JP2003134704A - 電動機の回転子 - Google Patents
電動機の回転子Info
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Landscapes
- Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
- Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)
- Permanent Field Magnets Of Synchronous Machinery (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】磁石埋込型の回転子を備えた電動機において、
磁気飽和を防止して、電動機の発生トルクを向上できる
回転子を提供する。 【解決手段】回転子鉄心2の外周に沿って複数配置され
た第一の永久磁石3を有する電動機の回転子において、
第一の永久磁石3のそれぞれについて、該第一の永久磁
石の内周側に設けられた複数の第二の永久磁石7、7’
と、該第二の永久磁石のそれぞれについて、該第二の永
久磁石の内周側に設けられた第二の永久磁石よりも磁束
密度の低い第三の永久磁石8、8’と、を備えた電動機
の回転子。d軸インダクタンスを低下させると共に、第
一の永久磁石と第二の永久磁石との間の磁気飽和を防止
してq軸インダクタンスを増大できるので、電動機の発
生トルクを効率良く向上させることができる。
磁気飽和を防止して、電動機の発生トルクを向上できる
回転子を提供する。 【解決手段】回転子鉄心2の外周に沿って複数配置され
た第一の永久磁石3を有する電動機の回転子において、
第一の永久磁石3のそれぞれについて、該第一の永久磁
石の内周側に設けられた複数の第二の永久磁石7、7’
と、該第二の永久磁石のそれぞれについて、該第二の永
久磁石の内周側に設けられた第二の永久磁石よりも磁束
密度の低い第三の永久磁石8、8’と、を備えた電動機
の回転子。d軸インダクタンスを低下させると共に、第
一の永久磁石と第二の永久磁石との間の磁気飽和を防止
してq軸インダクタンスを増大できるので、電動機の発
生トルクを効率良く向上させることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁石埋込型の回転子
を備えた電動機における回転子の構造に関する。
を備えた電動機における回転子の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】磁石埋込型の回転子の従来例としては、
例えば図4(a)に示すごときものがある。図4(a)
は回転子1のシャフト4の軸に垂直な方向の断面図であ
り、回転子鉄心2の外周に沿って複数の永久磁石3を備
えた構造を有している。上記のごとき、回転子1を備え
た電動機の発生トルクTは、下記の式で示される。 T=φa・iq+(Ld−Lq)・id・iq ただし、φa:磁石の鎖交磁束 Ld:d軸インダクタンス Lq:q軸インダクタンス id:d軸電流 iq:q軸電流 上記の式において、第1項(φa・iq)はマグネット
トルク、第2項〔(Ld−Lq)・id・iq〕はリラ
クタンストルクと呼ばれ、電動機のトルクTはこれらの
マグネットトルクおよびリラクタンストルクから発生さ
れる。なお、d軸電流idおよび(Ld−Lq)は通
常、負の値であるので、前記第2項は正の値である。従
って、鎖交磁束φaを増加させてマグネットトルクを増
大させるか、若しくはd軸インダクタンスLdを下げて
リラクタンストルクを増大させることにより、電動機の
回転トルクTを増加させることができる。このリラクタ
ンストルクを増大させるため構成として、図4(b)に
示すように、回転子鉄心2の外周に沿って配置された複
数の永久磁石3の内周側に、該回転子鉄心2の外周方向
に開いたU字状の永久磁石5をさらに備えて、d軸イン
ダクタンスLdを下げることにより、電動機の発生トル
クを向上させる技術が特開平9−23598号公報に開
示されている。
例えば図4(a)に示すごときものがある。図4(a)
