JP2003009303A - 自動車の高電圧系遮断装置 - Google Patents
自動車の高電圧系遮断装置Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 自動車の高電圧系遮断装置に関し、車両の衝
突を検出するためのセンサ等に故障が生じた場合に、車
両の走行性を確保できるようにするとともに、センサ等
の故障状況を車両のドライバが認識することができるよ
うにする。 【解決手段】 高電圧電源2により走行駆動力を得る自
動車が衝突した場合にに該自動車の減速度が所定値以上
になる間だけ衝突検知信号を出力する衝突検知手段11
と、衝突検知手段11から所定時間以上衝突検知信号が
出力されたら衝突検知手段11が故障していると判定す
る故障判定手段14と、衝突検知手段11から衝突検知
信号が出力されたら高電圧電源2の回路を遮断し、回路
遮断後に故障判定手段14により衝突検知手段11が故
障していると判定されたら、前記の遮断した高電圧電源
の回路を再接続する高電圧系断接制御手段15とをそな
えるようにする。
突を検出するためのセンサ等に故障が生じた場合に、車
両の走行性を確保できるようにするとともに、センサ等
の故障状況を車両のドライバが認識することができるよ
うにする。 【解決手段】 高電圧電源2により走行駆動力を得る自
動車が衝突した場合にに該自動車の減速度が所定値以上
になる間だけ衝突検知信号を出力する衝突検知手段11
と、衝突検知手段11から所定時間以上衝突検知信号が
出力されたら衝突検知手段11が故障していると判定す
る故障判定手段14と、衝突検知手段11から衝突検知
信号が出力されたら高電圧電源2の回路を遮断し、回路
遮断後に故障判定手段14により衝突検知手段11が故
障していると判定されたら、前記の遮断した高電圧電源
の回路を再接続する高電圧系断接制御手段15とをそな
えるようにする。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気自動車等の高
電圧源を有する自動車において、緊急時に高電圧電気系
統を遮断する、高電圧系遮断装置に関する。 【0002】 【従来の技術】電気自動車では、通常の自動車に載せら
れるバッテリ(一般には12ボルト)に比べて著しく高
電圧(数百ボルト)の電源から車両の駆動力を得てい
る。このため、電気自動車では、万一の衝突時にかかる
高電圧源に起因した車両火災や感電等の発生を防止する
対策が要求され、従来から種々の技術が提案されてい
る。 【0003】例えば実開昭61−202101号公報、
電気自動車において、車両が衝突したことを検知した
ら、電源から駆動装置への通電を遮断する技術が開示さ
れている。また、特開平09−284901号公報に
は、複数のバッテリを搭載する電気自動車が衝突した際
に、バッテリを分離することにより高電圧の漏電を防止
し、さらに車両の損害状況が軽微な場合には、再度バッ
テリを接続して走行可能とする技術が開示されている。 【0004】また、特開平06−46502号公報に
は、電気自動車において、自動車の衝突等によって電気
系統に異常が発生したり又はその可能性が高くなった場
合にヘッドライト等の電装品は駆動できるようにその低
圧電源は接続しながら、車両の駆動用(走行用)の高圧
電源を遮断する技術が開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両の
衝突を検出するためのセンサやその電気回路に故障が生
じると、誤った情報に基づいて電源から駆動装置への通
電制御が行なわれることになり、実際には車両が衝突し
ていないにもかかわらず電源から駆動装置への通電が遮
断されて車両が走行できなくなる場合がある。 【0006】つまり、車両の衝突を検出するためのセン
サの代表的なものに、車両に加わる加減速度に応じた電
圧を出力するものがあり、センサから所定レベル以上の
電圧が出力された場合に車両が衝突したものと判断する
ことができるが、センサの故障によっては常時所定レベ
ル以上の電圧が出力されるようになるおそれがある。こ
の場合、このセンサ情報のみによって車両の衝突を判定
し電源から駆動装置への通電を遮断すると、実際には衝
突していないにもかかわらずセンサの故障が生じた時点
から車両が走行できなくなってしまうおそれがある。 【0007】本発明は、このような課題に鑑み案出され
たもので、車両の衝突を検出するためのセンサ等に故障
が生じた場合に、車両の走行性を確保できるようにする
とともに、センサ等の故障状況を車両のドライバが認識
することができるようにした、自動車の高電圧系遮断装
置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目標を達成するた
め、本発明の自動車の高電圧系遮断装置では、高電圧電
源により走行駆動力を得る自動車が衝突した場合には、
衝突検知手段が、この衝突に応じて自動車の減速度が所
定値以上になる間だけ衝突検知信号を出力する。故障判
定手段では、この衝突検知手段からの衝突検知信号が所
定時間以上にわたって出力されたら、衝突検知手段が故
障していると判定する。高電圧系断接制御手段では、衝
突検知手段から衝突検知信号が出力されると、高電圧電
源の回路を遮断する。したがって、自動車の衝突があっ
たと判定したら速やかに高電圧電源の回路が遮断され、
自動車の衝突後に円滑に処理を行なえる。 【0009】また、もしも、衝突検知手段からの衝突検
知信号が所定時間以上にわたって出力されると、故障判
定手段が衝突検知手段の故障を判定するので、この場合
には、前記の遮断した高電圧電源の回路を再接続するよ
うに通電を制御し、故障報知手段がドライバに衝突検知
手段が故障した旨を報知する。つまり、自動車が衝突し
た場合には、衝突検知手段は、自動車の減速度が所定値
以上になる間だけ衝突検知信号を出力するものであるた
