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JP2003101235A - 多層配線基板及びその製造方法 - Google Patents

多層配線基板及びその製造方法

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JP2003101235A
JP2003101235A JP2001298548A JP2001298548A JP2003101235A JP 2003101235 A JP2003101235 A JP 2003101235A JP 2001298548 A JP2001298548 A JP 2001298548A JP 2001298548 A JP2001298548 A JP 2001298548A JP 2003101235 A JP2003101235 A JP 2003101235A
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JP
Japan
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conductor
wiring layer
multilayer wiring
layer
core substrate
Prior art date
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Application number
JP2001298548A
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English (en)
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Tetsuaki Ozaki
哲明 尾崎
Riichi Sasamori
理一 笹森
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Publication date
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  • Manufacturing Of Printed Wiring (AREA)
  • Production Of Multi-Layered Print Wiring Board (AREA)
  • Printing Elements For Providing Electric Connections Between Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】コア基板の表面に形成される表面多層配線層に
おけるバイア導体と導体配線層との電気的接続を改善す
る多層配線基板及びその製造方法を提供する。 【解決手段】導体配線層11の、前記表面多層配線層B
に形成されたバイア導体8、13との当接部17の表面
粗さ(Rz1)が、前記表面多層配線層Bを構成する絶
縁層3a〜3dとの接着部19の表面粗さ(Rz2)よ
りも小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層配線基板及び
その製造方法に関し、特に、コア基板の表面に表面多層
配線層を積層してなる多層配線基板及びその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、携帯情報端末の発達やモバイルコン
ピューティングの普及に伴い、小型、高精細かつ高速動
作に適した多層配線基板が求められている。
【0003】このような高精細で高速動作の要求に対応
するための多層配線基板として、従来よりビルドアップ
法により製造されるものが知られている。
【0004】ビルドアップ法により形成される多層配線
基板は、ガラスエポキシ複合材料からなるコア基板の表
面に感光性樹脂を塗布して絶縁層を形成し、この絶縁層
に対して露光現像を行うことによりバイアホールが形成
される。
【0005】次に、このバイアホールの内壁を含む絶縁
層の全表面に銅などのメッキ層を形成した後、このメッ
キ層表面に感光性レジストを塗布/露光/現像/エッチ
ング/レジスト除去を経て導体配線層を形成することに
より作製される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コア基
板の表面に感光性樹脂を用いて絶縁層を形成する上記の
ビルドアップ法では、絶縁層内部に形成するバイアホー
ルを紫外線露光により形成するため、元来、バイアホー
ル下部に露出した導体配線層の表面を加工するものでは
なく、導体配線層の表面粗さは絶縁層に対する接着性を
確保する状態を保つように凹凸形状を残し、粗な状態と
なっている。このため導体配線層表面の凹部には熱硬化
性樹脂の残渣が存在し、また、この表面は酸化膜に覆わ
れていることから、バイア導体と導体配線層との間の金
属同士の接続が弱く、温度サイクル試験等の信頼性評価
においてバイア導体と導体配線層とが断線しやすくなり
信頼性が低下するという問題があった。
【0007】従って、本発明は、コア基板の表面に形成
される表面多層配線層におけるバイア導体と導体配線層
との電気的接続を改善する多層配線基板及びその製造方
法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の多層配線基板
は、少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁基板の表面およ
び/または内部に導体配線層が形成され、該導体配線層
間を接続するために前記絶縁基板内部にバイア導体が形
成されてなるコア基板と、該コア基板の表面に、絶縁層
および導体配線層が積層されてなり、該導体配線層間を
接続するために前記絶縁層にバイアホールを形成し、該
バイアホール内に金属粉末を含む導体ペーストを充填し
てバイア導体が形成されてなる表面多層配線層と、を具
備する多層配線基板において、前記表面多層配線層に形
成されたバイア導体のコア基板側にて当接する導体配線
