JP2003183306A - 重合体組成物の製造方法 - Google Patents
重合体組成物の製造方法Info
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Abstract
能、耐ゲル性に優れた高純度で低分子量の水溶性重合体
組成物。 【解決手段】 非リン系連鎖移動剤を用い、重合開始剤
の供給終了を、単量体の供給終了時点よりも5〜120
分間遅くすることを特徴とする(メタ)アクリル酸
(塩)系の水溶性重合体組成物の製造方法。 【効果】 得られた重量平均分子量が500〜5000
0で分散度が1.2〜4.0の低分子量の(メタ)アク
リル酸(塩)系水溶性重合体組成物を洗剤ビルダーや洗
剤として用いる場合に、残存単量体を水溶性重合体組成
物固形分あたり1000質量ppm以下に低減できるた
め、衣類の傷み、人の肌(皮膚)への影響も無く製品の
安全性を格段に高めることができ、また生活排水として
排出しても、河川の水を富栄養化することがなく、地球
環境に悪影響を及ぼすこともない。
Description
低く、分散能、キレート能、耐ゲル性等の諸特性に優れ
た水溶性重合体組成物の製造方法、これにより得られる
水溶性重合体組成物並びにその用途に関するものであ
る。
ン酸などの水溶性重合体組成物のうち、低分子量のもの
は、洗剤ビルダー、洗剤組成物、あるいは無機顔料や金
属イオンなどの分散剤やスケール防止剤などに好適に用
いられている。このような低分子量の水溶性重合体組成
物を得る方法としては、たとえば、特開平11−315
115号公報等に開示されている方法など多くの方法が
知られている。
表される従来公知の製法方法では、1種または2種以上
の水溶性の単量体成分、さらには開始剤や連鎖移動剤な
どの添加剤成分を、反応系内に予め仕込み(単に、初期
仕込みといもいう)重合温度まで加熱しておいた溶媒に
所定時間かけてそれぞれ連続的に滴下し、その後、さら
に一定の時間(熟成時間)をかけて重合を完結するとい
うものである。
15号公報に代表される従来公知の製法方法において
は、熟成時間をかけて重合を完結させているにもかかわ
らず、得られる重合体組成物中に単量体成分が1500
質量ppm程度残存してしまうものであった。そのた
め、こうした残存単量体成分ないし該残存単量体成分に
起因して生成される不純物により、得られる重合体組成
物の持つ優れた分散能、キレート能、耐ゲル性等の性能
および品質を損なうおそれがあった。
した重合体組成物を使用した洗剤等においては、最終的
には、衣類の汚れが完全に落ちて、まるで新品と同様の
洗いあがりになるように、より一層の高性能化、高品質
化が開発の重要なテーマになっている。さらに最近で
は、安全性に優れ、地球環境に配慮したエコロジーな製
品がより一層強く求められており、使用に際し、人の肌
(皮膚)に触れても安全で害が無く、また使用後に環境
汚染源となる化学物質を含まないものが消費者に好んで
選ばれる時代になってきている。そのため、こうした重
合体組成物を、洗剤ビルダーや洗剤組成物、あるいは無
機顔料や金属イオンなどの分散剤やスケール防止剤など
の用途に用いる場合、不純物として残存する単量体成分
の濃度が、安全上問題とならない1000質量ppm以
下の安全基準にまで低減され、また生活排水として河川
に排出されても、河川の水を富栄養化することもなく地
球環境にやさしく安全な重合体組成物が求められてい
る。
は、上記問題点に鑑み、残存単量体成分を低減してな
る、分散能、キレート能、耐ゲル性に優れた高性能で高
純度な低分子量の水溶性重合体組成物を製造する方法、
この製造方法により得られる水溶性重合体組成物、さら
にこれを用いた用途を提供するものである。
み、環境汚染源となる化学物質を含まず、地球環境にや
さしく安全な重合体組成物であって、かつ分散能、キレ
ート能、耐ゲル性に優れた高性能で高純度な低分子量の
水溶性重合体組成物を製造する方法、この製造方法によ
り得られる水溶性重合体組成物、さらにこれを用いた用
途を提供するものである。
を達成すべく、低分子量の重合体組成物、特に水溶性重
合体組成物の製造方法につき鋭意検討した結果、重合に
用いる重合用組成物の各成分ごとに供給終了時点を変化
させることで、得られる重合体組成物中に残存する単量
体成分の濃度にも影響する場合があることを見出し、か
かる知見に基づき、本発明を完成するに至ったものであ
る。
(8)の重合体組成物の製造方法、その製造方法により
得られる水溶性重合体組成物、さらにこれを用いた用途
により達成されるものである。
量体の供給終了時点よりも遅くすることを特徴とする水
溶性重合体組成物の製造方法。
量体の供給終了時点よりも5〜120分間遅くすること
を特徴とする上記(1)に記載の製造方法。
を特徴とする上記(1)または(2)に記載の製造方
法。
(メタ)アクリル酸(塩)であることを特徴とする上記
(1)〜(3)のいずれか1つに記載の製造方法。
つに記載の製造方法により得られる水溶性重合体組成物
であって、該水溶性重合体組成物中の残存単量体濃度
が、水溶性重合体組成物固形分あたり1000質量pp
m以下であることを特徴とする水溶性重合体組成物。
000であることを特徴とする上記(5)に記載の水溶
性重合体組成物。
水溶性重合体組成物を含有することを特徴とする洗剤ビ
ルダー。
記水溶性重合体組成物を含有することを特徴とする洗剤
組成物。
の製造方法は、重合開始剤の供給終了時点を、単量体の
供給終了時点よりも遅くすることを特徴とするものであ
る。
物中に残存する単量体成分濃度を低減することができる
ものである。
造方法を製造工程に沿って説明する。
法では、重合の際に用いる重合用組成物として、単量体
成分のほか、溶剤、重合開始剤、連鎖移動剤、多価金属
イオン等が必要に応じて、適宜用いられるものである。
以下、各成分ごとに説明する。
ことのできる単量体成分としては、特に制限されるべき
ものではなく、水溶性重合体組成物の種類に応じて適宜
決定されるべきものである。水溶性重合体組成物の製造
に用いられる単量体成分の例としては、以下の〜に
示すものが挙げられる。
クリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン
酸、α−ヒドロキシアクリル酸等のモノエチレン性不飽
和モノカルボン酸系単量体、マレイン酸、イタコン酸、
メサコン酸、フマル酸、シトラコン酸等のモノエチレン
性不飽和ジカルボン酸系単量体、これらの塩および無水
物が挙げられる。
塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩
等のアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、モノエタノ
ールアミン塩、トリエタノールアミン塩等の有機アミン
塩等が挙げられ、これらは単独で使用されるか、併用さ
れる。以下では、これらを単に塩とのみ表記することが
ある。
アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、ビニ
ルスルホン酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン
酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メ
チルプロパンスルホン酸、スルホエチル(メタ)アクリ
レート、スルホプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒ
ドロキシ−3−ブテンスルホン酸等のモノエチレン性不
飽和スルホン酸系単量体およびこれらの塩が挙げられ
る。
−2−ブテン−1−オール(以下、プレノールともい
う)、3−メチル−3−ブテン−1−オール(以下、イ
ソプレノールともいう)、2−メチル−3−ブテン−2
−オール(以下、イソプレンアルコールともいう)、2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレン
グリコールモノイソプレノールエーテル、ビニルアルコ
