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JP2002531121A - N末端伸長を有するグルコアミラーゼ - Google Patents

N末端伸長を有するグルコアミラーゼ

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Publication number
JP2002531121A
JP2002531121A JP2000586886A JP2000586886A JP2002531121A JP 2002531121 A JP2002531121 A JP 2002531121A JP 2000586886 A JP2000586886 A JP 2000586886A JP 2000586886 A JP2000586886 A JP 2000586886A JP 2002531121 A JP2002531121 A JP 2002531121A
Authority
JP
Japan
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glucoamylase
pro
residue
ser
peptide extension
Prior art date
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Pending
Application number
JP2000586886A
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English (en)
Inventor
レンフェルト ニールセン,ビャルネ
スベンセン,アラン
ボイセン,キルステン
ビン,イェスペル
ペデルセン,ヘンリク
Original Assignee
ノボザイムス アクティーゼルスカブ
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノボザイムス アクティーゼルスカブ filed Critical ノボザイムス アクティーゼルスカブ
Publication of JP2002531121A publication Critical patent/JP2002531121A/ja
Pending legal-status Critical Current

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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/24Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2)
    • C12N9/2402Hydrolases (3) acting on glycosyl compounds (3.2) hydrolysing O- and S- glycosyl compounds (3.2.1)
    • C12N9/2405Glucanases
    • C12N9/2408Glucanases acting on alpha -1,4-glucosidic bonds
    • C12N9/2411Amylases
    • C12N9/2428Glucan 1,4-alpha-glucosidase (3.2.1.3), i.e. glucoamylase

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、改良された熱安定性を示す親真菌グルコアミラーゼの変異体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、親グルコアミラーゼのグルコアミラーゼ変異体、その変異体グルコ
アミラーゼをコードするDNA配列及びデンプンを加水分解するためのその変異
体酵素を用いる方法に関する。
【0002】 より詳しくは、本発明は、改良された熱安定性を有するグルコアミラーゼ変異
体に関する。
【0003】 発明の背景 グルコアミラーゼ(1,4−α−D−グルカングルコヒドロラーゼ、EC 3
.2.1.3)は、デンプン又は関連するオリゴ−及びポリサッカライド分子の
非還元端からのD−グルコースの遊離を触媒する酵素である。グルコアミラーゼ
は、商業的に最も重要であるアスペルギルス(Aspergillus)からの
ものと共に、いくつかの糸状菌及びイーストにより生産される。
【0004】 商業的に、グルコアミラーゼ酵素はα−アミラーゼにより既に部分的に加水分
解されているコーンデンプンをグルコースに変換するのに用いられる。グルコー
スは更に、グルコースイソメラーゼにより、グルコース及びフルクトースからほ
ぼ等しく構成される混合物に変換される。この混合物、又はフルクトースが更に
豊富な混合物は、世界を通じて商業化されている一般に用いられる高フルクトー
スコーンシロップである。このシロップは、酵素的過程により生産される世界で
最も大きなトン数の製品である。デンプンのフルクトースへの変換に関連する3
つの酵素は、生産される最も重要な工業用酵素の1つである。
【0005】 高フルクトースコーンシロップの生産におけるグルコアミラーゼの商業的使用
に関して存在する主要な問題の1つは、グルコアミラーゼの比較的低い熱安定性
である。グルコアミラーゼはα−アミラーゼ又はグルコースイソメラーゼほど熱
的に安定でなく、それは、α−アミラーゼ又はグルコースイソメラーゼより低い
pHで最も活性で安定である。従って、それは、より低い温度及びpHで別個の容器
で用いなければならない。
【0006】 発明の概要 これにより、本発明の目的は、グルコアミラーゼ活性を有する酵素の特性を改
良すること、特にその酵素の熱安定性を改良することである。 驚くことに、酵素のN末端にペプチド伸長部を連結させることにより、グルコ
アミラーゼ活性を有する酵素の熱安定性を有意に増加させることができることが
見い出された。
【0007】 結果として、第1の態様において、本発明は、N末端にペプチド伸長部を有す
る親グルコアミラーゼの変異体に関する。 本文脈において、用語“ペプチド伸長部”は、1又は複数の連続的なアミノ酸
残基のストレッチが、親(成熟)グルコアミラーゼのN末端に加えられているこ
とを示すことを意図する。
【0008】 用語“成熟グルコアミラーゼ”は、その慣用的な意味で、即ち、問題の生産体
生物により(グリコシル化を行い、N及び/又はC末端配列、例えばプレ−及び
プロペプチド配列を除去するための)翻訳後及び分泌後プロセッシング後に生じ
るグルコアミラーゼの活性型を示すのに用いる。より詳しくは、これは、アミノ
酸配列、例えばプレ−及びプロ−ペプチド配列が、存在するなら、最初に翻訳さ
れたグルコアミラーゼ、即ち非プロセッシンググルコアミラーゼから除去されて
いることを意味する。本発明の定義に含まれる成熟グルコアミラーゼは、A.ニ
ゲルグルコアミラーゼ(配列番号:1を参照)を、位置3、即ちLeuとAsp
の間で切断するトリペプチジルアミノペプチダーゼ(TPAP)により切断(プ
ロセッシング)されたグルコアミラーゼである。
【0009】 用語“親グルコアミラーゼ”は、本発明により改変すべきグルコアミラーゼを
示すことを意図する。親グルコアミラーゼは、天然(又は野生型)グルコアミラ
ーゼであっても、いずれかの好適な手段により調製されたその変異体であっても
よい。例えば、親グルコアミラーゼは、1もしくは複数のアミノ酸残基の置換、
欠失もしくはトランケーションにより、又は1もしくは複数のアミノ酸残基の、
天然のグルコアミラーゼのアミノ酸配列への付加もしくは挿入により、典型的に
はグルコアミラーゼの構造的部分において改変されている天然のグルコアミラー
ゼの変異体であり得る。
【0010】 他の態様において、本発明は、先に定義されるグルコアミラーゼをコードする
DNA配列、本発明のDNA配列を含むDNA構成物及び組換え発現ベクター、
並びに本発明のDNA配列又は本発明のベクターを有する宿主細胞に関する。 本発明のグルコアミラーゼ変異体は、便利には、デンプンを変換するための方
法に用いることができ、従って、更に別の態様において、本発明は、デンプン又
は部分的に加水分解されたデンプンをデキストロースを含むシロップに変換する
ための方法であって、デンプン加水分解物を、本発明のグルコアミラーゼ変異体
の存在下で糖化することを含む方法に関する。
【0011】 最後の態様において本発明は、N末端に伸長部を作ることにより親グルコアミ
ラーゼの熱安定性を改良するための方法を供する。 本発明の発明者らは、改良された熱安定性を有する親グルコアミラーゼの改良
されたいくつかの変異体を供する。その改良された熱安定性は、ペプチド伸長部
を親グルコアミラーゼに連結させることにより得られる。これは、以下に詳細に
記載されよう。
【0012】 発明の詳細な記載 ペプチド伸長部 上述の通り、驚くことに、グルコアミラーゼ変異体、特に改良された熱安定性
を有するものは、好適なペプチド伸長が親グルコアミラーゼのN末端で見い出す
ことができる場合に達成することができることが見い出された。本発明はこの発
見に基づく。
【0013】 本発明の文脈において、“N末端で見い出すことができる”とは、成熟グルコ
アミラーゼがN末端にペプチド伸長を有することを意味する。一実施形態におい
て、ペプチド伸長部は親グルコアミラーゼに対してネイティブ、即ちプロ−及び
/又はプレ−配列を除去するための翻訳後プロセッシング前のものである。これ
により、ペプチド伸長部は、発現及び翻訳後プロセッシング後に通常、除去され
又は切断される非プロセッシング化親グルコアミラーゼのプレ−及び/又はプロ
−配列であり得る。
【0014】 別の実施形態において伸長部は、プロセッシングの間にドナー細胞により通常
、切り落とされるペプチド配列、例えばプレ−及び/又はプロ−配列と同一のN
末端のペプチドである。ほとんどの場合、ペプチド伸長部は、プレ−及び/又は
プロ−配列と異なる。これは以下に更に記載されよう。 伸長部がN末端に連結させる場合、それは、当業界で公知のいずれかのタンパ
ク質工学法により行うことができる。
【0015】 用語“改良された熱安定性を有するグルコアミラーゼ変異体”とは、本発明の
文脈において、対応する親グルコアミラーゼより、より高いT1/2 (半減期)又
は固定されたインキュベーション時間の後の残存酵素活性を有するグルコアミラ
ーゼ変異体を意味する。熱安定性、例えばT1/2 及び残存活性の測定は、以下の
材料及び方法セクションに記載される。
【0016】 用語“好適なペプチド伸長部”は、用いるべきペプチド伸長部が、先に定義さ
れるような改良された熱安定性を示すことができるものであることを示すのに用
いる。ペプチド伸長部の“妥当性”は、ペプチド伸長部が連結している改変され
たグルコアミラーゼ、及び対応する親グルコアミラーゼの各々の熱安定性の比較
分析により検査することができる。熱安定性は、いずれかの好適な技術、例えば
本願に記載される熱安定性アッセイにより決定することができる。
【0017】 要求される効果、例えば改良された熱安定性を供することができるペプチド伸
長部の能力は、例えば改変すべき親グルコアミラーゼの同一性、ペプチド伸長部
の(長さを含む)構造、全体のグルコアミラーゼ変異体酵素の構造へのペプチド
伸長部の影響、ペプチド伸長部のアミノ酸残基の性質又は官能性等に依存すると
現在、考えられている。ペプチド伸長部が要求される効果を供することができる
ための必要条件は、もちろん、ペプチド伸長部を含むグルコアミラーゼ変異体が
好適な宿主生物内で発現可能であることである。以下の一般的な考察は、好適な
ペプチド伸長部のデザインに関連し得る。
【0018】 ペプチド伸長部の長さ:様々の数のアミノ酸残基を含むペプチド伸長部が要求
される効果を供することができ、これにより本発明により用いるべきペプチド伸
長部に存在すべきアミノ酸残基の正確な数を特定することは可能でないことが見
い出されている。アミノ酸残基の数の上限は、とりわけ得られた改変されたグル
コアミラーゼ変異体の発現、構造及び/又は活性へのペプチド伸長部の影響に基
づき決定される。
【0019】 ペプチド伸長部は、これにより、1〜100アミノ酸残基、好ましくは1〜5
0アミノ酸残基、より好ましくは1〜20、そして更により好ましくは1〜10
アミノ酸残基を含み得る。 安定性:ペプチド伸長部は、好ましくは、許容できる安定性(例えば構造的安
定性及び/又は発現安定性)を有するグルコアミラーゼ変異体を供するように、
又はグルコアミラーゼ変異体の構造的安定性を有意に減少させないように選択さ
れるべきである。多くのペプチド伸長部が得られるグルコアミラーゼ変異体にい
ずれかの実質的な構造的不安定性を与えるとは考えられないが、それは、特定の
例において及び特定の親グルコアミラーゼで、構造的安定性を改変されたグルコ
アミラーゼ酵素にそれ自体で与えることができるペプチド伸長部を選択すること
に関連し得る。例えば、ペプチド伸長部は、以下で議論するように、N末端残基
にN末端伸長部からのシステイン架橋を加えることにより相互作用の数を増加さ
せ、及び/又は共有結合させることができる。
【0020】 ペプチド伸長部のアミノ酸残基の性質 N末端残基とN末端伸長部との間の改良された相互作用を得るために、それら
残基は、好ましくは、α−ヘリックスを形成するための優先度の低い残基からの
ものであるべきであり、これにより本発明の文脈に用いられるべきである。これ
は、N末端のα−ヘリックスがN末端に長くなると、それはN末端残基との接触
がない構造から突き出るという事実により理論的に説明される。本発明によるペ
プチド伸長部は、N末端残基のN末端伸長部への接触を改良することにより改良
された安定性を含む。与えるN末端伸長部内で、残基の主要部分は非ヘリックス
メーカーの群からのものでなければならない。より低い又は等しい、ヘリックス
のN末端、及び/又はヘリックスの中央、及び/又はヘリックスのC末端部分に
おけるα−ヘリックス傾向を有する残基を用いることにより、N末端残基とN末
端伸長部との間の接触の改良が最適になるであろう。α−ヘリックスのN末端部
分におけるより低い傾向を有する残基は、その伸長部がグルコアミラーゼ中天然
のα−ヘリックスのN末端部分におかれるので、特別の関心がある。M(メチオ
ニン)、K(リシン)、H(ヒスチジン)、V(バリン)、I(イソロイシン)
、Y(チロシン)、C(システイン)、F(フェニルアラニン)、T(トレオニ
ン)、G(グリシン)、N(アスパラギン)、P(プロリン)、S(セリン)及
びD(アスパラギン酸)を含む残基を非α−ヘリックスメーカーとして本発明に
用いることができる。
【0021】 本発明の文脈において、“N末端残基”は、N末端残基の周辺の残基、即ちN
末端残基の中心から18,12及び/又は8Åの球の中にあり、N末端伸長部の
部分でない残基を意味する。より好ましくは、伸長部は10Å以内にあるが、C
onnelly水アクセス可能表面プログラム((バージョン1988年10月
)、引用W.Kabsch and C.Sander, Biopolymers 22 (1983) pp.2577〜2637)を用
いてアクセシビリティーにおいて正の数を有する残基として定義される酵素の表
面上にある。
【0022】 “非ヘリックスメーカー”は、本明細書において、(Proteins: Creighton T.
