JP2003221261A - 合わせガラス及びその製造方法 - Google Patents
合わせガラス及びその製造方法Info
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- JP2003221261A JP2003221261A JP2002023584A JP2002023584A JP2003221261A JP 2003221261 A JP2003221261 A JP 2003221261A JP 2002023584 A JP2002023584 A JP 2002023584A JP 2002023584 A JP2002023584 A JP 2002023584A JP 2003221261 A JP2003221261 A JP 2003221261A
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- Japan
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- glass
- sheet
- laminated glass
- adhesive
- sheets
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- Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 強化ガラス、防音ガラスや断熱ガラス等の多
様なガラスを利用でき、しかもステンドガラスやカット
ガラスのように、多重に見えたり多色を放つような特殊
な視覚効果を与えることのできるガラスを提供する。 【解決手段】 少なくとも2枚のガラスと、少なくとも
一面に一方向に略平行に延びた無数の溝が形成されたシ
ートであって、そのシートの一側面から見たときに、隣
接する該溝の底部から起立して頂部を形成する各2辺を
有する、透明又は半透明な可撓性を有するシートと、を
含んでいる合わせガラスである。そして、その少なくと
も2枚のガラスの間には、該シートが挟持されて貼り合
わされていることを特徴とする。
様なガラスを利用でき、しかもステンドガラスやカット
ガラスのように、多重に見えたり多色を放つような特殊
な視覚効果を与えることのできるガラスを提供する。 【解決手段】 少なくとも2枚のガラスと、少なくとも
一面に一方向に略平行に延びた無数の溝が形成されたシ
ートであって、そのシートの一側面から見たときに、隣
接する該溝の底部から起立して頂部を形成する各2辺を
有する、透明又は半透明な可撓性を有するシートと、を
含んでいる合わせガラスである。そして、その少なくと
も2枚のガラスの間には、該シートが挟持されて貼り合
わされていることを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築や照明灯等、
多様な分野に適用可能な合わせガラス及びその製造方法
に関する。
多様な分野に適用可能な合わせガラス及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】装飾感
に富み、多様な色を放つことで、見る人に心地よさや興
味を与えることのできるステンドガラスやカットガラス
が知られている。しかしながら、このようなガラスは、
異なった色のガラスを複数使用したり、その加工に高度
な技術を必要とすることから、コスト的に高くつき、大
きなガラスを提供することも容易ではない。
に富み、多様な色を放つことで、見る人に心地よさや興
味を与えることのできるステンドガラスやカットガラス
が知られている。しかしながら、このようなガラスは、
異なった色のガラスを複数使用したり、その加工に高度
な技術を必要とすることから、コスト的に高くつき、大
きなガラスを提供することも容易ではない。
【0003】一方、強化ガラス、防音ガラスや断熱ガラ
ス等の多様なガラスが、高層建築や間取りを大きくとっ
た建造物等に今日より多く使用されるようにるようにな
ってきている。本発明者は、このような実用性が広がっ
たガラスを効果的に利用でき、しかもステンドガラスや
カットガラスのように、多重に見えたり多色を放つよう
な特殊な視覚効果を与えることのできるガラスができな
いものかどうか思案した。
ス等の多様なガラスが、高層建築や間取りを大きくとっ
た建造物等に今日より多く使用されるようにるようにな
ってきている。本発明者は、このような実用性が広がっ
たガラスを効果的に利用でき、しかもステンドガラスや
カットガラスのように、多重に見えたり多色を放つよう
