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JP2003011292A - 耐摩耗性フィルム及び積層体 - Google Patents

耐摩耗性フィルム及び積層体

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Publication number
JP2003011292A
JP2003011292A JP2001202053A JP2001202053A JP2003011292A JP 2003011292 A JP2003011292 A JP 2003011292A JP 2001202053 A JP2001202053 A JP 2001202053A JP 2001202053 A JP2001202053 A JP 2001202053A JP 2003011292 A JP2003011292 A JP 2003011292A
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JP
Japan
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silica fine
fine particles
resistant film
hard coat
coat layer
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JP2001202053A
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Hajime Kawahara
肇 河原
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Bridgestone Corp
Original Assignee
Bridgestone Corp
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Publication date
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/88Optimized components or subsystems, e.g. lighting, actively controlled glasses

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  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐擦傷性、耐摩耗性に優れた耐摩耗性フィル
ムを提供すること。 【解決手段】 有機ポリマーフィルムの片面又は両面
に、シリカ微粒子を含有する硬化性組成物の硬化被膜か
らなり、そのシリカ微粒子の硬化被膜に対する含有量が
70〜90質量%であるハードコート層が設けられてい
ることを特徴とする耐摩耗性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面にハードコー
ト層を有する耐摩耗性フィルム及びさらに透明接着剤層
を有する積層体に関する。特に、自動車、鉄道車両、ビ
ル、ショーケース等に使用される耐擦傷性、耐衝撃性、
耐貫通性等に優れたガラス、太陽電池用セルの表面側保
護部材又は裏面側保護部材等に有利に使用できる耐摩耗
性フィルム及び積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックは、種々の用途に立体的な
成形体として、或いはフィルムとして広く使用されてい
る。しかしながら、用途によっては、これらの成形物の
表面特性が不充分な場合があり、種々の表面処理等が施
されている。
【0003】例えば、プラスチック光学部品、タッチパ
ネル、液晶素子等のプラスチック成形物の表面の耐擦傷
性、滑り性、耐汚染性を改善するため、従来からシリカ
等の無機フィラー或いはポリエチレン粉末、ポリカーボ
ネートの有機フィラーを添加させる方法、シリコーン等
の添加剤を添加する方法が行われている。フィラーの添
加では、ヘイズ値の上昇、シリコーンの添加では耐擦傷
性等が不充分である。
【0004】またプラスチック成形物、特にプラスチッ
クフィルムの表面の耐擦傷性、耐汚染性を改善するた
め、その表面に紫外線硬化性樹脂のハードコート層を設
ける処理も行われている。これにより耐擦傷性等の改善
が見られる。
【0005】フィルム表面に形成されるハードコート層
の形成材料としては、硬度、耐光性及び耐摩耗性に優れ
たビニル基含有珪素化合物を含有する珪素アルコキシド
系コーティング剤(特開平6−73329号公報)、耐
擦傷性、滑り性、耐候性、耐汚染性等が改善されたアル
コキシシラン化合物とシリカ粒子との反応生成物を含む
液状硬化性樹脂組成物(特開平10−273595号公
報)、及びコロイダルシリカを50質量%以内で含む放
射線硬化型樹脂組成物(特開2000−7944号公
報)等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ハ
ードコート層付きプラスチックフィルムを自動車のサイ
ドガラスの強化材として用いた場合、高度な耐摩耗性が
要求されるため、上記耐摩耗性の向上したコロイダルシ
リカ含有ハードコートでも十分なものとはいえない。ま
た、太陽電池のセルの保護部材として、上記ハードコー
ト層付きプラスチックフィルムを使用した場合、透湿性
に対する抑制効果が十分でなく、セルに錆の発生、保護
部材のはがれ等の問題が起こる場合がある。
【0007】従って、かかる点に鑑みなされた本発明の
目的は、耐擦傷性及び耐摩耗性が優れた耐摩耗性フィル
ムを提供することをその目的とする。
【0008】また、本発明の目的は、耐擦傷性、耐摩耗
性、及び防湿性が優れた耐摩耗性フィルムを提供するこ
とをその目的とする。
【0009】特に、自動車等に使用される耐擦傷性、耐
衝撃性、耐貫通性等に優れたガラス(フィルム強化ガラ
ス)、太陽電池用セルの表面側保護部材又は裏面側保護
部材に有利に使用できる耐摩耗性フィルムを提供するこ
とをその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、有機ポリマーフィ
ルムの片面又は両面に、シリカ微粒子を含有する硬化性
組成物の硬化被膜からなり、そのシリカ微粒子の硬化被
膜に対する含有量が70〜90質量%であるハードコー
ト層が設けられていることを特徴とする耐摩耗性フィル
ムを得るに到った。
【0011】上記耐摩耗性フィルムにおいて、硬化性組
成物が放射線硬化性樹脂又は熱硬化型シリコーン組成物
であることが好ましい。前者は特に生産性の向上をもた
らし、後者は特に高硬度が要求される場合に有利であ
る。シリカ微粒子の一次粒径が1〜200nmの範囲、
特に20〜50nmの範囲(透明性が向上する)にある
ことが好ましい。またシリカ微粒子が、重合性不飽和基
を有するものであり、特にシリカ微粒子と重合性不飽和
基(及び好ましくはウレタン結合)を有するアルコキシ
シラン化合物との反応により形成されるものが好まし
い。
【0012】ハードコート層は、さらにシリコーン系又
はフッ素系化合物の撥水・撥油剤を含有し、80度以上
の水との接触角を有することが好ましい。防湿性が一層
向上し、防湿層として無機酸化物の蒸着膜を設けた場合
のように透明性が低下することがない。ハードコート層
の表面に、さらに反射防止層が形成されていることが好
ましい。防眩性が要求される用途(例えば自動車)に有
利となる。
【0013】フィルムの有機ポリマーは、ポリエチレン
テレフタレート、ポリプロピレン、ポリ(メタ)アクリ
レート又はポリエーテルスルホンであることが好まし
い。
【0014】前記目的は、有機ポリマーフィルムの片面
又は両面に、シリカ微粒子を含まないハードコート層が
設けられ、その上にシリカ微粒子を含有する硬化性組成
物の硬化被膜からなり、そのシリカ微粒子の硬化被膜に
対する含有量が70〜90質量%であるハードコート層
が設けられていることを特徴とする耐摩耗性フィルムに
よっても達成することができる。
【0015】シリカ微粒子含有ハードコート層は、シリ
カの含有量の増加と共に透明性が低下する傾向にあり、
またハードコート層の層厚の低下と共に硬度も低下する
傾向にある。上記発明は、この不利を解消したもので、
下層をシリカ微粒子を含まない層厚の比較的厚いハード
コート層、上層をシリカ微粒子を含む層厚が比較的薄い
ハードコート層としたものである。またハードコート層
の厚さを5μm程度以下にすると干渉縞が生ずるため、
これを防止するために層厚を15μm程度にした場合、
シリカ高含有層では価格が上昇するが、上記構成にする
ことによりこれを解消することができる。
【0016】シリカ微粒子を含まないハードコート層の
層厚が2〜20μm(好ましくは10〜15μm)であ
り、シリカ微粒子を含むハードコート層の層厚が2〜2
0μm(好ましくは2〜5μm)であることが一般的で
ある。シリカ微粒子を含まないハードコート層が、放射
線硬化性樹脂又は熱硬化型シリコーン組成物のみの硬化
皮膜であることが好ましい。シリカ微粒子を含有する硬
化性組成物が、放射線硬化性樹脂又は熱硬化型シリコー
ン組成物であるが好ましい。シリカ微粒子の一次粒径の
好ましい態様は、前記の通りである。シリカ微粒子の好
ましい態様も前記の通りである。シリカ微粒子含有ハー
ドコート層が、さらにシリコーン系又はフッ素系化合物
の撥水・撥油剤を含有し、80度以上の水との接触角を
有することが好ましい。シリカ微粒子含有ハードコート
層の表面に、さらに反射防止層が形成されていることが
好ましい。有機ポリマーの好ましい態様は前記の通りで
ある。
【0017】さらに、前記目的は、前記耐摩耗性フィル
ムのハードコート層が設けられていない側の表面に、透
明接着剤層が設けられた積層体によっても達成され得
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の耐摩耗性フィルムは、有
機ポリマーフィルム上に、シリカ微粒子高含有のハード
コート層が設けられた基本構成を有する。
【0019】以下、図1及び図2を参照して、本発明の
耐摩耗性フィルムについて詳述する。
【0020】図1は、本発明の耐摩耗性フィルムの基本
構造を示す。図1において、有機ポリマーフィルム11
の表面に、シリカ微粒子含有ハードコート層12が設け
られている。このハードコート層12は、フィルム11
の反対側の面にも設けられていても良い。上記ハードコ
ート層12は、シリカ微粒子を硬化被膜全量に対して7
