JP2003052834A - 生体吸収性ステント及びその製造方法 - Google Patents
生体吸収性ステント及びその製造方法Info
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- JP2003052834A JP2003052834A JP2001243761A JP2001243761A JP2003052834A JP 2003052834 A JP2003052834 A JP 2003052834A JP 2001243761 A JP2001243761 A JP 2001243761A JP 2001243761 A JP2001243761 A JP 2001243761A JP 2003052834 A JP2003052834 A JP 2003052834A
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- stent
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- cylindrical
- bioabsorbable polymer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ステントの管腔状器官の組織への食い込みや
ステント管内への組織の侵入を防ぐことができ且つ生体
との親和性に優れる生体吸収性ステント及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 生体吸収性ポリマーを主体とするフィラ
メントから形成された円筒状ステント骨格23と、円筒
状ステント骨格23の周面に沿って形成され且つ円筒状
ステント骨格23と一体化された生体吸収性ポリマーを
主体とする膜22とを含む、生体吸収性ステント21。
フィラメントの主体である生体吸収性ポリマーは、好ま
しくは脂肪族ポリエステル系生体吸収性ポリマーであ
る。膜22の主体である生体吸収性ポリマーは、好まし
くは脂肪族ポリエステル系生体吸収性ポリマーである。
ステント管内への組織の侵入を防ぐことができ且つ生体
との親和性に優れる生体吸収性ステント及びその製造方
法を提供する。 【解決手段】 生体吸収性ポリマーを主体とするフィラ
メントから形成された円筒状ステント骨格23と、円筒
状ステント骨格23の周面に沿って形成され且つ円筒状
ステント骨格23と一体化された生体吸収性ポリマーを
主体とする膜22とを含む、生体吸収性ステント21。
フィラメントの主体である生体吸収性ポリマーは、好ま
しくは脂肪族ポリエステル系生体吸収性ポリマーであ
る。膜22の主体である生体吸収性ポリマーは、好まし
くは脂肪族ポリエステル系生体吸収性ポリマーである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、管腔状器官を拡張
し、その管腔状器官の流路を確保する生体内留置型ステ
ントに関し、とりわけ、生体吸収性材料から構成される
カバードステントに関する。管腔状器官とは、食道、大
腸等の消化管、血管、胆管、尿管、気管等の狭窄が起こ
る可能性のあるすべての生体内の管腔部を意味する。ま
た、本発明は、生体内留置型ステントの製造方法にも関
する。
し、その管腔状器官の流路を確保する生体内留置型ステ
ントに関し、とりわけ、生体吸収性材料から構成される
カバードステントに関する。管腔状器官とは、食道、大
腸等の消化管、血管、胆管、尿管、気管等の狭窄が起こ
る可能性のあるすべての生体内の管腔部を意味する。ま
た、本発明は、生体内留置型ステントの製造方法にも関
する。
【0002】
【従来の技術】医療において、狭窄した管腔部を拡張し
たり、脆化した管腔壁を補強したりする目的で、管腔部
位にその使用部位に応じた外径を有する筒状形状のステ
ントが挿入される。特に狭窄した血管、尿管、消化管、
気管等の管腔状器官の流路再開、例えば動脈硬化性閉塞
症における血液再開等の目的で、生体内留置型ステント
の重要性は高い。
たり、脆化した管腔壁を補強したりする目的で、管腔部
位にその使用部位に応じた外径を有する筒状形状のステ
ントが挿入される。特に狭窄した血管、尿管、消化管、
気管等の管腔状器官の流路再開、例えば動脈硬化性閉塞
症における血液再開等の目的で、生体内留置型ステント
の重要性は高い。
【0003】従来のステントは、ステンレスワイヤー、
タンタルワイヤー等の金属ワイヤー製であった。金属製
ステントは、管腔部位に再狭窄の原因となる炎症や過剰
肥厚などが生じるという問題がある。また、金属製ステ
ントを体内に留置すると、異物反応が起こる可能性があ
り、生体内に半永久的に留置するには不適当である。生
体内に挿入されたステントを除去するためには、再手術
が必要になる。
タンタルワイヤー等の金属ワイヤー製であった。金属製
ステントは、管腔部位に再狭窄の原因となる炎症や過剰
肥厚などが生じるという問題がある。また、金属製ステ
ントを体内に留置すると、異物反応が起こる可能性があ
り、生体内に半永久的に留置するには不適当である。生
体内に挿入されたステントを除去するためには、再手術
が必要になる。
【0004】そこで金属製ステントの問題点を解決する
目的で、生体吸収性ポリマーを使用したステントの開発
が進められている。特開平5−103830号公報、W
O92/15342号公報には、生体内分解性繊維で編
組されたステントが開示されている。また特開平6−8
6827号には、連続する生体吸収性ポリマー繊維製の
糸が不織不編状態で筒状体または管状体の周面に沿った
形状に成形されてなるステントが開示され、特開平9−
308693号には、生体吸収性ポリマー繊維製の1本
の糸で編まれたステントが開示され、特開平11−57
018号には、生体吸収性ポリマーフィラメント製のウ
ォールタイプステントがそれぞれ開示されている。
目的で、生体吸収性ポリマーを使用したステントの開発
が進められている。特開平5−103830号公報、W
O92/15342号公報には、生体内分解性繊維で編
組されたステントが開示されている。また特開平6−8
6827号には、連続する生体吸収性ポリマー繊維製の
糸が不織不編状態で筒状体または管状体の周面に沿った
形状に成形されてなるステントが開示され、特開平9−
308693号には、生体吸収性ポリマー繊維製の1本
の糸で編まれたステントが開示され、特開平11−57
018号には、生体吸収性ポリマーフィラメント製のウ
ォールタイプステントがそれぞれ開示されている。
【0005】これらのようなステントによれば、上記金
属製ステントによる弊害は解消される。しかしながら、
これらのようなステントにおいても、ステントが管腔状
器官の組織へ食い込んだり、病変部での組織の増殖によ
り、組織がステント管内へ侵入して再狭窄する等の問題
がある。
属製ステントによる弊害は解消される。しかしながら、
これらのようなステントにおいても、ステントが管腔状
器官の組織へ食い込んだり、病変部での組織の増殖によ
り、組織がステント管内へ侵入して再狭窄する等の問題
がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、ステントの管腔状器官の組織への食い込みやステン
ト管内への組織の侵入を防ぐと共に、生体との親和性に
も優れる生体吸収性ステントを提供することにある。ま
た、本発明の目的は、前記ステントの製造方法を提供す
ることにある。
は、ステントの管腔状器官の組織への食い込みやステン
ト管内への組織の侵入を防ぐと共に、生体との親和性に
も優れる生体吸収性ステントを提供することにある。ま
た、本発明の目的は、前記ステントの製造方法を提供す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意検討し
た結果、生体吸収性を有する円筒状ステント骨格の周面
に沿って且つ前記円筒状ステント骨格と一体化して生体
吸収性の膜を設けることにより、上記目的を達成できる
ことを見出した。
た結果、生体吸収性を有する円筒状ステント骨格の周面
に沿って且つ前記円筒状ステント骨格と一体化して生体
