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JP2003164718A - 粉塵除去方法とその装置 - Google Patents

粉塵除去方法とその装置

Info

Publication number
JP2003164718A
JP2003164718A JP2001363205A JP2001363205A JP2003164718A JP 2003164718 A JP2003164718 A JP 2003164718A JP 2001363205 A JP2001363205 A JP 2001363205A JP 2001363205 A JP2001363205 A JP 2001363205A JP 2003164718 A JP2003164718 A JP 2003164718A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
dust
partition plate
water pan
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001363205A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshio Moriyama
敏男 森山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
GORIN SANGYO KK
Original Assignee
GORIN SANGYO KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by GORIN SANGYO KK filed Critical GORIN SANGYO KK
Priority to JP2001363205A priority Critical patent/JP2003164718A/ja
Publication of JP2003164718A publication Critical patent/JP2003164718A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Separation Of Particles Using Liquids (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)
  • Separating Particles In Gases By Inertia (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 分離器を用いることなく粉塵を効率的に除去
し、ファン部を装置の上方に設けたことで生じたウォー
タパン部の広さを最大限に活用して、ウォータパン部に
おける除塵率を飛躍的に向上させた粉塵除去装置を提供
すること。 【解決手段】 装置内に負圧を発生させるためのファン
部Bと、負圧により吸い込まれた空気に含まれる粉塵を
水中で捕捉し除去するウォータパン部Aとを備えた粉塵
除去装置1であって、該ファン部Bは、ウォータパン部
Aの上方に形成され、該ウォータパン部Aは、水を蓄え
可能なウォータパン3と、ウォータパン3に粉塵含有空
気を吸い込むための吸込パイプ4と、ウォータパン3を
2槽に区画し下部に通過穴5aが設けられた第1仕切り
板5と、粉塵含有空気が吹き付けられるための第2仕切
り板7とを備える粉塵除去装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉塵除去方法及び
その装置に関し、更に詳しくは、ウォータパンを有する
粉塵除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、喘息等の疾病の原因とされるハウ
スダストやダニ等への関心が高まり、消費者が電気掃除
機を選ぶ際、排気がクリーンであることが必須条件とな
っている。しかし、従来型の紙や不織布等のフィルタを
用いたいわゆる乾式の電気掃除機では、フィルタの集塵
力等が必ずしも十分でなく、どうしても排気に塵埃が混
ざってしまった。
【0003】そこで、このような乾式電気掃除機に代わ
る方法として、ゴミや粉塵、綿埃等を含む空気(粉塵含
有空気)を、装置内に蓄えた水の中に通過させることに
より、粉塵等を捕捉し除去する方式のいわゆる湿式電気
掃除機が開発された。湿式電気掃除機は、通常、水を蓄
えるためのウォータパンと呼ばれる水槽を備え、更に装
置内に負圧を発生させ吸引力を生ぜしめるためのファン
を備える。
【0004】図15に、従来の湿式電気掃除機の一例を
概略的に示す。この例においては、100は適量の水1
01を溜めたウォータパン、102はウォータパン10
0の吸気口、103はメインハウジング、104は複数
の吸引孔104aを有する分離器、105は分離器10
4を吸引作動させるためのファンモータである。また、
106は内カバー、107は外カバーであり、この外カ
バー107には集中排気口107aと拡散排気口107
bが設けられている。更に、108はカバーキャップ、
109は取手である。
【0005】このような湿式電気掃除機においては、フ
ァンモータ105と一体化されたファン(図示しない)
の回転により、装置内に負圧を発生させる(正確には、
分離器の吸引孔を介してウォータパンの上方空間の空気
を吸い込み、該空間を大気圧より低い気圧にする)。そ
して、この負圧により、外気である粉塵含有空気がウォ
ータパン100の吸気口102から吸引され、水101
の中に引き込まれる。
【0006】粉塵含有空気は、水中を泡となって通過す
る際、大きなゴミや埃等が水101に捕捉され空気中よ
り除去される。そして、空気の泡は、次々と引き込まれ
る後続の空気(泡)に押されてウォータパン100の内