0〜90質量%含んでいる。本発明の耐摩耗性フィルム
のハードコート層は、シリカ微粒子を高濃度で含んでい
るため、耐擦傷性、耐摩耗性が従来より格段に向上して
いる。
【0021】図2は、本発明の耐摩耗性フィルムの好適
態様の基本構造を示す。図2において、有機ポリマーフ
ィルム21の表面に、シリカ微粒子非含有ハードコート
層22b、さらにその上にシリカ微粒子含有ハードコー
ト層22aが設けられている。このハードコート層22
a、22bの二層或いはこれらのいずれかの層が、フィ
ルム21の反対側の面にも設けられていても良い。上側
のハードコート層22aは、シリカ微粒子を硬化被膜全
量に対して70〜90質量%含んでいる。
【0022】シリカ微粒子含有ハードコート層は、シリ
カの含有量の増加と共に透明性が低下する傾向にあり、
またハードコート層の層厚の低下と共に硬度も低下する
傾向にある。図2の構成にすることにより、この不利が
解消される。即ち、下層をシリカ微粒子を含まない層厚
の比較的厚いハードコート層、上層をシリカ微粒子を7
0〜90質量%で含む層厚が比較的薄いハードコート層
とする構成である。またハードコート層の厚さを5μm
程度以下にすると一般に干渉縞が生ずる。これを防止す
るために層厚を15μm程度にする必要があるが、シリ
カ高含有層では価格が高くなるため、図2の構成にする
ことによりシリカ非含有層である程度の大きい層厚を得
て、シリカ高含有層の層厚は小さくすることができるこ
とから、価格を抑えることができる。
【0023】上記の本発明の耐摩耗性フィルムは、前記
のように耐摩耗性、耐擦傷性が特に優れていることか
ら、通常の用途に使用することは勿論、特に自動車のサ
イドガラス等の耐擦傷性、耐衝撃性、耐貫通性等に優れ
たフィルム強化ガラスのフィルムに有利に使用でき、そ
して本発明の好ましい態様であるシリコーン系又はフッ
素系化合物の撥水・撥油剤を含有する防湿性に優れたハ
ードコート層とすることにより、太陽電池用セルの表面
側保護部材又は裏面側保護部材のフィルムに特に有利に
使用できる。サイドガラスに使用する場合、本発明の耐
摩耗性フィルムはエチレン酢酸ビニル共重合体、PVB
(ポリビニルブチラール)等からなる透明接着剤層を介
してガラスに接着される。また太陽電池に使用される場
合は、例えばセルの両側に本発明の耐摩耗性フィルムを
配置し、前記透明接着剤層で封止するように、セルを挟
んでラミネートする。
【0024】サイドガラスにフィルムを使用した場合、
ハードコート層が室内側に面し、窓の開閉により窓周辺
の枠と接触することとなるため、高い耐摩耗性が要求さ
れる。また太陽電池に使用する場合、表面に傷がつくと
態様からの受光量が減少し、また水分が侵入するとセル
の錆の発生の原因となる。本発明の耐摩耗性フィルムは
上記性能に優れており、これらに好適に使用することが
できる。
【0025】上記のような用途に対して、本発明の耐摩
耗性フィルムのハードコート層が設けられていない側の
表面に、透明接着剤層が設けられた本発明の積層体も有
利に利用することができる。このような積層体を用いる
ことにより、ガラス等との接着が適宜行うことができ、
柔軟な生産体制を採ることができる。
【0026】図3に、本発明の上記積層体の基本構造を
示す。図3において、有機ポリマーフィルム31の表面
に、シリカ微粒子含有ハードコート層32が設けられ、
その反対側に透明接着剤層33が設けられている。この
ハードコート層32は、前記の2層構成とすることがで
きる。
【0027】本発明の有機ポリマーフィルム11,2
1,31に使用される有機ポリマーとしては、ポリエス
テル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン
ナフタラート、ポリエチレンブチラート)、ポリカーボ
ネート、ポリ(メタ)アクリレート(アクリル樹脂)、
ポリアミド(例、ナイロン)、ポリエーテルスルホン等
を挙げることができる。ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレ
ートポリエーテルスルホンが好ましく、特にPETが好
ましい。フィルムの厚さは、一般に6〜250μmであ
る。
【0028】上記有機ポリマーフィルムの上に設けられ
る本発明のハードコート層12,22aに使用される硬
化性材料としては、放射線硬化性樹脂(一般に紫外線硬
化性樹脂)又は熱硬化性組成物の硬化被膜からなる層が
であり、特に紫外線硬化性樹脂を用いることにより極め
て容易に、耐擦傷性に優れたハードコート層をフィルム
上に設けることができる。
【0029】熱硬化性組成物としては、熱硬化型シリコ
ーン組成物(例えば有機ポリシロキサン形成するメチル
トリメトキシシラン)が好ましい。組成物の主成分は、
一般に、RSi(OR’)4−x[但し、R、R’は
有機基、好ましくはメチル基、エチル基を表し、Xは
0、1、2又は3である]で表されるシラン化合物であ
る。この組成物は、シラノール基の脱水縮合により3次
元架橋がなされ、高硬度の被膜が得られる。一般に、8
0〜220℃にて、10分〜1時間加熱することにより
硬化させることができる。紫外線硬化性樹脂を用いて熱
重合開始剤を用いて硬化性樹脂を得ることもできる。
【0030】上記紫外線硬化性樹脂は公知の紫外線硬化
性樹脂(重合性オリゴマー、多官能性モノマー、単官能
性モノマー、光重合開始剤、添加剤等を含む)を使用す
ることができる。放射線として電子線等を用いる場合も
同様に使用することができるが、電子線の場合一般に光
重合開始剤は必要としない。
【0031】このような紫外線硬化性樹脂は、例えばエ
チレン性二重結合(好ましくはアクリロイル基又はメタ
クリロイル基)を複数有するウレタンオリゴマー、ポリ
エステルオリゴマー又はエポキシオリゴマー等のオリゴ
マー、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PE
TA)、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DP
EHA)等の重合性オリゴマー及び/又は多官能性モノ
マーを主成分として構成され、好ましい。後述する変性
シリカ微粒子の製造に用いた官能性重合モノマー等も適
宜使用することができる。
【0032】樹脂は、前記のようにオリゴマー、必要に
より反応性稀釈剤(多官能性モノマー、単官能性モノマ
ー)、光重合開始剤から一般に構成される。光重合開始
剤の例としては、ベンゾイン、ベンゾフェノン、ベンゾ
イルメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベン
ゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエ
ーテル、ジベンジル、5−ニトロアセナフテン、ヘキサ
クロロシクロペンタジエン、p−ニトロジフェニル、p
−ニトロアニリン、2,4,6−トリニトロアニリン、
1,2−ベンズアントラキノン、3−メチル−1,3−
ジアザ−1,9−ベンズアンスロン;アセトフェノン、
アセトフェノンベンジルケタール、アントラキノン、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン
系化合物、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メ
チルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,
4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジアミノ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フ
ェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフ
ェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−
オン、カルバゾール、キサントン、1,1−ジメトキシ
デオキシベンゾイン、3,3’−ジメチル−4−メトキ
シベンゾフェノン、チオキサントン系化合物、ジエチル
チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2
−クロロチオキサントン、1−(4−ドデシルフェニ
ル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オ
ン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]
−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、トリフェニ
ルアミン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニル
ホスフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベン
ゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィン
オキシド、ビスアシルフォスフィンオキシド、ベンジル
ジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェ
ニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニ
ルプロパン−1−オン、フルオレノン、フルオレン、ベ
ンズアルデヒド、ミヒラーケトン、2−ベンジル−2−
ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−
ブタン−1−オン、3−メチルアセトフェノン、3,
3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニ
ル)ベンゾフェノン(BTTB)等が挙げることがで
き、さらにBTTBと色素増感剤、例えばキサンテン、
チオキサンテン、クマリン、ケトクマリン等との組み合
わせ等が挙げられる。これらのうち、特にベンジルジメ
チルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホ
スフィンオキシド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾ
イル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオ
キシド、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4