吸収性の膜を設けることにより、上記目的を達成できる
ことを見出した。
【0008】本発明は、生体吸収性ポリマーを主体とす
るフィラメントから形成された円筒状ステント骨格と、
前記円筒状ステント骨格の周面に沿って形成され且つ前
記円筒状ステント骨格と一体化された生体吸収性ポリマ
ーを主体とする膜とを含む、生体吸収性ステントであ
る。
るフィラメントから形成された円筒状ステント骨格と、
前記円筒状ステント骨格の周面に沿って形成され且つ前
記円筒状ステント骨格と一体化された生体吸収性ポリマ
ーを主体とする膜とを含む、生体吸収性ステントであ
る。
【0009】本発明は、円筒状ステント骨格が、ステン
ト軸方向に直列状に並べられた複数のステント骨格構成
環状要素からなり、各環状要素は、1本の生体吸収性ポ
リマーを主体とするフィラメントが一端から他端にかけ
てジグザグ形状に折り曲げられ、前記一端と他端とが連
結されて環状に形成されたものであり、隣り合う環状要
素同士は、生体吸収性ポリマーを主体とする膜を介して
互いに連結されている、前記の生体吸収性ステントであ
る。
ト軸方向に直列状に並べられた複数のステント骨格構成
環状要素からなり、各環状要素は、1本の生体吸収性ポ
リマーを主体とするフィラメントが一端から他端にかけ
てジグザグ形状に折り曲げられ、前記一端と他端とが連
結されて環状に形成されたものであり、隣り合う環状要
素同士は、生体吸収性ポリマーを主体とする膜を介して
互いに連結されている、前記の生体吸収性ステントであ
る。
【0010】本発明は、各環状要素は6〜16個の屈曲
部を有する、前記の生体吸収性ステントである。
部を有する、前記の生体吸収性ステントである。
【0011】本発明は、フィラメントの主体である生体
吸収性ポリマーが、脂肪族ポリエステル系生体吸収性ポ
リマーである、前記の生体吸収性ステントである。本発
明は、フィラメントの主体である生体吸収性ポリマー
が、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、及び前記ポリマーの
共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であ
る、前記の生体吸収性ステントである。
吸収性ポリマーが、脂肪族ポリエステル系生体吸収性ポ
リマーである、前記の生体吸収性ステントである。本発
明は、フィラメントの主体である生体吸収性ポリマー
が、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、及び前記ポリマーの
共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種であ
る、前記の生体吸収性ステントである。
【0012】本発明は、生体吸収性ポリマーを主体とす
るフィラメントがモノフィラメントである、前記の生体
吸収性ステントである。
るフィラメントがモノフィラメントである、前記の生体
吸収性ステントである。
【0013】本発明は、膜の主体である生体吸収性ポリ
マーが、脂肪族ポリエステル系生体吸収性ポリマーであ
る、前記の生体吸収性ステントである。本発明は、膜の
主体である生体吸収性ポリマーが、ポリーεーカプロラ
クトン、ポリーεーカプロラクトンとポリ乳酸の共重合
体、ポリジオキサノン、及びポリジオキサノンとポリ乳
酸の共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種で
ある、前記の生体吸収性ステントである。
マーが、脂肪族ポリエステル系生体吸収性ポリマーであ
る、前記の生体吸収性ステントである。本発明は、膜の
主体である生体吸収性ポリマーが、ポリーεーカプロラ
クトン、ポリーεーカプロラクトンとポリ乳酸の共重合
体、ポリジオキサノン、及びポリジオキサノンとポリ乳
酸の共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種で
ある、前記の生体吸収性ステントである。
【0014】本発明は、生体吸収性ポリマーを主体とす
る円筒状の膜を、生体吸収性ポリマーを主体とするフィ
ラメントからなる円筒状ステント骨格の周面に沿って且
つ前記円筒状ステント骨格と一体化して形成することを
含む、生体吸収性ステントの製造方法である。
る円筒状の膜を、生体吸収性ポリマーを主体とするフィ
ラメントからなる円筒状ステント骨格の周面に沿って且
つ前記円筒状ステント骨格と一体化して形成することを
含む、生体吸収性ステントの製造方法である。
【0015】本発明は、1本の生体吸収性ポリマーを主
体とするフィラメントを一端から他端にかけてジグザグ
形状に折り曲げ、ジグザグ形状に折り曲げられたフィラ
メントの前記一端と他端とを連結して、ステント骨格構
成環状要素を形成し、前記環状要素を複数個作成し、複
数の環状要素を、円筒状膜形成用の丸棒状体又は円筒状
膜形成用の円筒状体の外周面に沿うように、又は円筒状
膜形成用の円筒状体の内周面に沿うように、ステント軸
方向に直列状に並べて配置し、前記丸棒状体又は前記円
筒状体の前記環状要素が配置された外周面を、又は前記
円筒状体の前記環状要素が配置された内周面を、生体吸
収性ポリマーを含む膜形成用材料で被覆し、被覆した膜
形成用材料を乾燥して、隣り合う前記環状要素同士を互
いに連結し且つ複数の前記環状要素と一体化された生体
吸収性ポリマーを主体とする円筒状の膜を形成すること
を含む、生体吸収性ステントの製造方法である。
体とするフィラメントを一端から他端にかけてジグザグ
形状に折り曲げ、ジグザグ形状に折り曲げられたフィラ
メントの前記一端と他端とを連結して、ステント骨格構
成環状要素を形成し、前記環状要素を複数個作成し、複
数の環状要素を、円筒状膜形成用の丸棒状体又は円筒状
膜形成用の円筒状体の外周面に沿うように、又は円筒状
膜形成用の円筒状体の内周面に沿うように、ステント軸
方向に直列状に並べて配置し、前記丸棒状体又は前記円
筒状体の前記環状要素が配置された外周面を、又は前記
円筒状体の前記環状要素が配置された内周面を、生体吸
収性ポリマーを含む膜形成用材料で被覆し、被覆した膜
形成用材料を乾燥して、隣り合う前記環状要素同士を互
いに連結し且つ複数の前記環状要素と一体化された生体
吸収性ポリマーを主体とする円筒状の膜を形成すること
を含む、生体吸収性ステントの製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】まず、本発明で用いる生体吸収性
フィラメントを構成する生体吸収性ポリマーについて説
明する。本発明において、フィラメントの主体である生
体吸収性ポリマーとしては、脂肪族ポリエステル系生体
吸収性ポリマーが好ましい。脂肪族ポリエステル系生体
吸収性ポリマーとしては、例えば、ポリグリコール酸、
ポリ乳酸等のポリ(α−ヒドロキシ酸);ポリ−ε−カ
プロラクトン、ポリジオキサノン等が挙げられる。これ
ら脂肪族ポリエステルは、一般に、融点60〜200
℃、ガラス転移点−60〜100℃、重量平均分子量1
0〜30万程度のものである。
フィラメントを構成する生体吸収性ポリマーについて説
明する。本発明において、フィラメントの主体である生
体吸収性ポリマーとしては、脂肪族ポリエステル系生体
吸収性ポリマーが好ましい。脂肪族ポリエステル系生体
吸収性ポリマーとしては、例えば、ポリグリコール酸、
ポリ乳酸等のポリ(α−ヒドロキシ酸);ポリ−ε−カ
プロラクトン、ポリジオキサノン等が挙げられる。これ
ら脂肪族ポリエステルは、一般に、融点60〜200
℃、ガラス転移点−60〜100℃、重量平均分子量1
0〜30万程度のものである。
【0017】上記脂肪族ポリエステルのうち、ポリグリ
コール酸、ポリ乳酸、及び前記ポリマーの共重合体から
選ばれるポリマーが、生体吸収性に優れ、生体安全性が
高く、しかも分解物であるグリコール酸や乳酸が生体内
で吸収される点で特に好ましい。また、ポリ乳酸は、機
械的強度に優れ繊維性能も良く価格が安価である点、透
明である点、着色性が良い点等でも好ましい。生体安全
性については、ポリ乳酸そのものが安全であるばかりで
はなく、従来のポリマー素材のように可塑剤を特に添加
