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JP2003086190A - 高分子電解質型燃料電池とその製造法 - Google Patents

高分子電解質型燃料電池とその製造法

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Publication number
JP2003086190A
JP2003086190A JP2001279925A JP2001279925A JP2003086190A JP 2003086190 A JP2003086190 A JP 2003086190A JP 2001279925 A JP2001279925 A JP 2001279925A JP 2001279925 A JP2001279925 A JP 2001279925A JP 2003086190 A JP2003086190 A JP 2003086190A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer electrolyte
catalyst
catalyst layer
hydrogen ion
conductive carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001279925A
Other languages
English (en)
Inventor
Makoto Uchida
誠 内田
Eiichi Yasumoto
栄一 安本
Junji Morita
純司 森田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2001279925A priority Critical patent/JP2003086190A/ja
Publication of JP2003086190A publication Critical patent/JP2003086190A/ja
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

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  • Inert Electrodes (AREA)
  • Fuel Cell (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒層の製造工程での分散性および塗工性の
改良により、高分子電解質型燃料電池、液体燃料電池の
高性能化が必要であった。 【解決手段】 凍結乾燥によって高分子電解質溶液に用
いた溶媒を完全に除去することによって高分子電解質を
触媒上に吸着させて、触媒と高分子電解質との接触面
積、すなわち反応面積を増大させ、さらに種々の最適な
溶媒に再分散し触媒層塗料を作製することによって、安
定で均一な触媒層の塗工を実現し、より高い性能を発揮
する高分子電解質型燃料電池の製造方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料として純水
素、メタノールもしくは化石燃料からの改質水素、また
はメタノール、エタノール、ジメチルエーテルなどの液
体燃料を用い、空気や酸素を酸化剤とする燃料電池に関
し、特に高分子を電解質に用いた燃料電池に関する。さ
らに詳しくは、電極を構成する触媒層の製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】高分子電解質型燃料電池の放電性能を左
右する最も重要な因子の1つは、高分子電解質膜と電極
との界面における、反応ガスの供給路となる細孔と含水
により水素イオン導電性を持った高分子電解質と電子導
電性の電極材料とが形成する三相界面の反応面積の広さ
である。これまでこの三相界面を増大させるために、電
極材料と高分子電解質とを混合分散させた層を、電解質
膜と多孔質電極の界面に付与する試みがなされてきた。
例えば、特公昭62−61118号公報、特公昭62−
61119号公報では、高分子電解質の分散液と触媒化
合物の混合物を高分子電解質膜上に塗着し、その電解質
膜と電極材料とをホットプレスにより接合した後、触媒
化合物を還元する方法が用いられていた。また、別の方
法として、高分子電解質の分散液と触媒化合物の混合物
を、その触媒化合物を還元した後、高分子電解質膜上に
塗着し、その電解質膜と電極材料とをホットプレスによ
り接合する方法が用いられていた。
【0003】特公平2−48632号公報は、多孔質電
極を成型し、その成型電極上にイオン交換膜樹脂の分散
液を散布し、この電極とイオン交換膜とをホットプレス
により接合する方法を開示している。特開平3−184
266号公報はナイロン12やスチレン系樹脂表面に高
分子電解質を被覆した粉末を、また特開平3−2951
72号公報は高分子電解質の粉末を電極中に混合する方
法をそれぞれ用いている。特開平5−36418号公報
は、高分子電解質、触媒、導電性炭素粒子およびフッ素
樹脂を混合し、成膜して電極とする方法を開示してい
る。
【0004】以上の先行技術においては、いずれも高分
子電解質の分散液にはアルコール類の溶媒を用いてい
る。米国特許5,211,984号明細書は、グリセリ
ンもしくはテトラブチルアンモニウム塩を溶媒として高
分子電解質と触媒と導電性炭素粒子のインク状分散液を
作成し、その分散液をポリテトラフルオロエチレン(以
下、PTFEという)製フィルム上に成型した後、その
成型物を高分子電解質膜表面に転写する方法、または高
分子電解質膜の交換基をNa型に置換した後に、その膜
の表面に上記インク状分散液を塗布し、125℃以上の
温度で加熱乾燥し、交換基を再度H型に置換する方法を
開示している。
【0005】高分子電解質型燃料電池の特徴である高出
力密度を実現するには、電極の触媒層に反応ガスの供給
路(ガスチャネル)を形成し、ガスの透過・拡散能を高
めることが重要である。そこで、フッ素樹脂などの撥水
材を電極触媒層に添加し、ガスチャネルを形成する試み
がなされてきた。例えば、特開平5−36418号公報
ではPTFE粉末と触媒を担持した導電性炭素粒子とを
高分子電解質分散液に分散・混練して触媒層を作製して
いる。また、特開平4−264367号公報では触媒を
担持した導電性炭素粒子とPTFEのコロイド液との混
合液を用いて電極を作製している。
【0006】さらに、PTFEにより撥水処理した導電
性炭素粒子と触媒を担持した導電性炭素粒子とを混合し
て、酸性電解液用のガス拡散電極を作製する方法が提案
されている(J.Electroanal.Chem.
