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JP2003003073A - カラーフィルター用緑着色組成物、およびそれを使用したカラーフィルター - Google Patents

カラーフィルター用緑着色組成物、およびそれを使用したカラーフィルター

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Publication number
JP2003003073A
JP2003003073A JP2001184644A JP2001184644A JP2003003073A JP 2003003073 A JP2003003073 A JP 2003003073A JP 2001184644 A JP2001184644 A JP 2001184644A JP 2001184644 A JP2001184644 A JP 2001184644A JP 2003003073 A JP2003003073 A JP 2003003073A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
color filter
pigment
yellow pigment
contrast
coloring composition
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001184644A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshitake Hara
義豪 原
Yasuo Kubota
泰生 久保田
Masuichi Eguchi
益市 江口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP2001184644A priority Critical patent/JP2003003073A/ja
Publication of JP2003003073A publication Critical patent/JP2003003073A/ja
Pending legal-status Critical Current

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  • Optical Filters (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】黄顔料の選択によりコントラストの高い着色膜
を形成し、表示品位の高いカラーフィルターを提供す
る。 【解決手段】少なくとも緑顔料、黄顔料、ポリマー、溶
剤から構成されるカラーフィルター用緑着色組成物であ
って、該黄顔料全量の少なくとも50重量%以上がキノ
フタロン系黄顔料であり、かつ他の黄顔料として、その
構造中にバルビツル酸基を有する黄顔料及び/または金
属錯塩黄顔料を該黄顔料全量の少なくとも5重量%以上
に該当する量含有することを特徴とするカラーフィルタ
ー用緑着色組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラーフィルター
用着色組成物、および、それを使用したカラーフィルタ
ー、液晶表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在広く普及しているTFT(薄膜トラ
ンジスター)カラー液晶ディスプレイは、カラーフィル
ターが形成された透明ガラス基板とTFTが形成された
透明ガラス基板の間に液晶を封入したパネルと、バック
ライトと称される光源から構成される。バックライトか
ら発する光が液晶パネルを通る際、その透過率を液晶へ
の印可電圧により制御することによって画像が表示され
る。
【0003】液晶表示装置をカラー化するために、3原
色であるR(赤)、G(緑)、B(青)もしくはY
(黄)、M(マゼンダ)、C(シアン)の画素を、ライ
ン状またはモザイク状に配置したカラーフィルターが用
いられている。
【0004】現在カラーフィルターの製法は顔料分散法
が主流となっている。顔料分散法には、感光アクリル
法、非感光ポリイミド法などがある。
【0005】各画素の顔料はバックライトと液晶表示素
子の光線透過特性に合うように選択される。例えばR、
G画素は2種類以上の顔料を一定の割合で調色して用い
られることが多い。R画素の場合は赤顔料に加え、黄顔
料、あるいは橙顔料を1種類以上選び、一定の割合で調
色して用いられる。同様に、G画素も緑顔料に加え、黄
顔料、橙顔料を1種類以上選び、一定の割合で調色して
用いられる。
【0006】一般に黄顔料は分散性が悪く、安定な分散
が困難であるため、分散性不良で画素内に残った比較的
大きな顔料凝集粒子が偏光を散乱して消偏させ、液晶表
示装置のコントラストを低下させる問題があった。これ
に対して、特開平8−295808号公報、特開平8−
295809号公報では、黄顔料を微細化することによ
り、これを添加したR画素、G画素用着色組成物の分散
性を改良できることが提案されている。また、特開平9
−197118号公報では、黄顔料の粒子径とR画素の
コントラストの関係について検討され、黄顔料が微細で
あるほど分散性が良好でコントラストが大きいことが示
されている。また、特開平2−19863号公報では、
顔料誘導体を分散助剤として使用する方法が提案されて
いる。
【0007】しかしながら、黄顔料の微細化は、微細化
を進めすぎると再凝集力が増大し、かえってコントラス
トが低下する問題があった。また、顔料誘導体は、添加
量が増えるにつれ、カラーフィルターの耐光性、耐熱
性、耐薬品性が低下したり、カラーフィルター表面に顔
料誘導体がブリードし、カラーフィルターの品質を悪化
させるという問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の欠点に鑑み創案されたもので、その目的とすると
ころは、分散性に優れたカラーフィルター用着色組成物
を提供し、コントラストが高く表示性能に優れたカラー
フィルターを作成することにある。さらに、コントラス
トが大きいカラーフィルターを用いて、表示性能に優れ
た液晶表示装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】かかる本発明の目的は、
少なくとも顔料と、ポリマーと、溶剤とから構成される
カラーフィルター用着色組成物において、全黄顔料中の