E.(1993))のtable 6.5から得られるデータにより定義される。ここで
は、異なるアミノ酸残基について異なる傾向が記載されている。 あるいは、改良された構造安定性は、本発明のグルコアミラーゼ内のシステイ
ン架橋の導入により供することができる。例えは、ペプチド伸長部とグルコアミ
ラーゼの成熟部分との間のシステイン架橋は、そのペプチド伸長部のアミノ酸残
基の少くとも1つがグルコアミラーゼ変異体の成熟部分内のシステイン残基と共
有結合を形成することができるように位置したシステイン残基であるなら、確立
することができる。システイン架橋を導入することのポジティブな効果を実施例
3に示す。成熟グルコアミラーゼ内に好適なシステインが存在しないなら、便利
には、活性のために重要でないと考えられる親グルコアミラーゼのアミノ酸を置
換することにより、親グルコアミラーゼの好適な位置にシステインを挿入するこ
とができる。
【0023】 一般に、本発明におけるシステイン残基を含むペプチド伸長部のアミノ酸配列
は、 X−C−(X)n (式中、Xは独立して、1つのアミノ酸、好ましくは上述の非α−ヘリックスメ
ーカーのもの、更により好ましくは短い側鎖を有するものである) で示すことができる。
【0024】 そのCysのカルボキシ末端側とプロセッシングされた天然のN末端との間に
は、5より大きい又は等しい、好ましくは5〜100の、更により好ましくは5
〜10の、更により好ましくは5の、いずれかの数(n)のX残基が存在する。 例としては次のものがある: ACGPSTS(配列番号:25) ACPGTST(配列番号:26) ACGTGTS(配列番号:27) ACTGSTG(配列番号:28) ACGPSTSG(配列番号:29) ACPGTSTG(配列番号:30) ACGTGTSS(配列番号:31) ACTGSTGT(配列番号:32) グルコアミラーゼのネイティブプロペプチド(例えばA.ニゲルG1又はG2
AMG)は、kex2様プロテアーゼ(二塩基性プロテアーゼ)により開裂さ
れる。これにより、kex2プロテアーゼは、kex2又はkex2様部位を開
裂することができるプロテアーゼである。kex2部位(例えばMethods in Enz
ymology Vol 185, ed. D.Goeddel, Academic Press Inc. (1990), San Diego, C
A,“Gene Expression Technology”)及びkex2様部位は、特定のタンパク質
のプロペプチドコーディング領域と成熟領域との間に見い出される二塩基性認識
部位(即ち開裂部位)である。
【0025】 この開裂部位を変異させることで、N末端プロペプチドを完全に残すことがで
きる。 例: NVIPPR(配列番号:33) NPPIRP(配列番号:34) NVIPRP(配列番号:35) 別の可能性は、グルコアミラーゼ遺伝子を発現するように選択された宿主にお
いてkex2様プロテアーゼコーディング遺伝子を削除し又は不活性化すること
である。これも、N末端ペプチド伸長部を完全に残し得る。
【0026】 N末端プロセッシングに関連するプロテアーゼをコードする他の遺伝子、例え
ばトリペプチジルアミノペプチダーゼコーディング遺伝子も、発現のための問題
の宿主において削除し又は不活性化することができよう。 システイン変異体のためのN末端残基は、N末端残基周辺の残基、即ちN末端
残基の中心から18,12及び/又は8Åの球の内にあり、N末端伸長部の部分
でない残基として定義される。一般に、本発明におけるシステイン残基を含む伸
長部のためのアミノ酸配列は、 x−C−x−x−x−x−x (式中、xは独立して、上述の非−αヘリックスメーカーのうちの1つである)
と示すことができる。
【0027】 特定の実施形態において、グルコアミラーゼ変異体は、親グルコアミラーゼの
成熟部分と共有結合を形成することができるペプチド伸長部を含む。別の特定の
実施形態において、グルコアミラーゼ変異体は、システイン残基が一緒にシステ
イン架橋を形成するように、ペプチド伸長部の1又は複数のシステイン残基及び
親グルコアミラーゼの成熟部分のシステイン残基を含む。更に別の特定の実施形
態において、親グルコアミラーゼの成熟部分内のシステイン残基は親グルコアミ
ラーゼのアミノ酸残基に挿入され又は置換されている。最も好ましい特定の実施
形態において、位置375に相当する位置のアスパラギン酸残基、位置299に
相当する位置のグルタミン酸残基、位置431に相当する位置のセリン残基位置
471に相当する位置のアラニン残基、位置479に相当する位置のアラニン残
基、位置480に相当する位置のトレオニン残基、位置481に相当する位置の
プロリン残基、又は位置8に相当する位置のセリン残基は、アスペルギルス・ニ
ゲルG1グルコアミラーゼのアミノ酸配列においてシステイン残基で置換されて
いる。
【0028】 特に、親グルコアミラーゼに連結したペプチド伸長部は、有利には、以下の伸
長部のうちの1つであり得る: Asn-Val-Ile-Ser-Arg-Arg (NVISRR), Asn-Val-Ile-Pro-Lys-Arg (NVIPKR), Ala-Ser-Pro-Pro-Ser-Thr-Ser (ASPPSTS), Ala-Cys-Pro-Pro-Ser-Thr-Ser (ACPPSTS), Pro-Cys-Ser-Ala-Gly-Glu (PCSAGE), Pro-Leu-Ala-Leu-Ser-Asp (PLALSD), Leu-Gly-Val-Thr-Gly-Glu (LGVTGE), Ala-Gly-Pro-Leu-Pro-Ser-Glu (AGPLPSE), Leu-Gly-Pro-Asp (LGPD), Ile-Phe-Glu-Leu-Thr-Pro-Arg (IFELTPR), Ile-Ser-Asn (ISN) 、又は Met-Asn (MN)。
【0029】 本文脈において、トリペプチジルアミノペプチダーゼ(TPAP)は、ペプチ
ド又はタンパク質配列、例えばプロホルモン又はプロ酵素内に見い出される延長
したアミノ酸配列からトリペプチドを開裂するアミノペプチダーゼを示すことを
意図する。トリペプチジルアミノペプチダーゼ(TPAP)は、特定の場合、ペ
プチド、オリゴヌクレオチド、又はタンパク質の非置換化N末端からトリペプチ
ドフラグメントを開裂する時に減少した安定性を導くことが見い出されている。
より詳しくは、N末端のトリペプチジルアミノペプチダーゼはグルコアミラーゼ
酵素の安定性を減少させる。従って、本発明は、ペプチド伸長部がグルコアミラ
ーゼ酵素のトリペプチジルアミノペプチダーゼ(TPAP)開裂を防ぐことがで
きる親グルコアミラーゼの変異体にも関する。
【0030】 ペプチド伸長部を親グルコアミラーゼに連結する方法 本発明の変異体は、合成により生産されたペプチド伸長部を問題の親グルコア
ミラーゼ酵素に加える(融合又は挿入する)ことによって得ることができるが、
本発明のグルコアミラーゼ変異体は、i)親グルコアミラーゼのN末端に適用さ
れる要求されるペプチド伸長部をコードするように、親グルコアミラーゼをコー
ドするヌクレオチド、好ましくはDNA配列を改変(例えば親グルコアミラーゼ
をコードする核酸(好ましくはDNA)配列中の関連する位置にペプチド伸長部
をコードする核酸(好ましくはDNA)配列を挿入することによる)、ii)好適
な発現系において得られた改変された核酸(好ましくはDNA)配列を発現させ
、そして iii)得られたグルコアミラーゼ変異体を回収することにより調製され
るのが好ましい。
【0031】 本文脈において、用語“連結”は、伸長部が成熟グルコアミラーゼのN末端(
例えば最後のアミノ酸残基)に配合していることを示すことを意図する。 多くのグルコアミラーゼが、“プレプログルコアミラーゼ”として即ち成熟グ
ルコアミラーゼ、分泌シグナルペプチド(即ちプレペプチド)及びプロペプチド
からなるグルコアミラーゼとして発現される。そのプレプロ−グルコアミラーゼ
は細胞内でプロセッシングされて発酵媒体に分泌される。そこから、成熟グルコ
アミラーゼを単離及び/又は精製することができる。ペプチド伸長部の親グルコ
アミラーゼへの添加は、要求されるペプチドをコードする核酸配列を、親グルコ
アミラーゼをコードするDNA配列に(N末端ペプチド伸長部について)上流に
連結させることによって行うことができる。
【0032】 要求されるグルコアミラーゼ変異体(即ち要求されるペプチド伸長部を有する
もの)が、グルコアミラーゼ変異体の転写、翻訳、及びプロセッシングの後に宿
主細胞により発現及び分泌されるように、挿入を行うべきである。用語“プロセ
ッシング”は、この文脈において、プレ−及びプロ−ペプチドの除去を意味する
(もちろん、プロペプチドが要求されるペプチド伸長部と同一である場合を除く
。これは更に以下で扱われる。
【0033】 ほとんどの場合、プロ−ペプチド又はプレペプチド(プロ配列が存在しないな
ら)をコードするDNA配列と成熟グルコアミラーゼをコードするDNA配列と
の間にペプチド伸長部をコードするDNA配列を挿入することにより親グルコア
ミラーゼを伸長させることが可能である。 ペプチド伸長部をコードするDNA配列の挿入/付加は、分子生物学の分野の
いずれの当業者にも知られているいずれかの標準的技術により行うことができる
(例えばSambrookら、1989)。これは、例えば、米国特許4,683,202又
はR.K.Saiki ら(1988), Science, 239, 487〜491 に記載される特定のプライマ
ーを用いるポリメラーゼ鎖反応(PCR)を含む。隣接DNA配列の発現及び分
泌を供する方法は以下に記載されよう。(特に改変されたDNA配列を生産のた
めに用いる場合)本発明のグルコアミラーゼ変異体を生産するための正確な発現
系を選択することに注意を払わなければならないが、(改良された熱安定性を有
する)本発明によるグルコアミラーゼ変異体は、通常の様式で翻訳されたポリペ
プチドをプロセッシングすることができない発現系において親グルコアミラーゼ
酵素をコードするDNA配列を発現させることにより得ることができ、それによ
りプロペプチドの一部もしくは全部又はそのプロセッシング前に成熟タンパク質
と会合している類似したペプチド配列を含むグルコアミラーゼを生産する。この
場合、プロペプチド又は類似ペプチド配列はペプチド伸長部を構成する。プロペ
プチド又は類似ペプチド配列は親グルコアミラーゼに対して異種であっても同種
であってもよく、親グルコアミラーゼのN末端に存在し得る。この後者の技術を
用いる本発明によるグルコアミラーゼ変異体の生産は更に以下に記載される。
【0034】 従って、アミノ酸の好適なストレッチが親グルコアミラーゼのプレプロ形態に
既にコードされており、このアミノ酸のストレッチが所定の発現系によりグルコ
アミラーゼのプロセッシングにおいて切断されるなら、ペプチド伸長部は、その
発現宿主系をそのアミノ酸のストレッチのプロセッシングがおきない系に変える
ことにより適用することができる。このような場合、分泌シグナルプレ−ペプチ
ドは、分泌の間又は後に切り落とされ、プロ−ペプチドもしくはその部分又は対
応するDNA配列によりコードされる類似ペプチド配列を含む親グルコアミラー
ゼからなる改変されたグルコアミラーゼ、即ちN末端が伸長したグルコアミラー
ゼを生ずる。
【0035】 イースト細胞は、(プロペプチド又はその一部の形態の)ペプチド伸長部を親
真菌グルコアミラーゼ酵素、特にアスペルギルス・ニゲルグルコアミラーゼ酵素
に適用するための特定の使用が見い出されている。 極めて好ましい実施形態において、ペプチド伸長部は、以下の原理に従うラン
ダム変異誘発法によりデザインされ、適用される: a)ペプチド伸長部を有する親グルコアミラーゼをコードするDNA配列を、
ペプチド伸長部における、又は親グルコアミラーゼのN末端における局在化ラン
ダム変異誘発にかけ、 b)ステップa)で得られた変異DNA配列を宿主細胞内で発現させ、そして c)親グルコアミラーゼ酵素と比べて改良された能力を有する変異グルコアミ
ラーゼ酵素を発現する宿主細胞についてスクリーニングする。
【0036】 このアプローチにより、いくつかの極めて有利なペプチド付加物を形成した。 局所化ランダム変異誘発は、WO 95/22615に本質的に記載される通
り行うことができる。より詳しくは、変異誘発は、上述の領域の1又は複数のみ
を変異誘発にかける条件下で行われる。特に、大きなペプチド伸長部を変異誘発
するために、それは、(例えばDeshler 1992又はLeung ら、1989に記載されるよ
うな)PCR生成変異誘発法を用いることに関連し得る。ここでは、変異誘発す
