JP2003206488A - 炭化水素系重質原料の改質方法および改質装置 - Google Patents
炭化水素系重質原料の改質方法および改質装置Info
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- JP2003206488A JP2003206488A JP2002005146A JP2002005146A JP2003206488A JP 2003206488 A JP2003206488 A JP 2003206488A JP 2002005146 A JP2002005146 A JP 2002005146A JP 2002005146 A JP2002005146 A JP 2002005146A JP 2003206488 A JP2003206488 A JP 2003206488A
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- Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 重質原料の軽質化および超深度脱硫を低コス
トで行うことにある。 【解決手段】 炭化水素系の重質原料と改質媒体との混
合物を高温高圧の改質媒体雰囲気下の反応炉3内に供給
するとともに、混合物の一部を燃焼原料として反応炉3
内に供給して燃焼させることにより、反応炉3内により
高温の部分燃焼領域3bを形成するとともに、反応炉3
内を高温高圧の改質媒体雰囲気に維持し、部分燃焼領域
3bで発生した反応活性な水素で重質原料を水素化分解
により改質するとともに、重質原料を改質媒体雰囲気下
で熱分解により改質するようになっている。
トで行うことにある。 【解決手段】 炭化水素系の重質原料と改質媒体との混
合物を高温高圧の改質媒体雰囲気下の反応炉3内に供給
するとともに、混合物の一部を燃焼原料として反応炉3
内に供給して燃焼させることにより、反応炉3内により
高温の部分燃焼領域3bを形成するとともに、反応炉3
内を高温高圧の改質媒体雰囲気に維持し、部分燃焼領域
3bで発生した反応活性な水素で重質原料を水素化分解
により改質するとともに、重質原料を改質媒体雰囲気下
で熱分解により改質するようになっている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石油精製設備にお
ける常圧残渣や減圧残渣、天然重質油、難分解性廃棄物
などの炭化水素系の重質原料を改質し、より軽質な原料
を得るための炭化水素系重質原料の改質方法および改質
装置に関するものである。
ける常圧残渣や減圧残渣、天然重質油、難分解性廃棄物
などの炭化水素系の重質原料を改質し、より軽質な原料
を得るための炭化水素系重質原料の改質方法および改質
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、石油精製設備において、原油を
常圧蒸留や減圧蒸留により分留することによって、ガ
ス、ナフサ、灯油、軽油等が得られるとともに、常圧残
渣や減圧残渣の重質原料も得られることになる。上記重
質原料を改質する方法としては、水素化分解、水素化精
製、熱分解などの各種の方法がある。
常圧蒸留や減圧蒸留により分留することによって、ガ
ス、ナフサ、灯油、軽油等が得られるとともに、常圧残
渣や減圧残渣の重質原料も得られることになる。上記重
質原料を改質する方法としては、水素化分解、水素化精
製、熱分解などの各種の方法がある。
【0003】上記水素化分解や水素化精製は、高温、高
圧の触媒存在下において、高価な水素を多量に供給して
反応させることにより、重質原料の改質を行うものであ
る。このため、高価な水素を大量に消費するという欠点
があるとともに、その水素を製造する設備や、リサイク
ルする設備などが必要になる。したがって、コスト的な
面が大きな課題となっている。
圧の触媒存在下において、高価な水素を多量に供給して
反応させることにより、重質原料の改質を行うものであ
る。このため、高価な水素を大量に消費するという欠点
があるとともに、その水素を製造する設備や、リサイク
ルする設備などが必要になる。したがって、コスト的な
面が大きな課題となっている。
【0004】また、上記熱分解としては、ユリカプロセ
ス、HSCプロセスなどがあるが、改質によって得られ
る軽質化された原料の収率が低いという問題がある。し
かも、軽質化された後も硫黄分が依然として高い濃度で
残るため、実際に使用するためにはさらに脱硫精製をす
る必要がある。したがって、コスト面でも大きな問題と
なっている。
ス、HSCプロセスなどがあるが、改質によって得られ
る軽質化された原料の収率が低いという問題がある。し
かも、軽質化された後も硫黄分が依然として高い濃度で
残るため、実際に使用するためにはさらに脱硫精製をす
る必要がある。したがって、コスト面でも大きな問題と
なっている。
【0005】なお、重質原料を改質しないでそのまま使
用する場合には、次のような問題がある。例えば常圧残
渣を減圧蒸留することによって、重油やアスファルトの
重質原料が得られるが、前者の重油は硫黄が高濃度で残
留しているため、環境面から需要が制限される状況にあ
り、後者のアスファルトはさらに用途が限定されている
上に、需要の変動が大きいことから安定的に消費するこ
とができない。また、産出される原油の重質化に伴い、
近い将来には、軽油や灯油などの中間留分が減少し、常
圧残渣や減圧残渣の重質原料が増加することが懸念され
る。
用する場合には、次のような問題がある。例えば常圧残
渣を減圧蒸留することによって、重油やアスファルトの
重質原料が得られるが、前者の重油は硫黄が高濃度で残
留しているため、環境面から需要が制限される状況にあ
り、後者のアスファルトはさらに用途が限定されている
上に、需要の変動が大きいことから安定的に消費するこ
とができない。また、産出される原油の重質化に伴い、
近い将来には、軽油や灯油などの中間留分が減少し、常
圧残渣や減圧残渣の重質原料が増加することが懸念され
る。
【0006】したがって、上記従来の重質原料の改質方
法における、主としてコスト面の問題点を解決して、重
質原料を最大限に利用する技術を開発することが急務で
ある。加えて、昨今の環境保護面から、軽油、灯油など
の軽質化された原料に対しても、脱芳香族、脱ヘテロ
(脱硫黄、脱窒素、脱金属など)の要求が高まることが
確実である。このため、超深度脱硫など、さらなる高度
な脱硫技術の開発が望まれている。
法における、主としてコスト面の問題点を解決して、重
質原料を最大限に利用する技術を開発することが急務で
ある。加えて、昨今の環境保護面から、軽油、灯油など
の軽質化された原料に対しても、脱芳香族、脱ヘテロ
(脱硫黄、脱窒素、脱金属など)の要求が高まることが
確実である。このため、超深度脱硫など、さらなる高度
な脱硫技術の開発が望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑みてなされたものであり、重質原料の軽質化を低コス
トで行うことができるとともに、超深度脱硫も低コスト
で行うことのできる炭化水素系重質原料の改質方法およ
び改質装置を提供することを課題としている。
鑑みてなされたものであり、重質原料の軽質化を低コス
トで行うことができるとともに、超深度脱硫も低コスト
で行うことのできる炭化水素系重質原料の改質方法およ
び改質装置を提供することを課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1に記載の炭化水素系重質原料の改質方法
は、炭化水素系の重質原料と改質媒体との混合物を高温
高圧の改質媒体雰囲気下の反応炉内に供給するととも
に、上記混合物の一部を燃焼原料として上記反応炉内に