ール等のモノエチレン性不飽和水酸基含有系単量体が挙
げられる。
ミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド等のアミド系
単量体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等のカチ
オン性単量体、(メタ)アクリルアミドメタンホスホン
酸等の含リン単量体が挙げられる。
か、併用される。共重合体を得る場合は、必要に応じ、
得られる重合体組成物の水溶性を損なわない範囲で、酢
酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等の疎水性単量
体を併用してもよい。
て、無機顔料分散剤、スケール防止剤、キレート剤、洗
剤組成物、繊維処理剤、木材パルプ漂白助剤等の用途に
用いる場合、それぞれの使用目的に応じて、その他の重
合体組成物原料を配合する。
も、単量体成分全量を100mol%とする。
以上、より好ましくは80mol%以上、最も好ましく
は100mol%用いる。ここで、単量体が50mo
l%未満の場合には、特に洗剤ビルダーとしての分散性
能、キレート性能が低下するので好ましくない。単量体
の中では、分散性能、キレート性能の点から、(メ
タ)アクリル酸(塩)、マレイン酸(塩)およびこれら
の無水物が特に好ましい。アクリル酸(塩)/マレイン
酸(塩)共重合体の場合、両単量体のモル比は30〜7
0/70〜30が好ましい。両単量体のモル比がこの範
囲を外れる場合には、特に洗剤ビルダーとしての分散性
能、キレート性能が低下するので好ましくない。なお、
当該(a)の配合例では、上記単量体以外の成分およ
びその配合比率については、特に制限されるものではな
く、例えば、上記単量体〜を適当な配合比率にて適
宜組み合わせて用いてもよいし、さらに他の成分、例え
ば、疎水性の単量体成分などを加えて適当な配合比率に
て適宜組み合わせて用いてもよい。
体を30mol%以下で含む配合である。単量体、
の合計で80mol%以上が好ましく、100mol
%がより好ましい。上記ここで、単量体が50mol
%未満の場合には、特に洗剤ビルダーとしての分散性
能、キレート性能が低下するので好ましくない。また、
単量体が30mol%を超える場合には、耐ゲル化性
能は向上するが、分散性能、キレート性能が低下するの
で好ましくない。さらに単量体、の合計が80mo
l%未満の場合には分散性能、キレート性能、耐ゲル化
性能が低下するので好ましくない。この場合、分散性
能、キレート性能、耐ゲル化性能の点から、単量体の
中では、(メタ)アクリル酸(塩)、マレイン酸(塩)
または無水物が、単量体の中では3−アリロキシ−2
−ヒドロキシプロパンスルホン酸(塩)、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸(塩)、スルホ
エチル(メタ)アクリレート(塩)が特に好ましい。な
お、当該(b)の配合例でも、上記単量体、以外の
成分およびその配合比率については、特に制限されるも
のではなく、例えば、上記単量体〜を適当な配合比
率にて適宜組み合わせて用いてもよいし、さらに他の成
分、例えば、疎水性の単量体成分などを加えて適当な配
合比率にて適宜組み合わせて用いてもよい。
形態としては、制限されるものではなく、後述する溶
媒、好ましくは水に溶解して単量体溶液、好ましくは水
溶液の形態で供給するのが望ましいが、単量体成分の
み、すなわち、無溶媒の形態で供給してもよい。
ては、各単量体成分の種類等により異なるが、単量体
溶液の濃度としては、20〜100質量%、好ましくは
30〜100質量%、より好ましくは40〜80質量%
である。ここで、単量体溶液の濃度が20質量%未満
の場合には、製品の濃度が低下してしまい、輸送および
保管が繁雑となる。一方、上限については特に制限され
るべきものではない。また、単量体溶液の濃度として
は、20〜100質量%、好ましくは30〜100質量
%、より好ましくは40〜80質量%である。ここで、
単量体溶液の濃度が20質量%未満の場合には、製品
の濃度が低下してしまい、輸送および保管が繁雑とな
る。一方、上限については特に制限されるべきものでは
ない。さらに、単量体溶液の濃度としては、20〜1
00質量%、好ましくは30〜100質量%、より好ま
しくは40〜80質量%である。ここで、単量体溶液
の濃度が20質量%未満の場合には、製品の濃度が低下
してしまい、輸送および保管が繁雑となる。上限につい
ては特に制限されるべきものではない。さらに、単量体
溶液の濃度としては、20〜100質量%、好ましく
は30〜100質量%、より好ましくは40〜80質量
%である。ここで、単量体溶液の濃度が20質量%未
満の場合には、製品の濃度が低下してしまい、輸送およ
び保管が繁雑となる。上限については特に制限されるべ
きものではない。また、これらを併用する場合であっ
て、予め混合して添加する場合の単量体混合物の濃度
は、上記各単量体の濃度に基づいて適宜決定すればよ
い。
は、反応系内に適当な供給経路を通じて供給、好ましく
は連続的に滴下する方法が好ましい。反応系内への供給
方式としては、滴下方式以外にも、流下、噴霧、吹出な
ど如何なる方式であってもよい。また、単量体成分が2
種以上の場合には、別々の供給経路を通じてそれぞれの
単量体成分を供給、好ましくは連続的に滴下するのが望
ましいが、別々の供給経路を途中で合流させ、各単量体
成分を混合して反応系内に供給、好ましくは連続的に滴
下するようにしてもよし、供給元の貯蔵部内で予め各単
量体成分を混合して1つの供給経路を通じて供給するよ
うにしてもよい。
て、反応系内に連続的に滴下する量を全単量体成分使用
量の50質量%以上とすることが好ましく、80質量%
以上とすることがより好ましく、100質量%とするこ
とが最も好ましい。連続的に滴下する量が全単量体成分
使用量の50質量%未満であっても、本発明の範囲を外
れるものではないが、得られる重合体の分子量分布はブ
ロードになり、分散性能、キレート性能等が低下するこ
とになる。なお、全単量体成分使用量を連続的に滴下し
ない場合とは、単量体成分の一部を何度かに分けて断続
的に供給、滴下する場合、あるいは単量体成分の一部を
重合初期に反応系内に仕込んでおく場合などが挙げられ
る。
が、水、メタノール、エタノール、イソプロパノールな
どの水性の溶媒であることが好ましく、特に、イオン交
換水、蒸留水などの新鮮水が好ましい。水を用いる場合
でも、単量体の溶媒ヘの溶解を良くするために、重合に
悪影響を及ぼさない範囲で水に有機溶媒を適宜加えるこ
とがある。重合に悪影響を及ぼさない範囲で水に有機溶
媒を加える場合には、水の比率が40質量%以上、好ま
しくは60質量%以上、より好ましくは80質量%であ
る。なお、新鮮水とは、上水、イオン交換水、蒸留水を
いう。
ル、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アル
コール類;アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケ
トン等の低級ケトン類;ジメチルエーテル、ジエチルエ
ーテル、ジオキサン等のエーテル類;ジメチルホルムア
ルデヒド等のアミド類;等が挙げられ、これらは単独で
用いられるか、併用される。
量に対して25〜900質量%、好ましくは25〜40
0質量%、より好ましくは60〜400質量%の範囲で
ある。該溶媒の使用量が25質量%未満の場合には、重
合濃度が高くなり、得られる重合体の分子量分布がブロ
ードとなる。さらに、重合体の粘度が高くなり取り扱い
が困難となる。一方、該溶媒の使用量が900質量%を
超える場合には、重合濃度が低くなるため、重合後に溶
剤のカット等の操作等が必要となり好ましくない。
媒の多くまたは全量を重合初期に反応系内に仕込んでお
けばよいが、溶媒の一部については、単独で重合中に反
応系内に溶媒用の供給経路を通じて適当に供給、好まし
くは連続的に滴下するようにしてもよいし、あるいは単
量体成分、開始剤成分、連鎖移動剤、その他の添加剤を
