JP2003049441A - 沈埋函の方向修正装置および方向修正方法 - Google Patents
沈埋函の方向修正装置および方向修正方法Info
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Abstract
なく、駆動手段の早期撤去も可能な無駄の少ない方向修
正装置を提供し、併せて該装置を用いて低コストでかつ
精度よく方向修正を行うことができる方向修正方法を提
供する。 【解決手段】 既設函10および新設函11の左右側壁の接
合部に、固定くさび24と可動くさび26とを縦方向で楔合
させるくさび装置21を配設し、バルクヘッド16と17との
間の密室18内の海水を排水して既設函10に新設函11を水
圧接合した後、可動くさび26を固定くさび24に楔合する
まで油圧シリンダにより移動させて、可動くさび26を基
準位置に位置決めし、次に、前記密室18に注水してゴム
ガスケット12の反力により新設函11を押戻して、新設函
11の後端のずれを修正するために必要な量だけ、新設函
11の左または右側の可動くさびを前記基準位置から移動
させ、しかる後、密室18内の海水を再排水して再度水圧
接合する。
Description
埋函の沈設工法に係り、より詳しくはトンネル法線に対
する新設函の後端の水平方向のずれを修正するための沈
埋函の方向修正装置とこの装置を用いて行う沈埋函の方
向修正方法とに関する。
0に示すように、バルクヘッド1により両端開口が閉鎖
された沈埋函(新設函)2を沈設して、その端面をゴム
ガスケット3を介して既設函4に突合わせた後、新設函
2のバルクヘッド1と既設函4のバルクヘッド(図示
略)との間に形成される密室、すなわちゴムガスケット
3により囲まれたバルクヘッド間の室の海水を排水し、
新設函2の背面にかかる水圧Pを利用して既設函4に対
して新設函2を水圧接合することが行われている。
常、その端面に設けたブラケット(鉛直せん断キー)を
既設函4の端面に設けたブラケットに着座させて位置合
せを行うため、新設函2の先端側は水平方向に正確に位
置決めされるが、その後端側は、海底の掘削底に設置し
た仮支承台に支承ジャッキ(図示略)を介して載せるだ
けであるため、トンネル法線からずれる場合が多い。こ
のため、従来一般には、前記した水圧接合後、バルクヘ
ッド1の撤去を待って詳細測量(函内測量も含む)を行
い、新設函2の後端のトンネル法線からの水平方向ずれ
量を計測して、このずれ量が予定より大きい場合は、図
11に示すように、新設函2と既設函4との端面間に方
向修正ジャッキ(油圧ジャッキ)5を介装し、新設函2
の右側または左側を押戻してその方向を修正するように
していた。しかし、上記した従来一般の沈埋函の方向修
正方法によれば、同じく図11に示すように、特に新設
函2の押戻し側(図示例では、左側)に多数の油圧ジャ
ッキ5を取付けなければならず、その取付けに長期間
(一例として、10日間前後)を要して、全体の工事期
間が延長するという問題があった。
公報には、既設函および新設函の左右側壁の外壁面に相
対向して複数対のストッパを固設し、各対のストッパの
対向面に設けた楔合面の間に配置したウエッジ(可動く
さび)を前記外壁面の法線方向へ移動可能にジャッキに
支持させ、水圧接合する際の排水量を調整して、あるい
は水圧接合後にバルクヘッド間に注水して接合水圧を軽
減しながら前記可動くさびをジャッキにより移動させ
て、新設函の片側を押戻すことにより方向修正を行う装
置、方法が提案されている。
報に記載の沈埋函の方向修正装置、方法によれば、ブラ
ケットおよび可動くさびを含むくさび装置が、沈埋函
(新設函、既設函)の側面に突出して配置されるため、
これらが沈埋函のえい航、沈設作業などの障害になる。
特に、新設函の押戻し量(戻し量)を微調整して方向修
正の精度(数mm単位)を高めようとすると、くさび角
度(楔合面傾斜角)を小さく設定しなければならず、こ
れに伴ってくさび装置として長尺なものが必要になるば
かりか、ストローク長の大きいジャッキが必要になり、