供給して燃焼させることにより、当該反応炉内により高
温の部分燃焼領域を形成するとともに、当該反応炉内を
高温高圧の改質媒体雰囲気に維持し、上記部分燃焼領域
で発生した反応活性な水素で上記重質原料を水素化分解
により改質するとともに、当該重質原料を改質媒体雰囲
気下で熱分解により改質することを特徴としている。
め、請求項1に記載の炭化水素系重質原料の改質方法
は、炭化水素系の重質原料と改質媒体との混合物を高温
高圧の改質媒体雰囲気下の反応炉内に供給するととも
に、上記混合物の一部を燃焼原料として上記反応炉内に
供給して燃焼させることにより、当該反応炉内により高
温の部分燃焼領域を形成するとともに、当該反応炉内を
高温高圧の改質媒体雰囲気に維持し、上記部分燃焼領域
で発生した反応活性な水素で上記重質原料を水素化分解
により改質するとともに、当該重質原料を改質媒体雰囲
気下で熱分解により改質することを特徴としている。
【0009】請求項2に記載の炭化水素系重質原料の改
質方法は、炭化水素系の重質原料と改質媒体との混合物
を高温高圧の改質媒体雰囲気下の反応炉内に供給すると
ともに、上記混合物の一部を燃焼原料として上記反応炉
内に供給して燃焼させることにより、当該反応炉内によ
り高温の部分燃焼領域を形成するとともに、当該反応炉
内を高温高圧の改質媒体雰囲気に維持し、上記部分燃焼
領域で発生した反応活性な水素で上記重質原料を水素化
分解により改質するとともに、当該重質原料を改質媒体
雰囲気下で熱分解により改質した後、上記改質された原
料を蒸留処理により分留し、上記分留の結果生じた残渣
を上記燃焼原料の一部として上記反応炉内に供給するこ
とを特徴としている。
質方法は、炭化水素系の重質原料と改質媒体との混合物
を高温高圧の改質媒体雰囲気下の反応炉内に供給すると
ともに、上記混合物の一部を燃焼原料として上記反応炉
内に供給して燃焼させることにより、当該反応炉内によ
り高温の部分燃焼領域を形成するとともに、当該反応炉
内を高温高圧の改質媒体雰囲気に維持し、上記部分燃焼
領域で発生した反応活性な水素で上記重質原料を水素化
分解により改質するとともに、当該重質原料を改質媒体
雰囲気下で熱分解により改質した後、上記改質された原
料を蒸留処理により分留し、上記分留の結果生じた残渣
を上記燃焼原料の一部として上記反応炉内に供給するこ
とを特徴としている。
【0010】請求項3に記載の炭化水素系重質原料の改
質方法は、請求項1または2に記載の発明において、部
分燃焼領域で発生した反応活性な水素で上記重質原料を
水素化分解により改質するとともに、当該重質原料を改
質媒体雰囲気下で熱分解により改質した後に、その改質
した原料と改質媒体とが混在する気体成分から固体成分
を分離することを特徴としている。
質方法は、請求項1または2に記載の発明において、部
分燃焼領域で発生した反応活性な水素で上記重質原料を
水素化分解により改質するとともに、当該重質原料を改
質媒体雰囲気下で熱分解により改質した後に、その改質
した原料と改質媒体とが混在する気体成分から固体成分
を分離することを特徴としている。
【0011】請求項4に記載の炭化水素系重質原料の改
質方法は、請求項1ないし3の何れかに記載の発明にお
いて、上記改質媒体として水を用いてなり、上記燃焼原
料の燃焼によって、上記反応炉内の圧力を22〜35M
Paにするとともに、上記部分燃焼領域の温度を600
〜1000℃にし、かつ上記反応炉内における上記部分
燃焼領域以外の領域の温度を380〜900℃に調整す
ることを特徴としている。
質方法は、請求項1ないし3の何れかに記載の発明にお
いて、上記改質媒体として水を用いてなり、上記燃焼原
料の燃焼によって、上記反応炉内の圧力を22〜35M
Paにするとともに、上記部分燃焼領域の温度を600
〜1000℃にし、かつ上記反応炉内における上記部分
燃焼領域以外の領域の温度を380〜900℃に調整す
ることを特徴としている。
【0012】請求項5に記載の炭化水素系重質原料の改
質装置は、炭化水素系の重質原料と改質媒体とを混合す
るミキサと、上記ミキサで混合した混合物を高温高圧の
改質媒体雰囲気の下に受け入れるとともに、上記混合物
の一部を燃焼原料として受け入れて燃焼させることによ
り、内部を高温高圧の改質媒体雰囲気に維持するととも
に、当該内部により高温の部分燃焼領域を形成し、この
部分燃焼領域で発生した反応活性な水素で上記重質原料
を水素化分解により改質するとともに、当該重質原料を
改質媒体雰囲気下で熱分解により改質する反応炉とを備
えてなることを特徴としている。
質装置は、炭化水素系の重質原料と改質媒体とを混合す
るミキサと、上記ミキサで混合した混合物を高温高圧の
改質媒体雰囲気の下に受け入れるとともに、上記混合物
の一部を燃焼原料として受け入れて燃焼させることによ
り、内部を高温高圧の改質媒体雰囲気に維持するととも
に、当該内部により高温の部分燃焼領域を形成し、この
部分燃焼領域で発生した反応活性な水素で上記重質原料
を水素化分解により改質するとともに、当該重質原料を
改質媒体雰囲気下で熱分解により改質する反応炉とを備
えてなることを特徴としている。
【0013】請求項6に記載の炭化水素系重質原料の改
質装置は、請求項5に記載の発明において、上記反応炉
で改質された原料を蒸留処理により分留する蒸留塔を備
えてなり、上記蒸留塔での分留の結果生じた残渣を上記
燃焼原料の一部として上記反応炉内に供給するように構
成されていることを特徴としている。
質装置は、請求項5に記載の発明において、上記反応炉
で改質された原料を蒸留処理により分留する蒸留塔を備
えてなり、上記蒸留塔での分留の結果生じた残渣を上記
燃焼原料の一部として上記反応炉内に供給するように構
成されていることを特徴としている。
【0014】請求項1〜6に記載の発明においては、重
質原料と改質媒体との混合物を高温高圧の反応炉内に供
給することにより、重質原料や改質媒体が加熱されて膨
張することになる。一方、混合物の一部を燃焼原料とし
て供給して燃焼させることにより、反応炉内を高温高圧
の状態に維持することができるとともに、同反応炉内の
一部により高温の部分燃焼領域を形成することができ
る。
質原料と改質媒体との混合物を高温高圧の反応炉内に供
給することにより、重質原料や改質媒体が加熱されて膨
張することになる。一方、混合物の一部を燃焼原料とし
て供給して燃焼させることにより、反応炉内を高温高圧
の状態に維持することができるとともに、同反応炉内の
一部により高温の部分燃焼領域を形成することができ
る。
【0015】そして、部分燃焼領域では、重質原料を部
分燃焼させることにより反応活性な水素が発生する。そ
して、この活性水素が重質原料に接触することにより、
当該重質原料に含まれている通常の水素では分解し得な
い硫黄の芳香環化合物であるチオフェン系硫黄、例えば
ジベンゾチオフェン(以下「DBT」という)、ジメチ
ルジベンゾチオフェン等を硫化水素(H2 S)に転換す
ることができる。すなわち、超深度脱硫を伴う改質を、
外部から水素を供給したり、触媒等を使用したりするこ
となく、低コストで行うことができる。
分燃焼させることにより反応活性な水素が発生する。そ
して、この活性水素が重質原料に接触することにより、
当該重質原料に含まれている通常の水素では分解し得な
い硫黄の芳香環化合物であるチオフェン系硫黄、例えば
ジベンゾチオフェン(以下「DBT」という)、ジメチ
ルジベンゾチオフェン等を硫化水素(H2 S)に転換す
ることができる。すなわち、超深度脱硫を伴う改質を、
外部から水素を供給したり、触媒等を使用したりするこ
となく、低コストで行うことができる。
【0016】また、改質媒体として例えば水を用いた場
合には、重質原料は高温高圧下における次の式(1)、
