JP2003171409A - 有機−無機複合材料の製造方法 - Google Patents
有機−無機複合材料の製造方法Info
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- JP2003171409A JP2003171409A JP2001371515A JP2001371515A JP2003171409A JP 2003171409 A JP2003171409 A JP 2003171409A JP 2001371515 A JP2001371515 A JP 2001371515A JP 2001371515 A JP2001371515 A JP 2001371515A JP 2003171409 A JP2003171409 A JP 2003171409A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 包装・容器などの汎用的消費分野や、自動車
分野、電気・電子分野、機械・工業分野、事務機器分
野、航空・宇宙分野などの各種部品などに好適な強度、
剛性、耐熱性が高く、靱性に優れ、また寸法特性および
リワーク性に優れる有機−無機複合材料を効率良く製造
する方法の提供。 【解決手段】 有機化合物(A)と無機フィラーの原料
成分(B)を混合、加熱処理を行い有機−無機化合物
(C)を得る合成工程と該有機−無機複合化合物(C)
の存在下に熱可塑性樹脂(D)を重合する工程からなる
有機−無機複合材料の製造方法。
分野、電気・電子分野、機械・工業分野、事務機器分
野、航空・宇宙分野などの各種部品などに好適な強度、
剛性、耐熱性が高く、靱性に優れ、また寸法特性および
リワーク性に優れる有機−無機複合材料を効率良く製造
する方法の提供。 【解決手段】 有機化合物(A)と無機フィラーの原料
成分(B)を混合、加熱処理を行い有機−無機化合物
(C)を得る合成工程と該有機−無機複合化合物(C)
の存在下に熱可塑性樹脂(D)を重合する工程からなる
有機−無機複合材料の製造方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、様々な機械工業部
品、電気電子部品などの産業用材料として好適な強度、
剛性、耐熱性が高く、靱性に優れ、また低吸水速度であ
り、寸法特性、表面外観およびリワーク性に優れる有機
−無機複合材料を効率良く製造する方法に関するもので
ある。
品、電気電子部品などの産業用材料として好適な強度、
剛性、耐熱性が高く、靱性に優れ、また低吸水速度であ
り、寸法特性、表面外観およびリワーク性に優れる有機
−無機複合材料を効率良く製造する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、熱可塑性樹脂の特性を改良あ
るいは向上させることを目的として、熱可塑性樹脂に無
機充填剤を配合することは広く行われている。例えばガ
ラス繊維や炭素繊維などの無機繊維状充填材、タルク、
カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、ウォラストナイト
などの無機物粒子、あるいは雲母、モンモリロナイト、
膨潤性フッ素雲母などの層状化合物などの各種無機充填
材を樹脂に配合する方法が提案され、またこれらの材料
のいくつかは、包装・容器などの汎用的消費分野や、自
動車分野、電気・電子分野、機械・工業分野、事務機器
分野、航空・宇宙分野などの各種部品などに用いられて
いる。
るいは向上させることを目的として、熱可塑性樹脂に無
機充填剤を配合することは広く行われている。例えばガ
ラス繊維や炭素繊維などの無機繊維状充填材、タルク、
カオリン、マイカ、炭酸カルシウム、ウォラストナイト
などの無機物粒子、あるいは雲母、モンモリロナイト、
膨潤性フッ素雲母などの層状化合物などの各種無機充填
材を樹脂に配合する方法が提案され、またこれらの材料
のいくつかは、包装・容器などの汎用的消費分野や、自
動車分野、電気・電子分野、機械・工業分野、事務機器
分野、航空・宇宙分野などの各種部品などに用いられて
いる。
【0003】しかしながら、これらの従来技術による
と、ガラス繊維や炭素繊維など無機繊維状充填材を用い
た場合には、製品の比重が増加したり、製品の表面外観
や表面平滑性が低下したり、製品の靱性が低下したりす
る問題があった。また押出、成形時などに押出機や成形
機のシリンダー、スクリュー、金型などの摩耗が生じた
り、近年の環境ニーズの高まりにより要求されているリ
サイクル、リワークによって無機繊維状充填剤の破損に
より、強度など物性が大きき低下し、再使用できないな
どの問題があった。こうした問題点を改良するために、
例えば樹脂に微細なタルク、カオリン、マイカ、炭酸カ
ルシウム、ウォラストナイトなどの無機物粒子、あるい
は雲母、モンモリロナイト、膨潤性フッ素雲母などの層
状化合物を配合する方法が提案されている。
と、ガラス繊維や炭素繊維など無機繊維状充填材を用い
た場合には、製品の比重が増加したり、製品の表面外観
や表面平滑性が低下したり、製品の靱性が低下したりす
る問題があった。また押出、成形時などに押出機や成形
機のシリンダー、スクリュー、金型などの摩耗が生じた
り、近年の環境ニーズの高まりにより要求されているリ
サイクル、リワークによって無機繊維状充填剤の破損に
より、強度など物性が大きき低下し、再使用できないな
どの問題があった。こうした問題点を改良するために、
例えば樹脂に微細なタルク、カオリン、マイカ、炭酸カ
ルシウム、ウォラストナイトなどの無機物粒子、あるい
は雲母、モンモリロナイト、膨潤性フッ素雲母などの層
状化合物を配合する方法が提案されている。
【0004】例えば、特開平10−158431号公報
には、微細フィラーである層状珪酸塩と熱可塑性樹脂か
らなる樹脂組成物が開示されている。しかし、上記の微
細な無機フィラーを使用するに当たり、あらかじめ微細
な無機フィラーを製造する必要があり、この工程でかな
りのコストを必要とする問題があった。さらにはこの無
機フィラーを樹脂へ分散させるために、無機フィラーに
特殊な処理を必要とし、またその分散性も十分とはいえ
ず、さらには靱性の低下を引き起こす傾向があり、補強
効果としては十分とは言えなかった。
には、微細フィラーである層状珪酸塩と熱可塑性樹脂か
らなる樹脂組成物が開示されている。しかし、上記の微
細な無機フィラーを使用するに当たり、あらかじめ微細
な無機フィラーを製造する必要があり、この工程でかな
りのコストを必要とする問題があった。さらにはこの無
機フィラーを樹脂へ分散させるために、無機フィラーに
特殊な処理を必要とし、またその分散性も十分とはいえ
ず、さらには靱性の低下を引き起こす傾向があり、補強
効果としては十分とは言えなかった。
【0005】さらに、特開2001−19798号公報
では、無機フィラーの原料同士を付着させる予備混合過
程と、引き続き無機フィラーの水熱合成を行う水熱合成
過程と熱可塑性樹脂の重合を行い有機−無機複合材料を
得る製造方法が開示されている。しかしながら本発明者
の検討によると、この製造方法では無機フィラーの分散
性が向上し、強度、剛性が向上するものの、無機フィラ
ーと熱可塑性樹脂との界面の形成が不十分であり、靭性
の低下を引き起こす傾向があった。
では、無機フィラーの原料同士を付着させる予備混合過
程と、引き続き無機フィラーの水熱合成を行う水熱合成
過程と熱可塑性樹脂の重合を行い有機−無機複合材料を
得る製造方法が開示されている。しかしながら本発明者
の検討によると、この製造方法では無機フィラーの分散
性が向上し、強度、剛性が向上するものの、無機フィラ
ーと熱可塑性樹脂との界面の形成が不十分であり、靭性
の低下を引き起こす傾向があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題点を解決しうる強度、剛性、耐熱性が高く、なお
かつ靱性に優れ、また、低吸水速度であり、寸法特性、
表面外観およびリワーク性に優れる有機−無機複合材料
を効率良く製造する方法を提供することである。
の問題点を解決しうる強度、剛性、耐熱性が高く、なお
かつ靱性に優れ、また、低吸水速度であり、寸法特性、
表面外観およびリワーク性に優れる有機−無機複合材料
を効率良く製造する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討した結果、有機化合物と無機化合
物からなる有機−無機複合化合物を得る合成工程に続
き、該有機−無機複合化合物の存在下に、熱可塑性樹脂
の重合を行う重合工程を連続で行うことを特徴とする有
機−無機複合材料の製造方法により上記課題が解決でき
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
を解決すべく鋭意検討した結果、有機化合物と無機化合
物からなる有機−無機複合化合物を得る合成工程に続
き、該有機−無機複合化合物の存在下に、熱可塑性樹脂
の重合を行う重合工程を連続で行うことを特徴とする有
機−無機複合材料の製造方法により上記課題が解決でき
ることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】すなわち、本発明は、以下の通りである。
1. 有機化合物と無機化合物からなる有機−無機複合
化合物を得る合成工程に続き、該有機−無機複合化合物
の存在下に、熱可塑性樹脂の重合を行う製造方法であっ
て、該合成工程が有機化合物(A)と無機フィラーの原
料化合物(B)を混合、加熱処理して有機−無機複合化
合物(C)を得る工程であり、また該重合工程が、該有
機−無機複合化合物(C)の存在下に熱可塑性樹脂
(D)を重合する工程を含むことを特徴とする有機−無
機複合材料の製造方法。
化合物を得る合成工程に続き、該有機−無機複合化合物
の存在下に、熱可塑性樹脂の重合を行う製造方法であっ
て、該合成工程が有機化合物(A)と無機フィラーの原
料化合物(B)を混合、加熱処理して有機−無機複合化
合物(C)を得る工程であり、また該重合工程が、該有
機−無機複合化合物(C)の存在下に熱可塑性樹脂
(D)を重合する工程を含むことを特徴とする有機−無
機複合材料の製造方法。
【0009】2. 1の合成工程において、熱可塑性樹
脂の原料モノマー(E)が1種以上混合されていること
を特徴とする、1に記載の有機−無機複合材料の製造方
法。 3. 1の合成工程で得られる有機−無機複合化合物
(C)を含むスラリーに、熱可塑性樹脂の原料モノマー
(E)が1種以上混合されていることを特徴とする、1
に記載の有機−無機複合材料の製造方法。 4. 有機化合物(A)が、熱可塑性樹脂の原料モノマ
ー(E)および/または熱可塑性樹脂原料と重合可能な
成分(F)であることを特徴とする上記1〜3に記載の
有機−無機複合材料の製造方法。
脂の原料モノマー(E)が1種以上混合されていること
を特徴とする、1に記載の有機−無機複合材料の製造方
法。 3. 1の合成工程で得られる有機−無機複合化合物
(C)を含むスラリーに、熱可塑性樹脂の原料モノマー
(E)が1種以上混合されていることを特徴とする、1
に記載の有機−無機複合材料の製造方法。 4. 有機化合物(A)が、熱可塑性樹脂の原料モノマ
ー(E)および/または熱可塑性樹脂原料と重合可能な
成分(F)であることを特徴とする上記1〜3に記載の
有機−無機複合材料の製造方法。
【0010】5. 合成工程の反応温度が、30〜30
0℃であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記
載の製造方法。 6. 有機−無機複合化合物(C)がカルボン酸−アパ
タイト類似化合物であることを特徴とする上記1〜5の
いずれかに記載の製造方法。 7. 有機化合物(A)が、ポリアミド重合体のモノマ
ーであることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載
の製造方法。 8. 上記1〜7のいずれかに記載の製造方法により製
造される、無機フィラーが質量平均径100nm以下、
かつ平均アスペクト比6以上であることを特徴とする有
機−無機複合材料である。
0℃であることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記
載の製造方法。 6. 有機−無機複合化合物(C)がカルボン酸−アパ
タイト類似化合物であることを特徴とする上記1〜5の
いずれかに記載の製造方法。 7. 有機化合物(A)が、ポリアミド重合体のモノマ
ーであることを特徴とする上記1〜6のいずれかに記載
の製造方法。 8. 上記1〜7のいずれかに記載の製造方法により製
造される、無機フィラーが質量平均径100nm以下、
かつ平均アスペクト比6以上であることを特徴とする有
機−無機複合材料である。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明で用いられる有機−無機複合化合物(C)とは、有
機分子と無機化合物が互いに結合してなる合成化合物で
あり、かつ有機化合物(A)と無機フィラーの原料化合
物(B)を混合し加熱処理することによって得られるも
のであれば特に限定されない。
発明で用いられる有機−無機複合化合物(C)とは、有
機分子と無機化合物が互いに結合してなる合成化合物で
あり、かつ有機化合物(A)と無機フィラーの原料化合
物(B)を混合し加熱処理することによって得られるも
のであれば特に限定されない。
【0012】例えば、(A)としてジカルボン酸、
(B)として無機フィラー原料であるリン酸三カルシウ
ム(α−Ca3(PO4)2)を混合、加熱処理して得ら
れる(C)ジカルボン酸−アパタイト類似化合物の複合
化合物(H.Monma, Bull.Chem.Soc.Jpn., 1984,57,599−
600)や、(A)としてジアミン、(B)として無機フ
ィラー原料のリン酸、水酸化アルミニウムを混合、加熱
処理して得られる(C)ジアミン−アルミノリン酸塩複
合化合物(Kjell Ove Kongshaug et. Al., J.Mater.Che
m., 1999,9,1591−1598)、さらには(A)としてアミ
ノ酸、カルボン酸、またはジカルボン酸と、(B)とし