側へ進み、水中からウォータパンの上方空間に離脱す
る。
【0007】この際、離脱した空気には、水101によ
って捕捉除去されなかった粉塵等が含まれている。なお
も粉塵等を含む空気は、上昇する気流に乗り、更に上方
で高速回転している分離器104に引き寄せられ、粉塵
等が分離器に付着し、水分とともに遠心分離されて除去
される。そして、空気のみがスリット状の吸引孔104
aを通過し、矢印のように進んで集中排気口107aや
拡散排気口107bから排気されるのである。
【0008】しかし、実際には、こうした分離器では必
ずしも完全には粉塵を遠心分離できず、粉塵等が吸引孔
を通過して空気とともに排気されてしまう。つまり、従
来の湿式電気掃除機は、多くの場合、排気がクリーンで
あるとは言えなかった。
【0009】こうした従来の湿式電気掃除機の欠点は、
主にウォータパンにおける除塵率が非常に低いこと、
及びその効率の低さを分離器で補っていることに原因
がある。特に、後者の分離器は、上記のように粉塵等
や水分を遠心分離し切れずに吸引孔に溜まるため、吸引
孔の目詰まりを生じ易く、ファンモータのオーバーヒー
ト等の故障の原因となった。
【0010】また、分離器における除塵率を高めるに
は、分離器の回転数を上げるか、吸引孔のスリット幅を
狭くすること等の改良が必要となる。しかし、そうした
改良は、多くの場合、装置内部の空気の流れ(気流)に
対する抵抗を大きくする方向に働く。
【0011】例えば、分離器の回転数を上げると、高い
負圧が得られ難くなり、寧ろ電力消費量がより大きくな
る。また、吸引孔のスリット幅を狭くすると、上記の粉
塵等による目詰まりがより生じ易くなるため、負圧が下
がり、装置の吸引力が極端に下がる場合がある。
【0012】ファンの回転数を高くするなどして無理に
吸引力を上げると、吸引孔に詰まっていた粉塵や水分が
ファン側に吸い込まれ、粉塵の排気が多くなり排気口か
ら水滴が飛び散るケースもあった。このように、従来の
湿式電気掃除機では、分離器に依存していたため、こう
した分離器の構造上の欠点を克服できなかった。
【0013】一方、従来の湿式電気掃除機がこうした分
離器に頼らざるを得なかったのは、上記に示したよう
に、ウォータパンにおける除塵率が非常に低いことが原
因であった。実際、上記従来例では、吸気口から吸い込
んだ粉塵含有空気をただ単に水の中を通過させるだけ
で、水(蓄水)の除塵力、すなわち粉塵を取り込んで捕
捉し空気中から除去する能力を必ずしも有効に活用して
いるとは言えない。
【0014】ところで、電気掃除機は、吸引ホースで引
かれて使用者の後ろを付いて動くという操作性や、大き
すぎると収納しづらいという収納性等の点などから、装
置の大きさには自ずから限界がある。そうした大きさの
制約の中で、ウォータパンとファン等とを横並びに並設
させた構造にすると、ファン等の分だけウォータパンの
面積が狭くなる。
【0015】その点、従来の湿式電気掃除機は、ファン
等をウォータパンの上方に設けることにより、装置の底
面全体をウォータパンとして活用できる利点を有する。
そのため、より多くの水を溜めることができ、更にウォ
ータパン内に除塵率を上げるための種々の構造を設ける
空間的余裕ができるのである。
【0016】従って、こうした利点を生かして、蓄水の
除塵力をより有効に活用し、更にウォータパン自体の構
造に改良を加えることにより、ウォータパンにおける除
塵率を飛躍的に向上させることができる。そうすれば、
湿式電気掃除機は、もはや分離器を使用しなくても、排
気がクリーンで大きな吸引力を有するものとすることが
可能である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる実情
を背景に、上記の問題点を克服するためになされたもの
である。すなわち、本発明の目的は、分離器を用いるこ
となく粉塵(微細塵を含む)を効率的に除去する粉塵除
去装置を提供することである。そして、ウォータパン部
の広さを最大限に活用して、ウォータパン部における除
塵率を飛躍的に向上させた粉塵除去装置を提供すること
である。
【0018】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明者は、
このような課題背景に対して、鋭意研究を重ねた結果、
装置底部のウォータパンを2槽に区画し粉塵をそれぞれ
の蓄水の巻き込み攪拌作用により繰り返し捕捉させるこ
とで効果的な除塵ができること、それぞれの蓄水を行き
来可能にすることで蓄水の除塵力のサチレーションを回
避できること、更にウォータパン部に設置した静止する
板材(第2仕切り板)に粉塵含有空気を積極的に衝突さ
せて該板材の表面に付着した水に粉塵を捕捉させること
により除塵率が更に向上することを見出し、この知見に
基づいて本発明を完成させたものである。
【0019】即ち、本発明は、(1)、負圧により水中
に粉塵含有空気を吸い込み蓄水に吹き込むことによって
その粉塵を捕捉し除去する粉塵除去方法であって、該粉
塵含有空気を水中に吹き込み、水中から空間に離脱さ
せ、静止する板材に吹き付けた後、更に水面に吹き付け
て上方に吸引する粉塵除去方法に存する。
【0020】そして、(2)、装置内に負圧を発生させ
るためのファン部と、負圧により吸い込まれた空気に含
まれる粉塵を水中で捕捉し除去するウォータパン部とを
備えた粉塵除去装置であって、該ファン部は、ウォータ
パン部の上方に形成され、該ウォータパン部は、水を蓄
え可能なウォータパンと、ウォータパンに粉塵含有空気
を吸い込むための吸込パイプと、ウォータパンを2槽に
区画し下部に通過穴が設けられた第1仕切り板と、粉塵
含有空気が吹き付けられるための第2仕切り板とを備え
る粉塵除去装置に存する。
【0021】そしてまた、(3)、前記第2仕切り板
は、表面に付着し下降する水滴を案内し且つ集束させる
ためのリブ体とタブ部とを備える粉塵除去装置に存す
る。