は回転子1のシャフト4の軸に垂直な方向の断面図であ
り、回転子鉄心2の外周に沿って複数の永久磁石3を備
えた構造を有している。上記のごとき、回転子1を備え
た電動機の発生トルクTは、下記の式で示される。 T=φa・iq+(Ld−Lq)・id・iq ただし、φa:磁石の鎖交磁束 Ld:d軸インダクタンス Lq:q軸インダクタンス id:d軸電流 iq:q軸電流 上記の式において、第1項(φa・iq)はマグネット
トルク、第2項〔(Ld−Lq)・id・iq〕はリラ
クタンストルクと呼ばれ、電動機のトルクTはこれらの
マグネットトルクおよびリラクタンストルクから発生さ
れる。なお、d軸電流idおよび(Ld−Lq)は通
常、負の値であるので、前記第2項は正の値である。従
って、鎖交磁束φaを増加させてマグネットトルクを増
大させるか、若しくはd軸インダクタンスLdを下げて
リラクタンストルクを増大させることにより、電動機の
回転トルクTを増加させることができる。このリラクタ
ンストルクを増大させるため構成として、図4(b)に
示すように、回転子鉄心2の外周に沿って配置された複
数の永久磁石3の内周側に、該回転子鉄心2の外周方向
に開いたU字状の永久磁石5をさらに備えて、d軸イン
ダクタンスLdを下げることにより、電動機の発生トル
クを向上させる技術が特開平9−23598号公報に開
示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような回転子鉄心
2の外周に沿って配置された複数の永久磁石3の内周側
に更に永久磁石5を備えた回転子を有する電動機におい
て、発生トルクをさらに増大させるために、ネオジウム
等の磁束密度の高い磁石を使用して鎖交磁束φaを増加
することが考えられる。しかし、その構造では、回転子
鉄心2の外周に沿って配置された永久磁石3と、その内
周側に備えられたU字状の永久磁石5との間の磁束密度
が高くなることによって、図4(b)に斜線部分で示す
様に、両磁石間のq軸通路において磁気飽和領域6、
6’が発生するためq軸インダクタンスLqが低下し、
リラクタンストルクが低下してしまう、という問題が生
じる。さらに、この磁気飽和を防止するためにU字状磁
石5の内周側に空隙を設けて、このU字状磁石5による
磁束密度を低下させることが考えられるが、この方法で
は、鎖交磁束φaが低下しすぎてしまい、マグネットト
ルクが低下してしまうという問題がある。
2の外周に沿って配置された複数の永久磁石3の内周側
に更に永久磁石5を備えた回転子を有する電動機におい
て、発生トルクをさらに増大させるために、ネオジウム
等の磁束密度の高い磁石を使用して鎖交磁束φaを増加
することが考えられる。しかし、その構造では、回転子
鉄心2の外周に沿って配置された永久磁石3と、その内
周側に備えられたU字状の永久磁石5との間の磁束密度
が高くなることによって、図4(b)に斜線部分で示す
様に、両磁石間のq軸通路において磁気飽和領域6、
6’が発生するためq軸インダクタンスLqが低下し、
リラクタンストルクが低下してしまう、という問題が生
じる。さらに、この磁気飽和を防止するためにU字状磁
石5の内周側に空隙を設けて、このU字状磁石5による
磁束密度を低下させることが考えられるが、この方法で
は、鎖交磁束φaが低下しすぎてしまい、マグネットト
ルクが低下してしまうという問題がある。
【0004】本発明は上記のごとき従来技術の問題を解
決するためになされたものであり、磁気飽和を防止し
て、電動機の発生トルクを向上させることのできる電動
機の回転子を提供することを目的とする。
決するためになされたものであり、磁気飽和を防止し
て、電動機の発生トルクを向上させることのできる電動
機の回転子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明においては特許請求の範囲に記載するように
構成している。すなわち、請求項1に記載の発明におい
ては、回転子鉄心の外周に沿って複数配置された第一の
永久磁石を有する電動機の回転子において、前記第一の
永久磁石のそれぞれについて、該第一の永久磁石の内周
