JP2003171744A - 複層組織クロム系ステンレス鋼材とその製造方法 - Google Patents
複層組織クロム系ステンレス鋼材とその製造方法Info
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Abstract
ーステナイト系ステンレス鋼(SUS304−CSP)と同等以上
の特性を備えたクロム系ステンレス鋼材とその製造方法
を提供する。 【解決手段】 C:0.01〜0.15%、Cr:16〜20%、Cu:
1.5 〜3.0 %を含有し、表層部がマルテンサイト相と残
留オーステナイト相とを含有する混合組織からなり、内
層部がフェライト相とマルテンサイト相とを含有する混
合組織もしくは実質的にマルテンサイト単相組織からな
り、前記表層部における未凝固Cu粒子の最大粒子径が0.
5 μm 以下とする。表層部における窒素含有量が0.03〜
0.5 質量%である。
Description
ス鋼材とその製造方法に関する。特に、本発明は、耐銹
性に優れ、かつばね特性を備えるクロム系ステンレス鋼
材とその製造方法に関する。
420J2−CPS のマルテンサイト系ステンレス鋼が規定さ
れている(JIS −G4313)。しかし、Cr量が12〜14%と
低いために耐銹性が不十分であるという問題がある。
1 号公報には、ばね特性に優れたCr量が20重量%に近い
クロム系ステンレス鋼が提案されている。しかし、それ
はフェライト相+マルテンサイト相の混合組織を利用す
るものである。
本件出願人はばね用鋼として表層部と内層部とを備えた
複層組織を提案している。これは、鋼材の表層部がマル
テンサイト相と残留オ−ステナイト相を含む混合組織、
内層部がフェライト相とマルテンサイト相の混合組織か
らなる複層組織クロム系ステンレス鋼である。
部品メーカーにおいて塗装工程省略によるコストダウン
が検討されており、それに伴いステンレス鋼素材に対し
てより厳しい耐銹性が求められるようになった。例え
ば、自動車用ホーンの振動板には、ばね用クロム系ステ
ンレス鋼が使用されている。しかし、北米、北欧地域に
代表される寒冷地の路面凍結防止のために散布される食
塩に起因する発銹、および隙間部分での塩素イオン濃化
によるpHの低下による腐食に対しては、従来のSUS430
(汎用16Cr鋼)でも十分な抵抗力がない場合が見られ
る。一般に、これら耐銹性は、Cr、Mo量を増加させるこ
とで改善する。しかし、これら元素は高価であり、かつ
フェライト形成元素である。従って、同元素の添加は材
料コストの上昇とばね材に必要な材料強度の低下を招く
という問題がある。
ユーザー動向を踏まえ、より厳しい耐銹性が求められる
環境に適用しうる安価なクロム系ステンレス鋼材とその
製造方法を提供することである。
含有する強度・耐銹性に優れた高価なばね用オーステナ
イト系ステンレス鋼(SUS304−CSP)と同等以上の特性
(耐銹性、ばね性、加工性)を備えたクロム系ステンレ
ス鋼材とその製造方法を提供することである。
題を解決すべく、種々の検討を重ねた結果、前述の特開
2001−140041号公報において提案した表層部および内層
部を備えた複層組織クロム系ステンレス鋼材において、
その表層部へ必要量のCuを固溶させると、予想外にも、
NaCl環境において腐食の進行を抑制する作用が極めて大
きいとの知見を得、さらに検討を重ね、1.5 〜3.0 %の
Cuを含有するクロム系ステンレス鋼において、表層部の
未固溶Cu粒子の最大粒子径を0.5 μm 以下とすることに
より、複層組織クロム系ステンレス鋼材の耐銹性が著し
く向上することを見出し、本発明を完成した。
も、Cr:10〜20重量%、C:0.01〜0.15重量%、Ni、Mn
またはCuのうち1種または2種以上を0.1 〜4.0 重量%
含有する鋼組成が開示されているが、その場合に添加す