べき領域に隣接した1又は複数の好適なオリゴヌクレオチドプローブが用いられ
る。より短いペプチド伸長部のために、ドープ化(doped)又はスパイク化
(spiked)オリゴヌクレオチドの使用により局所化ランダム変異誘発を行
うことがより好ましい。ドーピング又はスパイキングは、例えば、不要なアミノ
酸残基についてのコドンを避けるため又は特定の型のアミノ酸残基、例えば正に
荷電した又は疎水性のアミノ酸残基を要求される位置に導入する可能性を増加さ
せるために用いられる。
【0037】 変異誘発の後、その変異したDNAは、発現がおこる条件下でDNA配列を有
する好適な宿主細胞を培養することによって発現される。この目的のために用い
られる宿主細胞は、任意にベクター上に存在する、変異したDNA配列で形質転
換されているもの、又は変異誘発処理の間に親酵素をコードするDNA配列を有
するものであり得る。好適な宿主細胞の例は以下に供され、それは、好ましくは
、(容易なスクリーニングを可能にする)変異した酵素を分泌することができる
宿主細胞である。イースト細胞、例えばS.セレビシアエの細胞が好適な宿主細
胞であることが見い出されている。
【0038】 親グルコアミラーゼ 本発明により考慮される親グルコアミラーゼには、真菌グルコアミラーゼ、特
にアスペルギルス株から得ることができる真菌グルコアミラーゼ、例えばアスペ
ルギルス・ニゲル又はアスペルギルス・アワモリ(Aspergillus a wamori )グルコアミラーゼ及びその変異体又は突然変異体、相同なグルコ
アミラーゼ、並びに配列番号:1と構造的及び/又は機能的に類似した更なるグ
ルコアミラーゼがある。特に考慮されるのは、Boelら(1984),“Glucoamylases
G1 and G2 from Aspergillus niger are synthesized from two different but
closely related mRNAs”, EMBO J. 3 (5), p.1097〜1102に開示されるアスペル
ギルス・ニゲルグルコアミラーゼG1及びG2である。G2グルコアミラーゼは
配列番号:1に開示される。
【0039】 商用親グルコアミラーゼ 市販の親グルコアミラーゼには、Novo NordiskからのAMG、及びGenencor,
Inc USA 及びGist-Brocades, Delft, The Netherlands 社からのグルコアミラー
ゼもある。 親相同グルコアミラーゼ 親グルコアミラーゼの相同性は、第1の配列の第2の配列からの派生を示す2
つのタンパク質配列間の類似性の程度として決定される。相同性は、好適には、
当業界で知られたコンピュータープログラム、例えばGCGプログラムパッケー
ジ(Program Manual for the Wisconsin Package, Version 8, August 1994, Ge
netics Computer Group, 575 Science Drive, Madison, Wisconsin, USA 53711)
(Needleman, S.B. and Wunsch, C.D., (1970), Journal of Molecular Biology,
48, p.443-453) に供されるGAPを用いて決定することができる。ポリペプチ
ド配列比較のための次のセッティング:3.0のGAPクリエーションペナルテ
ィー及び0.1のGAPエクステンションペナルティーでGAPを用いて、本発
明の類似DNA配列によりコードされるポリペプチドの成熟部分は、好ましくは
少くとも80%、少くとも90%、より好ましくは少くとも95%、より好まし
くは少くとも97%、そして最も好ましくは少くとも99%の、配列番号:1に
示すアミノ酸配列の成熟部分との同一性の程度を示す。
【0040】 好ましい実施形態において、本発明の変異体は、例えば基質としてマルトデキ
ストリンを用いて、約60〜80℃、好ましくは63〜75℃の温度範囲で、4
〜5、特に4.2〜4.7のpHで、改良された熱安定性を有する。 別の好ましい実施形態において、親相同グルコアミラーゼは微生物からのグル
コアミラーゼを含む。より好ましい実施形態において、微生物は、ユーバクテリ
ア、古細菌、真菌、藻類及び原生動物を含み、更により好ましい実施形態におい
て、親相同グルコアミラーゼは糸状菌から得られる。
【0041】 極めて好ましい実施形態において、親グルコアミラーゼはアスペルギルス・ニ
ゲルG1グルコアミラーゼである(Boelら(1984), EMBO, J. 3 (5), p.1097 〜
1102)。親グルコアミラーゼはトランケートされたグルコアミラーゼであってよ
い。 グルコアミラーゼ変異体を調製するための方法 遺伝子に突然変異を導入するためのいくつかの方法が当業界で知られている。
グルコアミラーゼコーディングDNA配列のクローニングの短い議論の後、グル
コアミラーゼコーディング配列内の特定部位に突然変異を作り出すための方法が
議論されよう。
【0042】 グルコアミラーゼをコードするDNA配列のクローニング、α-アミラーゼを
コードするDNA配列のクローニング 親グルコアミラーゼをコードするDNA配列は当業界で公知の種々の方法を用
いて、問題のグルコアミラーゼを生産するいずれかの細胞又は微生物から単離す
ることができる。第1に、ゲノムDNA及び/又はcDNAライブラリーは、研
究すべきグルコアミラーゼを生産する生物からの染色体DNA又はメッセンジャ
ーRNAを用いて作製すべきである。次に、グルコアミラーゼのアミノ酸配列が
知られているなら、ラベルされたオリゴヌクレオチドプローブを合成し、問題の
生物から調製されたゲノムライブラリーからグルコアミラーゼコーディングクロ
ーンを同定するのに用いることができる。あるいは、別の知られたグルコアミラ
ーゼ遺伝子と相同な配列を含む標識されたオリゴヌクレオチドプローブは、低ス
トリンジェンシーのハイブリダイゼーション及び洗浄条件を用いて、グルコアミ
ラーゼコーディングクローンを同定するためにプローブとして用いることができ
よう。
【0043】 グルコアミラーゼコーディングクローンを同定するための更に別の方法は、ゲ
ノムDNAのフラグメントを発現ベクター、例えばプラスミドに挿入し、得られ
たゲノムDNAライブラリーでグルコアミラーゼ陰性細菌を形質転換し、そして
次にその形質転換された細菌をグルコアミラーゼのための基質(即ちマルトース
)を含む寒天にプレートし、それによりグルコアミラーゼを発現するクローンを
同定することに関する。
【0044】 あるいは、グルコアミラーゼをコードするDNA配列は、確立されている標準
的方法、例えばS.L.Beaucage及びM.H.Caruthers (1981), Tetrahedron Letters
22, p.1859〜1869に記載されるホスホロアミジト法、又はMatthes ら、(1984),
EMBO J. 3, p.801〜805 に記載される方法により合成により調製することができ
る。ホスホロアミジト法において、オリゴヌクレオチドは、例えば自動DNAシ
ンセサイザーで合成し、精製し、アニーリングし、連結し、そして好適なベクタ
ーにクローニングされる。最後にそのDNA配列は、ゲノム及び合成起源の混合
物、合成及びcDNA起源の混合物又はゲノム及びcDNA起源の混合物であっ
てよく、それは、標準的な技術に従って、合成、ゲノム又はcDNA起源のフラ
グメント(好適なら、全体のDNA配列の種々の部分に対応するフラグメント)
を連結することにより調製される。そのDNA配列は、例えばUS 4,683
,202又はR.K.Saiki ら(1988), Science 239, 1988, pp.487〜491 に記載さ
れるように、特定のプライマーを用いてポリメラーゼ鎖反応により調製すること
もできる。
【0045】 変異誘発剤とのインキュベーション又はそれへの露出の後、その変異されたD
NAは、そのDNA配列を有する好適な宿主細胞を、発現がおこる条件下で培養
することにより発現される。この目的のために用いる宿主細胞は、任意にベクタ
ー上に存在する、変異したDNA配列で形質転換されているもの、又は変異誘発
処理の間に親グルコアミラーゼをコードするDNA配列も保有するものであり得
る。好適な宿主細胞の例は次のものである:グラム陽性細菌、例えばBacil
lus subtilis,Bacillus licheniformis,
Bacillus lentus,Bacillus brevis,Baci
llus stearothermophilus,Bacillus alk
alophilus,Bacillus amyloliquefaciens
,Bacillus coagulans,Bacillus circula
ns,Bacillus lautus,Bacillus megateri
um,Bacillus thuringiensis,Streptomyc
es lividans又はStreptomyces murinus;及び
グラム陰性細菌、例えばE.coliである。変異したDNA配列は、その変異
したDNA配列の発現を許容する機能をコードするDNA配列を更に含み得る。
【0046】 部位特異的変異誘発 グルコアミラーゼコーディングDNA配列を単離し、そして変異のための要求
される部位を同定した後、合成オリゴヌクレオチドを用いて変異を導入すること
ができる。これらのオリゴヌクレオチドは、要求される変異部位に隣接するヌク
レオチド配列を含む。特定の方法において、グルコアミラーゼコーディング配列
のDNAの一本鎖ギャップがグルコアミラーゼ遺伝子を有するベクター内に形成
される。次に、要求される突然変異を有する合成ヌクレオチドは、一本鎖DNA
の相同部分とアニーリングされる。次に残りのギャップにDNAポリメラーゼI
(クレノウフラグメント)で充填され、その構造物はT4リガーゼを用いて連結
される。この方法の一例は、Morinagaら(1984), Biotechnology 2, p 646 〜63
9 に記載される。US 4,760,025は、そのカセットの小さな変化を行
うことにより多重変異をコードするオリゴヌクレオチドの導入を開示する。しか
しながら、更により多くの種類の変異をMorinagaの方法により、いずれかの一回
で導入することができる。なぜなら種々の長さの多数のオリゴヌクレオチドを導
入することができるからである。
【0047】 グルコアミラーゼコーディングDNA配列に突然変異を導入するための別の方
法がNelson and Long (1989), Analytical Biochemistry 180, p.147〜151 に記
載される。それは、PCR反応においてプライマーの1つとして化学的に合成さ
れたDNA鎖を用いることにより導入された要求される変異を含むPCRフラグ
メントの3−ステップ生成に関する。PCR生成フラグメントから、変異を有す
るDNAフラグメントは制限エンドヌクレアーゼでの開裂により単離し、発現プ
ラスミドに再挿入することができる。
【0048】 更に、Sierks. et al., (1989)“Site-directed mutagenesis at the active
site Trp120 of Aspergillus awamori glucoamylase."Protein Eng., 2, 621-62
5; Sierks et al., (1990),"Determination of Aspergillus awamori glucoamyl
ase catalytic mechanism by site-directed mutagenesis at active site Asp1
76, Glu179, and Glu180". Protein Eng. vol.3, 193-198もアスペルギルスグル
コアミラーゼにおける部位特異的変異誘発を記載する。
【0049】 ランダム変異誘発 ランダム変異誘発は、好適には、問題の示されるアミノ酸配列に翻訳される遺
伝子の少くとも3つの部分、又は全体の遺伝子内で局在化又は領域特異的ランダ
ム変異誘発のいずれかとして行われる。親グルコアミラーゼをコードするDNA
配列のランダム変異誘発は、便利には、当業者に知られたいずれかの方法の使用
により行うことができる。これに関して、本発明の更なる態様は、親グルコアミ
ラーゼの変異体を形成するための方法であって、その変異体はその親に対して増
加した熱安定性を示し、 (a)親グルコアミラーゼをコードするDNA配列をランダム変異誘発にかけ
、 (b)ステップ(a)で得られた変異したDNA配列を宿主細胞において発現