【0022】そしてまた、(4)、前記第2仕切り板
は、撥水性機能を有している粉塵除去装置に存する。
【0023】そしてまた、(5)、前記第2仕切り板
は、縦溝が形成されている粉塵除去装置に存する。
【0024】そしてまた、(6)、前記吸込パイプは、
その吐出口の周囲に鍔部が形成されている粉塵除去装置
に存する。
【0025】そしてまた、(7)、前記吸込パイプは、
ウォータパン部の側壁に着脱可能に取り付けられている
粉塵除去装置に存する。
【0026】そしてまた、(8)、前記吸込パイプは、
第1仕切り板に着脱可能に取り付けられている粉塵除去
装置に存する。
【0027】そしてまた、(9)、前記第1仕切り板で
区画されたウォータパンのうち、吸込パイプの下方の第
1槽に、遮蔽板が設けられている粉塵除去装置に存す
る。
【0028】そしてまた、(10)、前記ウォータパン
部は、その最下流に除塵及び除湿のためのフィルタを備
える粉塵除去装置に存する。
【0029】そしてまた、(11)、前記ウォータパン
部は、内部が視認可能になっている粉塵除去装置に存す
る。
【0030】本発明はこの目的に沿ったものであれば、
上記2〜11の中から選ばれた2つ以上を組み合わせた
構成も当然採用可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】先ず、本発明の粉塵除去方法の特
徴について述べる。本発明では、ファンやファンモータ
等を含む装置の部分(即ちファン部)を、ウォータパン
等を含む装置の部分(即ちウォータパン部)の上方に形
成することにより、装置の底面全体をウォータパンとし
て活用する。こうした構造とすると、ウォータパンの面
積がより広くなることは、既に述べた。
【0032】更に、本発明においては、このウォータパ
ンを板材(後述する第1仕切り板)により2槽に区画
し、粉塵含有空気をそれぞれの蓄水に繰り返し吹き込み
巻き込み攪拌現象を生じさせることにより、空気中の粉
塵等を蓄水に捕捉させ空気中より除去する。また、第1
仕切り板の下部が一部開口されており、それぞれの蓄水
が2槽の間を行き来できるように形成されている。この
ように、本発明は、広いウォータパンに大量に溜められ
た蓄水の除塵力を効率的に活用することを特徴とする。
【0033】また、ウォータパン部の広い空間を活用し
て、ウォータパン部内に静止する別の板材(第2仕切り
板)を設け、最初の蓄水から離脱した空気が次の蓄水へ
移動する間に、該板材に吹き付けられ衝突するように構
成されている点にも特徴がある。こうして空気を積極的
に板材に衝突させて、板材の表面に付着している水(表
面水)に空気中に残存する粉塵を捕捉除去させることに
より、除塵率を向上させるのである。
【0034】以上のように、本発明は、蓄水の除塵力の
効率的活用及びウォータパン部の構造の改良の2点に大
きな特色を有する。また、こうして除塵された空気は、
装置の上方に設けられたファンにより上方に吸引されて
排気される。
【0035】以下、図面に基づいて、本発明の粉塵除去
装置の好適ないくつかの実施の形態について述べる。因
みに、以下の説明において、装置の「前後」について
は、吸気口(以下の図では4a)が開口する側を前、ま
たその反対側を後ろとする。
【0036】〔第1の実施の形態〕図1に、第1の実施
の形態における粉塵除去装置を側面から見た場合の概略
構成図を示す。また、図2は、図1のX−X線に沿う概
略断面図である。図中の矢印は、装置内の空気の流れを
表し、点線矢印は、ファンモータの空冷のための空気の
流れを表す。
【0037】粉塵除去装置1は、ウォータパン部Aとフ
ァン部Bとの2つの部分より構成され、ファン部Bはウ
ォータパン部Aの上方に設けられている。ウォータパン
部Aは、その側壁2を透明又は半透明にするなどして内
部が視認可能になっていれば、ファン部Bを取り外さな
いでもウォータパン部Aの内部の汚れ具合を外から確認
でき、より好ましい。
【0038】ウォータパン部Aは、水を蓄え可能なウォ
ータパン3と、ウォータパン部Aの側壁2に取り付けら
れた吸込パイプ4と、ウォータパン3を2槽に区画する
第1仕切り板5と、ウォータパン部Aの上面を形成する
上壁6と、第1仕切り板5の後方で上壁6から垂下する
第2仕切り板7と、ウォータパン部Aから空気を上方に
吸引しファン部Bへ案内する通気路8とを備える。従っ
て、ウォータパン部Aの内部の空間は、主に、側壁2と
第1仕切り板5等に囲まれた第1空間S1、第1仕切り
板5と第2仕切り板7等に囲まれた第2空間S2、通気
路8の内部の第3空間S3に区画される。
【0039】また、ウォータパン3は、第1仕切り板5
により、2つの水槽、即ち吸込パイプ4の下方の第1槽
T1と、第2仕切り板7の下方の第2槽T2とに区画さ
れている。第1槽T1及び第2槽T2には、それぞれ粉
塵を捕捉除去するための水、即ち第1の蓄水W1及び第
2の蓄水W2が溜められる。
【0040】吸込パイプ4は、ウォータパン部Aの側壁
2に取り付けられ、吸気口4aが外気に開放されてい
る。吸込パイプ4の側壁2に着脱可能に取り付けられて
いるが、その取り付け構造及び方法については、後で詳
しく述べる。また、吸込パイプ4は、ウォータパン部A
の内部で下方に曲がり、その吐出口4bが蓄水W1の水
面と対向するように形成されている。
【0041】蓄水W1の水位は適宜調節され、その機能
を有効に発揮するのであれば、例えば、吐出口4bの端
部(後述する鍔部4c)が蓄水中に浸かる状態となるこ
とも可能である。実験によれば、この実施の形態におい
ては、吸込パイプ4の吐出口4bの下5〜10mm程度
になるように溜めた場合、最も効率良く除塵された。
【0042】吸込パイプ4の吐出口4bの端部には、円
形の端部の周囲を取り囲むように鍔部4cが形成されて
いる。この鍔部4cが果たす役割や効果については、後
で詳しく述べる。
【0043】第1仕切り板5は、ウォータパン3の底面
