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JP2003194100A - 圧力発生装置 - Google Patents

圧力発生装置

Info

Publication number
JP2003194100A
JP2003194100A JP2001390805A JP2001390805A JP2003194100A JP 2003194100 A JP2003194100 A JP 2003194100A JP 2001390805 A JP2001390805 A JP 2001390805A JP 2001390805 A JP2001390805 A JP 2001390805A JP 2003194100 A JP2003194100 A JP 2003194100A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure chamber
piston
seal member
pressure
sliding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001390805A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiyuki Nakamura
俊之 中村
Yasuaki Hattori
恭明 服部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2001390805A priority Critical patent/JP2003194100A/ja
Publication of JP2003194100A publication Critical patent/JP2003194100A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)
  • Transmission Of Braking Force In Braking Systems (AREA)
  • Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
  • Sealing Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動部材が圧力室内を移動する場合に、シー
ル部材の摺動部材への噛み込みを防止すると共に、摺動
部材の摺動抵抗が小さくなるシール部材の構造とする。 【解決手段】 ハウジング内に形成された圧力室10と
圧力室10に通じるポート11との間に、シール部材4
を配設する。圧力室内をピストン6が移動することによ
って、圧力室10とポート11の連通が、ベース部4a
と内周リブ4bと外周リブ4cとを有するシール部材4
によって遮断される圧力発生装置1において、シール部
材4の形状を、ピストン6が摺動する軸方向においてベ
ース部4aの幅の範囲で、ピストン6と摺接する内周リ
ブ4bの後方端において外径側に向かって幅広となるテ
ーパ面4dを有するものとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧力室の容積を摺
動部材の移動によって可変し、外部に圧力を発生させる
圧力発生装置に関するものであり、特に、摺動部材が圧
力室内で摺動を行う場合、圧力室と流体が供給されるポ
ートとの間を連通/遮断するシール部材を保護するよう
にしたシール部材の構造に係わる。
【0002】
【従来の技術】従来、圧力発生装置は、ハウジング内に
形成された圧力室と、圧力室に通じるポートと、ベース
部とベース部から延在する外周リブとベース部から延在
し摺動部材に対して摺接する内周リブとを有し、圧力室
とポートとの間に介在するシール部材と、圧力室内を一
方向に摺動して圧力室の容積を可変する摺動部材とを備
え、摺動部材の移動により圧力室とポートとがシール部
材によって遮断されることにより、圧力室を高圧とする
圧力発生装置が知られており、この様な圧力発生装置に
は、例えば、マスタシリンダが知られている。
【0003】車両におけるマスタシリンダは、摺動部材
(ピストン)の周面に径方向に通孔が形成され、通孔を
介して圧力室をリザーバに連通させ、ピストンを圧力室
の内方へ移動し、ピストンの通孔が環状シールを通過す
ることによって圧力室とリザーバとの連通を断ち、更に
ピストンを圧力室の容積が小さくなる方向に移動する事
によって、圧力室の流体を被作動シリンダへ圧送するタ
イプのものが知られている。