予め溶媒に溶解させた形で、これらの成分と共に重合中
に反応系内に適当に添加するようにしてもよい。
されないが、ラジカル重合開始剤が好ましい。過酸化水
素、過硫酸塩またはこれらの併用が特に好ましい。
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム
等の過硫酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロ
パン)塩酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノパレリ
ン酸、アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)
等のアゾ系化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイ
ル、過酢酸、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒ
ドロパーオキサイド等の有機過酸化物、及び過酸化水素
が挙げられる。これらの中では、取り扱い易さ、経済面
の観点から過硫酸塩が好ましく、末端や側鎖にスルホン
酸基を定量的に導入し、分散能やキレート能に加えて耐
ゲル性にも優れた低分子量の水溶性重合体組成物が得ら
れる点から、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過
硫酸ナトリウム等の過硫酸塩や過酸化水素が好ましい。
これらは、単独で用いられるか、併用される。
が、単量体1molあたり0.1g〜10gが好まし
く、1〜8gがより好ましい。重合開始剤の使用量が単
量体1molあたり0.1gより少ない場合には、本発
明の製造方法の特徴である重合開始剤の供給時間を単量
体の供給時間よりも長くすることによってもなお、得ら
れる重合体組成物中の残存単量体濃度を有効かつ効果的
に低減するのが困難な場合がある。一方、重合開始剤の
使用量が単量体1molあたり10gを越えると、もは
や重合開始剤の添加効果はあまり向上せず、却って経済
的に不利である。また、重合開始剤量が多い分、得られ
る重合体組成物の純分量が低下するとも言える。
るものではなく、上記溶媒に溶解して重合開始剤溶液の
形態で供給するのが望ましいが、重合開始剤のみ、すな
わち、無溶媒の形態で供給してもよい。
としては、5〜100質量%、好ましくは5〜80質量
%、より好ましくは5〜70質量%である。ここで、重
合開始剤溶液の濃度が5質量%未満の場合には、得られ
る重合体の濃度が低下するため好ましくない。一方、上
限については特に制限されるべきものではない。
は、特に限定はされないが、反応系内に重合開始剤用の
供給経路を通じて供給、好ましくは連続的に滴下する方
法が好ましい。反応系内への供給方式としては、滴下方
式以外にも、流下、噴霧、吹出など如何なる方式であっ
てもよい。また、重合開始剤成分が2種以上の場合に
は、別々の供給経路を通じてそれぞれの重合開始剤成分
を供給、好ましくは連続的に滴下するのが好ましいが、
別々の供給経路を途中で合流させ、各重合開始剤成分を
混合して反応系内に供給、好ましくは連続的に滴下する
ようにしてもよし、供給元の貯蔵部内で予め各重合開始
剤成分を混合して1つの供給経路を通じて供給するよう
にしてもよい。また、供給速度に関しても、供給する期
間を通じて一定速度で供給、好ましくは連続的に滴下す
るのが望ましいが、これに制限されるべきものものでは
なく、供給する期間中に供給速度を速めたり、遅らせた
りするなど、適宜変動させてもよいし、断続的に供給す
る(供給速度ゼロのときがある)ようにしてもよい。か
かる供給速度に関しては、他の重合用組成物(単量体、
連鎖移動剤などの添加剤など)についても同様のことが
言える。
質的に連続的に滴下する量を全使用量の50質量%以上
とすることが好ましく、80質量%以上とすることがよ
り好ましく、100質量%とすることが最も好ましい。
連続的に滴下する量が全使用量の50質量%未満であっ
ても、本発明の範囲を外れるものではないが、得られる
重合体の分子量分布がブロードになり、洗剤ビルダーと
しての性能が低下するので好ましくない。なお、全使用
量の100質量%を連続的に滴下しない場合とは、重合
開始剤の一部を何度かに分けて断続的に滴下するように
してもよいし、重合開始剤の一部を重合初期に反応系内
に仕込んでおいてもよい。
より単量体成分の供給時間が異なるため、単量体成分の
供給時間に応じて適宜決定すればよい。
時点を、単量体の供給終了時点よりも遅く、好ましくは
5〜120分間、より好ましくは6〜60分間、特に好
ましくは10〜60分間遅くする。これにより、得られ
る重合体組成物中の残存単量体濃度を格段に低減するこ
とができる。そのため、優れた分散能、キレート能、耐
ゲル性等の特性を損なうことなく高品質で高純度の低分
子量の水溶性重合体組成物を得ることができる。また、
水溶性重合体組成物では、残存単量体濃度ないし該残存
単量体に起因する不純物濃度の低減効果により安全性が
向上するため、洗剤ビルダーや洗剤組成物への利用上極
めて有用である。
等の比較的分解が遅い重合開始剤の場合であれ、過硫酸
アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム等の
過硫酸塩等、比較的分解の早い重合開始剤の場合であっ
ても、単量体成分の供給終了時点よりも遅ければ、本発
明の作用効果を奏することができるが、5分間未満しか
遅くない場合には、残存単量体濃度の低減効果を格段に
高める上で十分でない場合があり、重合終了後に得られ
る水溶性重合体組成物中に残存する単量体成分に起因す
る不純物の形成を有効かつ効果的に抑制するのが困難と
なる場合がある。一方、重合開始剤の供給終了時点が、
単量体の供給終了時点よりも120分間を超えて遅い場
合には、重合時間が不必要に長くなり、生産性が低下す
るほか、重合終了までに単量体成分は消費されるもの
の、その効果は小さくなり、重合終了後に重合開始剤ま
たはその分解物が残存し、不純物を形成する恐れがあ
る。また、残存する重合開始剤が得られる水溶性重合体
組成物の熱的安定性に影響を及ぼす恐れもある。なお、
重合開始剤の供給終了時点が単量体成分の供給終了時点
よりも5分間未満しか遅くない場合には、重合開始剤の
供給終了時点と単量体の供給終了時点が同じ場合や、重
合開始剤の供給終了時点の方が単量体の供給終了時点よ
りも早い場合も含まれるものとする。
は、比較的分解が遅い重合開始剤と、比較的分解が早い
重合開始剤を組み合わせて、以下のように供給するのが
好ましい。すなわち、過酸化水素等の比較的分解が遅い
重合開始剤成分は単量体成分の供給終了時間よりも5〜
120分間、好ましくは10〜60分間早く終了するよ
うにし、他方、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、
過硫酸ナトリウム等の過硫酸塩等、比較的分解の早い重
合開始剤成分は、上記に規定したように、単量体成分の
供給終了時間よりも遅く、好ましくは5〜120分間、
より好ましくは6〜60分間、特に好ましくは10〜3
0分間遅くするのが望ましい。これにより、添加した重
合開始剤が重合終了時点で残る無駄がなく、残存する重
合開始剤が得られる水溶性重合体組成物の熱的安定性に
悪影響を及ぼす恐れも生じず、かつ得られる水溶性重合
体組成物中に残存する単量体成分を減じることが出来る
からである。
間は、単量体成分を2種以上用いる場合には、全ての単
量体成分を供給し終えた時点をいうものとし、また、連
続的に滴下する場合であっても、断続的に何回かに分け
て供給する場合であっても、最後の単量体成分を供給し
終えた時点をいうものとする。
添加剤成分の供給終了時間についても、単量体成分の供
給終了時間同様に定義できる。
られる重合用組成物を全て反応系内に供給し終えた時
点、あるいは、熟成時間を設定する場合はその終了時点
をいう。熟成時間とは、重合用組成物を全て反応系内に
供給し終えた時点から、その後所定時間にわたって上記
