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JP2003117275A - ミシンの制御装置 - Google Patents

ミシンの制御装置

Info

Publication number
JP2003117275A
JP2003117275A JP2001312484A JP2001312484A JP2003117275A JP 2003117275 A JP2003117275 A JP 2003117275A JP 2001312484 A JP2001312484 A JP 2001312484A JP 2001312484 A JP2001312484 A JP 2001312484A JP 2003117275 A JP2003117275 A JP 2003117275A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sewing
speed
area
stitch
sewing machine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001312484A
Other languages
English (en)
Inventor
Masaki Shimizu
正樹 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Brother Industries Ltd filed Critical Brother Industries Ltd
Priority to JP2001312484A priority Critical patent/JP2003117275A/ja
Publication of JP2003117275A publication Critical patent/JP2003117275A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ステッチの重なり度に基づいて縫製速度を補正
可能にしたミシンの制御装置、帽子の正面部分など所定
の領域に速度変更領域を設定して縫製速度を補正可能に
したミシンの制御装置を提供する。 【解決手段】 前記縫製データ記憶手段から縫製データ
を受けて、縫製領域を多数行多数列の小区画群に分割
し、縫製の進行に合わせて各小区画の各々におけるステ
ッチ重なり度を演算して、ステッチ重なり度メモリに更
新しつつ格納し、各針の縫製時に、各小区画のステッチ
重なり度に基づいて、各小区画に縫製を施す時の主軸の
回転速度を補正するように構成した。或いは、生地やス
テッチの重なり度が多くなることが明らかな領域につい
ては、その領域を速度変更領域として予め設定してお
き、その速度変更領域を縫製する際に縫製速度を低く又
は高く補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明はミシンの制御装置
に関し、例えばステッチの重なり度に応じて縫製速度を
補正するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】 従来、刺繍ミシンでは、一般に各針毎
に、複数針分のX方向送り量に基づいて縫製速度(主軸
の回転速度)を演算すると共に複数針分のY方向送り量
に基づいて縫製速度を求め、これら両縫製速度の低い方
の縫製速度で縫製するようにミシンモータの回転速度を
制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、従来
の刺繍ミシンにより刺繍縫製する場合に、通常刺繍領域
にタタミステッチを形成し、そのタタミステッチの上に
文字や模様を刺繍縫製するケースが多い。このような場
合に、ステッチが2重3重に重なって縫製されることが
あるが、ステッチが重なるほど生地が厚く硬くなり、縫
い調子が悪化し、針の生地に対する貫通性も低下し、針
も折れ易くなる等の問題がある。
【0004】一方、帽子は通常複数のほぼ扇形の布片を
縫製して形成され、布片と布片の縫製部(縫製ライン)
は生地が重なり、厚くなっており、その複数の縫製ライ
ンの1本が帽子の正面に位置する場合が少なくない。こ
のような帽子を帽子枠にセットして、帽子の正面部分に