るCuは、NiおよびMnと均等な作用を有し、オーステナイ
ト生成元素として高温でフェライト+オーステナイト二
相組織を得るために添加するのであって、耐食性あるい
は耐銹性の改善については何らの開示も示唆もすること
がない。
る例は、特開平10−237597号公報にも見られるが、この
場合に添加されるCu:0.4 〜5重量%は、Cuのリッチな
相を構成することで鋼材に抗菌性を付与するためであ
る。
相とマルテンサイト相の混合組織(複相組織) となって
おり、そのような複相化熱処理時の鋭敏化現象により耐
食性が劣化することが危倶される。
1.5 〜3.0 %を含有し、表層部と内層部との複層組織か
ら成り、表層部がマルテンサイト相と残留オーステナイ
ト相とを含有する混合組織からなり、内層部がフェライ
ト相とマルテンサイト相とを含有する混合組織もしくは
実質的にマルテンサイト単相組織からなり、前記表層部
における未固溶Cu粒子の最大粒子径が0.5 μm 以下であ
ることを特徴とする複層組織クロム系ステンレス鋼材。
〜0.5 質量%である上記(1) に記載の複層組織クロム系
ステンレス鋼材。 (3)質量%で、C:0.01〜0.15%、Cr:16〜20%、Cu:
1.5 〜3.0 %を含有するクロム系ステンレス鋼材を窒素
含有雰囲気中で下記(1) 式で規定される均熱温度Tに均
熱し、前記窒素含有雰囲気中の窒素を鋼材の表層部に吸
収させたのち、1℃/秒以上の冷却速度で冷却する複層
化熱処理を行うことを特徴とする複層組織クロム系ステ
ンレス鋼材の製造方法。
素:5体積%以上を含有し、露点:−30℃以下である上
記(3) に記載の複層組織クロム系ステンレス鋼材の製造
方法。
をさらに具体的に説明する。なお、本明細書において、
化学組成、つまり鋼組成を示す「%」は、とくにことわ
りがない限り、「質量%」を意味する。
を示すもので、45℃−1.5 %NaCl含有水溶液中(pH塩酸
調整)半浸漬後の腐食減量を示すグラフである。本発明
鋼材は、SUS430(16%Cr鋼)材に2%Cuを添加したもの
であり、Cuが理論上完全に固溶する均熱温度で複層化熱
処理を行い、表層部へ実質的に2%のCuを固溶させた状
態から急冷してから実験に供している。未固溶Cuの最大
粒径は0.1 μm であった。本発明鋼材は、SUS430鋼と比
較して酸性環境(pH2〜1)において腐食の進行が著し
く抑制されており、中性〜酸性の幅広い環境において、
SUS304−CSP(18%Cr−8%Ni鋼)と同等以上の優れた耐
銹性を示すことが分かった。 本発明における上述のメ
カニズムはまだ明確には判明してないが、現状では、以
下のように推察する。
層部の固溶Cuは不働態化効果のあるCuCl皮膜を生成し、
これにより腐食の進行を抑制したものと考える。16%Cr
鋼は、pH2を境界にしてCr皮膜が不働態化状態から活性
溶解状態へ移行する。しかしながら、本発明鋼材では、
Cr皮膜の活性溶解状態においてCuとClイオンの界面反応
により母材の溶解(Feの溶出)が抑制されたものと推察
する。
理由は次の通りである。 Cr:Crはフェライト形成元素であり、耐銹性を確保する
ために必須の元素である。本発明の目標とする耐銹性を
確保するには、Cr量を16%以上とする。他方、Cr量の増
加は鋼材コストの上昇と材料強度の低下を招くため、上
限は20%とする。望ましくは18%以下である。
であり、マルテンサイト硬化能に大きく影響する。ばね
材に必要な材料強度を得るためには、C量を0.01%以上
とする。他方、C量の増加は、熱間加工性および製品の
加工性の低下を招くために、下限は0.15%とする。
ト形成元素であり、ばね疲労強度の向上に効果的な元素
である。しかし、通常の溶製方法でNを多量に含有させ
るのは困難であり、Nを多量に含有した鋼は熱間加工性
が悪く、熱間圧延時に耳割れ等の表面疵の発生原因とな
る。従って、N量は通常の溶製方法で得られる0.01〜0.