に規定する重合温度を保持してなる時間をいい、好まし
くは重合用組成物を全て反応系内に供給し終えた時点か
ら、その後所定時間にわたって上記に規定する重合温度
を保持し重合を完了するまでの時間をいう。なお、重合
完結の有無は、単量体の残存量の測定や、重合熱が観測
されなくなることにより判断することができる。
えば、単量体成分の供給開始前でも良い。重合開始剤併
用系の場合は、―つの重合開始剤の滴下を開始したの
ち、一定時間経過してから、あるいは一つの重合開始剤
の滴下を終了してから、別の重合開始剤の供給を開始す
るようにしても良い。要するに、重合開始剤の分解速
度、単量体の反応性に応じて適宜設定すれば良いのであ
る。
添加剤成分の供給の開始も、適宜で良い。
合反応に悪影響を及ぼさない範囲内で、連鎖移動剤をラ
ジカル重合開始剤と併用しても良い。
ものではなく、例えば、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、次亜リ
ン酸塩、メルカプトプロピオン酸、チオグリコール酸な
どのチオール類、L−アスコルビン酸などを使用するこ
とができるが、使用用途にもよるが、洗剤ビルダーや洗
剤組成物などに利用する場合には、使用後に生活排水と
して河川などに排出される場合もあることから、非リン
系の洗剤ビルダーや洗剤組成物が強く求められるように
なってきている。かかる観点から、連鎖移動剤として
は、非リン系連鎖移動剤の使用が望ましく、例えば、亜
硫酸塩、重亜硫酸塩、メルカプトプロピオン酸、チオグ
リコール酸などのチオール類、L−アスコルビン酸等が
挙げられるが、これらに限定されない。これらは、単独
で用いられるか、併用される。
て、連鎖移動剤として重亜硫酸塩を併用することで、得
られる水溶性重合体組成物が必要以上に高分子量化する
ことが抑制され、低分子量の水溶性重合体組成物を効率
よく製造することができる点で有利である。
合開始剤量の2倍以内であることが好ましい。2倍を越
えて使用しても、もはや添加効果は現れず、却って共重
合体の純分の低下を招き、好ましくない。また、連鎮移
動剤の使用量の下限としては、特に制限されるべきもの
ではないが、該連鎮移動剤の特性を十分に発現する上で
質量比で重合開始剤量の0.5倍以上であることが好ま
しい。
るものではなく、上記溶媒に溶解して連鎮移動剤溶液の
形態で供給するのが望ましいが、連鎮移動剤のみ、すな
わち、無溶媒の形態で添加してもよい。
しては、5〜100質量%、好ましくは5〜80質量
%、より好ましくは10〜80質量%である。ここで、
連鎮移動剤溶液の濃度が5質量%未満の場合には、得ら
れる重合体の濃度が低下するため、溶剤カット等の操作
が必要となり好ましくない。一方、上限については特に
制限されるべきものではない。供給経路を通じて供給、
好ましくは連続的に滴下する方法が好ましい。すなわ
ち、単量体成分や重合開始剤とは異なる供給経路を通じ
て反応系内に供給するのがよい。
合に応じて適宜に設定すれば良い。
分解促進等の必要に応じて、多価金属イオンをラジカル
重合開始剤と併用しても良い。有効な多価金属イオンと
しては、Fe2+、Fe3+、Cu2+、Cu+、V2+、
V3+、VO2+等が挙げられる。これらは単独で使用され
るか、併用される。
れないが、全量初期仕込することが好ましい。
物、すなわち反応液の全量に対し100質量ppm以下
であることが好ましい。100質量ppmを越えて使用
すると、得られる水溶性重合体組成物の着色が大きく、
用途によっては使用できないことがある。
に制限はなく、重合反応系内でイオン化するものであれ
ば、どのような金属化合物、金属であってもよい。この
ような金属化合物、金属としては、例えば、オキシ三塩
化バナジウム、三塩化バナジウム、シュウ酸バナジウ
ム、硫酸バナジウム、無水バナジン酸、メタバナジン酸
アンモニウム、硫酸アンモニウムハイポバナダス[(N
H4)2SO4・VSO4・6H2O]、硫酸アンモニウム
バナダス[(NH4)V(SO4)2・12H2O]、酢酸
銅(II)、銅(II)、臭化銅(II)、銅(II)アセチル
アセテート、塩化第二銅、塩化銅アンモニウム、炭酸
銅、塩化銅(II)、クエン酸銅(II)、ギ酸銅(II)、
水酸化銅(II)、硝酸銅、ナフテン酸銅、オレイン酸銅
(II)、マレイン酸銅、リン酸銅、硫酸銅(II)、塩化
第一銅、シアン化銅(I)、ヨウ化銅、酸化銅(I)、
チオシアン酸銅、鉄アセチルアセナート、クエン酸鉄ア
ンモニウム、シュウ酸第二鉄アンモニウム、硫酸第一鉄
アンモニウム、硫酸第二鉄アンモニウム、クエン酸鉄、
フマル酸鉄、マレイン酸鉄、乳酸第一鉄、硝酸第二鉄、
鉄ペンタカルボニル、リン酸第二鉄、ピロリン酸第二鉄
等の水溶性金属塩、五酸化バナジウム、酸化銅(II)、
酸化第一鉄、酸化第二鉄等の金属酸化物、硫化銅(I
I)、硫化鉄等の金属硫化物、その他、粉末、鉄粉末を
挙げることができる。
合反応槽や撹拌装置などにステンレス製のものを用いた
場合には、上記金属化合物、金属を添加しなくても、こ
うした材料から反応液への溶出により、上記に規定する
極微量の多価金属イオン、例えば、Fe2+などが存在す
ることになり、ラジカル重合開始剤の分解促進効果が得
られ、得られる重合体組成物の色調、とりわけ無色透明
性が良好となる。
装置的には、ニーダー重合、攪拌重合等が挙げられ、方
法的には、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が挙げられ
るが、特に限定されるものではない。本発明において、
比較的小さい分子量の重合体が洗剤ビルダー等には好ま
しい観点から、攪拌溶液重合が好ましい。また、溶液重
合には、その溶媒の種類の観点から、溶剤系重合、水系
重合があるが、安全性の点からは水系重合が好ましい。
従って、本発明において、最も好ましい重合方法は攪拌
溶液水系重合である。
明する。
量体使用量の50質量%以上、好ましくは80質量%以
上、より好ましくは全量を初期仕込みする。初期仕込量
が50質量%未満であると未反応物が多くなり好ましく
ない。
単量体使用量の70質量%以上、好ましくは90質量%
以上、より好ましくは全量を実質的に連続的に滴下する
ことにより反応系に供給するのが望ましい。滴下の割合
が70質量%未満、すなわち、初期仕込量が30質量%
以上であると、非常に高分子量化しやすくなり、低分子
量の水溶性重合体組成物を得るのが困難となる場合があ
る。また、共重合体系の場合は、重合初期にブロック的
に重合し、好ましくない。
合性を考慮して適宜設定すれば良いが、好ましくは30
〜300分間、より好ましくは60〜240分間であ
る。供給時間が30分間より短いと、生産規模によら
ず、単位時間内における単量体成分の供給量が多くな
り、高濃度化が起きて、非常に高分子量の重合体組成物
を生成しやすくなり、低分子量の水溶性重合体組成物を
得るのが困難となる場合がある。また、共重合の場合
は、単量体がブロック的に重合してしまう恐れがある。
一方、300分を越えると、生産性が著しく落ちて、経
済上好ましくない。
合の際に用いる全ての単量体成分のうち、最初に供給し
始めた単量体成分の供給開始時点から、最後に供給し始
める単量体成分の供給終了時点までに要した時間をい
う。さらに、供給開始時点は、最初に供給し始める単量
体成分が、連続的に供給される場合には、該単量体成分
を供給し始める時点をいい、最初に供給し始める単量体
成分を何度かに分けて断続的に供給する場合には、初回
分を供給し始める時点をいい、また単量体成分の一部を
初期仕込みしている場合には、重合開始時点となる。供
給終了時点は、最後に供給し終える単量体成分が連続的
に供給される場合には、供給を終える時点とし、また何
度かに分けて断続的に供給される場合には、最終回分を
供給し終えた時点とする。なお、不飽和ジカルボン酸系
単量体のようの全量初期仕込みするものだけの場合に
は、該単量体成分の供給時間は0分間ということにな
る。本発明ではかかる実施形態を排除するものではな
い。
は、限定されないが、不飽和ジカルボン酸系単量体を用
いる場合については以下の通りとするのが好ましい。
