JP2003075444A - 測定対象物の測定用チップ,測定対象物の測定装置及び測定対象物の測定方法 - Google Patents
測定対象物の測定用チップ,測定対象物の測定装置及び測定対象物の測定方法Info
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- JP2003075444A JP2003075444A JP2001264615A JP2001264615A JP2003075444A JP 2003075444 A JP2003075444 A JP 2003075444A JP 2001264615 A JP2001264615 A JP 2001264615A JP 2001264615 A JP2001264615 A JP 2001264615A JP 2003075444 A JP2003075444 A JP 2003075444A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 測定対象物の測定用チップ,測定対象物の測
定装置及び測定対象物の測定方法において、製作を簡便
化でき、測定を効率的且つ精度良く行なえ、さらに汎用
性を拡大できるようにする。 【解決手段】 検体10中の測定対象物を測定するため
の測定用チップ1であって、チップ基板2と、チップ基
板2上に設けられ検体10を流通させる溝状の第1流路
5Aと、チップ基板2上に設けられ該測定対象物に特異
的に結合する特異的結合物質を有する標識物質12を流
通させる溝状の第2流路5Bと、チップ基板2上に設け
られ、該測定対象物に特異的に結合する連結物質13を
流通させる溝状の第3流路5Cと、流路5A,5B,5
Cが集合してチップ基板2上に形成される溝状の反応流
路5Dと、反応流路5Dに設けられ連結物質13と特異
的に結合する固定化物質13Cが固定された反応部位5
Eとをそなえて構成される。
定装置及び測定対象物の測定方法において、製作を簡便
化でき、測定を効率的且つ精度良く行なえ、さらに汎用
性を拡大できるようにする。 【解決手段】 検体10中の測定対象物を測定するため
の測定用チップ1であって、チップ基板2と、チップ基
板2上に設けられ検体10を流通させる溝状の第1流路
5Aと、チップ基板2上に設けられ該測定対象物に特異
的に結合する特異的結合物質を有する標識物質12を流
通させる溝状の第2流路5Bと、チップ基板2上に設け
られ、該測定対象物に特異的に結合する連結物質13を
流通させる溝状の第3流路5Cと、流路5A,5B,5
Cが集合してチップ基板2上に形成される溝状の反応流
路5Dと、反応流路5Dに設けられ連結物質13と特異
的に結合する固定化物質13Cが固定された反応部位5
Eとをそなえて構成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗原抗体反応のよ
うな特異的な反応を利用して検体中の測定対象物の量を
測定するための、測定対象物の測定用チップ,測定対象
物の測定装置及び測定対象物の測定方法並びに連結物質
及び標識物質に関する。
うな特異的な反応を利用して検体中の測定対象物の量を
測定するための、測定対象物の測定用チップ,測定対象
物の測定装置及び測定対象物の測定方法並びに連結物質
及び標識物質に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、抗体−抗原反応を利用した免
疫測定のように、検体中の測定対象物を測定するための
技術が開発されている。このような技術としては、例え
ば、イムノクロマトグラフ法がある。イムノクロマトグ
ラフの基本原理は次の通りである。すなわち、クロマト
グラフ媒体(例えばニトロセルロース膜等の多孔質膜)
において、マーカにより標識された物質(標識物質)が
固定された第1部位と、測定対象物に特異的に結合する
特異的結合物質が固定化された第2部位とを形成し、測
定対象物を有する液体試料を、第1部位に供給して、測
定対象物と標識物質とを反応させる。そして、この反応
により生じた測定対象物と標識物質との複合物を、毛細
管現象を利用して第2部位に移動させて、この第2部位
に、特異的結合物質−測定対象物−標識物質の複合体を
形成させ、固定化された標識物質による発色に基づいて
測定対象物量を測定するのである。
疫測定のように、検体中の測定対象物を測定するための
技術が開発されている。このような技術としては、例え
ば、イムノクロマトグラフ法がある。イムノクロマトグ
ラフの基本原理は次の通りである。すなわち、クロマト
グラフ媒体(例えばニトロセルロース膜等の多孔質膜)
において、マーカにより標識された物質(標識物質)が
固定された第1部位と、測定対象物に特異的に結合する
特異的結合物質が固定化された第2部位とを形成し、測
定対象物を有する液体試料を、第1部位に供給して、測
定対象物と標識物質とを反応させる。そして、この反応
により生じた測定対象物と標識物質との複合物を、毛細
管現象を利用して第2部位に移動させて、この第2部位
に、特異的結合物質−測定対象物−標識物質の複合体を
形成させ、固定化された標識物質による発色に基づいて
測定対象物量を測定するのである。
【0003】このようなイムノクロマトグラフの原理を
応用した技術の一例としては、特開平5−133956
号公報に開示された技術(従来技術1)や特開平9−1
84840号公報に開示された技術(従来技術2)があ
る。従来技術1では、移動層を構成するクロマトグラフ
媒体上における標識粒子の展開移動を、酸素原子含有極
性基を有するビニル系水溶性ポリマの存在下において行
なわせるようにしている。これにより、標識粒子を確実
に且つ速やかに展開移動させることができ、さらに、検
出試薬による標識粒子の感作による効果が長期間持続し
て標識粒子と測定対象物との反応が確実に生じるように
なるので、試料中の測定対象物の濃度が低い場合でも短
時間内に且つ確実に測定対象物を検出できる。
応用した技術の一例としては、特開平5−133956
号公報に開示された技術(従来技術1)や特開平9−1
84840号公報に開示された技術(従来技術2)があ
る。従来技術1では、移動層を構成するクロマトグラフ
媒体上における標識粒子の展開移動を、酸素原子含有極
性基を有するビニル系水溶性ポリマの存在下において行
なわせるようにしている。これにより、標識粒子を確実
に且つ速やかに展開移動させることができ、さらに、検
出試薬による標識粒子の感作による効果が長期間持続し
て標識粒子と測定対象物との反応が確実に生じるように
なるので、試料中の測定対象物の濃度が低い場合でも短
時間内に且つ確実に測定対象物を検出できる。
【0004】また、従来技術2では、標識物質と特異的
結合物質とを第1部分の液層中で反応させて複合体を液
層中で形成させ、この複合体を毛細管現象により第2部
分に運ばせて判定部で捕捉させ、判定部における標識物
質に由来する発色の程度に基づいて測定対象物量を測定
するようになっており、このように標識物質と特異的結
合物質とを液層中で反応させることにより、かかる反応
に要する時間を短縮できるようにしている。
結合物質とを第1部分の液層中で反応させて複合体を液
層中で形成させ、この複合体を毛細管現象により第2部
分に運ばせて判定部で捕捉させ、判定部における標識物
質に由来する発色の程度に基づいて測定対象物量を測定
するようになっており、このように標識物質と特異的結
合物質とを液層中で反応させることにより、かかる反応
に要する時間を短縮できるようにしている。
【0005】さて、上記のように毛細管現象を利用して
測定対象物を流通させるイムノクロマトグラフ法に対
し、圧力制御や電気浸透力によって測定対象物の流通を
制御しつつ測定を行ないうる測定方法として、内壁に特
異的結合物質が固定されたキャピラリ内に検体を流通さ
せる技術がある。かかる技術としては、例えば、特開昭
60−133368号公報に開示された技術(従来技術
3)や、Biosensors & Bioelectronics 13 (1998) 825-
830(A multi-band capillary immunosensor, K.Misiak
os, S.E. Kakabakos)に開示された技術(従来技術4)
がある。
測定対象物を流通させるイムノクロマトグラフ法に対
し、圧力制御や電気浸透力によって測定対象物の流通を
制御しつつ測定を行ないうる測定方法として、内壁に特
異的結合物質が固定されたキャピラリ内に検体を流通さ
せる技術がある。かかる技術としては、例えば、特開昭
60−133368号公報に開示された技術(従来技術
3)や、Biosensors & Bioelectronics 13 (1998) 825-
830(A multi-band capillary immunosensor, K.Misiak
os, S.E. Kakabakos)に開示された技術(従来技術4)
がある。
【0006】従来技術3では、標識物質を捕捉する標識
物捕捉物質を固定した不溶性担体及び標識免疫反応試薬
を保持させた不溶性担体をキャピラリ内に充填し、この
キャピラリ内に検体を吸入して免疫反応を行なわせ、反
応生成物又は標識免疫反応試薬を標識物捕捉物質と結合
させて不動化し、不動化された標識物質を介して検体に
含まれる測定対象物の量を測定するようになっている。
物捕捉物質を固定した不溶性担体及び標識免疫反応試薬
を保持させた不溶性担体をキャピラリ内に充填し、この
キャピラリ内に検体を吸入して免疫反応を行なわせ、反
応生成物又は標識免疫反応試薬を標識物捕捉物質と結合
させて不動化し、不動化された標識物質を介して検体に
含まれる測定対象物の量を測定するようになっている。
【0007】従来技術4では、特異的結合物質がコーテ
ィングされたキャピラリ内に、蛍光標識された測定対象
物を含む検体を充填し、特異的結合物質と測定対象物と
を反応させた後、未反応物質を洗い流し、このキャピラ
リに特定の波長の光線をキャピラリの軸方向に対して略
垂直に照射し、キャピラリの端部から測定される蛍光量
により、検体中の測定対象物量を測定するようになって
いる。
ィングされたキャピラリ内に、蛍光標識された測定対象
物を含む検体を充填し、特異的結合物質と測定対象物と
を反応させた後、未反応物質を洗い流し、このキャピラ
リに特定の波長の光線をキャピラリの軸方向に対して略
垂直に照射し、キャピラリの端部から測定される蛍光量
により、検体中の測定対象物量を測定するようになって
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来技術1,2のようなイムノクロマトグラフ法で
は、検体の流通を毛細管現象を利用して行なわせている
ため、検体の流速を、検体中の測定対象物,標識物質及
び特定結合物質における反応に適した所定の流速に制御
できないという課題がある。さらに、測定対象物の展開
の場となるクロマトグラフ媒体は一般的に多孔質膜によ
り構成されることが多く、多孔質膜は、透明性が低く、
また、分光分析における光の散乱が大きいため、特異的
対象物と測定対象物との反応物量を正確に測定するのが
困難であるという課題がある。
た従来技術1,2のようなイムノクロマトグラフ法で
は、検体の流通を毛細管現象を利用して行なわせている
ため、検体の流速を、検体中の測定対象物,標識物質及
び特定結合物質における反応に適した所定の流速に制御
できないという課題がある。さらに、測定対象物の展開
の場となるクロマトグラフ媒体は一般的に多孔質膜によ
り構成されることが多く、多孔質膜は、透明性が低く、
また、分光分析における光の散乱が大きいため、特異的
対象物と測定対象物との反応物量を正確に測定するのが
困難であるという課題がある。
【0009】また、上述した従来技術3,4のようにキ
ャピラリ内に検体を流通させる技術では、キャピラリの
横断面は閉断面であるため、キャピラリ内の所定の箇所
に限定して、標識物質や特異的結合物質を固定化するこ
とは困難であり、同様に、分析系に適した表面処理をキ
ャピラリ内壁に施工するのが困難であるため、製作に手
間が掛かってしまうという課題がある。また、閉空間で
あるキャピラリ内に特異的結合物質を固定化する方法と
しては、例えば光反応を利用したものがあり、この方法
では、キャピラリ内に特定の光を照射して特異的結合物
質を固定化するようになっている。しかしながら、この
方法では、キャピラリの外壁をなすチップ基板が透過性
のものに限定されてしまうという課題がある。
ャピラリ内に検体を流通させる技術では、キャピラリの
横断面は閉断面であるため、キャピラリ内の所定の箇所
に限定して、標識物質や特異的結合物質を固定化するこ
とは困難であり、同様に、分析系に適した表面処理をキ
ャピラリ内壁に施工するのが困難であるため、製作に手
間が掛かってしまうという課題がある。また、閉空間で
あるキャピラリ内に特異的結合物質を固定化する方法と
しては、例えば光反応を利用したものがあり、この方法
では、キャピラリ内に特定の光を照射して特異的結合物
質を固定化するようになっている。しかしながら、この
方法では、キャピラリの外壁をなすチップ基板が透過性
のものに限定されてしまうという課題がある。
【0010】また、PCT−WO93/24231号公
報には、チップ基板上に検体を流通させるための溝部
(バリア部)を設け、この溝部において特異結合物質及
び標識物質を所定位置に固定化した後、チップ基板上に
蓋部を積載して溝部を閉断面の横断面を有するキャピラ
リとして構成する技術が開示されている。この技術で
は、溝部の形状(深さや幅長や経路等)を詳細に設定す
ることにより、検体中の測定対象物,特異結合物質及び
標識物質間における反応に対して溝部内の検体の流速を
最適化するようにしている。また、溝部に蓋部を積載し
てキャピラリを構成する前に、特異結合物質及び標識物
質を開放状態の溝部に固定するので、製作を容易に行な
える。
報には、チップ基板上に検体を流通させるための溝部
(バリア部)を設け、この溝部において特異結合物質及
び標識物質を所定位置に固定化した後、チップ基板上に
蓋部を積載して溝部を閉断面の横断面を有するキャピラ
リとして構成する技術が開示されている。この技術で
は、溝部の形状(深さや幅長や経路等)を詳細に設定す
ることにより、検体中の測定対象物,特異結合物質及び
標識物質間における反応に対して溝部内の検体の流速を
最適化するようにしている。また、溝部に蓋部を積載し
てキャピラリを構成する前に、特異結合物質及び標識物
質を開放状態の溝部に固定するので、製作を容易に行な
える。
【0011】しかしながら、この技術では、検体中の測
定対象物の種類に応じて(即ち、測定対象物の種類毎
に)、検体の流速が最適な物となるように溝部の形状を
設定/製作する必要があるため、汎用性が極めて低いと
いう課題がある。また、この他、公知の技術として、チ
ップ基板に設けられた一本の溝に、特異的結合物質を固
定化した反応部が形成された測定用チップがある。この
技術では、この溝に、先ず、検体を流して、反応部にお
いて検体中の測定対象物と特異的結合物質との複合体を
生成させ(第1のステップ)、その後、溝に標識物質を
流通させて、反応部において測定対象物−特異的結合物
質−標識物質の複合体を生成させ(第2のステップ)、
反応部に結合した標識物質量を測定して測定対象物量を
測定する技術がある。しかしながら、この技術では、先
ず検体を流通させた後、標識物質を流通させるので、操
作ステップとして2ステップ必要となり、作業効率が悪
いという課題がある。
定対象物の種類に応じて(即ち、測定対象物の種類毎
に)、検体の流速が最適な物となるように溝部の形状を
設定/製作する必要があるため、汎用性が極めて低いと
いう課題がある。また、この他、公知の技術として、チ
ップ基板に設けられた一本の溝に、特異的結合物質を固
定化した反応部が形成された測定用チップがある。この
技術では、この溝に、先ず、検体を流して、反応部にお
いて検体中の測定対象物と特異的結合物質との複合体を
生成させ(第1のステップ)、その後、溝に標識物質を
流通させて、反応部において測定対象物−特異的結合物
質−標識物質の複合体を生成させ(第2のステップ)、
反応部に結合した標識物質量を測定して測定対象物量を
測定する技術がある。しかしながら、この技術では、先
ず検体を流通させた後、標識物質を流通させるので、操
作ステップとして2ステップ必要となり、作業効率が悪
いという課題がある。
【0012】また、一般的に、液相と固相との反応の速
度は、液相と液相との反応の速度に比べて極端に遅い。
上記技術では、第1のステップでは、反応部に固定され
た特異的結合物質(固相)と検体(液層)とが反応し、
また、第2のステップでは、反応部に固定された特異的
結合物質及び検体中の測定対象物の複合体(固相)と、
標識物質(液層)とが反応する。つまり、液相と固相と
の反応が2回必要になるため、測定に要する反応時間が
長く、効率が悪いという課題がある。
度は、液相と液相との反応の速度に比べて極端に遅い。
上記技術では、第1のステップでは、反応部に固定され
た特異的結合物質(固相)と検体(液層)とが反応し、
また、第2のステップでは、反応部に固定された特異的
結合物質及び検体中の測定対象物の複合体(固相)と、
標識物質(液層)とが反応する。つまり、液相と固相と
の反応が2回必要になるため、測定に要する反応時間が
長く、効率が悪いという課題がある。
【0013】さらに、一つの溝を、検体の流路及び標識
物質の流路として兼用するため、流路内における検体の
流速と標識物質の流速とを最適なものに両立するのが困
難であり、測定効率が低くなってしまう場合もある。ま
た、上記従来技術では、何れも、測定対象物の種類に応
じて特異的結合物質を選択し、この特異的結合物質を、
クロマトグラフ媒体やチップ基板等に固定化させる必要
がある。このため、このような測定用の媒体を測定対象
物の種類毎に個別に製造しなければならず、この点でも
汎用性が低いという課題がある。
物質の流路として兼用するため、流路内における検体の
流速と標識物質の流速とを最適なものに両立するのが困
難であり、測定効率が低くなってしまう場合もある。ま
た、上記従来技術では、何れも、測定対象物の種類に応
じて特異的結合物質を選択し、この特異的結合物質を、
クロマトグラフ媒体やチップ基板等に固定化させる必要
がある。このため、このような測定用の媒体を測定対象
物の種類毎に個別に製造しなければならず、この点でも
汎用性が低いという課題がある。
【0014】本発明は、このような課題に鑑み創案され
たもので、測定用チップの製作を簡便化でき、測定を効
率的且つ精度良く行なえ、さらに汎用性を拡大できるよ
うにした、測定対象物の測定用チップ,測定対象物の測
定装置及び測定対象物の測定方法並びに連結物質及び標
識物質を提供することを目的とする。
たもので、測定用チップの製作を簡便化でき、測定を効
率的且つ精度良く行なえ、さらに汎用性を拡大できるよ
うにした、測定対象物の測定用チップ,測定対象物の測
定装置及び測定対象物の測定方法並びに連結物質及び標
識物質を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】このため、請求項1記載
の本発明の測定対象物の測定用チップは、検体中の測定
対象物を測定するための測定用チップであって、チップ
基板と、該チップ基板上に設けられ該検体を流通させる