刺繍縫製するような場合には、重なり合って厚い部分に
刺繍縫製する関係上、前記のような問題が顕著になる。
本発明の目的は、上糸の重なり度の増大に応じて縫製速
度を低く補正するようにしたミシンの制御装置、帽子の
正面部分などのような所定の領域を設定して縫製速度を
低く設定可能にしたミシンの制御装置を提供することで
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】 請求項1のミシンの制
御装置は、主軸の回転速度を変化させて縫製するミシン
において、縫製の針落ち位置を規定する縫製データを記
憶する縫製データ記憶手段と、前記縫製データ記憶手段
から縫製データを受けて、縫製領域を多数行多数列の小
区画の各々におけるステッチ重なり度演算する重なり度
演算手段と、前記重なり度演算手段により求められた各
小区画のステッチ重なり度に基づいて、各小区画に縫製
を施す時の主軸の回転速度を補正する縫製速度補正手段
とを備えたことを特徴とするものである。
【0006】縫製データ記憶手段は縫製データを記憶
し、重なり度演算手段は、縫製データ記憶手段から縫製
データを受けて、縫製領域を多数行多数列の小区画の各
々におけるステッチ重なり度を演算し、縫製速度補正手
段は、重なり度演算手段により求められた各小区画のス
テッチ重なり度に基づいて、各小区画に縫製を施す時の
主軸の回転速度を補正する。
【0007】例えば、通常の縫製時において、ステッチ
重なり度の増大に応じて縫製速度が低くなるように補正
することで、糸調子をを安定させ、生地に対する針の貫
通性を高め、針の折損を防止する等、縫製を安定化する
ことができる。また、例えば、上糸と下糸とをミシンモ
ータの駆動力により切断する糸切り機構を装備したミシ
ンの場合、糸切り後に直ちにミシンモータを所定位置に
停止させる必要があるため、ミシンモータの回転速度が
低く制限されているが、ステッチ重なり度の増大に応じ
てミシンモータの回転速度を高く補正する。このように
することにより、糸切りの途中で針が生地に突き刺さっ
た状態で停止してしまうことを防止できる。
【0008】ここで、請求項2のように、前記縫製速度
補正手段は、通常の縫製時において前記ステッチ重なり
度の増大に応じて主軸の回転速度を低くするように補正
する構成にしてもよい。また、請求項3のように、前記
縫製速度補正手段は、糸切り時において前記ステッチ重
なり度の増大に応じて主軸の回転速度を高くするように
補正する構成にしてもよい。
【0009】請求項4のミシンの制御装置は、主軸の回
転速度を変化させて縫製するミシンにおいて、縫製の針
落ち位置を規定する縫製データを記憶する縫製データ記
憶手段と、縫製領域内に所定の速度変更領域を設定する
領域設定手段と、前記領域設定手段により設定された速
度変更領域内で縫製する時の主軸の回転速度を補正する
縫製速度補正手段とを備えたものである。
【0010】縫製データ記憶手段は縫製データを記憶
し、領域設定手段は、縫製領域内に所定の速度変更領域
を設定し、縫製速度減速手段は、領域設定手段により設
定された速度変更領域内で縫製する時の主軸の回転速度
を補正する。例えば、生地が2重、3重に重なっていて
縫製抵抗が大きくなるような領域や、ステッチが多重に
重なるような領域などに、所定の速度変更領域を設定
し、この速度変更領域内で縫製する時の主軸の回転速度
を速度変更領域外を縫製する回転速度よりも低くなるよ
うに補正することも可能であり、この場合は、糸調子を
安定させ、生地に対する針の貫通性を高め、針の折損を
防止する等、縫製を安定化することができる。
【0011】ここで、請求項5のように、前記縫製速度
補正手段は、通常の縫製時において速度変更領域内を縫
製するときの主軸の回転速度を速度変更領域外を縫製す
るときの回転速度より低くするように補正する構成にし
てもよい。また、請求項6のように、前記縫製速度補正
手段は、糸切り時において速度変更領域内で糸切りする
ときの主軸の回転速度を速度変更領域外で糸切りすると
きの回転速度より高くするように補正する構成にしても
よい。
【0012】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。最初に刺繍縫製装置とし
ての多針型刺繍ミシンについて説明する。図1、図2に
示すように、この多針型刺繍ミシン1は、ミシンテーブ
