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JP2003200063A - 排気ガス浄化触媒、その製造方法及び排気ガス浄化システム - Google Patents

排気ガス浄化触媒、その製造方法及び排気ガス浄化システム

Info

Publication number
JP2003200063A
JP2003200063A JP2002100803A JP2002100803A JP2003200063A JP 2003200063 A JP2003200063 A JP 2003200063A JP 2002100803 A JP2002100803 A JP 2002100803A JP 2002100803 A JP2002100803 A JP 2002100803A JP 2003200063 A JP2003200063 A JP 2003200063A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
exhaust gas
catalyst
layer
gas purification
gas purifying
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002100803A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinji Yamamoto
伸司 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nissan Motor Co Ltd filed Critical Nissan Motor Co Ltd
Priority to JP2002100803A priority Critical patent/JP2003200063A/ja
Publication of JP2003200063A publication Critical patent/JP2003200063A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Exhaust Gas After Treatment (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コールドHCを効率良く浄化し得る排気ガス
浄化触媒、その製造方法及び排気ガス浄化システムを提
供すること。 【解決手段】 モノリス担体上に、HC吸着材層及び触
媒成分層の積層体を含んで成る触媒コート部を設け、単
セルピッチ当たりの触媒コート部の面積割合が、空間部
の面積割合より大きい排気ガス浄化触媒である。セルの
角部に耐火性無機酸化物を被覆する。耐火性無機酸化物
が、白金、パラジウム及びロジウムなどを触媒成分層に
含まれる総貴金属量の1/5以下の含有量で含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排気ガス浄化触
媒、その製造方法及び排気ガス浄化システムに係り、更
に詳細には、内燃機関から排出される排気ガスを浄化
し、特にエンジン始動時に排出される高濃度の炭化水素
(HC)を効率良く除去することができる排気ガス浄化
触媒、その製造方法及び排気ガス浄化システムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、内燃機関のエンジン始動時の低温
域で大量に排出されるHC(コールドHC)の浄化を目
的に、HC吸着材にゼオライトを用いたHC吸着型三元
触媒(HC吸着機能付き三元触媒)が開発されている。
該触媒は、三元触媒が活性化しないエンジン始動時の低
温域において、大量に排出されるHCを一時的に吸着・
保持し、次いで排気ガス温度上昇により三元触媒が活性
化したときに、HCを徐々に脱離し、浄化する。
【0003】吸着材から脱離するHCを浄化する触媒と
しては、従来からロジウム(Rh)、白金(Pt)及び
パラジウム(Pd)等の貴金属種を同一層に共存させた
仕様や、Rh層とPd層を塗り分けた仕様等が提案され
ている。例えば、特開平2−56247号公報には、ゼ
オライトを主成分とする第一層の上に、Pt、Pd及び
Rh等の貴金属を主成分とする第二層を設けた排気ガス
浄化触媒が提案されている。
【0004】また、HC吸着材を用いた発明は、例え
ば、特開平6−74019号公報、特開平7−1441
19号公報、特開平6−142457号公報、特開平5
−59942号公報、特開平7−102957号公報、
特開平7−96183号公報及び特開平11−8199
9号公報等に開示されている。
【0005】特開平6−74019号公報には、排気流
路にバイパスを設け、エンジン始動直後のコールド時に
排出されるHCをバイパス流路に配置したHC吸着材に
一旦吸着させ、その後流路を切換え、下流の三元触媒が
活性化した後、排気ガスの一部をHC吸着触媒に通じ、
脱離したHCを徐々に後段の三元触媒で浄化するシステ
ムが提案されている。また、特開平7−144119号
公報には、コールド時に前段の三元触媒に熱を奪わせ中
段のHC吸着触媒の吸着効率を向上し、前段の三元触媒
活性化後は、タンデム配置した中段のHC吸着触材を介
して後段の三元触媒に反応熱を伝熱し易くし、後段の三
元触媒の浄化を促進するシステムが提案されている。更
に、特開平6−1421457号公報には、低温域で吸
着したHCが脱離する際に、脱離HCを含む排気ガスを
熱交換器で予熱し三元触媒での浄化を促進するコールド
HC吸着除去システムが提案されている。
【0006】一方、特開平5−59942号公報には、
触媒配置とバルブによる排気ガスの流路を切換えによっ
て、HC吸着材の昇温を緩慢にし、コールドHCの吸着
効率を向上するシステムが提案されている。また、特開