溝状の第1流路と、該チップ基板上に設けられ該測定対
象物に特異的に結合する特異的結合物質を有する標識物
質を流通させる溝状の第2流路と、該チップ基板上に設
けられ、該測定対象物に特異的に結合する連結物質を流
通させる溝状の第3流路と、該第1流路,該第2流路及
び該第3流路が集合して該チップ基板上に形成される溝
状の反応流路と、該反応流路に設けられ該連結物質と特
異的に結合する固定化物質が固定された反応部位とをそ
なえて構成されていることを特徴としている。
の本発明の測定対象物の測定用チップは、検体中の測定
対象物を測定するための測定用チップであって、チップ
基板と、該チップ基板上に設けられ該検体を流通させる
溝状の第1流路と、該チップ基板上に設けられ該測定対
象物に特異的に結合する特異的結合物質を有する標識物
質を流通させる溝状の第2流路と、該チップ基板上に設
けられ、該測定対象物に特異的に結合する連結物質を流
通させる溝状の第3流路と、該第1流路,該第2流路及
び該第3流路が集合して該チップ基板上に形成される溝
状の反応流路と、該反応流路に設けられ該連結物質と特
異的に結合する固定化物質が固定された反応部位とをそ
なえて構成されていることを特徴としている。
【0016】請求項2記載の本発明の測定対象物の測定
用チップは、検体中の測定対象物を測定するための測定
用チップであって、チップ基板と、該チップ基板を被覆
する被覆部材と、該チップ基板と該被覆部材との間に形
成され、該検体を流通させる第1流路と、該チップ基板
と該被覆部材との間に形成され該測定対象物に特異的に
結合する特異的結合物質を有する標識物質を流通させる
第2流路と、該チップ基板と該被覆部材との間に形成さ
れ、該測定対象物に特異的に結合する連結物質を流通さ
せる溝状の第3流路と、該チップ基板と該被覆部材との
間に形成され、該第1流路,該第2流路及び該第3流路
が集合して形成される反応流路と、該反応流路に面して
該チップ基板及び該被覆部材の少なくとも一方に設けら
れ、該連結物質と特異的に結合する固定化物質が固定さ
れた反応部位とをそなえて構成されていることを特徴と
している。
用チップは、検体中の測定対象物を測定するための測定
用チップであって、チップ基板と、該チップ基板を被覆
する被覆部材と、該チップ基板と該被覆部材との間に形
成され、該検体を流通させる第1流路と、該チップ基板
と該被覆部材との間に形成され該測定対象物に特異的に
結合する特異的結合物質を有する標識物質を流通させる
第2流路と、該チップ基板と該被覆部材との間に形成さ
れ、該測定対象物に特異的に結合する連結物質を流通さ
せる溝状の第3流路と、該チップ基板と該被覆部材との
間に形成され、該第1流路,該第2流路及び該第3流路
が集合して形成される反応流路と、該反応流路に面して
該チップ基板及び該被覆部材の少なくとも一方に設けら
れ、該連結物質と特異的に結合する固定化物質が固定さ
れた反応部位とをそなえて構成されていることを特徴と
している。
【0017】請求項3記載の本発明の測定対象物の測定
装置は、請求項1又は2記載の測定用チップと、該測定
用チップにおける該検体,該標識物質及び該連結物質の
流通を制御する流通制御手段と、該反応部位に結合した
該標識物質に関する測定を行なう測定手段とをそなえて
構成されていることを特徴としている。請求項4記載の
本発明の測定対象物の測定装置は、検体が流通する測定
用チップと、該測定用チップにおける該検体の流通を制
御する流通制御手段と、測定手段とをそなえてなる測定
対象物の測定装置であって、該測定用チップが、チップ
基板と、該チップ基板に設けられ該検体を流通させる溝
状の反応流路と、該検体、該測定対象物に特異的に結合
する特異的結合物質を有する標識物質、及び該測定対象
物に特異的に結合する連結物質の3つを混合させるべく
該反応流路内に設けられた混合部位と、該反応流路内に
おいて該混合部位よりも該検体の流通方向下流側に設け
られ、該連結物質と特異的に結合する固定化物質が固定
された反応部位とをそなえて構成され、該測定手段が、
該反応部位に結合した該標識物質に関する測定を行なう
ことを特徴としている。
装置は、請求項1又は2記載の測定用チップと、該測定
用チップにおける該検体,該標識物質及び該連結物質の
流通を制御する流通制御手段と、該反応部位に結合した
該標識物質に関する測定を行なう測定手段とをそなえて
構成されていることを特徴としている。請求項4記載の
本発明の測定対象物の測定装置は、検体が流通する測定
用チップと、該測定用チップにおける該検体の流通を制
御する流通制御手段と、測定手段とをそなえてなる測定
対象物の測定装置であって、該測定用チップが、チップ
基板と、該チップ基板に設けられ該検体を流通させる溝
状の反応流路と、該検体、該測定対象物に特異的に結合
する特異的結合物質を有する標識物質、及び該測定対象
物に特異的に結合する連結物質の3つを混合させるべく
該反応流路内に設けられた混合部位と、該反応流路内に
おいて該混合部位よりも該検体の流通方向下流側に設け
られ、該連結物質と特異的に結合する固定化物質が固定
された反応部位とをそなえて構成され、該測定手段が、
該反応部位に結合した該標識物質に関する測定を行なう
ことを特徴としている。
【0018】請求項5記載の本発明の測定対象物の測定
装置は、検体が流通する測定用チップと、該測定用チッ
プにおける該検体の流通を制御する流通制御手段と、測
定手段とをそなえてなる測定対象物の測定装置であっ
て、該測定用チップが、チップ基板と、該チップ基板を
被覆する被覆部材と、該チップ基板と該被覆部材との間
に形成され該検体を流通させる反応流路と、該検体、該
測定対象物に特異的に結合する特異的結合物質を有する
標識物質、及び該測定対象物に特異的に結合する連結物
質の3つを混合させるべく該反応流路に面して該チップ
基板及び該被覆部材の少なくとも一方に設けられた混合
部位と、該混合部位よりも該検体の流通方向下流側にお
いて該反応流路に面して該チップ基板及び該被覆部材の
少なくとも一方に設けられ、該連結物質と特異的に結合
する固定化物質が固定された反応部位とをそなえて構成
され、該測定手段が、該反応部位に結合した該標識物質
に関する測定を行なうことを特徴としている。
装置は、検体が流通する測定用チップと、該測定用チッ
プにおける該検体の流通を制御する流通制御手段と、測
定手段とをそなえてなる測定対象物の測定装置であっ
て、該測定用チップが、チップ基板と、該チップ基板を
被覆する被覆部材と、該チップ基板と該被覆部材との間
に形成され該検体を流通させる反応流路と、該検体、該
測定対象物に特異的に結合する特異的結合物質を有する
標識物質、及び該測定対象物に特異的に結合する連結物
質の3つを混合させるべく該反応流路に面して該チップ
基板及び該被覆部材の少なくとも一方に設けられた混合
部位と、該混合部位よりも該検体の流通方向下流側にお
いて該反応流路に面して該チップ基板及び該被覆部材の
少なくとも一方に設けられ、該連結物質と特異的に結合
する固定化物質が固定された反応部位とをそなえて構成
され、該測定手段が、該反応部位に結合した該標識物質
に関する測定を行なうことを特徴としている。
【0019】請求項6記載の本発明の測定対象物の測定
方法は、請求項1又は2記載の測定用チップを使用し
て、該第1流路での該検体の流通、該第2流路での該標
識物質の流通、及び該第3流路での該連結物質の流通を
開始して、該反応流路において該検体,該標識物質及び
該連結物質を混合させる第1のステップと、該検体,該
標識物質及び該連結物質の混合物を該反応流路の該反応
部位と接触させる第2のステップと、該反応部位に結合
した該標識物質に関する測定を行なう第3のステップと
をそなえて構成されていることを特徴としている。
方法は、請求項1又は2記載の測定用チップを使用し
て、該第1流路での該検体の流通、該第2流路での該標
識物質の流通、及び該第3流路での該連結物質の流通を
開始して、該反応流路において該検体,該標識物質及び
該連結物質を混合させる第1のステップと、該検体,該
標識物質及び該連結物質の混合物を該反応流路の該反応
部位と接触させる第2のステップと、該反応部位に結合
した該標識物質に関する測定を行なう第3のステップと
をそなえて構成されていることを特徴としている。
【0020】請求項7記載の本発明の測定対象物の測定
方法は、請求項4又は5記載の測定対象物の測定用装置
を使用して、該検体の流通状態を該流通制御手段により
制御しながら該検体を該反応流路に流通させることによ
り、該検体を該混合部位で該標識物質及び該連結物質と
混合させる第1のステップと、流通状態を該流通制御手
段により制御された該検体,該標識物質及び該連結物質
の混合物を、該反応流路において該反応部位と接触させ
る第2のステップと、該反応部位に結合した該標識物質
を測定する第3のステップとをそなえて構成されている
ことを特徴としている。
方法は、請求項4又は5記載の測定対象物の測定用装置
を使用して、該検体の流通状態を該流通制御手段により
制御しながら該検体を該反応流路に流通させることによ
り、該検体を該混合部位で該標識物質及び該連結物質と
混合させる第1のステップと、流通状態を該流通制御手
段により制御された該検体,該標識物質及び該連結物質
の混合物を、該反応流路において該反応部位と接触させ
る第2のステップと、該反応部位に結合した該標識物質
を測定する第3のステップとをそなえて構成されている
ことを特徴としている。
【0021】請求項8記載の本発明の連結物質は、チッ
プ基板と、該チップ基板上に設けられ検体を流通させる
溝状の第1流路と、該チップ基板上に設けられ測定対象
物に特異的に結合する特異的結合物質を有する標識物質
を流通させる溝状の第2流路と、該チップ基板上に設け
られた溝状の第3流路と、該第1流路,該第2流路及び
該第3流路が集合して該チップ基板上に形成される溝状
の反応流路と、該反応流路に設けられ固定化物質が固定
された反応部位とをそなえてなる測定用チップの該第3
の流路に流通させる、連結物質であって、該測定対象物
及び該固定化物質にそれぞれ同時に特異的に結合しうる
ことを特徴としている。
プ基板と、該チップ基板上に設けられ検体を流通させる
溝状の第1流路と、該チップ基板上に設けられ測定対象
物に特異的に結合する特異的結合物質を有する標識物質
を流通させる溝状の第2流路と、該チップ基板上に設け
られた溝状の第3流路と、該第1流路,該第2流路及び
該第3流路が集合して該チップ基板上に形成される溝状
の反応流路と、該反応流路に設けられ固定化物質が固定
された反応部位とをそなえてなる測定用チップの該第3
の流路に流通させる、連結物質であって、該測定対象物
及び該固定化物質にそれぞれ同時に特異的に結合しうる
ことを特徴としている。
【0022】請求項9記載の本発明の連結物質は、チッ
プ基板と、該チップ基板を被覆する被覆部材と、該チッ
プ基板と該被覆部材との間に形成され検体を流通させる
第1流路と、該チップ基板と該被覆部材との間に形成さ
れ測定対象物に特異的に結合する特異的結合物質を有す
る標識物質を流通させる第2流路と、該チップ基板と該
被覆部材との間に形成された第3流路と、該第1流路,
該第2流路及び該第3流路が集合して該チップ基板と該
被覆部材との間に形成される溝状の反応流路と、該反応
流路に設けられ固定化物質が固定された反応部位とをそ
なえてなる測定用チップの該第3の流路に流通させる、
連結物質であって、該測定対象物及び該固定化物質にそ
れぞれ同時に特異的に結合しうることを特徴としてい
る。
プ基板と、該チップ基板を被覆する被覆部材と、該チッ
プ基板と該被覆部材との間に形成され検体を流通させる
第1流路と、該チップ基板と該被覆部材との間に形成さ
れ測定対象物に特異的に結合する特異的結合物質を有す
る標識物質を流通させる第2流路と、該チップ基板と該
被覆部材との間に形成された第3流路と、該第1流路,
該第2流路及び該第3流路が集合して該チップ基板と該
被覆部材との間に形成される溝状の反応流路と、該反応
流路に設けられ固定化物質が固定された反応部位とをそ
なえてなる測定用チップの該第3の流路に流通させる、
連結物質であって、該測定対象物及び該固定化物質にそ
れぞれ同時に特異的に結合しうることを特徴としてい
る。
【0023】請求項10記載の本発明の標識物質は、チ
ップ基板と、該チップ基板上に設けられ検体を流通させ
る溝状の第1流路と、該チップ基板上に設けられた溝状
の第2流路と、該チップ基板上に設けられ該測定対象物
に特異的に結合する連結物質を流通させる溝状の第3流
路と、該第1流路,該第2流路及び該第3流路が集合し
て該チップ基板上に設けられる溝状の反応流路と、該反
応流路に面して該チップ基板に設けられ該連結物質と特
異的に結合する固定化物質が固定された反応部位とをそ
なえてなる測定用チップの該第2の流路に流通させる標
識物質であって、該測定対象物に特異的に結合する特異
的結合物質を有することを特徴としている。
ップ基板と、該チップ基板上に設けられ検体を流通させ
る溝状の第1流路と、該チップ基板上に設けられた溝状
の第2流路と、該チップ基板上に設けられ該測定対象物
に特異的に結合する連結物質を流通させる溝状の第3流
路と、該第1流路,該第2流路及び該第3流路が集合し
て該チップ基板上に設けられる溝状の反応流路と、該反
応流路に面して該チップ基板に設けられ該連結物質と特
異的に結合する固定化物質が固定された反応部位とをそ
なえてなる測定用チップの該第2の流路に流通させる標
識物質であって、該測定対象物に特異的に結合する特異
的結合物質を有することを特徴としている。
【0024】請求項11記載の本発明の標識物質は、チ
ップ基板と、該チップ基板を被覆する被覆部材と、該チ
ップ基板と該被覆部材との間に形成され該検体を流通さ
せる第1流路と、該チップ基板と該被覆部材との間に形
成された第2流路と、該チップ基板と該被覆部材との間
に形成され該チップ基板上に設けられ該測定対象物に特
異的に結合する連結物質を流通させる第3流路と、該第
1流路,該第2流路及び該第3流路が集合して該チップ
基板と該被覆部材との間に形成される反応流路と、該反
応流路に面して該チップ基板及び該被覆部材の少なくと
も一方に設けられ該連結物質と特異的に結合する固定化
物質が固定された反応部位とをそなえてなる測定用チッ
プの該第2の流路に流通させる標識物質であって、該測
定対象物に特異的に結合する特異的結合物質を有するこ
とを特徴としている。
ップ基板と、該チップ基板を被覆する被覆部材と、該チ
ップ基板と該被覆部材との間に形成され該検体を流通さ
せる第1流路と、該チップ基板と該被覆部材との間に形
成された第2流路と、該チップ基板と該被覆部材との間
に形成され該チップ基板上に設けられ該測定対象物に特
異的に結合する連結物質を流通させる第3流路と、該第
1流路,該第2流路及び該第3流路が集合して該チップ
基板と該被覆部材との間に形成される反応流路と、該反
応流路に面して該チップ基板及び該被覆部材の少なくと
も一方に設けられ該連結物質と特異的に結合する固定化
物質が固定された反応部位とをそなえてなる測定用チッ
プの該第2の流路に流通させる標識物質であって、該測
定対象物に特異的に結合する特異的結合物質を有するこ
とを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。 (A)第1実施形態の説明 まず、本発明の第1実施形態としての測定対象物の測定
用チップ,測定対象物の測定装置及び測定対象物の測定
方法について説明する。図1及び図2は本実施形態の測
定対象物の測定用チップ,測定対象物の測定装置及び測
定対象物の測定方法について示す図である。なお、以下
でいう『溝』或いは『溝状の流路』とは、その横断面に
開放部を有するものを意味する。
施の形態について説明する。 (A)第1実施形態の説明 まず、本発明の第1実施形態としての測定対象物の測定
用チップ,測定対象物の測定装置及び測定対象物の測定
方法について説明する。図1及び図2は本実施形態の測
定対象物の測定用チップ,測定対象物の測定装置及び測
定対象物の測定方法について示す図である。なお、以下
でいう『溝』或いは『溝状の流路』とは、その横断面に
開放部を有するものを意味する。
【0026】本実施形態の測定用チップ1は、図1
(A),(B)に示すように、チップ基板2と、膜状部
材3と、インジェクションボード(蓋部,被覆部材)6
とを下からこの順に積層/重合して構成されている。イ
ンジェクションボード6は、膜状部材3を介してチップ
基板2の表面2Aを覆い、チップ基板2,膜状部材3及
びインジェクションボード6の間に後述する閉断面形状
の流路(流路5A〜5Dからなる)5が形成されるよう
になっている。
(A),(B)に示すように、チップ基板2と、膜状部
材3と、インジェクションボード(蓋部,被覆部材)6
とを下からこの順に積層/重合して構成されている。イ
ンジェクションボード6は、膜状部材3を介してチップ
基板2の表面2Aを覆い、チップ基板2,膜状部材3及
びインジェクションボード6の間に後述する閉断面形状
の流路(流路5A〜5Dからなる)5が形成されるよう
になっている。
【0027】チップ基板2は、ここでは、厚さ1mmの
ポリメタクリル酸メチル(pMMA)の板を60mm×
40mmに切断して製作されている。また、膜状部材3
には、厚さ約20μm(=後述する流路5A〜5Dの深
さ),幅40mmの市販の紙製両面テープが使用され、
下方のチップ基板2及び上方のインジェクションボード
6に接着している。
ポリメタクリル酸メチル(pMMA)の板を60mm×
40mmに切断して製作されている。また、膜状部材3
には、厚さ約20μm(=後述する流路5A〜5Dの深
さ),幅40mmの市販の紙製両面テープが使用され、
下方のチップ基板2及び上方のインジェクションボード
6に接着している。
【0028】また、膜状部材3には孔部4が貫設されて
いる。孔部4の分岐部分4A,4B,4C及び主部分4
Dの流路幅WA,WB,WC,WDはいずれも2mmに設定
されている。また、分岐部分4A,4B,4Cの長さL
A,LB,LCはそれぞれ14mmに設定され、主部分4
Dの長さLDは30mmに設定されている。なお、各流
路幅WA〜WDは、通常0.1μm以上、3mm以下、好
ましくは1μm以上、1mm以下である。また、流路長
さLA,LB,LCは、通常100μm以上、100mm
以下、好ましくは1mm以上、50mm以下である。ま
た、流路長さL Dに関しては、通常1mm以上、100
0mm以下、好ましくは3mm以上、500mm以下で
ある。
いる。孔部4の分岐部分4A,4B,4C及び主部分4
Dの流路幅WA,WB,WC,WDはいずれも2mmに設定
されている。また、分岐部分4A,4B,4Cの長さL
A,LB,LCはそれぞれ14mmに設定され、主部分4
Dの長さLDは30mmに設定されている。なお、各流
路幅WA〜WDは、通常0.1μm以上、3mm以下、好
ましくは1μm以上、1mm以下である。また、流路長
さLA,LB,LCは、通常100μm以上、100mm
以下、好ましくは1mm以上、50mm以下である。ま
た、流路長さL Dに関しては、通常1mm以上、100
0mm以下、好ましくは3mm以上、500mm以下で
ある。
【0029】そして、膜状部材3をチップ基板2に積載
することにより、チップ基板2上に溝状の流路(開放部
を有する流路)が形成される。つまり、膜状部材3の孔
