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JP2003053473A - 略筒状鍛造品の製法 - Google Patents

略筒状鍛造品の製法

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Publication number
JP2003053473A
JP2003053473A JP2001239346A JP2001239346A JP2003053473A JP 2003053473 A JP2003053473 A JP 2003053473A JP 2001239346 A JP2001239346 A JP 2001239346A JP 2001239346 A JP2001239346 A JP 2001239346A JP 2003053473 A JP2003053473 A JP 2003053473A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
punch
die
tubular
bottomed
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001239346A
Other languages
English (en)
Inventor
Masatoshi Kawasaki
雅敏 川▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KAWASAKI SEIKOKI KK
Original Assignee
KAWASAKI SEIKOKI KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KAWASAKI SEIKOKI KK filed Critical KAWASAKI SEIKOKI KK
Priority to JP2001239346A priority Critical patent/JP2003053473A/ja
Publication of JP2003053473A publication Critical patent/JP2003053473A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】材料コストおよび加工コストを低く抑え、加工
工程も大幅に簡略化することのできる、優れた略筒状鍛
造品の製法を提供する。 【解決手段】金属製円柱状素材3を、メス下型11とオ
ス上型21を組み合わせてなる金型10内で塑性変形さ
せることにより、穴が形成され筒状に変形された略筒状
鍛造品を得る方法であって、上記オス上型21として、
下面中央から下向きに垂下し上記円柱状素材3に形成す
る穴径と同一外径を有するパンチ22と、このパンチ2
2の根元側に外嵌され上記円柱状素材3の外径と同一径
を有するガイドスリーブ23とを備え、上記パンチ22
の先端面が、中心部のみ平坦で、その外側の部分が周縁
部に向かって上り傾斜のテーパ面に形成されたものを用
いるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、全体が筒状か、一
部に筒状部を有する略筒状鍛造品の製法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】電気洗濯機の回転駆動部において、シャ
フトを回転自在に保持するためのベアリングハウジング
や、ベアリングを介することなく直接シャフトの端部を
固定するコネクタとして、例えば図9に示すような形状
の部材が多く用いられている。
【0003】この部材は、有底筒状部1と、その底部側
の端縁から水平方向に張り出したフランジ部2とを備え
ており、通常、ステンレス製丸棒から、切削により全体
を削り出すことにより製造されている。あるいは、ステ
ンレス製丸棒を所定長さに切断したのち、冷間鍛造プレ
スにかけて、フランジ部2を形成したのち、他の部分を
切削することにより得ることもできる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
製法では、切削代が多いため材料コストおよび加工コス
トが高いという問題がある。そこで、フランジ部2だけ
でなく、筒状となる部分も冷間鍛造プレスによって製造
することが望まれているが、筒状部分において、周壁に
厚みの偏りが生じやすいため、外周と内周の同軸度の精
