JP2003020567A - 脂肪族ポリエステル繊維 - Google Patents
脂肪族ポリエステル繊維Info
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- Chemical Treatment Of Fibers During Manufacturing Processes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】工程での平滑性、耐摩耗性、集束性、制電性を
有し、巻取工程、延伸工程でのボビンやチーズからの解
舒性、仮撚加工性、製編織性等に優れた脂肪族ポリエス
テル繊維の提供。 【解決手段】平滑剤成分55〜75重量%、及び乳化剤
成分20〜40重量%を配合した油剤を0.2〜3.0
重量%付着した繊維であって、該繊維は融点が130℃
以上の脂肪族ポリエステルからなり、かつ繊維−金属動
摩擦係数が0.3〜0.45であることを特徴とする脂
肪族ポリエステル繊維。
有し、巻取工程、延伸工程でのボビンやチーズからの解
舒性、仮撚加工性、製編織性等に優れた脂肪族ポリエス
テル繊維の提供。 【解決手段】平滑剤成分55〜75重量%、及び乳化剤
成分20〜40重量%を配合した油剤を0.2〜3.0
重量%付着した繊維であって、該繊維は融点が130℃
以上の脂肪族ポリエステルからなり、かつ繊維−金属動
摩擦係数が0.3〜0.45であることを特徴とする脂
肪族ポリエステル繊維。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は脂肪族ポリエステル
繊維の提供に関するものである。さらに詳しくは工程で
の平滑性、耐摩耗性、集束性、制電性を有し、巻取工
程、延伸工程でのボビンやチーズからの解舒性、仮撚加
工性、製編織性等に優れた脂肪族ポリエステル繊維の提
供に関する。
繊維の提供に関するものである。さらに詳しくは工程で
の平滑性、耐摩耗性、集束性、制電性を有し、巻取工
程、延伸工程でのボビンやチーズからの解舒性、仮撚加
工性、製編織性等に優れた脂肪族ポリエステル繊維の提
供に関する。
【0002】
【従来の技術】生分解性を有するポリ乳酸繊維は、使用
後に微生物が多数存在する環境下や海水、淡水の存在す
る環境下に放置すると完全に分解消失する性質をもつ画
期的なポリマーである。
後に微生物が多数存在する環境下や海水、淡水の存在す
る環境下に放置すると完全に分解消失する性質をもつ画
期的なポリマーである。
【0003】しかしながら、脂肪族ポリエステルは一般
に融点が低いためプレートやガイド類との摩擦等による
毛羽・糸切れが起こりやすく工程通過性や製品品位が低
下するといった問題がある。
に融点が低いためプレートやガイド類との摩擦等による
毛羽・糸切れが起こりやすく工程通過性や製品品位が低
下するといった問題がある。
【0004】一方、ポリエステルを紡糸、仮撚加工する
時には、繊維表面に仕上げ剤としての油剤を塗布する事
が必要であり、例えばWO99/39041ではポリプロピレンテ
レフタレート繊維に関する油剤について提案されてい
る。
時には、繊維表面に仕上げ剤としての油剤を塗布する事
が必要であり、例えばWO99/39041ではポリプロピレンテ
レフタレート繊維に関する油剤について提案されてい
る。
【0005】しかし、この提案により得られた油剤を用
いて脂肪族ポリエステルを紡糸しても、摩擦抵抗を十分
に低下させる事ができないため、依然として、紡糸、加
工に伴う摩擦、摩耗による工程通過性、製品品位の低下
を抑制することができず、未だに脂肪族ポリエステル繊
維に対する油剤は提案がされてないのが現状である。
いて脂肪族ポリエステルを紡糸しても、摩擦抵抗を十分
に低下させる事ができないため、依然として、紡糸、加
工に伴う摩擦、摩耗による工程通過性、製品品位の低下
を抑制することができず、未だに脂肪族ポリエステル繊
維に対する油剤は提案がされてないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、従来
得られなかった工程での平滑性、耐摩耗性、集束性、制
電性を有し、巻取工程、延伸工程でのボビンやチーズか
らの解舒性、仮撚加工性、製編織性等に優れた脂肪族ポ
リエステル繊維を提供することにある。
得られなかった工程での平滑性、耐摩耗性、集束性、制
電性を有し、巻取工程、延伸工程でのボビンやチーズか