ル2、脚柱部3、アーム部4等を有し、このアーム部4
の前端部分には、例えば5本の針棒5を左右1列状に収
容した針棒ケース6が左右方向へ移動自在に支持されて
いる。アーム部4の上部には糸駒スタンド7が固定さ
れ、複数の糸駒8は針棒ケース6の後側において糸駒ス
タンド7に付設の複数の糸立棒7aに夫々装着されてい
る。ミシンテーブル2の後部の操作パネル9には、複数
のキー9aと液晶ディスプレイ9b(LCD)が設けら
れている。
【0013】各針棒5の下端には縫針5aが取付けら
れ、糸駒スタンド7の糸駒8から供給される刺繍糸が、
対応する糸調子器6aと天秤6bを経て縫針5aに導か
れている。ミシンテーブル2の下側近傍にミシン本体の
シリンダベッドが設けられ、このシリンダベッドの内部
には、縫針5aの上下動と協動して加工布CLに縫目を
形成する為の図示外の糸輪捕捉器等が設けられている。
【0014】1対のY方向移動アーム10とこれらに固
着されてX方向に延びる支持部材12が、Y軸モータ1
1(図2参照)によりXY平面内のY方向(前後方向)
に移動可能に設けられている。支持部材12には、X方
向移動アーム13がX軸モータ14(図2参照)により
X方向(左右方向)に移動可能に設けられ、このX方向
移動アーム13の前端部には、加工布CLを装着する為
の刺繍枠15が着脱可能に取り付けられている。
【0015】刺繍枠15に装着された加工布CLを相直
交するX方向とY方向とに独立に移動駆動しながら、ミ
シンモータ16により主軸を回転させて針棒上下動機構
で針棒5を上下動させ、針棒5と連動して天秤6bを上
下動させて、加工布CLに種々の刺繍模様を縫製するよ
うになっている。尚、糸色を変える色替え毎に針棒切換
え機構17により針棒5を切り換え、5色の刺繍糸で刺
繍縫製する。
【0016】次に、前記刺繍ミシン1の制御装置18を
含む制御系について説明する。図2に示すように、制御
装置18は、CPU19とROM20とRAM21とこ
れらを接続するバス22を含むマイクロコンピュータ
と、入出力インターフェース23(I/O)と、インダ
クションモータからなるミシンモータ16の為のドライ
バ24と、X,Y軸駆動モータ14,11の駆動回路2
5,26と、針棒変更モータ27の為のドライバ28な
どを有する。
【0017】入出力インターフェース22には、操作パ
ネル9、スタートストップスイッチ29(S/Sスイッ
チ)、駆動回路24〜26,28、主軸の回転角度と回
転方向と基準位置検出用のエンコーダ32、外部のコン
ピュータ30との間で縫製データを送受信する通信用イ
ンターフェース31、糸切り機構の糸切り用ソレノイド
33の為の駆動回路34などが接続されている。ROM
20には、種々の刺繍模様の縫製データと、この縫製デ
ータに基づいて刺繍枠駆動手段と縫製手段により刺繍縫
製を施す刺繍縫製制御の制御プログラム、後述の縫製速
度(ミシンモータの回転速度)を制御する縫製速度制御
プログラム、その他各種制御プログラムなどが格納され
ている。RAM21には、コンピュータ30から受信し
た縫製データを格納する為の縫製データメモリ、後述の
ステッチ重なり度メモリMij、種々の演算処理に必要な
ワークエリア(メモリ、フラグ、バッファ、レジスタ、
カウンタ等)が設けられている。
【0018】以下、縫製速度制御について、図3以降の
図面を参照して説明する。この縫製速度制御の概要につ
いて説明しておく。基本的に縫製速度(主軸の回転速
度、つまりミシンモータの回転速度)は1針毎に設定さ
れるが、5針先までの縫製データにおけるX方向送り量
とY方向送り量の最大値に基づいて縫製速度が設定され
る。そして、本願では、ステッチ重なり度が多くなるほ
ど縫製速度が低くなるように縫製速度を補正する。但
し、ステッチ重なり度を厳密に演算することは現実的で
ないので、縫製領域を約1mmのメッシュの多数行多数
列の小区画群に分割し、各小区画単位で上糸の重なり度
を演算更新しながら、縫製速度を補正する。
【0019】RAM21に格納した縫製データに基づい
て刺繍縫製を開始すると、先ず最初に、図4のルーチン
が実行される。この制御では、最初に、全部の縫製デー
タをRAM21のワークエリアに読み込んで(S1)、
その縫製データに基づいて刺繍模様を包含する矩形状の
縫製領域を演算すると共に、その縫製エリアを例えば1
