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JP2002533308A - β−γ不飽和エステルの調製方法 - Google Patents

β−γ不飽和エステルの調製方法

Info

Publication number
JP2002533308A
JP2002533308A JP2000589483A JP2000589483A JP2002533308A JP 2002533308 A JP2002533308 A JP 2002533308A JP 2000589483 A JP2000589483 A JP 2000589483A JP 2000589483 A JP2000589483 A JP 2000589483A JP 2002533308 A JP2002533308 A JP 2002533308A
Authority
JP
Japan
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rhodium
methyl
butadiene
methoxybutene
carbonylation
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000589483A
Other languages
English (en)
Inventor
マイケル バーク パトリック
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EIDP Inc
Original Assignee
EI Du Pont de Nemours and Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by EI Du Pont de Nemours and Co filed Critical EI Du Pont de Nemours and Co
Publication of JP2002533308A publication Critical patent/JP2002533308A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/36Preparation of carboxylic acid esters by reaction with carbon monoxide or formates
    • C07C67/37Preparation of carboxylic acid esters by reaction with carbon monoxide or formates by reaction of ethers with carbon monoxide
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C67/00Preparation of carboxylic acid esters
    • C07C67/36Preparation of carboxylic acid esters by reaction with carbon monoxide or formates
    • C07C67/38Preparation of carboxylic acid esters by reaction with carbon monoxide or formates by addition to an unsaturated carbon-to-carbon bond

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 ヨウ化物含有化合物(例えば、HI、AlI3、SnI4、TiI4、CrI3、CoI2など)で促進されるロジウム含有触媒(例えば、ジカルボニルアセチルアセトネートロジウム(I)など)を利用する、アリル型ブテニルエーテル(例えば、メチルクロチルエーテル、3−メトキシブテン−1、およびそれらの混合物)、またはブタジエンとアルコール(例えば、メタノール)との混合物のカルボニル化、およびβ−γ不飽和カルボン酸エステル(例えば、メチル−3−ペンテノエート)の生成のための方法。そのような方法は、二官能性モノマー、およびアジピン酸合成の中間体を生成するのに特に有用である。(a)触媒反応条件下でメタノール存在下のブタジエンが3−メトキシブテン−1中間体(メチルクロチルエーテルの位置異性体)を生成し、次いで、この中間体が一酸化炭素と結合してメチルペンテノエートを生成することを示す代表的な反応は、カルボニル化全体の例示である。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 1.発明の分野 本発明は、アリル型ブテニルエーテルまたはブタジエンとアルコールとの混合
