JP2003002973A - 球状シリコーン微粒子の製造方法 - Google Patents
球状シリコーン微粒子の製造方法Info
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- JP2003002973A JP2003002973A JP2001389658A JP2001389658A JP2003002973A JP 2003002973 A JP2003002973 A JP 2003002973A JP 2001389658 A JP2001389658 A JP 2001389658A JP 2001389658 A JP2001389658 A JP 2001389658A JP 2003002973 A JP2003002973 A JP 2003002973A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 収率を減らすことなく、また反応液を稀釈す
ることなく平均粒子径の小さい球状シリコーン微粒子を
得ること。 【解決手段】 オルガノトリアルコキシシランを、酸性
水中で加水分解して、シラノール溶液得、その溶液に、
アルカリ性水溶液を添加、混合し、静置状態で重縮合反
応させて球状シリコーン微粒子を形成させる球状シリコ
ーン微粒子の製造方法において、アルカリ性水溶液の添
加、混合の際、またはこれより前に、反応系に、水に易
溶性の有機溶剤を添加する。
ることなく平均粒子径の小さい球状シリコーン微粒子を
得ること。 【解決手段】 オルガノトリアルコキシシランを、酸性
水中で加水分解して、シラノール溶液得、その溶液に、
アルカリ性水溶液を添加、混合し、静置状態で重縮合反
応させて球状シリコーン微粒子を形成させる球状シリコ
ーン微粒子の製造方法において、アルカリ性水溶液の添
加、混合の際、またはこれより前に、反応系に、水に易
溶性の有機溶剤を添加する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球状シリコーン微
粒子の製造方法に関し、さらに詳しくは、平均粒子径の
小さい球状ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子を作
業効率よく製造する方法に関する。
粒子の製造方法に関し、さらに詳しくは、平均粒子径の
小さい球状ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子を作
業効率よく製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、球状ポリオルガノシルセスキ
オキサン微粒子を得る方法としては、例えば特開200
0−186148公報に開示された方法が知られてい
る。
オキサン微粒子を得る方法としては、例えば特開200
0−186148公報に開示された方法が知られてい
る。
【0003】この方法は、メチルトリアルコキシシラン
のようなオルガノトリアルコキシシランを、2〜600
μS/cmの電気伝導度に調整した酸性水中で加水分解
して、オルガノシラントリオールやその部分縮合物溶液
とし、この溶液にアルカリ性水溶液を添加、混合して静
置状態で重縮合反応させ、球状シリコーン微粒子を得る
方法である。
のようなオルガノトリアルコキシシランを、2〜600
μS/cmの電気伝導度に調整した酸性水中で加水分解
して、オルガノシラントリオールやその部分縮合物溶液
とし、この溶液にアルカリ性水溶液を添加、混合して静
置状態で重縮合反応させ、球状シリコーン微粒子を得る
方法である。
【0004】この方法によると粒径の揃った球状シリコ
ーン微粒子を得ることができ、また加水分解時の水の量
を制御することにより粒子径の制御もすることができ
る。
ーン微粒子を得ることができ、また加水分解時の水の量
を制御することにより粒子径の制御もすることができ
る。
【0005】しかしながら、この方法で粒子径の小さい
球状シリコーン微粒子を得るためには、希釈を行うか、
オルガノトリアルコキシシランの水に対する水の量を多
くしなければならないため、粒子径の小さい球状シリコ
ーン微粒子を製造する場合には、時間と装置容積に対す
る生産効率が低くなるという問題があった。
球状シリコーン微粒子を得るためには、希釈を行うか、
オルガノトリアルコキシシランの水に対する水の量を多
くしなければならないため、粒子径の小さい球状シリコ
ーン微粒子を製造する場合には、時間と装置容積に対す
る生産効率が低くなるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
の問題を解消するためになされたもので、平均粒子径が
0.1〜5μmの範囲の小径の球状シリコーン微粒子、
または平均粒子径が0.1〜5μmの範囲の小径の、し
かも平均粒子径に対する標準偏差の小さい、好ましくは
標準偏差が平均粒子径の10%以下に精密に制御された
球状シリコーン微粒子を効率よく製造できる方法を提供
することを目的とする。
の問題を解消するためになされたもので、平均粒子径が
0.1〜5μmの範囲の小径の球状シリコーン微粒子、
または平均粒子径が0.1〜5μmの範囲の小径の、し
かも平均粒子径に対する標準偏差の小さい、好ましくは
標準偏差が平均粒子径の10%以下に精密に制御された
球状シリコーン微粒子を効率よく製造できる方法を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成するために検討を重ねた結果、オルガノトリア