部4とチップ基板2の表面2Aとから溝状の流路が形成
されるのである。なお、ここでいうチップ基板2上の溝
状の流路とは、このように膜状部材3をチップ基板2に
積載することによりチップ基板2上に形成されるものだ
けでなく、チップ基板2に直接形成される溝をも含む。
することにより、チップ基板2上に溝状の流路(開放部
を有する流路)が形成される。つまり、膜状部材3の孔
部4とチップ基板2の表面2Aとから溝状の流路が形成
されるのである。なお、ここでいうチップ基板2上の溝
状の流路とは、このように膜状部材3をチップ基板2に
積載することによりチップ基板2上に形成されるものだ
けでなく、チップ基板2に直接形成される溝をも含む。
【0030】そして、さらに膜状部材3上にインジェク
ションボード6を載置することによりこの溝状の流路が
密閉され、上述したように閉断面形状の流路5が形成さ
れる。インジェクションボード6についてさらに説明す
ると、インジェクションボード6は、チップ基板2と同
じく、厚さ1mmのポリメタクリル酸メチル(pMM
A)の板を60mm×40mmに切断して製作されてい
る。また、インジェクションボード6には、測定用チッ
プ1への積載時に、流路5Aの上流端に連通するように
検体10を注入するための注入口6Aが、流路5Bの上
流端に連通するように標識物質12を注入するための注
入口6Bが、流路5Cの上流端に連通するように連結物
質13を注入するための注入口6Cがそれぞれ貫設さ
れ、同様に、検体10や標識物質12等の混合物を排出
するために排出口6Dが、反応流路5Dの下流端に連通
するように貫設されている。インジェクションボード6
を蓋部として測定用チップ1に積載して流路5を閉断面
形状とすることにより、この流路5内において後述する
シリンジポンプ7により検体10,標識物質12及び連
結物質(ここではビオチン化抗体)13を安定して流通
させることができるようになっている。
ションボード6を載置することによりこの溝状の流路が
密閉され、上述したように閉断面形状の流路5が形成さ
れる。インジェクションボード6についてさらに説明す
ると、インジェクションボード6は、チップ基板2と同
じく、厚さ1mmのポリメタクリル酸メチル(pMM
A)の板を60mm×40mmに切断して製作されてい
る。また、インジェクションボード6には、測定用チッ
プ1への積載時に、流路5Aの上流端に連通するように
検体10を注入するための注入口6Aが、流路5Bの上
流端に連通するように標識物質12を注入するための注
入口6Bが、流路5Cの上流端に連通するように連結物
質13を注入するための注入口6Cがそれぞれ貫設さ
れ、同様に、検体10や標識物質12等の混合物を排出
するために排出口6Dが、反応流路5Dの下流端に連通
するように貫設されている。インジェクションボード6
を蓋部として測定用チップ1に積載して流路5を閉断面
形状とすることにより、この流路5内において後述する
シリンジポンプ7により検体10,標識物質12及び連
結物質(ここではビオチン化抗体)13を安定して流通
させることができるようになっている。
【0031】なお、注入口6A,6B,6C及び排出口
6Dは、幅2mmの流路5にあわせて、直径2mmに形
成されている。また、インジェクションボード6の材質
としては、ここではポリメタクリル酸メチルが使用され
ているが、チップ基板2に適用可能な材質として後述す
るものであれば使用できる。流路5は、このような各流
路5A〜5D、即ち検体10が注入される第1流路(以
下、単に流路ともいう)5Aと、標識物質12が注入さ
れる第2流路(以下、単に流路ともいう)5Bと、連結
物質13が注入される第3流路(以下、単に流路ともい
う)5Cと、これらの流路5A,5B,5Cが集合して
形成される反応流路5Dとからなり、反応流路5Dに
は、上記連結物質13と特異的に結合する固定化物質
(ここではアビジン)13Cが固定化された反応部位5
Eが設けられている。
6Dは、幅2mmの流路5にあわせて、直径2mmに形
成されている。また、インジェクションボード6の材質
としては、ここではポリメタクリル酸メチルが使用され
ているが、チップ基板2に適用可能な材質として後述す
るものであれば使用できる。流路5は、このような各流
路5A〜5D、即ち検体10が注入される第1流路(以
下、単に流路ともいう)5Aと、標識物質12が注入さ
れる第2流路(以下、単に流路ともいう)5Bと、連結
物質13が注入される第3流路(以下、単に流路ともい
う)5Cと、これらの流路5A,5B,5Cが集合して
形成される反応流路5Dとからなり、反応流路5Dに
は、上記連結物質13と特異的に結合する固定化物質
(ここではアビジン)13Cが固定化された反応部位5
Eが設けられている。
【0032】ここで、標識物質12,連結物質13につ
いて図2を参照して説明する。標識物質12は、第2流
路5Bに注入され、測定対象物11に特異的に結合する
第1の特異的結合物質12Aと測定対象物10に較べ検
出容易な標識部12Bとが結合して構成される。また、
連結物質(ビオチン化抗体)13は、第3流路5Cに注
入され、測定対象物11に特異的に結合する第2の特異
的結合物質13Aとビオチン13Bとが結合して構成さ
れ、ビオチン13Bは、反応部位5Eに固定された固定
化物質としてのアビジン13Cと特異的に結合するもの
である。
いて図2を参照して説明する。標識物質12は、第2流
路5Bに注入され、測定対象物11に特異的に結合する
第1の特異的結合物質12Aと測定対象物10に較べ検
出容易な標識部12Bとが結合して構成される。また、
連結物質(ビオチン化抗体)13は、第3流路5Cに注
入され、測定対象物11に特異的に結合する第2の特異
的結合物質13Aとビオチン13Bとが結合して構成さ
れ、ビオチン13Bは、反応部位5Eに固定された固定
化物質としてのアビジン13Cと特異的に結合するもの
である。
【0033】したがって、図2に示すように、第1流路
5Aから注入された検体中に含まれる測定対象物11
と、第2流路5Bから注入された標識物質12と、第3
流路5Cから注入された連結物質13とが合流部位(混
合部位)5Fにおいて混合されると、標識物質12を構
成する第1の特異的結合物質12Aと、連結物質13を
構成する第2の特異的結合物質13Aとがそれぞれ測定
対象物11と結合する。即ち、標識物質12−測定対象
物11−連結物質13からなる複合体が形成されること
となる。
5Aから注入された検体中に含まれる測定対象物11
と、第2流路5Bから注入された標識物質12と、第3
流路5Cから注入された連結物質13とが合流部位(混
合部位)5Fにおいて混合されると、標識物質12を構
成する第1の特異的結合物質12Aと、連結物質13を
構成する第2の特異的結合物質13Aとがそれぞれ測定
対象物11と結合する。即ち、標識物質12−測定対象
物11−連結物質13からなる複合体が形成されること
となる。
【0034】そして、連結物質13が、反応部位5Eに
固定された固定化物質13Cと結合する。即ち、連結物
質13及び固定化物質13Cを介して測定対象物質11
が標識物質12と一体に反応部位5Eに連結/固定され
るようになっているのである。これにより測定対象物1
1が例えば透明であるため測定対象物11を直接測定が
困難な場合であっても、標識物質12を介して測定対象
物11の量を容易に測定できるようになっている。
固定された固定化物質13Cと結合する。即ち、連結物
質13及び固定化物質13Cを介して測定対象物質11
が標識物質12と一体に反応部位5Eに連結/固定され
るようになっているのである。これにより測定対象物1
1が例えば透明であるため測定対象物11を直接測定が
困難な場合であっても、標識物質12を介して測定対象
物11の量を容易に測定できるようになっている。
【0035】なお、このような測定を行なうには、測定
対象物11が、第1の特異的結合物質12A及び連結物
質13(ここでは詳細には第2の特異的結合物質13
A)と同時に結合できることが条件となる。また、第1
の特異的結合物質12Aと第2の特異的結合物質13A
とは互いに同じ物質であっても良いし、互いに異なる物
質であっても良い。
対象物11が、第1の特異的結合物質12A及び連結物
質13(ここでは詳細には第2の特異的結合物質13
A)と同時に結合できることが条件となる。また、第1
の特異的結合物質12Aと第2の特異的結合物質13A
とは互いに同じ物質であっても良いし、互いに異なる物
質であっても良い。
【0036】以下、チップ基板2,膜状部材3,測定対
象物11,特異的結合物質12A,13A,連結物質1
3及び固定化物質13Cについて、さらに説明する。先
ず、チップ基板2について説明すると、チップ基板2の
材質には、上述したように、ここではポリメタクリル酸
メチルを使用しているが、固相として十分に堅固なもの
であればこれに限定されない。好ましくは、ガラス及び
樹脂であるが、金属や半導体やセラミックス等を使用す
ることもできる。また、チップ基板2は、膜状部材3と
ともに流路5を構成するので、検体10や標識物質12
や連結物質13に対して安定した材質であることが好ま
しい。
象物11,特異的結合物質12A,13A,連結物質1
3及び固定化物質13Cについて、さらに説明する。先
ず、チップ基板2について説明すると、チップ基板2の
材質には、上述したように、ここではポリメタクリル酸
メチルを使用しているが、固相として十分に堅固なもの
であればこれに限定されない。好ましくは、ガラス及び
樹脂であるが、金属や半導体やセラミックス等を使用す
ることもできる。また、チップ基板2は、膜状部材3と
ともに流路5を構成するので、検体10や標識物質12
や連結物質13に対して安定した材質であることが好ま
しい。
【0037】さらに、膜状部材3とともに流路5を構成
するチップ基板2の表面2Aに所定の表面処理を施すよ
うにしても良い。このような表面処理は、検体10や標
識物質12や連結物質13に応じて適宜に施工されるも
のであって、例えば、チップ基板2が疎水性であり、検
体10,標識物質12及び連結物質13が水溶性のもの
であれば、酸・アルカリによる親水処理(表面改質)が
考えられる。また、反応部位5Eに固定化される固定化
物質13Cが蛋白質であれば、この固定化物質13Cを
結合すべく、例えば、カルボジイミド,マレイミド,ス
クシンイミドによる表面処理が行なわれる。さらに、非
特異吸着(非特異物質が吸着してしまうこと)を抑制す
べく、例えばアルプミンや界面活性剤や人工高分子によ
る表面処理を行なうようにしても良い。
するチップ基板2の表面2Aに所定の表面処理を施すよ
うにしても良い。このような表面処理は、検体10や標
識物質12や連結物質13に応じて適宜に施工されるも
のであって、例えば、チップ基板2が疎水性であり、検
体10,標識物質12及び連結物質13が水溶性のもの
であれば、酸・アルカリによる親水処理(表面改質)が
考えられる。また、反応部位5Eに固定化される固定化
物質13Cが蛋白質であれば、この固定化物質13Cを
結合すべく、例えば、カルボジイミド,マレイミド,ス
クシンイミドによる表面処理が行なわれる。さらに、非
特異吸着(非特異物質が吸着してしまうこと)を抑制す
べく、例えばアルプミンや界面活性剤や人工高分子によ
る表面処理を行なうようにしても良い。
【0038】或いは、表面処理を行なう代わりに、自己
組織化膜,LB膜,無機薄膜又は有機薄膜をチップ基板
2の表面2Aに貼り付けて、流路5内において所定の表
面物性が得られるようにしても良い。次に、膜状部材3
について説明すると、膜状部材3は、ここでは上述した
ように市販の紙製テープにより構成されているが、樹脂
フィルム,紙,金属板,ガラス板等によりなる厚膜又は
薄膜であれば、これに限定されない。また、ここでは、
膜状部材3は両面に接着剤が塗布された両面テープによ
り構成してチップ基板2やインジェクションボード6に
貼り合わせるようにしているが、膜状部材3の結合方法
は、膜状部材3やチップ基板2やインジェクションボー
ド6等の材質等に応じて適宜選択されるもので、接着剤
による接着の他、溶剤・溶解溶媒による貼り合わせ(例
えばプライマによる樹脂接合),拡散接合,陽極接合,
共晶接合,熱融着,レーザ溶融,圧着等がある。或い
は、膜状部材3,チップ基板2,インジェクションボー
ド6の各相互間に、粘着テープや圧着テープや自己吸着
剤を介装するようにしても良い。
組織化膜,LB膜,無機薄膜又は有機薄膜をチップ基板
2の表面2Aに貼り付けて、流路5内において所定の表
面物性が得られるようにしても良い。次に、膜状部材3
について説明すると、膜状部材3は、ここでは上述した
ように市販の紙製テープにより構成されているが、樹脂
フィルム,紙,金属板,ガラス板等によりなる厚膜又は
薄膜であれば、これに限定されない。また、ここでは、
膜状部材3は両面に接着剤が塗布された両面テープによ
り構成してチップ基板2やインジェクションボード6に
貼り合わせるようにしているが、膜状部材3の結合方法
は、膜状部材3やチップ基板2やインジェクションボー
ド6等の材質等に応じて適宜選択されるもので、接着剤
による接着の他、溶剤・溶解溶媒による貼り合わせ(例
えばプライマによる樹脂接合),拡散接合,陽極接合,
共晶接合,熱融着,レーザ溶融,圧着等がある。或い
は、膜状部材3,チップ基板2,インジェクションボー
ド6の各相互間に、粘着テープや圧着テープや自己吸着
剤を介装するようにしても良い。
【0039】また、膜状部材3,チップ基板2,インジ
ェクションボード6のそれぞれに凹凸を設けこれらの凹
凸をはめ込んで結合したり、膜状部材3,チップ基板
2,インジェクションボード6をクリップで挟み込んで
結合したりする等、物理的に結合しても勿論構わない。
また、膜状部材3の厚みは、即ち流路5の深さであり、
上限としては、一般的には400μm以下であり、好ま
しくは200μm以下である。流路5を流通する検体1
0,標識物質12及び連結物質13は、流路5の底部に
固定された固定化物質13Cと接触し結合するので、流
路5が深いほど流路5の底部の固定化物質13Cと接触
しない検体10,標識物質12,連結物質13が増加し
てしまうため、膜状部材3の厚み(流路5の深さ)を上
述のように200μm以下に設定するのが反応効率の点
から好ましいのである。
ェクションボード6のそれぞれに凹凸を設けこれらの凹
凸をはめ込んで結合したり、膜状部材3,チップ基板
2,インジェクションボード6をクリップで挟み込んで
結合したりする等、物理的に結合しても勿論構わない。
また、膜状部材3の厚みは、即ち流路5の深さであり、
上限としては、一般的には400μm以下であり、好ま
しくは200μm以下である。流路5を流通する検体1
0,標識物質12及び連結物質13は、流路5の底部に
固定された固定化物質13Cと接触し結合するので、流
路5が深いほど流路5の底部の固定化物質13Cと接触
しない検体10,標識物質12,連結物質13が増加し
てしまうため、膜状部材3の厚み(流路5の深さ)を上
述のように200μm以下に設定するのが反応効率の点
から好ましいのである。
【0040】また、膜状部材3の厚み(流路5の深さ)
は、膜状部材3の製作の容易性及び流路5の底部に固定
された固定化物質13Cの厚みを考慮すると、0.1μ
m以上であるのが一般的である。次に、検体10及び測
定対象物11について説明する。検体10としては、主
に医療診断を目的としたものと環境分析を目的としたも
のとがあり、医療診断用としては、生体由来の血液,体
液,尿,涙等であり、環境分析用としては、海や河川の
水,大気を溶解させた溶液等である。また、測定対象物
11としては、それに対して特異的に結合する物質(特
異的結合物質)が存在するとともに、上述したように2
つ以上の特異的結合物質を同時に結合できるものであれ
ば限定されず、例えば、蛋白質,有機物質,脂質,糖,
ペプチド,ホルモン,核酸等である。
は、膜状部材3の製作の容易性及び流路5の底部に固定
された固定化物質13Cの厚みを考慮すると、0.1μ
m以上であるのが一般的である。次に、検体10及び測
定対象物11について説明する。検体10としては、主
に医療診断を目的としたものと環境分析を目的としたも
のとがあり、医療診断用としては、生体由来の血液,体
液,尿,涙等であり、環境分析用としては、海や河川の
水,大気を溶解させた溶液等である。また、測定対象物
11としては、それに対して特異的に結合する物質(特
異的結合物質)が存在するとともに、上述したように2
つ以上の特異的結合物質を同時に結合できるものであれ
ば限定されず、例えば、蛋白質,有機物質,脂質,糖,
ペプチド,ホルモン,核酸等である。
【0041】次に、特異的結合物質12A,13Aにつ
いて説明する。特異的結合物質12A,13Aは、測定
対象物11に応じて適宜決定されるものであり、例え
ば、イムノグロブリン,その派生物であるF(ab′)2やFa
b′やFab,レセプタや酵素とその派生物,核酸,天然又
は人工のペプチド,人工ポリマ,糖鎖,脂質,無機物質
及び有機配位子,ウィルス,薬物等である。
いて説明する。特異的結合物質12A,13Aは、測定
対象物11に応じて適宜決定されるものであり、例え
ば、イムノグロブリン,その派生物であるF(ab′)2やFa
b′やFab,レセプタや酵素とその派生物,核酸,天然又
は人工のペプチド,人工ポリマ,糖鎖,脂質,無機物質
及び有機配位子,ウィルス,薬物等である。
【0042】次に連結物質13及び固定化物質13Cに
ついて説明すると、連結物質13及び固定化物質13C
は互いに特異的に結合しあう組み合わせであれば良い。
このような組み合わせとしては、本実施形態のようにビ
オチンとアビジンとの組み合わせが入手のし易さから好
ましい。また、固定化物質13Cのチップ基板2(反応
流路5D)への固定化方法としては、固定化物質13C
を物理的にチップ基板2に吸着させる方法と、固定化物
質13Cを化学的にチップ基板2に結合させる方法とが
ある。物理的な固定化方法としては、固定化物質13C
を固相(チップ基板2)に直接接触させて固定化する方
法と、先ず他の物質を固相に物理的又は化学的に固定化
し、この物質を介して固定化物質13Cを固相に吸着さ
せる方法とがある。また、化学的な固定化方法として
は、固定化物質13Cを固相に直接結合させる方法,固
相の表面に存在する官応基を化学的に活性化させてから
固定化物質13Cを結合させる方法,スペーサ分子を物
理的又は化学的に固相に結合させこのスペーサ分子を介
して固定化物質13Cを固相に結合させる方法がある。
ついて説明すると、連結物質13及び固定化物質13C
は互いに特異的に結合しあう組み合わせであれば良い。
このような組み合わせとしては、本実施形態のようにビ
オチンとアビジンとの組み合わせが入手のし易さから好
ましい。また、固定化物質13Cのチップ基板2(反応
流路5D)への固定化方法としては、固定化物質13C
を物理的にチップ基板2に吸着させる方法と、固定化物
質13Cを化学的にチップ基板2に結合させる方法とが
ある。物理的な固定化方法としては、固定化物質13C
を固相(チップ基板2)に直接接触させて固定化する方
法と、先ず他の物質を固相に物理的又は化学的に固定化
し、この物質を介して固定化物質13Cを固相に吸着さ
せる方法とがある。また、化学的な固定化方法として
は、固定化物質13Cを固相に直接結合させる方法,固
相の表面に存在する官応基を化学的に活性化させてから
