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JP2003189812A - 新規生物系材料およびその製造方法 - Google Patents

新規生物系材料およびその製造方法

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JP2003189812A
JP2003189812A JP2002268206A JP2002268206A JP2003189812A JP 2003189812 A JP2003189812 A JP 2003189812A JP 2002268206 A JP2002268206 A JP 2002268206A JP 2002268206 A JP2002268206 A JP 2002268206A JP 2003189812 A JP2003189812 A JP 2003189812A
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JP
Japan
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treatment
enzyme
biological material
cellulase
amount
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JP2002268206A
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Osahisa Nakano
長久 中野
Naoya Kasai
尚哉 笠井
Shinji Azuma
信治 東
Toshiharu Aoki
壽治 青木
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Osaka Industrial Promotion Organization
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Osaka Industrial Promotion Organization
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 豆類絞り粕を再利用した新規生物系材料を提
供する。 【解決手段】 豆類絞り粕を加熱加圧処理することによ
り、ゲル状の新規生物系材料を調製できる。加熱加圧処
理の後、さらにセルラーゼによる酵素処理や微生物によ
る発酵処理を行えば、より一層液化、ゲル化が促進さ
れ、かつ旨みや風味に優れたものが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、新規生物系材料お
よびその製造方法に関し、詳しくは、おから等の豆類絞
り粕由来の新規生物系材料に関する。
【0002】
【従来の技術】食品産業廃棄物は、その一部が肥料や飼
料等として再利用されているが、大部分は、膨大な費用
をかけて産業廃棄物として廃棄処分されている。特に、
豆腐を製造する際に出る大豆の絞り粕であるおからは、
分解し難い食物繊維を多量に含有するため、再利用の途
が乏しく、日本国内において年間約70万トンが廃棄処
分されている。
【0003】このため、これらの食品産業廃棄物につい
て、有効な再利用が望まれている。前述のおからについ
ては、例えば、特開平6−303940号公報に、おか
らを主原料とする調味料の製造方法が開示されている。
この方法は、まず、おからを、小麦粉等のデンプン質材
料と混合し、この混合物にリゾプス属菌体またはアスペ
ルギルス属菌体を接種することによって、おから麹を調
製する。そして、前記おから麹に、米麹または麦麹を添
加し、続いてラクトバチルス属菌体を添加して発酵させ
る。この発酵処理物に、さらに食塩とチゴサッカロマイ
セス属菌体を添加して、発酵熟成させることによって、
味噌風の調味料を製造するというものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、食品産
業廃棄物の中でも、前記おからのような豆類絞り粕は、
主に、セルロースから構成される細胞壁を含有している
ため、微生物によって処理し難いという問題があった。
また、前述のような方法によっても、味噌風調味料のよ
うに固形粕が残存した状態の製品となるため、その用途
が限られていた。
【0005】そこで、本発明の目的は、豆類絞り粕を利
用した新規生物系材料およびその製造方法の提供であ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、豆類絞り粕由来の新規生物系材料の製造
方法であって、前記豆類絞り粕を加熱加圧処理する方法
である。
【0007】このように、豆類絞り粕を加熱加圧処理す
れば、豆類の細胞がばらばらになり、液状化もしくはゲ
ル状化が可能となる。このように液状化またはゲル状化
となれば、例えば、後述するような酵素処理を行う場合
であっても、酵素が作用し易くなる。また、調味料等の
食品材料、化粧品基材、医薬品基材等として、使用する
ことが可能となるため、本発明によって、豆類絞り粕の
食品廃棄物を有効に再利用することができる。
【0008】本発明においてゲル状とは、全体がゲル状
であるだけでなく、ゲル状物質が含まれた状態のことも
含む。
【0009】なお、加熱加圧処理によって豆類絞り粕の
性状を変化させるという本発明の技術は、例えば、焼酎
やビール等の製造において廃棄される、硬い多糖やタン
パク質を含む醸造絞り粕等にも利用できる。
【0010】本発明において、操作が容易になることか
ら、前記加熱加圧処理を、オートクレーブ、エクストル
ーダーおよび高圧加熱管式反応器を用いて行うことが好
ましい。
【0011】また、本発明の製造方法において、前記加
熱加圧処理に加え、さらに酵素処理を行うことが好まし
い。これによって、例えば、より一層液状化若しくはゲ
ル化を進行できるからである。
【0012】前記酵素処理に使用する酵素としては、例
えば、セルラーゼ、ペプチダーゼ、プロテアーゼ、リパ
ーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ等が使用でき、特に、
食物繊維であるセルロースを効率よく分解できることか