(2)の反応により軽質化され、また水により生成物の
再重合が抑制される。 Cm Hn →CH4 +H2 +Cn′Hm′+… …(1) xCm Hn +xH2 O→CH4 +H2 +Cn′Hm′OH+… …(2) したがって、重質原料の軽質化を、外部から水素を供給
したり、触媒等を使用したりすることなく、低コストで
効率よく行うことができる。
合には、重質原料は高温高圧下における次の式(1)、
(2)の反応により軽質化され、また水により生成物の
再重合が抑制される。 Cm Hn →CH4 +H2 +Cn′Hm′+… …(1) xCm Hn +xH2 O→CH4 +H2 +Cn′Hm′OH+… …(2) したがって、重質原料の軽質化を、外部から水素を供給
したり、触媒等を使用したりすることなく、低コストで
効率よく行うことができる。
【0017】請求項2または5に記載の発明において
は、改質後の分留によって生じた残渣を燃焼原料として
使用しているので、このような残渣をも有効に使用する
ことができる。しかも、この残渣に上述したDBTが大
量に含まれているとしても、部分燃焼によって、分解・
脱硫を図ることができるため、硫黄分がさらなる残渣に
残り固体化するようなことはない。
は、改質後の分留によって生じた残渣を燃焼原料として
使用しているので、このような残渣をも有効に使用する
ことができる。しかも、この残渣に上述したDBTが大
量に含まれているとしても、部分燃焼によって、分解・
脱硫を図ることができるため、硫黄分がさらなる残渣に
残り固体化するようなことはない。
【0018】請求項3に記載の発明においては、改質さ
れた後のその軽質化された原料及び改質媒体が高温高圧
の気体状になっているので、この気体成分中に含まれる
固体成分をフィルタやサイクロン等により容易に分離し
て取り出すことができる。そして、固体成分中には、重
質原料に含有されていた金属や鉱物等の成分が含まれて
いることから、その金属等の資源を有効に回収すること
ができる。
れた後のその軽質化された原料及び改質媒体が高温高圧
の気体状になっているので、この気体成分中に含まれる
固体成分をフィルタやサイクロン等により容易に分離し
て取り出すことができる。そして、固体成分中には、重
質原料に含有されていた金属や鉱物等の成分が含まれて
いることから、その金属等の資源を有効に回収すること
ができる。
【0019】請求項4に記載の発明においては、改質媒
体として水を用いており、反応炉内では水の臨界温度3
74℃以上の温度条件になっているので、圧力が22〜
35MPaであっても、水は低密度の流体の状態になっ
ている。そして、部分燃焼領域の温度が600〜100
0℃になっていることから、この部分燃焼領域で活性水
素が発生することになる。このため、その活性水素によ
って、重質原料中のDBTを充分に分解することができ
る。
体として水を用いており、反応炉内では水の臨界温度3
74℃以上の温度条件になっているので、圧力が22〜
35MPaであっても、水は低密度の流体の状態になっ
ている。そして、部分燃焼領域の温度が600〜100
0℃になっていることから、この部分燃焼領域で活性水
素が発生することになる。このため、その活性水素によ
って、重質原料中のDBTを充分に分解することができ
る。
【0020】また、部分燃焼領域以外の領域の温度が3
80〜900℃に設定されているので、この領域におい
て、上記式(1)、(2)の反応を生じさせ、重質原料
の軽質化を図ることができる。もちろん、部分燃焼領域
においても、重質原料の軽質化を行うことができる。
80〜900℃に設定されているので、この領域におい
て、上記式(1)、(2)の反応を生じさせ、重質原料
の軽質化を図ることができる。もちろん、部分燃焼領域
においても、重質原料の軽質化を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
する。
【0022】(第1実施形態)図1は、炭化水素系重質
原料の改質方法を実施する第1実施形態として示した改
質装置である。この改質装置は、原料供給ポンプ1と、
ラインミキサ(ミキサ)2と、反応炉3と、固体分離器
4と、熱交換器5と、減圧バルブ6と、改質した油の蒸
留分離装置7と、水供給ポンプ8等を備えている。
原料の改質方法を実施する第1実施形態として示した改
質装置である。この改質装置は、原料供給ポンプ1と、
ラインミキサ(ミキサ)2と、反応炉3と、固体分離器
4と、熱交換器5と、減圧バルブ6と、改質した油の蒸
留分離装置7と、水供給ポンプ8等を備えている。
【0023】原料供給ポンプ1は、石油精製設備におい
て、原油を常圧蒸留や減圧蒸留により分留した後の常圧
残渣や減圧残渣である重油やアスファルト等の重質油
(重質原料)を高圧でラインミキサ2に供給するように
なっている。一方、水供給ポンプ8は、液体の水を高圧
で熱交換器5を介してラインミキサ2に供給するように
なっている。
て、原油を常圧蒸留や減圧蒸留により分留した後の常圧
残渣や減圧残渣である重油やアスファルト等の重質油
(重質原料)を高圧でラインミキサ2に供給するように
なっている。一方、水供給ポンプ8は、液体の水を高圧
で熱交換器5を介してラインミキサ2に供給するように
なっている。
【0024】ラインミキサ2は、重質油と水とを混合す
るようになっている。そして、ラインミキサ2で混合さ
れた重質油と水との混合物は、原料供給ポンプ1及び水
供給ポンプ8の圧力により、第1のライン2aを介して
反応炉3内の部分燃焼領域3bを除く熱分解領域3aで
あって反応炉3の上部に供給されるとともに、第2のラ
イン2bを介して反応炉3内の部分燃焼領域3bであっ
て反応炉3の下部に供給されるようになっている。ま
た、第2のライン2bには、上記混合物を部分燃焼領域
3bに供給する量を調整するための流量制御弁2cが設
けられている。なお、部分燃焼領域3bには、混合物が
燃焼原料として供給されることになる。
るようになっている。そして、ラインミキサ2で混合さ
れた重質油と水との混合物は、原料供給ポンプ1及び水
供給ポンプ8の圧力により、第1のライン2aを介して
反応炉3内の部分燃焼領域3bを除く熱分解領域3aで
あって反応炉3の上部に供給されるとともに、第2のラ
イン2bを介して反応炉3内の部分燃焼領域3bであっ
て反応炉3の下部に供給されるようになっている。ま
た、第2のライン2bには、上記混合物を部分燃焼領域
3bに供給する量を調整するための流量制御弁2cが設
けられている。なお、部分燃焼領域3bには、混合物が
燃焼原料として供給されることになる。
【0025】反応炉3は、外側を覆う竪長の圧力容器3
1と、この圧力容器31の内側に設けられた同じく竪長
の反応容器32とからなる二重容器によって構成されて
いる。反応容器32は、その内部全体が熱分解領域3a
になっており、上記部分燃焼領域3bは、反応容器32
の下端部に位置している。すなわち、反応容器32内の
一部、すなわち熱分解領域3aの一部が部分燃焼領域3
bになっている。また、部分燃焼領域3bには、流量制
御弁3cを介して酸素(酸化剤)が供給されるようにな
っている。
1と、この圧力容器31の内側に設けられた同じく竪長
の反応容器32とからなる二重容器によって構成されて
いる。反応容器32は、その内部全体が熱分解領域3a
になっており、上記部分燃焼領域3bは、反応容器32
の下端部に位置している。すなわち、反応容器32内の
一部、すなわち熱分解領域3aの一部が部分燃焼領域3
bになっている。また、部分燃焼領域3bには、流量制
御弁3cを介して酸素(酸化剤)が供給されるようにな
っている。
【0026】固体分離器4は、反応炉3の上端部から排
出ライン3dを介して排出される改質後の油(改質後の
原料)に含まれていた固体成分をフィルタ(図示せず)
