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JP2003137665A - キャスタブル耐火物の製造方法 - Google Patents

キャスタブル耐火物の製造方法

Info

Publication number
JP2003137665A
JP2003137665A JP2001337896A JP2001337896A JP2003137665A JP 2003137665 A JP2003137665 A JP 2003137665A JP 2001337896 A JP2001337896 A JP 2001337896A JP 2001337896 A JP2001337896 A JP 2001337896A JP 2003137665 A JP2003137665 A JP 2003137665A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
waste
aggregate
castable refractory
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001337896A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuaki Matsuo
和昭 松尾
Koji Saito
幸治 齊藤
Yoshikazu Kubo
吉一 久保
Masanori Imanishi
正紀 今西
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Coorstek KK
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
Toshiba Ceramics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Metal Industries Ltd, Toshiba Ceramics Co Ltd filed Critical Sumitomo Metal Industries Ltd
Priority to JP2001337896A priority Critical patent/JP2003137665A/ja
Publication of JP2003137665A publication Critical patent/JP2003137665A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属鋳造設備に使用された耐火物廃材を有効
活用するとともに、成形品の品質の安定化を図り、か
つ、低コストで、耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性等に優れ
たキャスタブル耐火物の製造方法を提供する。 【解決手段】 金属鋳造設備に使用されたアルミナ−カ
ーボン質耐火物の廃材を粉砕したものを主な骨材原料と
して配合したキャスタブル耐火物の製造方法において、
前記廃材に、撥水性シリコーンをミスト状に吹き付けな
がら粉砕して、廃材原料骨材を得る工程と、前記廃材原
料骨材に、結合材を添加し、混合して、原料混合物を得
る工程と、前記原料混合物に、分散剤を含む水溶液を添
加し、混練して、スラリーを得る工程と、前記スラリー
を所定形状に流し込み施工する工程とを含むことを特徴
とするキャスタブル耐火物の製造方法を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャスタブル耐火
物の製造方法に関し、より詳細には、金属鋳造設備にお
いて用いられたアルミナ−カーボン質耐火物の廃材を主
な骨材原料として配合したキャスタブル耐火物の製造方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】キャスタブル耐火物は、金属鋳造容器の
タンディッシュ、取鍋等の内張材や、タンディッシュ
堰、マスブロック、電炉蓋等のブロック製品および溶
銑、溶鋼の精錬処理に使用されるランスパイプ、シュノ
ーケル等に用いられる不定形耐火物である。
【0003】近年、キャスタブル耐火物は、アルミナセ
メントに、結合材としてアルミナ微粉やシリカ微粉を添
加したり、分散剤を添加することによって、アルミナセ
メントの配合量および混練水の添加量を減少させること
が可能となった。これにより、不定形耐火物であるにも
かかわらず、焼成処理した定形耐火物と同等に緻密な組
織を有し、高強度のものを得ることができ、耐熱性や耐
