[go: up one dir, main page]

JP2003219844A - ルー及びその製造方法、並びに該ルーを用いた食品 - Google Patents

ルー及びその製造方法、並びに該ルーを用いた食品

Info

Publication number
JP2003219844A
JP2003219844A JP2002023150A JP2002023150A JP2003219844A JP 2003219844 A JP2003219844 A JP 2003219844A JP 2002023150 A JP2002023150 A JP 2002023150A JP 2002023150 A JP2002023150 A JP 2002023150A JP 2003219844 A JP2003219844 A JP 2003219844A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
roux
emulsifier
liquid crystal
oil
added
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2002023150A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3804541B2 (ja
Inventor
Tsutomu Odawara
努 小田原
Masaki Fujimura
昌樹 藤村
Takashi Funahashi
孝 舟橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP2002023150A priority Critical patent/JP3804541B2/ja
Publication of JP2003219844A publication Critical patent/JP2003219844A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3804541B2 publication Critical patent/JP3804541B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Seeds, Soups, And Other Foods (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷蔵または冷凍したり、或いは殺菌のために
レトルト処理を行った後でも、ソース、シチュー等の加
工食品の食感がなめらかで口溶け感の良い状態を保ち、
更にレトルト処理前の調理工程において、加熱による粘
度上昇を抑えることができるルー及びその製造方法、並
びに該ルーを用いた加工食品を提供すること。 【解決手段】 少なくとも一部が液晶状態の乳化剤を添
加したルーで、好ましくは、少なくとも一部が液晶状態
の乳化剤を、焙焼する前の原料に添加したルー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ルー及びその製造
方法、並びに該ルーを用いてなるソース、シチュー等の
加工食品に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的にソース、シチュー等の加工食品
には、小麦粉と油脂を原料とするルーが用いられる。ル
ーを用いずに小麦粉のみを用いたり、或いは、ルーにお
いて小麦粉以外の穀粉を用いた場合には、出来上がった
ソース、シチュー等に粉っぽい風味がついてしまった
り、またざらつく、ダマが生じるといった好ましくない
食感になる場合が多い。従って、ソース、シチュー等の
加工食品に適度な粘性及び香ばしさを付与させる目的
で、小麦粉と油脂を使用したルーが一般的に用いられて
いる。
【0003】ルーを用いてソース、シチュー等の加工食
品を作製する場合、口溶け感やなめらかさ、ボディー感
といった食感を調整するには、添加するルーの量を調整
する方法が容易であり、一般的に用いられる。ところ
が、この方法によると、ルーの添加量を少なくした場
合、口溶け感やなめらかさは向上するが、ボディー感が
なくなってしまい、水っぽく食べ応えのない食感になっ
てしまい、更には、パンのフィリング材やトッピング材
として用いることができない。一方、ルーの添加量を多
くした場合、ボディー感は向上するが、口溶け感やなめ
らかさが失われる。すなわち、ボディー感を持ちなが
ら、口溶け感やなめらかさを併せ持つソース、シチュー
等の加工食品を、ルーの使用量の調整によって作るのは
難しいのが現状である。
【0004】上記のような従来のルーでは、更に様々な
問題点が挙げられる。従来のルーを用いたソースは、ソ
ースを作製した後冷蔵または冷凍したり、或いは殺菌の
ためにレトルト処理を行うと、ソースが硬くなってしま
い口溶け感が著しく悪くなってしまう。また、レトルト
処理前の調理工程においては、充填の都合上、加熱によ
る粘度上昇を抑える必要があるために、充分な加熱調理
を施すことができず、加熱により生じる調理感を付与す
ることができない。
【0005】このような問題を解決するため、ソースを
作製する際に、アジピン酸架橋コーンスターチ等の架橋