197(1986)の195頁)。また、フッ素樹脂と
触媒粉末を混合する手法として特開平8−18586
5、8−185867、8−236123号公報に凍結
乾燥法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、高分子
電解質の分散液に、触媒を担持した導電性炭素粒子と、
フッ素樹脂等の撥水材、あるいは撥水処理された導電性
炭素粒子を同時に添加すると、撥水材や撥水処理された
導電性炭素粒子に高分子電解質が多く吸着し、その分だ
け高分子電解質と触媒との接触度合いが不十分で不均一
な状態となり、電極とイオン交換膜ないしは高分子電解
質膜との界面に十分な反応面積を確保できないという欠
点を有していた。
【0008】一方、米国特許5,211,984号明細
書では、上記のような撥水材を用いずに、高分子電解質
と触媒と導電性炭素粒子のみで電極の触媒層を作製して
いる。また、特開平9−199138号公報では、造孔
剤を昇華させることによってガスチャネルを確保する手
法や、電極成型時に溶媒を凍結乾燥によって昇華させて
造孔し、ガスチャネルを形成する手法を開示している。
【0009】しかし、触媒を担持した導電性炭素粒子と
高分子電解質のみで電極を作製すると、ガスチャネルが
生成水によって詰まるすなわちフラッディング状態とな
り、高電流密度での電池電圧が低る、もしくは不安定に
なるなどの欠点を有していた。
【0010】また、以上のいずれの先行技術において
も、高分子電解質の分散液には、揮発性の高いアルコー
ル類の溶媒を用いている。一般に、この高分子電解質の
分散液は非常に不安定で直ぐに樹脂分が凝集してしまう
ために、高分子電解質樹脂濃度は5〜20%であり、2
5%以上の樹脂濃度の安定な分散液とすることは困難で
あった。よって、これらの高分子電解質の分散液を用い
て触媒層塗料を作製した場合に、スクリーン印刷やグラ
ビア印刷用の固形分比が約30%の高粘度の塗料を作製
することが困難あった。また、揮発性が高いために塗料
の経時変化が激しく安定な塗工が困難であった。そこ
で、造粘剤の添加や、溶媒を置換する必要が生じてい
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】以上の課題を解決するた
め本発明の高分子電解質型燃料電池は、水素イオン伝導
性高分子電解質膜と、前記水素イオン伝導性高分子電解
質膜の裏表の両面に配置した一対の電極とで単電池を構
成し、前記電極の一方に燃料ガスを供給排出し、前記電
極の他方に酸化剤ガスを供給排出するためのガス供給溝
を形成した一対の導電性セパレータで、前記単電池を挟
持した燃料電池において、前記電極は前記水素イオン伝
導性高分子電解質膜と接触した触媒層と、前記触媒層及
び前記導電性セパレータに接触したガス拡散層とを有
し、前記触媒層の少なくとも一方は、貴金属触媒を担持
した導電性炭素粒子と水素イオン伝導性高分子電解質と
を有し、前記導電性炭素粒子は前記水素イオン伝導性高
分子電解質を凍結乾燥により吸着したことを特徴とす
る。
【0012】この製造方法は、(a)貴金属触媒を担持
した導電性炭素粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質
の分散液とを混合させた混合液を得る工程と、(b)前
記混合液を凍結乾燥し、前記水素イオン伝導性高分子電
解質を前記貴金属触媒を担持した前記導電性炭素粒子に
吸着させ、触媒粒子を得る工程と、(c)前記工程
(b)で得た触媒粒子を溶媒と混合して触媒層塗料を調
製する工程と、(d)前記行程(c)で得た触媒層塗料
を塗布して触媒層を形成する工程とを有することを特徴
とする。
【0013】また、(a)貴金属触媒を担持した導電性
炭素粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質の分散液と
を混合させた混合液を得る工程と、(b)前記混合液を
凍結乾燥し、前記水素イオン伝導性高分子電解質を前記
貴金属触媒を担持した前記導電性炭素粒子に吸着させ、
触媒粒子を得る工程と、(c)前記工程(b)で得た触
媒粒子を、溶媒と前記水素イオン伝導性高分子電解質の
分散液とを混合させた混合液と混合して触媒層塗料を調
製する工程と、(d)前記行程(c)で得た触媒層塗料
を塗布して触媒層を形成する工程とを有することを特徴
とする。
【0014】また、(a)貴金属触媒を担持した導電性
炭素粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質の分散液と
を混合させた混合液を得る工程と、(b)前記混合液を
凍結乾燥し、前記水素イオン伝導性高分子電解質を前記
貴金属触媒を担持した前記導電性炭素粒子に吸着させ、
触媒粒子を得る工程と、(c)前記工程(b)で得た触
媒粒子と、溶媒と、フッ素樹脂粉末とを混合して触媒層
塗料を調製する工程と、(d)前記行程(c)で得た触