50重量%以上がキノフタロン系顔料であり、かつ他の
黄顔料として、その構造中にバルビツル酸基を有する黄
顔料及び/または金属錯塩黄顔料を該黄顔料全量のの少
なくとも5重量%以上に該当する量含有することを特徴
とするカラーフィルター用緑着色組成物により達成され
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明におけるカラーフィルター
用着色組成物は、黄顔料を含んでいればいずれの色の画
素にも適用できるが、黄顔料の含有量の高いG画素用着
色組成物、R画素用着色組成物または、Y画素用着色組
成物に対して有効であり、特に黄顔料の添加量が多くな
るG画素で効果が大きい。G画素には主に緑顔料と黄顔
料が用いられて調色され、バックライトの光線透過特性
に合うように緑顔料と黄顔料の組成比を変えて調色され
る。カラーフィルターの色度は、一般的にxy座標系で
表されるが、G画素の色特性は、色度yが大きいほど色
が濃くなり、色再現性が高くなる。また、色度xは黄顔
料の含有量によって変化し、xが大きいほど黄色味が大
きくなり、xが小さいほど黄色味が小さくなる。液晶表
示装置において、R画素、G画素、B画素を同時に点灯
させて白表示した時の色度(ホワイトバランス)は重要
であり、各画素においても、それぞれ目的とする色度範
囲に合わせる必要がある。
【0011】例えば、モニター用途やテレビ用途の液晶
表示装置に用いるカラーフィルターのG画素は、色度y
がC光源で0.570以上であることが好ましく、より
好ましくは0.580以上、更に好ましくは0.590
以上である。また色度xは、0.270以上であること
が好ましく、さらに好ましくは0.280〜0.310
の範囲、最も好ましくは0.285〜0.300の範囲
である。また、明度を表すY値も53以上であることが
好ましく、さらに好ましくは53.5以上であり、最も
好ましくは54.0以上である。
【0012】G画素は緑顔料と黄顔料で調色される。緑
顔料としては、ピグメントグリーン(PG−)7、1
0、36、47を用いることができるが、色特性の点か
らピグメントグリーン(PG−)36が好ましく用いら
れる。
【0013】本発明のG画素において目的の色特性を達
成するためには、黄顔料は全顔料成分中の30重量%以
上添加されることが好ましく、より好ましくは40重量
%以上であり、更に好ましくは45重量%以上である。
【0014】代表的な黄顔料の例としては、ピグメント
イエロー(PY−)12、13、17、20、24、8
3、86、93、94、95、109、110、11
7、125、129、137、138、139、14
7、148、150、153、154、166、17
3、185などが挙げられる。本発明では、これらに限
定されずに種々の顔料を使用することができる。また、
上記顔料は必要に応じて、ロジン処理、酸性基処理、塩
基性基処理、顔料誘導体処理などを施されているものを
使用しても良い。
【0015】本発明で用いられる黄顔料は、該黄顔料を
用いた着色膜の色特性がより高色純度で高透過な特性と
なるような顔料であり、かつ耐熱性、耐光性に優れた顔
料であることが望ましい。具体的な例としては、キノフ
タロン系顔料であるピグメントイエロー(PY−)13
8、、イソインドリン系顔料であるピグメントイエロー
(PY−)139、185、イソインドリノン系顔料で
あるピグメントイエロー(PY−)109、110、1
73、ニッケルアゾ錯体系顔料であるピグメントイエロ
ー(PY−)150、153、メチン・アゾメチン系顔
料であるピグメントイエロー(PY−)117、129
などが好ましく用いられる。
【0016】G画素の色特性をバックライトと液晶表示
素子の光線透過特性に合うようにするためには、ピグメ
ントグリーン(PG−)36とピグメントイエロー(P
Y−)138の含有比を調整して調色することが重要で
ある。この場合、ピグメントイエロー(PY−)138
の含有量は全黄顔料中の50重量%以上、好ましくは7
5重量%以上、さらに好ましくは80重量%以上であ
る。
【0017】黄顔料としては、キノフタロン系顔料であ
るピグメントイエロー(PY−)138はより高色純度
で高透過の着色膜を形成することができるが、分散性が
悪く、コントラストが低いために、カラーフィルターの
性能として不満なものとなる。ここでコントラストと
は、2枚の偏光板の偏光方向を平行にして被測定物を挟
み込んだときの透過光強度を2枚の偏光板の偏光方向を
垂直にして被測定物を挟み込んだときの透過強度で除し
たものであり、消編性とも呼ばれる。
【0018】キノフタロン系黄顔料以外の他の黄顔料と
して、その構造中にバルビツル酸基を有する黄顔料及び
/または金属錯塩黄顔料を添加すると、分散系の安定性
が著しく向上し、その結果、着色膜のコントラストが飛
躍的に向上する。また、他の効果として、同じ色度の着
色膜を厚膜を薄くして形成することができる。
【0019】具体的な例としては、バルビツル酸基を有
する黄顔料であるピグメントイエロー(PY−)13
9、150、185、金属錯塩黄顔料であるピグメント
イエロー(PY−)129、150などが好ましく用い
られる。
【0020】この場合、ピグメントイエロー(PY−)
129、139、150、185から選ばれる1種類以
上の黄顔料の含有量を全黄顔料中の5〜50重量%添加
するのが好ましく、より好ましくは10〜30重量%、
更に好ましくは10〜20重量%である。5重量%より
少ないと分散性が不安定で、コントラストが低い。50
重量%より多いと分散性は良く、コントラストが高くな
るが、分散の安定性が悪く塗膜形成時に凝集が生じ、表
面粗度が大きくなる。
【0021】本発明の黄顔料はR画素にも用いることが
でき、この時用いることのできる赤顔料の具体例として
は、ピグメントレッド(PR−)9、48、97、12
2、123、144、149、166、168、17
7、180、190、192、215、216、21
7、220、223、224、226、227、22
8、240、254などが挙げられる。本発明ではこれ
らに限定されずに種々の顔料を使用することができる。
色特性の点から、ピグメントレッド(PR−)177、
254が好ましく用いられる。上記顔料は必要に応じ
て、ロジン処理、酸性基処理、塩基性基処理、顔料誘導
体処理などの表面処理が施されているものを使用しても
良い。
【0022】本発明で使用する樹脂は顔料を分散保持す
るためのものであり、通常、カラーフィルター用着色組