物のいずれかから開始される触媒的カルボニル化によるβ−γ不飽和カルボン酸
エステルの調製のための方法に関する。より具体的には、限定されるものではな
いが、本発明は、メチル−3−ペンテノエートを生成するためのメチルクロチル
エーテル、3−メトキシブテン−1、およびそれらの混合物のカルボニル化のた
めの、ヨウ化物助触媒を組み合わせたロジウム含有触媒の使用に関する。
【0002】 1.関連技術の説明 様々な飽和および不飽和有機化合物のカルボニル化のための種々のタイプの共
触媒および助触媒をともなうロジウム含有触媒の使用は、広く知られている。例
えば、米国特許第4,603,020号は、ロジウム触媒とアルミニウム促進剤
を用いて130〜250℃で無水酢酸のようなO−アセチル化合物のカルボニル
化のための方法を特許請求している。米国特許第4,625,058号は、類似
の方法を教示しているが、促進剤として、ホウ素、ビスマス、または第三級アミ
ドの化合物を使用している。米国特許第4,642,370号は、ホウ素、ケイ
素、アルミニウム、またはジルコニウムの促進剤を用いるハロゲン化炭化水素の
カルボニル化のための方法を開示している。米国特許第4,563,309号は
、ロジウム触媒およびリン含有配位子の存在下における一酸化炭素と式RC(O
)OCH3を有するメチルカルボキシレートエステルの反応による、式RC(O
)O(O)CCH3を有するカルボン酸無水物の生成のための方法を特許請求し
ている。
【0003】 欧州特許出願0 428 979 A2には、3−ペンテン酸の生成のための
、無水条件下でロジウム触媒と臭化水素助触媒またはヨウ化水素助触媒とを用い
るアリル型のブテノールおよびブテノールエステルのカルボニル化することが開
示されている。
【0004】 発明の簡単な概要 上記の従来技術に鑑みて、この度、ヨウ化物含有助触媒の存在下におけるロジ
ウム含有触媒の使用によって、高選択率および高活性で、アルキルクロチルエー
テルのようなアリル型ブテニルエーテルまたはブタジエンとアルカノールとを有
する対応する混合物が、直接的にアルキル−3−ペンテノエートのようなβ−γ
不飽和カルボン酸エステルに至るカルボニル化を容易に受けることを見いだした
【0005】 従って、本発明は、アリル型ブテニルエーテル、またはブタジエンとアルコー
ルとの混合物のカルボニル化、およびβ−γ不飽和カルボン酸エステルの生成を
行う方法を提供する。この方法は、 (a)アリル型ブテニルエーテル、またはブタジエンとアルコールとの混合物
を、ロジウム含有触媒およびヨウ化物含有助触媒の存在下で一酸化炭素と反応さ
せる工程と、 (b)β−γ不飽和カルボン酸エステルを回収する工程と を含む。本発明の一実施形態において、アリル型ブテニルエーテルは、メチルク
ロチルエーテル、3−メトキシブテン−1、およびそれらの混合物からなる群よ
り選ばれ、かつβ−γ不飽和カルボン酸エステルはメチル−3−ペンテノエート
である。もう一つの実施形態において、カルボニル化は、ブタジエンとメタノー
ルとを反応させることを伴い、かつこの場合にもβ−γ不飽和カルボン酸エステ
ルはメチル−3−ペンテノエートである。好ましくは、ヨウ化物含有助触媒は、
HI、AlI3、SnI4、TiI4、CrI3、およびCoI2からなる群より選
ばれ、かつロジウム含有触媒はジカルボニルアセチルアセトネートロジウム(I
)である。
【0006】 発明の詳細な説明 本発明の方法は、β−γ不飽和カルボン酸エステルを生成するための、ロジウ
ムにより触媒されるアリル型ブテニルエーテルのカルボニル化を伴う。そこで、
ロジウム含有触媒は、HI、HBr、または金属ハロゲン化物塩の使用により促
進される。カルボニル化されるアリル型ブテニルエーテルは、アルキルクロチル
エーテル、3−アルコキシブテン−1のようなその位置異性体、またはそれらの
混合物のいずれかである。本発明の目的に対して、アリル型ブテニルエーテルま
たは等価物をin situで生成する混合物は、等価な出発物質であり、その
ようなアルカノール存在下のブタジエンは、代替出発物質とみなしうる。触媒反
応条件下におけるメタノール存在下のブタジエンが3−メトキシブテン−1中間
体(メチルクロチルエーテルの位置異性体)を生成し、次いで、この中間体が一
酸化炭素と結合してメチルペンテノエートを生成することを示す以下の代表的な
反応は、カルボニル化全体の例示である。
【0007】
【化1】