層の表面粗さ(Rz1)が、該導体配線層の、前記表面
多層配線層を構成する絶縁層との接着部の表面粗さ(R
2)よりも小さいことを特徴とする。
【0009】このような構成によれば、バイア導体と当
接する部分の導体配線層の表面が平滑であることから、
バイア導体を構成する金属成分と導体配線層の金属箔と
の濡れ性が高まり接合部を強固にできる。一方、絶縁層
との接着部側の導体配線層は粗くすることによりアンカ
ー効果が高まり接着部を強固にできる。
【0010】上記多層配線基板では、表面多層配線層に
形成されたバイア導体のコア基板側にて当接する導体配
線層の表面粗さ(Rz1)と、該導体配線層の、前記表
面多層配線層を構成する絶縁層との接着部の表面粗さ
(Rz2)との差が0.5μm以上であることが望まし
い。
【0011】このように表面多層配線層に形成されたバ
イア導体のコア基板側における導体配線層との当接部の
平均表面粗さ(Rz)と、前記表面多層配線層を構成す
る絶縁層との接着部の平均表面粗さ(Rz)との差が
0.5μm以上であれば、それぞれ異なる接合部が形成
される導体配線層とバイア導体との接続、および導体配
線層と絶縁層との接続をさらに同時に強固にできる。
【0012】上記多層配線基板では、表面多層配線層に
形成されたバイア導体は両端におけるバイア径が異な
り、コア基板側のバイア径が、該コア基板側と反対側の
バイア径よりも小さいことが望ましい。
【0013】上記のように導体配線層の表面粗さ(R
z)を小さくすることによりバイア導体と導体配線層と
の金属成分の濡れ性を改善し接合部を強固にできること
から、バイア径の小さい側の導体配線層の表面粗さ(R
z)をバイア径の大きい導体配線層よりも小さくするこ
とにより、両端部の接合強度ならびに電気抵抗の均等を
図ることができ安定な接合部を得ることができる。
【0014】上記多層配線基板では、表面多層配線層に
形成されたバイア導体のコア基板側にて当接する導体配
線層の表面粗さ(Rz1)が0.5〜1.5μmである
ことが望ましい。導体配線層の表面粗さ(Rz1)をこ
のような範囲になるように調整することによりバイア導
体に含まれる金属成分との濡れ性をさらに高めることが
でき、より強固な接合部を形成できる。
【0015】上記多層配線基板では、表面多層配線層に
形成されたバイア導体の最大径が75μm以下であるこ
とが望ましい。本発明の導体配線層を適用することによ
り、バイア導体の径が小さくなっても表面多層配線層の
層間接続を確実にできることから、より高密度な多層配
線層が形成できる。
【0016】上記多層配線基板では、表面多層配線層に
形成されたバイア導体が、錫、鉛、ビスマス、インジウ
ムの少なくとも1種の金属、あるいはそれらの合金を含
有することが望ましい。バイア導体中に含まれる金属が
上記のような低融点を示すものであれば、導体配線層と
の濡れ性がさらに高まりバイア導体と導体配線層との間
の当接部をより強固に形成できる。
【0017】本発明の多層配線基板の製造方法は、
(a)少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁シートの、少
なくとも表面に、上面が粗化された導体配線層を形成し
てなるコア基板を作製する工程と、(b)該コア基板の
表面に半硬化状態の第1の絶縁シートを熱圧着する工程
と、(c)前記第1の絶縁シートの所定箇所にレーザ光
を照射してバイアホールを形成するとともに前記コア基
板の表面に形成された導体配線層上面の凹凸面を平滑化
する工程と、(d)(c)で形成したバイアホールに金
属粉末と有機成分を含む導体ペーストを充填してバイア
導体を形成する工程と、(e)該バイア導体が形成され
た前記第1の絶縁シート上に上面側が粗化された第1の
導体配線層を形成する工程と、(f)(b)〜(e)工
程を繰り返して多層化する工程と、を具備することを特
徴とする製造方法である。
【0018】この製造方法において、まず、絶縁シート
をレーザ光を用いて加工することにより、微小径で形状
精度が高く照射方向に先細り状のバイアホールを容易に
形成できる。また、バイアホールの形成とこのバイアホ
ールの底部に露出した導体配線層上面の凹凸面の平滑化
を同時に行うことができる。
【0019】さらに、本発明の製造方法によれば、表面
多層配線層における導体配線層間を接続するためのバイ
アホールをレーザ光の照射によって形成しているため、
感光性樹脂を使用する必要がなく、絶縁層材料としてガ
ラス転移点が高く、吸水率が小さい等材料特性に優れた
任意の絶縁材料を選定できる。しかも、絶縁層の形成
と、導体配線層との形成を同時に並行して行うことがで
き、すべての絶縁層を一括で硬化することができるため
に製造工程の簡略化と短縮化を図ることができる。
【0020】上記多層配線基板の製造方法では、前記第
1の絶縁シートに形成されたバイア導体のコア基板側に
て当接する導体配線層の表面粗さ(Rz1)と、該導体
配線層の、前記表面多層配線層を構成する絶縁層との接
着部の表面粗さ(Rz2)との差が0.5μm以上であ
ることが望ましい。このように、バイア導体と当接する
部分の導体配線層の表面を絶縁シートが接着する部分よ
りも平滑にすることにより、バイア導体と導体配線層と
を容易に接合できる。また、導体配線層の、表面多層配
線層を構成する絶縁層との接着部の表面粗さ(Rz2
との差が0.5μm以上とすることにより、導体配線層
のアンカー効果が高まり絶縁層とも強固に接着できる。
【0021】上記多層配線基板の製造方法では、前記第
1の絶縁シートに形成されたバイア導体は両端における
バイア径が異なり、コア基板側のバイア径が、該コア基
板側と反対側のバイア径よりも小さいことが望ましい。
最大径の小さい方のバイア導体は導体配線層との接続が
困難であることから、このように最大径の小さい方をよ
り平滑にすることにより、最大径の大きい側の導体配線
層との接続並びに導電性を容易に同じ状態にできる。
【0022】上記多層配線基板の製造方法では、第1の
絶縁シートに形成されたバイア導体のコア基板側にて当
接する導体配線層の表面粗さ(Rz1)が0.5〜1.
