水溶液(A)によって処理するもので
あることから、マグネシウム化合物の混合物からなる皮
膜をマグネシウム及び/又はマグネシウム合金の表面に
形成させることができ、優れた耐食性、塗膜密着性、導
電性を付与することができる。また、上記化成処理水溶
液(A)が更に、塗膜密着促進剤を含むものであり場合
には、耐食性及び塗膜密着性をより向上させることがで
きる。
【0055】また、上記表面処理方法が更に、第2の塗
膜密着促進剤を含む化成処理水溶液(B)によって処理
するものである場合には、マグネシウム化合物の混合物
からなる皮膜を形成させ、更に、水溶性有機分子吸着層
が形成させることができるものである。従って、上記マ
グネシウム化合物の混合物皮膜によってより高い耐食性
を付与することができ、水溶性有機分子吸着層によって
更に耐食性を良好なものとするとともに、高い塗膜密着
性を付与することができる。これにより、上記化成処理
水溶液(A)では充分に化成処理することが困難な品質
の悪いマグネシウム金属、マグネシウム合金に対しても
充分に化成処理することができる。また、形成されたマ
グネシウム化合物の混合物皮膜は、分子レベルの非常に
薄い皮膜であるため、処理されたマグネシウム金属、マ
グネシウム合金表面の電気抵抗値は、高くなりすぎるこ
とがない。即ち、更に、化成処理水溶液(B)で化成処
理する方法であっても、より優れた耐食性、塗膜密着性
及び導電性を付与することができる。
【0056】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。また実施例中、「部」は特に断りのない限り
「質量部」を意味する。
【0057】実施例1 板厚2mmのチクソモールディング製マグネシウム合金
AZ91D試験板を、以下に示した条件で脱脂、水洗、
酸エッチング、水洗、脱スマット、水洗、化成処理、水
洗、を行い、乾燥した後、粉体塗装を行った。水洗は、
水道水シヤワーで行い、他の各工程は、全てディップ方
式で処理を行った。乾燥は電気乾燥機で100℃、20
分間行った。 (A)脱脂 処理液:1質量%マグダインSF100クリーナー(日
本ペイント社製) 処理温度:50℃ 処理時間:2分間 (B)酸エッチング 処理液:1vol%マグダインSF400酸エッチング
(日本ペイント社製) 処理温度:50℃ 処理時間:10分間 (C)脱スマット 処理液:5vol%マグダインSF300アルカリエッ
チング 処理温度:60℃ 処理時間:5分 (D)化成処理 処理液:1質量%炭酸カリウム水溶液 pH:11.5 処理温度:80℃ 処理時間:5分 得られた試験板を用いて、下記方法で、未塗装耐食性、
化成皮膜電気抵抗、塗装後耐食性、塗膜密着性を評価し
結果を表1に示した。
【0058】未塗装耐食性 塩水噴霧試験:試験片に5%食塩水を35℃で噴霧し、
48時間経過後の腐食部分の占有率を目視で評価した。化成皮膜電気抵抗 表面抵抗測定装置EP−T360(キーエンス社製)を
用いて2探針法で、化成皮膜の9ヶ所を測定して、最大
値と最小値を除いた7点の値の平均値を電気抵抗値とし
た。塗装後耐食性 試験板にマグダインPD−E(エポキシ系粉体塗料、日
本ペイント社製)を乾燥膜厚40μmとなるように塗装
し、160℃、20分間焼き付けて塗装板を作成した。
これに金属製カッターで素地までのクロスカットを入
れ、塩水噴霧試験にかけ、120時間後にクロスカット
部に粘着テープを圧着して剥離したときの塗膜剥離幅で
評価した。塗膜密着性 (1)粉体塗装した試験板を120時間塩水噴霧試験に
かけ、その後取り出した試験板に1mm間隔の碁盤目を
100個作り、粘着テープを貼り付けて剥離した。残存
した碁盤目の数を測定し評価した。 (2)粉体塗装した試験板を50℃の温水に120時間
浸漬する。その後取り出した試験板に1mm間隔の碁盤
目を100個作り、粘着テープを貼り付けて剥離した。
残存した碁盤目の数を測定し評価した。
【0059】実施例2 実施例1における化成処理剤を0.1質量%炭酸カリウ
ム水溶液に変更した以外は実施例1と同様にして試験板
を作製した。また、板厚2mmのチクソモールディング
製マグネシウム合金AZ91D試験板の代わりに、塗膜
密着性、耐食性の劣る合金である板厚1mmのダイキャ
スト製マグネシウム合金AZ91D試験板を使用した以
外は、実施例1と同様にして試験板を作製した。次い
で、それぞれ実施例1と同様にして評価し、得られた結
果を表1に記載した。