固定化物質13Cを結合させる方法,スペーサ分子を物
理的又は化学的に固相に結合させこのスペーサ分子を介
して固定化物質13Cを固相に結合させる方法がある。
【0043】また、固定化物質13Cをチップ基板2
(反応流路5D)にスポッティングする方法としては、
例えば、スポイトによる滴下,インクジェットプリンタ
の原理を利用したノズル孔による噴射又は滴下,先細状
のピン先による塗布及びスタンプ等がある。さて、本実
施形態の測定装置は、図1に示すように、上記測定用チ
ップ1と、流路5における検体10,標識物質12及び
連結物質13の流通を制御するシリンジポンプ(流通制
御手段)7と、反応部位5Eに結合した標識物質12を
測定する図示しない測定手段とをそなえて構成される。
(反応流路5D)にスポッティングする方法としては、
例えば、スポイトによる滴下,インクジェットプリンタ
の原理を利用したノズル孔による噴射又は滴下,先細状
のピン先による塗布及びスタンプ等がある。さて、本実
施形態の測定装置は、図1に示すように、上記測定用チ
ップ1と、流路5における検体10,標識物質12及び
連結物質13の流通を制御するシリンジポンプ(流通制
御手段)7と、反応部位5Eに結合した標識物質12を
測定する図示しない測定手段とをそなえて構成される。
【0044】また、ここでは、上述したように検体10
等の流通を制御する流通制御手段7としてシリンジポン
プが使用されている。シリンジポンプ7は、外径6mm
のシリコンチューブ7A,PDMS(ポリジメチルシロ
キサン)材により構成されるプレート7Bを介してイン
ジェクションボード6の排出口6D(反応流路5Dの下
流端)に接続され、検体10,標識物質12及び連結物
質13の流通を制御するようになっている。流通制御手
段は、検体10,標識物質12及び連結物質13の流通
を制御できるものであれば、シリンジポンプに限定され
ず、例えば、陽圧式ポンプや陰圧式ポンプをインジェク
ションボード6の注入口6A,6B,6C又は排出口6
Dに接続するようにしても良い。
等の流通を制御する流通制御手段7としてシリンジポン
プが使用されている。シリンジポンプ7は、外径6mm
のシリコンチューブ7A,PDMS(ポリジメチルシロ
キサン)材により構成されるプレート7Bを介してイン
ジェクションボード6の排出口6D(反応流路5Dの下
流端)に接続され、検体10,標識物質12及び連結物
質13の流通を制御するようになっている。流通制御手
段は、検体10,標識物質12及び連結物質13の流通
を制御できるものであれば、シリンジポンプに限定され
ず、例えば、陽圧式ポンプや陰圧式ポンプをインジェク
ションボード6の注入口6A,6B,6C又は排出口6
Dに接続するようにしても良い。
【0045】又は、流通制御手段として、流路5の上流
端及び下流端にそれぞれ電極を取り付け、これらの電極
に異なる電圧をかけることにより検体10,標識物質1
2及び連結物質13に電気浸透流を生じさせるようにし
ても良い。或いは、流通制御手段として、加熱装置を測
定用チップ1に設け、この加熱装置により流路5に沿っ
て温度勾配を生じさせるようにしても良い。つまり、か
かる温度勾配により、流路5に沿って検体10,標識物
質12及び連結物質13にそれぞれ比重差を生じさせ、
この比重差により検体10,標識物質12及び連結物質
13を流通させるのである。
端及び下流端にそれぞれ電極を取り付け、これらの電極
に異なる電圧をかけることにより検体10,標識物質1
2及び連結物質13に電気浸透流を生じさせるようにし
ても良い。或いは、流通制御手段として、加熱装置を測
定用チップ1に設け、この加熱装置により流路5に沿っ
て温度勾配を生じさせるようにしても良い。つまり、か
かる温度勾配により、流路5に沿って検体10,標識物
質12及び連結物質13にそれぞれ比重差を生じさせ、
この比重差により検体10,標識物質12及び連結物質
13を流通させるのである。
【0046】又は、流通制御手段として、注入口6A,
6B,6C及び排出口6Dに電極を取り付けるとともに
注入口6A,6B,6C及び排出口6Dの周辺に金属を
コーティングすることにより、流路5の検体10,標識
物質12及び連結物質13に直流電場をかけてイオン
(検体10,標識物質12及び連結物質13)を電気泳
動させるようにしても良い。この場合、検体10の溶媒
や標識物質12の溶媒や連結物質13の溶媒の移動はな
いので、インジェクションボード6により流路5を密閉
する必要はない。したがって、インジェクションボード
6が不要となるので、測定用チップは上記チップ基板2
及び膜状部材3から構成されることとなり、チップ基板
2及び膜状部材3により形成される溝(溝状の流路)
が、第1流路5A,第2流路5B,第3流路5C及び反
応流路5Dとして機能する。
6B,6C及び排出口6Dに電極を取り付けるとともに
注入口6A,6B,6C及び排出口6Dの周辺に金属を
コーティングすることにより、流路5の検体10,標識
物質12及び連結物質13に直流電場をかけてイオン
(検体10,標識物質12及び連結物質13)を電気泳
動させるようにしても良い。この場合、検体10の溶媒
や標識物質12の溶媒や連結物質13の溶媒の移動はな
いので、インジェクションボード6により流路5を密閉
する必要はない。したがって、インジェクションボード
6が不要となるので、測定用チップは上記チップ基板2
及び膜状部材3から構成されることとなり、チップ基板
2及び膜状部材3により形成される溝(溝状の流路)
が、第1流路5A,第2流路5B,第3流路5C及び反
応流路5Dとして機能する。
【0047】さらに、流通制御手段は、上述した各方法
を複数組み合わせて行なうようにしても良い。さて、測
定手段8は、標識物質の物性に基づき標識物量を測定す
るものであれば何ら限定されず、例えば、吸光,蛍光,
エバネッセント励起蛍光,燐光,化学発光を測定するも
のや、表面プラズモン共鳴,水晶振動子等を利用したも
のが挙げられる。或いは、標識物質12が酵素等の触媒
である場合には、その基質を加えて反応させ、生成物を
検出することで測定を行なうこともある。また、光音響
測定法(特定の光を照射して、放射される音波を測定す
ることにより物質の量を測定する方法)を用いることも
可能である。
を複数組み合わせて行なうようにしても良い。さて、測
定手段8は、標識物質の物性に基づき標識物量を測定す
るものであれば何ら限定されず、例えば、吸光,蛍光,
エバネッセント励起蛍光,燐光,化学発光を測定するも
のや、表面プラズモン共鳴,水晶振動子等を利用したも
のが挙げられる。或いは、標識物質12が酵素等の触媒
である場合には、その基質を加えて反応させ、生成物を
検出することで測定を行なうこともある。また、光音響
測定法(特定の光を照射して、放射される音波を測定す
ることにより物質の量を測定する方法)を用いることも
可能である。
【0048】本発明の第1実施形態としての測定対象物
の測定用チップ及び測定対象物の測定装置は、上述のよ
うに構成されているので、以下に示す手順(本発明の第
1実施形態としての測定対象物の測定方法)により測定
対象物(ここではTSH)の測定が行なわれる。最初
に、標識物質12の調整について説明する。標識物質1
2は、ここでは、抗ヒトFSH−αサブユニット抗体固
定化EuLTX(Ab−EuLTX)で構成される。
の測定用チップ及び測定対象物の測定装置は、上述のよ
うに構成されているので、以下に示す手順(本発明の第
1実施形態としての測定対象物の測定方法)により測定
対象物(ここではTSH)の測定が行なわれる。最初
に、標識物質12の調整について説明する。標識物質1
2は、ここでは、抗ヒトFSH−αサブユニット抗体固
定化EuLTX(Ab−EuLTX)で構成される。
【0049】先ず、粒径0.21μmのEu錯体を含む
ポリスチレン粒子(EuLTX)を0.05M MES
(pH6.0)にて希釈し、1%懸濁液を2mL(ミリ
リットル)調整し、1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)を除
去して洗浄した後、所定量V(ここでは2mL)の0.
05M MES(pH7.0)でEuLTXを分散させ
てから、抗ヒトFSH−αサブユニット抗体(以下、単
に抗体ともいう)を所定量M(ここでは0.8mg)加
え、室温で1時間反応させる。そして、この溶液を遠心
して、未反応の抗体を除去し、BSA含有トリス緩衝液
(0.3%BSA, 0.1M Tris, pH8.
0)を加え、粒子を安定化する。この時、抗体濃度C1
は0.4mg/mLである(C1=M/V=0.8/2
=0.4)。
ポリスチレン粒子(EuLTX)を0.05M MES
(pH6.0)にて希釈し、1%懸濁液を2mL(ミリ
リットル)調整し、1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩(EDC)を除
去して洗浄した後、所定量V(ここでは2mL)の0.
05M MES(pH7.0)でEuLTXを分散させ
てから、抗ヒトFSH−αサブユニット抗体(以下、単
に抗体ともいう)を所定量M(ここでは0.8mg)加
え、室温で1時間反応させる。そして、この溶液を遠心
して、未反応の抗体を除去し、BSA含有トリス緩衝液
(0.3%BSA, 0.1M Tris, pH8.
0)を加え、粒子を安定化する。この時、抗体濃度C1
は0.4mg/mLである(C1=M/V=0.8/2
=0.4)。
【0050】そして、室温で30分攪拌してから遠心し
て精製水で洗浄を行なった後、0.05%アジ化ナトリ
ウム液に分散させて、標識物質(Ab−EuLTX)1
2が調整される。なお、この時点で、未結合の抗体濃度
C2は、0.15mg/mLであり、したがって抗体の
固定化率Rは62.5%である〔R=(C1−C2)/C
1×100=(0.4−0.15)/0.4×100〕 そして、図1(A)において、チップ基板2に膜状部材
3を貼り合わせた後、チップ基板2と膜状部材3とによ
り形成される反応流路5Dの所定部位(ここでは、反応
流路5Dの下流端から上流側に10mm離隔した位置)
において、1mg/mLに調整したアビジンを固定化物
質13Cとして1μL(マイクロリットル)滴下し、常
温・常圧で30分乾燥させた後、さらに常温で真空乾燥
を15分間行なって、反応流路5Dに固定化し反応部位
5Eを形成する。
て精製水で洗浄を行なった後、0.05%アジ化ナトリ
ウム液に分散させて、標識物質(Ab−EuLTX)1
2が調整される。なお、この時点で、未結合の抗体濃度
C2は、0.15mg/mLであり、したがって抗体の
固定化率Rは62.5%である〔R=(C1−C2)/C
1×100=(0.4−0.15)/0.4×100〕 そして、図1(A)において、チップ基板2に膜状部材
3を貼り合わせた後、チップ基板2と膜状部材3とによ
り形成される反応流路5Dの所定部位(ここでは、反応
流路5Dの下流端から上流側に10mm離隔した位置)
において、1mg/mLに調整したアビジンを固定化物
質13Cとして1μL(マイクロリットル)滴下し、常
温・常圧で30分乾燥させた後、さらに常温で真空乾燥
を15分間行なって、反応流路5Dに固定化し反応部位
5Eを形成する。
【0051】そして、インジェクションボード6を膜状
部材3上に貼り合わせた後、検体10として、純水で希
釈され123μIU/mLに調整されたTSH標準品を
100μLだけ注入口6Aから流路5Aに滴下し、Ab
−EuLTXを純水で100倍に希釈して調整した標識
物質12を100μLだけ注入口6Bから流路5Bに滴
下し、さらに、ビオチン化した1.1mg/mLの抗T
SH抗体(マウスIgG)を連結物質13として100
μLだけ注入口6Cから流路5Cに滴下する。
部材3上に貼り合わせた後、検体10として、純水で希
釈され123μIU/mLに調整されたTSH標準品を
100μLだけ注入口6Aから流路5Aに滴下し、Ab
−EuLTXを純水で100倍に希釈して調整した標識
物質12を100μLだけ注入口6Bから流路5Bに滴
下し、さらに、ビオチン化した1.1mg/mLの抗T
SH抗体(マウスIgG)を連結物質13として100
μLだけ注入口6Cから流路5Cに滴下する。
【0052】次に、インジェクションボード6の排出口
6Dに接続されたシリンジポンプ7を作動させて、注入
口6A,6B,6Cから滴下された検体10,標識物質
12及び連結物質13を50μL/分で吸引して反応流
路5Dに向けて流通させる。検体10中の測定対象物1
1,標識物質12及び連結物質13は、図2に示すよう
に、合流部位5Fで混合され相互に結合し(第1のステ
ップ)、その後、反応部位5E上に移動して、反応部位
5Eに固定された特異的結合物質13とさらに結合する
(第2のステップ)。そして、上記手順と同じ手順によ
り、各流路5A,5B,5Cからそれぞれ100μLの
純水を吸入して流路5を洗浄する。
6Dに接続されたシリンジポンプ7を作動させて、注入
口6A,6B,6Cから滴下された検体10,標識物質
12及び連結物質13を50μL/分で吸引して反応流
路5Dに向けて流通させる。検体10中の測定対象物1
1,標識物質12及び連結物質13は、図2に示すよう
に、合流部位5Fで混合され相互に結合し(第1のステ
ップ)、その後、反応部位5E上に移動して、反応部位
5Eに固定された特異的結合物質13とさらに結合する
(第2のステップ)。そして、上記手順と同じ手順によ
り、各流路5A,5B,5Cからそれぞれ100μLの
純水を吸入して流路5を洗浄する。
【0053】そして、図示しない測定装置により反応部
位5Eに波長が365nmの紫外線を照射したところ、
反応部位5Eに標識物質12に起因した赤色の蛍光が目
視により観察され、検体10に測定対象物11が含まれ
ていることが測定された(第3のステップ)。したがっ
て、本実施形態の測定対象物の測定用チップ,測定対象
物の測定装置及び測定対象物の測定方法によれば、以下
のような利点がある。
位5Eに波長が365nmの紫外線を照射したところ、
反応部位5Eに標識物質12に起因した赤色の蛍光が目
視により観察され、検体10に測定対象物11が含まれ
ていることが測定された(第3のステップ)。したがっ
て、本実施形態の測定対象物の測定用チップ,測定対象
物の測定装置及び測定対象物の測定方法によれば、以下
のような利点がある。
【0054】つまり、測定対象物11が変わると、これ
に応じて特異的結合物質12A,12Bも異なる物質と
なるが、本発明では、特異的結合物質12A,12Bを
含む物質は、標識物質12と連結物質13である。即
ち、測定対象物11によらず、反応部位5Eに固定する
固定化物質13Cを一定とすることができ、ひいては一
つの測定用チップにおいて測定対象物11の種類を自由
に変更できる(同一測定用チップで多種の測定対象物1
1を測定できる)利点がある。
に応じて特異的結合物質12A,12Bも異なる物質と
なるが、本発明では、特異的結合物質12A,12Bを
含む物質は、標識物質12と連結物質13である。即
ち、測定対象物11によらず、反応部位5Eに固定する
固定化物質13Cを一定とすることができ、ひいては一
つの測定用チップにおいて測定対象物11の種類を自由
に変更できる(同一測定用チップで多種の測定対象物1
1を測定できる)利点がある。
【0055】具体例を挙げると、反応部位5Eに固定す
る固定化物質13Cとしてアビジンを使用するのであれ
ば、上述したように測定対象物11としてTSHを測定
する場合には、標識物質12として抗ヒトFSH−αサ
ブユニット抗体、連結物質13としてビオチン化した抗
TSH抗体をそれぞれ用いることでTSHを測定でき、
測定対象物11としてhCGを測定する場合には、標識
物質12として抗ヒトFSH−αサブユニット抗体、連
結物質13としてビオチン化した抗hCG抗体を用いる
ことでhCGを測定できる。
る固定化物質13Cとしてアビジンを使用するのであれ
ば、上述したように測定対象物11としてTSHを測定
する場合には、標識物質12として抗ヒトFSH−αサ
ブユニット抗体、連結物質13としてビオチン化した抗
TSH抗体をそれぞれ用いることでTSHを測定でき、
測定対象物11としてhCGを測定する場合には、標識
物質12として抗ヒトFSH−αサブユニット抗体、連
結物質13としてビオチン化した抗hCG抗体を用いる
ことでhCGを測定できる。
【0056】また、これは、測定対象物11の種類によ
らず反応部位5Eに固定する固定化物質13Cの素材を
一定とすることができるので、測定用チップの製造の簡
素化にも繋がる。また、本発明では、検体10中の測定
対象物11,標識物質12及び連結物質13の反応(第
1のステップ,液相と液相との反応)、及び、測定対象
物11,標識物質12及び連結物質13の複合体と、反
応部位5Eに固定化された固定化物質13Cとの反応
(第2のステップ,液相と固相との反応)が行なわれ
る。
らず反応部位5Eに固定する固定化物質13Cの素材を
一定とすることができるので、測定用チップの製造の簡
素化にも繋がる。また、本発明では、検体10中の測定
対象物11,標識物質12及び連結物質13の反応(第
1のステップ,液相と液相との反応)、及び、測定対象
物11,標識物質12及び連結物質13の複合体と、反
応部位5Eに固定化された固定化物質13Cとの反応
(第2のステップ,液相と固相との反応)が行なわれ
る。
【0057】これに対し、特異的結合物質が固定された
反応部位を有する一本の溝に検体,標識物質をこの順に
順次流通させる上述の従来技術により、本発明と同じよ
うに連結物質を用いて測定を行なおうとすると、反応部
位に固定化物質を固定化し、この反応部位(固相)に、
連結物質13,測定対象物11及び標識物質12を順次
流入させて反応させることとなる。
反応部位を有する一本の溝に検体,標識物質をこの順に
順次流通させる上述の従来技術により、本発明と同じよ
うに連結物質を用いて測定を行なおうとすると、反応部
位に固定化物質を固定化し、この反応部位(固相)に、
連結物質13,測定対象物11及び標識物質12を順次
流入させて反応させることとなる。
【0058】即ち、かかる従来技術では、液相と固相と
の反応を3回行なわせなければならないのに対し、本発
明では、液相と固相との反応を1回行なわせるだけで良
い。液相と液相との反応は、液相と固相との反応よりも
反応速度が高く、したがって、本発明によれば、従来技
術に比べ、測定に要する時間を短縮して測定を効率的に
行なえるという利点がある。
の反応を3回行なわせなければならないのに対し、本発
明では、液相と固相との反応を1回行なわせるだけで良
い。液相と液相との反応は、液相と固相との反応よりも
反応速度が高く、したがって、本発明によれば、従来技
術に比べ、測定に要する時間を短縮して測定を効率的に
行なえるという利点がある。
【0059】また、シリンジポンプ7により検体10,
標識物質12及び連結物質13の流速を所定流速に制御
できるので、検体10,標識物質12及び連結物質13
の流速を、検体10中の測定対象物11,標識物質12
及び連結物質13間の反応に最適な流速にして反応時間
を短縮でき、この点からも測定を効率的に行なえるとい
う利点がある。
標識物質12及び連結物質13の流速を所定流速に制御
できるので、検体10,標識物質12及び連結物質13
の流速を、検体10中の測定対象物11,標識物質12
及び連結物質13間の反応に最適な流速にして反応時間