め、衝突検知信号が所定時間以上にわたって出力される
ことはない。したがって、衝突検知信号が所定時間以上
にわたって出力されたら衝突検知手段が故障したものと
判定することができ、衝突検知手段が故障したと判定さ
れたら、前記の遮断した高電圧電源の回路を再接続する
ことにより、車両の走行性を確保し、故障報知手段がド
ライバに衝突検知手段が故障した旨を報知することによ
り、必要な処理を速やかに行なえるようになる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。図1〜図3は本発明の一実施
形態に係る自動車の高電圧系遮断装置を示すもので、図
1はその自動車及び高電圧系遮断装置の要部構成を示す
ブロック図、図2はその高電圧系遮断装置の動作を示す
フローチャートである。 【0011】本実施形態にかかる自動車は、例えば数百
ボルトといった高電圧電源により走行駆動力を得る電気
自動車であり、図1に示すように、駆動輪を回転駆動す
るための走行用モータ1をそなえている。このモータ1
に電力を供給するために、例えば12ボルトバッテリを
多数直列接続されてなるメインバッテリ2と、このメイ
ンバッテリ2に接続されたメインコンタクタ3と、メイ
ンコンタクタ3とモータ1との間に介装されたモータコ
ントローラ4とがそなえられている。 【0012】したがって、モータ1は、モータコントロ
ーラ4により制御されてメインコンタクタ3を介して供
給されるメインバッテリ2の電力によって回動するよう
になっている。なお、メインバッテリ2が高電圧電源に
相当し、また、メインバッテリ2よりメインコンタクタ
を介してモータコントローラ4に至る間の回路及びメイ
ンバッテリ2,メインコンタクタ3,モータコントロー
ラ4を総称して高電圧系6と呼ぶことにする。 【0013】本高電圧系遮断装置10は、かかる自動車
の衝突を検知する衝突検知センサ(衝突検知手段)11
と、衝突検知手段11からの検出情報に基づいて高電圧
電源2の回路5の遮断に関する制御を行なう衝突検知電
源遮断ECU13と、電源遮断制御用フェイルインジケ
ータ(故障報知手段)20とをそなえている。衝突検知
電源遮断ECU13には、故障判定手段14と、高電圧
系断接制御手段15とがそなえられる。 【0014】衝突検知センサ11は、加速度又は減速度
に対応した電圧を出力する加速度センサであって、例え
ばピエゾ素子等を用いた加速度センサを適用できる。自
動車が衝突した場合にはこの衝突に応じて自動車に通常
の走行では生じないほどの大きな減速度が生じるので、
衝突検知センサ11から所定値以上の電圧信号(この所
定値以上の電圧を衝突検知信号とする)が出力されると
自動車が衝突したと判定することができる。つまり、衝
突検知センサ11は、自動車の減速度が所定値以上にな
る間だけ衝突検知信号を出力する。 【0015】なお、自動車の衝突時には、その衝突の瞬
間の極めて短時間に大きな減速度が生じるものであり、
衝突検知センサ11からの衝突検知信号(所定値以上の
電圧信号)は、この極めて短時間にのみ出力される。こ
の衝突検知センサ11は、自動車が衝突した場合には衝
突に応じて発生する減速度に反応するものであればよ
く、光ファイバと発光体等を組み合わせた工学的センサ
を用いるなどしてもよく、本実施形態のものに限定され
ない。また、エアバッグのためにそなえられている衝突
検知センサからの情報を直接又はエアバッグECUを介
して用いるなどして既存の衝突検知センサを流用しても
良い。 【0016】故障判定手段14は、衝突検知センサ11
からの衝突検知信号が所定時間以上にわたって出力され
たら衝突検知センサ11が故障していると判定する。上
述のように、衝突検知センサ11では、通常の走行時で
は生じることがないような大きな減速度が自動車に発生
している間にのみ衝突検知信号を出力する。しかも、こ
のように大きな減速度は自動車が衝突した場合にのみ生
じる。また、自動車が衝突した場合には、極めて短い時
間だけ大きな減速度が生じる。したがって、衝突検知セ
ンサ11からの衝突検知信号は、衝突時に大きな減速度
が生じる極めて短い時間だけしか出力されえない。そこ
で、故障判定手段14では、衝突検知センサ11から所
定時間(判定時間)以上にわたって衝突検知信号が出力
されたら、衝突検知センサ11が故障していると判定す
る。 【0017】なお、この所定時間(判定時間)とは、衝
突時に所定値以上の大きな減速度が生じる時間を想定
し、この想定した大減速度発生時間よりも明らかに長い
時間で且つ長過ぎない時間(例えば2秒程度)に設定さ
れている。つまり、本実施形態の装置では、衝突検知セ
ンサ11が故障していることが既に検知されていない限
り、衝突検知センサ11が衝突検知信号を出力した場
合、まずは衝突検知センサ11が正常なものと仮定し
て、メインコンタクタ3をオフにする。その後、衝突検
知センサ11からの衝突検知信号が過剰に長く出力され
れば、衝突検知センサ11が故障していると判定して、
メインコンタクタ3をオンにして車両の走行性を確保す
る。 【0018】衝突検知センサ11の故障により衝突検知
センサ11から衝突検知信号が出力されるようになった
場合には、まずは衝突検知センサ11が正常なものと仮
定して、メインコンタクタ3をオフにするため、一旦走
行駆動力が失われ、その後メインコンタクタ3がオンに
復帰され走行駆動力が確保されるようになる。この場
合、走行駆動力が失われるのは、衝突検知センサ11か
ら衝突検知信号が出力され始めてから、衝突検知センサ
11の故障によりこの衝突検知信号が出力されているも
のと判定されるまでの間(判定時間)であるが、このよ
うに走行駆動力が失われている時間は可能な限り短くし
たい。もちろん、判定時間をある程度確保しないと、衝
突検知信号が自動車の衝突によるものか衝突検知センサ
11の故障によるものかを明確に判断することができな