ら、セルラーゼが好ましい。前記セルラーゼとしては、
具体的に、ヘミセルラーゼ、グルカナーゼおよびグルコ
シダーゼ等があげられ、前記ヘミセルラーゼとしては、
例えば、キシラナーゼ等があげられる。
【0013】前記ペクチナーゼとしては、例えば、商品
名PECTINEX ULTRA(ノボノルディクス社製)、商品名PE
CTINEX ULTRA SP-L(ノボノルディクス社製)等が使用
できる。
【0014】前記酵素処理は、一種類の酵素による酵素
処理でもよいが、効率よく分解できることから、二種類
以上の酵素による酵素処理であることが好ましい。二種
類以上の酵素によって酵素処理を行う場合は、例えば、
同時に行ってもよいし、各酵素ごとに処理を行ってもよ
い。
【0015】酵素処理の組合わせとしては、特に制限さ
れず、前記各種酵素によって処理できるが、例えば、セ
ルラーゼ処理、ペクチナーゼ処理、プロテアーゼ処理お
よびリパーゼ処理のうち、少なくとも2以上の処理の組
合わせであることが好ましく、少なくともセルラーゼ処
理を含むことがより好ましい。
【0016】このように二種類以上の酵素処理を行う場
合、具体的には、例えば、以下のような組み合わせと処
理順序とがあげられる。なお、添加順序は、これらには
限定されず、例えば、操作の簡便性等の点から、セルラ
ーゼやペクチナーゼ、さらにプロテアーゼを同時に添加
することもできる。 (1)ペクチナーゼ処理 → プロテアーゼ処理 (2)セルラーゼ処理 → ペクチナーゼ処理 → プロテ
アーゼ処理 (3)セルラーゼ処理 → ペクチナーゼ処理 → プロテ
アーゼ処理→ リパーゼ処理 (4)ペクチナーゼ処理 → セルラーゼ処理 → プロテ
アーゼ処理→ リパーゼ処理
【0017】本発明の製造方法において、さらに発酵処
理を行うことが好ましい。この処理を行うことによっ
て、より一層液状化が進行し、また条件を調整すること
によって粘性の増加やゲル化が可能になり、旨みや風味
もさらに向上するからである。
【0018】この発酵処理は、前記加熱加圧処理後に行
ってもよいし、前記加熱加圧処理および酵素処理を行っ
た後でもよいが、より一層旨みが向上し、かつ液状化が
進行し、また条件を調整することによって粘性の増加や
ゲル化が可能になることから、加熱加圧処理および酵素
処理を行った後に行うことが好ましい。
【0019】前記発酵処理は、特に制限されないが、例
えば、酵母、乳酸菌、糸状菌、細菌等の微生物により行
うことが好ましい。
【0020】前記発酵処理は、よりよい風味をだすため
に、例えば、食品廃棄物を添加してから行ってもよい。
【0021】また、前記発酵処理は、予め、発酵処理物
に塩味をつけるために、例えば、食塩を添加してから行
うことが好ましい。
【0022】前記食塩の添加は、例えば、食塩をそのま
ま添加してもよいし、食塩を含有する食品廃棄物等の添
加により行ってもよい。このように、食塩の添加に食品
廃棄物を使用することによって、さらにコストの低減を
図ることができ、豆類絞り粕だけでなく、他の廃棄物の
有効利用も図れるからである。
【0023】前記食品廃棄物としては、特に制限されな
いが、例えば、梅酢廃液、梅調味料廃液、魚煮汁、肉煮
汁、佃煮加工廃液等の材料が好ましい。
【0024】本発明の製造方法において、さらに後処理
として、滅菌処理、濃縮処理、膜分離処理、乾燥処理等
の処理を行うことが好ましい。前記乾燥処理としては、
例えば、凍結乾燥、減圧乾燥、加熱乾燥等の方法があげ
られる。
【0025】前記後処理は、例えば、加熱加圧処理後、
酵素処理後または発酵処理後のいずれの段階で行っても
よい。また、これらの後処理は、いずれか一種類でもよ
いし、複数の処理を施してもよい。
【0026】本発明の製造方法において、例えば、経済
面で低コスト化が可能であり、環境面で廃棄物処理の有
効利用が図れることから、豆類絞り粕としては、大豆の
絞り粕であるおから等が好ましい。
【0027】このような製造方法によって得られる新規
生物系材料は、例えば、各種アミノ酸、タンパク質、ペ
プチド、糖、脂肪酸、油脂、有機酸等の無機酸等を含有
している。前記アミノ酸としては、例えば、アスパラギ
ン酸、スレオニン、セリン、グリシン、プリン、アラニ
ン、システイン、バリン、メチオニン、イソロイシン、
ロイシン、チロシン、フェニルアラニン、リジン、ヒス
チジン、トリプトファン、アルギニン、グルタミン酸等
があげられる。また、これらの他にイソフラボン等も含
まれている。
【0028】また、前述のような処理を行うことによっ
て得られる前記新規生物系材料は、タンパク質が分解さ
れ、旨み成分の素となるグルタミン酸、アルギニン、ヒ
スチジン等の遊離アミノ酸、ジペプチド、オリゴペプチ
ドや糖等が相対的に増加した組成となる。
【0029】前記新規生物系材料は、その形態がゲル状
であることが好ましい。ゲル状であれば、前述のよう
に、固形分を多量に含む前記従来のおから由来の物質と
異なり、取り扱い性に優れるため、様々な用途に使用で
きる。
【0030】前記ゲル状の新規生物系材料は、加熱融解
ゲルであり、その融点は、例えば、0〜100℃の範囲
であり、好ましくは0〜50℃の範囲であり、より好ま
しくは0〜37℃の範囲である。
【0031】つぎに、本発明の調味料は、前記新規生物
系材料を含むことを特徴とする。前述のような新規生物
系材料は、例えば、取り扱い性に優れることから、様々
な形態の調味料成分として使用できる。したがって、こ
のような材料を含む本発明の調味料は、低コストであ
り、資源の再利用の点からも有用なものである。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の新規生物系材料の製造方
法について、原料としておからを使用する例をあげて説
明する。
【0033】(実施形態1)本実施形態において、前記
新規生物系材料は、例えば、おからに水を添加して、こ
れを加熱加圧処理することによって製造できる。
【0034】おからは、一般に、水につけた大豆を潰し
て加熱処理し、これから豆乳成分を絞った後の絞り粕の
ことを言う。使用するおからの形態としては、特に制限
されず、例えば、豆乳を絞った後の生の状態のおからで
もよいし、脱水したものや乾燥させたものも使用でき
る。
【0035】また、生おからの場合、その割合は、例え
ば、5〜50重量%の範囲であり、好ましくは7.5〜