【0060】実施例3 実施例1における処理温度を60℃に変更した以外は実
施例1と同様にして試験板を作製した。次いで実施例1
と同様にして評価し、得られた結果を表1に記載した。
【0061】実施例4 実施例1における化成処理剤を飽和炭酸カルシウム水溶
液(濃度:0.0014質量%)に変更した以外は実施
例1と同様にして試験板を作製した。次いで実施例1と
同様にして評価し、得られた結果を表1に記載した。
【0062】実施例5 実施例1における化成処理剤を5質量%炭酸カリウム水
溶液に変更した以外は実施例1と同様にして試験板を作
製した。次いで実施例1と同様にして評価し、得られた
結果を表1に記載した。
【0063】実施例6 塗膜密着性、耐食性の劣る合金である板厚1mmのダイ
キャスト製マグネシウム合金AZ91D試験板を下記に
示す化成処理浴に浸漬して試験板を作製した。次いで実
施例1と同様に評価して得られた結果を表1に記載し
た。なお、工程及び化成処理以外の条件は実施例1と同
様にした。 (A)化成処理:1質量%のKCOと0.1%の
1,3,5−トリアジン−2,4,6トリチオールの水
溶液 pH:11.5 処理温度:80℃ 処理時間:2分
【0064】実施例7 実施例6における化成処理浴のトリアジンチオールの濃
度を1質量%に変更した以外は、実施例6と同様にして
試験板を作製した。次いで、実施例1と同様に評価し、
得られた結果を表1に記載した。
【0065】実施例8 実施例6における化成処理浴のトリアジンチオールの濃
度を0.01%に変更した以外は、実施例6と同様にし
て試験板を作製した。次いで実施例1と同様に評価し得
られた結果を表1に記載した。
【0066】実施例9 実施例6における化成処理浴の温度を60℃に変更した
以外は、実施例6と同様にして試験板を作製した。次い
で実施例1と同様に評価し得られた結果を表1に記載し
た。
【0067】実施例10 実施例6における化成処理浴を1質量%KCO
0.1質量%のN−(2−アミノエチル)−3−アミノ
プロピルトリメトキシシラン水溶液に変更した以外は、
実施例6と同様にして試験板を作製した。次いで実施例
1と同様に評価し得られた結果を表1に記載した。
【0068】比較例1 実施例1における化成処理を市販のリン酸マンガン処理
剤マグダインSF572(日本ペイント社製)の20%
水溶液を使用し50℃2分間浸漬処理することに変更し
た以外は実施例1と同様にして試験板を作製した。次い
で実施例1と同様にして評価し、得られた結果を表1に
記載した。
【0069】比較例2 実施例1における化成処理を、市販のリン酸ジルコン処
理剤アルサーフ440(日本ペイント社製)の5%水溶
液を使用し50℃2分間浸漬処理することに変更した以
外は実施例1と同様にして試験板を作製した。次いで実
施例1と同様にして評価し、得られた結果を表1に記載
した。
【0070】比較例3 実施例1における化成処理に変えてイオン交換水で80
℃2分間浸漬処理することに変更した以外は実施例1と
同様にして試験板を作製した。次いで実施例1と同様に
して評価し、得られた結果を表1に記載した。
【0071】比較例4 実施例1における化成処理剤を1質量%水酸化カリウム
水溶液に変更した以外は実施例1と同様にして試験板を
作製した。次いで実施例1と同様にして評価し、得られ
た結果を表1に記載した。
【0072】比較例5 実施例6における化成処理浴の炭酸カリウムを水酸化カ
リウムに変更した以外は、実施例6と同様に試験板を作
製した。次いで、実施例1と同様に評価し、得られた結
果を表1に記載した。
【0073】
【表1】
【0074】以上の結果により、本発明のマグネシウム
及び/又はマグネシウム合金の表面処理方法を行ったも
のは、マグネシウム合金基材に対して優れた耐食性と塗
膜密着性及び導電性を示した。処理剤として0.1質量
%炭酸カリウム水溶液を使用した場合(実施例2)にお
いては、板厚2mmのチクソモールディング製マグネシ
ウム合金AZ91D試験板に対する処理性能に比べて、
板厚1mmのダイキャスト製マグネシウム合金AZ91
D試験板に対する処理性能が若干劣るものであったが、
処理剤にトリアジンチオール化合物、アミノシラン化合
物を更に含ませることによって(実施例6〜10)、処
理性能が改善されることが明らかとなった。
【0075】実施例11 チクソモールディング製マグネシウム合金試験板(実施
例6で使用された試験板より汚染がひどく、化成処理が
困難である試験板)によって得られたパソコン用筐体