04%でよい。 . Cu:Cuはオーステナイト形成元素であり、マルテンサイ
ト相の量と硬さを調整するのに有効な元素である。さら
に、本発明の目標とする耐銹性を得るために必須の元素
である。含有量の下限は、目標とする耐銹性を得るため
に1.5 %とする。他方、過度な添加は鋼の熱間加工性を
阻害するために上限は3.0 %とする。望ましくは2 .5%
以下とする。
に、結晶粒の微細化に効果的な元素である。従って、必
須元素ではないが、含有させても構わない。その場合の
含有量は0.003 %以上とする。他方、Tiを過剰に含有さ
せると経済性を損なうだけでなく、鋼中のC、Nを固定
して強度低下の原因となるので、その上限は0.03%とす
る。
に、C、Nを固定して複層化熱処理で生じる鋭敏化現象
を抑制する作用がある。従って、必須元素ではないが、
含有させても構わない。その場合の含有量は、0.005 %
以上とする。他方、Nbを過剰に含有させると鋼中のC、
N元素を固定して強度低下の原因となるので、その上限
は0.1 %とする。
に、耐銹性を著しく向上させる作用がある。従って、必
須元素ではないが、含有させても構わない。その場合の
含有量は、0.1 %以上とする。しかし、Moは高価であり
過剰に含有させると経済性を損なううえ、ばね材に必要
な強度を低下させるためにその上限は1.0 %とする。
ト形成元素であり、マルテンサイト相の量と硬さを調整
するのに有効な元素である。従って、このような観点か
らは必須元素ではないが、含有させても構わない。その
場合の含有量は、それぞれ0.3 %以上とする。他方、Ni
は過剰に含有させると経済性を損なうので、その上限は
1.0 %とする。Mnは過剰に含有させると耐銹性を低下さ
せる作用があるので、その上限は1.0 %とする。
ある。従って、必須元素ではないが、含有させても構わ
ない。その場合の含有量は0.05%以上とする。しかし、
0.3%を超えると効果が飽和するので、その上限は0.3
%とする。
である。しかし、過剰に含有させると鋼の靭性を損なう
ので、その上限は1.0 %とする。 Al:Alは鋼の脱酸剤として有効な元素である。しかし、
Alは窒化物を形成して加工性を低下させるため、含有量
の上限は0.05%とする。
用があるので含有させても構わない。しかし、合計量で
0.1 %を越えて含有させると効果が飽和するうえコスト
が高くなるので0.1 %以下とする。
らをまとめると、C:0.01〜0.15%、Cr:16 〜20%、Cu:
1.5〜3.0 %を含有する限り、これによって本発明が特
に制限されるものではないが、本発明にかかる鋼組成は
次のように記述することができる。
3.0 % あるいは所望により上記組成にさらに下記ないしの
任意の組み合わせ: フェライト形成元素として、Ti:0.003〜0.03%、Nb:
0.005 〜0.1 %、およびMo:0.1〜1.0 %から成る群から
選んだ少なくとも1種 オーステナイト形成元素として、Ni:0.3〜1.0 %およ
び/またはMn:0.3〜1.0%、 V: 0.05〜0.3 %、 Si:1.0 %以下、 Al:0.05%以下、 希土類元素:0.1%以下。
よび不可避不純物であってもよい。本発明の鋼材は、表
層部においてマルテンサイト相と残留オーステナイト相
を含む混合組織からなり、かつ表層部の金属組織中にお
いて未固溶Cu粒子の最大粒子径を0.5 μm 以下とし、内
層部はフェライト相とマルテンサイト相とからなる2相
混合組織もしくはマルテンサイト単相組織とする。
と弾性比例限を高めてばね特性を向上させる効果が得ら
れる。この効果を得るにはマルテンサイト相の比率を40
体積%以上とするのが好ましい。より好ましくは50体積
%以上である。他方、マルテンサイト相の比率を過度に
高くすると鋼の延性が低下し、加工性が損なわれるの
で、表層部のマルテンサイト比率を95体積%以下とする
のが好ましい。
相に比べて軟質で加工性に富むうえ、加工を受けた際に
加工誘起変態して組織を極めて強靱にする作用がある。
また、複層化熱処理後の鋼材の靱性を増す作用もある。
さらに、表層部に、C、Nなどの吸収能の大きいオース
テナイト相を配することにより、鋭敏化現象の原因とな
るCやNを吸収して複層化熱処理によって生じる耐銹性
の劣化を抑制することができる。これらの効果を得るた
めに表層部における残留オーステナイト相の比率は3体
積%以上とするのが好ましい。より好ましくは5体積%
以上である。
悪影響を及ばさない範囲で、混入するフェライト相が存
在しても差し支えない。フェライト相は、ばね特性およ
び複層化熱処理による耐銹性の低下を招くため、混入す
る場合であっても10体積%以下であることが望ましい。
より好ましくは5体積%以下である。
mm) は、低pH環境下における耐銹性を改善するために、
未固溶Cu粒子の最大粒子径を0.5 μm 以下とする。Cu粒
子はステンレス鋼表面の不働態皮膜形成を阻害し、耐銹
性を低下させる。本発明の対象とするクロム系ステンレ
ス鋼は、未固溶Cu粒子の最大粒子径が0.5 μm を越える
と、低pHのNaCl環境下における耐銹性が著しく低下す
る。従って、Cuの固溶による耐銹性の向上効果を得るに
は、未固溶Cu粒子の最大粒子径を0.5 μm 以下とする。
より好ましくは0.1 μm 以下である。もちろん、Cuが完
全に固溶した状態、すなわち未固溶Cu粒子の最大粒子径
が0μmであっても良い。
ーステナイト相を含有する混合組織とし、かつCuを主体
とする第2相の析出量が0.2 体積%未満となるように1.