により分離して取り除くようになっている。すなわち、
液体状の油及び水は、反応炉3内において気体状になる
ので、その気体中に含まれる固体成分をフィルタで取り
除くことができる。そして、固体成分中には、重質油に
含有されていた金属や鉱物等の成分、例えばバナジウム
(V)、ニッケル(Ni)等が含まれていることから、
その金属等の資源を回収して有効に利用することができ
る。
出ライン3dを介して排出される改質後の油(改質後の
原料)に含まれていた固体成分をフィルタ(図示せず)
により分離して取り除くようになっている。すなわち、
液体状の油及び水は、反応炉3内において気体状になる
ので、その気体中に含まれる固体成分をフィルタで取り
除くことができる。そして、固体成分中には、重質油に
含有されていた金属や鉱物等の成分、例えばバナジウム
(V)、ニッケル(Ni)等が含まれていることから、
その金属等の資源を回収して有効に利用することができ
る。
【0027】熱交換器5は、水供給ポンプ8から供給さ
れる例えば常温の水を、固体分離器4から供給される改
質後の油及び水を主成分とする高温の気体によって、2
00〜300℃の温度に高めるようになっている。
れる例えば常温の水を、固体分離器4から供給される改
質後の油及び水を主成分とする高温の気体によって、2
00〜300℃の温度に高めるようになっている。
【0028】減圧バルブ6は、改質後の油及び水を主成
分とする高温高圧のものを減圧して蒸留分離装置7の蒸
留塔71に供給するようになっている。
分とする高温高圧のものを減圧して蒸留分離装置7の蒸
留塔71に供給するようになっている。
【0029】蒸留分離装置7は、蒸留塔71と、冷却手
段72と、分離タンク73とを備えている。蒸留塔71
では、沸点の低い油や水が気化して上方に移動し、冷却
手段72で冷却されて、分離タンク73に送られること
になる。改質された油は、分離タンク73内において、
CH4 、C2 H6 、C3 H8 、C4 H10、H2 S等のガ
スや、軽質油として回収されることになる。また、水分
は、分離タンク73内において軽質油との分離作用によ
り回収されることになる。
段72と、分離タンク73とを備えている。蒸留塔71
では、沸点の低い油や水が気化して上方に移動し、冷却
手段72で冷却されて、分離タンク73に送られること
になる。改質された油は、分離タンク73内において、
CH4 、C2 H6 、C3 H8 、C4 H10、H2 S等のガ
スや、軽質油として回収されることになる。また、水分
は、分離タンク73内において軽質油との分離作用によ
り回収されることになる。
【0030】また、蒸留塔71では、沸点の高い残渣が
下方に溜まることになる。この残渣は、図示しない高圧
ポンプによって圧送され、流量制御弁2dを介して、反
応炉3の部分燃焼領域3bに供給されるようになってい
る。
下方に溜まることになる。この残渣は、図示しない高圧
ポンプによって圧送され、流量制御弁2dを介して、反
応炉3の部分燃焼領域3bに供給されるようになってい
る。
【0031】次に、上記改質装置を用いた炭化水素系重
質原料の改質方法を説明する。まず、窒素を用いて反応
炉3内を300℃程度に加熱し、その後、メタノール等
の内部加熱用の燃料を用いて反応炉3内を1000℃程
度に加熱する。それから、第1のライン2aおよび第2
のライン2bから重質油と水との混合物を反応容器32
内に供給するとともに、酸素を反応炉3内に供給する。
そうすると、燃焼原料として供給された混合物中の重質
油が酸素と反応して燃焼を開始する。これにより、反応
容器32内を高温高圧の熱分解領域3aの状態に維持す
ることができるとともに、同反応容器32内の下部に、
より高温の部分燃焼領域3bが形成されることになる。
質原料の改質方法を説明する。まず、窒素を用いて反応
炉3内を300℃程度に加熱し、その後、メタノール等
の内部加熱用の燃料を用いて反応炉3内を1000℃程
度に加熱する。それから、第1のライン2aおよび第2
のライン2bから重質油と水との混合物を反応容器32
内に供給するとともに、酸素を反応炉3内に供給する。
そうすると、燃焼原料として供給された混合物中の重質
油が酸素と反応して燃焼を開始する。これにより、反応
容器32内を高温高圧の熱分解領域3aの状態に維持す
ることができるとともに、同反応容器32内の下部に、
より高温の部分燃焼領域3bが形成されることになる。
【0032】また、液体状の水と燃焼に寄与しない重質
油が加熱によって気化し膨張することになるので、これ
によっても反応容器32内の圧力が上昇する。そして、
原料供給ポンプ1から供給する重質油の量、流量制御弁
2cから部分燃焼領域3bに供給する混合物の量、流量
制御弁2dから部分燃焼領域3bに供給される残渣の
量、流量制御弁3cから部分燃焼領域3bに供給する酸
素の量、水供給ポンプ8から供給される水の量等を調整
することにより、反応炉3内の圧力を22〜35MPa
のうちの所定の圧力範囲に調整し、部分燃焼領域3bの
温度を600〜1000℃のうち所定の温度範囲に調整
し、部分燃焼領域3b以外の熱分解領域3aの温度を3
80〜900℃のうち所定の温度範囲に調整するととも
に、その状態を維持する。
油が加熱によって気化し膨張することになるので、これ
によっても反応容器32内の圧力が上昇する。そして、
原料供給ポンプ1から供給する重質油の量、流量制御弁
2cから部分燃焼領域3bに供給する混合物の量、流量
制御弁2dから部分燃焼領域3bに供給される残渣の
量、流量制御弁3cから部分燃焼領域3bに供給する酸
素の量、水供給ポンプ8から供給される水の量等を調整
することにより、反応炉3内の圧力を22〜35MPa
のうちの所定の圧力範囲に調整し、部分燃焼領域3bの
温度を600〜1000℃のうち所定の温度範囲に調整
し、部分燃焼領域3b以外の熱分解領域3aの温度を3
80〜900℃のうち所定の温度範囲に調整するととも
に、その状態を維持する。
【0033】そして、反応炉3で改質された原料は、連
続的に排出ライン3dから排出されて、固体分離器4、
熱交換器5、減圧バルブ6、蒸留分離装置7に順次供給
されて、ガスや軽質油として回収されることになる。ま
た、蒸留塔71に残った残渣は、流量制御弁2d、第2
のライン2b等を介して再び反応炉3内の部分燃焼領域
3bに供給されることになる。
続的に排出ライン3dから排出されて、固体分離器4、
熱交換器5、減圧バルブ6、蒸留分離装置7に順次供給
されて、ガスや軽質油として回収されることになる。ま
た、蒸留塔71に残った残渣は、流量制御弁2d、第2
のライン2b等を介して再び反応炉3内の部分燃焼領域
3bに供給されることになる。
【0034】上記のように構成された改質装置および改
質方法によれば、部分燃焼領域3bにおいて、重質油の
部分燃焼により活性水素を発生させることができる。こ
のため、この活性水素が重質油に接触することにより、
当該重質油に含まれている通常の水素では分解し得ない
チオフェン系硫黄化合物、例えばDBTを硫化水素に転
換することができる。すなわち、超深度脱硫を伴う改質
を、外部から水素を供給したり、触媒等を使用したりす
ることなく、低コストで効率よく行うことができる。
質方法によれば、部分燃焼領域3bにおいて、重質油の
部分燃焼により活性水素を発生させることができる。こ
のため、この活性水素が重質油に接触することにより、
当該重質油に含まれている通常の水素では分解し得ない
チオフェン系硫黄化合物、例えばDBTを硫化水素に転
換することができる。すなわち、超深度脱硫を伴う改質
を、外部から水素を供給したり、触媒等を使用したりす
ることなく、低コストで効率よく行うことができる。
【0035】また、重質油は、22MPa以上でかつ3
80℃以上の水雰囲気下において、上記式(1)、