食性も向上した。したがって、キャスタブル耐火物は、
現在では、製鉄、製鋼の各工程において、溶湯が直接接
触し、侵食されやすい部分の部材にも使用されている。
【0004】また、近年開発されたカーボンを含有した
キャスタブル耐火物は、その優れた耐食性により、従来
からのキャスタブル耐火物の適用範囲をさらに拡大し、
LF炉や取鍋のスラグライン部に採用されたり、溶鋼精
錬処理用のランス先端部等のより過酷な条件下で使用さ
れる部材に使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このカ
ーボンを含有したキャスタブル耐火物は、流動性が極端
に低下するため、天然黒鉛を添加することは困難であ
り、そのため、従来は、人工のピッチ粉末やカーボンブ
ラックが添加されていた。その際、カーボンは熱酸化さ
れやすいため、これを回避するために、多量の酸化抑制
剤を同時に添加する必要があった。例えば、超微粉の炭
化ケイ素(SiC)、アルミニウム(Al)、シリコン
(Si)、炭化ホウ素(B4 C)等が酸化抑制剤として
用いられるが、これらは、高価である上に、多量に添加
しなければならず、材料コストを引き上げる原因となっ
ていた。
【0006】ところで、近年、地球環境保全のため、各
種廃材のリサイクル化が注目されており、従来は廃棄処
分されていた使用済みの耐火物の再利用も要求されるよ
うになってきた。これに関しては、例えば、特開平9−
278541号公報、特開平9−278542号公報、
特開平9−278549号公報において、炭素含有耐火
物廃材を1〜50mmの粒径に加工したものを5〜30
重量%添加して得られる不定形耐火物が提案されてい
る。
【0007】しかしながら、炭素含有耐火物廃材の添加
量が5〜30重量%では、該廃材が十分に有効活用され
ているとは言えない。廃材の有効活用および耐火物コス
トの削減において、実用上意義あるものとするために
は、少なくとも30重量%、好ましくは50重量%以上
添加されていることが必要である。
【0008】ところが、カーボンを含有した耐火物廃材
を30%以上添加した場合には、得られるキャスタブル
耐火物の強度特性が大きく低下する等の不都合を生じ、
その品質が安定しないという問題点があった。上記問題
点に対しては、廃材を利用した前記キャスタブル耐火物
の品質の安定化を図るため、前記廃材を加熱処理して乾
燥させたものを原料に添加することも検討された。しか
しながら、カーボンが部分的に灰化して材質的に不均一
となり、成形品の均質化および安定化が十分に図られる
までには至っていない。
【0009】また、通常、キャスタブル耐火物の原料
は、保管時に吸水または吸湿することにより、結合材と
して添加されるアルミナセメント等の効力が消失しない
ようにするため、ドライヤー等で完全に乾燥したものが
用いられる。しかしながら、耐火物廃材は、屋外の廃土
缶等において放置され、雨水等の水分を大量に吸水して
いる場合が多く、これをキャスタブル耐火物の原料とし
て再利用する場合には、該廃材から水分を除去するため
の乾燥処理工程が不可欠であり、時間的にもコスト的に
も負担が大きかった。
【0010】本発明は、上記技術的課題を解決するため
になされたものであり、耐火物廃材を有効活用するとと
もに、成形品の品質の安定化を図り、かつ、低コスト
で、耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性等に優れたキャスタブ
ル耐火物の製造方法を提供することを目的とするもので
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明に係るキャスタブ
ル耐火物の製造方法は、金属鋳造設備に使用されたアル
ミナ−カーボン質耐火物の廃材を粉砕したものを主な骨
材原料として配合したキャスタブル耐火物の製造方法に
おいて、前記廃材に、撥水性シリコーンをミスト状に吹
き付けながら粉砕して、廃材原料骨材を得る工程と、前
記廃材原料骨材に、結合材を添加し、混合して、原料混
合物を得る工程と、前記原料混合物に、分散剤を含む水
溶液を添加し、混練して、スラリーを得る工程と、前記
スラリーを所定形状に流し込み施工する工程とを含むこ
とを特徴とする。この方法により製造されたキャスタブ
ル耐火物中には、従来よりも多くの耐火物廃材を配合さ
せることができ、耐火物廃材の活用法として有効であ
る。しかも、得られたキャスタブル耐火物は、従来品と
同等の強度特性を有しており、かつ、従来品より低コス
トで、優れた耐熱性、耐食性、耐熱衝撃性を有する。