5 〜3.0 %のCuを固溶させることにより、ばね性と加工
性に加え、耐銹性を著しく改善できる。表層部の厚さ
は、上記の有効な効果を得るために5μm 以上とする。
より好ましくは10μm 以上である。15μm を越える場合
は、複層化熱処理の生産性を阻害するとともに、上記の
特性に悪影響を及ぼすこともある。従って表層部の厚さ
は15μm 以下とすることが好ましい。
テンサイト相からなる2相混合組織あるいは実質的にマ
ルテンサイト単相組織とする。その理由は、鋼の内層部
では曲げ加工などによる加工変形量が小さく、残留オー
ステナイト相があっても加工誘起変態による強度向上が
期待できないからである。
いが、フェライト相があると加工性改善効果がある。し
かしながら、フェライト相の比率が高くなると強度が低
下してばね特性、特にばね疲労特性が損なわれるので、
フェライト相を含有する場合であってもその上限は体積
%で90%とするのが望ましい。
部」とは、例えば雰囲気中から吸収した窒素が鋼内部を
拡散することにより形成した鋼表面近傍の高窒素濃度領
域を意味し、一般には、内層部に対する相対的用語であ
って、鋼材の表面を含む領域をいう。そして、上記例示
した場合においては、表層部の厚さは、EPMA装置により
鋼の表面から窒素濃度のプロファイルを測定することに
よって、あるいは断面を腐食した後にSEM 観察等するこ
とによって求めることができ、表層部の組織は、上記高
窒素濃度領域の組織をもって決定され、内層部の組織
は、鋼内部の低窒素濃度領域の組織をもって決定され
る。ここで、高窒素濃度領域とは、複層化熱処理前の被
熱処理材の窒素濃度に対して複層化熱処理により窒素濃
度が高められた領域であり、低窒素濃度領域とは前記高
窒素濃度領域に比して窒素濃度が低い領域である。
未固溶Cu粒子の径は、後述する実施例の記載からも分か
るように、表面研磨により観察される組織をもって決定
し、その領域における未固溶Cu粒子の径は、Tiメッシュ
に抽出して透過型電子顕微鏡で倍率2000倍で観察してと
らえられた未固溶Cu粒子の長径をもって決定すればよ
い。
うに、鋼表層部がマルテンサイト相と残留オーステナイ
ト相とを含有する混合組織であり、内層部がフェライト
相とマルテンサイト相とを含有する混合組織もしくは実
質的にマルテンサイト単相組織である組織をいい、一般
には、表層部の組織と内層部の組織とが異なる組織をい
う。
で、C:0.01%以上0.15%以下、Cr:16%以上20%以
下、Cu:1.5 %以上3.0 %以下を含有するクロム系ステ
ンレス鋼を、窒素含有雰囲気中で均熱して少なくとも表
層部をオーステナイト単相とし、前記窒素含有雰囲気中
の窒素を鋼表層部に吸収させたのちに1℃/秒以上の冷
却速度で冷却する熱処理をいい、一般には複層組織を形
成せしめる熱処理をいう。
織」とは、マルテンサイト相以外に、鋼の特性に悪影響
を及ぼさない範囲で、素材の偏析等に起因して混入する
フェライト相が存在する場合を含む意味である。
は、冷間圧延鋼板や熱間圧延鋼板であるが、それに限定
する必要はなく、箔、線材、条鋼、管材などをも包含す
るものである。要するに、複層組織を有する鋼材であれ
ば、その形態は特に制限はない趣旨である。
法を、「鋼材」が冷間圧延鋼板である場合を例に説明す
る。すでに述べた鋼組成を備えた鋼のスラブを公知の方
法、例えば、転炉や電気炉で鋼を溶解した後、真空脱ガ
ス処理を施し、連続鋳造法や鋼塊にした後に分塊圧延す
るなどの方法でスラブを製造する。得られたスラブを公
知の方法で熱間圧延して熱間圧延鋼板を製造する。この
熱間圧延鋼板を常法にしたがって焼鈍し、酸洗などの公
知の方法で表面のスケールを除去する。
製造する。冷間圧延は、中間焼鈍を含む複数回の冷間圧
延を行ってもよいし、中間焼鈍を含まない冷間圧延とし