させ、そして (c)親グルコアミラーゼに対して変化した特性(即ち熱安定性)を有するグ
ルコアミラーゼ変異体を発現する宿主細胞についてスクリーニングすること を含む方法に関する。
【0050】 上述の本発明の方法のステップ(a)は、好ましくは、本明細書の研究例(後
述)に記載されるようなドープ化(doped)プライマーを用いて行われる。
例えば、ランダム変異誘発は、好適な物理的又は化学的変異誘発剤の使用により
、好適なオリゴヌクレオチドの使用により、又はそのDNA配列をPCR生成変
異誘発にかけることにより行うことができる。更に、ランダム変異誘発はこれら
の変異誘発剤のいずれかの組合せの使用により行うことができる。変異誘発剤は
、例えば、トランジション、トランスバージョン、インバージョン、スクランブ
リング、デリーション、及び/又はインサーションを誘導するものである。本目
的に適した物理的又は化学的変異誘発剤の例には、紫外線(UV)照射、ヒドロ
キシアミン、N−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジン(NMMG)
、D−メチルヒドロキシルアミン、亜硝酸、エチルメタンスルホネート(EMS
)、亜硫酸ナトリウム、ギ酸、及びヌクレオチドアナログがある。これらの剤を
用いる場合、変異誘発は典型的には、変異誘発すべき親酵素をコードするDNA
配列を、選択された変異誘発の存在下で、変異誘発がおこるための好適な条件下
でインキュベートし、そしてその要求される特性を有する変異DNAについて選
択することにより行われる。変異誘発をオリゴヌクレオチドの使用により行う場
合、そのオリゴヌクレオチドは、変化すべきでない位置でオリゴヌクレオチドの
合成の間、3つの非親ヌクレオチドでドープ又はスパイクされ得る。ドーピング
又はスパイキングは、不要なアミノ酸のためのコドンが回避されるように行うこ
とができる。ドープ化又はスパイク化オリゴヌクレオチドは例えばPCR,LC
R又は好適と思われるいずれかのDNAポリメラーゼ及びリガーゼを用いて、い
ずれかの公開された技術によりグルコアミラーゼ酵素をコードするDNAに組み
込むことができる。好ましくはドーピングは、“コンスタントランダムドーピン
グ”を用いて行われ、そこでは各々の位置での野生型及び変異体の割合が予め規
定される。更に、ドーピングは、特定のヌクレオチドの導入についての選択性、
それにより1又は複数の特定のアミノ酸残基の導入についての選択性に対して行
われる。ドーピングは、例えば各々の位置において90%の野生型及び10%の
変異の導入を許容するように行うことができる。ドーピングスキームの選択にお
ける更なる考慮は遺伝子及びタンパク質構造の束縛に基づく。ドーピングスキー
ムは、とりわけ、終止コドンの導入を避けるのを確実にするDOPEプログラム
を用いて行うことができる。PCR生成変異誘発を用いる場合、親グルコアミラ
ーゼをコードする化学的に処理した又は未処理の遺伝子はヌクレオチドのミス・
インコーポレーションを増加させる条件下でPCRにかけられる(Peshler 1992
; Leung ら、Technique, Vol.1, 1989, pp.11 〜15)。大腸菌のミューテーター
株(Fowlerら、Molec.Gen.Genet., 133, 1947, pp.179 〜191 )、S.セレビア
エ又はいずれかの他の微生物を、例えば親グルコシレートを含むプラスミドをそ
のミューテーター株に形質転換し、そのプラスミドを有するミューテーター株を
生長させ、そしてそのミューテーター株から変異プラスミドを単離することによ
りグルコアミラーゼをコードするDNAのランダム変異誘発のために用いること
ができる。その変異したプラスミドは、次に、発現生物に形質転換することがで
きる。その変異したプラスミドは、次に、発現生物に形質転換することができる
。変異誘発すべきDNA配列は、便利には、親グルコアミラーゼを発現する生物
から調製されたゲノム又はcDNAライブラリー中に存在し得る。あるいは、そ
のDNA配列は、それ自体、変異誘発剤と共にインキュベートされ、又はそれに
露出され得るプラスミド又はバクテリオファージのような好適なベクター上に存
在し得る。変異誘発すべきDNAは、その細胞のゲノム内に組み込まれることに
より、又は細胞が有するベクター上に存在することにより宿主細胞中にも存在し
得る。最後に、変異誘発すべきDNAは、単離された形態であり得る。ランダム
変異誘発にかけるべきDNA配列は、好ましくはcDNA又はゲノムDNA配列
であることが理解されよう。特定の場合、発現ステップb)又はスクリーニング
ステップc)の前に、変異DNA配列を増幅するのが便利であり得る。このよう
な増幅は、当業界で知られた方法に従って行うことができる。好ましい方法は、
親酵素のDNA又はアミノ酸配列に基づいて調製されたオリゴヌクレオチドプラ
イマーを用いるPCR生成増幅である。変異誘発剤とのインキュベーション又は
それへの露出の後、その変異したDNAは、DNA配列を有する好適な宿主細胞
を発現がおこる条件で培養することにより発現される。この目的のために用いる
宿主細胞は、任意にベクター上に存在する、変異DNA配列で形質転換されてい
るもの、又は変異誘発処理の間に親酵素をコードするDNA配列を有するもので
あり得る。好適な宿主細胞の例は、次のもの:グラム陽性細菌、例えばBaci
llus subtilis,Bacillus licheniformis
,Bacillus lentus,Bacillus brevis,Bac
illus stearothermophilus,Bacillus al
kalophilus,Bacillus amyloliquefacien
s,Bacillus coagulans,Bacillus circul
ans,Bacillus lautus,Bacillus megater
ium,Bacillus thuringiensis,Streptomy
ces lividans又はStreptomyces murinus;及
びグラム陰性細菌、例えばE.coliである。その変異したDNA配列は、そ
の変異したDNA配列の発現を許容する機能をコードするDNA配列を更に含む
【0051】 局所化ランダム変異誘発 ランダム変異誘発は、有利には、問題の親グルコアミラーゼの一部分に局所化
することができる。これは、例えば、酵素の特定の領域がその酵素の所定の特性
のために特に重要である場合、及び改変が改良された特性を有する変異体を生ず
ると予想される場合に有利であり得る。このような領域は、通常、親酵素の3次
構造が解明されて、酵素の機能に関連づけられている場合に同定することができ
る。
【0052】 局所化又は領域特異的ランダム変異誘発は、便利には、上述のPCR生成変異
誘発技術又は当業界で知られたいずれかの他の好適な技術の使用により行われる
。あるいは、改変すべきDNA配列の部分をコードするDNA配列は、例えば好
適なベクターへの挿入により単離することができ、その部分は、後に、先に議論
した変異誘発法のいずれかの使用により変異誘発にかけることができる。
【0053】 グルコアミラーゼ変異体の発現 本発明によれば、上述の方法により、又は当業界で知られたいずれかの別の方
法により生産された変異体をコードするDNA配列は、典型的には、プロモータ
ー、オペレーター、リボソーム結合部位、翻訳開始シグナル、及び任意にレプレ
ッサー遺伝子又は種々のアクティベーター遺伝子をコードする調節配列を含む発
現ベクターを用いて、酵素形態で発現させることができる。
【0054】 発現ベクター 本発明のグルコアミラーゼ変異体をコードするDNA配列を有する組換え発現
ベクターは、便利に組換えDNA手順にかけることができるいずれのベクターで
あってもよく、ベクターの選択は、しばしば、導入すべき宿主細胞に依存するで
あろう。そのベクターは、宿主細胞に導入した時に宿主細胞ゲノムに組み込まれ
、それが組み込まれた染色体と一緒に複製されるものであり得る。好適な発現ベ
クターの例にはpMT838がある。
【0055】 プロモーター ベクター内で、DNA配列は好適なプロモーター配列に作用可能に連結される
べきである。プロモーターは、選択された宿主細胞内で転写活性を示すいずれの
DNA配列であってもよく、宿主細胞に対して同種又は異種のタンパク質をコー
ドする遺伝子から得ることができる。
【0056】 特に細菌宿主において、本発明のグルコアミラーゼ変異体をコードするDNA
配列の転写を指示するための好適なプロモーターの例は、大腸菌のlacオペロ
ンのプロモーター、ストレプトマイセス・コエリコロル(Streptomyc es coelicolor )アガロース遺伝子dagAプロモーター、バチル
ス・リケニホルミス(Batillus licheniformis)α−ア
ミラーゼ遺伝子(amyL)のプロモーター、バチルス・ステアロサーモフィル
ス(Batillus stearothermophilus)マルトジェニ
ックアミラーゼ遺伝子(amyM)のプロモーター、バチルス・アミロリクエフ
ァシエンス(Batillus amyloliquefaciens)α−ア
ミラーゼ(amyQ)のプロモーター、バチルス・サブチリス(Batillu s subtilisxylA及びxylB遺伝子のプロモーター等である。
真菌宿主における転写のため、有用なプロモーターの例は、A.オリザエ(A. oryzae )TAKAアミラーゼをコードする遺伝子由来のもの、S.セレビ
シアエ(S.cerevisiae)からのTPI(トリオースリン酸イソメラ
ーゼ)プロモーター(Alber ら(1982), J.Mol.Appl Genet 1, p 419〜434 )、
リゾムコル・ミエヘイ(Rhizomucor miehei)アスパラチック
プロティナーゼ、A.ニゲル(A.niger)中性α−アミラーゼ、A.ニゲ
ル酸安定性α−アミラーゼ、A.ニゲルグルコアミラーゼ、リゾムコル・ミエヘ
イ(Rhizomucor miehei)リパーゼ、A.オリザエアルカリプ
ロテアーゼ、A.オリザエトリオースリン酸イソメラーゼ又はA.ニジェランス
アセトアミダーゼから得られるものである。
【0057】 発現ベクター 本発明の発現ベクターは、好適な転写ターミネーター、及び真核生物において
、本発明のα−アミラーゼ変異体をコードするDNA配列に作用可能に結合した
ポリアデニル化配列も含み得る。ターミネーション及びポリアデニル化配列は、
プロモーターと同じソースから得ることができる。
【0058】 ベクターは、そのベクターが問題の宿主細胞内で複製するのを可能にするDN
A配列を更に含み得る。このような配列の例は、プラスミドpUC19,pAC
YC177,pUB110,pE194,pAMB1及びpIJ702の複製の
起点である。 ベクターは、選択マーカー、例えばその産物が宿主細胞内の欠損を補う遺伝子
、例えばB.サブチリスもしくはB.リケニホルミスからのdal遺伝子、又は
抗生物質耐性、例えばアンピシリン、カナマイシン、クロランフェニコール又は
テトラサイクリン耐性を与えるものも含み得る。更に、ベクターは、アスペルギ
ルス選択マーカー、例えばamdS,argB,niaD及びsC、ヒグロマイ
シン耐性を生じるマーカーを含み得、又は選択は、例えばWO 91/1724
3に記載されるように、同時形質転換により行うことができる。
【0059】 グルコアミラーゼ変異体、プロモーター、ターミネーター及び他の因子を各々
コードする本発明のDNA構成物を連結するため、及びそれらを複製のために必
要な情報を含む好適なベクターに挿入するために用いる手順は当業者に公知であ
る(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, 2nd Ed.,
Cold Spring Harbor, 1989)。
【0060】 宿主細胞 先に定義した本発明のDNA構成物又は発現ベクターのいずれかを含む本発明
の細胞は、有利には、本発明のグルコアミラーゼ変異体の組換え生産において宿
主細胞として用いられる。その細胞は、便利には(1又は複数のコピーにおける
)DNA構成物を宿主染色体に組み込むことにより、その変異体をコードする本
発明のDNA構成物で形質転換することができる。この組込みは、一般に、その
DNA配列が細胞内に安定に維持される傾向が強いので、有利であると考えられ
る。DNA構成物の宿主染色体への組込みは、例えば相同的又は非相同的組換え
により、慣用的な方法に従って行うことができる。あるいは、細胞は、異なる型
の宿主細胞と関連して、上述のように発現ベクターで形質転換することができる