ルコキシシランを加水分解する前から加水分解により得
られたオルガノシラントリオールにアルカリ性水溶液を
加えるまでの間に、あるいはアルカリ性水溶液の添加と
同時に、水に易溶性の有機溶剤を添加することにより、
オルガノトリアルコキシシランの水に対する濃度を低く
することなく、得られる球状シリコーン微粒子、すなわ
ちポリメチルシルセスキオキサン微粒子の平均粒子径を
小さくできることを見出した。
的を達成するために検討を重ねた結果、オルガノトリア
ルコキシシランを加水分解する前から加水分解により得
られたオルガノシラントリオールにアルカリ性水溶液を
加えるまでの間に、あるいはアルカリ性水溶液の添加と
同時に、水に易溶性の有機溶剤を添加することにより、
オルガノトリアルコキシシランの水に対する濃度を低く
することなく、得られる球状シリコーン微粒子、すなわ
ちポリメチルシルセスキオキサン微粒子の平均粒子径を
小さくできることを見出した。
【0008】本発明は、かかる知見に基づいてなされた
もので、請求項1に記載の本発明の球状シリコーン微粒
子の製造方法は、(A)オルガノトリアルコキシシラン
を、酸性水中で加水分解して、オルガノシラントリオー
ルおよび/またはその部分縮合物の溶液(以下、単に、
シラノール溶液という)を得る工程と、(B)前記シラ
ノール溶液に、アルカリ性水溶液を添加、混合し、この
混合溶液を静置状態において、前記オルガノシラントリ
オールおよび/またはその部分縮合物を重縮合反応さ
せ、球状シリコーン微粒子を形成させる工程とを含む球
状シリコーン微粒子の製造方法において、前記(B)の
工程におけるアルカリ性水溶液の添加の際に、または前
記(B)の工程におけるアルカリ性水溶液の添加の前
に、反応系に、反応に使用するオルガノトリアルコキシ
シラン100重量部あたり5〜80重量部の水に易溶性
の有機溶剤を添加することを特徴としている。
もので、請求項1に記載の本発明の球状シリコーン微粒
子の製造方法は、(A)オルガノトリアルコキシシラン
を、酸性水中で加水分解して、オルガノシラントリオー
ルおよび/またはその部分縮合物の溶液(以下、単に、
シラノール溶液という)を得る工程と、(B)前記シラ
ノール溶液に、アルカリ性水溶液を添加、混合し、この
混合溶液を静置状態において、前記オルガノシラントリ
オールおよび/またはその部分縮合物を重縮合反応さ
せ、球状シリコーン微粒子を形成させる工程とを含む球
状シリコーン微粒子の製造方法において、前記(B)の
工程におけるアルカリ性水溶液の添加の際に、または前
記(B)の工程におけるアルカリ性水溶液の添加の前
に、反応系に、反応に使用するオルガノトリアルコキシ
シラン100重量部あたり5〜80重量部の水に易溶性
の有機溶剤を添加することを特徴としている。
【0009】この製造方法によると、平均粒子径が0.
1〜5μmの範囲の小径の球状シリコーン微粒子を得る
ことができる。
1〜5μmの範囲の小径の球状シリコーン微粒子を得る
ことができる。
【0010】また、請求項2に記載の本発明の球状シリ
コーン微粒子の製造方法は、(A)オルガノトリアルコ
キシシランを、2〜600μS/cmの電気伝導度に調
整した酸性水中で加水分解して、シラノール溶液を得る
工程と、(B)前記シラノール溶液に、アルカリ性水溶
液を添加、混合し、この混合溶液を静置状態において、
前記シラノール溶液を重縮合反応させ、球状シリコーン
微粒子を形成させる工程とを含む球状シリコーン微粒子
の製造方法において、前記(B)の工程におけるアルカ
リ性水溶液の添加の際に、または添加の前に、反応系
に、反応に使用するオルガノトリアルコキシシラン10
0重量部あたり5〜80重量部の水に易溶性の有機溶剤
を添加することを特徴としている。
コーン微粒子の製造方法は、(A)オルガノトリアルコ
キシシランを、2〜600μS/cmの電気伝導度に調
整した酸性水中で加水分解して、シラノール溶液を得る
工程と、(B)前記シラノール溶液に、アルカリ性水溶
液を添加、混合し、この混合溶液を静置状態において、
前記シラノール溶液を重縮合反応させ、球状シリコーン
微粒子を形成させる工程とを含む球状シリコーン微粒子
の製造方法において、前記(B)の工程におけるアルカ
リ性水溶液の添加の際に、または添加の前に、反応系
に、反応に使用するオルガノトリアルコキシシラン10
0重量部あたり5〜80重量部の水に易溶性の有機溶剤
を添加することを特徴としている。
【0011】この方法によると、平均粒子径が0.1〜
5μmの範囲の、より小径で、しかも平均粒子径に対す
る標準偏差の小さい球状シリコーン微粒子を得ることが
できる。
5μmの範囲の、より小径で、しかも平均粒子径に対す
る標準偏差の小さい球状シリコーン微粒子を得ることが
できる。
【0012】なお、本発明において、酸やアルカリの濃
度単位に電気伝導度を用いたのは、酸やアルカリの使用
量が非常に小さく重量単位では誤差が大きくなるためで
ある。
度単位に電気伝導度を用いたのは、酸やアルカリの使用
量が非常に小さく重量単位では誤差が大きくなるためで
ある。
【0013】本発明の球状シリコーン微粒子の製造方法
における(A)の工程は、オルガノトリアルコキシシラ
ンを、水に酸性触媒を加えた酸性水中で加水分解して、
シラノール溶液を得る工程である。
における(A)の工程は、オルガノトリアルコキシシラ
ンを、水に酸性触媒を加えた酸性水中で加水分解して、
シラノール溶液を得る工程である。