【0008】 好適なアリル型ブテニルエーテルは、次の形態
【0009】
【化2】
【0010】 (式中、基R1、R2、およびR3のうちの一つはメチルであり、他の二つの基は
Hであり、およびR4はC1〜C10アルキルである。) を有する。許容しうるアリル型化合物には、シス異性体およびトランス異性体の
両方、3−アルコキシブテン−1とクロチルエーテルにより例示されるような他
の位置異性体だけでなく、種々のアリル型化合物の混合物を含むことを認識すべ
きである。また、本発明の目的に対して、C1〜C10アルキルアルコールと組み
合わせられるブタジエンは、in situでのエーテル形成、およびしたがっ
てカルボニル化反応の出発物質としてのアリル型ブテニルエーテルの使用に関す
る全くの等価物をもたらす。
【0011】 反応は、40℃〜約200℃の範囲内の温度で行うことが可能である。40℃
未満では、商業的に実施可能とするには反応が遅くなりすぎ、また200℃を超
えると、望ましくない生成物の形成が著しい収率低下を起こす。好ましくは、反
応温度は、90℃と150℃との間であり、および最も好ましくは90℃と15
0℃との間である。
【0012】 反応に好適な全圧力は、25〜3,000psigの範囲である。好ましくは
、該圧力は、100〜2,000psigであり、200〜1,000psig
が最も好ましい。
【0013】 本発明に対する一酸化炭素(CO)反応物の源は、決定的に重要ではない。市
販のグレードの一酸化炭素は許容しうる。従って、一酸化炭素は、二酸化炭素、
メタン、窒素、貴ガス、および4個までの炭素原子を有する他の炭化水素のよう
な不活性不純物を含有する可能性がある。好ましくは、一酸化炭素はまた、典型
的には一酸化炭素に対して約10モルパーセントの濃度において水素を含有する
。アリル型のブテニルエーテルまたはブタジエンに対する少なくとも1モル当量
の一酸化炭素が必要である。典型的には、過剰のCOが使用される。
【0014】 本方法に好適な溶剤は、反応条件下で反応物および触媒系との適合性をもつ溶
剤である。このような溶剤は、芳香族炭化水素溶剤、飽和ハロカーボン溶剤、お
よびそれらの混合物を含む。メチル−3−ペンテノエート、バレロラクトンなど
のようなカルボン酸エステルおよびラクトンも許容しうる溶剤である。好適な芳
香族炭化水素溶剤は、ベンゼン、トルエン、1,2,4−トリクロロベンゼン、
および他のC2〜C4アルキル置換ベンゼンを含む。好適な飽和ハロカーボン溶剤
は、塩化メチレン、ジクロロエタン、およびクロロホルムのような塩素化炭化水
素およびフッ素化炭化水素だけでなく、特にHCFC−113(FCCl2CF2 Cl)およびHCFC−123(CHCl2CF3)などを含むいわゆるHCFC
を含む。最も好ましい溶剤は、トルエン、HCFC−113、およびHCFC−
123である。あるいはまた、出発物質がメトキシブテンである場合、本発明の
方法を溶剤の不在下で行ってもよい。
【0015】 ロジウム触媒を、任意の源から、またはカルボニル化反応条件下でロジウムイ
オンを生成する任意の物質により、提供することが可能である。ロジウム触媒の
源として利用可能な物質の中には、ロジウム金属、ロジウム塩、ロジウム酸化物
、ロジウムカルボニル化合物、有機ロジウム化合物、ロジウムの配位化合物、お
よびそれらの混合物がある。このような化合物の具体例は、RhCl3、RhI3 、Rh(CO)23、Rh(CO)I3、Rh4(CO)12、Rh6(CO)16
Rh(acac)3、Rh(CO)2(acac)、Rh(C242(acac
)、[Rh(C24)Cl]2、[Rh(CO)2Cl]2、[Rh(CO)2Br
2、Rh(COD)(acac)、[Rh(COD)Cl]2、RhCl(CO
)(PPh32、Rh2[O2C(CR26CH34、およびRh2(アセテート
4(式中、acacはアセチルアセトネートであり、CODは1,5−シクロ
オクタジエンであり、およびPhはフェニルである)を含むが、それらに限定さ
れるものではない。二座のリン配位子または窒素配位子を含有するロジウム化合
物は避けなければならない。ロジウム触媒の好ましい源は、Rh(CO)2(a
cac)、[Rh(CO)2Cl]2、[Rh(COD)Cl]2、Rh(COD
)(acac)のようなロジウム(I)化合物、ならびにRhI3およびRh(
CO)23のようなヨウ化ロジウム化合物を含む。最も好ましくは、ロジウム含
有化合物はRh(CO)2(acac)である。
【0016】 反応において好適なロジウム濃度は、反応媒質を基準にしてロジウム金属0.
005〜0.50質量%の範囲内である。好ましくは、ロジウムの濃度は、0.