(2)の反応により軽質化されことになる。したがっ
て、重質油の軽質化を、外部から水素を供給したり、触
媒等を使用したりすることなく、低コストで効率よく行
うことができる。
80℃以上の水雰囲気下において、上記式(1)、
(2)の反応により軽質化されことになる。したがっ
て、重質油の軽質化を、外部から水素を供給したり、触
媒等を使用したりすることなく、低コストで効率よく行
うことができる。
【0036】反応炉3において熱分解した後は、金属を
含んだ炭素系の固体成分が僅かに残るが、この固体成分
は、固体分離器4で分離して系外に排出することができ
る。そして、蒸留塔71に残った残渣は、硫黄や金属を
多く含んだものものであるため、軽質化油を生成するに
は好ましくないが、高カロリーであるため、燃焼原料と
して反応炉3の部分燃焼領域3bに供給することができ
る。この場合、残渣中のDBTとなっている硫黄も分解
することができ、軽質化された油に悪影響を及ぼすこと
がない。
含んだ炭素系の固体成分が僅かに残るが、この固体成分
は、固体分離器4で分離して系外に排出することができ
る。そして、蒸留塔71に残った残渣は、硫黄や金属を
多く含んだものものであるため、軽質化油を生成するに
は好ましくないが、高カロリーであるため、燃焼原料と
して反応炉3の部分燃焼領域3bに供給することができ
る。この場合、残渣中のDBTとなっている硫黄も分解
することができ、軽質化された油に悪影響を及ぼすこと
がない。
【0037】なお、反応炉3に供給される水は380℃
以上に加熱され、水の臨界温度374℃以上になってい
るので、反応炉3内の圧力が22〜35MPaになって
も液化することがない。そして、部分燃焼領域の温度が
600〜1000℃になっていることから、この領域で
活性水素が発生する。そして、表4および図4の実験結
果からわかるように、反応炉3内の部分燃焼領域3bの
温度が640℃以上ではDBTの約81%以上を分解す
ることができ、780℃以上ではDBTの約99%以上
を分解することができる。
以上に加熱され、水の臨界温度374℃以上になってい
るので、反応炉3内の圧力が22〜35MPaになって
も液化することがない。そして、部分燃焼領域の温度が
600〜1000℃になっていることから、この領域で
活性水素が発生する。そして、表4および図4の実験結
果からわかるように、反応炉3内の部分燃焼領域3bの
温度が640℃以上ではDBTの約81%以上を分解す
ることができ、780℃以上ではDBTの約99%以上
を分解することができる。
【0038】また、部分燃焼領域3bの温度が高くなる
と、上側から供給される重質油の反応温度も高くなり、
軽質化が進行し、重質油の転換の収率は、軽質ガスが多
くなる傾向となる。また、上述した脱硫も促進されるこ
とになる。一方、部分燃焼領域3bの温度が低くなる
と、重質油の転換の収率は、軽質な油が多くなる傾向と
なる。この場合、軽質な油の中の脱硫は低下するが、部
分燃焼領域3bを生じさせることのない単なる高温高圧
水中の熱分解の場合よりは脱硫率が高い状態となる。
と、上側から供給される重質油の反応温度も高くなり、
軽質化が進行し、重質油の転換の収率は、軽質ガスが多
くなる傾向となる。また、上述した脱硫も促進されるこ
とになる。一方、部分燃焼領域3bの温度が低くなる
と、重質油の転換の収率は、軽質な油が多くなる傾向と
なる。この場合、軽質な油の中の脱硫は低下するが、部
分燃焼領域3bを生じさせることのない単なる高温高圧
水中の熱分解の場合よりは脱硫率が高い状態となる。
【0039】さらに、高温高圧水は、重質油を均一に溶
かす効果もあるため、従来技術の熱分解では多量のコー
クが発生するのに対し、本方法および装置では、熱分解
反応に伴うコークの発生が抑制され、軽質油の収率の向
上に寄与することができる。
かす効果もあるため、従来技術の熱分解では多量のコー
クが発生するのに対し、本方法および装置では、熱分解
反応に伴うコークの発生が抑制され、軽質油の収率の向
上に寄与することができる。
【0040】(第2実施形態)次に、この発明の第2実
施形態について図2を参照して説明する。ただし、第1
実施形態で示した構成要素と共通する要素には同一の符
号を付し、その説明を簡略化する。この第2実施形態が
第1実施形態と異なる点は、第2の原料供給ポンプ11
および二次熱分解炉8を備えている点である。上記重質
油とは異なる第2の重質油(重質原料)が第2の原料供
給ポンプ11から反応炉3の出口側の排出ライン3dに
供給されるようになっている。
施形態について図2を参照して説明する。ただし、第1
実施形態で示した構成要素と共通する要素には同一の符
号を付し、その説明を簡略化する。この第2実施形態が
第1実施形態と異なる点は、第2の原料供給ポンプ11
および二次熱分解炉8を備えている点である。上記重質
油とは異なる第2の重質油(重質原料)が第2の原料供
給ポンプ11から反応炉3の出口側の排出ライン3dに
供給されるようになっている。
【0041】第2の重質油は、上述した重質油よりは軽
質で硫黄等の含有量が少ないものであり、部分燃焼を伴
わない熱分解により軽質化等の改質が可能な油である。
この第2の重質油は、反応炉3から排出される熱分解後
の軽質化された油等の温度を所定量下げるとともに、二
次熱分解炉8に供給されることになる。
質で硫黄等の含有量が少ないものであり、部分燃焼を伴
わない熱分解により軽質化等の改質が可能な油である。
この第2の重質油は、反応炉3から排出される熱分解後
の軽質化された油等の温度を所定量下げるとともに、二
次熱分解炉8に供給されることになる。
【0042】二次熱分解炉8は、反応炉3で発生した熱
や、余剰の活性水素等を利用して、主として第2の重質
油を熱分解して軽質化等の改質を行うようになってい
る。また、二次熱分解炉8では、内部の温度を380〜
550℃となるようにするのが好ましく、第2の重質油
の滞留時間が5〜60℃程度にすることが好ましい。
や、余剰の活性水素等を利用して、主として第2の重質
油を熱分解して軽質化等の改質を行うようになってい
る。また、二次熱分解炉8では、内部の温度を380〜
550℃となるようにするのが好ましく、第2の重質油
の滞留時間が5〜60℃程度にすることが好ましい。
【0043】上記のように構成された改質装置によれ
ば、重質油の処理量を低減することなく、その重質油と
異なる第2の重質油を改質処理することができる。しか
も、熱分解に要する熱エネルギーとして、反応炉3の余
剰の熱を利用しているので、改質処理コストが上昇する
のを抑えることができる。
ば、重質油の処理量を低減することなく、その重質油と
異なる第2の重質油を改質処理することができる。しか
も、熱分解に要する熱エネルギーとして、反応炉3の余
剰の熱を利用しているので、改質処理コストが上昇する
のを抑えることができる。
【0044】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。
【0045】表1は、石油精製工程で生成される減圧残
渣としての重質油を用い、軽質油収率、残渣発生量(固
体分離器4で分離された固体成分の量)を実験により求
めた結果を示している。表1において、実施例1、2
は、部分燃焼を行うことなく、熱分解領域3aが480
℃、650℃、反応炉3内の圧力が25MPaの高温高
圧水下で、重質油を熱分解する実験を行ったものであ
る。また、比較例1は、水を供給することなく、重質油
を熱分解(気相熱分解)する実験を行ったものである。
表1から、本発明に係る実施例1、2の高温高圧水を用
いたものは、比較例1の気相熱分解のものに比べて、重
質油から軽質油への転換が良好に起こり収率が高く、ま
た残渣の発生が非常に少ないことが確認できる。
渣としての重質油を用い、軽質油収率、残渣発生量(固