い。このような観点から、上記の判定時間を適当な時間
(例えば2秒程度)に設定しているのである。 【0019】高電圧系断接制御手段15は、衝突検知セ
ンサ11から衝突検知信号が出力されたら高電圧電源2
の回路を遮断し、この回路遮断後に、故障判定手段14
により衝突検知センサ11が故障していると判定された
ら、前記の遮断した高電圧電源2の回路を再接続するよ
うに通電を制御する。電源遮断制御用フェイルインジケ
ータ(故障報知手段)20は、衝突検知電源遮断ECU
13によって制御されるバルブにより構成され、故障判
定手段14が衝突検知センサ11の故障を判定したら、
衝突検知電源遮断ECU13に制御されて点灯しドライ
バにその旨を報知する。具体的には、電源遮断制御用フ
ェイルインジケータは、他のフェイルインジケータと同
様に、エンジンキースイッチがオフからオンに切り替え
られた直後に、一旦点灯し、その後、故障判定手段14
が衝突検知センサ11の故障判定信号を出力しなければ
消灯し、故障判定手段14が衝突検知センサ11の故障
判定信号を出力したら点灯を続行する。 【0020】本発明自動車の一実施形態としての高電圧
系遮断装置は、上述のように構成されているので、例え
ば図2に示すように高電圧系の遮断制御が行なわれる。
図2に示すように、自動車の駆動系のキースイッチがオ
ンされると、まず、電源遮断制御用フェイルインジケー
タ10を点灯し(ステップS10)、メインコンタクタ
3をオンとする(ステップS20)。 【0021】そして、ステップS30に進んで、衝突検
知センサ11のフェイル状態を確認し(故障判定手段1
4からの判定信号を取り込み)、故障判定手段14から
の判定信号に基づいて衝突検知センサ11がフェイル状
態(故障状態)か否かを判定する(ステップS40)。
ここで、衝突検知センサ11がフェイル状態でなけれ
ば、フェイルインジケータ10を消灯し(ステップS5
0)、キースイッチがオンか否かを判定する(ステップ
S60)。キースイッチがオンであればステップS10
0に進み、キースイッチがオフになれば、ステップS9
0に進んでメインコンタクタ3をオフとして、制御を終
了する。 【0022】一方、衝突検知センサ11がフェイル状態
であれば、フェイルインジケータ10を点灯し或いは点
灯を続行し(ステップS70)、キースイッチがオフか
否かを判定する(ステップS80)。キースイッチがオ
ンであれば所定時間(制御周期)の後ステップS30に
戻り、キースイッチがオフになれば、ステップS90に
進んでメインコンタクタ3をオフとして、制御を終了す
る。 【0023】ステップS100では、衝突検知センサ1
1がオンか否か、即ち、衝突検知センサ11から衝突検
知信号が出力されているか否かを判定する。衝突検知セ
ンサ11がオフ(衝突検知信号が出力されていない)で
あれば、所定時間(制御周期)の後ステップS30に戻
り、衝突検知センサ11がオン(衝突検知信号が出力さ
れている)であれば、ステップS110に進んでメイン
コンタクタ3をオフとして、ステップS120に進む。 【0024】ステップS120では、衝突検知センサ1
1が所定時間(ここでは2秒間)オン状態が継続したか
否かを判定する。そして、衝突検知センサ11が所定時
間継続してオン状態にならなければ、衝突検知センサ1
1は故障していないものとして、フェイルインジケータ
10を消灯し(ステップS130)、キースイッチがオ
フか否かを判定する(ステップS140)。キースイッ
チがオンであれば所定時間(制御周期)の後ステップS
120に戻り、キースイッチがオフになれば、ステップ
S150に進んでメインコンタクタ3をオフとして、制
御を終了する。 【0025】一方、衝突検知センサ11が所定時間継続
してオン状態になったら、衝突検知センサ11は故障し
ているものとして、フェイルインジケータ10を点灯し
(ステップS160)、メインコンタクタ3をオンとし
て(ステップS170)、キースイッチがオフか否かを
判定する(ステップS180)。キースイッチがオンで
あれば所定時間(制御周期)の後ステップS180に戻
り、キースイッチがオフになれば、ステップS190に
進んでメインコンタクタ3をオフとして、制御を終了す
る。 【0026】つまり、ある制御周期で衝突検知センサ1
1がオフからオンに切り替わったら、タイマカウントを
スタートして、このタイマカウントは衝突検知センサ1
1がオフにならない限り続行される。衝突検知センサ1
1が故障していないで、実際の自動車の衝突に対してオ
ンになった場合は、衝突の短時間にのみオン信号を出力
し、その後衝突検知センサ11はオフになるので、衝突
検知センサ11が所定時間継続してオン状態となること
はなく、キースイッチがオフになるまで、ステップS1
30のフェイルインジケータ10消灯を続行する。 【0027】一方、衝突検知センサ11が故障したこと
によりオンになった場合は、その後オン状態が継続する
ので、衝突時に所定値以上の大きな減速度が生じうる時
間よりも十分に長い時間(ここでは2秒程度)、衝突検
知センサ11のオン状態が継続したら、衝突検知センサ
11が故障したと判定して、フェイルインジケータ10
を点灯し(ステップS160)、メインコンタクタ3を
オンとして(ステップS170)、キースイッチがオフ
になるまで、このフェイルインジケータ10の点灯及び
メインコンタクタ3のオンを続行することになる。 【0028】また、このように衝突検知センサ11が故
障した場合には、キースイッチをオフにした後、再びキ
ースイッチをオンにすると、ステップS10,S20を
経て、フェイルインジケータ10を点灯するとともにメ
インコンタクタ3をオンとして、ステップS30に進み
ここで衝突検知センサ11がフェイル状態と判定される
ので、ステップS70に進んでフェイルインジケータ1
0を点灯続行するとともにメインコンタクタ3のオン状