度が悪く、鍛造後に、精度を出すために再度切削加工を
行わなければならない。これでは、加工に手間がかか
り、加工コストをあまり低減することができない。
【0005】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、材料コストおよび加工コストを低く抑え、加工
工程も大幅に簡略化することのできる、優れた略筒状鍛
造品の製法の提供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、金属製円柱状素材を、メス下型とオス上
型を組み合わせてなる金型内で塑性変形させることによ
り、穴が形成され筒状に変形された略筒状鍛造品を得る
方法であって、上記メス下型として、その上面中央に、
上記円柱状素材の外径と同一径でその深さが上記円柱状
素材の高さ寸法よりも深く設定された穴部を有するもの
を用い、上記オス上型として、下面中央から下向きに垂
下し上記円柱状素材に形成する穴径と同一外径を有する
パンチと、このパンチの根元側に外嵌され上記円柱状素
材の外径と同一径を有するガイドスリーブとを備え、上
記パンチの先端面が、中心部のみ平坦で、その外側の部
分が周縁部に向かって上り傾斜のテーパ面に形成された
ものを用い、上記メス下型の穴部内に、上記円柱状素材
を、穴形成予定面を上にして装着し、上方から上記オス
上型を下降させ、上記オス上型のガイドスリーブの外周
面をメス下型の穴内周面に沿わせながら上記パンチを円
柱状素材上面から下方に押し込むことにより、上記メス
下型の穴部内周面とパンチ外周面の隙間を利用して、上
記円柱状素材に筒状部を形成するようにした略筒状鍛造
品の製法を第1の要旨とする。
【0007】また、本発明は、金属製有底筒状部材を、
メス下型とオス上型を組み合わせてなる金型内で塑性変
形させることにより、その有底部が周方向に均等に変形
された略筒状鍛造品を得る方法であって、上記メス下型
として、その上面中央に、上記有底筒状部材の筒状部の
外径と同一径の穴部と、上記穴部内に同軸的に固定され
上記有底筒状部の筒状部の内径と同一外径を有するパン
チとを備え、上記パンチの先端面が、中心部のみ平坦
で、その外側の部分が周縁部に向かって下り傾斜のテー
パ面に形成されたものを用い、上記メス下型の穴部内
に、上記有底筒状部材を、その筒状部を上記パンチに嵌
合させた状態で装着し、上方からオス上型を下降させる
ことにより、上記有底筒状部材の有底部に、周方向に均
等な塑性変形を与えるようにした略筒状鍛造品の製法を
第2の要旨とする。
【0008】さらに、本発明は、金属製有底筒状部材
を、メス下型とオス上型を組み合わせてなる金型内で塑
性変形させることにより、その筒状部が軸方向に延長さ
れた略筒状鍛造品を得る方法であって、上記メス下型と
して、その上面中央に、上記有底筒状部材の筒状部の外
径と同一径の穴部と、上記穴部内に同軸的に固定され上
記有底筒状部の筒状部の内径と同一外径を有するパンチ
とを備え、上記パンチの先端面が、中心部のみ平坦で、
その外側の部分が周縁部に向かって下り傾斜のテーパ面
に形成されたものを用い、上記メス下型の穴部内に、上
記有底筒状部材を、その筒状部を上記パンチに嵌合させ
た状態で装着し、上方からオス上型を下降させることに
より、上記メス下型の穴部内周面とパンチ外周面の隙間
を利用して、上記有底筒状部材の筒状部を軸方向に延長
させるようにした略筒状鍛造品の製法を第3の要旨とす
る。
【0009】そして、これらの略筒状鍛造品の製法のな
かでも、特に、上記パンチ先端面の平坦部の直径が、パ
ンチ外径の30〜40%に設定されており、上記テーパ
面の傾斜角度が、水平面に対し6〜8°に設定されてい
る略筒状鍛造品の製法を第4の要旨とする。
【0010】すなわち、本発明は、略筒状鍛造品を製造
するに際し、金属製円柱状体や、一部筒状部が形成され
た有底筒状体を、特殊なパンチを備えた金型内で圧縮し
塑性変形させることにより、円柱状体に筒状部を形成し
たり、有底筒状体の筒状部を軸方向に延長したり、有底
筒状部の有底部に、周方向に均等な何らかの塑性変形を
加えたりして略筒状鍛造品を得るようにしたものであ
る。これらの製法によれば、塑性変形によって得られる
筒状部が、高精度の同軸度を備えているため、切削加工
の必要がなく、材料コストおよび加工コストを大幅に低
減することができる。そして、全体として、工程を大幅
に簡略化することができるという利点を有する。また、
得られる製品が鍛造品であることから、削り出しのもの