て無機フィラー原料の水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウムを混合、加熱処理して得られる(C)カルボン
酸−ハイドロタルサイト複合化合物をあげることができ
る。これらは無機表面に有機物がイオン的に吸着した複
合合成化合物である。このなかでも合成が比較的低温で
行うことがでるジカルボン酸−アパタイト類似化合物、
カルボン酸−ハイドロタルサイト複合化合物が好ましく
用いることができ、最も好ましくはジカルボン酸−アパ
タイト類似化合物である。
(B)として無機フィラー原料であるリン酸三カルシウ
ム(α−Ca3(PO4)2)を混合、加熱処理して得ら
れる(C)ジカルボン酸−アパタイト類似化合物の複合
化合物(H.Monma, Bull.Chem.Soc.Jpn., 1984,57,599−
600)や、(A)としてジアミン、(B)として無機フ
ィラー原料のリン酸、水酸化アルミニウムを混合、加熱
処理して得られる(C)ジアミン−アルミノリン酸塩複
合化合物(Kjell Ove Kongshaug et. Al., J.Mater.Che
m., 1999,9,1591−1598)、さらには(A)としてアミ
ノ酸、カルボン酸、またはジカルボン酸と、(B)とし
て無機フィラー原料の水酸化マグネシウム、水酸化アル
ミニウムを混合、加熱処理して得られる(C)カルボン
酸−ハイドロタルサイト複合化合物をあげることができ
る。これらは無機表面に有機物がイオン的に吸着した複
合合成化合物である。このなかでも合成が比較的低温で
行うことがでるジカルボン酸−アパタイト類似化合物、
カルボン酸−ハイドロタルサイト複合化合物が好ましく
用いることができ、最も好ましくはジカルボン酸−アパ
タイト類似化合物である。
【0013】上記ジカルボン酸−アパタイト類似化合物
は下記一般式で表される。 Ca8(HPO4)2-z(RC2O4)z(PO4)4・mH2
O ただし、0<Z≦1、0≦m≦10である。Rは炭素数
1以上のアルキル、アリール基を示し、具体的にはCH
2、C2H4などの直鎖メチレン基およびその置換体、C2
H2などの不飽和結合を有するアルケンおよびその置換
体、C6H4、C 10H8などの芳香族基およびその置換体
を挙げることができる。ここで、上記脂肪族、芳香族置
換体とは、ポリアミド重合体、塩化ビニル重合体、ポリ
ビニール重合体、ポリメチルメタクリレートと重合可能
である官能基を有するジカルボン酸の置換体が含まれ
る。
は下記一般式で表される。 Ca8(HPO4)2-z(RC2O4)z(PO4)4・mH2
O ただし、0<Z≦1、0≦m≦10である。Rは炭素数
1以上のアルキル、アリール基を示し、具体的にはCH
2、C2H4などの直鎖メチレン基およびその置換体、C2
H2などの不飽和結合を有するアルケンおよびその置換
体、C6H4、C 10H8などの芳香族基およびその置換体
を挙げることができる。ここで、上記脂肪族、芳香族置
換体とは、ポリアミド重合体、塩化ビニル重合体、ポリ
ビニール重合体、ポリメチルメタクリレートと重合可能
である官能基を有するジカルボン酸の置換体が含まれ
る。
【0014】本発明で用いられる有機化合物(A)(以
下、有機成分(A)と略すこともある。)、熱可塑性樹
脂の原料モノマー(E)および熱可塑性樹脂原料と重合
可能な成分(F)は、上記有機−無機複合化合物(C)
を生成するものであれば特に限定されないが、本発明で
得られる有機−無機複合材料の機械的特性、とくに靭性
をそこなわない材料を得る観点から、熱可塑性樹脂と重
合可能な官能基を構造上有することが好ましく、さらに
コストの面、その後の有機−無機複合材料の製造方法の
容易さから好ましくは熱可塑性樹脂(D)の原料モノマ
ーである。
下、有機成分(A)と略すこともある。)、熱可塑性樹
脂の原料モノマー(E)および熱可塑性樹脂原料と重合
可能な成分(F)は、上記有機−無機複合化合物(C)
を生成するものであれば特に限定されないが、本発明で
得られる有機−無機複合材料の機械的特性、とくに靭性
をそこなわない材料を得る観点から、熱可塑性樹脂と重
合可能な官能基を構造上有することが好ましく、さらに
コストの面、その後の有機−無機複合材料の製造方法の
容易さから好ましくは熱可塑性樹脂(D)の原料モノマ
ーである。
【0015】ここで、本発明で用いられる熱可塑性樹脂
(D)とは、水の存在下原料モノマーより重合できるも
のであり、例えばポリアミド重合体、塩化ビニル重合
体、ポリビニール重合体、ポリメチルメタクリレートな
どをあげることができ、原料モノマーとは公知の原料を
使用することができる。好ましい上記有機成分(A)、
熱可塑性樹脂の原料成分(E)および熱可塑性樹脂原料
と重合可能な成分(F)としては、例えば、ジカルボン
酸、ジアミン、アミノ酸、モノカルボン酸、モノアミ
ン、およびこれらの誘導体をあげることができる。さら
に好ましくは、無機フィラーと熱可塑性樹脂の両方と結
合可能であり、かつ熱可塑性樹脂の原料モノマーとなり
えるジカルボン酸、ジアミン、アミノ酸である。
(D)とは、水の存在下原料モノマーより重合できるも
のであり、例えばポリアミド重合体、塩化ビニル重合
体、ポリビニール重合体、ポリメチルメタクリレートな
どをあげることができ、原料モノマーとは公知の原料を
使用することができる。好ましい上記有機成分(A)、
熱可塑性樹脂の原料成分(E)および熱可塑性樹脂原料
と重合可能な成分(F)としては、例えば、ジカルボン
酸、ジアミン、アミノ酸、モノカルボン酸、モノアミ
ン、およびこれらの誘導体をあげることができる。さら
に好ましくは、無機フィラーと熱可塑性樹脂の両方と結
合可能であり、かつ熱可塑性樹脂の原料モノマーとなり
えるジカルボン酸、ジアミン、アミノ酸である。
【0016】上記ジカルボン酸としては、例えば、マロ
ン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン
酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3
−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベ
リン酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロ
ロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチル
イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、
ジグリコール酸などを挙げることができる。本発明で
は、これらジカルボン酸を1種用いてもよいし、2種類
以上を組み合わせて用いてもよい。
ン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン
酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3
−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベ
リン酸、ドデカン二酸、エイコジオン酸、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、2−クロ
ロテレフタル酸、2−メチルテレフタル酸、5−メチル
イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、ヘ
キサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、
ジグリコール酸などを挙げることができる。本発明で
は、これらジカルボン酸を1種用いてもよいし、2種類
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】上記ジアミンとしては、例えば、テトラメ
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメ
チレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2−メチル
ペンタメチレンジアミン、ノナンメチレンジアミン、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチ
ルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチ
レンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレ
ンジアミン、1,3−ビス(アミンメチル)シクロヘキ
サン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカ
ン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5,−ト
リメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘ
キシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、
アミノエチルピペラジンなどを挙げることができる。本
発明では、これらジアミンを1種用いてもよいし、2種
類以上を組み合わせて用いてもよい。
チレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメ
チレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2−メチル
ペンタメチレンジアミン、ノナンメチレンジアミン、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチ
ルノナメチレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチ
レンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレ
ンジアミン、1,3−ビス(アミンメチル)シクロヘキ
サン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシクロデカ
ン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5,−ト
リメチルシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)メタン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘ
キシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキ
シル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、
アミノエチルピペラジンなどを挙げることができる。本
発明では、これらジアミンを1種用いてもよいし、2種
類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0018】上記アミノ酸としては、例えば、6−アミ
ノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミ
ノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などを挙げる
ことができる。本発明では、これらアミノ酸を1種用い
てもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる無機フィラー原料化合物(B)(以
下、無機原料成分(B)、無機原料成分(B)または原
料成分(B)と略すこともある。)とは、上記有機成分
(A)と加熱処理して有機−無機複合化合物(C)を生
成する化合物で有れば特に限定されない。
ノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミ
ノドデカン酸、パラアミノメチル安息香酸などを挙げる
ことができる。本発明では、これらアミノ酸を1種用い
てもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いられる無機フィラー原料化合物(B)(以
下、無機原料成分(B)、無機原料成分(B)または原
料成分(B)と略すこともある。)とは、上記有機成分
(A)と加熱処理して有機−無機複合化合物(C)を生
成する化合物で有れば特に限定されない。
【0019】例えば、(C)としてジカルボン酸−アパ
タイト類似化合物を用いる場合、(B)無機原料として
はリン酸三カルシウムのように、カルシウム、リンを含
有する無機化合物を使用することができる。同様に、
(C)としてジアミン−アルミノリン酸塩複合化合物で
ある場合は、リン酸、水酸化アルミニウム、リン酸アル
ミニウムなどが、(C)としてカルボン酸−ハイドロタ
ルサイト複合化合物である場合には、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化ナトリウムなどを用い
ることができる。
タイト類似化合物を用いる場合、(B)無機原料として
はリン酸三カルシウムのように、カルシウム、リンを含
有する無機化合物を使用することができる。同様に、
(C)としてジアミン−アルミノリン酸塩複合化合物で
ある場合は、リン酸、水酸化アルミニウム、リン酸アル
ミニウムなどが、(C)としてカルボン酸−ハイドロタ
ルサイト複合化合物である場合には、水酸化マグネシウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化ナトリウムなどを用い
ることができる。
【0020】本発明で好ましく用いられる(C)ジカル
ボン酸−アパタイト類似化合物を合成する際の無機原料
(B)としては、リン酸系化合物と非リン酸系金属化合
物、リン酸系金属化合物や、リン酸系金属化合物と非リ
ン酸系金属化合物とからなる混合物などを挙げることが
できるが、より好ましくはリン酸系金属化合物と非リン
酸系金属化合物とからなる混合物を用いる。 特にカル
シウムとリンのモル比(Ca/P)が1.10から1.