する必要もないので、その点でも優れている。もちろ
ん、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、及び前記ポリマーの
共重合体から選択される2種以上のブレンドも使用する
ことができる。
コール酸、ポリ乳酸、及び前記ポリマーの共重合体から
選ばれるポリマーが、生体吸収性に優れ、生体安全性が
高く、しかも分解物であるグリコール酸や乳酸が生体内
で吸収される点で特に好ましい。また、ポリ乳酸は、機
械的強度に優れ繊維性能も良く価格が安価である点、透
明である点、着色性が良い点等でも好ましい。生体安全
性については、ポリ乳酸そのものが安全であるばかりで
はなく、従来のポリマー素材のように可塑剤を特に添加
する必要もないので、その点でも優れている。もちろ
ん、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、及び前記ポリマーの
共重合体から選択される2種以上のブレンドも使用する
ことができる。
【0018】ポリ乳酸は、通常は、L−乳酸単位から構
成されるポリ−L−乳酸が好ましい。ポリ−L−乳酸
は、機械的強度に優れ、所望の繊維物性を得ることがで
きる。
成されるポリ−L−乳酸が好ましい。ポリ−L−乳酸
は、機械的強度に優れ、所望の繊維物性を得ることがで
きる。
【0019】また、ポリ乳酸は、ホモポリマーのみなら
ず、乳酸モノマー又はラクチドと共重合可能な他の成分
が共重合された乳酸系コポリマーであっても良い。この
ような他の成分としては、2個以上のエステル結合形成
性の官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒド
ロキシカルボン酸、ラクトン等が挙げられる。
ず、乳酸モノマー又はラクチドと共重合可能な他の成分
が共重合された乳酸系コポリマーであっても良い。この
ような他の成分としては、2個以上のエステル結合形成
性の官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒド
ロキシカルボン酸、ラクトン等が挙げられる。
【0020】ポリ乳酸は従来公知の方法で合成すること
ができる。すなわち、特開平7−33861号公報、特
開昭59−96123号公報、高分子討論会予稿集44
巻、3198-3199 頁に記載のような乳酸からの直接脱水縮
合、または乳酸環状二量体ラクチドの開環重合によって
合成することができる。また、ポリ乳酸の生体吸収性を
促進するために、ポリ乳酸中のモノマー残量を多くして
おくこと、あるいは生体吸収性促進剤をポリマー中に添
加することも考えられる。
ができる。すなわち、特開平7−33861号公報、特
開昭59−96123号公報、高分子討論会予稿集44
巻、3198-3199 頁に記載のような乳酸からの直接脱水縮
合、または乳酸環状二量体ラクチドの開環重合によって
合成することができる。また、ポリ乳酸の生体吸収性を
促進するために、ポリ乳酸中のモノマー残量を多くして
おくこと、あるいは生体吸収性促進剤をポリマー中に添
加することも考えられる。
【0021】また、脂肪族ポリエステル中に、X線造影
成分(例えば、硫酸バリウム、金粉、タングステン粉、
タンタル粉)を含ませれば、ステントを管腔状器官の狭
窄部へ的確に装着でき、また治療の過程観察などをより
的確に行うことができる。
成分(例えば、硫酸バリウム、金粉、タングステン粉、
タンタル粉)を含ませれば、ステントを管腔状器官の狭
窄部へ的確に装着でき、また治療の過程観察などをより
的確に行うことができる。
【0022】さらに、脂肪族ポリエステル中に、薬剤
(例えば、抗癌剤)等を含ませてもよい。生体吸収性ス
テントは生体内に長期間留置されると、ステントの構成
主体である脂肪族ポリエステルが加水分解等により徐々
に分解されるので、ステントを留置した部位、すなわち
患部に薬物を所望の濃度で直接投与することが可能とな
る。
(例えば、抗癌剤)等を含ませてもよい。生体吸収性ス
テントは生体内に長期間留置されると、ステントの構成
主体である脂肪族ポリエステルが加水分解等により徐々
に分解されるので、ステントを留置した部位、すなわち
患部に薬物を所望の濃度で直接投与することが可能とな
る。
【0023】次に、本発明で用いる生体吸収性の円筒状
の膜を構成する生体吸収性ポリマーについて説明する。
本発明において、円筒状の膜を構成する生体吸収性ポリ
マーとしては、脂肪族ポリエステル系生体吸収性ポリマ
ーが好ましい。脂肪族ポリエステル系生体吸収性ポリマ
ーとしては、フィラメントを構成する脂肪族ポリエステ
ル系生体吸収性ポリマーと同様に、ポリグリコール酸、
ポリ乳酸等のポリ(α−ヒドロキシ酸);ポリ−ε−カ
プロラクトン、ポリジオキサノン等が挙げられる。脂肪
族ポリエステルのうち、ポリーεーカプロラクトン、ポ
リーεーカプロラクトンとポリ乳酸の共重合体、ポリジ
オキサノン、及びポリジオキサノンとポリ乳酸の共重合
体から選ばれるポリマーが、柔軟性に優れる膜が得られ
る点で好ましい。ポリーεーカプロラクトン、ポリーε
ーカプロラクトンとポリ乳酸の共重合体、ポリジオキサ
ノン、及びポリジオキサノンとポリ乳酸の共重合体から
選択される2種以上のブレンドも好ましく使用すること
ができる。
の膜を構成する生体吸収性ポリマーについて説明する。
本発明において、円筒状の膜を構成する生体吸収性ポリ
マーとしては、脂肪族ポリエステル系生体吸収性ポリマ
ーが好ましい。脂肪族ポリエステル系生体吸収性ポリマ
ーとしては、フィラメントを構成する脂肪族ポリエステ
ル系生体吸収性ポリマーと同様に、ポリグリコール酸、
ポリ乳酸等のポリ(α−ヒドロキシ酸);ポリ−ε−カ
プロラクトン、ポリジオキサノン等が挙げられる。脂肪
族ポリエステルのうち、ポリーεーカプロラクトン、ポ
リーεーカプロラクトンとポリ乳酸の共重合体、ポリジ
オキサノン、及びポリジオキサノンとポリ乳酸の共重合
体から選ばれるポリマーが、柔軟性に優れる膜が得られ
る点で好ましい。ポリーεーカプロラクトン、ポリーε
ーカプロラクトンとポリ乳酸の共重合体、ポリジオキサ
ノン、及びポリジオキサノンとポリ乳酸の共重合体から
選択される2種以上のブレンドも好ましく使用すること
ができる。
【0024】また、フィラメントを構成する脂肪族ポリ
エステルの場合と同様に、脂肪族ポリエステル中に、X
線造影成分(例えば、硫酸バリウム、金粉、タングステ
ン粉、タンタル粉)を含ませてもよい。X線造影成分
は、フィラメントと膜とのうちのいずれか一方に含ませ
てもよいし、両方に含ませてもよい。
エステルの場合と同様に、脂肪族ポリエステル中に、X
線造影成分(例えば、硫酸バリウム、金粉、タングステ
ン粉、タンタル粉)を含ませてもよい。X線造影成分
は、フィラメントと膜とのうちのいずれか一方に含ませ
てもよいし、両方に含ませてもよい。
【0025】さらに、フィラメントを構成する脂肪族ポ
リエステルの場合と同様に、脂肪族ポリエステル中に、
薬剤(例えば、抗癌剤)等を含ませてもよい。薬剤等
は、フィラメントと膜とのうちのいずれか一方に含ませ
ても、両方に含ませてもよい。必要な薬剤等の量に応じ
て、適宜選択すればよい。
リエステルの場合と同様に、脂肪族ポリエステル中に、
薬剤(例えば、抗癌剤)等を含ませてもよい。薬剤等
は、フィラメントと膜とのうちのいずれか一方に含ませ
ても、両方に含ませてもよい。必要な薬剤等の量に応じ
て、適宜選択すればよい。
【0026】次に、本発明の実施の形態を図面を参照し
て説明する。図1は、本発明の生体吸収性ステントの一
例を示す斜視図である。図2(a) は、ジグザグ形状に折
り曲げられたフィラメントの一例を示す平面図である。
図2(b) は、フィラメントの一端と他端とを連結するた
めの鞘管の一例を示す一部切り欠き断面図である。図3
は、ステント骨格構成環状要素の一例を示す斜視図であ
る。図4は、ステント骨格構成環状要素の他の一例を示
す斜視図である。図5は、複数のステント骨格構成環状
要素がステント軸方向に直列状に並べて配置された状態
の一例を示す斜視図である。図6は、円筒状の膜を形成
する様子の一例を示す図である。図7は、ステント骨格