な特殊な視覚効果を与えることのできるガラスができな
いものかどうか思案した。
【0004】本発明者は、かかる効果を有するガラスの
思考を重ねることで、以下の新たな構造を有する合わせ
ガラス及びその製造方法を発明したものである。
思考を重ねることで、以下の新たな構造を有する合わせ
ガラス及びその製造方法を発明したものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、少なくとも2
枚のガラスと、少なくとも一面に一方向に略平行に延び
た無数の溝が形成されたシートであって、そのシートの
一側面から見たときに、隣接する該溝の底部から起立し
て頂部を形成する辺を有する、透明又は半透明な可撓性
を有するシートと、を含んでいる合わせガラスである。
そして、その少なくとも2枚のガラスの間には、該シー
トが挟持されて貼り合わされていることを特徴とする。
枚のガラスと、少なくとも一面に一方向に略平行に延び
た無数の溝が形成されたシートであって、そのシートの
一側面から見たときに、隣接する該溝の底部から起立し
て頂部を形成する辺を有する、透明又は半透明な可撓性
を有するシートと、を含んでいる合わせガラスである。
そして、その少なくとも2枚のガラスの間には、該シー
トが挟持されて貼り合わされていることを特徴とする。
【0006】また、そのシートはポリカーボネートを主
成分として形成され、シートとガラスとの間は、熱可塑
性樹脂からなる接着剤により接着されていることが好ま
しい。
成分として形成され、シートとガラスとの間は、熱可塑
性樹脂からなる接着剤により接着されていることが好ま
しい。
【0007】本発明は、さらに、少なくとも2枚のガラ
スと、少なくとも一面に一方向に略平行に延びた無数の
溝が形成されたシートであって該シートの一側面から見
たときに隣接する該溝の底部から起立して頂部を形成す
る辺を有する透明又は半透明な可撓性を有するシートと
を含む合わせガラスの製造方法である。そのシートとガ
ラスとの間に接着剤を供給して複層のガラスとし、真空
引きされた環境の中で該複層のガラスを加熱することで
層間の空気を除去して接着剤を軟化させ、層間の接着を
行うことを特徴とするものである。
スと、少なくとも一面に一方向に略平行に延びた無数の
溝が形成されたシートであって該シートの一側面から見
たときに隣接する該溝の底部から起立して頂部を形成す
る辺を有する透明又は半透明な可撓性を有するシートと
を含む合わせガラスの製造方法である。そのシートとガ
ラスとの間に接着剤を供給して複層のガラスとし、真空
引きされた環境の中で該複層のガラスを加熱することで
層間の空気を除去して接着剤を軟化させ、層間の接着を
行うことを特徴とするものである。
【0008】そして、得られたその合わせガラスを更に
加熱及び加圧することが好ましい。また、接着剤は、熱
可塑性樹脂の通常常温でフィルム状の固形物であり、好
ましくは主成分のポリカーボネートから形成する。
加熱及び加圧することが好ましい。また、接着剤は、熱
可塑性樹脂の通常常温でフィルム状の固形物であり、好
ましくは主成分のポリカーボネートから形成する。
【0009】
【発明の実施の形態】本願発明の実施の形態を図を参照
しつつ説明する。
しつつ説明する。
【0010】図1は、厚さが略10mm、幅2m、高さ
6mのほぼ透明な同一サイズ、同一材料の2枚のガラス
1に、一枚のフィルムシート2を挟んだ本発明の合わせ
ガラス10の一構成を示している。
6mのほぼ透明な同一サイズ、同一材料の2枚のガラス
1に、一枚のフィルムシート2を挟んだ本発明の合わせ
ガラス10の一構成を示している。
【0011】合わせガラス10は、ガラス1、接着剤
5、フィルムシート2、接着剤5、そしてガラス1の少
なくとも5層構造となっている。
5、フィルムシート2、接着剤5、そしてガラス1の少
なくとも5層構造となっている。
【0012】2枚のガラス1に挟まれたシート2は、薄
い可撓性のある透明体であり、両面が、各ガラス1の対
向する一面と大きさを一致するように、幅2m、高さ6
mの大きさに調整して貼られている。
い可撓性のある透明体であり、両面が、各ガラス1の対
向する一面と大きさを一致するように、幅2m、高さ6
mの大きさに調整して貼られている。
【0013】シート2には、図2に示すように、片面が
平坦で、もう一面が一方向に平行に且つ等間隔に設けら
れた溝3を有している。そして、矢印Aのシートの一側
面方向から見ると、この溝3は、底部3aと、隣接する
2つの各溝3の底部3aから起立した辺3b、3cとで