を短縮でき、この点からも測定を効率的に行なえるとい
う利点がある。
【0060】さらに、測定対象物11の種類に応じてシ
リンジポンプ7により流速を適宜に調整することによ
り、様々な種類の測定対象物11を一つの仕様の測定用
チップにより最適な流速下で測定することが可能となる
利点がある。さらに、シリンジポンプ7により、例え
ば、検体10,標識物質12及び連結物質13の混合物
が反応部位5Eに到達する前に一旦流通を停止して、反
応部位5Eの固定化物質13Cと接触する前に検体1
0,標識物質12及び連結物質13を十分に反応さた
り、検体10,標識物質12及び連結物質13の混合物
が反応部位5Eに到達した時点で一旦流通を停止して、
反応速度の遅い固相(固定化物質13C)−液層(検体
10,標識物質12及び連結物質13の混合物)間の反
応の効率を向上させることが可能となる。さらに、本来
ならば反応部位5Eで固定化物質13Cに結合する測定
対象物11,標識物質12及び連結物質13が未反応の
まま反応部位5Eを通過してしまう可能性がある場合に
は、シリンジポンプにより、反応部位5Eを通過した測
定対象物11及び標識物質12及び連結物質13を逆流
させて再び反応部位5Eと接触させることも可能であ
る。
リンジポンプ7により流速を適宜に調整することによ
り、様々な種類の測定対象物11を一つの仕様の測定用
チップにより最適な流速下で測定することが可能となる
利点がある。さらに、シリンジポンプ7により、例え
ば、検体10,標識物質12及び連結物質13の混合物
が反応部位5Eに到達する前に一旦流通を停止して、反
応部位5Eの固定化物質13Cと接触する前に検体1
0,標識物質12及び連結物質13を十分に反応さた
り、検体10,標識物質12及び連結物質13の混合物
が反応部位5Eに到達した時点で一旦流通を停止して、
反応速度の遅い固相(固定化物質13C)−液層(検体
10,標識物質12及び連結物質13の混合物)間の反
応の効率を向上させることが可能となる。さらに、本来
ならば反応部位5Eで固定化物質13Cに結合する測定
対象物11,標識物質12及び連結物質13が未反応の
まま反応部位5Eを通過してしまう可能性がある場合に
は、シリンジポンプにより、反応部位5Eを通過した測
定対象物11及び標識物質12及び連結物質13を逆流
させて再び反応部位5Eと接触させることも可能であ
る。
【0061】また、上述したように、固定化物質13C
の流路5への固定化が容易であり、測定対象物11,標
識物質12及び連結物質13の流通を多様に制御できる
ので、測定対象物11,標識物質12及び連結物質13
の反応系を、高度に設計でき、また、多様に設定できる
という利点もある。さらに、流路5は閉断面構造を有し
てキャピラリとして機能するので、従来から広く使用・
開発されているキャピラリを用いた測定方法における分
析技術や流路制御等の様々な技術をそのまま流用できる
という利点もある。
の流路5への固定化が容易であり、測定対象物11,標
識物質12及び連結物質13の流通を多様に制御できる
ので、測定対象物11,標識物質12及び連結物質13
の反応系を、高度に設計でき、また、多様に設定できる
という利点もある。さらに、流路5は閉断面構造を有し
てキャピラリとして機能するので、従来から広く使用・
開発されているキャピラリを用いた測定方法における分
析技術や流路制御等の様々な技術をそのまま流用できる
という利点もある。
【0062】また、従来技術の課題として上述したよう
に、イムノクロマトグラフでは原理的に流路(測定対象
物の展開の場)の材質が限定され、キャピラリを用いた
技術では特定の物質(例えば固定化物質13C)をキャ
ピラリ内に固定化するため流路の材質が製作上限定され
てしまうが、本測定用チップ1では、流路5を構成する
チップ基板2やインジェクションボード6の材質を幅広
く選択できる。
に、イムノクロマトグラフでは原理的に流路(測定対象
物の展開の場)の材質が限定され、キャピラリを用いた
技術では特定の物質(例えば固定化物質13C)をキャ
ピラリ内に固定化するため流路の材質が製作上限定され
てしまうが、本測定用チップ1では、流路5を構成する
チップ基板2やインジェクションボード6の材質を幅広
く選択できる。
【0063】これにより、透過波長やバックグラウンド
ノイズ等の点で分光測定における最適化が可能であるば
かりでなく、例えば、表面プラズモン共鳴のようなチッ
プ基板2に対して表面膜処理を必要とする検出系の使用
や、チップ基板2に水晶振動子のような検出素子の組み
込みを実現できる。さらに、流路5がチップ基板2とイ
ンジェクションボード6との間に構成されているので、
チップ基板2とインジェクションボード6とを組み付け
る前は、未だ反応流路5D(流路5)は開放状態である
ため、反応流路5Dを形成する固相壁面(ここではチッ
プ基板2の所定個所)に容易に固定化物質13Cを固定
して反応部位5Eを設けられるという利点がある。
ノイズ等の点で分光測定における最適化が可能であるば
かりでなく、例えば、表面プラズモン共鳴のようなチッ
プ基板2に対して表面膜処理を必要とする検出系の使用
や、チップ基板2に水晶振動子のような検出素子の組み
込みを実現できる。さらに、流路5がチップ基板2とイ
ンジェクションボード6との間に構成されているので、
チップ基板2とインジェクションボード6とを組み付け
る前は、未だ反応流路5D(流路5)は開放状態である
ため、反応流路5Dを形成する固相壁面(ここではチッ
プ基板2の所定個所)に容易に固定化物質13Cを固定
して反応部位5Eを設けられるという利点がある。
【0064】なお、上述の実施形態では、チップ基板2
に孔部4が貫設された膜状部材3を貼り付けることによ
りチップ基板2上に流路5を設けるようにしているが、
膜状部材3を貼り付けずにチップ基板2に溝(溝状の流
路)を直接形成するようにしても良い。このように、チ
ップ基板2に溝を直接形成する方法としては、例えば、
切削,研磨等の機械加工や、リソグラフィーを用いて形
態制御した後、ドライエッチング(例えば電子ビーム,
X線照射,DRIE),ウェットエッチング,放電加
工,レーザーアブレーション等のように溝部を形成する
方法や、先ずフォトリソグラフィーによって溝部形状を
マスクに描画してから、この描画に基づいて上述のドラ
イエッチング,ウェットエッチング,放電加工,レーザ
ーアブレーションによりチップ基板2の所定の部位を除
去して溝部を形成する方法や、さらに、スタンパ,圧縮
成型,射出成形等を使用した転写技術がある。
に孔部4が貫設された膜状部材3を貼り付けることによ
りチップ基板2上に流路5を設けるようにしているが、
膜状部材3を貼り付けずにチップ基板2に溝(溝状の流
路)を直接形成するようにしても良い。このように、チ
ップ基板2に溝を直接形成する方法としては、例えば、
切削,研磨等の機械加工や、リソグラフィーを用いて形
態制御した後、ドライエッチング(例えば電子ビーム,
X線照射,DRIE),ウェットエッチング,放電加
工,レーザーアブレーション等のように溝部を形成する
方法や、先ずフォトリソグラフィーによって溝部形状を
マスクに描画してから、この描画に基づいて上述のドラ
イエッチング,ウェットエッチング,放電加工,レーザ
ーアブレーションによりチップ基板2の所定の部位を除
去して溝部を形成する方法や、さらに、スタンパ,圧縮
成型,射出成形等を使用した転写技術がある。
【0065】或いは、チップ基板2を成型する際に同時
に溝を成型することもでき、このようなチップ基板2の
成型方法としては、例えば鋳型による成型がある。ま
た、光硬化性を有する樹脂を使用して光造形によりチッ
プ基板2及びかかる溝を同時に成型することもできる。
このような場合、溝の設計と、チップ基板2及び溝の製
作とを、コンピュータ制御により同時に行なうことも可
能である。
に溝を成型することもでき、このようなチップ基板2の
成型方法としては、例えば鋳型による成型がある。ま
た、光硬化性を有する樹脂を使用して光造形によりチッ
プ基板2及びかかる溝を同時に成型することもできる。
このような場合、溝の設計と、チップ基板2及び溝の製
作とを、コンピュータ制御により同時に行なうことも可
能である。
【0066】また、上述した方法を組み合わせてチップ
基板2に溝を成形するようにしても良い。また、上述し
たようにチップ基板2の材質は広く選択できるので、こ
のような溝加工には、この他の公知の微細加工技術を使
用できる。なお、このようにチップ基板2に溝を直接形
成する場合も、膜状部材3をチップ基板2に貼り付けて
流路を形成する場合と同様に、溝の深さは、上限は、反
応効率の点から、400μm以下、好ましくは200μ
m以下であり、下限は、加工の容易性や、底部に固定さ
れる固定化物質13Cの厚みを考慮すると、0.1μm
以上にするのが一般的である。
基板2に溝を成形するようにしても良い。また、上述し
たようにチップ基板2の材質は広く選択できるので、こ
のような溝加工には、この他の公知の微細加工技術を使
用できる。なお、このようにチップ基板2に溝を直接形
成する場合も、膜状部材3をチップ基板2に貼り付けて
流路を形成する場合と同様に、溝の深さは、上限は、反
応効率の点から、400μm以下、好ましくは200μ
m以下であり、下限は、加工の容易性や、底部に固定さ
れる固定化物質13Cの厚みを考慮すると、0.1μm
以上にするのが一般的である。
【0067】また、この場合も、各流路WA〜WDの幅
は、通常0.1μm以上、3mm以下、好ましくは1μ
m以上、1mm以下である。また、流路長さLA,LB,
LCは、通常100μm以上、100mm以下、好まし
くは1mm以上、50mm以下である。また、流路長さ
LDに関しては、通常1mm以上、1000mm以下、
好ましくは3mm以上、500mm以下である。
は、通常0.1μm以上、3mm以下、好ましくは1μ
m以上、1mm以下である。また、流路長さLA,LB,
LCは、通常100μm以上、100mm以下、好まし
くは1mm以上、50mm以下である。また、流路長さ
LDに関しては、通常1mm以上、1000mm以下、
好ましくは3mm以上、500mm以下である。
【0068】また、図1(B)に二点鎖線で示すよう
に、ある特殊な条件下での測定を行なうべく、例えば緩
衝溶液を検体10に注入させるための緩衝溶液用の流路
5Gをさらに設けても良い。また、図1(B)に二点鎖
線で示すように、反応流路5Dにおいて、反応部位5E
の下流側に流路5H,5Jを設けても良い。この流路5
H,5Jを適切に設けることにより(具体的には、流路
の幅,深さ,反応流路5Dに対する傾斜角度等を適宜設
定することにより)、流路5Dと流路5H,5Jとを介
して、未反応の検体10,標識物質12及び連結物質1
3をそれぞれ分離して回収することも可能となる。
に、ある特殊な条件下での測定を行なうべく、例えば緩
衝溶液を検体10に注入させるための緩衝溶液用の流路
5Gをさらに設けても良い。また、図1(B)に二点鎖
線で示すように、反応流路5Dにおいて、反応部位5E
の下流側に流路5H,5Jを設けても良い。この流路5
H,5Jを適切に設けることにより(具体的には、流路
の幅,深さ,反応流路5Dに対する傾斜角度等を適宜設
定することにより)、流路5Dと流路5H,5Jとを介
して、未反応の検体10,標識物質12及び連結物質1
3をそれぞれ分離して回収することも可能となる。
【0069】また、上述の実施形態では、標識物質12
の量を反応部位5Eにおいて測定するようにしている
が、検体10,標識物質12及び連結物質13の流通の
完了後に、標識物質12を反応部位5Eから分離して回
収し、この回収した標識物質12の量を測定するように
しても良い。標識物質12を反応部位5Eから分離する
には、例えば、標識物質12に近似した物質を流して、
この物質と標識物質12とが置き換えられるようにすれ
ば良い。
の量を反応部位5Eにおいて測定するようにしている
が、検体10,標識物質12及び連結物質13の流通の
完了後に、標識物質12を反応部位5Eから分離して回
収し、この回収した標識物質12の量を測定するように
しても良い。標識物質12を反応部位5Eから分離する
には、例えば、標識物質12に近似した物質を流して、
この物質と標識物質12とが置き換えられるようにすれ
ば良い。
【0070】このような態様が好ましい場合としては、
チップ基板2や膜状部材3等の材質が分光測定に適して
いないため、標識物質12をチップ基板2から分離させ
る必要がある場合である。また、上述の実施形態では、
検体10を流通させる流路5Aの幅WAと、標識物質1
2を流通させる流路5Bの幅WBと、連結物質13を流
通させる流路5Cの幅WCとを同じ長さに設定している
が、幅WA,WB,WCを相互に異なる長さに設定して各
流路5A,5B,5Cとで流路断面積が異なるようにし
ても良い。流路5Aを流通する検体10と流路5Bを流
通する標識物質12と流路5Cを流通する連結物質13
の各流量に大きな差がある場合には、このように流路5
A,5B,5Cで異なる流路断面積に設定するのが有効
である。
チップ基板2や膜状部材3等の材質が分光測定に適して
いないため、標識物質12をチップ基板2から分離させ
る必要がある場合である。また、上述の実施形態では、
検体10を流通させる流路5Aの幅WAと、標識物質1
2を流通させる流路5Bの幅WBと、連結物質13を流
通させる流路5Cの幅WCとを同じ長さに設定している
が、幅WA,WB,WCを相互に異なる長さに設定して各
流路5A,5B,5Cとで流路断面積が異なるようにし
ても良い。流路5Aを流通する検体10と流路5Bを流
通する標識物質12と流路5Cを流通する連結物質13
の各流量に大きな差がある場合には、このように流路5
A,5B,5Cで異なる流路断面積に設定するのが有効
である。
【0071】つまり、流路5A,5Bについて着目して
説明すると、例えば、100μLの検体10と1μLの
標識物質12とをそれぞれ流路5A,5Bに流通させて
測定を行なう場合、検体10と標識物質12とを均一に
混合させて検体10と標識物質12とを反応させること
が精度良く測定を行なう上で重要となる。そして、検体
10と標識物質12とを所定の割合で均一に混合させる
ためには、この場合には、検体10と標識物質12とを
単位時間当たりに100:1の割合で混合部位5Fに流
入させる、即ち、流路5Aにおける検体10の単位時間
当たりの流量(以下、これを流速という)FAと、流路
5Bにおける標識物質12の流速FBとの比を100:
1にすれば良い(FA/FB=100/1)。
説明すると、例えば、100μLの検体10と1μLの
標識物質12とをそれぞれ流路5A,5Bに流通させて
測定を行なう場合、検体10と標識物質12とを均一に
混合させて検体10と標識物質12とを反応させること
が精度良く測定を行なう上で重要となる。そして、検体
10と標識物質12とを所定の割合で均一に混合させる
ためには、この場合には、検体10と標識物質12とを
単位時間当たりに100:1の割合で混合部位5Fに流
入させる、即ち、流路5Aにおける検体10の単位時間
当たりの流量(以下、これを流速という)FAと、流路
5Bにおける標識物質12の流速FBとの比を100:
1にすれば良い(FA/FB=100/1)。
【0072】本実施形態のように、流路5Aの検体10
と流路5Bの標識物質12とを、1つの流通制御手段
(シリンジポンプ)7により合流部位5F側から吸引す
る場合には、特に、流路5Aと流路5Bとで流路断面積
を同一にして、検体10の流速FAと標識物質12の流
速FBとに大きな差を設定することは技術的に困難であ
るが、流路5Aの幅WAと流路5Bの幅WBとを異なる長
さに設定して、流路5Aと流路5Bとで流路断面積が異
なるようにすることにより、検体10の流速FAと標識
物質12の流速FBとの比を100:1にすることがで
きる。したがって、検体10と標識物質12との間で流
量に大きな差がある場合でも、検体10と標識物質12
とを所定の割合で均一に混合させて精度良く測定を行な
うことができるのである。
と流路5Bの標識物質12とを、1つの流通制御手段
(シリンジポンプ)7により合流部位5F側から吸引す
る場合には、特に、流路5Aと流路5Bとで流路断面積
を同一にして、検体10の流速FAと標識物質12の流
速FBとに大きな差を設定することは技術的に困難であ
るが、流路5Aの幅WAと流路5Bの幅WBとを異なる長
さに設定して、流路5Aと流路5Bとで流路断面積が異
なるようにすることにより、検体10の流速FAと標識
物質12の流速FBとの比を100:1にすることがで
きる。したがって、検体10と標識物質12との間で流
量に大きな差がある場合でも、検体10と標識物質12
とを所定の割合で均一に混合させて精度良く測定を行な
うことができるのである。
【0073】これに対して、従来技術として上述したよ
うに、特異的結合物質の固定された反応部位を有する一
本の溝に、検体,標識物質をこの順に順次流通させる公
知技術では、検体中の測定対象物と標識物質とを効率的
に反応させて精度良く測定を行なうためには、検体,標
識物質が、反応部位と接触して反応しうる時間(=検
体,標識物質が反応部位を通過する時間)を適切なもの
にそれぞれ設定することが重要となる。
うに、特異的結合物質の固定された反応部位を有する一
本の溝に、検体,標識物質をこの順に順次流通させる公
知技術では、検体中の測定対象物と標識物質とを効率的
に反応させて精度良く測定を行なうためには、検体,標
識物質が、反応部位と接触して反応しうる時間(=検
体,標識物質が反応部位を通過する時間)を適切なもの
にそれぞれ設定することが重要となる。
【0074】しかしながら、この従来技術において、特
に、例えば上記ケースと同じく100μLの検体と1μ
Lの標識物質とを使用して測定を行なう場合のように検
体の量と標識物質の量とに差があり、且つ、検体と標識
物質とについて反応部位での反応時間が同程度必要な場
合には、検体の流速FA′と標識物質の流速FB′とを
異なるものとする必要がある(この場合、FA′:FB′
=100:1)。
に、例えば上記ケースと同じく100μLの検体と1μ
Lの標識物質とを使用して測定を行なう場合のように検
体の量と標識物質の量とに差があり、且つ、検体と標識
物質とについて反応部位での反応時間が同程度必要な場
合には、検体の流速FA′と標識物質の流速FB′とを
異なるものとする必要がある(この場合、FA′:FB′
=100:1)。
【0075】例えばシリンジポンプのような流通制御手
段を設けることにより、この流通制御手段で検体の流速
と標識物質の流速とを個別に制御して、検体の流速F
A′と標識物質の流速FB′とを異なる値に設定すること
は可能であるが、本例のように、かかる流速差が大きい
場合には、1つの流通制御手段によりこのような広範囲
での流通制御は技術的に困難である。異なる流路間にお
いて、各流路の流路断面積を互いに異なる面積とするこ
とで、同一の流通制御手段により各流路の流速を大きく
異なる速度に制御することは一般的に行なわれているこ
とであるが、この公知技術では、検体及び標識物質の流
路が共用であるため、当然ながら、検体,標識物質のそ
れぞれについて流路断面積を変更することはできない。
勿論、検体の流通を制御するのと標識物質の流通を制御
するのとで異なる仕様の流通制御手段を使用することに