構成環状要素を連結して円筒状ステント骨格を形成する
様子の一例を示す斜視図である。図8は、円筒状ステン
ト骨格の一例を示す斜視図である。
て説明する。図1は、本発明の生体吸収性ステントの一
例を示す斜視図である。図2(a) は、ジグザグ形状に折
り曲げられたフィラメントの一例を示す平面図である。
図2(b) は、フィラメントの一端と他端とを連結するた
めの鞘管の一例を示す一部切り欠き断面図である。図3
は、ステント骨格構成環状要素の一例を示す斜視図であ
る。図4は、ステント骨格構成環状要素の他の一例を示
す斜視図である。図5は、複数のステント骨格構成環状
要素がステント軸方向に直列状に並べて配置された状態
の一例を示す斜視図である。図6は、円筒状の膜を形成
する様子の一例を示す図である。図7は、ステント骨格
構成環状要素を連結して円筒状ステント骨格を形成する
様子の一例を示す斜視図である。図8は、円筒状ステン
ト骨格の一例を示す斜視図である。
【0027】図1に示す生体吸収性ステント(21)は、生
体吸収性ポリマーを主体とするフィラメントから形成さ
れた円筒状ステント骨格(23)と、円筒状ステント骨格(2
3)の周面に沿って形成され且つ円筒状ステント骨格(23)
と一体化された生体吸収性ポリマーを主体とする膜(22)
とから構成されている。円筒状ステント骨格(23)は、ス
テント軸方向に直列状に並べられた複数のステント骨格
構成環状要素(3) からなり、各環状要素(3) は、1本の
生体吸収性ポリマーを主体とするフィラメントが一端か
ら他端にかけてジグザグ形状に折り曲げられ、前記一端
と他端とが連結されて環状に形成されたものであり、隣
り合う環状要素(3)(3)同士は、生体吸収性ポリマーを主
体とする膜(22)を介して互いに連結されている。図1の
例では、円筒状ステント骨格(23)は、5個の環状要素
(3) から構成されている。
体吸収性ポリマーを主体とするフィラメントから形成さ
れた円筒状ステント骨格(23)と、円筒状ステント骨格(2
3)の周面に沿って形成され且つ円筒状ステント骨格(23)
と一体化された生体吸収性ポリマーを主体とする膜(22)
とから構成されている。円筒状ステント骨格(23)は、ス
テント軸方向に直列状に並べられた複数のステント骨格
構成環状要素(3) からなり、各環状要素(3) は、1本の
生体吸収性ポリマーを主体とするフィラメントが一端か
ら他端にかけてジグザグ形状に折り曲げられ、前記一端
と他端とが連結されて環状に形成されたものであり、隣
り合う環状要素(3)(3)同士は、生体吸収性ポリマーを主
体とする膜(22)を介して互いに連結されている。図1の
例では、円筒状ステント骨格(23)は、5個の環状要素
(3) から構成されている。
【0028】図2(a) において、フィラメント(2) は、
その一端(2a)から他端(2b)にかけてジグザグ形状に折り
曲げられ、複数の屈曲部分(2c)と複数のほぼ直線部分(2
d)とを有する。図2(a) の例では、屈曲部分(2c)が10
個形成されている。フィラメント(2) は、マルチフィラ
メントであってもよいが、モノフィラメントであること
も好ましい。
その一端(2a)から他端(2b)にかけてジグザグ形状に折り
曲げられ、複数の屈曲部分(2c)と複数のほぼ直線部分(2
d)とを有する。図2(a) の例では、屈曲部分(2c)が10
個形成されている。フィラメント(2) は、マルチフィラ
メントであってもよいが、モノフィラメントであること
も好ましい。
【0029】本発明において、生体吸収性フィラメント
(2) の直径(T)は、0.1mm〜2mm、好ましくは
0.3mm〜1.5mmである。ステントを用いる部位
によって、適宜選択される。
(2) の直径(T)は、0.1mm〜2mm、好ましくは
0.3mm〜1.5mmである。ステントを用いる部位
によって、適宜選択される。
【0030】ジグザグ形状に折り曲げられたフィラメン
ト(2) の直線部分(2d)の長さ(N)とフィラメントの直
径(T)との関係は目的に応じて適宜選択される。例え
ば、消化管や気管のような比較的径の太い管腔用のステ
ントとしては、フィラメント(2) の直線部分(2d)の長さ
(N)とフィラメントの直径(T)とは、7≦N/T≦
16の関係を満足することが好ましく、8≦N/T≦1
4の関係を満足することがより好ましい。N/Tの値が
7よりも小さいと、ステントの縮径が難しくなり、逆に
16よりも大きいと、拡張力が弱くなりやすい。フィラ
メントの折り曲げ加工は任意の方法で、例えば常温で行
うことができる。なお、隣り合う直線部分(2d)同士の成
す角度θは、例えば、10〜110°程度となる。
ト(2) の直線部分(2d)の長さ(N)とフィラメントの直
径(T)との関係は目的に応じて適宜選択される。例え
ば、消化管や気管のような比較的径の太い管腔用のステ
ントとしては、フィラメント(2) の直線部分(2d)の長さ
(N)とフィラメントの直径(T)とは、7≦N/T≦
16の関係を満足することが好ましく、8≦N/T≦1
4の関係を満足することがより好ましい。N/Tの値が
7よりも小さいと、ステントの縮径が難しくなり、逆に
16よりも大きいと、拡張力が弱くなりやすい。フィラ
メントの折り曲げ加工は任意の方法で、例えば常温で行
うことができる。なお、隣り合う直線部分(2d)同士の成
す角度θは、例えば、10〜110°程度となる。
【0031】ジグザグ形状に折り曲げられたフィラメン
ト(2) の一端(2a)と他端(2b)とを連結して、例えば図3
又は図4に示すような環状要素(3) を形成する。図3に
示す環状要素(3) を得るには、フィラメント(2) の一端
(2a)と他端(2b)とを、図2(b) に示す鞘管(14)の両端か
ら挿入して、一端(2a)の端面と他端(2b)の端面とを突合
せるようにして連結すればよい。この連結に使用する鞘
管(14)は、X線不透過材料製の鞘管も望ましい。X線不
透過の鞘管としては、タンタル製鞘管、金製鞘管、白金
製鞘管等が挙げられる。鞘管(14)の内径(Di)は、使用す
るフィラメント(2) の直径に応じて適宜選択される。鞘
管(14)の長さ(L) は、使用するフィラメント(2) の直線
部分(2d)の長さ(N)に応じて適宜選択される。鞘管(1
4)の外径(De)は、例えば、内径(Di)が1.0mmである
場合、1.2mm程度となるであろう。鞘管(14)による
連結を強固にするために、例えば、適切な接着剤による
連結部の固着、かしめ、これらの組み合わせ等を行って
もよい。接着剤としては、例えば、アロンアルファー
(東亜合成製)等市販の接着剤や、ポリ乳酸等の脂肪族
ポリエステル系生体吸収性ポリマーを有機溶剤に溶解し
て調製した接着剤溶液等を用いるとよい。接着剤溶液調
製用の有機溶剤としては、例えば、クロロホルムが挙げ
られる。
ト(2) の一端(2a)と他端(2b)とを連結して、例えば図3
又は図4に示すような環状要素(3) を形成する。図3に
示す環状要素(3) を得るには、フィラメント(2) の一端
(2a)と他端(2b)とを、図2(b) に示す鞘管(14)の両端か
ら挿入して、一端(2a)の端面と他端(2b)の端面とを突合
せるようにして連結すればよい。この連結に使用する鞘
管(14)は、X線不透過材料製の鞘管も望ましい。X線不
透過の鞘管としては、タンタル製鞘管、金製鞘管、白金
製鞘管等が挙げられる。鞘管(14)の内径(Di)は、使用す
るフィラメント(2) の直径に応じて適宜選択される。鞘
管(14)の長さ(L) は、使用するフィラメント(2) の直線
部分(2d)の長さ(N)に応じて適宜選択される。鞘管(1
4)の外径(De)は、例えば、内径(Di)が1.0mmである
場合、1.2mm程度となるであろう。鞘管(14)による
連結を強固にするために、例えば、適切な接着剤による
連結部の固着、かしめ、これらの組み合わせ等を行って
もよい。接着剤としては、例えば、アロンアルファー
(東亜合成製)等市販の接着剤や、ポリ乳酸等の脂肪族
ポリエステル系生体吸収性ポリマーを有機溶剤に溶解し
て調製した接着剤溶液等を用いるとよい。接着剤溶液調
製用の有機溶剤としては、例えば、クロロホルムが挙げ