これらが、障害物として沈埋函(新設函、既設函)の側
方へ大きく突出することになる。なお、くさび角度を急
角度に設定した場合は、最終の水圧接合に際して負荷さ
れる大きな水圧接合力により、可動くさびが滑動して楔
合状態を維持できないこととなり、函底へのモルタル充
填を終えて新設函が安定するまではジャッキによる押え
を継続しなければならず、この結果、ジャッキを撤去す
る場合は、前記モルタル充填後にその撤去作業を行わな
ければならず、その分、工事期間が延長し、一方、その
ままジャッキを埋戻し土砂中に投棄する場合は、高価な
ジャッキが多数無駄になってしまう。さらに、上記公報
に記載の沈埋函の方向修正方法によれば、くさび装置の
動きを利用して新設函を押戻すので、バルクヘッド間へ
の注水で水圧接合力を軽減するとはいえ、その押戻しに
かなりの力を要し、可動くさびを移動させるジャッキ
(駆動装置)として大型で高出力のものが必要になって
コスト負担の増加が避けられず、その上、機構部のたわ
み等の影響でその移動量を高精度に制御することは困難
で、方向修正の精度を高めることには一定の限界があ
る。
なされたもので、その課題とするところは、沈埋函の周
りに障害物として突出することがなく、しかも、駆動手
段の早期撤去も可能な沈埋函の方向修正装置を提供し、
併せて該装置を用いて低コストでかつ精度よく方向修正
を行うことができる沈埋函の方向修正方法を提供するこ
とにある。
め、本発明に係る沈埋函の方向修正装置は、既設函およ
び新設函の左右側壁の接合部の、ゴムガスケットの内側
部位に、固定くさびと可動くさびとを縦方向で楔合させ
るくさび装置と、前記可動くさびを移動させる駆動装置
とを配設したことを特徴とする。上記構成の沈埋函の方
向修正装置においては、既設函および新設函の左右側壁
の接合部にくさび装置を配設するので、沈埋函(新設
函、既設函)の側方へ障害物として突出することはな
く、しかも、固定くさびと可動くさびとを縦方向で楔合
させるので、くさび角度を十分に小さく設定することが
でき、水圧接合後に直ちに駆動装置を撤去しても可動く
さびが滑動することはない。
は、バルクヘッド間の海水を排水して既設函に新設函を
水圧接合した後、上記方向修正装置における左右のくさ
び装置の可動くさびを固定くさびに楔合するまで移動さ
せて、該可動くさびを基準位置に位置決めし、次に、バ
ルクヘッド間に注水してゴムガスケットの反力により新
設函を押戻し、次に、新設函の後端のずれを修正するた
めに必要な量だけ前記左または右側のくさび装置の可動
くさびを前記基準位置から移動させ、しかる後、前記バ
ルクヘッド間の水を再排水して再度水圧接合することを
特徴とする。このように行う沈埋函の方向修正方法にお
いては、バルクヘッド間に注水してゴムガスケットの反
力により新設函を押戻した状態、すなわちフリーの状態
で可動くさびを移動させるので、該可動くさびの駆動装
置として小型低出力のものを用いることができる。ま
た、くさび角度の十分小さいくさび装置の使用が可能で
あることに加え、水圧接合した位置を基準にして可動く
さびを移動させるので、新設函の戻し量を高精度に制御
することができる。
図面に基づいて説明する。図1〜3は、本発明の一つの
実施の形態である沈埋函の方向修正装置を示したもので
ある。これらの図において、10は既設函、11は、既
設函10にゴムガスケット12を介して接合された新設
函である。既設函10および新設函11は、ここでは矩
形断面をなし、その内部空間は中壁13(図5)および
左右隔壁14、15により複数分割されている。
函11との接合端側開口はバルクヘッド16により、新
設函11の両端開口(後端側は省略)はバルクヘッド1
7によりそれぞれ閉鎖されており、両函10と11との
接合に応じて両バルクヘッド16と17との間には前記
ゴムガスケット12により囲まれた密室18が区画形成
されるようになっている。
として構成されており、図4に示すように台形状をなす
本体部12aの上面に山形状のノーズ部12bを設ける
と共に、本体部12aの下面に繊維補強のフランジ部1