30重量%の範囲、より好ましくは10〜20重量%の
範囲である。
【0036】加熱加圧処理は、例えば、オートクレー
ブ、エクストルーダー、パイプリアクター等の高圧加熱
管式反応器等の装置を用いて行うことができる。
【0037】加熱加圧処理の条件は、特に制限されない
が、この処理によって豆類の細胞がばらばらになること
が必要であるため、例えば、温度105〜300℃の範
囲、圧力1KPa〜3MPaの範囲、時間5分〜5時間
の範囲であることが好ましく、より好ましくは温度10
5〜200℃の範囲、圧力0.1〜0.3MPaの範
囲、時間5分〜3時間の範囲であり、特に好ましくは温
度105〜121℃の範囲、圧力0.1〜0.3MPa
の範囲、時間5分〜1時間の範囲である。
【0038】このようにして得られる新規生物系材料
は、以下に示すような特性(色調、透明度、液化状態、
粘性)を有している。これらの特性は、全て目視で判断
し、粘性は以下の基準で表わした。なお、後述する実施
形態2および3における新規生物系材料の特性も、合わ
せて下記表1に示す。
【0039】(粘性の基準) − : 粘性なし + : 少し粘性あり ++ : 粘性あり +++ : 高い粘性あり
【0040】 (表1) 色調 透明度 液化 粘性 実施形態1 白茶色 わずかに濁る 殆ど液化しない + 実施形態2 白茶色 白濁 20〜50% +〜++ 実施形態3 薄い茶色 白濁 50〜80% +++ 〜茶色
【0041】具体的には、約0.5gの乾燥おからに水
を7mL添加して、加熱加圧処理した場合、得られる前
記新規生物材料は、例えば、その体積が6〜6.5mL
の範囲であり、常温での粘度が100〜1000(単位
cp)の範囲である。
【0042】前記加熱加圧処理によって得られた新規生
物系材料は、通常、液状化もしくはゲル状化しているた
め、その後の加工等が容易であり、用途の範囲も固形材
料に比べて広いという利点を有している。また、おから
が、ほとんど無味無臭であるのに対し、新規生物系材料
は、旨みがあり、栄養バランスの点においても優れてい
る。このため、前記新規生物系材料は、例えば、調味料
や、健康増進食品材料等として利用することができる。
また、このような食品類への適用には限定されず、例え
ば、カプセル材料、フィルム材料、増粘剤、化粧品基
材、医薬品基材、生分解性プラスチック基材等への利用
も可能である。
【0043】本発明の新規生物系材料である前記加熱加
圧処理物は、さらに、後処理を行ってもよい。このよう
な後処理の方法としては、前述のような、滅菌処理や、
濃縮、乾燥等の加工処理等があげられる。
【0044】前記滅菌処理の方法としては、例えば、加
熱滅菌、ろ過滅菌、紫外線殺菌等の方法があげられる。
前記濃縮方法としては、減圧濃縮、半透膜を用いた濃縮
方法等があげられ、前記乾燥方法としては、例えば、噴
霧乾燥、凍結乾燥、真空乾燥、加熱乾燥等の方法があげ
られる。前記濃縮の程度によって、前記新規生物系材料
のゲルの程度等も調製できる。
【0045】(実施形態2)本発明の新規生物系材料
は、例えば、前記加熱加圧処理物を、さらに酵素処理す
ることによって得られる酵素処理物であってもよい。
【0046】前記酵素としては、例えば、前述のような
各種酵素が使用でき、それらの中でも好ましくはセルラ
ーゼである。セルラーゼとしては、前述のようなものが
使用でき、その中でも好ましくはキシラナーゼ等のヘミ
セルラーゼである。なお、使用する酵素は、一種類で
も、二種類以上を併用してもよい。
【0047】前記酵素の添加量は、特に制限されない
が、例えば、前記加熱加圧処理物の固形分重量2.5g
当たり、0.001〜0.1gの範囲が好ましく、より
好ましくは0.001〜0.05gの範囲であり、特に
好ましくは0.001〜0.1gの範囲である。酵素活
性としては、前記加熱加圧処理物の固形分重量1g当た
り、5〜300Uの範囲が好ましく、より好ましくは5
〜100Uの範囲であり、特に好ましくは5〜50Uの
範囲である。
【0048】また、原料おからの固形分重量1gに対し
ては、例えば、0.001〜0.1gの範囲が好まし
く、より好ましくは0.001〜0.05gの範囲であ
り、特に好ましくは0.001〜0.01gの範囲であ
る。また、酵素量としては、5〜300Uの範囲が好ま
しく、より好ましくは5〜100Uの範囲であり、特に
好ましくは5〜50Uの範囲である。
【0049】反応条件は、例えば、温度0〜70℃の範
囲、時間0.5〜72時間の範囲であり、好ましくは温
度20〜50℃の範囲、時間3〜24時間の範囲であ
り、より好ましく温度30〜40℃の範囲、時間5〜1
5時間の範囲である。
【0050】また、前記酵素処理は、例えば、酵素との
接触面が増加することによって酵素反応が効率良くな
り、分解も促進されることから、攪拌しながら行うこと
が好ましい。攪拌の条件は、特に制限されないが、例え
ば、10〜2000rpmの範囲であり、好ましくは、
600〜1200rpmの範囲である。
【0051】このようにして得られる新規生物系材料の
特性は、前記表1に示すとおりである。
【0052】(実施形態3)本発明の新規生物系材料
は、例えば、前記酵素処理物を、さらに発酵処理するこ
とによって得られる発酵処理物であってもよい。
【0053】前記発酵を行う場合、特に制限されない
が、例えば、前述のような微生物を使用することが好ま
しく、それらの中でも好ましくは酵母、糸状菌であり、
より好ましくは酵母である。なお、微生物の種類は、一
種類でもよいし、二種類以上を併用してもよい。
【0054】発酵処理の温度条件は、例えば、温度5〜
60℃の範囲、好ましくは温度10〜60℃の範囲、よ
り好ましく温度20〜40℃の範囲であり、発酵時間
は、例えば、3日〜6ヶ月の範囲であり、好ましくは1
週間〜3ヶ月の範囲であり、より好ましくは2週間〜1
ヶ月の範囲である。なお、使用する微生物の種類に応じ
て、空気を吹き込み好気的に発酵させてもよい。
【0055】前記微生物の摂取量は、特に制限されない
が、例えば、前記酵素処理物の固形分重量2.5gに当
たり、0.001〜0.1gの範囲が好ましく、より好
ましくは0.001〜0.05gの範囲であり、特に好
ましくは0.001〜0.01gの範囲である。また、
原料おからの固形分重量に対しては、1gに当たり、
0.001〜0.1gの範囲が好ましく、より好ましく