側に設けられた複数の第二の永久磁石と、前記第二の永
久磁石のそれぞれについて、該第二の永久磁石の内周側
に設けられた第二の永久磁石よりも磁束密度の低い第三
の永久磁石と、を備えた構成としている。
め、本発明においては特許請求の範囲に記載するように
構成している。すなわち、請求項1に記載の発明におい
ては、回転子鉄心の外周に沿って複数配置された第一の
永久磁石を有する電動機の回転子において、前記第一の
永久磁石のそれぞれについて、該第一の永久磁石の内周
側に設けられた複数の第二の永久磁石と、前記第二の永
久磁石のそれぞれについて、該第二の永久磁石の内周側
に設けられた第二の永久磁石よりも磁束密度の低い第三
の永久磁石と、を備えた構成としている。
【0006】また、請求項2においては、前記第二の永
久磁石は、前記回転子鉄心の外周方向に開いた略V字型
に配置された断面略長方形状の二枚の永久磁石から成
り、前記第三の永久磁石は、前記第二の永久磁石を構成
する二枚の永久磁石のそれぞれの内周側に備えられた二
枚の永久磁石から成る構成としている。
久磁石は、前記回転子鉄心の外周方向に開いた略V字型
に配置された断面略長方形状の二枚の永久磁石から成
り、前記第三の永久磁石は、前記第二の永久磁石を構成
する二枚の永久磁石のそれぞれの内周側に備えられた二
枚の永久磁石から成る構成としている。
【0007】また、請求項3においては、前記第二の永
久磁石を構成する二枚の永久磁石は、相互に端部が接し
て設けられる構成としている。また、請求項4において
は、前記第二の永久磁石を構成する二枚の永久磁石が相
互に接する部分の回転子鉄心に空隙を設けた構成として
いる。また、請求項5においては、前記第二の永久磁石
を構成する二枚の永久磁石として、それぞれ前記第一の
永久磁石と同一の永久磁石を用いた構成としている。
久磁石を構成する二枚の永久磁石は、相互に端部が接し
て設けられる構成としている。また、請求項4において
は、前記第二の永久磁石を構成する二枚の永久磁石が相
互に接する部分の回転子鉄心に空隙を設けた構成として
いる。また、請求項5においては、前記第二の永久磁石
を構成する二枚の永久磁石として、それぞれ前記第一の
永久磁石と同一の永久磁石を用いた構成としている。
【0008】
【発明の効果】請求項1においては、第二の永久磁石の
内周側に、第二の永久磁石よりも磁束密度の低い第三の
永久磁石を備えているため、d軸インダクタンスを低下
させると共に、第一および第二の永久磁石をネオジウム
等の磁束密度の高い磁石とした場合にも、第一の永久磁
石と第二の永久磁石との間の磁気飽和を防止して、q軸
インダクタンスを増大させることができるので、電動機
の発生トルクを向上させることができる。
内周側に、第二の永久磁石よりも磁束密度の低い第三の
永久磁石を備えているため、d軸インダクタンスを低下
させると共に、第一および第二の永久磁石をネオジウム
等の磁束密度の高い磁石とした場合にも、第一の永久磁
石と第二の永久磁石との間の磁気飽和を防止して、q軸
インダクタンスを増大させることができるので、電動機
の発生トルクを向上させることができる。
【0009】請求項2においては、第二の永久磁石は、
回転子鉄心外周方向に開いた略V字型に配置された断面
略長方形状の二枚の永久磁石から成り、第三の永久磁石
は第二の永久磁石を構成する二枚の永久磁石それぞれの
内周側に備えられた二枚の永久磁石から構成されている
ため、従来のようにU字状の磁石等の特殊な形状の永久
磁石を用いること無く、第二および第三の永久磁石の断
面の幅を大きくすることができるので、安価な構成でd
軸インダクタンスを低下させることができる。
回転子鉄心外周方向に開いた略V字型に配置された断面
略長方形状の二枚の永久磁石から成り、第三の永久磁石
は第二の永久磁石を構成する二枚の永久磁石それぞれの
内周側に備えられた二枚の永久磁石から構成されている
ため、従来のようにU字状の磁石等の特殊な形状の永久
磁石を用いること無く、第二および第三の永久磁石の断
面の幅を大きくすることができるので、安価な構成でd
軸インダクタンスを低下させることができる。