られる。
【0032】図4に示す環状要素(3) を得るには、ジグ
ザグ形状に折り曲げられたフィラメント(2) の一端(2a)
と他端(2b)とを、タンタルワイヤー等の適切なワイヤー
(4)を用いて数巻して結束すればよい。その際、フィラ
メント(2) の一端(2a)と他端(2b)が接する部分をテーパ
ー状に切削し、重ね合わせた部分の径がフィラメント径
に近くなるようにしても良い。この結束に使用するワイ
ヤー(4) は、X線不透過材料製のワイヤーも望ましい。
X線不透過のワイヤーとしては、タンタルワイヤーのほ
か、金線や白金線が挙げられる。より具体的には、線径
0.15mm程度で長さが15mm程度のタンタルワイ
ヤーが挙げられる。ワイヤー(4) による結束後さらに、
適切な接着剤を用いて結束部を固着してもよい。接着剤
としては、図3で説明したのと同様の接着剤が挙げられ
る。
ザグ形状に折り曲げられたフィラメント(2) の一端(2a)
と他端(2b)とを、タンタルワイヤー等の適切なワイヤー
(4)を用いて数巻して結束すればよい。その際、フィラ
メント(2) の一端(2a)と他端(2b)が接する部分をテーパ
ー状に切削し、重ね合わせた部分の径がフィラメント径
に近くなるようにしても良い。この結束に使用するワイ
ヤー(4) は、X線不透過材料製のワイヤーも望ましい。
X線不透過のワイヤーとしては、タンタルワイヤーのほ
か、金線や白金線が挙げられる。より具体的には、線径
0.15mm程度で長さが15mm程度のタンタルワイ
ヤーが挙げられる。ワイヤー(4) による結束後さらに、
適切な接着剤を用いて結束部を固着してもよい。接着剤
としては、図3で説明したのと同様の接着剤が挙げられ
る。
【0033】環状要素(3) は、6〜16個の屈曲部(2c)
を有することが好ましい。屈曲部が6個未満であると、
円筒形状の形成が難しくなり、一方、16個を超える
と、縮径が難しくなる傾向がある。図3及び図4の例で
は、環状要素(3) は、それぞれ10個の屈曲部分(2c)を
有する。
を有することが好ましい。屈曲部が6個未満であると、
円筒形状の形成が難しくなり、一方、16個を超える
と、縮径が難しくなる傾向がある。図3及び図4の例で
は、環状要素(3) は、それぞれ10個の屈曲部分(2c)を
有する。
【0034】図5に示すように、複数の環状要素(3)
を、ステントの目標とする外径に応じた適当な外径を有
する円筒状膜形成用の円筒状体(7) の外周面に沿うよう
に、ステント軸方向に直列状に並べて配置する。図5の
例では、図3に示す環状要素(3) を用いている。図4に
示す環状要素(3) を用いることもできる。円筒状体(7)
の代わりに、中実の丸棒状体を使用してもよい。隣り合
う環状要素(3)(3)の間隔dは特に限定されず、目的とす
るステントの長さ等により適宜選択される。
を、ステントの目標とする外径に応じた適当な外径を有
する円筒状膜形成用の円筒状体(7) の外周面に沿うよう
に、ステント軸方向に直列状に並べて配置する。図5の
例では、図3に示す環状要素(3) を用いている。図4に
示す環状要素(3) を用いることもできる。円筒状体(7)
の代わりに、中実の丸棒状体を使用してもよい。隣り合
う環状要素(3)(3)の間隔dは特に限定されず、目的とす
るステントの長さ等により適宜選択される。
【0035】複数の環状要素(3) が配置された円筒状体
(7) の外周面を、膜形成用材料により被覆する。図6に
示す例では、円筒状体(7) を軸を中心として回転しなが
ら、膜形成用材料(9) を滴下して被覆を行う。被覆方法
はこれに限定されず、例えば、スプレー法や浸漬法等、
通常の被覆方法を用いることができる。膜形成用材料
(9) は、例えば、前記で説明した膜形成用の生体吸収性
ポリマーを、適切な溶剤に溶解して調製すればよい。溶
剤としては、生体吸収性ポリマーを溶解し、被覆後に乾
燥、除去できる溶剤、例えばトルエン等が挙げられる。
膜形成用材料(9) の濃度としては、膜形成用材料(9) 中
に、生体吸収性ポリマーが、例えば、5〜20重量%含
まれていればよい。被覆の際、膜形成用材料(9) によっ
て、環状要素(3) を構成するフィラメントが溶解してし
まわないように注意する。フィラメントのごく表面は、
膜形成用材料(9) に侵されてもよい。
(7) の外周面を、膜形成用材料により被覆する。図6に
示す例では、円筒状体(7) を軸を中心として回転しなが
ら、膜形成用材料(9) を滴下して被覆を行う。被覆方法
はこれに限定されず、例えば、スプレー法や浸漬法等、
通常の被覆方法を用いることができる。膜形成用材料
(9) は、例えば、前記で説明した膜形成用の生体吸収性
ポリマーを、適切な溶剤に溶解して調製すればよい。溶
剤としては、生体吸収性ポリマーを溶解し、被覆後に乾
燥、除去できる溶剤、例えばトルエン等が挙げられる。
膜形成用材料(9) の濃度としては、膜形成用材料(9) 中
に、生体吸収性ポリマーが、例えば、5〜20重量%含
まれていればよい。被覆の際、膜形成用材料(9) によっ
て、環状要素(3) を構成するフィラメントが溶解してし
まわないように注意する。フィラメントのごく表面は、
膜形成用材料(9) に侵されてもよい。
【0036】図5及び図6に示す形態とは異なるが、複
数の環状要素(3) を、円筒状膜形成用の円筒状体の内周
面に沿うように、ステント軸方向に直列状に並べて配置
して、円筒状体の内周面を被覆することもできる。この
場合、目的とするステントの外径に応じた適当な内径を
有する円筒状体を使用すればよい。被覆方法としては、
例えば、円筒状体を膜形成用材料に浸漬し、その後、円
筒状体を膜形成用材料から取り出せばよい。膜形成用材
料としては、図6で説明したのと同様のものが挙げられ
る。
数の環状要素(3) を、円筒状膜形成用の円筒状体の内周
面に沿うように、ステント軸方向に直列状に並べて配置
して、円筒状体の内周面を被覆することもできる。この
場合、目的とするステントの外径に応じた適当な内径を
有する円筒状体を使用すればよい。被覆方法としては、
例えば、円筒状体を膜形成用材料に浸漬し、その後、円
筒状体を膜形成用材料から取り出せばよい。膜形成用材
料としては、図6で説明したのと同様のものが挙げられ
る。
【0037】被覆後、膜形成用材料(9) を乾燥する。乾
燥温度、乾燥時間等の条件は、用いる生体吸収性ポリマ
ー、溶剤、所望の膜厚等に応じて適宜選択される。例え
ば、膜形成用材料を基準として10重量%程度のポリー
εーカプロラクトンとトルエンとから構成される膜形成
用材料を用いて、0.08mm程度の膜厚を有する膜を
形成する場合には、20℃〜30℃の温度で1時間〜5
時間乾燥する。被覆した膜形成用材料(9) を乾燥した
後、円筒状体(7) を引き抜くことにより、円筒状ステン
ト骨格の周面に沿って且つ円筒状ステント骨格と一体化
して形成された膜が得られる。この際、被覆方法にもよ
るが、ステント骨格からはみ出して膜が形成されている
場合がある。この場合には、はみ出した膜を円筒状ステ
ント骨格の両端部のジグザグ形状に沿って切り整えるこ
とにより、図1に示すようなステント(21)が得られる。
切り整える方法は特に限定されず、例えば、ハサミを用
いて切り整えることができる。
燥温度、乾燥時間等の条件は、用いる生体吸収性ポリマ
ー、溶剤、所望の膜厚等に応じて適宜選択される。例え
ば、膜形成用材料を基準として10重量%程度のポリー
εーカプロラクトンとトルエンとから構成される膜形成
用材料を用いて、0.08mm程度の膜厚を有する膜を
形成する場合には、20℃〜30℃の温度で1時間〜5
時間乾燥する。被覆した膜形成用材料(9) を乾燥した
後、円筒状体(7) を引き抜くことにより、円筒状ステン
ト骨格の周面に沿って且つ円筒状ステント骨格と一体化
して形成された膜が得られる。この際、被覆方法にもよ
るが、ステント骨格からはみ出して膜が形成されている
場合がある。この場合には、はみ出した膜を円筒状ステ
ント骨格の両端部のジグザグ形状に沿って切り整えるこ
とにより、図1に示すようなステント(21)が得られる。
切り整える方法は特に限定されず、例えば、ハサミを用