らの解舒性、仮撚加工性、製編織性等に優れた脂肪族ポ
リエステル繊維を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、平滑剤
成分55〜75重量%、及び乳化剤成分20〜40重量
%を配合した油剤を0.2〜3.0重量%付着した繊維
であって、該繊維は融点が130℃以上の脂肪族ポリエ
ステルからなり、かつ繊維−金属動摩擦係数が0.3〜
0.45であることを特徴とする脂肪族ポリエステル繊
維によって達成することができる。
成分55〜75重量%、及び乳化剤成分20〜40重量
%を配合した油剤を0.2〜3.0重量%付着した繊維
であって、該繊維は融点が130℃以上の脂肪族ポリエ
ステルからなり、かつ繊維−金属動摩擦係数が0.3〜
0.45であることを特徴とする脂肪族ポリエステル繊
維によって達成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる脂肪族ポリエ
ステルは、融点が130℃以上であることが必要であ
る。融点が130℃よりも低い場合には、単糸間の融着
の発生による延伸性不良や、染色加工時、熱セット時及
び摩擦加熱時に溶融欠点が生じるなど、製品の品位が著
しく低いものとなる。脂肪族ポリエステルの融点は好ま
しくは150℃以上であり、さらに好ましくは160℃
以上である。ここで、融点とは、DSC測定によって得ら
れた溶融ピークのピーク温度を意味する。具体的な脂肪
族ポリエステルとしては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリ
コール酸、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ
−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシブ
チレートバリレート、及びこれらのブレンド物、及び変
性物を用いることができるが中でもポリ乳酸が好まし
い。
ステルは、融点が130℃以上であることが必要であ
る。融点が130℃よりも低い場合には、単糸間の融着
の発生による延伸性不良や、染色加工時、熱セット時及
び摩擦加熱時に溶融欠点が生じるなど、製品の品位が著
しく低いものとなる。脂肪族ポリエステルの融点は好ま
しくは150℃以上であり、さらに好ましくは160℃
以上である。ここで、融点とは、DSC測定によって得ら
れた溶融ピークのピーク温度を意味する。具体的な脂肪
族ポリエステルとしては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリ
コール酸、ポリ−3−ヒドロキシプロピオネート、ポリ
−3−ヒドロキシブチレート、ポリ−3−ヒドロキシブ
チレートバリレート、及びこれらのブレンド物、及び変
性物を用いることができるが中でもポリ乳酸が好まし
い。
【0009】また、脂肪族ポリエステルには必要に応じ
て、各種の添加剤、例えば、艶消し剤、熱安定剤、消泡
剤、難撚剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収
剤、結晶核剤、蛍光増白剤などを共重合または混合して
も良い。
て、各種の添加剤、例えば、艶消し剤、熱安定剤、消泡
剤、難撚剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収
剤、結晶核剤、蛍光増白剤などを共重合または混合して
も良い。
【0010】また、本発明は、以下に述べる成分を特定
の割合で組み合わせた油剤を付着させることが必要であ
る。油剤としては、繊維に適度な平滑性を付与し、製
糸、高次工程通過性を向上させる平滑剤、油剤を水に乳
化させ、低粘度化して糸条への付着、浸透性を向上させ
る乳化剤が含まれていることが必要である。その際、平
滑剤は55〜75重量%の含有量に調整して使用するこ
とが必要である。平滑剤の含有量が55重量%を下回る
時、繊維−金属動摩擦係数が高くなり、繊維がロールや
プレート上を通過する際に毛羽が発生する。一方、平滑
剤の含有量が75重量%を上回ると、繊維−金属動摩擦
係数が低下し過ぎて、ロール上での滑りが見られ、物性
の安定性が低下し、製品品位の低下を招く。
の割合で組み合わせた油剤を付着させることが必要であ
る。油剤としては、繊維に適度な平滑性を付与し、製
糸、高次工程通過性を向上させる平滑剤、油剤を水に乳
化させ、低粘度化して糸条への付着、浸透性を向上させ