より、検体と標識物質とを大きく異なる流速で制御する
ことも可能であるが、2種類の流通制御手段が必要とな
ってコスト増加を招くため現実的ではない。
段を設けることにより、この流通制御手段で検体の流速
と標識物質の流速とを個別に制御して、検体の流速F
A′と標識物質の流速FB′とを異なる値に設定すること
は可能であるが、本例のように、かかる流速差が大きい
場合には、1つの流通制御手段によりこのような広範囲
での流通制御は技術的に困難である。異なる流路間にお
いて、各流路の流路断面積を互いに異なる面積とするこ
とで、同一の流通制御手段により各流路の流速を大きく
異なる速度に制御することは一般的に行なわれているこ
とであるが、この公知技術では、検体及び標識物質の流
路が共用であるため、当然ながら、検体,標識物質のそ
れぞれについて流路断面積を変更することはできない。
勿論、検体の流通を制御するのと標識物質の流通を制御
するのとで異なる仕様の流通制御手段を使用することに
より、検体と標識物質とを大きく異なる流速で制御する
ことも可能であるが、2種類の流通制御手段が必要とな
ってコスト増加を招くため現実的ではない。
【0076】したがって、本測定用チップでは、分岐し
た流路5A,B,5Cを有するので、測定に使用される
検体10,標識物質12,連結物質13との流量に大き
な差がある場合でも、測定を精度良く行なうことが可能
なのである。なお、ここでは、流路5A,5B,5Cの
深さは、いずれも膜状部材3の厚みで決定されるため、
流路幅WA,WB,WCを異なる長さで設定することによ
り流路5A,5B,5Cで流路断面積が異なるようにし
ているが、流路をチップ基板2に直接設けるような場合
には、流路5A,5B,5Cにおいて、流路深さを変え
ることにより流路断面積が異なるようにしても良いし、
勿論、流路深さ及び流路幅を共に異なる値で設定しても
良いし、流路幅だけを異なる値で設定しても良い。
た流路5A,B,5Cを有するので、測定に使用される
検体10,標識物質12,連結物質13との流量に大き
な差がある場合でも、測定を精度良く行なうことが可能
なのである。なお、ここでは、流路5A,5B,5Cの
深さは、いずれも膜状部材3の厚みで決定されるため、
流路幅WA,WB,WCを異なる長さで設定することによ
り流路5A,5B,5Cで流路断面積が異なるようにし
ているが、流路をチップ基板2に直接設けるような場合
には、流路5A,5B,5Cにおいて、流路深さを変え
ることにより流路断面積が異なるようにしても良いし、
勿論、流路深さ及び流路幅を共に異なる値で設定しても
良いし、流路幅だけを異なる値で設定しても良い。
【0077】或いは、反応流路5Dに対する流路5A,
5B,5Cの各傾斜角を適宜設定することにより、検体
10,標識物質12及び連結物質13が反応流路5Dに
流入する際に受ける抵抗がそれぞれ異なるようにして、
検体10,標識物質12及び連結物質13とで流速が異
なるようにすることも可能である。また、流路5A,5
B,5Cが合流して反応流路5Dが形成されれば良く、
図1(A),(B)に示すように流路5A,5B,5C
が何れも同時に合流するような構成である必要はなく、
例えば図3に示すように流路5A,5Bが合流した後で
流路5Cが合流するような構成であっても良い。
5B,5Cの各傾斜角を適宜設定することにより、検体
10,標識物質12及び連結物質13が反応流路5Dに
流入する際に受ける抵抗がそれぞれ異なるようにして、
検体10,標識物質12及び連結物質13とで流速が異
なるようにすることも可能である。また、流路5A,5
B,5Cが合流して反応流路5Dが形成されれば良く、
図1(A),(B)に示すように流路5A,5B,5C
が何れも同時に合流するような構成である必要はなく、
例えば図3に示すように流路5A,5Bが合流した後で
流路5Cが合流するような構成であっても良い。
【0078】(B)第2実施形態の説明
次に、本発明の第2実施形態としての測定対象物の測定
用チップ,測定対象物の測定装置及び測定対象物の測定
方法について説明する。図4及び図5は本実施形態の測
定対象物の測定用チップ,測定対象物の測定装置及び測
定対象物の測定方法について示す図である。なお、上述
した第1実施形態と同じ部材については同一の符号を付
し説明を省略する。
用チップ,測定対象物の測定装置及び測定対象物の測定
方法について説明する。図4及び図5は本実施形態の測
定対象物の測定用チップ,測定対象物の測定装置及び測
定対象物の測定方法について示す図である。なお、上述
した第1実施形態と同じ部材については同一の符号を付
し説明を省略する。
【0079】本実施形態の測定用チップ21は、図4
(A),(B)に示すように、チップ基板2と、膜状部
材3と、インジェクションボード(被覆部材)6とを下
からこの順に積層/重合して構成されている。インジェ
クションボード6は、膜状部材3を介してチップ基板2
の表面2Aを覆い、チップ基板2,膜状部材3及びイン
ジェクションボード6の間に閉断面形状の反応流路15
が形成されるようになっている。
(A),(B)に示すように、チップ基板2と、膜状部
材3と、インジェクションボード(被覆部材)6とを下
からこの順に積層/重合して構成されている。インジェ
クションボード6は、膜状部材3を介してチップ基板2
の表面2Aを覆い、チップ基板2,膜状部材3及びイン
ジェクションボード6の間に閉断面形状の反応流路15
が形成されるようになっている。
【0080】チップ基板2は、ここでは、厚さ1mmの
ポリメタクリル酸メチル(pMMA)の板を60mm×
20mmに切断して製作されている。また、膜状部材3
には、厚さ20μm(=流路15の深さ),幅15mm
の市販の紙製両面テープが使用され、下方にはチップ基
板2が、上方にはインジェクションボード6がそれぞれ
接着されている。また、膜状部材3には、ここでは、幅
(=流路幅)2mm×長さ(=流路長さ)30mmの長
方形の孔部14が貫設されており、膜状部材3をチップ
基板2に積載することにより、膜状部材3の孔部14と
チップ基板2の表面2Aとから溝部が形成され、さら
に、インジェクションボード6により、膜状部材3を介
してチップ基板2の表面2Aを被覆させることにより、
インジェクションボード6と上記溝部とから閉断面形状
の反応流路15が形成される。
ポリメタクリル酸メチル(pMMA)の板を60mm×
20mmに切断して製作されている。また、膜状部材3
には、厚さ20μm(=流路15の深さ),幅15mm
の市販の紙製両面テープが使用され、下方にはチップ基
板2が、上方にはインジェクションボード6がそれぞれ
接着されている。また、膜状部材3には、ここでは、幅
(=流路幅)2mm×長さ(=流路長さ)30mmの長
方形の孔部14が貫設されており、膜状部材3をチップ
基板2に積載することにより、膜状部材3の孔部14と
チップ基板2の表面2Aとから溝部が形成され、さら
に、インジェクションボード6により、膜状部材3を介
してチップ基板2の表面2Aを被覆させることにより、
インジェクションボード6と上記溝部とから閉断面形状
の反応流路15が形成される。
【0081】なお、膜状部材3の厚み(流路15の深
さ)は、上述した第1実施形態と同様に、上限は、反応
効率の点から、400μm以下、好ましくは200μm
以下であり、下限は、製作の容易性や、底部に固定され
た特異的結合物質13の厚みを考慮すると、0.1μm
以上にするのが一般的である。また、流路15の幅は、
通常0.1μm以上、3mm以下、好ましくは1μm以
上、1mm以下である。また、流路長さは、通常1mm
以上、1000mm以下、好ましくは3mm以上、50
0mm以下である。
さ)は、上述した第1実施形態と同様に、上限は、反応
効率の点から、400μm以下、好ましくは200μm
以下であり、下限は、製作の容易性や、底部に固定され
た特異的結合物質13の厚みを考慮すると、0.1μm
以上にするのが一般的である。また、流路15の幅は、
通常0.1μm以上、3mm以下、好ましくは1μm以
上、1mm以下である。また、流路長さは、通常1mm
以上、1000mm以下、好ましくは3mm以上、50
0mm以下である。
【0082】インジェクションボード6は、チップ基板
2と同じく、厚さ1mmのポリメタクリル酸メチル(p
MMA)の板を60mm×20mmに切断して製作され
ている。インジェクションボード6には、測定用チップ
1への積載時に、反応流路15の上流端に連通するよう
に検体10を注入するための注入口6Eが貫設され、同
様に、検体10と標識物質12との混合物を排出するた
めに排出口6Fが反応流路15の下流端に連通するよう
に貫設されている。なお、注入口6E及び排出口6F
は、幅2mmの反応流路15にあわせて、直径2mmに
形成されている。
2と同じく、厚さ1mmのポリメタクリル酸メチル(p
MMA)の板を60mm×20mmに切断して製作され
ている。インジェクションボード6には、測定用チップ
1への積載時に、反応流路15の上流端に連通するよう
に検体10を注入するための注入口6Eが貫設され、同
様に、検体10と標識物質12との混合物を排出するた
めに排出口6Fが反応流路15の下流端に連通するよう
に貫設されている。なお、注入口6E及び排出口6F
は、幅2mmの反応流路15にあわせて、直径2mmに
形成されている。
【0083】反応流路15には、上流側から、標識物質
12が配置された標識部位15A、連結物質13が配置
された混合部位15B、固定化物質13Cが固定された
反応部位15Cがこの順に形成されている。これによ
り、図5に示すように、反応流路15を流通する検体1
0は、まず、標識部位15Aで標識物質12と混合し、
検体10中の測定対象物11と標識物質12との複合体
が生成され、その後、この複合体が混合部位15Bで連
結物質13と混合し、測定対象物11,標識物質12,
連結物質13の複合体が生成され、反応部位15Cでこ
の複合体が固定化物質13Cと結合するようになってい
る。
12が配置された標識部位15A、連結物質13が配置
された混合部位15B、固定化物質13Cが固定された
反応部位15Cがこの順に形成されている。これによ
り、図5に示すように、反応流路15を流通する検体1
0は、まず、標識部位15Aで標識物質12と混合し、
検体10中の測定対象物11と標識物質12との複合体
が生成され、その後、この複合体が混合部位15Bで連
結物質13と混合し、測定対象物11,標識物質12,
連結物質13の複合体が生成され、反応部位15Cでこ
の複合体が固定化物質13Cと結合するようになってい
る。
【0084】反応部位15Cを形成すべく固定化物質1
3Cをチップ基板2にスポッティングする方法及びチッ
プ基板2に固定する方法は、第1実施形態の反応部位5
Eにおける固定化物質13Cのチップ基板2へのスポッ
ティング方法/固定方法と同一である。また、標識物質
12及び連結物質13の反応流路15へのスポッティン
グは、固定化物質13Cのスポッティング方法と同様
で、例えば、スポイトによる滴下,インクジェットプリ
ンタの原理を利用したノズル孔による噴射又は滴下,先
細状のピン先による塗布及びスタンプ等により行なわれ
る。また、標識物質12及び連結物質13は、検体10
が標識部位15A及び混合部位15Bを流通する際に検
体10と混ざって下流側の反応部位15Cへと流れてい
かなければならないため、固定化物質13Cとは異な
り、チップ基板2には比較的低い結合度で固定されてい
る。固定化方法としては、標識物質12又は連結物質1
3を、チップ基板2に直接吸着させる方法や、チップ基
板2に他の物質をコーティングし、そのコーティング膜
に吸着させる方法や、他の物質と混合して吸着させる方
法がある。
3Cをチップ基板2にスポッティングする方法及びチッ
プ基板2に固定する方法は、第1実施形態の反応部位5
Eにおける固定化物質13Cのチップ基板2へのスポッ
ティング方法/固定方法と同一である。また、標識物質
12及び連結物質13の反応流路15へのスポッティン
グは、固定化物質13Cのスポッティング方法と同様
で、例えば、スポイトによる滴下,インクジェットプリ
ンタの原理を利用したノズル孔による噴射又は滴下,先
細状のピン先による塗布及びスタンプ等により行なわれ
る。また、標識物質12及び連結物質13は、検体10
が標識部位15A及び混合部位15Bを流通する際に検
体10と混ざって下流側の反応部位15Cへと流れてい
かなければならないため、固定化物質13Cとは異な
り、チップ基板2には比較的低い結合度で固定されてい
る。固定化方法としては、標識物質12又は連結物質1
3を、チップ基板2に直接吸着させる方法や、チップ基
板2に他の物質をコーティングし、そのコーティング膜
に吸着させる方法や、他の物質と混合して吸着させる方
法がある。
【0085】そして、本実施形態の測定装置は、図4
(A)に示すように、このような測定用チップ21と、
流路15における検体10や標識物質12や連結物質1
3の流通を制御するシリンジポンプ7と、反応部位15
Cに結合した標識物質12を測定する図示しない測定手
段とをそなえて構成される。本発明の第2実施形態とし
ての測定対象物の測定用チップ及び測定対象物の測定装
置は、上述のように構成されているので、以下に示す手
順(本発明の第2実施形態としての測定対象物の測定方
法)により測定対象物の測定が行なわれる。
(A)に示すように、このような測定用チップ21と、
流路15における検体10や標識物質12や連結物質1
3の流通を制御するシリンジポンプ7と、反応部位15
Cに結合した標識物質12を測定する図示しない測定手
段とをそなえて構成される。本発明の第2実施形態とし
ての測定対象物の測定用チップ及び測定対象物の測定装
置は、上述のように構成されているので、以下に示す手
順(本発明の第2実施形態としての測定対象物の測定方
法)により測定対象物の測定が行なわれる。
【0086】先ず、Ab−EuLTXを上述した第1実
施形態と同様に調整する。そして、図4(A)におい
て、チップ基板2に膜状部材3を貼り合わせた後、チッ
プ基板2と膜状部材3とにより形成される反応流路15
に、固定化物質13Cとして1mg/mLに調整したア
ビジンを1μL、連結物質13としてビオチン化した
1.1mg/mLの抗TSH抗体(マウスIgG)、A
b−EuLTXと10%スクロース溶液とを9:1の割
合で混合した溶液を標識物質12として2μLだけスポ
ッティングする。そして、常温・常圧で30分乾燥させ
た後、さらに常温で真空乾燥を15分間行なって、反応
流路15に、標識部位15A,混合部位15B及び反応
部位15Cを形成する。
施形態と同様に調整する。そして、図4(A)におい
て、チップ基板2に膜状部材3を貼り合わせた後、チッ
プ基板2と膜状部材3とにより形成される反応流路15
に、固定化物質13Cとして1mg/mLに調整したア
ビジンを1μL、連結物質13としてビオチン化した
1.1mg/mLの抗TSH抗体(マウスIgG)、A
b−EuLTXと10%スクロース溶液とを9:1の割
合で混合した溶液を標識物質12として2μLだけスポ
ッティングする。そして、常温・常圧で30分乾燥させ
た後、さらに常温で真空乾燥を15分間行なって、反応
流路15に、標識部位15A,混合部位15B及び反応
部位15Cを形成する。
【0087】そして、インジェクションボード6を膜状
部材3上に貼り合わせた後、検体10として、純水で希
釈され1230μIU/mLに調整されたTSH標準品
を20μLだけ注入口6Eから流路15に滴下する。次
に、インジェクションボード6の排出口6Fに接続され
たシリンジポンプ7を作動させて、注入口6Eの検体1
0を10μL/分で吸引する。
部材3上に貼り合わせた後、検体10として、純水で希
釈され1230μIU/mLに調整されたTSH標準品
を20μLだけ注入口6Eから流路15に滴下する。次
に、インジェクションボード6の排出口6Fに接続され
たシリンジポンプ7を作動させて、注入口6Eの検体1
0を10μL/分で吸引する。
【0088】検体10は、シリンジポンプ7により流通
を制御されながら流路15を流通し、図5に示すよう
に、標識部位15Aで標識物質12と接触すると検体1
0中の測定対象物11と標識物質12とが結合し、さら
に、混合部位15Bで連結物質13と結合する(第1の
ステップ)。そして、この混合物は、反応部位15C上
に移動すると、反応部位15Cに固定された固定化物質
13Cとさらに結合する(第2のステップ)。そして、
検体10の流通が完了した後、流路15に20μLの純
水を流通させて流路5を洗浄する。
を制御されながら流路15を流通し、図5に示すよう
に、標識部位15Aで標識物質12と接触すると検体1
0中の測定対象物11と標識物質12とが結合し、さら
に、混合部位15Bで連結物質13と結合する(第1の
ステップ)。そして、この混合物は、反応部位15C上
に移動すると、反応部位15Cに固定された固定化物質
13Cとさらに結合する(第2のステップ)。そして、
検体10の流通が完了した後、流路15に20μLの純
水を流通させて流路5を洗浄する。
【0089】そして、図示しない測定装置により波長が
365nmの紫外線を反応部位15Cに照射したとこ
ろ、反応部位15Cにおいて標識物質12に起因した赤
色の蛍光が目視により観察され、検体10中に測定対象
物11が含まれていることが測定された(第3のステッ
プ)。また、検体10としてTSH(測定対象物)を含
まない溶液を使用して、上記と同様の手順で測定を行な
ったところ、反応部位15Cでは蛍光が見られず、検体
10にTSHが含まれていないことを正確に検出でき
た。
365nmの紫外線を反応部位15Cに照射したとこ
ろ、反応部位15Cにおいて標識物質12に起因した赤
色の蛍光が目視により観察され、検体10中に測定対象
物11が含まれていることが測定された(第3のステッ
プ)。また、検体10としてTSH(測定対象物)を含
まない溶液を使用して、上記と同様の手順で測定を行な
ったところ、反応部位15Cでは蛍光が見られず、検体
10にTSHが含まれていないことを正確に検出でき
た。
【0090】したがって、本実施形態の測定対象物の測
定用チップ,測定対象物の測定装置及び測定対象物の測
定方法によれば、以下のような利点がある。つまり、チ
ップ基板2とインジェクションボード6とを組み付ける
前は、未だ反応流路15は開放状態であるため、反応流
路15を形成する固相壁面(ここではチップ基板2の所
定個所)に標識物質12,連結物質13及び固定化物質
13Cを容易に固定できるという利点がある。
定用チップ,測定対象物の測定装置及び測定対象物の測
定方法によれば、以下のような利点がある。つまり、チ
ップ基板2とインジェクションボード6とを組み付ける
前は、未だ反応流路15は開放状態であるため、反応流
路15を形成する固相壁面(ここではチップ基板2の所
定個所)に標識物質12,連結物質13及び固定化物質
13Cを容易に固定できるという利点がある。
【0091】また、シリンジポンプ7により、検体1
0,標識物質12及び連結物質13の流速を所定流速に
制御できるので、検体10等の流速を測定に最適な流速
にでき、反応時間を短縮して測定を効率的に行なえると
いう利点がある。また、検体10の流通を停止させたり
逆流させたりできるので、適宜に流通状態(流速,流通
方向等)を制御でき、測定の態様が広いという利点があ
る。さらに、流速を適宜に調整できるので測定対象物1