−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オンが好まし
い。
【0033】これらは単独で、又は2種以上組み合わせ
て使用することができる。オリゴマー、反応性稀釈剤及
び開始剤は、それぞれ一種用いても良く、二種以上組み
合わせて用いてもよい。光重合開始剤の含有量は、紫外
線硬化性樹脂100質量部に対して5質量部以下が好ま
しい。
【0034】本発明で使用される紫外線硬化性樹脂は、
さらにシリコーン重合体を含むことができる。好ましく
はシリコーンを側鎖にもつグラフト共重合体であり、さ
らに好ましくはシリコーンを側鎖にもつアクリル系グラ
フト共重合体である。アクリル変性シリコーン高分子モ
ノマーとラジカル重合性単量体をラジカル重合させて成
るシリコーン系グラフト共重合体としては、前記アクリ
ル変性シリコーンが、下記式(III)で示されるシリコ
ーンと下記式(IV)で示されるアクリル化合物とを縮合
させて成る生成物をあげることができる。
【0035】
【化1】 (式中RおよびRは炭素数1〜10の一価の脂肪族
炭化水素基、フェニル基または一価のハロゲン化炭化水
素基を表し、qは1以上の正数である。)
【0036】
【化2】 (式中Rは水素原子またはメチル基を表し、Rはメ
チル基、エチルまたはフェニル基を表し、2個のR
互いに同一もしくは異なっていてもよく、Zは塩素原
子、メトキシ基またはエトキシ基を表す。)
【0037】前記式(III)で示されるシリコーンは市
販品として入手でき、目的にあったものを使用すること
ができる。前記式(III)におけるRおよびRは炭
素数1〜10の一価の脂肪族炭化水素基、フェニル基ま
たは一価のハロゲン化炭化水素であり、炭素数1〜10
の一価の脂肪族炭化水素基としては、例えばメチル基、
エチル基、アシル基等が挙げられ、一価のハロゲン化炭
化水素としては、例えば3,3,3−トリフルオロプロピ
ル基、4,4,4−トリフルオロ−3,3−ジフルオロブ
チル基、2−クロロエチル基等が挙げられる。Rおよ
びRとして特に好ましいのはメチル基である。
【0038】前記式(III)でqは1以上の正数である
が、一般にqの数が100以上という高分子量のシリコ
ーンから誘導されるアクリル変性シリコーンとラジカル
重合性単量体との共重合からはオイル状のものが得られ
やすい傾向にあり、qの数が100以下という低分子量
シリコーンから誘導されるアクリル変性シリコーンとラ
ジカル重合性単量体との共重合からは用いるモノマーの
種類によりオイル状、ゼリー状、固体状等各種のものを
得ることができる。
【0039】次に前記式(IV)で示されるアクリルシラ
ン化合物としては、例えばγ−メタクリルオキシプロピ
ルジメチルクロロシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルジメチルエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロ
ピルジフェニルクロロシラン、γ−アクリルオキシプロ
ピルジメチルクロロシラン、γ−メタクリルオキシプロ
ピルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピ
ルトリクロロシラン等が挙げられる。これらのアクリル
シラン化合物は、特公昭33−9969号の方法等に従
い、ケイ素化合物と脂肪族性多重結合を有する化合物と
を塩化白金酸の存在下で反応させることにより容易に得
られる。
【0040】また、アクリル変性シリコーンとラジカル
重合性単量体とのラジカル共重合は、従来公知の方法を
使用でき、放射線照射法、ラジカル重合開始剤を用いる
方法を使用できる。さらに紫外線照射法により共重合さ
せる場合は、ラジカル重合開始剤として公知の増感剤を
使用し、電子線照射により共重合させる場合はラジカル
重合開始剤を使用する必要はない。このようにして得ら
れたシリコーン共重合体は、ラジカル重合性単量体を幹
とし、シリコーンを枝とする櫛形グラフト共重合体であ
る。
【0041】シリコーン共重合体の市販品としては、サ
イマックUS−150、US−270、US−350、
US−450、レゼダGP−700(以上、東亞合成
(株)製)等を挙げることができる。
【0042】本発明のハードコート層は、前述のように
シリカ微粒子を70〜90質量%の高濃度で含有してい
る。好ましくは75〜85質量%である。
【0043】上記シリカ微粒子は、粉体状シリカまたは
コロイダルシリカであり、一次粒径が一般に1〜200
nm(mμ)の範囲、好ましくは1〜100nmの範
囲、さらに好ましくは20〜50nmの範囲である。シ
リカ微粒子の形状は球状、中空状、多孔質状、棒状、板
状、繊維状、もしくは不定形状であり、好ましくは球状
である。シリカ微粒子の比表面積は0.1〜3000m
/gであり、好ましくは10〜1500m/gであ
る。これらのシリカ微粒子の使用形態は乾燥状態の粉
末、もしくは水もしくは有機溶剤で分散した状態で用い
ることができ、コロイダルシリカとして知られている微
粒子状のシリカ微粒子の分散液を直接用いることができ
る。特に透明性を得るためにはコロイダルシリカの利用
が好ましい。コロイダルシリカの分散溶媒が水の場合、
その水素イオン濃度はpH値として2〜10の範囲であ
り、好ましくはpH3〜7の酸性コロイダルシリカが用
いられる。また、コロイダルシリカの分散溶媒が有機溶
剤の場合、有機溶剤としてメタノ−ル、イソプロピルア
ルコ−ル、エチレングリコ−ル、ブタノ−ル、エチレン
グリコ−ルモノプロピルエ−テル、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ジ
メチルホルムアミド等の溶剤もしくはこれらと相溶する
有機溶剤もしくは水との混合物として用いても良い。好
ましい分散溶剤はメタノ−ル、イソプロピルアルコ−
ル、メチルエチルケトン、キシレンである。シリカ微粒
子の市販品としては、例えば、コロイダルシリカとして
は日産化学工業(株)製のメタノ−ルシリカゾル、IP
A−ST、MEK−ST、NBA−ST、XBA−S
T、DMAC−STおよびST−UP、ST−OUP、
ST−20、ST−40、ST−C、ST−N、ST−
O、ST−50、ST−OL等をあげることができる。
また粉体状シリカとしては、日本アエロジル(株)製の
アエロジル130、アエロジル300、アエロジル38
0、アエロジルTT600及びアエロジルOX50、旭
硝子(株)製のシルデックスH31、H32、H51、
H52、H121、H122、日本シリカ工業(株)製
のE220A、E220 富士シリシア(株)製のサイ
リシア470、日本板硝子(株)製のSGフレ−ク等を
挙げることができる。
【0044】本発明のハードコート層形成用の硬化性樹
脂に含まれるシリカ微粒子として、シリカ微粒子と重合
性不飽和基(及び好ましくはウレタン結合)を有するア
ルコキシシラン化合物との反応により形成されるもの
(以下「変性シリカ微粒子」と言う)が好ましく、これ
は下記の構成を有するものが好ましい。
【0045】本発明の上記変性シリカ微粒子は、重合性
不飽和基とウレタン結合基、式(I)−X−C(=Y)
−NH−で表される有機基とを有するアルコキシシラン
化合物とシリカ微粒子を反応させて得られる反応生成物
であることが好ましい(上記式(I)中、Xは−NH
−、−O−または−S−であり、Yは酸素原子またはイ
オウ原子である、但しXが−O−のときYはイオウ原子
である)。
【0046】上記変性シリカ微粒子は、アルコキシシラ
ン化合物とシリカ微粒子とを少なくとも混合する操作を
含む方法により製造される。シリカ微粒子に固定された
アルコキシシラン化合物残渣の含有量は0.01質量%
以上であり、好ましくは0.1質量%以上、特に好まし
くは1質量%以上のものが用いられる。シリカ微粒子中
に固定されたアルコキシシラン化合物残渣の含有量が
0.01質量%未満の場合、組成物中のシリカ微粒子或
いはコロイダルシリカの分散性、透明性、耐磨耗性が十
分でない場合がある。また製造時の原料組成物中におけ
るアルコキシシラン化合物の割合は好ましくは10質量
%以上であり、特に好ましくは30質量%以上である。
アルコキシシラン化合物の割合が10質量%未満の場
合、紫外線硬化性樹脂の成膜性が悪い場合がある。ま
た、紫外線硬化性樹脂中のシリカ微粒子の割合は好まし
くは50質量%以下であり、特に好ましくは20質量%
以下である。紫外線硬化性樹脂中のシリカ微粒子の割合
が50質量%以上の場合、本発明組成物の分散性、透明
性、耐磨耗性が十分でない場合がある。
【0047】アルコキシシラン化合物は分子中に重合性
不飽和基、ウレタン結合基、前記式(I)で表される有
機基およびアルコキシシリル基を構成成分として少なく
ともそれぞれ1個含んでいる。アルコキシシリル基は加
水分解、縮合反応によりシリカ微粒子の表面に存在する
シラノ−ル基と結合する成分であり、また、重合性不飽
和基とは、活性ラジカル種により付加重合を経て分子間
で化学架橋する成分である。また、前記式(I)で表さ
れる2価の有機基である−X(C=Y)NH−基および
ウレタン結合基はこれらアルコキシシリル基を有する分
子片と重合性不飽和基を有する分子片とを直接もしくは
他の分子片を介して結合する構成単位であると同時に分
子間において水素結合による適度の凝集力を発生させ、
本発明ハードコート層に優れた力学的強度、基材との密
着性、耐熱性等の性能を発生させると考えられる。−X
(C=Y)NH−基としては、−S(C=O)NH−基
が好ましい。
【0048】アルコキシシラン化合物の構造としては例
えば、一般式(II);
【0049】
【化3】 で表されるアルコキシシラン化合物をあげることができ
る。
【0050】上記一般式(II)において、Rは水素原
子、およびC〜Cの1価の有機基であり、例えば、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、オクチ
ル基等である。Rは水素原子、およびC〜Cの1
価のアルキル基である。mは1、2もしくは3であり、
(RO)Si3−mで示されるアルコキシシリ
ル基としては例えば、トリメトキシシリル基、トリエト
キシシリル基、トリフェノキシシリル基、メチルジメト
キシシリル基、ジメチルメトキシシリル基等をあげるこ
とができ、好ましくは、トリメトキシシリル基およびト
リエトキシシリル基である。
【0051】また、式中、−[(C=O)NH−R
NH(C=O)O−X−O]−として示される構造単
位は前記式(II)に示す構造において分子鎖を延長する
ことを目的として導入される。RはC〜Cの2価
の有機基である。Rは2価の有機基であり、Rと同