【0010】請求項3においては、第二の永久磁石を構
成する二枚の永久磁石は相互に端部が接して備えられて
いるため、第一の磁石による磁束が第二の永久磁石を構
成する二枚の永久磁石の間から漏れるがこと無く、確実
にd軸インダクタンスを低下させることができる。
成する二枚の永久磁石は相互に端部が接して備えられて
いるため、第一の磁石による磁束が第二の永久磁石を構
成する二枚の永久磁石の間から漏れるがこと無く、確実
にd軸インダクタンスを低下させることができる。
【0011】請求項4においては、第二の永久磁石を構
成する二枚の永久磁石が相互に接する部分の回転子鉄心
に空隙を設けたことにより、第二の永久磁石を構成する
二枚の永久磁石の磁束が短絡することによる鎖交磁束の
低下を防止することができる。
成する二枚の永久磁石が相互に接する部分の回転子鉄心
に空隙を設けたことにより、第二の永久磁石を構成する
二枚の永久磁石の磁束が短絡することによる鎖交磁束の
低下を防止することができる。
【0012】請求項5においては、第二の永久磁石を構
成する二枚の永久磁石として、それぞれ前記第一の永久
磁石と同一の永久磁石を用いることによって、磁石のコ
ストを低下させることができるので、さらに安価に構成
することができる。
成する二枚の永久磁石として、それぞれ前記第一の永久
磁石と同一の永久磁石を用いることによって、磁石のコ
ストを低下させることができるので、さらに安価に構成
することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による回転子の一
部を示す図であり、シャフト4の軸に垂直な方向の断面
の1/4(円周の90°範囲)を示す。図1において、
回転子1は、回転自在に支持された回転子の回転軸であ
るシャフト4と、シャフト4に固定された回転子鉄心2
と、回転子鉄心2の外周に沿って設けられた複数の永久
磁石3(図1では1個のみを示す)と、該永久磁石3よ
りも回転子鉄心の内周側にV字状に配置された断面長方
形状の二枚の永久磁石7、7’と、永久磁石7、7’の
それぞれ内周側に備えられた永久磁石8、8’とから構
成されている。なお、回転子鉄心2は例えば鉄等の磁性
材料から成る薄板(例えば板厚0.5mm程度)を積層
して形成されている。また、永久磁石3とV字状に配置
された7、7’の二枚の永久磁石は、それぞれネオジウ
ム磁石等の磁束密度の高い磁石であり、永久磁石8、
8’は永久磁石3や永久磁石7、7’よりも磁束密度の
低いフェライト磁石等で構成されている。なお、永久磁
石7、7’は端部が相互に接するように配置されてい
る。
部を示す図であり、シャフト4の軸に垂直な方向の断面
の1/4(円周の90°範囲)を示す。図1において、
回転子1は、回転自在に支持された回転子の回転軸であ
るシャフト4と、シャフト4に固定された回転子鉄心2
と、回転子鉄心2の外周に沿って設けられた複数の永久
磁石3(図1では1個のみを示す)と、該永久磁石3よ
りも回転子鉄心の内周側にV字状に配置された断面長方
形状の二枚の永久磁石7、7’と、永久磁石7、7’の
それぞれ内周側に備えられた永久磁石8、8’とから構
成されている。なお、回転子鉄心2は例えば鉄等の磁性
材料から成る薄板(例えば板厚0.5mm程度)を積層
して形成されている。また、永久磁石3とV字状に配置
された7、7’の二枚の永久磁石は、それぞれネオジウ
ム磁石等の磁束密度の高い磁石であり、永久磁石8、
8’は永久磁石3や永久磁石7、7’よりも磁束密度の
低いフェライト磁石等で構成されている。なお、永久磁
石7、7’は端部が相互に接するように配置されてい
る。
【0014】また、V字状に配置された永久磁石7と
7’とが接する部分の回転子鉄心2には、空隙9が設け
られている。以下、上記空隙9の作用について、図2に
基づいて説明する。図2は永久磁石7、7’の間の磁束
を示した図であり、磁束を鎖線で示す。図2(a)は空
隙9が無い場合の磁束を表した図で、鎖線で示した様に
永久磁石7、7’の端末の磁束が短絡してしまう。とこ
ろが、図2(b)に示す様に、二枚の永久磁石の間の回
転子鉄心2に空隙9を設けることで、永久磁石7、7’