は、前述の通り、その全使用量に対して50質量%以上
を初期仕込みするが、初期仕込終了時、ずなわち供給開
始直前あるいは重合開始直前のpHは5〜13であり、
好ましくは5〜12である。その後、他の添加物、例え
ば、他の単量体、重合開始剤、連鎖移動剤、pH調整剤
等の供給開始により、重合が開始され、重合が進行する
に連れ、徐々にpHが低下していくように設定されるの
が好ましく、供給終了時点でpH4〜8に調整されるの
が好ましい。これは以下の理由による。
例えば、不飽和モノカルボン酸系単量体に比べ、重合性
が著しく低いため、初期仕込の段階で多く添加するので
あるが、そのため、重合初期では不飽和ジカルボン酸系
単量体の濃度が非常に高く、ブロック的に重合してしま
う恐れがある。そこで、このジカルボン酸系単量体の重
合性を制御する必要がある。ジカルボン酸系単量体は、
カルボキシル基の双方ともが酸型、―方が酸型すなわち
半中和型、双方ともが中和型と、3種類存在する。この
中で、半中和型が反応性に最も富むことが知られてい
る。そこで、この半中和型の存在量を制御することによ
り、ジカルボン酸系単量体の重合性を制御することが出
来るのである。すなわち、重合初期段階ではある程度存
在量を制限して重合性をある程度制御し、重合が進行し
ジカルボン酸系単量体の濃度が低減していくと、重合性
も落ちてくるので、半中和型存在量を増大させていく必
要がある。これらのことに鑑み、上記pHの設定を行
う。
水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化カ
ルシウム、水酸化マグネシウム等のアルカリ土類金属の
水酸化物、アンモニア、モノエタノールアミン、トリエ
タノールアミン等の有機アミン塩等が挙げられる。これ
らは単独で用いられるか、併用される。これらの中で、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の
水酸化物が好ましく、水酸化ナトリウムが特に好まし
い。本明細書では、これらのものを単に「pH調整剤」
あるいは「中和剤」と言う場合がある。
の沸点の範囲であればよいが、重合開始時から重合終了
時までの全反応時間の少なくとも10%以上の時間、好
ましくは50%以上の時間、さらに好ましくは80%以
上の時間、最も好ましくは反応時間中常時、反応液の沸
点とするのが好ましい。沸点でない時間においては、反
応液の沸点近傍の温度とすることが好ましく、少なくと
も80℃以上とすることが好ましい。80℃未満とする
と、重合開始剤の使用効率が悪くなり、得られる水溶性
重合体組成物の単量体残存量が増大して、好ましくな
い。沸点で行うことは、温度制御が非常に容易となり、
そのため、得られる重合体組成物の品質が非常に安定し
たものとなり、好ましい。なお、重合温度の下限を常温
としたのは、常温から重合を開始してもよいためであ
る。
応系に投入した時点をいう。また、重合終了時とは、上
記に規定したように、重合に用いる全ての成分の供給が
終了したとき、あるいは、熟成時間を設定する場合はそ
の終了時をいう。
濃度調整を行う際には、その温度は、特に限定されず適
宜設定すれば良い。
要に応じて適宜設定するが、好ましくは初期仕込時で2
0〜75質量%、より好ましくは35〜70質量%であ
る。20質量%未満では、不飽和ジカルボン酸系単量体
の反応性が非常に悪く、75質量%を越えると、単量体
の水溶性がなくなって反応液がスラリー状となり、沈澱
物が生じ、均一重合となり難い。重合終了時の濃度は2
0〜65質量%が好ましく、35〜60質量%がより好
ましい。これに見合うように添加物の濃度調整を行う。
重合終了時濃度が20質量%未満であると、結果的に重
合中の単量体濃度が非常に低くなり、反応性が低くなっ
て、得られる重合体組成物中の単量体残存量が多くなり
易い。65質量%を越えると、非常に高粘度となり、均
一重合とならず、またハンドリング面からも好ましくな
い。ここで、重合濃度とは投入した単量体の純分を反応
系の全量で除した値をいう。
ではなく、常圧(大気圧)、加圧、減圧のいずれでも良
い。好ましくは、重合中、亜硫酸ガスの放出を防ぎ、低
分子量化が可能であることから、反応系にコンデンサー
を設置して、反応系を開放系にして、加圧下で行うのが
よい。また、加圧装置や減圧装置を併設する必要がな
く、また耐圧製の反応容器や配管を用いる必要がないな
ど製造コストの観点からは、反応系内を密閉し、常圧
(大気圧)下で行うのがよい。すなわち、得られる(メ
タ)アクリル酸系重合体組成物の使用目的によって、適
宜最適な圧力条件を設定すればよいといえる。
は、空気雰囲気のままで行ってもよいが、不活性雰囲気
とするのがよく、例えば、重合開始前に反応系内を窒素
などの不活性ガスで置換することが望ましい。これによ
り、重合開始剤が、雰囲気中の酸素ガス等が溶存して出
来た酸素ラジカルとの反応により低減するのを防止する
ことができることから、より低分子量化が可能となる点
で有利である。
方法において上記重合反応は、回分式(バッチ式)また
は連続式のいずれによっても行ないうるが、得られる重
合体の分子量分布の点から回分式で行うことが好まし
い。
により得られる重合体組成物の種類は、限定されない
が、(メタ)アクリル酸(塩)、(メタ)アクリル酸
(塩)共重合体等の(メタ)アクリル酸(塩)系重合
体、マレイン酸系重合体などの低分子量の水溶性重合体
組成物である場合が、本発明の効果が最も顕著であるの
で、好ましい。特に好ましくは、多くのカルボキシル基
を有する(メタ)アクリル酸(塩)系重合体、マレイン
酸系重合体、またはこれらの共重合体、あるいはこれら
にスルホン酸基や水酸基等が導入された重合体組成物が
好適である。
溶性重合体組成物とは、重合により得られた水溶性重合
体を含む溶液、好ましくは水溶液そのものであってもよ
いし、さらに固形分濃度を調整するために溶媒、好まし
くは水などの水性の溶媒を適量添加ないし除去してなる
ものであってもよいし、該溶媒、好ましくは水性の溶媒
を除去し乾燥して固形物としたものであってもよい。さ
らに必要に応じて、重合により得られた水溶性重合体の
性能に影響を与えない範囲で、適当な添加剤、例えば、
保存安定剤(紫外線吸収剤や抗酸化剤など)、着色剤、
帯電防止剤、滑剤、充填剤、難燃化剤、発泡剤などを加
えてなるものであってもよいなど、水溶性重合体を含む
ものであればよく、該水溶性重合体組成物の形態や成分
組成などに関しては特に制限されるべきものではない。
は、その名称に拘泥されることなく最も広義に解釈され
るべきものであり、単に水溶性重合体水溶液だけに狭く
解釈(制限)されるべきものではなく、使用用途に応じ
て適宜最適な形態や成分組成にすればよい。すなわち、
製造工程の簡素化の観点からは、重合により得られた水
溶性重合体を含む水溶液をそのまま、分散剤やスケール
防止剤、洗剤ビルダーなどとして利用するのが望まし
い。また、輸送コスト低減の観点からは、水溶液のよう
にかさばる形態ではなく、固形物として輸送し、分散剤
やスケール防止剤、洗剤ビルダーなどとして配合する際
に、必要に応じて水溶液化してもよい。特に本発明で
は、残存する単量体成分を格段に低減できていることか
ら、製品の品質安定化、保存安定性が図られているの
で、重合により得られた水溶性重合体を含む溶液から、
別途精製用のプラントを増設した上で、複雑な処理操作
を行って不純物を取り除いた形で製品化しなくとも、高
コスト製品となるのを防止できる。
によれば、所望する重量平均分子量の重合体組成物を得
ることができるのであるが、本発明の製造方法は、特
に、重量平均分子量500〜2000000、好ましく
は1000〜1000000の重合体組成物を得るのに
適している。本発明の製造方法では、これらの重量平均
分子量の範囲を外れる重合体組成物を得ることもできる
が、重量平均分子量が500未満であるとキレート能が
低下するものとなるおそれがあり、2000000を越
えると分散能が低下するものとなるおそれがある。
製造方法により得られる重合体組成物は、分散度が1.
5〜5.0であるのが良く、好ましくは2.0〜5.