態を維持する。 【0029】したがって、ステップS80でキースイッ
チがオフと判定されるまで、フェイルインジケータ10
の点灯とメインコンタクタ3のオン状態が維持される。
このように、衝突検知センサ11が正常な場合には、自
動車の衝突時にはこの衝突検知センサ11に基づいて衝
突を検知し高電圧電源の通電を遮断して、車両火災や感
電等が発生するおそれを未然に回避することができ、衝
突後の処理も円滑に行なえるようになる。 【0030】そして、衝突検知センサ11が故障した場
合には、フェイルインジケータ10の点灯により衝突検
知センサ11が故障したことをドライバ等に報知しなが
ら、メインコンタクタ3をオン状態とすることによる車
両の走行性を確保することができるのである。特に、本
実施形態では、衝突検知センサ11から衝突検知信号が
出力された場合に、これが衝突検知センサ11の故障に
よるもの(即ち、車両の衝突によるものではない)か否
かを判定する前に、まずは衝突検知センサ11が正常な
ものと仮定して、メインコンタクタ3をオフにするた
め、衝突検知センサ11が正常で車両の衝突があった場
合に、速やかに高電圧電源の通電を遮断して、車両火災
や感電等が発生するおそれを未然に回避することができ
る。 【0031】故障判定手段14は、衝突検知センサ11
からの衝突検知信号が所定時間以上にわたって出力され
たら衝突検知センサ11が故障していると判定し、この
場合は、高電圧系断接制御手段15は、メインコンタク
タ3をオンに復帰させて、遮断した高電圧電源2の回路
を再接続するように通電を制御する。この際、故障判定
手段14では、衝突検知センサ11の故障によるか否か
を適切な判定時間(例えば2秒)によって判定するの
で、衝突検知信号が自動車の衝突によるものか衝突検知
センサ11の故障によるものかを明確に判断しながら、
衝突検知センサ11の故障が生じた場合に、走行駆動力
が失われている時間(判定時間)を抑えて可能な限り走
行に支障をきたさないようにすることができる。 【0032】なお、本発明は、上述の実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種
々の変形が可能である。 【0033】 【発明の効果】以上説明したように、本発明自動車の高
電圧系遮断装置によれば、自動車が衝突した場合には、
衝突検知手段がこの衝突に応じて自動車の減速度が所定
値以上になる間だけ衝突検知信号を出力し、高電圧系断
接制御手段がこの衝突検知手段からの衝突検知信号を受
けて高電圧電源の回路を遮断する。したがって、自動車
の衝突があった場合に、速やかに高電圧電源の回路が遮
断され、衝突時に高電圧源に起因して発生しうる車両火
災や感電等を未然に確実に防止することができるように
なる。 【0034】また、故障判定手段では、衝突検知手段か
らの衝突検知信号が所定時間以上にわたって出力された
ら、衝突検知手段が故障していると判定し、この場合に
は、前記の遮断した高電圧電源の回路を再接続するよう
に通電を制御し、故障報知手段がドライバ等に衝突検知
手段が故障した旨を報知するので、高電圧電源の回路を
再接続することにとり車両の走行性を確保し、且つ、ド
ライバ等への報知によりドライバ等が必要な処理を速や
かに行なえるようになる。
電圧源を有する自動車において、緊急時に高電圧電気系
統を遮断する、高電圧系遮断装置に関する。 【0002】 【従来の技術】電気自動車では、通常の自動車に載せら
れるバッテリ(一般には12ボルト)に比べて著しく高
電圧(数百ボルト)の電源から車両の駆動力を得てい
る。このため、電気自動車では、万一の衝突時にかかる
高電圧源に起因した車両火災や感電等の発生を防止する
対策が要求され、従来から種々の技術が提案されてい
る。 【0003】例えば実開昭61−202101号公報、
電気自動車において、車両が衝突したことを検知した
ら、電源から駆動装置への通電を遮断する技術が開示さ
れている。また、特開平09−284901号公報に
は、複数のバッテリを搭載する電気自動車が衝突した際
に、バッテリを分離することにより高電圧の漏電を防止
し、さらに車両の損害状況が軽微な場合には、再度バッ
テリを接続して走行可能とする技術が開示されている。 【0004】また、特開平06−46502号公報に
は、電気自動車において、自動車の衝突等によって電気
系統に異常が発生したり又はその可能性が高くなった場
合にヘッドライト等の電装品は駆動できるようにその低
圧電源は接続しながら、車両の駆動用(走行用)の高圧
電源を遮断する技術が開示されている。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、車両の
衝突を検出するためのセンサやその電気回路に故障が生
じると、誤った情報に基づいて電源から駆動装置への通
電制御が行なわれることになり、実際には車両が衝突し
ていないにもかかわらず電源から駆動装置への通電が遮
断されて車両が走行できなくなる場合がある。 【0006】つまり、車両の衝突を検出するためのセン
サの代表的なものに、車両に加わる加減速度に応じた電
圧を出力するものがあり、センサから所定レベル以上の
電圧が出力された場合に車両が衝突したものと判断する
ことができるが、センサの故障によっては常時所定レベ
ル以上の電圧が出力されるようになるおそれがある。こ
の場合、このセンサ情報のみによって車両の衝突を判定
し電源から駆動装置への通電を遮断すると、実際には衝
突していないにもかかわらずセンサの故障が生じた時点
から車両が走行できなくなってしまうおそれがある。 【0007】本発明は、このような課題に鑑み案出され
たもので、車両の衝突を検出するためのセンサ等に故障
が生じた場合に、車両の走行性を確保できるようにする
とともに、センサ等の故障状況を車両のドライバが認識
することができるようにした、自動車の高電圧系遮断装