【0004】例えば、実開平4-39090号公報に示
されるマスタシリンダでは、ピストンの径方向に形成さ
れた通孔が環状のシール部材に達した時、圧力室内で増
圧された流体がピストンとの摺動面である環状カップシ
ールのベース部を押広げ、通孔からリザーバへの流体の
流出を防止する為に、ピストンと摺動する環状のシール
部材のベース部端部に内径方向に突出する環状突部が形
成されたシール部材を用いている。この公報に示される
マスタシリンダでは、図8の(a)に示す形状のシール
部材を用いて、オイルリザーバに通じる通路と圧力室と
のシールを行っている。
【0005】この場合、ピストンが移動し、ピストンの
外周面がシール部材を通過した後の状態(図8の(b)
に示す状態)では、シール部材の内径側に突出する環状
突部が通孔の中に入ってしまう状態が起こり得る。これ
は、シール部材からのピストンへの圧接力は、図8の
(c)に示す様、環状突起による内径側への弾性力によ
って、環状突部が形成される部位の圧接力が大きくなる
ことに起因する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記した公報
に示されるシール部材の構造では、環状突部を形成する
ことによって、環状シール部材のピストンに対する圧接
力を大きくする様にしているが、ピストンが移動して摺
動する場合、摺動抵抗が増大し、圧力室の内壁に沿って
ピストンが滑らかに、摺動しにくくなってしまう。その
結果、ピストンの戻り不良に起因する不具合(例えば、
ブレーキ装置のマスタシリンダではブレーキの引きずり
が発生する。また、クラッチマスタシリンダではクラッ
チの滑り等)が発生し得る。更に、ピストンの移動によ
り通孔の位置が環状突部を通過する際、環状突部が通孔
の中に噛み込んで傷付き、ピストンの移動に伴なう異音
発生の原因となってしまう。
【0007】よって、本発明は上記の問題点に鑑みてな
されたものであり、摺動部材が圧力室内を移動する場合
に、シール部材の摺動部材への噛み込みを防止するこ
と、及び、摺動部材の摺動抵抗が小さくなるシール部材
の構造とすることを技術的課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに講じた技術的手段は、ハウジング内に形成された圧
力室と、該圧力室に通じるポートと、ベース部と該ベー
ス部から延在する外周リブと前記ベース部から延在し前
記摺動部材に対して摺接する内周リブとを有し、前記圧
力室と前記ポートとの間に介在するシール部材と、前記
圧力室内を摺動して前記圧力室の容積を可変する摺動部
材とを備え、該摺動部材の移動により前記圧力室と前記
ポートとが前記シール部材によって遮断されることによ
り、前記圧力室を高圧とする圧力発生装置において、前
記シール部材は、前記摺動部材が摺動を行う摺動方向に
おける前記ベース部の幅の範囲で、外径側に向かって幅
広となるテーパ面を前記内周リブに有するものとしたこ
とである。
【0009】上記した手段によれば、シール部材は摺動
部材が摺動を行う摺動方向におけるベース部の幅の範囲
で、外径側に向かって幅広となるテーパ面を内周リブに
有する。これにより、摺動部材が摺動を行う場合に、テ
ーパ面では摺動部材に対しての圧接力が内径側に作用せ
ず、シール部材の摺動部材への噛み込みの発生が抑えら
れる。
【0010】この場合、内周リブにおける摺動部材との
摺接面に凹凸部を形成すると、摺動部材との摺接面にお
ける接触面積は、凹凸部が形成されていない場合に比べ
て小さくなるので、内周リブと摺動部材との間の摺動抵
抗が小さくなる。
【0011】また、凹凸部に油膜層を形成すると、油膜
層によって、摺動部材が移動する場合の摺動抵抗がより
小さくなる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て、図面を参照して説明する。本実施形態においての圧
力発生装置は、クラッチの係合/断絶を行う車両のクラ
ッチマスタシリンダ(以下、マスタシリンダと称す)1
を、例に取って説明を行う。しかし、本発明は、摺動部
材の移動により圧力室の容積が可変となり、外部装置に
対して圧力供給を行うものであれば良く、これに限定さ
れないものとする。尚、本実施形態を説明するに当た
り、図1において、ハウジング側を前方、ロッド側を後
方、ピストンの移動方向(前方および後方に移動する方
向)を軸方向、出力ポート側を上部、それと反対側を下
部と定義する。
【0013】図1は圧力発生装置であるマスタシリンダ
1の断面図である。マスタシリンダ1は、樹脂より成る