は0.001〜0.05gの範囲であり、特に好ましく
は0.001〜0.01gの範囲である。
【0056】このようにして得られる新規生物系材料の
特性は、前記表1に示すとおりである。
【0057】また、この発酵処理を行う場合、例えば、
塩、塩を含有する食品廃棄物を添加しておくことが好ま
しい。前記食品廃棄物としては、例えば、前述のような
ものが使用できる。
【0058】原料おからに対する食塩の添加割合は、お
からの固形分重量1gに対して、例えば、2〜6gの範
囲であり、好ましくは、3〜5gの範囲であり、より好
ましくは、3.4〜4gの範囲である。
【0059】梅酢廃液とは、梅を食塩に漬け込んだ際に
浸出してくる溶液であり、その塩分量は、通常、約20
重量%程度である。
【0060】原料おからに対する前記梅酢廃液添加割合
は、特に制限されないが、例えば、おから固形分重量1
gに対して、20〜30mLの範囲であることが好まし
く、より好ましくは10〜20mLの範囲であり、特に
好ましくは5〜15mLの範囲である。
【0061】前記食品廃棄物は、例えば、発酵工程前に
添加してもよいし、加熱加圧処理する前から予め添加し
ておいてもよい。
【0062】
【実施例】(実施例1)この実施例は、おからを原料と
して、本発明の新規生物系材料を調製した例である。な
お、得られた新規生物系材料の物性は、以下に示す方法
によって測定した。
【0063】A.加熱加圧処理 乾燥おから(100メッシュ粉末)5g、食塩18gお
よび水77mLを三角フラスコに入れ、この混合物をオ
ートクレーブで加熱加圧処理した。その条件は、121
℃、60分間、0.17MPaとした。得られた処理物
(以下、「処理物A」という)について、以下の各種性
質を調べた。
【0064】(外観・粘性)前記処理物について、外観
の目視試験、SVの測定、粘性の目視試験、粘度(c
p)の測定を行った。これらの結果を下記表2に示す。
なお、SVとは、サンプルを30分間静置分離した後の
スラッジ容積のことである。
【0065】また、後述するセルラーゼ処理物および発
酵処理物の外観・粘性についても併せて、下記表2に示
す。
【0066】 (表2) 処理物A 処理物B 処理物C 外観 淡黄褐色の懸濁液 淡黄褐色の懸濁液 淡褐色の濁り液 SV 70% 20〜30% 10〜20% 粘性 + ++ +++ cp 100〜300 200〜400 500〜1000
【0067】(性状)遠心分離後の上清を室温放置する
と、透明な黄色のゲルとなった。
【0068】(可溶化効果)前記処理物Aを遠心分離し
て(2000G、10分間)、沈殿物(不溶化物)の容
量を測定し、前記処理物におけるおからの可溶化効果を
調べた(以下、同じ)。その結果、加熱加圧処理前にお
ける前記混合物の不溶化物量(体積%)が85%である
のに対し、前記処理物の不溶化物量は、65%であっ
た。
【0069】(含有成分量)全糖量は、グルコースを標
準物質としたフェノール硫酸法、全還元糖の測定は、グ
ルコースを標準物質としたソモギー法、全タンパク質量
は、アルブミンを標準試料としたLowry法によって
測定した(以下、同じ)。また、全ペプチド量は、チロ
シンを標準物質とし、サンプル0.5mL、0.55M
炭酸ナトリウム2.5mLおよびフォーリン・チオカル
トウ試薬1N 0.5mLを混合して、660nmにお
ける吸光度測定により求めた(以下、同じ)。以下に、
その結果を示す。
【0070】 還元糖量 25mg 全糖量 270mg 全タンパク質量 130mg 全ペプチド量 4mg
【0071】B.セルラーゼ処理 前記加熱加圧処理で得られた処理物Aの固形分(重量)
に対し、セルラーゼを0.1重量%となるように添加し
て、酵素反応を行った。反応条件は、pH7、温度30
〜35℃、処理時間12時間であった。得られた酵素処
理物(以下、「処理物B」という)について、以下の各
種性質を調べた。
【0072】(外観・粘性)前記表2に示すとおりであ
る。
【0073】(可溶化効果) 不溶化物量(体積%) 10体積%
【0074】(官能試験)処理物Bを120℃で10分
間加熱滅菌処理し、さらに凍結真空乾燥して得られた粉
末の官能試験を行った。その結果、原料のおから粉末が
ほとんど無味、無臭であったのに対して、前記処理物B
の粉末品は、旨みがあり、かすかにおからの匂いがし
た。
【0075】(含有成分量) 還元糖量 730mg 全糖量 850mg 全タンパク質量 130mg 全ペプチド量 100mg
【0076】C.発酵処理 前記処理物Bに対し、味噌酵母菌(商品名 味噌用酵
母;株式会社ゼオック製)を100ppmとなるように
添加し、30〜35℃で30日間発酵させた。得られた
発酵処理物(以下、「処理物C」という)について、以
下の各種性質を調べた。
【0077】(外観・粘性)前記表2に示すとおりであ
る。
【0078】(性状)処理物を、真空蒸発で1/4体積
量に濃縮すると褐色のゲル状物が得られた。得られたゲ
ル状物に、さらに水を加え2倍(体積)に希釈してもげ
る状態が保持された。なお、ここでいう「ゲル状」と
は、サンプルを入れた試験管を横にした状態であって
も、サンプルが前記試験管から流れ出さずに形態を保持
している状態である。
【0079】(官能試験)前記真空蒸発により得られた
褐色のゲル状物について官能試験を行った。その結果、
前記処理物Bの粉末に比べて、さらに濃い味で、旨みが
増加しており、また、まろやかな味であった。
【0080】(実施例2) A.加熱加圧処理、酵素処理、発酵処理 食塩18gおよび水77mLに代えて、食塩14g、食
塩5gを含有する梅調味廃液43g(38mL)および
水38g(38mL)を使用し、これらと乾燥おから
(100メッシュ粉末)5gとを三角フラスコに入れ、
前記実施例1と同様にして加熱加圧処理、酵素処理およ
び発酵処理を行った。そして、処理物A(加熱加圧処
理)、処理物B(酵素処理)、処理物C(発酵処理)の
それぞれについて、前記実施例1と同様にして各々の性
質を調べた。
【0081】(1)処理物Aの性質 (外観・性状) 薄い褐色の懸濁液
【0082】(可溶化効果) 不溶化物量(体積%) 62体積%
【0083】(2)処理物Bの性質 (可溶化効果) 不溶化物量(体積%) 10体積%
【0084】(官能試験)本実施例の処理Bの粉末品
は、前記実施例1の処理物Bの粉末品よりも、さらに味