形成されている。そして、その各辺3b、3cが合わさ
って頂部又は頂点4を形成し、無数のいわゆる鋸状の歯
が並んだ状態となっている。尚、この溝3の形状の相違
によって、得られる合わせガラスの光の効果が異なるこ
ととなるため、より2辺が鋭角又は鈍く交わって溝を形
成したり、あるいはそれ2辺以上の辺を形成して溝を形
成するようにしてもよい。
平坦で、もう一面が一方向に平行に且つ等間隔に設けら
れた溝3を有している。そして、矢印Aのシートの一側
面方向から見ると、この溝3は、底部3aと、隣接する
2つの各溝3の底部3aから起立した辺3b、3cとで
形成されている。そして、その各辺3b、3cが合わさ
って頂部又は頂点4を形成し、無数のいわゆる鋸状の歯
が並んだ状態となっている。尚、この溝3の形状の相違
によって、得られる合わせガラスの光の効果が異なるこ
ととなるため、より2辺が鋭角又は鈍く交わって溝を形
成したり、あるいはそれ2辺以上の辺を形成して溝を形
成するようにしてもよい。
【0014】フィルム2とガラス1との面間は、透明又
は半透明の透過性のある接着剤5によって接着されてい
る。
は半透明の透過性のある接着剤5によって接着されてい
る。
【0015】合わせガラス10の各層において、光の屈
折、反射が行われる。ここで、溝3とガラス1との間
は、透過性をより高めるために、気泡が残らないよう溝
3の間に接着剤が充填されていることが理想的である
が、その目的に応じて、気泡を部分的にあるいは全体的
に点在させるように残してもよい。
折、反射が行われる。ここで、溝3とガラス1との間
は、透過性をより高めるために、気泡が残らないよう溝
3の間に接着剤が充填されていることが理想的である
が、その目的に応じて、気泡を部分的にあるいは全体的
に点在させるように残してもよい。
【0016】この合わせガラス10の製造工程の一例を
図3を参照しつつ以下に説明する。ここで使用する参照
数字は、既に使用した同一の参照数字に対応するもので
ある。
図3を参照しつつ以下に説明する。ここで使用する参照
数字は、既に使用した同一の参照数字に対応するもので
ある。
【0017】ステップS1において、所定のサイズに調
整されたガラス1を少なくとも2枚用意する。このガラ
スは、例えば、JIS R 3202に定めるフロート
板ガラス及び磨きガラス、JIS R 3203に定め
る型板ガラス、JIS R3204に定める網入り板ガ
ラス及び線入り板ガラス、JIS R 3206に定め
る強化ガラス、JIS R 3208に定める熱線吸収
板ガラス、JISR 3221に定める熱線反射ガラ
ス、JIS R 3222に定める倍強度ガラス等の規
格に準拠した国内及び外国製の板ガラスの他、その他、
これらに相当する諸外国の規定に準拠した板ガラスを使
用することができる。
整されたガラス1を少なくとも2枚用意する。このガラ
スは、例えば、JIS R 3202に定めるフロート
板ガラス及び磨きガラス、JIS R 3203に定め
る型板ガラス、JIS R3204に定める網入り板ガ
ラス及び線入り板ガラス、JIS R 3206に定め
る強化ガラス、JIS R 3208に定める熱線吸収
板ガラス、JISR 3221に定める熱線反射ガラ
ス、JIS R 3222に定める倍強度ガラス等の規
格に準拠した国内及び外国製の板ガラスの他、その他、
これらに相当する諸外国の規定に準拠した板ガラスを使
用することができる。
【0018】次ぎに、ステップS2において、ガラスの
洗浄、乾燥を行う。この工程は、出来あがった合わせガ
ラスの品質に大きく影響する、ガラス面に付着している
ゴミや塵、油脂、金属イオン等の不要物を除去するもの
である。また、後に説明するガラスとシート間の接着力
を確保する上でも重要である。この洗浄工程の例とし
て、ここでは、1/1000濃度(体積%)の弱アルカ
リ性洗剤で洗浄した後に、充分なすすぎを行い、さらに
は、残留する金属イオンを除去するために純粋でリンス
した。
洗浄、乾燥を行う。この工程は、出来あがった合わせガ
ラスの品質に大きく影響する、ガラス面に付着している
ゴミや塵、油脂、金属イオン等の不要物を除去するもの
である。また、後に説明するガラスとシート間の接着力
を確保する上でも重要である。この洗浄工程の例とし
て、ここでは、1/1000濃度(体積%)の弱アルカ
リ性洗剤で洗浄した後に、充分なすすぎを行い、さらに
は、残留する金属イオンを除去するために純粋でリンス
した。
【0019】次ぎに、ステップS3で、シート2をガラ
スのサイズに適合するように、所定のサイズに裁断す