一でも異なっていてもよく、通常、分子量14〜1万、
好ましくは、分子量78〜1000の2価の有機基の中
から選ばれ、例えば、メチレン、エチレン、プロピレ
ン、ヘキサメチレン、オクタメチレン、ドデカメチレン
等の鎖状ポリアルキレン基;シクロヘキシレン、ノルボ
ルニレン等の脂環式または多環式の2価の有機基;ビニ
レン、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン、ポリフ
ェニレン等の2価の芳香族基;等をあげることができ、
また、これらのアルキル基置換体、アリ−ル基置換体も
用いることができる。これら2価有機の構造中には炭
素、水素原子以外の元素から構成される原子団を含んで
いてもよい。式中、pは0もしくは1であり、Xは2価
の有機基であり、さらにイソシアネ−ト基と付加反応で
きる活性水素原子を分子内に2個以上有する化合物から
誘導される2価の有機基であり、例えば、ポリアルキレ
ングリコ−ル類、ポリアルキレンチオグリコ−ル類、ポ
リエステル類、ポリアミド類、ポリカ−ボネ−ト類、ポ
リアルキレンジアミン類、ポリアルキレンジカルボン酸
類、ポリアルキレンジオ−ル類、ポリアルキレンジメル
カプタン類から活性水素原子を2個除くことで誘導され
る2価の有機基をあげることができる。また、R
(n+1)価の有機基である。このような有機基は、好
ましくは鎖状、分岐状または環状の飽和炭化水素基、不
飽和炭化水素基、脂環式基の中から選ばれる。また、n
は好ましくは1〜20の正の整数であり、より好ましく
は1〜10であり、さらに好ましくは3〜5である。前
記式中Yは活性ラジカル種の存在下、分子間架橋反応を
する重合性不飽和基を分子中に有する1価の有機基を表
し、例えば、アクリロキシ基、メタクリロキシ基、ビニ
ル基、プロペニル基、ブタジエニル基、スチリル基、エ
チニイル基、シンナモイル基、マレエ−ト基、アクリル
アミド基等があげられる。これらの中でアクリロキシ基
が好ましい。
【0052】アルコキシシラン化合物の分子構造の形成
には、通常、メルカプト基を有するアルコキシシラン、
すなわちメルカプトアルコキシシランと、ポリイソシア
ネ−ト化合物およびイソシアネ−ト基と付加反応を起こ
す活性水素を有する活性水素基含有重合性不飽和化合物
との付加反応により行うことができる。
【0053】アルコキシシラン化合物の製造方法として
は例えば、(A)法;まずメルカプトアルコキシシラン
とポリイソシアネ−ト化合物との付加体を反応させるこ
とにより分子中にアルコキシシリル基、−S(C=O)
NH−結合基、及びイソシアネ−ト基を含む中間体を製
造し、次に中間体中に残存するイソシアネ−トに対して
活性水素基含有重合性不飽和化合物を反応させウレタン
基を介して結合させる方法。(B)法;まずポリイソシ
アネ−ト化合物と活性水素基含有重合性不飽和化合物と
の付加体を反応させることにより分子中に重合性不飽和
基、ウレタン結合基、およびイソシアネ−ト基を含む中
間体を形成し、これにメルカプトアルコキシシランを反
応させ−S(C=O)NH−基を介して結合させる方法
等をあげることができる。さらに、前記(A)または
(B)法において、鎖延長単位としてさらに、イソシア
ネ−トと付加反応を起こす活性水素を分子内に2個以上
有する鎖状、環状または分岐状の化合物をポリイソシア
ネ−ト化合物とのウレタン結合を介して延長することも
できる。
【0054】前記式(II)に示した化合物を製造におい
て、直接、ポリイソシアネ−ト化合物との反応により−
S(C=O)NH−結合を形成することができるアルコ
キシシランの例としては、反応生成物としてアルコキシ
シリル基とメルカプト基を分子中にそれぞれ1個以上有
する化合物の中から選ぶことができる。例えば、メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピル
トリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジエト
キシシラン、メルカプトプロピルジメトキシメチルシラ
ン、メルカプイトプロピルメトキシジメチルシラン、メ
ルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロ
ピルトリフェノキシシラン、メルカプトプロピルトリブ
トキシシラン等のメルカプトアルコキシシランをあげる
ことができ、好ましくはメルカプトプロピルトリメトキ
シシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシランであ
る。市販されているメルカプトアルコキシシランとして
は、例えば東レ・ダウ・コ−ニング(株)製のSH60
62をあげることができる。これらメルカプトアルコキ
シシランは単独または2種以上を混合して用いてもよ
く、さらに、メルカプトアルコキシシランの例として
は、アミノ置換アルコキシシランとエポキシ基置換メル
カプタンとの付加生成物、エポキシシランとα、ω−ジ
メルカプト化合物との付加生成物を利用することができ
る。アルコキシシラン化合物を製造する際に利用する、
ポリイソシアネ−ト化合物としては鎖状飽和炭化水素、
環状飽和炭化水素、芳香族炭化水素で構成されるポリイ
ソシアネ−ト化合物の中から選ぶことができ、単独もし
くは2種以上混合して用いることができる。1分子中の
イソシアネ−ト基の個数は、通常2以上、30未満であ
り、好ましくは2以上10未満である。30を超えると
生成物の粘度が高くなり作業性が低下する場合がある。
【0055】このようなポリイソシアネ−ト化合物の例
としては、例えば、テトラメチレンジイソシアネ−ト、
ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、2,2,4−トリメチ
ルヘキサメチレンジイソシアネ−ト等の鎖状炭化水素ポ
リイソシアネ−ト化合物;イソフォロンジイソシアネ−
ト、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネ−ト、メチレ
ンビス(4−シクロヘキシルイソシアネア−ト)、水添
ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、水添キシレンジイ
ソシアネ−ト、水添トルエンジイソシアネ−ト、1,3
−ビス(イソシアナ−トメチル)シクロヘキサン等の環
状飽和炭化水素ポリイソシアネ−ト化合物;2,4−ト
リレンジイソシアネ−ト、2,6−トリレンジイソシア
ネ−ト、1,3−キシリレンジイソシアネ−ト、1,4−
キシリレンジイソシアネ−ト、パラフェニレンジイソシ
アネ−ト、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメ
タンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタン−4,4’−
ジイソシアネ−ト、4,4’−ビフェニレンジイソシア
ネ−ト、6−イソプロピル−1,3−フェニルジイソシ
アネ−ト、4−ジフェニルプロパンジイソシアネ−ト、
リジンジイソシアネ−ト、1,5−ナフタレンジイソシ
アネ−ト、ポリジフェニ−ルメタンのポリイソシアネ−
ト等の芳香族炭化水素ポリイソシアネ−ト化合物を挙げ
ることができる。
【0056】これらの中で好ましい例としては、環状飽
和炭化水素ポリイソシアネ−ト化合物および芳香族炭化
水素ポリイソシアネ−ト化合物であり、さらに好ましく
は環状飽和炭化水素のポリイソシアネ−ト化合物をあげ
ることができる。好ましい具体例としては、イソホロン
ジイソシアネ−ト、水添キシレンジイソシアネ−ト、水
添トルエンジイソシアネ−トである。また市販されてい
るポリイソシアネ−ト化合物を例示すると、三井日曹ウ
レタン(株)製のTDI−80/20、TDI−10
0、MDI−CR100、MDI−CR300、MDI
−PH、NDIや日本ポリウレタン工業(株)製のコロ
ネ−トT、ミリオネ−トMT、ミリオネ−トMR、HD
I、武田薬品工業(株)製 のタケネ−ト600をあげ
ることができる。
【0057】これらポリイソシアネ−ト化合物の使用量
は、前記(A)法に示す製造法においては、メルカプト
アルコキシシランのメルカプト基1当量に対してのイソ
シアネ−ト基当量としては、通常0.1〜100の範囲
内で、好ましくは0.5から10の範囲で、さらに好ま
しくは0.9〜1.2の範囲で添加される。ポリイソシア
ネ−ト化合物基当量の添加量が0.1当量未満の場合、
未反応メルカプトシランが0.9当量以上存在すること
になり、塗膜の磨耗性が十分でない場合がある。また、
100当量を超えたポリイソシアネ−ト化合物の使用
は、未反応イソシアネ−ト基が過剰に存在することにな
り耐候性が低下する場合がある。
【0058】一方、前記(B)法に示す製造法において
は、活性水素基含有重合性不飽和化合物中の活性水素基
1当量に対し、ポリイソシアネート化合物はイソシアネ
ート基当量として通常0.1〜100の範囲であり、好
ましくは0.5〜10当量の範囲で、さらに好ましくは
0.9〜1.2の範囲で添加される。
【0059】前記(A)または(B)法いずれの方法に
おいても、反応時間の短縮を目的として触媒を添加して
もよい。このような触媒としては、塩基性触媒および酸
性触媒のいずれかが用いられる。塩基性触媒の例として
は、ピリジン、ピロ−ル、トリエチルアミン、ジエチル
アミン、ジブチルアミン、アンモニアなどのアミン類;
トリブチルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン等
のフォスフィン類を挙げることができる。これらの中で
ピリジン、トリエチルアミン等の第3級アミンが好まし
い。また酸性触媒としては、ナフテン酸銅、ナフテン酸
コバルト、ナフテン酸亜鉛、1,4−ジアザビシクロ
[2.2.2]オクタン(DABCO)、メチルDABC
O、トリブトキシアルミニウム、トリチタニウムテトラ
ブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド等の金属ア
ルコキシド類;3フッ化硼素ジエチルエ−テラ−ト、塩
化アルミニウムなどのルイス酸類;2−エチルヘキサン
酸錫、オクチル錫トリラウレ−ト、ジブチル錫ジラウレ
−ト、オクチル錫ジアセテ−ト等の錫化合物をあげる。
これら触媒の中で好ましいものは酸性触媒であり、特に
好ましくは錫化合物であり、さらに好ましくはオクチル
錫トリラウレ−ト、ジブチル錫ジラウレ−ト、オクチル
錫ジアセテ−ト等である。これら触媒の添加量はポリイ
ソシアネ−ト化合物100質量部に対して0.01〜5
質量部であり、好ましくは0.1〜1質量部である。0.
