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JP2003035663A - 吸収スペクトルの検量線作成方法 - Google Patents

吸収スペクトルの検量線作成方法

Info

Publication number
JP2003035663A
JP2003035663A JP2001220519A JP2001220519A JP2003035663A JP 2003035663 A JP2003035663 A JP 2003035663A JP 2001220519 A JP2001220519 A JP 2001220519A JP 2001220519 A JP2001220519 A JP 2001220519A JP 2003035663 A JP2003035663 A JP 2003035663A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wavelength
noise component
predetermined
spectrum
component amount
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001220519A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Kurata
孝男 倉田
Takeshi Kobayashi
健 小林
Taketo Yagi
武人 八木
Masataka Obara
正孝 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Corp
Original Assignee
Ishikawajima Harima Heavy Industries Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ishikawajima Harima Heavy Industries Co Ltd filed Critical Ishikawajima Harima Heavy Industries Co Ltd
Priority to JP2001220519A priority Critical patent/JP2003035663A/ja
Publication of JP2003035663A publication Critical patent/JP2003035663A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 混合物質中の一物質における吸収スペクトル
の検量線作成方法を提供する。 【解決手段】 単一物質の吸収スペクトルより各波長の
ノイズ成分量を算出し、混合物質の濃度ゼロの受光スペ
クトル及び組成比を変えた複数の受光スペクトルを採取
し、波長設定段階として各受光スペクトルの処理波長を
所定波長に設定し、各波長のノイズ成分量から選択した
所定波長のノイズ成分量を濃度ゼロの受光スペクトル及
び各組成比の受光スペクトルから夫々引くことにより各
組成比での所定波長の吸光度を算出し、所定波長を他の
所定波長に変えて処理手順を波長設定段階に戻すことに
より同様の処理を繰り返して各組成比での他の所定波長
の吸光度を夫々算出し、各波長での吸光度及び各組成比
のデータを用いて多変量解析することにより混合物質中
の所定物質の検量線を作成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各波長での吸収ス
ペクトルの検量線作成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、吸収スペクトルを用いて物質の
定量分析を行う際には、ランベルトベールの法則により
濃度と吸光度が比例することから、予め各所定濃度にお
ける受光スペクトル(受光強度もしくは受光面積)を測
定して各吸光度を求め、各所定濃度と各吸光度により検
量線を作成し、濃度が不明な物質の場合には吸光度を測
定することにより検量線に当てはめて定量している。
【0003】実際にガスの吸収分析における波長210
nmのSOの検量線を例に示すと、検量線は、図17
に示す如く、高濃度部分で検量線の傾きが水平方向にな
るよう飽和し、ランベルトベールの法則に従わないよう
になっている。
【0004】このランベルトベールの法則に従わない原
因の一つはノイズ成分によるものと考えられており、ノ
イズ成分には検出器に不要の迷光が入り込む迷光ノイズ
があり、図18に示す如く、分光器を使用しない分光分
析例の場合には、迷光1は光源2より筐体からの反射
光、散乱光等の原因によって生じ、サンプル3を通過す
ることなく検出器4に入り込んで測定に影響を与えてい
る。又、図19に示す如く、サンプル6の後側に分光器
7を備えた場合には、迷光8は光源9より分光器7の中
での散乱により生じ、目的波長の光とは別に検出器10
に入り込んで測定に影響を与えている。ここで、図1
8、図19中、5,11は光路、12は回折格子を夫々
示している。
【0005】このため、定量分析において検量線を使用
する際には、直線上の狭い部分のみを使用したり、検量