に比べて、筒状部の強度が高く、荷重のかかりやすい各
種の用途に用いることができるという利点を有する。
【0011】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を、全自動電気洗
濯機の回転駆動部における回転駆動シャフト保持用のコ
ネクタを製造するのに適用した実施の形態を説明する。
【0012】この実施の形態において、目的とするコネ
クタは、図1(c)に示すように、有底筒状部1(底部
が上になっている)の底部側の周縁部に、大径のフラン
ジ部2が延設された形状になっている。なお、上記有底
筒状体1の筒状部は、外径D 1 が43mm、内径D2
29mmである。また、有底部の厚みT1 は11mm、
フランジ部2の厚みT2 は6.3mmである。なお、筒
状部に設けられた穴部4の深さTは、その底面Taが、
フランジ部2と筒状部との連結部のR開始端Uを超えな
いようにすることが好適である。すなわち、穴部4を、
R開始端Uを超えて深く形成すると、フランジ部2をき
れいに形成することができないおそれがある。
【0013】本発明において、上記コネクタの製造は、
図1(a)〜同図(c)に示すようなプロセスで行われ
る。すなわち、まず、図1(a)に示すように、直径4
2.7mmのSUS403の棒材を35.7mmの長さ
に切断することにより、円柱状素材3を用意する。そし
て、この円柱状素材3の表面に潤滑性を与えるために、
モリブデン系処理剤により表面処理を行う(いわゆる
「黒ボンデ処理」)。
【0014】つぎに、これを、第1の金型に装填して、
例えば400トン(39.23×103 MPa)のプレ
ス圧で冷間鍛造により塑性変形させて、図1(b)に示
すように、穴4を形成して有底筒状体3′とする。そし
て、この有底筒状体3′を第2の金型に装填して、例え
ば630トン(61.78×103 MPa)のプレス圧
で冷間鍛造により塑性変形させて、図1(c)に示すよ
うな、フランジ部2を有するコネクタとする。
【0015】上記円柱状素材3に穴加工を施す第1の金
型としては、例えば、図2に示すような金型10が用い
られる。この金型10のメス下型11は、超硬合金製の
内筒12と、ニッケルクロムモリブデン鋼(SNCM)
製の外筒13と芯出し用のガイドリング14とを備え、
非常に硬い反面、脆くて割れやすい内筒12を、粘り強
い外筒13で保護した構造になっている。
【0016】上記内筒12の内径は、上記円柱状素材3
の外径と同一径に設定されており、この内筒12の下部
に、上記円柱状素材3の外径と同一径の軸部15が同軸
的に挿通されている。したがって、上記軸部15の上端
面と、内筒12の周壁によって、円柱状素材3を装着す
るための穴部が形成されるようになっている。ただし、
上記「同一径」とは、文字通りの「同一径」に限らず、
互いに嵌め合うことのできる程度に公差が設けられた寸
法の径をも含むものであり、以下の「同一径」も同様の
趣旨で用いている。なお、鍛造プレス終了後、上記軸部
15が上昇して、上記円柱状素材3の脱型を行うように
なっている。16は、上記軸部15の昇降をガイドする
ガイド筒である。
【0017】一方、金型10のオス上型21は、上記円
柱状素材3に形成する穴径と同一外径を有し、下向きに
垂下するパンチ22と、このパンチ22の根元側に外嵌
され上記円柱状素材3の外径と同一径を有するガイドス
リーブ23と、これらを一体的に保持する外筒24とを
備えている。
【0018】そして、上記パンチ22の先端面は、図6
に示すように、中心部のみ平坦で、その外側の部分が周
縁部に向かって上り傾斜のテーパ面に形成されている。
上記平坦部22aの直径Pは、9mmに設定されている
(パンチ22の外径28.8mmを1とすると0.3
1)。また、上記テーパ面22bの水平面に対する傾斜
角度Qは、7°に設定されている。
【0019】パンチ22の先端面を、このような特殊な
形状にしたのは、上記オス上型21を下降させてパンチ
22を円柱状素材3に打ち込んで穴4(図1参照)を形
成する際に、正確な芯出しと周方向に均一な素材の塑性
変形ができるよう考慮したものである。すなわち、上記
テーパ面22bを設けると、素材が周方向に均一に移動
して均等な塑性変形を実現することができる。ただし、
パンチ22の先端面を円錐状に尖らせると、パンチ22
が円柱状素材3に入りやすい反面、芯振れを生じやすい
ため、これを防止するには、上記の例のように平坦部2
2aを設けることが必要である。