平7−102957号公報には、後段の酸化・三元触媒
の浄化性能を向上するため、前段の三元触媒と中段のH
C吸着材の間に空気を供給し、後段の酸化・三元触媒の
活性化を促進するシステムが提案されている。更に、特
開平7−96183号公報には、ゼオライトと接触する
触媒層(PdとAlが主成分)の高温下での劣化抑
制の観点から、吸着材層と触媒層との間に多孔質バリヤ
層を設け、しかも、下層吸着材層の吸着能の低下を抑制
するため、Pd担持Al粒子の平均粒子径が15
〜25μm、耐火性無機質粒子の平均粒子径が5〜15
μmのものを用いることが提案されている。更にまた、
特開平11−104462号公報には、触媒層の浄化能
と吸着層のHC吸着能との良好なバランスを得るという
観点から触媒層の膜厚が10〜120μm、触媒層と吸
着層との和を15〜350μmのものを用いることで、
触媒−吸着体全体としてHC浄化能を向上することが提
案されている。また、特開平11−81999号公報に
は、コールド時に吸着材に捕捉されたHCの脱離を緩慢
にするため、HC吸着触媒の温度上昇を十分に遅延させ
るため、上流三元触媒と下流吸着触媒との間の熱容量を
結ぶ排気通路の排気管の肉厚を厚くしたり、担体などを
設置し、排気マニホールドの熱容量より大きくする方法
が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】吸着材としてゼオライ
トを用いる場合、コールドHC吸着性能は、排ガス中の
HC種組成とゼオライトの有する細孔径との間に相関が
あるので、最適な細孔径と分布、骨格構造を持つゼオラ
イトを使用する必要がある。従来は、MFI型をメイン
に、他の細孔径を有するゼオライト(例えば、USY)
を単独で、又はこれらを混合して細孔径分布を調整して
いた。しかし、耐久後にゼオライト種によって細孔径の
歪みや吸着・脱離特性が異なるため、排ガスHC種の吸
着が不十分であるという問題があった。
【0008】このような耐熱性の観点から、自動車触媒
用の吸着材としては、Si/2Al比の高いゼオライト
を用いるのが一般的である。しかし、粒子表面に比較的
親水性が高い耐火性無機酸化物(アルミナなど)を含有
する触媒層と、粒子表面に疎水性の高いゼオライトを含
有する吸着材層との間では、直接接触する粒界面間の接
合力が弱い。このため、吸着材層と触媒層とが剥離し易
く、長時間高温に曝されると、吸着材層の上部に積層し
た触媒層が剥離し欠落し、触媒層の浄化機能が著しく低
下するという問題点があった。
【0009】また、浄化触媒として三元触媒を用いる場
合、吸着材から脱離するHCの浄化性能は、浄化触媒が
十分に活性化していない時に脱離するHC種の組成と浄
化触媒成分種(貴金属種)、脱離HCと浄化触媒との接
触状態、及び浄化触媒層の温度と浄化反応が起こる雰囲
気、に相関があるので、最適な貴金属種と助触媒組成、
逐次積層構造を持つHC吸着触媒を使用することがよ
い。しかし、従来の吸着材層と触媒層とを逐次積層した
触媒構造においては、積層する各層の膜厚のうち吸着材
の吸着能を阻害することなく脱離HCの浄化能を得るた
め、特に、浄化触媒層の膜厚について検討されている
が、多種のHC成分が含まれる実際の排ガスでは、吸着
HCの脱離抑制あるいは脱離遅延化が不十分で、吸着H
Cの浄化能が低いという問題点があった。
【0010】更に、従来のHC吸着材層と浄化触媒層を
設けた排気ガス浄化触媒では、内燃機関の始動直後の排
気ガス低温域においてHC吸着材に吸着されたコールド
HCが、排気ガス温度の上昇する前に脱離されてしまう
ため浄化できず、また、吸着HCが脱離する際、浄化触
媒層の雰囲気は酸素不足状態になるため、理論空燃比域
での浄化に有効な三元触媒では、HC、CO及びNOx
のバランスの良い浄化ができず、吸着HCの浄化が十分
にできないという問題点もあった。
【0011】一方、従来の吸着触媒を用いた排気ガス浄
化装置として、ゼオライトなどの吸着材に捕捉された吸
着HCの脱離を抑制するため、排気流路の切換えによっ
て、三元触媒が十分に活性化した後、吸着HCを脱離さ
せ三元触媒で浄化する方法、電熱ヒーターによって三元
触媒の早期活性化を図る方法、外部から空気を導入して
三元触媒の活性化開始を速める方法、及び吸着触媒の前
の排気管などの熱容量を増大する方法などが検討されて
いる。しかし、実際には、吸着HCの脱離は、温度上昇
だけでなく、吸着材層を通過しゼオライト構造内に拡散
する排ガス量や排ガス流速の影響を大きく受けるため、
従来の方法では、システム構成が煩雑化し、しかも十分
なコールドHCの低減効果が得られない、コストが高
い、長期間の使用に耐えられない、三元触媒の活性化開
始が遅れ過ぎて脱離HCが十分に浄化できないなどの問
題点があった。
【0012】他方、ハニカム担体上に吸着材層と触媒層
とを逐次積層した触媒構造の製造においては、スラリー
をセルに塗布する際に、スラリーの表面張力の影響を受
け、吸着材層はセル角部に厚くセル平端部に薄く塗布さ
れる。このため、セル角部に比べてセル平端部では吸着
したHCが早く脱離するため、十分な脱離HCの浄化能
を得ることが難しい。そこで、吸着したHCの脱離をで
きるだけ遅延化し脱離HCの浄化を向上するため、アン
ダーコート層を用いて吸着材層の厚みの均一化が提案さ
れている。しかし、吸着材層の厚みの均一化に多量のア
ンダーコート層を塗布した場合は、触媒全体の熱容量が
増加し、吸着HCの脱離浄化が悪化するという問題点が
あった。
【0013】本発明は、このような従来技術の有する課
題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところ
は、コールドHCを効率良く浄化し得る排気ガス浄化触
媒、その製造方法及び排気ガス浄化システムを提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、触媒コート層を所望