が濃いかった。
【0085】(含有成分量) 還元糖量 180mg 全糖量 300mg 全タンパク質量 380mg 全ペプチド量 350mg
【0086】(2)処理物Cの性質 (外観・性状) 薄い褐色のゲル状物質
【0087】(官能試験)処理物Cは、前記処理物Bの
粉末品よりも、さらに味が濃く、わずかに梅の香りがし
た。
【0088】(実施例3)この実施例は、加熱加圧処理
したおからを、さらに様々なセルラーゼで処理し、生物
系材料を調製した例である。
【0089】(セルラーゼ) C1:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)
由来粉末酵素(商品名セルレースナガセ、ナガセナムテ
ックス社製) C2:アスペルギルス ニガー(Aspergillus niger)
由来液体酵素(商品名セルラーゼXL−531、ナガセ
ナムテックス社製) C3:トリコデルマ ビリデ(Tricoderma viride)由
来粉末酵素(商品名ナガセ セルラーゼXL425、ナ
ガセナムテックス社製) C4:トリコデルマ ビリデ(Tricoderma viride)由
来液状酵素(商品名セルラーゼダイワ、大和化成社製) C5:トリコデルマ ビリデ(Tricoderma viride)由
来粉末酵素(商品名セルラーゼダイワ、大和化成社製) 以下、これらの酵素は、C1〜C5と表わす。
【0090】おから乾燥粉末品0.5gに水5mLを添
加して、この混合物をオートクレーブ(イワキ社製;A
CV−3167N)を用いて加熱加圧処理した。処理条
件は、121℃、60分、0.17MPaとした。
【0091】前記混合物を冷却した後、前記各セルラー
ゼを所定の濃度(1重量%、5重量%)となるように添
加して、40℃で15時間静置した。これらの処理物に
ついて、前述と同様の方法により、全糖量、全還元糖
量、全ペプチド量、全タンパク質量、糖鎖長を測定し
た。なお、糖鎖長は、「全糖量/全還元糖量」とした。
これらの結果を下記表3に示す。
【0092】 (表3) 使用した 全糖量 全還元糖量 全ヘ゜フ゜チト゛量 全タンハ゜ク質量 糖鎖長セルラーセ゛ (mg) (mg) (mg) (mg) 酵素無添加 28.81 0.51 0.70 15.45 56.13 C1(1重量%) 47.34 6.35 0.96 21.08 7.45 C1(5重量%) 57.58 20.53 1.21 25.29 2.80 C2(1重量%) 30.95 58.99 1.96 35.02 0.52 C2(5重量%) 84.92 72.64 4.04 62.67 1.17 C3(1重量%) 51.52 10.10 1.17 23.67 5.10 C3(5重量%) 69.72 24.60 1.61 30.91 2.83 C4(1重量%) 78.18 49.78 1.49 33.24 1.57 C4(5重量%) 86.53 65.46 3.27 69.18 1.32 C5(1重量%) 67.98 33.58 1.67 24.06 2.02 C5(5重量%) 77.00 59.21 2.28 38.27 1.30
【0093】前記表3に示すように、おからを加熱加圧
処理した後、セルラーゼ処理することによって、全糖、
還元糖、全ペプチド、タンパク質の量が増加した。この
ことから、例えば、大豆の細胞のセルロースが分解さ
れ、不溶性タンパク質が溶解されたといえる。このた
め、本発明の新規生物系材料は、より一層、旨みや甘み
が増加し、優れた調味料として使用できる。また、この
ように加熱加圧処理およびセルラーゼ処理を施した新規
生物系材料であれば、続いて、発酵処理を容易に行うこ
とも可能になる。
【0094】(実施例4)この実施例は、加熱加圧処理
したおからを、さらにセルラーゼおよびプロテアーゼで
処理し、生物系材料を調製した例である。
【0095】(セルラーゼ)前記実施例と同様のC3を
使用した。
【0096】(プロテアーゼ) P1:ハ゛チルス サフ゛チリス(Bacillus subtillus)由来フ゜ロテ
アーセ゛(商品名プロテアーゼN「アマノ」、アマノエンザ
イム社製) P2:ハ゛チルス ステアロサーモフィラス(Bacillus stearothermoph
ilus)由来フ゜ロテアーセ゛(商品名プロテアーゼS「アマ
ノ」、アマノエンザイム社製) P3:フ゛ロメライン(商品名ブロメラインF、アマノエンザ
イム社製) P4:ハ゜ハ゜イン(商品名パパインW−40、アマノエンザ
イム社製) P5:アスヘ゜ルキ゛ルス メレウス(Aspergillus melleus)由来ヘ
゜フ゜チタ゛ーセ゛(商品名プロテアーゼP「アマノ」3G、ア
マノエンザイム社製) P6:アスヘ゜ルキ゛ルス オリセ゛ー(Aspergillus oryzae)由来ヘ
゜フ゜チタ゛ーセ゛(商品名ウマミザイム、アマノエンザイム社
製) P7:アスヘ゜ルキ゛ルス オリセ゛ー(Aspergillus oryzae)由来フ
゜ロテアーセ゛(商品名プロテアーゼA「アマノ」G、アマノ
エンザイム社製) P8:ハ゛チルス サフ゛チリス(Bacillus subtillus)由来フ゜ロテ
アーセ゛(商品名プロレザーFG−F、アマノエンザイム社
製) P9:アスヘ゜ルキ゛ルス(Aspergillus)由来メタルフ゜ロテアーセ゛(商
品名プロチンFN、大和化成社製) P10:ハ゛チルス(Bacillus)属由来メタルフ゜ロテアーセ゛(商品名
プロチンP、大和化成社製) P11:ハ゛チルス サーモフ゜ロテオリティカス(Bacillus thermoprot
eolytics)由来フ゜ロテアーセ゛(商品名 サモアーゼ、大和化
成社製) P12:ハ゛チルス(Bacillus)属由来セリンフ゜ロテアーセ゛(商品名
プロチンA、大和化成社製) P13:ハ゛チルス(Bacillus)由来セリンフ゜ロテアーセ゛(商品名プ
ロチンAC10F、大和化成社製) 以下、これらの酵素は、P1〜P12と表わす。
【0097】おから乾燥粉末品0.5gに水5mLを添
加して、この混合物を前記実施例4と同様の条件で加熱
加圧処理した。そして、前記混合物を冷却し、前記セル
ラーゼをおからに対して5重量%、前記プロテアーゼを
1重量%となるように添加して、40℃で15時間静置
した。これらの処理物について、前述と同様にして全糖
量、全還元糖量、全ペプチド量、全タンパク質量を測定
した。これらの結果を下記表4に示す。また、各処理物