【0012】前記廃材を粉砕して、廃材原料骨材を得る
工程においては、吹き付けられる撥水性シリコーンが、
前記廃材に対して0.5〜3重量%であることが好まし
い。廃材原料骨材の吸水防止効果およびコストを考慮し
て、撥水性シリコーンの添加量を規定したものである。
【0013】また、前記廃材原料骨材は、全固形原料成
分100重量部に対して50〜70重量部配合されるこ
とが好ましい。廃材の有効利用を図るため、また、得ら
れるキャスタブル耐火物の耐食性、耐熱衝撃性の観点か
ら、前記配合量は50重量部以上であることが好まし
い。一方、スラリーの分散性、流動性等の観点から、7
0重量部以下であることが好ましい。
【0014】さらにまた、前記廃材原料骨材は、粒径が
5〜10mmの粗粒と、粒径が0.25〜2mmの細粒
とからなり、かつ、前記粗粒に対する前記細粒の混合重
量比が0.2〜1.5であることが好ましい。廃材原料
骨材を上記粒径範囲とすることにより、酸化抑制剤を多
量に添加することなく、カーボンの酸化による消耗を回
避することができ、かつ、得られるキャスタブル耐火物
の均質化および安定化を図ることができる。また、原料
スラリーの流動性や分散性の観点から、粗粒と細粒との
混合比を規定したものである。
【0015】前記分散剤は、縮合リン酸塩およびポリカ
ルボン酸塩から選ばれた少なくとも1種であり、前記分
散剤を含む水溶液中における濃度は1〜5重量%であ
り、かつ、該水溶液は、全固形原料成分100重量部に
対して4〜8重量部添加されることが好ましい。前記ス
ラリーを得る工程において、混練水として、上記のよう
な塩類からなる分散剤を含む水溶液を用いることによ
り、水のみを添加する場合に比べて、少量の添加によ
り、均質に混練することができ、かつ、良好な流動性を
得ることができる。このため、水を多量に添加すること
によるキャスタブル耐火物の強度および均質性の低下を
抑制することができる。
【0016】前記結合材は、アルミナセメントに、粒径
が0.045mm以下の超微粉アルミナまたは粒径が
0.045mm以下の超微粉シリカが混合されたもので
あることが好ましい。結合材として、上記の超微粉を配
合することにより、強度の発現、流動性付与等の効果を
得ることができる。
【0017】前記原料混合物を得る工程は、アルミナ、
ムライト、高アルミナ質シャモット、マグネシアおよび
炭化ケイ素から選ばれた少なくとも1種であり、かつ、
粒径が0.125mm以下の微粉からなる追加骨材を、
前記結合材に予め均一に混合したものを、キャスタブル
耐火物の施工直前に添加し、前記廃材原料骨材と混合す
る工程であることが好ましい。廃材原料骨材を補強する
観点から、上記のような追加骨材を配合することが好ま
しく、また、骨材と粉末材料とが予めすべて混合された
ものを成形施工に用いる通常のキャスタブル耐火物の製
造方法とは異なる工程を経ることにより、廃材原料骨材
の含水分等による影響を抑制することができ、結合材の
効果を十分に発揮させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るキャスタブル耐火物の製造方法における工
程の概略は、以下のとおりである。まず、アルミナ微粉
等の追加骨材と、アルミナセメント、シリカ超微粉等の
結合材とからなる粉末材料の各所定量を、高速回転ミキ
サー等を用いて、予め均一に混合する。そして、成形施
工直前に、モルタルミキサー等の混練装置に前記粉体材
料と、下記に詳述する廃材原料骨材とをそれぞれ投入
し、これらを数分間混合する。これに、所定量の分散剤
を含む水溶液を添加して、数分間混練した後、スラリー
を得る。そして、前記スラリーを用いて、流し込み施工
を行う。上記製造方法は、成形施工直前に、前記粉体材
料と廃材原料骨材とを混合する点において、骨材と粉末
材料とが予めすべて混合されたものを成形施工に用いる
通常のキャスタブル耐火物の製造方法とは異なるもので
ある。これにより、廃材原料骨材の含水分等による結合
材等の効果の低減を抑制することができ、得られるキャ
スタブル耐火物の品質の安定化を図ることができる。
【0019】本発明において骨材原料として用いられる
耐火物の廃材には、例えば、鉄鋼連続鋳造設備におい
て、溶湯の流量調整のために使用されるアルミナ−カー
ボン質のスライドゲート耐火物、溶湯の流出等に用いら
れるアルミナ−カーボン質の浸漬ノズル等の廃材が利用
される。そして、スライドゲートの場合には、フープ
(金属枠)や断熱材を取り外し、場合によっては、付着
している地金やスラグ等を除去したものが用いられる。
【0020】前記骨材原料の固形成分組成は、用いられ