02〜0.20質量%の範囲内である。低いRhの濃度においてさえも、Rh当
たりに基づく高い反応速度を得ることができるが、一般的には、0.01質量%
を超えるRhの濃度で操作することがより経済的である。同様に、不要な副生物
の形成を最小限に抑えるために、2.0質量%未満のRh濃度が好ましい。
【0017】 ロジウムは、事前に形成してもよいしあるいはin situで生成させても
よいが、ペンテノエートエステルへの満足な速度および選択率を達成するために
、HI、HBr、または金属ハロゲン化物により、好ましくはHIまたは金属ヨ
ウ化物により、促進されなければならない。好適な助触媒の例は、酸ハロゲン化
物だけでなく、周期表の第IIB族、第IIIA族、第IIIB族、第IVA族
、第IVB族、第VIB族、第VII族、第VIII族のハロゲン化物である。
好ましい助触媒は、ハロゲン化物がヨウ化物である助触媒であり、限定されるも
のではないが、HI、AlI3、SnI4、TiI4、CrI3、およびCoI2
ようなものである。
【0018】 助触媒対ロジウムのモル比は、約1:1〜約50:1の範囲にすることが可能
である。低い助触媒対ロジウム比においてさえも、所望のメチル−3−ペンテノ
エートの高い選択率を得ることができるが、助触媒対ロジウムのモル比が1未満
の場合、Rh当たりに基づくメチル−3−ペンテノエートの形成の速度は著しく
低下する。反応速度のこの低下は、ロジウムの高いコストと結びつけて考えると
、1:1よりも大きな助触媒対ロジウム比を用いることをより経済的にする。同
様に、不飽和エステルの妥当な収率を得るために、助触媒対ロジウムのモル比を
約50未満にしなければならない。好ましくは、助触媒対ロジウムのモル比は、
約10〜約30である。
【0019】 反応時間は変更可能であり、反応物、溶剤、触媒、および助触媒の選択だけで
なく、それらそれぞれの濃度、ならびに温度や圧力などのような反応条件に依存
する。約1分間〜約20時間の程度の滞留時間が許容できる。
【0020】 本発明の反応は、バッチモードまたは連続モードで実施可能である。生成物の
単離および回収は、例えば、抽出、蒸留などを含むがそれらに限定されるもので
はない当技術分野で広く知られているいずれの技法を用いても行うことができる
【0021】 以下の実施例は、本発明の具体的な特徴および利点を更に例示するために存在
し、それ自体は本発明の範囲を制限するものではない。報告される転化率のデー
タは、化学反応によって消費されない主反応物または制限反応物(例えば、3−
メトキシブテン−1または代替物としてのブタジエン)の相対量の定量的測定に
基づく。所望のメチル−3−ペンテノエート(M3P)の選択率は、反応によっ
て消費された主反応物の量に対する生成したメチルエステルの量に基づき、およ
び報告されている。
【0022】 実施例1 ヨウ化アルミニウムにより促進されるRh触媒を用いる3−メトキシブテン−1
のM3Pへのカルボニル化 120mL機械的に攪拌されるHastelloy−Cオートクレーブに、ジ
カルボニルアセチルアセトネートロジウム(I)0.258グラム(0.1ミリ
モル)、無水ヨウ化アルミニウム1.63グラム(4.0ミリモル)、およびト
ルエン72.1グラム(83.4mL)を仕込んだ。COと水素との90/10
混合物で反応容器を400psigに加圧した。溶液を120℃の温度に加熱し
、そしてトルエン5グラム中の8.6グラム(100ミリモル)の3−メトキシ
ブテン−1および1.0グラムのオルト−ジクロロベンゼン(ODCB、内部G
C標準)を有する溶液を注入することによってカルボニル化反応を開始させた。
次に、90/10 CO/H2で全圧力を700psigに調節した。全圧力を
700psigで一定に維持するように、リザーバからオートクレーブに一酸化
炭素およびH2(90/10比)を連続的に供給した。DBFFAP 30 M
J&W ScientificキャピラリーGCカラムによるGC分析のため
に、サンプルを時々取り出した。該分析は、仕込んだメトキシブテンの62.5
%が最初の1時間で変換され、およびメチル−3−ペンテノエート(M3P;シ
スおよびトランス異性体)に対する選択率は93.9%であることを示した。4
時間後、転化率は98%であり、およびM3Pに対する選択率は93%であった