成物に使用される樹脂であれば特に限定されず、どのよ
うなものも使用が可能である。例えば、アクリル樹脂、
アルキド樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル、ポリビニ
ルアルコール、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリウレ
タン、ポリアミドイミド、ポリアミドなど種々の樹脂を
用いることができる。特に、アルカリ水溶液に溶解する
樹脂は現像あるいはエッジング工程で設備を簡略化でき
るので望ましい。アルカリ水溶液に溶解する樹脂のなか
では、カルボキシル基を有する樹脂が好ましく使用さ
れ、具体的にはアクリル樹脂、ポリイミドが耐溶剤性の
点で好ましい。ポリイミドの場合、ポリイミドの前駆体
類が顔料の分散剤として機能するので一層好ましい。ま
た、カラーフィルターの耐熱性の面からも、ポリイミド
の使用が好ましい。
【0023】本発明におけるポリイミドとは、その前駆
体であり、一般式(1)で表される構造単位を主成分と
するポリアミド酸を加熱あるいは適当な触媒により、イ
ミド環や、その他の環状構造を形成したポリマーであ
る。ポリイミド前駆体としてはポリアミド酸の他に、そ
のエステル化合物も通常用いられる。ここでポリマーは
重量平均分子量が5000以上の重合体をいう。分子量
の調節は酸成分またはジアミン成分のいずれかを過剰に
するか、単官能性の酸またはアミン成分を添加すること
により実施される。単官能性の酸またはアミン成分の例
として、モノカルボン酸、カルボン酸二無水物、モノア
ミンが使用される。具体例として、安息香酸、無水フタ
ル酸、テトラクロロ無水フタル酸、無水マレイン酸、ア
ニリンなどがあげられるが、これらに限定されない。
【0024】
【化1】
【0025】上記一般式(1)において、R1 がテトラ
カルボン酸残基を表し、R2 がジアミン残基を表す。酸
二無水物の例としては、3,3´,4,4´−ベンゾフェ
ノンテトラカルボン酸二無水物、3,3´,4,4´−ビ
フェニルトリフルフォロプロパンテトラカルボン酸二無
水物、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸二
無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二
無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二
無水物、3,3″,4,4″−パラタ−フェニルテトラカ
ルボン酸二無水物、3,3″,4,4″−メタタ−フェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、4,4´−(ヘキサフル
オロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、1,2,3,
4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,
3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,
2,3,5−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、
1,2,4,5−ビシクロヘキセンテトラカルボン酸二無
水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸
二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5
−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)
−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオンなどが挙
げられるが、これらに限定されない。
【0026】ジアミンの例としては、4,4´−ジアミ
ノジフェニルスルホン、3,3´−(または4,4´)ジ
アミノジフェニルメタン、4,4´−ジアミノジフェニ
ルサルファイド、2,5−ジアミノトルエン、o−トリ
ジン、3,3´−ジメチル−4,4´−ジアミノジフェニ
ルメタン、4,4´−ビス(4−アミノフェノキシ)ビ
フェニル、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキ
シ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェ
ノキシ)フェニル]エ−テル、2,2−ビス[4−(4
−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパ
ン1,3−(または1,4)ジアミノシクロヘキサン、
4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジシクロヘキシ
ルメタン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジシ
クロヘキシル、4,4´−ジアミノジフェニルエーテ
ル、3,3´−ジアミノジフェニルエーテル、3,4´−
ジアミノジフェニルエーテルなどが挙げられ、これらに
限定されない。
【0027】さらに、基板との接着性を向上させるため
に、耐熱性を低下させない範囲でジアミン成分として、
シロキサン構造を有するビス(3−アミノプロピル)テ
トラメチルジシロキサンを共重合してもよい。シロキサ
ンジアミンは通常、全ジアミン中の1〜20モル%量用
いる。シロキサンジアミンの量が少なすぎれば接着性向
上効果が発揮されず、多すぎれば耐熱性が低下する。本
発明はこれらに限定されずにシロキサンジアミンを1種
または2種以上用いられる。
【0028】これらのポリアミド酸は公知の方法すなわ
ち、テトラカルボン酸二無水物とジアミンを選択的に組
み合わせ、溶媒中で反応させることにより合成される。
通常ポリアミド酸合成の溶媒としてN−メチル−2−ピ
ロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
メチルホルムアミドなどのアミド系極性溶媒、また、ラ
クトン系極性溶媒を混合して使用することもできる。ラ
クトン類以外の溶媒としては上記アミド系極性溶媒の他
にメチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルカルビ
トール、エチルカルビトールなどを挙げることができ
る。
【0029】ラクトン類とは脂肪族環状エステルで炭素
数3〜12の化合物をいう。具体的な例として、β−プ
ロピオラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラク
トン、δ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、ε−
カプロラクトンなどが挙げられるがこれらに限定されな
い。とくにポリアミック酸の溶解性の点で、γ−ブチロ
ラクトンが好ましい。
【0030】本発明のカラーフィルターの着色層を形成
するのに用いる着色ペーストにおいて、ポリアミド酸と
顔料(もしくは遮光剤)は、通常、重量比で1:9〜
9:1、好ましくは2:8〜8:2、より好ましくは
3:7〜7:3の範囲で混合して用いられる。ポリアミ
ック酸の量が少なすぎると、着色被膜と基板との接着性
が不良となり、逆に顔料の量が少なすぎると着色度が問
題となる。また、該ペーストにおいては、塗工性、乾燥
性などの観点から、ポリアミック酸、顔料をあわせた固
形分濃度は、2〜30%、好ましくは3〜25%、さら
に好ましくは5〜20%の範囲で使用する。これらの顔
料はポリアミド酸溶液と混合することにより、着色液を
得る。この場合、顔料はポリアミド酸溶液中で分散して
も良く、あるいは顔料をあらかじめ溶媒で分散後、ポリ
アミド酸溶液と混合しても良い。これら製造方法の選択
については、顔料の種類により、適宜、適当なものを選
ぶことが好ましい。また、顔料の分散方法は特に限定さ
れず、ボールミル、サンドグラインダー、3本ロールミ
ル、高速度衝撃ミルなど、種々の方法がとりうる。
【0031】上記着色ペーストに用いられる溶媒に特に
制限はない。水および一般的な有機溶媒を用いることが
できる。画素のマトリクスの成分としてポリイミドを用
いる場合、着色ペーストに用いられる溶媒はポリアミド
酸を溶解する溶媒であることが望ましい。ポリアミド酸
を溶解する溶媒としては、N、N−ジメチルアセトアミ
ド、N、N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類、γ
−ブチロラクトンなどのラクトン類、2−ピロリドン、
N−メチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類などの
極性有機溶媒が挙げられる。また、通常、単独ではポリ
アミド酸を溶解しない、エタノール、ブタノール、イソ
プロパノールなどのアルコール類、メチルセルソルブ、
エチルセルソルブなどのセルソルブ類、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルなどのプロピレングリコール
誘導体類等の有機溶剤をポリアミド酸を溶解する溶媒と
混合して用いることができる。
【0032】本発明のペーストには、塗布性、着色被膜
の乾燥性の改良、あるいは、顔料(もしくは遮光剤)の
分散性を良好にする目的で、本発明のペーストに界面活
性剤を添加することもできる。界面活性剤の添加量は通
常、顔料の0.001〜10重量%、好ましくは、0.
01〜1重量%である。添加量が少なすぎると塗布性、
着色被膜の乾燥性の改良、あるいは顔料の分散性の改良
の効果がなく、多すぎると逆に塗布性が不良となった
り、顔料の凝集が起こる。界面活性剤の具体例として
は、ラウリル硫酸アンモニウム、ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどの陰イオ
ン界面活性剤、ステアリルアミンアセテート、ラウリル
トリメチルアンモニウムクロライドなどの陽イオン界面
活性剤、ラウリルジメチルアミンオキサイド、ラウリル
カルボキシメチルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタ
インなどの両性界面活性剤、ポリオキシエチレンラウリ
ルエ−テル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、
ソルビタンモノステアレートなどの非イオン界面活性剤
などが挙げられる。本発明ではこれらに限定されずに、
界面活性剤が1種または2種以上用いることができる。
界面活性剤の添加は、顔料の分散工程中またはその工程
前後のどの時点でも行うことができる。しかし、添加の
時点により顔料の分散性が変わる場合があるので、注意
を要する。
【0033】次に本発明のカラーフィルターの製造使用
方法の一例について説明する。基板上にポリイミド前駆
体と顔料から構成されてなる着色液で着色塗膜を形成す
る。基板としては通常、ソーダガラス、無アルカリガラ
ス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどが用いられる
が、これらに限定されない。塗布はスピンナー、スプレ
ー塗布、浸漬、ロールコーティング、バーコーティン
グ、ダイコーティングなどの方法が用いられる。乾燥
は、オーブン、ホットプレート、赤外線を使用し、50
〜180℃の範囲で数秒〜数時間行なうのが好ましい。
この上にパターン形成用のフォトレジストを塗布し、フ
ォトレジスト層を形成する。続いて露光装置を用い、該
フォトレジスト層被膜上にマスクを置き、化学線を照射
し、露光する。化学線としては紫外線、可視光線、電子
線、X線が例としてあげられるが、紫外線、可視光線が
好ましい。ポジ型フォトレジストを用いた場合には露光
後、該ポジ型フォトレジストの現像液で、フォトレジス
ト層の現像、ポリイミド前駆体の着色塗膜のエッチング
を同時に行う。エッチング後不要となった該フォトレジ
スト層を剥離する。通常、剥離はアセトン、セロソルブ
系などの溶剤が使用される。ポリイミド前駆体の着色塗
膜を熱処理し、着色塗膜のパターン加工を終える。熱処
理は温度を選び、段階的に昇温するかある温度範囲を選
び連続的に昇温しながら5分〜5時間実施する。この熱
処理の最高温度は、180〜400℃、好ましくは、1
80〜350℃で行うのがよい。例えば、130℃、2
00℃、300℃で各々30分熱処理する。また、室温
から300℃まで2時間かけて直線的に昇温してもよ
い。以上の工程を赤、緑、青の3色の着色組成物、また
は、黄、シアン、マゼンダおよび必要に応じてブラック
マトリクス(黒)について繰り返す。必要に応じてアク
リルポリマー、ポリシロキサン、ポリイミドなどからな
るオーバーコート膜を形成し、ITOなどの金属酸化膜
をスパッタすることにより、カラーフィルターが作成で