る耐火物の廃材の種類、使用状態等により多少変動する
が、通常、アルミナ(Al23 )75〜80重量%、
カーボン(C)6〜11重量%、シリカ(SiO2 )1
0〜12重量%、ジルコニア(ZrO2 )3〜7重量%
である。
【0021】カーボンを含有したキャスタブル耐火物
は、耐食性に優れていることは知られているが、本発明
においては、アルミナ−カーボン質耐火物の廃材を骨材
原料として多く用いることにより、得られるキャスタブ
ル耐火物の耐食性を向上させることができる。しかも、
前記廃材に含まれているカーボンは、溶鋼やスラグに濡
れにくい特性を有しているため、これを骨材原料として
用いることにより、得られるキャスタブル耐火物に、優
れた耐熱衝撃性をも付与する。したがって、上記のよう
なアルミナ−カーボン質耐火物の廃材を主な骨材原料と
して配合することにより、得られるキャスタブル耐火物
の耐食性および耐熱衝撃性を向上させることができる。
【0022】また、前記廃材を原料とした骨材、すなわ
ち、廃材原料骨材は、全固形原料成分100重量部に対
して50〜70重量部配合されることが好ましい。廃材
原料骨材の配合量が50重量部未満の場合には、上述し
たように、廃材の有効利用の観点から十分な量であると
は言えず、また、耐食性、耐熱衝撃性の向上を十分に図
ることができない。一方、前記配合量が70重量部を超
える場合は、廃材原料骨材中に含まれるカーボン量の相
対的に多くなるため、分散性が不十分となり、スラリー
の流動性が低下し、キャスタブル耐火物の特性を損なう
ことになる。
【0023】また、廃材原料骨材としては、前記廃棄物
を粉砕したもののうち、粒径が0.25〜10mmのも
のが用いられる。これにより、カーボンをより好適な状
態で再利用することができ、キャスタブル耐火物の品質
の安定化を図ることができる。また、廃棄される不要な
粒径、すなわち、前記粒径範囲以外の耐火物廃材の量を
低減させることができる。
【0024】廃材原料骨材の粒径が0.25mm未満で
ある場合は、該廃材原料骨材に含まれるカーボン粒子も
細かいため、キャスタブル耐火物の使用時に酸化されて
消耗してしまい、耐食性の向上を十分に図ることができ
ない。このため、酸化抑制剤として、超微粒の炭化ケイ
素、アルミニウム、シリコン、炭化ホウ素等を多量に添
加する必要があり、コスト高にもつながることとなる。
一方、前記粒径が10mmを超える場合には、キャスタ
ブル耐火物を施工する際に、廃材原料骨材を均一に分散
させることが困難となり、骨材粒子の沈降や偏りを生
じ、均質な成形品を安定的に得ることが困難となる。特
に、ランス、シュノーケル等の施工の場合、成形体の補
強材として用いられる金属製丸棒や金網等に骨材が堆積
し、良好な充填性が得られず、品質が不均一になる原因
となる。
【0025】前記廃材原料骨材は、粒径0.25〜2m
mの細粒と粒径5〜10mmの粗粒とを、粗粒に対する
細粒の重量比が0.2〜1.5となるように混合したも
のを用いることが、原料スラリーの流動性や分散性の観
点から、より好ましい。上記粒径範囲内にある廃材原料
骨材を用いることにより、酸化抑制剤を多量に添加する
ことなく、カーボンの酸化消耗を抑制することができ、
かつ、得られるキャスタブル耐火物の均質化および安定
化を図ることができる。
【0026】本発明に係る方法においては、骨材原料と
して使用される廃材を前記の所定の粒径に粉砕する際
に、撥水性シリコーンをミスト状に吹き付けて吸水防止
処理を施す。耐火物廃材は、極力濡らさないようにする
ことが好ましいが、上記吸水防止処理を施すことによっ
て、廃材原料骨材の含水量をほぼ一定の低水準に保持
し、屋外に放置された場合であっても、雨水の浸水等に
より、キャスタブル耐火物中に余剰な水が進入すること
を防止することができる。したがって、廃材原料骨材の
乾燥処理工程の時間的およびコスト的負担を低減するこ
とができるとともに、得られるキャスタブル耐火物の成
形品の品質の安定化を図ることができる。
【0027】前記撥水性シリコーンは、ミスト状に吹き
付けて使用するため、液状または樹脂状のものの溶液で
あることが好ましく、例えば、商品名TSW−870
(東芝シリコーン株式会社製)等が好適に用いられる。
【0028】前記撥水性シリコーンは、例えば、フープ
等を取り除いたアルミナ−カーボン質のスライドゲート
耐火物の廃材をクラッシャーに投入して粉砕する際に、
スプレー等によってミスト状に均等に吹き付けることに
より、添加される。
【0029】前記撥水性シリコーンの添加量は、前記廃
材に対して0.5〜3重量%である。前記添加量が0.