澱粉を添加する方法(特開平9−262077)や、膨
潤抑制処理されない澱粉および加工澱粉と、架橋澱粉お
よび温熱処理澱粉とを併用する方法(特開平11−18
681)などといった、加工澱粉を添加する方法が用い
られる。加工澱粉を添加することにより、ソースを作製
した後冷蔵または冷凍したり、或いは殺菌のためにレト
ルト処理を行った後でも、なめらかで口溶け感の良いソ
ースを得ることができる。また、レトルト処理前の調理
工程において、加熱による粘度上昇を抑えることも可能
であるので、加熱調理を施すことができる。しかし一方
で、加工澱粉独特の好ましくない風味がついたり、また
コストアップになるといった欠点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ソー
スを作製した後冷蔵または冷凍したり、或いは殺菌のた
めにレトルト処理を行った後でも、なめらかで口溶け感
の良いソースを得ることができ、更にレトルト処理前の
調理工程において、加熱による粘度上昇を抑えることが
できるルー及びその製造方法、並びに該ルーを用いた加
工食品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成するために鋭意研究を行った結果、ルー中の澱粉に
作用しやすい液晶状態の乳化剤を添加したルーを用い
て、ソース等の加工食品を作製すると、ソース等の加工
食品を作製した後冷蔵または冷凍したり、或いは殺菌の
ためにレトルト処理を行った後でも、なめらかで口溶け
感の良いソースを得ることができ、更にレトルト処理前
の調理工程において、加熱による粘度上昇を抑えること
ができることを見いだした。さらに、少なくとも一部が
液晶状態の乳化剤を、焙焼する前のルー原料に添加する
ことにより、その効果が一層高まることを見いだし、本
発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明の第1は、少なくとも一
部が液晶状態の乳化剤を添加することを特徴とするルー
に関する。好ましい実施態様としては、乳化剤がグリセ
リン脂肪酸モノエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、
プロピレングリコール脂肪酸エステル、グリセリン有機
酸脂肪酸エステルから選ばれた1種または2種以上であ
る上記記載のルーに関する。
【0009】本発明の第2は、少なくとも一部が液晶状
態の乳化剤を、焙焼する前のルー原料に添加することを
特徴とする上記記載のルーの製造方法に関する。
【0010】本発明の第3は、上記記載のルーを用いて
なる加工食品に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に本発明のルーについて記述
する。
【0012】本発明でいうルーは、油脂と小麦粉を用い
て作製したものであり、一般的な分類として、ルーブラ
ン(roux blanc:白色ルー)、ルーブロン
(roux blond:クリーム色のルウ)、ルーブ
ラン(roux brun:褐色ルー)等が挙げられる
が、何れでもよい。
【0013】本発明における乳化剤の液晶状態とは、水
溶液中にニート状もしくはゲル状に分散し、ヘキサゴナ
ル構造、キュービック構造、ラメラ構造または逆ヘキサ
ゴナル構造のいずれかの構造を有することをいい、ルー
原料に乳化剤を添加する際、その乳化剤が前記構造を一
部有していればよい。
【0014】本発明における少なくとも一部が液晶状態
の乳化剤としては、グリセリン脂肪酸モノエステル、ソ
ルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステ
ル、蔗糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸
エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステルが挙げら
れ、これらを単独または2種以上組み合わせて用いるこ
とができる。添加量としては、ルー中の小麦粉に対し
て、好ましくは0.05〜5.0重量%の範囲になるよ
うに、ルーに添加するのが適当である。更に好ましく
は、ルー中の小麦粉に対して、0.2〜4.0重量%で
ある。乳化剤の添加量が0.05重量%より少ないと、
加熱による粘度上昇を抑える効果が弱くなる場合があ
る。逆に5.0重量%より多いと、得られたソース等の
加工食品に、乳化剤の好ましくない風味が感じられるこ
とがある。
【0015】本発明のルーに用いる油脂としては、特に
限定はなく、例えば、あまに油、桐油、サフラワー油、
かや油、胡桃油、芥子油、向日葵油、綿実油、菜種油、
大豆油、辛子油、カボック油、米糠油、胡麻油、玉蜀黍
油、落花生油、オリーブ油、椿油、茶油、ひまし油、椰
子油、パーム油、パーム核油、カカオ脂、シア脂、ボル
ネオ脂等の植物性油脂や、魚油、鯨油、牛脂、豚脂、乳
脂、羊脂等の動物性油脂、これらの油脂を原料としてエ
ステル交換したものや、硬化油、分別油、混合油などが
挙げられ、これらを単独または2種以上組み合わせて用
いることが出来る。
【0016】本発明のルーに用いる小麦粉としては、加
熱等の処理を施していない生の小麦粉や、酵素、糖類、