5μmであることが望ましい。バイア導体径が小さく導
体配線層との接触面積が狭い場合に、導体配線層の表面
粗さ(Rz1)を上記のように平滑にすることによりバ
イア導体の径の小さい端部側と導体配線層とを容易に接
合できる。
【0023】上記多層配線基板の製造方法では、第1の
絶縁シートに形成されたバイア導体の最大径が75μm
以下であることが望ましい。このようにバイア導体の最
大径が75μmと小さい場合に、本発明の製造方法を好
適に用いることができ、このようにバイア導体径が小さ
くなっても導体配線層との接合部を強固にできる。
【0024】上記多層配線基板の製造方法では、第1の
絶縁シートに形成されたバイア導体が、錫、鉛、ビスマ
ス、インジウムの少なくとも1種の金属、あるいはそれ
らの合金を含有することが望ましく、このような低融点
金属を含有することによって、バイア導体と導体配線層
との接合部に合金相や金属間化合物を容易に形成でき
る。
【0025】上記多層配線基板の製造方法では、レーザ
光による加工出力が0.1〜2.0W、単位時間のパル
ス数が1〜50kHzであることが望ましい。レーザ出
力およびパルス数をこのような範囲とすることにより形
状精度の高いバイアホールを形成でき、さらにバイアホ
ール底部に露出した導体配線層の表面を平滑化できる。
【0026】
【発明の実施の形態】(構造)以下、本発明の多層配線
基板の一例の概略断面図を図1に示した。
【0027】図1に示すように、本発明の多層配線基板
は、コア基板Aの表面1に表面多層配線層Bが形成され
ている。
【0028】コア基板Aは、少なくとも熱硬化性樹脂を
含有する複数の絶縁層(1a〜1e)を複数積層して形
成された絶縁基板5と、その絶縁基板5の表面および内
部に形成された導体配線層7と、この導体配線層7間を
接続するバイア導体8により構成されている。
【0029】また、コア基板Aの表面1上に積層されて
いる表面多層配線層Bは、コア基板Aと同様、少なくと
も熱硬化性樹脂を含有する複数の表面絶縁層(3a〜3
d)により構成され、各絶縁層(3a〜3d)の表面お
よび内部には導体配線層11が形成され、さらに、これ
らの導体配線層11間を接続するためのバイア導体13
が形成されている。
【0030】図2は表面多層配線層Bに形成されたバイ
ア導体13と導体配線層7、11との接合部を示す要部
拡大図である。図2に示すように、導体配線層11の、
表面多層配線層Bに形成されているバイア導体13は、
コア基板A側のバイア径が反対側よりも小さい先細り状
となっている。
【0031】このように、バイア導体13は両端の径が
異なり、このバイア導体13の両端部の最大径差は、小
径側の最大径をDs、大径側の最大径をDLとしたとき
に、Ds/DL>0.6以上であることが、バイア導体
13と導体配線層7、11との接続を確実にし、かつ温
度サイクル試験等における局部的な応力の発生を抑制す
るという理由から望ましい。
【0032】また、表面多層配線層Bに形成されている
このバイア導体13の最大径は75μm以下であること
が望ましい、特に、高密度な表面多層配線層Bが形成で
き、バイア導体13の最大径が小さくなっても表面多層
配線層Bの層間接続を確実にできるという理由から、バ
イア導体13の最大径は40〜60μmであることが望
ましい。
【0033】本発明によれば、このバイア導体13のコ
ア基板A側の導体配線層7、11の当接部17の表面粗
さ(Rz1)は、絶縁層1a〜1e、3a〜3dとの接
着部19の表面粗さ(Rz2)よりも小さいことが重要
である。このようにバイア導体13と当接する部分の導
体配線層7、11の上面を平滑にすることにより、バイ
ア導体13を構成する金属成分と導体配線層7、11の
金属箔との濡れ性が高まり両者の接合部を強固にでき
る。
【0034】一方、絶縁層1a〜1e、3a〜3dと接
着する導体配線層7、11の表面粗さ(Rz2)は大き
くなるように加工されており、このことから絶縁層1a
〜1e、3a〜3dに含まれている熱硬化性樹脂が導体
配線層7、11の凹部に入り込むことにより絶縁層1a
〜1e、3a〜3dと導体配線層7、11とを強固に接
着できる。また、この当接部17ではバイア導体13と
導体配線層7、11とが密接に接合されており、さら
に、この界面にはバイア導体13と導体配線層7、11
の金属成分との合金相あるいは金属間化合物が形成され
ている。
【0035】また、バイア導体13と当接する導体配線
層7、11の表面粗さ(Rz1)は0.5〜1.5μm
が望ましく、特に、導体配線層7、11の導電性を損な
わずかつ濡れ性を高めるという理由から0.7〜1.3
μmであることが望ましい。一方、絶縁層3a〜3dと
接着部の表面粗さ(Rz2)は2μm以上が望ましく、
特に、2.4〜3.5μmの範囲であることが望まし
い。
【0036】また、導体配線層7、11の、表面多層配
線層Bに形成されたバイア導体13との当接部17の表
面粗さ(Rz1)と、前記表面多層配線層Bを構成する
絶縁層3a〜3dとの接着部19の表面粗さ(Rz2
との差は0.5μm以上が望ましく、特に、導体配線層
7、11の厚み差を低減し導電性を安定化させるという
理由から、その差は0.5〜1.5μmであることが望
ましい。これにより導体配線層7、11とバイア導体1
3との接続、および導体配線層7、11と絶縁層3a〜
3dとの接続をさらに強固にできる。
【0037】一方、コア基板Aを構成しているバイア導
体8の最大径は300μm以下であることが、高密度な
回路を形成できるという理由から望ましく、バイア導体
8の最大径が小さくなってもコア基板Aの層間接続を確
実にできるという理由から、バイア導体8の最大径は7