置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目標を達成するた
め、本発明の自動車の高電圧系遮断装置では、高電圧電
源により走行駆動力を得る自動車が衝突した場合には、
衝突検知手段が、この衝突に応じて自動車の減速度が所
定値以上になる間だけ衝突検知信号を出力する。故障判
定手段では、この衝突検知手段からの衝突検知信号が所
定時間以上にわたって出力されたら、衝突検知手段が故
障していると判定する。高電圧系断接制御手段では、衝
突検知手段から衝突検知信号が出力されると、高電圧電
源の回路を遮断する。したがって、自動車の衝突があっ
たと判定したら速やかに高電圧電源の回路が遮断され、
自動車の衝突後に円滑に処理を行なえる。 【0009】また、もしも、衝突検知手段からの衝突検
知信号が所定時間以上にわたって出力されると、故障判
定手段が衝突検知手段の故障を判定するので、この場合
には、前記の遮断した高電圧電源の回路を再接続するよ
うに通電を制御し、故障報知手段がドライバに衝突検知
手段が故障した旨を報知する。つまり、自動車が衝突し
た場合には、衝突検知手段は、自動車の減速度が所定値
以上になる間だけ衝突検知信号を出力するものであるた
め、衝突検知信号が所定時間以上にわたって出力される
ことはない。したがって、衝突検知信号が所定時間以上
にわたって出力されたら衝突検知手段が故障したものと
判定することができ、衝突検知手段が故障したと判定さ
れたら、前記の遮断した高電圧電源の回路を再接続する
ことにより、車両の走行性を確保し、故障報知手段がド
ライバに衝突検知手段が故障した旨を報知することによ
り、必要な処理を速やかに行なえるようになる。 【0010】 【発明の実施の形態】以下、図面により、本発明の実施
の形態について説明する。図1〜図3は本発明の一実施
形態に係る自動車の高電圧系遮断装置を示すもので、図
1はその自動車及び高電圧系遮断装置の要部構成を示す
ブロック図、図2はその高電圧系遮断装置の動作を示す
フローチャートである。 【0011】本実施形態にかかる自動車は、例えば数百
ボルトといった高電圧電源により走行駆動力を得る電気
自動車であり、図1に示すように、駆動輪を回転駆動す
るための走行用モータ1をそなえている。このモータ1
に電力を供給するために、例えば12ボルトバッテリを
多数直列接続されてなるメインバッテリ2と、このメイ
ンバッテリ2に接続されたメインコンタクタ3と、メイ
ンコンタクタ3とモータ1との間に介装されたモータコ
ントローラ4とがそなえられている。 【0012】したがって、モータ1は、モータコントロ
ーラ4により制御されてメインコンタクタ3を介して供
給されるメインバッテリ2の電力によって回動するよう
になっている。なお、メインバッテリ2が高電圧電源に
相当し、また、メインバッテリ2よりメインコンタクタ
を介してモータコントローラ4に至る間の回路及びメイ
ンバッテリ2,メインコンタクタ3,モータコントロー
ラ4を総称して高電圧系6と呼ぶことにする。 【0013】本高電圧系遮断装置10は、かかる自動車
の衝突を検知する衝突検知センサ(衝突検知手段)11
と、衝突検知手段11からの検出情報に基づいて高電圧
電源2の回路5の遮断に関する制御を行なう衝突検知電
源遮断ECU13と、電源遮断制御用フェイルインジケ
ータ(故障報知手段)20とをそなえている。衝突検知
電源遮断ECU13には、故障判定手段14と、高電圧
系断接制御手段15とがそなえられる。 【0014】衝突検知センサ11は、加速度又は減速度
に対応した電圧を出力する加速度センサであって、例え
ばピエゾ素子等を用いた加速度センサを適用できる。自
動車が衝突した場合にはこの衝突に応じて自動車に通常
の走行では生じないほどの大きな減速度が生じるので、
衝突検知センサ11から所定値以上の電圧信号(この所
定値以上の電圧を衝突検知信号とする)が出力されると
自動車が衝突したと判定することができる。つまり、衝
突検知センサ11は、自動車の減速度が所定値以上にな
る間だけ衝突検知信号を出力する。 【0015】なお、自動車の衝突時には、その衝突の瞬
間の極めて短時間に大きな減速度が生じるものであり、
衝突検知センサ11からの衝突検知信号(所定値以上の
電圧信号)は、この極めて短時間にのみ出力される。こ
の衝突検知センサ11は、自動車が衝突した場合には衝
突に応じて発生する減速度に反応するものであればよ
く、光ファイバと発光体等を組み合わせた工学的センサ
を用いるなどしてもよく、本実施形態のものに限定され
ない。また、エアバッグのためにそなえられている衝突
検知センサからの情報を直接又はエアバッグECUを介
して用いるなどして既存の衝突検知センサを流用しても
良い。 【0016】故障判定手段14は、衝突検知センサ11
からの衝突検知信号が所定時間以上にわたって出力され
たら衝突検知センサ11が故障していると判定する。上
述のように、衝突検知センサ11では、通常の走行時で
は生じることがないような大きな減速度が自動車に発生
している間にのみ衝突検知信号を出力する。しかも、こ
のように大きな減速度は自動車が衝突した場合にのみ生
じる。また、自動車が衝突した場合には、極めて短い時
間だけ大きな減速度が生じる。したがって、衝突検知セ
ンサ11からの衝突検知信号は、衝突時に大きな減速度
が生じる極めて短い時間だけしか出力されえない。そこ
で、故障判定手段14では、衝突検知センサ11から所
定時間(判定時間)以上にわたって衝突検知信号が出力
されたら、衝突検知センサ11が故障していると判定す
る。 【0017】なお、この所定時間(判定時間)とは、衝
突時に所定値以上の大きな減速度が生じる時間を想定
し、この想定した大減速度発生時間よりも明らかに長い
時間で且つ長過ぎない時間(例えば2秒程度)に設定さ
れている。つまり、本実施形態の装置では、衝突検知セ