媒層塗料を塗布して触媒層を形成する工程とを有するこ
とを特徴とする。
【0015】また、(a)貴金属触媒を担持した導電性
炭素粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質の分散液と
を混合させた混合液を得る工程と、(b)前記混合液を
凍結乾燥し、前記水素イオン伝導性高分子電解質を前記
貴金属触媒を担持した前記導電性炭素粒子に吸着させ、
触媒粒子を得る工程と、(c)フッ素樹脂と導電性炭素
粒子とを混合し、乾燥、粉砕することを撥水性を有する
導電性炭素粒子を得る工程、(d)前記行程(b)で得
られた触媒粒子と前記行程(c)で得られた撥水性を有
する導電性炭素粒子と溶媒とを混合して触媒層塗料を調
製する工程と、(e)前記行程(d)で得た触媒層塗料
を塗布して触媒層を形成する工程とを有することを特徴
とする。
【0016】
【発明の実施の形態】そこで、本発明は、高分子電解質
溶液に用いた溶媒を完全に除去することによって高分子
電解質を触媒上に吸着させて、触媒と高分子電解質との
接触面積、すなわち反応面積を増大させ、より高い性能
を発揮する高分子電解質型燃料電池の製造方法を提供す
ることを目的とする。
【0017】また本発明は、撥水性樹脂により触媒を過
多に被覆することなく触媒層中にガスチャネルを形成
し、電極のガス透過能を高め、高加湿、高電流密度域で
より高い性能を発揮する高分子電解質型燃料電池を提供
することを目的とする。
【0018】さらに本発明は、高分子電解質溶液に用い
た溶媒を一旦、完全に除去することによって触媒層粉末
の状態を作製し、その後、種々の最適な溶媒に再分散す
ることによって触媒層塗料を作製することによって、安
定で均一な触媒層の塗工を実現することを目的としてい
る。
【0019】図3に示した本発明の高分子電解質型燃料
電池の第1の製造法は、(a)貴金属触媒を担持した導
電性炭素粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質の分散
液とを混合させた混合液を得る工程と、(b)前記混合
液を凍結乾燥し、前記水素イオン伝導性高分子電解質を
前記貴金属触媒を担持した前記導電性炭素粒子に吸着さ
せ、触媒粒子を得る工程と、(c)前記工程(b)で得
た触媒粒子を溶媒と混合して触媒層塗料を調製する工程
と、(d)前記行程(c)で得た触媒層塗料を塗布して
触媒層を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0020】上記の工程をより具体的に説明する。工程
(a)は、貴金属触媒を担持した導電性炭素粒子と水素
イオン伝導性高分子電解質とを均一に混合する工程であ
る。この行程で、ストラクチャー構造を持ち、2次、3
次凝集している導電性炭素粒子を微粉化し、高分子電解
質と、導電性炭素粒子の一次粒子表面の貴金属触媒とを
接触させるべく、高分散に混合する。このためには、遊
星ボールミルやビーズミル、シェーカー、プラネタリー
ミキサーなどの剪断力、粉砕力のかかる分散機が好まし
い。また、必要に応じて分散剤、界面活性剤などを用い
る。
【0021】次に、工程(b)で凍結乾燥し、溶媒を除
去する。凍結乾燥とは、湿り原料を凍結し、真空下
(0.1〜3mmHg)で冷凍状態の溶媒を昇華させて乾燥
する方法で、冷凍乾燥とも言う。多孔性乾燥品が得ら
れ、低温での乾燥が可能なため、特に不安定な物質の乾
燥に適している。この乾燥装置は、原料容器、加熱源、
発生蒸気除去のためのコールドトラップ(-30〜-50
℃)、真空ポンプから構成される。氷結工程において溶
媒中に氷晶が発生し、この氷晶と導電性炭素粒子間、氷
晶間で高分子電解質粒子が圧縮される。氷晶の成長に伴
って、高分子電解質粒子間および導電性炭素粒子と高分
子電解質粒子間、貴金属触媒と高分子電解質粒子間の圧
着が起こる。この作用により、触媒層粉末の粒子内部に
おいて、触媒と高分子電解質粒子との吸着が密になる。
これと共に、高分子電解質粒子間の融着も進行して水素
イオンの伝達ネットワークが形成される。さらに、溶媒
が昇華除去されたあとに空隙が生成し、ガスチャネルが
形成される。また、高分子電解質粒子の融着によって高
分子電解質が溶媒に再溶解しにくくなる。このため、次
工程(c)において、高分子電解質の再溶解が起こりに
くくなり、触媒粒子と高分子電解質との接触面積の減少
を抑制することができる。
【0022】次に、工程(c)において、工程(b)で
作製した触媒層粉末を、種々の溶媒に分散することで触
媒層塗料を作製する。工程(b)では、高分子電解質溶
液に用いられた溶媒を除去するために、塗工方法に最適
な溶媒種と固形分比とを自由に選択することができる。
例えばスクリーン印刷では、円錐-平板回転粘度計(H
AAKE社製 RheoStress RS150)に
おいて、剪断速度10アークセック(1/s)のときの