を、以下に示した条件で、脱脂、水洗、酸エッチング、
水洗、脱スマット、水洗、第1の化成処理、水洗、第2
の化成処理、水洗を行い、乾燥した後、粉体塗装工程
(工程例1)を行った。水洗は、水道水シャワーで行
い、他の各工程は、全てディップ方式で処理を行った。
乾燥は電気乾燥機で100℃、20分間行った。なお、
被処理物として使用した上記パソコン用筐体は、離型剤
汚染程度が高く、除去が困難であり、耐食性、塗膜密着
性の付与が困難なものであった。 (A)脱脂 実施例1と同様にして行った。 (B)酸エッチング 実施例1と同様にして行った。 (C)脱スマット 実施例1と同様にして行った。 (D)第1の化成処理 処理液:1質量%炭酸カリウム、100ppm1,3,
5−トリアジン−2,4,6−チオールの水溶液 pH:11.5 処理温度:80℃ 処理時間:2分間 (E)第2の化成処理 処理液:2000ppmポリアリルアミン(日東紡社
製、PAA−5、n=87.7)水溶液 処理温度:60℃ 処理時間:2分間 得られた試験板を用いて、下記方法で、未塗装耐食性、
化成皮膜電気抵抗、塗装後耐食性、塗膜密着性を評価し
結果を表2に示した。
【0076】未塗装耐食性 塩水噴霧試験:試験片に5%食塩水を35℃で8時間連
続噴霧し、その後の耐食性をレーティングナンバー法で
評価した。化成皮膜電気抵抗 実施例1と同様の方法で評価した。塗装後耐食性 実施例1と同様の方法で評価した。塗膜密着性 (1)上記塗装後耐食性の試験方法と同様の方法で粉体
塗装した試験板を72時間塩水噴霧試験にかけ、その後
取り出した試験板に1mm間隔の碁盤目を100個作
り、粘着テープを貼り付けて剥離した。残存した碁盤目
の数を測定し評価した。 (2)上記塗装後耐食性の試験方法と同様の方法で粉体
塗装した試験板を50℃のイオン交換水に72時間浸漬
する。その後取り出した試験板に1mm間隔の碁盤目を
100個作り、粘着テープを貼り付けて剥離した。残存
した碁盤目の数を測定し評価した。
【0077】実施例12〜15 表2に示した処方を有する化成処理水溶液(A)及び化
成処理水溶液(B)を用いて、表2に示した条件で実施
例11と同様にマグネシウム合金の表面処理を行った。
結果を表2に示す。なお、実施例12〜14は、実施例
11における工程例1ではなく、脱脂、水洗、酸エッチ
ング、水洗、第1の化成処理、水洗、第2の化成処理、
水洗を行い、乾燥した後、粉体塗装工程(工程例2)で
行った。また、実施例15は、実施例6と同様の方法に
より処理を行った。
【0078】
【表2】
【0079】表2の結果から明らかなように、本発明の
マグネシウム及び/又はマグネシウム合金の表面処理方
法(更に、第2の化成処理液で処理する方法)によって
処理されたマグネシウム合金は、耐食性、塗膜密着性及
び導電性の性質に優れているものであった。処理剤とし
て1質量%炭酸カリウム、100ppm1,3,5−ト
リアジン−2,4,6−トリチオールの水溶液を使用し
た場合(実施例15)においては、板厚1mmのダイキ
ャスト製マグネシウム合金AZ91D試験板に対する処
理性能に比べて、チクソモールディング製マグネシウム
合金試験板(実施例6で使用された試験板より汚染がひ
どく、化成処理が困難である試験板)に対する処理性能
が若干劣るものであったが、更にポリアリルアミンを含
む化成処理水溶液(B)で処理することにより(実施例
11)、処理性能が改善されることが明らかとなった。
【0080】
【発明の効果】本発明のマグネシウム及び/又はマグネ
シウム合金の表面処理方法は、クロムやマンガン等の有
害な物質を用いることなく、マグネシウム金属、マグネ
シウム合金にリン酸マンガン処理と同等以上の耐食性と
塗膜密着性を付与することができ、かつ皮膜電気抵抗値
との両立をも可能にした。これにより、環境保全や人体
の影響を大幅に低減することができる。また、既存のク
ロメート処理設備、マンガン系化成処理設備をそのまま
転用できるため、あらたな設備投資の必要もない。ま
た、浸漬法による処理である場合には、パソコン筐体、
携帯電話筐体、自動車部材・部品、その他複雑な形状を
した製品の処理にも好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山添 勝芳 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 (72)発明者 安原 清忠 東京都品川区南品川4丁目1番15号 日本 ペイント株式会社内 Fターム(参考) 4K026 AA01 BB06 BB08 CA15 CA18 DA03 DA06 DA13 EA06 EA08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム及び/又はマグネシウム合