についての官能試験(味、匂い)を行った結果を下記表
5に示す。
【0098】 (表4) 使用した 全糖量 全還元糖量 全ヘ゜フ゜チト゛量 全タンハ゜ク質量セルラーセ゛・フ゜ロテアーセ゛ (mg) (mg) (mg) (mg) 酵素無添加 34.1 0.50 0.8 18.8 C3 66.7 26.0 1.5 31.2 C3+P1 72.4 32.0 2.0 39.0 C3+P2 63.2 28.0 1.9 39.4 C3+P3 63.5 26.0 1.9 38.9 C3+P4 62.1 25.0 1.7 34.7 C3+P5 68.0 36.0 2.5 38.5 C3+P6 74.5 58.0 2.5 35.5 C3+P7 75.0 44.0 2.4 37.6 C3+P8 62.7 49.0 2.4 49.5 C3+P9 72.7 49.0 2.4 39.8 C3+P10 71.3 34.0 2.5 36.5 C3+P11 73.2 46.0 2.2 47.7 C3+P12 65.7 30.0 1.9 39.0 C3+P13 67.9 33.0 2.2 43.9
【0099】 (表5)セルラーセ゛・フ゜ロテアーセ゛ 官能評価 酵素無添加 味なし C3 苦みあり。少し甘みあり C3+P1 味がうすい C3+P2 少し苦みあり。味薄い C3+P3 苦みあり。味薄い C3+P4 苦みあり C3+P6 少し刺激臭 C3+P7 苦みあり C3+P8 旨みあり C3+P9 味がうすい C3+P10 味がうすい C3+P11 少し苦みあり C3+P12 味はうすいが、非常に旨みがあり C3+P13 少し塩味あり
【0100】前記表4に示すように、加熱加圧処理した
処理物を、セルラーゼだけでなくプロテアーゼとも反応
させることによって、還元糖が増加し、また、タンパク
質成分が消化された。これによって、味に甘みが出て、
味が強くなり、匂いも強くなった。特に、「C3+P
7」、「C3+P9」および「C3+P12」は、官能
試験によって、優れた結果が得られた、
【0101】(実施例5)この実施例は、おからを加熱
加圧処理および酵素処理し、さらに発酵処理することに
よって生物系材料を調製した例である。
【0102】おから乾燥粉末品5gに水、または梅酢廃
液(塩分20重量%)と水とを添加し、全量100mL
とした。なお、前記梅酢廃液は、50体積%となるよう
に添加した。
【0103】この混合物を前記実施例5と同様の条件で
加熱加圧処理した後、前記混合物を冷却し、前記セルラ
ーゼをおからに対して5重量%、前記プロテアーゼを1
重量%、酵母を0.1重量%となるように添加して、3
0℃で7日間静置した。これらの処理物について、前述
と同様にして、全糖量、全還元糖量、全ペプチド量、全
タンパク質量を測定した。これらの結果を下記表6に示
す。また、これらの処理物についての官能試験(味、匂
い)についての結果を下記表7に示す。
【0104】 (表6) 全糖量 全還元糖量 全ヘ゜フ゜チト゛量 全タンハ゜ク質量 (mg) (mg) (mg) (mg) フ゛ランク 0.8 0.00 0.1 2.0 梅+酵素無添加+Y 27.9 447.7 1030.8 1891.0 梅+酵素無添加+Y 28.0 443.7 1048.3 1903.7 梅+C3+P6+Y 36.6 646.5 1040.5 2254.4 梅+C3+P6+Y 37.9 647.0 1035.5 2238.9 梅+C3+P8+Y 29.6 533.8 1043.3 2021.7 梅+C3+P8+Y 29.7 582.2 1055.0 2053.6 梅+C3+P12+Y 25.7 410.2 1031.7 1970.9 梅+C3+P12+Y 25.7 445.2 1002.4 2129.5 酵素無添加+Y 9.4 264.7 6.6 413.7 酵素無添加+Y 10.1 230.0 6.4 426.0 C3+P6+Y 29.4 447.5 712.6 762.8 C3+P6+Y 29.0 421.8 717.7 749.6 C3+P8+Y 25.4 471.3 394.9 700.9 C3+P8+Y 27.8 525.2 405.3 704.0 C3+P12+Y 16.1 366.7 119.3 667.0 C3+P12+Y 16.1 347.7 117.2 653.4
【0105】 (表7) 官能評価 フ゛ランク 味なし 梅+酵素無添加+Y 味がうすい 梅+酵素無添加+Y 酸い味あり 梅+C3+P8+Y 苦みあり 梅+C3+P8+Y 苦みあり。味がうすい 梅+C3+P12+Y 旨みあり。味が濃い。 酵素無添加+Y 旨みあり。 C3+P8+Y 苦みあり C3+P8+Y 塩味あり
【0106】前記表6に示すように、加熱加圧処理およ
び酵素処理した処理物を、さらに発酵処理することによ
って、おから特有の匂いがなくなり、わずかに味噌や醤
油様の発酵臭がした。さらに、梅酢廃液の存在下で処理
することによって、より一層、おからの匂いがなくな
り、梅酢の甘酸っぱい、まろやかな味になった。
【0107】(実施例6および比較例1)乾燥重量1g
のおからに10倍量(重量)の水を加えて加熱加圧処理
を行った。処理条件は、121℃、60分間、0.17
MPaとした。
【0108】そして、得られた前記処理物に、さらにセ
ルラーゼ(商品名セルラーゼダイワ;大和化成社製)2
0μL(20U)を添加して、pH5.0に調整し、4
0℃で一晩放置した。ここで得られた酵素処理物を、実
施例Aとした。
【0109】一方、比較例としては、加熱加圧処理およ
びセルラーゼ処理のいずれも行わなずに、水を加えたお
からを100℃で熱処理のみ行ったものを比較例Aとし
た。また、同じ方法により再度処理物を調整し、得られ
たものを処理物B(比較例B)とした。また、前記比較
例Aと同様に熱処理を行った後、実施例Aと同様にセル
ラーゼを行ったものを比較例Cとした。
【0110】そして、これらのサンプルについて、おか
ら1g当たりの還元糖量および全糖量および溶解タンパ
ク質量、残存不溶物量を測定した。これらの結果を下記
表8に示す。なお、前記還元糖量、全糖量、タンパク質
量、残存不溶化物量は、前述と同様にして測定した。
【0111】また、得られた前記サンプルをPAS染色
して、顕微鏡観察を行った(倍率400倍)。
【0112】これらの顕微鏡写真の結果を、図1〜3に
示す。図1は、実施例A、図2は比較例Bおよび図3は