【0014】本発明に使用されるオルガノトリアルコキ
シシランとしては、次の一般式(I)で示されるオルガ
ノトリアルコキシシランが例示される。 R1 Si(OR2 )3 ……………(I) (式中、R1 は置換または非置換のアルキル基、アルケ
ニル基およびフェニル基からなる群から選ばれた1価の
基を表し、R2 は同一または異なる置換もしくは非置換
のアルキル基を表す)
シシランとしては、次の一般式(I)で示されるオルガ
ノトリアルコキシシランが例示される。 R1 Si(OR2 )3 ……………(I) (式中、R1 は置換または非置換のアルキル基、アルケ
ニル基およびフェニル基からなる群から選ばれた1価の
基を表し、R2 は同一または異なる置換もしくは非置換
のアルキル基を表す)
【0015】このオルガノトリアルコキシシランは、酸
性水中で加水分解して、次の一般式(II)で表されるオ
ルガノシラントリオールおよび/またはその部分縮合物
となる。 R1 Si(OH)3 ……………(II)
性水中で加水分解して、次の一般式(II)で表されるオ
ルガノシラントリオールおよび/またはその部分縮合物
となる。 R1 Si(OH)3 ……………(II)
【0016】前記一般式(I)におけるR1 としては、
メチル基が適しており、R2 としては、メチル、エチ
ル、ブチルのようなアルキル基;および2−メトキシエ
チル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2
−ブトキシエチルのようなアルコキシ置換炭化水素基が
例示され、加水分解速度が大きいことから、メチル、エ
チル、および2−メトキシエチル基が好ましく、特にメ
チル基が好ましい。好ましいメチルトリアルコキシシラ
ンとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メ
チルトリイソプロポキシシランおよびメチルトリス(2
−メトキシエトキシ)シランが例示され、1種または2
種以上混合したものが用いられる。
メチル基が適しており、R2 としては、メチル、エチ
ル、ブチルのようなアルキル基;および2−メトキシエ
チル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2
−ブトキシエチルのようなアルコキシ置換炭化水素基が
例示され、加水分解速度が大きいことから、メチル、エ
チル、および2−メトキシエチル基が好ましく、特にメ
チル基が好ましい。好ましいメチルトリアルコキシシラ
ンとしては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、メチルトリ−n−プロポキシシラン、メ
チルトリイソプロポキシシランおよびメチルトリス(2
−メトキシエトキシ)シランが例示され、1種または2
種以上混合したものが用いられる。
【0017】前記一般式(I)で示されるオルガノトリ
アルコキシシランとしては、例えば公知の方法によりオ
ルガノトリクロロシランを適当なアルコールでアルコキ
シ化したものが好適に使用される。
アルコキシシランとしては、例えば公知の方法によりオ
ルガノトリクロロシランを適当なアルコールでアルコキ
シ化したものが好適に使用される。
【0018】オルガノトリアルコキシシランの加水分解
は、水に酸性触媒を加えて酸性とした反応系で行われ
る。酸性触媒に用いる酸としては、有機酸、無機酸のい
ずれも使用可能である。
は、水に酸性触媒を加えて酸性とした反応系で行われ
る。酸性触媒に用いる酸としては、有機酸、無機酸のい
ずれも使用可能である。
【0019】有機酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、シュウ酸、クエン酸などが例示されるが、電気伝導
度の制御が容易で、かつ生成したポリメチルシラントリ
オールの部分縮合反応の制御が容易であることから、酢
酸が特に好ましい。
酸、シュウ酸、クエン酸などが例示されるが、電気伝導
度の制御が容易で、かつ生成したポリメチルシラントリ
オールの部分縮合反応の制御が容易であることから、酢
酸が特に好ましい。
【0020】無機酸としては、最終的に得られるポリメ
チルシルセスキオキサン微粒子の用途を制限するような
イオン性物質などの不純物を残さないものであれば、ど
のような無機酸も使用可能であるが、入手が容易である
ことから、塩酸が特に好ましい。
チルシルセスキオキサン微粒子の用途を制限するような
イオン性物質などの不純物を残さないものであれば、ど
のような無機酸も使用可能であるが、入手が容易である
ことから、塩酸が特に好ましい。
【0021】なお、オルガノトリアルコキシシランに不
純物として微量含有される塩化水素やメチルトリクロロ
シランのようなオルガノクロロシラン類の存在は、加水
分解に使用する水の電気伝導度を変動させ加水分解反応
に影響を与えて、最終的に得られるポリオルガノシルセ
スキオキサン微粒子の平均粒子径および、その標準偏差
の精密な制御という本発明の目的達成のための障害とな
るので、極力避けなければならない。
純物として微量含有される塩化水素やメチルトリクロロ
シランのようなオルガノクロロシラン類の存在は、加水
分解に使用する水の電気伝導度を変動させ加水分解反応
に影響を与えて、最終的に得られるポリオルガノシルセ
スキオキサン微粒子の平均粒子径および、その標準偏差
の精密な制御という本発明の目的達成のための障害とな
るので、極力避けなければならない。
【0022】加水分解に使用する水しては、電気伝導度