安定剤、乳化剤等を添加している小麦粉を用いることが
できる。小麦粉としては、グルテンの質と蛋白質の量で
分類される強力粉、準強力粉、中力粉、薄力粉から選ん
だ1種または2種以上のものを組み合わせたものを用い
ることが可能であり、好ましくは薄力粉を用いることが
望ましい。また、小麦粉の等級に関していえば、灰分の
含量によって分類される、一等粉、二等粉、三等粉、末
粉から選んだ1種または2種以上のものを組み合わせた
ものを用いることが可能であり、一等粉、二等粉を用い
ることが望ましい。また小麦粉以外に、コーン、タピオ
カ、馬鈴薯、甘藷といった各種澱粉や、コーンフラワー
等といった穀粉を添加しても良い。
【0017】本発明のルーは、油脂と小麦粉の配合量に
は特に限定はないが、小麦粉100重量部に対し、油脂
が40〜200重量部であることが好ましい。更に好ま
しくは、小麦粉100重量部に対し、油脂が50〜15
0重量部である。油脂が40重量部より少ないと、ルー
としての良い粘性が得られず、なめらかさに欠ける場合
がある。また、油脂が200重量部より多いと、ルーと
しての粘度が低下したり、得られる加工食品が油っぽい
味になってしまう場合がある。
【0018】本発明のルーは、少なくとも一部が液晶状
態の乳化剤を添加することが必要である。本発明の乳化
剤は、水に溶解または分散させて少なくとも一部を液晶
状態とした後冷却し、高粘性のゲル状にしてルーに添加
するのが好ましい。安定な液晶状態を保つためには、水
飴、ソルビトール、グリセリン等を添加するとなお好ま
しい。少なくとも一部が液晶状態の乳化剤を添加する方
法としては、焙焼前のルー原料に添加しても良いし、焙
焼後のルーに添加しても良いが、望ましくは、焙焼前の
ルー原料に添加するのが良い。いずれの場合も、少なく
とも一部が液晶状態の乳化剤を添加した後、よく混合す
ることが望ましい。
【0019】本発明のルーは、その製造工程において、
少なくとも一部が液晶状態の乳化剤を添加する以外は、
一般的な製造方法で作製することが出来るが、例えば、
以下の製造方法で作製することができる。すなわち、油
脂を加熱溶解し、さらに小麦粉を加えて混合物を作製す
る。そして、この混合物を焙焼する。すなわち加熱開始
から15〜20分で品温を95〜100℃、さらに加熱
開始から25〜35分で、品温を110〜120℃に昇
温させ、その後一定時間撹拌しながら、温度を保つこと
により、本発明のルーを得ることができる。
【0020】なお、本発明のルーは、必要に応じて香辛
料、調味料等の副材料を添加しても何ら問題ない。
【0021】本発明においては、本発明のルーを使用し
てホワイトソース、デミグラスソース、カレーソース等
のソースや、ホワイトシチュー、デミグラスシチュー、
カレーシチュー等のシチューや、パンのフィリング材や
トッピング材に用いられるカレー等のペースト状組成物
等の加工食品を作製することが出来る。本発明のルーを
使用して上記加工食品を製造することで、作製した後冷
蔵または冷凍したり、或いは殺菌のためにレトルト処理
を行った後でも、なめらかで口溶け感の良い加工食品を
得ることができ、更にレトルト処理前の調理工程におい
て、加熱による粘度上昇を抑えることができる。本発明
の加工食品に使用する、本発明のルーの量には特に限定
はなく、目的とする個々の加工食品の所望とする食感や
物性に応じて適宜選択することが出来るが、加工食品
中、1〜25重量%であること好ましく、更には10〜
20重量%であることが好ましい。加工食品の製造方法
に特に限定はなく、例えば、従来使用していたルーを本
発明のルーに代替することで、本発明の加工食品を得る
ことが出来る。
【0022】本発明のルーについては、一部が澱粉との
反応性が高い液晶状態となっている乳化剤を添加するこ
とにより、ルー中の澱粉がある程度乳化剤に囲まれた状
態になっていると推定される。その為に、本発明のルー
を用いてソース等の加工食品を作製した後、冷蔵または
冷凍したり、或いは殺菌のためにレトルト処理を行った
後でも、なめらかで口溶け感の良いソース等の加工食品
を得ることができるようになったと思われる。更には、
レトルト処理前の調理工程において、加熱による粘度上
昇を抑えることができるようになったと思われる。
【0023】
【実施例】以下本発明を実施例及び比較例に基づいて説
明するが、本発明はこれらにより何ら限定を受けるもの
ではない。尚、実施例中の「部」、「%」は全て重量基
準である。
【0024】(製造例1〜2)少なくとも一部が液晶状
態の乳化剤の作製 表1に示した配合をもとに、40℃以下で所定量の水飴
(商品名:「MS500」、昭和産業(株)製)と水を
混合させた後、所定量のショ糖脂肪酸エステル(商品
名:「リョートーシュガーエステルS−1170」、三
菱化学フーズ(株)製)を攪拌しながら徐々に添加して
分散させた。攪拌しながら60℃まで昇温させたのち、
所定量のグリセリン脂肪酸エステル(商品名:「エマル
ジーMS」、理研ビタミン(株)製)を添加し、さらに
攪拌しながら70℃まで昇温させた後攪拌を終了し、そ
の後冷蔵して、本発明の少なくとも一部が液晶状態の乳
化剤を得た。
【0025】
【表1】 (実施例1〜3、比較例1〜2)ルーの作製(1) パーム油400gを鍋にて加熱溶解して品温を60℃に