比較例Cの結果である。なお、顕微鏡観察において、染
色した部分は、多糖類である。
【0113】 (表8) 比較例A 比較例B 比較例C 実施例A 加熱加圧処理 − − − +セルラーセ゛処理 − − + + 還元糖量(mg/g) 0.66 2.0 29.0 56.3 全糖量(mg/g) 31.6 36.0 123.0 208.0 溶解タンハ゜ク質(mg/g) 48.0 60.0 81 68 残存不溶物(重量%) 51 30
【0114】まず、前記表8に示すように、加熱加圧処
理を行っていない比較例に比べて、加熱加圧処理および
セルラーゼ処理した実施例は、還元糖および全糖量およ
び溶解タンパク質の量が増加した。また、熱処理および
セルラーゼ処理した比較例Cに比べても、還元糖および
全糖量は増加した。これは、単にセルラーゼを添加して
も、おからの繊維質は部分的にしか分解されないが、加
熱加圧処理することによって、溶解する繊維質が増加
し、さらにセルラーゼで処理することによって、より一
層分解が進むためと考えられる。
【0115】また、顕微鏡観察の結果、比較例Aは、鋭
利なカット面を持つ大豆細胞の集合体が観察され、図2
の比較例Bは、鋭利なカット面を持つ、膨潤した鋭利な
カット面を持つ大豆細胞の集合体が観察され、図3の比
較例Cでは、大豆細胞の分解物と鋭利なカットを持つ大
豆細胞の集合体が観察された。これに対して、図1の実
施例Aにおいては、大豆細胞が分解され、大豆細胞内の
オイルボディ、油脂や二次細胞壁が観察された。
【0116】具体的には、比較例Bは、図2に示すよう
に多糖類が分解せずに塊のまま残っており、セルラーゼ
処理した比較例Cにおいても、図3に示すように、染色
された多糖類の塊と、染色されていない細胞の塊が残っ
ていた。これに対して、図1に示す実施例Aについて
は、染色される多糖類部分が分解消去されているだけで
なく、比較例において見られた染色されない細胞の塊も
分解されていた。
【0117】(実施例7) A.加熱加圧処理 生おから2gおよび蒸留水6mlを混合し、121℃、
20分間、0.17MPa(1.2気圧)の条件でオー
トクレーブすることによって加熱加圧処理を行った。こ
の処理物を遠心分離(2000Xg(3000rpm)、10
分間)し、上清と沈殿とに分離した。
【0118】B.セルラーゼ処理 前記回収した沈殿に、水14mlと、前記沈殿の100
分の1重量のセルラーゼ(4mg;80U))とを添加
し、スターラーで攪拌しながら40℃で一晩(16時
間)放置した。そして、再度遠心分離(2000Xg
(3000rpm)、10分間)によって、上清と沈殿とを分
離し、前記沈殿を水2回洗浄した。なお、セルラーゼと
しては、粉末の商品名セルラーゼダイワP(ダイワ化成
社製)を使用した。
【0119】C.ペクチナーゼ処理 前記セルラーゼ処理後に回収した沈殿に水10mlを添
加し、この容量の1/100量のペクチナーゼ10μL
(26U)とを添加し、スターラーで攪拌しながら40
℃で一晩(16時間)放置した。そして、再度遠心分離
(2000Xg(3000rpm)、10分間)によって、上
清と沈殿とを分離した。なお、ペクチナーゼとしては、
液体の商品名PECTINEX ULTRA(ノボノルディクス社製)
を使用した。
【0120】(乾燥重量)前記ペクチナーゼ処理後の回
収した沈殿を乾燥させて、その乾燥重量(Wa)を測定
した。一方、未処理の同じ生おから2gを乾燥させて、
その乾燥重量(Wb)を測定した。そして、WaからW
bを差引いた重量を可溶化分解量とした(Wb−W
a)。その結果、生おからの重量のうち13〜15重量
%が未分解残渣として残り、85〜87重量%が酵素処
理によって可溶化された。前記実施例6では、ように、
加熱加圧処理とセルラーゼ処理とを行った前記実施例6
では、前記表7に示すように残存不溶物は、30重量%
であったが、本実施例ではさらにペクチナーゼ処理を組
合わせたことによって、残存不溶物がより一層軽減でき
たといえる。
【0121】(顕微鏡観察)前記ペクチナーゼ処理後の
回収した沈殿を、光学顕微鏡によって観察した。その結
果、おから製造時に破壊されずに残った大豆細胞中に存
在するオイルボディーが確認された。また、加熱加圧処
理およびセルラーゼ処理を行った実施例6の顕微鏡観察
で見られた二次細胞壁が、さらにペクチナーゼ処理を組
合わせた本実施例においては確認されず、溶解されたこ
とがわかった。
【0122】(油分重量)前記ペクチナーゼ処理後の回
収した沈殿10mgにヘキサン1mlを添加して常温で
油分の抽出を3回行い、さらにヘキサンがなくなるまで
減圧濃縮した。そして、この濃縮物を大豆油とし、その
重量を測定した結果、3mgであった。一方、抽出後の
残渣は7mgであった。このことから、ペクチナーゼ処
理後の沈殿における油脂含量は30重量%であることが
わかった。
【0123】(タンパク質測定)前記ペクチナーゼ処理
後の回収した沈殿のうち10mgに1N NaOH 1m
lを添加し、沸騰浴中で10分間加熱した。その後、遠
心処理(2000Xg、5分間)して上清を回収し、ロ
ーリー法によってタンパク質を定量した。その結果、タ
ンパク質量は4.9mg(ウシ血清アルブミン換算)で
あった。
【0124】(糖質測定)同様に、前記ペクチナーゼ処
理後の回収した沈殿のうち10mgに2N HCl 1m
lを添加し、沸騰浴中で2.5時間加熱した。その後、
遠心処理(2000Xg、5分間)して上清を回収し、
フェノール硫酸法によって糖質を定量した結果、糖質は
14mgであった。
【0125】(成分分析)前記セルラーゼ処理後の回収
した沈殿(図1参照)に1N NaOHを添加して、1
00℃で10分間煮沸し、冷却した後、商品名TOYO
−PEARL HW−50(東ソー社製)によりゲル濾
過を行った。そして、その溶出画分について検討した結
果、主成分は、蛋白質、中性糖およびウロン酸から構成
される約700KDaの高分子成分であることがわかっ
た。
【0126】以上のように、前記ペクチナーゼ処理後の
回収した沈殿の組成は、油脂30%、タンパク質49
%、糖質14%、その他7%であった。そして、残存不
溶物の結果や、顕微鏡観察の結果から、加熱加圧処理お
よびセルラーゼ処理に、さらにペクチナーゼ処理を組合
わせることによって、より一層分解が促進されることが
わかった。