る乳化剤が含まれていることが必要である。その際、平
滑剤は55〜75重量%の含有量に調整して使用するこ
とが必要である。平滑剤の含有量が55重量%を下回る
時、繊維−金属動摩擦係数が高くなり、繊維がロールや
プレート上を通過する際に毛羽が発生する。一方、平滑
剤の含有量が75重量%を上回ると、繊維−金属動摩擦
係数が低下し過ぎて、ロール上での滑りが見られ、物性
の安定性が低下し、製品品位の低下を招く。
【0011】一方、乳化剤については、20〜40重量
%の含有量に調整して使用することが必要である。乳化
剤の含有量が20重量%を下回ると、油剤成分が水に均
一に乳化しないため、糸条への付着ムラが起こり、物性
に安定性が損なわれるとともに、繊維−金属動摩擦係数
を下げることができず、毛羽や静電気の原因となる。一
方、乳化剤の含有量が40重量%を上回ると、水付与時
の粘度が上昇し、平滑性が損なわれるために、繊維−金
属動摩擦係数が高くなり、毛羽や静電気の原因となる。
%の含有量に調整して使用することが必要である。乳化
剤の含有量が20重量%を下回ると、油剤成分が水に均
一に乳化しないため、糸条への付着ムラが起こり、物性
に安定性が損なわれるとともに、繊維−金属動摩擦係数
を下げることができず、毛羽や静電気の原因となる。一
方、乳化剤の含有量が40重量%を上回ると、水付与時
の粘度が上昇し、平滑性が損なわれるために、繊維−金
属動摩擦係数が高くなり、毛羽や静電気の原因となる。
【0012】本発明における油剤の構成成分としての平
滑剤は次に示すものを指す。メチルオレート、i-プロピ
ルミリステート、オクチルパルミテート、オレイルラウ
レート、オレイルオレート等の一価のアルコールと一塩
基性脂肪族カルボン酸のエステル、ジオクチルセバケー
ト、ジオレイルアジペート等の一価アルコールと多塩基
性脂肪族カルボン酸エステル、硬化ヒマシ油EO付加物、
二塩基酸のポリエステル、シリコン化合物、ジオクチル
フタレート、トリオレイルトリメリテート等の一価アル
コールと芳香族カルボン酸のエステル、エチレングリコ
ールジオレート、トリメチロールプロパントリカピリレ
ート、グリセリントリオレート等の多価アルコールと一
塩基性脂肪族カルボン酸のエステル、またはこれらのエ
ステル誘導体としてのラウリルオクタノエート等のアル
キレンオキサイド付加エステなど単独、あるいは混合使
用を挙げる事ができる。
滑剤は次に示すものを指す。メチルオレート、i-プロピ
ルミリステート、オクチルパルミテート、オレイルラウ
レート、オレイルオレート等の一価のアルコールと一塩
基性脂肪族カルボン酸のエステル、ジオクチルセバケー
ト、ジオレイルアジペート等の一価アルコールと多塩基
性脂肪族カルボン酸エステル、硬化ヒマシ油EO付加物、
二塩基酸のポリエステル、シリコン化合物、ジオクチル
フタレート、トリオレイルトリメリテート等の一価アル
コールと芳香族カルボン酸のエステル、エチレングリコ
ールジオレート、トリメチロールプロパントリカピリレ
ート、グリセリントリオレート等の多価アルコールと一
塩基性脂肪族カルボン酸のエステル、またはこれらのエ
ステル誘導体としてのラウリルオクタノエート等のアル
キレンオキサイド付加エステなど単独、あるいは混合使
用を挙げる事ができる。
【0013】また、本発明に用いる乳化剤としては、以
下のものが使用できる。活性水素を1以上有する化合物
のアルキレンオキサイド付加物、すなわちラウリルアル
コール、i-ステアリルアルコール、オレイルアルコー
ル、オクチルアルコール、ノニルフェノール等の一価ヒ
ドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物、グリセ
リンのモノオレイン酸エステル、トリメチロールプロパ
ンのジステアリン酸エステル等の多価アルコール部分エ
ステル及びこれらのアルキレンオキサイド付加物、ヒマ
シ油のアルキレンオキサイド付加物、ラウリルアミン、
ステアリルアミン等のアルキルアミン類のアルキレンオ
キサイド付加物、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸等の高級脂肪族のアルキレンオキサイド付加物など
が挙げられるが、ここで付加するアルキレンオキサイド
としてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等