0〜250μmであることが望ましい。
【0038】また、このコア基板Aに形成されているバ
イア導体8もまた、表面多層配線層3に形成されている
表面バイア導体13と同様、両端部の最大径が異なり、
バイア導体8の両端部の最大径差は、小径側の最大径を
Dcs、大径側の最大径をDcLとしたときに、Dcs
/DcL>0.6以上であることが望ましい。
【0039】また、コア基板A内部に形成されている導
体配線層7もまた、表面多層配線層Bを構成している導
体配線層11と同様に、バイア導体8に当接される面の
表面粗さ(Rz)が、絶縁層1a〜1eとの接着部の表
面粗さ(Rz)よりも小さいことがバイア導体8と導体
配線層7との接続を強固にするという理由から望まし
い。
【0040】また、コア基板Aに用いている導体配線層
7の、バイア導体8の当接部の表面粗さは表面多層配線
層Bに形成された導体配線層11と同じ表面粗さ(R
z)であることが望ましく、0.5〜1.5μm、さら
に望ましくは、0.7〜1.3μmである。
【0041】一方、導体配線層7が絶縁層1a〜1eと
接着する部分の表面粗さ(Rz)は接着強度を高めると
いう理由から2μm以上、特に、2.4〜3.5μmが
好ましい。
【0042】(材料)本発明の多層配線基板において、
表面多層配線層Bを構成する絶縁層3a〜3dは、少な
くとも熱硬化性樹脂を含有する絶縁材料からなるもので
あり、例えば、A−PPE(ポリフェニレンエーテル樹
脂)、BTレジン(ビスマレイドトリアジン)、ポリイ
ミド樹脂、フッ素樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹
脂、エポキシ樹脂からなり、とりわけ原料として室温で
液体の熱硬化性樹脂であることが望ましい。
【0043】また表面多層配線層Bの表裏面に積層する
絶縁層3a〜3d中の無機絶縁粉末としては、Si
2、Al23、ZrO2、TiO2、AlN、SiC、
BaTiO3、SrTiO3の少なくとも1種の材料が使
用できる。また、その形状としては球状、針状など任意
のものとすることができる。このように表面多層配線層
Bを構成する絶縁層3a〜3d中で不連続に存在する無
機絶縁粉末を用いることで耐マイグレーション性を高め
ることができ、表面多層配線層Bの高密度化を図ること
ができる。
【0044】一方、コア基板Aを構成する絶縁層1a〜
1eもまた、表面多層配線層Bを構成する絶縁層3a〜
3dと同様のA−PPE(ポリフェニレンエーテル樹
脂)等の熱硬化性樹脂が好適に用いられる。また、絶縁
層1a〜1e中に混合される充填材としては無機絶縁粉
末や繊維体があり、織布、不織布など任意の性状のもの
を用いればよい。また、アラミド繊維、セルロース繊維
などの有機繊維体を用いることもできる。特に、コア基
板Aに用いる繊維体として、ガラス繊維に前記熱硬化性
樹脂を含浸したものが強度を高める点で最も望ましい。
【0045】また、コア基板Aおよび表面多層配線層B
を構成する導体配線層7、11としては、配線を形成す
るに好適な金属より形成され、例えば、金、銀、銅、ア
ルミニウムの少なくとも1種を含む低抵抗金属の電解金
属箔が好適に使用される。この電解金属箔の厚みは1〜
35μmが良く、望ましくは、導電性が低く配線の微細
化に適しているという点から5〜18μmが良い。この
電解金属箔の厚み、言い換えれば導体配線層7、11の
厚みが1μmより小さいと配線の抵抗率が高くなり、ま
た35μmより大きいと、積層時にコア基板Aや表面多
層配線層Bの変形が大きくなったり、絶縁層1a〜1
e、3a〜3dへの金属の埋め込み量が多くなり、コア
基板Aや表面多層配線層Bの歪みが大きくなり樹脂硬化
後に基板が変形を起こしやすいなどの問題がある。また
上記図1、図2において、上記のコア基板Aおよび表面
多層配線層Bにおいては、導体配線層7、11はいずれ
も絶縁層1a〜1e、3a〜3dに埋設されている。こ
のように導体配線層7、11はいずれも各絶縁層1a〜
1e、3a〜3dの表面に埋設されているために導体配
線層7、11自体の厚みに起因する積層不良が発生する
ことがなく、絶縁層1a〜1e、3a〜3d間の優れた
密着性と、配線基板全体としての非常に優れた平滑性を
実現できる。
【0046】また、バイア導体8、13となるバイアホ
ール15中に充填される導体ペーストとしては、導体配
線層7、11を形成する金属粉末にエポキシ、セルロー
ス等の樹脂成分を添加し、酢酸ブチルなどの溶媒によっ
て混練したものが使用される。この導体ペーストはバイ
アホール15への充填後溶剤を乾燥させるがはじめから
無溶剤であることが望ましい。また、バイア導体8、1
3の低抵抗化とバイア導体8、13上部、底部の導体配
線層7、11を形成する金属箔との接続性向上のため
に、錫、鉛、ビスマス、インジウムの少なくとも1種の
金属、あるいはそれらの合金を含有することが望まし
く、特に、導体配線層7、11を構成する金属成分が銅
である場合に、銅との合金もしくは単体よりも高融点と
成る金属間化合物を形成できるという点から錫が望まし
い。
【0047】また、バイア導体8、13に用いられる金
属粒子の平均粒子径は1〜15μmとされ、導電性ペー
ストの分散性と導体配線層7、11との濡れ性および充
填性を高めるために3〜6μmであることが望ましい。
【0048】そして、この表面多層配線層Bに形成され
たバイア導体13では、その端部側から0.1μm以上
の厚みで導体配線層7、11を構成する金属成分が含ま
れていることがより好ましく、このように導体配線層
7、11を構成する金属成分が拡散することにより、バ
イア導体13と導体配線層7、11との接合を強固にで
きる。尚、本発明の多層配線基板では、基板を一括硬化