調整した後に、灰分0.56%、粗タンパク9.0%で
ある600gの薄力粉2等粉を混合し、表2に示した配
合をもとに、所定量の少なくとも一部が液晶状態の乳化
剤または液晶状態を含まない乳化剤を添加し充分混合し
た後、一般的にルー製造に用いられる平釜(商品名:K
Rミニ、梶原工業(株)製)に入れた。混合攪拌棒によ
り毎分20回転で混ぜながら、一定の加熱により、加熱
開始から15分で品温を105℃にして、さらに加熱開
始から30分で品温を120℃まで昇温させて、その後
10分間、120℃に品温を保つことでルーを得た。
【0026】
【表2】 (実施例4)ルーの作製(2) パーム油400gを鍋にて加熱溶解して品温を60℃に
調整した後に、灰分0.56%、粗タンパク9.0%で
ある600gの薄力粉2等粉を混合し、一般的にルー製
造に用いられる前記平釜に入れた。混合攪拌棒により毎
分20回転で混ぜながら、一定の加熱により加熱開始か
ら15分で品温を105℃にして、さらに加熱開始から
30分で品温を120℃まで昇温させて、その後10分
間、120℃に品温を保った後、表2に示した配合をも
とに、所定量の少なくとも一部が液晶状態の乳化剤を添
加し充分混合してルーを得た。
【0027】(実施例5〜8、比較例3〜4)カレーパ
ン用フィリングの製造 表3に示す配合により、加熱溶解したラードに牛ミンチ
肉、馬鈴薯、人参、玉ねぎ、植物性蛋白質を加えソテイ
した後、実施例1〜4、及び、比較例1〜2で得られた
ルーを加えて混合し、ウスターソース、トマトケチャッ
プ、リンゴピューレ、水、市販のカレー粉、上白糖、食
塩を加え、具材が沈殿しない程度の粘度が出るまで加熱
した。これをレトルトパウチに充填し、121℃で20
分間レトルト加熱処理した後に冷却し、カレーパン用フ
ィリングを製造した。本カレーパン用フィリングはカレ
ーパンの製造に供し評価を行った。
【0028】
【表3】 (カレーパンの製造)表4に示す生地配合に基づき、下
記(1)に示す手順により、70%中種法にて生地を製
造し、実施例5〜8、及び、比較例3〜4で得られたカ
レーパン用フィリングを、包餡機(商品名:CN−20
0型、レオン自動機(株)製)を使用して、生地50g
当たりカレーパン用フィリング30gの割合で包餡成型
した後、ホイロに入れて40℃で50分間発酵させた
後、大豆白絞油を用いて180℃にて3分間フライし、
カレーパンを得た。
【0029】
【表4】 (1)「パン生地の製造方法」 [1]中種ミキシング:低速で2分および中速で2分混捏
(捏上温度26℃)。 [2]中種発酵:28℃で3時間。 [3]本捏ミキシング:マーガリン以外の原料と混合して
低速で2分、中速で2分および高速で3分混捏した後、
マーガリンを投入して低速で2分、中速で2分および高
速で3分混捏(捏上温度24℃)。 [4]フロアタイム:15分間。 [5]パンチ(ガス抜き):1分間。 (カレーパンの評価方法)得られたカレーパンは、1晩
室温で放置した後に、カレーパンのフィリング部分につ
いての評価を行った。評価項目は、以下に示す評価基準
にしたがって10名のパネラーにより点数評価した。 <食感> 4点:口の中でのねとつきがなく、大変なめらかですば
やく溶ける。 3点:口の中でのねとつきが少なく、なめらかで溶けや
すい。 2点:口の中でねとつきが感じられ、やや溶けにくい。 1点:口の中で長い間ねとつき、溶けにくい。 <調理感> 4点:調理感が強く付与されており、大変おいしい。 3点:調理感がやや強く付与されており、おいしい。 2点:調理感が弱く、あまりおいしくない。 1点:調理感がついておらず、味がバラバラである。 各パネラーの評価の平均値を採ったところ、表5に示す
とおりであった。
【0030】
【表5】 表5の結果から明らかなように、少なくとも一部が液晶
状態の乳化剤を添加したルー(実施例1〜4)を用いた
実施例5〜8のカレーパン用フィリングと、少なくとも
一部が液晶状態の乳化剤を添加しないルー(比較例1〜
2)を用いた比較例3〜4のカレーパン用フィリングを
比較すると、実施例5〜8は明らかに食感が優れてお
り、またカレーパン用フィリング調理時の粘度上昇が遅
いために高温域での調理が可能であり、調理感において
も優れていた。これに対し、比較例3のカレーパン用フ
ィリングは明らかに食感が劣っており、またカレーパン
用フィリング調理時の粘度上昇が速く高温域での調理が
できず、調理感において劣っていた。液晶状態ではない
乳化剤を添加した比較例4のカレーパン用フィリング
は、食感、調理感共、比較例3よりも若干の向上が見ら
れたものの、実施例5〜8のカレーパン用フィリングよ
りは明らかに劣っていた。少なくとも一部が液晶状態の
乳化剤を焙焼前に添加したルー(実施例1〜3)を用い
た実施例5〜7のカレーパン用フィリングの中では、ル
ー中の小麦粉に対する、液晶状態の乳化剤量が最も多い
実施例7のカレーフィリングが、明らかに食感が優れて
おり、またカレーフィリング調理時の粘度上昇が最も遅
いために、最も高温域での調理が可能であり、調理感に
おいても最も優れていた。また、少なくとも一部が液晶
状態の乳化剤を焙焼後に添加したルー(実施例4)を用
いた実施例8のカレーフィリングは、少なくとも一部が
液晶状態の乳化剤を焙焼前に添加したルー(実施例3)