が単独あるいは混合使用される。このほかにポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコールブロック共重
合体や、さらにラウリン酸トリエタノールアミン、オレ
イン酸ジエタノールアミン、ロート油等のアニオン界面
活性剤も乳化剤として使用できる。
下のものが使用できる。活性水素を1以上有する化合物
のアルキレンオキサイド付加物、すなわちラウリルアル
コール、i-ステアリルアルコール、オレイルアルコー
ル、オクチルアルコール、ノニルフェノール等の一価ヒ
ドロキシ化合物のアルキレンオキサイド付加物、グリセ
リンのモノオレイン酸エステル、トリメチロールプロパ
ンのジステアリン酸エステル等の多価アルコール部分エ
ステル及びこれらのアルキレンオキサイド付加物、ヒマ
シ油のアルキレンオキサイド付加物、ラウリルアミン、
ステアリルアミン等のアルキルアミン類のアルキレンオ
キサイド付加物、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイ
ン酸等の高級脂肪族のアルキレンオキサイド付加物など
が挙げられるが、ここで付加するアルキレンオキサイド
としてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等
が単独あるいは混合使用される。このほかにポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコールブロック共重
合体や、さらにラウリン酸トリエタノールアミン、オレ
イン酸ジエタノールアミン、ロート油等のアニオン界面
活性剤も乳化剤として使用できる。
【0014】本発明に用いる油剤には、本発明の目的を
阻害しない範囲で、本発明の必須構成成分以外の仕上げ
剤成分すなわちアルキルスルホネートのアルカリ金属
塩、アルキルイミダゾリン類等の帯電防止剤の他、イオ
ン性界面活性剤、従来公知の集束剤、防錆剤、防腐剤、
酸化防止剤など同時に使用できる。なお、必要構成成分
以外の成分の含有量は好ましくは10重量%以下であ
る。
阻害しない範囲で、本発明の必須構成成分以外の仕上げ
剤成分すなわちアルキルスルホネートのアルカリ金属
塩、アルキルイミダゾリン類等の帯電防止剤の他、イオ
ン性界面活性剤、従来公知の集束剤、防錆剤、防腐剤、
酸化防止剤など同時に使用できる。なお、必要構成成分
以外の成分の含有量は好ましくは10重量%以下であ
る。
【0015】以上のような構成成分からなる油剤は、水
に1〜60重量%、好ましくは1〜35重量%希釈して
繊維に付着させる事が出来る。その際、構成成分の繊維
上への付着量としては、0.2〜3.0重量%である事
が必要である。0.2重量%未満の付着量では、仕上げ
剤の効果が小さくなる。また、3.0重量%を越える
と、繊維の走行時の抵抗が小さくなりすぎたり、仕上げ
剤がロール、熱板、ガイド等に付着しそれらを汚す事に
なる。
に1〜60重量%、好ましくは1〜35重量%希釈して
繊維に付着させる事が出来る。その際、構成成分の繊維
上への付着量としては、0.2〜3.0重量%である事
が必要である。0.2重量%未満の付着量では、仕上げ
剤の効果が小さくなる。また、3.0重量%を越える
と、繊維の走行時の抵抗が小さくなりすぎたり、仕上げ
剤がロール、熱板、ガイド等に付着しそれらを汚す事に
なる。
【0016】以上のようにして得られた繊維は、繊維−
金属動摩擦係数が0.3〜0.45が満足され、紡糸
性、加工性の良好な繊維となる。繊維−金属動摩擦係数
は、繊維とロールやホットプレート等の金属部分とのこ
すれによる毛羽の発生しやすさを示すパラメーターであ
る。0.3より小さいとすべりすぎて、かえって紡糸・
延伸性が悪くなることや、物性にムラが生じやすくな
る。また、0.45を越えると摩擦が高くなりすぎて、
毛羽が発生しやすくなる。
金属動摩擦係数が0.3〜0.45が満足され、紡糸
性、加工性の良好な繊維となる。繊維−金属動摩擦係数
は、繊維とロールやホットプレート等の金属部分とのこ
すれによる毛羽の発生しやすさを示すパラメーターであ
る。0.3より小さいとすべりすぎて、かえって紡糸・
延伸性が悪くなることや、物性にムラが生じやすくな
る。また、0.45を越えると摩擦が高くなりすぎて、
毛羽が発生しやすくなる。
【0017】本発明の製造方法としては、、本発明の脂
肪族ポリエステル繊維を溶融紡糸時に、紡出糸が固化し
た時点であれば、いずれの時点で付与してもよく、通常