てもよい。冷間圧延鋼板の寸法は、特に限定するもので
なく、通常使用されている厚さ(例えば0.1 〜2.Omm)と
すればよい。
気中でCuの溶解度が鋼中Cuを完全に固溶する程度とする
均熱温度で均熱する複層化熱処理を行う。複層化熱処理
の均熱温度の上限は、連続焼鈍ラインの通板に必要な鋼
の高温強度を確保するために1200℃とする。ステンレス
鋼中のCuの溶解度は複層化熱処理の均熱温度の上昇によ
り増加する。複層化熱処理の均熱温度は、Cu含有量によ
り次式のように関係づけられる。
る。均熱後の冷却は、鋭敏化現象の発生と粗大Cu粒子の
析出を抑制するために1℃/秒以上で行う。冷却速度が
1℃/秒未満では、鋭敏化現象の発生と粗大Cu粒子の析
出により耐銹性が劣化する。好ましくは5℃/秒以上で
ある。他方、冷却速度を1000℃/秒超とすることは実質
的に困難であるので、上限は1000℃/ 秒以下とする。好
ましくは50℃/秒以下、より好ましくは25℃/秒以下で
ある。
おける鋼材表層の金属組織を制御するために、以下のよ
うにすることが望ましい。窒素含有雰囲気中の水素濃度
は、10体積%以上とすることが好ましい。雰囲気中の水
素濃度が10体積%未満の場合は、鋼材表面に厚い酸化皮
膜(>500 Å)が形成し易く、表面の美観を損なうとと
もに、窒素吸収量の制御が困難となる。より好ましくは
50体積%以上である。
の窒素吸収量を制御するために5体積%以上とする。雰
囲気中の窒素濃度が5体積%未満の場合は、複層化組織
とすることができない。
下、より好ましくは−40℃以下とする。露点が−30℃を
越える場合は、鋼材表面に厚い酸化皮膜が形成し易く、
表面の美観を損なうとともに、窒素吸収量の制御が困難
となる。
固溶Cu粒子の径は、例えば、複層化熱処理の均熱温度を
変更することによって調整可能である。本明細書で云う
「耐銹性」は一般に云う耐食性に含まれる1つの特性で
あるが、本発明の場合にはNaCl環境における腐食減量を
もって評価する特性を云う。
より具体的に説明する。
成を表1に示す。これらの鋼組成を有するクロム系ステ
ンレス鋼連続鋳造スラブを1150〜1200℃に加熱し、仕上
げ温度900 〜950 ℃で熱間圧延を終了して、厚さ3.2mm
の熱延鋼帯とした。これら熱延鋼帯は750 〜830 ℃で熱
延板焼鈍を施した後、ショットブラストと硝弗酸酸洗を
施して脱スケールした後、中間焼鈍を挟む冷間圧延を施
して厚さが0.25mmの鋼板とし、さらに以下に述べる条件
で複層化熱処理を施した。
て、均熱雰囲気は窒素5〜25体積%、水素95〜75体積%
からなり、雰囲気露点は−40℃以下に制御した混合ガス
を使用した。均熱時の鋼表面温度は850 〜1050℃とし
た。均熱時間は5〜45秒の範囲とし、均熱後の冷却速度
は10〜25℃/秒とした。比較のために均熱雰囲気は、上
記以外の混合比からなるガスも使用した。
化熱処理の均熱温度を変更することによって調整した。
比較鋼として、市販のオーステナイト系ばね用ステンレ
ス鋼SUS301−CSP(3/4H仕様材) 、SUS304−CSP(H仕様
材)を準備した。
により研磨・腐食した試料表面を顕微鏡観察して測定し
た。残留オーステナイト相の比率は、試料表面のX線回
折によりα−Feとγ−Feの積分強度を測定し、積分強度
の比率より求めた。残部をフェライト相の比率とした。
の体積率は、常法により研磨・腐食した試料断面の顕微
鏡観察により求めた。表層部の窒素含有量は、窒素含有
量測定専用の分光結晶LAD(人工多層膜)を有するEPMA装
置により鏡面研磨した試験片断面において定量した。ま
た、これら窒素含有量の実測値とX線回折から求めたγ
−Feの格子定数を回帰し、下記の関係式を得た。
格子定数[Å]−3.592)/0.0394 表層部の窒素含有量は、X線回折から求めたγ−Feの格