の面積割合で設けることにより、上記課題が解決される
ことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0015】即ち、本発明の排気ガス浄化触媒は、モノ
リス担体上に触媒コート部を設けて成る排気ガス浄化触
媒であって、上記触媒コート部はHC吸着材層及び触媒
成分層を順次積層した積層体を含んで成り、単セルピッ
チ当たりの上記触媒コート部の面積割合が、空間部の面
積割合より大きいことを特徴とする。
【0016】また、本発明の排気ガス浄化触媒の好適形
態は、上記HC吸着材層の積層量と上記触媒成分層の積
層量とが、重量比で1:0.01〜0.5を満たすこと
を特徴とする。
【0017】更に、本発明の排気ガス浄化触媒の他の好
適形態は、上記HC吸着材層の層厚と上記触媒成分層の
層厚とが、層厚比で1:0.01〜0.5を満たすこと
を特徴とする。
【0018】また、本発明の排気ガス浄化触媒の更に他
の好適形態は、セルの角部に耐火性無機酸化物を被覆す
ることを特徴とする。
【0019】更に、本発明の排気ガス浄化触媒の他の好
適形態は、上記触媒成分層が、貴金属、アルミナ、セリ
ウム酸化物及びジルコニウム酸化物と、アルカリ金属化
合物及び/又はアルカリ土類金属化合物とを含んで成
り、上記アルミナが、白金、パラジウム及びロジウムか
ら成る群より選ばれた少なくとも2種の元素と、セリウ
ム、ジルコニウム及びランタンから成る群より選ばれた
少なくとも2種の元素と、を含み、上記セリウム化合物
が、プラセオジム、ネオジム及びジルコニウムから成る
群より選ばれた少なくとも2種の元素を含み、上記ジル
コニウム酸化物が、プラセオジム、ネオジム及びセリウ
ムから成る群より選ばれた少なくとも2種の元素を含
む、ことを特徴とする。
【0020】更に、本発明の排気ガス浄化触媒の製造方
法は、上記排気ガス浄化触媒を製造するに当たり、上記
耐火性無機酸化物に消失処理で消失され得る化合物を含
むスラリーをセルの角部に被覆し、その後に焼成、乾
燥、溶解、加圧・減圧及び凍結から成る群より選ばれた
少なくとも1種の処理方法を用いて当該化合物を消失さ
せ、内径が2μm以上且つ当該アンダーコート層の被覆
厚さの半分以下である空孔をアンダーコート層に設ける
ことを特徴とする。
【0021】更にまた、本発明の排気ガス浄化システム
は、上記排気ガス浄化触媒を2個以上直列に配設して成
ることを特徴とする。
【0022】また、本発明の排気ガス浄化システムの好
適形態は、排気ガス浄化触媒間に熱容量体として三元触
媒を配設し、該三元触媒のセル数/幾何学的表面積(G
SA)が上流側及び下流側の排気ガス浄化触媒より大き
いことを特徴とする。
【0023】
【作用】本発明の排気ガス浄化触媒がコールドリーン域
において排出される高濃度HC(以下、「コールドH
C」という)に対して優れた浄化性能を発揮することの
詳細は、必ずしも明らかではないが、現時点では以下の
ように推察される。即ち、エンジン始動直後の低温時な
どに、O、HC及びNOxを含む排気ガスが2層構造
の本触媒に流入すると、下層のHC吸着材層でHCが吸
着され、排気ガス中のO分圧が増大する。ここで、N
Ox吸着性はこのO分圧に比例するので、この際、上
層の触媒成分層には多量のNOxが吸着されることにな
る。よって、コールドHCと未浄化NOxが本触媒に同
時に吸着される。その後、排気ガスが高温になり、三元
浄化機能を有する上層の触媒成分層が活性化したとき
に、下層のHC吸着材層からHCが脱離し、触媒成分層
に吸着されていたNOxと反応して相殺されるので、効
率の良い排気ガス浄化が実現される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の排気ガス浄化触媒
について詳細に説明する。なお、本明細書において
「%」は、特記しない限り質量百分率を示す。
【0025】上述のように、本発明の排気ガス浄化触媒
(HC吸着型三元触媒)は、モノリス担体上に触媒コー
ト部を設けて成り、この触媒コート部はHC吸着材層及
び触媒成分層を順次積層した積層体を含んで成る。上記
HC吸着材層としては、例えばβ−ゼオライト、モルデ
ナイト、USY及びMFIなどを挙げることができ、上
記触媒成分層としては、例えばPdとアルカリ金属及び
/又はアルカリ土類金属とを含むものなどを挙げること
ができる。このようなHC吸着材層及び触媒成分層を備
えることにより、吸着HCの脱離開始と触媒成分層の活
性化開始との温度或いは/及び時間との一致が図れ、コ
ールドHCを効率良く浄化できることとなる。
【0026】また、上記排気ガス浄化触媒においては、
単セルピッチ当たりの上記触媒コート部の面積割合を、
空間部の面積割合より大きくする。これより、モノリス
担体におけるセル形状、言い換えればセル数やGSA
(Geometrical Surface Are
a:幾何学的表面積)などが異なっていても、HC吸着
材層を通過しないで透過する排気ガス流速を増大し、H
C吸着材層へ拡散する排気ガス量及び流速を低減し、吸
着HCの脱離を遅延化する触媒となる。また、触媒成分
層が排気ガスの熱を授受し易くなり、触媒が早期活性化
する。例えば、ゼオライト層(HC吸着材層)から吸着
HCが脱離する脱離開始温度と触媒成分層の活性化開始
温度とを一致させたり、該脱離開始温度より該活性化開
始温度を低くすることにより、コールドHCを効率良く
浄化できる。これらの効果を効率良く発揮させるために
は、上記空間部の面積割合を、セル全体面積に対して1
0%以上50%未満とすることが好適である。10%未
満では排気ガスの通過抵抗が大きいため、エンジンの運
転性を悪化させ易く、50%超では吸着材層を通過し拡
散する排ガス量及び流速を十分に低減できないため、コ
ールドHCを効率良く浄化できないことがある。また、