【0061】 本発明の細胞は、高等生物、例えば哺乳動物又は昆虫の細胞であってよいが、
好ましくは微生物細胞、例えば細菌又は(イーストを含む)真菌細胞である。 好適な細菌の例は、グラム陽性細菌、例えばBacillus subtil
is,Bacillus licheniformis,Bacillus l
entus,Bacillus brevis,Bacillus stear
othermophilus,Bacillus alkalophilus,
Bacillus amyloliquefaciens,Bacillus
coagulans,Bacillus circulans,Bacillu
s lautus,Bacillus megaterium,Bacillu
s thuringiensis、もしくはStreptomyces liv
idansもしくはStreptomyces murinus、又はグラム陰
性細菌、例えばE.coliである。細菌の形質転換は、例えば、プロトプラス
ト形質転換により、又はそれ自体、知られた様式でコンピテント細胞を用いるこ
とにより行うことができる。
【0062】 イースト生物は、好ましくは、Saccharomyces又はSchizo
saccharomycesの種、例えばSaccharomyces cer
evisiaeから選択することができる。 宿主細胞は、糸状菌、例えばAspergillusの種に属する株、最も好
ましくは、Aspergillus oryzaeもしくはAspergill
us niger、又はFusariumの株、例えば、Fusarium o
xysporium,Fusarium graminearum(その完全状
態でGribberella zeae、以前には、Sphaeria zea
e,Gibberella roseum及びGibberella rose
um f.sp.cerealisと同義)、もしくはFusarium su
lphureum(その完全状態でGibberella puricaris
,Fusarium trichothecioides,Fusarium
bactridioides,Fusarium sambucium,Fus
arium roseum、及びFusarium roseum var.g
raminearumと同義)、Fusarium cerealis(Fus
arium crokkwellnseと同義)、もしくはFusarium
venenatumの株であってもよい。
【0063】 本発明の好ましい実施形態において、宿主細胞はプロテアーゼマイナス株のプ
ロテアーゼ欠損体である。 これは、例えば、“alp”と呼ぶアルカリプロテアーゼ遺伝子が削除されて
いるプロテアーゼ欠損株アスペルギルス・オリザエJaL 125であり得る。
この株は、WO 97/35956(Novo Nordisk)に記載される。
【0064】 糸状菌細胞は、プロトプラスト形成及びそのプロトプラストの形質転換、次の
それ自体、知られた様式での細胞壁の再生に関する方法によって形質転換するこ
とができる。宿主微生物としてのアスペルギルスの使用はEP 238 023
(Novo Nordisk A/S)に記載され、その内容は、引用により本明細書に組み込ま
れる。
【0065】 本発明のグルコアミラーゼ変異体を生産する方法 なお更なる態様において、本発明は、本発明のグルコアミラーゼ変異体を生産
する方法であって宿主細胞を変異体の生産に資する条件下で培養しそしてその細
胞及び/又は培養培地から変異体を回収することを含む方法に関する。 細胞を培養するのに用いる媒体は、問題の宿主細胞を増殖させ及び本発明のグ
ルコアミラーゼ変異体の発現を得るために適したいずれの慣用的な培地であって
もよい。好適な培地は、商業的供給元から利用でき、又は(例えばAmeric
an Type Culture Collectionのカタログに記載され
るような)公開された方法に従って調製することができる。
【0066】 宿主細胞から分泌されるグルコアミラーゼ変異体は、便利には、遠心又はろ過
により培地から細胞を分離し、そして硫酸アンモニウムのような塩によりその培
地からタンパク質成分を分離させ、次にイオン交換クロマトグラフィー、アフィ
ニティークロマトグラフィー等のようなクロマトグラフィー法を用いることを含
む公知の方法により培養培地から回収することができる。
【0067】 デンプン変換 本発明は、デンプンからグルコース等を生産するための本発明のグルコース変
異体を用いる方法を供する。一般に、その方法は、α−アミラーゼの存在下で前
駆体デンプンを部分的に加水分解し、そしてα−(1→4)及びα−(1→6)
グルコシド結合を開裂することによりグルコアミラーゼの存在下でデンプン又は
関連するオリゴ−及びポリサッカライド分子の非還元端からD−グルコースの遊
離を更に加水分解するステップを含む。
【0068】 α−アミラーゼを利用する前駆体デンプンの部分的加水分解は、内部α−(1
→4)結合を加水分解することによりデンプン分子の最初の分解を供する。商用
的適用において、α−アミラーゼを用いる最初の加水分解は、約105℃の温度
で行われる。極めて高いデンプン濃度、通常、30%〜40%の固体が処理され
る。最初の加水分解は、通常、この上昇温度で5分、行われる。部分的に加水分
解したデンプンは、次に、第2のタンクに移し、約1時間、85°〜90℃の温
度でインキュベートし、10〜15のデキストロース等量(D.E.)を得るこ
とができる。
【0069】 グルコアミラーゼの存在下でデンプン又は関連するオリゴ−又はポリサッカラ
イド分子の非還元端からのD−グルコースの遊離を更に加水分解するステップは
、通常、30°〜60℃で低い温度で別個のタンクで行われる。好ましくは、基
質液の温度は55°〜60℃に落とされる。その溶液のpHは6〜6.5から3〜
5.5の範囲に落とされる。好ましくは、その溶液のpHは4〜4.5である。グ
ルコアミラーゼは溶液に添加され、その反応は24〜72時間、好ましくは36
〜48時間、行われる。
【0070】 本発明の熱安定性グルコアミラーゼ変異体を用いることにより、糖化過程は、
伝統的なバッチ糖化過程より高い温度で行うことができる。本発明によれば、糖
化は60〜80℃超、好ましくは63〜75℃の範囲の温度で行うことができる
。これは、伝統的なバッチ過程(上述)のため及び連続的糖化過程のための両方
に適用される。
【0071】 実際に、1又は複数の膜分離ステップ、即ちろ過ステップを含む連続的糖化は
、膜上の適度に高い流れを維持し、又は微生物のコンタミネーションを最小にす
ることができるように60℃超の温度で行わなければならない。それゆえ、本発
明の熱安定性変異体は、適正な値段で及び/又は工業的糖化過程のための少い酵
素タンパク質投与量及び/又は許容できる時間内での大規膜連続糖化過程を行う
可能性を供する。本発明によれば、糖化時間は更に短くすることができる。
【0072】 本発明のグルコアミラーゼ変異体(例えばAMG変異体)の活性は、一般に、
30〜60℃の伝統的に用いられる温度より実質的に高い60℃〜80℃の温度
である。それゆえ、グルコアミラーゼが機能する温度を上げることにより、その
糖化過程は、より短い時間で行うことができる。 更に、熱安定性を改善することにより、T1/2 (“材料及び方法”セクション
に定義される半分時間(half−time))が改善される。本発明のグルコ
アミラーゼ変異体の熱安定性は改善されるので、糖化過程の間に不活性化される
グルコアミラーゼを置換するために少量のグルコアミラーゼを加える必要がある
。本発明によれば、より多くのグルコアミラーゼが糖化過程の間、活性に維持さ
れる。更に、微生物コンタミネーションの危険性は、63℃超の温度で糖化過程
を行う場合にも削減される。
【0073】 本発明のグルコアミラーゼ変異体を用いることができる糖化の例には、JP
3−224493;JP 1−191693;JP 62−272987;及び
EP 452,238に記載される方法がある。 本発明のグルコアミラーゼ変異体は、少くとも4つのグルコシル残基を伴う分
子内のα−(1→6)グルコシド結合のみを加水分解する酵素と組み合わせて本
発明の方法に用いることができる。有利には、本発明のグルコアミラーゼは、プ
ルラナーゼ又はイソアミラーゼと組み合わせて用いることができる。枝切りのた
めのイソアミラーゼ及びプルラナーゼの使用、その酵素の分子特性、並びにグル
コアミラーゼを伴うその酵素の潜在的使用は、G.M.A. van Beynum ら、Starch C
onversion Technology, Marcel Dekker, New York, 1985, 101〜142 に記載され
る。
【0074】 更なる態様において、本発明は、デンプン変換過程における本発明のグルコア
ミラーゼ変異体の使用に関する。 更に、本発明のグルコアミラーゼ変異体は、連続的糖化ステップを含む連続的
デンプン変換過程に用いることができる。 本発明のグルコアミラーゼ変異体は、固定化された形態でも用いることができ
る。これは、特殊シロップ、例えばマルトースシロップを生産するため、及び更
に、フルクトースシロップの生産と合わさったオリゴサッカライドのラフィネー
ト流のために好適にしばしば用いられる。
【0075】 本発明のグルコアミラーゼは、燃料又は飲料のためのエタノールを生産するた
めの方法に用いることもでき、又は有機化合物、例えばクエン酸、アスコルビン
酸、リシン、グルタミン酸を生産するための発酵法に用いることができる。 最後に、本発明は、N末端に伸長部を形成することにより親グルコアミラーゼ
の熱安定性を改良するための方法にも関する。重要な実施形態において、その伸
長部はペプチド伸長部を含む。
【0076】 材料及び方法 材料: 酵素:AMG G1:Novo Nordiskから利用できるBoelら(1984), EMBO J. 3
(5), 1097〜1102に開示されるアスペルギルス・ニゲルグルコアミラーゼ。AM
G G2:Novo Nordiskから利用できる配列番号:1に示すトランケートされた
アスペルギルス・ニゲルグルコアミラーゼG1 宿主細胞: A.オリザエJaL 125:マーカーとしてA.オリザエpyrG遺伝子を
用いる、(G.May,“Applied Molecular Genetics of Filamentous Fungi”(1992
), p.1〜25. Eds.J.R.Kinghorn and G.Turner; Blackie Academic and Professi
onalに記載される)1ステップ遺伝子置換法により削除された(Murakami Kら(
1991), Agric.Biol.Chem. 55, p.2807〜2811に記載される)“alp”と呼ぶア
ルカリプロテアーゼ遺伝子を有する、Institute for Fermention, Osaka; 17-25
Juso Hammachi 2-Chome Yodogawa-ku, Osaka, Japanから利用できるアスペルギ
ルス・オリザエIFO 4177。株JaL 125は、WO 97/3595
6(Novo Nordisk)に更に開示される。
【0077】 微生物: 株:サッカロマイセス・セレビシアエYNG318:MATαLeu2−Δ2 ura3−52 his4−539 pep4−Δ1[cir+] プラスミド: pLaC103:トランケートされたアスペルギルス・ニゲルグルコアミラー
ゼをコードするプラスミド。G2.pJSO026:(S.セレビシアエ発現プ
ラスミド)(J.S.Okkels, (1996)“A URA3-promoter deletion in a pYES vecto
r increases the expression level of a fungal lipase in Saccharomyces cer
evisiae. Recombinant DNA Biotechnology III”, The Integration of Biologi
cal and Engineering Sciences, vol.782, the Annals of the New York Academ
y of Sciences)。より詳しくは、発現プラスミドpJSO26は、pYES2
.0の誘導性GAL1−プロモーターを、構成的に発現されたTPI(トリオー
スホスフェートイソメラーゼ)−サッカロマイセス・セレビシアエからのプロモ
ーター(Albert and Karwasaki, (1982), J.Mol.Appl.Genet., 1, 419 〜434 )
で置換し、そしてURA3プロモーターの部分を削除することによりpYES2