で作製する点からバイア導体8、13を構成する金属成
分は同じ成分を含有することが望ましい。
【0049】(製法)次に、本発明の多層配線基板の製
造方法を図3をもとに説明する。この図3は、図1の多
層配線基板を作製するための工程図である。
【0050】まず、コア基板Aを構成する絶縁層1a〜
1e上に導体配線層7を形成するにあたって、図3
(a)に示すように、半硬化状態の絶縁シート21に対
して、レーザ加工により所望のバイアホール23を形成
する。そして図3(b)に示すように、そのバイアホー
ル23内に金属粉末を含有する導体ペーストを充填して
バイア導体25を形成する。
【0051】次に、図3(b)の半硬化状態の絶縁シー
ト21のバイア導体25の一方表面に電解金属箔からな
る導体配線層27を加熱加圧による転写により埋設させ
る。本発明では、この導体配線層27の形成をあらかじ
め樹脂フィルム29上にラミネートした金属箔をエッチ
ングして作製したパターンの転写によって行う。転写条
件は導体配線層27が絶縁シート21上に埋設されて転
写されるとともに、加圧加熱した際に絶縁シート21が
変形せず、さらにこの後の積層が可能なように未硬化状
態を保持する温度、圧力、時間が望ましく、その温度は
100〜140℃、圧力は30〜100Pa、時間は1
〜10分が適当である。
【0052】例えば、導体配線層27の形成には、ま
ず、適当な樹脂フィルム29の表面にメッキ法などによ
って作製された銅、金、銀、アルミニウム等から選ばれ
る1種または2種以上の合金からなる厚さ1〜35μm
の電解金属箔を接着し、その電解金属箔の表面に所望の
配線パターンの鏡像パターンとなるようにレジスト層を
付設した後、エッチング、レジスト除去によって所定の
配線パターンの鏡像の導体配線層27を形成する。この
導体配線層27の厚みは微細化が可能で導体抵抗を低く
するという理由から5〜18μmが望ましい。また、通
常、レーザ加工されない、バイア導体8、13の最大径
側に当接される導体配線層27の表面粗さ(Rz2)は
疎化処理により調整される。
【0053】樹脂フィルム29としては、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリイミ
ド、ポリフェニレンサルファイド、塩化ビニル、ポリプ
ロピレン等公知のものが使用できる。樹脂フィルム29
の厚みは10〜100μmが適当であり、望ましくは2
5〜50μmが良い。これは、樹脂フィルム29の厚み
が10μmより小さいとフィルムの変形や折れ曲がりに
より形成した導体配線が断線を引き起こし易くなり、厚
みが100μmより大きいと樹脂フィルムの柔軟性がな
くなるためシートの剥離が難しくなるためである。ま
た、樹脂フィルム29表面に電解金属箔を接着するため
の接着剤としては、アクリル系、ゴム系、シリコン系、
エポキシ系等公知の接着剤が使用できる。
【0054】また、内部の導体配線層27を形成するた
めには、あらかじめ表面粗さ(Ra)が0.2μm以上
の電解金属箔を樹脂フィルム29に貼り合わせた方が絶
縁シート21を形成する熱硬化性樹脂をエッチング処理
において水分に曝すことがないので吸水率を低くでき
る。この時、電解金属箔のカップリング処理を施さない
方が、導体配線層27を転写後のフィルムから剥離しや
すい。
【0055】次に、上記のようにして作製された表面用
の導体配線層27を具備する樹脂フィルム29ととも
に、同様な方法によって作製された裏面用の導体配線層
27を具備する樹脂フィルム29を作製し、これらを図
3(c)に示す方法と同様に、バイア導体25が形成さ
れた絶縁シート21の両面に積層する。そして、図3
(d)に示すように、その積層物を温度60〜150
℃、圧力1〜50MPa、時間1〜10分の条件で加圧
加熱した後、樹脂フィルム29を剥がすことにより、図
3(e)に示すような、絶縁シート21の片面に、導体
配線層27が埋設された配線シートcを作製することが
できる。
【0056】このように、配線シートcの形成にあたっ
て、この両面に導体配線層27が形成された樹脂フィル
ム29を積層し圧着することにより、多層配線基板にお
ける2層の導体配線層27の転写工程を同時に行うこと
ができる。
【0057】また、上記のようにして作製した配線シー
トcの表面に埋設された導体配線層27のうち、コア基
板Aの表面側に位置する導体配線層27に対して粗化処
理を行い、導体配線層27の表面粗さ(Rz)が0.5
μm以上、特に1.6μm以上となるようにすることが
望ましい。
【0058】この粗面化処理は、塩酸、硫酸、硝酸、酢
酸、蟻酸などの酸処理による化学的なエッチング処理に
よって施すことができ、例えば、酸溶液を導体配線層2
7の表面に噴霧することが望ましい。また、粗面化処理
面(エッチング面)には、尖頭状の突起を多数形成する
ことが望ましく、このような尖頭状の突起は、例えば、
10質量%蟻酸溶液によって1μm/分以上の粗化速度
で良好に形成できる。
【0059】そして、図3(e)に示すように、上記
(a)及至(e)と同様にして作製された配線シート
b、dを配線シートcとともに加熱加圧硬化して一体化
してこれらを絶縁シート中の熱硬化性樹脂が完全に硬化
する温度に加熱することにより、コア積層体Cを作製す
ることができる。この場合の硬化温度は、コア積層体C
上に表面多層配線層Bとなる絶縁シート41とともに再
硬化するために200〜250℃であることが望まし
い。
【0060】次に、図3(f)に示すように、上記のコ
ア積層体Cの表面1上に表面多層配線層Bとなる絶縁シ
ート41を積層する。ここで用いる絶縁シート41は、
例えば、絶縁材料として熱硬化性樹脂と無機絶縁粉末と