きる。モニター用またはテレビ用のカラーフィルターで
は、コントラストは800以上であることが好ましい。
【0034】本発明の液晶表示装置においては、本発明
のカラーフィルターを使用することが好ましい。本発明
のカラーフィルターは液晶を挟み込む透明基板のどちら
側に形成されても良い。すなわち、カラーフィルターを
TFTなどの能動素子が形成された基板側に作成する構
成(カラーフィルター・オン・アレイ:COA)にも採
用することができる。また、バックライトを備えた透過
型液晶表示装置だけでなく、外光を反射して使用する反
射型液晶表示装置にも採用することができる。
【0035】本発明の液晶表示装置の製造使用方法の一
例について説明する。ガラス上にTFTアレイを形成し
た基板を洗浄した後、配向膜を塗布、加熱する。その
後、直径5.5μmの球状スペーサーを散布し、前記カ
ラーフィルター基板と重ね合わせ、オーブン中で加圧し
ながら160℃で90分間加熱して、シール剤を硬化さ
せた。このセルに液晶注入を行った後、紫外線硬化樹脂
により液晶注入口を封口した。次に、偏光板をセルの2
枚のガラス基板の外側に貼り付け、さらに、得られたセ
ルをモジュール化して、液晶表示装置を完成させた。
【0036】本発明の液晶表示装置は、パソコン、ワー
ドプロセッサー、エンジニアリング・ワークステーショ
ン、ナビゲーションシステム、テレビ、ビデオなどの表
示に用いられ、光変調素子としても利用可能である。本
発明の液晶表示装置においては、色特性が良く、コント
ラストの高い表示を行うことが可能となる。特に、モニ
ター用またはテレビ用の液晶表示装置では、コントラス
トは400以上であることが好ましい。
【0037】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されない。また、実施
例における測定法は以下の通りである。
【0038】<コントラスト>バックライト(明拓シス
テム)上で色彩基時計(トプコムBM−5A)にて2度
視野で試料の平行ニコルの輝度と直行ニコルの輝度を測
定し、平行にニコルの輝度と直行ニコルの輝度との比を
コントラストとした。
【0039】<色度>大塚電子(株)製、“MCPD2
000”にて測定した。
【0040】<表面粗度>東京精密(株)製、“サーフ
コム1500A”にて中心線平均粗さを測定した。
【0041】実施例におけるポリアミド酸の原料および
溶媒は以下の通りである。 BTDA:3,3´,4,4´−ベンゾフェノンテトラカ
ルボン酸二無水物 PMDA:ピロメリット酸二無水物 DAE:ジアミノジフェニルエ−テル DDS:3,3´−ジアミノジフェニルスルホン SiDA:ビス−3−(アミノプロピル)テトラメチル
シロキサン MA:無水マレイン酸 NMP:N−メチル−2−ピロリドン γ−BL:γ−ブチロラクトン MMB:3−メチル−3−メトキシブタノール。
【0042】参考例1 ポリアミド酸溶液の合成 温度計、乾燥窒素導入口、温水・冷却水による加熱・冷
却装置、および、攪拌装置を付した反応釜に、DAE 1
50.0g(0.75mol)、DDS 49.6g(0.20mol)、SiDA
12.4g(0.05mol)をγ−BL 2730gと共に仕込み、BT
DA 161.0g(0.50mol)、PMDA 106.8g(0.49mol)を
添加し、60℃で5時間反応させた後、MA1.96g(0.02
mol)を添加し、さらに60℃で1時間反応させた後、粘
度15ポアズ(25℃)の15%ポリアミド酸溶液(P
I−1)を得た。
【0043】G.緑色着色膜の形成と評価 実施例1 PG−36 47.3g、PY−138 44.9g、PY−15
0 2.4g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−BL
1335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、
ミル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固形分
濃度7%分散液(GD−1)を得た。この分散液27.4g
にポリアミド酸(PI−1)12.51gをγ−ブチロラクト
ン2.77g、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール
6.48g、0.2%界面活性剤BYK361(BYK-Chemie社製)添加
γ−ブチロラクトン1.88gで希釈した溶媒を添加混合
し、着色組成物を得た。この着色剤組成物を用い、ガラ
ス基板上に仕上がりの輝度がy=0.590になるように塗布
し、120℃で20分乾燥、270℃で40分熱処理
し、ポリイミドに転換した。このようにして得られたG
塗膜は表面粗度0.004、コントラスト850の優れた特性を
示した。
【0044】実施例2 PG−36 47.3g、PY−138 42.5g、PY−15
0 4.7g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−BL
1335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、
ミル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固形分
濃度7%分散液(GD−2)を得た。分散液(GD−
2)を使用した以外は、実施例1と同様にして着色剤組
成物を作製し、G塗膜を作製した。このG塗膜は、表面
粗度0.002、コントラスト880の優れた特性を示した。
【0045】実施例3 PG−36 47.3g、PY−138 37.8g、PY−15
0 9.5g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−BL
1335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、
ミル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固形分
濃度7%分散液(GD−3)を得た。分散液(GD−
3)を使用した以外は、実施例1と同様にして着色剤組
成物を作製し、G塗膜を作製した。このG塗膜は、表面
粗度0.002、コントラスト1000の優れた特性を示した。
【0046】実施例4 PG−36 47.3g、PY−138 33.1g、PY−15
0 14.2g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−B