.0から得られる。
【0078】 方法: サッカロマイセス・セレビシアエYNG318の形質転換 DNAフラグメント及び開いたベクターを混合し、標準的方法によりイースト
サッカロマイセス・セレビシアエYNG318に形質転換した。 AGU活性の測定 1 Novoアミログルコシダーゼ単位(AGU)を、以下の標準条件下で分
当りに1マイクロモルのマルトースを加水分解する酵素の量として定義した: 基質…マルトース 温度…25℃ pH……4.3(酢酸緩衝液) 反応時間…30分 分析法(AF22)の詳細な記載は要求に応じて利用できる。
【0079】 アスペルギルス・オリザエの形質転換(一般的手順) 100mLのYPD(Sherman ら、 (1981), Methods in Yeast Genetics, Cold
Spring Harbor Laboratory )にA.オリザエの胞子を接種し、そして24時間
、振とうしながらインキュベートした。その菌糸体をミラクロスを介してのろ過
により収集し、200mLの0.6MのMgSO4 で洗浄した。その菌糸体を15
mLの1.2M MgSO4 、10mM NaH2 PO4 、pH5.8中に懸濁した。
その懸濁液を氷上で冷却し、120mgのNovozymTM 234を含む1mLの
緩衝液を加えた。5分後、1mLの12mg/mL BSA(Sigma type
H25)を加え、顕微鏡下で見たサンプル中に多数のプロトプラストが見えるま
で、静かに撹拌しながらのインキュベーションを37℃で1.5〜2.5時間、
続けた。
【0080】 その懸濁液をミラクロスを介してろ過し、そのろ液を滅菌チューブに移し5mL
の0.6Mソルビトール、100mM Tris−HCl、pH7.0を重層した。
遠心を15分、1000gで行い、MgSO4 クッションの頂上部からプロトプ
ラストを収集した。2容量のSTC(1.2Mソルビトール、10mM Tris
−HCl、pH7.5、10mM CaCl2 )をそのプロトプラスト懸濁液に加え
、その混合物を5分、1000gで遠心した。そのプロトプラストペレットを3
mLのSTCに再度懸濁し、再びペレット化した。これをくり返した。最後に、プ
ロトプラストを0.2〜1mLのSTCに再度懸濁した。
【0081】 100μLのプロトプラスト懸濁液を5〜25μgのp3SR2(Hynes ら、
Mol. and Cel.Biol., Vol.3, No.8, 1430 〜1439, Aug. 1983 に記載のA.ニジ
ュランスamdS遺伝子を有するプラスミド)と、10μLのSTC中で混合し
た。その混合物を25分、室温に放置した。0.2mLの60% PEG 400
0(BDH 29576)、10mM CaCl2 及び10mM Tris−HCl
、pH7.5を加え、注意深く混合し(2回)、そして最後に0.85mLの同溶液
を加え、注意深く混合した。その混合物を室温に25分、放置し、2,500g
で、15分、回転させ、そしてそのペレットを2mLの1.2Mソルビトールに再
度懸濁した。更に1回の沈降の後、そのプロトプラストを、1.0Mスクロース
、pH7.0、窒素源として10mMアセトアミド及びバックグラウンド増殖を阻害
するための20mM CsClを含む最小プレート(Cove, (1966), Biochem.Biop
hys.Acta 113, 51〜56)に広げた。37℃で4〜7日のインキュベーションの後
、胞子を取り、滅菌水に懸濁し、そして単一コロニーについて広げた。この手順
をくり返し、2回目の再単離の後の単一コロニーの胞子を所定の形質転換体とし
て保存した。
【0082】 フェド・バッチ発酵 フェド・バッチ発酵を、炭素源としてマルトデキストリン、窒素源として尿素
、及びイーストエキスを含む媒体中で行う。フェド・バッチ発酵は、問題のA.
オリザエ宿主細胞の振とうフラスコ培養物を、3.5%の炭素源及び0.5%の
窒素源を含む媒体に接種することにより行う。pH5.0で34℃での24時間の
培養の後、更なる炭素及び窒素源の連続的供給を開始する。炭素源は制限因子と
して維持し酸素が過剰に存在することを確実にする。フェド・バッチ培養を4日
間、続け、その後、遠心、限外ろ過、クリアーフィルトレーション及びジャーム
フィルトレーションにより回収することができる。更なる精製は、当業界で知ら
れたアニオン交換クロマトグラフィー法により行うことができる。
【0083】 精製 その培養ブロスをろ過し、アンモニウムスルフェート(AMS)を1.7M
AMSの濃度まで加え、pHをpH5に調節する。沈殿した材料を遠心により除去し
、グルコアミラーゼ活性を含む溶液を、1.7M AMS、20mM酢酸ナトリウ
ム、pH5で先に平衡化したToyo Pearl Butylカラムに適用した
。未結合の材料を平衡化緩衝液で洗い落とした。結合したタンパク質を、10カ
ラム容量にわたり1.7〜0M AMSの直線勾配を用いて10mM酢酸ナトリウ
ム、pH4.5で溶出した。グルコアミラーゼ含有画分を収集し、20mM酢酸ナト
リウム、pH4.5に対して透析した。
【0084】 本発明の変異体の熱安定性測定 本発明の変異体の熱安定性を次の方法を用いてテストする:950マイクロリ
ッターの50mM酢酸ナトリウム緩衝液(pH4.3)(NaOAc)を5分間、7
0℃でインキュベートする。50マイクロリッターの緩衝液中の酵素(4AGU /
mL)を加える。2×40マイクロリッターのサンプルを0,5,20及び/又は
40分の各々で採取し、氷上で冷却する。インキュベーション前に測定した活性
(AGU /mL)(0分)を標準(100%)として用いる。その割合(%)の減少
を、インキュベーション時間の関数として計算する。
【0085】 グルコアミラーゼのT1/2 (半減期)1/2 を、問題のグルコアミラーゼ(0.18〜0.36AG/g DS)を、問題
の温度(例えば70℃)でpH4.5で30%の10DEマルトデキストリン中で
インキュベートすることにより測定する。サンプルを、設定時間の間隔で回収し
、24時間、50℃で更にインキュベートして全ての基質が加水分解されるのを
確実にした。なぜならマルトデキストリンは活性アッセイに影響を与え得るから
である。24時間の50℃でのインキュベーションは、酵素活性を有意に減少さ
せないであろう。インキュベーションの後、サンプルを冷却し、残存酵素活性を
(後述の)pNPG法により測定した。
【0086】 残存グルコアミラーゼ活性(%)を異なる時間で測定した。T1/2 は、相対活
性が50%に減少するまでの時間であった。 残存酵素活性(pNPG法) pNPG試薬: 0.2gのpNPG(p−ニトロフェニルグルコピラノシド)を0.1M酢酸
緩衝液に溶かし、100mLにした。
【0087】 ホウ酸溶液: 3.8gのNa247 ・10H2 OをMilli−Q水に溶かし、100
mLにした。 AMG標準: 0.04AGU /mLと等価の既知の量の酵素を含む水溶液。
【0088】 サンプルは、分析前に希釈することができた(水で1:1〜1:2)。以下の
溶液を調製した: HS:0.5mLのサンプル+1mL AMG標準+3mL pNPG試薬 H:0.5mLサンプル+1mL水+3mL pNPG試薬 B:0.5mLサンプル+1mL AMG標準+3mLホウ酸溶液 HS及びHを50℃の水浴に入れる。2時間後3mLのホウ酸溶液を各々のバイ
アルに加えた。Bを室温におき、2時間後に3mLのpNPG試薬を加えた。全て
の3つの溶液の光学密度を400nmで測定し、その活性を計算した: 活性=2*AGUst*(H−B)/(HS−H) 式中、HS,H、及びBは分析した溶液のODであり、AGUstは用いたAM
G標準の活性である。
【0089】 pAMGYの濃度 pAMGYベクターを以下の通り作製した:pJSO026中のリパーゼ遺伝
子をAMG遺伝子で置きかえ、それをAMG遺伝子を含むテンプレートプラスミ
ドpLAC103を用いて正プライマー;FG2:5′-CAT CCC CAG GAT CCT TA
C TCA GCA ATG-3 ′及び逆プライマー:RG2:5′-CTC AAA CGA CTC ACC AGC
CTC TAG AGT-3 ′で増幅した。pJSO026プラスミドを37℃で2時間、X
baI及びSmaIで消化し、そのPCRアンプリコンをクレノウフラグメント
を用いて平滑断端にし、次にXbaIで消化した。そのベクターフラグメント及
びPCRアンプリコンを連続し、エレクトロトランスホーメーションにより大腸
菌に形質転換した。得られたベクターをpAMGYで示す。
【0090】 発現プラスミドpJSO37はWO 97/04079及びWO 97/07
205に記載される。それは、pYES2.0の誘導性GAL1−プロモーター
を、サッカロマイセス・セレビシアエから構成的に発現されるTPI(トリオー
スホスフェートイソメラーゼ)−プロモーター(Albert and Karwasaki, (1982)
, J.Mol.Appl Genet., 1, 419 〜434 )で置換し、そしてURA3プロモーター
の部分を削除することにより、pYES2.0から得られる。
【0091】 pLaC103の作製 A.ニゲルAMGII cDNAクローン(Boelら(1984)、前掲)をAMGの
GII型のS.セレビシアエ発現を目的としたpLaC103の作製のためのソー
スとして用いる。 作製は、以下に概説するいくつかのステップで行う。
【0092】 pT7−212(EP 37856/米国特許第5162498号)をXba
Iで開裂し、クレノウDNAポリメラーゼ及びdNTPで平滑断端にする。Ec
oRIでの開裂の後、得られたベクターフラグメントをアガロースゲル電気泳動
から精製し、pBoe153の2.05kb EcoRI−EcoRVフラグメン
トに連結し、それにより得られたプラスミドpG2x内のAMGコーディングフ
ラグメントのEcoRV端にXbaI部位を再形成する。
【0093】 AMG cdsの上流のDNAを除去し、そのAMGコーディングDNAに好
適な制限エンドヌクレアーゼ認識部位を与えるため、以下の構成物を作った:p
53の930bp EcoRI−PstIフラグメントを単離し、AluI開裂に
かけ、得られた771bp Alu−PstIフラグメントを平滑断端化EcoR
I部位(上述)と共にpBR322に連結し、そしてPstIで開裂した。得ら
れたプラスミドpBR−AMG′において、EcoRI部位を、AMG cds
の開始コドンからちょうど34bpに再形成した。
【0094】 pBR−AMG′から、775bp EcoRI−PstIフラグメントを単離
し、pT7−212のXbaI−EcoRIベクターフラグメントを含む連結反
応においてpGZxからの1151bp PstI−XbaIフラグメントに連結
した。 得られたプラスミドpT7GIIを、アルカリホスファターゼの存在下でBam
HI開裂にかけ、次にそのホスファターゼの不活性化の後、部分的SphI開裂
にかけた。この反応から、AMGII cdsに連結したS.C.TPIプロモー
ターを含む2489bp SphI−BamHIフラグメントを得た。
【0095】 このフラグメントを、pT7GIIの1052bp BamHIフラグメントと一
緒に、SphI−BamHI消化から得られるpMT743(EP 37856
/US 5162498)のアルカリホスファターゼ処理したベクターフラグメ
ントに連結した。 熱安定性グルコアミラーゼ変異体についてのスクリーニング そのライブラリーを、後述の熱安定性フィルターアッセイでスクリーニングす
る。
【0096】 熱安定性についてのフィルターアッセイ イーストライブラリーを少くとも72時間、30℃で100μg/mLアンピシ
リンを含むSC ura寒天プレート上のセルロースアセテートフィルター(OE
67, Schleicher & Schuell, Dassel, Germany)上にプレートする。そのコロニ
ーをニトロセルロースフィルター(Protran-Ba 85, Schleicher & Schuell, Das
sel, Germany)にレプリカプレートし、室温で1時間、インキュベートする。コ
ロニーを水道水でProtranフィルターから洗う。各々のフィルターは、ス
クリーニングの後にフィルター上の陽性変異体を局在化することができるように
、インキュベーション前に針で特異的にマークする。結合した変異体を有するP
rotranフィルターを0.1M NaAc、pH4.5を含む容器に移し、
15分、55〜75℃でインキュベートする。SC ura−寒天プレート上の
セルロースアセテートフィルターを使用まで室温で保存する。インキュベーショ
ンの後、その残存活性を、5%マルトース、1%アガロース、50mM NaAc