mmメッシュにm行n列のマトリックス状の小区画群に
分割する(S2)。図3は、2本の折れ線からなる刺繍
模様の縫製データに基づいて、縫製領域40を設定し、
m行n列の小区画群に分割した例を示すものである。符
号41は各小区画を示す。
【0020】S3においては、m行n列の小区画群に対
応するステッチ重なり度メモリMij(i=1〜m、j=
1〜n)をRAM21に準備して、この制御が終了す
る。次に、縫製速度を設定するルーチンについて図5の
フローチャートに基づいて説明する。このルーチンは刺
繍縫製を開始すると開始され、今回縫製する1針分の縫
製データが読み込まれ(S10)、次に糸切りの有無を
判定し(S11)、糸切りが設定されている場合には糸
切り機構を作動させて糸切り処理が実行され(S1
2)、その後S10へ戻る。糸切りがない場合にはS1
3において、縫製速度演算と主軸速度指令の出力のサブ
ルーチン(図6参照)が実行される。
【0021】このサブルーチンについては後述するもの
とし、S13の次にS14においてエンコーダ13から
の信号に基づいて送りタイミングか否か判定し、送りタ
イミングになると、S15において、縫製データに基づ
いてX軸モータ14とY軸モータ11を駆動して布送り
(刺繍枠の移動)が実行され、次にS16においてステ
ッチ重なり度演算処理のサブルーチン(これについては
後述する)が実行され、次にS17において縫製終了か
否か判定し、Noの場合はS10へ戻り、縫製終了の場
合はこのルーチンを終了する。
【0022】次に、S13の縫製速度演算と主軸速度指
令の出力のサブルーチンについて、図6のフローチャー
トに基づいて説明する。このサブルーチンが開始される
と、最初にRAM21に格納した縫製データから今回針
から5針先までの縫製データが読み込まれ(S20)、
次にそれらの縫製データのうちから、X,Y方向最大送
り量Px、Pyが演算され(S21)、次にS22にお
いて最大送り量Px、Pyに基づいて縫製速度Sx,S
y(ミシンモータの回転速度)が図示の演算式にて演算
される。尚、Ax,Ay、Bx,Byは所定の定数であ
る。
【0023】次に、縫製速度Sとして縫製速度Sx,S
yの小さい方が選択され(S23)、次にS24におい
て今回針(今回の針落ち)が入る小区画が演算され、ス
テッチ重なり度メモリMijに更新しつつ格納されている
ステッチ重なり度のデータに基づいて補正係数Kxyが演
算される。この補正係数Kxyは、例えば、今回針の小区
画のステッチ重なり度(重なり数)がNである場合に、
Kxy=Nと演算される。但し、Nに所定の定数を掛けて
Kxyを演算するようにしてもよい。
【0024】次に、S25において、ステッチ重なり度
を加味して補正した縫製速度SaがSa=S(1−Kxy
/C)と演算される。前記Cは所定の定数であり、例え
ば、C=40、Kxy=10とすると(1−Kxy/C)=
(1 −10/40)=0.75となる。このように、前記補
正係数Kxyはステッチ重なり度が多くなるほど大きくな
るよう設定されているため、縫製速度Saはステッチ重
なり度が多くなるほど小さくなるように補正される。次
に、S26において縫製速度Saがミシンの主軸速度指
令値としてミシンモータ16の駆動回路24に出力さ
れ、その後リターンする。
【0025】前記図5のS16のステッチ重なり度演算
処理のサブルーチンについて、図7のフローチャートに
基づいて説明する。このステッチ重なり度演算処理は、
今回縫製する今回針の縫製データに基づいて、今回針に
よる上糸の重なりも含めて縫製済みの上糸が小区画群の
各々を通る又は入る回数を演算する処理である。今回針
までに未縫製のステッチは、次回針の縫製に影響を及ぼ
さないため、各針毎に小区画群の各々におけるステッチ
重なり度(ステッチ重なり回数)を演算し、メモリMij
に格納されるステッチ重なり度のデータを更新してい
き、このメモリMijのデータに基づいて、図6のS24
の補正係数Kxyを演算するものとする。
【0026】図7のサブルーチンが開始されると、S3
0において今回針の縫製データに基づいて、今回針のス
テッチにより上糸が通る又は入る1又は複数の小区画が
演算され、その演算結果を用いて、S31においてメモ
リMijにおけるステッチ重なり度データが更新され、そ
の後リターンする。