の端末の磁束が短絡することがなくなり、これによって
磁束の短絡による鎖交磁束φaの減少を防止することが
できる。
7’とが接する部分の回転子鉄心2には、空隙9が設け
られている。以下、上記空隙9の作用について、図2に
基づいて説明する。図2は永久磁石7、7’の間の磁束
を示した図であり、磁束を鎖線で示す。図2(a)は空
隙9が無い場合の磁束を表した図で、鎖線で示した様に
永久磁石7、7’の端末の磁束が短絡してしまう。とこ
ろが、図2(b)に示す様に、二枚の永久磁石の間の回
転子鉄心2に空隙9を設けることで、永久磁石7、7’
の端末の磁束が短絡することがなくなり、これによって
磁束の短絡による鎖交磁束φaの減少を防止することが
できる。
【0015】上記のように、図1に示した回転子におい
ては、永久磁石7、7’の内周側に、永久磁石7、7’
よりも磁束密度の低い永久磁石8、8’を備えているた
め、d軸インダクタンスを低下させると共に、永久磁石
3や7、7’をネオジウム等の磁束密度の高い磁石とし
た場合にも、永久磁石3と永久磁石7、7’の間の磁気
飽和を防止して、q軸インダクタンスを増大することが
できるので、電動機の発生トルクを向上させることがで
きる。
ては、永久磁石7、7’の内周側に、永久磁石7、7’
よりも磁束密度の低い永久磁石8、8’を備えているた
め、d軸インダクタンスを低下させると共に、永久磁石
3や7、7’をネオジウム等の磁束密度の高い磁石とし
た場合にも、永久磁石3と永久磁石7、7’の間の磁気
飽和を防止して、q軸インダクタンスを増大することが
できるので、電動機の発生トルクを向上させることがで
きる。
【0016】また、永久磁石7、7’は、回転子鉄心2
の外周方向に開いた略V字型に配置された断面略長方形
状の二枚の永久磁石で構成しており、永久磁石8、8’
は永久磁石7、7’のそれぞれの内周側に備えられた二
枚の磁石から構成しているため、従来のようにU字状の
磁石等の特殊な形状の磁石を用いること無く、永久磁石
7、7’および永久磁石8、8’の断面の幅を大きくす
ることができるので、安価な構成でd軸インダクタンス
を低下させることができる。また、永久磁石7、7’は
端部は相互に接して設けられているため、永久磁石3に
よる磁束が二枚の永久磁石7、7’の間から漏れるがこ
と無く、確実にd軸インダクタンスを低下させることが
できる。
の外周方向に開いた略V字型に配置された断面略長方形
状の二枚の永久磁石で構成しており、永久磁石8、8’
は永久磁石7、7’のそれぞれの内周側に備えられた二
枚の磁石から構成しているため、従来のようにU字状の
磁石等の特殊な形状の磁石を用いること無く、永久磁石
7、7’および永久磁石8、8’の断面の幅を大きくす
ることができるので、安価な構成でd軸インダクタンス
を低下させることができる。また、永久磁石7、7’は
端部は相互に接して設けられているため、永久磁石3に
よる磁束が二枚の永久磁石7、7’の間から漏れるがこ
と無く、確実にd軸インダクタンスを低下させることが
できる。
【0017】次に、本発明の実際の効果を図3を用いて
説明する。図3は、回転子および固定子における磁束を
実験によって求めた結果を示す図である。図3におい
て、1は回転子、10は固定子、11は巻線、12、1
2’は永久磁石8、8’の代わりに回転子鉄心2に設け
た空隙である。その他、図1と同符号は同じものを示
す。なお、図3においては、回転子1と固定子10の一
部(円周の45°範囲)を示している。
説明する。図3は、回転子および固定子における磁束を
実験によって求めた結果を示す図である。図3におい
て、1は回転子、10は固定子、11は巻線、12、1
2’は永久磁石8、8’の代わりに回転子鉄心2に設け
た空隙である。その他、図1と同符号は同じものを示
す。なお、図3においては、回転子1と固定子10の一
部(円周の45°範囲)を示している。
【0018】まず、図3(a)は、回転子1に設けられ
た全ての永久磁石3、7、7’、8、8’を全てネオジ
ウム磁石とした時の磁束を実験によって求めたものであ
る。図示のように、この構成では、巻線11に対する鎖