1の種類に応じてシリンジポンプ7により流速を適宜に
調整することにより、様々な種類の測定対象物11を一
つの仕様の測定用チップにより最適な流速下で測定でき
るという利点がある。
0,標識物質12及び連結物質13の流速を所定流速に
制御できるので、検体10等の流速を測定に最適な流速
にでき、反応時間を短縮して測定を効率的に行なえると
いう利点がある。また、検体10の流通を停止させたり
逆流させたりできるので、適宜に流通状態(流速,流通
方向等)を制御でき、測定の態様が広いという利点があ
る。さらに、流速を適宜に調整できるので測定対象物1
1の種類に応じてシリンジポンプ7により流速を適宜に
調整することにより、様々な種類の測定対象物11を一
つの仕様の測定用チップにより最適な流速下で測定でき
るという利点がある。
【0092】そして、このように、標識物質12,連結
物質13及び固定化物質13Cの反応流路15への固定
化が容易であり、検体10の流通を多様に制御できるの
で、測定対象物11,標識物質12,連結物質13及び
固定化物質13Cの反応系を、洗練でき、また、多様に
設定できるという利点がある。さらに、流路15は閉断
面構造を有してキャピラリとして機能するので、従来か
ら広く使用・開発されているキャピラリを用いた測定方
法における分析技術や流路制御等の様々な技術をそのま
ま流用できるという利点もある。
物質13及び固定化物質13Cの反応流路15への固定
化が容易であり、検体10の流通を多様に制御できるの
で、測定対象物11,標識物質12,連結物質13及び
固定化物質13Cの反応系を、洗練でき、また、多様に
設定できるという利点がある。さらに、流路15は閉断
面構造を有してキャピラリとして機能するので、従来か
ら広く使用・開発されているキャピラリを用いた測定方
法における分析技術や流路制御等の様々な技術をそのま
ま流用できるという利点もある。
【0093】また、上述したように、イムノクロマトグ
ラフやキャピラリを用いた技術では、流路の材質が限定
されてしまうが、本測定用チップ21では、流路15を
構成するチップ基板2,膜状部材3及びインジェクショ
ンボード6の材質を幅広く選択できるので、分光測定に
おける最適化が可能であるばかりでなく、例えば、表面
プラズモン共鳴のようなチップ基板2に対して表面膜処
理を必要とする検出系の使用や、チップ基板2に水晶振
動子のような検出素子の組み込みを実現できる。
ラフやキャピラリを用いた技術では、流路の材質が限定
されてしまうが、本測定用チップ21では、流路15を
構成するチップ基板2,膜状部材3及びインジェクショ
ンボード6の材質を幅広く選択できるので、分光測定に
おける最適化が可能であるばかりでなく、例えば、表面
プラズモン共鳴のようなチップ基板2に対して表面膜処
理を必要とする検出系の使用や、チップ基板2に水晶振
動子のような検出素子の組み込みを実現できる。
【0094】なお、上述の実施形態では、チップ基板2
に孔部14が貫設された膜状部材3を貼り付けることに
よりチップ基板2上に反応流路15を設けるようにして
いるが、膜状部材3を貼り付けずにチップ基板2に溝部
(流路)を直接形成するようにしても良い。このような
溝部の形成方法は、第1実施形態においてチップ基板2
に直接溝部を形成する手法と同様である。また、溝部の
深さも第1実施形態と同様で、上限は、反応効率の点か
ら、400μm以下、好ましくは200μm以下であ
り、下限は、加工の容易性や、底部に固定された固定化
物質13Cの厚みを考慮すると、0.1μm以上にする
のが一般的である。
に孔部14が貫設された膜状部材3を貼り付けることに
よりチップ基板2上に反応流路15を設けるようにして
いるが、膜状部材3を貼り付けずにチップ基板2に溝部
(流路)を直接形成するようにしても良い。このような
溝部の形成方法は、第1実施形態においてチップ基板2
に直接溝部を形成する手法と同様である。また、溝部の
深さも第1実施形態と同様で、上限は、反応効率の点か
ら、400μm以下、好ましくは200μm以下であ
り、下限は、加工の容易性や、底部に固定された固定化
物質13Cの厚みを考慮すると、0.1μm以上にする
のが一般的である。
【0095】また、この場合も、流路15の幅は、通常
0.1μm以上、3mm以下、好ましくは1μm以上、
1mm以下である。また、流路15の長さは、通常1m
m以上、1000mm以下、好ましくは3mm以上、5
00mm以下である。なお、流通制御手段7は、上述し
た第1実施形態と同様にシリンジポンプに限定されず、
例えば、陽圧式ポンプ,陰圧式ポンプを使用しても良
い。或いは、流路15の上流端及び下流端にそれぞれ電
極を取り付け、これらの電極に異なる電圧をかけること
により検体10に電気浸透流を生じさせるようにしても
良い。
0.1μm以上、3mm以下、好ましくは1μm以上、
1mm以下である。また、流路15の長さは、通常1m
m以上、1000mm以下、好ましくは3mm以上、5
00mm以下である。なお、流通制御手段7は、上述し
た第1実施形態と同様にシリンジポンプに限定されず、
例えば、陽圧式ポンプ,陰圧式ポンプを使用しても良
い。或いは、流路15の上流端及び下流端にそれぞれ電
極を取り付け、これらの電極に異なる電圧をかけること
により検体10に電気浸透流を生じさせるようにしても
良い。
【0096】又は、流通制御手段として、注入口6E及
び排出口6Fに電極を取り付けるとともに注入口6E及
び排出口6Fの周辺に金属をコーティングすることによ
り、流路15の検体10及び標識物質12,連結物質1
3に直流電場をかけてイオン(測定対象物11,標識物
質12,連結物質13)を電気泳動させるようにしても
良い。この場合、検体10の溶媒や標識物質12の溶媒
や連結物質13の溶媒の移動はないので、インジェクシ
ョンボード6により流路15を密閉する必要はない。し
たがって、インジェクションボード6が不要となるの
で、測定用チップは上記チップ基板2及び膜状部材3か
ら構成されることとなり、チップ基板2及び膜状部材3
により形成される溝(溝状の流路)が反応流路15とし
て機能する。
び排出口6Fに電極を取り付けるとともに注入口6E及
び排出口6Fの周辺に金属をコーティングすることによ
り、流路15の検体10及び標識物質12,連結物質1
3に直流電場をかけてイオン(測定対象物11,標識物
質12,連結物質13)を電気泳動させるようにしても
良い。この場合、検体10の溶媒や標識物質12の溶媒
や連結物質13の溶媒の移動はないので、インジェクシ
ョンボード6により流路15を密閉する必要はない。し
たがって、インジェクションボード6が不要となるの
で、測定用チップは上記チップ基板2及び膜状部材3か
ら構成されることとなり、チップ基板2及び膜状部材3
により形成される溝(溝状の流路)が反応流路15とし
て機能する。
【0097】又は、流通制御手段として、加熱装置を測
定用チップ21に設け、この加熱装置により測定用チッ
プ21に生じた温度勾配を利用して検体10、標識物質
12及び連結物質13を流通させるようにしても良い。
或いは、これらの方法を複数組み合わせて行なうように
しても良い。 (3)その他 なお、本発明の測定対象物の測定用チップ,測定対象物
の測定装置及び測定対象物の測定方法は上述した実施形
態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変
形することが可能である。
定用チップ21に設け、この加熱装置により測定用チッ
プ21に生じた温度勾配を利用して検体10、標識物質
12及び連結物質13を流通させるようにしても良い。
或いは、これらの方法を複数組み合わせて行なうように
しても良い。 (3)その他 なお、本発明の測定対象物の測定用チップ,測定対象物
の測定装置及び測定対象物の測定方法は上述した実施形
態に限定されず、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変
形することが可能である。
【0098】例えば、上述の各実施形態では、反応部位
5E,15Cはそれぞれ図1(A)及び図4(A)に示
すようにチップ基板2に設けられているが、反応部位5
E,15Cは反応流路5D,15を形成する固相壁面に
設けられていれば良く、図6(A),(B)の測定用チ
ップ1′,21′に示すように反応部位5E,15Cを
インジェクションボード6に設けても良い。このように
インジェクションボード6に反応部位5E,15Cを設
けるのが好ましい場合としては、例えば、流路5,15
を機械加工によりチップ基板2に直接形成する場合であ
る。つまり、この場合、チップ基板2の素材として、複
合物質13Cの固定化効率にとらわれずに機械加工し易
い素材(例えばpMMA材)を選択でき、一方、インジ
ェクションボード6の素材に上記固定化効率の良いポリ
スチレンを選択することが可能となるのである。
5E,15Cはそれぞれ図1(A)及び図4(A)に示
すようにチップ基板2に設けられているが、反応部位5
E,15Cは反応流路5D,15を形成する固相壁面に
設けられていれば良く、図6(A),(B)の測定用チ
ップ1′,21′に示すように反応部位5E,15Cを
インジェクションボード6に設けても良い。このように
インジェクションボード6に反応部位5E,15Cを設
けるのが好ましい場合としては、例えば、流路5,15
を機械加工によりチップ基板2に直接形成する場合であ
る。つまり、この場合、チップ基板2の素材として、複
合物質13Cの固定化効率にとらわれずに機械加工し易
い素材(例えばpMMA材)を選択でき、一方、インジ
ェクションボード6の素材に上記固定化効率の良いポリ
スチレンを選択することが可能となるのである。
【0099】また、電気化学測定等を行なうべく特に何
らかの素子(例えば電極)をインジェクションボード6
に埋め込む場合は、このインジェクションボード6の構
造がより複雑になってしまわないように、また、素子の
集積度を上げるために、反応部位5E,15がチップ基
板2に設けられるのが望ましい。同様に、上述の第2実
施形態では、標識部位15A及び混合部位15Bは図4
(A)に示すようにチップ基板2に設けられているが、
標識部位15A及び混合部位15Bは反応流路15を形
成する固相壁面に設けられていれば良く、図6(B)に
示すようにインジェクションボード6に設けても良い。
らかの素子(例えば電極)をインジェクションボード6
に埋め込む場合は、このインジェクションボード6の構
造がより複雑になってしまわないように、また、素子の
集積度を上げるために、反応部位5E,15がチップ基
板2に設けられるのが望ましい。同様に、上述の第2実
施形態では、標識部位15A及び混合部位15Bは図4
(A)に示すようにチップ基板2に設けられているが、
標識部位15A及び混合部位15Bは反応流路15を形
成する固相壁面に設けられていれば良く、図6(B)に
示すようにインジェクションボード6に設けても良い。
【0100】また、上述の各実施形態では、チップ基板
2とインジェクションボード6との間に流路5を形成す
るにあたって、チップ基板2上に膜状部材3を使用して
(或いは直接に)溝5を形成した例を示したが、図7
(A)に示すようにチップ基板2ではなくインジェクシ
ョンボード6に溝6aを設けても良い。このように溝6
aをインジェクションボード6に形成するのが好ましい
場合としては、例えば光学的な観察をチップ基板2側か
ら行なうべくチップ基板2に透明度の高い石英を用いる
場合である。つまり、石英(チップ基板2)はエッチン
グや掘削等により溝を形成するのが困難であるため、イ
ンジェクションボード6の素材にエッチングや掘削等を
行ないやすい樹脂材を使用すればインジェクションボー
ド6に溝6aを容易に形成できるのである。
2とインジェクションボード6との間に流路5を形成す
るにあたって、チップ基板2上に膜状部材3を使用して
(或いは直接に)溝5を形成した例を示したが、図7
(A)に示すようにチップ基板2ではなくインジェクシ
ョンボード6に溝6aを設けても良い。このように溝6
aをインジェクションボード6に形成するのが好ましい
場合としては、例えば光学的な観察をチップ基板2側か
ら行なうべくチップ基板2に透明度の高い石英を用いる
場合である。つまり、石英(チップ基板2)はエッチン
グや掘削等により溝を形成するのが困難であるため、イ
ンジェクションボード6の素材にエッチングや掘削等を
行ないやすい樹脂材を使用すればインジェクションボー
ド6に溝6aを容易に形成できるのである。
【0101】いずれにしても、溝を、チップ基板2及び
インジェクションボード6のどちらに設けるかは、チッ
プ基板2及びインジェクションボード6の材質や測定系
等に併せて適宜選択されるものである。勿論、図7
(B)に示すようにチップ基板2及びインジェクション
ボード6にそれぞれ溝2a,6aを設けるようにしても
良い。
インジェクションボード6のどちらに設けるかは、チッ
プ基板2及びインジェクションボード6の材質や測定系
等に併せて適宜選択されるものである。勿論、図7
(B)に示すようにチップ基板2及びインジェクション
ボード6にそれぞれ溝2a,6aを設けるようにしても
良い。
【0102】また、測定対象物の測定装置として、測定
手段の出力結果を出力する印刷機やモニタ等のような測
定結果出力手段をさらにそなえて構成するようにしても
よい。また、上述の第1実施形態では、反応流路5Dに
反応部位5Eを1箇所だけ設けた構成としているが反応
部位を反応流路5Dに複数設けた構成としても良い。こ
の場合、これらの複数の反応部位を、チップ基板2及び
インジェクションボード6の何れか一方だけに設けるよ
うにしても良いし、チップ基板2及びインジェクション
ボード6の両方に設けるようにしても良い。
手段の出力結果を出力する印刷機やモニタ等のような測
定結果出力手段をさらにそなえて構成するようにしても
よい。また、上述の第1実施形態では、反応流路5Dに
反応部位5Eを1箇所だけ設けた構成としているが反応
部位を反応流路5Dに複数設けた構成としても良い。こ
の場合、これらの複数の反応部位を、チップ基板2及び
インジェクションボード6の何れか一方だけに設けるよ
うにしても良いし、チップ基板2及びインジェクション
ボード6の両方に設けるようにしても良い。
【0103】同様に、上述の第2実施形態では、反応流
路15に反応部位15Cを1箇所だけ設けた構成として
いるが、反応部位を反応流路15に複数設けた構成とし
ても良い。同じく、反応流路15に複数の標識部位を形
成したり、複数の混合部位を形成したりしても良い。複
数の反応部位,複数の標識部位及び複数の混合部位を1
つの測定用チップに設ける場合、これらを、チップ基板
2及びインジェクションボード6の何れか一方だけに設
けるようにしても良いし、チップ基板2及びインジェク
ションボード6の両方に設けるようにしても良い。
路15に反応部位15Cを1箇所だけ設けた構成として
いるが、反応部位を反応流路15に複数設けた構成とし
ても良い。同じく、反応流路15に複数の標識部位を形
成したり、複数の混合部位を形成したりしても良い。複
数の反応部位,複数の標識部位及び複数の混合部位を1
つの測定用チップに設ける場合、これらを、チップ基板
2及びインジェクションボード6の何れか一方だけに設
けるようにしても良いし、チップ基板2及びインジェク
ションボード6の両方に設けるようにしても良い。
【0104】また、上述の各実施形態の測定用チップ
1,21は、それぞれ1つの流路5,15をそなえて構
成されているが、1つの測定用チップに複数の流路をそ
なえるようにしても良い。この場合、第1実施形態の流
路5と第2実施形態の流路15とのように互いに異なる
形式の流路が混在する構成であっても良い。また、上述
の実施形態では、検体10に測定対象物11が含まれて
いるか否かをオンオフ的に検出するようにしているが、
検体10中に測定対象物11がどれだけ含まれているか
を標識物質の蛍光量等から定量的に測定するようにして
もよい。
1,21は、それぞれ1つの流路5,15をそなえて構
成されているが、1つの測定用チップに複数の流路をそ
なえるようにしても良い。この場合、第1実施形態の流
路5と第2実施形態の流路15とのように互いに異なる
形式の流路が混在する構成であっても良い。また、上述
の実施形態では、検体10に測定対象物11が含まれて
いるか否かをオンオフ的に検出するようにしているが、
検体10中に測定対象物11がどれだけ含まれているか
を標識物質の蛍光量等から定量的に測定するようにして
もよい。
【0105】また、上述の各実施形態では、連結物質1
3及び固定化物質13Cとしてビオチン化抗体及びアビ
ジンを使用した例を説明したが、ウサギ抗TSH抗体及
びヤギ抗ウサギIgG抗体のような三次抗体を使用して
も良い。具体的には、この場合、図8に示すように、測
定対象物11及び標識物質12が、ウサギ抗TSH抗体
(連結物質)13′及びヤギ抗ウサギIgG抗体13
C′を介して反応部位5E,15Cに連結されることと
なり、ウサギ抗TSH抗体13′が、上記各実施形態に
おける第二の特異的結合物質13A及びビオチン13B
を兼ねている構成となる。
3及び固定化物質13Cとしてビオチン化抗体及びアビ
ジンを使用した例を説明したが、ウサギ抗TSH抗体及
びヤギ抗ウサギIgG抗体のような三次抗体を使用して
も良い。具体的には、この場合、図8に示すように、測
定対象物11及び標識物質12が、ウサギ抗TSH抗体
(連結物質)13′及びヤギ抗ウサギIgG抗体13
C′を介して反応部位5E,15Cに連結されることと
なり、ウサギ抗TSH抗体13′が、上記各実施形態に
おける第二の特異的結合物質13A及びビオチン13B
を兼ねている構成となる。
【0106】このように三次抗体を使用する方法は、ビ
オチン及びアビジンを使用する程には高い汎用性はない
が、三次抗体を使用すれば、抗体そのものを連結物質1
3′として用いることができるので抗体にビオチンを結
合させるステップを省略でき、測定系の調整を簡便化で
き、さらに、抗体に修飾を加えることによる活性の低下
を避けることができるようになる利点がある。
オチン及びアビジンを使用する程には高い汎用性はない
が、三次抗体を使用すれば、抗体そのものを連結物質1
3′として用いることができるので抗体にビオチンを結
合させるステップを省略でき、測定系の調整を簡便化で
き、さらに、抗体に修飾を加えることによる活性の低下
を避けることができるようになる利点がある。
【0107】また、本発明の測定対象物の測定用チッ
プ,測定対象物の測定装置及び測定対象物の測定方法
は、生体由来の試料(例えば血液や体液)に含まれる測
定対象物を測定/検出する医療診断や、海・河川や大気
等に含まれる環境汚染物質を測定/検出する環境診断
や、各種研究に用いられる測定等に幅広く適用できるも
のである。
プ,測定対象物の測定装置及び測定対象物の測定方法
は、生体由来の試料(例えば血液や体液)に含まれる測
定対象物を測定/検出する医療診断や、海・河川や大気
等に含まれる環境汚染物質を測定/検出する環境診断
や、各種研究に用いられる測定等に幅広く適用できるも
のである。
【0108】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1記載の本
発明の測定対象物の測定用チップ,請求項2記載の本発
明の測定対象物の測定用チップ,請求項6記載の本発明