上記排気ガス浄化触媒の下流側につれて、上記空間部の
面積割合を増大することが好適である。このときは、排
気ガスとの接触効率を調整し、三元触媒成分層の活性化
開始を速めることができる。なお、図1に示すように、
上記「単セルピッチ」とは、ハニカム担体の各セル1つ
1つのことを示し、上記「空間部」とは、コート層を塗
布していない部分を示す。また、上記「GSA」は、単
位ボリュームあたりの表面積を表し、単位はcm/c
である。
【0027】また、上記HC吸着材層の積層量と上記触
媒成分層の積層量とは、重量比で1:0.01〜0.5
を満たすことが好適である。これより、触媒成分層の拡
散抵抗が低減され、コールドHCがHC吸着材層内で十
分に拡散し、効率良く吸着され得る。また、この重量比
であれば、触媒成分層の活性化開始温度を更に低くする
ことができる。なお、0.01未満では、脱離した吸着
HCが浄化触媒成分層と十分に接触できず、コールドH
Cを効率良く浄化できない。0.5超では、コールドH
Cが触媒成分層を通過する際の拡散抵抗が大きく、コー
ルドHCの吸着効率が悪化することがある。
【0028】更に、上記HC吸着材層の層厚と上記触媒
成分層の層厚とは、層厚比で1:0.01〜0.5を満
たすことが好適である。これより、触媒成分層の拡散抵
抗が低減され、コールドHCがHC吸着材層内で十分に
拡散し、効率良く吸着され得る。また、この膜厚であれ
ば、触媒成分層の活性化開始温度を更に低くすることが
できる。なお、0.01未満では、脱離した吸着HCが
浄化触媒成分層と十分に接触できず、コールドHCを効
率良く浄化できない。0.5超では、コールドHCが浄
化触媒成分層を通過する際の拡散抵抗が大きく、コール
ドHCの吸着効率が悪化することがある。
【0029】更にまた、上記触媒コート層は、セル平坦
部が100〜300μm、セル角部が300〜700μ
mであることが望ましい。これより、更に熱耐久劣化後
の触媒活性を向上できる。即ち、触媒コート層の層厚比
が上記範囲内であると、担体の熱容量と触媒活性のバラ
ンスが良好となり易い。また、触媒コート層の厚さが上
記範囲内であると、セル平坦部に配置された触媒成分が
充分な活性を発現し易い。一方、触媒コート層の層厚比
及び層厚が上記範囲でないときは、触媒成分の偏在によ
る浄化活性の増減が縮小してしまうことがある。なお、
上記セル角の最厚部及び平坦部の最薄部とは、例えば、
図1に示すような部分をいう。
【0030】また、少なくともセルの角部に耐火性無機
酸化物を被覆してアンダーコート層を設けることがで
き、この場合は、HC吸着材層や触媒成分層を上述の膜
厚に調整し易いので有効である。また、空間部を任意形
状とすることができる。例えば、図2に示すように、耐
火性無機酸化物を被覆して所望の層厚比でHC吸着材層
及び触媒成分層を積層することができる。なお、触媒コ
ート層の厚みを均一化でき、空間部が所望の大きさであ
る限り、上記アンダーコート層はセルの角部のみならず
セル平端部に被覆してもよい。
【0031】上記アンダーコート層は、アルミナを含
み、一部又は全体には空孔を複数有することが好適であ
る。また、この空孔の大きさは、内径が2μm以上であ
り且つ当該アンダーコート層の被覆厚さの半分以下(2
〜6μm程度)であることが好ましい。この場合は、H
C吸着材層(ゼオライトコート層など)の均一化及び塗
布部の開口率を容易に調整することができる。また、排
気ガスが吸着材層を通過する際に、アンダーコート層内
にも通過し易いため、吸着HCの脱離遅延化が図られ、
脱離HC浄化能の向上が図られる。なお、空孔の大きさ
が上記範囲以外では吸着HCの脱離遅延化が充分に図れ
ないことがある。また、上記アンダーコート層におい
て、空孔を設けた部分のコート重量当たりの嵩は、空孔
を設けない場合に対して1.5〜3.0倍であることが
好適であり、この場合は、排気ガスが圧損を受けて通過
するコート層塗布部の面積を容易に調整することができ
る。また、使用するアンダーコート層の重量が低減する
ため、熱容量の低減が図られ、脱離HC浄化能の向上が
図られる。嵩高さの倍率が上記範囲以外ではコート層塗
布部の面積の調整効果が充分に得られないことがある。
なお、上記「嵩」とは、一定体積当たりのアンダーコー
ト層の厚さを示す。更に、上記空孔(内径が2μm以上
且つ当該耐火性無機酸化物の被覆厚さの半分以下)は、
アンダーコート層に存在する空孔の全体積に対して、5
〜20%の割合で含まれることが好適である。この場合
は、更にアンダーコート層内へガスが容易に拡散され易
く、吸着HCの脱離遅延化が図られ、脱離HC浄化能の
向上が図られる。なお、上記空孔率でないときは、アン
ダーコート層内へのガスの拡散が起こりにくいことがあ
る。
【0032】また、上記アンダーコート層を構成する耐
火性無機酸化物としては、白金(Pt)、パラジウム
(Pd)又はロジウム(Rh)、及びこれらの任意の組
合せに係る貴金属を含むことが好適である。これより、
排気ガスから授受した熱を効率良く利用し、触媒成分層
の活性化開始温度を更に低減できる。また、これら貴金
属の含有量は、上記触媒成分層に含まれる総貴金属量の
1/5以下であることが好適である。このときは、脱離
した吸着HCが触媒成分層と十分に接触するので、コー
ルドHCを効率良く浄化できる。なお、1/5超ではコ
ールドHCの浄化効率が悪化することがある。
【0033】更に、上記HC吸着材層としては、β−ゼ
オライトを主成分とし、且つUSY、Y型、MFI又は
モルデナイト、及びこれらの任意の組合せに係るゼオラ
イトを含み、SiO/Al比が15〜100で
あるものを好適に使用できる。この場合は、初期から耐
久後まで、優れた吸着能と吸着HCの保持力及び耐熱性
が得られるので有効である。なお、SiO/Al
比が15未満では耐熱性が不十分となり易く、100
超では吸着HCの保持力が徐々に低下することがある。