【0027】以上説明した縫製速度制御の作用、効果に
ついて説明する。縫製データに基づいて刺繍模様を縫製
する場合、刺繍模様を形成する部位に最初にタタミ縫い
を施し、その上に刺繍模様を形成する場合が多い。この
ような場合に、上糸の重なりが多くなって生地が厚く硬
くなり、縫い調子が悪化する。そのため、この縫製速度
制御においては、刺繍縫製の開始直後に、刺繍縫製を施
す領域を例えば1mmメッシュの小区画群に領域分割
し、その小区画群に対応するステッチ重なり度メモリM
ijをRAM21に準備し、刺繍模様の縫製中には、各針
毎のステッチによる上糸が通る又は入る小区画を演算し
てメモリMijのステッチ重なり度のデータを累積的に更
新していく。
【0028】そして、各針の縫製に際しては、メモリM
ijのステッチ重なり度データに基づいて、理論的に算出
した縫製速度Sを補正係数Kxyを用いてステッチ重なり
度が多くなる程、縫製速度が小さくなるように補正する
ので、ステッチ重なり度による縫製や糸調子への影響を
加味して、各針毎の縫製速度を設定するため、縫い調子
を安定させることができ、縫針の損傷や糸切れを抑制
し、安定した縫製を実現することができる。
【0029】ここで、前記実施形態を変更する例につい
て説明する。 1)前記小区画としては例えば、1mmメッシュの小区
画を例にして説明したが、この小区画のサイズはこの大
きさに限定されるものではなく、1mmメッシュより小
さな小区画でもよく、1mmメッシュより大きなサイズ
に設定してもよい。
【0030】2)糸切りソレノイド33を作動させてミ
シンモータ16の駆動力で糸切りを実行する際には、通
常ミシンモータの回転速度を100rpm程度に低下さ
せるが、インダクションモータからなるミシンモータ1
6のトルクは回転数が低くなる程低下するため、厚手の
生地やステッチ重なり度が多い部位で糸切りする際に
は、ミシンモータ16のトルク不足により糸切り性能が
不十分になる。そこで、前記ステッチ重なり度の増大に
応じて、糸切り時のミシンモータ16の回転速度を増大
側へ補正する糸切り時縫製速度補正手段を設ける。例え
ば、糸切り時の縫製速度Sak=Sao(1+Kxy/C
o)とする。尚、Saoは、従来から採用されている糸
切り時の主軸速度、Kxyは前記補正係数Kxyと同じ補正
係数、Coは所定の定数である。
【0031】3)前記実施形態では、ステッチ重なり度
データを作成する為に、縫製領域を小区画群に分割し、
各針毎の上糸の通り経路を加味してステッチ重なり度デ
ータを更新するようにしたけれども、例えば、図8に示
すように、刺繍縫製装置に装着された帽子枠セットフレ
ーム50に帽子52を装着した帽子枠51を装着して、
帽子52の正面部分53に刺繍模様を縫製する場合が多
いのであるが、帽子の正面部分53は帽子を形成する為
の生地が2重、3重に重なり、ステッチも重なっている
関係上、ステッチ重なり度をわざわざ演算するまでもな
く、縫製速度を低速側へ補正すべきことが明らかであ
る。
【0032】そこで、縫製対象領域の一部の領域又は全
部の領域であって、生地の重なりや上糸の重なりが多く
なる領域(例えば、帽子の正面部分53)を速度変更領
域として設定する領域設定手段と、領域設定手段により
設定された速度変更領域内で縫製する時の主軸の回転速
度を速度変更領域外を縫製する回転速度よりも低く設定
する縫製速度補正手段とを設けるものとする。
【0033】前記領域設定手段は、この領域設定の制御
プログラムを格納したROM20を含む制御装置18、
操作パネル9などで構成することができるが、領域設定
手段で速度変更領域を設定する方式の2,3の例につい
て説明する。 a)速度変更領域のX軸座標値を最小値と最大値とで指
定し、Y軸座標値について縫製領域における全範囲を指
定する方式。或いは、これと反対に、速度変更領域のY
軸座標値を最小値と最大値とで指定し、X軸座標値につ
いて縫製領域における全範囲を指定する方式。 b)矩形状の速度変更領域の4隅の点をX,Y座標値で
もって設定する方式。
【0034】c)操作パネル9のディスプレイ9bを大
きく構成しておき、ディスプレイ9bに刺繍模様を表示
させた状態において、ディスプレイ9bの画面上の複数
の点をマウスにて指定することで矩形状又は多角形状の
速度変更領域を設定する。 d)刺繍枠や帽子枠に刺繍縫製対象のワークをセットし