る。シート2は、この例では、3Mで提供しているScot
ch Optical Lightning Filmを使用した。3Mのこのシ
ートは、厚さが0.5mmであり、その一面に1cm間
隔に約30個の無数の細かい溝3が掘られ、他方の面が
略扁平なポリカーボネート100%のフィルムである。
溝3は、一面から他面の方向に向かって鋭く切り込まれ
た少なくとも2辺から形成されている。この既製のシー
ト2は通常、幅952mmの長さ45.7mの帯状のロ
ールとして供給されるために、使用量に応じてそのロー
ルから引き出して使用することができる。また、この既
製のシート2は、ガラス幅2mに対して幅(952m
m)が足らないため、ガラス表面に平行に数枚並べて置
きガラス全面に貼り合わせることとした。尚、シート表
面にゴミ等の不要物が付着しないように、保管及び取り
扱いに注意を払う必要がある。
スのサイズに適合するように、所定のサイズに裁断す
る。シート2は、この例では、3Mで提供しているScot
ch Optical Lightning Filmを使用した。3Mのこのシ
ートは、厚さが0.5mmであり、その一面に1cm間
隔に約30個の無数の細かい溝3が掘られ、他方の面が
略扁平なポリカーボネート100%のフィルムである。
溝3は、一面から他面の方向に向かって鋭く切り込まれ
た少なくとも2辺から形成されている。この既製のシー
ト2は通常、幅952mmの長さ45.7mの帯状のロ
ールとして供給されるために、使用量に応じてそのロー
ルから引き出して使用することができる。また、この既
製のシート2は、ガラス幅2mに対して幅(952m
m)が足らないため、ガラス表面に平行に数枚並べて置
きガラス全面に貼り合わせることとした。尚、シート表
面にゴミ等の不要物が付着しないように、保管及び取り
扱いに注意を払う必要がある。
【0020】2枚のガラス1の間の中間層となる接着剤
5は、液体状の又はゲル状の接着剤の他、ガラス及びシ
ート表面に貼り合わせ可能なフィルム状の可撓性を有す
る固形の接着剤を使用することができる。このフィルム
状の接着剤5を使用する場合には、シート2と同様に、
ガラス1のサイズに適合するように、所定のサイズに裁
断する。また、帯状のロールとして供給されるようなフ
ィルム状の接着剤は、使用量に応じてそのロールから引
き出して使用する事ができる。また、シート2と同様に
フィルム表面にゴミ等の不要物が付着しないように、保
管及び取り扱いに注意を払う必要がある。
5は、液体状の又はゲル状の接着剤の他、ガラス及びシ
ート表面に貼り合わせ可能なフィルム状の可撓性を有す
る固形の接着剤を使用することができる。このフィルム
状の接着剤5を使用する場合には、シート2と同様に、
ガラス1のサイズに適合するように、所定のサイズに裁
断する。また、帯状のロールとして供給されるようなフ
ィルム状の接着剤は、使用量に応じてそのロールから引
き出して使用する事ができる。また、シート2と同様に
フィルム表面にゴミ等の不要物が付着しないように、保
管及び取り扱いに注意を払う必要がある。
【0021】このフィルム状接着剤5として、EVA樹
脂を主原料とした、熱可塑性タイプ又は熱架橋タイプの
ものを使用することができる。以下、本例では、ブリジ
ストン社からロール状に供給される、熱可塑性タイプの
EVA樹脂を主原料とした接着剤を使用した。
脂を主原料とした、熱可塑性タイプ又は熱架橋タイプの
ものを使用することができる。以下、本例では、ブリジ
ストン社からロール状に供給される、熱可塑性タイプの
EVA樹脂を主原料とした接着剤を使用した。
【0022】このフィルム状接着剤5も、ガラスの幅よ
りも狭いフィルム幅(通常1.2mmであるが特注によ
って2.4mmまで存在する)を有しているために、シ
ートと同様にガラスとシートとの間に平行に複数枚並べ
て置くことでガラス全面に貼るようにした。
りも狭いフィルム幅(通常1.2mmであるが特注によ
って2.4mmまで存在する)を有しているために、シ
ートと同様にガラスとシートとの間に平行に複数枚並べ
て置くことでガラス全面に貼るようにした。
【0023】シート2及び接着剤5の裁断作業は、クリ
ーンルーム内で行い、シート2及び接着剤5に油脂や水
分、異物、ゴミ等の不要物が着かないように注意深く行
った。尚、クリーンレベルについては、ルーム内に全く
ゴミ等の他の不要物が混在しないことが理想的だが、要
求される合わせガラスの品質にあわせて、クリーンレベ
ルも考慮すればよい。
ーンルーム内で行い、シート2及び接着剤5に油脂や水
分、異物、ゴミ等の不要物が着かないように注意深く行