【0127】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法によれ
ば、食品廃棄物である豆類絞り粕を有効に再利用し、様
々な用途に適用可能な新規生物系材料を調製できる。前
記新規生物系材料は、例えば、加熱加圧処理を施すこと
によってゲル化が進行するため、例えば、調味料などの
食品だけでなく、この他にも増粘剤、フィルム材料、化
粧品基材等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の新規生物系材料の一実施例を示す顕微
鏡写真である。
【図2】比較例におけるおから処理物の顕微鏡写真であ
る。
【図3】比較例におけるおから処理物の顕微鏡写真であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笠井 尚哉 大阪府堺市学園町1番1号 大阪府立大学 内 (72)発明者 東 信治 大阪府大阪市淀川区宮原4丁目4番63号 新大阪千代田ビル別館8階 株式会社バー ネット・インターナショナル内 (72)発明者 青木 壽治 大阪府大阪市淀川区宮原4丁目4番63号 新大阪千代田ビル別館8階 株式会社バー ネット・インターナショナル内 Fターム(参考) 4B020 LB24 LC08 LG07 LK01 LK19 LP03 LP18 4B047 LB06 LB07 LG03 LG40 LG58 LG59 LP05 LP18 LP19

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 豆類絞り粕由来の新規生物系材料の製造
    方法であって、前記豆類絞り粕を加熱加圧処理する製造
    方法。
  2. 【請求項2】 加熱温度が、温度105〜300℃の範
    囲である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 加熱加圧処理を、オートクレーブ、エク
    ストルーダーおよび高圧加熱管式反応器からなる群から
    選択された少なくとも一つの機器を用いて行う請求項1
    または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 さらに酵素処理を行う請求項1〜3のい
    ずれか一項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 酵素処理を攪拌しながら行う請求項4記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】 二種類以上の酵素によって酵素処理を行
    う請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 酵素が、セルラーゼ、ペプチダーゼ、プ
    ロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼおよびペクチナーゼ
    からなる群から選択された少なくとも一つの酵素である
    請求項4〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 セルラーゼが、ヘミセルラーゼ、グルカ
    ナーゼおよびグルコシダーゼからなる群から選択された
    少なくとも一つを含む請求項7記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 ヘミセルラーゼが、キシラナーゼである
    請求項8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 酵素処理が、セルラーゼ処理、ペクチ
    ナーゼ処理、プロテアーゼ処理およびリパーゼ処理のう
    ち、少なくとも2以上の処理の組合わせである請求項6
    記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 ペクチナーゼ処理の後、さらにプロテ
    アーゼ処理を行う請求項10記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 さらに発酵処理を行う請求項1〜11
    のいずれか一項に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 酵母、乳酸菌、糸状菌および細菌から
    なる群から選択された少なくとも一つの微生物により発
    酵処理を行う請求項12記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 食塩を添加してから、発酵処理を行う
    請求項12または13記載の製造方法。
  15. 【請求項15】 食塩を含有する食品廃棄物の添加によ
    り、食塩を添加する請求項14記載の製造方法。
  16. 【請求項16】 食塩を含有する食品廃棄物が、梅酢廃
    液、梅調味廃液、魚煮汁、肉煮汁および佃煮加工廃液か
    らなる群から選択された少なくとも一つの材料である請
    求項15記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 さらに後処理として、滅菌処理、濃縮
    処理、膜分離処理および乾燥処理からなる群から選択さ
    れた少なくとも一つの処理を行う請求項1〜16のいず
    れか一項に記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 乾燥処理が、凍結乾燥処理、減圧乾燥
    処理および加熱乾燥処理からなる群から選択された少な
    くとも一つの処理である請求項17記載の製造方法。
  19. 【請求項19】 豆類絞り粕が、おからである請求項1
    〜18のいずれか一項に記載の製造方法。
  20. 【請求項20】 請求項1〜19のいずれか一項に記載
    の製造方法により製造された豆類絞り粕由来の新規生物
    系材料。
  21. 【請求項21】 その形態がゲル状である請求項20記
    載の新規生物系材料。
  22. 【請求項22】 請求項20または21記載の新規生物
    系材料を含む調味料。
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