の複合材料を用いる場合、以下の方法によって作製され
る。
【0061】まず、前述したような適当な無機絶縁粉末
に、前述した液状の熱硬化性樹脂を無機絶縁粉末量が2
0〜80体積%となるように溶媒とともに加えた混合物
を混練機(ニーダ)や3本ロール等の手段によって混合
して絶縁性スラリーを作製する。
【0062】絶縁性スラリーは、好適には、前述したよ
うな有機樹脂と無機絶縁粉末の複合材料に、トルエン、
酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メタノール、メチル
セロソルブアセテート、イソプロピルアルコール、メチ
ルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド等の溶媒を
添加して所定の粘度を有する流動体からなる。スラリー
の粘度は、シート成形法にもよるがハーケ社製レオメー
タRS100を使用し、直径20mmφ、角度1°のコ
ーンを用いて、せん断速度100s-1の条件で1〜30
Pa・sが適当である。
【0063】そして、その絶縁性スラリーを圧延法、押
し出し法、射出法、ダイコーター法、ドクターブレード
法などのシート成形法によってシート状に成形した後、
所望により熱硬化性樹脂が完全硬化するに十分な温度よ
りもやや低い温度に加熱して熱硬化性樹脂を半硬化させ
て、厚み25〜50μmの絶縁シート41を作製でき
る。
【0064】この絶縁シート41を温度100〜160
℃、圧力1〜7MPa、時間1〜10分の条件で接着し
た後、UV−YAGレーザなどでバイアホール43を形
成する。このバイアホール43は絶縁シート41の下層
に埋設されている導体配線層27が露出するような構造
である。このときバイアホール43の底部の導体配線層
27は、その表面が金属箔形成時のマット面またはパタ
ーン作製の際に加工された粗化面であり、レーザ加工に
よる有底のバイアホール43を形成する際、表面の凹凸
がレーザ加工によって一部、溶融、または昇華すること
で平滑化される。Rz1が0.5〜1.5μmとなるよ
うにレーザ照射する。ここでレーザ加工の条件は、例え
ばUV−YAGレーザ加工機の場合、加工エネルギーが
0.1〜2.0W、単位時間のパルス数(Rep−Ra
te)が1kHz〜50kHzの範囲であることが適当
である。このUV−YAGはRep−Rateが小さい
ほど出力エネルギーが大きくなり、また、レーザー光を
放つ繰り返し回数が多いほど金属箔を削っていくもので
ある。そして、0.1Wより低い場合、もしくは50k
Hzより大きい場合、バイアホール43の底部に樹脂残
渣が残りやすく、また2.0Wより高い場合、もしくは
1kHzより低い場合、バイアホール43底部の金属箔
に貫通する穴が開いたり金属箔にダメージが残る。ま
た、レーザ光を放つ繰り返し回数は多いほど金属箔を削
るためその出力により最適回数が決められる。
【0065】その後、このバイアホール43にコア基板
Aで行ったのと同様に金属粉末を含有する導体ペースト
を充填してバイア導体47を形成する。この導体ペース
トは、錫、鉛、ビスマス、インジウムなどの低融点金属
を少なくとも1種含むもの、またはその合金であり、こ
の低融点金属は硬化時の加圧、加熱によってバイアホー
ル上部と底部の金属箔に濡れるか、金属の種類によって
は金属箔中に拡散するものである。さらに上記コア基板
Aで導体配線層27を形成したのと同様に、エッチング
によりあらかじめ作製した金属箔の配線パターンを粗面
化した後、積層した絶縁シート41に転写することによ
り絶縁シート41上に埋設された導体配線層45を形成
して図3(g)に示すような多層配線基板を形成するこ
とができる。
【0066】その後、必要に応じ上記の工程を繰り返す
ことにより、絶縁シート41および導体配線層45を多
層化できる。
【0067】また、この表面多層配線層Bの表面上にさ
らにソルダーレジスト層を形成する場合は、この多層配
線基板の表面にエポキシ樹脂などのソルダーレジスト層
を全面に塗布し、その後、露光/現像して所定の箇所に
パターンを露出させることによって図2に示すような多
層配線基板を作製することができる。
【0068】
【実施例】コア基板を形成する絶縁シートにはポリフェ
ニレンエーテル樹脂(A−PPE樹脂)を含浸したプリ
プレグを用意した。
【0069】次に、このプリプレグから成る絶縁シート
にCO2レーザを用いて100μmφの径を有するバイ
アホールを形成した。
【0070】次に、このバイアホールに導体ペーストを
充填した。導体ペーストは銅粉末の表面に3質量%銀コ
ートした平均粒径5μmの導電性粒子と低融点金属粉末
として平均粒径が7μmの錫粉末との混合粉末に対して
トリアリルシアヌレート(TAIC)からなる有機成分
を混合して調製し、この導体ペーストの粘度は30〜5
00Pa・s(ハーケ社製RS100レオメータ、コー
ン10mmφ、コーン角度1°、せん断速度100
-1)とした。
【0071】次に、絶縁シートに転写する導体配線層と
して、厚み38μmのポリエチレンテレフタレートフィ
ルムに、厚み12μmの電解銅箔を貼り合わせて転写用
の銅箔付きフィルムを準備した。銅箔表面にドライフィ
ルムレジストを貼付し、露光、炭酸ナトリウム溶液の噴
霧による現像、塩化第二鉄によるエッチングを行い台形
の形成角60°の形成角をもつ導体配線層を形成した。
その後、水酸化ナトリウム溶液を用いてレジスト膜を剥
離し、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に配線パ
ターンを形成した。この後、蟻酸10質量%の水溶液を
噴霧して配線パターンの表面を表面粗さ(Rz)で2.