った。尚、クリーンレベルについては、ルーム内に全く
ゴミ等の他の不要物が混在しないことが理想的だが、要
求される合わせガラスの品質にあわせて、クリーンレベ
ルも考慮すればよい。
【0024】ステップS4において、ガラス1、接着剤
5、シート2、接着剤5、ガラス1とを重ねる。この作
業もクリーンルーム内で行い、極力他の不要物が層間に
混入しないようにすることが必要である。
5、シート2、接着剤5、ガラス1とを重ねる。この作
業もクリーンルーム内で行い、極力他の不要物が層間に
混入しないようにすることが必要である。
【0025】ここで、特にシート2は、この例では、そ
の素材がポリカーボネートであることから、熱による伸
縮を起こしやすい。従って、複数枚のシート2を予め密
接に並べた場合には、後に説明する熱を加える工程によ
って熱膨張し、互いのシートの端同士がぶつかり合い、
シートやガラスがずれたりする場合がある。このずれを
逃し、シート間の干渉を防止するために、予めシート間
を適度に離してガラスに載置することが望ましい。この
シート間の離間距離は、使用するシートの種類や工程中
の印可温度等によって適宜調整すればよい。
の素材がポリカーボネートであることから、熱による伸
縮を起こしやすい。従って、複数枚のシート2を予め密
接に並べた場合には、後に説明する熱を加える工程によ
って熱膨張し、互いのシートの端同士がぶつかり合い、
シートやガラスがずれたりする場合がある。このずれを
逃し、シート間の干渉を防止するために、予めシート間
を適度に離してガラスに載置することが望ましい。この
シート間の離間距離は、使用するシートの種類や工程中
の印可温度等によって適宜調整すればよい。
【0026】次ぎに、ステップS5で積層間の一次接着
を行う。積層した一組のガラスを、真空バッグの中に入
れて、真空ポンプでバッグの中の空気を抜き取る。これ
によって、積層した材料の各層間に残留している空気を
排除し、各材料が確実に直接接着している状態を作り出
すことができる。この例では、真空度を740mmHG
以下になるよう室温で1時間真空引きをした。次ぎに、
徐々に加熱し、約2時間をかけて約90℃まで温度を上
げた後、90℃のままで約1時間保持した。
を行う。積層した一組のガラスを、真空バッグの中に入
れて、真空ポンプでバッグの中の空気を抜き取る。これ
によって、積層した材料の各層間に残留している空気を
排除し、各材料が確実に直接接着している状態を作り出
すことができる。この例では、真空度を740mmHG
以下になるよう室温で1時間真空引きをした。次ぎに、
徐々に加熱し、約2時間をかけて約90℃まで温度を上
げた後、90℃のままで約1時間保持した。
【0027】この温度帯によって、接着用の中間膜が軟
化・溶融し、層間で最も良く流動するため、シート2表
面の無数の細かい溝3内に接着材を充分流し込むことが
できる。加えて、溝3内の空気もシート2からほぼ排除
される。
化・溶融し、層間で最も良く流動するため、シート2表
面の無数の細かい溝3内に接着材を充分流し込むことが
できる。加えて、溝3内の空気もシート2からほぼ排除
される。
【0028】その後更に、約1時間かけて100℃まで
温度を上げ、更に約1時間温度を100℃のまま保持す
る。この温度で、中間膜の接着剤が硬化を始め、他の材
料との接着力が発生し始める。
温度を上げ、更に約1時間温度を100℃のまま保持す
る。この温度で、中間膜の接着剤が硬化を始め、他の材
料との接着力が発生し始める。
【0029】以上の一次接着作業により、これ以降、圧
力を戻しても空気の再侵入を防止することができる。一
次接着作業が終了すると、一組のガラスを真空バッグか
ら取り出し、ステップS6の本接着作業を行う。
力を戻しても空気の再侵入を防止することができる。一
次接着作業が終了すると、一組のガラスを真空バッグか
ら取り出し、ステップS6の本接着作業を行う。
【0030】本接着作業では、まず、一次接着作業を終
えた積層された一組のガラスをオートクレーブに入れ、
徐々に昇温・昇圧し、約135℃、13気圧で30分以
上保持する。これによって、接着膜は、シート2の溝に
更に浸透し、溝内の余分な残留空気も排除される。但
し、シート2への加熱過多により悪影響を防止するため
に、温度・圧力の管理は厳重に行うことが必要である。
えた積層された一組のガラスをオートクレーブに入れ、
徐々に昇温・昇圧し、約135℃、13気圧で30分以
上保持する。これによって、接着膜は、シート2の溝に
更に浸透し、溝内の余分な残留空気も排除される。但
し、シート2への加熱過多により悪影響を防止するため
に、温度・圧力の管理は厳重に行うことが必要である。
【0031】尚、一次接着作業と同様に、異なった接着
剤を使用した場合には、使用する接着剤の種類に応じ
て、そのシート表面の溝3内に接着剤が充分充填される
ように、加える温度、時間を適宜調整する。
剤を使用した場合には、使用する接着剤の種類に応じ
て、そのシート表面の溝3内に接着剤が充分充填される
ように、加える温度、時間を適宜調整する。
【0032】以上にように、本作業の接着作業を終える
と、積層された一組のガラスをオートクレーブから取り
出し、常温に冷却する。得られた合わせガラス10は、
内部に実用上問題とならないレベルに空気が除去されて
おり、両面の何れからも透過して見えるとともに、それ
ぞれ色差を生じた二重の陰影を得ることができる。
と、積層された一組のガラスをオートクレーブから取り
出し、常温に冷却する。得られた合わせガラス10は、
内部に実用上問題とならないレベルに空気が除去されて
おり、両面の何れからも透過して見えるとともに、それ
ぞれ色差を生じた二重の陰影を得ることができる。
【0033】このようにして得られた合わせガラス10
は、ガラスを間に挟んだ相互から、他方の区域の物の陰
影を多重に、そして赤(せき)から,橙(とう),黄(おう),
緑(りょく),青(せい),藍(らん),紫(し)に至る虹色に映
し出すことができるようになった。そして、例えば、溝
3が水平になるように合わせガラス10を設置した場合
には、床が立ち上がるように見えたり、あるいはビルが
より天空へと立ち上がるような、一方、溝3が垂直にな
るように合わせガラス10を設置した場合には、人の影
が同一人の影を追いかけるような不思議な感覚や、見る
人に異次元的空間や未来都市にいるような特殊の印象を
与えることができることとなった。
は、ガラスを間に挟んだ相互から、他方の区域の物の陰
影を多重に、そして赤(せき)から,橙(とう),黄(おう),
緑(りょく),青(せい),藍(らん),紫(し)に至る虹色に映
し出すことができるようになった。そして、例えば、溝
3が水平になるように合わせガラス10を設置した場合
には、床が立ち上がるように見えたり、あるいはビルが
より天空へと立ち上がるような、一方、溝3が垂直にな
るように合わせガラス10を設置した場合には、人の影
が同一人の影を追いかけるような不思議な感覚や、見る
人に異次元的空間や未来都市にいるような特殊の印象を
与えることができることとなった。
【0034】上記例では、一枚のシート2を2枚のガラ
ス1で挟むようにしたが、より多くのガラス1を使用し
て、夫々の間にシート2が入る構成をとってもよく、あ
るいは、ガラス1の間に複数枚のシート2を貼りあわせ
るようにしてもよい。
ス1で挟むようにしたが、より多くのガラス1を使用し
て、夫々の間にシート2が入る構成をとってもよく、あ
るいは、ガラス1の間に複数枚のシート2を貼りあわせ
るようにしてもよい。
【0035】また、複数枚のシート2を使用した場合
に、各シート2の溝の延びる方向を互いに平行になるよ
うに置いても良く、あるいは互いに直角にあるいはそれ
以外の角度で錯交するように置いても良い。このシート
2の使用方法の違いによって、より異なった見え方や色
収差を生じる合わせガラスを得ることができることとな
る。
に、各シート2の溝の延びる方向を互いに平行になるよ
うに置いても良く、あるいは互いに直角にあるいはそれ
以外の角度で錯交するように置いても良い。このシート
2の使用方法の違いによって、より異なった見え方や色
収差を生じる合わせガラスを得ることができることとな
る。
【0036】さらに、上記例では、扁平なガラス1を使
用しているが、使用するシート2が可撓性を有すること
から、湾曲したガラス1にも適用できる。そして、強化
ガラスや耐熱ガラス、防音ガラス等、多様なガラスをも
利用することができるため、例えば、高層の強化ガラス
や、あるいは広く間口をとった大きなガラス、さらには
小さな照明用のガラス等の建築以外の分野にも幅広く利
用できるものである。
用しているが、使用するシート2が可撓性を有すること
から、湾曲したガラス1にも適用できる。そして、強化
ガラスや耐熱ガラス、防音ガラス等、多様なガラスをも
利用することができるため、例えば、高層の強化ガラス
や、あるいは広く間口をとった大きなガラス、さらには
小さな照明用のガラス等の建築以外の分野にも幅広く利
用できるものである。
【図1】 本発明による一構成例を示した合わせガラス
10の部分的斜視図である。
10の部分的斜視図である。