【0034】更にまた、上記触媒成分層としては、貴金
属、アルミナ、セリウム酸化物及びジルコニウム酸化物
と、アルカリ金属化合物及び/又はアルカリ土類金属化
合物とを含むものを好適に使用できる。具体的には、上
記アルミナは、白金(Pt)、パラジウム(Pd)及び
ロジウム(Rh)、又はこれらから任意に選択した2種
の元素と、セリウム(Ce)、ジルコニウム(Zr)及
びランタン(La)、又はこれらから任意に選択した2
種の元素と、を含むことが好ましい。また、上記セリウ
ム化合物は、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)
及びジルコニウム(Zr)、又はこれらから任意に選択
した2種の元素を含むことが好ましい。更に、上記ジル
コニウム酸化物は、Pr、Nd及びCe、又はこれらか
ら任意に選択した2種の元素を含むことが好ましい。こ
の場合は、触媒成分層の耐久性が著しく改善され、初期
から耐久後まで、吸着材から脱離する吸着HCの高い浄
化効率を得ることができる。本発明において、上記HC
吸着材層はHCトラッパーとして機能し、上記触媒成分
層はNOx吸着・三元浄化機能を有する。よって、本発
明の排気ガス浄化触媒は、三元触媒としても十分に機能
し、コールド域のみならずホット域のエミッション低減
を図ることもできる。
【0035】なお、本発明の排気ガス浄化触媒は、モノ
リス担体(一体構造型担体)に上記触媒コート層を設け
て成るが、かかるモノリス担体としては、耐熱性材料か
ら成るハニカム状担体やメタル担体を使用することが望
ましい。特に、自動車の排気ガス中を浄化するに当たっ
ては、ハニカム状担体を用いることにより、触媒成分と
排気ガスとの接触面積を大きくなり、圧力損失が抑制し
易く、振動・摩擦にも強くなるため、より有効である。
なお、このハニカム状担体としては、一般にセラミック
ス等のコーディエライト質のものが多く用いられるが、
フェライト系ステンレス等の金属材料から成るハニカム
状担体を用いることも可能であり、更には触媒材料粉末
自体をハニカム状に成形してもよい。
【0036】次に、本発明の排気ガス浄化触媒の製造方
法について詳細に説明する。かかる製造方法では、スラ
リーをセルの角部に被覆し、その後に消失処理を行うこ
とで、内径が2μm以上且つ当該アンダーコート層の被
覆厚さの半分以下である空孔をアンダーコート層に設け
る。更に、HC吸着材層及び触媒成分層を順次積層する
ことで、排気ガス浄化触媒が得られる。ここで、上記ス
ラリーは、上記耐火性無機酸化物に消失処理で消失され
得る化合物を含み、当該化合物が消失することで空孔が
形成される。このような化合物としては、例えば、活性
炭、樹脂ビーズ及びでんぷんなどがある。また、消失処
理としては、焼成、乾燥、溶解、加圧・減圧又は凍結、
及びこれらを任意に組合わせた処理を行う。これより、
アンダーコート層内へ容易に所望の大きさの空孔を形成
でき、吸着HCの脱離遅延化が図られ、脱離HC浄化能
が向上する。
【0037】次に、本発明の排気ガス浄化システムにつ
いて詳細に説明する。かかる排気ガス浄化システムは、
上述の排気ガス浄化触媒を2個以上直列に配設して成
る。具体的には、図3に示すような構成が例示できる。
このような構成とすることで、1個のHC吸着型三元触
媒(本排気ガス浄化触媒)で起こるコールドHCの吸着
−保持−脱離の一連の過程を、複数回繰返すことができ
るため、コールドHCの浄化効率が更に向上する。
【0038】また、上記排気ガス浄化システムで用いる
排気ガス浄化触媒は、設置位置が下流側であるほど、上
記空間部の面積割合を大きくすることが好適である。言
い換えれば、空間部(開口部)の面積割合を変えて、排
気ガスを上流側及び下流側に配設する全てのHC吸着型
三元触媒(本排気ガス浄化触媒)に圧損(抵抗)なく通
過させることにより、下流側に設置した排気ガス浄化触
媒のコールドHCの浄化効率が向上し得る。
【0039】更に、排気ガス浄化触媒間に熱容量体とし
て三元触媒を配設することができ、該三元触媒のセル数
/幾何学的表面積(GSA)は上流側及び下流側の排気
ガス浄化触媒より大きいことが好適である。これより、
下流側に設置した排気ガス浄化触媒のコールドHCの浄
化効率が向上し得る。上記三元触媒としては、代表的に
アルミナ、セリウム、ジルコニウム及びPt、Pd、R
hを含む触媒などを用いることができる。なお、三元触
媒は排気ガス浄化触媒間に限定されず、最上流や最下流
に設置することもできる。
【0040】
【実施例】以下、本発明を、図面を参照して実施例及び
比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実
施例に限定されるものではない。
【0041】<触媒例1>Si/2Al比が40のβ−
ゼオライト粉末800g、シリカゾルを1333.3g
(固形分濃度15wt%)と純水1000gをアルミナ
製ボールミルポットに投入し、60分間粉砕してスラリ
ー液を得た。このスラリー液をモノリス担体(300セ
ル/6ミル、触媒容量0.75L)に付着させ、空気流
にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、50℃の空
気流通下30分間乾燥し、次いで、150℃の空気流通
下15分間乾燥した後、400℃で1時間焼成した。こ
の時の塗布量として、焼成後に400g/Lになるまで
コーティング作業を繰り返し、触媒−aを得た。Ce3
mol%を含むアルミナ粉末(Al97mol%)に、
硝酸パラジウム水溶液を含浸或いは高速撹拌中で噴霧
し、150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時
間、次いで、600℃で1時間焼成し、Pd担持アルミ
ナ粉末(粉末a)を得た。この粉末aのPd濃度は4.