線範囲を分割する種々の方法が採用されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、混合ガ
ス等の混合物質においては、同様にノイズ成分が存在す
ると共に、一物質の吸収スペクトル上に他の物質の吸収
スペクトルが重なるため、一物質の吸収スペクトルのみ
を測定することができず、混合物質中の所定物質の検量
線を作成することができないという問題があった。又、
高濃度で飽和した検量線を、直線の検量線に修正するこ
とが求められていた。
【0007】本発明は上述した実情に鑑みてなしたもの
で、混合物質中の一物質における吸収スペクトルの検量
線作成方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1は、単
一物質の吸収スペクトルより各波長のノイズ成分量を算
出し、単一物質を測定した同じ測定装置によって混合物
質の濃度ゼロの受光スペクトル及び組成比を変えた複数
の受光スペクトルを採取し、波長設定段階として各受光
スペクトルの処理波長を所定波長に設定し、各波長のノ
イズ成分量から選択した所定波長のノイズ成分量を濃度
ゼロの受光スペクトル及び各組成比の受光スペクトルか
ら夫々引くことにより各組成比での所定波長の吸光度を
算出し、前記所定波長を他の所定波長に変えて処理手順
を前記波長設定段階に戻すことにより同様の処理を繰り
返して各組成比での他の所定波長の吸光度を夫々算出
し、各波長での吸光度及び各組成比のデータを用いて多
変量解析することにより混合物質中の所定物質の検量線
を作成することを特徴とする吸収スペクトルの検量線作
成方法、に係るものである。
【0009】本発明の請求項1は、請求項2に示す如
く、単一物質の濃度ゼロから各所定濃度までの各受光ス
ペクトルを採取し、波長設定段階として各受光スペクト
ルの処理波長を所定波長に設定し、ノイズ成分量設定段
階として前記ノイズ成分を濃度ゼロの受光スペクトル又
は所定濃度の受光スペクトルより小さい任意の仮ノイズ
成分量に仮設定し、前記仮ノイズ成分量を濃度ゼロの受
光スペクトル及び所定濃度の受光スペクトルから夫々引
いて各所定濃度の吸光度を算出し、各所定濃度と吸光度
の関係が直線に従うとして
【数3】Y=aX+b a:傾き b:切片 よりXに濃度、Yに吸光度を代入して線形回帰法により
相関係数を求め、続いて仮ノイズ成分量を他の仮ノイズ
成分量に変えて処理手順を前記ノイズ成分量設定段階に
戻すことにより同様の処理を繰り返して他の相関係数を
求め、各仮ノイズ成分量における複数の相関係数から最
も大きいものを選択することにより、選択された相関係
数に対応する所定波長のノイズ成分量を決定し、更に前
記所定波長を他の所定波長に変えて処理手順を前記波長
設定段階に戻すことにより同様の処理を繰り返して他の
所定波長のノイズ成分量を夫々決定し、各波長のノイズ
成分量を集積することにより、単一物質の吸収スペクト
ル中に含まれる各波長のノイズ成分量を求めてもよい。
【0010】本発明の請求項1は、請求項3に示す如
く、単一物質の濃度ゼロから各所定濃度までの各受光ス
ペクトルを採取し、波長設定段階として各受光スペクト
ルの処理波長を所定波長に設定し、ノイズ成分量設定段
階として前記ノイズ成分を濃度ゼロの受光スペクトル又
は所定濃度の受光スペクトルより小さい任意の仮ノイズ
成分量に仮設定し、前記仮ノイズ成分量を濃度ゼロの受
光スペクトル及び所定濃度の受光スペクトルから夫々引
いて各所定濃度の吸光度を算出し、各所定濃度と吸光度
の関係が直線に従うとして
【数4】Y=aX+b a:傾き b:切片 よりXに濃度、Yに吸光度を代入して線形回帰法により
切片を求め、続いて仮ノイズ成分量を他の仮ノイズ成分
量に変えて処理手順を前記ノイズ成分量設定段階に戻す
ことにより同様の処理を繰り返して他の切片を求め、各
仮ノイズ成分量における複数の切片から最もゼロに近い
ものを選択することにより、選択された切片に対応する
所定波長のノイズ成分量を決定し、更に前記所定波長を
他の所定波長に変えて処理手順を前記波長設定段階に戻
すことにより同様の処理を繰り返して他の所定波長のノ
イズ成分量を夫々決定し、各波長のノイズ成分量を集積
することにより、単一物質の吸収スペクトル中に含まれ
る各波長のノイズ成分量を求めてもよい。
【0011】このように、請求項1によれば、単一物質
より算出した各波長のノイズ成分量を用いることにより
混合物質からノイズ成分量を除いて各組成比での吸光度
を算出し、且つ各データを用いて多変量解析するので、
混合物質中に含まれる所定物質の吸光度等のデータを算
出し、所定物質における各波長での複数の検量線を作成
することができる。ここで、単一物質及び混合物質を測
定する測定装置が同じであるので、単一物質に含まれる
各波長のノイズ成分量、及び混合物質に含まれる各波長
のノイズ成分量は略同じになり、混合物質のノイズ成分
量を単一物質のノイズ成分量により取り除くことができ
る。又、受光スペクトルからノイズ成分量を取り除くの
で、高濃度で飽和した検量線を修正し、高精度な直線で
且つ再現性の高い検量線を作成することができる。
【0012】請求項2又は3によれば、仮ノイズ成分量
を介して線形回帰法から算出された複数の相関係数もし
くは複数の切片により最適なものを選択して単一物質に
おける所定波長のノイズ成分量を求め、且つ所定波長を