粘度が約50ポイズ(p)必要とし、さらに印刷中の揮
発を避けるために、エチレングリコールなどの高沸点溶
媒を用い、固形分比約30%で用いることが望ましい。
【0023】従来のように、高分子電解質の溶液に用い
た溶媒を除去または置換せずに、塗料を作製した場合、
例えば、旭硝子社製の商品名"9%FSS溶液"を用いた
場合、溶媒がエタノールであるために揮発性が高く、塗
工中に揮発し固形分比が変化してしまうことがあった。
また、FSS溶液の高分子電解質濃度は9重量%と低
く、このため、導電性炭素粒子重量に対して高分子電解
質の重量比を0.8以上にすると、エタノールの重量が
過剰となり、固形分比30%以上の触媒層塗料を作製で
きなかった。さらに溶媒がエタノールであるため、空気
中でPt触媒と混合すると発火し、発火防止のために水
を添加する必要があった。したがって、従来の方法で
は、スクリーン印刷やグラビア印刷などの高粘度の溶媒
を必要とする印刷手法を用いることが困難であった。
【0024】本発明の高分子電解質型燃料電池の第2の
製造法は、 (a)貴金属触媒を担持した導電性炭素粒
子と、水素イオン伝導性高分子電解質の分散液とを混合
させた混合液を得る工程と、(b)前記混合液を凍結乾
燥し、前記水素イオン伝導性高分子電解質を前記貴金属
触媒を担持した前記導電性炭素粒子に吸着させ、触媒粒
子を得る工程と、(c)前記工程(b)で得た触媒粒子
を、溶媒と前記水素イオン伝導性高分子電解質の分散液
とを混合させた混合液と混合して触媒層塗料を調製する
工程と、(d)前記行程(c)で得た触媒層塗料を塗布
して触媒層を形成する工程とを有することを特徴とす
る。
【0025】上記の工程をより具体的に説明すると、第
1の製造法での(工程(c)に改良を加えた製法であ
り、工程(c)において、触媒層粉末に吸着させた高分
子電解質同士をつなげるため、さらに高分子電解質を添
加し、水素イオンの導電ネットワークを広げ、水素イオ
ンチャネルを発達させるための製造法である。新たに加
えた高分子電解質が、触媒粉末中の細孔に広がった高分
子電解質と接触し、別の触媒層粉末の高分子電解質とも
接触することによって、触媒層粉末同士の高分子電解質
のネットワークが広がり、触媒層の水素イオン導電性が
向上できる。
【0026】本発明の高分子電解質型燃料電池の第3の
製造法は、(a)貴金属触媒を担持した導電性炭素粒子
と、水素イオン伝導性高分子電解質の分散液とを混合さ
せた混合液を得る工程と、(b)前記混合液を凍結乾燥
し、前記水素イオン伝導性高分子電解質を前記貴金属触
媒を担持した前記導電性炭素粒子に吸着させ、触媒粒子
を得る工程と、(c)前記工程(b)で得た触媒粒子
と、溶媒と、フッ素樹脂粉末とを混合して触媒層塗料を
調製する工程と、(d)前記行程(c)で得た触媒層塗
料を塗布して触媒層を形成する工程とを有することを特
徴とする。
【0027】上記の工程をより具体的に説明すると、第
1の製造法での工程(c)に改良を加えた製法であり、
工程(c)において、フッ素樹脂の微粉末を加えたもの
であり、このフッ素樹脂微粉末を触媒層粉末と混合する
ことによって、触媒層に撥水性の細孔を形成することが
できる。第1の製法では、導電性炭素粒子があらかじめ
保有している細孔と、工程(b)において溶媒が除去さ
れたことによって形成された細孔によって、ガスチャネ
ルが形成されていた。これらのガスチャネルは特別な撥
水処理を施していないために、燃料電池に電池温度に近
い露点の反応ガスを供給した場合や高電流密度で作動さ
せた場合に、細孔内の露点が電池温度以上に上昇し、細
孔内で結露してガス供給を妨げるフラディング現象を起
こすことがあった。第3の製造法はこのフラディング現
象を起こさないよう改良したものであり、触媒層に撥水
性の細孔を形成して細孔での結露を防止し、触媒へのガ
ス供給能を向上できる。
【0028】本発明の高分子電解質型燃料電池の第4の
製造法は、(a)貴金属触媒を担持した導電性炭素粒子
と、水素イオン伝導性高分子電解質の分散液とを混合さ
せた混合液を得る工程と、(b)前記混合液を凍結乾燥
し、前記水素イオン伝導性高分子電解質を前記貴金属触
媒を担持した前記導電性炭素粒子に吸着させ、触媒粒子
を得る工程と、(c)フッ素樹脂と導電性炭素粒子とを
混合し、乾燥、粉砕することを撥水性を有する導電性炭
素粒子を得る工程、(d)前記行程(b)で得られた触
媒粒子と前記行程(c)で得られた撥水性を有する導電
性炭素粒子と溶媒とを混合して触媒層塗料を調製する工
程と、(e)前記行程(d)で得た触媒層塗料を塗布し
て触媒層を形成する工程とを有することを特徴とする。
【0029】上記の工程をより具体的に説明すると、第
3の製造法での工程(c)にさらに改良を加えた製法で
あり、工程(c)において、フッ素樹脂の微粉末を一
旦、炭素微粉末に担持して撥水性の導電性微粉末を作製
し、工程(d)で触媒層粉末に加えたものである。第3