0%であった。La1mol%とZr32mol%含有
セリウム酸化物粉末(Ce67mol%)に、硝酸パラ
ジウム水溶液を含浸或いは高速撹拌中で噴霧し、150
℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次いで、
600℃で1時間焼成し、Pd担持セリウム酸化物粉末
(粉末b)を得た。この粉末bのPd濃度は2.0%で
あった。上記Pd担持アルミナ粉末(粉末a)400
g、Pd担持セリウム酸化物粉末(粉末b)141、硝
酸酸性アルミナゾル240g(ベーマイトアルミナ10
%に10%の硝酸を添加することによって得られたゾル
でAl換算で24g)及び炭酸バリウム100g
(BaOとして67g)を純水2000gを磁性ボール
ミルに投入し、混合粉砕してスラリー液を得た。このス
ラリー液を上記コート触媒−aに付着させ、空気流にて
セル内の余剰のスラリーを取り除いて乾燥し、400℃
で1時間焼成し、コート層重量66.5g/Lを塗布
し、触媒−bを得た。Zr3mol%を含むアルミナ粉
末(Al97mol%)に、硝酸ロジウム水溶液を含浸
或いは高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間乾燥し
た後、400℃で1時間、次いで、600℃で1時間焼
成し、Rh担持アルミナ粉末(粉末c)を得た。この粉
末cのRh濃度は2.0%であった。Ce3mol%を
含むアルミナ粉末(Al97mol%)に、ジニトロジ
アンミン白金水溶液を含浸或いは高速撹拌中で噴霧し、
150℃で24時間乾燥した後、400℃で1時間、次
いで、600℃で1時間焼成し、Pt担持アルミナ粉末
(粉末d)を得た。この粉末dのPt濃度は3.0%で
あった。La1モル%とCe20モル%を含有するジル
コニウム酸化物粉末に、ジニトロジアンミン白金水溶液
を含浸或いは高速撹拌中で噴霧し、150℃で24時間
乾燥した後、400℃で1時間、次いで、600℃で1
時間焼成し、Pt担持アルミナ粉末(粉末e)を得た。
この粉末dのPt濃度は3.0%であった。上記Rh担
持アルミナ粉末(粉末c)118g、Pt担持アルミナ
粉末(粉末d)118g、Pt担持ジルコニウム酸化物
粉末(粉末e)118g、硝酸酸性アルミナゾル160
gを磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリー液
を得た。このスラリー液を上記コート触媒−bに付着さ
せ、空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて乾
燥し、400℃で1時間焼成し、コート層重量37g/
Lを塗布し、触媒を得た。触媒の貴金属担持量は、Pt
0.71g/L、Pd1.88g/L、Rh0.24g
/Lであった。
【0042】<触媒例2>粉末aを530g、粉末bを
118gと硝酸酸性アルミナゾル120g(ベーマイト
アルミナ10%に10%の硝酸を添加することによって
得られたゾルでAl換算で12g)及び炭酸バリ
ウム40g(BaOとして27g)を純水1000gを
磁性ボールミルに投入し、混合粉砕してスラリー液を得
た。このスラリー液をモノリス担体(900セル/2ミ
ル、触媒容量0.5L)に付着させ、空気流にてセル内
の余剰のスラリーを取り除いて乾燥し、400℃で1時
間焼成し、コート層重量70g/Lを塗布し、触媒−c
を得た。粉末eを235g、La1モル%とCe20モ
ル%を含有するジルコニウム酸化物粉末を100gと硝
酸酸性アルミナゾル150g(ベーマイトアルミナ10
%に10%の硝酸を添加することによって得られたゾル
でAl換算で15g)を純水1000gを磁性ボ
ールミルに投入し、混合粉砕してスラリー液を得た。こ
のスラリー液を触媒−cに付着させ、空気流にてセル内
の余剰のスラリーを取り除いて乾燥し、400℃で1時
間焼成し、コート層重量35g/Lを塗布した。触媒の
貴金属担持量は、Pd2.35g/L、Rh0.47g
/Lであった。
【0043】<触媒例3〜15>表1に示すように、セ
ル数、壁厚及び開口率の少なくとも1つを変更した以外
は、触媒例1と同様の操作を繰り返して、本例の排気ガ
ス浄化触媒を得た。また、触媒例9ではゼオライトを含
有するHC吸着材層を塗布する前にアルミナ層を塗布
し、触媒例10ではHC吸着材層上にアルミナ層から成
る中間層を塗布した。
【0044】<触媒例16>γ−アルミナ850g、硝
酸酸性アルミナゾル500g(ベーマイトアルミナ10
%に10%の硝酸を添加することによって得られたゾル
でAl換算で50g)、平均粒子径が2〜3μm
の活性炭100g及び純水1000gを磁性ボールミル
に投入し、60分間粉砕してスラリー液を得た。このス
ラリー液をモノリス担体(300セル/6ミル、触媒容
量0.75L)に付着させ、空気流にてセル内の余剰の
スラリーを取り除いて、50℃の空気流通下30分間乾
燥し、次いで、150℃の空気流通下15分間乾燥した
後、600℃で1時間焼成した。このときの塗布量とし
て、焼成後に70g/Lになるまで作業を繰り返し、触
媒−aaを得た。触媒例1と同様の操作を繰り返して、
触媒−aaにゼオライトを含むスラリー液を付着させ、
空気流にてセル内の余剰のスラリーを取り除いて、50