ハウジング2を有している。ハウジング2は後方が開口
2gとなった中空の有底筒状を呈し、その中空内部には
後述するピストン6とによって液密的に形成される圧力
室10が設けられる。ハウジング2の圧力室後方の開口
2gは、段状に大径となっている。また、ハウジング2
には上部に向かってポート部2aが突出する。そこに圧
力室10により昇圧された作動油が吐出するポート(出
力ポート)8が設けられている。更に、ハウジング2に
は、段状となった後部の上方には凹部2bが設けられ、
凹部2bはリザーバから作動油が導入されるポート(入
力ポート)11となっている。ハウジング2の後方に
は、マスタシリンダ1が車両に締結部材によって取り付
けられる際のフランジ部2cが設けられている。
【0014】ポート8は、ハウジング2の前方にて圧力
室10に径方向に延在する連通孔2aaを介して連通
し、図示しないクラッチ操作シリンダに連結されてい
る。このマスタシリンダ1では、ポート8から供給され
る作動油の圧力状態により、図示しないクラッチを切る
ことができるようになっている。一方、凹部2bに形成
されるポート11は、圧力室10に径方向に延在する連
通孔2baを介して連通している。凹部2bには、樹脂
から成るユニオン20が、超音波溶着によってハウジン
グ2に固定されている。ユニオン20は内部に通孔20
aおよび通孔20aの内径より若干大きいリザーバポー
ト9が設けられ、作動油を内部に蓄えることができる図
示しないリザーバに接続されている。これにより、リザ
ーバに蓄えられた作動油は、ユニオン20の通孔20
a、リザーバポート9を通り、凹部2b内のポート11
へと導かれ、連通孔2baを通って、ハウジング内部の
圧力室10へと導くことが可能である。
【0015】ハウジング2には連通孔2baの前方に、
後述する環状のシール部材4を備え、その後方には環状
のシール部材5を備える。シール部材4,5は、圧力室
10に対して軸方向に摺動可能な状態で配設される円筒
状のピストン6の外周に配設される。
【0016】ピストン6は、図1に示す状態において、
前方は径方向に段部を有する中空台形状のサポートリン
グ12に支持され、後方は有底円筒状のガイドスリーブ
3に支持される。ガイドスリーブ3はピストン6の外周
面を摺動できるよう、ピストン6および圧力室10の内
径と同軸で配設される。ハウジング2とガイドスリーブ
3との間にはサポートリング12が設けられ、サポート
リング12もピストン6と同軸で配設される。この状態
で、ハウジング2の開口2gに対して、サポートリング
12は外形の段部12bに嵌った環状のゴムから成るシ
ール部材24により、ハウジング2の内径とサポートリ
ング12の外径はシールされる。また、ハウジング2と
サポートリング12とは、ハウジング2の数箇所に設け
られた孔およびサポートリング12の外径に設けられた
溝に固定ピン13が挿入され、固定ピン13により、ハ
ウジング2とサポートリング12は一体で固定される。
【0017】サポートリング12の後方段部における内
径の一部には溝部12aが設けられ、この溝部12aに
ガイドスリーブ3の前方から後方に向けてガイドスリー
ブ3に一体で形成された爪部3aが嵌着する。この爪部
3aの溝部12aの嵌着により、サポートリング12に
よってガイドスリーブ3の軸方向の移動が規制される。
従って、ハウジング2に対して、サポートリング12は
固定ピン13により固定され、ガイドスリーブ3は爪部
3aにより固定されるので、ハウジング2に対して、サ
ポートリング12およびガイドスリーブ3は一体で固定
されるものとなる。
【0018】一方、ハウジング2の後方端面には、ハウ
ジング2の開口2gを覆うようにして、後方に凸部が突
出したダストブーツ22がピストン6と同軸で設けられ
る。ダストブーツ22は前方にフランジ部22aを有
し、マスタシリンダ1がエンジンルーム内から車両のボ
ディに固定される場合、ハウジング2のフランジ部2c
の後方からダストブーツ22のフランジ部22aが車両
のボディに挟まれて固定される。これによって、マスタ
シリンダ1が車両に固定される。
【0019】圧力室10の容積を可変させ、図1に示す
前後の方向に摺動するピストン6は、前方の端部に凹部
6aが設けられている。この凹部6aの径方向におい
て、ピストン外径から凹部内に連通する小径の連通孔6
bが周方向に等間隔で複数個(例えば、4個)設けられ
ている。この小径の連通孔6bにより、ピストン6の初
期位置において、圧力室10と連通孔2baはサポート
リング12の径方向に複数設けられた連通孔12cを介