90、さらに好ましくは1.20から1.80、最も好
ましくは1.30から1.60となるように各種原料成
分を調整することである。上記の範囲であれば、複合化
合物の収率が減少、もしくは結晶性が低下することを抑
えることができる。
ボン酸−アパタイト類似化合物を合成する際の無機原料
(B)としては、リン酸系化合物と非リン酸系金属化合
物、リン酸系金属化合物や、リン酸系金属化合物と非リ
ン酸系金属化合物とからなる混合物などを挙げることが
できるが、より好ましくはリン酸系金属化合物と非リン
酸系金属化合物とからなる混合物を用いる。 特にカル
シウムとリンのモル比(Ca/P)が1.10から1.
90、さらに好ましくは1.20から1.80、最も好
ましくは1.30から1.60となるように各種原料成
分を調整することである。上記の範囲であれば、複合化
合物の収率が減少、もしくは結晶性が低下することを抑
えることができる。
【0021】上記リン酸系金属化合物としては、リン酸
一水素カルシウム(CaHPO4)、リン酸一水素カル
シウム二水和物(CaHPO4・2H2O)、二リン酸二
水素カルシウム(CaH2P2O7)、リン酸二水素カル
シウム一水和物 (Ca(H2PO4)2・H2O)、二リ
ン酸カルシウム(α−およびβ−Ca2P2O7)、リン
酸三カルシウム(α−およびβ−Ca3(PO4)2)、
リン酸四カルシウム(Ca4(PO4)2O)、リン酸八
カルシウム五水和物(Ca8H2(PO4)6・5H
2O)、亜リン酸カルシウム一水和物(CaHPO3・H
2O)、次亜リン酸カルシウム(Ca(H2PO2)2)で
ある。この中でも、経済性に優れる点から、本発明で
は、リン酸一水素カルシウム(CaHPO4)およびリ
ン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO4・2H
2O)が特に好ましく用いられる。これらの原料は、1
種で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良
い。
一水素カルシウム(CaHPO4)、リン酸一水素カル
シウム二水和物(CaHPO4・2H2O)、二リン酸二
水素カルシウム(CaH2P2O7)、リン酸二水素カル
シウム一水和物 (Ca(H2PO4)2・H2O)、二リ
ン酸カルシウム(α−およびβ−Ca2P2O7)、リン
酸三カルシウム(α−およびβ−Ca3(PO4)2)、
リン酸四カルシウム(Ca4(PO4)2O)、リン酸八
カルシウム五水和物(Ca8H2(PO4)6・5H
2O)、亜リン酸カルシウム一水和物(CaHPO3・H
2O)、次亜リン酸カルシウム(Ca(H2PO2)2)で
ある。この中でも、経済性に優れる点から、本発明で
は、リン酸一水素カルシウム(CaHPO4)およびリ
ン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO4・2H
2O)が特に好ましく用いられる。これらの原料は、1
種で用いても良いし、2種以上組み合わせて用いても良
い。
【0022】上記非リン酸系金属化合物としては、リン
酸系以外でカルシウム元素と化合物を形成するものであ
れば特に限定されるものではなく、水酸化カルシウム、
塩化カルシウム、フッ化カルシウム、臭化カルシウム、
ヨウ化カルシウム、炭化カルシウム、酸化カルシウム、
炭酸カルシウム、炭酸カリウム、硫酸カルシウム硝酸カ
ルシウム、ケイ酸カルシウムなどの無機カルシウム化合
物や、カルシウム元素とモノカルボン酸との化合物(酢
酸カルシウム、安息香酸カルシウム、ステアリン酸カル
シウムなど)、カルシウム元素とジカルボン酸との化合
物(しゅう酸カルシウム、酒石酸カルシウムなど)、カ
ルシウム元素とトリカルボン酸との化合物(クエン酸カ
ルシウムなど)などを挙げることができる。
酸系以外でカルシウム元素と化合物を形成するものであ
れば特に限定されるものではなく、水酸化カルシウム、
塩化カルシウム、フッ化カルシウム、臭化カルシウム、
ヨウ化カルシウム、炭化カルシウム、酸化カルシウム、
炭酸カルシウム、炭酸カリウム、硫酸カルシウム硝酸カ
ルシウム、ケイ酸カルシウムなどの無機カルシウム化合
物や、カルシウム元素とモノカルボン酸との化合物(酢
酸カルシウム、安息香酸カルシウム、ステアリン酸カル
シウムなど)、カルシウム元素とジカルボン酸との化合
物(しゅう酸カルシウム、酒石酸カルシウムなど)、カ
ルシウム元素とトリカルボン酸との化合物(クエン酸カ
ルシウムなど)などを挙げることができる。
【0023】これら原料は、1種で用いても良いし、2
種以上組み合わせて用いても良い。本発明では、これら
化合物の中でも、経済性および複合化合物の結晶性がよ
り優れていることから、水酸化物、フッ化物、塩化物お
よび炭酸塩、あるいはこれらの混合物が好ましく用いら
れる。本発明の有機−無機複合化合物(C)の合成工程
とは、有機成分(A)と無機フィラーの原料成分(B)
とを混合し、加熱処理を行い有機−無機複合化合物を得
る工程を指す。実際には、(A)と(B)を水系溶媒中
で混合し、加熱処理を行って有機−無機複合化合物
(C)を得る工程である。ここで、本発明で用いる水系
溶媒としては、水もしくは水溶媒と分離しない範囲で、
例えばメタノール、エタノール、エチレングリコール等
アルコール系溶媒やN,N−ジメチルホルムアミド、ア
セチルアセトアミド等のアミド系溶媒、その他アセト
ン、エーテル、ジメチルスルフォキシドなど、あるいは
これらの混合物を混合して用いてもかまわない。
種以上組み合わせて用いても良い。本発明では、これら
化合物の中でも、経済性および複合化合物の結晶性がよ
り優れていることから、水酸化物、フッ化物、塩化物お
よび炭酸塩、あるいはこれらの混合物が好ましく用いら
れる。本発明の有機−無機複合化合物(C)の合成工程
とは、有機成分(A)と無機フィラーの原料成分(B)
とを混合し、加熱処理を行い有機−無機複合化合物を得
る工程を指す。実際には、(A)と(B)を水系溶媒中
で混合し、加熱処理を行って有機−無機複合化合物
(C)を得る工程である。ここで、本発明で用いる水系
溶媒としては、水もしくは水溶媒と分離しない範囲で、
例えばメタノール、エタノール、エチレングリコール等
アルコール系溶媒やN,N−ジメチルホルムアミド、ア
セチルアセトアミド等のアミド系溶媒、その他アセト
ン、エーテル、ジメチルスルフォキシドなど、あるいは
これらの混合物を混合して用いてもかまわない。
【0024】さらに本発明で得られる有機−無機複合材
料の製造方法をより簡便なものとし、さらに無機フィラ
ーの分散性、樹脂との界面密着性を向上させる目的で、
上記水溶媒にあらかじめ熱可塑性樹脂の原料モノマーを
混在させて、有機−無機複合化合物を合成することがで
きる。好ましい例としては、(C)ジカルボン酸−アパ
タイト類似化合物を合成する場合、原料である(A)ジ
カルボン酸、(B)リン酸一水素カルシウム、炭酸カル
シウム、さらに熱可塑性樹脂であるポリアミドの原料モ
ノマーを同時に混合して加熱処理をして、(C)ジカル
ボン酸−アパタイト類似化合物を得ることができる。こ
こで、(A)はポリアミドの原料モノマーと同一の化合
物であっても差し支えない。
料の製造方法をより簡便なものとし、さらに無機フィラ
ーの分散性、樹脂との界面密着性を向上させる目的で、
上記水溶媒にあらかじめ熱可塑性樹脂の原料モノマーを
混在させて、有機−無機複合化合物を合成することがで
きる。好ましい例としては、(C)ジカルボン酸−アパ
タイト類似化合物を合成する場合、原料である(A)ジ
カルボン酸、(B)リン酸一水素カルシウム、炭酸カル
シウム、さらに熱可塑性樹脂であるポリアミドの原料モ
ノマーを同時に混合して加熱処理をして、(C)ジカル
ボン酸−アパタイト類似化合物を得ることができる。こ
こで、(A)はポリアミドの原料モノマーと同一の化合
物であっても差し支えない。
【0025】上記ポリアミドとしては例えば、ポリカプ
ロラクタム(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパ
ミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナ
イロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイ
ロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイ
ロン116)、ポリウンデカラクタム(ナイロン1
1)、ポリドデカラクタム(ナイロン12)、ポリトリ
メチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTM
HT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロ
ン6I)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド(9
T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(6T)、
ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミ
ド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−
アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジ
メチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド
(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンヘキサヒ
ドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))、およ
びこれらのうち少なくとも2種の異なったポリアミド形
成成分を含むポリアミド共重合体、およびこれらの混合
物などである。
ロラクタム(ナイロン6)、ポリテトラメチレンアジパ
ミド(ナイロン46)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ナ
イロン610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナイ
ロン612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ナイ
ロン116)、ポリウンデカラクタム(ナイロン1
1)、ポリドデカラクタム(ナイロン12)、ポリトリ
メチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ナイロンTM
HT)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ナイロ
ン6I)、ポリノナンメチレンテレフタルアミド(9
T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(6T)、
ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミ
ド(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−
アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロンジ
メチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド
(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンヘキサヒ
ドロテレフタルアミド(ナイロン11T(H))、およ
びこれらのうち少なくとも2種の異なったポリアミド形
成成分を含むポリアミド共重合体、およびこれらの混合
物などである。
【0026】これらのポリアミドのうち、本発明課題を
達成するのにより好ましいポリアミドは、ポリカプロラ
クタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナ
イロン612)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド
(ナイロン6I)、およびこれらのうち少なくとも2種
の異なったポリアミド形成成分を含むポリアミド共重合
体、およびこれらの混合物などをあげることができる。
達成するのにより好ましいポリアミドは、ポリカプロラ
クタム(ナイロン6)、ポリヘキサメチレンアジパミド
(ナイロン66)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ナ
イロン612)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド
(ナイロン6I)、およびこれらのうち少なくとも2種
の異なったポリアミド形成成分を含むポリアミド共重合
体、およびこれらの混合物などをあげることができる。
【0027】上記ポリアミドの原料としては、アミノ
酸、ラクタム、及びジアミンとジカルボン酸とからなる
塩及びそのオリゴマーを挙げることができる。ラクタム
としては、例えば、ブチルラクタム、ピバロラクタム、
カプロラクタム、カプリルラクタム、エナントラクタ
ム、ウンデカノラクタム、ドデカノラクタムなどを挙げ
ることができる。本発明では、これらの重合可能なラク
タムを1種用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて
用いてもよい。
酸、ラクタム、及びジアミンとジカルボン酸とからなる
塩及びそのオリゴマーを挙げることができる。ラクタム
としては、例えば、ブチルラクタム、ピバロラクタム、
カプロラクタム、カプリルラクタム、エナントラクタ
ム、ウンデカノラクタム、ドデカノラクタムなどを挙げ
ることができる。本発明では、これらの重合可能なラク
タムを1種用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて
用いてもよい。
【0028】さらに本発明のポリアミドの原料には、さ
らに分子量調節や耐熱水性向上のために末端封止剤を添
加することができる。末端封止剤としては、モノカルボ
ン酸又はモノアミンが好ましい。その他、無水フタル酸
などの酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン
化物、モノエステル類、モノアルコール類などを挙げる