L 1335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込
み、ミル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固
形分濃度7%分散液(GD−4)を得た。分散液(GD
−4)を使用した以外は、実施例1と同様にして着色剤
組成物を作製し、G塗膜を作製した。このG塗膜は、表
面粗度0.006、コントラスト1200の優れた特性を示し
た。
【0047】実施例5 PG−36 52.0g、PY−138 33.1g、PY−15
0 4.7g、PY−129 4.7g、ポリアミド酸(PI
−1) 70.0g、γ−BL 1335.5gをジルコニアビ−ズ
1500gとともに仕込み、ミル型分散機を用い、3200rpm
で3時間分散し、固形分濃度7%分散液(GD−5)を
得た。分散液(GD−5)を使用した以外は、実施例1
と同様にして着色剤組成物を作製し、G塗膜を作製し
た。このG塗膜は、表面粗度0.004、コントラスト1000
の優れた特性を示した。
【0048】実施例6 PG−36 52.0g、PY−138 37.8g、PY−15
0 4.7g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−BL
1335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、
ミル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固形分
濃度7%分散液(GD−6)を得た。分散液(GD−
6)を使用した以外は、実施例1と同様にして着色剤組
成物を作製し、G塗膜を作製した。このG塗膜は、表面
粗度0.006、コントラスト850の優れた特性を示した。
【0049】実施例7 PG−36 56.7g、PY−138 28.4g、PY−15
0 9.4g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−BL
1335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、
ミル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固形分
濃度7%分散液(GD−7)を得た。分散液(GD−
7)を使用した以外は、実施例1と同様にして着色剤組
成物を作製し、G塗膜を作製した。このG塗膜は、表面
粗度0.008、コントラスト850の優れた特性を示した。
【0050】実施例8 PG−36 52.0g、PY−138 37.8g、PY−12
9 4.7g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−BL
1335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、
ミル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固形分
濃度7%分散液(GD−8)を得た。分散液(GD−
8)を使用した以外は、実施例1と同様にして着色剤組
成物を作製し、G塗膜を作製した。このG塗膜は、表面
粗度0.002、コントラスト1000の優れた特性を示した。
【0051】実施例9 PG−36 52.0g、PY−138 33.1g、PY−12
9 9.4g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−BL
1335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、
ミル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固形分
濃度7%分散液(GD−9)を得た。分散液(GD−
9)を使用した以外は、実施例1と同様にして着色剤組
成物を作製し、G塗膜を作製した。このG塗膜は、表面
粗度0.006、コントラスト1200の優れた特性を示した。
【0052】実施例10 PG−36 52.0g、PY−138 37.8g、PY−13
9 4.7g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−BL
1335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、
ミル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固形分
濃度7%分散液(GD−10)を得た。分散液(GD−
10)を使用した以外は、実施例1と同様にして着色剤
組成物を作製し、G塗膜を作製した。このG塗膜は、表
面粗度0.002、コントラスト900の優れた特性を示した。
【0053】実施例11 PG−36 52.0g、PY−138 37.8g、PY−18
5 4.7g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−BL
1335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、
ミル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固形分
濃度7%分散液(GD−11)を得た。分散液(GD−
11)を使用した以外は、実施例1と同様にして着色剤
組成物を作製し、G塗膜を作製した。このG塗膜は、表
面粗度0.002、コントラスト800の優れた特性を示した。
【0054】比較例1 PG−36 47.3g、PY−138 47.3g、ポリアミド
酸(PI−1) 70.0g、γ−BL 1335.5gをジルコニ
アビ−ズ 1500gとともに仕込み、ミル型分散機を用
い、3200rpmで3時間分散し、固形分濃度7%分散液
(GD−12)を得た。分散液(GD−12)を使用し
た以外は、実施例1と同様にして着色剤組成物を作製
し、G塗膜を作製した。このG塗膜は、表面粗度0.00
6、コントラスト500の低い値を示した。
【0055】比較例2 PG−36 47.3g、PY−138 45.8g、PY−15
0 1.4g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−BL