を用いた実施例7のカレーフィリングよりも、食感、調
理感ともやや劣っていた。
【0031】(実施例9〜10、比較例5〜6) ホワ
イトソースの製造 実施例3で得られたルー、比較例1〜2で得られたルー
を100g、実施例3で得られたルーを50gと比較例
1で得られたルーを50gをそれぞれビーカーに取り、
牛乳600g、白胡椒0.35g、食塩3.5gを加え
て、60℃の温度に保ちながらスターラーにより毎分6
00回転で5分間攪拌した。その後、前記平釜に移し
て、さらに品温を85℃まで上げて攪拌しながら、歩留
り80%になるまでに煮詰めてホワイトソースを製造し
た。
【0032】(ホワイトソースの評価)得られたホワイ
トソースは、(1)製造直後、(2)製造後冷蔵庫で1
6時間保持した時点で評価を行った。評価項目は、以下
にに示す評価基準にしたがって10名のパネラーにより
点数評価した。 <口溶け感> 4点:口の中でのねとつきがなく、すばやく溶ける。 3点:口の中でのねとつきが少なく、溶けやすい。 2点:口の中でねとつきが感じられ、やや溶けにくい。 1点:口の中で長い間ねとつき、溶けにくい。 <ボディー感> 4点:しっかりとした物性で、ボディー感が強い。 3点:しっかりとした物性で、ボディー感がやや強い。 2点:やややわらかい物性で、ボディー感が弱く感じら
れる。 1点:やわらかくてゆるい物性で、ボディー感が感じら
れない。 各パネラーの評価の平均値を採ったところ、表6に示す
とおりであった。
【0033】
【表6】 表6の結果から明らかなように、少なくとも一部が液晶
状態の乳化剤を添加したルー(実施例3)を用いた実施
例9のホワイトソースと、少なくとも一部が液晶状態の
乳化剤を添加しないルー(比較例1〜2)を用いた比較
例5〜6のホワイトソースを比較すると、実施例9は明
らかに口溶け感が優れており、特に冷蔵後においてその
差は顕著になった。一方ボディー感に関しては、実施例
9はやわらかい物性で冷蔵後も変化が見られなかったの
に対し、比較例5〜6はしっかりとした物性で冷蔵後更
にボディー感が増した。少なくとも一部が液晶状態の乳
化剤を添加したルーと少なくとも一部が液晶状態の乳化
剤を添加しないルーを併用した実施例10のホワイトソ
ースは、実施例9と比較して若干口溶け感が劣るもの
の、ボディー感が付与されており、冷蔵後の変化も比較
的少なかった。液晶状態ではない乳化剤を添加したルー
(比較例2)を用いた比較例6のホワイトソースは、比
較例5よりも若干の口溶け感の向上が見られたものの、
実施例9〜10よりは明らかに劣っており、特に冷蔵後
においてその差は顕著になった。
【0034】
【発明の効果】本発明の少なくとも一部が液晶状態の乳
化剤を添加したルーを用いて、ソース等の加工食品を作
製すると、加工食品を作製した後冷蔵または冷凍した
り、或いは殺菌のためにレトルト処理を行った後でも、
なめらかで口溶け感の良いソースを得ることができ、更
にレトルト処理前の調理工程において、加熱による粘度
上昇を抑えられ、調理時間が長くできることで調理感を
強く付与できることを見出した。さらに、少なくとも一
部が液晶状態の乳化剤を、焙焼する前のルー原料に添加
すると、その効果を一層高めることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一部が液晶状態の乳化剤を添
    加することを特徴とするルー。
  2. 【請求項2】 乳化剤がグリセリン脂肪酸モノエステ
    ル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸
    エステル、蔗糖脂肪酸エステル、プロピレングリコール
    脂肪酸エステル、グリセリン有機酸脂肪酸エステルから
    選ばれた1種または2種以上である請求項1記載のル
    ー。
  3. 【請求項3】 少なくとも一部が液晶状態の乳化剤を、
    焙焼する前のルー原料に添加することを特徴とする請求
    項1〜2いずれかに記載のルーの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜2いずれかに記載のルーを用
    いてなる加工食品。
JP2002023150A 2002-01-31 2002-01-31 ルー及びその製造方法、並びに該ルーを用いた食品 Expired - Fee Related JP3804541B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002023150A JP3804541B2 (ja) 2002-01-31 2002-01-31 ルー及びその製造方法、並びに該ルーを用いた食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002023150A JP3804541B2 (ja) 2002-01-31 2002-01-31 ルー及びその製造方法、並びに該ルーを用いた食品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003219844A true JP2003219844A (ja) 2003-08-05
JP3804541B2 JP3804541B2 (ja) 2006-08-02