の製法では、触媒層粉末に直接にフッ素樹脂微粉末を混
合するため、混合比率が高くなるとフッ素樹脂が絶縁性
であるために、触媒層粉末の導電性炭素粒子同士の接触
により形成されている導電性ネットワークが減少し、触
媒層の電子抵抗が増大することがあった。第4の製造法
は電子伝導性が低下しないように改良したものであり、
フッ素樹脂の微粉末を炭素微粉末に吸着させることによ
って、導電性を持つ撥水性微粉末として、第3の製法の
フラディング現象を抑制するための撥水性のガスチャネ
ル形成を触媒層の導電性を低下させることなく、形成す
ることができる。
【0030】その結果、図1に電極の断面を模式的に示
したように、電極の触媒層2において、触媒の微粒子3
と導電性炭素粒子4と高分子電解質5とを、ガス通路を
十分に確保した状態で相互に均一に密着した状態にする
ことが可能となる。
【0031】このような触媒層2の構成によって、水素
や液体燃料などの燃料ガスまたは、酸素などの酸化剤ガ
スの供給路となる導電性炭素粒子4の空孔が形成するガ
スチャネル7と、含水した高分子電解質5が形成する水
素イオンチャネル8と、導電性炭素粒子相互が接続して
形成する電子チャネル6の3つのチャネルが、同じ触媒
層内部に、極めて近接して効率よく形成される。図中1
はガス拡散層、9は燃料極、10は酸素極、11は高分
子電解質膜を表す。
【0032】従って、燃料極では、式(1)に示す反応
により、酸素極では、式(2)に示す反応により、水素
及び酸素ガスの供給と、水素イオン及び電子の伝達が同
時にかつスムーズに広範囲で行われるようになる。この
ため、反応速度及び反応面積が増大して、より高い放電
性能を発揮する高分子電解質型燃料電池を実現すること
が可能となる。
【0033】H2 → 2H+ + 2e- (1) 1/2O2 + 2H+ + 2e- → 2H2O (2) 本発明による高分子電解質型燃料電池の製造工程を説明
する。この触媒層を形成し、電極−電解質膜接合体を作
製するには、主として次の3つの方法がある。
【0034】その第1は、触媒層塗料をガス拡散層の一
方の面に塗布して触媒層をガス拡散層上に形成する。こ
うしてガス拡散層と触媒層からなる電極を作製し、この
電極を高分子電解質膜の少なくとも一方の面に加圧によ
り接合して一体化し、膜−電極接合体が構成される。
【0035】第2の方法では、前記触媒層塗料を高分子
電解質膜、例えば米国デュポン社製、商品名Nafio
n膜や、ゴアテックスジャパン社製、商品名ゴアセレク
ト膜の少なくとも一方の面に塗布して触媒層を形成す
る。こうして膜−触媒層接合体を作製し、この膜−触媒
層接合体をガス拡散層の一方の面に加圧により接合して
一体化する。この方法によると、高分子電解質膜と電極
中の高分子電解質の接合界面を一体化することによっ
て、反応ガスの供給と、水素イオン及び電子の伝達が同
時にかつスムーズに広範囲で行われるようになる。この
ため、反応速度及び反応面積が増大して、より高い放電
性能を発揮する高分子電解質型燃料電池を実現すること
が可能となる。
【0036】第3の方法では、前記触媒層塗料を転写フ
ィルム、例えばポリエチレンテレフタレートやポリプロ
ピレンのフィルムなどに塗布して触媒層を形成する。こ
の触媒層を高分子電解質膜の少なくとも一方の面に転写
して膜−触媒層接合体を形成し、この膜−触媒層接合体
をガス拡散層の一方の面に加圧により接合して一体化す
る。この方法では、触媒層塗料を転写フィルムに塗工す
るので、塗料中の溶媒の作用により、高分子電解質が膨
潤したり変形したりする塗工不良がなく、緻密・均一な
触媒層を効率よく成形することができる。
【0037】第4の製造法に用いる貴金属触媒を担持す
る第1の導電性炭素粒子と、フッ素樹脂微粉末を吸着さ
せる第2の炭素微粉末とは、比表面積に差を有すること
が好ましい。すなわち、第1の炭素微粉末は、貴金属触
媒を高分散に担持させるために高比表面積を必要とす
る。一方、第2の炭素微粉末は、撥水性を必要とする。
一般的に、表面官能基が少なく結晶性が高い方が濡れに
くい。従って、酸処理や賦活処理の施してない比較的比
表面積の小さい炭素微粉末が好ましい。具体例では、第
1の炭素微粉末として、200〜1500m2/gの比
表面積の大きい、ケッチェンブラックインターナショナ
ル社製ケッチェンブラックや独デグサ社製プリンテック
ス、米国キャボット社製バルカンなどの種々のファーネ
スブラックを用いることが望ましい。第2の炭素微粉末
として、50〜100m2/gの比表面積の小さい、電
気化学工業社製のアセチレンブラック、デンカブラック
を用いることが望ましい。
【0038】本発明の第1〜3の製造方法の工程
(c)、および第4の製造方法の工程(d)で用いる塗
工では、安定性がよい分散溶媒として、高沸点で水に対
しての溶解性をもち水洗除去できる、エチレングリコー
ル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ト
リプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレ
ングリコール、プロピレングリコールモノエチルエーテ
ル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、α−テ
ルピオネール、n−ブタノール、t−ブタノール、1−
プロパノールが好ましい。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0040】(実施例1)比表面積が800m2/g、
DBP吸油量が360ml/100gである第2の導電
性炭素粒子(ケッチェンブラックインターナショナル社
製ケッチェンブラックEC)に、空気極用の貴金属触媒
として白金触媒を50%の重量比で担持し、燃料極用の
触媒として白金30%とルテニウム24%の合金触媒を
担持させた。この触媒粉末を、高分子電解質のアルコー
ル分散液(旭硝子社製の商品名"9%FSS溶液")に、
触媒層中の導電性炭素粒子の重量に対して高分子電解質
の樹脂重量が重量比で1:1となるように混合して混合
液を得た。上記混合液をタイテック社製、凍結乾燥機
VD−800Fで、凍結温度−75℃、真空圧力1Pa
で凍結乾燥し、触媒層粉末を作製した。
【0041】次に、上記触媒層粉末に対して、溶媒とし
ての水とエチレングリコールとをそれぞれ約1.2倍の
重量比で混合し、固形分比30重量%なるように調製
し、特殊機化製分散混合機、ハイビスミックスで分散混
合して触媒層塗料を得た。次に、空気極用触媒層塗料を
高分子電解質膜(デュポン社製ナフィオン112膜)の
片面にニューロング精密工業製スクリーン印刷機でPt
触媒量が0.5mg/cm2となるように印刷した。
【0042】続いて、他方の電解質膜面にも同様に燃料
極用触媒層の印刷を行った後、触媒層を両面に印刷した
電解質膜を、2枚のガス拡散層カーボンペーパ(東レ製
カーボンペーパTGPH−060)で挟み、温度150
℃、圧力2MPaで加圧して三者を一体に接合し、膜−
電極接合体を得た。この膜−電極接合体を用いて電池A
を組み立てた。
【0043】(実施例2)空気極と燃料極それぞれに対
して、実施例1と同じ工法で作製した触媒層粉末に、溶
媒としての水とエチレングリコールと高分子電解質のア
ルコール分散液(旭硝子社製の商品名"9%FSS溶
液")を、それぞれ約1.0倍、約1.0倍、約0.4
倍の重量比で混合し、触媒層塗料を調製した。この触媒
層塗料を用いて実施例1と同様に膜−電極接合体を作製
し、この膜−電極接合体を用いて電池Bを組み立てた。
【0044】(実施例3)空気極と燃料極それぞれに対
して、実施例1と同じ工法で作製した触媒層粉末に、溶
媒としての水とエチレングリコールとダイキン製、PT
FEディスパージョン、商品名ルブロンLDW−40を
それぞれ約1.1倍、約1.1倍、約0.2倍の重量比
で混合し、触媒層塗料を調製した。この触媒層塗料を用
いて実施例1と同様に膜−電極接合体を作製し、この膜
−電極接合体を用いて電池Cを組み立てた。
【0045】(実施例4)空気極と燃料極それぞれに対
して、実施例1と同じ工法で触媒層粉末を作製した。別
途、電気化学工業製のアセチレンブラック、商品名デン
カブラックに、ダイキン製、PTFEディスパージョ
ン、商品名ルブロンLDW−40を乾燥重量として10
〜70重量%混合、乾燥後、300〜380℃で焼成し
て撥水性の導電性微粉末を得た。上記触媒層粉末に対し
て、この撥水性の導電性微粉末を5〜40%で混合した
のち、この混合粉末に対して溶媒としての水とエチレン
グリコールとをそれぞれ約1.2倍の重量比で混合し触
媒層塗料を得た。この触媒層塗料を用いて実施例1と同
様に膜−電極接合体を作製し、この膜−電極接合体を用
いて電池Dを組み立てた。
【0046】(比較例1)空気極と燃料極それぞれに対
して、実施例1と同じ工法で作製した触媒粉末と高分子
電解質の混合溶液を、ポリプロピレンからなる転写フィ
ルムの表面に塗布して触媒層を形成した。この触媒層を
高分子電解質膜(デュポン社製ナフィオン112膜)の
両面にそれぞれ温度130℃、圧力5MPaで転写して
膜−触媒層接合体を形成した。この膜−触媒層接合体の
触媒層にそれぞれガス拡散層カーボンペーパ(東レ製カ
ーボンペーパTGPH−060)を加圧により一体に接
合した。こうして膜−電極接合体を形成し、電池Xを組
み立てた。
【0047】以上の実施例1〜4の電池A〜D、および
比較例の電池Xについて、電流−電圧特性を評価した。
各電池は、図2に示すように、高分子電解質膜11、そ
の一方の面に接合された燃料極9、および電解質膜11
の他方の面に接合された空気極10で、膜−電極接合体
を構成し、燃料極には70℃の温度で加湿した水素ガス
を、酸化剤極には65℃の温度で加湿した空気をそれぞ
れ供給した。
【0048】図4に、各電池の電流−電圧特性をそれぞ