いて切り整えることができる。
【0038】また、図1に示すステント(21)において、
隣り合う環状要素(3)(3)同士が、膜(22)に加えて、例え
ば、適当なワイヤー等を介して互いに連結されていても
よい。
隣り合う環状要素(3)(3)同士が、膜(22)に加えて、例え
ば、適当なワイヤー等を介して互いに連結されていても
よい。
【0039】この場合には、膜を形成する前に、例えば
図8に示すような円筒状ステント骨格(1) を形成すると
よい。ステント骨格(1) を形成するには、図7に示すよ
うに、ステントの目標とする外径に応じた適当な外径を
有する丸棒状体(5) の周面に複数の環状要素(3) を被
せ、適切なワイヤー(6) を用いて、隣り合う環状要素
(3)(3)の屈曲部(2c)(2c)同士を糸掛けするとよい。図7
の例では、図4に示す環状要素(3) を用いている。図3
に示す環状要素(3) を用いてもよい。ワイヤー(6) とし
ては、フロロカーボンワイヤー、ナイロンワイヤー、生
体吸収性モノフィラメントを使用することが望ましい。
また、環状要素形成に用いたタンタルワイヤー、金線、
白金線を用いてもよい。より具体的には、線径0.15
mm程度のフロロカーボンワイヤーを用いるとよい。糸
掛けは、例えば、丸棒状体(5) の周面を一周したところ
でワイヤーの端部同士を結束するとよい。また、結束後
に、適切な接着剤を用いて結束部を固着してもよい。接
着剤としては、環状要素形成に用いたものと同様の接着
剤が挙げられる。丸棒状体(5) を引き抜けば、図8に示
す円筒状ステント骨格(1) が得られる。ステント骨格
(1) は、単独でステントとして用いることもできる。本
発明では、ステント骨格(1) をステント本体として用
い、次のように膜を形成する。
図8に示すような円筒状ステント骨格(1) を形成すると
よい。ステント骨格(1) を形成するには、図7に示すよ
うに、ステントの目標とする外径に応じた適当な外径を
有する丸棒状体(5) の周面に複数の環状要素(3) を被
せ、適切なワイヤー(6) を用いて、隣り合う環状要素
(3)(3)の屈曲部(2c)(2c)同士を糸掛けするとよい。図7
の例では、図4に示す環状要素(3) を用いている。図3
に示す環状要素(3) を用いてもよい。ワイヤー(6) とし
ては、フロロカーボンワイヤー、ナイロンワイヤー、生
体吸収性モノフィラメントを使用することが望ましい。
また、環状要素形成に用いたタンタルワイヤー、金線、
白金線を用いてもよい。より具体的には、線径0.15
mm程度のフロロカーボンワイヤーを用いるとよい。糸
掛けは、例えば、丸棒状体(5) の周面を一周したところ
でワイヤーの端部同士を結束するとよい。また、結束後
に、適切な接着剤を用いて結束部を固着してもよい。接
着剤としては、環状要素形成に用いたものと同様の接着
剤が挙げられる。丸棒状体(5) を引き抜けば、図8に示
す円筒状ステント骨格(1) が得られる。ステント骨格
(1) は、単独でステントとして用いることもできる。本
発明では、ステント骨格(1) をステント本体として用
い、次のように膜を形成する。
【0040】図6で説明したのと同様に、ステント骨格
(1) を、円筒状膜形成用の円筒状体の外周面に沿って配
置し、円筒状体のステント骨格(1) が配置された外周面
を膜形成用材料で被覆すればよい。図7において丸棒状
体(5) を引き抜かずに、そのまま同様の操作で被覆する
こともできる。被覆方法や膜形成用材料としては、図6
で説明したのと同様の方法や膜形成用材料を用いること
ができる。被覆後、図6で説明したのと同様の工程を行
うことにより、隣り合う環状要素(3)(3)同士が、膜(22)
とワイヤーとを介して互いに連結されているステント(2
1)が得られる。
(1) を、円筒状膜形成用の円筒状体の外周面に沿って配
置し、円筒状体のステント骨格(1) が配置された外周面
を膜形成用材料で被覆すればよい。図7において丸棒状
体(5) を引き抜かずに、そのまま同様の操作で被覆する
こともできる。被覆方法や膜形成用材料としては、図6
で説明したのと同様の方法や膜形成用材料を用いること
ができる。被覆後、図6で説明したのと同様の工程を行
うことにより、隣り合う環状要素(3)(3)同士が、膜(22)
とワイヤーとを介して互いに連結されているステント(2
1)が得られる。
【0041】あるいは、上記で説明した形態とは異なる
が、膜形成用材料として生体吸収性を有するフィルムで
円筒状ステント骨格(1) の周面を覆い、フィルムをステ
ント骨格(1) に熱融着させて膜を形成することも考えら
れる。フィルムとしては、前記で説明した膜形成用の生
体吸収性ポリマーを、通常の方法でフィルム状に成形し
たものを用いればよい。
が、膜形成用材料として生体吸収性を有するフィルムで
円筒状ステント骨格(1) の周面を覆い、フィルムをステ
ント骨格(1) に熱融着させて膜を形成することも考えら
れる。フィルムとしては、前記で説明した膜形成用の生
体吸収性ポリマーを、通常の方法でフィルム状に成形し
たものを用いればよい。
【0042】ステント(21)を構成する円筒状の膜(22)の
膜厚は、0.04mm〜0.14mmであることが好ま
しい。膜厚が0.04mm未満であると、膜(22)の機械
的強度が不足する傾向にある。膜厚が0.14mmを超
えると、縮径が困難になり、得られるステントの屈曲性
も劣る傾向にある。円筒状の膜(22)の膜厚は、ステント
の使用部位に応じて選択される。ステント(21)の外径
は、例えば、3mm〜50mmであり、好ましくは4m
m〜35mmである。また、ステント(21)の長さは、例
えば、4mm〜25cmである。ステント外径や長さ
は、ステントの使用部位に応じて選択される。
膜厚は、0.04mm〜0.14mmであることが好ま
しい。膜厚が0.04mm未満であると、膜(22)の機械
的強度が不足する傾向にある。膜厚が0.14mmを超
えると、縮径が困難になり、得られるステントの屈曲性
も劣る傾向にある。円筒状の膜(22)の膜厚は、ステント
の使用部位に応じて選択される。ステント(21)の外径
は、例えば、3mm〜50mmであり、好ましくは4m
m〜35mmである。また、ステント(21)の長さは、例
えば、4mm〜25cmである。ステント外径や長さ
は、ステントの使用部位に応じて選択される。
【0043】得られたステント(21)をバルーンを有する
カテーテルに縮径して装着し、シースに挿入し、所定の
位置まで押し進め、次いでシースを少し引き抜きバルー
ンを拡張維持した後、バルーンを収縮させてカテーテル
と共にシースを引き抜き、ステント(21)を管腔状器官に
留置する。
カテーテルに縮径して装着し、シースに挿入し、所定の
位置まで押し進め、次いでシースを少し引き抜きバルー
ンを拡張維持した後、バルーンを収縮させてカテーテル
と共にシースを引き抜き、ステント(21)を管腔状器官に
留置する。
【0044】本発明のステントは、上記のように構成さ
れているので、ステントの管腔状器官の組織への食い込
みやステント管内への組織の侵入を防ぐことができ、し
かも生体吸収性を有する。
れているので、ステントの管腔状器官の組織への食い込
みやステント管内への組織の侵入を防ぐことができ、し
かも生体吸収性を有する。
【0045】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はない。 [実施例1]ポリL−乳酸 (島津製作所製、商標ラクテ
ィ、重量平均分子量20万、融点175℃)を200℃
で溶融紡糸して、直径(T)1.0mmのモノフィラメ
ントを得た。
に説明するが、本発明はこの実施例に限定されるもので
はない。 [実施例1]ポリL−乳酸 (島津製作所製、商標ラクテ
ィ、重量平均分子量20万、融点175℃)を200℃
で溶融紡糸して、直径(T)1.0mmのモノフィラメ
ントを得た。
【0046】モノフィラメントを室温でジグザグ形状に
加工し、図2(a) を参照して、10個の屈曲部分(2c)と
直線部分(2d)の長さ(N)10mmを有するフィラメン
ト(2) とした。N/T=10、θ=約30°。
加工し、図2(a) を参照して、10個の屈曲部分(2c)と