変えて同様に処理することにより他の所定波長のノイズ
成分量を求めて各波長のノイズ成分量を集積するので、
単一物質における各波長のノイズ成分量を適確に求める
ことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照しつつ説明する。
【0014】図1、図2は本発明の吸収スペクトルの検
量線作成方法を実施する形態例のフローを示し、Aは夫
々のフローの接続点を示している。
【0015】本発明の吸収スペクトルの検量線作成方法
を実施する際には、一般の検量線を作成する場合と同様
に、単一物質(単一ガス)の濃度ゼロの場合、及び濃度
をn1,n2,n3…(少なくとも3個以上)に変化さ
せた場合の受光スペクトルP(d)(受光強度、受光面
積)を測定する。
【0016】次に複数の受光スペクトルP(d)を測定
した後には、各受光スペクトルを処理する波長を選択す
るよう単一物質用波長処理段階として初期波長dを設定
する。
【0017】ここで、測定した各波長の受光スペクトル
には、ノイズ成分の迷光ノイズが含まれており、
【数5】P(d)=Ps(d)+Pm(d) P(d):測定した受光スペクトル(計測スペクトル) Ps(d):物質の受光スペクトル Pm(d):迷光ノイズの受光スペクトル となる。
【0018】このため、一般に各波長における吸光度を
求める式、
【数6】A(d)=log(Pz(d)/P(d)) A(d):吸光度 Pz(d):ゼロスペクトル(物質の濃度ゼロの場合の
受光スペクトル) P(d):測定した受光スペクトル(計測スペクトル) より、迷光ノイズの受光スペクトルを引き、
【数7】As(d)=log((Pz(d)−nPm
(d))/(P(d)−nPm(d))) As(d):修正した吸光度 Pz(d):ゼロスペクトル(物質の濃度ゼロの場合の
受光スペクトル) P(d):測定した受光スペクトル(計測スペクトル) nPm(d):仮の迷光ノイズの受光スペクトル(仮ノ
イズ成分量) に変形し、迷光ノイズのノイズ成分を数量化するようノ
イズ成分量設定段階として迷光ノイズをゼロの仮ノイズ
成分量(仮迷光)nPm(d)と仮設定する。
【0019】続いて、仮ノイズ成分量nPm(d)が濃
度ゼロの受光スペクトルPz(d)又は所定濃度の受光
スペクトルP(d)より小さい値であることを確認し、
数7に対して、仮ノイズ成分量nPm(d)のゼロの仮
設定値、初期波長dにおける各所定濃度(n1,n2,
n3…)の受光スペクトルP(d)の測定値、初期波長
dにおける濃度ゼロでのゼロスペクトル(受光スペクト
ル)Pz(d)の測定値を夫々代入し、各所定濃度に対
応する吸光度As(d)を算出する。
【0020】算出された各吸光度と、各所定濃度との関
係はランベルトベールの式
【数8】A=αn A:吸光度 α:吸光係数 n:濃度 に従い、直線の検量線となるので、
【数9】Y=aX+b a:傾き b:切片 の式に、Xに各所定濃度(n1,n2,n3…)の値、
Yに各吸光度As(d)の算出値を代入し、最小二乗法
等の線形回帰法により処理して相関係数r(R)、切
片b、傾きaを求める。
【0021】ここで、線形回帰法による処理を[表1]
に示すと、線形回帰法は、採取及び算出した濃度Xと吸
光度Yの複数組(少くとも三組以上)をK個として考え
る。
【0022】
【表1】
【0023】又XとYの共分散Sxyは
【数10】Sxy=(1/k)Σxy−avg_x×a
vg_y このとき、
【数11】a=Sxy/Sxx
【数12】b=avg_y−Sxy×avg_y/Sxx 又、相関係数rの二乗R
【数13】R=Sxy/(Sxx・Syy) であり、この計算値によりr(R)が最も大きくなっ
た場合(1に近づいた場合)に濃度Xと吸光度Yの複数
組が直線上に位置すると判断する。又、r(R)が最
も大きくなったときにはb=0になる(ゼロに最も近く
なる)のでbを基準にしてもよい。なお、線形回帰法に
おいて誤差の二乗和が最小になるnPmを求める場合に
はRが最大になるとは限らず、b=0にもならないの
で適用できない。
【0024】このような線形回帰法により仮ノイズ成分
量nPmがゼロの場合の相関係数r、切片b、傾きaを
求めた後には、傾きaと共に、相関係数r及び切片bの
少くとも一方を仮記憶する。
【0025】次に、ゼロの仮ノイズ成分量nPm(d)
に所定の増加量ΔnPmを加えて、図1に示す如く、処
理手順をノイズ成分量設定段階に戻すことによりノイズ
成分を他の仮ノイズ成分量nPm(d)と仮設定し、他
の仮ノイズ成分量nPm(d)が濃度ゼロの受光スペク
トル(ゼロスペクトル)Pz(d)又は所定濃度の受光
スペクトル(計測スペクトル)P(d)より小さい値で
あることを確認する。
【0026】確認した後には、初めに吸光度As(d)
を求めた処理と略同様に、[数7]に対して、他の仮ノ
イズ成分量nPm(d)の仮設定値、初期波長dにおけ
る各所定濃度(n1,n2,n3…)の受光スペクトル
P(d)の測定値、初期波長dにおける濃度ゼロのゼロ
スペクトルPzの測定値を夫々代入することにより、初
期波長dでの各所定濃度に対応する吸光度As(d)を
算出し、且つ、先の線形回帰法により相関係数等を算出
した処理と同様に、他の仮ノイズ成分量nPm(d)に
おける他の相関係数r、他の切片b、他の傾きaを求
め、同様に仮記憶する。