ことができる。末端封止剤として使用できるモノカルボ
ン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれ
ば特に制限はないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ト
リデシル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボ
ン酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカル
ボン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボ
ン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカ
ルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸な
どを挙げることができる。本発明では、これらのモノカ
ルボン酸を1種用いてもよいし、2種類以上を組み合わ
せて用いてもよい。
らに分子量調節や耐熱水性向上のために末端封止剤を添
加することができる。末端封止剤としては、モノカルボ
ン酸又はモノアミンが好ましい。その他、無水フタル酸
などの酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン
化物、モノエステル類、モノアルコール類などを挙げる
ことができる。末端封止剤として使用できるモノカルボ
ン酸としては、アミノ基との反応性を有するものであれ
ば特に制限はないが、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪
酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ト
リデシル酸、ミリスチル酸、パルミチン酸、ステアリン
酸、ピバリン酸、イソブチル酸などの脂肪族モノカルボ
ン酸、シクロヘキサンカルボン酸などの脂環式モノカル
ボン酸、安息香酸、トルイル酸、α−ナフタレンカルボ
ン酸、β−ナフタレンカルボン酸、メチルナフタレンカ
ルボン酸、フェニル酢酸などの芳香族モノカルボン酸な
どを挙げることができる。本発明では、これらのモノカ
ルボン酸を1種用いてもよいし、2種類以上を組み合わ
せて用いてもよい。
【0029】末端封止剤として使用するモノアミンとし
ては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えば、メチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、
オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミンなどの脂肪族モノアミン、シクロヘキシル
アミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミ
ン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチ
ルアミンなどの芳香族モノアミンなどを挙げることがで
きる。本発明では、これらのモノアミンを1種用いても
よいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ては、カルボキシル基との反応性を有するものであれば
特に制限はないが、例えば、メチルアミン、エチルアミ
ン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、
オクチルアミン、デシルアミン、ステアリルアミン、ジ
メチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジ
ブチルアミンなどの脂肪族モノアミン、シクロヘキシル
アミン、ジシクロヘキシルアミンなどの脂環式モノアミ
ン、アニリン、トルイジン、ジフェニルアミン、ナフチ
ルアミンなどの芳香族モノアミンなどを挙げることがで
きる。本発明では、これらのモノアミンを1種用いても
よいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
【0030】この時に加えられる熱可塑性樹脂の原料モ
ノマーは、(A)と(B)の合計質量に対して、
((A)+(B))/(熱可塑性樹脂の原料モノマー)
質量比として好ましくは0.01から500であり、さ
らに好ましくは0.05から250、最も好ましくは
0.1から200である。上記範囲内であれば有機−無
機複合化合物は長時間を必要とせずに得ることができ
る。この時(A)、(B)の混合方法は特に限定される
ものではなく、水系溶媒中に溶解させた(A)成分中に
(B)成分を投入する方法、水系溶媒中に(B)を投入
し、その後(A)を追加する方法、さらには(A)、
(B)両者を直接混合後、水系溶媒に投入する方法など
を挙げることができる。さらに、両者の混合を促すため
に溶液を攪拌器やホモジナイザーによる攪拌を行った
り、超音波照射によって、溶液内がより均等に混ざるよ
うにしても差し支えない。
ノマーは、(A)と(B)の合計質量に対して、
((A)+(B))/(熱可塑性樹脂の原料モノマー)
質量比として好ましくは0.01から500であり、さ
らに好ましくは0.05から250、最も好ましくは
0.1から200である。上記範囲内であれば有機−無
機複合化合物は長時間を必要とせずに得ることができ
る。この時(A)、(B)の混合方法は特に限定される
ものではなく、水系溶媒中に溶解させた(A)成分中に
(B)成分を投入する方法、水系溶媒中に(B)を投入
し、その後(A)を追加する方法、さらには(A)、
(B)両者を直接混合後、水系溶媒に投入する方法など
を挙げることができる。さらに、両者の混合を促すため
に溶液を攪拌器やホモジナイザーによる攪拌を行った
り、超音波照射によって、溶液内がより均等に混ざるよ
うにしても差し支えない。
【0031】この時の(A)の(B)に対する混合質量
比、すなわち(A)/(B)は有機−無機複合化合物を
収率よく得るといった観点から、好ましくは(A)/
(B)が0.01から1000であり、さらに好ましく
は0.05から500であり、最も好ましくは0.10
から100である。さらに、(A)と(B)の合計質量
の、水系溶媒に対する質量比((A)+(B))/(水
系溶媒)は好ましくは0.01から500であり、さら
に好ましくは0.05から250、最も好ましくは0.
1から200である。
比、すなわち(A)/(B)は有機−無機複合化合物を
収率よく得るといった観点から、好ましくは(A)/
(B)が0.01から1000であり、さらに好ましく
は0.05から500であり、最も好ましくは0.10
から100である。さらに、(A)と(B)の合計質量
の、水系溶媒に対する質量比((A)+(B))/(水
系溶媒)は好ましくは0.01から500であり、さら
に好ましくは0.05から250、最も好ましくは0.
1から200である。
【0032】本発明で用いられる(C)有機−無機複合
化合物を合成する際(合成工程)の温度は、特に限定さ
れないが、生成する化合物の結晶性から判断して、熱可
塑性樹脂のモノマーが重合反応を起こす温度以下である
ことが好ましい。実際には20℃から300℃が好まし
く、さらに30℃から250℃が好ましく、40から1
50℃が最も好ましい合成温度である。その際、反応系
を開放して大気圧中で行う方法や反応系を密封して反応
温度の飽和蒸気圧中で行う方法、さらに窒素などの不活
性ガスにて反応温度の飽和蒸気圧以上の圧力下で行う方
法、反応系をやや開放して大気圧以上、反応温度の飽和
蒸気圧以下で行う方法、もしくはこれらを組み合わせた
方法など任意に選んで用いることができる。合成時間
は、反応を完結させるため、任意に決めることができる
が、1時間以上とすることが好ましく、さらに好ましく
は3時間以上である。
化合物を合成する際(合成工程)の温度は、特に限定さ
れないが、生成する化合物の結晶性から判断して、熱可
塑性樹脂のモノマーが重合反応を起こす温度以下である
ことが好ましい。実際には20℃から300℃が好まし
く、さらに30℃から250℃が好ましく、40から1
50℃が最も好ましい合成温度である。その際、反応系
を開放して大気圧中で行う方法や反応系を密封して反応
温度の飽和蒸気圧中で行う方法、さらに窒素などの不活
性ガスにて反応温度の飽和蒸気圧以上の圧力下で行う方
法、反応系をやや開放して大気圧以上、反応温度の飽和
蒸気圧以下で行う方法、もしくはこれらを組み合わせた
方法など任意に選んで用いることができる。合成時間
は、反応を完結させるため、任意に決めることができる
が、1時間以上とすることが好ましく、さらに好ましく
は3時間以上である。
【0033】本発明の合成工程に使用する装置は、オー
トクレーブなどの耐圧反応容器を用いることができ、特
に限定されるものではない。中でも粒径のそろった有機
−無機複合化合物を得て、さらに重合工程を連続して行
う観点から、攪拌装置を装備しているオートクレーブ型
反応容器が最も好ましい。本発明で用いられる有機−無
機複合化合物の同定方法は合成工程で得られた粉末を溶
媒から濾過や遠心分離、さらに乾燥して分別し、粉末X
RD測定、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光測
定、TGA測定、NMR測定、IR測定、GC/MS測
定によって確認することができる。
トクレーブなどの耐圧反応容器を用いることができ、特
に限定されるものではない。中でも粒径のそろった有機
−無機複合化合物を得て、さらに重合工程を連続して行
う観点から、攪拌装置を装備しているオートクレーブ型
反応容器が最も好ましい。本発明で用いられる有機−無
機複合化合物の同定方法は合成工程で得られた粉末を溶
媒から濾過や遠心分離、さらに乾燥して分別し、粉末X
RD測定、高周波誘導結合プラズマ(ICP)発光測
定、TGA測定、NMR測定、IR測定、GC/MS測
定によって確認することができる。
【0034】例えば、(C)がカルボン酸−アパタイト
類似化合物であることの確認は次のように行われる。合
成工程で得られた粉末スラリーを濾過して真空条件下、
65℃で二晩乾燥し測定サンプルとする。このサンプル
の粉末XRD測定を行うことで複合化合物の定性が可能
である。より詳細に確認するにはサンプルをTGA測定
することにより有機成分、無機成分の質量比が得られ
る。無機成分は、サンプルを精密分析用硫酸と超高純度
硝酸にて湿式分解し、高周波誘導結合プラズマ(IC
P)発光測定によって定量することができる。
類似化合物であることの確認は次のように行われる。合
成工程で得られた粉末スラリーを濾過して真空条件下、
65℃で二晩乾燥し測定サンプルとする。このサンプル
の粉末XRD測定を行うことで複合化合物の定性が可能
である。より詳細に確認するにはサンプルをTGA測定
することにより有機成分、無機成分の質量比が得られ
る。無機成分は、サンプルを精密分析用硫酸と超高純度
硝酸にて湿式分解し、高周波誘導結合プラズマ(IC
P)発光測定によって定量することができる。
【0035】また、有機成分は、測定サンプルを1N塩
酸とクロロホルムに加えて抽出することによって得るこ
とができる。抽出された有機成分は、IR測定、NMR
測定、GC/MS測定によって同定することができる。
本発明では、有機−無機複合化合物(C)の合成工程に
引き続き熱可塑性樹脂の重合工程を行う。すなわち、合
成工程で得られた有機−無機複合化合物を含有するスラ
リーに、熱可塑性樹脂の原料モノマーを混合して熱可塑
性樹脂(D)の重合を行う、もしくはあらかじめ(C)
の合成工程で加えられた熱可塑性樹脂モノマー(E)を
重合する、またはあらかじめ(C)の合成工程で加えら
れた熱可塑性樹脂の原料モノマーにさらに原料モノマー
(E)を追加混合して重合を行うことができる。ここ
で、重合工程は特に限定されるものではなく、公知の方
法を用いることができる。
酸とクロロホルムに加えて抽出することによって得るこ
とができる。抽出された有機成分は、IR測定、NMR
測定、GC/MS測定によって同定することができる。
本発明では、有機−無機複合化合物(C)の合成工程に
引き続き熱可塑性樹脂の重合工程を行う。すなわち、合
成工程で得られた有機−無機複合化合物を含有するスラ
リーに、熱可塑性樹脂の原料モノマーを混合して熱可塑
性樹脂(D)の重合を行う、もしくはあらかじめ(C)
の合成工程で加えられた熱可塑性樹脂モノマー(E)を
重合する、またはあらかじめ(C)の合成工程で加えら
れた熱可塑性樹脂の原料モノマーにさらに原料モノマー
(E)を追加混合して重合を行うことができる。ここ
で、重合工程は特に限定されるものではなく、公知の方
法を用いることができる。
【0036】例えば、本発明で好ましく用いられるポリ
アミド−アパタイト類似化合物複合材料の場合、ジカル
ボン酸−アパタイト類似化合物を合成した後のスラリー
にポリアミドの原料であるジアミン、ジカルボン酸の等
モル塩を加える、もしくは、あらかじめポリアミドの原
料であるジアミン、ジカルボン酸の等モル塩を含んだ水
溶媒中で合成されたジカルボン酸−アパタイト類似化合
物のスラリーをそのまま200から290℃で加熱濃縮
し、発生する水蒸気圧を10から20気圧の間の適当な
圧力に保ち、最終的には圧力を抜き、常圧あるいは減圧
し重縮合を行う熱溶融重縮合法などを用いることができ
る。さらには、重縮合物の融点以下の温度で行う固相重
合法も必要に応じて組合わせてもよい。
アミド−アパタイト類似化合物複合材料の場合、ジカル
ボン酸−アパタイト類似化合物を合成した後のスラリー
にポリアミドの原料であるジアミン、ジカルボン酸の等
モル塩を加える、もしくは、あらかじめポリアミドの原
料であるジアミン、ジカルボン酸の等モル塩を含んだ水
溶媒中で合成されたジカルボン酸−アパタイト類似化合
物のスラリーをそのまま200から290℃で加熱濃縮
し、発生する水蒸気圧を10から20気圧の間の適当な
圧力に保ち、最終的には圧力を抜き、常圧あるいは減圧
し重縮合を行う熱溶融重縮合法などを用いることができ
る。さらには、重縮合物の融点以下の温度で行う固相重
合法も必要に応じて組合わせてもよい。
【0037】この時の(C)有機−無機複合化合物に対
する熱可塑性樹脂の原料モノマーの質量比は特に限定さ
れないが、得られる複合材料の強度、剛性、靭性、さら
に成形性を判断して、好ましくは、(有機−無機複合化
合物)/(熱可塑性樹脂の原料モノマー)質量比が0.