1335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、
ミル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固形分
濃度7%分散液(GD−13)を得た。分散液(GD−
13)を使用した以外は、実施例1と同様にして着色剤
組成物を作製し、G塗膜を作製した。このG塗膜は、表
面粗度0.004、コントラスト500の低い値を示した。
【0056】比較例3 PG−36 52.0g、PY−138 37.8g、PY−83
4.7g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−BL 1
335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、ミ
ル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固形分濃
度7%分散液(GD−14)を得た。分散液(GD−1
4)を使用した以外は、実施例1と同様にして着色剤組
成物を作製し、G塗膜を作製した。このG塗膜は、表面
粗度0.006、コントラスト500の低い値を示した。
【0057】比較例4 PG−36 52.0g、PY−138 37.8g、PY−11
0 4.7g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−BL
1335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、
ミル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固形分
濃度7%分散液(GD−15)を得た。分散液(GD−
15)を使用した以外は、実施例1と同様にして着色剤
組成物を作製し、G塗膜を作製した。このG塗膜は、表
面粗度0.006、コントラスト500の低い値を示した。
【0058】比較例5 PG−36 47.3g、PY−138 19.8g、PY−12
9 28.3g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−B
L 1335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込
み、ミル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固
形分濃度7%分散液(GD−16)を得た。分散液(G
D−16)を使用した以外は、実施例1と同様にして着
色剤組成物を作製し、G塗膜を作製した。このG塗膜
は、コントラスト1200を示すが、表面粗度0.030と大き
い値を示した。
【0059】比較例6 PG−36 70.9g、PY−138 18.9g、PY−15
0 4.7g、ポリアミド酸(PI−1) 70.0g、γ−BL
1335.5gをジルコニアビ−ズ 1500gとともに仕込み、
ミル型分散機を用い、3200rpmで3時間分散し、固形分
濃度7%分散液(GD−17)を得た。分散液(GD−
17)を使用した以外は、実施例1と同様にして着色剤
組成物を作製し、G塗膜を作製した。このG塗膜は、表
面粗度0.004、コントラスト550の低い値を示した。
【0060】以上、実施例1〜11、比較例1〜6の緑
色着色膜の輝度、コントラスト、表面粗度を表1に示
す。
【0061】
【表1】
【0062】PY150及び/またはPY129の含有
量が黄顔料全量の5%以上になると含有量の増加と共に
コントラストが向上し、含有量が黄顔料全量の20%以
上になるとコントラストは1000以上となり特に良好
であった。また、含有量が黄顔料全量の50%添加する
とコントラストの向上幅は大きくなるが、組成物の分散
の安定性が悪く、表面粗度が大きくなった。PY139
及び/またはPY185を含有する時も、コントラスト
が向上したが、PY83またはPY110を含有した時
は、コントラストの向上は見られなかった。
【0063】比較例6のように、黄顔料が全顔料中の3
0重量%以下の時は目的とする色度範囲にならず、明度
を表すY値も低下した。
【0064】H.カラーフィルターの作成と液晶表示装
置の作成 実施例12 膜厚1.0μmの樹脂ブラックマトリクスのパターンを
形成した無アルカリガラス基板(厚さ0.7mm)上に
緑色着色組成物(GD−1)をスピンコートし、50℃
で10分間、90℃で10分間、110℃で20分間オ
ーブンを用いて空気中で加熱乾燥して、膜厚1.5μm
のポリイミド前駆体着色膜を得た。この膜上にポジ型フ
ォトレジスト(東京応化社製OFPR−800)を塗布
し、80℃で20分間加熱乾燥して1.1μmのレジス
ト膜を得た。キャノン(株)製紫外線露光機PLA−5
01Fを用い、クロム製のフォトマスクを介して、波長
365nmでの強度が50mJ/cm2の紫外線を照射
した。露光後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキ
サイドの2.38wt%の水溶液からなる現像液に浸漬
し、フォトレジストおよびポリイミド前駆体着色膜の現
像を同時に行った。エッジング後、不要となったフォト
レジスト層をメチルセルソルブアセテートで剥離した。
さらに、このようにして得られたポリイミド前駆体着色
膜を窒素雰囲気中で300℃で30分間熱処理し、膜厚
1.2μmの緑着色膜のパターンを得た。その後、同様
にして、青色着色組成物、赤色着色組成物のそれぞれ、
膜厚1.2μmパターンを形成した。
【0065】トリメリット酸 65.05gをγ−ブチルラク
トン 280gに溶解した後に、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン 74.95gを添加し、120℃で2時間加熱
した。得られた溶液 20gにビスフェノキシエタノールフ
ルオレンジグリシジルエーテル7g、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル 15gを加えて、室温(約23℃)で
2時間撹拌した。得られた樹脂溶液組成物を前記カラー
フィルターにスピンコートし、100℃で5分、260
℃で30分加熱することにより、膜厚1.0μmのオー
バーコートとした。
【0066】次に、スパッタリング法により、オーバー
コート上にITOを製膜したところ、膜厚が1400オ
ングストロームで、表面抵抗が15Ω/□のITOが得
られた。以上の操作で赤、緑、青の3原色を有し、オー