【0027】続いて、他の仮ノイズ成分量nPm(d)
に更に所定の増加量ΔnPmを加えて処理手順をノイズ
成分量設定段階に戻すことにより別の仮ノイズ成分量n
Pm(d)と仮設定し、同じ処理を繰り返して、別の仮
ノイズ成分量nPm(d)における別の相関係数r、別
の切片b、別の傾きaを求め、同様に仮記憶する。
【0028】このように仮ノイズ成分量nPm(d)に
徐々に増加量ΔnPmを加える処理は、初期波長dにお
ける複数の傾きaと、初期波長dにおける複数の相関係
数r及び切片bとを求めて蓄積するものである。
【0029】更に、増加する仮ノイズ成分量nPm
(d)が濃度ゼロの受光スペクトル(ゼロスペクトル)
Pz(d)又は所定濃度の受光スペクトル(計測スペク
トル)P(d)を超えた時点で処理を停止する。ここ
で、処理を停止する場合は、相関係数rの蓄積数もしく
は切片bの蓄積数が所定以上になった場合でもよい。
【0030】処理を停止した後、各仮ノイズ成分量nP
m(d)における複数の相関係数rの中より相関係数r
が最も大きいもの(最も1に近づいたもの)を選択する
と共に、各仮ノイズ成分量nPm(d)における複数の
切片bの中から切片bが最もゼロに近いものを選択す
る。ここで、相関係数r及び切片bを選択する場合は、
相関係数rもしくは切片bのどちらか一方の処理でもよ
い。又、相関係数rが最も大きいものを選択する場合
は、Rの極大値を求めるものであり、微分法や山登り
法でも求めることができる。更に、極大になるポイント
部分を詳細に探索するよう極大値近傍の区間のみΔnP
mを小さくしてもよい。更に又、相関係数r及び切片b
を選択する場合は、多くの相関係数r及び切片bを蓄積
せずに、所定の仮ノイズ成分量nPm(d)における相
関係数r及び切片bを求めた時点で、前に仮記憶した相
関係数r及び切片bと比較し、常に相関係数rが最も大
きいもの、及び切片bが最もゼロに近いものを残すよう
にしてもよい。
【0031】次いで、選択した相関係数r及び切片bの
少くとも一方の情報から実際のノイズ成分量Pm(d)
を求めると共に、線形回帰法により算出された対応の傾
きaを決定し、決定された傾きaを初期波長dでの絶対
的な吸光係数αとする。
【0032】初期波長dでの実際のノイズ成分量Pm
(d)を求めた後には、初期波長dに所定の波長幅Δd
を加えて他の所定波長dと設定し、且つ他の所定波長d
が所定の範囲内であることを確認し、図1に示す如く、
処理手順を単一物質用波長設定段階に戻すことにより、
以下、迷光ノイズを仮ノイズ成分量(仮迷光)nPm
(d)に仮設定する等の同様な処理を行い、相関係数r
及び切片bを選択し、他の所定波長dにおける実際のノ
イズ成分量Pm(d)を求めると共に、線形回帰法によ
り算出された対応の傾きaを決定し、決定された傾きa
を他の所定波長dでの絶対的な吸光係数αとする。
【0033】このように、所定波長dに徐々に所定の波
長幅Δdを加えて同様な処理を行うことにより各波長に
おける実際のノイズ成分量Pm(d)と絶対的な吸光係
数αを集積し、増加する所定波長dが所定の範囲を超え
た時点で処理を停止し、各波長における絶対的な吸収係
数スペクトルを求める。
【0034】各波長における実際のノイズ成分量Pm
(d)を決定した後には、図2に示す如く、混合物質
(混合ガス)の濃度ゼロの場合、及び各成分の組成比
(濃度比)を変化させた場合の複数の受光スペクトル
(受光強度、受光面積)を測定する。ここで、測定する
混合物質(混合ガス)は単一物質(単一ガス)を含んで
いてもよいし、含んでなくてもよい。
【0035】次に各受光スペクトルP(d)を処理する
波長を選択するよう混合物質用波長処理段階として初期
波長dを設定し、初期波長dが所定範囲内であることを
確認する。続いて、先に求めた各波長における実際のノ
イズ成分量Pm(d)より初期波長dの場合のノイズ成
分量Pm(d)を選択して準備し、下記の[数14]に
対して初期波長dおけるノイズ成分量Pm(d)の値、
初期波長dにおける各組成比の受光スペクトルP(d)
の測定値、初期波長dにおける濃度ゼロでのゼロスペク
トル(受光スペクトル)Pz(d)の測定値を夫々代入
し、各組成比(濃度)での混合物質の吸光度As(d)
を算出する。
【数14】As(d)=log((Pz(d)−Pm
(d))/(P(d)−Pm(d))) As(d):混合物質の修正した吸光度 Pz(d):混合物質のゼロスペクトル(物質の濃度ゼ
ロの場合の受光スペクトル) P(d):測定した混合物質の受光スペクトル(計測ス
ペクトル) Pm(d):単一物質より算出した実際の迷光ノイズの
受光スペクトル(実際のノイズ成分量)
【0036】ここで、単一物質及び混合物質の測定は、
同じ測定装置を用いることにより、単一物質に含まれる
各波長のノイズ成分量と、混合物質に含まれる各波長の
ノイズ成分量とが略同じである。又、単一物質の吸収ス
ペクトルの測定と混合物質の吸収スペクトルの測定との
測定間隔はノイズ成分量が変化しない時間である。
【0037】初期波長dでの吸光度As(d)算出した
後には、初期波長dに所定の波長幅Δdを加えて他の所
定波長dと設定し、図2に示す如く、処理手順を混合物
質用波長設定段階に戻し、以下、同様な処理を行ない、
各組成比での他の所定波長dでの吸光度As(d)を求