た状態において、刺繍枠や帽子枠のX方向、Y方向へ移
動させて、ワークに対して縫針を相対移動させ、速度変
更領域の複数の輪郭点の各々に縫針が達した時に、所定
の指令を入力することで、速度変更領域の複数の輪郭点
を指定する。
【0035】縫製速度補正手段は、速度変更領域内で縫
製する時の縫製速度を速度変更領域外を縫製する縫製速
度よりも低く設定するが、この場合、速度変更領域外を
縫製速度をSroと、速度変更領域内の縫製速度をSa
rとして、Sar=Sro(1−α)(但し、αは0<
α<0.5 の範囲の所定の定数)とする。尚、前記の速度
変更領域内で縫製後に糸切りする際には、速度変更領域
外で縫製後に糸切りする場合よりも縫製速度を高く補正
するものとする。それは、前記2)の項で説明したのと
同様に、厚手の生地やステッチ重なり度が多い部位で糸
切りする際には、ミシンモータ16のトルク不足により
糸切り性能が不十分になるので、それを防止する為であ
る。
【0036】尚、前記の例は、縫製速度を低く補正した
い領域を速度変更領域として設定する場合であるが、縫
製速度を高く補正したい領域を速度変更領域として設定
すると共にその速度変更領域内で縫製する際の縫製速度
を高く補正するように構成してもよい。
【0037】
【発明の効果】 請求項1の発明によれば、縫製データ
記憶手段と、重なり度演算手段と、縫製速度補正手段と
を設け、各小区画のステッチ重なり度に基づいて、各小
区画に縫製を施す時の主軸の回転速度を補正するように
構成したので、例えばステッチ重なり度の増大に応じて
主軸の回転速度を低く補正することで、糸調子をを安定
させ、生地に対する針の貫通性を高め、針の折損を防止
する等、縫製を安定化することができる。例えば、糸切
り時にステッチ重なり度の増大に応じて主軸の回転速度
を高く補正することで、糸切りの為の主軸のトルクを確
保して安定した糸切りを実現することができる。
【0038】請求項2の発明によれば、ステッチ重なり
度の増大に応じて主軸の回転速度を低く補正するので、
糸調子をを安定させ、生地に対する針の貫通性を高め、
針の折損を防止する等、縫製を安定化することができ
る。請求項3の発明によれば、糸切り時にステッチ重な
り度の増大に応じて主軸の回転速度を高く補正するの
で、糸切りの為の主軸のトルクを確保して安定した糸切
りを実現することができる。
【0039】請求項4の発明によれば、縫製データ記憶
手段と、領域設定手段と、縫製速度補正手段とを設けた
ので、速度補正領域を設定してその領域を縫製する縫製
速度を低く又は高く補正することが可能となり、その場
合、糸調子を安定させ、生地に対する針の貫通性を高
め、針の折損を防止する等、縫製を安定化することがで
きる。例えば、生地が2重、3重に重なっていて縫製抵
抗が大きくなるような領域や、ステッチが多重に重なる
ような領域などに所定の速度変更領域を設定し、この速
度変更領域内で縫製する時の主軸の回転速度を速度変更
領域外を縫製する回転速度よりも低く設定することによ
り、糸調子を安定させ、生地に対する針の貫通性を高
め、針の折損を防止する等、縫製を安定化することがで
きる。
【0040】請求項5の発明によれば、請求項4の欄で
説明したのとほぼ同様に、縫製抵抗が大きくなるような
領域を速度変更領域として領域設定し、その速度変更領
域を縫製する際の主軸の回転速度を低く補正することが
可能となる。この場合、糸調子を安定させ、生地に対す
る針の貫通性を高め、針の折損を防止する等、縫製を安
定化することができる。請求項6の発明によれば、速度
変更領域内で糸切りする時の主軸の回転速度を、速度変
更領域外で糸切りする時の回転速度よりも高く補正する
ので、請求項3の欄で説明したのと同様に、主軸のトル
クを確保して安定した糸切りを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る刺繍ミシンの全体斜視
図である。
【図2】刺繍ミシンの制御系のブロック図である。
【図3】縫製領域を小区画群に分割した状態を示す説明
図である。
【図4】小区画群に分割しステッチ重なり度メモリを準
備するサブルーチンのフローチャートである。
【図5】縫製速度を設定するルーチンのフローチャート
である。
【図6】図5のルーチンのS13のサブルーチンのフロ
ーチャートである。