に立設され、ウォータパン3を2槽に区画する。図3
に、第1仕切り板を吸込パイプ側から見た場合の概略図
を示す。第1仕切り板5の下部には、蓄水が通過可能な
通過穴5aが開口し、またその最上部は長方形状に凹
み、上壁6との間に空気が通過するための空気逃げ穴5
bが形成されている。
【0044】上壁6は、その表面にパッキン(図示しな
い)が設けられており、ウォータパン部Aの側壁2、第
1仕切り板5、第2仕切り板7及び通気路8の覆壁8a
の上端と当接して密封する。因みに、本発明の粉塵除去
装置は、ウォータパン部Aとファン部Bとが掛止具Rに
よって自由に取り外しすることができる。そして、その
取り付けの際は、ファン部Bがウォータパン部Aに押し
付けられ、上壁6に配設されたパッキンがウォータパン
部Aの上記各構造体の上端に圧接され、ウォータパン部
Aの気密が保たれるのである。
【0045】第2仕切り板7は、第1仕切り板5の後方
に配設され、上壁6に圧接された状態で下方に垂下され
ている。図4に、第2仕切り板の構成例を示す。第2仕
切り板7の下方には、空気逃げ部7bが開口している。
【0046】また、第2仕切り板7の数か所が下方に延
長され、タブ部7cが形成されている。更に、このタブ
部7cの間の逆V字形の切れ込みを覆うように、屋根形
のリブ体7dが第2仕切り板7の前面に立設されてい
る。これらの役割については、後で詳しく述べる。
【0047】通気路8は、ウォータパン部Aの最下流に
位置し、覆壁8aとウォータパン部の側壁2とにより筒
状に形成されている(図1等参照)。覆壁8aは、ウォ
ータパン部に属する下部分とファン部に属する上部分が
圧接され、気密が保たれた状態で連続しているため、通
気路8に入った空気を漏らすことなく上方のファン12
まで案内することができる。
【0048】通気路8の内部の空間S3には、後述する
ように、水切りフィルタ9が配設されていれば、より好
ましい。実際には、水切りフィルタ9は、2つの水切り
フィルタ9a、9bがある程度の間隔をあけて配設され
るが、この点については後で詳しく述べる。因みに、2
つの水切りフィルタを1つのカセットケースに収めてウ
ォータパン部Aに嵌め込めるようにしておけば、簡単に
取り外して洗浄したり取り替えることができる。
【0049】通気路8のファン部Bの部分、即ち通気路
8の上部には、フィルタ10(例えばスポンジフィル
タ)が配設されている。そしてその上方には、取塵器1
1(通称ヘパ式取塵器という)が設けられており、ここ
で最終的な除塵が行われる。
【0050】ファン部Bは、少なくともファン12、フ
ァンモータ13を備えており、その他必要に応じて脱臭
フィルタ14や消音装置(図示しない)等が備えられ
る。ファン12は、ファンモータ13により駆動されて
回転し、通気路8を通してウォータパン部Aに負圧を生
じさせる。
【0051】ファン12の外側の空間15は、ファン1
2の外周の全周を取り巻くように連続して形成されてお
り、その一部が排気口16として外部に開口している。
ファンモータ13は、下方から空気を取り込んで(点線
矢印)、自らを空冷する機能をも有しており、効率良く
冷却してオーバーヒートを防ぐ。
【0052】以上のように、本実施形態の粉塵除去装置
においては、従来の分離器のような装置内の気流に対し
て抵抗になるものは殆どない。そのため、高い負圧が得
られ、装置の吸引力を非常に大きなものとすることが可
能となるのである。
【0053】次に、この粉塵除去装置の内部における空
気の流れについて述べ、併せて装置の除塵作用について
説明する。
【0054】図1の矢印(実線)に示すように、外界の
粉塵を含む空気は、先ず、吸込パイプ4の吸気口4aか
ら装置内に吸い込まれる。そして、吸込パイプ4の形状
に従って下向きに方向を変え、吐出口4bよりウォータ
パン3の第1槽T1に溜められた蓄水 W1に吹き込ま
れる。そして、蓄水との間で激しい巻き込み攪拌を生じ
る。
【0055】図5に、吸込パイプの下方で粉塵含有空気
と蓄水とが巻き込み攪拌現象を起こしている状態を概念
的に示す。即ち、蓄水W1に吹き込まれた空気は、局所
的に蓄水を押し下げ、周りから押し寄せた水により蓄水
中に巻き込まれ攪拌される。そして、それが繰り返さ
れ、この激しい巻き込み攪拌の中で、空気中のゴミや粉
塵等が蓄水W1に捕捉され空気中より除去される(第1
巻き込み攪拌作用)。
【0056】ここで、破線は巻き込み攪拌現象が生じて
いる際の平均的な蓄水W1の水面の位置を表している
が、実際には巻き込み攪拌が激しいため、水面は一定せ
ず、吐出口4bの下方では、事実上水面は確認できな
い。従って、破線はあくまで概念的な水面の位置を示す
ものではあるが、吸込パイプの吐出口4bの下方で押し
下げられた分だけ、その外側の部分では上昇しているこ
とを表している。
【0057】吸込パイプ4の吐出口4bの周囲に鍔部4
cが形成されていると、空気と蓄水とが激しい巻き込み
攪拌を起こす際、この鍔部4cにより、蓄水W1が激し
く飛び跳ねるのを効果的に抑えられる。そのため、巻き
込み攪拌現象がより安定化し、空気と蓄水W1との接触
時間が十分に確保されるようになるため、巻き込み攪拌
作用による粉塵の捕捉除去が効率的に行われるのであ
る。
【0058】もっとも、吸込パイプ4が鍔部4cを有し
ていない場合でも、巻き込み攪拌作用を有効に生じされ
ることは可能である。このように、巻き込み攪拌作用を
積極的に活用し、蓄水による除塵率を向上させるのが、
本発明の特徴の一つである。
【0059】また、この巻き込み攪拌現象によって、蓄
水とともに跳ね上がった空気は、第1仕切り板5に激し
く衝突する。そして、水とともに跳ね飛びまき散る効果
により、更に空気中よりゴミや粉塵等が除去される。
【0060】空気は、このようにして蓄水W1や第1仕
切り板5で粉塵等を除去された後、上方の空間S1に離
脱する。しかし、空気中にはいまだ細かな粉塵や綿埃が
残存しており、この細かな粉塵等は単独で又は蓄水W1
由来の微水滴に内包される状態で空気中を浮遊してい
る。
【0061】こうした残存粉塵等を含む空気は、負圧に
より空間S1を上昇し、空間S1の上方で今度は水平方
向に向きを変え、第1仕切り板5の最上部の空気逃げ穴
5bを通過して空間S2に移る。そして、該空気は、空
気逃げ穴4bの後方に静止する第2仕切り板7の上方領
域7aに直に激しく衝突する(図4参照)。
【0062】第2仕切り板7の上方領域7aでは、それ
までに吹き付けられて付着した微水滴が互いに結びつい
て表面水を形成しており、上方領域一面を濡らす状態と
なっている。そして、そこに空気が吹き付けられると、
単独で浮遊する粉塵等や微水滴に内包された粉塵等がこ
の表面水に付着し、表面水によって捕捉され空気中より
除去されるのである(衝突効果)。
【0063】粉塵や微水滴等を捕捉した表面水は、第2
仕切り板7の前面に沿って下降し、下方の蓄水W2に落
下する。このように、本発明においては、ウォータパン
部の構造を工夫して、第1仕切り板5では跳ね飛びまき
散る効果を、また第2仕切り板7では吹き付け効果を積
極的に活用して、除塵率を更に向上させるのである。
【0064】さて、第2仕切り板7に吹き付けられた空
気は、負圧により第1仕切り板5と第2仕切り板7の間
の空間S2を下降し、そのまま蓄水W2の水面に吹き込
まれる。そして、第1槽T1におけるのと同様に蓄水W
2との巻き込み攪拌作用を生じ、空気中になおも残存す
る細かな粉塵等を蓄水W2に捕捉させ除去するのである
(第2巻き込み攪拌作用)。そして、空気は水平方向に
その向きを変え、後方の通気路8へ向かう。
【0065】ここで、第2仕切り板7が、図4に示した
ような特殊な構造を有している点について述べる。先述
したように、第2仕切り板7の上方領域7aで粉塵等を
捕捉した表面水は、第2仕切り板7の表面上を下降して
いく。そして、水滴となって蓄水W2に落下するのであ
るが、第2仕切り板7の下方に開口している空気逃げ部
7bでは、蓄水W2から離脱した空気が相当な速度を有
して装置後方に向かって流れている。
【0066】そのため、こうした水滴は激しい気流に容
易に吹き飛ばされて、蓄水W2に落下せずにその多くが
通気路8に運ばれる恐れがある。通気路8には、水切り
フィルタが配設されるのが好ましいが、大量の水が運ば
れるとその処理能力を超え、水分を嫌うスポンジフィル
タや取塵器にまで水が達してしまう可能性がある。
【0067】従って、第2仕切り板7の構造に改良を加
え、できるだけ気流に対して抵抗にならず、しかも確実
に表面水を蓄水W2に送り届け、通気路8に運ばれる水
を極力少なくすることが望ましい。図4は、そうした構
造の一例を示している。
【0068】リブ体7dは、隣り合ったリブ体同士の間
隔が下に行くほど狭くなるように形成されており、各リ
ブ体7dの間にはタブ部7cが延長されて設けられてい
る。第2仕切り板7の上方領域7aから下降し始めた表
面水は、まずリブ体7dに捕らえられる。そして、リブ
体7dに沿って案内され、集束しながらタブ部7cに送
られる。表面水は、タブ部7cを伝って更に下降し、そ
の先端から水滴状又は水流状の比較的大きなかたまりと
なって落下する。
【0069】このように大きなかたまりとなった水は、
空気逃げ部7bを通過する気流には容易に吹き飛ばされ
ることはなくなり、その大部分が蓄水W2に到達して蓄
水に戻すことができるのである。リブ体7dの第2仕切
り板7の表面からの高さは、空間S2の空気の流量や流
速に影響するが、実験によれば、数mm程度の高さがあ
れば、その影響も少なく、上記の効果を十分に発揮する
ことが可能である。
【0070】因みに、タブ部7cは、気流に対して大き
な抵抗とならない限り、蓄水W2の水面まで又はウォー
タパンの底面まで延長することも当然可能である。ま
た、第2仕切り板7の表面水の殆どが確実に蓄水W2に
戻るのであれば、空気逃げ部7bを直線的に(長方形状
に)開口することも可能であるであることは言うまでも
ない。
【0071】以上が、本発明の粉塵除去装置における第
2仕切り板の構造の特徴であるが、更に第2仕切り板の
表面に縦溝(図示しない)を形成すれば、表面水が集ま
り易くなり好ましい。また、表面水を第2仕切り板の表
面で滞留させず迅速に下降させるために、第2仕切り板
を撥水性の素材より形成したり、その表面を撥水加工し
たりして撥水機能を付与しておけば、より好ましい。
【0072】さて、装置内の空気の流れに戻る前に、蓄
水W1と蓄水W2との間の水の循環について述べる。先
述したように、第2仕切り板に付着している表面水は、
もともと第1槽に溜められた蓄水W1が飛散してきたも
のであり、それが第2仕切り板の表面を下降して蓄水W
2に落下する。
【0073】つまり、ウォータパンの第1槽と第2槽と
が完全に仕切られていると、蓄水W1の水量は次第に減
り、蓄水W2の水量は増え続けることになる。そして、
第1槽には、吸込パイプを介して次々とゴミや粉塵等が
吸い込まれるため、蓄水W1の除塵力はそのうちサチレ
ート(飽和)してしまうのである。
【0074】しかし、先述したように、第1仕切り板5
の下部に通過穴5aが設けられていれば、より新鮮な蓄
水W2が第1槽に戻るため、こうしたサチレーションの
問題が回避される。つまり、本発明では、このような水
の循環を生ぜしめることにより、ウォータパン全体の蓄
水を有効に活用し、蓄水の除塵力の経時的な低下を防止
するのである。
【0075】一方、ウォータパンの第1槽に遮蔽板を設
けると、通過穴を介した蓄水W2の第1槽への移動をよ
りスムーズにすることができる。図6に、具体的な遮蔽
板の構成例を示す。この例では、第1槽T1の吸込パイ
プ4の下方に、第1仕切り板5から長方形の形状を有す
る遮蔽板17が2枚平行に立設されている。
【0076】遮蔽板17がないと、吸込パイプ4から蓄
水W1に吹き付けられる空気の圧力によって、通過穴5
aを介して第1槽T1に向かう蓄水W2の水の流れ(図
中の矢印)が阻害される場合がある。しかし、遮蔽板1
7を設けることにより、こうした圧力の影響が遮断さ
れ、蓄水W2の第1槽T1への移動がスムーズに行われ
るようになるのである。
【0077】さて、第2仕切り板の空気逃げ部7bを通
過した空気は、通気路8に入り上方に吸引される(図1
参照)。この際、空気中には水滴が含まれているため、
通気路8の内部の空間S3に除湿のための水切りフィル
タ9を配設するとよい。水切りフィルタ9(9a)によ
り捕捉した水分は、集められて比較的大きな水塊となっ
てウォータパン部Aの側壁2等を伝わって蓄水W2に戻
される。
【0078】しかし、捕捉する水分の量が多いと、蓄水
W2への還流だけでは間に合わず、水分の一部が上方に
離脱してフィルタ10等を濡らしてしまう場合がある。
そのような場合には、もう1枚の水切りフィルタ9bを
ある程度間隔を置いて配設すると、ほぼ完全に水分を捕
捉することができる。
【0079】水切りフィルタ9bは、水切りフィルタ9
aで捕らえ切れなかった水分のみを処理するだけなの
で、その水量は少なく、フィルタの処理能力がサチレー
トすることはないからである。装置内の空気の流量や先
述した第2仕切り板の構造等にもよるが、実験によれ
ば、2枚のフィルタの間隔を7mm程度離せば、上記の
効果を十分に発揮させることが可能であることが分かっ
ている。
【0080】また、水切りフィルタ9に達した空気中に
は、蓄水や仕切り板でも捕捉除去されなかった極微細な
粉塵や綿埃等が含まれている。そのため、水切りフィル
タ9(又は9a、9b)は微細粉塵等を捕捉除去する機
能を有するものであれば、後述するフィルタ10や取塵
器11にかかる負担が減り、それらの除塵能力を効率的
に発揮させることができる。
【0081】こうして除湿され除塵された空気は、通気
路8の内部の空間S3を更に上昇し、フィルタ10に到
達する。フィルタ10として極微細孔を有するスポンジ
フィルタを使用すれば、数10μm径の極微細な粉塵や
綿埃のほか、微細な油滴を捕捉し空気中より除去するこ
とができる。
【0082】フィルタ10の下流に取塵器11を配設す
れば、更に微細な粉塵等が除去され好ましい。本発明に
よれば、ここまでの段階で、空気中に含まれる数10μ
m以上の径を有する粉塵等はほぼ完全に除去されている
ため、高性能の取塵器を採用することができる。
【0083】具体的には、取塵器11として、0.3μ
m以上の径を有する粉塵を99.97%除去可能な高レ
ベルの取塵器を使用できる。従って、本発明の粉塵除去
装置は、空気清浄機に求められる基準をも達成できるほ
ど高い除塵率を有する装置となっており、電気掃除機の
みならず空気清浄機などにも使用可能である。
【0084】最後に、空気はファン部Bに送られ、ファ
ン12により四方に吹き出され、空間15を通過して排
気口16から排気される。排気口16に脱臭フィルタ1
4を配設しておけば、確実に脱臭を行うことが可能とな
る。
【0085】ところで、本発明の粉塵除去装置において
は、先述したように、上方のファン部Bが掛止具Rを外
すことにより、ワンタッチで取り外すことができる。そ
のため、ウォータパン部A及び装置の内部を簡単に洗浄
することができ、極めて便利である。
【0086】特に、吸込パイプの内部は、ゴミや粉塵等
がヘドロ状になって溜まり易い。そのため、ウォータパ
ン部Bに着脱自在に取り付けられていると、内部の洗浄
がし易く便利である。参考までに、図7に、ウォータパ
ン部の側壁に吸込パイプを着脱自在に取り付けるための
構造の一例を示した。
【0087】ウォータパン部の側壁2には、内側にガイ
ドレール18aを備えたジョイントナット18が設けら
れ、吸込パイプ4には、吸気口側に嵌め込み板19が一
体的に形成されている。吸込パイプ4をジョイントナッ
ト18に取り付ける際には、嵌め込み板19をジョイン
トナット18に当接させながらガイドレール18aをス
ライドさせて嵌め込むだけでよい。
【0088】〔第2の実施の形態〕図8は、第2の実施
の形態における粉塵除去装置を側面から見た場合の概略
構成図である。図9は、図8のX−X線に沿う概略断面
図である(ただし便宜上遮蔽板17は省略されてい
る)。
【0089】この実施の形態においては、ウォータパン
3は、底面に円筒状に立設された第1仕切り板5により
同心円状に2槽に仕切られている。吸込パイプ4は、ウ
ォータパン3の中央部まで延び、第1槽T1に下向きに
開口している。
【0090】この実施の形態においては、ジョイントナ
ット18は第1仕切り板5の内側に設けられており、吸
込パイプ4は第1仕切り板に着脱自在に取り付けられ
る。吸込パイプ4の嵌め込み板等の取り付け構造及び取
り付け方は、第1の実施の形態と同様である。また、吸
込パイプ4の下方には、遮蔽板17がウォータパン3の
底面から筒状に立設されている。
【0091】図10に、この実施の形態における粉塵除
去装置の第1仕切り板と第2仕切り板の形状を示す。第
1仕切り板5は、ウォータパンの底面に円筒状に立設さ
れ、その下端の数か所に通過穴5aが設けられている。
また、円筒の上端5cの後半分のみがウォータパン部の
上壁(図示しない)に圧接し、前半分には空気逃げ穴5
bが開口している。
【0092】第1仕切り板5の空気逃げ穴5bの前方外
側には、一定の距離を隔てて第2仕切り板7が配設さ
れ、半円筒状の第2仕切り板7の両端部は内側に曲がり
第1仕切り板5と一体化されている。また、第2仕切り
板7の上端7eがウォータパンの上壁に圧接している。
更に、第2仕切り板7の下部には、空気逃げ部7bが開
口している。通気路8やファン部B等の構造は、第1の
実施の形態と同様である。また、ウォータパンには、適
量の水が溜められる。
【0093】一方、装置内の空気の流れは、図8〜図1
0の矢印(実線)に示すように、吸気口4aから吸い込
まれ、第1槽T1を経た後、空気逃げ穴5bを通過し、
第2仕切り板7に衝突する。その後、空気逃げ部7bを
通過した後、負圧により後方に流れ、通気路8を通って
ファン部Bに送られ、ファン12により四方に吹き出さ
れ、空間15を通過して排気口16から排気される。
【0094】さて、このように空気が移動する中で、第
1の実施の形態と同様、吸込パイプの下方での第1巻き
込み攪拌作用、第1仕切り板における跳ね飛びまき散る
効果、第2仕切り板における衝突効果、及び蓄水W2で
の第2巻き込み攪拌作用等がそれぞれ効果的に発揮され
る。また、通過穴5aを介した蓄水W1と蓄水W2の水
の循環も同様に行われ、蓄水W1の除塵力のサチレーシ
ョンは回避される。
【0095】本実施形態においては、第2仕切り板7の
下方の空気逃げ部7bから吐き出された空気が、通気路
8に入るまでの距離が長いという特徴がある。つまり、
空気は空気逃げ部7bから吐き出された後、空間S4を
後方へ向けて移動する間に、空気中の微水滴や粉塵等が
第2仕切り板7や側壁2等に付着し、又は蓄水W2に捕
捉されることにより空気中から除去されるのである。そ
のため、更にウォータパン部Aの除塵率が向上する利点
がある。
【0096】因みに、この実施の形態において、空気逃
げ穴5bや第2仕切り板7等を第1槽T1の後方(図8
等では右側)に設け、蓄水W1を離脱した空気が後方へ
流れ出るようにすることも当然可能である。また、図1
0では、第2仕切り板7として、便宜上リブ体やタブ部
等の構造を省略した場合を示したが、当然、リブ体やタ
ブ部等を有する構造(図4参照)とすることは可能であ
り、その方が除塵率は向上する。
【0097】〔第3の実施の形態〕さて、第2の実施の
形態では、筒状の第1仕切り板により同心円状に仕切ら
れたウォータパンの2槽のうち、内側の水槽に外気、即
ち粉塵含有空気を吸い込んだ。しかし、外側の水槽に外
気を吸い込んで内側の水槽に案内し、上方のファン部に
吸引する構成も取り得る。
【0098】図11は、そのように形成した粉塵除去装
置の構成例を示す概略構成図である(便宜上遮蔽板17
及びジョイントナット18等は省略した)。図12は、
図10のX−X線に沿う概略断面図である。
【0099】吸込パイプ4は、第1の実施の形態と同様
に、ジョイントナット18等を介して側壁2に着脱自在
に取り付けられている。また、吸込パイプ4の下方に
は、2枚の遮蔽板17がウォータパン3の底面から平行
に立設されている。
【0100】第1仕切り板5はウォータパンの底面から
円筒状に立設されている。また、第2仕切り板7は、第
1仕切り板5の内側に設けられ、上壁6から円筒状に垂
下されている。ここで、第2仕切り板7をどのように配
設するかについて述べる。
【0101】第2仕切り板7を、上壁6と一体的に形成
すると、洗浄等のためファン部Bを取り外した際に、上
壁6から円筒状の第2仕切り板7が下向きに突き出した
状態となる(図13参照)。こうした構造では、装置の
洗浄が終了し、ファン部とウォータパン部とを取り付け
る際、ファン部から突き出た第2仕切り板をウォータパ
ン部の第1仕切り板や側壁等にぶつけるなどして、装置
の破損や故障の原因ともなりかねない。
【0102】そこで、第2仕切り板7は、実際には、図
14(理解のため一部を欠損させて表現している)に示
すように、第1仕切り板から平らな支柱7fを数枚延ば
して一体化させて第1仕切り板に固定させるのである。
従って、上記の実施の形態と同様、上壁6に対して圧接
され気密を保っている。
【0103】さて、装置内の空気の流れは、図11〜図
14の矢印(実線)に示すように流れる。ここで、ウォ
ータパン3の第1槽T1の上方の空間S5を活用するた
め、第2の実施の形態とは逆に、第1仕切り板5の前半
分を上壁6まで延ばして空気逃げ穴5bを閉じ、後半分
にのみ空気逃げ穴5bを開口させることも可能である。
そうすれば、吸込パイプ4の下方の蓄水W1から離脱し
た空気は、一旦装置の後方に移動せざるを得なくなり、
移動の途中で、空気中の粉塵等が側壁2に付着するなど
して空気中から除去される効果が生まれるのである。
【0104】以上、本発明を説明してきたが、本発明は
実施形態にのみ限定されるものではなく、その本質を逸
脱しない範囲で、他の種々の変形例が可能であることは
言うまでもない。吸込パイプ、第1及び第2仕切り板、
通気路等の形状や、ウォータパン部やファン部の内部の
構造、ジョイントナットとガイドレール、嵌め込み板等
の構造は、上記の実施形態に限定されない。
【0105】特に、第2仕切り板のリブ体やタブ部は、
第2仕切り板の表面を下降する表面水を確実に蓄水W2
に戻すものであれば、形状は限定されない。例えば、極
端な場合、図4に示した空気逃げ部7bは、第2仕切り
板を貫通する数個の穴であることも可能である。
【0106】また、装置は円筒形を前提として説明した
が、他の形状、例えば角張った形状等も当然可能であ
る。更に、この粉塵除去装置は、その特有の機能を利用
する限り、先述したように掃除機のみならず空気清浄機
にも使用可能であり、布団乾燥機や衣類乾燥機としても
使用可能である。
【0107】
【発明の効果】本発明によれば、分離器を用いなくと
も、大量に溜められた蓄水の除塵力を有効に活用し、ウ
ォータパン自体の構造を改良することにより、ウォータ
パンにおける除塵率を飛躍的に向上させることができ
る。そのため、装置を排気がクリーンでしかも大きな吸
引力を有するものとすることが可能となり、空気清浄機
等としても使用可能なほど性能の高いものとすることが
できる。また、吸込パイプを着脱自在にしたことで、装
置内部及びヘドロ状にゴミ等が溜まり易い吸込パイプの
内部の洗浄が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、第1の実施の形態における粉塵除去装
置を側面から見た場合の概略構成図である。