は、巻取りが行われる前までに付与する事が望ましい。
肪族ポリエステル繊維を溶融紡糸時に、紡出糸が固化し
た時点であれば、いずれの時点で付与してもよく、通常
は、巻取りが行われる前までに付与する事が望ましい。
【0018】油剤の付与が適用される紡糸方法として
は、一度未延伸糸を巻き取ってから、延伸機で延伸する
方法、紡糸と延伸を一段で行う方法、2000〜400
0m/minで半延伸糸を得る方法、5000〜10000m
/minの紡糸速度で紡糸延伸を行う高速紡糸のいずれであ
ってもよい。また、仮撚り加工、エア加工、混繊など任
意の加工が可能である。
は、一度未延伸糸を巻き取ってから、延伸機で延伸する
方法、紡糸と延伸を一段で行う方法、2000〜400
0m/minで半延伸糸を得る方法、5000〜10000m
/minの紡糸速度で紡糸延伸を行う高速紡糸のいずれであ
ってもよい。また、仮撚り加工、エア加工、混繊など任
意の加工が可能である。
【0019】本発明の脂肪族ポリエステル繊維は、マル
チフィラメントであっても、モノフィラメントであって
も良く、さらに断面形状は丸、扁平、中空、Y型、T型、
多角形など任意であるが、高強度を容易に達成しやすい
観点から、丸断面が好ましい。本発明のポリ乳酸繊維の
繊度としては特に制限はないが、マルチフィラメントで
あれば通常総繊度で5〜200dtex、モノフィラメント
であれば1〜50dtexの範囲が好ましい。
チフィラメントであっても、モノフィラメントであって
も良く、さらに断面形状は丸、扁平、中空、Y型、T型、
多角形など任意であるが、高強度を容易に達成しやすい
観点から、丸断面が好ましい。本発明のポリ乳酸繊維の
繊度としては特に制限はないが、マルチフィラメントで
あれば通常総繊度で5〜200dtex、モノフィラメント
であれば1〜50dtexの範囲が好ましい。
【0020】本発明の脂肪族ポリエステル繊維の伸度
は、耐磨耗性や品質安定性の点から、通常20〜180
%であることが好ましく、より好ましくは25〜60%
である。伸度が20%未満となると、繊維の耐摩耗性は
低いものとなり、このような繊維に対し油剤を付与して
も、実用上使用できない場合がある。また、伸度が18
0%を越えると繊維の配向が不十分となり、保管や運搬
中のわずかな温度変化や加重で糸が容易に変質してしま
う場合がある。このましくは、延伸糸として25〜60
%である。
は、耐磨耗性や品質安定性の点から、通常20〜180
%であることが好ましく、より好ましくは25〜60%
である。伸度が20%未満となると、繊維の耐摩耗性は
低いものとなり、このような繊維に対し油剤を付与して
も、実用上使用できない場合がある。また、伸度が18
0%を越えると繊維の配向が不十分となり、保管や運搬
中のわずかな温度変化や加重で糸が容易に変質してしま
う場合がある。このましくは、延伸糸として25〜60
%である。
【0021】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。なお、測定、評価法は次の通りである。
する。なお、測定、評価法は次の通りである。
【0022】A.油剤付着率
JIS-L-1013に準じて測定した。
【0023】B.繊維−金属動摩擦係数
表面が梨地の直径25mmの鉄製円筒の上に0.4g/dの張力
をかけながら繊維の摩擦体への入り方向と出方向を90
゜にして、100m/minの速度で摩擦させた時の動摩擦係数
を、次の式により求めた。
をかけながら繊維の摩擦体への入り方向と出方向を90
゜にして、100m/minの速度で摩擦させた時の動摩擦係数
を、次の式により求めた。
【0024】μ=4.4/π×ln(T2 / T1)
T2:摩擦体より出側の張力、T1:摩擦体より入側の張力
C.スカムの発生
繊維を経糸、緯糸に用いて平織物を100m製織した時にオ
サの周辺にスカムが発生したかどうかを観察した。な
お、製織は、経密度38.1本/cm、緯密度31.5本
/cmで津田駒工業(株)製織機2A-113を使用した。
サの周辺にスカムが発生したかどうかを観察した。な
お、製織は、経密度38.1本/cm、緯密度31.5本
/cmで津田駒工業(株)製織機2A-113を使用した。
【0025】○:発生せず、△:発生したが程度は少な
い、×:スカムが大量に発生。
い、×:スカムが大量に発生。
【0026】D.毛羽の発生
繊維を編針に通し、編針に入る糸道と出る糸道の角度を
60゜に維持して0.5g/dtexの張力下、2m/minで5時間