が2μS/cm未満のイオン交換水が適している。
が2μS/cm未満のイオン交換水が適している。
【0023】酸の使用量は、使用する水の量により異な
るため、酸を水に溶かした酸水溶液の電気伝導度により
管理することが望ましい。
るため、酸を水に溶かした酸水溶液の電気伝導度により
管理することが望ましい。
【0024】本発明における加水分解に用いる酸水溶液
の電気伝導度は、2〜600μS/cmの範囲とするこ
とが好ましい。電気伝導度が2μS/cm未満の場合、
十分な加水分解の進行が得られず、粒度分布の標準偏差
が平均粒子径の10%より大きい、つまり粒子径のばら
つきの大きいポリメチルシルセスキオキサン微粒子にな
りやすい。
の電気伝導度は、2〜600μS/cmの範囲とするこ
とが好ましい。電気伝導度が2μS/cm未満の場合、
十分な加水分解の進行が得られず、粒度分布の標準偏差
が平均粒子径の10%より大きい、つまり粒子径のばら
つきの大きいポリメチルシルセスキオキサン微粒子にな
りやすい。
【0025】また、電気伝導度が600μS/cmを超
える場合、加水分解反応が制御しづらく、最終的に得ら
れるポリアルキルシルセスキオキサン微粒子の平均粒子
径の任意の制御が困難になる。
える場合、加水分解反応が制御しづらく、最終的に得ら
れるポリアルキルシルセスキオキサン微粒子の平均粒子
径の任意の制御が困難になる。
【0026】加水分解反応に用いる水の量は、オルガノ
トリアルコキシシラン1モルに対して1〜50モルの範
囲にあることが好ましい。水の量が1モル未満の場合、
加水分解が十分に進行せず、50モルを超える場合に
は、最終的に得られるポリメチルシルセスキオキサン微
粒子の収量が低下して生産効率が低下するようになる。
トリアルコキシシラン1モルに対して1〜50モルの範
囲にあることが好ましい。水の量が1モル未満の場合、
加水分解が十分に進行せず、50モルを超える場合に
は、最終的に得られるポリメチルシルセスキオキサン微
粒子の収量が低下して生産効率が低下するようになる。
【0027】ポリアルキルシルセスキオキサン微粒子の
平均粒子径は、加水分解時に使用する水の量により制御
することができ、平均粒子径の標準偏差は、加水分解時
の電気伝導度により制御することができる。
平均粒子径は、加水分解時に使用する水の量により制御
することができ、平均粒子径の標準偏差は、加水分解時
の電気伝導度により制御することができる。
【0028】加水分解反応は特に制限されないが、オル
ガノシラントリオールおよび/またはその部分縮合物を
収率良く、なおかつ平均粒子径およびその標準偏差を精
度良く制御するには、10〜60℃の範囲の温度を1〜
6時間保持した状態で反応を行うことが好ましい。
ガノシラントリオールおよび/またはその部分縮合物を
収率良く、なおかつ平均粒子径およびその標準偏差を精
度良く制御するには、10〜60℃の範囲の温度を1〜
6時間保持した状態で反応を行うことが好ましい。
【0029】このようにして、第一工程で用いられたオ
ルガノトリアルコキシシランの加水分解によって、オル
ガノシラントリオールおよび/またはその部分縮合物
が、加水分解に消費された以外の過剰の水と反応によっ
て生成したアルコールとの混合液に溶解した溶液の形で
得られる。なお、後述するように、(A)の工程で反応
系に水に易溶性の有機溶剤を添加した場合には、溶液中
には添加された有機溶剤も存在することになる。
ルガノトリアルコキシシランの加水分解によって、オル
ガノシラントリオールおよび/またはその部分縮合物
が、加水分解に消費された以外の過剰の水と反応によっ
て生成したアルコールとの混合液に溶解した溶液の形で
得られる。なお、後述するように、(A)の工程で反応
系に水に易溶性の有機溶剤を添加した場合には、溶液中
には添加された有機溶剤も存在することになる。
【0030】本発明における(B)の工程は、(A)の
工程を終えたオルガノシラノール溶液にアルカリ性水溶
液を速やかに添加、混合し、均一に混合された反応系
を、さらに速やかに静置状態に置くことによって行われ
る。
工程を終えたオルガノシラノール溶液にアルカリ性水溶
液を速やかに添加、混合し、均一に混合された反応系
を、さらに速やかに静置状態に置くことによって行われ
る。
【0031】本発明における有機溶剤の添加は、(A)
の工程において使用する水にオルガノトリアルコキシシ
ランを添加する前の水の状態から、(B)の工程におけ
るアルカリ性水溶液の添加の時までの任意の段階で行う
ことが可能であるが、特に(B)の工程におけるアルカ
リ性水溶液の添加のタイミングに近いほど、平均粒子径
を小さくする効果が大きく、アルカリ性水溶液の添加と
同時に行うことが最も好ましい。
の工程において使用する水にオルガノトリアルコキシシ
ランを添加する前の水の状態から、(B)の工程におけ
るアルカリ性水溶液の添加の時までの任意の段階で行う
ことが可能であるが、特に(B)の工程におけるアルカ
リ性水溶液の添加のタイミングに近いほど、平均粒子径
を小さくする効果が大きく、アルカリ性水溶液の添加と
同時に行うことが最も好ましい。
【0032】本発明に使用される有機溶剤としては、水
に易溶性であれば種類は問わないが、添加する溶剤がア
ルコキシシラン由来のアルコールと同一である場合は、
アルカリ性水溶液の添加の直前あるいは添加と同時に行
わないとその効果が現れない。このような有機溶剤とし
ては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル(IPA)、t−ブチルアルコールのようなアルコー
ル類や、アセトンのようなケトン類が適している。
に易溶性であれば種類は問わないが、添加する溶剤がア
ルコキシシラン由来のアルコールと同一である場合は、
アルカリ性水溶液の添加の直前あるいは添加と同時に行
わないとその効果が現れない。このような有機溶剤とし
ては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコー
ル(IPA)、t−ブチルアルコールのようなアルコー
ル類や、アセトンのようなケトン類が適している。
【0033】また、資源の再利用の観点からは、添加す
る溶剤をアルコキシシラン由来のアルコールと同一にす
る方が好ましい。すなわち、この場合には添加した有機
溶剤と加水分解の副成物とが同じ種類のアルコールとな
るので、同じ蒸留操作で両方を同時に回収することがで
き、回収後も分留操作をすることなく、そのまま再利用
することが可能である。このような観点からは、メタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)
の使用が好ましい。
る溶剤をアルコキシシラン由来のアルコールと同一にす
る方が好ましい。すなわち、この場合には添加した有機
溶剤と加水分解の副成物とが同じ種類のアルコールとな
るので、同じ蒸留操作で両方を同時に回収することがで
き、回収後も分留操作をすることなく、そのまま再利用
することが可能である。このような観点からは、メタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール(IPA)
の使用が好ましい。
【0034】一方、粒径を小さくする効果は、アルコー
ルの炭素数が大きく、添加量が多いほど大きくなる。こ
の観点からは、t−ブチルアルコールの使用が好まし
い。
ルの炭素数が大きく、添加量が多いほど大きくなる。こ
の観点からは、t−ブチルアルコールの使用が好まし
い。
【0035】シラノール溶液に添加される水に易溶性の
有機溶剤の量は、使用したオルガノトリアルコキシシラ
ン100重量部あたり5〜80重量部、好ましくは10
〜70重量部である。この有機溶剤の量には、オルガノ
トリアルコキシシランの加水分解により副成したアルコ
ール類の量は含まれていない。
有機溶剤の量は、使用したオルガノトリアルコキシシラ
ン100重量部あたり5〜80重量部、好ましくは10
〜70重量部である。この有機溶剤の量には、オルガノ
トリアルコキシシランの加水分解により副成したアルコ
ール類の量は含まれていない。
【0036】本発明の製造方法の(B)の工程は、
(A)の工程で得られたシラノール溶液から、重縮合反
応により、球状ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子
を得る工程である。
(A)の工程で得られたシラノール溶液から、重縮合反
応により、球状ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子
を得る工程である。
【0037】(B)の工程に用いられるアルカリ性水溶
液は、塩基性を示す水溶液であればよい。このアルカリ
性水溶液は、(A)の工程で用いられた酸の中和剤とし
て作用するとともに、オルガノシラントリオールおよび
/またはその部分縮合物の重縮合反応の触媒としても作
用する。
液は、塩基性を示す水溶液であればよい。このアルカリ
性水溶液は、(A)の工程で用いられた酸の中和剤とし
て作用するとともに、オルガノシラントリオールおよび
/またはその部分縮合物の重縮合反応の触媒としても作
用する。
【0038】このようなアルカリ性水溶液に用いるアル
カリ性物質としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;ア
ンモニア;およびモノメチルアミン、ジメチルアミンの
ような有機アミン類を例示することができる。これらの
中でも、得られる球状ポリオルガノシルセスキオキサン
微粒子の用途を制限するような微量の不純物を残さない
ことから、アンモニアおよび有機アミン類が好ましく、
除去が容易なことからアンモニアが特に好ましい。
カリ性物質としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;ア
ンモニア;およびモノメチルアミン、ジメチルアミンの
ような有機アミン類を例示することができる。これらの
中でも、得られる球状ポリオルガノシルセスキオキサン
微粒子の用途を制限するような微量の不純物を残さない
ことから、アンモニアおよび有機アミン類が好ましく、
除去が容易なことからアンモニアが特に好ましい。
【0039】アルカリ性水溶液の使用量は、酸を中和す
るとともに、重縮合反応の触媒として有効に作用する量
であり、また速やかに添加、混合し、均一に混合された
反応系を、ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子の生
成・析出の前に速やかに静置状態に置くことが可能な時
間を維持できる量である。
るとともに、重縮合反応の触媒として有効に作用する量
であり、また速やかに添加、混合し、均一に混合された
反応系を、ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子の生
成・析出の前に速やかに静置状態に置くことが可能な時
間を維持できる量である。
【0040】すなわち、中和に必要な量を超えることを
前提として、たとえば、濃度0.1〜0.5%のアンモ
ニア水溶液を、(A)の工程で得られたシラノール溶液
100重量部に対して、0.5〜5重量部添加する。
前提として、たとえば、濃度0.1〜0.5%のアンモ
ニア水溶液を、(A)の工程で得られたシラノール溶液
100重量部に対して、0.5〜5重量部添加する。
【0041】(B)の工程における理論樹脂濃度は、2
0%以下が好ましく、より好ましくは10%以下であ
る。
0%以下が好ましく、より好ましくは10%以下であ
る。
【0042】(B)の工程においては、シラノール溶液
を反応容器に仕込み、該シラノール溶液中に、上記のア
ルカリ性溶液、またはアルカリ性溶液と水に易溶性の有
機溶剤を添加して、撹拌などの任意の手段により、速や
かに均一に混合する。添加方法は、最小限の混合時間内
に有効に添加できる方法であれば特に限定されず、シラ
ノール溶液の上から添加しても、ノズルなどを介してシ
ラノール溶液中に送入してもよい。混合時間は、アルカ
リ触媒を反応系に溶解させるのに必要な、適切には最小
限の時間であり、たとえば、5〜30℃好ましくは10
〜20℃の温度において、添加時間を含めて0.5〜1
0分、好ましくは0.5〜3分かけて行う。
を反応容器に仕込み、該シラノール溶液中に、上記のア
ルカリ性溶液、またはアルカリ性溶液と水に易溶性の有
機溶剤を添加して、撹拌などの任意の手段により、速や
かに均一に混合する。添加方法は、最小限の混合時間内
に有効に添加できる方法であれば特に限定されず、シラ
ノール溶液の上から添加しても、ノズルなどを介してシ
ラノール溶液中に送入してもよい。混合時間は、アルカ
リ触媒を反応系に溶解させるのに必要な、適切には最小
限の時間であり、たとえば、5〜30℃好ましくは10
〜20℃の温度において、添加時間を含めて0.5〜1
0分、好ましくは0.5〜3分かけて行う。
【0043】反応系を均一に混合した後、系を静置し
て、重縮合を完結させる。静置は、好ましい平均粒子径
および平均粒子径の10%以下の標準偏差を可能にし、
時間と装置容積に対する効率も優れることから、たとえ
ば上記の混合温度のまま2〜24時間、好ましくは2〜
10時間行う。
て、重縮合を完結させる。静置は、好ましい平均粒子径
および平均粒子径の10%以下の標準偏差を可能にし、
時間と装置容積に対する効率も優れることから、たとえ
ば上記の混合温度のまま2〜24時間、好ましくは2〜
10時間行う。
【0044】標準偏差の小さい微粉末を得るには、静置
状態の確立完了から微粒子の生成・析出までの時間的な
間隔が大きいほうが好ましい。
状態の確立完了から微粒子の生成・析出までの時間的な
間隔が大きいほうが好ましい。
【0045】(B)の工程の重縮合反応により、球状ポ
リオルガノシルセスキオキサン微粒子を、水/アルコー
ル混合液中にディスバージョンまたはゾルとして得るこ
とができる。
リオルガノシルセスキオキサン微粒子を、水/アルコー
ル混合液中にディスバージョンまたはゾルとして得るこ
とができる。
【0046】本発明によって得られる球状シリコーン微
粒子は球状ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子であ
り、この球状シリコーン微粒子は、ディスバージョンま
たはゾルの形のまま用いることができ、また、必要に応
じて、さらにろ過、乾燥、解砕などの適当な処理を施し
て、微粉体として回収することもできる。
粒子は球状ポリオルガノシルセスキオキサン微粒子であ
り、この球状シリコーン微粒子は、ディスバージョンま
たはゾルの形のまま用いることができ、また、必要に応
じて、さらにろ過、乾燥、解砕などの適当な処理を施し
て、微粉体として回収することもできる。
【0047】
【発明の実施形態】以下、実施例および比較例によっ
て、本発明をさらに詳しく説明する。これらの例におい
て、部は重量部を表す。本発明は、これらの実施例によ
って限定されるものではない。
て、本発明をさらに詳しく説明する。これらの例におい
て、部は重量部を表す。本発明は、これらの実施例によ
って限定されるものではない。
【0048】実施例1
[(A)工程]温度計、還流器および撹拌器を備えた反
応容器に、電気伝導度計(東亜電波工業(株)製 CM
‐11P)を用いて測定した電気伝導度が1.02μS
/cmの水360部を仕込み、酢酸を添加して混合溶液
の電気伝導度を5.19μS/cmとした。
応容器に、電気伝導度計(東亜電波工業(株)製 CM
‐11P)を用いて測定した電気伝導度が1.02μS
/cmの水360部を仕込み、酢酸を添加して混合溶液
の電気伝導度を5.19μS/cmとした。
【0049】この溶液を25℃で撹拌しながら、この中
にメチルトリメトキシシラン60部を添加したところ、
加水分解が進行し、約15分で温度が35℃まで上昇し
た。さらに撹拌を2時間継続したのち、18℃まで冷却
してシラノール溶液を得た。
にメチルトリメトキシシラン60部を添加したところ、
加水分解が進行し、約15分で温度が35℃まで上昇し
た。さらに撹拌を2時間継続したのち、18℃まで冷却
してシラノール溶液を得た。
【0050】[(B)工程](A)の工程で得られたシ
ラノール溶液の電気伝導度は3.76μS/cmであっ
た。次いで、このシラノール溶液を18℃で撹拌しなが
ら、イソプロピルアルコール(IPA)10部と0.4
%のアンモニア水溶液3部を同時に添加し、3分間撹拌
したのち、撹拌を停止して4時間静置した。
ラノール溶液の電気伝導度は3.76μS/cmであっ
た。次いで、このシラノール溶液を18℃で撹拌しなが
ら、イソプロピルアルコール(IPA)10部と0.4
%のアンモニア水溶液3部を同時に添加し、3分間撹拌
したのち、撹拌を停止して4時間静置した。
【0051】この工程において、アンモニア水溶液を添
加して約20分後に粒子が祈出して反応容器全体が白濁
した。この反応溶液を4時間静置した後、200メッシ
ュの金網を通過させてから、吸引ろ過を行い湿ケーキを
得た。これを200℃で12時間乾燥し、白色粉末を得
た。
加して約20分後に粒子が祈出して反応容器全体が白濁
した。この反応溶液を4時間静置した後、200メッシ
ュの金網を通過させてから、吸引ろ過を行い湿ケーキを
得た。これを200℃で12時間乾燥し、白色粉末を得
た。
【0052】この粉末を電子顕微鏡で観察したところ粒
子形状は真球状であった。また、この粉末を粒度分布測
定装置(COULTER(株)製 LS100Q)を用
い、屈折率を1.425に設定して測定したところ、平
均粒子径は2.53μm、標準偏差は0.24μmであ
った。
子形状は真球状であった。また、この粉末を粒度分布測
定装置(COULTER(株)製 LS100Q)を用
い、屈折率を1.425に設定して測定したところ、平
均粒子径は2.53μm、標準偏差は0.24μmであ
った。
【0053】この粉末を磁性るつぼに入れ、空気中で9
00℃に加熱して熱分解させたところ、残量は89.0
%であった。これはポリメチルシルセスキオキサンが酸
化熱分解して二酸化ケイ素になる理論量の89.6%に
近い値である。また、この熱分解物をX線分析した結
果、非晶質シリカであることが確認された。
00℃に加熱して熱分解させたところ、残量は89.0
%であった。これはポリメチルシルセスキオキサンが酸
化熱分解して二酸化ケイ素になる理論量の89.6%に
近い値である。また、この熱分解物をX線分析した結
果、非晶質シリカであることが確認された。
【0054】実施例2
イソプロピルアルコールの添加量を35部とした以外は
実施例1と同様にして、球状シリコーン微粒子を得た。
実施例1と同様にして、球状シリコーン微粒子を得た。
【0055】実施例3
イソプロピルアルコールの添加の時期を、0.4%のア
ンモニア水溶液添加の30分前にした以外は実施例1と
同様にして、球状シリコーン微粒子を得た。
ンモニア水溶液添加の30分前にした以外は実施例1と
同様にして、球状シリコーン微粒子を得た。
【0056】実施例4
イソプロピルアルコールの添加の時期を、オルガノトリ
アルコキシシラン添加の直前にした以外は実施例1と同
様にして、球状シリコーン微粒子を得た。
アルコキシシラン添加の直前にした以外は実施例1と同
様にして、球状シリコーン微粒子を得た。
【0057】実施例5
添加する有機溶剤をメチルアルコール10部とした以外
は実施例1と同様にして、球状シリコーン微粒子を得
た。
は実施例1と同様にして、球状シリコーン微粒子を得
た。
【0058】実施例6
添加する有機溶剤をt−ブチルアルコール10部とし、
0.4%のアンモニア水溶液の添加量を20部とした以
外は実施例1と同様にして、球状シリコーン微粒子を得
た。
0.4%のアンモニア水溶液の添加量を20部とした以
外は実施例1と同様にして、球状シリコーン微粒子を得
た。
【0059】比較例1
有機溶剤を添加しないこと以外は実施例1と同様にし
て、球状シリコーン微粒子を得た。
て、球状シリコーン微粒子を得た。
【0060】比較例2
0.4%のアンモニア水溶液の添加量を20部とした以
外は比較例1と同様にして、球状シリコーン微粒子を得
た。
外は比較例1と同様にして、球状シリコーン微粒子を得
た。
【0061】各実施例および各比較例で得られた球状シ
リコーン微粒子の平均粒子径および標準偏差を、出発物
質、有機溶剤添加のタイミングとともに表1に示す。
リコーン微粒子の平均粒子径および標準偏差を、出発物
質、有機溶剤添加のタイミングとともに表1に示す。
【0062】
【表1】
これらの実施例および比較例から、有機溶剤の添加の有
無により、また添加する有機溶剤の種類と添加のタイミ
ングにより、得られる球状シリコーン微粒子の平均粒子
径が小さくなることがわかる。そのうえ、実施例によれ
ば、標準偏差が平均粒子径の10%以下と粒子径のばら
つきの小さい球状シリコーン微粒子が得られる。
無により、また添加する有機溶剤の種類と添加のタイミ
ングにより、得られる球状シリコーン微粒子の平均粒子
径が小さくなることがわかる。そのうえ、実施例によれ
ば、標準偏差が平均粒子径の10%以下と粒子径のばら
つきの小さい球状シリコーン微粒子が得られる。
【0063】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、球状シリコ
ーン微粒子の時間と装置容積に対する生産効率を低下さ
せることなく、より平均粒子径の小さい球状シリコーン
微粒子を製造することができる。
ーン微粒子の時間と装置容積に対する生産効率を低下さ
せることなく、より平均粒子径の小さい球状シリコーン
微粒子を製造することができる。
【0064】本発明の製造方法によって得られた球状ポ
リメチルシルセスキオキサン微粒子は、有機溶媒に不溶
で、しかも非溶融性であり、その表面は撥水性および潤
滑性に優れ、無機系粉末より比重が小さい一方で、有機
系粉末より耐熱性に優れ、そのうえ凝集性が少なく、分