01質量部未満では触媒添加による反応時間の短縮効果
はわずかであり、一方、5質量部を超えると生成物の保
存安定性が低下する場合がある。
【0060】アルコキシシリル化合物の製造において、
前記ポリイソシアネ−ト化合物と付加反応によりウレタ
ン結合を介し結合できる重合性不飽和化合物の例として
は、分子内にイソシアネ−ト基との付加反応によりウレ
タン結合を形成できる活性水素原子を分子中に1個以上
有し、重合性不飽和基を分子中に1個以上含む化合物の
中から単独もしくは2種以上の混合物として用いること
ができる。
【0061】そのような化合物としては、カルボン酸含
有重合性不飽和化合物、水酸基含有重合性不飽和化合物
がある。例えば、カルボン酸を含有する重合性不飽和化
合物としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、ケイ
ヒ酸、マレイン酸、フマル酸、2−(メタ)アクリロキ
シプロピルヘキサヒドロゲンフタレ−ト、2−(メタ)
アクリロキシエチルヘキサヒドロゲンフタレ−ト等の不
飽和脂肪族カルボン酸類;2−(メタ)アクリロキシプ
ロピルフタレ−ト、2−(メタ)アクリロキシプロピル
エチルフタレ−ト等の不飽和芳香族カルボン酸類;をあ
げることができる。また、水酸基含有重合性不飽和化合
物として、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、2
−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロ
キシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレ−
ト、1,4ブタンジオ−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、
2−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリロイルフォスフ
ェ−ト、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリ
レ−ト、ネオペンチルグリコ−ルモノ(メタ)アクリレ
−ト、ポリ(ペンタメチレンオキシカルボキシレ−ト)
エトキシ(メタ)アクリレ−ト、ヒドロキシスチレン、
ヒドロキシアルファメチルスチレン、ヒドロキシエチル
スチレン、ヒドロキシ末端ポリエチレングリコ−ルスチ
リルエ−テル、ヒドロキシ末端ポリプロピレングリコ−
ルスチリルエ−テル、ヒドロキシ末端ポリテトラメチレ
ングリコ−ルスチリルエ−テル、末端ヒドロキシポリエ
チレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、末端ヒドロキ
シポリプロピレングリコ−ル(メタ)アクリレ−ト、末
端ヒドロキシポリテトラエチレングリコ−ル(メタ)ア
クリレ−ト、トリメチロ−ルプロパンジ(メタ)アクリ
レ−ト、トリメチロ−ルプロパンモノ(メタ)アクリレ
−ト、EO変性トリメチロ−ルプロパントリ(メタ)ア
クリレ−ト、PO変性トリメチロ−ルプロパントリ(メ
タ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリ(メタ)
アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルジ(メタ)アクリ
レ−ト、ペンタエリスリト−ルモノ(メタ)アクリレ−
ト、ジペンタエリスルト−ルペンタ(メタ)アクリレ−
ト、ジペンタエリスリト−ルテトラ(メタ)アクリレ−
ト、ジペンタエリスリト−ルトリ(メタ)アクリレ−
ト、ジペンタエリスリト−ルジ(メタ)アクリレ−ト、
ジペンタエリスリト−ルモノ(メタ)アクリレ−ト、等
の水酸基含有アクリレ−ト類、水酸基含有メタクリレ−
ト類、水酸基含有スチレン類をあげることができる。
【0062】これらの中で好ましいのは、不飽和脂肪族
カルボン酸類、水酸基含有アクリレ−ト化合物であり、
さらに好ましくは、水酸基含有アクリレ−ト化合物であ
り、例えば、2−ヒドロキシルエチルアクリレ−ト、2
−ヒドロキシプロピルアクリレ−ト、ペンタエリスリト
−ルトリアクリレ−ト、ジペンタエリスルト−ルペンタ
アクリレ−トをあげることができる。
【0063】これら重合性不飽和化合物の使用量はその
活性水素基の当量として、メルカプトアルコキシシラン
とポリイソシアネ−ト化合物との付加反応により得られ
る中間体中の残存イソシアネ−ト基1当量に対し、通
常、1当量以上である。1当量未満ではアルコキシシリ
ル化合物中に活性イソシアネ−ト基が残存する為、水分
との反応による発泡、増粘、着色などの好ましくない性
能が発現する場合がある。
【0064】アルコキシシリル化合物の製造において
は、塗膜の柔軟性や基材に対する密着性向上を目的とし
て、ポリイソシアネ−ト化合物との付加反応によりアル
コキシシリル基と重合性不飽和基との間に2価の有機基
を導入してもよく、そのような2価の有機化合物単位の
前駆体としてはイソシアネ−ト基と付加反応を起こす活
性水素を分子内に2個以上有する鎖状、環状、分岐状の
有機化合物を利用できる。ここで活性水素を有する基の
例としては、水酸基、カルボキシル基、メルカプト基、
アミノ基、スルホン酸基、リン酸基、シラノ−ル基等を
あげることができる。これらの有機化合物は、活性水素
を2個以上、好ましくは2個以上10個未満、さらに好
ましくは2個を有する。そのような活性水素を有する化
合物の分子量は通常、50〜10万であり、好ましくは
100〜5万、さらに好ましくは500〜1万である。
そのような2価の有機化合物としては、例えば、ポリア
ルキレングリコ−ル類、ポリアルキレンチオグリコ−ル
類、ポリエステルジオ−ル類、ポリアミド類、ポリカ−
ボネ−トジオ−ル類、ポリアルキレンジアミン類、ポリ
アルキレンジカルボン酸類、ポリアルキレンジオ−ル
類、ポリアルキレンジメルカプタン類を挙げることがで
きる。これらの中でポリアルキレングリコ−ルが好まし
い。市販されているポリアルキレングリコ−ル類として
は例えば、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレング
リコ−ル、ポリテトラエチレングリコ−ル、ポリヘキサ
メチレングリコ−ルや、これらの2種以上のポリアルキ
レングリコ−ルとの共重合体の中から選ぶことができ、
日本油脂(株)製のユニセ−フDC1100、ユニセ−
フDC1800、ユニセ−フDCB1100、ユニセ−
フDCB1800、保土谷化学(株)製のPPTG40
00,PPTG2000、PPTG1000、PTG2
000、PTG3000、PTG650、PTGL20
00、PTGL1000、旭硝子(株)製のEXENO
L1020、第一工業製薬(株)製のPBG3000、
PBG2000、PBG1000、Z3001等を挙げ
ルコとができる。
【0065】上記の2価の有機基を構成成分として含む
重合性不飽和基含有アルコキシシランを製造する場合
を、ポリアルキレングリコ−ルを例にとって製造法
(C)法および(D)法として示す。
【0066】製造法(C)法:末端に活性イソシアネ−
ト基を有する、メルカプトアルコキシシランとポリシソ
シアネ−ト化合物との付加体に対し、ポリアルキレング
リコ−ルを加え、片末端ヒドロキシのアルコキシシラン
としたのち、これに対し別途合成した、末端に水酸基を
有する重合性不飽和化合物とポリイソシアネ−ト化合物
との付加体を反応させウレタン結合で両者をつなぐ方
法。
【0067】製造法(D)法:末端に活性イソシアネ−
ト基を有する、メルカプトアルコキシシランとポリイソ
シアネ−ト化合物との付加体に対し、別途合成した、末
端に活性水酸基を有する、ポリアルキレングリコ−ルポ
リイソシアネ−ト化合物、水酸基含有重合性不飽和化合
物との付加体を反応させウレタン結合で両者をつなぐ方
法を挙げることができる。前記(C)法または(D)法
におけるウレタン結合の形成条件は前記(A)または
(B)法と同様であり、結合に関与する、末端に活性イ
ソシアネ−ト基を有する化合物に対する末端に水酸基を
有する化合物の当量比は通常、1.0〜1.2の範囲であ
る。1.0未満の場合は未反応のイソシアネ−ト基によ
る着色、増粘が起こりやすい。
【0068】また、アルコキシシラン化合物の製造にお
いて重合性不飽和基修飾アルコキシシランの加水分解物
として他の有機アルコキシシランとの加水分解生成物を
用いてもよく、例えば、テトラメトキシシラン、テトラ
エトキシシラン、テトラブトキシシラン、メチルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジ
メトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のアル
キルアルコキシシランとの縮合物を用いても良い。加水
分解生成物を製造する場合、加水分解に用いる水の量は
全アルコキシ基に対して通常0.5〜1.5当量であり、
溶剤の存在下もしくは非存在下で、0℃から成分の沸点
以下の温度で5分〜24時間加熱攪拌することで加水分
解、縮重合物を得ることができる。その際、反応時間の
短縮を目的に酸性触媒もしくは塩基触媒を併用すること
もできる。
【0069】変性シリカ微粒子の製造において用いられ
るシリカ微粒子は前述のものを同様に使用することがで
きる。
【0070】変性シリカ微粒子に固定されたアルコキシ
シラン化合物は通常、乾燥粉体を空気中で完全に燃焼さ