れ示した。本発明による電池A〜Dは、電流密度700
mA/cm2において、それぞれ電池電圧0.621
V、0.661V、0.652V、0.679Vを示し
た。一方、比較例の電池Xは、電流密度700mA/c
2において、それぞれ電池電圧0.491Vを示し
た。
【0049】上記各電池の分極試験の結果より、本発明
による電池は、いずれも比較例の電池よりも高い特性を
示すことがわかった。これは、凍結乾燥法により、高分
子電解質の分布が改善され、反応面積が増大して特性が
向上したためと考える。また、本発明の実施例の電池A
の特性と比較して、電池Bは、高分子電解質を2段階に
添加することによって水素イオンネットワークの働きが
良好となるとともに反応面積が拡大し、全電流密度領域
にわたって電圧が向上した。また、電池Cでは、フッ素
樹脂の添加によりガスチャネルが有効に働き、高電流密
度領域での電圧が向上した。さらに、電池Dでは、撥水
性の導電性粒子を添加したために電子伝導向上の効果が
あり、高電流密度領域での特性向上に加えて全電流密度
領域での特性向上が図られた。
【0050】図5に、各電池の燃料極に液体燃料の代表
例として、2mol/lのメタノール水溶液を温度60
℃で供給した場合の、直接型メタノール燃料電池として
の電圧−電流特性を示した。本発明による電池A〜D
は、電流密度500mA/cm 2において、それぞれ電
池電圧0.357V、0.422V、0.461V、
0.483Vを示した。一方、比較例の電池X、電流密
度500mA/cm2において、それぞれ電池電圧0.
080Vを示した。
【0051】上記各電池の分極試験の結果より、本発明
による電池は、いずれも直接型メタノール燃料電池とし
ても、比較例電池Xよりも高い特性を示すことがわかっ
た。これは、水素―空気燃料電池での効果と同様に、凍
結乾燥法により、高分子電解質の分布が改善され、反応
面積が増大して特性が向上したと考えられる。また、本
発明の実施例の内、電池Aの特性と比較して、電池B
は、高分子電解質を2段階に添加することによって水素
イオンネットワークの働きが良好となるとともに反応面
積が拡大し、全電流密度領域にわたって電圧が向上し
た。また、電池Cでは、フッ素樹脂の添加によりガスチ
ャネルが有効に働き、高電流密度領域での電圧が向上し
た。さらに、電池Dでは、撥水性の導電性粒子を添加し
たために電子伝導向上の効果があり、高電流密度領域で
の特性向上に加えて全電流密度領域での特性向上が図ら
れた。
【0052】本発明の高分子電解質と電極との接合体
は、酸素、オゾン、水素などのガス発生機やガス精製機
及び酸素センサ、アルコールセンサなどの各種ガスセン
サーへの応用することもできる。
【0053】上記の実施例では、高分子電解質の添加量
は、両極とも見かけ電極面積当たり1.0mg/cm2
としたが、0.1〜3.0mg/cm2の範囲では同等
の特性が得られた。また、白金の添加量は、同じく電極
面積当たりの重量で0.3〜0.6mg/cm2とし
た。また、本発明の実施例1〜4で用いた沸点197℃
のエチレングリコールに替えて沸点144℃のエチレン
グリコールモノイソプロピルエーテル、243℃のトリ
プロピレングリコールモノメチルエーテル、187.4
℃のプロピレングリコール、132.8℃プロピレング
リコールモノエチルエーテル、170.1℃のプロピレ
ングリコールモノブチルエーテル、219℃のα−テル
ピオネール、117.7℃のn−ブタノール、82.5
℃のt−ブタノール、97.2℃の1−プロパノールを
もちいても同様な結果が得れた。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、燃料もし
くは酸化剤ガスの供給路となる導電性炭素粒子の空孔が
形成するガスチャネルと、含水した高分子電解質が形成
する水素イオンチャネルと、導電性炭素粒子相互が接続
して形成する電子チャネルの、3つのチャネルが電極の
触媒層内部の極近傍に形成され、反応面積が増大する。
したがって、水素及び酸素ガスの供給と、水素イオン及
び電子の伝達がスムーズかつ広範囲に行われ、より高い
放電性能を発揮する高分子電解質型燃料電池を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の燃料電池の構成要素である膜
−電極接合体の断面を示す模式図
【図2】本発明の実施例の燃料電池の単セルの概略断面
【図3】本発明の実施例の高分子電解質型燃料電池の製
造工程を示すブロック図
【図4】水素ガスを燃料に用いた場合の実施例と比較例
の燃料電池の特性を示す図
【図5】メタノール水溶液を燃料に用いた場合の実施例
と比較例の燃料電池の電流特性を示す図
【符号の説明】
1 ガス拡散層 2 触媒層 3 触媒微粒子 4 導電性炭素粒子 5 高分子電解質 6 電子チャネル 7 ガスチャネル 8 水素イオンチャネル 9 燃料極 10 酸素極 11 高分子電解質膜 12 負荷