体分離器4で分離された固体成分の量)を実験により求
めた結果を示している。表1において、実施例1、2
は、部分燃焼を行うことなく、熱分解領域3aが480
℃、650℃、反応炉3内の圧力が25MPaの高温高
圧水下で、重質油を熱分解する実験を行ったものであ
る。また、比較例1は、水を供給することなく、重質油
を熱分解(気相熱分解)する実験を行ったものである。
表1から、本発明に係る実施例1、2の高温高圧水を用
いたものは、比較例1の気相熱分解のものに比べて、重
質油から軽質油への転換が良好に起こり収率が高く、ま
た残渣の発生が非常に少ないことが確認できる。
【0046】
【表1】
【0047】表2は、石油精製工程で生成される減圧残
渣としての重質油を、実施例3と、比較例2、3とで、
軽質油の収率、硫黄の残量、残油発生率を比較した実験
結果を示したものである。なお、ここでいう残油は、減
圧蒸留残渣油を意味している。実施例3は、部分燃焼を
行うことなく、熱分解領域3aが550℃、反応炉3内
の圧力が25MPaの高温高圧水下で、重質油を熱分解
する実験を行ったものである。また、比較例2は、既存
の熱分解プロセスであるユリカプロセスを用いて重質油
を熱分解する実験を行ったものであり、比較例3は、同
じく既存の熱分解プロセスであるHSCプロセスを用い
て重質油を熱分解する実験を行ったものである。なお、
表2において、Vはバナジウムを示し、NDは検出下限
値以下を示すものである。
渣としての重質油を、実施例3と、比較例2、3とで、
軽質油の収率、硫黄の残量、残油発生率を比較した実験
結果を示したものである。なお、ここでいう残油は、減
圧蒸留残渣油を意味している。実施例3は、部分燃焼を
行うことなく、熱分解領域3aが550℃、反応炉3内
の圧力が25MPaの高温高圧水下で、重質油を熱分解
する実験を行ったものである。また、比較例2は、既存
の熱分解プロセスであるユリカプロセスを用いて重質油
を熱分解する実験を行ったものであり、比較例3は、同
じく既存の熱分解プロセスであるHSCプロセスを用い
て重質油を熱分解する実験を行ったものである。なお、
表2において、Vはバナジウムを示し、NDは検出下限
値以下を示すものである。
【0048】表2から、本発明に係る実施例3は、比較
例2、3に比べて、軽質油の収率、硫黄を除去する能
力、不純物の除去する能力(例えば窒素が減少してい
る)、残油を低減する能力の点で優れていることが確認
できる。
例2、3に比べて、軽質油の収率、硫黄を除去する能
力、不純物の除去する能力(例えば窒素が減少してい
る)、残油を低減する能力の点で優れていることが確認
できる。
【0049】
【表2】
【0050】上記実施例1、2、3で得られた生成物
は、上記表1、表2の生成物も含めて示すと、ガス、生
成油(軽質油)、生成重質油、残渣等からなるが、これ
らは、さらに表3に示す特性を有する生成物からなるこ
とが分析により確認された。すなわち、表3から、上記
実施例1、2、3で得られた生成物は、ガスおよび生成
油ともに、製品として有効に利用することができるもの
であることが確認できる。
は、上記表1、表2の生成物も含めて示すと、ガス、生
成油(軽質油)、生成重質油、残渣等からなるが、これ
らは、さらに表3に示す特性を有する生成物からなるこ
とが分析により確認された。すなわち、表3から、上記
実施例1、2、3で得られた生成物は、ガスおよび生成
油ともに、製品として有効に利用することができるもの
であることが確認できる。
【0051】
【表3】
【0052】表4は、重質油に含まれる硫黄の形態のう
ち、最も難分解性のチオフェン系硫黄化合物について、
本発明の部分燃焼方式を用いた場合の分解性について実
験した結果を示している。表2における実施例3で0.
1%残留した硫黄がチオフェン系硫黄化合物であり、こ
の硫黄が分解できれば、重質油中の硫黄は、ほぼ完全に
分解、脱硫することができるといえる。
ち、最も難分解性のチオフェン系硫黄化合物について、
本発明の部分燃焼方式を用いた場合の分解性について実
験した結果を示している。表2における実施例3で0.
1%残留した硫黄がチオフェン系硫黄化合物であり、こ
の硫黄が分解できれば、重質油中の硫黄は、ほぼ完全に
分解、脱硫することができるといえる。
【0053】実験は、図3に示す装置によって、実施例
4、5、6および比較例4の各条件に分けて行った。な
お、図3に示す実験装置については、図1に示す構成要
素と共通する要素には同一の符号を付して説明を省略す
る。部分燃焼領域3bには、燃焼原料としてメタノール
と水との混合物を供給するとともに、酸化剤として酸素
を供給した。また、部分燃焼領域3bの上側の熱分解領
域3aには、チオフェン系硫黄化合物の一つであるDB
T溶液とメタノールと水との混合物を供給した。
4、5、6および比較例4の各条件に分けて行った。な
お、図3に示す実験装置については、図1に示す構成要
素と共通する要素には同一の符号を付して説明を省略す
る。部分燃焼領域3bには、燃焼原料としてメタノール
と水との混合物を供給するとともに、酸化剤として酸素
を供給した。また、部分燃焼領域3bの上側の熱分解領
域3aには、チオフェン系硫黄化合物の一つであるDB
T溶液とメタノールと水との混合物を供給した。
【0054】実施例4は、部分燃焼領域3bを560
℃、部分燃焼領域3b以外の熱分解領域3aを510
℃、反応容器32内の圧力を25MPaとする条件であ
る。実施例5は、部分燃焼領域3bを640℃、部分燃
焼領域3b以外の熱分解領域3aを590℃、反応容器
32内の圧力を25MPaとする条件とであ。実施例6
は、部分燃焼領域3bを780℃、部分燃焼領域3b以
外の熱分解領域3aを720℃、反応容器32内の圧力
を25MPaとする条件である。比較例4は、部分燃焼
無しの条件で、かつ熱分解領域3aを640℃、反応容
器32内の圧力を25MPaとする条件である。
℃、部分燃焼領域3b以外の熱分解領域3aを510
℃、反応容器32内の圧力を25MPaとする条件であ
る。実施例5は、部分燃焼領域3bを640℃、部分燃
焼領域3b以外の熱分解領域3aを590℃、反応容器
32内の圧力を25MPaとする条件とであ。実施例6
は、部分燃焼領域3bを780℃、部分燃焼領域3b以
外の熱分解領域3aを720℃、反応容器32内の圧力
を25MPaとする条件である。比較例4は、部分燃焼
無しの条件で、かつ熱分解領域3aを640℃、反応容
器32内の圧力を25MPaとする条件である。
【0055】表4および図4から、部分燃焼領域3bの
温度を上昇させることにより、チオフェン系硫黄化合
物、すなわちDBTを分解する率が上昇し、640℃以
上でが81%以上を分解することができ、780℃以上
で99%以上を分解することができることが確認でき
た。したがって、部分燃焼領域3bの温度としては、6
00℃以上に調整することが好ましく、さらには640
℃または780℃以上に調整することがより好ましい。
ただし、反応炉3の耐熱性等を考慮した場合、部分燃焼
領域3bの温度は、1000℃以下に調整することが好
ましい。
温度を上昇させることにより、チオフェン系硫黄化合
物、すなわちDBTを分解する率が上昇し、640℃以
上でが81%以上を分解することができ、780℃以上
で99%以上を分解することができることが確認でき
た。したがって、部分燃焼領域3bの温度としては、6
00℃以上に調整することが好ましく、さらには640
℃または780℃以上に調整することがより好ましい。
ただし、反応炉3の耐熱性等を考慮した場合、部分燃焼
領域3bの温度は、1000℃以下に調整することが好
ましい。
【0056】また、部分燃焼領域3b以外の熱分解領域
3aの温度は、380℃以上に調整することが好まし