せた場合の質量減少%の恒量値として、例えば、空気中
で室温から通常800℃までの熱質量分析により求める
ことが出来る。
【0071】変性シリカ微粒子の製造においてアルコキ
シシラン化合物の加水分解で消費される水の量は、1分
子中のケイ素上のアルコキシ基の少なくとも1個が加水
分解される量あればよい。好ましくは加水分解の際に添
加、もしくは存在する水の量は、ケイ素上の全アルコキ
シ基のモル数に対し3分の1以上であり、さらに好まし
くは全アルコキシ基のモル数の2分の1以上3倍未満で
ある。完全に水分の存在しない条件下で前記式(II)に
示すアルコキシシラン化合物とシリカ微粒子とを混合し
て得られる生成物は、シリカ微粒子表面にアルコキシシ
ラン化合物が物理吸着した生成物であり、そのような成
分から構成される組成物においては本発明の組成物の一
つの目的である耐磨耗性の発現の効果は低い。
【0072】本発明の変性シリカ微粒子の製造において
は前記式(II)に表されるアルコキシシラン化合物を別
途加水分解操作を行った後、これと粉体シリカ微粒子も
しくはコロイダルシリカを混合し、加熱、攪拌操作を行
う方法;もしくは、前記式(II)で表されるアルコキシ
シラン化合物の加水分解をシリカ微粒子の存在下で行う
方法;また、他の成分、例えば、多官能不飽和有機化合
物、単価不飽和有機化合物、光重合開始剤等の存在下、
シリカ微粒子の表面処理を行う方法等を選ぶことができ
るが、前記式(II)で表されるアルコキシシラン化合物
の加水分解をシリカ微粒子の存在下で行う方法が好まし
い。成分Bを製造する際、その製造時の温度は通常、2
0℃〜150℃であり、また処理時間は5分〜24時間
の範囲である。
【0073】シリカ微粒子は、通常の保管状態として粒
子表面に吸着水として水分を含むことが知られている。
例えば、有機溶剤分散コロイダルシリカ中においても通
常製品として0.5%相当の水分を含有する。したがっ
て、変性シリカ微粒子の製造においては、アルコキシシ
ラン化合物とシリカ微粒子とを混合し、加熱、攪拌処理
することにより原料中に含まれる水分を利用して製造す
ることも可能である。
【0074】本発明の変性シリカ微粒子の製造におい
て、粉体状のシリカを用いる場合、アルコキシシラン化
合物との反応を円滑にかつ、均一に行わせるこために、
水と相溶する有機溶媒を添加してもよい。このような有
機溶媒の好ましい種類は、アルコ−ル類、ケトン類、エ
−テル類、アミド類であり、アルコ−ル類としてはメタ
ノ−ル、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブタノ
−ル、エチレングリコ−ルモノメチルエ−テル、エチレ
ングリコ−ルモノブチルエ−テル等、ケトン類として
は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、アミド類としてはジメチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、N−メチルピロリドン、ガンマブチ
ロラクトン等をあげることができる。これらの溶剤の添
加量は反応を円滑、均一に行わせる目的に合致する限り
特に制限はない。
【0075】また、変性シリカ微粒子の製造において、
反応を促進するため、触媒として酸もしくは塩基を添加
してもよく、酸としては、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、
等の無機酸、もしくはメタンスルフォン酸、トルエンス
ルフォン酸、フタル酸、マロン酸、蟻酸、酢酸、蓚酸等
の有機酸や、メタクリル酸、アクリル酸、イタコン酸等
の不飽和有機酸やテトラメチルアンモニウム塩酸塩、テ
トラブチルアンモニウム塩酸塩等のアンモニウム塩をあ
げることがでる。また、塩基としては、アンモニア水、
ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジブチルアミン、
シクロヘキシルアミン等の第1級、2級または3級脂肪
族アミン、ピリジン等の芳香族アミン、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド等の第
4級アンモニウムヒドロキシド類を挙げることができ
る。これらの中で好ましい例を挙げると酸としては、有
機酸、不飽和有機酸、塩基としては第3級アミンもしく
は第4級アンモニウムヒドロキシドを挙げられる。これ
ら、酸もしくは塩基の添加量は、アルコキシシラン化合
物100質量部に対して0.001質量部〜1.0質量
部、好ましくは0.01質量部〜0.1質量部である。
【0076】本発明のシリカ微粒子含有ハードコート層
は、さらにシリコーン系又はフッ素系化合物の撥水・撥
油剤を含有し、80度以上の水との接触角を有すること
が好ましい。上記撥水・撥油剤は、市販のシリコーン系
又はフッ素系界面活性剤を適量添加することにより、8
0度以上の水接触角となるように表面張力を調整するこ
とにより得られる。これにより防湿性に優れたハードコ
ート層が得られる。
【0077】或いは、例えば前述のシリコン変性、フッ
素変性したオリゴマー、モノマー或いは樹脂等を用いた
紫外線硬化性樹脂を用いてハードコート層を形成するこ
とによっても得ることができる。低透湿性ハードコート
層は、水蒸気を殆ど透過しない層であり、本発明では、
通常、透湿度が0.5g/m・24h以下(JIS−
Z−0208)の層を言う。この低透湿性ハードコート
層は通常シリカ微粒子を含んでいないので、この層の上
に本発明のシリカ微粒子含有ハードコート層を設ける必
要がある。
【0078】本発明のハードコート層には、必要に応じ
て各種添加剤を添加することができるが、これらの添加
剤としては、例えば酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、シランカップリング剤、老化防止剤、熱重合禁止
剤、着色剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、
可塑剤、滑剤、溶媒、無機系充填材、有機系充填材、フ
ィラー、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を挙げることがで
きる。
【0079】本発明の耐摩耗性フィルムのハードコート
層の表面には、反射防止層を設けることが好ましい。
【0080】反射防止層としては、例えば下記のものを
使用することができる。
【0081】a) 高屈折率透明薄膜を1層のみ設けた
もの(b) 中屈折率透明薄膜/高屈折率透明薄膜の順
で各1層ずつ、合計2層に積層したもの(c) 中屈折
率透明薄膜/低屈折率透明薄膜/高屈折率透明薄膜の順
で各1層ずつ、合計3層に積層したもの(d) 高屈折
率透明薄膜/低屈折率透明薄膜/高屈折率透明薄膜/低
屈折率透明薄膜の順で各1層ずつ、合計4層に積層した
もの(e) 高屈折率透明薄膜/低屈折率透明薄膜/高
屈折率透明薄膜/低屈折率透明薄膜/高屈折率透明薄膜
の順で各1層ずつ、合計5層に積層したものここで、高
屈折ないし中屈折率透明薄膜としては、ITO(スズイ
ンジウム酸化物)又はZnO、AlをドープしたZn
O、TiO、SnO、ZrO等の屈折率1.8以上
の薄膜を採用することができる。
【0082】また、低屈折ないし中屈折率透明薄膜とし
ては、SiO、MgF、Al、アクリル樹
脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の屈
折率が1.6以下の薄膜を用いることができる。
【0083】これら高屈折率透明薄膜、中屈折率透明薄
膜及び低屈折率透明薄膜の膜厚は、光の干渉で可視光領
域での反射率を下げることができるように、膜構成、膜
種、中心波長等により適宜決定される。
【0084】このような透明薄膜は、蒸着、スパッタリ
ング、イオンプレーティング、CVD、マイクログラビ
アコーティング、ダイレクトグラビアコーティング、ス
ロットダイコーティング法等により形成することができ
る。
【0085】或いは、反射防止層が、ハードコート層上
に形成された高屈折率導電層と該高屈折率導電層上に形
成された低屈折率層とからなり、該高屈折率導電層は厚
さが100〜600ÅのITO膜(スズ・インジウム酸
化物膜)であり、該低屈折率層は厚さが900〜150
0ÅのSiO膜であることも好ましい。
【0086】このような反射防止層は、高屈折率導電層
と低屈折率層の2層構造であるため、単層構造の反射防
止層を設けたものに比べて反射防止性能が良好であり、
しかも、多層構造の反射防止層を設けたものに比べて構
成が簡易で低コストにて形成することができる。また、
高屈折率導電層を有するため、反射防止性能に加えて帯
電防止性能も兼備する。
【0087】上記のように、反射防止層として、厚さが
100〜600ÅのITO膜よりなる高屈折率導電層
と、厚さが900〜1500ÅのSiO膜よりなる低
屈折率層5との2層構造の反射防止層を形成する場合、
ITO膜の厚さが100Å未満では十分な帯電防止機能
が得られず、600Åを超えると膜形成コストが高騰す
る。また、このITO膜の厚さが100〜600Åの範
囲外であると、厚さ900〜1500ÅのSiOとの
積層構造で良好な反射防止性能を得ることができなくな
る。
【0088】また、SiO膜の厚さが900〜150
0Åの範囲外では、100〜600Åの厚さのITO膜
との積層構造で良好な反射防止性能を得ることができな
くなる。
【0089】ITO膜及びSiO膜は、蒸着、スパッ