、pH4.5を含むプレート上で検出する。Protranフィルターを伴うアッ
セイプレートを、セルロースアセテートフィルターと同様にマークし、50℃で
2時間、インキュベートする。Protranフィルターを除去した後、そのア
ッセイプレートをGlucose GOD perid (Boehringer Mannheim GmbH, Germany)で
染色する。残存活性を有する変異体を白色バックグラウンド上の暗緑スポットと
してアッセイプレート上で検出する。改変された変異体は貯蔵プレート上に局在
化する。改変された変異体は、第1のスクリーンと同じ条件下で再スクリーニン
グする。
【0097】 DOPEプログラムの使用によるランダム変異誘発のための一般的な方法 ランダム変異誘発は、以下のステップを用いて行うことができる: 1.親酵素における改変について問題の領域を選択し、 2.その選択された領域内の変異部位及び非変異部位を決定し、 3.例えば、作製すべき変異体の要求される安定性及び/又は能力に関して、行
うべき変異の種類を決定し、 4.構造的に合理的な突然変異を選択し、 5.ステップ4に関してステップ3により選択した残基を調節し、 6.好適なドープアルゴリズムを利用してヌクレオチド分布を分析し、 7.必要に応じて、例えば終止コドンの導入を避けるため、例えば遺伝コードか
ら生ずる束縛を考慮し、要求される残基を遺伝子コード実現性に調節し;ここで
当業者は、いくつかのコドンの組合せは実際には用いることができず、適合させ
る必要があろうことに気づくであろう。 8.プライマーを作製し、 9.そのプライマーの使用によりランダム変異誘発を行い、 10.要求される改変された特性についてスクリーニングすることにより生じた
グルコアミラーゼ変異体を選択する。
【0098】 ドープアルゴリズム ステップ6に用いるための好適なドープアルゴリズムは当業界で公知である。
1つのこのようなアルゴリズムはTomandl, Dら、1997, Journal of Computer-Ai
ded Molecular Design 11: 29 〜38に記載される。別のアルゴリズムはDOPE
(Jensen, LJ, Andersen, KV, Svendsen, A, and Kretzschmar, T (1998) Nucle
ic Acids Research 26: 697 〜702 )である。
【0099】 実施例 実施例1 N末端伸長部を有するグルコアミラーゼの作製 ランダム変異誘発 (KexII部位の後で成熟タンパク質の前に1〜7の余分なアミノ酸を挿入し
ている可能性がある)オリゴヌクレオチドAM11−18及びプライマーAM1
8を、5′(4244:5′-TCA AGA ATA GTT CAA ACA AGA AGA-3 ′)及び3′
端(KB14:5′-CTT TTC GGT TAG AGC GGA TG-3′)の両方におけるコーディ
ング領域の外側約75bpの配列に対応する2つのプライマーと一緒に用いて、オ
ーバーラップエクステンション法(Hortonら、Gene, 77 (1989), pp.61〜68)に
よりPCRライブラリーフラグメントを作る。
【0100】 以下のPCR反応を行った: PCR反応1:5′プライマーとして4244及び3′プライマーとしてAM1
8。 PCR反応2:5′プライマーとしてAM11及び3′プライマーとしてKB1
4(7の余分なaa)。 PCR反応3:5′プライマーとしてAM12及び3′プライマーとしてKB1
4(6の余分なaa)。 PCR反応4:5′プライマーとしてAM13及び3′プライマーとしてKB1
4(5の余分なaa)。 PCR反応5:5′プライマーとしてAM14及び3′プライマーとしてKB1
4(4の余分なaa)。 PCR反応6:5′プライマーとしてAM15及び3′プライマーとしてKB1
4(3の余分なaa)。 PCR反応7:5′プライマーとしてAM16及び3′プライマーとしてKB1
4(2の余分なaa)。 PCR反応8:5′プライマーとしてAM17及び3′プライマーとしてKB1
4(1の余分なaa)。
【0101】 第1の反応におけるテンプレート:pAMGY。反応2〜8におけるテンプレ
ート:pAMGY又は同ベクター内にクローン化した改変した変異体。PCR反
応9〜15:PCR反応2〜8からのいずれかのDNAと一緒にPCR反応1か
らのDNAを、5′プライマーとして4244及び3′プライマーとしてKB1
4を用いるPCR反応に用いた。これらの最終的なPCRフラグメントは、(コ
ーディング領域を除去し、同時に、各々の端に約75bpのオーバーラップを作り
出して、組換えを可能にするため)制限酵素SmaI(又はBamHI)及びX
baIで切断したpJSO026と一緒に、イーストにおけるイン・ビボ組換え
に用いた。
【0102】 AM11:5′-GCA AAT GTG ATT TCC AAG CGC NNS NNS NNS NNS NNS NNS NNS
GCG ACC TTG GAT TCA TGG TTG AGC-3′(配列番号:2) AM12:5′-GCA AAT GTG ATT TCC AAG CGC NNS NNS NNS NNS NNS NNS GCG
ACC TTG GAT TCA TGG TTG AGC-3′(配列番号:3) AM13:5′-GCA AAT GTG ATT TCC AAG CGC NNS NNS NNS NNS NNS GCG ACC
TTG GAT TCA TGG TTG AGC-3′(配列番号:4) AM14:5′-GCA AAT GTG ATT TCC AAG CGC NNS NNS NNS NNS GCG ACC TTG
GAT TCA TGG TTG AGC-3′(配列番号:5) AM15:5′-GCA AAT GTG ATT TCC AAG CGC NNS NNS NNS GCG ACC TTG GAT
TCA TGG TTG AGC-3′(配列番号:6) AM16:5′-GCA AAT GTG ATT TCC AAG CGC NNS NNS GCG ACC TTG GAT TCA
TGG TTG AGC-3′(配列番号:7) AM17:5′-GCA AAT GTG ATT TCC AAG CGC NNS GCG ACC TTG GAT TCA TGG
TTG AGC-3′(配列番号:8) AM18:5′-GCG CTT GGA AAT CAC ATT TGC-3′(配列番号:9) 4244:5′-TCA AGA ATA GTT CAA ACA AGA AGA-3′(配列番号:10) KB14:5′-CTT TTC GGT TAG AGC GGA TG-3′(配列番号:11) 実施例2 KexII認識部位を変化させることによるN末端伸長部の導入 N末端伸長部は、成熟タンパク質の前のKexII認識部位を除去又は変化させ
ることにより導入することができる。次に、6アミノ酸の伸長部を6アミノ酸か
らなるプロ配列として導入することができる。イーストにおいて、KRはKex
IIのための至適認識部位である。RRへの変化は、開裂した分子の割合(%)を
減少させるであろう(Bevan, A, Brenner, C及びFuller, R.S, 1998, PNAS 95 (
18): 10384〜10389 )。あるいは、KRの前へのPの導入は、開裂した分子の割
合(%)を減少させるであろう。
【0103】 プロ配列をNVISKRからNVISRR又はNVIPKRに変化させ、約5
0%の伸長部NVISRR又はNVIPKRを伴うAMG分子及び50%の通常
のプロセッシングされた成熟AMG分子を供した。 実施例3 システイン架橋を含むグルコアミラーゼ(AMG2)変異体の作製 本発明のグルコアミラーゼ変異体は、次の変異を含む:A479C,T480
C,P481C,A471C,S431C,S8C,E299C又はD375C
並びにペプチド伸長部ACPPSTS及びASPPSTS。親グルコアミラーゼ
(AMG2)は以下の変異を含む:A479C,T480C,P481C,A4
71C,S431C,S8C,E299C又はD375Cを含む。
【0104】 システイン架橋は以下の通り作製した。 部位特異的変異誘発 AMG G2酵素の変異体(配列番号:11)の作製のため、商用キット、C
hameleon二本鎖部位特異的変異誘発キットを製造元の説明に従って用い
た。
【0105】 問題のAMG G2酵素をコードする遺伝子は、プラスミドpIVI9を、B
amHI/XhoI(コプリヌスペルオキシダーゼ遺伝子を切り出す)で切断し
、そして、テンプレートとして(G2 cDNAを含む)pLaC103並びに
プライマー139123(CGCACGAGATCTGCAATGTCGTTCCGATCTCTA )(配列番号:
12)及び139124(CAGCCGGTCGACTCACAGTGACATACCAGAGCG )(配列番号:
13)を用いて作ったPCRフラグメント(BglII/SalIで切断)を含む
AMG G2にクローニングすることにより調製したpENI1542上に位置
する。これは、変異体であることをDNA配列決定により確認した。製造元の説
明に従って、pNEI1542のアンピシリン遺伝子のScaI部位を以下のプ
ライマーを用いることによりMluI部位に変化させた:7258:5′p gaa t
ga ctt ggt tga cgc gtc acc agt cac 3′(配列番号:14)(これにより、ア
ンピシリン耐性遺伝子に見い出され、MluI部位に切断するために用いるSc
aI部位を変化させる)。次に問題のAMG遺伝子を含むpENI1542ベク
ターをDNAポリメラーゼ並びにオリゴ7285(配列番号:14)及び214
01(配列番号:15)のためのテンプレートとして用いた。プライマーno. 2
1401(配列番号:15)を選択プライマーとして用いた。21401: 5′
p gg gga tca tga tag gac tag cca tat taa tga agg gca tat acc acg cct tgg
acc tgc gtt ata gcc 3′(配列番号:15) システイン残基の導入は、以下の通り要求される変異を含む好適なオリゴの付
加により問題のAMG遺伝子に導入される。
【0106】 変異誘発オリゴ: ACPPSTS 137767(配列番号:16) (5′P-GTGATTTCCAGCGGTGCCCGCCGTCCACGTCCGCGACCTTGGATTCATGG 3′) ASPPSTS 137766(配列番号:17) (5′P-GTGATTTCCAGCGGTCCCCGCCGTCCACGTCCGCGACCTTGGATTCATGG 3′) D375C 137765(配列番号:18) (5′P-GTAGCATTGTATGTGCCGTGAAGAC 3′) S431C 146826(配列番号:19) (5′P-ACCGTCGTAACTGCGTCGTGCCTGC 3′) E299C 146828(配列番号:20) (5′P-GTCTCAGTGACAGCTGCGCTGTTGCGGTG 3′) A479C 146829(配列番号:21) (5′P-CCACTACGACGTGCACCCCCACTGG 3′) T480C 146830(配列番号:22) (5′P-CTACGACGGCTTGCCCCACTGGATCC 3′) P481C 146831(配列番号:23) (5′P-CGACGGCTACCTGCACTGGATCCGGC 3′) S8C 146827(配列番号:24) (5′P-TGGATTCATGGTTGTGTAACGAAGCGACC 3′) 作った変異体 ACPPSTS,D375C ACPPSTS,S431C ACPPSTS,E299C ACPPSTS,A479C ACPPSTS,T480C ACPPSTS,P481C ASPPSTS S8C+A479C S8C+T480C S8C+P481C 変異体は、全体の遺伝子を配列決定することにより確認する。そのプラスミド
を、“材料及び方法”セクションに上述される方法を用いてA.オリザエに形質
転換した。その変異体を“材料及び方法”セクションに上述されるように発酵さ
せ、精製した。
【0107】 スクリーニング ライブラリーは、上述の“材料及び方法”セクションに記載される熱安定性フ
ィルターアッセイにおいてスクリーニングすることができる。 実施例4 熱安定性が増加したグルコアミラーゼ変異体 熱安定性活性を、上述の方法セクションに記載されるように、pH4.5、70
℃で測定した。
【0108】
【表1】
【0109】 結果は、本発明により、グルコアミラーゼ酵素のN末端に伸長部を連結させる