チーズ状に巻き取りチーズ端面に発生した毛羽数を数え
た。
60゜に維持して0.5g/dtexの張力下、2m/minで5時間
チーズ状に巻き取りチーズ端面に発生した毛羽数を数え
た。
【0027】○:発生せず、△:1〜3個発生、×:4
個以上発生。
個以上発生。
【0028】E.静電気の発生
繊維を経糸、緯糸に用いて平織物を製織した時に、静電
気が発生してオサを通過したときに、繊維同士が寄りつ
く事があったかどうかを観察した。
気が発生してオサを通過したときに、繊維同士が寄りつ
く事があったかどうかを観察した。
【0029】○:見られた、×:見られず。
【0030】F.巻きフォームの形状評価
3.0Kg巻きのパーンを調整した時に、巻きフォーム
に崩れが見られたかどうかを確認した。
に崩れが見られたかどうかを確認した。
【0031】○:見られず、×:見られた。
【0032】実施例1〜5
融点が172℃のポリL-乳酸のチップ(L対比率95
%、D体比率5%)を窒素雰囲気下、100℃で10時
間、乾燥機を用いて乾燥した。得られた乾燥チップを押
出機に投入し、220℃で、口金から押出した。紡出さ
れたフィラメント群に20℃の冷風を30m/minの速度
で吹き付け、冷却固化させた。固化フィラメントに表1
に記載された、水に5重量%希釈した油剤を付与して集
束した後、3000m/minで巻き取った。
%、D体比率5%)を窒素雰囲気下、100℃で10時
間、乾燥機を用いて乾燥した。得られた乾燥チップを押
出機に投入し、220℃で、口金から押出した。紡出さ
れたフィラメント群に20℃の冷風を30m/minの速度
で吹き付け、冷却固化させた。固化フィラメントに表1
に記載された、水に5重量%希釈した油剤を付与して集
束した後、3000m/minで巻き取った。
【0033】次に、得られた糸を、1HR80℃、2HR115℃
で伸度が40%となるように延伸し、56T-36fの延伸糸
を得た。本発明で規定した範囲の組成の油剤を付着した
繊維は、いずれも優れた紡糸・延伸性および工程通過性
を示すものであった。
で伸度が40%となるように延伸し、56T-36fの延伸糸
を得た。本発明で規定した範囲の組成の油剤を付着した
繊維は、いずれも優れた紡糸・延伸性および工程通過性
を示すものであった。
【0034】
【表1】
比較例1
表2に示すように平滑剤の量が本発明の範囲を下回る量
を含む油剤を用いた以外は実施例1と同様に製糸した結
果、繊維−金属動摩擦係数が高くなって、ホットロール
を通過した時に、毛羽が発生した。
を含む油剤を用いた以外は実施例1と同様に製糸した結
果、繊維−金属動摩擦係数が高くなって、ホットロール
を通過した時に、毛羽が発生した。
【0035】比較例2
表2に示すように平滑剤の量が本発明の範囲を超える量
を含む油剤を用いた以外は実施例1と同様に製糸した結
果、繊維−金属間動摩擦係数が低下し過ぎたため、ロー
ル上でのすべりが見られ、延伸性の低下や物性のムラが
見られた。
を含む油剤を用いた以外は実施例1と同様に製糸した結
果、繊維−金属間動摩擦係数が低下し過ぎたため、ロー
ル上でのすべりが見られ、延伸性の低下や物性のムラが
見られた。
【0036】比較例3
表2に示すように乳化剤の量が本発明の範囲を超える量
を含む油剤を用いた以外は実施例1と同様に製糸した結
果、水付与時の粘度が上昇し、平滑性が損なわれるため
に、繊維−金属間動摩擦係数が高くなって、毛羽や静電
気の発生が見られた。
を含む油剤を用いた以外は実施例1と同様に製糸した結
果、水付与時の粘度が上昇し、平滑性が損なわれるため
に、繊維−金属間動摩擦係数が高くなって、毛羽や静電
気の発生が見られた。
【0037】比較例4
表2に示すように乳化剤の量が本発明の範囲を下回る量
を含む油剤を用いた以外は実施例1と同様に製糸した結
果、油剤成分が水に均一に乳化しなかったため、糸条へ
の付着ムラが起こり、物性にもムラが見られた。また、
繊維−金属間動摩擦係数が高くなって、毛羽や静電気の
発生が見られた。
を含む油剤を用いた以外は実施例1と同様に製糸した結
果、油剤成分が水に均一に乳化しなかったため、糸条へ
の付着ムラが起こり、物性にもムラが見られた。また、
繊維−金属間動摩擦係数が高くなって、毛羽や静電気の
発生が見られた。
【0038】比較例5
表2に示すように実施例5に記載の油剤を用い油剤付着
率を低くして本発明の範囲からはずれた油剤を用いた以