2cを設けた構造となっており、そのフランジ部12c
を新設函11の端面に合せた状態で、該フランジ部12
cに設けた貫通孔19を挿通させたボルト(図示略)を
用いて該端面に密着固定されている。なお、既設函10
および新設函11の構造形式は任意であり、鉄筋コンク
リート(RC)構造形式、鋼殻構造形式、鋼コンクリー
ト合成構造形式などとすることができる。
壁10a、11aの接合部には、本発明に係る方向修正
装置20が配設されている。本方向修正装置20は、両
函10と11との接合間隔を設定するくさび装置21と
このくさび装置21を作動させる駆動装置22とから概
略構成されている。上記くさび装置21は、既設函10
の左右側壁10aの端面の、ゴムガスケット12の内側
の段差部分に固定した台座23上に配置された固定くさ
び24と、新設函11の端面の、ゴムガスケット12の
内側の段差部分に固定した台座25上に配置された可動
くさび26とからなっている。固定くさび24と可動く
さび26とは、それぞれ対応する台座23、25上に上
下方向へ延ばして、すなわち縦方向で楔合するように配
置されている。しかして、固定くさび24の楔合面24
aと可動くさび26の楔合面26aとは、可動くさび2
6の下方向への移動に応じて楔合高さを増大させるよう
に傾斜向きが設定されており、これにより可動くさび2
6の下方向への移動に応じて既設函10と新設函11と
の接合間隔、すなわち既設函10に対する新設函11の
戻し量が拡大するようになっている。
の台座25の側方に縦方向に延ばして配置され、該台座
25に対して位置固定された油圧シリンダ27と、この
油圧シリンダ27の出力軸27aの上端に取付けられた
昇降ブラケット28と、このブラケット28に上端が固
定され、下端を前記可動くさび26に連結させた連結バ
ー29とからなっている(図3)。油圧シリンダ27
は、低出力ではあるが十分なるストローク長を確保でき
るように小径長尺に形成されており、その作動は、新設
函11内に配置した給排油装置(図示略)からの油液給
排により制御されるよになっている。
にはタワーポンツーン方式を採用しており、新設函11
上には、図5に示すように1基または2基のコントロー
ルタワー30(図示例では、1基)と2基のポンツーン
31とが艤装されている。コントロールタワー30の上
部には測量および指令室32が設けられると共に、その
内部には新設函11内に作業員を出入りさせるためのア
クセスシャフト(図示略)が配設されている。また、新
設函11の周りには海底に据付けたシンカー33に先端
を連結したワイヤ34が取回わされており、新設函11
は、コントロールタワー30上に搭載したウインチ(図
示略)の操作により水平方向へ操函されるようになって
いる。また、各ポンツーン31には新設函11を吊下支
持するワイヤ35が取回されており、新設函11は、各
ポンツーン31上に搭載した沈降用ウインチ(図示略)
と新設函11内のバラストタンク(図示略)への注水と
により沈降させられるようになっている。
30上のGPSアンテナ36からGPS信号を取込んで
その全体的な位置管理を行う沈埋函位置測量システム
(図示略)、既設函10との相対的な位置管理を行う端
面探査装置(図示略)、ゴムガスケット12の圧縮量を
高精度に測定する端面間距離計37、新設函11の水平
および垂直方向の傾きを計測する計測装置(レーザ計測
装置)38などの測量手段が搭載されている。新設函1
1にはさらに、上記バルクヘッド間の密室17内の海水
を排水しかつ該密室17に海水を注水するための注排水
ポンプを始め、支承ジャッキ、モルタルポンプ、、既設
函11との位置合せするための鉛直せん断キー(ブラケ
ット)等が搭載されているが、これらについては図示を
省略する。
函11の沈設工法について、図6〜図9も参照して説明
する。新設函11の沈設に際しは、各種艤装品の艤装を
終えた沈埋函11を沈設位置に曳航し、その位置で、海
底に必要数のシンカー33を据付けて必要なワイヤリン
グを行う。この準備完了後、前記沈埋函位置測量システ