める。
【0038】このように、所定波長dに徐々に所定の波
長幅Δdを加えて同様な処理を行うことにより各波長に
おける各組成比の吸光度As(d)を集積し、増加する
所定波長dが所定の範囲を超えた時点で処理を停止し、
吸光度As(d)及び各組成比等のデータを用いて多変
量解析を行う。
【0039】ここで、多変量解析について説明すると、
多変量解析は、重回帰分析、主成分回帰分析、PLS、
CLS、ニューラルネット等があり、下記にはPLS
(Partial Least Squares )モデルの計算理論を用いた
場合の例を説明する。
【0040】(PLSモデルの計算理論)Xを説明変
数、yを目的変数とする。
【0041】
【数15】
【0042】吸光度スペクトル波形解析による濃度推定
モデルの場合、数[15]における、x(n,d)は、
波長d、計測番号nのときの吸光度であり、y(n)
は、計測番号nのとき濃度である。Nは計測数(サンプ
ル数)、Dは波長の分割数(説明変数の数)である。
【0043】PLS法では、説明変数Xと目的変数yを
[数16]、[数17]の二つの基本式で求める。
【0044】
【数16】X=TPT+E T:潜在変数 P:ローディング E:説明変数Xの残差 上添え字のT:転置行列
【0045】
【数17】y=Tq+f q:係数 f:目的変数yの残差
【0046】又、潜在変数T、ローディングP及び係数
qは[数18]、[数19]、[数20]のように示さ
れる。
【0047】
【数18】 t(n,a):a成分目の計測番号nの潜在変数 A:成分数(1〜Nの範囲内を選択可能) ta :潜在変数Tのa成分目の潜在変数ベクトル
【0048】
【数19】 p(a,d):a成分目の波長dのローディング A:成分数(1〜Nの範囲内を選択可能) pa :ローディングPのa成分目のローディングベクト
【0049】
【数20】q=(q(1),q(2),q(3),q
(a),…q(A)) qa=q(a) q(a):a成分目の係数
【0050】ここで、モデルの特徴を表すのは、上位6
番目くらい間での成分であり、それ以上は、予測誤差を
低下させる。最適な成分数Aの決定は、クロスバリエー
ションを行うことで決定する。
【0051】次に、PLS法では、説明変数Xの情報を
目的変数yのモデリングに直接用いるのではなく、説明
変数Xの情報の一部を潜在定数tに変換して潜在定数t
を用いて目的変数yをモデリングする。
【0052】(潜在定数t)ta は、説明変数Xの線形
結合であるとすれば、[数21]で表される。
【0053】
【数21】ta=Xwaa は重みベクトルであり、[数22]のように表され
る。
【0054】
【数22】 w(d,a):a成分目の波長dの重み係数
【0055】(第1成分の計算)続いて、成分が一つの
場合(a=1)を計算して説明すると、成分aが一つの
場合、[数16],[数17]は[数23]、[数2
4]の式で表される。
【0056】
【数23】X=t11 T+E
【0057】
【数24】y=t11+f [数21]より潜在定数tを[数25]に変形する。
【0058】
【数25】 wのノルムを1になるように設定すると[数26]にな
る。
【0059】
【数26】
【0060】更に、PLSのモデルは、目的変数yと潜
在定数tとの相関を大きくすると同時にtの分散を大き
くすることであり、これを満たす条件は、[数27]の
目的変数yと潜在定数tの共分散Sが最大になるポイン
トである。
【0061】
【数27】S=yT
【0062】ここで、wのノルムを1とする制約条件で
Sが最大になる条件をLagrangeの未定乗数法を用いて
[数28]のように求める。
【0063】
【数28】
【0064】関数Gは、変数wの関数なので、Gをw
(d,1)について偏微分して、[数29]、[数3
0]の関係を得る。
【0065】
【数29】
【0066】
【数30】 この[数30]の両辺にw(d,1)を掛けると[数3
1]になる。
【0067】
【数31】 さらにdについて総和を取ると[数32]となる。
【0068】
【数32】
【0069】ここで、‖w1 ‖=0の制約条件より[数
33]となる。
【0070】
【数33】
【0071】[数29]の左辺は、数27のS=yT
の定義であるので、2μはyT tの値となる。従って、
S=yT tが最大になる最大のwの値は[数34]で与
えられる。
【0072】
【数34】 1 のノルムは1なので、wは[数35]となる。
【0073】
【数35】 ここで潜在変数tは[数36]によって求まる。
【0074】
【数36】t1=Xw1
【0075】[数23]のローディングベクトルp
1 は、説明変数Xの残差Eの要素の二乗和が最小になる
ように[数37]で求める。
【0076】
【数37】
【0077】[数24]の係数qa は、目的変数yの残
差ベクトルfの要素の二乗和が最小になるように条件か
ら[数38]で求める。
【0078】
【数38】
【0079】(第2成分以降の計算)第2成分のモデル
式は[数39]、[数40]で表される。
【0080】
【数39】X=t11 T+t22 T+E
【0081】
【数40】y=t11+t22+f
【0082】ここで、成分数1のモデリングで、Xのう
ち[数39]のt1 1 T が使われ、yのうちt1 1
が説明に使われたので、残っている情報を[数41]、