タリング、イオンプレーティング、CVD法等により形
成することができる。
【0090】本発明のハードコート層上に反射防止層を
設けられた場合、有機ポリマーフィルムとハードコート
層と反射防止層の3層からなる積層体の365nmにお
ける光線透過率が40%以下であることが好ましい。
【0091】365nmにおける光線透過率が40%以
下にすると、本発明の耐摩耗性フィルムは紫外線等の周
囲環境に大きな影響を及ぼされることなく、耐候性、耐
久性に優れるため、黄変や膜剥離の問題が防止される。
【0092】上記積層体は、例えば下記、又はの
構成とすることができる。
【0093】有機ポリマーフィルムとハードコート層
との間に紫外線カット層を設ける。
【0094】ハードコート層を紫外線カット層とす
る。
【0095】 反射防止層を紫外線カット層とする。
【0096】上記積層体の365nmにおける光線透過
率は低い程好ましく、本発明において、365nmにお
ける光線透過率は好ましくは30%以下であり、350
nmの波長の光に対する光線透過率が20%以下、特に
10%以下、とりわけ5%以下であることが望ましい。
【0097】上記のように紫外線カット層を形成する
場合、この紫外線カット層としては、アクリル樹脂、ウ
レタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等の適当な
コーティング材に公知の紫外線吸収材を0.05〜10
質量%程度配合してベースフィルム1上にコーティング
すれば良い。このようにして形成される紫外線カット層
7の厚さは0.5〜20μm程度とするのが好ましい。
【0098】のハードコート層自体を紫外線カット性
とする場合、紫外線カットハードコート層は、このよう
なハードコート用の材料(紫外線硬化性樹脂)に公知の
紫外線吸収材を0.05〜5質量%の範囲で配合してコ
ーティングすることにより形成することができる。
【0099】反射防止層自体を紫外線カット性とする
ためには、高屈折率透明薄膜の材料として400nm付
近の光の通過性が高く、350nm付近及びそれ以下の
光の吸収が多い材料を用いるのが好ましく、このような
材料としては、ITO、ZnO等が挙げられる。
【0100】こうして得られる耐摩耗性フィルムは、自
動車、鉄道車両、ビル、ショーケース等に使用される耐
擦傷性、耐衝撃性、耐貫通性等に優れたフィルム強化ガ
ラス、太陽電池用セルの表面側保護部材又は裏面側保護
部材等に有利に使用することができる。具体的には、自
動車の嵌め込みガラス、サイドガラス及びリヤガラス、
鉄道車両、例えば普通車両、急行車両、特急車両及び寝
台車両等の乗客出入り用開閉ドアの扉ガラス、窓ガラス
及び室内ドアガラス、ビル等の建物における窓ガラス及
び室内ドアガラス等、室内展示用ショーケース及びショ
ーウィンド等である。
【0101】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明についてさらに
詳述する。
【0102】[実施例1] (1)ハードコート形成用紫外線硬化性樹脂塗布液の調
製 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPH
A)10.92質量部、光重合開始剤として1−ヒドロ
キシシクロヘキシルフェニルケトン(HCHPK)1.
08質量部及びコロイダルシリカ分散液(商品名:ME
K−ST、日産化学(株)社製、シリカの1次粒子径1
0〜20nm、シリカ含有量30質量%、メチルエチル
ケトン分散液)150質量部を混合し、紫外線硬化性樹
脂塗布液を得た。 (2)耐摩耗性フィルムの作製 PETフィルム(125μm厚;商品名テトロンHS、
帝人デュポン社製)の表面に、上記紫外線硬化性樹脂塗
布液を、ワイヤーバーコータNo.10により塗布し、
60℃で5分間溶剤を蒸発させた後、空気雰囲気下で高
圧水銀灯で紫外線照射し(0.5J/cm)、層厚5
μmのハードコート層を形成した。
【0103】こうして耐摩耗性フィルムを得た。
【0104】[実施例2] (1)ハードコート形成用紫外線硬化性樹脂塗布液の調
製 実施例1において、さらにフッ素含有シランカップリン
グ剤(パーフルオロアルキルシラン、FAS)0.16
質量部を添加した以外同様に作製した。 (2)耐摩耗性フィルムの作製 上記の塗布液を用いて実施例1と同様に耐摩耗性フィル
ムを得た。
【0105】[実施例3] (1)ハードコート形成用紫外線硬化性樹脂塗布液の調
製 実施例1において、さらにフッ素含有シランカップリン
グ剤(パーフルオロアルキルシラン、FAS)0.16
質量部を添加した以外同様に作製した。 (2)耐摩耗性フィルムの作製 上記の塗布液をワイヤーバーコータNo.30で塗布す
ることにより、ハードコート層の層厚を15μmに変更
した実施例1と同様に耐摩耗性フィルムを得た。
【0106】[実施例4] (1)ハードコート形成用熱硬化性組成物塗布液の調製 コロイダルシリカ分散液(商品名:0−40、日産化学
(株)社製、シリカの1次粒子径10〜20nm、シリ
カ含有量40質量%、水分散液)207質量部、メチル
トリメトキシシラン(MTS)20.7質量部及び酢酸
0.7質量部を混合し、温度50℃に保持し、2時間撹
拌し、加水分解させた。得られた反応混合物にn−ブチ
ルアルコール1.95質量部、イソプロピルアルコール
1.95質量部、酢酸ナトリウム0.126質量部及び
酢酸1.1質量部を添加し、熱硬化性組成物塗布液を得
た。 (2)耐摩耗性フィルムの作製 PETフィルム(125μm厚;商品名テトロンHS、
帝人デュポン社製)の表面に、上記熱硬化性組成物塗布
液を、ワイヤーバーコータNo.10により塗布し、1
00〜120℃で30分間加熱硬化させ、層厚5μmの
ハードコート層を形成した。
【0107】こうして耐摩耗性フィルムを得た。
【0108】[実施例5] (1)ハードコート形成用熱硬化性組成物塗布液の調製 実施例4において、さらにフッ素含有シランカップリン
グ剤(パーフルオロアルキルシラン、FAS)0.23
質量部を添加した以外同様に作製した。 (2)耐摩耗性フィルムの作製 上記の塗布液を用いて実施例4と同様に耐摩耗性フィル
ムを得た。
【0109】[実施例6] (1)ハードコート形成用熱硬化性組成物塗布液の調製 実施例4において、さらにフッ素含有シランカップリン
グ剤(パーフルオロアルキルシラン、FAS)0.23
質量部を添加した以外同様に作製した。 (2)耐摩耗性フィルムの作製 上記の塗布液をワイヤーバーコータNo.30で塗布す
ることにより、ハードコート層の層厚を15μmに変更
した実施例4と同様に耐摩耗性フィルムを得た。
【0110】[比較例1] (1)ハードコート形成用紫外線硬化性樹脂塗布液の調
製 実施例1において、コロイダルシリカ分散液の量を60
質量部に変更した以外同様に作製した。 (2)耐摩耗性フィルムの作製 上記の塗布液を用いて実施例1と同様に耐摩耗性フィル
ムを得た。
【0111】[比較例2] (1)ハードコート形成用紫外線硬化性樹脂塗布液の調
製 実施例1において、コロイダルシリカ分散液を使用しな
かった以外同様に作製した。 (2)耐摩耗性フィルムの作製 上記の塗布液を用いて実施例1と同様に耐摩耗性フィル
ムを得た。
【0112】[比較例3] (1)ハードコート形成用紫外線硬化性樹脂塗布液の調
製 実施例4において、コロイダルシリカ分散液を使用しな
かった以外同様に作製した。 (2)耐摩耗性フィルムの作製 上記の塗布液を用いて実施例4と同様に耐摩耗性フィル
ムを得た。
【0113】<耐摩耗性フィルムの評価> (1)耐摩耗性は、JIS−R3221に従い、テーバ
ー摩耗試験機を用いてハードコート層側の表面に対して
テーバー試験(摩耗輪:CS−10F;荷重:500
g;1000回の条件)を行い、試験後のヘイズを測定
した。ヘイズ値5未満を◎、5〜10を○、10超過を
×とした。
【0114】(2)耐擦傷性は、ハードコート層の表面
に、スチールウール#0000を、スチールウールの上
に200g/cmの荷重を載せて、10往復させ、傷
が付かないものを◎、傷が若干付くものを○、傷が目立
って付くものを×とした。
【0115】(3)密着性は、JIS−K5400に従
い測定した。即ち、ハードコート層の表面に1mm間隔
で100個の碁盤目をつくり、市販のセロファンテープ
をその表面に密着させた後、急激に剥がした時に剥離せ
ずに残存したマス目の数(X)をX/100で表示し
た。
【0116】(4)干渉縞の評価は、三波長型蛍光灯下
にサンプルを置き、ハードコート層表面を目視で観察
し、干渉縞が全くないものを◎、わずかにあるものを
○、目立つものを×とした。
【0117】(5)水に対する接触角は、温度23℃、
湿度50%RHでハードコート層表面に蒸留水を一滴落と
し(水滴直径2mm)、滴下後1分後に、層表面と蒸留
水との接触角を、接触角計(CA−DT−A型、協和界
面化学(株)製)を用いて測定した。試料数3個で、左
右2カ所の、計6回測定し、これらの平均値を求め接触
角とした。
【0118】各例の組成、測定結果を下記の表1に示