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 純司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5H018 AA06 AS01 BB06 BB08 BB11 BB12 EE03 EE05 EE17 EE18 5H026 AA06 BB03 BB04 BB06 BB08 CC03 CX05 EE02 EE05 EE18 EE19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素イオン伝導性高分子電解質膜と、前
    記水素イオン伝導性高分子電解質膜の裏表の両面に配置
    した一対の電極とで単電池を構成し、前記電極の一方に
    燃料ガスを供給排出し、前記電極の他方に酸化剤ガスを
    供給排出するためのガス供給溝を形成した一対の導電性
    セパレータで、前記単電池を挟持した燃料電池におい
    て、前記電極は前記水素イオン伝導性高分子電解質膜と
    接触した触媒層と、前記触媒層及び前記導電性セパレー
    タに接触したガス拡散層とを有し、前記触媒層の少なく
    とも一方は、貴金属触媒を担持した導電性炭素粒子と水
    素イオン伝導性高分子電解質とを有し、前記導電性炭素
    粒子は前記水素イオン伝導性高分子電解質を凍結乾燥に
    より吸着したことを特徴とする高分子電解質型燃料電
    池。
  2. 【請求項2】 (a)貴金属触媒を担持した導電性炭素
    粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質の分散液とを混
    合させた混合液を得る工程と、(b)前記混合液を凍結
    乾燥し、前記水素イオン伝導性高分子電解質を前記貴金
    属触媒を担持した前記導電性炭素粒子に吸着させ、触媒
    粒子を得る工程と、(c)前記工程(b)で得た触媒粒
    子を溶媒と混合して触媒層塗料を調製する工程と、
    (d)前記行程(c)で得た触媒層塗料を塗布して触媒
    層を形成する工程とを有することを特徴とする請求項1
    記載の高分子電解質型燃料電池の製造法。
  3. 【請求項3】 (a)貴金属触媒を担持した導電性炭素
    粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質の分散液とを混
    合させた混合液を得る工程と、(b)前記混合液を凍結
    乾燥し、前記水素イオン伝導性高分子電解質を前記貴金
    属触媒を担持した前記導電性炭素粒子に吸着させ、触媒
    粒子を得る工程と、(c)前記工程(b)で得た触媒粒
    子を、溶媒と前記水素イオン伝導性高分子電解質の分散
    液とを混合させた混合液と混合して触媒層塗料を調製す
    る工程と、(d)前記行程(c)で得た触媒層塗料を塗
    布して触媒層を形成する工程とを有することを特徴とす
    る請求項1記載の高分子電解質型燃料電池の製造法。
  4. 【請求項4】 (a)貴金属触媒を担持した導電性炭素
    粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質の分散液とを混
    合させた混合液を得る工程と、(b)前記混合液を凍結
    乾燥し、前記水素イオン伝導性高分子電解質を前記貴金
    属触媒を担持した前記導電性炭素粒子に吸着させ、触媒
    粒子を得る工程と、(c)前記工程(b)で得た触媒粒
    子と、溶媒と、フッ素樹脂粉末とを混合して触媒層塗料
    を調製する工程と、(d)前記行程(c)で得た触媒層
    塗料を塗布して触媒層を形成する工程とを有することを
    特徴とする請求項1記載の高分子電解質型燃料電池の製
    造法。
  5. 【請求項5】 (a)貴金属触媒を担持した導電性炭素
    粒子と、水素イオン伝導性高分子電解質の分散液とを混
    合させた混合液を得る工程と、(b)前記混合液を凍結
    乾燥し、前記水素イオン伝導性高分子電解質を前記貴金
    属触媒を担持した前記導電性炭素粒子に吸着させ、触媒
    粒子を得る工程と、(c)フッ素樹脂と導電性炭素粒子
    とを混合し、乾燥、粉砕することを撥水性を有する導電
    性炭素粒子を得る工程、(d)前記行程(b)で得られ
    た触媒粒子と前記行程(c)で得られた撥水性を有する
    導電性炭素粒子と溶媒とを混合して触媒層塗料を調製す
    る工程と、(e)前記行程(d)で得た触媒層塗料を塗
    布して触媒層を形成する工程とを有することを特徴とす
    る請求項1記載の高分子電解質型燃料電池の製造法。
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