【図7】図5のルーチンのS16のサブルーチンのフロ
ーチャートである。
【図8】帽子枠セットフレームや帽子枠と帽子等の斜視
図である。
【符号の説明】
1 刺繍ミシン 9 操作パネル 16 ミシンモータ 18 制御装置 40 縫製領域 41 小区画 53 防止の正面部分(速度変更領域)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B150 AA15 BA02 CB04 CD09 CE06 CE27 EB04 EB09 EB12 GG04 JA02 JA11 LA05 LA29 LA30 LA53 LA59 LA67 LA68 LA72 LA85 LB02 MA02 MA15 NA28 NA29 NA48 NA55 NA62 NA64 NA74 NB09 NB16 NB18 NC02 NC03 NC11 QA06 QA07

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸の回転速度を変化させて縫製するミ
    シンにおいて、 縫製の針落ち位置を規定する縫製データを記憶する縫製
    データ記憶手段と、 前記縫製データ記憶手段から縫製データを受けて、縫製
    領域を多数行多数列の小区画の各々におけるステッチ重
    なり度を演算する重なり度演算手段と、 前記重なり度演算手段により求められた各小区画のステ
    ッチ重なり度に基づいて、各小区画に縫製を施す時の主
    軸の回転速度を補正する縫製速度補正手段と、 を備えたことを特徴とするミシンの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記縫製速度補正手段は、通常の縫製時
    において前記ステッチ重なり度の増大に応じて主軸の回
    転速度を低くするように補正することを特徴とする請求
    項1に記載のミシンの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記縫製速度補正手段は、糸切り時にお
    いて前記ステッチ重なり度の増大に応じて主軸の回転速
    度を高くするように補正することを特徴とする請求項1
    に記載のミシンの制御装置。
  4. 【請求項4】 主軸の回転速度を変化させて縫製するミ
    シンにおいて、 縫製の針落ち位置を規定する縫製データを記憶する縫製
    データ記憶手段と、 縫製領域内に所定の速度変更領域を設定する領域設定手
    段と、 前記領域設定手段により設定された速度変更領域内で縫
    製する時の主軸の回転速度を補正する縫製速度補正手段
    と、 を備えたことを特徴とするミシンの制御装置。
  5. 【請求項5】 前記縫製速度補正手段は、通常の縫製時
    において速度変更領域内を縫製するときの主軸の回転速
    度を速度変更領域外を縫製するときの回転速度より低く
    するように補正することを特徴とする請求項4に記載の
    ミシンの制御装置。
  6. 【請求項6】 前記縫製速度補正手段は、糸切り時にお
    いて速度変更領域内で糸切りするときの主軸の回転速度
    を速度変更領域外で糸切りするときの回転速度より高く
    するように補正することを特徴とする請求項4に記載の
    ミシンの制御装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006102399A (ja) * 2004-10-08 2006-04-20 Juki Corp ミシン
CN101858016A (zh) * 2009-04-06 2010-10-13 Juki株式会社 缝纫机
WO2013070036A1 (ko) * 2011-11-11 2013-05-16 주식회사 썬스타 재봉물 생산 시스템, 재봉물 생산 방법 그리고 재봉기의 재봉속도 자동측정 시스템
JP2016158972A (ja) * 2015-03-04 2016-09-05 蛇の目ミシン工業株式会社 ミシン
JP2021000207A (ja) * 2019-06-20 2021-01-07 蛇の目ミシン工業株式会社 ミシン

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