直線部分(2d)の長さ(N)10mmを有するフィラメン
ト(2) とした。N/T=10、θ=約30°。
【0047】ジグザグ形状に折り曲げられたフィラメン
ト(2) の一端(2a)と他端(2b)とを、図2(b) を参照し
て、外径(De)1.2mm、内径(Di)1.0mm、長さ
(L) 8mmのタンタル製の鞘管(14)を用いて連結し、そ
の後、アロンアルファー(東亜合成製)にて固着し、環
状要素(3) を作成した(図3)。環状要素(3) を5個作
成した。
ト(2) の一端(2a)と他端(2b)とを、図2(b) を参照し
て、外径(De)1.2mm、内径(Di)1.0mm、長さ
(L) 8mmのタンタル製の鞘管(14)を用いて連結し、そ
の後、アロンアルファー(東亜合成製)にて固着し、環
状要素(3) を作成した(図3)。環状要素(3) を5個作
成した。
【0048】図5に示すように、5個の環状要素(3) を
外径21mmのガラス製の円筒状体(7)の外周面に、隣
り合う環状要素(3)(3)同士の間隔dが5mmになるよう
に配置した。図6に示すように、円筒状体(7)を軸を中
心としてシンクロモーター(8) にて10rpm の回転速度
で回転しながら、膜形成用材料(9) 中に10重量%のポ
リーεーカプロラクトンが含まれるようにしてトルエン
に溶解して調製した膜形成用材料(9) を常温にて滴下
し、円筒状体(7)の外周面を被覆した。その後、被覆し
た膜形成用材料(9) を20℃で5時間乾燥した。乾燥
後、円筒状体(7)を抜き去り、円筒状に形成された膜を
得た。得られた膜をハサミにて切り整え、図1に示す所
望の形状のステント(21)を得た。得られたステント(21)
の外径は21mm、長さは64mmであった。円筒状の
膜(22)の膜厚は、0.08mmであった。
外径21mmのガラス製の円筒状体(7)の外周面に、隣
り合う環状要素(3)(3)同士の間隔dが5mmになるよう
に配置した。図6に示すように、円筒状体(7)を軸を中
心としてシンクロモーター(8) にて10rpm の回転速度
で回転しながら、膜形成用材料(9) 中に10重量%のポ
リーεーカプロラクトンが含まれるようにしてトルエン
に溶解して調製した膜形成用材料(9) を常温にて滴下
し、円筒状体(7)の外周面を被覆した。その後、被覆し
た膜形成用材料(9) を20℃で5時間乾燥した。乾燥
後、円筒状体(7)を抜き去り、円筒状に形成された膜を
得た。得られた膜をハサミにて切り整え、図1に示す所
望の形状のステント(21)を得た。得られたステント(21)
の外径は21mm、長さは64mmであった。円筒状の
膜(22)の膜厚は、0.08mmであった。
【0049】得られたステント(21)を縮径し、内径7m
mのローダーと外径3mmの芯棒との間を通過すること
を確認した。このようにして縮径した後、拡張したステ
ントの拡張力を以下の方法で測定したところ、19g/
mm/cmであった。
mのローダーと外径3mmの芯棒との間を通過すること
を確認した。このようにして縮径した後、拡張したステ
ントの拡張力を以下の方法で測定したところ、19g/
mm/cmであった。
【0050】(ステントの拡張力測定方法)測定装置を
図9に示す。測定装置(10)において、ステント(21)は固
定壁(12)とスライド壁(13)との間にセットされ、スライ
ド壁(13)は300gフルスケールの押し秤(11)を押すこ
とによりスライドされる。測定装置(10)にステント(21)
をセットする前に、ステントの長さ(Acm)を測定し
ておく。次に、押し秤(11)にて予圧50gを加えた時の
ステント径X(Bmm)を測定する。続いて、押力を3
00gとした時のステント径X(Cmm)を測定する。
ステント径又はステント長さが変わると、押圧300g
を変更した方が良い場合があるが、その時の目安とし
て、ステントの外径を基準として、ステント径(B)が
約1/3だけ小さくなるような値を採用すれば良い。ま
た、予圧50gも適宜適する値を採用しても良い。測定
されたA、B、Cの数値を用いて、拡張力(Pg/mm
/cm)を算出する。拡張力(P)の式は、次式に定義
する。 P=(300−50)/〔A×(B−C)〕
図9に示す。測定装置(10)において、ステント(21)は固
定壁(12)とスライド壁(13)との間にセットされ、スライ
ド壁(13)は300gフルスケールの押し秤(11)を押すこ
とによりスライドされる。測定装置(10)にステント(21)
をセットする前に、ステントの長さ(Acm)を測定し
ておく。次に、押し秤(11)にて予圧50gを加えた時の
ステント径X(Bmm)を測定する。続いて、押力を3
00gとした時のステント径X(Cmm)を測定する。
ステント径又はステント長さが変わると、押圧300g
を変更した方が良い場合があるが、その時の目安とし
て、ステントの外径を基準として、ステント径(B)が
約1/3だけ小さくなるような値を採用すれば良い。ま
た、予圧50gも適宜適する値を採用しても良い。測定
されたA、B、Cの数値を用いて、拡張力(Pg/mm
/cm)を算出する。拡張力(P)の式は、次式に定義
する。 P=(300−50)/〔A×(B−C)〕
【0051】[実施例2]実施例1と同様にして得られ
たジグザグ形状に折り曲げられたフィラメント(2) の一
端(2a)と他端(2b)とを、線径0.15mm、長さ15m
mのタンタルワイヤーを用いて数巻きして結束し、その
後、アロンアルファー(東亜合成製)にて固着し、環状
要素(3) を作成した(図4)。環状要素(3) を5個作成
した。
たジグザグ形状に折り曲げられたフィラメント(2) の一
端(2a)と他端(2b)とを、線径0.15mm、長さ15m
mのタンタルワイヤーを用いて数巻きして結束し、その
後、アロンアルファー(東亜合成製)にて固着し、環状
要素(3) を作成した(図4)。環状要素(3) を5個作成
した。
【0052】図7に示すように、5個の環状要素(3) を
外径21mmの丸棒状体(5) の周面に被せ、隣り合う環
状要素(3)(3)同士を線径0.15mmのフロロカーボン
ワイヤー(6) を用いて糸掛けした。丸棒状体(5) の周面
を一周したところでワイヤー(6) の端部同士を結束し、
さらに結束部をアロンアルファー(東亜合成製)にて固
着してステント骨格(1) を得た。その後、実施例1と同
様の方法にて、ステント(21)を得た。
外径21mmの丸棒状体(5) の周面に被せ、隣り合う環
状要素(3)(3)同士を線径0.15mmのフロロカーボン
ワイヤー(6) を用いて糸掛けした。丸棒状体(5) の周面
を一周したところでワイヤー(6) の端部同士を結束し、
さらに結束部をアロンアルファー(東亜合成製)にて固
着してステント骨格(1) を得た。その後、実施例1と同
様の方法にて、ステント(21)を得た。
【0053】[実施例3]膜形成用材料にタンタル粉を
含ませた以外は、実施例1と同様にしてステント(21)を
得た。ステント(21)をX線撮影し、造影することを確認
した。
含ませた以外は、実施例1と同様にしてステント(21)を
得た。ステント(21)をX線撮影し、造影することを確認
した。
【0054】[実施例4]膜形成用材料中のポリーεー
カプロラクトンの代わりとしてポリ乳酸を使用した以外
は、実施例1と同様にしてステント(21)を得た。このス
テント(21)の膜は、実施例1で得られたステント(21)の
膜に比べるとやや硬かった。実施例1で得られたステン
ト(21)の方が、好ましいことが分かった。
カプロラクトンの代わりとしてポリ乳酸を使用した以外
は、実施例1と同様にしてステント(21)を得た。このス
テント(21)の膜は、実施例1で得られたステント(21)の
膜に比べるとやや硬かった。実施例1で得られたステン
ト(21)の方が、好ましいことが分かった。
【0055】上記実施例は例示であり、限定的に解釈し
てはならない。目的とする管腔状器官に応じて、ステン
トの外径、長さや、円筒状の膜の膜厚等を、適宜変更す
ることができる。
てはならない。目的とする管腔状器官に応じて、ステン
トの外径、長さや、円筒状の膜の膜厚等を、適宜変更す