【0020】上記効果を得るには、テーパ面22bの水
平面に対する傾斜角度Qを、5〜10°、なかでも特に
6〜8°に設定することが好適である。また、平坦部2
2aの直径Pを、パンチ外径の20〜50%、なかでも
特に30〜40%に設定することが好適である。
【0021】また、パンチ22の根元側に外嵌されるガ
イドスリーブ23(図2に戻る)において、その下端面
とパンチ22の最下端面との距離Rを、メス下型11内
に嵌入された円柱状素材3の上端面と内筒12の上端面
との距離Sよりも、10〜14mmだけ短く設定するこ
とが好適である。すなわち、上記オス上型21を下降さ
せてパンチ22を円柱状素材3に打ち込んで穴4を形成
する際、パンチ22の先端が円柱状素材3の上面に到達
する前に、上記ガイドスリーブ23の下部が、メス下型
11の内筒12内に入り込んで、ガイドスリーブ23の
周面とメス下型11の内筒12の内周面とが摺接して、
パンチ22の芯振れを防止するからである。
【0022】したがって、上記金型10のメス下型11
の内筒12内に円柱状素材3を嵌入したのち、図3に示
すように、上方からオス上型21を下降させることによ
り、上記オス上型21のパンチ22を円柱状素材3の中
心部に打ち込んで、穴4を形成し、周囲に押し出された
素材部分を、メス下型11の内筒12の内周面とパンチ
22の外周面の間で均一な筒状部となるよう塑性変形す
ることができる。このとき、すでに述べたように、パン
チ22の先端面が特殊な形状になっており、しかもパン
チ22の打ち込みが、ガイドスリーブ23のガイドによ
って芯振れ防止がなされた状態で行われるため、上記穴
4の形成が、非常に高精度で、芯振れすることなく行わ
れる。このため、穴4の形成によって得られる有底筒状
体3′の筒状部が、どの部分も厚みが均一で、同軸度の
精度が高い。
【0023】そして、オス上型21を上昇させ、メス下
型11の軸部15を上昇させることにより、穴4が形成
された有底筒状体3′を脱型することができる。
【0024】また、上記有底筒状体3′に、図1(c)
に示すフランジ部2を賦形する第2の金型としては、例
えば、図4に示すような金型30が用いられる。この金
型30のオス上型41は、下端面が平坦で、全体が略円
柱状である。また、メス下型31は、第1の金型10の
メス下型11と同様、超硬合金製の内筒32と、ニッケ
ルクロムモリブデン鋼(SNCM)製の外筒33と芯出
し用のガイドリング34とを備えた構造になっている。
【0025】そして、上記内筒32の内径は、上記有底
筒状体3′の外径と同一径に設定されており、この内筒
32の内側に、上記有底筒状体3′に形成された穴4の
内径と同一径のパンチ35が同軸的に固定されている。
また、上記パンチ35の根元側には、下端部にフランジ
部36aを有するガイドスリーブ36が外嵌されてお
り、その下に、4本(前後2本は見えない)の押し出し
ピン37を備えた押し出しブロック38(図5参照)が
設けられている。
【0026】したがって、上記パンチ35と内筒32の
周壁によって、有底筒状体3′を下向きに装着するため
の穴部が形成されるようになっている。なお、上記ガイ
ドスリーブ36の上端面は、パンチ35に穴4を嵌入し
た状態で装着される有底筒状3′の下端面と、わずかに
隙間を有するよう設定されている。
【0027】また、上記パンチ35の先端面は、前記第
1の金型10におけるパンチ22と同様、中心部のみ平
坦で、その外側の部分が周縁部に向かって下り傾斜のテ
ーパ面に形成されている。なお、前記パンチ22とこの
パンチ35は、取り付けの向きが上下逆であるだけで、
形状的にはどちらも同じである。
【0028】パンチ35の先端面を、このような形状に
したのも、前記パンチ22の場合と同様であり、オス上
型41を下降させて有底筒状体3′の有底部に塑性変形
を与えてフランジ部2を形成する際に、パンチ35に外
嵌された有底筒状体3′の筒状部の芯振れ防止と、フラ
ンジ部の周方向均一形成を考慮したものである。作用は
前述のとおりであり、形状の好適範囲も、前記パンチ2
2と同一である。
【0029】したがって、図4に示すように、上記金型
30のメス下型31の内筒32内に、穴4をパンチ35
の先端に嵌合させ、有底部のうちフランジ部2に塑性変
形させる部分を内筒32の上端面から突出させた状態
で、有底筒状体3′を装着したのち、図5に示すよう
に、上方からオス上型41を下降させることにより、上
記有底筒状体3′のメス下型31の上端面から突出した