℃の空気流通下30分間乾燥し、次いで、150℃の空
気流通下15分間乾燥した後、400℃で1時間焼成し
た。この時の塗布量として、焼成後に350g/Lにな
るまでコーティング作業を繰り返し、触媒−dを得た。
更に、触媒例1と同様の操作を繰り返して、触媒−fに
触媒成分層を塗布し、塗布量として、焼成後に103.
5g/Lになるまでコーティング作業を繰り返し、触媒
−hを得た。この触媒の写真及びヒストグラムを図4及
び図5に示す。
【0045】<触媒例17>活性炭の代わりにアクリル
系樹脂粉末を用いた以外は、触媒例16と同様の操作を
繰り返して、触媒を得た。
【0046】<触媒例18>活性炭の代わりにでん粉を
用いた以外は、触媒例16と同様の操作を繰り返して、
触媒を得た。
【0047】<触媒例19>アルミナを含有する第1層
を塗布した後、マイナス40℃以下の温度で急冷し、コ
ート層中に含まれる水分を瞬間的に凍結・膨張させるこ
とによって、不連続な2μm以上の空隙を形成した以外
は、触媒例9と同様の操作を繰り返して、触媒を得た。
【0048】<触媒例20>活性炭の代わりに、有機物
からなるフィラーを用いた以外は、触媒例16と同様の
操作を繰り返して、触媒を得た。
【0049】
【表1】
【0050】[耐久条件]触媒例1〜20で得られた触
媒について、以下のエンジン排気量、燃料、排ガス触媒
入口温度及び耐久時間にて、耐久性試験を行った。 ・エンジン排気量 3000cc ・燃料 日石ダッシュガソリン(Pb=
0mg/usg、S=30ppm以下) ・触媒入口ガス温度 650℃ ・耐久時間 100時間
【0051】(実施例1〜20及び比較例1〜5)上記
触媒例1〜20で得られた触媒を用いて、図3及び表2
に示す構成で、実施例1〜20及び比較例1〜5の排気
ガス浄化システムを得た。
【0052】
【表2】
【0053】以下の評価条件でHC浄化特性評価(LA
−4のA−bag)を行った。また、この結果を表2に
示す。
【0054】
【0055】表1及び表2により、実施例1〜20の排
気ガス浄化システムは、吸着HCの脱離遅延化が図れ、
しかも浄化触媒成分層の活性化が促進されるため、比較
例1〜5の排気ガス浄化システムよりもコールドHCの
吸着率及び脱離浄化率が優れていることがわかる。
【0056】以上、本発明を実施例及び比較例により詳
細に説明したが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形
が可能である。例えば、HC吸着材層及び触媒成分層は
複数層から成るものであってもよいし、或いは、HC吸
着材及び触媒成分とを混合し用いることもできる。ま
た、ハニカム担体のセル形状は四角形だけでなく三角形
及び六角形などとすることもできる。
【0057】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、触媒コート層を所望の面積割合で設けることとした
ため、コールドHCを効率良く浄化し得る排気ガス浄化
触媒、その製造方法及び排気ガス浄化システムを提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】単セルピッチの一例を示す断面図である。
【図2】触媒コート層の一例を示す拡大図である。
【図3】排気ガス浄化システム(車両システム)の一例
を示す概略図である。
【図4】触媒例16を示す写真である。
【図5】触媒例16おける空孔分布の割合を示すヒスト
グラムである。
【符号の説明】
1、3 三元触媒 2、4 HC吸着型三元触媒
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 37/00 F01N 3/10 A F01N 3/08 3/24 E 3/10 3/28 301B 3/24 301P 3/28 301 B01D 53/36 104Z ZAB Fターム(参考) 3G091 AB03 AB10 BA15 BA39 FB02 FC07 GB06W GB09Y GB10W GB17W HA19 4D048 AA18 BA03X BA08X BA11X BA15X BA18X BA19X BA30X BA31X BA33X BA41X BB02 BB16 BB17 CC21 CC36 CC41 EA04 4G069 AA03 AA08 BA01A BA01B BA02B BA05A BA05B BA07A BA07B BB04A BB04B BC13B BC32A BC33A BC42A BC42B BC44A BC71A BC71B BC72A BC72B BC75A BC75B CA03 CA15 DA06 EA19 EB06 EB15X EB15Y EB17X EC28 EC29 FA01 FA03 FB30 FB36 FB37 FB48 FB80 FC08 ZA04A ZA05A ZA06A ZA10A ZA19A ZA19B ZC04

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モノリス担体上に触媒コート部を設けて
    成る排気ガス浄化触媒であって、 上記触媒コート部はHC吸着材層及び触媒成分層を順次
    積層した積層体を含んで成り、単セルピッチ当たりの上