ンサ11が故障していることが既に検知されていない限
り、衝突検知センサ11が衝突検知信号を出力した場
合、まずは衝突検知センサ11が正常なものと仮定し
て、メインコンタクタ3をオフにする。その後、衝突検
知センサ11からの衝突検知信号が過剰に長く出力され
れば、衝突検知センサ11が故障していると判定して、
メインコンタクタ3をオンにして車両の走行性を確保す
る。 【0018】衝突検知センサ11の故障により衝突検知
センサ11から衝突検知信号が出力されるようになった
場合には、まずは衝突検知センサ11が正常なものと仮
定して、メインコンタクタ3をオフにするため、一旦走
行駆動力が失われ、その後メインコンタクタ3がオンに
復帰され走行駆動力が確保されるようになる。この場
合、走行駆動力が失われるのは、衝突検知センサ11か
ら衝突検知信号が出力され始めてから、衝突検知センサ
11の故障によりこの衝突検知信号が出力されているも
のと判定されるまでの間(判定時間)であるが、このよ
うに走行駆動力が失われている時間は可能な限り短くし
たい。もちろん、判定時間をある程度確保しないと、衝
突検知信号が自動車の衝突によるものか衝突検知センサ
11の故障によるものかを明確に判断することができな
い。このような観点から、上記の判定時間を適当な時間
(例えば2秒程度)に設定しているのである。 【0019】高電圧系断接制御手段15は、衝突検知セ
ンサ11から衝突検知信号が出力されたら高電圧電源2
の回路を遮断し、この回路遮断後に、故障判定手段14
により衝突検知センサ11が故障していると判定された
ら、前記の遮断した高電圧電源2の回路を再接続するよ
うに通電を制御する。電源遮断制御用フェイルインジケ
ータ(故障報知手段)20は、衝突検知電源遮断ECU
13によって制御されるバルブにより構成され、故障判
定手段14が衝突検知センサ11の故障を判定したら、
衝突検知電源遮断ECU13に制御されて点灯しドライ
バにその旨を報知する。具体的には、電源遮断制御用フ
ェイルインジケータは、他のフェイルインジケータと同
様に、エンジンキースイッチがオフからオンに切り替え
られた直後に、一旦点灯し、その後、故障判定手段14
が衝突検知センサ11の故障判定信号を出力しなければ
消灯し、故障判定手段14が衝突検知センサ11の故障
判定信号を出力したら点灯を続行する。 【0020】本発明自動車の一実施形態としての高電圧
系遮断装置は、上述のように構成されているので、例え
ば図2に示すように高電圧系の遮断制御が行なわれる。
図2に示すように、自動車の駆動系のキースイッチがオ
ンされると、まず、電源遮断制御用フェイルインジケー
タ10を点灯し(ステップS10)、メインコンタクタ
3をオンとする(ステップS20)。 【0021】そして、ステップS30に進んで、衝突検
知センサ11のフェイル状態を確認し(故障判定手段1
4からの判定信号を取り込み)、故障判定手段14から
の判定信号に基づいて衝突検知センサ11がフェイル状
態(故障状態)か否かを判定する(ステップS40)。
ここで、衝突検知センサ11がフェイル状態でなけれ
ば、フェイルインジケータ10を消灯し(ステップS5
0)、キースイッチがオンか否かを判定する(ステップ
S60)。キースイッチがオンであればステップS10
0に進み、キースイッチがオフになれば、ステップS9
0に進んでメインコンタクタ3をオフとして、制御を終
了する。 【0022】一方、衝突検知センサ11がフェイル状態
であれば、フェイルインジケータ10を点灯し或いは点
灯を続行し(ステップS70)、キースイッチがオフか
否かを判定する(ステップS80)。キースイッチがオ
ンであれば所定時間(制御周期)の後ステップS30に
戻り、キースイッチがオフになれば、ステップS90に
進んでメインコンタクタ3をオフとして、制御を終了す
る。 【0023】ステップS100では、衝突検知センサ1
1がオンか否か、即ち、衝突検知センサ11から衝突検
知信号が出力されているか否かを判定する。衝突検知セ
ンサ11がオフ(衝突検知信号が出力されていない)で
あれば、所定時間(制御周期)の後ステップS30に戻
り、衝突検知センサ11がオン(衝突検知信号が出力さ
れている)であれば、ステップS110に進んでメイン
コンタクタ3をオフとして、ステップS120に進む。 【0024】ステップS120では、衝突検知センサ1
1が所定時間(ここでは2秒間)オン状態が継続したか
否かを判定する。そして、衝突検知センサ11が所定時
間継続してオン状態にならなければ、衝突検知センサ1
1は故障していないものとして、フェイルインジケータ
10を消灯し(ステップS130)、キースイッチがオ
フか否かを判定する(ステップS140)。キースイッ
チがオンであれば所定時間(制御周期)の後ステップS
120に戻り、キースイッチがオフになれば、ステップ
S150に進んでメインコンタクタ3をオフとして、制
御を終了する。 【0025】一方、衝突検知センサ11が所定時間継続
してオン状態になったら、衝突検知センサ11は故障し
ているものとして、フェイルインジケータ10を点灯し
(ステップS160)、メインコンタクタ3をオンとし
て(ステップS170)、キースイッチがオフか否かを
判定する(ステップS180)。キースイッチがオンで
あれば所定時間(制御周期)の後ステップS180に戻
り、キースイッチがオフになれば、ステップS190に
進んでメインコンタクタ3をオフとして、制御を終了す
る。 【0026】つまり、ある制御周期で衝突検知センサ1
1がオフからオンに切り替わったら、タイマカウントを
スタートして、このタイマカウントは衝突検知センサ1
1がオフにならない限り続行される。衝突検知センサ1
1が故障していないで、実際の自動車の衝突に対してオ
ンになった場合は、衝突の短時間にのみオン信号を出力
し、その後衝突検知センサ11はオフになるので、衝突