01から1000であり、さらに好ましくは0.1から
100、もっとも好ましくは0.5から50である。本
発明で製造される好ましい有機−無機複合材料は、熱可
塑性樹脂と無機フィラーからなり、熱可塑性樹脂と無機
フィラーの界面が極めて良好に接着しているという特徴
を持つ。さらに強度、剛性、靱性の物性バランスの観点
から、有機−無機複合材料中の無機フィラーは質量平均
径が100nm以下、かつ平均アスペクト比が6以上で
あることが好ましい。
する熱可塑性樹脂の原料モノマーの質量比は特に限定さ
れないが、得られる複合材料の強度、剛性、靭性、さら
に成形性を判断して、好ましくは、(有機−無機複合化
合物)/(熱可塑性樹脂の原料モノマー)質量比が0.
01から1000であり、さらに好ましくは0.1から
100、もっとも好ましくは0.5から50である。本
発明で製造される好ましい有機−無機複合材料は、熱可
塑性樹脂と無機フィラーからなり、熱可塑性樹脂と無機
フィラーの界面が極めて良好に接着しているという特徴
を持つ。さらに強度、剛性、靱性の物性バランスの観点
から、有機−無機複合材料中の無機フィラーは質量平均
径が100nm以下、かつ平均アスペクト比が6以上で
あることが好ましい。
【0038】無機フィラーにおいて、前記質量平均粒径
とは、ある任意の粒子一個の最も大きい長さを長さ
(L)、最も小さい長さを径(D)と定義し、単位体積
中に長さLi、径Diの無機粒子がNi個存在すると
き、 質量平均長さL=ΣLi2Ni/ΣLiNi 質量平均径D=ΣDi2Ni/ΣDiNi 質量平均粒径=(L+D)/2=((ΣLi2Ni/Σ
LiNi)+(ΣDi2Ni/ΣDiNi))/2 と定義する。
とは、ある任意の粒子一個の最も大きい長さを長さ
(L)、最も小さい長さを径(D)と定義し、単位体積
中に長さLi、径Diの無機粒子がNi個存在すると
き、 質量平均長さL=ΣLi2Ni/ΣLiNi 質量平均径D=ΣDi2Ni/ΣDiNi 質量平均粒径=(L+D)/2=((ΣLi2Ni/Σ
LiNi)+(ΣDi2Ni/ΣDiNi))/2 と定義する。
【0039】前記平均アスペクト比とは、上記質量平均
長さL、質量平均粒径Dを用いて 平均アスペクト比L/D=(ΣLi2Ni/ΣLiN
i)/(ΣDi2Ni/ΣDiNi) と定義する。これらの値を求めるには、本発明で得られ
る有機−無機複合材料の成形品の薄片をミクロトームな
どによって切り出し20〜80nm程度の超薄切片を作
成し、無機粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)(写真倍
率5.0万倍)により観察して最低100個の粒子を任
意に選択し算出する。
長さL、質量平均粒径Dを用いて 平均アスペクト比L/D=(ΣLi2Ni/ΣLiN
i)/(ΣDi2Ni/ΣDiNi) と定義する。これらの値を求めるには、本発明で得られ
る有機−無機複合材料の成形品の薄片をミクロトームな
どによって切り出し20〜80nm程度の超薄切片を作
成し、無機粒子の透過型電子顕微鏡(TEM)(写真倍
率5.0万倍)により観察して最低100個の粒子を任
意に選択し算出する。
【0040】また本発明では熱可塑性樹脂中の無機フィ
ラーがミクロンメーターサイズで凝集した状態で分散し
てもかまわないが、物性の改良効果という観点から熱可
塑性樹脂中にナノメーターサイズで均一に分散している
ことが好ましい。本発明の有機−無機複合材料中の無機
フィラーの含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対し
て、複合材料の強度、剛性の面から0.5質量部以上で
あり、成形性の面から500質量部以下であり、好まし
くは3〜200質量部、さらに好ましくは5〜100質
量部である。
ラーがミクロンメーターサイズで凝集した状態で分散し
てもかまわないが、物性の改良効果という観点から熱可
塑性樹脂中にナノメーターサイズで均一に分散している
ことが好ましい。本発明の有機−無機複合材料中の無機
フィラーの含有量は、熱可塑性樹脂100質量部に対し
て、複合材料の強度、剛性の面から0.5質量部以上で
あり、成形性の面から500質量部以下であり、好まし
くは3〜200質量部、さらに好ましくは5〜100質
量部である。
【0041】無機フィラーの含有量は、例えば、有機−
無機複合材料のペレットや成形品などをJISR342
0に従って強熱減量(Ig.loss)を測定し、その
質量減少量から求めることができる。例えば、複合材料
を十分乾燥した後、白金皿に約1g秤量し、650±2
0℃の電気炉で灰化し、冷却後、その質量を秤り、無機
フィラーの含有量を定量する。本発明によって製造され
る有機−無機複合材料のうち、ポリアミド−アパタイト
類似化合物複合材料は、耐熱性、強度、剛性、靭性の物
性に特に優れる。特にポリアミドの質量平均分子量(M
w)は、1万〜100万程度であることが好ましく、2
万〜20万程度のものが特に好ましい。質量平均分子量
は、例えば、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノー
ル(HFIP)を用い、分子量標準試料としてポリメタ
クリル酸メチル(PMMA)を用いて、ゲルパーミッシ
ョクロマトグラフィー(GPC)により求めることがで
きる。
無機複合材料のペレットや成形品などをJISR342
0に従って強熱減量(Ig.loss)を測定し、その
質量減少量から求めることができる。例えば、複合材料
を十分乾燥した後、白金皿に約1g秤量し、650±2
0℃の電気炉で灰化し、冷却後、その質量を秤り、無機
フィラーの含有量を定量する。本発明によって製造され
る有機−無機複合材料のうち、ポリアミド−アパタイト
類似化合物複合材料は、耐熱性、強度、剛性、靭性の物
性に特に優れる。特にポリアミドの質量平均分子量(M
w)は、1万〜100万程度であることが好ましく、2
万〜20万程度のものが特に好ましい。質量平均分子量
は、例えば、溶媒としてヘキサフルオロイソプロパノー
ル(HFIP)を用い、分子量標準試料としてポリメタ
クリル酸メチル(PMMA)を用いて、ゲルパーミッシ
ョクロマトグラフィー(GPC)により求めることがで
きる。
【0042】さらにポリアミド−アパタイト類似化合物
複合材料中のアパタイト類似化合物の確認は、例えば、
前記複合材料のペレットや成形品などを用いて広角X線
回折などで直接確認する方法や、ペレットや成形品など
をポリアミド樹脂が可溶な溶媒に浸しポリアミド樹脂を
除去し、残った成分を広角X線回折、赤外吸収スペクト
ルなどで確認する方法などによれば良い。広角X線回折
の場合には、2θで約25.9、31.7および32.
6(度)に観測される(002)、(211)および
(300)面に起因するピークの存在により、アパタイ
ト類似化合物の存在を確認することができる。
複合材料中のアパタイト類似化合物の確認は、例えば、
前記複合材料のペレットや成形品などを用いて広角X線
回折などで直接確認する方法や、ペレットや成形品など
をポリアミド樹脂が可溶な溶媒に浸しポリアミド樹脂を
除去し、残った成分を広角X線回折、赤外吸収スペクト
ルなどで確認する方法などによれば良い。広角X線回折
の場合には、2θで約25.9、31.7および32.