く、さらには450℃以上に調整することがより好まし
い。ただし、部分燃焼領域3bの温度をあまり高くしす
ぎても転換される製品に変化がないため、この部分燃焼
領域3bの温度として上述のように1000℃以下が好
ましいく、このことから、熱分解領域3aも900℃以
下に調整することが好ましい。
3aの温度は、380℃以上に調整することが好まし
く、さらには450℃以上に調整することがより好まし
い。ただし、部分燃焼領域3bの温度をあまり高くしす
ぎても転換される製品に変化がないため、この部分燃焼
領域3bの温度として上述のように1000℃以下が好
ましいく、このことから、熱分解領域3aも900℃以
下に調整することが好ましい。
【0057】なお、上記反応炉3内において、DBTを
分解することができたのは、部分燃焼によって発生した
活性水素および超臨界水場でのCO(一酸化炭素)等に
よるものと考えられる。すなわち、活性水素および超臨
界水場でのCO等がDBT溶液に接触することにより、
短時間で効率的に脱硫反応が進行したものと推定でき
る。なお、超臨界水場とは、温度が380〜1000℃
で、かつ圧力が7.5〜35MPaの高温高圧の水雰囲
気下の場をいう。
分解することができたのは、部分燃焼によって発生した
活性水素および超臨界水場でのCO(一酸化炭素)等に
よるものと考えられる。すなわち、活性水素および超臨
界水場でのCO等がDBT溶液に接触することにより、
短時間で効率的に脱硫反応が進行したものと推定でき
る。なお、超臨界水場とは、温度が380〜1000℃
で、かつ圧力が7.5〜35MPaの高温高圧の水雰囲
気下の場をいう。
【0058】
【表4】
【0059】なお、上記第1および第2実施形態では、
部分燃焼領域3bを反応容器32における下部に設けた
例を示したが、部分燃焼領域3bを反応容器32の上部
や、その他の位置に設けるように構成してもよい。ま
た、重質原料として重質油を分解する例を示したが、難
分解性廃棄物などの炭化水素系の重質原料を分解するこ
とも可能である。
部分燃焼領域3bを反応容器32における下部に設けた
例を示したが、部分燃焼領域3bを反応容器32の上部
や、その他の位置に設けるように構成してもよい。ま
た、重質原料として重質油を分解する例を示したが、難
分解性廃棄物などの炭化水素系の重質原料を分解するこ
とも可能である。
【0060】さらに、改質媒体として水を用いた例を示
したが、この改質媒体としては例えば水を添加したCO
2(二酸化炭素)を用いてもよい。この場合にも、上記
式(1)、(2)の反応によって、軽質化を図ることが
できる。
したが、この改質媒体としては例えば水を添加したCO
2(二酸化炭素)を用いてもよい。この場合にも、上記
式(1)、(2)の反応によって、軽質化を図ることが
できる。
【0061】また、部分燃焼によって、活性水素やCO
を発生させることができることから、DBTも確実に分
解することができる。そして、改質媒体として水を添加
したCO2を用いた場合には、反応炉3内の圧力を7.
5〜35MPa、部分燃焼領域3bの温度を600〜1
000℃、部分燃焼領域3b以外の熱分解領域3aの温
度を380〜900℃に調整することが好ましい。
を発生させることができることから、DBTも確実に分
解することができる。そして、改質媒体として水を添加
したCO2を用いた場合には、反応炉3内の圧力を7.
5〜35MPa、部分燃焼領域3bの温度を600〜1
000℃、部分燃焼領域3b以外の熱分解領域3aの温
度を380〜900℃に調整することが好ましい。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1〜6に記
載の発明によれば、重質原料を部分燃焼させることによ
り反応活性な水素を発生させることができるので、当該
重質原料に含まれているDBTを分解することができ
る。したがって、超深度脱硫を伴う改質を、外部から水
素を供給したり、触媒等を使用したりすることなく、低
コストで行うことができる。
載の発明によれば、重質原料を部分燃焼させることによ
り反応活性な水素を発生させることができるので、当該
重質原料に含まれているDBTを分解することができ
る。したがって、超深度脱硫を伴う改質を、外部から水
素を供給したり、触媒等を使用したりすることなく、低
コストで行うことができる。
【0063】また、反応炉内において、重質原料の軽質
化を、外部から水素を供給したり、触媒等を使用したり
することなく、低コストで効率よく行うことができる。
化を、外部から水素を供給したり、触媒等を使用したり
することなく、低コストで効率よく行うことができる。
【0064】請求項2または5に記載の発明によれば、
改質後の分留によって生じた残渣を燃焼原料として使用
しているので、このような残渣をも有効に使用すること
ができる。しかも、この残渣に上述したDBTが大量に
含まれているとしても、部分燃焼の際に生じる活性水素
により、超深度脱硫を図ることができる。
改質後の分留によって生じた残渣を燃焼原料として使用
しているので、このような残渣をも有効に使用すること
ができる。しかも、この残渣に上述したDBTが大量に
含まれているとしても、部分燃焼の際に生じる活性水素
により、超深度脱硫を図ることができる。
【0065】請求項3に記載の発明によれば、改質され
た後のその軽質化された原料及び改質媒体が高温高圧の
気体状になっているので、この気体成分中に含まれる固
体成分をフィルタやサイクロン等により容易に分離して
取り出すことができる。そして、固体成分中には、重質
原料に含有されていた金属や鉱物等の成分が含まれてい
ることから、その金属等の資源を有効に回収することが
できる。
た後のその軽質化された原料及び改質媒体が高温高圧の
気体状になっているので、この気体成分中に含まれる固
体成分をフィルタやサイクロン等により容易に分離して
取り出すことができる。そして、固体成分中には、重質
原料に含有されていた金属や鉱物等の成分が含まれてい
ることから、その金属等の資源を有効に回収することが
できる。
【0066】請求項4に記載の発明によれば、部分燃焼
領域の温度が600〜1000℃になっていることか
ら、この部分燃焼領域で活性水素を発生させることがで
きる。このため、重質原料中のDBTを充分に分解する
ことができる。
領域の温度が600〜1000℃になっていることか
ら、この部分燃焼領域で活性水素を発生させることがで
きる。このため、重質原料中のDBTを充分に分解する
ことができる。
【0067】また、部分燃焼領域以外の領域の温度が3
80〜900℃に設定されているので、この領域におい
て、重質原料の軽質化を行うことができる。もちろん、
部分燃焼領域においても、重質原料の軽質化が行われる
とともに、部分燃焼領域以外の領域でも、活性水素によ
る脱硫が行われる。
80〜900℃に設定されているので、この領域におい
て、重質原料の軽質化を行うことができる。もちろん、
部分燃焼領域においても、重質原料の軽質化が行われる
とともに、部分燃焼領域以外の領域でも、活性水素によ
る脱硫が行われる。
【図1】この発明の第1実施形態として示した炭化水素
系重質原料の改質装置の概略構成図である。
系重質原料の改質装置の概略構成図である。
【図2】この発明の第2実施形態として示した炭化水素
系重質原料の改質装置の概略構成図である。
系重質原料の改質装置の概略構成図である。
【図3】実施例4、5、6および比較例4の実験のため
の改質装置を示す概略構成図である。
の改質装置を示す概略構成図である。
【図4】同実施例4、5、6の実験結果を示すグラフで
ある。
ある。
2 ラインミキサ(ミキサ)
3 反応炉
3a 熱分解領域
3b 部分燃焼領域
4 固体分離器
71 蒸留塔