外は実施例1と同様に製糸した結果、繊維−金属間動摩
擦係数が高くなって、毛羽や静電気の発生が見られた。
率を低くして本発明の範囲からはずれた油剤を用いた以
外は実施例1と同様に製糸した結果、繊維−金属間動摩
擦係数が高くなって、毛羽や静電気の発生が見られた。
【0039】比較例6
表2に示すように実施例5に記載の油剤を用い油剤付着
率を本発明の範囲を上回る量で付与した以外は実施例1
と同様に製糸した結果、繊維−金属間動摩擦係数が低く
なって、糸がロール上を滑り出し、延伸性が極めて低下
した。
率を本発明の範囲を上回る量で付与した以外は実施例1
と同様に製糸した結果、繊維−金属間動摩擦係数が低く
なって、糸がロール上を滑り出し、延伸性が極めて低下
した。
【0040】
【表2】
【0041】
【発明の効果】本発明の油剤により、平滑性、耐摩耗
性、集束性、制電性を有し、巻取工程、延伸工程、ボビ
ンやチーズからの解舒性、仮撚加工性、製編織性等に優
れたポリ乳酸繊維を提供する事ができる。
性、集束性、制電性を有し、巻取工程、延伸工程、ボビ
ンやチーズからの解舒性、仮撚加工性、製編織性等に優
れたポリ乳酸繊維を提供する事ができる。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 4L033 AA07 AB01 AC02 AC09 BA14
BA21 BA46 CA48
4L038 AA15 AB07 BA13 BA14 BA23
BB07 BB08 CA01 DA20
Claims (2)
- 【請求項1】平滑剤成分55〜75重量%、及び乳化剤
成分20〜40重量%を配合した油剤を0.2〜3.0
重量%付着した繊維であって、該繊維は融点が130℃
以上の脂肪族ポリエステルからなり、かつ繊維−金属動
摩擦係数が0.3〜0.45であることを特徴とする脂
肪族ポリエステル繊維。 - 【請求項2】脂肪族ポリエステルがポリ乳酸であること
を特徴とする請求項1記載の脂肪族ポリエステル繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001209481A JP2003020567A (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | 脂肪族ポリエステル繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001209481A JP2003020567A (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | 脂肪族ポリエステル繊維 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003020567A true JP2003020567A (ja) | 2003-01-24 |
Family
ID=19045128
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001209481A Pending JP2003020567A (ja) | 2001-07-10 | 2001-07-10 | 脂肪族ポリエステル繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003020567A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005200793A (ja) * | 2004-01-16 | 2005-07-28 | Teijin Techno Products Ltd | 生分解性ポリエステル繊維 |
-
2001
- 2001-07-10 JP JP2001209481A patent/JP2003020567A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005200793A (ja) * | 2004-01-16 | 2005-07-28 | Teijin Techno Products Ltd | 生分解性ポリエステル繊維 |
JP4537078B2 (ja) * | 2004-01-16 | 2010-09-01 | 帝人ファイバー株式会社 | 生分解性ポリエステル繊維 |
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