5重量%未満である場合は、廃材原料骨材の十分な吸水
防止効果が得られない。一方、添加量が3重量%を超え
る場合は、コストの観点から好ましくない。前記添加量
は、より好ましくは、廃材原料骨材に吸水防止効果を十
分に付与し、かつ、コストへの影響が少ない等の観点か
ら、0.8〜1.2重量%の範囲である。
【0030】また、キャスタブル耐火物の固形原料成分
には、前記廃材原料骨材の他に、追加骨材を混合するこ
とが好ましい。この追加骨材としては、好ましくは、ア
ルミナ、ムライト、高アルミナ質シャモット、マグネシ
ア、炭化ケイ素から選ばれた少なくとも1種であり、か
つ、粒径が0.125mm以下の微粉末が用いられる。
【0031】さらに、強度の発現、流動性付与等のた
め、アルミナセメント、粒径0.045mm以下の超微
粉アルミナ、粒径0.045mm以下の超微粉シリカ等
の微粉末を結合材として添加する。
【0032】また、廃材原料骨材、追加骨材および結合
材を混練するための混練水には、縮合リン酸塩、ポリカ
ルボン酸塩等の分散剤を予め溶解した水溶液を用いる。
前記分散剤水溶液を用いることにより、比較的少ない量
の混練水で、混練時のスラリーの分散性および流動性を
良好に保つことができ、得られるキャスタブル耐火物の
強度特性および耐食性の向上を図ることができる。前記
分散剤を予め溶解した水溶液を添加するのは、前記追加
骨材および結合材からなる粉末材料に、分散剤を直接混
合すると、例えば、結合材である超微粉シリカ中の付着
水と加水分解反応を起こし、分散効果を損なうためであ
る。水溶液中の分散剤の濃度は、配合する分散剤、骨
材、結合材等の種類、配合組成や粒径等により若干変動
するが、1〜5重量%であることが好ましい。また、分
散剤の水溶液の添加量は、全固形原料成分100重量部
に対して4〜8重量部、好ましくは5〜6重量部であ
る。
【0033】本発明に係るキャスタブル耐火物の施工後
の加熱条件は、特に制限されるものではなく、通常のキ
ャスタブル耐火物と同様にして行うことができるが、1
50〜450℃で、10〜20時間加熱することが好ま
しい。
【0034】上記のようにして得られた本発明に係るキ
ャスタブル耐火物は、金属鋳造容器のタンディッシュ、
取鍋等の内張材や、タンディッシュ堰、マスブロック、
電炉蓋等のブロック製品および溶銑、溶鋼の精錬処理に
使用されるランスパイプ、シュノーケル等に好適に用い
ることができる。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づきさらに具体的
に説明するが、本発明は下記の実施例により制限される
ものではない。 [実施例1]粒径0.125mm以下の微粉アルミナ1
5重量部からなる追加骨材と、粒径0.045mm以下
の超微粉アルミナ7重量部、粒径0.045mm以下の
超微粉シリカ3重量部、アルミナセメント5重量部から
なる結合材とを、粉末材料(合計30重量部)として、
予め混合した。一方、アルミナ−カーボン質耐火物の廃
材を、粒径0.25〜10mmの範囲に粉砕した。粉砕
の際、廃材の重量に対して1重量%の撥水性シリコーン
(TSW−870(東芝シリコーン株式会社製)を廃材
に吹き付けながら行った。そして、表1に示すような粒
径分布および配合組成からなる廃材原料骨材を合計70
重量部得た。得られた骨材原料は、30日間屋外に放置
した。上記粉末材料および廃材原料骨材とを混練ミキサ
ー中に投入し、2分間混合した後、縮合リン酸ナトリウ
ム水溶液(1重量%溶液)5重量部を添加し、5分間混
練して、スラリーを得た。このスラリーの流動性は良好
であった。また、このスラリーについて、電気炉を用い
て、110℃で24時間乾燥し、その乾燥減量を測定し
たところ、5.75重量%であった。
【0036】次に、前記スラリーを160mm×40m
m×40mmに成形して、900℃、1300℃加熱処
理後の曲げ強度を測定した。また、この成形体につい
て、耐スポーリング試験を行った。耐スポーリング試験
は、1400℃加熱冷却を15回繰り返し、供試体の脱
落損傷の有無および脱落までの繰返し回数を評価するこ
とにより行った。さらに、前記成形体について、誘導炉
による浸漬試験による耐食性の評価を行った。試験条件