[数42]と置き換えることができる。
【0083】
【数41】Xnew=X−t11 T
【0084】
【数42】ynew=y−t11
【0085】Xnew とynew を用いると、[数39]、
[数40]は、[数43]、[数44]となる。
【0086】
【数43】Xnew=t22 T+E
【0087】
【数44】ynew=t22+f
【0088】これは、成分番号が一つ増えた以外は、
[数23]、[数24]と同じ式である。
【0089】従って、第1成分と同様にt2 、p2 、q
2 を求めることができる。
【0090】このループを繰り返すことで、第3成分以
降の算出ができる。
【0091】(回帰ベクトルの算出)必要な成分数A回
繰り返し計算をしたモデル式は[数45]、[数46]
のように書ける。
【0092】
【数45】 X=TPT=t11 T+…+taa T+…+tAA T
【0093】
【数46】y=Tq=t11+…+taa+…+taa
【0094】[数46]の潜在変数tに[数21]のt
1 =Xw1 を代入すると、推定するモデル式は、[数4
7]となる。
【0095】
【数47】 y=Xw11+(X−t11 T)w22+…変形する
と、
【数48】 y=Xw11+Xw22−t11 T22+…
【0096】この[数48]に[数21]のt1 =Xw
1 を代入してXでまとめると、[数49]となる。
【0097】
【数49】y=X(w11+w22−w11 T22
【0098】ここで、[数50]のように、ある説明す
るベクトル
【外1】 に対して、目的変数
【外2】 を推定するモデル式に変換する。
【0099】
【数50】
【0100】[数50]で、bは回帰ベクトル呼ばれる
もので、[数51]で示される。
【0101】
【数51】
【0102】回帰ベクトルbは、[数49]から[数5
2]のように求められる。
【0103】
【数52】b=W(PTW)-1
【0104】以上のPLS法のアルゴリズムをまとめ
て、図3に示す。
【0105】初めにPLS法による計算の開始から、成
分をa=1に設定して第1成分を求め、次に数35で説
明した第1成分の重みベクトルwa を演算し、wa をも
とに数35の潜在変数tを演算し、数37のローディン
グベクトルPa を演算し、数38の係数qa を演算し、
求めたローディングベクトルPa と係数qa から数4
1,42で説明した第2成分のモデルを設定し、成分a
をa=a+1とインクリメントし、step1で、次の
成分の演算が必要かどうかを判断し、必要であれば(y
es)、すなわち第2成分の重みベクトルwa の演算に
戻して、同様な演算を繰り返した後、次の成分の設定を
行うと共にインクリメントし、step1で、成分の演
算を必要数行い必要でないとき(no)、[数52]で
説明した回帰ベクトルbを演算して終了する。
【0106】多変量解析を終了すると、混合物質中に含
まれる所定物質の吸光度、組成比(濃度)等のデータを
算出し、所定物質における各波長での複数の検量線を作
成することができる。
【0107】以下、検量線を作成する過程における種々
の処理を実際に示し、仮ノイズ成分量nPm(d)、相
関係数R、切片b等を求めた例では、所定波長dを2
10nmとすることにより、仮ノイズ成分量nPm
(d)をnPmと、ノイズ成分量Pm(d)をPmと、
ゼロスペクトルPz(d)をPzと、受光スペクトル
(計測スペクトル)P(d)をPとして夫々示す。
【0108】(実施例1)SOにおいて迷光の仮ノイ
ズ成分量nPmを変えた場合を検量線により説明する
と、図4に示す如く、仮ノイズ成分量nPmを変化させ
た場合には、検量線の傾きが立ち上がり、ある値の仮ノ
イズ成分量nPmで検量線が略直線になることが明らか
である。又、この時の仮ノイズ成分量nPmを変化させ
た時の仮ノイズ成分量nPmと相関係数の二乗のR
の関係を示すと、図5、図6に示す如く、仮ノイズ成分
量nPmは所定位置(1560付近)に極大がある。こ
こで、図6は図5の極大値近傍の拡大図である。更に、
この時の仮ノイズ成分量nPmを変化させた時の切片b
の関係を示すと、図7に示す如く、bは所定位置でb=
0となる。従って、相関係数Rが極大値、bがゼロの
位置の場合に、仮ノイズ成分量nPmは実際のノイズ成
分量Pm(実際の迷光)になり、実際のノイズ成分量P
mを1560〜1570と推測し、且つ吸光係数αに相
当する傾きaを210nmで0.0149とする。更に
又、測定した受光スペクトルPにどの程度ノイズ成分量
Pmが含まれているかを示すと、図8に示す如く、各波
長においてゼロスペクトルPz及び受光スペクトルPの
下に所定量のノイズ成分量Pmが存在することが明らか
である。
【0109】(実施例2)同一の装置において意図的に
光学系の調整を行なって実際の迷光のノイズ成分量Pm
を変えた例を用いて説明すると、図9に示す如く、ノイ
ズ成分量Pmを含む検量線は、迷光のノイズ成分量Pm
の大きさに伴って湾曲が大きくなり、且つ傾きが変化し
ている。又、図9の検量線より各ノイズ成分量Pmを取
り除くと、図10の迷光大(ノイズ成分大)、図11の
迷光中(ノイズ成分中)、図12の迷光小(ノイズ成分
小)に示す如く、検量線は、迷光の大きさ(ノイズ成分
量の大きさ)にかかわらず、略直線になり、傾きも略一