部分を、オス上型41の下端面で周方向に押しつぶすよ
うにして塑性変形を与えることができる。このとき、す
でに述べたように、メス下型31に設けられたパンチ3
5の先端面が特殊な形状で、しかもパンチ35が衝撃を
受けてもガイドスリーブ36のガイドによって芯振れ防
止がなされるため、上記フランジ部2が周方向に均等に
形成されるとともに、筒状部の芯振れが防止される。
【0030】そして、オス上型41を上昇させ、メス下
型31の押し出しピン37を上昇させることにより、フ
ランジ部2が形成された有底筒状体3′を脱型すること
ができる。
【0031】そして、このフランジ部2付の有底筒状体
3′に、研磨仕上げ加工を行って、目的とするコネクタ
を得ることができる。
【0032】上記製法によれば、塑性変形によって得ら
れる筒状部(穴4形成部)およびフランジ部2が、高精
度の同軸度を備えているため、切削加工の必要がなく、
材料コストおよび加工コストを大幅に低減することがで
きる。そして、全体として、工程を大幅に簡略化するこ
とができるという利点を有する。また、得られる製品が
鍛造品であることから、削り出しのものに比べて、筒状
部およびフランジ部2の強度が高く、長期にわたって、
回転駆動シャフトを良好に保持することができる。
【0033】なお、上記実施例では、円柱状素材3とし
て、SUS403を用いたが、材質は、特にこれに限定
するものではなく、剛性,靱性等の観点から、SUS4
10等のステンレス鋼や、高強度の各種金属,合金等を
用いることができる。
【0034】同様に、金型10,30の各部材の材質に
ついても、塑性変形させるものの材質や、プレス圧等に
応じて、適宜のものを選択することができる。
【0035】そして、金型10,30の構成も、上記の
例に限らず、適宜の構成にすることができる。ただし、
塑性変形を与えるためのパンチ22,35の先端面は、
上記の例のように、必ず、中心部が平坦でその周囲がテ
ーパ面に形成された、特殊な形状にしなければならな
い。そして、パンチ22,35の根元側には、その芯振
れ防止のために、ガイドスリーブ23,36を設けるこ
とが好適である。
【0036】また、上記の例は、コネクタを得るため
に、円柱状素材3に穴4を形成して有底筒状体3′に
する工程と、有底筒状体3′にフランジ部2を形成す
る工程の2工程を有しているが、本発明は、上記の工
程、の工程のいずれか片方のみを行う製法であっても
よい。そして、本発明は、有底筒状体3′から塑性変形
を行う場合、上記特殊なパンチ35を備えたメス下型を
用い、その有底部を、フランジ部2の形成に限らず、周
方向に均一な各種の形状を賦形する方法に適用すること
もできる。
【0037】さらに、本発明は、図7に示すように、穴
4″(本発明を適用した鍛造方法によって得られたもの
であっても切削によって得られたものであっても可)を
有する有底筒状体3″から、その有筒部の素材をパンチ
外周に沿って下方に塑性変形させることにより、より筒
状部を軸方向に長く延長させた形状の有底筒状体300
を得る方法に適用することができる。
【0038】また、本発明は、図8に示すように、パン
チを貫通させることにより、有底筒状体302から、完
全な筒状体303を得ることに適用することができる。
さらに、円柱状素材3から、完全な筒状体を得ることも
考えられる。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明の略筒状鍛造品の
製法は、金属製棒状体を、金型内で圧縮し塑性変形させ
ることにより、円柱状体に筒状部を形成したり、有底筒
状体の筒状部を軸方向に延長したり、有底筒状部の有底
部に、周方向に均等な何らかの塑性変形を加えたりして
略筒状鍛造品を得るようにしたものである。これらの製
法によれば、塑性変形によって得られる筒状部が、高精
度の同軸度を備えているため、切削加工の必要がなく、
材料コストおよび加工コストを大幅に低減することがで
きる。そして、全体として、工程を大幅に簡略化するこ
とができるという利点を有する。また、得られる製品が
鍛造品であることから、削り出しのものに比べて、筒状
部の強度が高く、荷重のかかりやすい各種の用途に用い
ることができるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b),(c)はいずれも本発明の一
実施例の工程説明図である。
【図2】上記実施例に用いる第1の金型の動作説明図で
ある。
【図3】上記実施例に用いる第1の金型の動作説明図で