して連通し、ピストン6の初期位置(ロッド7に外力が
作用していない図1に示す状態)での圧力室内に残圧が
発生しないようになっている。
【0020】また、ピストン6の後方の軸方向端面に
は、凹部6eが設けられる。凹部6eの底はすり鉢状6
cを呈し、そこにロッド7の半球状となった先端7aが
当接した状態で配設される。半球状となった先端7aの
後方にはフランジ部7bが設けられており、フランジ部
7bの後方端面がピストン6の凹部に設けられた溝部6
dに嵌着されたスナップリング23により規制され、ロ
ッド7はピストン6に対して軸方向に抜けないようにな
っている。
【0021】この場合、ロッド7は、ガイドスリーブ3
の後方端面に設けられた孔3bおよびダストブーツ22
の後方端面に設けられた孔22bに挿通され、フランジ
部7bを中心としてロッド7は所定角度だけ揺動できる
様になっている。
【0022】この様な構成において、シール部材4は連
通孔2baと小径の連通孔6bとを、図1に示す初期状
態では連通させるように機能するが、ロッド7に対し
て、図示しないクラッチペダルが踏まれ、それに基づく
外力がロッド7に作用して、ピストン6が圧力室10の
容積の縮小を行う前方に移動した場合には、連通孔2b
aと圧力室10との連通を遮断する機能を有する。ま
た、シール部材5は、圧力室10からピストン6の後方
およびサポートリング12とガイドスリーブ3との間を
通って作動油が流れ出るのを遮断する機能を有する。
【0023】一方、圧力室10について説明すると、樹
脂より成るハウジング1の圧力室10の内壁には、軸方
向に延在し、ピストン6が摺動を行う際に圧力室10で
ガイド機能を果たす突起部2eと、マスタシリンダ1の
作動初期(例えば、マスタシリンダ1を最初に車両に組
み付けた状態あるいはリザーバに蓄えられる作動油を入
れ替えた場合等)におけるエア抜き作業時に、リザーバ
からユニオン20、ポート11を介して、圧力室10に
作動油を導入するようにした凹部2fが、周方向におい
て交互に等間隔で複数個設けられている。
【0024】次に、図2を参照して、ハウジング2の圧
力室10における内壁の形状について説明する。圧力室
10の内壁には、軸方向において、ピストン6の外径と
径の大きさが一致する複数の突起部2eと、隣り合う突
起部2e間に形成された複数の凹部2fが、周方向に等
間隔で形成され、凹部2fの幅L1は突起部2eの幅L
2よりも大きくなっている。この図2においては、突起
部2eと凹部2fは共に8個づつハウジング2に一体で
形成されている。この様に、ハウジング2に設けられた
圧力室10の周方向において、突起部2eと凹部2fが
交互に等間隔になっている。
【0025】ハウジング2の内壁に形成される突起部2
eは、ピストン6が摺動する場合にピストン6の外径と
突起先端の内径の大きさが一致することから、ピストン
6のガイドとして機能する。一方、周方向において隣り
合う突起部2eの間に設けられる凹部2fは、圧力室1
0の内部をピストン6が摺動する場合でも、凹部2fと
ピストン6の外径との間に軸方向において隙間が形成さ
れ、この凹部2fの形成によって、ピストン6が連通孔
2aaの内径に当接する閉塞端いっぱいまで移動した場
合でも、圧力室10とシール部材4との間で作動油が流
れる流路を確保するようになっている。
【0026】次に、本発明のシール部材4の構造につい
て説明する。本発明は、圧力室10とポート11とを、
シール部材4の構造により連通/遮断するを特徴とす
る。図3に、第1実施形態におけるシール部材単体の形
状を示す。シール部材4は、環状のゴム等から成る弾性
部材により成り立っている。このシール部材4は、図1
の如く、マスタシリンダ1に組み付けられた場合に、径
方向に延在するベース部4aと、ベース部4aの内径側
(ピストン側)からピストン6が摺動する方向(図1に
示す前後の方向)に延在する内周リブ4bと、ベース部
4aの外径側から前方に向かって所定角度を有する斜め
方向に延在する外周リブ4cとを有しており、シール部
材4は断面が略U字状を呈する。本実施形態に示すシー
ル部材4において、ベース部4aの軸方向の幅は内径リ
ブ4bの径方向の幅および外径リブ4cの径方向の幅と
略等しく、内径リブ4bの後方端は外径側に向かって幅
広となるテーパ面4dを有する。内径リブ4bはピスト
ン6が軸方向に移動する場合には、ピストン6への圧接
力によりシールが保たれる。また、シール部材4はピス
トン6の移動時に、ピストン6の前方の外周端またはピ
ストン6に形成された連通孔6bがシール部材4が配設