定になることが明らかである。
【0110】(実施例3)SOを含んだ混合物質(混
合ガス)において所定波長dに所定の波長幅Δdを加え
ることにより実際に200nmから350nmまで処理
し、SOについて多変量解析すると、混合物質中のS
の吸光度等のデータを算出し得る。ここで[表2]
は、複数ある各組成比のうち3つ(濃度20ppm、6
0ppm、100ppm)を示し、夫々の組成比には各
波長のうち3つ(200.52nm、200.77n
m、201.02nm)を示す。
【表2】
【0111】この結果として、図13には、各波長にお
けるゼロスペクトルPz、ノイズ成分量Pm、受光スペ
クトル(計測スペクトル)Pを、図14には、各波長に
おける絶対的な吸光係数スペクトルを示す。又、多変量
解析により作成される所定物質の検量線は各波長ごとに
存在し、図15に示す補正前の吸光度スペクトルを、図
16に示す補正後の吸光度スペクトルに修正する。
【0112】このように、単一物質より算出した各波長
のノイズ成分量を用いることにより混合物質からノイズ
成分量を除いて各組成比での吸光度を算出し、且つ各デ
ータを用いて多変量解析するので、混合物質中に含まれ
る所定物質の吸光度等のデータを算出し、所定物質にお
ける各波長での複数の検量線を作成することができる。
又、受光スペクトルからノイズ成分量を取り除くので、
高濃度で飽和した検量線を修正し、高精度な直線で且つ
再現性の高い検量線を作成することができる。
【0113】仮ノイズ成分量を介して線形回帰法から算
出された複数の相関係数もしくは複数の切片により最適
なものを選択して単一物質における所定波長のノイズ成
分量を求め、且つ所定波長を変えて同様に処理すること
により他の所定波長のノイズ成分量を求めて各波長のノ
イズ成分量を集積するので、単一物質における各波長の
ノイズ成分量を適確に求めることができる。
【0114】なお、本発明の吸収スペクトルの検量線作
成方法は上述した実施例のみに限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更
を加え得ることは勿論である。
【0115】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の吸収スペ
クトルの検量線作成方法によれば、下記の如き、種々の
優れた効果を奏し得る。
【0116】I)請求項1によれば、単一物質より算出
した各波長のノイズ成分量を用いることにより混合物質
からノイズ成分量を除いて各組成比での吸光度を算出
し、且つ各データを用いて多変量解析するので、混合物
質中の所定物質の吸光度等のデータを算出し、所定物質
における各波長での複数の検量線を作成することができ
る。又、受光スペクトルからノイズ成分量を取り除くの
で、高濃度で飽和した検量線を修正し、高精度な直線で
且つ再現性の高い検量線を作成することができる。
【0117】II)請求項2又は3によれば、仮ノイズ
成分量を介して線形回帰法から算出された複数の相関係
数もしくは複数の切片により最適なものを選択して単一
物質における所定波長のノイズ成分量を求め、且つ所定
波長を変えて同様に処理することにより他の所定波長の
ノイズ成分量を求めて各波長のノイズ成分量を集積する
ので、単一物質における各波長のノイズ成分量を適確に
求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収スペクトルの検量線作成方法を実
施する形態例を示すフローである。
【図2】図1より連続するフローである。
【図3】多変量解析(PLS法)によるアルゴリズムを
示す図である。
【図4】SOにおいて迷光の仮ノイズ成分量を変えた
時の検量線を示す図である。
【図5】図4において仮ノイズ成分量を変化させた時の
仮ノイズ成分量と相関係数の二乗値との関係を示す図で
ある。
【図6】図5の極大値近傍を示す拡大図である。
【図7】図4において仮ノイズ成分量を変化させた時の
切片の関係を示す図である。
【図8】測定した受光スペクトルにどの程度ノイズ成分
量が含まれているかを示す図である。
【図9】同一の装置において意図的に光学系の調整を行
なって実際の迷光のノイズ成分量を変えた場合の検量線
の例を示す図である。
【図10】図9の迷光大(ノイズ成分大)の検量線にお
いて各ノイズ成分量を取り除いた時の検量線を示す図で
ある。
【図11】図9の迷光中(ノイズ成分中)の検量線にお
いて各ノイズ成分量を取り除いた時の検量線を示す図で
ある。
【図12】図9の迷光小(ノイズ成分小)の検量線にお
いて各ノイズ成分量を取り除いた時の検量線を示す図で
ある。
【図13】各波長におけるゼロスペクトル、ノイズ成分
量、受光スペクトル(計測スペクトル)を示す図であ
る。
【図14】各波長における絶対的な吸光係数スペクトル
を示す図である。
【図15】各波長における補正前の吸光度スペクトルを
示す図である。
【図16】各波長における補正後の吸光度スペクトルを
示す図である。
【図17】従来の波長210nmのSOの検量線を示
す図である。
【図18】非分散分光分析の場合における迷光を示す概
略図である。
【図19】分光器使用の分光分析の場合における迷光を
示す概略図である。
【符号の説明】