6(度)に観測される(002)、(211)および
(300)面に起因するピークの存在により、アパタイ
ト類似化合物の存在を確認することができる。
【0043】本発明の有機−無機複合材料には、必要に
応じて本発明の目的を損なわない範囲で、成形性改良剤
を添加しても差し支えない。前記成形性改良剤は、高級
脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド化合
物、ポリアルキレングリコールあるいはその末端変性
物、低分子量ポリエチレンあるいは酸化低分子量ポリエ
チレン、置換ベンジリデンソルビトール、ポリシロキサ
ン、カプロラクトン類、無機結晶核剤類からなる化合物
類から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
応じて本発明の目的を損なわない範囲で、成形性改良剤
を添加しても差し支えない。前記成形性改良剤は、高級
脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級脂肪酸アミド化合
物、ポリアルキレングリコールあるいはその末端変性
物、低分子量ポリエチレンあるいは酸化低分子量ポリエ
チレン、置換ベンジリデンソルビトール、ポリシロキサ
ン、カプロラクトン類、無機結晶核剤類からなる化合物
類から選ばれる少なくとも1種の化合物である。
【0044】本発明の有機−無機複合材料には、更なる
熱劣化、熱時の変色防止、耐熱エージング性、耐候性の
向上を目的に、劣化抑制剤を添加しても差し支えない。
前記劣化抑制剤は、ヒンダードフェノール化合物などの
フェノール系安定剤、ホスファイト系安定剤、ヒンダー
ドアミン系安定剤、トリアジン系安定剤、イオウ系安定
剤から選ばれる少なくとも1種の化合物である。本発明
の有機−無機複合材料には、着色剤を添加しても差し支
えない。前記着色剤は、ニグロシンなどの染料、酸化チ
タンあるいはカーボンブラックなどの顔料、あるいはア
ルミニウム、着色アルミニウム、ニッケル、スズ、銅、
金、銀、白金、酸化鉄、ステンレス、チタンなどの金属
粒子、マイカ製パール顔料、カラーグラファイト、カラ
ーガラス繊維、カラーガラスフレークなどのメタリック
顔料などから選ばれる少なくとも1種の着色剤である。
熱劣化、熱時の変色防止、耐熱エージング性、耐候性の
向上を目的に、劣化抑制剤を添加しても差し支えない。
前記劣化抑制剤は、ヒンダードフェノール化合物などの
フェノール系安定剤、ホスファイト系安定剤、ヒンダー
ドアミン系安定剤、トリアジン系安定剤、イオウ系安定
剤から選ばれる少なくとも1種の化合物である。本発明
の有機−無機複合材料には、着色剤を添加しても差し支
えない。前記着色剤は、ニグロシンなどの染料、酸化チ
タンあるいはカーボンブラックなどの顔料、あるいはア
ルミニウム、着色アルミニウム、ニッケル、スズ、銅、
金、銀、白金、酸化鉄、ステンレス、チタンなどの金属
粒子、マイカ製パール顔料、カラーグラファイト、カラ
ーガラス繊維、カラーガラスフレークなどのメタリック
顔料などから選ばれる少なくとも1種の着色剤である。
【0045】本発明の有機−無機複合材料には、導電性
カーボンブラックを添加しても差し支えない。前記導電
性カーボンブラックは、アセチレンブラック、ケッチェ
ンブラック、カーボンナノチューブなどから選ばれる少
なくとも1種のカーボンブラックであり、中でも良好な
鎖状構造を有し凝集密度が大きいものが好ましい。本発
明の有機−無機複合材料には、難燃剤を配合してもさせ
ても差し支えない。難燃剤は、非ハロゲン系難燃剤、あ
るいは臭素系難燃剤が好ましい。
カーボンブラックを添加しても差し支えない。前記導電
性カーボンブラックは、アセチレンブラック、ケッチェ
ンブラック、カーボンナノチューブなどから選ばれる少
なくとも1種のカーボンブラックであり、中でも良好な
鎖状構造を有し凝集密度が大きいものが好ましい。本発
明の有機−無機複合材料には、難燃剤を配合してもさせ
ても差し支えない。難燃剤は、非ハロゲン系難燃剤、あ
るいは臭素系難燃剤が好ましい。
【0046】前記非ハロゲン系難燃剤は、赤リン、リン
酸アンモニウム、あるいはポリリン酸アンモニウムなど
のリン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシ
ウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸
化ジルコニウム、酸化スズ、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸
亜鉛などの金属水酸化物あるいは無機金属化合物の水和
物や、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウ
ムなどのホウ酸化合物などの無機化合物系難燃剤、メラ
ミン、メラム、メレム、メロン(300℃以上でメレム
3分子から3分子の脱アンモニアによる生成物)、メラ
ミンシアヌレート、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミ
ン、サクシノグアナミン、アジポグアナミン、メチルグ
ルタログアナミン、メラミン樹脂などのトリアジン系難
燃剤、シリコーン樹脂、シリコーンオイル、シリカなど
のシリコーン系難燃剤から選ばれる少なくとも1種の難
燃剤である。
酸アンモニウム、あるいはポリリン酸アンモニウムなど
のリン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、ドロマイト、ハイドロタルサイト、水酸化カルシ
ウム、水酸化バリウム、塩基性炭酸マグネシウム、水酸
化ジルコニウム、酸化スズ、錫酸亜鉛、ヒドロキシ錫酸
亜鉛などの金属水酸化物あるいは無機金属化合物の水和
物や、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウ
ムなどのホウ酸化合物などの無機化合物系難燃剤、メラ
ミン、メラム、メレム、メロン(300℃以上でメレム
3分子から3分子の脱アンモニアによる生成物)、メラ
ミンシアヌレート、リン酸メラミン、ポリリン酸メラミ
ン、サクシノグアナミン、アジポグアナミン、メチルグ
ルタログアナミン、メラミン樹脂などのトリアジン系難
燃剤、シリコーン樹脂、シリコーンオイル、シリカなど
のシリコーン系難燃剤から選ばれる少なくとも1種の難
燃剤である。
【0047】前記臭素系難燃剤は、臭素化ポリスチレ
ン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノ
ール型エポキシ系重合体および臭素系架橋芳香族重合体
からなる化合物類から選ばれる少なくとも1種の難燃剤
である。本発明の有機−無機複合材料には、無機充填材
を配合しても差し支えない。前記無機充填剤は、ガラス
繊維、炭素繊維、ウォラストナイト、タルク、マイカ、
カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、アパタイ
ト、リン酸ナトリウム、蛍石、窒化珪素、チタン酸カリ
ウム、二硫化モリブデンなどから選ばれる少なくとも1
種の無機充填剤である。
ン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノ
ール型エポキシ系重合体および臭素系架橋芳香族重合体
からなる化合物類から選ばれる少なくとも1種の難燃剤
である。本発明の有機−無機複合材料には、無機充填材
を配合しても差し支えない。前記無機充填剤は、ガラス
繊維、炭素繊維、ウォラストナイト、タルク、マイカ、
カオリン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、アパタイ
ト、リン酸ナトリウム、蛍石、窒化珪素、チタン酸カリ
ウム、二硫化モリブデンなどから選ばれる少なくとも1
種の無機充填剤である。
【0048】本発明の有機−無機複合材料は、各種成形
加工性に優れるため、公知の成形方法、例えばプレス成
形、射出成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出
成形、吹込成形、フィルム成形、中空成形、多層成形、
発泡成形、溶融紡糸など、一般に知られているプラスチ
ック成形方法を用いても、良好に成形加工ができる。本
発明の有機−無機複合材料は、強度、剛性、耐熱性が高
く、靱性に優れ、また低吸水速度であり、寸法特性、表
面外観に優れるため、包装・容器などの汎用的消費分野
や、自動車分野、電気・電子分野、機械・工業分野、事
務機器分野、航空・宇宙分野などの各種部品などへの応
用が期待される。
加工性に優れるため、公知の成形方法、例えばプレス成
形、射出成形、ガスアシスト射出成形、溶着成形、押出
成形、吹込成形、フィルム成形、中空成形、多層成形、
発泡成形、溶融紡糸など、一般に知られているプラスチ
ック成形方法を用いても、良好に成形加工ができる。本
発明の有機−無機複合材料は、強度、剛性、耐熱性が高
く、靱性に優れ、また低吸水速度であり、寸法特性、表
面外観に優れるため、包装・容器などの汎用的消費分野
や、自動車分野、電気・電子分野、機械・工業分野、事
務機器分野、航空・宇宙分野などの各種部品などへの応
用が期待される。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により更に
詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に制限され
るものではない。なお、以下の実施例、比較例において
記載した評価は、以下の方法により実施した。 (1)質量平均分子量(Mw) ゲルパーミッショクロマトグラフィー(GPC)により
求めた。装置は東ソー(株)製HLC−8020、検出
器は示差屈折計(RI)、溶媒はヘキサフルオロイソプ
ロパノール(HFIP)、カラムは東ソー(株)製TS
Kgel−GMHHR−Hを2本とG1000HHRを
1本用いた。溶媒流量は0.6ml/min、サンプル
濃度は、1〜3(mgサンプル)/1(ml溶媒)であ
り、フィルターでろ過し、不溶分を除去し、測定試料と
した。得られた溶出曲線をもとに、ポリメタクリル酸メ
チル(PMMA)換算により、質量平均分子量(Mw)
を算出した。
詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に制限され
るものではない。なお、以下の実施例、比較例において
記載した評価は、以下の方法により実施した。 (1)質量平均分子量(Mw) ゲルパーミッショクロマトグラフィー(GPC)により
求めた。装置は東ソー(株)製HLC−8020、検出
器は示差屈折計(RI)、溶媒はヘキサフルオロイソプ
ロパノール(HFIP)、カラムは東ソー(株)製TS
Kgel−GMHHR−Hを2本とG1000HHRを
1本用いた。溶媒流量は0.6ml/min、サンプル
濃度は、1〜3(mgサンプル)/1(ml溶媒)であ
り、フィルターでろ過し、不溶分を除去し、測定試料と
した。得られた溶出曲線をもとに、ポリメタクリル酸メ
チル(PMMA)換算により、質量平均分子量(Mw)
を算出した。
【0050】(2)アパタイト類似化合物の含有量(質
量部/100質量部ポリアミド樹脂) ポリアミド−アパタイト類似化合物複合材料を100±
20℃で8時間乾燥し冷却する。白金皿に、乾燥した複
合材料を1gとり、650±20℃の電気炉で灰化し、
冷却後、その質量を秤り、アパタイト類似化合物の含有
量を定量した。
量部/100質量部ポリアミド樹脂) ポリアミド−アパタイト類似化合物複合材料を100±
20℃で8時間乾燥し冷却する。白金皿に、乾燥した複
合材料を1gとり、650±20℃の電気炉で灰化し、
冷却後、その質量を秤り、アパタイト類似化合物の含有
量を定量した。
【0051】(3)原料(B)の、カルシウムとリンと
のモル比(Ca/P) 原料、アパタイト原料液あるいはアパタイトのカルシウ
ムおよびリンを定量し、モル比を算出した。 (3−1)カルシウムの定量:原料、アパタイト原料液
あるいはアパタイト0.5gを白金皿に秤量し、500
℃電気炉で炭化する。冷却後、塩酸5mlおよび純水5
mlを加えヒーター上で煮沸溶解する。再び冷却し、純
水を加え500mlとした。装置はThermoJar
rellAsh製IRIS/IPを用いて、高周波誘導
結合プラズマ(ICP)発光分析により、波長317.
933nmにて定量した。
のモル比(Ca/P) 原料、アパタイト原料液あるいはアパタイトのカルシウ
ムおよびリンを定量し、モル比を算出した。 (3−1)カルシウムの定量:原料、アパタイト原料液
あるいはアパタイト0.5gを白金皿に秤量し、500
℃電気炉で炭化する。冷却後、塩酸5mlおよび純水5
mlを加えヒーター上で煮沸溶解する。再び冷却し、純
水を加え500mlとした。装置はThermoJar
rellAsh製IRIS/IPを用いて、高周波誘導
結合プラズマ(ICP)発光分析により、波長317.
933nmにて定量した。
【0052】(3−2)リンの定量:原料、アパタイト
原料液あるいはアパタイト0.5gを秤量し濃硫酸を2
0ml加え、ヒーター上で湿式分解した。冷却後、過酸
化水素5mlを加え、ヒーター上で加熱し、全量が2〜
3mlになるまで濃縮した。再び冷却し、純水で500
mlとした。装置はThermoJarrellAsh
製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラズマ
(ICP)発光分析により、波長213.618(n
m)にて定量した。
原料液あるいはアパタイト0.5gを秤量し濃硫酸を2
0ml加え、ヒーター上で湿式分解した。冷却後、過酸
化水素5mlを加え、ヒーター上で加熱し、全量が2〜
3mlになるまで濃縮した。再び冷却し、純水で500
mlとした。装置はThermoJarrellAsh
製IRIS/IPを用いて、高周波誘導結合プラズマ
(ICP)発光分析により、波長213.618(n
m)にて定量した。
【0053】(4)広角X線回折
測定条件は以下のとおりである。
X線:銅Kα
波数:0.1542nm
管電圧:40KV
管電流:200mA
走査速度:4deg./min
発散スリット:1deg.
散乱スリット:1deg.