9〜3.1μmに粗化した。
【0072】配線パターン表面の表面粗さ(Rz)は原
子間力顕微鏡を用いて測定した。測定箇所は1つの配線
パターンあたり5箇所とした。なお、配線パターンはラ
ンド径が90μm、配線幅は70μmで作製した。
【0073】次に、導体ペーストを充填したプリプレグ
に対して、このポリエチレンテレフタレートフィルム上
に形成した配線パターンを位置あわせした後、120
℃、5MPa、3分間の熱圧着により転写した。
【0074】次に、導体配線層を形成したプリプレグ4
層を120℃、5MPa、3分間の条件で加圧加熱を行
い積層して半硬化状態のコア基板を作製した。また、こ
れらの配線パターンのうちコア基板の表面および表面多
層配線層に形成されるバイア導体の最大径の大きい側に
形成される導体配線層を有する配線パターンについて
は、再度疎化処理を行い表面粗さ(Rz)を3μmとし
た。
【0075】次に、表面多層配線層用の絶縁シートを作
製した。この絶縁シートは、コア基板と同様、A−PP
E樹脂を用い、無機絶縁粉末として平均粒径が0.6μ
mの溶融シリカを体積比で40体積%となるように調整
し、これに熱硬化性樹脂の硬化を促進させるための触媒
を熱硬化性樹脂に対して3質量%、さらに有機溶剤とし
てトルエンを加えてスラリー粘度が約2Pa・sのスラ
リーを調製した。これをドクターブレード法により厚さ
35μmの絶縁シートを作製した。
【0076】次に、この絶縁シートを予め作製した半硬
化状態のコア基板の表面上に130℃、5MPa、3分
間の加圧加熱条件で積層した。
【0077】次に、コア基板上に積層された絶縁シート
の所定位置に、UV−YAGレーザ装置を用いてバイア
ホールを形成し、同時にバイアホールの底面に露出した
導体配線層の表面上の樹脂残渣が0.2μm以下になる
ように加工した。加工エネルギーを0.5W、単位時間
のパルス数(Rep−Rate)を8〜10kHz、ト
レパニング加工とし、繰り返し回数2〜10回で入射側
の最大径が約60μm、出射側の最大径が約45μmの
バイアホールを形成した(Ds/DL=0.75)。レ
ーザ加工後のバイアホール底面に露出した導体配線層の
表面粗さ(Rz 1)、レーザ加工されないバイア導体当
接部の表面粗さ(Rz2)および絶縁層との接着部(R
z)は原子間力顕微鏡を用いて測定し、表1に示した。
【0078】次に、コア基板に用いた導体ペーストをこ
のバイアホールに埋め込みバイア導体を形成した。
【0079】その後、コア基板の導体配線層を形成した
のと全く同様にして、表層配線用としては厚み18μm
の電解銅箔を配線パターンが形成されたポリエチレンテ
レフタレートフィルムをバイア導体が形成された絶縁シ
ートの表面に積層して、温度130℃、圧力5MPa、
時間3分間の加熱加圧を行い、樹脂フィルムと接着層の
みを剥離して絶縁シート表面に配線回路層を転写させ
た。
【0080】その後、上記の工程を再度繰り返し行い、
コア基板の表面および裏面に、それぞれ2層の絶縁層と
導体配線層を有する表面多層配線層を形成した後、温度
240℃、圧力4MPa、1時間の条件で一括硬化し多
層配線基板を作製した。
【0081】作製した多層配線基板の評価としては、こ
の多層配線基板の内部にバイア導体が360個直列に連
結された部分に対して、240℃、2分のはんだディッ
プ試験を行い、その前後の電気抵抗を測定し、バイア導
体1穴あたり電気抵抗値の変化率を評価した。
【0082】(比較例)比較例として、表面多層配線層
を構成する絶縁シートを炭酸ガスレーザを用いて、先端
エネルギー3mJ、5ショット、92μsecの時間間
隔でバイアホールを形成した。この場合、バイアホール
の形成方法以外、導体ペースト、樹脂フィルムとその表
面に貼られた配線パターンおよびその作製法、転写法、
積層硬化条件は同じとした。
【0083】
【表1】
【0084】表1の結果から明らかなように、UV−Y
AGレーザを用いて表面多層配線層にバイアホールを形
成し、少なくともバイア導体のコア基板側における導体
配線層の表面粗さ(Rz)を絶縁層との接着部よりも小
さくした試料No.1〜7では、バイア導体1穴あたり
の電気抵抗の変化率が9.7%以下であった。特に、バ
イア導体の最大径の小さい側に当接する導体配線層の表
面粗さ(Rz)が0.9μm以下で、絶縁層接着部とこ
のバイア導体の最大径に当接する導体配線層の表面粗さ
(Rz)の差が2.1μm以上とした試料No.3、
5、6では、バイア導体1穴あたりの電気抵抗の変化率
が6.8%以下とさらに低くなり、バイア導体と導体配
線層との接続がさらに強固であった。
【0085】一方、CO2レーザを用いてバイアホール
を形成した試料No.8では、導体配線層の、バイア導
体との当接部の表面粗さと絶縁層との接着部の表面粗さ
とが同じとなり、この試料では、バイア導体1穴あたり
の電気抵抗の変化率が21.3%と大きかった。
【0086】
【発明の効果】以上詳述したように、表面多層配線層に
形成されたバイア導体のコア基板側における導体配線層
との当接部の表面粗さを、表面多層配線層を構成する絶
縁層との接着部の表面粗さよりも小さくすることによ
り、バイア導体と当接する部分の導体配線層の表面が平
滑となり、バイア導体を構成する金属成分と導体配線層
の金属箔との濡れ性が高まり接合面を大きくできること
から接合部を強固にでき、バイア導体の抵抗値とバラツ
キを小さくし接続信頼性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のコア基板表面に表面多層配線層を形成
した多層配線基板の一例を説明するための概略断面図で
ある。
【図2】表面多層配線層に形成されたバイア導体と導体
配線層との接合部の要部拡大図である。
【図3】本発明の多層配線基板の製造方法の一例を説明
するための工程図である。
【符号の説明】