検知センサ11が所定時間継続してオン状態となること
はなく、キースイッチがオフになるまで、ステップS1
30のフェイルインジケータ10消灯を続行する。 【0027】一方、衝突検知センサ11が故障したこと
によりオンになった場合は、その後オン状態が継続する
ので、衝突時に所定値以上の大きな減速度が生じうる時
間よりも十分に長い時間(ここでは2秒程度)、衝突検
知センサ11のオン状態が継続したら、衝突検知センサ
11が故障したと判定して、フェイルインジケータ10
を点灯し(ステップS160)、メインコンタクタ3を
オンとして(ステップS170)、キースイッチがオフ
になるまで、このフェイルインジケータ10の点灯及び
メインコンタクタ3のオンを続行することになる。 【0028】また、このように衝突検知センサ11が故
障した場合には、キースイッチをオフにした後、再びキ
ースイッチをオンにすると、ステップS10,S20を
経て、フェイルインジケータ10を点灯するとともにメ
インコンタクタ3をオンとして、ステップS30に進み
ここで衝突検知センサ11がフェイル状態と判定される
ので、ステップS70に進んでフェイルインジケータ1
0を点灯続行するとともにメインコンタクタ3のオン状
態を維持する。 【0029】したがって、ステップS80でキースイッ
チがオフと判定されるまで、フェイルインジケータ10
の点灯とメインコンタクタ3のオン状態が維持される。
このように、衝突検知センサ11が正常な場合には、自
動車の衝突時にはこの衝突検知センサ11に基づいて衝
突を検知し高電圧電源の通電を遮断して、車両火災や感
電等が発生するおそれを未然に回避することができ、衝
突後の処理も円滑に行なえるようになる。 【0030】そして、衝突検知センサ11が故障した場
合には、フェイルインジケータ10の点灯により衝突検
知センサ11が故障したことをドライバ等に報知しなが
ら、メインコンタクタ3をオン状態とすることによる車
両の走行性を確保することができるのである。特に、本
実施形態では、衝突検知センサ11から衝突検知信号が
出力された場合に、これが衝突検知センサ11の故障に
よるもの(即ち、車両の衝突によるものではない)か否
かを判定する前に、まずは衝突検知センサ11が正常な
ものと仮定して、メインコンタクタ3をオフにするた
め、衝突検知センサ11が正常で車両の衝突があった場
合に、速やかに高電圧電源の通電を遮断して、車両火災
や感電等が発生するおそれを未然に回避することができ
る。 【0031】故障判定手段14は、衝突検知センサ11
からの衝突検知信号が所定時間以上にわたって出力され
たら衝突検知センサ11が故障していると判定し、この
場合は、高電圧系断接制御手段15は、メインコンタク
タ3をオンに復帰させて、遮断した高電圧電源2の回路
を再接続するように通電を制御する。この際、故障判定
手段14では、衝突検知センサ11の故障によるか否か
を適切な判定時間(例えば2秒)によって判定するの
で、衝突検知信号が自動車の衝突によるものか衝突検知
センサ11の故障によるものかを明確に判断しながら、
衝突検知センサ11の故障が生じた場合に、走行駆動力
が失われている時間(判定時間)を抑えて可能な限り走
行に支障をきたさないようにすることができる。 【0032】なお、本発明は、上述の実施形態に限定さ
れるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種
々の変形が可能である。 【0033】 【発明の効果】以上説明したように、本発明自動車の高
電圧系遮断装置によれば、自動車が衝突した場合には、
衝突検知手段がこの衝突に応じて自動車の減速度が所定
値以上になる間だけ衝突検知信号を出力し、高電圧系断
接制御手段がこの衝突検知手段からの衝突検知信号を受
けて高電圧電源の回路を遮断する。したがって、自動車
の衝突があった場合に、速やかに高電圧電源の回路が遮
断され、衝突時に高電圧源に起因して発生しうる車両火
災や感電等を未然に確実に防止することができるように
なる。 【0034】また、故障判定手段では、衝突検知手段か
らの衝突検知信号が所定時間以上にわたって出力された
ら、衝突検知手段が故障していると判定し、この場合に
は、前記の遮断した高電圧電源の回路を再接続するよう
に通電を制御し、故障報知手段がドライバ等に衝突検知
手段が故障した旨を報知するので、高電圧電源の回路を
再接続することにとり車両の走行性を確保し、且つ、ド
ライバ等への報知によりドライバ等が必要な処理を速や
かに行なえるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる自動車及び自動車
の高電圧系遮断装置の要部構成を示すブロック図であ
る。 【図2】本発明の一実施形態にかかる自動車の高電圧系
遮断装置の動作を示すフローチャートである。 【符号の説明】 1 走行用モータ 2 メインバッテリ(高電圧電源) 3 メインコンタクタ 4 モータコントローラ 5 高電圧電源回路 6 高電圧系 10 高電圧系遮断装置 11 衝突検知センサ(衝突検知手段) 13 衝突検知電源遮断ECU(高電圧系遮断制御手
段) 14 故障判定手段 15 高電圧系断接制御手段 20 電源遮断制御用フェイルインジケータ(故障報知
手段)
の高電圧系遮断装置の要部構成を示すブロック図であ
る。 【図2】本発明の一実施形態にかかる自動車の高電圧系
遮断装置の動作を示すフローチャートである。 【符号の説明】 1 走行用モータ 2 メインバッテリ(高電圧電源) 3 メインコンタクタ 4 モータコントローラ 5 高電圧電源回路 6 高電圧系 10 高電圧系遮断装置 11 衝突検知センサ(衝突検知手段) 13 衝突検知電源遮断ECU(高電圧系遮断制御手
段) 14 故障判定手段 15 高電圧系断接制御手段 20 電源遮断制御用フェイルインジケータ(故障報知
手段)