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 戴 文斌
東京都文京区小石川1−3−25 小石川大
国ビル 三菱マテリアル株式会社システム
事業センター内
(72)発明者 田中 皓
東京都文京区小石川1−3−25 小石川大
国ビル 三菱マテリアル株式会社システム
事業センター内
(72)発明者 森 良平
東京都文京区小石川1−3−25 小石川大
国ビル 三菱マテリアル株式会社システム
事業センター内
Fターム(参考) 4H029 AA11 AA13 AA14 AC05 AC06
AC10 AD01 AE23 AE24
Claims (6)
- 【請求項1】 炭化水素系の重質原料と改質媒体との混
合物を高温高圧の改質媒体雰囲気下の反応炉内に供給す
るとともに、上記混合物の一部を燃焼原料として上記反
応炉内に供給して燃焼させることにより、当該反応炉内
により高温の部分燃焼領域を形成するとともに、当該反
応炉内を高温高圧の改質媒体雰囲気に維持し、上記部分
燃焼領域で発生した反応活性な水素で上記重質原料を水
素化分解により改質するとともに、当該重質原料を改質
媒体雰囲気下で熱分解により改質することを特徴とする
炭化水素系重質原料の改質方法。 - 【請求項2】 炭化水素系の重質原料と改質媒体との混
合物を高温高圧の改質媒体雰囲気下の反応炉内に供給す
るとともに、上記混合物の一部を燃焼原料として上記反
応炉内に供給して燃焼させることにより、当該反応炉内
により高温の部分燃焼領域を形成するとともに、当該反
応炉内を高温高圧の改質媒体雰囲気に維持し、上記部分
燃焼領域で発生した反応活性な水素で上記重質原料を水
素化分解により改質するとともに、当該重質原料を改質
媒体雰囲気下で熱分解により改質した後、上記改質され
た原料を蒸留処理により分留し、上記分留の結果生じた
残渣を上記燃焼原料の一部として上記反応炉内に供給す
ることを特徴とする炭化水素系重質原料の改質方法。 - 【請求項3】 部分燃焼領域で発生した反応活性な水素
で上記重質原料を水素化分解により改質するとともに、
当該重質原料を改質媒体雰囲気下で熱分解により改質し
た後に、その改質した原料と改質媒体とが混在する気体
成分から固体成分を分離することを特徴とする請求項1
または2に記載の炭化水素系重質原料の改質方法。 - 【請求項4】 上記改質媒体として水を用いてなり、 上記燃焼原料の燃焼によって、上記反応炉内の圧力を2
2〜35MPaにするとともに、上記部分燃焼領域の温
度を600〜1000℃にし、かつ上記反応炉内におけ
る上記部分燃焼領域以外の領域の温度を380〜900
℃に調整することを特徴とする請求項1〜3の何れかに
記載の炭化水素系重質原料の改質方法。 - 【請求項5】 炭化水素系の重質原料と改質媒体とを混
合するミキサと、 上記ミキサで混合した混合物を高温高圧の改質媒体雰囲
気の下に受け入れるとともに、上記混合物の一部を燃焼
原料として受け入れて燃焼させることにより、内部を高
温高圧の改質媒体雰囲気に維持するとともに、当該内部
により高温の部分燃焼領域を形成し、この部分燃焼領域
で発生した反応活性な水素で上記重質原料を水素化分解
により改質するとともに、当該重質原料を改質媒体雰囲
気下で熱分解により改質する反応炉とを備えてなること
を特徴とする炭化水素系重質原料の改質装置。 - 【請求項6】 上記反応炉で改質された原料を蒸留処理
により分留する蒸留塔を備えてなり、 上記蒸留塔での分留の結果生じた残渣を上記燃焼原料の
一部として上記反応炉内に供給するように構成されてい
ることを特徴とする請求項5に記載の炭化水素系重質原
料の改質装置。
Priority Applications (6)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002005146A JP2003206488A (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | 炭化水素系重質原料の改質方法および改質装置 |
US10/487,087 US20040232046A1 (en) | 2001-08-21 | 2002-08-20 | Method and apparatus for recycling hydrocarbon resource |
PCT/JP2002/008366 WO2003016210A1 (fr) | 2001-08-21 | 2002-08-20 | Procede et appareil de recyclage de ressources d'hydrocarbures |
CNA028205898A CN1639056A (zh) | 2001-08-21 | 2002-08-20 | 碳氢化合物资源的再循环方法及其装置 |
KR10-2003-7004106A KR20040028622A (ko) | 2001-08-21 | 2002-08-20 | 탄화수소 자원의 리사이클 방법 및 그 장치 |
EP02758857A EP1489046A4 (en) | 2001-08-21 | 2002-08-20 | METHOD AND DEVICE FOR RECYCLING HYDROCARBON RESOURCES |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002005146A JP2003206488A (ja) | 2002-01-11 | 2002-01-11 | 炭化水素系重質原料の改質方法および改質装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003206488A true JP2003206488A (ja) | 2003-07-22 |
Family
ID=27644273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002005146A Pending JP2003206488A (ja) | 2001-08-21 | 2002-01-11 | 炭化水素系重質原料の改質方法および改質装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003206488A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006233838A (ja) * | 2005-02-24 | 2006-09-07 | Hitachi Ltd | 重質油改質燃料焚きガスタービンシステムおよびその運転方法 |
JP2009257920A (ja) * | 2008-04-16 | 2009-11-05 | Nippon Steel Corp | 石炭中硫黄の形態別定量方法 |
-
2002
- 2002-01-11 JP JP2002005146A patent/JP2003206488A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006233838A (ja) * | 2005-02-24 | 2006-09-07 | Hitachi Ltd | 重質油改質燃料焚きガスタービンシステムおよびその運転方法 |
JP4495004B2 (ja) * | 2005-02-24 | 2010-06-30 | 株式会社日立製作所 | 重質油改質燃料焚きガスタービンシステムおよびその運転方法 |
JP2009257920A (ja) * | 2008-04-16 | 2009-11-05 | Nippon Steel Corp | 石炭中硫黄の形態別定量方法 |
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