ある。
【図4】上記実施例に用いる第2の金型の動作説明図で
ある。
【図5】上記実施例に用いる第2の金型の動作説明図で
ある。
【図6】上記第1の金型におけるパンチ22の先端形状
の説明図である。
【図7】本発明の他の実施例における工程説明図であ
る。
【図8】本発明のさらに他の実施例における工程説明図
である。
【図9】コネクタの形状説明図である。
【符号の説明】
3 円柱状素材 10 第1の金型 11 メス下型 21 オス上型 22 パンチ 23 ガイドスリーブ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製円柱状素材を、メス下型とオス上
    型を組み合わせてなる金型内で塑性変形させることによ
    り、穴が形成され筒状に変形された略筒状鍛造品を得る
    方法であって、上記メス下型として、その上面中央に、
    上記円柱状素材の外径と同一径でその深さが上記円柱状
    素材の高さ寸法よりも深く設定された穴部を有するもの
    を用い、上記オス上型として、下面中央から下向きに垂
    下し上記円柱状素材に形成する穴径と同一外径を有する
    パンチと、このパンチの根元側に外嵌され上記円柱状素
    材の外径と同一径を有するガイドスリーブとを備え、上
    記パンチの先端面が、中心部のみ平坦で、その外側の部
    分が周縁部に向かって上り傾斜のテーパ面に形成された
    ものを用い、上記メス下型の穴部内に、上記円柱状素材
    を、穴形成予定面を上にして装着し、上方から上記オス
    上型を下降させ、上記オス上型のガイドスリーブの外周
    面をメス下型の穴内周面に沿わせながら上記パンチを円
    柱状素材上面から下方に押し込むことにより、上記メス
    下型の穴部内周面とパンチ外周面の隙間を利用して、上
    記円柱状素材に筒状部を形成するようにしたことを特徴
    とする略筒状鍛造品の製法。
  2. 【請求項2】 金属製有底筒状部材を、メス下型とオス
    上型を組み合わせてなる金型内で塑性変形させることに
    より、その有底部が周方向に均等に変形された略筒状鍛
    造品を得る方法であって、上記メス下型として、その上
    面中央に、上記有底筒状部材の筒状部の外径と同一径の
    穴部と、上記穴部内に同軸的に固定され上記有底筒状部
    の筒状部の内径と同一外径を有するパンチとを備え、上
    記パンチの先端面が、中心部のみ平坦で、その外側の部
    分が周縁部に向かって下り傾斜のテーパ面に形成された
    ものを用い、上記メス下型の穴部内に、上記有底筒状部
    材を、その筒状部を上記パンチに嵌合させた状態で装着
    し、上方からオス上型を下降させることにより、上記有
    底筒状部材の有底部に、周方向に均等な塑性変形を与え
    るようにしたことを特徴とする略筒状鍛造品の製法。
  3. 【請求項3】 金属製有底筒状部材を、メス下型とオス
    上型を組み合わせてなる金型内で塑性変形させることに
    より、その筒状部が軸方向に延長された略筒状鍛造品を
    得る方法であって、上記メス下型として、その上面中央
    に、上記有底筒状部材の筒状部の外径と同一径の穴部
    と、上記穴部内に同軸的に固定され上記有底筒状部の筒
    状部の内径と同一外径を有するパンチとを備え、上記パ
    ンチの先端面が、中心部のみ平坦で、その外側の部分が
    周縁部に向かって下り傾斜のテーパ面に形成されたもの
    を用い、上記メス下型の穴部内に、上記有底筒状部材
    を、その筒状部を上記パンチに嵌合させた状態で装着
    し、上方からオス上型を下降させることにより、上記メ
    ス下型の穴部内周面とパンチ外周面の隙間を利用して、
    上記有底筒状部材の筒状部を軸方向に延長させるように
    したことを特徴とする略筒状鍛造品の製法。
  4. 【請求項4】 上記パンチ先端面の平坦部の直径が、パ
    ンチ外径の30〜40%に設定されており、上記テーパ
    面の傾斜角度が、水平面に対し6〜8°に設定されてい
    る請求項1〜3のいずれか一項に記載の略筒状鍛造品の
    製法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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