される内径リブ4bの位置に到達した場合、内径リブ4
bの後方の内径端は外径側に向かって幅広となるテーパ
面4dを有していることから、シール部材4のテーパ面
4dではピストン側に圧接力が作用しない。このため、
テーパ面4dではピストン6の前方の外周端または連通
孔6bに引っかからない様にできることから、ピストン
6は軸方向に滑らかに摺動でき、この引っかかりによる
異音の発生が防止されるものとなる。この場合、ベース
部4aのピストン6が摺動する方向における幅は、図4
の如く、連通孔6bの孔径と略同一であり、ベース部4
aのその幅の範囲においてテーパ面4dが形成されてい
ると、その部分での圧接力は発生せず、残りの内径リブ
4bでは肉厚が略同一であることからピストン側への圧
接力を内周リブ4bの内周面では、従来に比べて、均一
化することができる。
【0027】この様な構造のシール部材4は、ピストン
6の移動に伴ない、図4に示す如く、シール部材4によ
り小径の貫通孔6bを塞ぎ、圧力室10とポート11と
の連通を遮断する。この状態では、シール部材4の内周
リブ4bに作用する流体圧力P1と連通孔6bからシー
ル部材4の内周リブ4bに作用する流体圧力P2は、流
体圧力P1,P2は等しくなり(圧力室10の圧力と同
一)、シール部材4のハウジング内への組付状態の外周
リブ4cによる圧接力のみが小径の連通孔6bに作用す
る。その結果、シール部材4とピストン6との摺動面に
圧接力が作用するものとなるが、内周リブ4bの後方端
にテーパ面4dを形成したことによって、ピストン6の
移動による内周リブ4bの噛み込みが防止できる。
【0028】次に、マスタシリンダ1の作動について説
明する。図1はクラッチペダルを踏み込んでいない非操
作状態(即ち、クラッチが完全係合した状態)を示す。
この状態でのピストン6の位置においては、連通孔6b
の軸方向における位置が、シール部材4のテーパ面4d
が形成されている部位よりも後方にあり、この状態では
連通孔2baと小径孔6bは連通する。そして、圧力室
10はポート11と連通し、圧力室10には内圧が作用
しない無圧状態となる。
【0029】この状態から、図示しないクラッチペダル
を踏み込むと、クラッチペダルに接続されるロッド7の
軸方向の移動により、ピストン6がロッド7に押圧され
て、ピストン6は軸方向において前方に移動する。する
と、ピストンの連通孔6bがシール部材4のテーパ面4
dを通過し内周リブ4bにより圧接力が発生するとピス
トン6の外周面と内周リブ4bとの内径とが密着し、圧
力室10に通じる連通孔6bとポート11との連通が遮
断される。その結果、ピストン6の前方への移動に伴
い、圧力室10の容積が縮小されて、昇圧が開始され
る。無圧状態で圧力室10に存在していた作動油は、ピ
ストン6の前方への移動により連通孔2aaを介してポ
ート8から吐出される。その吐出された圧力によって、
ポート8に接続されるクラッチ操作シリンダにその作動
油が導入されて、クラッチの断操作が行われる。
【0030】この場合、ピストン6が軸方向に移動した
状態では、圧力室10にはクラッチ反力相当の内圧が発
生し、シール部材4の受圧面積相当の荷重がサポートリ
ング12をハウジング1から脱落する方向に作用する
が、本実施形態においては、サポートリング12は固定
ピン13によって、ハウジング2と一体で固定している
ので、シール部材5およびガイドスリーブ3に対して、
この荷重は作用しない。
【0031】次に、第2実施形態について説明する。第
2実施形態におけるシール部材4の形状は、基本的に図
3に示す第1実施形態と同じではあるが、図5に示す様
に、内径リブ4bのピストン6と密着する内周面に凹凸
部4eを有する点が異なる。この様に、内径リブ4bの
ピストン6と密着する内径に凹凸部4eを形成すること
により、ピストン6が軸方向に移動する場合、ピストン
6の外周面との接触面積が凹凸部4eがない場合に比べ
て小さくなる(図6の状態を参照)ことから、ピストン
移動時における摺動抵抗が低減され、ピストン6は凹凸
部4eに摺接して滑らかに移動することができる。この
場合でも、テーパ面4dがシール部材4の後方端に形成
されていることから、ピストン6へのシール部材4の噛
み込みが防止でき、ピストン1の摺動時における異音の
発生が防止できる。
【0032】更に、この構成において、凹凸部4eに油
膜層を形成することにより、ピストン6の移動における
摺動抵抗が低減され、より滑らかにピストン6が移動で
きる様にすることができる。
【0033】図7に第3実施形態を示す。この構成は、