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 高電圧電源により走行駆動力を得る自動
車が衝突した場合にはこの衝突に応じて該自動車の減速
度が所定値以上になる間だけ衝突検知信号を出力する衝
突検知手段と、 前記衝突検知手段から所定時間以上該衝突検知信号が出
力されたら前記衝突検知手段が故障していると判定する
故障判定手段と、 前記衝突検知手段から衝突検知信号が出力されたら前記
高電圧電源の回路を遮断し、該回路遮断後に、前記故障
判定手段により前記衝突検知手段が故障していると判定
されたら、前記の遮断した高電圧電源の回路を再接続す
るように通電を制御する高電圧系断接制御手段と、 前記故障判定手段が前記衝突検知手段の故障を判定した
らドライバにその旨を報知する故障報知手段とをそなえ
たことを特徴とする、自動車の高電圧系遮断装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001191029A JP2003009303A (ja) | 2001-06-25 | 2001-06-25 | 自動車の高電圧系遮断装置 |
US10/150,764 US6860357B2 (en) | 2001-05-18 | 2002-05-17 | Motor vehicle that acquires driving power for running from high voltage power supply |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001191029A JP2003009303A (ja) | 2001-06-25 | 2001-06-25 | 自動車の高電圧系遮断装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003009303A true JP2003009303A (ja) | 2003-01-10 |
Family
ID=19029713
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001191029A Withdrawn JP2003009303A (ja) | 2001-05-18 | 2001-06-25 | 自動車の高電圧系遮断装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003009303A (ja) |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006022061A1 (en) * | 2004-08-27 | 2006-03-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Motor vehicle capable of preventing malfunction and interrupting high-voltage system when accident occurs |
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EP4545340A1 (en) * | 2023-10-26 | 2025-04-30 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Vehicle impact detection device |
-
2001
- 2001-06-25 JP JP2001191029A patent/JP2003009303A/ja not_active Withdrawn
Cited By (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2006022061A1 (en) * | 2004-08-27 | 2006-03-02 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Motor vehicle capable of preventing malfunction and interrupting high-voltage system when accident occurs |
RU2346828C2 (ru) * | 2004-08-27 | 2009-02-20 | Тойота Дзидося Кабусики Кайся | Автотранспортное средство, способное предотвращать неисправности и отключать систему высокого напряжения при аварии |
EP1923256A3 (en) * | 2004-08-27 | 2009-07-22 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Motor vehicle capable of preventing malfunction and interrupting high-voltage system when accident occurs |
US7614651B2 (en) | 2004-08-27 | 2009-11-10 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Motor vehicle capable of preventing malfunction and interrupting high-voltage system when accident occurs |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20080902 |