。有意な副生物は、ブテンとブタジエンとの混合物(分離せず、5.2%)、バ
レロラクトン(1.5%)、および3−ペンテン酸(0.3%)にすぎなかった
。M3Pの生成に関する一次速度定数は1.02hr-1であった。これは734
ミリモルM3P毎リットル毎時の空時収量(STY)に相当する。
【0023】 実施例2 ヨウ化アルミニウムにより促進されるRh触媒を用いるメトキシブテンのM3P
へのカルボニル化(より高いヨウ化物/Rh比およびより高い温度) 3−メトキシブテン−1を1−メトキシブテン−2(メチルクロチルエーテル
)と3−メトキシブテン−1との70/30混合物で置換し、ヨウ化物対ロジウ
ム比を12/1から18/1に増加させ、および温度を130℃に上昇させたこ
とを除いて、実施例1の実験を繰り返した。GC分析は、30分後の85.8%
のメトキシブテンの転化率および82%のM3Pに対する選択率を示した。60
分後、転化率は97%であり、およびM3Pに対する選択率は84.6%であっ
た。M3Pの生成に関する一次速度定数は2.96hr-1であった。これは2,
135ミリモルM3P毎リットル毎時の空時収量(STY)に相当する。
【0024】 実施例3 ロジウム触媒と水性HI助触媒を用いる3−メトキシブテン−1のカルボニル化 トルエン100mL中に3−メトキシブテン−1(3MB1)5.9グラム(
69ミリモル)、ジカルボニルアセチルアセトネートロジウム(I)0.258
グラム(1.0ミリモル)、57%HI水溶液1.34グラム(6.0ミリモル
)、およびo−ジクロロベンゼン(内部ガスクロマトグラフ標準)1.00グラ
ムを含有する溶液の5mLを、25mLガラス内張圧力容器に仕込んだ。最初に
窒素で(2回)、および次に水素を10モル%含有する一酸化炭素で(2回)パ
ージすることによって、圧力容器から空気を除去した。その後、容器を500p
sigの90/10 CO/H2まで加圧し、そして3時間にわたり攪拌しなが
ら120℃に加熱した。熱を遮断し、圧力容器を室温まで冷却させ、そして過剰
のガスを排気した。DBFFAP 30 M J&W Scientificキ
ャピラリーGCカラムによるガスクロマトグラフィーにより生成物を分析した。
分析結果を、以下にまとめる。 エステル化前 ミリモル/100mL ブタジエン 13.3 メトキシブテン 0.9 3−ペントン酸 9.0 メチル−3−ペンテノエート 54.9 メトキシブテンの転化率は94.0%であり、メチル−3−ペンテノエート(M
3P)に対する選択率は84.8%であり、そして3−ペンテン酸に対する選択
率は13.9%であった。生成物の収支は99%であった。
【0025】 実施例4 メトキシブテン100グラムあたりメタノール(MeOH)0.064グラム
(100当量あたり2当量)を添加したことを除いて、実施例3で利用した手順
と同じようにして追加実験を行った。実施例1からの対応するデータに加えて、
この実施例で得られるデータを表1に示す。
【0026】 実施例5 メトキシブテン100グラムあたりメタノール0.19グラム(100当量あ
たり6当量)を添加したことを除いて、実施例4で利用した手順を繰り返した。
得られるデータを表1に示す。
【0027】 実施例6 トルエン溶剤をハロカーボンHCFC−123(CHCl2CF3)置換したこ
とを除いて、実施例1で利用した手順を繰り返した。得られるデータを表1に示
す。
【0028】 実施例7 水性HI助触媒を等価量のAlI3(グラム原子のRhあたり2当量のAlI3 )で置換したことを除いて、実施例5で利用した手順を繰り返した。得られるデ
ータを表1に示す。
【0029】 実施例8 トルエン溶剤をハロカーボンHCFC−113(FCCl2CF2Cl)で置換
したことを除いて、実施例3で利用した手順を繰り返した。得られるデータを表
1に示す。
【0030】 実施例9 トルエン溶剤をハロカーボンHCFC−113(FCCl2CF2Cl)で置換
し、かつ水性HI助触媒を等価量のTiI4(グラム原子のRhあたり2当量の
TiI4)に置換したことを除いて、実施例3で利用した手順を繰り返した。得
られたデータは表1に示されている。
【0031】
【表1】
【0032】 実施例10〜15 ヨウ化物助触媒を変更し、および得られた生成物をメタノールでエステル化す