の測定対象物の測定方法,請求項8及び9記載の連結物
質及び請求項10及び11記載の本発明の標識物質によ
れば、測定対象物,連結物質及び固定化物質を介して反
応部位に固定された標識物質に関して測定を行なうこと
により測定対象物に関する測定を容易に行なうことが可
能となるが、標識物質,連結物質及び固定化物質の内、
測定対象物の特異的に結合するのは、標識物質,連結物
質であり、したがって、これらの標識物質,連結物質を
測定対象物に応じて変えることにより、反応部位に固定
する固定化物質を変えることなく1つの測定用チップに
より多種の測定対象物の測定を行なうことが可能になる
という利点がある。
発明の測定対象物の測定用チップ,請求項2記載の本発
明の測定対象物の測定用チップ,請求項6記載の本発明
の測定対象物の測定方法,請求項8及び9記載の連結物
質及び請求項10及び11記載の本発明の標識物質によ
れば、測定対象物,連結物質及び固定化物質を介して反
応部位に固定された標識物質に関して測定を行なうこと
により測定対象物に関する測定を容易に行なうことが可
能となるが、標識物質,連結物質及び固定化物質の内、
測定対象物の特異的に結合するのは、標識物質,連結物
質であり、したがって、これらの標識物質,連結物質を
測定対象物に応じて変えることにより、反応部位に固定
する固定化物質を変えることなく1つの測定用チップに
より多種の測定対象物の測定を行なうことが可能になる
という利点がある。
【0109】また、検体,標識物質及び連結物質を第1
流路,第2流路及び第3流路にそれぞれ流通させてこれ
らの検体,標識物質及び連結物質を反応流路で合流させ
て結合させるので、検体中の測定対象物,標識物質及び
連結物質の反応が液相同士の反応となる。液相同士の反
応は、反応速度が高く反応率も高いので、反応時間を短
縮して測定を効率的に行なえるという利点がある。
流路,第2流路及び第3流路にそれぞれ流通させてこれ
らの検体,標識物質及び連結物質を反応流路で合流させ
て結合させるので、検体中の測定対象物,標識物質及び
連結物質の反応が液相同士の反応となる。液相同士の反
応は、反応速度が高く反応率も高いので、反応時間を短
縮して測定を効率的に行なえるという利点がある。
【0110】さらに、検体,標識物質及び連結物質を第
1流路,第2流路及び第3流路にそれぞれ同時に流通さ
せることにより、検体,標識物質及び連結物質を一つの
流路に順次流通させるのに比べ測定に要する時間を短縮
でき、この点からも測定を効率的に行なえるという利点
がある。また、固定化物質を反応流路に固定して反応部
位を設けるが、少なくとも製造中において反応流路は外
方が開放された状態となるので、この開放部から反応流
路に固定化物質を固定するのが容易になって、測定用チ
ップの製作を簡便化できるという利点がある。また、チ
ップ基板の材質を広く選択できるので、分光測定におけ
る最適化を図って測定精度を向上させることができ、さ
らに、チップ基板への種々の検出素子の組み込みが可能
となるという利点がある。
1流路,第2流路及び第3流路にそれぞれ同時に流通さ
せることにより、検体,標識物質及び連結物質を一つの
流路に順次流通させるのに比べ測定に要する時間を短縮
でき、この点からも測定を効率的に行なえるという利点
がある。また、固定化物質を反応流路に固定して反応部
位を設けるが、少なくとも製造中において反応流路は外
方が開放された状態となるので、この開放部から反応流
路に固定化物質を固定するのが容易になって、測定用チ
ップの製作を簡便化できるという利点がある。また、チ
ップ基板の材質を広く選択できるので、分光測定におけ
る最適化を図って測定精度を向上させることができ、さ
らに、チップ基板への種々の検出素子の組み込みが可能
となるという利点がある。
【0111】請求項3記載の本発明の測定対象物の測定
装置によれば、流通制御手段により、検体,標識物質及
び連結物質の流通を制御するので、検体,標識物質及び
連結物質の流速を、測定に最適な流速にして測定を効率
的に行なえるという利点がある。また、適宜に流通状態
(流速,流通方向等)を制御でき、広い態様で測定を行
なえるという利点がある。さらに、測定対象物の種類に
応じて流通制御手段により流速を適宜に調整することに
より、様々な種類の測定対象物を一つの仕様の測定用チ
ップにより最適な流通状態で測定でき、汎用性を拡大で
きるという利点がある。
装置によれば、流通制御手段により、検体,標識物質及
び連結物質の流通を制御するので、検体,標識物質及び
連結物質の流速を、測定に最適な流速にして測定を効率
的に行なえるという利点がある。また、適宜に流通状態
(流速,流通方向等)を制御でき、広い態様で測定を行
なえるという利点がある。さらに、測定対象物の種類に
応じて流通制御手段により流速を適宜に調整することに
より、様々な種類の測定対象物を一つの仕様の測定用チ
ップにより最適な流通状態で測定でき、汎用性を拡大で
きるという利点がある。
【0112】また、測定用チップの製作が容易であり、
且つ検体,標識物質及び連結物質の流通を多様に制御で
きるので、測定対象物,標識物質及び連結物質の反応系
を、洗練されたものとすることができ、また、多様に設
定できるという利点がある。請求項4及び5記載の本発
明の測定対象物の測定装置によれば、流通制御手段によ
り、検体の流通を制御するので、検体の流速を、検体中
の測定対象物,標識物質,連結物質及び固定化物質の反
応に最適な流速にして測定を効率的に行なえ、また、適
宜に流通状態を制御できるので、広い態様で測定を行な
え、さらに、様々な種類の測定対象物を一つの仕様の測
定用チップにより最適な流通状態で測定でき、汎用性を
拡大できるという利点がある。
且つ検体,標識物質及び連結物質の流通を多様に制御で
きるので、測定対象物,標識物質及び連結物質の反応系
を、洗練されたものとすることができ、また、多様に設
定できるという利点がある。請求項4及び5記載の本発
明の測定対象物の測定装置によれば、流通制御手段によ
り、検体の流通を制御するので、検体の流速を、検体中
の測定対象物,標識物質,連結物質及び固定化物質の反
応に最適な流速にして測定を効率的に行なえ、また、適
宜に流通状態を制御できるので、広い態様で測定を行な
え、さらに、様々な種類の測定対象物を一つの仕様の測
定用チップにより最適な流通状態で測定でき、汎用性を
拡大できるという利点がある。
【0113】また、請求項3記載の測定対象物の測定装
置と同様に、測定用チップの製作が容易であり、且つ検
体,標識物質及び連結物質の流通を多様に制御できるの
で、測定にかかる反応系を、洗練されたものとすること
ができ、また、多様に設定できるという利点がある。請
求項7記載の本発明の測定対象物の測定方法によれば、
検体の流通を流通制御手段により制御して、検体の流速
を、検体中の測定対象物,標識物質及び連結物質の反応
に最適なものとすることができるので、測定を効率的に
行なえ、また、適宜に外部から流通状態を制御できるの
で、広い態様で測定を行なえ、さらに、様々な種類の測
定対象物を一つの仕様の測定用チップにより最適な流通
状態で測定でき、汎用性を拡大できるという利点があ
る。
置と同様に、測定用チップの製作が容易であり、且つ検
体,標識物質及び連結物質の流通を多様に制御できるの
で、測定にかかる反応系を、洗練されたものとすること
ができ、また、多様に設定できるという利点がある。請
求項7記載の本発明の測定対象物の測定方法によれば、
検体の流通を流通制御手段により制御して、検体の流速
を、検体中の測定対象物,標識物質及び連結物質の反応
に最適なものとすることができるので、測定を効率的に
行なえ、また、適宜に外部から流通状態を制御できるの
で、広い態様で測定を行なえ、さらに、様々な種類の測
定対象物を一つの仕様の測定用チップにより最適な流通
状態で測定でき、汎用性を拡大できるという利点があ
る。
【図1】本発明の第1実施形態としての測定対象物の測
定用チップ及び測定対象物の測定装置について示す図で
あり、(A)は測定用チップ及び測定装置の構成を拡大
して示す模式的な斜視分解図、(B)はインジェクショ
ンボード(被覆部材)を外した状態の測定用チップの構
成を拡大して示す模式的な平面図である。
定用チップ及び測定対象物の測定装置について示す図で
あり、(A)は測定用チップ及び測定装置の構成を拡大
して示す模式的な斜視分解図、(B)はインジェクショ
ンボード(被覆部材)を外した状態の測定用チップの構
成を拡大して示す模式的な平面図である。
【図2】本発明の第1実施形態としての測定対象物の測
定用チップ,測定対象物の測定装置及び測定対象物の測
定方法における測定原理を説明するための模式図であ
る。
定用チップ,測定対象物の測定装置及び測定対象物の測
定方法における測定原理を説明するための模式図であ
る。
【図3】本発明の第1実施形態としての測定対象物の測
定用チップの変形例の構成を示す模式的な平面図であ
る。
定用チップの変形例の構成を示す模式的な平面図であ
る。
【図4】本発明の第2実施形態としての測定対象物の測
定用チップ及び測定対象物の測定装置について示す図で
あり、(A)は測定用チップ及び測定装置の構成を拡大
して示す模式的な斜視分解図、(B)はインジェクショ
ンボード(被覆部材)を外した状態の測定用チップの構
成を拡大して示す模式的な平面図である。
定用チップ及び測定対象物の測定装置について示す図で
あり、(A)は測定用チップ及び測定装置の構成を拡大
して示す模式的な斜視分解図、(B)はインジェクショ
ンボード(被覆部材)を外した状態の測定用チップの構
成を拡大して示す模式的な平面図である。
【図5】本発明の第2実施形態としての測定対象物の測
定用チップ,測定対象物の測定装置及び測定対象物の測
定方法における測定原理を説明するための模式図であ
る。
定用チップ,測定対象物の測定装置及び測定対象物の測
定方法における測定原理を説明するための模式図であ
る。
【図6】(A),(B)は本発明の他の実施形態として
の測定用チップの構成を拡大して示す模式的な斜視分解
図である。
の測定用チップの構成を拡大して示す模式的な斜視分解
図である。
【図7】(A),(B)は本発明の他の実施形態として
の測定用チップにかかる流路の模式的な横断面図である
〔図1(B)のX−X断面及び図4(B)のY−Y断面
に相当する図である〕。
の測定用チップにかかる流路の模式的な横断面図である
〔図1(B)のX−X断面及び図4(B)のY−Y断面
に相当する図である〕。
【図8】本発明の他の実施形態としての連結物質及び固
定化物質の構成を説明するための模式図である。
定化物質の構成を説明するための模式図である。
1,1′,21,21′ 測定用チップ
2 チップ基板
2a,6a 溝
2A チップ基板の表面
3 膜状部材
4,14 孔部
4A,4B 分岐部分
4C 主要部分
5 流路
5A 第1流路
5B 第2流路
5C 第3流路
5D,15 反応流路
5E,15C 反応部位
5F 合流部位(混合部位)
5G,5H 流路
6 インジェクションボード(被覆部材)
6A,6B,6C,6E 注入口
6D,6F 排出口
7 シリンジポンプ(流通制御手段)
7A シリコンチューブ
7B プレート
10 検体
11 測定対象物
12 標識物質
12A 第1の特異的結合物質
12B 標識部
13 連結物質
13A 第2の特異的結合物質
13B 連結物質
13C 固定化物質
15A 標識部位
15B 混合部位
Claims (11)
- 【請求項1】 検体中の測定対象物を測定するための測
定用チップであって、 チップ基板と、 該チップ基板上に設けられ該検体を流通させる溝状の第
1流路と、 該チップ基板上に設けられ該測定対象物に特異的に結合
する特異的結合物質を有する標識物質を流通させる溝状
の第2流路と、 該チップ基板上に設けられ、該測定対象物に特異的に結
合する連結物質を流通させる溝状の第3流路と、 該第1流路,該第2流路及び該第3流路が集合して該チ
ップ基板上に形成される溝状の反応流路と、 該反応流路に設けられ該連結物質と特異的に結合する固
定化物質が固定された反応部位とをそなえて構成されて
いることを特徴とする、測定対象物の測定用チップ。 - 【請求項2】 検体中の測定対象物を測定するための測
定用チップであって、 チップ基板と、 該チップ基板を被覆する被覆部材と、 該チップ基板と該被覆部材との間に形成され、該検体を
流通させる第1流路と、 該チップ基板と該被覆部材との間に形成され該測定対象
物に特異的に結合する特異的結合物質を有する標識物質
を流通させる第2流路と、 該チップ基板と該被覆部材との間に形成され、該測定対
象物に特異的に結合する連結物質を流通させる溝状の第
3流路と、 該チップ基板と該被覆部材との間に形成され、該第1流
路,該第2流路及び該第3流路が集合して形成される反
応流路と、 該反応流路に面して該チップ基板及び該被覆部材の少な
くとも一方に設けられ、該連結物質と特異的に結合する
固定化物質が固定された反応部位とをそなえて構成され
ていることを特徴とする、測定対象物の測定用チップ。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の測定用チップと、 該測定用チップにおける該検体,該標識物質及び該連結
物質の流通を制御する流通制御手段と、 該反応部位に結合した該標識物質に関する測定を行なう
測定手段とをそなえて構成されていることを特徴とす
る、測定対象物の測定装置。 - 【請求項4】 検体が流通する測定用チップと、該測定
用チップにおける該検体の流通を制御する流通制御手段
と、測定手段とをそなえてなる測定対象物の測定装置で
あって、 該測定用チップが、 チップ基板と、 該チップ基板に設けられ該検体を流通させる溝状の反応
流路と、 該検体、該測定対象物に特異的に結合する特異的結合物
質を有する標識物質、及び該測定対象物に特異的に結合
する連結物質の3つを混合させるべく該反応流路内に設
けられた混合部位と、 該反応流路内において該混合部位よりも該検体の流通方
向下流側に設けられ、該連結物質と特異的に結合する固
定化物質が固定された反応部位とをそなえて構成され、 該測定手段が、該反応部位に結合した該標識物質に関す
る測定を行なうことを特徴とする、測定対象物の測定装
置。 - 【請求項5】 検体が流通する測定用チップと、該測定
用チップにおける該検体の流通を制御する流通制御手段
と、測定手段とをそなえてなる測定対象物の測定装置で
あって、 該測定用チップが、 チップ基板と、 該チップ基板を被覆する被覆部材と、 該チップ基板と該被覆部材との間に形成され該検体を流
通させる反応流路と、 該検体、該測定対象物に特異的に結合する特異的結合物
質を有する標識物質、及び該測定対象物に特異的に結合
する連結物質の3つを混合させるべく該反応流路に面し
て該チップ基板及び該被覆部材の少なくとも一方に設け
られた混合部位と、 該混合部位よりも該検体の流通方向下流側において該反
応流路に面して該チップ基板及び該被覆部材の少なくと
も一方に設けられ、該連結物質と特異的に結合する固定
化物質が固定された反応部位とをそなえて構成され、 該測定手段が、該反応部位に結合した該標識物質に関す
る測定を行なうことを特徴とする、測定対象物の測定装
置。 - 【請求項6】 請求項1又は2記載の測定用チップを使
用して、 該第1流路での該検体の流通、該第2流路での該標識物
質の流通、及び該第3流路での該連結物質の流通を開始
して、該反応流路において該検体,該標識物質及び該連
結物質を混合させる第1のステップと、 該検体,該標識物質及び該連結物質の混合物を該反応流
路の該反応部位と接触させる第2のステップと、 該反応部位に結合した該標識物質に関する測定を行なう
第3のステップとをそなえて構成されていることを特徴
とする、測定対象物の測定方法。 - 【請求項7】 請求項4又は5記載の測定対象物の測定
用装置を使用して、 該検体の流通状態を該流通制御手段により制御しながら
該検体を該反応流路に流通させることにより、該検体を
該混合部位で該標識物質及び該連結物質と混合させる第
1のステップと、 流通状態を該流通制御手段により制御された該検体,該
標識物質及び該連結物質の混合物を、該反応流路におい
て該反応部位と接触させる第2のステップと、該反応部
位に結合した該標識物質を測定する第3のステップとを
そなえて構成されていることを特徴とする、測定対象物
の測定方法。 - 【請求項8】 チップ基板と、該チップ基板上に設けら
れ検体を流通させる溝状の第1流路と、該チップ基板上
に設けられ測定対象物に特異的に結合する特異的結合物
質を有する標識物質を流通させる溝状の第2流路と、該
チップ基板上に設けられた溝状の第3流路と、該第1流
路,該第2流路及び該第3流路が集合して該チップ基板
上に形成される溝状の反応流路と、該反応流路に設けら
れ固定化物質が固定された反応部位とをそなえてなる測
定用チップの該第3の流路に流通させる、連結物質であ
って、 該測定対象物及び該固定化物質にそれぞれ同時に特異的
に結合しうることを特徴とする、連結物質。 - 【請求項9】 チップ基板と、該チップ基板を被覆する
被覆部材と、該チップ基板と該被覆部材との間に形成さ
れ検体を流通させる第1流路と、該チップ基板と該被覆
部材との間に形成され測定対象物に特異的に結合する特
異的結合物質を有する標識物質を流通させる第2流路
と、該チップ基板と該被覆部材との間に形成された第3
流路と、該第1流路,該第2流路及び該第3流路が集合
して該チップ基板と該被覆部材との間に形成される溝状
の反応流路と、該反応流路に設けられ固定化物質が固定
された反応部位とをそなえてなる測定用チップの該第3
の流路に流通させる、連結物質であって、 該測定対象物及び該固定化物質にそれぞれ同時に特異的
に結合しうることを特徴とする、連結物質。 - 【請求項10】 チップ基板と、該チップ基板上に設け
られ検体を流通させる溝状の第1流路と、該チップ基板
上に設けられた溝状の第2流路と、該チップ基板上に設
けられ該測定対象物に特異的に結合する連結物質を流通
させる溝状の第3流路と、該第1流路,該第2流路及び
該第3流路が集合して該チップ基板上に設けられる溝状
の反応流路と、該反応流路に面して該チップ基板に設け
られ該連結物質と特異的に結合する固定化物質が固定さ
れた反応部位とをそなえてなる測定用チップの該第2の
流路に流通させる標識物質であって、 該測定対象物に特異的に結合する特異的結合物質を有す
ることを特徴とする、標識物質。 - 【請求項11】 チップ基板と、該チップ基板を被覆す
る被覆部材と、該チップ基板と該被覆部材との間に形成
され該検体を流通させる第1流路と、該チップ基板と該
被覆部材との間に形成された第2流路と、該チップ基板
と該被覆部材との間に形成され該チップ基板上に設けら
れ該測定対象物に特異的に結合する連結物質を流通させ
る第3流路と、該第1流路,該第2流路及び該第3流路
が集合して該チップ基板と該被覆部材との間に形成され
る反応流路と、該反応流路に面して該チップ基板及び該
被覆部材の少なくとも一方に設けられ該連結物質と特異
的に結合する固定化物質が固定された反応部位とをそな
えてなる測定用チップの該第2の流路に流通させる標識
物質であって、 該測定対象物に特異的に結合する特異的結合物質を有す
ることを特徴とする、標識物質。
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