バーコート、ITO付きのカラーフィルターを得た。
【0067】得られたカラーフィルターは色特性も良
く、コントラストの高い表示特性を得ることができた。
この時のカラーフィルターのコントラストは860であ
った。
【0068】実施例13 緑色着色組成物(GD−2)を用いた以外は、実施例1
2と同様の操作を行い、カラーフィルターを得た。得ら
れたカラーフィルターは色特性も良く、コントラストの
高い表示特性を得ることができた。この時のカラーフィ
ルターのコントラストは890であった。
【0069】実施例14 緑色着色組成物(GD−3)を用いた以外は、実施例1
2と同様の操作を行い、カラーフィルターを得た。得ら
れたカラーフィルターは色特性も良く、コントラストの
高い表示特性を得ることができた。この時のカラーフィ
ルターのコントラストは950であった。
【0070】実施例15 緑色着色組成物(GD−4)を用いた以外は、実施例1
2と同様の操作を行い、カラーフィルターを得た。得ら
れたカラーフィルターは色特性も良く、コントラストの
高い表示特性を得ることができた。この時のカラーフィ
ルターのコントラストは1070であった。
【0071】実施例16 緑色着色組成物(GD−5)を用いた以外は、実施例1
2と同様の操作を行い、カラーフィルターを得た。得ら
れたカラーフィルターは色特性も良く、コントラストの
高い表示特性を得ることができた。この時のカラーフィ
ルターのコントラストは950であった。
【0072】実施例17 緑色着色組成物(GD−6)を用いた以外は、実施例1
2と同様の操作を行い、カラーフィルターを得た。得ら
れたカラーフィルターは色特性も良く、コントラストの
高い表示特性を得ることができた。この時のカラーフィ
ルターのコントラストは860であった。
【0073】実施例18 緑色着色組成物(GD−7)を用いた以外は、実施例1
2と同様の操作を行い、カラーフィルターを得た。得ら
れたカラーフィルターは色特性も良く、コントラストの
高い表示特性を得ることができた。この時のカラーフィ
ルターのコントラストは950であった。
【0074】実施例19 緑色着色組成物(GD−8)を用いた以外は、実施例1
2と同様の操作を行い、カラーフィルターを得た。得ら
れたカラーフィルターは色特性も良く、コントラストの
高い表示特性を得ることができた。この時のカラーフィ
ルターのコントラストは950であった。
【0075】実施例20 緑色着色組成物(GD−9)を用いた以外は、実施例1
2と同様の操作を行い、カラーフィルターを得た。得ら
れたカラーフィルターは色特性も良く、コントラストの
高い表示特性を得ることができた。この時のカラーフィ
ルターのコントラストは1070であった。
【0076】実施例21 緑色着色組成物(GD−10)を用いた以外は、実施例
12と同様の操作を行い、カラーフィルターを得た。得
られたカラーフィルターは色特性も良く、コントラスト
の高い表示特性を得ることができた。この時のカラーフ
ィルターのコントラストは890であった。
【0077】実施例22 緑色着色組成物(GD−11)を用いた以外は、実施例
12と同様の操作を行い、カラーフィルターを得た。得
られたカラーフィルターは色特性も良く、コントラスト
の高い表示特性を得ることができた。この時のカラーフ
ィルターのコントラストは840であった。
【0078】比較例7 緑色着色組成物(GD−12)を用いた以外は、実施例
12と同様の操作を行い、カラーフィルターを得た。得
られたカラーフィルターは色特性は良いが、コントラス
トの低い表示特性であった。この時のカラーフィルター
のコントラストは660であった。
【0079】
【発明の効果】本発明により、分散性に優れた着色組成
物を提供し、さらに明るくコントラストの高い着色膜、
及びコントラストの高いカラーフィルターを得ることが
でき、ひいては表示特性の良好な液晶表示装置を得るこ
とができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03F 7/004 505 G03F 7/004 505 // G02F 1/1335 505 G02F 1/1335 505 Fターム(参考) 2H025 AA04 AA11 AB13 AC01 AD01 CC11 2H048 BA02 BA45 BA47 BB02 BB42 2H091 FA02 FB04 FB11 FD04 FD06 FD24 GA13 LA15 LA16 4J002 BE021 BG001 CC031 CC181 CF031 CF281 CK021 CL001 CM041 EU056 EU137 FD096 FD097 GP00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも緑顔料、黄顔料、ポリマー、
    および溶剤から構成されるカラーフィルター用緑着色組
    成物であって、該黄顔料全量の少なくとも50重量%以
    上がキノフタロン系黄顔料であり、かつ該黄顔料全量の
    少なくとも5重量%以上がバルビツル酸基を有する黄顔
    料及び/または金属錯塩黄顔料であることを特徴とする
    カラーフィルター用緑着色組成物。
  2. 【請求項2】 全黄顔料が顔料全量の30重量%以上で
    あることを特徴とする請求項1記載のカラーフィルター
    用緑着色組成物。
  3. 【請求項3】 キノフタロン系黄顔料がPY138であ
    ることを特徴とする請求項1、2いずれかに記載のカラ
    ーフィルター用緑着色組成物。
  4. 【請求項4】 バルビツル酸基を有する黄顔料が、PY
    139、PY150、PY185のいずれかであること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカラーフ
    ィルター用緑着色組成物。
  5. 【請求項5】 金属錯塩黄顔料が、PY129、PY1
    50のいずれかであることを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載のカラーフィルター用緑着色組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載のカラー
    フィルター用緑着色組成物を使用して作製したことを特
    徴とするカラーフィルター。
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