ることにより、二塩基性エステル(DBE;アジピン酸、2−メチルグルタル酸
、およびエチルコハク酸のエステル)を含む全カルボニル化の選択率を求めたこ
とを除いて、実施例3で利用した手順を繰り返して一連の6つの追加実験を行っ
た。結果を表2にまとめる。
【0033】
【表2】
【0034】 実施例16 ロジウム触媒と水性HI助触媒を用いるメタノール存在下でのブタジエンのカル
ボニル化 トルエン100mL中にブタジエン5.4グラム(100ミリモル)、57%
HI水溶液1.34グラム(6.0ミリモル)、メタノール3.2グラム(10
0ミリモル)、ジカルボニルアセチルアセトネートロジウム(I)0.258グ
ラム(1.0ミリモル)、およびo−ジクロロベンゼン(内部ガスクロマトグラ
フ標準)1.00グラムを含有する溶液の5mLを、25mLガラス内張圧力容
器に仕込んだ。最初に窒素で(2回)、続いて水素を10モル%含有する一酸化
炭素で(2回)パージすることによって、圧力容器から空気を除去した。その後
、容器を500psigの90/10 CO/H2まで加圧し、そして3時間に
わたり攪拌しながら120℃に加熱した。熱を遮断し、圧力容器を室温まで冷却
させ、そして過剰のガスを排気した。DBFFAP 30 M J&W Sci
entificキャピラリーGCカラムによるガスクロマトグラフィーにより生
成物溶液を直接分析した。分析結果を、以下の表3にまとめる。
【0035】 実施例17〜27 ヨウ化物助触媒、温度、および溶剤を変更したことを除いて、実施例16で利
用した手順を繰り返して一連の11の追加実験を行った。結果を、表3にまとめ
る。
【0036】
【表3】
【0037】 本発明の方法は、β−γ不飽和カルボン酸エステルの調製に有用であり、およ
び特に、メチルクロチルエーテル、3−メトキシブテン−1、およびそれらの混
合物のカルボニル化、またはブタジエンとメタノールとの混合物からの直接的な
カルボニル化によるメチル−3−ペンテノエートの生成に有用である。このよう
な生成物は、二官能性モノマとして、およびアジピン酸合成の中間体として有用
である。
【0038】 ある程度詳細に本発明を説明および例示してきたが、添付の特許請求の範囲は
それらに限定されるものではなく、特許請求の範囲の各要素およびその等価物の
表現に合致した範囲を与えられるべきであることを認識すべきである。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年12月8日(2000.12.8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】 反応に好適な全圧力は、0.1724〜20.65MPa(25〜3,000
psig)の範囲である。好ましくは、該圧力は、0.6895〜13.79M
Pa(100〜2,000psig)であり、1.379〜6.895MPa(
200〜1,000psig)が最も好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】 実施例1 ヨウ化アルミニウムにより促進されるRh触媒を用いる3−メトキシブテン−1
のM3Pへのカルボニル化 120mLの機械的に攪拌されるHastelloy−Cオートクレーブに、
ジカルボニルアセチルアセトネートロジウム(I)0.258グラム(0.1ミ
リモル)、無水ヨウ化アルミニウム1.63グラム(4.0ミリモル)、および
トルエン72.1グラム(83.4mL)を仕込んだ。COと水素との90/1
0混合物で反応容器を13.79MPa(400psig)に加圧した。溶液を
120℃の温度に加熱し、そしてトルエン5グラム中に8.6グラム(100ミ
リモル)の3−メトキシブテン−1および1.0グラムのオルト−ジクロロベン
ゼン(ODCB、内部GC標準)を有する溶液を注入することによってカルボニ
ル化反応を開始させた。次に、90/10 CO/Hで全圧力を4.826M
Pa(700psig)に調節した。全圧力を4.826MPa(700psi
g)で一定に維持するように、リザーバからオートクレーブに一酸化炭素および
(90/10比)を連続的に供給した。DBFFAP 30 M J&W
ScientificキャピラリーGCカラムによるGC分析のために、サンプ