受光スリット:0.15mm
【0054】(5)透過型電子顕微鏡(TEM)観察
成形品を用いて、Reichert−Nissei製ク
ライオミクロトームを用いて約50nmの超薄切片を作
成した。透過型電子顕微鏡(TEM)観察は、日立製作
所(株)製HF−2000用いて、5.0万倍の明視野
像を撮影し、100個の粒子を任意に選択して、アパタ
イトの質量平均繊維径および平均アスペクト比を求め
た。
ライオミクロトームを用いて約50nmの超薄切片を作
成した。透過型電子顕微鏡(TEM)観察は、日立製作
所(株)製HF−2000用いて、5.0万倍の明視野
像を撮影し、100個の粒子を任意に選択して、アパタ
イトの質量平均繊維径および平均アスペクト比を求め
た。
【0055】(6)有機−無機複合材料の物性
射出成形機(日精樹脂(株)PS40E)を用いて物性
評価用の成形品を作成した。 (6−1)曲げ弾性率(Gpa)および曲げ強度(Mp
a) ASTM D790に準じて行った。 (6−2)引張り強度(Mpa)および引張り伸度
(%) ASTM D638に準じて行った。 (6−3)ノッチ付きIzod衝撃強度 ASTM D256に準じて行った。 (6−4)荷重たわみ温度(℃) ASTM D648に準じて行った。 (6−5)線膨張係数 Perkin−Elmer社製TMA−7を用いて、
5.00℃/minの昇温速度で測定し、−23〜80
℃の温度範囲で測定した。
評価用の成形品を作成した。 (6−1)曲げ弾性率(Gpa)および曲げ強度(Mp
a) ASTM D790に準じて行った。 (6−2)引張り強度(Mpa)および引張り伸度
(%) ASTM D638に準じて行った。 (6−3)ノッチ付きIzod衝撃強度 ASTM D256に準じて行った。 (6−4)荷重たわみ温度(℃) ASTM D648に準じて行った。 (6−5)線膨張係数 Perkin−Elmer社製TMA−7を用いて、
5.00℃/minの昇温速度で測定し、−23〜80
℃の温度範囲で測定した。
【0056】(6−6)リワーク性
成形品(初期成形品)を粉砕機により粉砕し、得られた
粉砕品を用いて成形を行った。この操作を更に4回繰り
返し、最終的に得られた成形品(リワーク品)の引張り
強度を測定し、 (リワーク品の引張強度)/(初期成形品の引張強度) の引張強度保持率で比較した。
粉砕品を用いて成形を行った。この操作を更に4回繰り
返し、最終的に得られた成形品(リワーク品)の引張り
強度を測定し、 (リワーク品の引張強度)/(初期成形品の引張強度) の引張強度保持率で比較した。
【0057】(6−7)吸水速度
日精樹脂(株)製FN3000、金型80度、射出17
秒、冷却20秒の射出条件で長さ90mm、幅60m
m、厚み3mmの平板を成形した。この平板の質量を測
定した後、23度の恒温室において23度の蒸留水へ2
40時間浸し吸水処理を行った。その後成型品を取り出
し、30分間恒温室中に放置して表面に付着した水分を
風乾させた。その後質量を測定し、 (吸水後の質量)/(吸水前の質量)で240時間後の
吸水率、すなわち240時間後の吸水速度を比較した。
秒、冷却20秒の射出条件で長さ90mm、幅60m
m、厚み3mmの平板を成形した。この平板の質量を測
定した後、23度の恒温室において23度の蒸留水へ2
40時間浸し吸水処理を行った。その後成型品を取り出
し、30分間恒温室中に放置して表面に付着した水分を
風乾させた。その後質量を測定し、 (吸水後の質量)/(吸水前の質量)で240時間後の
吸水率、すなわち240時間後の吸水速度を比較した。
【0058】
【実施例1】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、アジピン酸12.1g、純水
1.5Kg、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4・2H2O)86.4g、純水1Kgに懸濁させた
炭酸カルシウム(CaCO3)5.0gを5Lのオート
クレーブ中に仕込み、オートクレーブ内を開放状態とし
たままで、50℃で4時間加熱し、ジカルボン酸−アパ
タイト類似化合物を合成した。引き続き、オートクレー
ブ内を密封状態として十分窒素置換を行った後、温度を
220℃まで昇温しポリアミドの重合を行った。この
際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして18K
g/cm2になるが、圧力が18Kg/cm2以上になら
ないよう水を系外に除去しながら加熱を1時間続けた。
その後、内温が270度に達した時点で水を系外に除去
しながら1時間かけて大気圧まで圧力を下げ、その後加
熱を止め、系を密封してから室温まで冷却した。オート
クレーブを開け、約1.5Kgのポリマーを取出し、粉
砕機により粉砕した。こうして得られたポリアミド−ア
パタイト類似化合物複合材料は、粉砕品、射出成形品と
して評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
モル固体塩1.5Kg、アジピン酸12.1g、純水
1.5Kg、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4・2H2O)86.4g、純水1Kgに懸濁させた
炭酸カルシウム(CaCO3)5.0gを5Lのオート
クレーブ中に仕込み、オートクレーブ内を開放状態とし
たままで、50℃で4時間加熱し、ジカルボン酸−アパ
タイト類似化合物を合成した。引き続き、オートクレー
ブ内を密封状態として十分窒素置換を行った後、温度を
220℃まで昇温しポリアミドの重合を行った。この
際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして18K
g/cm2になるが、圧力が18Kg/cm2以上になら
ないよう水を系外に除去しながら加熱を1時間続けた。
その後、内温が270度に達した時点で水を系外に除去
しながら1時間かけて大気圧まで圧力を下げ、その後加
熱を止め、系を密封してから室温まで冷却した。オート
クレーブを開け、約1.5Kgのポリマーを取出し、粉
砕機により粉砕した。こうして得られたポリアミド−ア
パタイト類似化合物複合材料は、粉砕品、射出成形品と
して評価した。評価結果を表1及び表2に示す。
【0059】
【実施例2】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、アジピン酸12.1g、純水
1.5Kg、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4・2H2O)86.4g、純水1Kgに懸濁させた
炭酸カルシウム(CaCO3)16.4gを5Lのオー
トクレーブ中に仕込んだ以外は、実施例1と同様にして
実施し、成形品を得た。評価結果を表1及び2に示す。
モル固体塩1.5Kg、アジピン酸12.1g、純水
1.5Kg、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4・2H2O)86.4g、純水1Kgに懸濁させた
炭酸カルシウム(CaCO3)16.4gを5Lのオー
トクレーブ中に仕込んだ以外は、実施例1と同様にして
実施し、成形品を得た。評価結果を表1及び2に示す。
【0060】
【実施例3】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、アジピン酸12.1g、純水
1.5Kg、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4・2H2O)86.4g、純水1Kgに懸濁させた
炭酸カルシウム(CaCO3)25.1gを5Lのオー
トクレーブ中に仕込んだ以外は、実施例1と同様にして
実施し、成形品を得た。評価結果を表1及び表2に示
す。
モル固体塩1.5Kg、アジピン酸12.1g、純水
1.5Kg、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4・2H2O)86.4g、純水1Kgに懸濁させた
炭酸カルシウム(CaCO3)25.1gを5Lのオー
トクレーブ中に仕込んだ以外は、実施例1と同様にして
実施し、成形品を得た。評価結果を表1及び表2に示
す。
【0061】
【実施例4】アジピン酸13.2g、純水1.0Kg、
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2
O)86.4g、純水1Kgに懸濁させた炭酸カルシウ
ム(CaCO3)25.1gを5Lのオートクレーブ中
に仕込み、オートクレーブ内を開放状態としたままで、
50℃で4時間加熱し、ジカルボン酸−アパタイト類似
化合物を合成した。その後、ヘキサメチレンジアミン1
0.5g、とアジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kgを加えてオート
クレーブ内を密封状態として十分窒素置換を行った後、
温度を220℃まで昇温しポリアミドの重合を行った。
この際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして1
8Kg/cm2になるが、圧力が18Kg/cm2以上に
ならないよう水を系外に除去しながら加熱を1時間続け
た。その後、内温が270度に達した時点で水を系外に
除去しながら1時間かけて大気圧まで圧力を下げ、その
後加熱を止め、系を密封してから室温まで冷却した。オ
ートクレーブを開け、約1.5Kgのポリマーを取出
し、粉砕機により粉砕した。評価結果を表1及び表2に
示す。
リン酸一水素カルシウム二水和物(CaHPO4・2H2
O)86.4g、純水1Kgに懸濁させた炭酸カルシウ
ム(CaCO3)25.1gを5Lのオートクレーブ中
に仕込み、オートクレーブ内を開放状態としたままで、
50℃で4時間加熱し、ジカルボン酸−アパタイト類似
化合物を合成した。その後、ヘキサメチレンジアミン1
0.5g、とアジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kgを加えてオート
クレーブ内を密封状態として十分窒素置換を行った後、
温度を220℃まで昇温しポリアミドの重合を行った。
この際、オートクレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして1
8Kg/cm2になるが、圧力が18Kg/cm2以上に
ならないよう水を系外に除去しながら加熱を1時間続け
た。その後、内温が270度に達した時点で水を系外に
除去しながら1時間かけて大気圧まで圧力を下げ、その
後加熱を止め、系を密封してから室温まで冷却した。オ
ートクレーブを開け、約1.5Kgのポリマーを取出
し、粉砕機により粉砕した。評価結果を表1及び表2に
示す。
【0062】
【実施例5】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、アジピン酸12.1g、純水
1.5Kg、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4・2H2O)86.4g、純水1Kgに懸濁させた
炭酸カルシウム(CaCO3)33.7gを5Lのオー
トクレーブ中に仕込んだ以外は、実施例1と同様にして
実施し、成形品を得た。評価結果を表1及び表2に示
す。
モル固体塩1.5Kg、アジピン酸12.1g、純水
1.5Kg、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4・2H2O)86.4g、純水1Kgに懸濁させた
炭酸カルシウム(CaCO3)33.7gを5Lのオー
トクレーブ中に仕込んだ以外は、実施例1と同様にして
実施し、成形品を得た。評価結果を表1及び表2に示
す。
【0063】
【実施例6】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、アジピン酸12.1g、純水
1.5Kg、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4・2H2O)86.4g、純水1Kgに懸濁させた
炭酸カルシウム(CaCO3)16.4gを5Lのオー
トクレーブ中に仕込み、オートクレーブ内を十分窒素置
換して密封状態とし、80℃で4時間加熱し、カルボン
酸−アパタイト類似化合物を合成した以外は、実施例1
と同様にして実施し、成形品を得た。評価結果を表1及
び表2に示す。
モル固体塩1.5Kg、アジピン酸12.1g、純水
1.5Kg、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4・2H2O)86.4g、純水1Kgに懸濁させた
炭酸カルシウム(CaCO3)16.4gを5Lのオー
トクレーブ中に仕込み、オートクレーブ内を十分窒素置
換して密封状態とし、80℃で4時間加熱し、カルボン
酸−アパタイト類似化合物を合成した以外は、実施例1
と同様にして実施し、成形品を得た。評価結果を表1及
び表2に示す。
【0064】
【実施例7】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、アジピン酸12.1g、純水
1.5Kg、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4・2H2O)86.4g、純水1000gに懸濁さ
せた炭酸カルシウム(CaCO3)16.4gを5Lの
オートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ内を十分窒
素置換して密封状態とし、200℃で4時間加熱し、カ
ルボン酸−アパタイト類似化合物を合成した以外は、実
施例1と同様にして実施し、成形品を得た。評価結果を
表1及び表2に示す。
モル固体塩1.5Kg、アジピン酸12.1g、純水
1.5Kg、リン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4・2H2O)86.4g、純水1000gに懸濁さ