A・・・・・・・・・・・・コア基板 B・・・・・・・・・・・・表面多層配線層 1a〜1e、3a〜3d・・絶縁層 5・・・・・・・・・・・・絶縁基板 7、11、27、45・・・導体配線層 8、13、25、47・・・バイア導体 15、23、43・・・・・バイアホール 17・・・・・・・・・・・当接部 19・・・・・・・・・・・接着部 21、41・・・・・・・・絶縁シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 3/00 H05K 3/00 N 3/38 3/38 B 3/40 3/40 K Fターム(参考) 5E317 AA24 BB12 CC25 CD05 CD27 CD32 GG03 GG14 5E343 AA02 BB12 BB24 BB71 BB72 DD02 EE41 EE43 GG01 GG04 5E346 AA06 AA12 AA15 AA22 AA32 AA35 AA43 AA51 BB16 CC02 CC31 CC33 DD02 DD12 EE06 EE07 EE09 EE18 EE19 EE31 EE38 FF05 FF08 FF18 GG15 GG19 GG27 GG28 HH07 HH11

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁基板の
    表面および/または内部に導体配線層が形成され、該導
    体配線層間を接続するために前記絶縁基板内部にバイア
    導体が形成されてなるコア基板と、該コア基板の表面
    に、絶縁層および導体配線層が積層されてなり、該導体
    配線層間を接続するために前記絶縁層にバイアホールを
    形成し、該バイアホール内に金属粉末を含む導体ペース
    トを充填してバイア導体が形成されてなる表面多層配線
    層と、を具備する多層配線基板において、 前記表面多層配線層に形成されたバイア導体のコア基板
    側にて当接する導体配線層の表面粗さ(Rz1)が、該
    導体配線層の、前記表面多層配線層を構成する絶縁層と
    の接着部の表面粗さ(Rz2)よりも小さいことを特徴
    とする多層配線基板。
  2. 【請求項2】表面多層配線層に形成されたバイア導体の
    コア基板側にて当接する導体配線層の表面粗さ(R
    1)と、該導体配線層の、前記表面多層配線層を構成
    する絶縁層との接着部の表面粗さ(Rz2)との差が
    0.5μm以上であることを特徴とする請求項1記載の
    多層配線基板。
  3. 【請求項3】表面多層配線層に形成されたバイア導体は
    両端におけるバイア径が異なり、コア基板側のバイア径
    が、該コア基板側と反対側のバイア径よりも小さいこと
    を特徴とする請求項1または2に記載の多層配線基板。
  4. 【請求項4】表面多層配線層に形成されたバイア導体の
    コア基板側にて当接する導体配線層の表面粗さ(R
    1)が0.5〜1.5μmであることを特徴とする請
    求項1乃至3のうちいずれか記載の多層配線基板。
  5. 【請求項5】表面多層配線層に形成されたバイア導体の
    最大径が75μm以下であることを特徴とする請求項1
    乃至4のうちいずれか記載の多層配線基板。
  6. 【請求項6】表面多層配線層に形成されたバイア導体
    が、錫、鉛、ビスマス、インジウムの少なくとも1種の
    金属、あるいはそれらの合金を含有することを特徴とす
    る請求項1乃至5のうちいずれか記載の多層配線基板。
  7. 【請求項7】(a)少なくとも熱硬化性樹脂を含む絶縁
    シートの、少なくとも表面に、上面が粗化された導体配
    線層を形成してなるコア基板を作製する工程と、(b)
    該コア基板の表面に半硬化状態の第1の絶縁シートを熱
    圧着する工程と、(c)前記第1の絶縁シートの所定箇
    所にレーザ光を照射してバイアホールを形成するととも
    に前記コア基板の表面に形成された導体配線層上面の凹
    凸面を平滑化する工程と、(d)(c)で形成したバイ
    アホールに金属粉末と有機成分を含む導体ペーストを充
    填してバイア導体を形成する工程と、(e)該バイア導
    体が形成された前記第1の絶縁シート上に上面側が粗化
    された第1の導体配線層を形成する工程と、(f)
    (b)〜(e)工程を繰り返して多層化する工程と、を
    具備することを特徴とする多層配線基板の製造方法。
  8. 【請求項8】前記第1の絶縁シートに形成されたバイア
    導体のコア基板側にて当接する導体配線層の表面粗さ
    (Rz1)と、該導体配線層の、前記表面多層配線層を
    構成する絶縁層との接着部の表面粗さ(Rz2)との差
    が0.5μm以上であることを特徴とする請求項7に記
    載の多層配線基板の製造方法。
  9. 【請求項9】前記第1の絶縁シートに形成されたバイア
    導体は両端におけるバイア径が異なり、コア基板側のバ
    イア径が、該コア基板側と反対側のバイア径よりも小さ
    いことを特徴とする請求項7または8に記載の多層配線
    基板の製造方法。
  10. 【請求項10】第1の絶縁シートに形成されたバイア導
    体のコア基板側にて当接する導体配線層の表面粗さ(R
    1)が0.5〜1.5μmであることを特徴とする請
    求項7乃至9のうちいずれか記載の多層配線基板の製造
    方法。
  11. 【請求項11】第1の絶縁シートに形成されたバイア導
    体の最大径が75μm以下であることを特徴とする請求
    項7乃至10のうちいずれか記載の多層配線基板の製造
    方法。
  12. 【請求項12】第1の絶縁シートに形成されたバイア導
    体が、錫、鉛、ビスマス、インジウムの少なくとも1種
    の金属、あるいはそれらの合金を含有することを特徴と
    する請求項7乃至11のうちいずれか記載の多層配線基
    板の製造方法。
  13. 【請求項13】レーザ光による加工出力が0.1〜2.
    0W、単位時間のパルス数が1〜50kHzであること
    を特徴とする請求項7乃至12のうちいずれか記載の多
    層配線基板の製造方法。
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