ム、端面探査装置等により位置管理を行いながら該新設
函11を既設函10に対して誘導し、その先端の図示を
略す鉛直せん断キーを既設函10のブラケット(図示
略)に着座させ、さらにその後端を、図示を略す支承ジ
ャッキを介して海底の掘削底に設置した仮支承台の上に
着座させる。次に、既設函10に設けられた引寄ジャッ
キ39(図6)の作動により新設函11を既設函10側
へ引寄せる。この引寄せにより新設函11の接合端面に
取付けられたゴムガスケット12のノーズ部12bが圧
縮し、既設函10のバルクヘッド16と新設函11のバ
ルクヘッド17との間にはゴムガスケット12により囲
まれた密室18が形成される(図6、図8中のステッ
プS1)。この時、本方向修正装置20を構成するくさ
び装置21は、図7に示すようにその可動くさび26
が上昇端に位置決めされ、固定くさび24と可動くさび
26とは非楔合状態にある。
運転させ、上記バルクヘッド間の密室18の海水を排水
する。この排水により、新設函11の背面にかかる水圧
Pによって新設函11が既設函10側へ押されて水圧接
合される(図6、図8中のステップS2)。この時、
ゴムガスケット17は、図4に一点鎖線で示すようにそ
の本体部12aが初期状態のほぼ半分近くまで圧縮し、
既設函10と新設函11とは所定の間隔S(図6)で接
合される。なお、このゴムガスケット12の圧縮量は、
前記端面間距離計37(図5)により監視されている。
またこの時、本方向修正装置20を構成する左右のくさ
び装置21は、その可動くさび26が固定くさび24に
対して十分間隔を開けるように上昇端に位置決めされて
いるので、この段階でも、図7に示すように固定くさ
び24と可動くさび26との間には多少の間隙が存在
し、両者は非楔合状態を維持する。
油圧シリンダ27の作動により、左右のくさび装置21
の可動くさび26を下方向へ移動させ、図7に示すよ
うに該可動くさび26を固定くさび24に接触(楔合)
させる。可動くさび26は、この水圧接合状態で固定く
さび24に接触した状態が基準位置となり、この場合の
くさび装置21の楔合高さは、図9中のCとなる。一
方、上記水圧接合の完了と同時に、コントロールタワー
30内に配設された図示を略すアクセスシャフトを通し
て前記計測装置38により函内測量を行う(図8中のス
テップS3)。そして、図8に示すように、前記函内測
量により新設函11の後端が、例えばトンネル法線より
も片側へずれており、しかもそのずれ量が予定よりも大
きくなっていたら(NG)、新設函11内の注排水ポン
プを注水運転に切換え、前記バルクヘッド間の密室18
に海水を注入する(図6、図8中のステップS4)。
すると、ゴムガスケット12が、その本体部12aをほ
ぼ元の高さに復元し、その復元力(反力)により新設函
11が押戻され、これに応じて固定くさび24と可動く
さび26とのトンネル法線方向の間隔も広がる(図7
)。
び装置21のうち、新設函11の後端がずれている側に
配置されるくさび装置21の可動くさび26を油圧シリ
ンダ27の作動により基準位置(破線位置)より下動さ
せる(図8中のステップS5)。この時の移動量(シフ
ト量)α(図9)は、新設函11のずれ量を解消するに
見合う量であり、この可動くさび26の下動により該く
さび装置21の楔合高さは増大し、図9中のDのように
なる。この時の可動くさび26の移動(下動)は、固定
くさび24と接触しないフリーの状態で移動するので、
その駆動手段22を構成する油圧ジャッキ27として
は、小型で低出力のものを用いることができ、これによ
り方向修正装置20に要するコストは可及的に低減す
る。
え、その排水運転によりバルクヘッド間の密室18内の
海水を再排水する。この再排水により新設函11は再び
既設函10に水圧接合されるが、この際、図6および
図7に示すように、左右のくさび装置21を構成する
固定くさび24と可動くさび26とが当接し、新設函1
1はくさび装置21によって既設函20側への移動が規
制される。しかして、新設函11の後端がずれていた側