    記触媒コート部の面積割合が、空間部の面積割合より大
    きいことを特徴とする排気ガス浄化触媒。
  2. 【請求項2】 上記空間部の面積割合が、セル全体面積
    に対して10%以上50%未満であることを特徴とする
    請求項1に記載の排気ガス浄化触媒。
  3. 【請求項3】 上記HC吸着材層の積層量と上記触媒成
    分層の積層量とが、重量比で1:0.01〜0.5を満
    たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の排気ガス
    浄化触媒。
  4. 【請求項4】 上記HC吸着材層の層厚と上記触媒成分
    層の層厚とが、層厚比で1:0.01〜0.5を満たす
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記
    載の排気ガス浄化触媒。
  5. 【請求項5】 少なくともセルの角部に耐火性無機酸化
    物を被覆して成るアンダーコート層を有することを特徴
    とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の排気ガ
    ス浄化触媒。
  6. 【請求項6】 上記耐火性無機酸化物が、白金、パラジ
    ウム及びロジウムから成る群より選ばれた少なくとも1
    種の貴金属を含み、その含有量が上記触媒成分層に含ま
    れる総貴金属量の1/5以下であることを特徴とする請
    求項5に記載の排気ガス浄化触媒。
  7. 【請求項7】 上記HC吸着材層が、β−ゼオライトを
    主成分とし、且つUSY、Y型、MFI及びモルデナイ
    トから成る群より選ばれた少なくとも1種のゼオライト
    を含み、SiO/Al比が15〜100である
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記
    載の排気ガス浄化触媒。
  8. 【請求項8】 上記触媒成分層が、貴金属、アルミナ、
    セリウム酸化物及びジルコニウム酸化物と、アルカリ金
    属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物とを含んで
    成り、 上記アルミナが、白金、パラジウム及びロジウムから成
    る群より選ばれた少なくとも2種の元素と、セリウム、
    ジルコニウム及びランタンから成る群より選ばれた少な
    くとも2種の元素と、を含み、 上記セリウム化合物が、プラセオジム、ネオジム及びジ
    ルコニウムから成る群より選ばれた少なくとも2種の元
    素を含み、 上記ジルコニウム酸化物が、プラセオジム、ネオジム及
    びセリウムから成る群より選ばれた少なくとも2種の元
    素を含む、ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1
    つの項に記載の排気ガス浄化触媒。
  9. 【請求項9】 上記アンダーコート層がアルミナを含
    み、一部又は全体に、内径が2μm以上且つ当該アンダ
    ーコート層の被覆厚さの半分以下である空孔を複数有す
    ることを特徴とする請求項5に記載の排気ガス浄化触
    媒。
  10. 【請求項10】 上記アンダーコート層において、空孔
    を設けた部分のコート重量当たりの嵩が、空孔を設けな
    い場合に対して1.5〜3.0倍であることを特徴とす
    る請求項9に記載の排気ガス浄化触媒。
  11. 【請求項11】 上記アンダーコート層に存在する空孔
    の全体積に対し、内径が2μm以上且つ当該耐火性無機
    酸化物の被覆厚さの半分以下である空孔が5〜20%の
    割合で含まれて成ることを特徴とする請求項9又は10
    に記載の排気ガス浄化触媒。
  12. 【請求項12】 請求項9〜11のいずれか1つの項に
    記載の排気ガス浄化触媒を製造するに当たり、 上記耐火性無機酸化物に消失処理で消失され得る化合物
    を含むスラリーをセルの角部に被覆し、その後に焼成、
    乾燥、溶解、加圧・減圧及び凍結から成る群より選ばれ
    た少なくとも1種の処理方法を用いて当該化合物を消失
    させ、内径が2μm以上且つ当該アンダーコート層の被
    覆厚さの半分以下である空孔をアンダーコート層に設け
    ることを特徴とする排気ガス浄化触媒の製造方法。
  13. 【請求項13】 請求項1〜11のいずれか1つの項に
    記載の排気ガス浄化触媒を2個以上直列に配設して成る
    ことを特徴とする排気ガス浄化システム。
  14. 【請求項14】 排気ガス浄化触媒の設置位置が下流側
    であるほど、上記空間部の面積割合が大きいことを特徴
    とする請求項13に記載の排気ガス浄化システム。
  15. 【請求項15】 排気ガス浄化触媒間に熱容量体として
    三元触媒を配設し、該三元触媒のセル数/幾何学的表面
    積(GSA)が上流側及び下流側の排気ガス浄化触媒よ
    り大きいことを特徴とする請求項13又は14に記載の
    排気ガス浄化システム。
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