ルを時々取り出した。該分析は、仕込んだメトキシブテンの62.5%が最初の
1時間で変換され、およびメチル−3−ペンテノエート(M3P;シスおよびト
ランス異性体)に対する選択率は93.9%であることを示した。4時間後、転
化率は98%であり、およびM3Pに対する選択率は93%であった。有意な副
生物は、ブテンとブタジエンとの混合物(分離せず、5.2%)、バレロラクト
ン(1.5%)、および3−ペンテン酸(0.3%)にすぎなかった。M3Pの
生成に関する一次速度定数は1.02hr−1であった。これは734ミリモル
M3P毎リットル毎時の空時収量(STY)に相当する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】 実施例16 ロジウム触媒と水性HI助触媒を用いるメタノール存在下でのブタジエンのカル
ボニル化 トルエン100mL中にブタジエン5.4グラム(100ミリモル)、57%
HI水溶液1.34グラム(6.0ミリモル)、メタノール3.2グラム(10
0ミリモル)、ジカルボニルアセチルアセトネートロジウム(I)0.258グ
ラム(1.0ミリモル)、およびo−ジクロロベンゼン(内部ガスクロマトグラ
フ標準)1.00グラムを含有する溶液の5mLを、25mLガラス内張圧力容
器に仕込んだ。最初に窒素で(2回)、続いて水素を10モル%含有する一酸化
炭素で(2回)パージすることによって、圧力容器から空気を除去した。その後
、容器を3.447MPa(500psig)の90/10 CO/Hまで加
圧し、そして3時間にわたり攪拌しながら120℃に加熱した。熱を遮断し、圧
力容器を室温まで冷却させ、そして過剰のガスを排気した。DBFFAP 30
M J&W ScientificキャピラリーGCカラムによるガスクロマ
トグラフィーにより生成物溶液を直接分析した。分析結果を、以下の表3にまと
める。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 パトリック マイケル バーク アメリカ合衆国 19803 デラウェア州 ウィルミントン タレー ヒル レーン 4613 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC48 BA09 BA10 BA11 BA14 BA20 BA24 BA28 BA37 BA45 BE40 KA33 4H039 CA66 CF90

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アリル型ブテニルエーテルまたはブタジエンとアルコールと
    の混合物のカルボニル化、およびβ−γ不飽和カルボン酸エステルの生成を行う
    方法であって、 (a)アリル型ブテニルエーテル、またはブタジエンとアルコールとの混合物
    を、ロジウム含有触媒およびヨウ化物含有助触媒の存在下で一酸化炭素と反応さ
    せる工程と、 (b)β−γ不飽和カルボン酸エステルを回収する工程と、 を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 前記アリル型ブテニルエーテルが、メチルクロチルエーテル
    、3−メトキシブテン−1、およびそれらの混合物からなる群より選ばれ、かつ
    前記β−γ不飽和カルボン酸エステルがメチル−3−ペンテノエートであること
    を特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記カルボニル化が、ブタジエンとメタノールとを反応させ
    ることを含み、かつ前記β−γ不飽和カルボン酸エステルがメチル−3−ペンテ
    ノエートであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記ヨウ化物含有助触媒が、HI、AlI3、SnI4、Ti
    4、CrI3、およびCoI2からなる群より選ばれ、かつ前記ロジウム含有触
    媒がジカルボニルアセチルアセトネートロジウム(I)であることを特徴とする
    請求項2または3に記載の方法。
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