0、より好ましくは2.0〜4.0、さらに好ましくは
2.5〜4.0である。分散度が上記範囲であれば、洗
剤ビルダーとして使用した場合の再汚染防止能に優れ
る。とりわけ分散度が1.5以上である方が、(メタ)
アクリル酸(塩)系重合体組成物の製造が繁雑となら
ず、生産性が良好であり、カルシウムイオン捕捉能も上
昇するため好ましく、5.0以下であるとカルシウムイ
オン捕捉能、クレー分散能、スケール防止能などの性能
が高くなるため好ましい。
成物中の残存単量体の濃度は、本発明によれば非常に少
なくすることが出来るものであり、水溶性重合体組成物
固形分あたり1000質量ppm以下、好ましくは50
0質量ppm以下である。水溶性重合体組成物中の固形
分あたりの残存単量体の濃度が1000ppmを超える
場合には、本発明の製造方法による作用効果が十分に得
られておらず、該残存単量体成分に起因する不純物によ
り、得られる水溶性重合体組成物の性能および品質の低
下を招くことにつながるおそれがある。なお、水溶性重
合体組成物中の固形分あたりの残存単量体の濃度は、重
合体水溶液を液体クロマトグラフィーで残存単量体を測
定することにより求めた値を重合体の固形分濃度で除す
ることにより換算することにより算出することができ
る。
量の水溶性重合体組成物の好適な用途>本発明の製造方
法により得られる低分子量の水溶性重合体組成物を、そ
の特徴を活かして、洗剤ビルダー、洗剤組成物、無機顔
料分散剤、スケール防止剤、キレート剤、繊維処理剤、
木材パルプ漂白助剤等の用途に用いる場合、それぞれの
使用目的に応じて、その他の原料を配合すればよい。
得られる水溶性重合体組成物の代表的な用途の1つであ
る洗剤ビルダーは、当該水溶性重合体組成物を含有して
なるものであればよい。これにより、水溶性重合体組成
物の分子量が制御できており、また残存単量体成分濃度
が格段に低減されているため、水溶性重合体組成物が本
来有する極めて優れた分散能、キレート能および耐ゲル
性を有効に発現できる低分子量の水溶性の洗剤ビルダー
を提供できる。そのため、洗剤ビルダーとして使用した
場合の再汚染防止能に優れるものである。さらに長期間
保存しても性能低下や低温保持時の不純物析出なども生
じることのない極めて高品質高性能で安定性に優れた洗
剤ビルダーを提供できる。
上記水溶性重合体組成物以外の他の組成成分や配合比率
に関しては、特に制限されるべきものではなく、従来公
知の洗剤ビルダーに有効に適用されてなる各種成分およ
びその配合比率に基づき、洗剤ビルダーとしての作用効
果を損なわない範囲で、適宜適用(利用)することがで
きるものであるが、好ましくは、本発明の製造方法によ
り得られる水溶性重合体組成物のみからなるものであ
る。
ては、本発明の重合体組成物の配合量が洗剤組成物全体
の1〜20質量%であり、界面活性剤の配合量が洗剤組
成物全体の5〜70質量%であると好ましく、場合によ
り酵素を5質量%以下の範囲で添加しても良い。
未満であると添加効果が現れず、また20質量%を超え
るともはや添加した効果が洗浄力の向上につながらず経
済的にも不利となり好ましくない。また、洗剤組成物の
主剤である界面活性剤の量が上記の範囲を外れると、他
の成分とのバランスが崩れ洗剤組成物の洗浄力に悪影響
を及ぼす恐れがあり好ましくない。酵素を配合した場
合、洗浄力の向上に寄与するが、5質量%を超えると、
もはや添加した効果が現れず経済的にも不利となり好ま
しくない。
剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤およびカチオ
ン界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1つを
使用することができる。アニオン界面活性剤としては、
特には限定されないが、例えば、アルキルベンゼンスル
ホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、
アルキルまたはアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスル
ホン酸塩、α−スルホ脂肪酸またはエステル塩、アルカ
ンスルホン酸塩、飽和または不飽和脂肪酸塩、アルキル
またはアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界
面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、アルキル
またはアルケニルリン酸エステルまたはその塩等を挙げ
ることができる。
されないが、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルま
たはアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミドまた
はそのアルキレンオキサイド付加物、ショ糖脂肪酸エス
テル、アルキルグリコキシド脂肪酸グリセリンモノエス
テル、アルキルアミンオキサイド等を挙げることができ
る。
ないが、例えば、カルボキシ型またはスルホベタイン型
両性界面活性剤等を挙げることができ、カチオン界面活
性剤としては、特には限定されないが、例えば、第4級
アンモニウム塩等を挙げることができる。
素としてはプロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等を使
用することができる。特にアルカリ洗浄液中で活性が高
いプロテアーゼ、アルカリリパーゼおよびアルカリセル
ラーゼが好ましい。
応じて、公知のアルカリビルダー、キレートビルダー、
再付着防止剤、ソイルリリース剤、色移り防止剤、柔軟
剤、蛍光剤、漂白剤、漂白助剤、香料等の洗剤組成物に
常用される成分を配合してもよい。また、ゼオライトを
配合してもよい。
塩、硫酸塩等を用いることができる。キレートビルダー
としては、ジグリコール酸、オキシカルボン酸塩、ED
TA(エチレンジアミン四酢酸)、DTPA(ジエチレ
ントリアミン五酢酸)、クエン酸等を必要に応じて使用
することができる。あるいは公知の水溶性ポリカルボン
酸系ポリマーを本発明の効果を損なわない範囲で使用し
ても良い。
発明の重合体組成物のみからなり、必要に応じて、他の
配合剤として、重合リン酸塩、ホスホン酸塩、防食剤、
スライムコントロール剤、キレート剤を配合した組成物
とすることもできる。いずれの場合でも、冷却水循環
系、ボイラー水循環系、海水淡水化装置、パルプ蒸解
釜、黒液濃縮釜等でのスケール防止に有用である。ま
た、性能、効果に影響しない範囲で公知の水溶性重合体
組成物を含んでもよい。
は、本発明の重合体組成物のみからなり、必要に応じ
て、他の配合剤として、重合リン酸およびその塩、ホス
ホン酸およびその塩、ポリビニルアルコールを用いても
良い。
コーティングに用いられる重質ないしは軽質炭酸カルシ
ウム、クレイ等の無機顔料等の分散剤として良好な性能
を発揮する。例えば、本発明の顔料分散剤を無機顔料に
少量添加して水中に分散することにより、低粘度でしか
も高流動性を有し、かつ、それらの性能の経日安定性が
良好な、高濃度炭酸カルシウムスラリーのような高濃度
無機顔料スラリーを製造することができる。
に対して0.05〜2.0質量部が好ましい。使用量が
0.05部より少ないと、充分な分散効果が得られず、
逆に2.0質量部を超えると、もはや添加量に見合った
効果が得られず経済的にも不利となる恐れがあるため好
ましくない。
合体組成物を単独で使用してもよいが、染色剤、過酸化
物、および界面活性剤等の添加剤を配合した組成物とし
て使用することもできる。上記添加剤としては、繊維処
理剤に通常使用されるものが挙げられる。本発明の重合
体組成物と上記添加剤の比率は特に限定されるものでは
ないが、本発明の重合体組成物1質量部に対して、上記
添加剤を、好ましくは0.1〜100質量部、より好ま
しくは0.2〜80質量部、さらに好ましくは1〜50
質量部という割合で配合する。上記添加剤の配合量が
0.1質量部未満であると、添加効果が不十分になる傾
向があり、100質量部を超えると、本発明の重合体組
成物の効果が発揮できない傾向がある。また、本発明の
重合体組成物を含む繊維処理剤は、性能や効果を阻害し
ない範囲で、さらに、本発明の重合体組成物以外の重合
体組成物を含んでいてもかまわない。繊維処理剤中の本
発明の重合体組成物の含有量は、特に限定はされない
が、繊維処理剤全体に対して、好ましくは1〜100質
量%、より好ましくは5〜100質量%である。
使用できる織維は特に限定はされないが、例えば、木
綿、麻等のセルロース系繊維;ナイロン、ポリエステル
等の化学繊維;羊毛、絹糸等の動物性繊維;人絹等の半
合成繊維およびこれらの織物および混紡品などが挙げら
れる。
精錬工程に利用する場合には、本発明の重合体組成物と
アルカリ剤および界面活性剤とを配合することが好まし
い。漂白工程に適用する場合では、本発明の重合体組成
物と過酸化物とアルカリ性漂白剤の分解抑制剤としての
珪酸ナトリウム等の珪酸系薬剤とを配合するのが好まし
い。
製造装置>本発明に係る重合体組成物の製造方法に用い
ることのできる製造装置としては、上述したように、ニ
ーダー重合、攪拌重合等の重合方法に応じて適宜最適な
装置を選択すればよいが、得られる重合体の分子量分布
の観点から、攪拌溶液重合が好ましく、最も好ましくは
攪拌溶液水系重合であることから、かかる重合に用いる
装置につき、簡単に説明するが、本発明の製造方法に適
用できる製造装置がこれらに限定されるべきものでない
ことは言うまでもない。
いることのできる製造装置として、攪拌溶液水系重合に
適した回分式(バッチ式)の製造装置の代表的な実施の
形態につき、図面を用いて詳細に説明する。
に用いることのできる製造装置の好適な1つの実施形態
として、水溶性重合体組成物を製造するための重合用の
反応槽と、該反応槽内の反応液を攪拌するための攪拌機
と、反応槽内から留出した留出物を凝縮液化して該反応
槽内ヘ戻すためのコンデンサーとを備えた装置を模式的
に表した概略図である。
製造に用いる反応槽101として、工業的に大量生産する
のに適した規模の0.1〜50m3の体積を有する反応
槽が設置されており、該反応槽の体積に対するコンデン
サの伝熱面積の比率が0.5〜10m-1の範囲内である
横型の多管式円筒型コンデンサ103が設けられている。
留出物を該コンデンサ103で凝縮液化して再び反応槽101
に戻すために、反応槽101の塔頂部には、重合中に反応
槽101内で発生した留出物を槽外に留出させるための留
出用ライン105が連結されており、該留出用ライン105の
他端がコンデンサ103の管内流体入口107と連結されてい
る。さらに該コンデンサ103で確実に全凝縮された留出
物を反応槽101内に戻すために還流用ライン109がコンデ
ンサ103の管内流体出口111と連結されており、該還流用
ライン109の他端が反応槽101の反応液の液面よりも高い
位置に連結されている。
するための管外流体入口113と、熱交換後の冷却液を排