は、溶鋼温度1700±50℃にて、転炉合成スラグを
使用して、浸漬時間を10分間として行った。なお、評
価数値は、下記に示す実施例4の場合を100とした場
合の指数による。これらの結果を表1に示す。
【0037】[実施例2〜5]表1の実施例2〜5に示
す配合組成からなるキャスタブル耐火物の各原料を用い
て、実施例1と同様にして、スラリーを得た。これらの
スラリーの流動性は、いずれも良好であった。また、こ
の各スラリーについて、実施例1と同様にして、乾燥減
量を測定した。さらに、各スラリーを用いた成形体につ
いて、実施例1と同様にして、曲げ強度、耐スポーリン
グ性および耐食性を評価した。これらの結果を表1に示
す。
【0038】[比較例1〜5]表1の比較例1〜5に示
す配合組成からなるキャスタブル耐火物の各原料を用い
て、実施例1と同様にして、スラリーを得た。この各ス
ラリーについて、実施例1と同様にして、流動性の評価
および乾燥減量の測定を行った。また、各スラリーを用
いた成形体について、実施例1と同様にして、曲げ強
度、耐スポーリング性および耐食性を評価した。これら
の結果を表1に示す。
【0039】また、実施例1により得られたキャスタブ
ル耐火物を製鋼用溶銑ランス耐火材として施工し、その
耐久性を評価した。その結果、従来品は、亀裂の発生と
スラグライン部(S/L部)の溶損のため、30〜40
回程度の使用で廃棄を要するのに対して、実施例1によ
る耐火材は、平均60回と従来品の2倍もの耐用が可能
であることが認められた。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示したとおり、撥水性シリコーンを
用いて、廃材原料骨材に吸水防止処理を施した場合(実
施例1〜5)、スラリーの乾燥減量は、分散剤水溶液の
添加量を差し引くと、1重量%未満であり、保管中(3
0日間屋外放置)における廃材原料骨材の吸水が抑制さ
れたことが認められた。また、粒径が0.25〜10m
mの廃材原料骨材を50〜70重量部配合し、かつ、混
練水として分散剤水溶液を用いることにより、強度特
性、耐スポーリング性、耐食性においても優れたキャス
タブル耐火物を得ることができることが認められた。
【0042】一方、吸水防止処理を施していない廃材原
料骨材を用いた場合は(比較例1)は、スラリーの流動
性は良好であったが、その乾燥減量が12.2重量%で
あり、廃材原料骨材の吸水量が多いことが認められた。
そのため、キャスタブル耐火物の成形体の強度特性も劣
っていた。また、吸水防止処理を施した廃材原料骨材を
用いて、水で混練した場合は(比較例2)、スラリーの
分散性や流動性が悪く、混練水を9.5重量部も必要と
し、得られたキャスタブル耐火物の強度特性および耐食
性も低いものであった。さらに、粒径が10mmを超え
る粗粒からなる吸水防止処理を施していない廃材原料骨
材を用いて、水で混練した場合は(比較例3)、混練水
を8重量部も要し、得られたキャスタブル耐火物の強度
特性および耐食性も低いものであった。また、スラリー
の含水量は14.8重量%であり、廃材原料骨材が相当
量の水分を吸収していることが認められた。さらに、粒
径が0.25mm未満の細粒または粒径が10mmを超
える粗粒のみからなる廃材原料骨材を配合した場合は
(比較例4、5)、吸水防止処理を施した場合であって
も、得られるキャスタブル耐火物の成形体の耐スポーリ
ング性および耐食性が劣っていた。
【0043】
【発明の効果】以上のとおり、本発明に係るキャスタブ
ル耐火物の製造方法によれば、耐火物廃材を骨材原料中
に50重量%以上配合することが可能であるため、廃材
の有効活用、資源のリサイクル化を図ることができる。
また、本発明に係る製造方法によれば、耐熱性、耐食
性、耐熱衝撃性等に優れたキャスタブル耐火物を得るこ
とができる。さらに、本発明に係る製造方法により得ら
れるキャスタブル耐火物は、低コストかつ高耐久性であ
るため、ランスパイプやシュノーケルに施工した場合、