ることができる。
【0056】
【発明の効果】本発明によれば、ステントの管腔状器官
の組織への食い込みやステント管内への組織の侵入を防
ぐと共に、生体との親和性にも優れる生体吸収性ステン
トが提供される。
の組織への食い込みやステント管内への組織の侵入を防
ぐと共に、生体との親和性にも優れる生体吸収性ステン
トが提供される。
【図1】 本発明の生体吸収性ステントの一例を示す斜
視図である。
視図である。
【図2】 (a) ジグザグ形状に折り曲げられたフィラメ
ントの一例を示す平面図である。(b) フィラメントの一
端と他端とを連結する鞘管の一例を示す一部切り欠き断
面図である。
ントの一例を示す平面図である。(b) フィラメントの一
端と他端とを連結する鞘管の一例を示す一部切り欠き断
面図である。
【図3】 ステント骨格構成環状要素の一例を示す斜視
図である。
図である。
【図4】 ステント骨格構成環状要素の他の一例を示す
斜視図である。
斜視図である。
【図5】 複数のステント骨格構成環状要素がステント
軸方向に直列状に並べて配置された状態の一例を示す斜
視図である。
軸方向に直列状に並べて配置された状態の一例を示す斜
視図である。
【図6】 円筒状の膜を形成する様子の一例を示す図で
ある。
ある。
【図7】 ステント骨格構成環状要素を連結して円筒状
ステント骨格を形成する様子の一例を示す斜視図であ
る。
ステント骨格を形成する様子の一例を示す斜視図であ
る。
【図8】 円筒状ステント骨格の一例を示す斜視図であ
る。
る。
【図9】 ステントの拡張力測定を説明するための図で
ある。
ある。
(1) :円筒状ステント骨格
(2) :フィラメント
(2a)(2b):フィラメント(2) の端部
(2c):フィラメント(2) の屈曲部分
(2d):フィラメント(2) のほぼ直線部分
(T):フィラメント(2) の直径
(N):フィラメント(2) の直線部分(2d)の長さ
(3) :ステント骨格構成環状要素
(4) :ワイヤー
(5) :丸棒状体
(6) :ワイヤー
(7) :円筒状体
(8) :シンクロモーター
(9) :膜形成用材料
(14):鞘管
(De):鞘管の外径
(Di):鞘管の内径
(L) :鞘管の長さ
(21):生体吸収性ステント
(22):円筒状の膜
(23):円筒状ステント骨格
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 井上 浩
大阪府大阪市西区江戸堀3−8−8 株式
会社メディコスヒラタ本部内
(72)発明者 浦山 裕司
京都府京都市中京区西ノ京桑原町1番地
株式会社島津製作所内
Fターム(参考) 4C081 AC03 BA16 CA161 CA171
CC01 DA02 DA04 DC03 EA03
4C167 AA45 AA47 CC09 FF05 GG12
GG43
Claims (10)
- 【請求項1】 生体吸収性ポリマーを主体とするフィラ
メントから形成された円筒状ステント骨格と、前記円筒
状ステント骨格の周面に沿って形成され且つ前記円筒状
ステント骨格と一体化された生体吸収性ポリマーを主体
とする膜とを含む、生体吸収性ステント。 - 【請求項2】 円筒状ステント骨格が、ステント軸方向
に直列状に並べられた複数のステント骨格構成環状要素
からなり、 各環状要素は、1本の生体吸収性ポリマーを主体とする
フィラメントが一端から他端にかけてジグザグ形状に折
り曲げられ、前記一端と他端とが連結されて環状に形成
されたものであり、 隣り合う環状要素同士は、生体吸収性ポリマーを主体と
する膜を介して互いに連結されている、請求項1に記載
の生体吸収性ステント。 - 【請求項3】 各環状要素は6〜16個の屈曲部を有す
る、請求項2に記載の生体吸収性ステント。 - 【請求項4】 フィラメントの主体である生体吸収性ポ
リマーが、脂肪族ポリエステル系生体吸収性ポリマーで
ある、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の生体
吸収性ステント。 - 【請求項5】 フィラメントの主体である生体吸収性ポ
リマーが、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、及び前記ポリ
マーの共重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種
である、請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の生
体吸収性ステント。 - 【請求項6】 生体吸収性ポリマーを主体とするフィラ
メントがモノフィラメントである、請求項1〜5のうち
のいずれか1項に記載の生体吸収性ステント。 - 【請求項7】 膜の主体である生体吸収性ポリマーが、
脂肪族ポリエステル系生体吸収性ポリマーである、請求
項1〜6のうちのいずれか1項に記載の生体吸収性ステ
ント。 - 【請求項8】 膜の主体である生体吸収性ポリマーが、
ポリーεーカプロラクトン、ポリーεーカプロラクトン
とポリ乳酸の共重合体、ポリジオキサノン、及びポリジ
オキサノンとポリ乳酸の共重合体からなる群から選ばれ
る少なくとも1種である、請求項1〜7のうちのいずれ
か1項に記載の生体吸収性ステント。 - 【請求項9】 生体吸収性ポリマーを主体とする円筒状
の膜を、生体吸収性ポリマーを主体とするフィラメント
からなる円筒状ステント骨格の周面に沿って且つ前記円
筒状ステント骨格と一体化して形成することを含む、生
体吸収性ステントの製造方法。 - 【請求項10】 1本の生体吸収性ポリマーを主体とす
るフィラメントを一端から他端にかけてジグザグ形状に
折り曲げ、ジグザグ形状に折り曲げられたフィラメント
の前記一端と他端とを連結して、ステント骨格構成環状
要素を形成し、 前記環状要素を複数個作成し、 複数の環状要素を、円筒状膜形成用の丸棒状体又は円筒
状膜形成用の円筒状体の外周面に沿うように、又は円筒
状膜形成用の円筒状体の内周面に沿うように、ステント
軸方向に直列状に並べて配置し、 前記丸棒状体又は前記円筒状体の前記環状要素が配置さ
れた外周面を、又は前記円筒状体の前記環状要素が配置
された内周面を、生体吸収性ポリマーを含む膜形成用材
料で被覆し、 被覆した膜形成用材料を乾燥して、隣り合う前記環状要
素同士を互いに連結し且つ複数の前記環状要素と一体化
された生体吸収性ポリマーを主体とする円筒状の膜を形
成することを含む、生体吸収性ステントの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001243761A JP2003052834A (ja) | 2001-08-10 | 2001-08-10 | 生体吸収性ステント及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001243761A JP2003052834A (ja) | 2001-08-10 | 2001-08-10 | 生体吸収性ステント及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003052834A true JP2003052834A (ja) | 2003-02-25 |
Family
ID=19073802
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001243761A Pending JP2003052834A (ja) | 2001-08-10 | 2001-08-10 | 生体吸収性ステント及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003052834A (ja) |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2001
- 2001-08-10 JP JP2001243761A patent/JP2003052834A/ja active Pending
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