【図2】図2は、図1のX−X線に沿う概略断面図であ
る。
【図3】図3は、第1仕切り板を吸込パイプ側から見た
場合の概略図である。
【図4】図4は、第2仕切り板の具体的構成例を示す図
である。
【図5】図5は、吸込パイプの下方で粉塵含有空気と蓄
水とが巻き込み攪拌現象を起こしている状態を示す概念
図である。
【図6】図6は、具体的な遮蔽板の構成例を示す図であ
る。
【図7】図7は、ウォータパン部の側壁に吸込パイプを
着脱自在に取り付けるための構造の一例を示す図であ
る。
【図8】図8は、第2の実施の形態における粉塵除去装
置を側面から見た場合の概略構成図である。
【図9】図9は、図8のX−X線に沿う概略断面図であ
る。
【図10】図10は、第2の実施の形態における粉塵除
去装置の第1仕切り板と第2仕切り板の形状を示す図で
ある。
【図11】図11は、第3の実施の形態における粉塵除
去装置を側面から見た場合の概略構成図である。
【図12】図12は、図11のX−X線に沿う概略断面
図である。
【図13】図13は、第2仕切り板7が上壁6から下向
きに突き出した状態を示す図である。
【図14】図14は、第2仕切り板が平らな支柱を介し
て第1仕切り板に固定されている状態を示す図である。
【図15】図15は、従来の湿式電気掃除機の概略構成
例を示す図である。
【符号の説明】
1…粉塵除去装置 2…側壁 3…ウォータパン 4…吸込パイプ 4a…吸気口 4b…吐出口 4c…鍔部 5…第1仕切り板 5a…通過穴 5b…空気逃げ穴 5c…上端 6…上壁 7…第2仕切り板 7a…上方領域 7b…空気逃げ部 7c…タブ部 7d…リブ体 7e…上端 7f…支柱 8…通気路 8a…覆壁 9、9a、9b…水切りフィルタ 10…フィルタ 11…取塵器 12…ファン 13…ファンモータ 14…脱臭フィルタ 15…空間 16…排気口 17…遮蔽板 18…ジョイントナット 18a…ガイドレール 19…嵌め込み板 100…ウォータパン 101…水 102…吸気口 103…メインハウジング 104…分離器 104a…吸引孔 105…ファンモータ 106…内カバー 107…外カバー 107a…集中排気口 107b…拡散排気口 108…カバーキャップ 109…取手 A…ウォータパン部 B…ファン部 R…掛止具 S1、S2、S3、S4、S5…空間 T1…第1槽 T2…第2槽 W1…第1の蓄水 W2…第2の蓄水
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 50/00 B01D 50/00 501G 501N 501P 502 502A 502Z F24F 7/00 F24F 7/00 A Fターム(参考) 4D031 AB02 AB16 AB22 AB24 AB28 BA04 BA10 BB10 DA05 EA01 4D032 AA02 AA05 AA21 BA06 BB01 BB07 4D058 JA12 JA14 JB14 JB28 KB11 SA20 TA02 TA07

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負圧により水中に粉塵含有空気を吸い込
    み蓄水に吹き込むことによってその粉塵を捕捉し除去す
    る粉塵除去方法であって、 該粉塵含有空気を水中に吹き込み、水中から空間に離脱
    させ、静止する板材に吹き付けた後、更に水面に吹き付
    けて上方に吸引することを特徴とする粉塵除去方法。
  2. 【請求項2】 装置内に負圧を発生させるためのファン
    部と、負圧により吸い込まれた空気に含まれる粉塵を水
    中で捕捉し除去するウォータパン部とを備えた粉塵除去
    装置であって、 該ファン部は、ウォータパン部の上方に形成され、 該ウォータパン部は、水を蓄え可能なウォータパンと、
    ウォータパンに粉塵含有空気を吸い込むための吸込パイ
    プと、ウォータパンを2槽に区画し下部に通過穴が設け
    られた第1仕切り板と、粉塵含有空気が吹き付けられる
    ための第2仕切り板とを備えることを特徴とする粉塵除
    去装置。
  3. 【請求項3】 前記第2仕切り板は、表面に付着し下降
    する水滴を案内し且つ集束させるためのリブ体とタブ部
    とを備えることを特徴とする請求項2記載の粉塵除去装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第2仕切り板は、撥水性機能を有し
    ていることを特徴とする請求項2記載の粉塵除去装置。
  5. 【請求項5】 前記第2仕切り板は、縦溝が形成されて
    いることを特徴とする請求項2記載の粉塵除去装置。
  6. 【請求項6】 前記吸込パイプは、その吐出口の周囲に
    鍔部が形成されていることを特徴とする請求項2記載の
    粉塵除去装置。
  7. 【請求項7】 前記吸込パイプは、ウォータパン部の側
    壁に着脱可能に取り付けられていることを特徴とする請
    求項2記載の粉塵除去装置。
  8. 【請求項8】 前記吸込パイプは、第1仕切り板に着脱
    可能に取り付けられていることを特徴とする請求項2記
    載の粉塵除去装置。
  9. 【請求項9】 前記第1仕切り板で区画されたウォータ
    パンのうち、吸込パイプの下方の第1槽に、遮蔽板が設
    けられていることを特徴とする請求項2記載の粉塵除去
    装置。
  10. 【請求項10】 前記ウォータパン部は、その最下流に
    除塵及び除湿のためのフィルタを備えることを特徴とす
    る請求項2記載の粉塵除去装置。
  11. 【請求項11】 前記ウォータパン部は、内部が視認可
    能になっていることを特徴とする請求項2記載の粉塵除
    去装置。
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