Family

ID=27745939

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002023150A Expired - Fee Related JP3804541B2 (ja) 2002-01-31 2002-01-31 ルー及びその製造方法、並びに該ルーを用いた食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3804541B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012039932A (ja) * 2010-08-19 2012-03-01 Riken Vitamin Co Ltd 油中水型油脂組成物の凝集防止方法
JP2020115778A (ja) * 2019-01-23 2020-08-06 ヱスビー食品株式会社 フィリング及びフィリング含有食品、並びにフィリングの製造方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59160523A (ja) * 1983-03-04 1984-09-11 Kao Corp 乳化組成物
JPH03297345A (ja) * 1990-04-18 1991-12-27 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 油脂混合物及びその製造方法
JPH04370078A (ja) * 1991-06-19 1992-12-22 Ezaki Glico Co Ltd 固形ルウの製造方法
JPH05328914A (ja) * 1992-06-01 1993-12-14 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 吸油量の少ない揚げ物食品及びそれに用いる組成物
JPH06502530A (ja) * 1990-11-23 1994-03-24 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシャープ 食品における中間相の使用
JPH0795866A (ja) * 1993-09-29 1995-04-11 Ezaki Glico Co Ltd 水性ペースト状ルウ
JPH10140180A (ja) * 1996-11-01 1998-05-26 Riken Vitamin Co Ltd 油脂の結晶調整剤及び固形油脂食品
JPH10313783A (ja) * 1997-05-15 1998-12-02 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 固形ルーの白色化防止剤及び固形ルー用油脂組成物並びに固形ルー
JP2000032928A (ja) * 1998-07-22 2000-02-02 House Foods Corp ペースト状食品
JP2002125364A (ja) * 2000-10-16 2002-04-26 Yaskawa Electric Corp サイリスタ装置の電源同期信号消失時の保護方法