【図2】 シート2の部分的側面図である。
【図3】 合わせガラス10の製造工程の一例を示す。
1...ガラス
2...シート
3...溝
4...頂部又は頂点
5...接着剤
10...合わせガラス
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 三保谷 友彦
東京都港区西麻布1−8−4 株式会社三
保谷硝子店内
Fターム(参考) 4G061 AA02 AA04 AA11 AA20 AA26
AA28 BA01 BA02 CA02 CA06
CB03 CB04 CB19 CD02 CD17
CD18 DA23 DA28 DA38 DA46
Claims (7)
- 【請求項1】 少なくとも2枚のガラスと、 少なくとも一面に一方向に略平行に延びた無数の溝が形
成されたシートであって、該シートを一側面から見たと
きに、隣接する該溝の底部から起立して頂部を形成する
辺を有する、透明又は半透明な可撓性を有するシート
と、を含み、 前記少なくとも2枚のガラスの間に前記シートが挟持さ
れて貼り合わされている、ことを特徴とする合わせガラ
ス。 - 【請求項2】 前記シートがポリカーボネートから形成
されていることを特徴とする請求項1に記載の合わせガ
ラス。 - 【請求項3】 前記シートと前記ガラスとの間が熱可塑
性樹脂からなる接着剤により接着されていることを特徴
とする請求項1に記載の合わせガラス。 - 【請求項4】 少なくとも2枚のガラスと、少なくとも
一面に一方向に略平行に延びた無数の溝が形成されたシ
ートであって該シートの一側面から見たときに隣接する
該溝の底部から起立して頂部を形成する辺を有する透明
又は半透明な可撓性を有するシートとを含む合わせガラ
スの製造方法であって、 前記シートと前記ガラスとの間に接着剤を供給して複層
のガラスとし、 真空引きされた環境の中で該複層のガラスを加熱するこ
とで層間の空気を除去して接着剤を軟化させ層間の接着
を行うことを特徴とする合わせガラスの製造方法。 - 【請求項5】 請求項4で得られた合わせガラスを更に
加熱及び加圧することを特徴とする合わせガラスの製造
方法。 - 【請求項6】 前記シートがポリカーボネートから形成
されていることを特徴とする請求項4に記載の合わせガ
ラスの製造方法。 - 【請求項7】 前記接着剤がフィルム状の固形物である
ことを特徴とする請求項4に記載の合わせガラスの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002023584A JP2003221261A (ja) | 2002-01-31 | 2002-01-31 | 合わせガラス及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002023584A JP2003221261A (ja) | 2002-01-31 | 2002-01-31 | 合わせガラス及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003221261A true JP2003221261A (ja) | 2003-08-05 |
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ID=27746255
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2003221261A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009155165A (ja) * | 2007-12-27 | 2009-07-16 | Nakajima Glass Co Inc | 装飾合わせガラス及びその製造方法 |
CN104129122A (zh) * | 2014-07-16 | 2014-11-05 | 天津北玻玻璃工业技术有限公司 | 超长夹层炫彩膜玻璃制备方法 |
WO2016163486A1 (ja) * | 2015-04-08 | 2016-10-13 | 積水化学工業株式会社 | 合わせガラス用中間膜及び合わせガラス |
-
2002
- 2002-01-31 JP JP2002023584A patent/JP2003221261A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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