出するための管外流体出口115が設けられている。
一に維持され、重合反応が均等になされるように、該反
応槽101内の反応液を撹拌するための撹拌機117が反応槽
101に設けられている。
れず、例えば、ステンレス鋼製、好ましくはJISステ
ンレス鋼のSUS304、316、316Lである。ま
た、撹拌機のうち、反応槽の内部の位置する撹拌翼等の
表面にはグラスライニング加工等が施され反応原料およ
び生成物に対して不活性なものとしてもよい。
度、すなわち反応槽内の液温を調節する目的で加熱媒体
を通じることのできる外部ジャケット119が設けられて
いる。該加熱媒体には、反応液の沸点にまで加熱できる
ように、温水、加圧蒸気などを利用することができる。
合用組成物の各成分ごとに供給経路としてフィードライ
ン121がそれぞれ連結されている。図1では、便宜上、
1つの単量体成分のフィードラインのみを図示するが、
実際には、重合に用いる重合用組成物の各成分ごとに同
様の該フィードラインが設置されている。
は、反応槽101塔頂部にそれぞれ挿通されている。こう
することで、供給する成分が反応槽の壁面を伝って流下
するのを防止することができ、壁面を伝って流下する際
に単量体成分などが外部ジャケットからの熱を受けて重
合物やゲル物を生成する危険性を回避することができ
る。
貯蔵タンク(図示せず)とそれぞれ個別に連結されてお
り、これらの成分ないしその成分溶液が、各貯蔵タンク
からそれぞれの個別のフィードライン121を通じて反応
槽101内部に所定時間をかけて先端ノズル123から滴下で
きるように、流量調整バルブやポンプ(共に図示せず)
が設けられている。
の重合および/またはゲル化を防止することができよう
に、反応槽内に単量体成分を供給するフィードライン
に溶媒および/または不活性ガスを導入するためのライ
ンが形成されていてもよいし、反応槽内に単量体成分
を供給するフィードラインを冷却する装置が備えられて
いてもよい。
外にも、さらに重合体組成物の製造に際し必要な温度、
圧力、pH、時間、原料供給流量などの測定装置、制御
装置などが設けられていることが望ましい。
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。なお、実施例および比較例に記
載の「%」は、特に断りがなければ「質量%」を示す。
(1)重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(M
n)、(2)分散度、(3)残存単量体濃度は、以下に
示す方法により測定または定量した。
均分子量(Mn)の測定 重合により得られた重合体組成物の重量平均分子量(M
w)および数平均分子量(Mn)は、共にGPC(ゲル
パーミュエーションクロマトグラフィー)により測定し
た。なお、ここでのサンプルには、実施例ないし比較例
での重合により得られたポリアクリル酸ナトリウム水溶
液をそのまま使用した。測定条件、装置などは以下の通
りである。
製のG−3000PWXL(商品名)を用いた。
12水和物34.5gおよびリン酸二水素ナトリウム2
水和物46.2g(いずれも試薬特級)に純水を加えて
全量を5000gとし、その後0.45μmのメンブラ
ンフィルターでろ過した水溶液を用いた。
481型を用い、検出波長UV:214nmとした。
L−7110(商品名)を用いた。
度は35℃とした。検量線は、創和科学製のポリアクリ
ル酸ナトリウム標準サンプルを用いて作成した。
量の測定方法により求めた分子量から、分散度=(重量
平均分子量)/(数平均分子量)として算出した。
り、分子量と同時に残存単量体濃度も測定した。
Lガラス製反応器にイオン交換水250.0gを初期仕
込みし、攪拌下、沸点還流状態まで昇温した。
37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液254.05g
(1mol)を120分、15質量%過硫酸ナトリウム
水溶液20.0g(0.013mol)を130分かけ
てそれぞれ反応器に滴下した。それぞれの滴下時間の
間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
0分間さらに沸点還流状態を維持して熟成し重合を完結
させた。
量%、最終中和度が100mol%のポリアクリル酸ナ
トリウム水溶液を得た。得られたポリアクリル酸ナトリ
ウムの重量平均分子量は12,000であり、分散度は
2.1であった。また、ポリアクリル酸ナトリウム水溶
液中の固形分あたりの残存アクリル酸ナトリウム濃度は
270質量ppmであった。実験の概要を表1に示す。
機を備えた2Lガラス製反応器にイオン交換水250.
0gを初期仕込みし、攪拌下、沸点還流状態まで昇温し
た。
37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液254.05g
(1mol)、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液2
0.0g(0.013mol)をそれぞれ120分かけ
て反応器に滴下した。それぞれの滴下時間の間、各成分
の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
を維持して熟成し重合を完結させた。
量%、最終中和度が100mol%のポリアクリル酸ナ
トリウム水溶液を得た。得られたポリアクリル酸ナトリ
ウムの重量平均分子量は13,000であり、分散度は
2.3であった。また、ポリアクリル酸ナトリウム水溶
液中の固形分あたりの残存アクリル酸ナトリウム濃度は
1303質量ppmであった。実験の概要を表1に示
す。
リウム水溶液の滴下時間120分に対して、15質量%
過硫酸ナトリウム水溶液の滴下時間を120分と同じに
し、実施例1では、15質量%過硫酸ナトリウム水溶液
の滴下時間を37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液の
滴下時間より10分間長くして供給を行った結果、比較
例1では残存アクリル酸ナトリウム濃度が1303質量
ppmであるのに対して、15質量%過硫酸ナトリウム
水溶液の滴下時間を10分間長くした実施例1では27
0質量ppmと残存アクリル酸ナトリウム濃度を低減さ
せる効果があることが確認できた。
Lガラス製反応器にイオン交換水250.0gを初期仕
込みし、攪拌下、沸点還流状態まで昇温した。
37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液254.05g
(1mol)を120分、15質量%過硫酸ナトリウム
水溶液20.0g(0.013mol)を125分かけ
てそれぞれ反応器に滴下した。それぞれの滴下時間の
間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
0分間さらに沸点還流状態を維持して熟成し重合を完結
させた。
量%、最終中和度が100mol%のポリアクリル酸ナ
トリウム水溶液を得た。得られたポリアクリル酸ナトリ
ウムの重量平均分子量は13,500であり、分散度は
2.1であった。また、ポリアクリル酸ナトリウム水溶
液中の固形分あたりの残存アクリル酸ナトリウム濃度は
789質量ppmであった。実験の概要を表2に示す。
Lガラス製反応器にイオン交換水250.0gを初期仕
込みし、攪拌下、沸点還流状態まで昇温した。
37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液254.05g
(1mol)を120分、15質量%過硫酸ナトリウム
水溶液20.0g(0.013mol)を128分かけ
てそれぞれ反応器に滴下した。それぞれの滴下時間の
間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
0分間さらに沸点還流状態を維持して熟成し重合を完結
させた。
量%、最終中和度が100mol%のポリアクリル酸ナ
トリウム水溶液を得た。得られたポリアクリル酸ナトリ
ウムの重量平均分子量は11,000であり、分散度は
2.2であった。また、ポリアクリル酸ナトリウム水溶
液中の固形分あたりの残存アクリル酸ナトリウム濃度は
516質量ppmであった。実験の概要を表2に示す。
Lガラス製反応器にイオン交換水208.6gを初期仕
込みし、攪拌下、沸点還流状態まで昇温した。
37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液254.05g
(1mol)を120分、15質量%過硫酸ナトリウム
水溶液20.0g(0.013mol)を125分、1
5質量%次亜燐酸ナトリウム水溶液41.4g(0.0
45mol)を120分かけてそれぞれ反応器に滴下し
た。それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定
とし、連続的に滴下した。
0分間さらに沸点還流状態を維持して熟成し重合を完結
させた。
量%、最終中和度が100mol%のポリアクリル酸ナ
トリウム水溶液を得た。得られたポリアクリル酸ナトリ
ウムの重量平均分子量は12,500であり、分散度は
2.2であった。また、ポリアクリル酸ナトリウム水溶
液中の固形分あたりの残存アクリル酸ナトリウム濃度は
1183質量ppmであった。実験の概要を表2に示
す。
Lガラス製反応器にイオン交換水208.6gを初期仕
込みし、攪拌下、沸点還流状態まで昇温した。
37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液254.05g
(1mol)を120分、15質量%過硫酸ナトリウム
水溶液20.0g(0.013mol)を130分、1
5質量%次亜燐酸ナトリウム水溶液41.4g(0.0
45mol)を120分かけてそれぞれ反応器に滴下し
た。それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一定
とし、連続的に滴下した。
0分間さらに沸点還流状態を維持して熟成し重合を完結
させた。
量%、最終中和度が100mol%のポリアクリル酸ナ
トリウム水溶液を得た。得られたポリアクリル酸ナトリ
ウムの重量平均分子量は13,000であり、分散度は
2.4であった。また、ポリアクリル酸ナトリウム水溶
液中の固形分あたりの残存アクリル酸ナトリウム濃度は
605質量ppmであった。実験の概要を表2に示す。
Lガラス製反応器にイオン交換水200.0gを初期仕
込みし、攪拌下、沸点還流状態まで昇温した。
37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液254.05g
(1mol)を120分、15質量%過硫酸ナトリウム
水溶液20.0g(0.013mol)を125分、1
5質量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液50.0g(0.