のくさび装置21は、上記した可動くさび26のシフト
により楔合高さを増大させているので、新設函11のず
れた側は、図6に示すように既設函10に対して所定
量(戻し量)δだけ戻された状態となり、その方向が修
正される。
ンネル法線からのずれ量が予定内に収まっているかどう
かを確認し(図8中のステップS3)、予定内に収まっ
ていたら(OK)、図示を略すバラストタンクに注水し
て新設函11に対するバラスト水荷重を増加し(ステッ
プS6)、続いて、既設函10のバルクヘッド16と新
設函11のバルクヘッド17とを撤去し(ステップS
7)、これと並行して新設函11の周りに砕石ストッパ
ーを施工する(ステップS8)。以降、通常の沈埋函沈
設工法に従って、函底へのモルタル充填(ステップS
9)、支承ジャッキのダウン(ステップS10)、埋戻
し(ステップS11)を行い、これにて一つの沈埋函の
沈設工事は終了する。
戻し量δは、図9に示すように、各くさび24、26の
楔合面24a、26aの長さをA、楔合面24aと26
aの高さをB、固定くさび24に対する可動くさび26
のシフト量をαとすると、下記(1)式によって与えら
れる。 δ=α×tanθ=α×B/A …(1) ところで、既設函10に対する新設函11の戻し量δの
調整精度を高めるには、可動くさび26の単位シフト量
当たりの戻し量をできるだけ小さくする、すなわち可動
くさび26の有効移動量(シフト量)をできるだけ大き
くする必要がある。この場合、上記(1)式より、可動
くさび26のシフト量αをできるだけ大きくとるには、
固定くさび24と可動くさび26の楔合面24a、26
aの傾斜角度(くさび角度)θをできるだけ小さく設定
するのが望ましいことが分かる。この点、本発明におけ
るくさび装置21は、前記したように既設函10および
新設函11の左右側壁10a、11aの接合部に縦方向
で楔合する配置で設けられているので、そのくさび角度
θを小さく設定しても、可動くさび26のシフト量αを
十分大きくとることができ、水圧接合した位置を基準に
して可動くさび26を移動させることと相まって、新設
函11の戻し量の調整精度を大幅に高めることができ、
結果として新設函11の方向修正精度は著しく向上す
る。本実施の形態では特に、可動くさび26を移動させ
る手段として細かくストローク制御できる油圧シリンダ
27を用いているので、方向修正精度のより一層の向上
を達成できる。因みに、固定くさび24と可動くさび2
6の楔合面24aと26aの長さAを2500mm、該楔合面
24aと26aの高さBを150mmに設定した場合、可動
くさび26のシフト量α=10cm当たりの戻し量δは6.0m
mとなり、数mm単位での戻し量の調整が可能になる。
ト12の許容戻り変形量δS は、水圧接合時の最大圧縮
量δ1 と、ゴムガスケット17に特有の不安定量δx と
安全率Fとの相関から、下記(2)式に基づいて決定さ
れるので、上記新設函11の戻し量δは、このゴムガス
ケット12の許容戻り変形量δS 内に抑える必要があ
る。 δS=[δ1−δx ]/F …(2) 上記不安定量δx は、止水性によるゴムガスケット12
の残留圧縮量、沈埋函同士の製作時変形量(浮遊打設変
形量、端面の製作誤差)、施工時余裕代、ゴムガスケッ
ト12の製作精度、その温度収縮量等の合計量となる。
この場合、一例として、最大圧縮量δ1を120mm、不安定
量δx を81.6mm、安全率Fを1.2にそれぞれ設定する
と、許容戻り変形量δSは32mmとなり、この範囲内で新
設函11が戻るように可動くさび26のシフト量αを抑
える必要がある。
して新設函11を水圧接合した際の水圧(水圧接合力)
Pを受けても安定的に楔合状態を維持するための条件、
すなわち、可動くさび26が固定くさび24上を滑動し
ない条件は、同じく図9に示すように楔合面24a、2
6aに沿う方向の分力P×sinθと楔合面24a、26
aの法線方向の分力P×cosθとの関係から、または両
くさび24、26の摩擦係数μとの関係から下記(3)