す。 表1 実施例 比較例 1 2 3 4 5 6 1 2 3 DPHA 10.92 10.92 10.92 -- -- -- 10.92 10.92 -- HCHPK 1.08 1.08 1.08 -- -- -- 1.08 1.08 -- シリカ(MEK-ST) 150 150 150 -- -- -- 60 -- -- FAS -- 0.16 0.16 -- 0.23 0.23 -- -- -- MTS -- -- -- 20.7 20.7 20.7 -- -- 20.7 0−40 -- -- -- 207 207 207 -- -- -- 層厚(μm) 5 5 15 5 5 15 5 5 5 耐摩耗性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ × × 耐擦傷性 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ○ × × 密着性(/100) 100 100 100 100 100 100 100 100 100 干渉縞 × × ◎ × × ◎ × × × 接触角(度) 70 102 102 72 100 100 70 70 72 備考)DPHA: ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 上記実施例で得られた耐擦傷性、耐摩耗性が優れ、実施
例3、6ではさらに防湿性(水との接触角が大きい)も
優れていることがわかる。
【0119】[実施例7]図2に示す構成を有する耐摩
耗性フィルムを作製した。 (2)耐摩耗性フィルムの作製 PETフィルム(125μm厚;商品名テトロンHS、
帝人デュポン社製)の表面に、比較例2で使用した紫外
線硬化性樹脂塗布液を、ワイヤーバーコータNo.16
により塗布し、60℃で5分間溶剤を蒸発させた後、空
気雰囲気下で高圧水銀灯で紫外線照射し(0.5J/c
)、層厚10μmのハードコート層を形成し、次い
で実施例2で使用した紫外線硬化性樹脂塗布液を、ワイ
ヤーバーコータNo.10により塗布し、60℃で5分
間溶剤を蒸発させた後、空気雰囲気下で高圧水銀灯で紫
外線照射し(0.5J/cm)、層厚5μmのハード
コート層を形成した。こうして耐摩耗性フィルムを得
た。
【0120】上記実施例7で得られた耐摩耗性フィルム
は、実施例3と同様に全ての評価が優れたものであり、
さらに目視による透明性も優れていた。また、シリカ量
を低く押さえることができたので経済的にも有利なもの
である。
【0121】
【発明の効果】以上説明した本発明による耐摩耗性フィ
ルムは、耐擦傷性、耐摩耗性に優れており、好適態様で
はさらに防湿性も優れている。このため本発明の耐摩耗
性フィルムは、自動車、鉄道車両、ビル、ショーケース
等に使用される耐擦傷性、耐衝撃性、耐貫通性等に優れ
たフィルム強化ガラス、太陽電池用セルの表面側保護部
材又は裏面側保護部材等に有利に使用することができ
る。具体的には、自動車の嵌め込みガラス、サイドガラ
ス及びリヤガラス、鉄道車両、例えば普通車両、急行車
両、特急車両及び寝台車両等の乗客出入り用開閉ドアの
扉ガラス、窓ガラス及び室内ドアガラス、ビル等の建物
における窓ガラス及び室内ドアガラス等、室内展示用シ
ョーケース及びショーウィンド等である。
【0122】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の耐摩耗性フィルムの基本構成を示す断
面図である。
【図2】本発明の耐摩耗性フィルムの好ましい基本構成
を示す断面図である。
【図3】本発明の積層体の基本構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
11,21,31 有機ポリマーフィルム 12,22a,22b,32 ハードコート層 33 透明接着剤層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 101:00 C08L 101:00 Fターム(参考) 4F006 AA12 AA22 AA35 AA40 AB24 AB35 AB37 AB39 AB63 AB67 AB74 BA02 4F100 AA19B AA19C AA19D AA19E AG00 AH05B AH05C AH06B AH06C AK01A AK01B AK01C AK07A AK25A AK42A AK55A BA02 BA03 BA04 BA05 BA10A BA10B BA10C BA10D BA10E CA23B CA23C CA23D CA23E DE01B DE01C DE01D DE01E GB07 GB31 GB32 JB06B JB06C JB12B JB12C JB13B JB13C JB13D JB13E JB14B JB14C JB14D JB14E JK01B JK01C JK09 JK14 JN01 JN06D JN06E

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機ポリマーフィルムの片面又は両面
    に、シリカ微粒子を含有する硬化性組成物の硬化被膜か
    らなり、そのシリカ微粒子の硬化被膜に対する含有量が
    70〜90質量%であるハードコート層が設けられてい
    ることを特徴とする耐摩耗性フィルム。
  2. 【請求項2】 硬化性組成物が放射線硬化性樹脂又は熱
    硬化型シリコーン組成物である請求項1に記載の耐摩耗
    性フィルム。
  3. 【請求項3】 シリカ微粒子の一次粒径が1〜200n
    mの範囲にある請求項1又は2に記載の耐摩耗性フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 シリカ微粒子の一次粒径が20〜50n
    mの範囲にある請求項1〜3のいずれかに記載の耐摩耗
    性フィルム。
  5. 【請求項5】 シリカ微粒子が、重合性不飽和基を有す
    るものである請求項1〜4のいずれかに記載の耐摩耗性
    フィルム。
  6. 【請求項6】 シリカ微粒子が、シリカ微粒子と重合性
    不飽和基を有するアルコキシシラン化合物との反応によ
    り形成されるものである請求項1〜5のいずれかに記載
    の耐摩耗性フィルム。
  7. 【請求項7】 ハードコート層が、さらにシリコーン系
    又はフッ素系化合物の撥水・撥油剤を含有し、水との接
    触角が80度以上である請求項1〜6のいずれかに記載
    の耐摩耗性フィルム。
  8. 【請求項8】 ハードコート層の表面に、さらに反射防
    止層が形成されている請求項1〜7のいずれかに記載の
    耐摩耗性フィルム。
  9. 【請求項9】 有機ポリマーが、ポリエチレンテレフタ
    レート、ポリプロピレン、ポリ(メタ)アクリレート又
    はポリエーテルスルホンである請求項1〜8のいずれか
    に記載の耐摩耗性フィルム。
  10. 【請求項10】 有機ポリマーフィルムの片面又は両面
    に、シリカ微粒子を含まないハードコート層が設けら
    れ、さらにその上にシリカ微粒子を含有する硬化性組成
    物の硬化被膜からなり、そのシリカ微粒子の硬化被膜に
    対する含有量が70〜90質量%であるハードコート層
    が設けられていることを特徴とする耐摩耗性フィルム。
  11. 【請求項11】 シリカ微粒子を含まないハードコート
    層の層厚が2〜20μmであり、シリカ微粒子を含むハ
    ードコート層の層厚が2〜20μmである請求項10に
    記載の耐摩耗性フィルム。
  12. 【請求項12】 シリカ微粒子を含まないハードコート
    層が、放射線硬化性樹脂又は熱硬化型シリコーン組成物
    のみの硬化皮膜である請求項10又は11に記載の耐摩
    耗性フィルム。
  13. 【請求項13】 シリカ微粒子を含有する硬化性組成物
    の硬化性組成物が、放射線硬化性樹脂又は熱硬化型シリ
    コーン組成物である請求項10〜12のいずれかに記載
    の耐摩耗性フィルム。
  14. 【請求項14】 シリカ微粒子の一次粒径が1〜200
    nmの範囲にある請求項10〜13のいずれかに記載の
    耐摩耗性フィルム。
  15. 【請求項15】 シリカ微粒子の一次粒径が20〜50
    nmの範囲にある請求項10〜14のいずれかに記載の
    耐摩耗性フィルム。
  16. 【請求項16】 シリカ微粒子が、重合性不飽和基を有
    するものである請求項10〜15のいずれかに記載の耐
    摩耗性フィルム。
  17. 【請求項17】 シリカ微粒子が、シリカ微粒子と重合
    性不飽和基を有するアルコキシシラン化合物との反応に
    より形成されるものである請求項10〜16のいずれか
    に記載の耐摩耗性フィルム。
  18. 【請求項18】 シリカ微粒子含有ハードコート層が、
    さらにシリコーン系又はフッ素系化合物の撥水・撥油剤
    を含有し、水との接触角が80度以上である請求項10
    〜17のいずれかに記載の耐摩耗性フィルム。
  19. 【請求項19】 シリカ微粒子含有ハードコート層の表
    面に、さらに反射防止層が形成されている請求項10〜
    18のいずれかに記載の耐摩耗性フィルム。
  20. 【請求項20】 有機ポリマーが、ポリエチレンテレフ
    タレート、ポリプロピレン、ポリ(メタ)アクリレート
    又はポリエーテルスルホンである請求項10〜19のい
    ずれかに記載の耐摩耗性フィルム。
  21. 【請求項21】 請求項1〜20のいずれかに記載の耐
    摩耗性フィルムのハードコート層が設けられていない側
    の表面に、透明接着剤層が設けられた積層体。
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