交磁束φaは増加しているが、丸で囲んだ部分、つまり
永久磁石3と永久磁石7、7’との間の部分において磁
束密度が高くなって磁気飽和領域6、6’が生じ、その
ためq軸インダクタンスが低下している。従って、マグ
ネットトルクは増大するが、リラクタンストルクを活用
することができず、効率が悪い。
た全ての永久磁石3、7、7’、8、8’を全てネオジ
ウム磁石とした時の磁束を実験によって求めたものであ
る。図示のように、この構成では、巻線11に対する鎖
交磁束φaは増加しているが、丸で囲んだ部分、つまり
永久磁石3と永久磁石7、7’との間の部分において磁
束密度が高くなって磁気飽和領域6、6’が生じ、その
ためq軸インダクタンスが低下している。従って、マグ
ネットトルクは増大するが、リラクタンストルクを活用
することができず、効率が悪い。
【0019】図3(b)は、永久磁石3と永久磁石7、
7’とをネオジウム磁石とし、この永久磁石3と永久磁
石7、7’間の磁気飽和を防止するために、永久磁石
8、8’の部分を空隙12、12’とした時の磁束を実
験によって求めたものである。永久磁石3と永久磁石
7、7’間の磁束密度が低下してq軸インダクタンスは
向上しているが、鎖交磁束φaは極端に減少してマグネ
ットトルクが低下する。
7’とをネオジウム磁石とし、この永久磁石3と永久磁
石7、7’間の磁気飽和を防止するために、永久磁石
8、8’の部分を空隙12、12’とした時の磁束を実
験によって求めたものである。永久磁石3と永久磁石
7、7’間の磁束密度が低下してq軸インダクタンスは
向上しているが、鎖交磁束φaは極端に減少してマグネ
ットトルクが低下する。
【0020】図3(c)は本発明の回転子による磁束を
実験によって求めたものである。永久磁石3と永久磁石
7、7’間の磁束密度が低下してq軸インダクタンスは
向上し、さらに必要な鎖交磁束φaは確保されており、
マグネットトルクおよびリラクタンストルクの両方を活
用することができ、効率良く電動機のトルクを向上させ
ることができる。
実験によって求めたものである。永久磁石3と永久磁石
7、7’間の磁束密度が低下してq軸インダクタンスは
向上し、さらに必要な鎖交磁束φaは確保されており、
マグネットトルクおよびリラクタンストルクの両方を活
用することができ、効率良く電動機のトルクを向上させ
ることができる。
【0021】さらに、本発明の回転子においては、d軸
インダクタンスの調整は永久磁石7、7’の幅L(図1
参照:断面に沿った永久磁石7、7’の長手方向の寸
法)を調整することによって行われるが、この際の永久
磁石7、7’の幅Lが永久磁石3の幅と等しいか、若し
くは近似している場合には、永久磁石3と永久磁石7、
7’として同一の永久磁石(形状寸法や特性が同じ)を
用いることが出来るので、磁石のコストを低下させるこ
とが出来、さらに安価な構成で効率良く電動機のトルク
を向上させることができる。
インダクタンスの調整は永久磁石7、7’の幅L(図1
参照:断面に沿った永久磁石7、7’の長手方向の寸
法)を調整することによって行われるが、この際の永久
磁石7、7’の幅Lが永久磁石3の幅と等しいか、若し
くは近似している場合には、永久磁石3と永久磁石7、
7’として同一の永久磁石(形状寸法や特性が同じ)を
用いることが出来るので、磁石のコストを低下させるこ
とが出来、さらに安価な構成で効率良く電動機のトルク
を向上させることができる。
【0022】以上の様に、本願構成の電動機の回転子に
おいては、安価な構成で、マグネットトルクとリラクタ
ンストルクの両方を活用して、電動機のトルクを効率良
く向上させることができる。
おいては、安価な構成で、マグネットトルクとリラクタ
ンストルクの両方を活用して、電動機のトルクを効率良
く向上させることができる。
【図1】本発明による回転子の一部を示す断面図。
【図2】永久磁石7、7’の間の磁束を示した図。
【図3】回転子および固定子における磁束を実験によっ
て求めた結果を示す図。
て求めた結果を示す図。
【図4】従来の回転子の一例を示す断面図。
1…回転子 2…回転子鉄心
3…永久磁石 4…シャフト