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59160523A (ja) * 1983-03-04 1984-09-11 Kao Corp 乳化組成物
JPH03297345A (ja) * 1990-04-18 1991-12-27 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 油脂混合物及びその製造方法
JPH06502530A (ja) * 1990-11-23 1994-03-24 ユニリーバー・ナームローゼ・ベンノートシャープ 食品における中間相の使用
JPH04370078A (ja) * 1991-06-19 1992-12-22 Ezaki Glico Co Ltd 固形ルウの製造方法
JPH05328914A (ja) * 1992-06-01 1993-12-14 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 吸油量の少ない揚げ物食品及びそれに用いる組成物
JPH0795866A (ja) * 1993-09-29 1995-04-11 Ezaki Glico Co Ltd 水性ペースト状ルウ
JPH10140180A (ja) * 1996-11-01 1998-05-26 Riken Vitamin Co Ltd 油脂の結晶調整剤及び固形油脂食品
JPH10313783A (ja) * 1997-05-15 1998-12-02 Kanegafuchi Chem Ind Co Ltd 固形ルーの白色化防止剤及び固形ルー用油脂組成物並びに固形ルー
JP2000032928A (ja) * 1998-07-22 2000-02-02 House Foods Corp ペースト状食品
JP2002125364A (ja) * 2000-10-16 2002-04-26 Yaskawa Electric Corp サイリスタ装置の電源同期信号消失時の保護方法

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
食用乳化剤, JPNX006016109, 1997, pages 111 - 116, ISSN: 0000729826 *

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012039932A (ja) * 2010-08-19 2012-03-01 Riken Vitamin Co Ltd 油中水型油脂組成物の凝集防止方法
JP2020115778A (ja) * 2019-01-23 2020-08-06 ヱスビー食品株式会社 フィリング及びフィリング含有食品、並びにフィリングの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3804541B2 (ja) 2006-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
AU2002233639B2 (en) Products containing $G(b)-glucan
KR20230084132A (ko) 식품용 전분 조성물 및 그의 제조방법
JP5107094B2 (ja) 固形ルウ用油脂組成物
JP5927453B2 (ja) 食用油脂乳化物の製造方法、食用油脂乳化物、及びこれを用いた飲食品
JP4077719B2 (ja) 飲食品及びその製造方法
JP4662157B2 (ja) 冷凍クリームソース類の製造方法
JP2017148068A (ja) 冷感が付与された食品
JP4284885B2 (ja) フィリング材及びその製造方法
JP6198469B2 (ja) 水中油型乳化調味料
JP2012130278A (ja) スポンジケーキ類の製造方法
JP2002136275A (ja) 酵素含有ペースト状食品用組成物及びこれを用いてなる調理加工食品
JP2005060614A (ja) クリーミング性改良油脂
JP6198468B2 (ja) 水中油型乳化調味料
JP5859292B2 (ja) チルドパンの製造方法
JP4207366B2 (ja) ペースト状食品及びこれを用いた食品
JP2010075138A (ja) パン生地
JP4085938B2 (ja) パスタソース
JP4930244B2 (ja) ビンガム流動組成物
JP3109068B2 (ja) 油脂組成物
JP3804541B2 (ja) ルー及びその製造方法、並びに該ルーを用いた食品
JP2019122343A (ja) 冷やして食べる焼菓子用油脂組成物
JP2001178388A (ja) カスタード風味クリームとその製造法
JP2006101774A (ja) 挽肉加工食品類及びその原料
JP4400152B2 (ja) 酸性水中油型乳化組成物
JP6472971B2 (ja) ルウ用油脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20041201

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051019

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051101

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20051115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20051228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060418

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060501

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3804541

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090519

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100519

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110519

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120519

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130519

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130519

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130519

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140519

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees