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JP2002540772A - 線状および環状発現エレメント - Google Patents

線状および環状発現エレメント

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Publication number
JP2002540772A
JP2002540772A JP2000606760A JP2000606760A JP2002540772A JP 2002540772 A JP2002540772 A JP 2002540772A JP 2000606760 A JP2000606760 A JP 2000606760A JP 2000606760 A JP2000606760 A JP 2000606760A JP 2002540772 A JP2002540772 A JP 2002540772A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
promoter
linear
nucleic acid
terminator
expression
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000606760A
Other languages
English (en)
Inventor
キャサリン エフ. サイケス,
ステファン エイ. ジョンストン,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Texas System
Original Assignee
University of Texas System
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Texas System filed Critical University of Texas System
Publication of JP2002540772A publication Critical patent/JP2002540772A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6897Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids involving reporter genes operably linked to promoters
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/64General methods for preparing the vector, for introducing it into the cell or for selecting the vector-containing host
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
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    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/63Introduction of foreign genetic material using vectors; Vectors; Use of hosts therefor; Regulation of expression
    • C12N15/79Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts
    • C12N15/82Vectors or expression systems specially adapted for eukaryotic hosts for plant cells, e.g. plant artificial chromosomes (PACs)

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、線状発現エレメント(LEE)および環状発現エレメント(CEE)に関し、これらは種々の分子生物プロトコルにおいて有用である。特に、本発明は、遺伝子機能、遺伝子機能の生物学的効果、抗原、およびプロモーター機能をスクリーニングするためのLEEおよびCEEの使用に関する。本発明はまた、タンパク質、抗体、抗原、およびワクチンを産生する方法を提供する。また、本発明は、LEEおよびCEEを作製する方法、ならびにそのような方法によって産生されたLEEおよびCEEに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) 本出願は、米国仮出願第60/125,864号(1999年3月24日出願
)および米国仮出願第60/127,222号(1999年3月31出願)の優
先権を主張し、それらの各々の開示は、その全体において本明細書中に参考とし
て詳細に援用される。
【0002】 政府は、DARPA連邦助成金番号BAA 96−24に応じて、本発明にお
いて権利を所有する。
【0003】 (1.発明の分野) 本発明は、一般に、分子生物学および機能ゲノム学の分野に関する。より詳細
には、本発明は、遺伝子または遺伝子成分の機能的効果または生物学的効果につ
いて遺伝子または遺伝子成分をスクリーニングする方法、および免疫応答または
免疫試薬を生成する方法に関する。
【0004】 (2.関連技術の説明) ゲノム配列決定の尽力は、多くのデータを生成している。配列情報は、ヒトの
みからだけではなく、植物、動物および微生物からも集められている。この豊富
なデータは、現在利用可能である数百万の遺伝子を分析し、そして機能的に評価
するための新規技術についての必要性を生み出した。機能ゲノム学が適用される
領域の拡大するレパートリーは、進化への新しい洞察を生じ、細胞経路の統合様
式を明らかにし、そして新規な薬物およびワクチンを生み出すはずである。現在
の挑戦は、これらの進歩を可能にする技術を開発することである。
【0005】 例えば、現在、公的な領域およびさらなる計画において少なくとも30の微生
物のゲノム配列が進行中である。これらのほとんどは、ヒトまたは商業動物の病
原体である。1つのしばしば表明される希望は、これらの配列の知識が、これら
の病原体に対するワクチンの開発を導くことである。コンピュータ解析が有用で
あり得るが、より的確なアプローチは、保護因子としてのその価値のために、動
物における全ての病原体からの各々の遺伝子を機能的にスクリーニングすること
である。しかし、現在の方法を使用すると、各病原体からの数千の遺伝子をクロ
ーニングし、次いでこれらから適切な試薬を調製する時間および費用が、非常に
かさむ。
【0006】 任意の特定の遺伝子産物の活性またはそれに対する生理学的応答を迅速かつ効
果的に評価するために、プラスミドおよび細菌のクローニング手順を回避するア
ッセイ方法が、必要とされる。この理想的な方法はまた、配列決定計画からの多
量の新規遺伝子が、生物、細胞または無細胞系において迅速にスクリーニングさ
れることを可能にする。
【0007】 (発明の要旨) 本発明は、完全な遺伝子(プロモーター、コード領域、およびターミネーター
)を含む、線状(linear)発現エレメント(「LEE」)および/または
環状(circular)発現エレメント(「CEE」)の産生を可能にする方
法および組成物を決定した。これらのLEEおよびCEEは、細胞またはインタ
クトな生物に直接的に導入され、そして発現され、標準的なスーパーコイル状の
複製性プラスミドからの発現レベルに匹敵する発現レベルを生じ得る。
【0008】 いくつかの一般的な実施形態において、本発明は、プロモーターまたは推定プ
ロモーターおよびORFまたは推定ORFを含む、線状または環状の核酸セグメ
ントからの少なくとも1つのポリペプチドの発現の産生または調節についてアッ
セイする方法に関する。これらの方法としては、以下が挙げられ得る:a)プロ
モーターまたは推定プロモーターおよびペプチドをコードするORFまたは推定
ORFを含む、少なくとも1つの線状または環状核酸セグメントを得る工程;b
)ORFからのポリペプチドの発現を行う条件下に、核酸セグメントを配置する
工程;ならびにc)ORFまたは推定ORFからのポリペプチドの発現の産生ま
たは調節についてアッセイする工程。多くの好ましい実施形態において、この核
酸セグメントは、ターミネーターを含む。しかし、線状核酸セグメントが無細胞
発現系においてアッセイされる適用を含むいくつかの適用において、ターミネー
ターは、必要とされない。いくつかの場合、この線状核酸は、PCR(登録商標
)プロセスによって得られる。他の状況において、この線状核酸は、プラスミド
、染色体、または核酸の他のより大きな片から切断され得;これらの場合には、
核酸のより大きな片から切断された線状核酸は、代表的には、既に作動可能な関
係にある、プロモーターおよびORF、ならびに多くの場合には、ターミネータ
ーを含む。
【0009】 もちろん、当業者は、プロモーターまたは推定プロモーターおよび任意のター
ミネーターが、代表的には、本明細書中に開示される方法または当業者に公知の
方法を用いて、ORFまたは推定ORFに作動可能な関係で配置されることを理
解する。
【0010】 多くの場合、線状核酸セグメントは、合成によって得られる。いくつかの好ま
しい方法において、この合成は、ORFへのプロモーターの非共有結合を含む。
例えば、この非共有結合は、以下の工程によって行われ得る:a)核酸セグメン
トを含むPCR(登録商標)産物を得る工程であって、このPCR(登録商標)
産物が、デオキシウリジンを含む相補的なストレッチを有する少なくとも1つの
プライマーから増幅させ、ウラシルDNAグリコシラーゼを用いてプロモーター
が連結し得る突出部を作製することによって得られる、工程;b)プロモーター
を提供する工程;およびc)このプロモーターを核酸セグメントに非共有結合さ
せて、線状または環状発現エレメントを作製する工程。多くの場合に、ターミネ
ーターは、同様の技術を使用して、ORFに非共有結合されるが、ORFまたは
推定ORFは、ORFに組み込まれたターミネーターを有し得、その結果、ター
ミネーターの付加が必要とされ得ないことが可能である。いくつかの現在用いら
れている実施形態において、相補的なストレッチを有するプライマーは、デオキ
シウリジンを含む。これらのストレッチは、ウラシル−DNAグリコシラーゼ、
または別の適切な酵素を使用して、プロモーターが非共有結合し得る突出部を作
製して、線状または環状発現エレメントの作製を可能にする。ORFへのターミ
ネーターの非共有結合は、ほとんど同じ技術によって達成され得る。もちろん、
他のヌクレオチド/酵素の対が、この非共有結合を行うために使用され得ること
、および非共有結合の他の技術が、本発明の目的が達成される限り用いられ得る
ことを、当業者は理解する。いくつかの特定の実施形態において、このプライマ
ーは、このプロモーターおよびこのターミネーターをORFに非共有結合する工
程が環状発現エレメントを生じるように、互いに異なる配向(divergen
t orientation)においてプロモーターおよびターミネーターを含
む。
【0011】 プロモーターは、本発明の目的のために機能する任意の起源のプロモーターで
あり得るが、いくつかの実施形態において、このプロモーターは、真核生物プロ
モーターである。同様に、ターミネーターは、任意の供給源のターミネーターで
あり得るが、いくつかの場合には、このターミネーターは、真核生物ターミネー
ターである。
【0012】 ORF、推定ORF、またはLEEもしくはCEEに含まれる任意の他の核酸
セグメントを含む核酸セグメントは、任意の種々の供給源から得られ得る。例え
ば、これは、プロモーターから切り出された線状核酸セグメントからPCR(登
録商標)によって得られ得るか、または合成によって得られ得る。
【0013】 本発明に従ういくつかの方法において、LEEまたはCEEを形成する核酸セ
グメントは、ORFまたは推定ORFからのポリペプチドの発現を行う条件下の
細胞中に配置される。いくつかの好ましい実施形態において、線状核酸は、細胞
中に配置されるが、細胞のゲノムには組み込まれない。本発明者らは、ゲノムへ
の組み込みが、線状核酸の発現に必要とされないことを決定した。さらに、本発
明者らは、スーパーコイル状のプラスミドが遺伝子の発現に必要とされないこと
を決定した。いくつかの実施形態において、細胞は、細胞培養物においてである
が、一方、細胞は、組織または生物全体に含まれる。全ての生物(動物、哺乳動
物、魚類、鳥類、爬虫類、ヒト、ウサギ、ラット、ハムスター、マウスおよび他
の細胞を含むがこれらに限定されない)が、この点に関して意図される。本発明
のLEEおよびCEEは、本明細書中の他の箇所に記載される任意の技術を使用
して、細胞中に配置され得る。いくつかの好ましい実施形態において、LEEま
たはCEEは、細胞中に注入される。いくつかの特に好ましい実施形態において
、注入は、マイクロプロジェクタイルボンバードメント(microproje
ctile bombardment)を含む。他の実施形態において、LEE
またはCEEは、無細胞発現反応に置かれ得る。
【0014】 核酸配列を分析する方法に関する種々の好ましい実施形態としては、以下が挙
げられる:a)核酸セグメントを得る工程;b)核酸セグメントを、プロモータ
ーおよびターミネーターに連結して、線状または環状発現エレメントを作製する
工程;c)線状または環状発現エレメントを、無細胞発現系に、または核酸セグ
メントによってコードされる任意の産物の発現を行う条件下の細胞に提供する工
程;ならびにd)この核酸配列によってコードされる任意の産物の任意の発現を
分析する工程。これらの方法に用いられる核酸セグメントは、上記の様式、およ
び本明細書の他の箇所に記載される様式において得られ得る。同様に、プロモー
ターおよびターミネーターの連結は、他の箇所に記載されるように、非共有結合
であり得る。いくつかの実施形態において、ここで核酸配列は、例えば、この核
酸がポリペプチドをコードするか否かを決定するために、機能について分析され
るORFを含む。これらの方法はまた、ORFが抗原性ポリペプチドをコードす
るか否かを決定すること、および/またはこのポリペプチドの生物学的特性を決
定することを可能にする。例えば、線状もしくは環状発現エレメント、またはそ
れらの中に含まれるORFが、ワクチンにおける使用のために適切であるか否か
を決定し得る。これらの方法の利点は、1よりも多い異なる核酸セグメントが、
単一の手順において分析されるということである。
【0015】 上記および本明細書の他の箇所で議論されるように、本発明の方法は、ORF
または推定ORFにコードされ得るポリペプチドの発現をアッセイする工程を含
み得る。いくつかの好ましい実施形態において、この方法は、ポリペプチドの発
現をアッセイする工程を含み;いくつかの場合、このようなアッセイする工程は
、ポリペプチドの同定を含む。他の実施形態は、ORFにコードされるレポータ
ー遺伝子産物の発現をアッセイする工程を含み得る。
【0016】 なお他の特定の実施形態は、プロモーターの機能についてアッセイする工程を
含む。例えば、プロモーターの機能は、ORFにコードされるレポーター遺伝子
産物が、発現されるか否かを決定することによってアッセイされ得る。レポータ
ー遺伝子は、レポーター遺伝子の上流に配置された一般的なDNAプロモーター
が機能的である条件下でのみ現れる容易に検出可能な表現型を、その組換え宿主
に対して付与する遺伝子である。一般に、レポーター遺伝子は、細胞培養物の分
析によって(例えば、細胞培養物の蛍光比色分析、放射性同位体分析、または分
光測光分析によって)検出可能である、それ以外には宿主細胞によって産生され
ないポリペプチド(マーカータンパク質)をコードする。いくつかの実施形態に
おいて、プロモーター機能の評価は、機能がアッセイされる2以上の推定プロモ
ーターの機能を比較する工程を包含する。この様式において、本発明は、特定の
系において機能について種々のプロモーターをスクリーニングする効率的な様式
を提供する。例えば、種々の供給源由来のプロモーターのライブラリーは、特定
の系に対して最適なプロモーターが決定されるように評価され得る。あるいは、
特定のプロモーターの種々の変異体が、プロモーター活性を有するか否かを決定
するためにアッセイされ得る。このようなアッセイを行うために、標準的な分子
生物学的手段を使用して、種々の線状核酸セグメント(これらの各々は、推定プ
ロモーターまたはプロモーター、およびポリペプチドをコードするレポーター遺
伝子を含む)を構築し得る。次いで、この種々の線状核酸は、レポーター遺伝子
の発現について調べることによってそれらの機能の評価を可能にする系に導入さ
れ得る。
【0017】 ORFまたは推定ORFの分析を可能にすることに加えて、本発明は、プロモ
ーターとしての活性について、核酸セグメントを分析する方法を提供する。この
方法は、以下を包含する:a)推定プロモーターをコードする核酸セグメントを
得る工程;b)推定プロモーターをコードする核酸セグメントを、ポリペプチド
をコードする核酸に連結して、線状または環状発現エレメントを作製する工程;
c)線状または環状発現エレメントを、無細胞系に、またはポリペプチドの発現
を行う条件下の細胞に提供する工程;ならびにd)ポリペプチドの任意の発現を
分析する工程。例えば、プロモーターの機能は、ORFにコードされるレポータ
ー遺伝子産物が発現されるか否かを決定することによってアッセイされ得る。レ
ポーター遺伝子は、レポーター遺伝子の上流に配置される一般的なDNAプロモ
ーターが機能的である条件下でのみ現れる容易に検出可能な表現型を、その組換
え宿主に付与する遺伝子である。一般に、レポーター遺伝子は、細胞培養物の分
析によって(例えば、細胞培養物の蛍光比色分析、放射性同位体分析、または分
光測光分析によって)検出可能である、それ以外には宿主細胞によって産生され
ないポリペプチド(マーカータンパク質)をコードする。いくつかの実施形態に
おいて、プロモーター機能の評価は、機能がアッセイされる2以上の推定プロモ
ーターの機能を比較する工程を包含する。この様式において、本発明は、特定の
系において機能について種々のプロモーターをスクリーニングする効率的な様式
を提供する。例えば、種々の供給源由来のプロモーターのライブラリーは、特定
の系に対して最適なプロモーターが決定されるように評価され得る。あるいは、
特定のプロモーターの種々の変異体が、プロモーター活性を有するか否かを決定
するためにアッセイされ得る。このようなアッセイを行うために、標準的な分子
生物学的手段を使用して、種々の線状核酸セグメント(これらの各々は、推定プ
ロモーターまたはプロモーター、およびポリペプチドをコードするレポーター遺
伝子を含む)を構築し得る。次いで、この種々の線状核酸は、レポーター遺伝子
の発現について調べることによってそれらの機能の評価を可能にする系に導入さ
れ得る。この様式において、プロモーターまたは推定プロモーターの機能につい
てアッセイし、そしてORFにコードされるレポーター遺伝子産物が発現される
か否かを決定することによって、このプロモーターまたは推定プロモーターが機
能的であるか否か、および任意のこのような機能の程度を決定し得る。いくつか
の実施形態において、この方法は、2以上の推定プロモーターの機能を比較する
ために使用され得る。推定プロモーターをコードする1よりも多い異なる核酸セ
グメントが、単一の手順において分析され得ることは、有利である。推定プロモ
ーターをコードする核酸は、例えば、ネイティブなプロモーター配列の変異によ
って調製されるか、または化学合成によって調製される、ネイティブな核酸であ
り得る。当業者は、このこれらの技術を使用して、任意の供給源からのプロモー
ターまたは推定プロモーターを試験および最適化し得る。
【0018】 さらなる実施形態において、本発明は、生物学的応答についてスクリーニング
する方法に関する。この方法は、以下を包含する:a)ORFを含むDNAセグ
メントを得ること;ORFをプロモーターおよびターミネーターに連結して、線
状または環状発現エレメントを作製すること、を含むプロセスによって、線状ま
たは環状発現エレメントを得る工程;ならびにb)ORFによってコードされる
任意の産物の発現を行う条件下で、生物に発現エレメントを提供する工程。この
ような場合、1よりも多い型の線状または環状発現エレメントが、生物に導入さ
れる。これらの方法は、例えば、生物学的機能が免疫応答を生じることである場
合に、分析の目的のために、抗体を産生する方法を含み得る。他の実施形態にお
いて、これらの方法は、以下に記載されるように、生物をワクチン接種する方法
を提供し得る。
【0019】 いくつかの特定の実施形態において、本発明は、生物のワクチン接種を可能に
する。これは、ORFを含むDNAセグメントを得ること、およびORFをプロ
モーターおよびターミネーターに連結して、線状または環状発現エレメントを作
製すること、を含むプロセスによって、線状または環状発現エレメントを得る工
程;ならびにc)ORFによってコードされる任意の産物の発現を行う条件下で
、生物に発現エレメントを提供する工程であって、その結果、免疫応答が、動物
において生じる、工程、を包含する。このようなワクチンにおいて、1より多い
型の線状または環状発現エレメントが、1より多い感染性因子、癌、もしくは他
の疾患に対して、または単一の感染性因子、癌、もしくは他の疾患に由来する種
々の抗原に対して指向され得る多価ワクチンを作製するために、生物に導入され
る。例えば、複数の型の線状または環状発現エレメントが、生物に導入され得、
そして複数の型の線状または環状発現エレメントは、病原体の異なるポリペプチ
ドをコードするエレメントを含み得る。当業者は、病原体が任意の形態の病原体
であり得、いくつかの好ましい実施形態では、この病原体は、ウイルス、細菌、
真菌、藻類、原生動物、節足動物、線虫、扁形動物、または植物であることを理
解する。さらにより特定の実施形態において、ウイルスの全ての潜在的なアレル
ゲンをコードする、個々の線状または環状発現エレメントは、複数の型の線状ま
たは環状発現エレメントに含まれる。ORFはまた、当業者に公知のように、癌
、または別の疾患に対するワクチン接種に有用であるポリペプチドをコードし得
る。
【0020】 本発明はまた、生物における病原体、癌、または他の疾患に特異的な免疫応答
を生成するに効果的なORFを選択する方法を意図する。この方法は、以下を包
含する:a)病原体、癌または他の疾患由来のORFを含む複数のDNAセグメ
ントを含む、複数の線状または環状発現エレメントを調製する工程;b)複数の
線状または環状発現エレメントを生物に導入する工程;ならびにc)複数の線状
または環状発現エレメントから、上記の免疫応答を生成するに効果的であるOR
Fを選択する工程。このような方法はさらに、病原体を用いるチャレンジに対し
て上記の生物を試験する工程であって、この生物は、この病原体を用いるチャレ
ンジに対して保護される、工程、を包含し得る。この様式において、保護応答を
付与する1以上の抗原が、生物のスクリーニングによって同定され得る。
【0021】 本発明はまた、線状または環状発現エレメント、ならびに線状または環状発現
エレメントを産生する方法に関する。例えば、このような方法は、以下を包含し
得る:a)ORF、推定ORFまたは他の配列を含むDNAセグメントを得る工
程;ならびにb)このDNAセグメントを、プロモーターおよびターミネーター
に連結して、線状または環状発現エレメントを作製する工程。いくつかの場合に
おいて、DNAセグメントは、PCR(登録商標)を含むプロセスから得られ、
そしていくつかの特定の実施形態において、このPCR(登録商標)反応は、デ
オキシウリジンを取り込んでいる相補的なストレッチを有するオリゴヌクレオチ
ドでプライムされる。例えば、デオキシウリジンは、相補的なストレッチの第3
の位置毎に取り込まれ得る。ORFは、プロモーターおよびターミネーターに非
共有結合され得、そしてこの非共有結合は、本明細書の他の箇所に記載されるよ
うに行われ得る。
【0022】 いくつかの特定の実施形態において、本発明は、ORFならびにこのORFに
非共有結合したプロモーターおよびターミネーターを含むDNAセグメントを含
む、線状または環状発現エレメントに関する。他の局面において、本発明は、上
記の方法を用いて調製、アッセイまたは決定される、抗体、抗原、およびワクチ
ンに関する。
【0023】 本明細書中の明細書で使用される場合、「a」または「an」は、1以上を意
味し得る。用語が「a」または「an」を含んで使用されるときには、本細書中
の特許請求の範囲で使用される場合、用語「a」または「an」は、1以上を意
味し得る。
【0024】 (例示的な実施形態の説明) ますます利用可能になっているゲノム配列情報は、遺伝子機能を効率的に評価
し、そしてこれらの機能を研究する試薬を調製するための新規方法に対する必要
性を強調している。この開示された方法および組成物は、任意のオープンリーデ
ィングフレーム(ORF)(例えば、PCR(登録商標)増幅ORF)を真核生
物プロモーターおよびターミネーターに非共有結合することを可能にする。これ
らの迅速に連結されたフラグメントは、局所的な遺伝子発現を生じるために、動
物に直接的に注射され得る。ORFは、哺乳動物プロモーターおよびターミネー
ター配列に単純に付着させることによって、コードされる外来タンパク質に対す
る抗体を生じるために、マウスに注射され得ることもまた実証されている。この
技術は、多数の遺伝子を、それらの機能についてインビボで迅速にスクリーニン
グすること、またはクローニング、細菌での増殖、もしくはタンパク質精製を必
要とせずに、それらに対して免疫応答を生成することを可能にする。
【0025】 トランスフェクションおよび発現のための遺伝子の調製は、クローニング、次
いで細菌からのプラスミド構築物の増幅および精製と同義になった。このプロセ
スは、時間、金銭を消費し、そして細菌での増殖に固有の偏り、毒性、および汚
染リスクを有する多くの工程を含み得る。本発明者らは、これらの取り組みを合
理化する2方面のストラテジーを開発した。いくつかの実施形態において、これ
は、以下に基づいている:1)細菌での増殖を必要としない、生物への遺伝子発
現単位の送達、ならびに2)プロモーター、遺伝子、およびターミネーターのカ
セット様連結。発現のビヒクルとしての、PCR(登録商標)産物、制限フラグ
メントまたは化学的に合成された遺伝子の効率的な使用は、通常のクローニング
方法によって可能ではない規模、純度および時間枠で、遺伝子構築物を作製する
ことを可能にする。このプロトコルは、いくつかの他の利点を有する。遺伝子が
、細菌を用いることなく生成されるので、細菌増殖に伴う問題(例えば、毒性、
致死性、または安定性)が、回避される。個々のPCR(登録商標)産物が、プ
ラスミドにおいて単離され、そして増殖される、従来のクローニングとは対照的
に、この方法は、増幅されたサンプル全体を導入して、それによって任意の特定
のPCR(登録商標)が変異を保有するという問題を回避する。この1本のチュ
ーブでの無生物プロトコルは、ロボットによる取り扱いおよびハイスループット
スクリーニングに採用され得る。最終的には、合成遺伝子は、免疫応答の惹起に
おけるアジュバントとして、非メチル化プリン(CpG)の利点を維持する(S
atoら、1996)。
【0026】 このプロトコルは、いくつかの様式において有用である。第1に、ゲノムデー
タベースは、生物の各遺伝子を増幅するようにオリゴが設計されることを可能に
する。以下の実施例に示されるように、dU残基およびUDG酵素を使用して、
付着性の配列を作製した。これは非常に効果的であり、一方、比較的高レベルの
レポーター遺伝子発現もまた、酵素処理をしなくとも観察した。これは、内因性
UDGに曝すことによって、インビボでのアニーリングおよび粘着末端の連結が
可能になるということであり得る。LEEは、同様のレベルの遺伝子活性で作製
される、2または3のいずれかのPCR(登録商標)産物から構築する。
【0027】 各ORFが作製され、選択されたプロモーターおよびターミネーターにアニー
ルされ、次いで試験細胞、組織または生物に直接導入され得るか、または無細胞
系に使用され得る。LEEおよびCEEは、個別に、またはプールにおいてスク
リーニングされ得る。この方法に関しては、例えば、生物の全ての遺伝子が、遺
伝子ワクチンとして生物(例えば、動物)に、数日間に導入され得ることが想像
される。その後、この動物は、どの遺伝子が疾患に対して保護するかを決定する
ために、病原体でチャレンジされ得る。保護プールからの個々のLEEまたはC
EEの単離が、プラスミドライブラリーについて以前に記載されたように行われ
得る(Barryら、1995)。
【0028】 第2の適用は、免疫学的試薬の開発においてである。LEEおよびCEEは、
ORFに対する抗体を生成するために使用され得る。全ての病原体のORFに対
する抗体が、生成され得、どのタンパク質が目的の任意の病原体段階に存在する
かを解明するために、免疫局在分析において病原体に感染した組織をプローブす
るために使用され得る。同定された遺伝子産物は、優れたワクチン候補または薬
物標的である。あるいは、抗体が、診断上または治療上での価値のためにスクリ
ーニングされ得る。
【0029】 第3の適用は、遺伝子産物の発現によって引き起こされる他の生理学的応答に
ついてスクリーニングすることである。
【0030】 LEEおよびCEEの第4の適用は、変化したプロモーター機能についてスク
リーニングすることである。欠失または変異を含むプロモーターのライブラリー
は、レポーター遺伝子に連結され、そして関連のある動物/植物の組織または細
胞培養物に直接導入される。例えば、レポーター活性は、遺伝子発現レベル、細
胞型特異的発現、または処理(例えば、薬物)に対する応答をモニターするため
に使用され得る。このプロトコルは、組織への直接の導入のための任意の設計の
発現エレメントを作製するための効率的かつ迅速な方法を可能にすることから、
これは、他の適用に適用可能である。
【0031】 LEEおよびCEEの第5の適用は、無細胞発現系においてであり得る。イン
ビトロで転写/翻訳されたLEEおよびCEEは、ORFの任意のメンバーによ
ってコードされるタンパク質を迅速かつ系統的に作製するために使用され得る。
このタンパク質は、目的の機能または活性(例えば、薬物または他のタンパク質
標的を結合する能力)についてスクリーニングされ得る。
【0032】 (A.プロモーター) 本発明の特定の局面において、用いられるLEEまたはCEEは、少なくとも
1つのプロモーターを含む。「プロモーター」は、転写の開始および頻度が制御
される核酸配列の領域である制御配列である。これは、調節タンパク質および分
子(例えば、RNAポリメラーゼおよび他の転写因子)が結合し得る遺伝子エレ
メントを含み得る。句「作動可能に配置されている(された)」、「作動可能に
連結された(した)」、「制御下」、および「転写制御下」は、プロモーターが
核酸配列(すなわち、ORF)の転写の開始および/または発現を制御するため
に、その配列に対して、正確な機能的位置および/または配向にあることを意味
する。プロモーターは、「エンハンサー」(これは、核酸配列の転写活性化に関
与するシス作用性調節配列をいう)とともに、使用されても、使用されなくとも
よい。
【0033】 特定の利点は、コード核酸セグメントを、組換えプロモーターまたは異種プロ
モーター(これは、その天然の環境において、核酸配列に通常付随していないプ
ロモーターをいう)の制御下に配置することによって得られる。組換えエンハン
サーまたは組換えエンハンサーはまた、その天然の環境において核酸配列に天然
に付随していないエンハンサーをいう。このようなプロモーターまたはエンハン
サーは、他の遺伝子のプロモーターまたはエンハンサー、および任意の他の原核
生物細胞、ウイルス性細胞、または真核生物細胞から単離されたプロモーターお
よびエンハンサー、ならびに「天然に存在しない」(すなわち、異なる転写調節
領域の異なるエレメント、および/または発現を変化させる変異を含む)プロモ
ーターまたはエンハンサーを含み得る。プロモーターおよびエンハンサーの核酸
配列を化学的に産生することに加えて、配列は、本明細書中に開示される組成物
(例えば、米国特許第4,683,202号および同第5,928,906号(
各々は、本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)とともに、組換え
クローニングおよび/または核酸増幅技術(PCT(登録商標)を含む)を使用
して産生され得る。さらに、配列の転写および/または発現を、非核オルガネラ
(例えば、ミトコンドリア、葉緑体など)内に指向する制御配列も、同様に用い
られ得ることが意図される。しかし、特定の実施形態において、プロモーターは
、コードセグメントおよび/またはエキソンの上流に位置する5’−非コード配
列を単離することによって得られ得るように、遺伝子または配列と天然に付随し
ているプロモーターであり得る。このようなプロモーターは、「内因性」といわ
れる。同様に、エンハンサーは、核酸配列の下流または上流に位置する、その配
列に天然に付随しているエンハンサーであり得る。
【0034】 天然には、発現のために選択されたオルガネラ、細胞、組織および生物におけ
るDNAセグメントの発現を効率的に指向するプロモーターおよび/またはエン
ハンサーを用いることが、重要である。分子生物学の当業者は、一般に、タンパ
ク質発現のための、プロモーター、エンハンサー、および細胞型の組合せの使用
を理解している(例えば、Sambrookら(1989)(本明細書中に参考
として援用される)を参照のこと)。用いられるプロモーターは、構成的、組織
特異的、誘導性、および/または導入されたDNAセグメントの高レベル発現を
指向する適切な条件下で有用なものであり得、このことは、例えば、組換えタン
パク質および/またはペプチドの大規模産生に有利である。プロモーターは、異
種であっても、内因性であってもよい。
【0035】 表1は、遺伝子の発現を調節するために、本発明の状況において用いられ得る
いくつかのエレメント/プロモーターを列挙している。この表は、発現の促進に
関与する全ての可能性のあるエレメントを挙げることを意図せずに、単に、それ
らの例示を意図する。表2は、特定の刺激に応じて活性化され得る核酸配列の領
域である、誘導性エレメントの非限定的な例を提供する。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】 特定の実施形態において、プロモーターは、伸長因子1a(EF1a)、誘導
性プロモーター(例えば、tetR)、RU486系またはメリステロン(me
risterone)系のプロモーターであり得る。
【0038】 組織特異的プロモーターまたはエレメントの同定、およびそれらの機能を特徴
付けるアッセイは、当業者に周知である。このような領域の例としては、ヒトL
IMK2遺伝子(Nomotoら、1999)、ソマトスタチンレセプター2遺
伝子(Krausら、1998)、マウス精巣上体レチノイン酸結合遺伝子(L
areyreら、1999)、ヒトCD4(Zhao−Emonetら、199
8)、マウスα2(XI)コラーゲン(Tsumakiら、1998)、D1A
ドパミンレセプター遺伝子(Leeら、1997)、インスリン様増殖因子II
(Wuら、1997)、ヒト血小板内皮細胞接着分子−1(Almendroら
、1996)が挙げられる。
【0039】 (B.終結シグナル) 本発明のLEEおよびCEEは、一般に、少なくとも1つの終結シグナルを含
む。ターミネーターは、RNAポリメラーゼによるRNA転写物の特異的な終結
に関与するDNA配列から構成される。従って、特定の実施形態において、RN
A転写物の生成を終了する終結シグナルが、意図される。しかし、真核生物系に
おいて、ターミネーター領域はまた、ポリアデニル化部位を曝するように、新規
転写物の部位特異的切断を可能にする特定のDNA配列を含み得る。これは、転
写物の3’端に、約200A残基のストレッチ(ポリA)を付加するように、特
殊化された内因性ポリメラーゼに合図する。このポリAテイルで改変されたRN
A分子は、より安定のようであり、そしてより効率的に翻訳される。従って、真
核生物が関与する他の実施形態において、そのターミネーターは、RNAの切断
のためのシグナルを含むことが好ましく、そしてそのターミネーターシグナルは
、メッセージのポリアデニル化を促進することが、より好ましい。
【0040】 本発明の使用に意図されるターミネーターは、本明細書中に記載されるか、ま
たは当業者に公知である、任意の公知の転写ターミネーターを含む。このターミ
ネーターとしては、例えば、ヒト成長ホルモンの終結配列およびポリアデニル化
部位;アクチンまたはチューブリンを含むがこれらに限定されないハウスキーピ
ング遺伝子の終結配列;あるいはウイルス性終結配列、が挙げられるがこれらに
限定されない。真核生物ウイルス(例えば、SV40、MMTV、ポリオーマま
たはHIV);あるいは配列の短縮化に起因するような、転写配列または翻訳配
列の欠損、が挙げられるがこれらに限定されない。
【0041】 (C.LEEおよびCEEのさらなる成分) LEEおよびCEEはさらに、遺伝子発現に関与する少なくとも1つのさらな
る調節配列エレメント、またはLEEまたはCEEの構築または分析を補助する
少なくとも1つのさらなる配列エレメントを含み得る。これらのさらなるエレメ
ントは、LEE配列またはCEE配列の発現および/または翻訳を増強または停
止し得るか、遺伝子産物の免疫原性を増強し得るか、遺伝子産物を細胞内に指向
し得るか、あるいはLEEまたはCEEの調製または分析を補助し得る。さらな
る配列エレメントは、少なくとも1つの開始シグナル、少なくとも1つの内部リ
ボソーム結合部位、少なくとも1つのマルチクローニング部位、少なくとも1つ
のスプライシング部位、少なくとも1つのマーカー(例えば、選択マーカーまた
はスクリーニングマーカー)、あるいはそれらの任意の組合せを含み得るがこれ
らに限定されない。さらなるエレメントは、LEEまたはCEEの構築において
、ORFに付加される5’配列および/または3’配列に含まれ得る。
【0042】 (1.開始シグナルおよびリボソーム結合部位) 特定の実施形態において、LEEまたはCEEは、少なくとも1つの開始シグ
ナル、および/または少なくとも1つの内部リボソーム結合部位を含み得る。特
定の局面において、特定の開始シグナルは、コード配列の効率的な翻訳に必要と
され得る。これらのシグナルは、ATG開始コドンまたは隣接配列を含む。外因
性翻訳制御シグナル(ATG開始コドンを含む)が、提供されることを必要とし
得る。当業者は、これを容易に決定して、そして必要なシグナルを提供し得る。
開始コドンは、挿入物全体の翻訳を保障するために、所望のコード配列のリーデ
ィングフレームと「インフレーム(in−frame)」でなければならないが
周知である。外因性翻訳制御シグナルおよび開始コドンは、天然または合成のい
ずれかであり得る。発現効率は、適切な転写エンハンサーエレメントを含ませる
ことによって増強され得る。
【0043】 本発明の特定の実施形態において、内部リボソーム侵入部位(IRES)の使
用は、多重遺伝子(multigene)またはポリシストロン性メッセージを
作製するために使用される。IRESエレメントは、5’メチル化Cap依存性
翻訳のリボソームスキャニングモデルを迂回し、そして内部部位で翻訳を開始し
得る(PelletierおよびSonenberg、1988)。ピコナウイ
ルスファミリーの2つのメンバー(ポリオおよび脳心筋炎)に由来するIRES
エレメント(PelletierおよびSonenberg,1998)、なら
びに哺乳動物のメッセージに由来するIRES(MacejakおよびSarn
ow、1991)が、記載されている。IRESエレメントは、異種オープンリ
ーディングフレームに連結され得る。複数のオープンリーディングフレーム(各
々は、IRESによって分離されている)が、一緒に転写され得、ポリシストロ
ン性メッセージを生成する。IRESエレメントによって、各オープンリーディ
ングフレームフレームは、効率的な翻訳のためにリボソームに接近可能である。
複数の遺伝子は、単一のメッセージを転写するために、単一のプロモーター/エ
ンハンサーを使用して効率的に発現され得る(米国特許第5,925,565号
および同5,935,819号(本明細書中に参考として援用される)を参照の
こと)。
【0044】 (マルチクローニング部位) 特定の実施形態において、LEEまたはCEEは、少なくとも1つのマルチク
ローニング部位を含み得る。マルチクローニング部位(MCS)は、複数の制限
酵素部位を含む核酸領域であり、この制限酵素のいずれかが、構築物を消化する
標準的な組換え技術とともに使用される(Carbonelliら、1999,
Levensonら、1998およびCocea,1997(本明細書中に参考
として援用される)を参照のこと)。「制限酵素消化」は、核酸分子の特定の位
置のみで機能する酵素による、核酸分子の触媒的切断をいう。多くのこれらの制
限酵素は、市販されている。このような酵素の使用は、当業者によって広範に理
解される。しばしば、構築物は、外因性配列が構築物に連結されることを可能に
するために、MCS内で切断する制限酵素を使用して、線状化またはフラグメン
ト化される。「連結」は、2つの核酸フラグメント(これは、互いに連続してい
ても、連続していなくともよい)の間にホスホジエステル結合を形成するプロセ
スをいう。制限酵素および連結反応に関する技術は、組換え技術の当業者に周知
である。特定の局面において、LEEまたはCEEは、サイズ分析または配列決
定のために、ORFに含まれるような種々の配列を放出するように消化され得る
【0045】 (3.スプライシング部位) 転写されるほとんどの真核生物RNA分子は、RNAスプライシングを受けて
、1次転写物からイントロンを除去する。ゲノム真核生物配列を含む構築物は、
タンパク質発現のために、転写物の適切なプロセシングを保障するようにドナー
スプライシング部位および/またはアクセプタースプライシング部位を必要とし
得る(Chandlerら、1997(本明細書中に参考として援用される)を
参照のこと)。
【0046】 (4.選択マーカーおよびスクリーニングマーカー) 本発明の特定の実施形態において、細胞は、本発明のLEEまたはCEE構築
物を含み、細胞は、LEEまたはCEE発現構築物中にマーカーを含ませること
によってインビトロまたはインビボで同定され得る。このようなマーカーは、細
胞に同定可能な変化を付与して、この発現構築物を含む細胞の易しい同定を可能
にする。一般に、選択マーカーは、選択を可能にする特性を付与するマーカーで
ある。陽性選択マーカーは、このマーカーの存在がその選択を可能にするマーカ
ーであり、一方、陰性選択マーカーは、その存在がその選択を妨げるマーカーで
ある。陽性選択マーカーの例は、薬物耐性マーカーである。
【0047】 通常、薬物選択マーカーの導入は、クローニングおよび形質転換体の同定を補
助し、例えば、ネオマイシン、ピューロマイシン、ハイグロマイシン、DHFR
、GPT、ゼオシン(zeocin)およびヒスチジノールに対する耐性を付与
する遺伝子は、有用な選択マーカーである。条件の実行に基づいて形質転換体の
識別を可能にする表現型を付与するマーカーに加えて、スクリーニングマーカー
(例えば、比色定量分析の基づくGFPまたはLacZ;蛍光に基づくGUS;
および発光に基づくLUC)を含む他の型のマーカーもまた、意図される。ある
いは、スクリーニング酵素(例えば、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(
tk)またはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT))が
、利用され得る。当業者はまた、おそらくFACS分析とともに、免疫学的マー
カーを用いる方法を認識する。使用されるマーカーは、遺伝子産物をコードする
核酸と同時に発現され得ない限り、重要ではないと考えられる。選択マーカーお
よびスクリーニングマーカーのさらなる例は、当業者に周知である。
【0048】 (5.ポリアデニル化シグナル) 真核生物発現では、転写物の終結および適切なポリアデニル化をもたらすため
に、少なくとも1つの転写ターミネーターおよび少なくとも1つのポリアデニル
化シグナルを含み得る。ターミネーターの性質は、本発明の首尾のよい実施に重
要ではないと考えられ、そして任意のこのような配列が、用いられ得る。好まし
い実施形態は、SV40ターミネーターおよび/またはウシ成長ホルモンターミ
ネーター(これらは、簡便であり、そして種々の標的細胞で十分に機能すること
が公知である)を含む。ターミネーターは、転写の終了の少なくとも1つの配列
シグナルから構成され、そして少なくとも1つのポリアデニル化部位の付加を可
能にする切断部位を含み得る。ポリアデニル化は、転写物の安定性を増大し得る
か、または細胞質輸送を容易にし得る。ターミネーターは、所望のメッセージレ
ベルを達成するために、インビボで必要とされ得る。
【0049】 (D.LEEベクターおよびCEEベクター) 特定の実施形態において、LEEまたはCEEのプロモーターおよびターミネ
ーター配列は、ベクターの1つの型としてみなされ得る。用語「ベクター」は、
核酸配列が細胞への導入のために挿入されて、その細胞中でこの核酸が発現され
る、キャリア核酸分子をいうために使用される。核酸配列は、「外因性」(これ
は、ベクターが導入されている細胞に対して外来であるか、または配列が、細胞
中の配列に相同であるが、その配列が通常見出されない宿主細胞の核酸の位置に
あることを意味する)であり得る。
【0050】 用語「発現ベクター」は、転写され得る遺伝子産物の少なくとも一部をコード
する核酸配列を含むベクターをいう。いくつかの場合において、次いで、RNA
分子は、タンパク質、ポリペプチド、またはペプチドに翻訳される。他の場合に
おいて、これらの配列は、例えば、アンチセンス分子またはリボザイムの生成に
おいて翻訳されない。発現ベクターは、種々の「制御配列」を含み得る。この制
御配列は、特定の宿主生物において、作動可能に連結されたコード配列の転写お
よび潜在的な翻訳に必要である核酸配列をいう。LEEおよびCEEの場合、プ
ロモーターおよび/またはターミネーターを含む最小制御配列が、発現される配
列に付加され得る。プロモーターおよびターミネーター、転写および翻訳を支配
する他の制御配列に加えて、ベクターおよび発現ベクターは、同様に他の機能を
働かせ、そして以下に記載される核酸配列を含み得る。
【0051】 (E.遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)) LEEまたはCEEは、少なくとも1つのオープンリーディングフレーム(O
RF)を含み得る。オープンリーディングフレームは、1以上のアミノ酸をコー
ドする一連のトリヌクレオチドを含む。ORFは、終始コドン(すなわち、TA
A、TAG、TGA)によって中断されない。生物から単離されたORFは、内
因性のペプチド、ポリペプチド、タンパク質または翻訳されないmRNAメッセ
ージをコードし得る。しかし、多くのORFは、内因的に転写される配列をコー
ドしない。
【0052】 本発明の好ましい局面において、ORFは、少なくとも1つの生物、またはこ
の生物由来の核酸を含む組換えベクターから単離される。1以上のオルガネラ(
すなわち、ミトコンドリア、葉緑体)、細胞、組織または生物(ウイルスを含む
)は、単離されたプロモーター、オープンリーディングフレーム(すなわち、遺
伝子)、終結配列、ならびにLEEおよびCEEの構築に使用される他の配列の
ための供給源であり得る。核酸の単離方法は、当業者に周知である(Sambr
ookら、1989)。他の実施形態において、ORFは、公知の遺伝子構築技
術によって合成的に構築され得る(Stemmerら、1995)。
【0053】 核酸ライブラリーをスクリーニングするために、スクリーニングまたは単離プ
ロトコルは、所望のORFまたは周辺配列(単数または複数)のcDNAまたは
ゲノム配列にハイブリダイズするように設計されているヌクレオチドセグメント
またはプローブを利用し得る。さらに、このORFの発現されたタンパク質、ポ
リペプチド、またはペプチドに結合するように設計された抗体をプローブとして
用い、適切なDNA発現ライブラリーをスクリーニングし得る。あるいは、活性
アッセイが採用され得る。このようなスクリーニングプロトコルの操作は、当業
者に周知であり、そして科学的文献(Sambrookら、1989、本明細書
に参考として援用される)中に詳細に記載されている。さらに、本発明は、ゲノ
ムセグメントおよびcDNA分子の単離および発現を包含するので、当業者に公
知のように、適切なゲノム単離方法もまた用いられ得ることが意図される。
【0054】 本明細書で用いられる「ハイブリダイズするように設計される」は、ORFま
たは周辺配列と、関連する核酸配列プローブまたはプライマーとの間の予期され
る相同性に起因して、このORFまたは周辺配列(単数または複数)にハイブリ
ダイズするらしい能力のために選択された配列を意味する。ORFまたは周辺配
列(単数または複数)にハイブリダイズまたはそれに結合するそれらの能力を増
大するために改変されたセグメントまたはプローブもまた含まれる。さらに、相
同性のこれらの領域もまた、1以上の種における同じかまたは関連する遺伝子中
の同じかまたは類似領域の残基と比較して、アミノ酸配列の保存性を増加するた
めに選択および/または改変された4以上の連続するアミノ酸のアミノ酸配列を
含む。
【0055】 このような配列は、PCRTMのためのハイブリダイゼーションまたはオリゴヌ
クレオチドプライマー用のプローブとして用いられ得る。このような配列を設計
することは、特定遺伝子または関連する遺伝子について、1つ以上の種における
遺伝子または関連する遺伝子のヌクレオチドの一般的保存性に対して、種々の種
間の高度に保存されたヌクレオチド配列の領域の選択を含み得る。特定の遺伝子
について、1つ以上の種間で保存されたアミノ酸配列の比較を用いて、この遺伝
子または関連する遺伝子によりコードされるタンパク質に対して保存されている
1群の4以上の連続するアミノ酸を決定し得る。次いで、ヌクレオチドプローブ
またはプライマーは、アミノ酸のこの保存された配列をコードする遺伝子の領域
から設計され得る。
【0056】 しかし、ランダムまたは準ランダムなプローブおよびプライマーを用いて、O
RFおよび/または周辺配列にハイブリダイズまたはそれらを増幅し得る。この
ような特徴付けられていないORFは、本明細書に記載されているか、または当
業者に公知の任意の技法を用いて、機能について配列決定されるかまたはスクリ
ーニングされ得る。
【0057】 種々のORF、プロモーター、停止の配列および遺伝子に対する、ヌクレオチ
ドおよびタンパク質、ポリペプチドの配列は先に記載され、そして当業者に公知
のコンピューター化されたデータベースに見出され得る。1つのこのようなデー
タベースは、National Center for Biotechnol
ogy InformationのGenbankおよびGenPeptデータ
ベース(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)である
。これら既知の遺伝子のコード領域は、本明細書に開示される手法を用いるか、
または当業者に公知である任意の技法を用いて増幅および/または発現され得る
。このような核酸またはアミノ酸配列を用いて、さらなる関連するORFをスク
リーニングし得、そしてLEEまたはCEEを構築するために用いられる得る。
【0058】 次いで、単離されたORFを、プロモーター、停止シグナル、および/または
その他の配列成分と作動可能に連結し得、LEEまたはCEEを形成し得る。発
現されたLEEまたはCEEは、本明細書に記載されるか、または当業者に公知
である任意の適用可能なアッセイを用いて、転写もしくは翻訳された配列の任意
の活性もしくは性質についてインビボまたはインビトロでアッセイされ得る。
【0059】 (F.細胞) 特定の実施の形態では、プロモーター、ORF、停止配列、その他の配列が、
少なくとも1つの細胞小器官、細胞、組織または生物から単離され得る。他の実
施の形態では、少なくとも1つのLEEまたはCEEが、少なくとも1つの細胞
小器官、細胞、組織または生物中にトランスフェクトされ得る。特定の局面では
、このLEEまたはCEEのオープンリーディングフレームが転写され、そして
より詳細な局面では、少なくとも1つの細胞小器官、細胞、組織または生物にお
いてタンパク質、ポリペプチドまたはペプチドに翻訳される。
【0060】 本明細書で用いられる用語「細胞」、「細胞株」および「細胞培養」は、交換
可能に用いられる得る。これの用語のすべてはまた、任意およびすべての次の世
代であるそれらの子孫を含む。すべての子孫は、意図的であるか、または偶発的
な変異に起因して同一でなくてもよいことが理解される。異種核酸配列を発現す
る文脈では、「宿主」は原核生物細胞または真核生物細胞をいい、そしてそれは
、ベクターによりコードされる異種遺伝子を発現し得る任意の形質転換生物を含
む。宿主細胞は、ベクターのレシピエントとして用いられ得るか、または用いら
れている。宿主細胞は、外因性核酸がこの宿主細胞中に移入または導入されるプ
ロセスをいう。形質転換された細胞は、始原被検体細胞およびその子孫を含む。
【0061】 宿主細胞は、ORFでコードされたベクターの発現の所望の目的に依存して原
核生物または真核生物由来であり得る。多くの細胞株および培養が、宿主細胞と
しての使用に利用可能であり、そしてそれらは、American Type
Culture Collection(ATCC)から得られ得、これは、生
存培養および遺伝子材料のための長期間保存のコピーとして供される組織である
(www.atcc.org)。特定の実施の形態では、細胞は、制限されずに
、少なくとも1つの皮膚、骨、ニューロン、軸索、軟骨、血管、角膜、筋肉、顔
(facia)、脳、前立腺、胸部、子宮内膜、肺、膵臓、小腸、血液、肝臓、
精巣、卵巣、頚部、結腸、皮膚、胃、食道、脾臓、リンパ節、骨髄、腎臓、末梢
血、胚または腹水細胞、およびそれらのすべての癌を含む。適切な宿主は、ベク
ター骨格および所望の結果を基に当業者により決定され得る。ベクター発現のた
めの宿主細胞として用いられる細菌細胞は、DH5α、JM109BL21、お
よびKC8、ならびにSURE(登録商標)Competent Cellおよ
びSOLOPACKTMGold Cells(STRATAGENE(登録商標
)、La Jolla)のような多くの市販の細菌宿主を含む。あるいは、E.
coli LE392のような細菌細胞を、ファージウイルスのための宿主細胞
として用い得る。
【0062】 ベクターの複製および/または発現のための真核生物宿主細胞の例は、HeL
a、NIH3T3、Jurkat、293、Cos、CHO、Saos、Wel
HおよびPC12を含む。種々の細胞型および生物からの多くの宿主細胞が入手
可能であり、そして当業者に公知である。
【0063】 いくつかのLEEまたはCEEベクターは、原核生物細胞および真核生物細胞
の両方においてそれが発現されるようにする制御配列を採用し得る。当業者は、
上記の宿主細胞のすべて維持するために、それらをインキュベートするための条
件をさらに理解し得る。ベクター、ならびにベクターによりコードされる核酸お
よびそれらの同族体ポリペプチド、タンパク質またはペプチドの大規模産生を可
能にする技法および条件もまた理解され、そして公知である。
【0064】 (1.組織) LEEまたはCEEで形質転換された細胞(単数または複数)は、組織中に含
まれ得る。この組織は、生物の一部であり得るか、またはそれから分離され得る
。特定の実施の形態では、組織は、制限されずに、皮膚、骨、ニューロン、軸索
、軟骨、血管、角膜、筋肉、顔(facia)、脳、前立腺、胸部、子宮内膜、
肺、膵臓、小腸、血液、肝臓、精巣、卵巣、頚部、結腸、皮膚、胃、食道、脾臓
、リンパ節、骨髄、腎臓、末梢血、胚、腹水組織、メリステム細胞、花粉、葉、
葯、根、根端、絹、花、穀粒、穂、コブ(cobs)、さや(husk)、茎、
およびそれらのすべての癌を含み得る。
【0065】 (2.生物) 特定の実施の形態では、細胞または組織は、少なくとも1つの生物中に含まれ
得る。特定の実施の形態では、この生物は、制限されずに、真性細菌(euba
cteria)、原始細菌(archaea)、真核生物またはウイルスであり
得る。
【0066】 (a.真性細菌) 特定の実施の形態では、生物は真性細菌てある。特定の実施の形態では、この
真性細菌は、制限されずに、aquifecales;thermotogal
es;thermodesulfobacterium;thermus−de
inococcus群のメンバー;chloroflecales;cyano
bacteria;firmicutes;leptospirillum群の
メンバー;synergistes;chlorobium−flavobac
teria群のメンバー;制限されずにverrucomicrobiaまたは
chlamydiaを含む、chlamydia−verrucomicrob
ia群のメンバー;planctomycetales;flexistipe
s;fibrobacter群のメンバー;spirochetes;制限され
ずにαproteobacteria、βproteobacteria、δ&
εproteobacteriaまたはγproteobacteriaを含む
proteobacteriaであり得る。特定の局面では、ミトコンドリアま
たはクロロプラストを含む、真性細菌由来の細胞小器官が意図される。
【0067】 (b.原始細菌) 特定の実施の形態では、生物は原始細菌(a.k.a.archaebact
eria;例えば、methanogen、halophiles、sulfo
lobus)である。特定の実施の形態では、この原始細菌は、制限されずに、
korarchaeota;制限されずにthermofilum、pyrob
aculum、thermoproteus、sulfolobus、meta
llosphaera、acidianus、thermodiscus、ig
neococcus、thermosphaera、desulfurococ
cus、staphylothermus、pyrolobus、hypert
hermusまたはpyrodictuumを含む、crenarchaeot
a;または制限されずにhalobacteriales、methanomi
crobiales、methanobacteriales、methano
coccales、methanopyrales、archeoglobal
es、thermoplasmalesまたはthermococcalesを
含む、euryarchaeotaであり得る。
【0068】 (c.真核生物) 特定の実施の形態では、生物は真核生物(例えば、無性生物、植物、真菌、動
物)である。詳細な実施の形態では、この真核生物は、制限されずに、micr
osporidia、diplomonad、oxymonad、retort
amonad、parabasalid、pelobiont、entamoe
baeまたはmitochondrial真核生物(例えは、動物、植物、真菌
、stramenopile)であり得る。
【0069】 特定の実施の形態では、このmitochondrial真核生物は、制限さ
れずにmetazoa(例えば、動物)、myxozoa、choanofla
gellate、真菌(例えば、マッシュルーム、カビ、酵母、chytrid
)、緑色植物(例えば、緑藻類、陸上植物)、cryptomonad、anc
yromona、plasmodiophorid、rhodophyta、c
entrohelid heliozoa、cyanophorid、alve
olate(例えば、dinoflagellate、sporozoan、c
iliate)、stramenopile(例えば、褐藻、diatom、o
omycete、chrysophyte)、acantharea、vamp
yrellid、thaumatomonad、telonema、stich
olonche、spongomonad、ramicristate、pse
udospora、pseudodendromonad、phalanste
rium、phaeodarean radiolaria、paramyxe
a、luffisphaera、leucodictyon、kathable
pharid、histiona、haptophyte、ebriid、di
scocelis、diphylleia、eesmothoracid、cr
yothecomona、copromyxid、chlorarachnio
n、cercomonad、caecitellus、apusomonad、
actinophryidまたはacanthamoebaeであり得る。
【0070】 特定の局面では、この真核生物はmetazoa(例えば、動物)である。特
定の局面では、このmetazoaは、制限されずに、porifera(例え
ば、海綿動物)、cnidaria(例えば、クラゲ、アネモネ、サンゴ)、c
tenophora(例えば、コームゼリー(comb−jelly))、ar
thropoda(例えば、昆虫、クモ、カニ)、annelida(例えば、
体節虫(segmented worm)、pogonophora、vest
imentifera、echiura、mollusca(例えば、カタツム
リ、ハマグリ、イカ)、sipuncula、nemertea(例えば、紐虫
)、platyhelminthes(例えば、扁形動物)、chordata
(例えば、脊椎動物)、hemichordata、lophophorate
s、chaetognatha、echinodermata(例えば、ヒトデ
、アーチン、海キューカンバ)、pseudocoelomates、plac
ozoa、monoblastozoa、rhomobozoa、orthon
ectidaであり得る。特定の局面では、この脊椎動物は、陸生脊椎動物(例
えば、カエル、サンショウウオ、caecilian、爬虫類、哺乳動物,鳥類
)または非陸生脊椎動物(例えば、サメ、レイ(ray)、ノコギリエイ、キメ
ラ、レイひれ魚、ローブひれ魚)であり得る。さらなる局面で、この哺乳動物は
、単孔類(例えば、かものはし、ハラモグラ)、mutituberculat
a、有袋類(例えば、オボサム、カンガルー)、palaeoryctoidま
たは真獣類(例えば、胎盤哺乳動物)であり得る。
【0071】 特定の局面では、この真獣類は、制限されずに、貧歯類(例えば、アリクイ、
ナマケモノ、アルマジロ)、pholidota(例えば、センザンコウ)、l
agomorpha(例えば、ウサギ)、glires、rodentia(例
えば、マウス、ラット、リス、ジネズミ、ヤマアラシ、ビーバー)、macro
scelidea(例えば、象トガリネズミ)、霊長類(例えば、サル、キツネ
ザル、ゴリラ、チンパンジ、ヒト)、scandentia(木トガリネズミ)
、翼手類(例えば、コウモリ)、ヒヨケザル類(例えば、ヒヨケザル、キツネザ
ル)、食虫動物(例えば、トガリネズミ、モグラ、ハリネズミ)、肉歯類、肉食
動物(例えば、イヌ、ネコ、クマ、アライグマ、イタチ、マングース、ハイエナ
)、condylarthra、偶蹄類(例えば、ブタ、シカ、ウシ、ヤギ、ヒ
ツジ、カバ、ラクダ)、クジラ目(例えば、クジラ、イルカ、ネズミイルカ)、
tubulidentata(例えば、ツチブタ)、奇蹄類(例えば、ウマ、バ
ク、サイ)、hyracoidea(例えば、ハイラックス、dassy)、海
牛類(例えば、マナティー、ジュゴン、セイウチ)、desmostylia、
embrythopoda、またはproboscidea(例えば、象)であ
り得る。
【0072】 特定の実施の形態では、真核生物は真菌である。真菌は、制限されずに、ch
ytridiomycota(例えば、ミズカビ、allomyces)、zy
gomycota(例えば、パンカビ、リゾプス、ムコール)、basidio
mycota(例えば、マッシュルーム、ラスト、スマット)またはascom
ycota(例えば、嚢カビ、酵母、ペニセリウム)であり得る。
【0073】 特定の実施の形態では、この真核生物は緑色植物である。緑色植物は、制限さ
れないで、prasinophytes、chlorophyceae、tre
bouxiophyceae、ulvophyceae、chlorokyba
les、klebsormidiales、zygnematales、str
eptophyta、charales、coleochaetalesまたは
embryophytes(例えば、陸生植物)であり得る。特定の局面で、e
mbryophytesは、制限されないで、marchantiomorph
a(例えば、ゼニゴケ)、Anthoceromorpha(例えば、マツモ)
、bryopsida(例えば、コケ)、lycopsida(例えば、lyc
ophyte)、equisetopsida(例えば、ホーステール、sph
enophyte)、filicopsida(例えば、シダ)、sperma
topsida(例えば、種子植物;開花植物、針葉樹)であり得る。特定の局
面ば、このspermatopsidaは、制限されないで、被子植物であり得
る。被子植物は、制限されないで、ceratophyllaceae、nym
phaeales、piperales、aristolociales、mo
nocotyledons、eudicots、laurales、chlor
anthaceae、winteralesまたはmagnolialesであ
り得る。
【0074】 (d.ウイルス) 特定の実施の形態では、生物はウイルスであり得る。特定の局面では、このウ
イルスは、制限されないで、ssDNAウイルスまたはdsDNAウイルスを含
むDNAウイルス;DNA RNA rev転写ウイルス;制限されないで−v
e鎖ssRNAまたは+ve鎖ssRNA0含むdsRNAを含むがこれに制限
されないRNAウイルス;または未知ウイルスであり得る。
【0075】 (G.LEEおよびCEEの産生) 本発明はさらに、LEEまたはCEEを産生する方法に関する。LEEまたは
CEEを産生する方法は、一般に、ORFを含むDNAセグメントを得る工程、
およびこのORFをプロモーター、ターミネーター、またはその他の分子と献血
し、LEEまたはCEEを生成する工程を包含する。
【0076】 このORF、プロモーター、ターミネーターまたはさらなる核酸(単数または
複数)は、本明細書に記載されるか、または当業者に公知であるような任意の方
法により得られ得る。合成核酸、特に合成オリゴヌクレオチドの非制限的な例は
、本明細書に参考として援用されるEP 266,032に記載のようなホスホ
トリエステル、ホスファイトまたはホスホルアミダイト化学および固相技法を用
いるか、またはそれぞれ本明細書に参考として援用される、Froehlerら
、1986、および米国特許第5,705,629号によって記載されるような
デオキシヌクレオシドH−ホスホネート中間体を経由する、インビトロの化学的
合成により作成される核酸を含む。酵素的に産生される核酸の非制限的な例は、
PCRTM(例えば、それぞれ本明細書に参考として援用される、米国特許第4,
683,202号および米国特許第4,682,195号を参照のこと)のよう
な増幅反応における酵素、または本明細書に参考として援用される米国特許第5
,645,897号に記載のオリゴヌクレオチドの合成により生成されるものを
含む。生物学的に生成される核酸の非限定的な例は、細菌における組換えDNA
ベクターのような、生存細胞中の組換え核酸産生を含む(例えば、本明細書に参
考として援用されるSambrookら、1989を参照のこと)。
【0077】 特定の局面で、本発明は、単離された核酸である少なくとも1つのプロモータ
ー、ターミネーター、ORFおよび/またはその他の核酸に関する。本明細書で
用いられる用語「単離された核酸」は、1つ以上の細胞内小器官、細胞、組織ま
たは生物の総ゲノムおよび転写核酸の塊のないように単離されたか、そうでなけ
ればそれのない少なくとも1つの核酸分子をいう。特定の実施の形態では、「単
離された核酸」は、脂質、タンパク質、生物学的小分子などのような細胞成分お
よび高分子の塊のないように単離されたか、そうでなければそれのない少なくと
も1つの核酸分子をいう。異なる種は、RNAまたはDNA含有ゲノムを有し得
るので、用語「単離された核酸」は、「単離されたDNA」および「単離された
RNA」の両方の用語を包含する。従って、単離された核酸は、特定の種の総R
NA、DNAまたはその他の核酸の塊のないように単離されたか、そうでなけれ
ばそれのないRNAまたはDNA分子を含み得る。本明細書で用いられるとき、
特定の種から単離される単離された核酸は、「種特異的核酸」と呼ばれる。ヒト
のような特定種から単離された核酸を称するとき、このような核酸の型は、種の
名前によって同定され得る。非制限的な例では、1人以上のヒトから単離された
核酸は、「単離されたヒト核酸」である。
【0078】 プロモーター、ターミネーターおよび/またはさらなる分子(すなわち、別の
核酸)へのORFの連結は、共有結合もしくは非共有結合または会合であり得る
。非制限的な例では、予期される非共有結合は、プロモーター、ターミネーター
および/またはさらなる核酸を、ORF核酸と単に混合されていることであり得
る。より好適な実施の形態では、プロモーター、ターミネーター、さらなる分子
および/またはORFの1つ以上の末端は、プロモーター、ターミネーター、さ
らなる分子および/またはORFの1つ以上の末端をそれら自身かまた互いにア
ニーリングすることを促進する相補的核酸を含む。1つ以上の核酸が二本鎖であ
るとき、相補的であるこの末端は、二本鎖分子からのオーバーハングする一本鎖
であり得る。十分な長さおよび/または相補的アニールの一本鎖領域、および付
着した成分は、細胞、組織または生物中に直接送達され得る。
【0079】 採用され得る1つの方法では、dUMP−含有テールがPCR(登録商標)プ
ライマーの5’末端で合成される。増幅の後、ウラシルDNAグリコシラーゼ(
UDG)を用いて糖と塩基との間のグリコシル結合を切断する。これは、二本鎖
DNAにおける塩基対合を脱安定化し、そして結合に利用可能な5’一本鎖オー
バーハングを生成する非塩基(abasic)部位を生成する。
【0080】 LEEおよびCEEは、上記のdU法以外の任意の数の方法により作成され得
る。例えば、プラスミドクローニングのためにオーバーハングを生成する方法の
文献中には多くの例がある。本発明者らは、LEEを生成することで代表的に採
用されるオーバーハングを生成するために以下に記載の代替法を用いた。
【0081】 例えば、非塩基ホルホルアミデートが用いられ得る。PCR(登録商標)プラ
イマーは、一本鎖/二本鎖結合部が最終PCR(登録商標)産物上にあることを
所望する位置に「塩基のない」ホルホルアミダイトを含むように合成される。こ
の「ヌクレオチド」は、糖残基を持たず、それ故、増幅の間にTaqポリメラー
ゼは、それがこの位置に到着するとき停止し、突出する5’末端を残す。この方
法の1つの欠点は、改変されたホルホルアミダイトが不安定であり、そしてその
結果この目的のために作成される全プライマーが不安定であることである。関連
する方法は、dスペーサーホルホルアミダイトの使用を含む。これらは、非塩基
類と同様に用いられる:一本鎖/二本鎖結合部が最終PCR(登録商標)産物上
にあることを所望する特定の位置で改変されたホルホルアミダイトを含むPCR
(登録商標)プライマーが構築される。この場合、非塩基部位の安定性は、塩基
の位置に「塩基様」構造を挿入することにより改善された。この合成非塩基およ
びdスペーサー法は、それらがアニールするためにPCR(登録商標)産物(5
’オーバーハング)の合成オリゴ領域を必要とする点で、非効率的でありがちで
ある。
【0082】 T4 DNAポリメラーゼを含む方法を用いてオーバーハングを生成し得る。
この酵素のエキソヌクレアーゼ活性を用いて、PCR(登録商標)産物の3’末
端を消化し、5’一本鎖オーバーハングを得る。消化の程度(そしてそれ故オー
バーハングの長さ)は、5’末端から所望の二本鎖/一本鎖結合点まで4つのヌ
クレオチド塩基の1つを欠く特異的配列を備えたプライマーを設計することによ
り制御される。この位置で対合するヌクレオチドのみが消化の間に提供される。
【0083】 LEEを作成するためにrU/RNaseAを用い得る。この方法は、概念的
にはdU/UDG法と似ている。しかし、ウラシルのDNA(dU)バージョン
の代りに、PCR(登録商標)プライマー中に取り込むために、RNA分子(r
U)を用い得る。これらのプライマーを、標準的なPCR(登録商標)増幅のた
めに用いた.オーバーハングを生成するために、PCR(登録商標)産物をRN
aseAに単に晒すだけであり、これは、UDGよりはるかに安価である。この
方法は良好に作用するが、完全なDNAプライマーに対してRNA含有プライマ
ーの不安定性における欠点を有している。
【0084】 長/短PCR(登録商標)プライミングを含む方法は、LEEを調製するため
に有用である。PCR(登録商標)産物の1つの側に2つのプライマーを設計し
得、1つはテンペレート上で、他方の12−15ヌクレオチド上流にある。他端
における通常の1つに加えた両プライマーを用いた増幅は、3つの型のアニール
された産物:2長(25%)、2短(25%)、および1長/1短(集団の50
%)を生成した。この長/短産物は、一本鎖オーバーハングを備えた有用な産物
である。
【0085】 適切な改変を行うことで、これら技法の各々を採用してCEEおよびLEEを
作成し得る。
【0086】 一本鎖末端のアニーニリングを可能にするために、好ましくは、末端は相補的
であるかまたは準相補的である。核酸の相補的または準相補的配列の設計は、当
業者に周知である。「相補的」または「相補物(単数または複数)」である核酸
は、標準的なWatson−Crick、Hoogsteenまたは逆Hoog
steen結合相補性規則に従って塩基対合し得る核酸である。本明細書で用い
る用語「相補的」または「相補物(単数または複数)」はまた、上記と同じヌレ
レオチド比較により評価され得るように、実質的に相補的である核酸(単数また
は複数)をいう。用語「実質的に相補的」は、少なくとも1つの保存的核酸塩基
、または1つ以上の核酸塩基が分子中に存在しない場合、たとえ一部の核酸塩基
が相当物核酸塩基と塩基対合しなくても少なくとも1つの核酸鎖または二本鎖に
ハイブリダイズまたはアニーリングし得る準保存的核酸塩基を含む核酸をいう。
特定の実施の形態では、「実質的に相補的」な核酸は、その中で、約70%、約
71%、約72%、約73%、約74%、約75%、約76%、約77%、約7
7%、約78%、約79%、約80%、約81%、約82%、約83%、約84
%、約85%、約86%、約87%、約88%、約89%、約90%、約91%
、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、
約99%、約100%まで、およびその中の任意の範囲の核酸塩基配列が、ハイ
ブリダイゼーションまたはアニーリングの間に、少なくとも1つの一本鎖または
二本鎖核酸分子と塩基対合し得る、少なくとも1つの配列を含む。特定の実施の
形態では、用語「実質的に相補的」は、ストリンジェントな条件で少なくとも1
つの核酸鎖または二本鎖にハイブリダイズし得る、少なくとも1つの核酸をいう
。特定の実施の形態では、「部分的に相補的」な核酸は、低ストリンジェンシー
条件中少なくとも1つの一本鎖または二本鎖核酸にハイブリダイズし得る少なく
とも1つの配列を含むか、またはその中の約70%より少ない核酸塩基が、ハイ
ブリダイゼーションまたはアニーリングの間に少なくとも1つの一本鎖または二
本鎖核酸分子と塩基対合し得る少なくとも1つの配列を含む。
【0087】 特定の実施の形態では、ORF、プロモーター、ターミネーターおよび/また
は付加的な分子の相補的または準相補的末端は、当業者により所望または設計さ
れる任意の組み合わせで、それらの末端の非共有結合的会合を促進する。従って
、このORF、プロモーター、ターミネーターおよび/または付加的な分子の線
状または環状構造が、非共有結合的会合を通じて予期される。他の局面では、準
相補的または相補的末端は、酵素的連結を促進し得る。勿論、ORF、プロモー
ター、ターミネーターおよび/または付加的な分子の1つ以上の末端は、線状ま
たは環状エレメントを形成するようにアニーリングを促進するために設計され得
る。あるいは、このORF、プロモーター、ターミネーターおよび/または付加
的な分子は、1つの核酸として合成によってか、または生物学的に生成され得る
【0088】 好適な実施の形態では、1つ以上のORFが増幅され、次いで、標準的なプロ
モーターおよび/またはターミネーターに連結される(すなわち、会合され、ア
ニールされ、および/または連結される)。例えば、大部分の遺伝子スクリーニ
ングアッセイは、一般的なプロモーターおよび/またはターミネーターを種々の
ORFに、またはレポーターORFを種々のプロモーターおよび/またはターミ
ネーターに融合することを必要とする。非制限的な例では、哺乳動物細胞中の遺
伝子をスクリーニングすることは、ORFを、真核生物プロモーターおよびター
ミネーターに融合することを必要とする。従って、理想的なLEE系は、代表的
には、次いで標準的なプロモーターおよび/またはターミネーター配列のセット
に連結され得るORFのみの増幅を含む。特定の実施の形態では、このプロモー
ター、ターミネーターおよび/またはORFは、1単位として増幅により産生さ
れる。
【0089】 さらなる実施の形態では、すべての適用についてターミネーターが提供される
ことは要求されない。例えば、細胞のない発現を含む方法では、ターミネーター
は必要でなくてもよい。
【0090】 要求されないけれども、プロモーター、ORF、ターミネーター、LEE、ま
たはCEEのような核酸は、ポリアクリルアミドゲル、塩化セシウム遠心分離グ
ラジエント、フィルターグラジエントまたは当業者に公知の任意の他の方法より
(例えば、本明細書に参考として援用されるSambrookら、1989を参
照のこと)精製され得る。
【0091】 (H.LEEおよびCEE送達の方法) 本発明での使用のために、形質転換または細胞小器官、細胞、組織または生物
のためのLEEまたはCEE送達の適切な方法は、プロトプラストのPEG媒介
形質転換による(Omirullehら、1993)、乾燥/阻害媒介DNA取
り込みによる(Potrykusら、1985)、エレクトロポレーションによ
る(その全体が本明細書中に詳細に援用される、米国特許第5,384,254
号)、シリコンカーバイドファイバーでの攪拌による(その全体が本明細書中に
詳細に援用される、Kaepplerら、1990;米国特許第5,302,5
23号;およびその全体が本明細書中に詳細に援用される、米国特許第5,46
4,765号)による、Agrobacterium−媒介形質転換による(米
国特許第5,591,616号および米国特許第5,563,055号;両者は
参考として本明細書に援用される)およびDNA被覆粒子の加速による(それぞ
れその全体が本明細書中に参考として詳細に援用される米国特許第5,550,
318号;米国特許第5,538,877号;および米国特許第5,538,8
80号)などようなDNAの直接送達のように、細胞中にDNAが導入され得る
実質的に任意の方法を含むと考えられる。これらのような技法の適用により、細
胞小器官(単数または複数)、細胞(単数または複数)、組織(単数または複数
)または生物(単数または複数)が安定または一時的に形質転換され得る。特定
の実施の形態では、加速方法が好適であり、そして例えば、マイクロプロジェク
タイルボンバードメントなどを含む。
【0092】 (1.注入) 特定の実施の形態では、LEEまたはCEEは、例えば、皮下、皮内または筋
肉内のいずれかの1つ以上の注射により送達され得る。
【0093】 図7Aおよび図7B中のデータは、PCR(登録商標)で生成したLEEが,
注入(すなわち針注入)のようなその他のトランスフェクションプロトコルとと
もに用いられ得ることを示す。スーパーコイルの複製コントロールプラスミドお
よびLEEベクターが、生理食塩水中の針注入により筋肉内(i.m.)に導入
されたとき、非共有結合で連結されたLEEによりコードされたLUC活性が、
LUCプラスミドにより産生されるそれの15%であった。注入の前にLEEに
リガーゼを添加すると、LUC活性は、プラスミド標準の41%まで上昇した(
図7B)。これに対し、リガーゼの添加は、遺伝子銃で導入されたLEEからの
発現をさらに改善せず、それはプラスミド標準と同様であった(図7A)。これ
らの結果は、遺伝子銃は試料を皮膚細胞の内側に直接送達し(Williams
ら、1991)、その一方、針はDNAをエキソヌクレアーゼがある筋肉組織の
細胞外空間中に導入する(Wolffら、1990)という観察と一致する。
【0094】 (2.エレクトロポレーション) 本発明の特定の実施の形態では、LEEまたはCEEは、エレクトロポレーシ
ョンにより細胞中に導入される。エレクトロポレーションは、細胞およびDNA
の懸濁物の高電圧電気放電への曝露を含む。エレクトロポレーションによりDN
Aを導入することを望む場合、Krzyzekらの方法(その全体が参考として
本明細書に援用される、米国特許第5,384,253号)が特に有利である。
この方法では、ペクチン分解酵素のような特定の細胞壁分解酵素を採用して、標
的レシピエント細胞を非処理細胞よりエレクトロポレーションによる形質転換に
より感受性にする。あるいは、レシピエント細胞を機械的損傷により形質転換に
より感受性にする。
【0095】 エレクトロポレーションを用いる真核生物細胞のトランスフェクションは、極
めて首尾良くいっている。この方法で、マウスpre−Bリンパ球は、ヒトκ免
疫グロブリン遺伝子でトランスフェクトされ(Potterら、1984)、そ
してラット肝細胞は、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子
でトランスフェクトされた(Tur−Kaspaら、1986)。
【0096】 これには限定されないが、植物細胞のような細胞中でエレクトロポレーション
により形質転換を行うために、細胞の懸濁培養または胚形成カルスのいずれかの
ようなもろい組織を採用し得るか、あるいは未成熟胚またはその他の組織化され
た組織を直接形質転換し得る。この技法では、選択された細胞の細胞壁を、それ
らをペクチン分解酵素(ペクトリアーゼ)または制御された様式の機械的損傷に
晒すことにより部分的に分解し得る。インタクトな細胞のエレクトロポレーショ
ンにより形質転換されたいくつかの種の例は、トウモロコシ(米国特許第5,3
84,253号;Rhodesら、1995;D’Halluinら、1992
)、小麦(Zhouら、1993)、トマト(HouおよびLin、1996)
、大豆(Christouら、1987)およびタバコ(Leeら、1989)
を含む。
【0097】 植物のエレクトロポレーション形質転換にプロトプラストをまた採用し得る(
Bates、1994;Lazzeri、1995)。例えば、子葉由来のプロ
トプラストのエレクトロポレーションによるトランスジェニック大豆植物の生成
が、DhirおよびWidholmにより、国際出願公開番号WO 92175
98(本明細書に参考として詳細に援用される)に記載されている。プロトプラ
スト形質転換が記載された種の他の例は、大麦(Lazerri、1995)、
ソルガム(Battrawら、1991)、トウモロコシ(Bhattacha
rjeeら、1997)、小麦(Heら、1994)およびトマト(Tsuka
da、1989)を含む。
【0098】 (3.マイクロプロジェクタイルボンバードメント) マイクロプロジェクタイルボンバードメント技法は、CEEおよびLEEを、
少なくとも1つの細胞小器官、細胞、組織または生物中に導入する好適な方法で
ある(米国特許第5,550,318号;米国特許第5,538,880号;米
国特許第5,610,042号;およびPCT出願WO 94/09699;こ
れらの各々はその全体が本明細書に参考といて詳細に援用される)。当該分野で
公知の広範な種類のマイクロプロジェクタイルボンバードメント技法が存在し、
その多くが本発明に適用可能である。しかし、本発明者らは、詳細な例に記載の
一般的プロトコルを用いた。本明細書の詳細な例に記載の研究のいくつかでは、
遺伝子を遺伝子銃で皮膚細胞中に導入した(実施例2、3、4、9、10、11
および16)。
【0099】 この方法では、粒子は核酸でコートされ、そして推進力により細胞中に送達さ
れ得る。例示の粒子は、タングステン、プラチナ、そして好ましくは金からなる
粒子である。いくつかの例では、金属粒子上へのDNA沈殿は、マイクロプロジ
ェクタイルボンバードメントを用いるレシピエント細胞へのDNA送達には必要
ではないことが意図される。しかし、粒子は、DNAでコートされるよりはむし
ろDNAを含み得ることが意図される。これ故、DNAでコートされた粒子は、
粒子の衝撃(bombardment)によりDNA送達のレベルを増大し得る
のであって、それら自身は必ずしも必要ではないことが提案される。
【0100】 衝撃のために、懸濁液中の細胞は、フィルターまたは固形培養培地上に濃縮さ
れる。あるいは、未成熟胚またはその他の標的細胞が、固形培養培地上に配置さ
れ得る。衝撃を受ける細胞は、微粒子停止プレートの下適切な距離に配置される
【0101】 DNAを細胞中に送達するための方法の例示の実施形態は、制限されないで、
加速によるのは、Biolistics Particle Delivery
Systemであり、これは、DNAまたは細胞でコートされた粒子を、ステ
ンレス鋼またはNytexスクリーンのようなスクリーンを通じて、例えば、懸
濁物中の培養された単子葉類植物細胞のような細胞で覆われたフィルター表面上
に推進するために用いられ得る。このスクリーンは粒子を分散し、その結果それ
らは、大きな凝集物でレシピエント細胞に送達されない。発射装置と衝撃を受け
る細胞との間に介在するスクリーンが、噴出する凝集物のサイズを低減し、そし
て大きすぎる噴出物によるレシピエント細胞に対して与えられる損傷を低減する
ことによって、形質転換のより高い頻度に寄与し得ると考えられる。
【0102】 マイクロプロジェクタイルボンバードメント技法は広く適用可能であり、そし
て、例えば、任意の植物種のような、実際に種々の細胞、組織または生物を形質
転換するために用いられ得る。マイクロプロジェクタイルボンバードメントによ
り形質転換された種の例は、トウモロコシ(PCT出願WO 95/06128
)、大麦(Ritalaら、1994;Hensgensら、1993)、小麦
(その全体が参考として詳細に援用される、米国特許第5,563,055号)
、コメ(Hensgensら、1993)、カラスムギ(Torbetら、19
95;Torbetら、1998)、ライ麦(Hensgensら、1993)
、シュガーケーン(Bowerら、1992)、およびソルガム(Casasら
、1993;Hagioら、1991)のような単子葉類種;およびタバコ(T
omesら、1990;BuisingおよびBenbow、1994)、大豆
(その全体が参考として本明細書中に詳細に援用される、米国特許第5,322
,783号)、ヒマワリ(Knittleら、1994)、ピーナッツ(Sin
gsitら、1997)、綿(McCabeおよびMartinell、199
3)、トマト(VanEckら、1995)、およびマメ科植物一般(その全体
が参考として本明細書中に詳細に援用される)を含む多くの双子葉類を含む。
【0103】 (4.リポソーム媒介トランスフェクション) 本発明のさらなる実施の形態では、LEEまたはCEEDは、リポソーム中に
包括され得る。リポソームは、ホスホリピド二重層膜および内側の水性媒体によ
り特徴付けられる小胞構造である。多重膜リポソームは、水性媒体により分離さ
れる複数の脂質層を有する。これらは、ホスホリピドが過剰の水性溶液中に懸濁
されるときに自然に形成する。脂質成分は、閉鎖構造の形成前に自己再配列を行
い、そして水を包括し、そして脂質二重層の間に溶質を溶解する(Ghoshお
よびBachhawat、1991)。意図されるのはまた、Lipofect
amine(Gibco BRL)またはSuperfect(Qiagen)
で複合体化された発現構築物である。
【0104】 インビトロの外来DNAのリポソーム媒介核酸送達および発現は、非常に首尾
良く行なわれている(NicolauおよびSene、1982;Fraley
ら、1979;Nicolauら、1987)。Wongら(1980)は、培
養されたニワトリ胚、HeLaおよび肝癌細胞における外来DNAのリポソーム
媒介送達および発現の実行可能性を示した。
【0105】 本発明の特定の実施の形態では、リポソームは、血球凝集性ウイルス(HVJ
)で複合体化され得る。これは、細胞膜との融合を容易にし、そしてリポソーム
に包括されたDNAの細胞侵入を促進することが示された(Kanedaら、1
989)。その他の実施の形態では、リポソームは、核の非ヒストン染色体タン
パク質(HMG−1)(Katoら、1991)と複合体化されるか、またはそ
れと組み合わせて採用され得る。なお別の実施の形態では、リポソームは、HV
JおよびHMG−1の両方と複合体化されるか、またはそれと組み合わせて採用
され得る。他の実施の形態では、送達ビヒクルは、リガンドおよびリポソームを
含み得る。
【0106】 (5.リン酸カルシウムDEAE−デキストラン) 本発明のその他の実施の形態では、LEEまたはCEEは、リン酸カルシウム
沈殿を用いて細胞中に導入される。ヒトKB細胞は、この技法を用いて、アデノ
ウイルス5DNAでトランスフェクトされた(GrahamおよびVan De
r Eb、1973)。またこの方法で、マウスL(A9)、マウスC127、
CHO、CV−1、BHK、NIH3T3およびHeLa細胞がネオマイシンマ
ーカー遺伝子でトランスフェクトされ(ChenおよびOkayama、198
7)、そしてラット肝細胞が種々のマーカー遺伝子でトランスフェクトされた(
Rippeら、1990)。
【0107】 別の実施の形態では、LEEまたはCEEが、DEAE−デキストラン次いで
ポリエチレングリコールを用いて細胞中に送達されている。この方法では、レポ
ータープラスミドがマウスミエローマおよび赤白血病細胞中に導入された(Go
pal、1985)。
【0108】 (6.直接マイクロインジョクションまたは音波処理装填) 本発明のさらなる実施の形態は、直接マイクロインジョクションまたは音波処
理装填によるLEEまたはCEEの導入を含む。直接マイクロインジェクション
は、Xenopus oocyte中に核酸構築物を導入するために用いられ(
HarlandおよびWeintraub、1985)、そしてLTK-線維芽
細胞は、音波装填によりチミジンキナーゼ遺伝子でトランスフェクトされた(F
echheimerら、1987)。
【0109】 (7.レセプター媒介トランスフェクション) なおさらに、標的細胞に核酸構築物を送達するために採用され得るLEEまた
はCEEは、レセプター媒介送達ビヒクルである。これらは、標的細胞で生じ得
るレセプター媒介エンドサイトーシスにより高分子の選択的取り込みを利用する
。種々のレセプターの細胞型特異的分布を考慮して、この送達方法は、本発明に
別の程度の特異性を附加する。別の哺乳動物細胞型の意味の特異的送達は、Wu
およびWuにより記載されている(1993;本明細書に参考として援用される
)。
【0110】 あるレセプター媒介遺伝子標的ビヒクルは、細胞レセプター特異的リガンドお
よびDNA結合薬剤を含む。その他は、送達されるDNA構築物が作動可能に結
合した細胞レセプター特異的リガンドを含む。いくつかのリガンドが、レセプタ
ー媒介遺伝子移入に用いられ(WuおよびWu、1987;Wagnerら、1
990;Peralesら、1994;Myers、EPO 0273085)
、これは、この技法の作動可能性を確立する。本発明の特定の局面では、このリ
ガンドは、EOE標的細胞集団上に特異的に発現されたレセプターに対応するよ
うに選択される。
【0111】 その他の実施の形態では、細胞特異的遺伝子標的ビヒクルのDNA送達ビヒク
ル成分は、リポソームと組み合わせた特異的結合リガンドを含み得る。送達され
る核酸は、リポソーム内に収容され、そして特異的に結合するリガンドは、リポ
ソーム膜中に機能的に取り込まれる。従って、リポソームは、標的細胞のレセプ
ターに特異的に結合し、そして内容物を細胞に送達する。このような系は、例え
ば、上皮成長因子(EGF)が、EGFレセプターの上方調節を示す細胞への核
酸のレセプター媒介送達に用いられる系を用いて機能的であることが示されてい
る。
【0112】 なおさらなる実施の形態では、標的化された送達ビヒクルのDNA送達ビヒク
ル成分はリポソーム自身であり得、それは、好ましくは、細胞特異的結合を行う
1つ以上の脂質または糖タンパク質を含む。例えば、Nicolauら(198
7)は、クポソーム中に取り込まれた、ラクトシル−セラミド、ガラクトース末
端アシアルガングリオシドを採用し、そして肝細胞によるインシュリン遺伝子の
取り込みの増加を観察した。本発明の組織特異的形質転換構築物が同様の様式で
標的細胞中に送達され得ることが予期される。
【0113】 (8.植物に関連する形質転換技法) (a.Agrobacterium媒介形質転換) Agrobacterium媒介移入は、植物細胞中に遺伝子を導入するため
に広く適用可能な系である。なぜなら、DNAを全植物組織中に導入することが
でき、それによってプロトプラストからのインタクトな植物の再生の必要性を回
避し得るからである。植物細胞中にDNAを導入するためのAgrobacte
rium媒介植物組込みベクターの使用は、当該分野で周知である。例えば、そ
の全体が参考として本明細書中に詳細に援用される、Fraleyら(1985
)、Rogersら(1987)および米国特許第5,563,055号により
記載される方法を参照のこと。
【0114】 Agrobacterium媒介形質転換は、双子葉類植物において最も効率
的であり、そしてArabidopsis、タバコ、トマト、およびポテトを含
む双子葉類の形質転換に好適な方法である。実際、Agrobacterium
媒介形質転換は、多年に亘り、双子葉類植物に慣用的に用いられているが、単子
葉類植物に適用可能になったのは最近である。Agrobacterium媒介
形質転換技法における進歩は、今や、ほぼすべての単子葉植物に適用可能な技法
にした。例えば、Agrobacterium媒介形質転換技法は、今や、コメ
(その全体が本明細書中に参考として援用される、Hieiら、1997;Zh
angら、1997;米国特許第5,591,616号)、小麦(McCorm
acら、1998)、大麦(Tingayら、1997;McCormacら、
1998)、およびトウモロコシ(Ishidaら、1996)に適用されてい
る。
【0115】 現代のAgrobacterium形質転換ベクターは、E.coliおよび
Agrobacterium中で複製し得、記載のように(Kleeら、198
5)便利な操作を可能にする。さらに、Agrobacterium媒介遺伝子
移入のためのベクターにおける最近の技術的進歩は、ベクター中の遺伝子および
制限部位の配置を改良し、種々のポリペプチドコード遺伝子を発現し得るベクタ
ーの構築を容易にした。記載のベクター(Rogersら、1987)は、挿入
されたポリペプチドコード遺伝子の直接発現のために、プロモーターおよびポリ
アデニル化部位により隣接される便利なマルチリンカー領域を有し、そして本願
の目的のために適切である。さらに、武装した(armed)および非武装(d
isarmed)Ti遺伝子の両方を含むAgrobacteriumが、形質
転換のために用いられ得る。Agrobacterium媒介形質転換が効率的
である植物株では、これは選択される方法である。なぜなら、遺伝子移入の容易
さおよび規定された性質のためである。
【0116】 (b.他の形質転換方法) 植物のプロトプラストの形質転換は、リン酸カルシウム沈降、ポリエチレング
リコール処理、エレクトロポレーション、およびこれらの処理の組合せに基づく
方法を用いて達成され得る(例えば、以下を参照のこと:Potrykusら、
1985;Lorzら、1985;Omirullehら、1993;From
mら、1986;Uchimiyaら、1986;Callisら、1987;
Marcotteら、1988)。
【0117】 これらの系の異なる植物系統への適用は、プロトプラストからその特定の植物
系統が再生する能力に依存する。プロとプラストから穀物へ再生するための例示
的な方法が記載されている (Fujimaraら、1985;Toriyan
iaら、1986;Yamadaら、1986;Abdullahら、1986
;Omirullehら、1993および米国特許第5,508,184号;こ
れらは、具体的にそれぞれが、その全体として本明細書において参考として援用
される)。穀物プロトプラストの直接取り込みの形質転換の使用の例は、以下の
形質転換を含む:イネ(Ghosh-Biswasら、1994),ソルガム(
BattrawおよびHall,1991),オオムギ (Lazerri,1
995),エンバク(ZhengおよびEdwards,1990)およびトウ
モロコシ (Omirullehら、1993)。
【0118】 首尾よくプロトプラストから再生し得ない植物系統を形質転換するために、D
NAをインタクトな細胞もしくは組織へ導入する他の方法が利用され得る。例え
ば、未熟な胚または外植片からの穀物の再生が記載されるとおりに行われ得る(
Vasil,1989)。また、シリコンカーバイド繊維媒介性形質転換もまた
、プロトプラスト化のあるなしで行われ得る(Kaeppler,1990;K
aepplerら、1992;米国特許第5,563,055号,これらは具体
的にその全体が本明細書において参考として援用される)。この技術を用いた形
質転換は、シリコンカーバイド繊維を細胞と共にDNA溶液中で振盪することに
よってなされる。DNAは、その細胞に穴があくにつれて受動的に侵入する。こ
の技術は、例えば、単子葉穀物トウモロコシ(PCT出願WO95/06128
、その全体が本明細書において具体的に援用される、Thompson)および
イネ(Nagatani、1997)において首尾よく使用されている。
【0119】 (I.非タンパク質発現配列) 特定の実施形態において、LEEまたはCEEは、翻訳されないメッセンジャ
ーを発現し得る。DNAは、表現型に影響を与える機能がタンパク質へとまだ翻
訳されていないRNA転写物を発現する目的のために生物へと導入され得る。2
つの例は、アンチセンスRNAおよびリボザイム活性を有するRNAである。両
方とも、ネイティブまたは導入された遺伝子の発現を現象または除去するに置い
て可能な機能を機能させ得る。しかし、以下に詳述するように、DNAは、生物
の表現型を生じるように発現される必要はない。
【0120】 (1.アンチセンス) 特定の局面において、LEEまたはCEEは、アンチセンスメッセンジャーを
発現し得る。ORF、特に遺伝子からのものは、構築または単離され得る、これ
は、転写されるときに、標的化されるメッセンジャーRNAのすべてまたは部分
に相補的であるアンチセンスRNAを生成する。このアンチセンスRNAは、メ
ッセンジャーRNAのポリペプチド産物の産生を減少する。このポリペプチド産
物は、その細胞のゲノムによってコードされる任意のタンパク質であり得る。上
記の遺伝子は、アンチセンス遺伝子と呼ばれる。従って、アンチセンス遺伝子は
、形質転換方法によって細胞へと取り込まれて、目的の選択されたタンパク質の
発現の現象を伴う新規トランスジェニック細胞または生物を生産し得る。例えば
、このタンパク質は、その細胞または生物における反応を触媒する酵素であり得
る。その酵素の活性の現象は、その反応の産物を減少もしくは除去し得、この産
物は、脂肪酸、アミノ酸、炭水化物、核酸などのような細胞または生物において
任意の酵素的に合成された化合物を含む。
【0121】 あるいは、植物の形質転換のような比限定的な例において、そのタンパク質は
、貯蔵タンパク質(例えば、ゼイン)または構造タンパク質であり得、そのタン
パク質の発現の減少は、それぞれ、種子アミノ酸組成または植物形態学的変化に
おける変化をもたらし得る。上記で引用される可能性は、例示の目的にのみ提供
され、適用の全範囲を表さない。
【0122】 (2.リボザイム) 他の局面において、LEEまたはCEEは、リボザイムを生産し得る。転写さ
れるときにRNA酵素(リボザイム)を生産するORFが構築または単離され得
る。このRNA酵素は、ENDリボヌクレアーゼとして作用し得、そして選択さ
れた配列を用いてRNA分子の切断を触媒する。選択されたメッセンジャーRN
Aの切断は、そのコードされたポリペプチド産物の生産の減少を生じ得る。これ
らの遺伝子を使用して、それら遺伝子を有する新規の1つ以上の細胞、組織およ
び生物を調製し得る。トランスジェニック細胞、組織または生物は、減少したレ
ベルのポリペプチドを有し得、これには、上記引用したポリペプチドが挙げられ
るがそれらに限定されない。
【0123】 リボザイムは、部位特異的に核酸を切断するRNA−タンパク質複合体である
。リボザイムは、エンドヌクレアーゼ活性を有する特異的触媒ドメインを有する
(KimおよびCech,1987;Gerlachら、1987;Forst
erおよびSymons,1987)。例えば、大多数のリボザイムは、ホスホ
エステル転移反応を高い程度の特異性を持って加速し、しばしば、オリゴヌクレ
オチド気質におけるいくつかのホスホエステルのうち1つのみを切断する(Ce
chら、1981;MichelおよびWesthof,1990;Reinh
old-HurekおよびShub,1992)。この特異性は、その基質がそ
のリボザイムの内部ガイド配列(「IGS」)に対する特異的塩基対合相互作用
を介して化学反応の前に結合するという要件に帰結する。
【0124】 リボザイム触媒は、拡散を含む配列特異的切断/連結の部分として主に観察さ
れている(Joyce,1989;Cechら,1981)。例えば、米国特許
第5,354,855号は、特定のリボザイムが公知のリボヌクレアーゼのもの
より大きく、そしてDNA制限酵素のものに近い配列特異性を有するエンドヌク
レアーゼとして作用し得ることを報告する。
【0125】 RNA切断反応性を有するいくつかの異なるリボザイムモチーフが記載されて
いる(Symons,1992)。例としては、以下を含むグループIの自己ス
プライスイントロンからの配列が挙げられる:タバコ輪紋病ウイルス(Prod
yら、1986)、アボカド日斑(sunblotch)ウイロイド(Palu
kaitisら、1979)、およびルツェルン一過性線条(streak)ウ
イルス(ForsterおよびSymons,1987)。これらおよび関連す
るウイルスからの配列は、推定された折り畳み二次構造に基づいてハンマーヘッ
ドリボザイムといわれる。
【0126】 他の適切なリボザイムは、RNA切断活性を有するRNアーゼPからの配列(
Yuanら、1992,YuanおよびAltman,1994、米国特許第5
,168,053号および同第5,624,824号)、ヘアピンリボザイム構
造(Berzal-Herranzら、1992;Chowriraら、199
3)およびΔ型肝炎ウイルスベースのリボザイム(米国特許第5,625,04
7号)。RNA切断活性に指向されるリボザイムの一般的設計および最適化も詳
細に考察されている(HaseloffおよびGerlach,1988,Sy
mons,1992,Chowriraら、1994;Thompsonら、1
995)。
【0127】 リボザイム設計における他の変数は、所定の標的RNAにおける切断部位の選
択である。リボザイムは、相補性塩基対相互作用によってある部位にアニーリン
グすることにより所定の配列に標的化される。相同性の2つのストレッチがこの
標的化に必要である。相同配列のこれらのストレッチは、上記の触媒リボザイム
構造に隣接する。相同性配列の各ストレッチは、7〜15ヌクレオチドの長さで
変動し得る。相同性配列を規定するための唯一の要件は、標的RNAにおいて、
それらが選択部位である特定の配列によって分離されることである。ハンマーヘ
ッドリボザイムについて、その切断部位は、その標的RNAにおけるジヌクレオ
チドがウラシル(U)に続きアデニン、シトシンまたはウラシル(A、Cまたは
U)が続くことである(Perrimanら、1992;Thompsonら、
1995)。任意の所定のRNAに生じるこのジヌクレオチドの頻度は、統計学
的に16のうち3つである。従って、1000塩基の所定の標的メッセンジャー
RNAについて、187ジヌクレオチド切断部位が統計学的に可能である。
【0128】 標的RNAの効率よい切断についてリボザイムを設計および試験することは、
当業者に周知のプロセスである。リボザイムを設計および試験するための科学的
方法の例は、以下により記載され:Chowriraら、(1994)およびL
ieberand Strauss(1995)、これらは各々本明細書におい
て参考として援用される。所定の遺伝子を下方調節するにおける使用のための作
動性および好ましい配列の同定は、単に所定の配列を調製および試験する問題で
あり、そして当業者に公知の慣用的に実施される「スクリーニング」方法である
【0129】 (3.遺伝子サイレンシングの導入) さらなる局面において、LEEまたはCEEは、遺伝子サイレンシングを促進
するために転写され得る。遺伝子に由来するORFを導入して新規細胞、組織お
よび生物を生産し得ることもまた可能である。これらは、同時抑制の機構によっ
てネイティブ遺伝子産物の発現が減少している。タバコ、トマトおよびペチュニ
アによって以下が実証されている(Goringら、1991;Smithら、
1990;Napoliら、1990;van der Krolら、1990
):ネイティブ遺伝子のセンス転写物の発現は、アンチセンスについて観察され
るものと類似する様式でそのネイティブ遺伝子の発現を減少または除去する。こ
の導入された遺伝子は、標的化されたネイティブタンパク質のすべてまたは部分
をコードし得るが、その翻訳はそのネイティブタンパク質のレベルの減少を必要
としないかもしれない。
【0130】 (4.非RNA発現配列) さらなる実施形態において、LEEまたはCEEを使用して細胞、組織または
生物をタグ化し得、または遺伝子を変異し得る。Ds、AcまたはMuのような
転移可能なエレメントのものを含むDNAエレメントを導入して変異を誘発し得
る。これらのDNAエレメントは、遺伝子を不活化(または活性化)するために
挿入され得、それによって、特定の形質を「タグ」化し得る。この例において、
その転移可能なエレメントは、タグ化された変異の不安定性を生じない。なぜな
ら、そのエレメントの利用は、ゲノムへ移動するその能力に依存しないからであ
る。一旦、所望の形質がタグ化されると、PCRプライマーとして導入されたD
NA配列を用いて、PCR遺伝子クローニング技術とともに用いて対応する遺伝
子をクローニングし得る(Shapiro,1983;Dellaportaら
、1988)。一旦同定されると、特定の特質についてのその遺伝子全体(所望
される場合、制御領域または調節領域を含む)が単離され得、クローニングされ
得、および所望に応じて操作され得る。遺伝子タグ化の目的のために生物に導入
されるDNAエレメントの有用性は、DNA配列から独立しており、そしてDN
A配列のどの生物学的活性に依存しない(すなわち、RNAへの転写、またはタ
ンパク質への翻訳)。DNAエレメントの唯一の機能は、遺伝子のDNA配列を
破壊することである。
【0131】 発現されないDNA配列(新規合成配列を含む)が、細胞、組織および生物に
、これらの細胞、組織および生物(特に植物およびその種子)の独占的「標識」
として導入され得ることが企図される。標識DNAエレメントは、宿主細胞に対
して内因性の遺伝子の機能を破壊することは必要はない。なぜなら、このDNA
の唯一の機能は、細胞、組織または生物の起源を同定することであるからである
。例えば、植物へ特有のDNA配列を導入し得、そしてこのDNAエレメントは
、その標識された供給源から生じたものとして、細胞、植物およびこれらの細胞
の子孫をすべて同定する。標識DNAの内包によって、独占的生殖細胞質または
そのようなものに由来する生殖細胞質を、標識されていない生殖細胞質から識別
することが可能になる。
【0132】 導入され得る別の可能なエレメントは、マトリクス付着領域エレメント(MA
R)である(例えば、ニワトリリゾチームAエレメント(Stief、1989
)。これは、目的の発現可能遺伝子のまわりに配置されて、ゲノム(特に植物ゲ
ノム)への取り込みの際にその遺伝子の発現全体を増加させ、そして位置依存効
果を減少し得る(Stiefら、1989;Phi-Vanら、1990)。
【0133】 (J.植物表現型の改変のための外因性遺伝子) 本発明の特に重要な利点は、本発明が、植物細胞において選択されたタンパク
質の効率よい発現のための方法および組成物を提供することである。LEEおよ
びCEEの構築物は、種々の植物特異的プロモーターを用いて作製され得る。植
物特異的な発現のためのプロモーターは、当業者に公知であり、そして以下が挙
げられるがそれらに限定されない:任意の構成的、誘導性、組織もしくは器官に
特異的、または発生段階特異的な、プロモーター。これらは、特定の植物細胞に
おいて発現され得る。そのような適切なプロモーターは、Weisingら、前
出において開示される。
【0134】 本明細書において使用するために適切なプロモーターとしては以下が挙げられ
るがそれらに限定されない:A.tumefaciensのT−DNAからの少
なくとも1つの制御配列(トウモロコシ由来のマンノピンシンターゼ、ノパリン
シンターゼ、およびオクトピンシンターゼ;アルコールデヒドロゲナーゼプロモ
ーター);トウモロコシからのアルコールデヒドロゲナーゼプロモーター;光誘
導性プロモーター(例えば、種々の種からのリブロース−ビスホスフェート−カ
ルボキシラーゼ小サブユニット遺伝子およびクロロフィルa/b結合タンパク質
遺伝子プロモーター;ヒストンプロモーター(EP 507 698)、アクチ
ンプロモーター;トウモロコシユビキチンIプロモーター(Christens
enら(1996)Transgenic Res.5:213);カリフラワ
ーモザイクウイルスの35Sおよび19Sプロモーター;発生的に調節されるプ
ロモーター(例えば、マウスからのwaxy,zeinまたはbronzeのプ
ロモーター);ならびに合成または他の天然のプロモーターであって、誘導性ま
たは構成性のいずれかであるもの(器官特異的発現または植物の特定の発生段階
での発現を示すプロモーター(例えば、米国特許第5,635,618号に開示
されたαチューブリン)を含む)。
【0135】 他のエレメント(例えば、イントロン、エンハンサー、終結配列など)もまた
、LEEまたはCEEにおいて存在し得る。これらのエレメントは、LEEまた
はCEE遺伝子構築の残りと適合しなければならない。そのようなエレメントは
、その遺伝子の機能に必要であっても必要でなくてもよい。しかし、それらは、
転写をを行うことによってその遺伝子をよりよく発現または機能させること、m
RNAの安定性などを提供し得る。そのようなエレメントは、植物には限定され
ないような生物において遺伝子を形質転換することを最適化する性能を入手する
ための所望される核酸において包含され得る。非限定的実施例において、トウモ
ロコシAdhlS第一のイントロンは、特定の異種核酸のそのプロモーターとそ
のコード配列との間に配置され得る。このイントロンは、遺伝子構築物に含まれ
るとき、タンパク質のトウモロコシ細胞における発現を一般的に増加させること
が知られる(Callisら(1987)Genes Dev.1.1183)
。他の適切なイントロンとしては、以下が挙げられるがそれらに限定されない:
トウモロコシのshrunken−1遺伝子の少なくとも1つの第一のイントロ
ン(Maasら(1991)Plant Mol.Biol.16:199);
トウゴマカタラーゼ(cat−1)遺伝子の第一のイントロン(Ohtaら(1
990)Plant Cell Physiol.31.805);ST-LS
I遺伝子のポテトカタラーゼ第二のイントロン(Vancanneytら(19
90)Mol.Gen.Genet.220:245);タバコ黄萎病ウイルス
イントロン(Morrisら(1992)Virology 187:633;
イネからのアクチン−1(act- 1)イントロン(McElroyら(19
90)Plant Cell 2:163);およびトリオースリン酸イソメラ
ーゼ(TPI)イントロン1(Snowdenら(1996)Plant Mo
l.Biol.31:689)。しかし、遺伝子が満足行くに実施するに充分な
発現は、しばしば、イントロン無しに得られ得る(Battrawら(1990
)PlantMol.Biol.15:527)。
【0136】 異種核酸を含むLEEまたはCEEの構築物はまた、一過性ペプチドをコード
する配列を含んで、異種遺伝子を植物細胞のオルガネラ(例えば、クロロプラス
ト)へと、その異種遺伝子によってコードされるタンパク質を駆動させ得る。そ
のような一過性ペプチドは、当業者には周知であり、そして単一一過性ペプチド
、および少なくとも2つの一過性ペプチドをコードする配列の組み合わせにより
得られる複数一過性ペプチドが挙げられ得る。1つの一過性ペプチドは、米国特
許第5,635,618号において開示されるOptimized Trans
it Peptide(最適化一過性ペプチド)であり、これは、第一のクロロ
プラスト一過性ペプチドをコードする第一のDNA配列、クロロプラストへと天
然に駆動される成熟タンパク質のN末端ドメインをコードする第二のDNA配列
、および第二のクロロプラスト一過性ペプチドをコードする第三のDNA配列を
転写の方向に含む。
【0137】 本発明に従って植物宿主細胞における発現のための選択されるタンパク質の選
択は、形質転換の目的に依存する。穀物植物の形質転換の主要な目的の1つは、
商業的に所望される、農業的に重要な形質を植物に付加することである。そのよ
うな形質としては、以下が挙げられるがそれらに限定されない:除草剤抵抗性ま
たは寛容性;昆虫抵抗性または寛容性;疫病抵抗性または寛容性(ウイルス性、
細菌性、真菌性、線虫);ストレス寛容性および/または抵抗性(例えば、旱魃
、熱、冷却、凍結、過剰湿度、塩ストレスおよび酸化ストレスに対する励行性ま
たは慣用性により例示される);収量増加;食品含量および構成;物理的外見;
男性不妊;ドライダウン(drydown);標準性;多作性;デンプン量およ
び品質;油量および品質;タンパク質量および品質;アミノ酸組成など。種々の
米国特許第がこれらの形質を付与するために使用され得るORFを記載しており
、例えば、米国特許第5,550,318号、同第6,023,013号および
同第6,040,497号、これらは各々本明細書において参考として援用され
る。
【0138】 本発明の特定の実施形態において、レシピエント細胞の形質転換は、1を超え
る外因性(選択された)遺伝子(すなわち、ORF)を用いて行われ得る。本明
細書において記載されるように、「外因性コード領域」または「選択されるコー
ド領域」は、同一の状況において宿主ゲノムにおいて通常見出されないコード領
域である。これにより、宿主ゲノムのものとは異なる種から単離され得、あるい
は、宿主ゲノムから単離され得るが、変化していないネイティブ遺伝子において
見出されるものとは異なる1つ以上の制御領域に作動可能に連結される。2つの
外因性コード領域はまた、LEEまたはCEE構築物をコードする異なる導入遺
伝子を用いるか、または2つ以上のコード配列を取り込んだ単一の構築物を用い
るかのいずれかで、単一の形質転換事象において供給され得る。
【0139】 (K.遺伝子ワクチン) 特定の実施形態において、少なくとも1つのLEEまたはCEEは、抗原を含
むかまたは発現する。この抗原は、抗原をコードするLEEもしくはCEEで、
または抗原をコードするLEEもしくはCEEトランスフェクトされたかまたは
接種された動物による免疫応答を促進し得る。従って、LEEまたはCEEは、
免疫プロトコルのために有用なワクチンまたは「遺伝子ワクチン」を含み得る。
この実施形態において、病原体のための抗原をコードするORF(例えば、HI
V,SIV,マイコプラズマ)、寄生生物またはアレルゲン性生物が好ましい。
さらに、推定抗原またはアレルゲンについてのORFは、1つ以上の真核生物の
生物における免疫応答についてアッセイされ得る。
【0140】 免疫の経過は、上清抗原に対する抗体についてのアッセイにより追跡され得る
。このアッセイは、慣用標識により標識することによって実施され得る(例えば
、放射性核種、酵素、蛍光など)。これらの技術は周知であり、そして例えば、
これらの型のアッセイの例示として以下におけるような広汎な種々の特許におい
て見出され得る:米国特許第3.791,932号;同第4,174,384号
および同第3,949,064号。他の免疫アッセイが実施され得、そしてその
病原体へのチャレンジからの保護のアッセイが免疫後に行われ得る。
【0141】 (1.免疫調節因子) 免疫調節因子をワクチン中に含めて、患者の応答を増強し得ることが企図され
る。免疫調節因子は、精製されたタンパク質または細胞がその組成物の部分であ
るときにその細胞へと操作されたその発現物として含められ得る。免疫調節因子
をコードする遺伝子が含められ得る。以下の節は、関心のあるものである免疫調
節因子の例を列挙する。
【0142】 (a.サイトカイン) インターロイキンおよびサイトカイン、ならびにインターロイキンおよびサイ
トカインを発現するベクターは、可能なワクチン成分として企図される。インタ
ーロイキンおよびサイトカインとしては以下が挙げられるがそれらに限定されな
い:インターロイキン1,IL-2,IL-3,IL-4,IL-5,IL-6,I
L-7,IL-8,IL-9,IL-10,IL-11、IL−12、IL−13、
IL-14,IL-15,β-インターロイキン、α-インターロイキン、γ-イン
ターロイキン、およびアンギオスタチン、トロンボスポンジン、エンドスタチン
、METH-1、METH-2、GM-CSF、G-CSF、M-CSF、腫瘍壊死
因子、およびそれらの組合せ。
【0143】 (a.補因子) 補因子または補因子をコードする遺伝子は、ワクチンにおいて使用され得る。
補因子の例としては、以下が挙げられるがそれらに限定されない:CD85、C
D80,B7.1,B7.2など。
【0144】 (b.ケモカイン) ケモカインまたはケモカインをコードするORFもまた、ワクチン成分として
使用され得る。ケモカインは一般に、化学誘因剤として作用して免疫エフェクタ
ー細胞をケモカイン発現の部位へ補充する。特定の毛も回に電子を、例えば、サ
イトカイン遺伝子と組み合わせて発現させて、他の免疫系成分の処置の部位への
補充を増強することが有利であり得る。そのようなケモカインとしては以下が挙
げられる:RANTES、MCAF、MIP 1-α、MIP 1−β、および
IP-10。当業者は、特定のサイトカインがまた、化学誘因効果を有すことが
知られ、そして用語ケモカインとして分類され得ることを認識する。
【0145】 (2.アジュバント) 数年にわたり免疫プロトコルをアジュバントに使用して応答を刺激されている
。いくつかのアジュバントは、抗原が提示される方法に影響を与える。例えば、
免疫応答は、タンパク質抗原はミョウバンにより沈降されると増強する。抗原の
乳化もまた、抗原提示の期間を延長する。他のアジュバント(例えば、細菌に由
来する特定の有機分子)は、抗原上ではなく宿主に作用する。例は、ムラミルジ
ペプチド(N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン[MDP])
、細菌ペプチドグリカン。MDPの効果は、ほとんどのアジュバント同様、十分
には理解されていない。しかし、MDP刺激されたマクロファージはまた、B細
胞を直接刺激するようである。従って、このアジュバントの効果は、抗原特異的
ではない。しかしこれらが精製された抗原とともに投与されるとき、それらは、
その抗原に対する応答を選択的に促進するように使用され得る。
【0146】 アジュバントは、未知の抗原に対する免疫における一般的な増加を促進するよ
うに実験的に使用されてきている(例えば、米国特許第4,877,611号)
。これは、癌の処置において特に試行されてきている。多くの癌について、免疫
系が腫瘍細胞に対する宿主防御に関与するという無理のある証拠があるが、腫瘍
特異的抗原のありそうな総数のほんの一部が今日までに同定されたと考えられて
いる。しかし、本発明を用いて、適切なアジュバントの照射された腫瘍細胞の膜
への内包は、突出した抗原の分子の同一性に拘わらず、抗腫瘍応答を増強するよ
うである。これは、本発明の特に重要なかつ時間を節約する特徴である。
【0147】 当業者は、本発明に従って細胞性ワクチンに連結され得る種々の種類のアジュ
バントを認知し、そしてこれらとしては以下が挙げられる:とりわけ、アルキル
リゾリン脂質(ALP);BCG;およびビオチン(ビオチン化誘導体を含む)
。 使用のために特に企図される特定のアジュバントは、グラム陰性細胞からのテイ
コ酸である。これらとしては、以下が挙げられる:リポテイコ酸(LTA)、リ
ビトールテイコ酸(RTA)およびグリセロールテイコ酸(GTA)。それらの
合成対応物の活性形態もまた、本発明とともに用いられ得る(Takadaら、
1995a)。
【0148】 ヘモシアニンおよびヘモエリトリンもまた、本発明において使用され得る。す
かし貝(KLH)からのヘモシアニンの使用が特に好ましいが、他の分子ならび
に他の節足動物ヘモシアニンおよびヘモエリトリンも使用され得る。
【0149】 種々のポリサッカリドアジュバントもまた使用され得る。例えば、Yinら(
1989)は、マウスの抗体応答に対して種々のpneumococcus(肺
炎菌)ポリサッカリドアジュバントの使用を記載する。最適な応答を生成するか
または他の方法でYinら(1989)において示されるように抑制を生成しな
い用量が使用されるべきである。ポリサッカリドのポリアミンの変種が特に好ま
しい(例えば、キチンおよびキトサン(脱アセチル化キチンを含む))。
【0150】 アジュバントのさらなる好ましい群は、細菌ペプチドグリカンのムラミルジペ
プチド(MDP、N−アセチルムラミル−L−アラニル−D−イソグルタミン)
群である。ムラミルジペプチドの誘導体(例えば、アミノ酸誘導体スレオニル−
MDP、および脂肪酸誘導体MTPPE)もまた企図される。
【0151】 米国特許第4,950,645号は、ムラミルジペプチドの脂溶性のジサッカ
リド−トリペプチド誘導体を記載する。これは、ホスファジチルコリンおよびホ
スファチジルグリセロールから形成される人工リポソームにおいて使用すること
について推奨される。これは、ヒト単球を活性化し、そして腫瘍細胞を破壊する
ことにおいて有効であるといわれるが、一般に高用量で非毒性である。米国特許
第4,950,645号およびPCT特許出願WO91/16347の化合物は
、以前に、細胞キャリアとの使用について示唆されていないが、今や、本発明に
おける使用について推奨される。
【0152】 本発明において好ましいアジュバントはBCGである。BCG(バシラス・カ
ルメット-ゲラン菌、Mycobacteriumの減弱化した株およびBCG
細胞壁骨格(CWS)もまた、トレハロースジミコレートのあるなしで、本発明
におけるアジュバントとして使用され得る。トレハロースジミコレートはそれ自
身が使用され得る。Azumaら(1988)は、トレハロースジミコレート投
与が、マウスにおけるインフルエンザウイルス感染に対する抵抗性の増強と相関
することが示している。トレハロースジミコレートは、米国特許第4,579,
945号において記載されるように調製され得る。
【0153】 BCGは、その免疫刺激特性に起因して重要な臨床ツールである。BCGは、
網膜内皮系を刺激し、ナチュラルキラー細胞を活性化し、そして造血幹細胞の増
殖を増強するように作用する。BCGの細胞壁抽出物は、卓越した免疫アジュバ
ント活性を有することが証明されている。マイコバクテリアについて最近開発さ
れた分子遺伝学ツールおよび方法は、BCGへ外来遺伝子に導入する手段を提供
した(Jacobsら、1987;Snapperら、1988;Husson
ら、1990;Martinら、1990)。生のBCGは、肺炎を予防するた
めに有効かつ安全な世界的に使用されるワクチンである。BCGおよび他のマイ
コバクテリアは、非常に有効なアジュバントであり、そしてマイコバクテリアに
対する免疫応答は、広汎に研究されている。ほぼ20億の免疫によって、BCG
は、ヒトにおいて安全な使用の長期記録を有する(Luelmo,1982;L
otteら、1984)。BCGは、誕生時に与えられ得る数少ないワクチンの
一つであり、BCGは、単回用量のみで長期免疫応答を発生させ、そしてBCG
ワクチン接種における経験を通じて世界的に分配されたネットワークが存在する
。例示的BCGワクチンは、TICE(登録商標)BCGとして販売されている
(Organon Inc.,West Orange,NJ)。
【0154】 本発明の代表的実施において、Mycobacterium bovis B
CGの細胞は、当該分野において公知の方法によって増殖されそして採取される
。例えば、それらは、Sauton培地においてまたはDubos培地における
分散培養物を含む醗酵容器中で表面ペリクラとして増殖し得る(Dubosら、
1947;Rosenthal,1937)。すべての培養物は、約37℃での
14日間のインキュベーション後、採取される。ペリクラとして増殖した細胞は
、白金ループを用いることにより採取され、他方、醗酵器からのものは、遠心分
離または接線方向流れ濾過によって採取される。採取された細胞は、水性滅菌緩
衝培地中に再懸濁される。代表的な懸濁物は、約2×1010細胞/mlから約2
×1012細胞/mlヲ含む。この細胞懸濁物に対して、BCG細胞カバー物質を
破壊する選択された酵素を含む滅菌溶液が添加される。得られる懸濁物は、例え
ば、攪拌してBCG生物の最大の分散を確保することによって振盪される。その
後、より濃縮された細胞懸濁物が調製され、そしてその濃縮物における酵素は、
代表的に水性緩衝液を用いて洗浄すること、接線方向流れの濾過のような公知の
技術を使用することによって除去される。酵素なし細胞は、バイアル、アンプル
などに充填され、そして凍結乾燥された後に、凍結保護剤溶液を用いて最適な免
疫学的濃縮物に調整され、BCGワクチンを得、これを、水での再構成の際に、
免疫のために用意ができている。
【0155】 両親媒性および表面活性薬剤(例えば、サポニンおよびQS21(Cambr
idge Biotech)のような誘導体)は、本発明の免疫原を用いた使用
のための好ましいアジュバントのさらに別の群を形成する。非イオン性ブロック
コポリマー表面活性剤(Rabinovichら、1994;Hunterら、
1991)もまた、使用され得る。Yamamotoら(1988)に記載され
るようなオリゴヌクレオチドは、別の有用な群のアジュバントである。Quil
Aおよびレンチネンは、アジュバントの現在好ましいリストを補充する。薬剤
の各々および以下に記載されるエンドトキシンは、アジュバントとして周知であ
るが、これらの化合物は、本明細書に記載されるように、標的細胞の膜へはこれ
までに取り込まれていない。
【0156】 本発明における使用のために好ましい1つの群のアジュバントは、脱毒性化し
たトキシンである(例えば、米国特許第4,866,034号にの精製した脱毒
性化エンドトキシン)。これらの精製された脱毒性化したエンドトキシンは、哺
乳動物におけるアジュバント応答を生成するために有効である。
【0157】 脱毒性化されたエンドトキシンは、他のアジュバントと組み合わされて、多価
アジュバントを取り込んだ細胞を調製し得る。トレハロースジミコレートと脱毒
性化エンドトキシンとの組合せが米国特許第4,435,386号に記載される
ように企図されている。トレハロースジミコレートおよびエンドトキシン性糖脂
質との脱毒性化エンドトキシンの組合せもまた企図される(米国特許第4,50
5,899号)。同様に、細胞壁骨格(CWS)またはCWSおよびトレハロー
スジミコレートとの脱毒性化エンドトキシンとの組合せもまた、米国特許第4,
436,727号、同第4,436,728号および同第4,505,900号
に記載されるように企図される。単なるCWSとトレハロースジミコレートとの
組合せ(脱毒性化エンドトキシンを含まない)もまた有用であることが意図され
る(米国特許第4,520,019号に記載される)。
【0158】 本発明における使用のために特に好ましいアジュバントの1つの群は、DNA
またはRNAによってコードされ得るものである。そのようなアジュバントは、
その抗原をコードするLEEまたはCEEにおいて、または別個のLEEもしく
はCEEのベクターとして、または伝統的なプラスミドもしくは他の構築物とし
てコードされ得る。アジュバントをコードするこれらの核酸は、例えば、脂質も
しくはリポソームを用いて直接送達され得る。抗原をコードするLEEまたはC
EEはまた、脂質またはリポソームにおいてタンパク質性アジュバントとともに
処方され得る。
【0159】 種々のアジュバントは、ヒトにおいて一般には使用されないものでさえなお、
動物において使用され得る。ここで、例えば、抗体を惹起するか、または活性化
されたT細胞を次に得ることが望まれる。そのアジュバントまたはその細胞のい
ずれかから生じ得る毒性または他の有害効果(例えば、非照射腫瘍細胞を用いて
生じ得るようなもの)は、そのような環境とは無関係である。
【0160】 ワクチンは、注射(例えば、皮下、皮内または筋肉内)によって非経口的従来
通り投与され得る。多くの場合において、多数の投与のワクチンを有することが
所望され、通常6回のワクチン接種を超えず、より通常には4回のワクチン接種
を超えず、そして好ましくは1回以上であり、通常は少なくともおよそ3回のワ
クチン接種である。ワクチン接種は、通常2から12週間の間隔で、より通常に
は3から5週間の間隔である。1から5年(通常3年)の間隔での周期的追加免
疫が、抗体の保護レベルを維持するために所望される。
【0161】 (L.免疫学的試薬) 本発明の特定の局面において、発現されたORFに対する1つ以上の抗体を生
成し得る。これらの抗体は、本明細書において以下に記載される、種々の診断ま
たは治療上の適用において使用され得る。
【0162】 本明細書において使用される用語「抗体」は、IgG,IgM,IgA,Ig
DおよびIgEのような任意の免疫学的結合因子を広汎にいうことが意図される
。一般に、IgGおよび/またはIgMが好ましい。なぜなら、これらは、生理
学敵情強において最も一般的な抗体であり、そしてそれらは研究室の条件で最も
容易に作製されるからである。
【0163】 用語「抗体」は、抗原結合領域を有する抗体用分子をいうように使用され、そ
してFab’、Fab、F(ab’)2、単鎖ドメイン抗体(DAB)、Fv、
scFv(単鎖Fv)などのような抗体フラグメントを包含する。種々の抗体ベ
ースの構築物およびフラグメントを調製および用いるための技術は、当該分野に
おいて周知である(例えば、以下を参照のこと:Antibodies: A
Laboratory Manual,Cold Spring Harbor
Laboratory,1988;これは、本明細書において参考として援用
される)。
【0164】 モノクローナル抗体(MAb)は、特定の利点を有することが認識される(例
えば、再現性および大規模生産)。そして、それらの使用が一般に好ましい。従
って、本発明は、ヒト、マウス、サル、ラット、ハムスター、ラビットおよびニ
ワトリでさえの起源のモノクローナル抗体を提供する。試薬の調製の容易さおよ
び容易な入手可能性に起因して、マウスモノクローナル抗体がしばしば好ましい
【0165】 しかし、「ヒト化」抗体もまた企図され、同じように、ヒト定常ドメインおよ
び/もしくは可変ドメインを有する、マウス、ラット、または他の種からのキメ
ラ抗体、二機能性抗体、組み換えおよび操作された抗体ならびにそれらのフラグ
メントも企図される。その患者の歯科疾患に対する「カスタム改変」された抗体
の開発のための方法も同様に公知であり、そしてそのようなカスタム改変された
抗体もまた企図される。
【0166】 モノクローナル抗体(MAb)を生成するための方法は、一般に、ポリクロー
ナル抗体のための株と同じ株で始められる。手短には、ポリクローナル抗体は、
本発明に従うLEEまたはCEEの組成物で動物を免役すること、およびその免
役された動物から抗血清を収集することによって調製される。
【0167】 広汎な動物種が、抗血清の生成のために使用され得る。代表的には、抗血清の
生成のために使用される動物は、ラビット、マウス、ラット、ハムスター、モル
モットまたはヤギである。動物の選択は、操作の容易さ、コストまたは所望され
る血清量に依存して決定され得る。これらは、当業者に公知である。
【0168】 また、当業者に周知であるように、特定の免疫源組成物の免疫原性は、アジュ
バントとして知られる免疫応答の非特異的刺激因子の使用によって増強され得る
。適切なアジュバントとしては、以下が挙げられる:すべての受容可能な免疫刺
激性化合物(例えば、サイトカイン、ケモカイン、補因子、毒素、合成組成物ま
たはLEEもしくはCEEをコードするそのようなアジュバント。
【0169】 使用され得るアジュバントとしては以下が挙げられる:IL-1、IL-2、I
L-4、IL-7、M-12、γ-インターフェロン、GMCSP、BCG、水酸化
アルミニウム、MDP化合物(例えば、thur-MDPおよびnor-MDP、
CGP(MTP-PE)、リピドA、および一リン酸化リピドA(MPL)。細
菌からの3つの成分、MPL、トレハロースジミコレート(TDM)および細胞
壁骨格(CWS)を2%スクアレン/Tween80エマルジョン中に含むRI
BIが企図される。MHC抗原でさえ使用され得る。例示的でしばしば好ましい
アジュバントとしては、以下が挙げられる:完全フロイントアジュバント(殺傷
されたMycobacterium tuberculosisを含む免疫応答
の非特異性刺激因子)、不完全フロイントアジュバントおよび水酸化アルミニウ
ムアジュバント。
【0170】 アジュバントに加えて、T細胞免疫を上方調節または抑制細胞活性を下方調節
することが示されている生物学的応答の改変体(BRM)を同時投与することが
好ましくあり得る。そのようなBRMとしては、以下が挙げられるがそれらに限
定されない:シメチジン(CIM;1200mg/d)(Smith/Klin
e,PA);低用量シクロホスファミド(CYP;300mg/m2)(Joh
nson/Mead,NJ)、サイトカイン(例えば、γ−インターフェロン、
EL−2またはIL−12あるいは免疫ヘルパー機能に関与するタンパク質(例
えば、B−7)をコードする遺伝子。
【0171】 ポリクローナル抗体の生産において使用される免疫原組成物の量は、その免疫
原の性質および免疫のために使用される動物に依存して変動する。種々の経路を
使用して、免疫原を投与し得、これらには以下が含まれるがそれらに限定されな
い:皮下、筋肉内、皮内、上皮内、静脈内、および腹膜内。ポリクローナル抗体
の産生は、免疫後に、免役された動物の血液を種々の点でサンプリングすること
によってモニタリングされ得る。
【0172】 第二の追加免疫用量(例えば、注射において提供される)もまた与えられ得る
。追加免疫および滴定のプロセスは、適切な力価が達成されるまで反復される。
所望されるレベルの免疫原性が得られるとき、その免疫動物から採血され得、そ
してその血清が単離および格納され得、そして/あるいはその動物は、MAbを
生成するために使用され得る。
【0173】 ラビットポリクローナル抗体の生成について、その動物は、耳静脈または代替
的に心臓窃孔によって採血され得る。取り出された血液を凝固させ、次いで遠心
分離して細胞全体および血餅から血清成分を分離する。その血清は、種々の適用
について同様に使用され得、または他に、所望の抗体画分周知方法(例えば、別
の抗体、固体支持体に結合したペプチドを用いたアフィニティークロマトグラフ
ィー(または例えば、プロテインAまたはプロテインGのクロマトグラフィーを
用いる))によって精製され得る。
【0174】 MAbは、周知の技術の使用を通じて容易に調製され得る(例えば、米国特許
第4,196,265号において例示されるもの、これは、本明細書において参
考として援用される)。代表的に、この技術は、適切な動物を、選択された免疫
原組成物(例えば、精製されたまたは部分精製されたタンパク質、ポリペプチド
、ペプチドもしくはドメイン)(野生型組成物であれ、変異組成物であれ)で免
役することを包含する。免疫組成物は、抗体生成細胞を刺激するに有効な様式で
投与される。
【0175】 モノクローナル抗体(MAb)を生成するための方法は、一般に、ポリクロー
ナル抗体を調製するための株と同じ株で始められる。マウスおよびラットのよう
な齧歯類が好ましい動物であるが、ラビット、ヤギまたはカエルの細胞の使用も
また可能である。ラットの使用は、特定の利点を提供する(Goding,19
86,pp.60−61)が、マウスが好ましい。ここで、BALB/cマウス
が最も好ましい。なぜなら、これは、最も慣用的に使用され、そして一般に、よ
り高いパーセントの安定な融合物を与えるからである。
【0176】 その動物に、上記に一般的に記載されるように抗原を注射する。その抗原は、
アジュバント(例えば、フロイントの完全または不完全のアジュバント)と混合
され得る。同じ抗原またはその抗原をコードするDNAでの追加免疫投与は、お
よそ2週間の間隔で行う。
【0177】 免疫後、抗体を生成する可能性を有する体細胞(特に、Bリンパ球(B細胞)
)は、MAb抗原生成プロトコルにおいて使用するために選択される。これらの
細胞は、生検された脾臓、扁桃体またはリンパ節から入手され得、あるいは、末
梢血サンプルから入手され得る。脾臓細胞および末梢血細胞が好ましい。前者に
ついては、それらが分裂中の形質芽球段階にある抗体産生細胞が豊富である供給
源であるからであり、そして後者については、末梢血が容易にアクセス可能であ
るからである。
【0178】 しばしば、あるパネルの動物が免役され、そして最も高い抗体力価の動物の脾
臓が取り出され、そしてその脾臓リンパ球が、その脾臓をシリンジを用いて均質
化することによって得られる。代表的に、免役されたマウスからの脾臓は、およ
そ5×107から2×108のリンパ球を含む。
【0179】 次いで、免役された動物からの抗体産生Bリンパ球は不死化された骨髄細胞の
細胞(一般に、免役された動物と同じ種のもの)と融合される。ハイブリドーマ
生成融合手順での使用のために適切な骨髄細胞株は好ましくは、非抗体産生であ
り、高度の融合効率を有し、そして次いで、所望の融合細胞(ハイブリドーマ)
のみの増殖を支持する特定の選択培地中で増殖し得なくさせる酵素欠損を有する
【0180】 任意の多数の骨髄細胞が使用され得、これらは当業者に公知である(Godi
ng,pp.65-66,1986;Campbell,pp.75-83,19
84)が引用する)。例えば、免役された動物がマウスである場合、以下を使用
し得る:P3-X63/Ag8,X63-Ag8.653、NS I/I.Ag
4 1、Sp210-Agl4、FO、NSO/U、MPC-1 1、MPCI
I-X45-GTG1.7およびS 194/5XX0 Bul;ラットについて
、以下を使用し得る:R210−RCY3,Y3-Ag 1 3,IR983F
および4B210;ならびにヒト細胞融合物に関しては、U-266,GM15
00-GRG2,LICR-LON-HMy2およびUC729-6はすべて有用で
ある。
【0181】 1つの好ましいマウス骨髄細胞は、NS-1骨髄細胞株(P3-NS Ag4-
1とも呼ばれる)であり、これは、NIGMS Human Genetic
Mutant Cell Repositoryから、細胞株預託番号GM35
73を請求することにより容易に入手可能である。使用され得る別のマウス骨髄
細胞株は、8−アザグアニン耐性マウスのマウス骨髄細胞SP2/0非プロデュ
ーサー細胞株である。
【0182】 抗体産生脾臓またはリンパ節細胞と骨髄細胞とのハイブリッドを生成するため
の方法は、通常、体細胞と、骨髄細胞とを2:1の比率で混合することを包含す
るが、その比率は、細胞膜の融合を促進する因子(単数または複数(化学的また
は電気的)の存在下で、それぞれ約20:1から約1:1の間を変動し得る。S
endaiウイルスを用いた融合方法は、KohlerおよびMilstein
(1975;1976)に記載され、そしてポリエチレングリコール(PEG)
(例えば、37%(v/v)PEGを用いる方法は、Gefterら、(197
7)により記載される。電気的に誘導される融合方法の使用もまた適切である(
Goding pp.71-74,1986)。
【0183】 融合手順は通常、低い頻度(約1×10-6から1×10-8)で生存ハイブリッ
ドを生成する。しかし、これは、問題を提示しない。なぜなら、生存の融合され
たハイブリッドが親の融合されていない細胞(特に、通常あいまいに分化を続け
る非融合骨髄細胞)からは、選択培地中で培養することによっては分化しないか
らである。選択培地は、一般に、組織培養培地中でヌクレオチドのデノボ合成を
ブロックする薬剤を含むものである。例示的かつ好ましい薬剤は、アミノプテリ
ン、メトトレキサート、およびアザセリンである。アミノプテリンおよびメトト
レキサートは、プリンおよびピリミジンの両方のデノボ合成をブロックし、他方
、アザセリンは、プリン合成のみをブロックする。アミノプテリンまたはメトト
レキサートが使用される場合、その場合は、培地はヒポキサンチンおよびチミジ
ンをヌクレオチドの供給源として補充される(HAT培地)。アザセリンが使用
される場合、その培地には、ヒポキサンチンが補充される。
【0184】 好ましい選択培地はHATである。ヌクレオチドサルベージ経路を作動し得る
細胞のみがHAT培地中を生存し得る。骨髄細胞は、サルベージ経路の重要な酵
素を欠損している(例えば、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ
(HPRT)。そして、それらは、生存し得ない。B細胞は、この経路を作動し
得るが、それらは、培養物中の生命スパンに限定され、そして一般に、2週間で
死滅する。従って、選択培地中で生存し得る唯一の細胞は、骨髄細胞およびB細
胞から形成されたハイブリッドである。
【0185】 この培養工程は、特定のハイブリドーマが選択されるハイブリドーマの集団を
提供する。代表的に、ハイブリドーマの選択は、マイクロタイタープレート中の
単一クローン希釈によって細胞を培養すること、続いてその個々のクローン上清
(2から3週間後)その所望される反応性について試験することにより行われる
。このアッセイは、感度がよく、単純でかつ迅速であるべきである(例えば、放
射免疫アッセイ、酵素免疫アッセイ、細胞傷害性アッセイ、プラークアッセイ、
ドット免疫結合アッセイなど)。
【0186】 次いで、選択したハイブリドーマを連続稀釈し、別々の抗体産生細胞株にクロ
ーニングした。次いで、このクローンを永続的に増殖させMAbを提供させし得
る。この細胞株は、2つの基本的な方法においてMAb産生のために開発され得
る。第1としては、ハイブリドーマのサンプルを、もとの融合のための体細胞お
よびミエローマ細胞を提供するために用いられた型の組織適合性動物(例えば、
同系マウス)に(しばしば、腹腔に)注入し得る。必要に応じて、動物を炭水化
物、特にプリスタン(テトラメチルペンタデカン)のようなオイルでプライムし
、その後注射する。注射された動物は、融合された細胞ハイブリドーマにより産
生された特定のモノクローナル抗体を分泌する腫瘍を発達させる。次いで、この
動物の体液(例えば、血清または腹水)を取り、高濃度のMAbを獲得し得る。
第2としては、個々の細胞株は、インビトロで培養され得る。ここで、MAbは
、培養培地中に分泌され、ここからMAbが高濃度で容易に得られ得る。
【0187】 いずれかの手段により産生されたMAbは、所望の場合、濾過、遠心分離およ
び種々のクロマトグラフィー方法(例えば、HPLCまたはアフィニティークロ
マトグラフィー)を用いて、さらに精製され得る。本発明のモノクローナル抗体
のフラグメントは、酵素(例えば、ペプシンまたはパパイン)での消化を含む方
法によって、および/または化学的還元によるジスルフィド結合の切断によって
、そのように産生されたモノクローナル抗体から得られ得る。あるいは、本発明
に包含されるモノクローナル抗体フラグメントは、自動ペプチドシンセサイザー
を用いて合成され得る。
【0188】 モノクローナル抗体を生成するのに、分子クローニングアプローチが用いられ
得ることがまた意図される。1実施形態において、免疫した動物の脾臓から単離
したRNAから、コンビナトリアル免疫グロブリンファージミドライブラリーを
調製する。そして、抗原を発現する細胞およびコントロール細胞を用いるパニン
グ(panning)により、適切な抗体を発現するファージミドを選択する。
従来のハイブリドーマ技術を上回るこのアプローチの利点は、1回で、およそ1
4倍多い抗体が産生されそしてスクリーニングされ得ること、そしてH鎖およ
びL鎖の組み合わせにより新しい種が生成され、これはさらに適切な抗体を見出
す機会を増大するということである。別の実施例において、無細胞系を用いてイ
ンビトロで抗原を産生するために、LEEまたはCEEが、用いられ得る。これ
らは、単鎖抗体ライブラリーをスキャンニングするための標的として用いられ得
る。このことにより、動物の使用なしに、多くの異なる抗体が非常に迅速に同定
され得る。
【0189】 あるいは、本発明により包含されるモノクローナル抗体フラグメントは、自動
ペプチドシンセサイザーを用いてか、またはE.coliにおける全長遺伝子ま
たは遺伝子フラグメントの発現により、合成され得る。
【0190】 (1.抗体結合体) 本発明はさらに、抗体結合体を形成するために少なくとも1つの因子に連結し
た、ORF転写メッセージおよび翻訳タンパク質、ポリペプチドおよびペプチド
に対する、概してモノクローナル型の、抗体を提供する。診断薬または治療薬と
してのモノクローナル抗体の有効性を増大するため、少なくとも1つの所望の分
子または部分を結合させるか、共有結合させるか、または複合することが通常で
ある。このような分子または部分は、少なくとも1つのエフェクター分子または
レポーター分子であり得るがそれに限定されない。エフェクター分子は、所望の
活性(例えば、細胞傷害性活性)を有する分子を含む。抗体に結合したエフェク
ター分子の非限定的な例としては、トキシン(毒素)、抗腫瘍因子、治療酵素、
放射線標識ヌクレオチド、抗ウイルス剤、キレート剤、サイトカイン、成長因子
、およびオリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチドが挙げられる。対照的に、
レポーター分子は、1アッセイを用いて検出され得る任意の部分として規定され
る。抗体に結合したレポーター分子の非限定的な例としては、酵素、放射線標識
、ハプテン、蛍光標識、燐光性分子、化学発光分子、発色団、蛍光分子、光親和
性分子、有色粒子、またはリガンド、例えばビオチンが挙げられる。
【0191】 十分な選択性、特異性または親和性の抗体が、抗体結合体のための基礎として
使用され得る。このような特性は、当業者に公知の従来の免疫学的スクリーニン
グ方法論を用いて評価され得る。基準抗原結合部位に加えて、抗体分子における
生物学的に活性な分子に対する結合のための部位としては、病原体、B細胞スー
パー抗原、T細胞共レセプターCD4およびHIV−1エンベロープに結合し得
る可変ドメイン中に存在する部位が挙げられる(Sassoら、1989;Sh
orkiら、1991;Silvermannら、1995;Clearyら、
1994;Lenertら、1990;Berberianら、1993;Kr
eierら、1991)。さらに、可変ドメインは、抗体自己結合に関与し(K
angら、1988)、そして抗−抗体により認識されるエピトープ(イディオ
タイプ)を含む(Kohlerら、1989)。
【0192】 抗体結合体の特定の実施例は、抗体が検出可能標識に結合するような結合体で
ある。「検出可能標識」は、その特定の機能的特性、および/または化学的特徴
、により検出され得る化合物および/またはエレメントである。その使用により
、所望の場合、それが結合された抗体が、検出され、そして/またはさらに定量
されることを可能にする。別のこのような実施例は、細胞傷害性薬剤または抗細
胞剤に結合した抗体を含む結合体の形成であり、そして「免疫毒素(イムノトキ
シン)」と呼ばれ得る。
【0193】 抗体結合体は、一般に診断薬としての使用に好ましい。抗体診断薬は、一般に
2つのクラスに分けられる。この2つは、インビトロ診断(例えば、種々の免疫
アッセイ(イムノアッセイ))における使用のためのもの、および/またはイン
ビボ診断プロトコールにおける使用のためのもの(一般に、「抗体指向性画像化
(antibody−directed imaging)」として知られる)
である。
【0194】 多くの適切な画像化剤が、抗体へのその結合のための方法がそうであるように
、当該分野で公知である(それぞれ、参考として本明細書において援用される,
例えば、米国特許第5,021,236号;同第4,938,948号を参照の
こと)。用いられる画像化部分は、常磁性造影剤;放射活性同位元素;蛍光色素
;NMR−検出可能物質;X線撮影であり得る。
【0195】 常磁性造影剤の場合、例として、クロム(III)、マグネシウム(II)、
鉄(III)、コバルト(II)、ニッケル(II)、銅(II)、ネオジミウ
ム(III)、サマリウム(III)、イッテルビウム(III)、ガドリニウ
ム(III)、バナジウム(II)、テルビウム(III)、ジスプロシウム(
III)、ホルビウム(III)および/またはエルビウム(III)が挙げら
れるが、ガドリニウムが特に好ましい。他の状況(例えば、X線撮影)で有用な
イオンとしては、限定しないが、ランタン(III)、金(III)、鉛(II
)および特にビスマス(III)が挙げられる。
【0196】 治療的適用および/または診断的適用のための放射性同位体の場合、アスタチ
21114炭素、51クロム、36塩素、57コバルト、58コバルト、銅67152Eu、
ガリウム673水素、ヨウ素123、ヨウ素125、ヨウ素131、インジウム11159
32リン、レニウム186、レニウム18875セレン、35イオウ、テクネチウム(t
echnicium)99m、および/またはイットリウム90が挙げられ得る。125
Iは、しばしば、特定の実施形態における用途に好ましく、そしてイットリウム 90 およびインジウム111はまた、しばしば、それらの低いエネルギーおよび安定
性により、長期検出に好ましい。本発明の放射性標識モノクローナル抗体は、当
該分野で周知の方法に従って産生され得る。例えば、モノクローナル抗体は、ヨ
ウ化ナトリウムおよび/またはヨウ化カリウム、ならびに化学酸化剤(例えば、
次亜塩素酸ナトリウム)、または酵素酸化剤(例えば、ラクトペルオキシダーゼ
)との接触によりヨウ素化され得る。本発明に従うモノクローナル抗体は、リガ
ンド交換プロセスにより(例えば、スズ溶液を用いて過テクネチウム酸を還元し
、Sephadexカラムに還元したテクネチウムをキレート化し、そしてこの
カラムに抗体をアプライすることにより)、テクネチウム99mで標識され得る。
あるいは、直接的標識技術が、例えば、過テクネチウム酸、還元剤(例えば、S
NCL2)、緩衝溶液(フタル酸ナトリウム−カリウム溶液)、および抗体をイ
ンキュベートすることにより、用いられ得る。抗体に、金属イオンとして存在す
る放射性同位体を結合させるために、しばしば用いられる中間の官能基は、ジエ
チレントリアミン5酢酸(DTPA)またはエチレンジアミン4酢酸(EDTA
)である。
【0197】 結合体としての使用を意図される蛍光標識としては、Alexa 350、A
lexa 430、AMCA、BODIPY630/650、BODIPY 6
50/665、BODIPY−FL、BODIPY−R6G、BODIPY−T
MR、BODIPY−TRX、カスケードブルー(Cascade Blue)
、Cy3、Cy5,6−FAM、フルオレセインイソチオシアネート(Fluo
rescein Isothiocyanate)、HEX、6−JOE、オレ
ゴングリーン(Oregon Green) 488、オレゴングリーン(Or
egon Green) 500、オレゴングリーン(Oregon Gree
n) 514、パシフィックブルー(Pacific Blue)、REG、ロ
ーダミングリーン(Rhodamine Green)、ローダミンレッド(R
hodamine Red)、レノグラフィン(Renographin)、R
OX、TAMRA、TET、テトラメチルローダミン(Tetramethyl
rhodamine)、および/またはテキサスレッド(Texas Red)
が挙げられる。
【0198】 本発明において意図される別の型の抗体結合体は、インビトロでの使用を主に
意図した抗体である。ここで、この抗体は、2次結合リガンドおよび/または色
素形成基質と接触する際に有色産物を生成する、酵素(酵素タグ)に連結される
。適切な酵素の例としては、ウレアーゼ、アルカリホスファターゼ、(西洋わさ
び)水素ペルオキシダーゼ、またはグルコースオキシダーゼが挙げられる。好ま
しい2次結合リガンドは、ビオチンおよび/またはアビジン、ならびにストレプ
トアビジンの化合物である。このような標識の使用は、当業者に周知であり、そ
して、例えば、米国特許第3,817,837号;同第3,850,752号;
同第3,939,350号;同第3,996,345号;同第4,277,43
7号;同第4,275,149号および同第4,366,241号に記載される
(これらの各々は本明細書中で参考として援用される)。
【0199】 抗体に対する分子の部位特異的付着のなお別の公知の方法は、抗体のハプテン
ベースのアフィニティー標識との反応を含む。本質的に、ハプテンベースのアフ
ィニティー標識は、抗原結合部位中のアミノ酸と反応して、それによりこの部位
を破壊し、そして特定の抗原反応をブロックする。しかし、これは優位ではない
。なぜならば、これは抗体結合体による抗原結合の損失を生じるからである。
【0200】 アジド基を含む分子をまた用いて、低強度紫外線により生成される、反応性ニ
トレン中間体を介してタンパク質に共有結合を形成し得る(Potterおよび
Haley,1983)。特に、プリンヌクレオチドの2−アジドアナログおよ
び8−アジドアナログは、租細胞抽出物におけるヌクレオチド結合タンパク質を
同定するために、部位特異的フォトプローブとして用いられている(Qwens
およびHaley、1987;Athertonら、1985)。2−アジドヌ
クレオチド、および8−アジドヌクレオチドはまた、精製タンパク質のヌクレオ
チド結合ドメインをマッピングするために用いられており(Khatoonら、
1989;Kingら、1989;およびDholakiaら、1989)、そ
して抗体結合剤として用いられ得る。
【0201】 いくつかの方法は、その結合体部分に対する抗体の付着または結合体化につい
て、当該分野で公知である。いくつかの付着方法は、例えば、抗体に結合した無
水ジエチレントリアミン5酢酸(DTPA);エチレントリアミン4酢酸;N−
クロロ−p−トルエンスルホンアミド;および/またはテトラクロロ−3α−6
α−ジフェニルグリコウリル−3のような有機キレート剤を用いる、金属キレー
ト複合体の使用に関する(米国特許第4,472,509号おいび同第4,93
8,948号、これらの各々は本明細書中で参考として援用される)。モノクロ
ーナル抗体はまた、カップリング剤(例えば、グルタルアルデヒドまたは過ヨウ
素酸)の存在下で酵素と反応され得る。蛍光マーカーを有する結合体は、これら
のカップリング剤の存在下か、またはイソチオシアネートとの反応により調製さ
れる。米国特許第4,938,948号において、乳癌のイメージングは、モノ
クローナル抗体を使用して達成され、そして検出可能なイメージング部分は、リ
ンカー(例えば、メチル−p−ヒドロキシベンズイミデートまたはN−スクシン
イミジル−3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを用いて抗体に結合
される。
【0202】 他の実施形態では、抗体結合部位を変化しない反応条件を用いて、免疫グロブ
リンのFc領域にスルフヒドリル基を選択的に導入することによる免疫グロブリ
ンの誘導体化が意図される。この方法論に従って生成される抗体結合体は、改善
された寿命、特異性および感度を示すことが開示される(米国特許第5,196
,066号、本明細書中で参考として援用される)。エフェクター分子またはレ
ポーター分子の部位特異的付着(ここで、このレポーター分子またはエフェクタ
ー分子は、Fc領域における糖質残基に結合体化される)はまた、文献に開示さ
れている(O’Shannessyら、1987)。このアプローチは、現在臨
床的評価にある、診断的かつ治療的に有望な抗体を生成することが報告されてい
る。
【0203】 (2.免疫検出法) なおさらなる実施形態では、本発明は、生物学的成分(例えば、ORF発現メ
ッセージ、タンパク質、ポリペプチドまたはペプチド)を結合する、精製する、
除去する、定量する、および/またはそれ以外で一般的に検出するための免疫検
出方法に関する。いくつかの免疫検出法としては、いくつかを挙げると、酵素結
合免疫吸着アッセイ(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、免疫放
射線アッセイ、蛍光イムノアッセイ、化学発光アッセイ、生物発光アッセイ、お
よびウェスタンブロットが挙げられる。種々の有用な免疫件検出法の工程は、科
学文献に記載されている(例えば、Doolittle MHおよびBen−Z
eev O、1999;Gulbis BおよびGaland P、1993;
De Jager Rら、1993;およびNakamuraら、1987、こ
れらの各々は本明細書中で参考として援用される)。
【0204】 一般に、免疫結合(immunobinding)方法は、ORF発現メッセ
ンジャー、ならびに/あるいはタンパク質、ポリペプチドおよび/またはペプチ
ドを含むことが疑われるサンプルを得る工程、および本発明の方法に従って、こ
のサンプルと第1の抗ORFメッセンジャーおよび/または抗ORF翻訳産物抗
体とを接触させる(場合によっては、免疫複合体の形成を可能にするに効果的な
条件下で)工程を包含する。
【0205】 これらの方法は、ORFメッセンジャー、タンパク質、ポリペプチドおよび/
またはペプチドを、オルガネラ、細胞、組織または生物体サンプルから精製する
ための方法を包含する。これらの例において、抗体が、抗原性のORFメッセン
ジャー、タンパク質、ポリペプチドおよび/またはペプチドの成分を、サンプル
から取り出す。この抗体は、好ましくは、固体支持体(例えば、カラムマトリク
スの形態での)に連結され、そしてこのORFメッセンジャー、タンパク質、ポ
リペプチドおよび/またはペプチドの抗原性成分を含むことが疑われるサンプル
を、この固定された抗体に適用する。所望でない成分は、カラムから洗い流され
、この固定された抗体に免疫複合体化された、この溶出されるべき抗原を残す。
【0206】 免疫結合方法はまた、サンプル中の抗原成分の量を検出および定量するため、
ならびに結合プロセスの間に形成された任意の免疫複合体の検出および定量のた
めの方法を包含する。ここでは、抗原を含むことが疑われるサンプルを得て、そ
してこのサンプルと、このORFから産生された抗原に対する抗体とを接触させ
、次いで、特定の条件下で形成された免疫複合体の量を検出および定量する。
【0207】 抗原検出の点において、分析される生物学的サンプルは、抗原を含有すること
が疑われる任意のサンプル(例えば、組織切片または組織試料、ホモジナイズし
た組織抽出物、細胞、オルガネラ、任意の上記の抗原含有組成物の分離形態およ
び/または精製形態、あるいは細胞または組織と接触している任意の生物学的液
体(血液および/または血清を含む)でさえ、のような)であるが、組織サンプ
ルまたは組織抽出物が好ましい。
【0208】 この選択された生物学的サンプルと抗体とを、免疫複合体(一次免疫複合体)
の形成の形成を可能にするのに効果的な条件下かつ十分な時間の間で接触させる
ことは、一般的には、単に、この抗体組成物をこのサンプルに添加し、そしてこ
の抗体が、存在する任意のORF抗原と免疫複合体を形成する(すなわち、その
ORF抗原に結合する)のに十分に長い時間の間でこの混合物をインキュベート
することである。この時間の後に、サンプル−抗体組成物(例えば、組織切片、
ELISAプレート、ドットブロットまたはウエスタンブロット)は、一般的に
、洗浄されて、任意の非特異的に結合された抗体種を除去し、一次免疫複合体内
に特異的に結合された、それらの抗体だけ検出されるのを可能にする。
【0209】 一般に、免疫複合体形成の検出は、当該分野で周知であり、そして多くのアプ
ローチの適用によって達成され得る。これらの方法は、一般に、標識またはマー
カー(例えば、任意のそれらの放射活性タグ、蛍光タグ、生物学的タグおよび酵
素タグ)の検出に基づく。このような標識の使用に関する米国特許としては、米
国特許第3,817,837号;同第3,850,752号;同第3,939,
350号;同第3,996,345号;同第4,277,437号;同第4,2
75,149号および同第4,366,241号(各々は、参照として本明細書
中に援用される)が挙げられる。もちろん、当該分野で公知のような、二次結合
リガンド(例えば、第2の抗体および/またはビオチン/アビジンリガンド結合
配置(arrangement))の使用によって、さらなる利点を見出し得る
【0210】 検出に使用されるORF抗原抗体は、それ自体で、検出可能な標識に連結され
、次いで、この標識を簡単に検出し、それによって、組成物中の一次免疫複合体
の量の決定を可能にする。あるいは、一次免疫複合体内に結合されている第1の
抗体は、この抗体に対する結合親和性を有する第2の結合リガンドによって検出
され得る。これらの場合において、この第2の結合リガンドは、検出可能な標識
に連結され得る。この第2の結合リガンドは、しばしば、それ自体が抗体であっ
て、従って、これは「二次」抗体と呼ばれ得る。一次免疫複合体は、この標識さ
れた二次結合リガンド(すなわち、抗体)と、二次免疫複合体の形成を可能にす
るのに効果的な条件下および十分な時間の間で接触される。次いで、この二次免
疫複合体は、一般に洗浄されて、任意の非特異的に結合された標識二次抗体(ま
たは、リガンド)を除去し、次いで、この二次免疫複合体における残った標識が
、検出される。
【0211】 さらなる方法は、2工程アプローチによる、一次免疫複合体の検出を包含する
。抗体に対する結合親和性を有する第2の結合リガンド(例えば、抗体)を使用
して、上記のように、二次免疫複合体を形成させる。洗浄後、この二次免疫複合
体を、この第2の抗体に対する結合親和性を有する第3の結合リガンドまたは抗
体と、再度、免疫複合体(三次免疫複合体)の形成を可能にするのに効果的な条
件下および十分な時間の間で接触させる。この第3のリガンドまたは抗体は、検
出可能な標識に連結され、このように形成された三次免疫複合体の検出を可能に
する。この系は、シグナル増幅を、それが所望される場合に提供し得る。
【0212】 Charles Cantorによって設計された免疫検出の1つの方法は、
2つの異なる抗体を使用する。第1工程のビオチン化モノクローナル抗体または
ビオチン化ポリクローナル抗体は、標的抗原を検出するために使用され、そして
次いで、第2工程の抗体が、この複合体化ビオチンに結合されているビオチンを
検出するために使用される。この方法において、試験されるサンプルは、最初に
、第1工程の抗体を含む溶液中でインキュベートされる。標的抗原が存在する場
合、その抗体のいくらかは、その抗原に結合して、ビオチン化抗体/抗原複合体
を形成する。次いで、この抗体/抗原複合体は、ストレプトアビジン(またはア
ビジン)、ビオチン化DNA、および/または相補的ビオチン化DNAの連続溶
液中でインキュベートすることによって増幅される(各工程は、さらなるビオチ
ン部位をこの抗体/抗原複合体に付加する)。この増幅工程は、適切なレベルの
増幅が達成されるまで繰り返され、この時点で、このサンプルを、ビオチンに対
する第2工程の抗体を含む溶液中でインキュベートする。この第2工程の抗体は
、例えば、色素原基質を使用する組織酵素学によって、その抗体/抗原複合体の
存在を検出するために使用され得る酵素で、標識される。適切な増幅によって、
巨視的に観察される結合体が、生成され得る。
【0213】 免疫検出の別の公知の方法は、免疫PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)方法論を
利用する。このPCR法は、ビオチン化DNAとのインキュベーションまではC
antor法と類似であるが、複数回のストレプトアビジンおよびビオチン化D
NAインキュベーションに代って、このDNA/ビオチン/ストレプトアビジン
/抗体複合体は、その抗体を放出する、低pH緩衝液または高塩緩衝液で洗浄さ
れる。次いで、この得られた洗浄溶液を使用して、適切なコントロールと共に、
適切なプライマーを用いるPCR反応を行う。少なくとも理論上は、PCRの非
常に大きい増幅能力および特異性を利用して、単一の抗原分子を検出し得る。
【0214】 本発明の免疫検出方法は、状態(例えば、種々の疾患)の診断および予測にお
ける明白な有用性を有し、ここで、特定のORF(例えば、ウイルス感染細胞、
組織または生物のウイルスORF);癌特異的遺伝子産物などが発現される。こ
こで、ORF発現産物に関与する特定の疾患を含む疑いのある、生物学的サンプ
ルおよび/または臨床的サンプルが使用される。しかし、これらの実施形態はま
た、非臨床的サンプルへの適用(例えば、ハイブリドーマの選択における抗原ま
たは抗体サンプルの滴定のような)を有する。
【0215】 疾患の種々の形態(例えば、癌のような)を有する患者の臨床的診断および/
またはモニタリングにおいて、癌特異的ORF遺伝子産物の検出、および/また
は癌特異的遺伝子産物のレベルの変更が、正常な被験体由来の対応する生物学的
サンプルにおけるレベルと比較して、癌を有する患者を示す。しかし、当業者に
公知のように、このような臨床的診断は、この単離方法に基づいて、必ずしもな
される訳ではない。当業者は、生物マーカーの型および/または量における有意
な差(これは、陽性の同定を表す)、ならびに/あるいは生物マーカーの低いレ
ベルおよび/またはバックグラウンド変化との間の区別に非常に精通している。
実際に、バックグラウンドの発現レベルがしばしば用いられ、増加した検出が、
有意および/または陽性と評価される「カットオフ」を形成する。もちろん、任
意の免疫検出または治療における本発明の抗体は、当業者に公知である。
【0216】 (a.ELISA) 上記で詳述したように、最も単純なセンスおよび/または直接的なセンスにお
けるイムノアッセイは、結合アッセイである。特定の好ましいイムノアッセイは
、当該分野で公知の酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)および/またはラ
ジオイムノアッセイの種々の型である。組織切片を使用する免疫組織化学的検出
はまた、特に有用である。しかし、検出が、このような技術に限定されず、そし
て/あるいはウエスタンブロッティング、ドットブロッティング、FACS分析
などがまた、使用され得ることが容易に認識される。
【0217】 一つの例示的なELISAにおいて、本発明の抗ORFメッセージおよび/ま
たは抗ORF翻訳産物抗体が、タンパク質親和性を示す選択された表面(例えば
、ポリスチレンマイクロタイタープレートにおけるウェル)上に固定化される。
次いで、抗原を含む疑いのある試験組成物(例えば、臨床的サンプル)が、ウェ
ルに添加される。結合、および/または非特異的結合免疫複合体を取り除くため
の洗浄後、結合した抗原を検出し得る。検出は、一般的に、検出可能な標識に結
合した別の抗ORFメッセージおよび/または抗ORF翻訳産物抗体の添加によ
って達成される。ELISAのこの型は、単純な「サンドイッチELISA」で
ある。検出はまた、第二の抗ORFメッセージおよび/または抗ORF翻訳産物
抗体の添加によって達成され得、その後、二次抗体への結合親和性を有する第三
の抗体を添加し、三次抗体は、検出可能な標識に結合する。
【0218】 別の例示的なELISAにおいて、抗原を含む疑いのあるサンプルが、ウェル
表面上に固定化され、そして/あるいは、次いで、本発明の抗ORFメッセージ
および/または抗ORF翻訳産物抗体と接触する。結合、および/または非特異
的結合免疫複合体を取り除くための洗浄後、結合した抗ORFメッセージおよび
/または抗ORF翻訳産物抗体が検出される。第一の抗ORFメッセージおよび
/または抗ORF翻訳産物抗体が、検出可能な標識に結合される場合、免疫複合
体は、直接検出され得る。再び、この免疫複合体は、第一の抗ORFメッセージ
および/または抗ORF翻訳産物抗体への結合親和性を有する二次抗体を使用し
て検出され得、この二次抗体は、検出可能な標識に結合される。
【0219】 抗原が固定化される別のELISAは、検出において、抗体競合の使用を含む
。このELISAにおいて、抗原に対して標識された抗原がウェルに添加され、
この標識によって、結合および/または検出が可能になる。次いで、未知のサン
プル中の抗原の量を、コーティングされたウェルを用いたインキュベーションの
間、抗原に対して標識された抗体とサンプルを混合することによって決定する。
サンプル中の抗原の存在は、ウェルへの結合に利用できる抗原に対する抗体の量
を減少するように作用し、従って、最終的なシグナルを減少する。これはまた、
未知のサンプル中の抗原に対する抗体の検出に適しており、ここで、非標識化抗
体は、抗原でコーティングされたウェルに結合し、そしてまた、標識化抗体の結
合に有効な抗原の量を減少する。
【0220】 利用される型式に関係なく、ELISAは、共通の特定の特徴(例えば、コー
ティング、インキュベート、および結合、非特異的結合種を取り除くための洗浄
、および結合した免疫複合体の検出)を有する。これらを以下に記載する。
【0221】 抗原または抗体のいずれかを用いたプレートのコーティングにおいて、一般的
に、一晩または特定の時間のいずれかで、抗原または抗体の溶液でプレートのウ
ェルをインキュベートする。次いで、このプレートのウェルを、不完全に吸着さ
れた物質を取り除くために洗浄する。次いで、ウェルの任意の残りの有効な表面
を、試験抗血清に関しては、抗原性に中性である非特異的タンパク質で「コーテ
ィング」する。これらとしては、ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼインまた
は粉乳溶液が挙げられる。このコーティングにより、固定化表面上の非特異的吸
着部位のブロッキングが可能になり、従って、表面上への抗血清の非特異的結合
によって引き起こされるバックグラウンドを減少する。
【0222】 ELISAにおいて、直接的な手順ではなく、二次的または三次的な検出手段
を使用することが、おそらくより通例である。従って、ウェルへのタンパク質ま
たは抗体の結合、バックグラウンドを減少するための非反応性物質でのコーティ
ング、および結合しない物質を取り除くための洗浄後、固定化表面を、免疫複合
体(抗原/抗体)形成に有効な条件下で、試験されるべき生物学的サンプルと接
触する。次いで、免疫複合体の検出が、標識された第二の結合リガンドまたは抗
体、および標識された三次抗体または第三の結合リガンドと組み合わせた第二の
結合リガンドまたは抗体を必要とする。
【0223】 「免疫複合体(抗原/抗体)形成に有効な条件下」は、好ましくは、BSA、
ウシγグロブリン(BGG)またはリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)/Twe
enのような溶液で、抗原および/または抗体を希釈する工程を包含する条件を
意味する。これらの付加された因子はまた、非特異的バックグラウンドの減少を
補助する傾向がある。
【0224】 「適切な」条件はまた、インキュベーションが、有効な結合を可能にするのに
十分な温度および時間であることを意味する。インキュベーション工程は、典型
的には、好ましくはおよそ25℃〜27℃程度の温度で約1〜2時間〜4時間位
であるか、または約4℃位で一晩であり得る。
【0225】 ELISAにおける全てのインキュベーション工程後、非複合体化物質を取り
除くために接触表面を洗浄した。好ましい洗浄手順は、PBS/Tweenのよ
うな溶液またはホウ酸緩衝液で洗浄する工程を包む。試験サンプルと元々結合し
ている物質との間の特定の免疫複合体の形成および引き続く洗浄の後、非常に少
量の免疫複合体の出現を決定し得る。
【0226】 検出手段を提供するために、二次抗体または三次抗体は、検出を可能にするた
めの付随する標識を有する。好ましくは、この標識は、適切な色素生産性基質と
共にインキュベートする際に発色を生じる酵素であり得る。従って、例えば、一
期間の間かつさらなる免疫複合体形成の発達に都合のよい条件下(例えば、PB
S−TweenのようなPBS含有溶液中の室温での2時間のインキュベーショ
ン)で、ウレアーゼ接合抗体、グルコースオキシダーゼ接合抗体、アルカリホス
ファターゼ接合抗体または水素オキシダーゼ接合抗体と第1および第2の免疫複
合体とを接触させるかインキュベートすることが望ましい。
【0227】 標識抗体とのインキュベーションおよび引き続く非結合物質の除去のための洗
浄後、例えば、色素生産性基質(例えば、ウレア、またはブロモクレゾールパー
プル、または2,2’−アジノ−ジ−(3−エチル−ベンズチアゾリン−6−ス
ルホン酸(ABTS))またはH22(酵素標識としてのペルオキシダーゼの場
合))とのインキュベーションにより、標識の量を定量した。次いで、定量化を
、例えば可視スペクトル分光光度計を使用して生成された色の程度を測定するこ
とにより達成した。
【0228】 (b.免疫組織化学) 本発明の抗体をまた、免疫組織化学(IHC)による研究のために調製された
新鮮な凍結組織ブロックおよび/またはホルマリン固定しパラフィン包埋した組
織ブロックの両方と共に使用し得る。これらの粒子状の検体から組織ブロックを
調製する方法は、種々の予後因子の以前のIHC研究において首尾よく使用され
てきた。そして/またはこの方法は、当業者に周知である(Brownら、19
90;Abbondanzoら、1990;Allredら、1990)。
【0229】 簡潔には、凍結切片を、小さなプラスチックカプセル中のリン酸緩衝食塩水(
PBS)中に室温にて、50ngの凍結「微粉砕した」組織を再水和すること;
遠心分離により粒子をペレット化すること;粘性包埋媒体(OCT)中にそれら
を再懸濁すること;そのカプセルを反転させ、そして/もしくは遠心分離により
再びペレット化すること;−70℃のイソペンタン中でスナップ凍結すること;
このプラスチックカプセルを切断し、そして/もしくは組織の凍結シリンダーを
取り出すこと;クリオスタットミクロトームチャック上に組織シリンダーを固定
すること;および/または25〜50個の連続した切片に切断することにより、
調製し得る。
【0230】 固定切片を、プラスチック微量遠心管中の50mgのサンプルの再水和;ペレ
ット化すること;4時間の固定化のために10%ホルマリン中に再懸濁すること
;洗浄すること/ペレット化すること;温かい2.5%寒天中に再懸濁すること
;ペレット化すること;氷水中で冷却し寒天を硬化すること;管から組織/寒天
ブロックを取り出すこと;パラフィン中にそのブロックを浸透することおよび/
もしくは包埋すること;そして/または50個の連続した固定切片を切り出すこ
とを含む同様の方法により調製し得る。
【0231】 (M.遺伝子発現のアッセイ) アッセイを、LEEおよびCEEからの発現の相対効率の決定のために本発明
の範囲内で使用し得る。例えば、アッセイを使用して、動作可能に連結された遺
伝子の比例する発現で、特定のプロモーター領域の欠失変異の効率を決定する。
同様に、プロモーター領域のランダムな変異および部位特異的な変異を生成し得
、そして動作可能に連結された遺伝子の発現における変異の効率をアッセイし得
る。あるいは、種々の異なる調節因子、エンハンサーおよび外来遺伝子と共に使
用する場合、アッセイを使用して、遺伝子発現を増強する際のプロモーター領域
の機能を決定し得る。
【0232】 遺伝子発現は、RNA、タンパク質、もしくはその両方の産生、またはRNA
タンパク質、ポリペプチド、もしくはペプチド産生の結果を測定することによっ
て決定され得る。遺伝子産物(RNAまたはタンパク質)は、当該分野で周知の
方法によって単離および/または検出され得る。検出後、所定の細胞株または個
体中で見られた結果を、形質転換されていないコントロール細胞株の統計学的に
有意な参照群と比較し得る。あるいは、形質転換された細胞株中でのRNAまた
はタンパク質生成物の産生を、プロモーター配列の種々の変異体に作動可能に連
結された同じ遺伝子と比較し得る。このようにして、作動可能に連結された遺伝
子の発現に対するそれらの効果によって、新規なプロモーター配列内の調節領域
を同定することが可能である。
【0233】 特定の実施形態において、その発現が所定のプロモーターまたは他の調節エレ
メントと天然にリンクしている遺伝子を使用することが所望される。例えば、前
立腺特異的プロモーターは、前立腺組織中で通常発現される遺伝子に作動可能に
連結され得る。あるいは、マーカー遺伝子は、プロモーター活性をアッセイする
ために使用され得る。例えば、選択マーカー遺伝子または特異的抗体を使用して
、アッセイされるプロモーターに作動可能に連結されている選択マーカー遺伝子
を含む構築物によって、組織培養細胞株または動物細胞に付与された抵抗性が定
量的に決定され得る。あるいは、種々の組織培養細胞株または動物部分は、選択
性因子に曝露され得、そしてこれらの部分に提供される相対的な抵抗性が定量さ
れ、それによってプロモーターの組織特異的発現の見積もりを提供する。
【0234】 スクリーニング可能マーカーは、所定の遺伝子の発現を定量するための別の効
率的な手段を構成する。潜在的な任意のスクリーニング可能マーカーが発現され
得、そしてそのマーカー遺伝子産物が定量され得、それによって、プロモーター
がその遺伝子の発現を指向する効率の見積もりを提供する。定量は、視覚的手段
、または例えば、光子計数デバイスのいずれかを使用して容易に実行され得る。
【0235】 本発明での使用のために好ましいスクリーニング可能なマーカー遺伝子は、β
−グルクロニダーゼ(GUS)である。GUS活性の検出は、GUS酵素のため
の基質として、GUS活性を含む細胞の内部に青色の沈着を生じる5−ブロモ−
4−クロロ−3−インドリルグルクロニド(X−gluc)を使用して、組織化
学的に実行され得る。このアッセイは、詳細に記載されている(Jeffers
on、1987)。次いで、青色の呈色は、視覚的に得点付けされ得、そして発
現効率の見積もりがそれによって提供される。GUS活性はまた、イムノブロッ
ト分析またはフルオロメトリックGUS特異的アッセイによって決定され得る(
Jefferson、1987)。本発明で使用され得る他の好ましいスクリー
ニング可能なマーカー遺伝子は、LUC、LacZ、または種々のGFPを含む
【0236】 以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を実証するために包含される。以
下の実施例において開示される技術は、本発明の実施において十分に機能するた
めに本発明者らによって発見された技術を表すことが当業者によって認識される
べきであり、従って、その実施のための好ましい様式を構成すると見なされ得る
。しかし、当業者は、本発明の開示を考慮して、多くの変更が特定の実施形態に
おいてなされ得、これらは、開示されそしてなお、本発明の精神および範囲から
逸脱することなく、同様または類似の結果を得ることを理解する。
【0237】 本明細書中で開示されそして特許請求される組成物および方法のすべては、本
発明の開示を考慮して、過度の実験なしになされかつ遂行され得る。本発明の組
成物および方法は、好ましい実施形態によって記載されてきたが、本発明の概念
、精神、および範囲から逸脱することなく、本明細書中に記載される方法の、組
成物および方法、ならびに工程および工程の順序において、バリエーションが適
用され得ることが当業者には明らかである。より具体的には、化学的および生理
学的の両方で関連する特定の薬剤が、本明細書中に記載される薬剤で置換され得
るが、同じかまたは類似の結果が達成されることが明らかである。当業者に明ら
かであるすべてのこのような類似の置換および改変は、添付の特許請求の範囲に
よって規定されるように、本発明の精神、範囲および概念の中にあると見なされ
る。
【0238】
【表3】 以下の図面は、本明細書の一部を形成し、そして本発明の特定の局面をさらに
実証するために含まれる。本発明は、本明細書中に示される特定の実施形態の詳
細な説明と組み合わせて、1以上のこれらの図面を参照することによって、より
良好に理解され得る。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 マウスにおける、PCR(登録商標)で増幅したルシフェラーゼ遺伝子の送達
および発現。耳を、空のプラスミドであるpCMVi(0.33μg)、ルシフ
ェラーゼプラスミドであるpCMViLUC(0.33μg)、またはルシフェ
ラーゼをコードするモル当量のPCR(登録商標)産物(0.17μg)でボン
バードした。c.LEE.LUC=マイクロプロジェクタイルに直接ロードされ
た粗産物;f.p.LEE.LUC=フィルター精製産物:g.p.LEE.L
UCアガロースゲル精製産物;no Taq=Taqポリメラーゼなしで調製さ
れたフィルター精製サンプル。活性を、耳に導入された1.0gプラスミドまた
は0.5μg PCR(登録商標)産物あたりのルーメン×106としてプロッ
トする。ルーメンを、4以上のボンバードされた耳から測定し、次いで平均化す
る。標準誤差を規定する。
【図2】 別々の遺伝子成分からLEEを構築するための方法を示す図。
【図3】 非共有結合したプロモーターおよびORFは、レポーター活性を生じる。耳を
、示されたDNA(いくつかの略語を、図1に記載している)でボンバードした
。no UDG=UDG前処置なしに送達されるUDG感受性産物;no dU
=標準的なプライマーで増幅されたプロモーターおよびLUC産物;CMVi=
プロモーター産物のみ;LUC=レポーター産物のみ(導入した発現エレメント
のトポロジーを、図3の下に示す);Pr=プロモーター;ORF=オープンリ
ーディングフレーム、X=産物なし。活性を、図1に記載のように報告する。
【図4】 3分子LEEは、ルシフェラーゼ遺伝子活性をインビボで効率的に生成する。
bi−LEE.LUC(−T)=プロモーターおよびLUCを保有し、ターミネ
ーターを含まない、2つの連結したPCR(登録商標)産物;tri−LEE.
LUC=プロモーター、ORF、およびターミネーターを保有する、3つの連結
したPCR(登録商標)産物。いくつかの略語を、図3に記載する。導入した発
現エレメントのトポロジーを、図4の下に示す。ORF(−T)=ターミネータ
ーを含まないLUC ORF;T=ターミネーター。活性を、図1に記載される
ように報告する。
【図5】 AATをコードする2分子LEEの導入は、マウスにおいて、この試験抗原を
コードするプロモーターから生じた力価に匹敵する力価で、特異的な抗体を生成
する。マウスを、1μgのpCMVi、1μg pCMViAAT、または0.
5μg bi−LEE.AATのいずれかで微粒子銃によって免疫した。血清を
回収して、そして1:1000希釈にてELISAで試験した。導入されたDN
Aのトポロジーを、以下のグラフに示す。個体および群の平均を、標準誤差とと
もにプロットする。
【図6】 組織培養物におけるプラスミドによりコードされる遺伝子の発現と比較した、
LEEにコードされる遺伝子の発現。プラスミドpCMViは、空のベクターで
あり、pCMViLUCは、ルシフェラーゼ(LUC)をコードする標準的なプ
ラスミドであり、そしてLEE.LUC DNAは、線状発現エレメントである
【図7A】 LEEは、微粒子銃により、針注入によって、および脂質に媒介される取り込
みによって、動物に送達され得る。bi−LEE.LUCの遺伝子銃送達は、共
有結合していても、共有結合していなくとも、同様の遺伝子発現を引き起こす。
【図7B】 LEEは、微粒子銃により、針注入によって、および脂質に媒介される取り込
みによって、動物に送達され得る。LEEの針での送達は、インビトロ連結によ
って改善され得る。耳(×106)と筋肉(×104)サンプルとの間の読み出し
のX軸スケールにおける100倍の差異に留意すること。活性を、図1と同様に
報告する。−lig=アニールしているが、インビトロで連結していない。+l
ig=インビボ導入の前に、リガーゼで30分間処理している。
【図7C】 LEEは、微粒子銃により、針注入によって、および脂質に媒介される取り込
みによって、動物に送達され得る。WEH1組織培養細胞へのbi−LEE.L
UCのリポソーム送達は、LUCをコードするプラスミドpCMV.LUCの送
達よりも高いレベルのルシフェラーゼ活性を生じる。この実験を、トランスフェ
クション(Superfect,Qiagen)の18時間後に、二連において
測定されるルーメン測定器で、3回行った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT,AU, AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ジョンストン, ステファン エイ. アメリカ合衆国 テキサス 75229, ダ ラス, レ ジャルダン 10519 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA20 BA31 CA04 FA02 FA07 GA12 HA17 4B063 QA01 QA08 QA13 QQ43 QQ49 QQ79 QR32 QR48 QR62 QS25 QX02

Claims (112)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロモーターおよびオープンリーディングフレームを含む線
    状核酸セグメントの発現の産生または調節についてアッセイする方法であって、
    該方法は、以下: a)プロモーターおよびオープンリーディングフレームを含む線状核酸セグメ
    ントを得る工程; b)該オープンリーディングフレーム由来のポリペプチドの発現をもたらす条
    件下に、該線状核酸セグメントを置く工程;ならびに c)該ポリペプチドの発現の産生または調節についてアッセイする工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記線状核酸セグメントが、ターミネーターをさらに含む、
    請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記線状核酸セグメントが、化学合成によって得られる、請
    求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記合成が、該プロモーターの、前記オープンリーディング
    フレームへの非共有結合を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 ターミネーターの、前記オープンリーディングフレームへの
    非共有結合をさらに含む、請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記線状核酸が、PCR(登録商標)によって得られる、請
    求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記線状核酸が、プラスミドから切り出される、請求項1に
    記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記線状核酸が細胞に置かれるが、該細胞のゲノム中に組み
    込まれない、請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記細胞が、細胞培養中にある、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記細胞が、生物体中に含まれる、請求項9に記載の方法
  11. 【請求項11】 前記生物体が、哺乳動物である、請求項10に記載の方法
  12. 【請求項12】 前記線状核酸が、前記細胞中に注入される、請求項8に記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 前記注入が、マイクロプロジェクタイルボンバードメント
    を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記線状核酸セグメントが、無細胞発現反応に置かれる、
    請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記ポリペプチドの発現についてアッセイする工程を包含
    する、請求項1に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記オープンリーディングフレームにおいてコードされる
    レポーター遺伝子産物の発現をアッセイする工程を包含する、請求項15に記載
    の方法。
  17. 【請求項17】 前記プロモーターの機能についてアッセイする工程を包含
    する、請求項1に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記プロモーターの機能についてアッセイする工程は、前
    記オープンリーディングフレームにおいてコードされるレポーター遺伝子産物が
    発現されるか否かを決定する工程を包含する、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 機能がアッセイされた、2つ以上の推定プロモーターの機
    能を比較する工程を包含する、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 核酸配列を分析する方法であって、該方法が以下: a)核酸セグメントを得る工程; b)前記核酸セグメントをプロモーターおよびターミネーターに結合して、線
    状発現エレメントまたは環状発現エレメントを作製する、工程; c)該線状発現エレメントまたは該環状発現エレメントを、該核酸セグメント
    によってコードされる任意の産物の発現をもたらす条件下の、無細胞発現系また
    は細胞に提供する工程;ならびに d)該核酸配列によってコードされる任意の産物の任意の発現を分析する工程
    、を包含する、方法。
  21. 【請求項21】 前記核酸セグメントが、PCR(登録商標)を含むプロセ
    スから得られるDNAセグメントである、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記核酸セグメントが、前記プロモーターおよび前記ター
    ミネーターに非共有結合される、請求項20に記載の方法。
  23. 【請求項23】 請求項22に記載の方法であって、前記非共有結合が、以
    下: a)前記核酸セグメントを含むPCR(登録商標)産物を得る工程であって、
    該PCR(登録商標)産物が、ウラシルDNAグリコシラーゼを用いて、デオキ
    シウリジンを含む相補的なストレッチを有する少なくとも1つのプライマーから
    の増幅によって得られ、前記プロモーターおよび前記ターミネーターが結合し得
    る突出部を作製する、工程; b)プロモーターおよびターミネーターを提供する工程;ならびに c)該プロモーターおよび該ターミネーターを該核酸セグメントに非共有結合
    し、前記線状発現エレメントまたは前記環状発現エレメントを作製する、工程、
    によって実施される、方法。
  24. 【請求項24】 請求項23に記載の方法であって、デオキシウリジンを含
    む相補的なストレッチを有する該プライマーが、互いに異なる配向において前記
    プロモーターおよび前記ターミネーターを含み、その結果、該プロモーターおよ
    び該ターミネーターを前記オープンリーディングフレームに非共有結合する工程
    が、環状発現エレメントを生じる、方法。
  25. 【請求項25】 前記プロモーターが、真核生物プロモーターである、請求
    項20に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記ターミネーターが、真核生物ターミネーターである、
    請求項20に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記核酸配列が、オープンリーディングフレームを含む、
    請求項20に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記オープンリーディングフレームの機能を分析する方法
    としてさらに規定される、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記核酸が、ポリペプチドをコードするか否かを決定する
    ために核酸を分析する方法としてさらに規定される、請求項20に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記ポリペプチドが、抗原ポリペプチドであるか否かを決
    定するための方法としてさらに規定される、請求項20に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記ポリペプチドの生物学的特性を決定する方法としてさ
    らに規定される、請求項20に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記線状発現エレメントまたは前記環状発現エレメントが
    、ワクチンにおける使用のために適切か否かを決定する方法としてさらに規定さ
    れる、請求項20に記載の方法。
  33. 【請求項33】 1つより多い異なる核酸セグメントが単一の手順で分析さ
    れる、請求項20に記載の方法。
  34. 【請求項34】 前記線状発現エレメントまたは前記環状発現エレメントが
    、細胞中に置かれるが、該細胞のゲノム中には組み込まれない、請求項20に記
    載の方法。
  35. 【請求項35】 前記細胞が、細胞培養中にある、請求項34に記載の方法
  36. 【請求項36】 前記細胞が、生物体中に含まれる、請求項35に記載の方
    法。
  37. 【請求項37】 前記生物体が、哺乳動物である、請求36に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記線状発現エレメントまたは前記環状発現エレメントが
    、該細胞中に注入される、請求項34に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記注入が、マイクロプロジェクタイルボンバードメント
    を含む、請求項38に記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記線状発現エレメントまたは前記環状発現エレメントが
    、無細胞発現反応に置かれる、請求項20に記載の方法。
  41. 【請求項41】 プロモーターとしての活性について核酸セグメントを分析
    する方法であって、該方法は以下: a)推定プロモーターをコードする核酸セグメントを得る工程; b)該推定プロモーターをコードする該核酸セグメントを、ポリペプチドをコ
    ードする核酸に結合して、線状発現エレメントまたは環状発現エレメントを作製
    する工程; c)該線状発現エレメントまたは該環状発現エレメントを、該ポリペプチドの
    発現をもたらす条件下の、無細胞発現系または細胞に提供する工程;および d)該ポリペプチドの任意の発現を分析する工程、 を包含する、方法。
  42. 【請求項42】 前記推定プロモーターをコードする前記核酸セグメントは
    、PCR(登録商標)を含むプロセスから得られるDNAセグメントである、請
    求項41に記載の方法。
  43. 【請求項43】 前記推定プロモーターをコードする前記核酸セグメントが
    、ポリペプチドをコードする前記核酸に非共有結合される、請求項41に記載の
    方法。
  44. 【請求項44】 請求項43に記載の方法であって、ここで前記非共有結合
    が、以下: a)前記推定プロモーターをコードする前記核酸セグメントを含むPCR(登
    録商標)産物を得る工程であって、該PCR(登録商標)産物がウラシルDNA
    グリコシラーゼを用いて、デオキシウリジンを含む相補的なストレッチを有する
    少なくとも1つのプライマーからの増幅によって得られ、ポリペプチドをコード
    する前記核酸が結合し得る突出部を作製する、工程; b)ポリペプチドをコードする該核酸を提供する工程;および c)該推定プロモーターをコードする該核酸セグメントを、ポリペプチドをコ
    ードする該核酸に非共有結合して、前記線状発現エレメントまたは前記環状発現
    エレメントを作製する、工程、 によって実施される、方法。
  45. 【請求項45】 前記プロモーターが、真核生物プロモーターである、請求
    項41に記載の方法。
  46. 【請求項46】 前記ポリペプチドをコードする前記核酸が、ターミネータ
    ーをコードする核酸配列に結合される、請求項41に記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記ターミネーターが、真核生物ターミネーターである、
    請求項46に記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記ポリペプチドをコードする前記核酸が、レポーター遺
    伝子産物をコードする、請求項41に記載の方法。
  49. 【請求項49】 前記レポーター遺伝子産物の発現についてアッセイする工
    程を包含する、請求項48に記載の方法。
  50. 【請求項50】 推定プロモーターをコードする1つより多い異なる核酸セ
    グメントが、単一の手順で分析される、請求項41に記載の方法。
  51. 【請求項51】 推定プロモーターをコードする1つより多い核酸を分析す
    る工程を包含する、請求項50に記載の方法。
  52. 【請求項52】 推定プロモーターをコードする前記核酸が、ネイティブな
    核酸である、請求項50に記載の方法。
  53. 【請求項53】 推定プロモーターをコードする前記核酸が、ネイティブな
    プロモーター配列の変異により調製された、請求項50に記載の方法。
  54. 【請求項54】 推定プロモーターをコードする前記核酸が、化学合成によ
    って調製された、請求項50に記載の方法。
  55. 【請求項55】 前記線状発現単位または前記環状発現単位が、細胞中に置
    かれるが、該細胞のゲノム中には組み込まれない、請求項41に記載の方法。
  56. 【請求項56】 前記細胞が細胞培養中にある、請求項55に記載の方法。
  57. 【請求項57】 前記細胞が生物体中に含まれる、請求項55に記載の方法
  58. 【請求項58】 前記生物体が哺乳動物である、請求項57に記載の方法。
  59. 【請求項59】 前記線状発現単位または前記環状発現単位が、前記細胞中
    に注入される、請求項55に記載の方法。
  60. 【請求項60】 前記注入が、マイクロプロジェクタイルボンバードメント
    を含む、請求項59に記載の方法。
  61. 【請求項61】 前記線状発現単位または前記環状発現単位が、無細胞発現
    反応に置かれる、請求項55に記載の方法。
  62. 【請求項62】 生物学的応答をスクリーニングする方法であって、以下: a)プロセスによって線状発現エレメントまたは環状発現エレメントを得る工
    程であって、該プロセスは、以下: オープンリーディングフレームを含むDNAセグメントを得る工程; 該オープンリーディングフレームをプロモーターおよびターミネーターに結合
    して、線状発現エレメントを作製する工程、 を包含する、工程;ならびに b)該オープンリーディングフレームによってコードされる任意の産物の発現
    をもたらす条件下で、該線状発現エレメントを生物体に提供し、その結果、免疫
    応答が該動物に産生される、工程、 を包含する、方法。
  63. 【請求項63】 前記DNAセグメントが、PCR(登録商標)を含むプロ
    セスから得られる、請求項62に記載の方法。
  64. 【請求項64】 前記オープンリーディングフレームが、前記プロモーター
    および前記ターミネーターに非共有結合される、請求項62に記載の方法。
  65. 【請求項65】 請求項62に記載の方法であって、ここで前記非共有結合
    が以下: a)前記オープンリーディングフレームを含むPCR(登録商標)産物を得る
    工程であって、該PCR(登録商標)産物が、ウラシルDNAグリコシラーゼを
    用いて、デオキシウリジンを含む相補的なストレッチを有する少なくとも1つの
    プライマーからの増幅によって得られ、前記プロモーターおよび前記ターミネー
    ターが結合し得る突出部を作製する、工程; b)プロモーターおよびターミネーターを提供する工程;ならびに c)該プロモーターおよび該ターミネーターを、該オープンリーディングフレ
    ームに非共有結合して、該線状発現エレメントまたは該環状発現エレメントを作
    製する、工程、 によって実施される、方法。
  66. 【請求項66】 前記線状発現エレメントまたは前記環状発現エレメントが
    、前記生物体中に注入される、請求項62に記載の方法。
  67. 【請求項67】 前記注入が、マイクロプロジェクタイルボンバードメント
    を用いて実施される、請求項66に記載の方法。
  68. 【請求項68】 前記プロモーターが、真核生物プロモーターである、請求
    項62に記載の方法。
  69. 【請求項69】 前記ターミネーターが、真核生物ターミネーターである、
    請求項62に記載の方法。
  70. 【請求項70】 1つより多い型の線状発現エレメントまたは環状発現エレ
    メントが、前記生物体に導入される、請求項62に記載の方法。
  71. 【請求項71】 分析の目的のために、抗体を産生する方法としてさらに規
    定される、請求項62に記載の方法。
  72. 【請求項72】 前記生物体にワクチンを投与する方法としてさらに規定さ
    れる、請求項62に記載の方法。
  73. 【請求項73】 前記生物体がヒトである、請求項62に記載の方法。
  74. 【請求項74】 動物にワクチンを投与する方法であって、以下: a)オープンリーディングフレームを含むDNAセグメントを得る工程、およ
    び該オープンリーディングフレームをプロモーターおよびターミネーターに結合
    して線状発現エレメントを作製する工程を包含するプロセスによって、線状発現
    エレメントまたは環状発現エレメントを得る工程;ならびに b)該オープンリーディングフレームによってコードされる任意の産物の発現
    をもたらす条件下で、該線状発現エレメントを生物体に提供し、その結果、免疫
    応答が該動物において産生される、工程、 を包含する、方法。
  75. 【請求項75】 前記オープンリーディングフレームが、前記プロモーター
    および前記ターミネーターに非共有結合される、請求項74に記載の方法。
  76. 【請求項76】 前記線状発現エレメントまたは前記環状発現エレメントが
    、前記生物体中に注入される、請求項74に記載の方法。
  77. 【請求項77】 前記注入が、マイクロプロジェクタイルボンバードメント
    を用いて実施される、請求項76に記載の方法。
  78. 【請求項78】 前記プロモーターが、真核生物プロモーターである、請求
    項74に記載の方法。
  79. 【請求項79】 前記ターミネーターが、真核生物ターミネーターである、
    請求項74に記載の方法。
  80. 【請求項80】 1つより多い型の線状発現エレメントまたは環状発現エレ
    メントが、前記生物体に導入される、請求項74に記載の方法。
  81. 【請求項81】 複数の型の線状発現エレメントまたは環状発現エレメント
    が、前記生物体に導入される、請求項80に記載の方法。
  82. 【請求項82】 前記複数の型の線状発現エレメントまたは環状発現エレメ
    ントが、異なるポリペプチドの病原体をコードするエレメントを含む、請求項8
    1に記載の方法。
  83. 【請求項83】 前記病原体が、ウイルス、細菌、真菌、藻類、原生動物ま
    たは昆虫である、請求項82に記載の方法。
  84. 【請求項84】 前記病原体が、ウイルスである、請求項82に記載の方法
  85. 【請求項85】 ウイルスの全ての潜在的なアレルゲンをコードする個々の
    線状発現エレメントまたは環状発現エレメントが、複数の型の線状発現エレメン
    トまたは環状発現エレメント中に含まれる、請求項84に記載の方法。
  86. 【請求項86】 前記動物がヒトである、請求項74に記載の方法。
  87. 【請求項87】 生物体において病原体に特異的な免疫応答を産生するのに
    有効なオープンリーディングフレームを選択する方法であって、以下: a)複数の線状発現エレメントまたは環状発現エレメントを調製する工程であ
    って、該線状発現エレメントまたは該環状発現エレメントが、以下: 病原体由来のオープンリーディングフレームを含む複数のDNAセグメントを
    得る工程;ならびに オープンリーディングフレームをプロモーターおよびターミネーターに結合し
    、複数の線状発現エレメントまたは環状発現エレメントを作製する、工程、 を包含する方法によって産生される、工程; b)該複数の線状発現エレメントまたは環状発現エレメントを生物体中に導入
    する工程;ならびに c)該免疫応答を産生するのに有効である、該複数の線状発現エレメントオー
    プンリーディングフレームまたは環状発現エレメントオープンリーディングフレ
    ームから選択される工程、 を包含する、方法。
  88. 【請求項88】 前記病原体が、ウイルス、細菌、真菌、藻類、原生動物ま
    たは昆虫である、請求項87に記載の方法。
  89. 【請求項89】 複数の線状発現エレメントまたは環状発現エレメントが調
    製された前記病原体を用いたチャレンジに対して、前記生物体を試験し、ここで
    該生物体が該病原体を用いたチャレンジに対して保護される、工程、をさらに包
    含する、請求項87に記載の方法。
  90. 【請求項90】 保護応答を与える1つ以上の抗原が、前記生物体の免疫学
    的スクリーニングによって同定される、請求項89に記載の方法。
  91. 【請求項91】 前記複数の線状発現エレメントまたは環状発現エレメント
    が、前記動物中に注入される、請求項87に記載の方法。
  92. 【請求項92】 前記注入が、マイクロプロジェクタイルボンバードメント
    により達成される、請求項91に記載の方法。
  93. 【請求項93】 線状発現エレメントまたは環状発現エレメントを産生する
    方法であって、以下: a)オープンリーディングフレームを含むDNAセグメントを得る工程;なら
    びに b)該オープンリーディングフレームを、プロモーターおよびターミネーター
    に結合して、線状発現エレメントまたは環状発現エレメントを作製する、工程、
    を包含する、方法。
  94. 【請求項94】 前記DNAセグメントが、PCR(登録商標)を含むプロ
    セスから得られる、請求項93に記載の方法。
  95. 【請求項95】 前記PCR(登録商標)反応が、デオキシウリジンを組み
    込んでいる相補的なストレッチを有するオリゴヌクレオチドを用いてプライムさ
    れる、請求項94に記載の方法。
  96. 【請求項96】 前記デオキシウリジンが、前記相補的なストレッチの3位
    ごとに組み込まれる、請求項95に記載の方法。
  97. 【請求項97】 前記オープンリーディングフレームが、前記プロモーター
    および前記ターミネーターに非共有結合される、請求項93に記載の方法。
  98. 【請求項98】 請求項97に記載の方法であって、前記非共有結合が、以
    下: a)前記オープンリーディングフレームを含むPCR(登録商標)産物を得る
    工程であって、該PCR(登録商標)産物が、ウラシルDNAグリコシラーゼを
    用いて、デオキシウリジンを含む相補的なストレッチを有する少なくとも1つの
    プライマーからの増幅によって得られ、前記プロモーターおよび前記ターミネー
    ターが結合し得る突出部を作製する、工程; b)プロモーターおよびターミネーターを提供する工程; c)該プロモーターおよび該ターミネーターを、該オープンリーディングフレ
    ームに非共有結合して、該線状発現エレメントまたは該環状発現エレメントを作
    製する、工程、 によって実施される、方法。
  99. 【請求項99】 前記デオキシウリジンが、前記相補的なストレッチの3位
    ごとに組み込まれる、請求項98に記載の方法。
  100. 【請求項100】 請求項98に記載の方法であって、デオキシウリジンを
    含む相補的なストレッチを有する前記プライマーが、互いに異なる配向において
    前記プロモーターおよび前記ターミネーターを含み、その結果、該プロモーター
    および該ターミネーターを該オープンリーディングフレームに非共有結合する工
    程が、環状発現エレメントを生じる、方法。
  101. 【請求項101】 前記プロモーターが、真核生物プロモーターである、請
    求項93に記載の方法。
  102. 【請求項102】 前記ターミネーターが、真核生物ターミネーターである
    、請求項93に記載の方法。
  103. 【請求項103】 線状発現エレメントまたは環状発現エレメントであって
    、該線状発現エレメントまたは該環状発現エレメントは、以下: a)オープンリーディングフレームを含むDNAセグメントを得る工程;およ
    び b)該オープンリーディングフレームを、プロモーターおよびターミネーター
    に結合して、線状発現エレメントまたは環状発現エレメントを作製する工程、 を包含する、方法によって産生される、線状発現エレメントまたは環状発現エレ
    メント。
  104. 【請求項104】 前記DNAセグメントが、PCR(登録商標)を含むプ
    ロセスから得られる、請求項103に記載の発現エレメント。
  105. 【請求項105】 前記PCR(登録商標)反応が、デオキシウリジンを組
    み込んでいる相補的なストレッチを有するオリゴヌクレオチドを用いてプライム
    される、請求項104に記載の発現エレメント。
  106. 【請求項106】 前記デオキシウリジンが、前記相補的なストレッチの3
    位ごとに組み込まれる、請求項105に記載の発現エレメント。
  107. 【請求項107】 前記オープンリーディングフレームが、前記プロモータ
    ーおよび前記ターミネーターに非共有結合される、請求項103に記載の発現エ
    レメント。
  108. 【請求項108】 請求項107に記載の発現エレメントであって、ここで
    前記非共有結合が、以下: a)前記オープンリーディングフレームを含むPCR(登録商標)産物を得る
    工程であって、該PCR(登録商標)産物がウラシルDNAグリコシラーゼを用
    いて、デオキシウリジンを含む相補的なストレッチを有する少なくとも1つのプ
    ライマーからの増幅によって得られ、前記プロモーターおよび前記ターミネータ
    ーが結合し得る突出部を作製する、工程; b)プロモーターおよびターミネーターを提供する工程; c)該プロモーターおよび該ターミネーターを、該オープンリーディングフレ
    ームに非共有結合して、該線状発現エレメントまたは該環状発現エレメントを作
    製する、工程、 によって実施される、発現エレメント。
  109. 【請求項109】 前記デオキシウリジンが、前記相補的なストレッチの3
    位ごとに組み込まれる、請求項108に記載の発現エレメント。
  110. 【請求項110】 請求項108に記載の発現エレメントであって、デオキ
    シウリジンを含む相補的なストレッチを有する前記プライマーが、互いに異なる
    配向において前記プロモーターおよび前記ターミネーターを含み、その結果、該
    プロモーターおよび該ターミネーターを該オープンリーディングフレームに非共
    有結合する工程が、環状発現エレメントを生じる、発現エレメント。
  111. 【請求項111】 前記プロモーターが、真核生物プロモーターである、請
    求項108に記載の発現エレメント。
  112. 【請求項112】 前記ターミネーターが、真核生物ターミネーターである
    、請求項108に記載の発現エレメント。
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