式または(4)式を満足する必要がある。 P×sinθ<P×cosθ×μ …(3) tanθ=B/A<μ …(4) この場合、摩擦係数μは、固定および可動くさび24、
26が鋼製となっていることから自ずから決まってお
り、したがって、可動くさび26の滑動を防止するに
は、上記(3)または(4)式より、くさび角度θをで
きるだけ小さく設定する必要がある。この点、本発明に
おけるくさび装置21は、前記したように既設函10お
よび新設函11の左右側壁10a、11aの接合部に縦
方向で楔合する配置で設けられているので、そのくさび
角度θを十分小さく設定することができ、新設函11の
方向修正後、最終的な水圧接合を行っても、その水圧接
合力Pによって可動くさび26が滑動することはなく、
その接合状態が安定的に維持される。このことは、上記
図8中のステップS7におけるバルクヘッド撤去と同時
に油圧シリンダ27を撤去しても、新設函11はその位
置(水圧接合位置)を維持することを意味し、後の新設
函11の安定化工事(ステップS9〜S11)を待たな
いでも油圧シリンダ27を撤去することが可能になり、
その分、工事期間が短縮する。
記タワーポンツーン方式に代えて、ブレーシングバー方
式、フローティングクレーン方式等の種々の方式を採用
できることはもちろんである。また、上記ゴムガスケッ
ト12の型式も任意であり、上記したジーナ型に代え
て、ノーズ部を持たないシュルテン型、先端を凹凸形状
としたホルン型とすることができる。
埋函の方向修正装置によれば、沈埋函の周りに障害物と
して突出することがないばかりか、駆動手段の早期撤去
も可能になり、沈設作業性の向上と工事期間の短縮とに
大きく寄与するものとなる。また、本発明に係る沈埋函
の方向修正方法によれば、フリーの状態で可動くさびを
移動させるので、大型で高出力の駆動手段を用いる必要
がなく、方向修正装置のコスト低減を達成できる。ま
た、くさび角度の十分小さいくさび装置の使用が可能で
あることに加え、水圧接合した位置を基準にして可動く
さびを移動させるので、新設函の戻し量の調整精度を大
幅に高めることができ、方向修正精度の著しい向上を達
成できる。
で、図3のX−X矢視線に沿う断面図である。
Y−Y矢視線に沿う断面図である。
正面図である。
形状と変形状態とを示す断面図である。
ワーポンツーン式工法を模式的に示す斜視図である。
を追って示す模式図である。
態を順を追って示す模式図である。
法を示す処理フロー図である。
向修正原理を示す模式図である。
斜視図である。
す正面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 既設函および新設函の左右側壁の接合部
の、ゴムガスケットの内側部位に、固定くさびと可動く
さびとを縦方向で楔合させるくさび装置と、前記可動く
さびを移動させる駆動装置とを配設したことを特徴とす
る沈埋函の方向修正装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の方向修正装置を用いて
行う沈埋函の方向修正方法において、バルクヘッド間の
海水を排水して既設函に新設函を水圧接合した後、左右
のくさび装置の可動くさびを固定くさびに楔合するまで
移動させて、該可動くさびを基準位置に位置決めし、次
に、バルクヘッド間に注水してゴムガスケットの反力に
より新設函を押戻し、次に、新設函の後端のずれを修正
するために必要な量だけ前記左または右側のくさび装置
の可動くさびを前記基準位置から移動させ、しかる後、
前記バルクヘッド間の水を再排水して再度水圧接合する
ことを特徴とする沈埋函の方向修正方法。
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---|---|---|---|
JP2001236429A JP3658728B2 (ja) | 2001-08-03 | 2001-08-03 | 沈埋函の方向修正装置および方向修正方法 |
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