    金を0.001〜10質量%の炭酸塩化合物を含む化成
    処理水溶液(A)によって処理することを特徴とするマ
    グネシウム及び/又はマグネシウム合金の表面処理方
    法。
  2. 【請求項2】 化成処理水溶液(A)は、更に、塗膜密
    着促進剤を含むものであり、前記塗膜密着促進剤は、
    0.01〜1質量%のトリアジンチオール化合物、シラ
    ンカップリング剤及びポリアリルアミンの群から選ばれ
    る1種以上の化合物である請求項1記載のマグネシウム
    及び/又はマグネシウム合金の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 更に、化成処理水溶液(A)によって処
    理されたマグネシウム及び/又はマグネシウム合金を第
    2の塗膜密着促進剤を含む化成処理水溶液(B)によっ
    て処理するものであり、前記第2の塗膜密着促進剤は、
    トリアジンチオール化合物、シランカップリング剤及び
    ポリアリルアミンからなる群から選ばれる少なくとも1
    つである請求項1又は2記載のマグネシウム及び/又は
    マグネシウム合金の表面処理方法。
  4. 【請求項4】 トリアジンチオール化合物は、1,3,
    5−トリアジン−2,4,6−トリチオール、2−(ジ
    ブチルアミノ)−4,6−ジメルカプト−1,3,5−
    トリアジン、及び、2−(フェニルアミノ)−4,6−
    ジメルカプト−1,3,5−トリアジンからなる群から
    選ばれる少なくとも1の化合物である請求項2又は3記
    載のマグネシウム及び/又はマグネシウム合金の表面処
    理方法。
  5. 【請求項5】 シランカップリング剤は、N−(6−ア
    ミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N
    −(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリエトキシ
    シラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルト
    リクロロシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
    ノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチ
    ル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
    (2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリクロロ
    シラン、3−アミノプロピルエトキシシラン、及び、3
    −アミノプロピルメトキシシランからなる群から選ばれ
    る少なくとも1のアミノシラン化合物である請求項2、
    3又は4記載のマグネシウム及び/又はマグネシウム合
    金の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 塗膜密着促進剤は、トリアジンチオール
    化合物であり、第2の塗膜密着促進剤は、ポリアリルア
    ミンである請求項3、4又は5記載のマグネシウム及び
    /又はマグネシウム合金の表面処理方法。
  7. 【請求項7】 前記表面処理を行う前に、脱脂、酸洗、
    脱スマット処理を行い、表面に存在する汚染物、偏折物
    を除去することを特徴とする請求項1、2、3、4、5
    又は6記載のマグネシウム及び/又はマグネシウム合金
    の表面処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6又は7記
    載のマグネシウム及び/又はマグネシウム合金の表面処
    理方法によって処理されたことを特徴とするマグネシウ
    ム及び/又はマグネシウム合金合金製品。
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