5…U字状の永久磁石 6、6’…磁気
飽和領域 7、7’…永久磁石 8、8’…永久
磁石 9…空隙 10…固定子 11…巻線 12、12’…
空隙
飽和領域 7、7’…永久磁石 8、8’…永久
磁石 9…空隙 10…固定子 11…巻線 12、12’…
空隙
Claims (5)
- 【請求項1】回転子鉄心の外周に沿って複数配置された
第一の永久磁石を有する電動機の回転子において、 前記第一の永久磁石のそれぞれについて、該第一の永久
磁石の内周側に設けられた複数の第二の永久磁石と、 前記第二の永久磁石のそれぞれについて、該第二の永久
磁石の内周側に設けられた第二の永久磁石よりも磁束密
度の低い第三の永久磁石と、 を備えたことを特徴とする電動機の回転子。 - 【請求項2】前記第二の永久磁石は、前記回転子鉄心の
外周方向に開いた略V字型に配置された断面略長方形状
の二枚の永久磁石から成り、 前記第三の永久磁石は、前記第二の永久磁石を構成する
二枚の永久磁石のそれぞれの内周側に備えられた二枚の
永久磁石から成ることを特徴とする請求項1に記載の電
動機の回転子。 - 【請求項3】前記第二の永久磁石を構成する二枚の永久
磁石は、相互に端部が接して設けられていることを特徴
とする請求項1または請求項2に記載の電動機の回転
子。 - 【請求項4】前記第二の永久磁石を構成する二枚の永久
磁石が相互に接する部分の回転子鉄心に空隙を設けたこ
とを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の
電動機の回転子。 - 【請求項5】前記第二の永久磁石を構成する二枚の永久
磁石として、それぞれ前記第一の永久磁石と同一の永久
磁石を用いたことを特徴とする請求項1乃至請求項4の
何れかに記載の電動機の回転子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001324480A JP2003134704A (ja) | 2001-10-23 | 2001-10-23 | 電動機の回転子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001324480A JP2003134704A (ja) | 2001-10-23 | 2001-10-23 | 電動機の回転子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003134704A true JP2003134704A (ja) | 2003-05-09 |
Family
ID=19141201
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001324480A Pending JP2003134704A (ja) | 2001-10-23 | 2001-10-23 | 電動機の回転子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003134704A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20210105542A (ko) * | 2020-02-19 | 2021-08-27 | 한온시스템 주식회사 | 전동압축기용 모터 및 이를 포함하는 전동압축기 |
-
2001
- 2001-10-23 JP JP2001324480A patent/JP2003134704A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20210105542A (ko) * | 2020-02-19 | 2021-08-27 | 한온시스템 주식회사 | 전동압축기용 모터 및 이를 포함하는 전동압축기 |
KR102682919B1 (ko) * | 2020-02-19 | 2024-07-09 | 한온시스템 주식회사 | 전동압축기용 모터 및 이를 포함하는 전동압축기 |
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