原単位の向上を図ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C04B 35/66 C04B 35/66 T U V F27D 1/00 F27D 1/00 N (72)発明者 齊藤 幸治 愛知県刈谷市小垣江町南藤1番地 東芝セ ラミックス株式会社刈谷製造所内 (72)発明者 久保 吉一 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属工 業株式会社和歌山製鉄所内 (72)発明者 今西 正紀 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属工 業株式会社和歌山製鉄所内 Fターム(参考) 4G033 AA02 AA03 AA10 AA14 AA17 AA22 AB02 AB03 AB10 AB21 BA01 4K051 AA05 AA06 AB01 AB03 AB05 AB07 AB09 BE00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属鋳造設備に使用されたアルミナ−カ
    ーボン質耐火物の廃材を粉砕したものを主な骨材原料と
    して配合したキャスタブル耐火物の製造方法において、 前記廃材に、撥水性シリコーンをミスト状に吹き付けな
    がら粉砕して、廃材原料骨材を得る工程と、 前記廃材原料骨材に、結合材を添加し、混合して、原料
    混合物を得る工程と、 前記原料混合物に、分散剤を含む水溶液を添加し、混練
    して、スラリーを得る工程と、 前記スラリーを所定形状に流し込み施工する工程とを含
    むことを特徴とするキャスタブル耐火物の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記廃材を粉砕して、廃材原料骨材を得
    る工程において、吹き付けられる撥水性シリコーンは、
    前記廃材に対して0.5〜3重量%であることを特徴と
    する請求項1記載のキャスタブル耐火物の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記廃材原料骨材は、全固形原料成分1
    00重量部に対して50〜70重量部配合されることを
    特徴とする請求項1または請求項2記載のキャスタブル
    耐火物の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記廃材原料骨材は、粒径が5〜10m
    mの粗粒と、粒径が0.25〜2mmの細粒とからな
    り、かつ、前記粗粒に対する前記細粒の混合重量比が
    0.2〜1.5であることを特徴とする請求項1から請
    求項3までのいずれかに記載のキャスタブル耐火物の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記分散剤は、縮合リン酸塩およびポリ
    カルボン酸塩から選ばれた少なくとも1種であり、前記
    分散剤を含む水溶液中における濃度は1〜5重量%であ
    り、かつ、該水溶液は、全固形原料成分100重量部に
    対して4〜8重量部添加されることを特徴とする請求項
    1から請求項4までのいずれかに記載のキャスタブル耐
    火物の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記結合材は、アルミナセメントに、粒
    径が0.045mm以下の超微粉アルミナまたは粒径が
    0.045mm以下の超微粉シリカが混合されたもので
    あることを特徴とする請求項1から請求項5までのいず
    れかに記載のキャスタブル耐火物の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記原料混合物を得る工程は、アルミ
    ナ、ムライト、高アルミナ質シャモット、マグネシアお
    よび炭化ケイ素から選ばれた少なくとも1種であり、か
    つ、粒径が0.125mm以下の微粉からなる追加骨材
    を、前記結合材に予め均一に混合したものを、キャスタ
    ブル耐火物の施工直前に添加し、前記廃材原料骨材と混
    合する工程であることを特徴とする請求項1から請求項
    6までのいずれかに記載のキャスタブル耐火物の製造方
    法。
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