子定数を用いて上式により簡便的に求めることもでき
る。
研磨後、腐食した試料表面を10%アセチルアセトン−1
%TMAC−メタノール溶液に浸漬し、Tiメッシュに抽出し
た。Tiメッシュに抽出したCu粒子を透過型電子顕微鏡に
より×2000で観察し、観察されるCu粒子の長径の最大値
を測定し、これを未固溶Cu粒子の最大粒子径とした。Cu
粒子の化学組成はEDX 元素分析により確認した。
るビッカース硬さ試験法により、荷重9.8 Nの条件にて
測定した。ばね疲労限界は、圧延方向(L方向)と圧延
垂直方向(T方向)の試験片を使用し、繰り返し平板曲
げ試験機により測定した。ばね疲労限界は、30Hzの一定
振幅の繰り返し平板曲げ試験で107 回を上限として試験
片が破断に至らなかった最大応力とした。
性、pH1:塩酸調整)に100 時間半浸漬した後、発銹状
況を目視観察し、発銹が無い場合を合格(○)と判断し
た。しみが確認された場合は、SUS304と同等(△)とし
た。
および表3にまとめて示す。
D2は、いずれも必須元素としてC:0.01〜0.15質量%、
Cr:16〜20質量%、Cu:1.5 〜3.0 質量%を含有し、表
層部はマルテンサイト相と残留オーステナイト相を含む
混合組織からなり、かつ表層部の金属組織中に未固溶Cu
粒子の最大粒子径が0.5 μm 以下である複層組織クロム
系ステンレス鋼板である。
イト相を含まない金属組織である。また、符号A2とD3
は、未固溶Cu粒子の最大粒子径が0.5 μm を越える鋼板
である。符合ElおよびF1は必須元素であるCuを含まない
もしくはその含有量が1.5 %未満である鋼板である。
は、比較鋼の301 −CSP(3/4H)および 304−CSP(H) に
相当するばね疲労限界(≧600 N/mm2)と曲げ加工性
(R/t≦2)を兼備し、304 −CSP(H)と同等以上の優
れた耐銹性を有した。
04−CSP(H)と同等以上の耐銹性が得られなかった。
なばね用クロム系ステンレス鋼材において、SUS304鋼
(18Cr−8Ni)と同等以上の優れた耐銹性が得られる効
果がある。特に、塗装省略を目的とした自動車用ホーン
の振動板として最適である。
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 質量%で、C:0.01〜0.15%、Cr:16〜
20%、Cu:1.5 〜3.0 %を含有し、表層部と内層部との
複層組織から成り、表層部がマルテンサイト相と残留オ
ーステナイト相とを含有する混合組織からなり、内層部
がフェライト相とマルテンサイト相とを含有する混合組
織もしくは実質的にマルテンサイト単相組織からなり、
前記表層部における未固溶Cu粒子の最大粒子径が0.5 μ
m 以下であることを特徴とする複層組織クロム系ステン
レス鋼材。 - 【請求項2】 前記表層部における窒素含有量が0.03〜
0.5 質量%である請求項1に記載の複層組織クロム系ス
テンレス鋼材。 - 【請求項3】 質量%で、C:0.01〜0.15%、Cr:16〜
20%、Cu:1.5 〜3.0 %を含有するクロム系ステンレス
鋼材を窒素含有雰囲気中で下記(1) 式で規定される均熱
温度Tに均熱し、前記窒素含有雰囲気中の窒素を鋼材の
表層部に吸収させたのち、1 ℃/秒以上の冷却速度で冷
却する複層化熱処理を行うことを特徴とする複層組織ク
ロム系ステンレス鋼材の製造方法。 T(℃)≧ 93Cu (質量%)+760 ・・・(1) - 【請求項4】 前記窒素含有雰囲気は、水素:10体積%
以上、窒素:5体積%以上を含有し、露点:−30℃以下
である請求項3に記載の複層組織クロム系ステンレス鋼
材の製造方法。
Priority Applications (1)
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