散性に優れるという特徴を有している。さらに最大の特
徴として、平均粒子径の標準偏差が極めて小さく制御さ
れることによる粒子径の均一化により、滑り性およびこ
ろがり性付与にすぐれ、なおかつ均一な光反射あるいは
光拡散作用を有する。
リメチルシルセスキオキサン微粒子は、有機溶媒に不溶
で、しかも非溶融性であり、その表面は撥水性および潤
滑性に優れ、無機系粉末より比重が小さい一方で、有機
系粉末より耐熱性に優れ、そのうえ凝集性が少なく、分
散性に優れるという特徴を有している。さらに最大の特
徴として、平均粒子径の標準偏差が極めて小さく制御さ
れることによる粒子径の均一化により、滑り性およびこ
ろがり性付与にすぐれ、なおかつ均一な光反射あるいは
光拡散作用を有する。
【0065】したがって、このような特徴を生かして、
塗料、プラスチック、ゴム、紙、化粧品などに充填剤や
滑り性向上剤として、あるいは光学液晶表示装置への光
拡散機能付加を目的としたプラスチック改質用添加剤と
して有用である。
塗料、プラスチック、ゴム、紙、化粧品などに充填剤や
滑り性向上剤として、あるいは光学液晶表示装置への光
拡散機能付加を目的としたプラスチック改質用添加剤と
して有用である。
Claims (5)
- 【請求項1】 (A)オルガノトリアルコキシシラン
を、酸性水中で加水分解して、オルガノシラントリオー
ルおよび/またはその部分縮合物の溶液を得る工程と、
(B)前記オルガノシラントリオールおよび/またはそ
の部分縮合物の溶液に、アルカリ性水溶液を添加、混合
し、この混合溶液を静置状態において、前記オルガノシ
ラントリオールおよび/またはその部分縮合物を重縮合
反応させ、球状シリコーン微粒子を形成させる工程とを
含む球状シリコーン微粒子の製造方法において、 前記(B)の工程におけるアルカリ性水溶液の添加の際
に、または前記(B)の工程におけるアルカリ性水溶液
の添加の前に、反応系に、反応に使用するオルガノトリ
アルコキシシラン100重量部あたり5〜80重量部の
水に易溶性の有機溶剤を添加することを特徴とする球状
シリコーン微粒子の製造方法。 - 【請求項2】 (A)オルガノトリアルコキシシラン
を、2〜600μS/cmの電気伝導度に調整した酸性
水中で加水分解して、オルガノシラントリオールおよび
/またはその部分縮合物の溶液を得る工程と、(B)前
記オルガノシラントリオールおよび/またはその部分縮
合物の溶液に、アルカリ性水溶液を添加、混合し、この
混合溶液を静置状態において、前記オルガノシラントリ
オールおよび/またはその部分縮合物を重縮合反応さ
せ、球状シリコーン微粒子を形成させる工程とを含む球
状シリコーン微粒子の製造方法において、 前記(B)の工程におけるアルカリ性水溶液の添加の際
に、または添加の前に、反応系に、反応に使用するオル
ガノトリアルコキシシラン100重量部あたり5〜80
重量部の水に易溶性の有機溶剤を添加することを特徴と
する球状シリコーン微粒子の製造方法。 - 【請求項3】 前記水に易溶性の有機溶剤が、炭素数が
2以上の1価のアルコールであることを特徴とする請求
項1または2記載の球状シリコーン微粒子の製造方法。 - 【請求項4】 前記オルガノトリアルコキシシランが、
メチルトリメトキシシランであることを特徴とする請求
項1乃至3のいずれか1項記載の球状シリコーン微粒子
の製造方法。 - 【請求項5】 加水分解に使用される水が、酸性にされ
る前の電気伝導度が2μS/cm未満のイオン交換水で
あることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記
載の球状シリコーン微粒子の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001389658A JP2003002973A (ja) | 2001-04-18 | 2001-12-21 | 球状シリコーン微粒子の製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-120249 | 2001-04-18 | ||
JP2001120249 | 2001-04-18 | ||
JP2001389658A JP2003002973A (ja) | 2001-04-18 | 2001-12-21 | 球状シリコーン微粒子の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003002973A true JP2003002973A (ja) | 2003-01-08 |
Family
ID=26613795
Family Applications (1)
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JP2001389658A Pending JP2003002973A (ja) | 2001-04-18 | 2001-12-21 | 球状シリコーン微粒子の製造方法 |
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---|---|
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- 2001-12-21 JP JP2001389658A patent/JP2003002973A/ja active Pending
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