As(d) 吸光度 P(d) 受光スペクトル(測定スペクトル) Pm(d) 実際のノイズ成分量 nPm(d) 仮ノイズ成分量 Pz(d) ゼロスペクトル R 相関係数 r 相関係数 a 傾き b 切片 d 所定波長(初期波長) n 濃度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 健 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 八木 武人 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東京エンジニアリング センター内 (72)発明者 小原 正孝 東京都千代田区大手町二丁目2番1号 石 川島播磨重工業株式会社本社内 Fターム(参考) 2G059 AA01 BB01 CC06 EE01 EE12 HH03 JJ05 KK01 MM01 MM04 MM12 MM15 NN01 NN06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一物質の吸収スペクトルより各波長の
    ノイズ成分量を算出し、単一物質を測定した同じ測定装
    置によって混合物質の濃度ゼロの受光スペクトル及び組
    成比を変えた複数の受光スペクトルを採取し、混合物質
    用波長設定段階として各受光スペクトルの処理波長を所
    定波長に設定し、各波長のノイズ成分量から選択した所
    定波長のノイズ成分量を濃度ゼロの受光スペクトル及び
    各組成比の受光スペクトルから夫々引くことにより各組
    成比での所定波長の吸光度を算出し、前記所定波長を他
    の所定波長に変えて処理手順を前記混合物質用波長設定
    段階に戻すことにより同様の処理を繰り返して各組成比
    での他の所定波長の吸光度を夫々算出し、各波長での吸
    光度及び各組成比のデータを用いて多変量解析すること
    により混合物質中の所定物質の検量線を作成することを
    特徴とする吸収スペクトルの検量線作成方法。
  2. 【請求項2】 単一物質の濃度ゼロから各所定濃度まで
    の各受光スペクトルを採取し、単一物質用波長設定段階
    として各受光スペクトルの処理波長を所定波長に設定
    し、ノイズ成分量設定段階として前記ノイズ成分を濃度
    ゼロの受光スペクトル又は所定濃度の受光スペクトルよ
    り小さい任意の仮ノイズ成分量に仮設定し、前記仮ノイ
    ズ成分量を濃度ゼロの受光スペクトル及び所定濃度の受
    光スペクトルから夫々引いて各所定濃度の吸光度を算出
    し、各所定濃度と吸光度の関係が直線に従うとして 【数1】Y=aX+b a:傾き b:切片 よりXに濃度、Yに吸光度を代入して線形回帰法により
    相関係数を求め、続いて仮ノイズ成分量を他の仮ノイズ
    成分量に変えて処理手順を前記ノイズ成分量設定段階に
    戻すことにより同様の処理を繰り返して他の相関係数を
    求め、各仮ノイズ成分量における複数の相関係数から最
    も大きいものを選択することにより、選択された相関係
    数に対応する所定波長のノイズ成分量を決定し、更に前
    記所定波長を他の所定波長に変えて処理手順を前記単一
    物質用波長設定段階に戻すことにより同様の処理を繰り
    返して他の所定波長のノイズ成分量を夫々決定し、各波
    長のノイズ成分量を集積することにより、単一物質の吸
    収スペクトル中に含まれる各波長のノイズ成分量を求め
    る請求項1記載の吸収スペクトルの検量線作成方法。
  3. 【請求項3】 単一物質の濃度ゼロから各所定濃度まで
    の各受光スペクトルを採取し、単一物質用波長設定段階
    として各受光スペクトルの処理波長を所定波長に設定
    し、ノイズ成分量設定段階として前記ノイズ成分を濃度
    ゼロの受光スペクトル又は所定濃度の受光スペクトルよ
    り小さい任意の仮ノイズ成分量に仮設定し、前記仮ノイ
    ズ成分量を濃度ゼロの受光スペクトル及び所定濃度の受
    光スペクトルから夫々引いて各所定濃度の吸光度を算出
    し、各所定濃度と吸光度の関係が直線に従うとして 【数2】Y=aX+b a:傾き b:切片 よりXに濃度、Yに吸光度を代入して線形回帰法により
    切片を求め、続いて仮ノイズ成分量を他の仮ノイズ成分
    量に変えて処理手順を前記ノイズ成分量設定段階に戻す
    ことにより同様の処理を繰り返して他の切片を求め、各
    仮ノイズ成分量における複数の切片から最もゼロに近い
    ものを選択することにより、選択された切片に対応する
    所定波長のノイズ成分量を決定し、更に前記所定波長を
    他の所定波長に変えて処理手順を前記単一物質用波長設
    定段階に戻すことにより同様の処理を繰り返して他の所
    定波長のノイズ成分量を夫々決定し、各波長のノイズ成
    分量を集積することにより、単一物質の吸収スペクトル
    中に含まれる各波長のノイズ成分量を求める請求項1記
    載の吸収スペクトルの検量線作成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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