072mol)を120分かけてそれぞれ反応器に滴下
した。それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一
定とし、連続的に滴下した。
0分間さらに沸点還流状態を維持して熟成し重合を完結
させた。
量%、最終中和度が100mol%のポリアクリル酸ナ
トリウム水溶液を得た。得られたポリアクリル酸ナトリ
ウムの重量平均分子量は11,500であり、分散度は
2.3であった。また、ポリアクリル酸ナトリウム水溶
液中の固形分あたりの残存アクリル酸ナトリウム濃度は
973質量ppmであった。実験の概要を表3に示す。
Lガラス製反応器にイオン交換水200.0gを初期仕
込みし、攪拌下、沸点還流状態まで昇温した。
37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液254.05g
(1mol)を120分、15質量%過硫酸ナトリウム
水溶液20.0g(0.013mol)を130分、1
5質量%亜硫酸水素ナトリウム水溶液50.0g(0.
072mol)を120分かけてそれぞれ反応器に滴下
した。それぞれの滴下時間の間、各成分の滴下速度は一
定とし、連続的に滴下した。
0分間さらに沸点還流状態を維持して熟成し重合を完結
させた。
量%、最終中和度が100mol%のポリアクリル酸ナ
トリウム水溶液を得た。得られたポリアクリル酸ナトリ
ウムの重量平均分子量は12,000であり、分散度は
2.1であった。また、ポリアクリル酸ナトリウム水溶
液中の固形分あたりの残存アクリル酸ナトリウム濃度は
443質量ppmであった。実験の概要を表3に示す。
Lガラス製反応器にイオン交換水250.0gを初期仕
込みし、攪拌下、沸点還流状態まで昇温した。
37質量%アクリル酸ナトリウム水溶液254.05g
(1mol)を120分、15質量%過硫酸ナトリウム
水溶液20.0g(0.013mol)を180分かけ
てそれぞれ反応器に滴下した。それぞれの滴下時間の
間、各成分の滴下速度は一定とし、連続的に滴下した。
0分間さらに沸点還流状態を維持して熟成し重合を完結
させた。
量%、最終中和度が100mol%のポリアクリル酸ナ
トリウム水溶液を得た。得られたポリアクリル酸ナトリ
ウムの重量平均分子量は12,400であり、分散度は
2.6であった。また、ポリアクリル酸ナトリウム水溶
液中の固形分あたりの残存アクリル酸ナトリウム濃度は
135質量ppmであった。実験の概要を表3に示す。
移動剤のいずれも、開始剤の滴下時間が単量体の滴下時
間よりも長くなるにつれて残存単量体濃度が低くなるこ
とが確認できた。
例を比較すると、開始剤、単量体の滴下条件を合わせた
実施例(実施例4と6、実施例5と7)では、リン系連
鎖移動剤を用いた方が残存単量体濃度は多く、非リン系
連鎖移動剤を用いた方が残存単量体濃度は少なくなり、
より良好な結果が得られることが確認できた。
ト能、耐ゲル性等の諸特性に優れ、かつ残存単量体成分
の濃度が水溶性重合体組成物固形分あたり1000質量
ppm以下と格段に低減されるものであり、その毒性が
低く、さらに非リン系の重量平均分子量が500〜50
000で分散度が1.2〜4.0の低分子量の(メタ)
アクリル酸(塩)系重合体などの水溶性重合体組成物を
得ることができるものである。したがって、洗剤ビルダ
ー、洗剤組成物、あるいは無機顔料や金属イオンなどの
分散剤やスケール防止剤などの用途として好適に用いる
ことができるものである。
水溶性重合体組成物を、洗剤ビルダーや洗剤組成物、無
機顔料や金属イオンなどの分散剤やスケール防止剤など
の用途として用いる場合に、残存単量体成分濃度を格段
に低減できるため、製品の性能及び品質を格段に高める
ことができるほか、残存単量体成分濃度での毒性力は極
めて低く製品の安全性を格段に高めることができる。ま
た非リン系水溶性重合体組成物とすることができるた
め、生活排水として河川に排出されても、リン酸塩が河
川の水を富栄養化することもないため、地球環境にやさ
しく安全なものとなる。
つの実施形態として、水溶性重合体組成物を製造するた
めの反応槽と、該反応槽内の反応液を攪拌するための攪
拌機と、反応槽内から留出した留出物を凝縮液化して該
反応槽内ヘ戻すためのコンデンサーとを備えた装置を模
式的に表した概略図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 重合開始剤の供給終了時点を、単量体の
供給終了時点よりも遅くすることを特徴とする水溶性重
合体組成物の製造方法。 - 【請求項2】 重合開始剤の供給終了時点を、単量体の
供給終了時点よりも5〜120分間遅くすることを特徴
とする請求項1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 非リン系連鎖移動剤を用いることを特徴
とする請求項1または2に記載の製造方法。 - 【請求項4】 単量体成分の少なくとも1種が、(メ
タ)アクリル酸(塩)であることを特徴とする請求項1
〜3のいずれか1項に記載の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製
造方法により得られる水溶性重合体組成物であって、該
水溶性重合体組成物中の残存単量体濃度が、水溶性重合
体組成物固形分あたり1000質量ppm以下であるこ
とを特徴とする水溶性重合体組成物。 - 【請求項6】 重量平均分子量が、500〜50000
であることを特徴とする請求項5に記載の水溶性重合体
組成物。 - 【請求項7】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製
造方法により得られる水溶性重合体組成物を含有するこ
とを特徴とする洗剤ビルダー。 - 【請求項8】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製
造方法により得られる水溶性重合体組成物を含有するこ
とを特徴とする洗剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001382147A JP2003183306A (ja) | 2001-12-14 | 2001-12-14 | 重合体組成物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001382147A JP2003183306A (ja) | 2001-12-14 | 2001-12-14 | 重合体組成物の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003183306A true JP2003183306A (ja) | 2003-07-03 |
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ID=27592610
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001382147A Pending JP2003183306A (ja) | 2001-12-14 | 2001-12-14 | 重合体組成物の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2003183306A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011208027A (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-20 | Nippon Shokubai Co Ltd | 水溶性重合体の連続的製造方法、及び、水溶性重合体 |
JPWO2013031890A1 (ja) * | 2011-08-31 | 2015-03-23 | 株式会社日本触媒 | ポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物 |
-
2001
- 2001-12-14 JP JP2001382147A patent/JP2003183306A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011208027A (ja) * | 2010-03-30 | 2011-10-20 | Nippon Shokubai Co Ltd | 水溶性重合体の連続的製造方法、及び、水溶性重合体 |
JPWO2013031890A1 (ja) * | 2011-08-31 | 2015-03-23 | 株式会社日本触媒 | ポリ(メタ)アクリル酸系重合体組成物 |
US9469936B2 (en) | 2011-08-31 | 2016-10-18 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Poly(meth)acrylic acid-based polymer composition |
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