せた炭酸カルシウム(CaCO3)16.4gを5Lの
オートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ内を十分窒
素置換して密封状態とし、200℃で4時間加熱し、カ
ルボン酸−アパタイト類似化合物を合成した以外は、実
施例1と同様にして実施し、成形品を得た。評価結果を
表1及び表2に示す。
【0065】
【比較例1】リン酸一水素カルシウム二水和物(CaH
PO4・2H2O)86.4g、純水1000gに懸濁さ
せた炭酸カルシウム(CaCO3)16.4gを5Lの
オートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ内を開放状
態としたままで、50℃で4時間加熱し、アパタイト類
似化合物を合成した。その後、このスラリーにアジピン
酸とヘキサメチレンジアミンの等モル固体塩1.5K
g、純水1.5Kgを追加して、オートクレーブ内を密
封状態として十分窒素置換を行った後、温度を220℃
まで昇温しポリアミドの重合を行った。この際、オート
クレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして18Kg/cm2
になるが、圧力が18Kg/cm2以上にならないよう
水を系外に除去しながら加熱を1時間続けた。その後、
内温が270度に達した時点で水を系外に除去しながら
1時間かけて大気圧まで圧力を下げ、その後加熱を止
め、系を密封してから室温まで冷却した。オートクレー
ブを開け、約1.5Kgのポリマーを取出し、粉砕機に
より粉砕した。射出成形品の評価結果を表3に示す。
PO4・2H2O)86.4g、純水1000gに懸濁さ
せた炭酸カルシウム(CaCO3)16.4gを5Lの
オートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ内を開放状
態としたままで、50℃で4時間加熱し、アパタイト類
似化合物を合成した。その後、このスラリーにアジピン
酸とヘキサメチレンジアミンの等モル固体塩1.5K
g、純水1.5Kgを追加して、オートクレーブ内を密
封状態として十分窒素置換を行った後、温度を220℃
まで昇温しポリアミドの重合を行った。この際、オート
クレーブ内の圧力は、ゲージ圧にして18Kg/cm2
になるが、圧力が18Kg/cm2以上にならないよう
水を系外に除去しながら加熱を1時間続けた。その後、
内温が270度に達した時点で水を系外に除去しながら
1時間かけて大気圧まで圧力を下げ、その後加熱を止
め、系を密封してから室温まで冷却した。オートクレー
ブを開け、約1.5Kgのポリマーを取出し、粉砕機に
より粉砕した。射出成形品の評価結果を表3に示す。
【0066】
【比較例2】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、純水200g
に質量平均粒径1.8μm、平均アスペクト比5.3の
ヒドロキシアパタイト(太平化学産業(株)商品名HA
P−200)65.0gを縣濁させたスラリーを、5L
のオートクレーブ中に仕込み十分窒素で置換した後15
0度に加熱して1時間よく攪拌した。その後温度を室温
から220℃まで昇温した。この際、オートクレーブ内
の圧力は、ゲージ圧にして18Kg/cm2になるが、
圧力が18Kg/cm2以上にならないよう水を系外に
除去しながら加熱を1時間続けた。その後、内温が27
0度に達した時点で水を系外に除去しながら1時間かけ
て大気圧まで圧力を下げ、その後加熱を止め、系を密封
してから室温まで冷却した。オートクレーブを開け、約
1.5Kgのポリマーを取出し、粉砕機により粉砕し
た。こうして得られた射出成形品の評価結果を表3に示
す。
モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、純水200g
に質量平均粒径1.8μm、平均アスペクト比5.3の
ヒドロキシアパタイト(太平化学産業(株)商品名HA
P−200)65.0gを縣濁させたスラリーを、5L
のオートクレーブ中に仕込み十分窒素で置換した後15
0度に加熱して1時間よく攪拌した。その後温度を室温
から220℃まで昇温した。この際、オートクレーブ内
の圧力は、ゲージ圧にして18Kg/cm2になるが、
圧力が18Kg/cm2以上にならないよう水を系外に
除去しながら加熱を1時間続けた。その後、内温が27
0度に達した時点で水を系外に除去しながら1時間かけ
て大気圧まで圧力を下げ、その後加熱を止め、系を密封
してから室温まで冷却した。オートクレーブを開け、約
1.5Kgのポリマーを取出し、粉砕機により粉砕し
た。こうして得られた射出成形品の評価結果を表3に示
す。
【0067】
【比較例3】ヒドロキシアパタイトとして質量平均粒径
0.20μm、平均アスペクト比1.1(太平化学産業
(株)商品名球状HAP)を用いた以外は比較例1同様
に行った。評価結果を表3に示す。
0.20μm、平均アスペクト比1.1(太平化学産業
(株)商品名球状HAP)を用いた以外は比較例1同様
に行った。評価結果を表3に示す。
【0068】
【比較例4】アジピン酸とヘキサメチレンジアミンの等
モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、質量平均粒径
0.05μm、平均アスペクト比1.2のコロイド状軽
質炭酸カルシウムスラリー(太平化学産業(株)商品名
HAP−200)を純水で希釈して1000.0gとし
たスラリー(無機成分として65.0g)を、5Lのオ
ートクレーブ中に仕込み十分窒素で置換した後150度
に加熱して1時間よく攪拌した。その後は比較例1と同
様に行った。評価結果を表3に示す。
モル固体塩1.5Kg、純水1.5Kg、質量平均粒径
0.05μm、平均アスペクト比1.2のコロイド状軽
質炭酸カルシウムスラリー(太平化学産業(株)商品名
HAP−200)を純水で希釈して1000.0gとし
たスラリー(無機成分として65.0g)を、5Lのオ
ートクレーブ中に仕込み十分窒素で置換した後150度
に加熱して1時間よく攪拌した。その後は比較例1と同
様に行った。評価結果を表3に示す。
【0069】
【表1】
【0070】
【表2】
【0071】
【表3】
【0072】
【発明の効果】本発明は、強度、剛性、耐熱性が高く、
靱性に優れ、また寸法特性、リワーク性に優れる有機−
無機複合材料を効率良く製造する方法であり、本発明の
樹脂組成物から得られる成形品は、包装・容器などの汎
用的消費分野や、自動車分野、電気・電子分野、機械・
工業分野、事務機器分野、航空・宇宙分野などの各種部
品などへの応用が期待される。
靱性に優れ、また寸法特性、リワーク性に優れる有機−
無機複合材料を効率良く製造する方法であり、本発明の
樹脂組成物から得られる成形品は、包装・容器などの汎
用的消費分野や、自動車分野、電気・電子分野、機械・
工業分野、事務機器分野、航空・宇宙分野などの各種部
品などへの応用が期待される。
フロントページの続き
Fターム(参考) 4J001 DA01 DB01 DB02 EA02 EA06
EB08 EB09 EB36 EB37 EC08
EC09 EE01E EE04E EE16E
GA14 GB01 JA01 JA02 JA04
JA05 JA07 JA12 JB18 JB21
JB23 JC01
4J002 AA001 CL001 CL021 CL031
CL051 CL061 DE046 DE086
DH036 FD01 FD02 FD06
FD07 FD09 FD11 FD13 GG00
GG01 GG02 GM00 GN00 GQ00
4J011 AA05 PA02 PA04 PA10 PB22
PC02 PC07
Claims (8)
- 【請求項1】 有機化合物と無機化合物からなる有機−
無機複合化合物を得る合成工程に続き、該有機−無機複
合化合物の存在下に、熱可塑性樹脂の重合を行う製造方
法であって、該合成工程が有機化合物(A)と無機フィ
ラーの原料化合物(B)を混合、加熱処理して有機−無
機複合化合物(C)を得る工程であり、また該重合工程
が、該有機−無機複合化合物(C)の存在下に熱可塑性
樹脂(D)を重合する工程であることを特徴とする有機
−無機複合材料の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1の合成工程において、熱可塑性
樹脂の原料モノマー(E)が1種以上混合されているこ
とを特徴とする、請求項1に記載の有機−無機複合材料
の製造方法。 - 【請求項3】 請求項1の合成工程で得られる有機−無
機複合化合物(C)を含むスラリーに、熱可塑性樹脂の
原料モノマー(E)が1種以上混合されていることを特
徴とする、請求項1に記載の有機−無機複合材料の製造
方法。 - 【請求項4】 有機化合物(A)が、熱可塑性樹脂の原
料モノマー(E)および/または熱可塑性樹脂原料と重
合可能な成分(F)であることを特徴とする請求項1〜
3のいずれかに記載の有機−無機複合材料の製造方法。 - 【請求項5】 合成工程の反応温度が、30〜300℃
であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
の有機−無機複合材料の製造方法。 - 【請求項6】 有機−無機複合化合物(C)が、カルボ
ン酸−アパタイト類似化合物であることを特徴とする請
求項1〜5のいずれかに記載の有機−無機複合材料の製
造方法。 - 【請求項7】 有機化合物(A)が、ポリアミド重合体
のモノマーであることを特徴とする請求項1〜6のいず
れかに記載の有機−無機複合材料の製造方法。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の製造方
法により製造される、無機フィラーが質量平均径100
nm以下、かつ平均アスペクト比6以上であることを特
徴とする有機−無機複合材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001371515A JP2003171409A (ja) | 2001-12-05 | 2001-12-05 | 有機−無機複合材料の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001371515A JP2003171409A (ja) | 2001-12-05 | 2001-12-05 | 有機−無機複合材料の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003171409A true JP2003171409A (ja) | 2003-06-20 |
Family
ID=19180545
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001371515A Pending JP2003171409A (ja) | 2001-12-05 | 2001-12-05 | 有機−無機複合材料の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003171409A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005120364A (ja) * | 2003-09-24 | 2005-05-12 | Asahi Kasei Chemicals Corp | ポリアミド樹脂組成物の製造方法 |
WO2011126038A1 (ja) * | 2010-04-06 | 2011-10-13 | ユニチカ株式会社 | ポリアミド樹脂組成物及びポリアミド樹脂組成物の製造法 |
CN115232302A (zh) * | 2022-08-30 | 2022-10-25 | 杭州聚合顺新材料股份有限公司 | 简便快速制备尼龙66纳米复合材料的方法 |
-
2001
- 2001-12-05 JP JP2001371515A patent/JP2003171409A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005120364A (ja) * | 2003-09-24 | 2005-05-12 | Asahi Kasei Chemicals Corp | ポリアミド樹脂組成物の製造方法 |
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CN102803385A (zh) * | 2010-04-06 | 2012-11-28 | 尤尼吉可株式会社 | 聚酰胺树脂组合物和聚酰胺树脂组合物的制造法 |
JPWO2011126038A1 (ja) * | 2010-04-06 | 2013-07-11 | ユニチカ株式会社 | ポリアミド樹脂組成物及びポリアミド樹脂組成物の製造法 |
US8883885B2 (en) | 2010-04-06 | 2014-11-11 | Unitika Ltd. | Polyamide resin composition and method for producing polyamide resin composition |
CN102803385B (zh) * | 2010-04-06 | 2015-07-22 | 尤尼吉可株式会社 | 聚酰胺树脂组合物和聚酰胺树脂组合物的制造法 |
KR101812986B1 (ko) | 2010-04-06 | 2017-12-28 | 유니띠까 가부시키가이샤 | 폴리아미드 수지 조성물 및 폴리아미드 수지 조성물의 제조법 |
CN115232302A (zh) * | 2022-08-30 | 2022-10-25 | 杭州聚合顺新材料股份有限公司 | 简便快速制备尼龙66纳米复合材料的方法 |
CN115232302B (zh) * | 2022-08-30 | 2024-01-05 | 杭州聚合顺新材料股份有限公司 | 简便快速制备尼龙66纳米复合材料的方法 |
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