図1に示した径方向の連通孔6bの代わりに、複数の軸
方向の溝部6fをピストン6に形成したものであり、そ
れ以外の構成は第1実施形態と同一であるので説明を省
略する。ここで、第3実施形態のシール部材4における
内径リブ4bのピストン6と密着する内周面に、図2実
施形態と同様の凹凸部4eを有するようにしてもよい。
【0034】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上述した実施の形態に限定されるもので
はなく、例えば、クラッチマスタシリンダ以外に、ブレ
ーキマスタシリンダに採用してもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、シール部材は摺動部材
が摺動を行う摺動方向におけるベース部の幅の範囲で、
内周リブにテーパ面を有することにより、摺動部材が摺
動を行う場合に、テーパ面では摺動部材に対しての圧接
力が内径側に作用しないものとなり、摺動部材の移動に
よるシール部材の噛み込みの発生を抑えることができ
る。これによって、摺動部材によるシール部材の噛み込
みによる傷つきを低減することができる。
【0036】この場合、内周リブにおける摺動部材との
摺接面に凹凸部を形成すると、摺動部材との摺接面は凹
凸部により、内周リブの内径と摺動部材との接触面積が
少なくなり、内周リブの内周面全体で摺動部材に摺接す
る場合に比べて、摺動抵抗が小さくなり、摺動部材の移
動が滑らかにできる。
【0037】更に、凹凸部に油膜層を形成すると、凹凸
部の油膜層によって、摺動部材が移動する場合の摺動抵
抗がより小さくなり、摺動部材の移動をより滑らかにで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における圧力発生装置の構
成を示す断面図である。
【図2】図1に示すA−A断面図である。
【図3】図1に示すシール部材の形状を示す断面図であ
る。
【図4】図1に示すシール部材に対して作用する圧力状
態を示す要所部分拡大図である。
【図5】第2実施形態におけるシール部材の形状を示す
断面図である。
【図6】第2実施形態において、シール部材による圧力
室に通じる連通孔でのシール状態を示す要所部分拡大図
である。
【図7】第3実施形態におけるシール部材とピストンの
関係を示した要所部分拡大図である。
【図8】従来例であり、(a)はシール部材の断面図、
(b)はピストンの移動によるシール部材と連通孔との
状態を示した要所部分拡大図、(c)はシール部材のピ
ストンに対する圧接力を示した説明図である。
【符号の説明】
1 マスタシリンダ(圧力発生装置) 2 ハウジング 4 シール部材 4a ベース部 4b 内周リブ 4c 外周リブ 4d テーパ面 4e 凹凸部 4f 油膜層 6 ピストン(摺動部材) 10 圧力室 11 ポート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3D047 BB24 BB27 CC08 CC11 DD01 FF11 KK03 3J043 AA12 BA09 3J057 AA07 CB02 EE04 GA02 GA64 HH01 JJ01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に形成された圧力室と、 該圧力室に通じるポートと、 ベース部と、該ベース部から延在する外周リブと、前記
    ベース部から延在し前記摺動部材に対して摺接する内周
    リブとを有し、前記圧力室と前記ポートとの間に介在す
    るシール部材と、 前記圧力室内を摺動して前記圧力室の容積を可変する摺
    動部材とを備え、 該摺動部材の移動により前記圧力室と前記ポートとが前
    記シール部材によって遮断されることにより、前記圧力
    室を高圧とする圧力発生装置において、 前記シール部材は、前記摺動部材が摺動を行う摺動方向
    における前記ベース部の幅の範囲で、外径側に向かって
    幅広となるテーパ面を前記内周リブに有することを特徴
    とする圧力発生装置。
  2. 【請求項2】 前記内周リブの前記摺動部材との摺接面
    に凹凸部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の
    圧力発生装置。
  3. 【請求項3】 前記凹凸部に、油膜層をコーティングし
    たことを特徴とする請求項2に記載の圧力発生装置。
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