ことにより熱安定性を増加させることができることを示す。 実施例5 熱安定性が増加したグルコアミラーゼ変異体 イーストにおいて発現された改変された変異体の熱安定性活性を、上述の方法
セクションに記載されるように、pH4.5、68℃で粗サンプル上で測定した。
【0110】
【表2】
【0111】 実施例6 熱安定性が増加したグルコアミラーゼ変異体 A.ニゲル内で発現された改変された変異体の熱安定性活性を、上述の方法セ
クションに記載されるようにpH4.5、70℃で粗サンプル上で測定した。
【0112】
【表3】
【0113】 変異体ACPPSTS+E299CのN末端分析は、この変異体のN末端に遊
離システイン又は酸化システインが存在しないことを示し、このことは、N末端
のシステインと位置299のシステインとの間に−SS−結合が形成されている
ことを示す。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/15 C12N 9/34 4H045 9/34 C12P 19/14 C12P 19/14 C13K 1/00 C13K 1/00 (C12N 1/15 //(C12N 1/15 C12R 1:69) C12R 1:69) (C12N 1/15 (C12N 1/15 C12R 1:685) C12R 1:685) (C12N 9/34 (C12N 9/34 C12R 1:69) C12R 1:69) (C12N 9/34 (C12N 9/34 C12R 1:685) C12R 1:685) C12N 15/00 ZNAA (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ボイセン,キルステン デンマーク国,デーコー−2880 バグスバ エルト,ノボ アレ,ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ (72)発明者 ビン,イェスペル デンマーク国,デーコー−2880 バグスバ エルト,ノボ アレ,ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ (72)発明者 ペデルセン,ヘンリク デンマーク国,デーコー−2880 バグスバ エルト,ノボ アレ,ノボ ノルディスク アクティーゼルスカブ Fターム(参考) 4B024 AA03 AA05 BA13 CA06 DA11 EA04 FA20 GA11 GA19 HA01 HA14 4B041 LD08 LE10 LH04 LK44 LP25 4B050 CC04 DD03 FF09 LL02 LL05 4B064 AF02 AF04 AF14 CA22 CB07 CD19 DA10 4B065 AA62X AA62Y AA63Y AB01 AC14 BA02 CA27 CA41 4H045 AA10 AA30 BA13 BA14 BA41 CA15 DA89 EA01 FA74 GA21

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N末端にペプチド伸長部を有する親グルコアミラーゼの変異
    体。
  2. 【請求項2】 前記ペプチド伸長部がN末端に結合している請求項1に記載
    の変異体。
  3. 【請求項3】 前記ペプチド伸長部がシステイン残基を含む請求項1又は2
    に記載の変異体。
  4. 【請求項4】 前記ペプチド伸長部が、一般式: X−C−(X)n (式中、Xは独立して、1つのアミノ酸を示す) を有する請求項1〜3のいずれかに記載の変異体。
  5. 【請求項5】 Xが非α−ヘリックスメーカーである請求項4に記載の変異
    体。
  6. 【請求項6】 前記ペプチド伸長部が、M,K,H,V,I,Y,C,F,
    T,G,N,P,S又はD残基からなる群から選択される非ヘリックスメーカー
    を含む請求項5に記載の変異体。
  7. 【請求項7】 前記ペプチド伸長部の長さが、1〜100アミノ酸残基、好
    ましくは1〜50アミノ酸残基、より好ましくは1〜20、更により好ましくは
    1〜10アミノ酸残基を含む請求項1〜5のいずれかに記載の変異体。
  8. 【請求項8】 前記ペプチド伸長部が、前記親グルコアミラーゼの成熟部分
    と共有結合を形成することができる請求項1〜7のいずれかに記載の変異体。
  9. 【請求項9】 システイン残基が一緒にシステイン架橋を形成するように、
    前記ペプチド伸長部に1又は複数のシステイン残基、及び前記親グルコアミラー
    ゼの成熟部分にシステイン残基を含む請求項1〜8のいずれかに記載の変異体。
  10. 【請求項10】 前記ペプチド伸長部が、前記グルコアミラーゼ酵素のトリ
    ペプチジルアミノペプチダーゼ開裂を防ぐことができる請求項1〜9のいずれか
    に記載の変異体。
  11. 【請求項11】 前記親相同グルコアミラーゼが、微生物からのグルコアミ
    ラーゼを含む請求項1〜10のいずれかに記載の変異体。
  12. 【請求項12】 前記微生物が、真性細菌、古細菌、真菌、藻類及び原生動
    物を含む請求項11に記載の変異体。
  13. 【請求項13】 前記親相同グルコアミラーゼが、糸状菌から得られる請求
    項12に記載の変異体。
  14. 【請求項14】 前記親相同グルコアミラーゼが、アスペルギルス・ニゲル
    Aspergillus niger)G1又はG2グルコアミラーゼである
    請求項1〜13のいずれかに記載の変異体。
  15. 【請求項15】 前記ペプチド伸長部が、以下のペプチド伸長: Asn-Val-Ile-Ser-Arg-Arg (NVISRR), Asn-Val-Ile-Pro-Lys-Arg (NVIPKR), Ala-Ser-Pro-Pro-Ser-Thr-Ser (ASPPSTS), Ala-Cys-Pro-Pro-Ser-Thr-Ser (ACPPSTS), Pro-Cys-Ser-Ala-Gly-Glu (PCSAGE), Pro-Leu-Ala-Leu-Ser-Asp (PLALSD), Leu-Gly-Val-Thr-Gly-Glu (LGVTGE), Ala-Gly-Pro-Leu-Pro-Ser-Glu (AGPLPSE), Leu-Gly-Pro-Asp (LGPD), Ile-Phe-Glu-Leu-Thr-Pro-Arg (IFELTPR), Ile-Ser-Asn (ISN) 、又は Met-Asn (MN) のうちの1つを含む請求項1〜14のいずれかに記載の変異体。
  16. 【請求項16】 前記親グルコアミラーゼの成熟部分内のシステイン残基が
    、該親グルコアミラーゼのアミノ酸残基に挿入されているか又は置換されている
    請求項3〜15のいずれかに記載の変異体。
  17. 【請求項17】 位置375に対応する位置のアスパラギン酸残基、位置2
    99に対応する位置のグルタミン酸残基、位置431に対応する位置のセリン残
    基、位置471に対応する位置のアラニン残基、位置479に対応する位置のア
    ラニン残基、位置480に対応する位置のトレオニン残基、位置481に対応す
    る位置のプロリン残基、又は位置8に対応する位置のセリン残基が、アスペルギ
    ルス・ニゲル(Aspergillus niger)G1グルコアミラーゼの
    アミノ酸配列内でシステイン残基で置換されている請求項1〜16のいずれかに
    記載の変異体。
  18. 【請求項18】 前記変異体が親グルコアミラーゼと比べて改良された熱安
    定性を有する請求項1〜17のいずれかに記載の変異体。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれか一に記載のグルコアミラーゼ変
    異体をコードするDNA配列。
  20. 【請求項20】 請求項1〜18のいずれか一に記載のグルコアミラーゼ変
    異体をコードするDNA配列を含むDNA構成物。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載のDNA構成物を有する組換え発現ベク
    ター。
  22. 【請求項22】 請求項11に記載のDNA構成物又は請求項21に記載の
    ベクターで形質転換された細胞。
  23. 【請求項23】 微生物、例えば細菌又は真菌である請求項22に記載の細
    胞。
  24. 【請求項24】 プロテアーゼ欠損アスペルギルス・オリザエ(Asper gillus oryzae )又はアスペルギルス・ニゲル(Aspergil lus niger )である請求項23に記載の細胞。
  25. 【請求項25】 デンプン又は部分的に加水分解したデンプンを、デキスト
    ロースを含むシロップに変換するための方法であって、デンプン加水分解物を、
    請求項1〜18のいずれかに記載のグルコアミラーゼ変異体の存在下で糖化する
    ステップを含む方法。
  26. 【請求項26】 前記グルコアミラーゼ変異体を、燃料又は飲料のためにエ
    タノールを生産するための方法に用いる請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記グルコアミラーゼ変異体を、飲料を生産するための方
    法に用いる請求項25に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記グルコアミラーゼ変異体を、有機化合物、例えばクエ
    ン酸、アスコルビン酸、リシン、グルタミン酸を生産するための発酵法に用いる
    請求項25に記載の方法。
  29. 【請求項29】 N末端に伸長部を作ることにより親グルコアミラーゼの熱
    安定性を改良するための方法。
  30. 【請求項30】 前記伸長部がペプチド伸長部を含む請求項29に記載の方
    法。
  31. 【請求項31】 前記ペプチド伸長部が、非ヘリックスメーカー、例えばM
    ,K,H,V,I,Y,C,F,T,G,N,P,S又はD残基を含む請求項3
    0に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記ペプチド伸長部の長さが、1〜100アミノ酸残基、
    好ましくは1〜50アミノ酸残基、より好ましくは1〜20、更により好ましく
    は1〜10アミノ酸残基を含む請求項29〜31のいずれかに記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記ペプチド伸長部が、前記親グルコアミラーゼの成熟部
    分と共有結合を形成することができる請求項29〜32のいずれかに記載の方法
  34. 【請求項34】 システイン残基が一緒にシステイン架橋を形成するように
    、前記ペプチド伸長部にシステイン残基、及び前記親グルコアミラーゼの成熟部
    分にシステイン残基を含む請求項29〜33のいずれかに記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記ペプチド伸長部が、以下のペプチド伸長: Asn-Val-Ile-Ser-Arg-Arg (NVISRR), Asn-Val-Ile-Pro-Lys-Arg (NVIPKR), Ala-Ser-Pro-Pro-Ser-Thr-Ser (ASPPSTS), Ala-Cys-Pro-Pro-Ser-Thr-Ser (ACPPSTS), Pro-Cys-Ser-Ala-Gly-Glu (PCSAGE), Pro-Leu-Ala-Leu-Ser-Asp (PLALSD), Leu-Gly-Val-Thr-Gly-Glu (LGVTGE), Ala-Gly-Pro-Leu-Pro-Ser-Glu (AGPLPSE), Leu-Gly-Pro-Asp (LGPD), Ile-Phe-Glu-Leu-Thr-Pro-Arg (IFELTPR), Ile-Ser-Asn (ISN) 、又は Met-Asn (MN) を含む請求項29〜34のいずれかに記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記親グルコアミラーゼの成熟部分内のシステイン残基が
    、該親グルコアミラーゼのアミノ酸残基に挿入されているか又は置換されている
    請求項29〜35のいずれかに記載の方法。
  37. 【請求項37】 位置375に対応する位置のアスパラギン酸残基、位置2
    99に対応する位置のグルタミン酸残基、位置431に対応する位置のセリン残
    基、位置471に対応する位置のアラニン残基、位置479に対応する位置のア
    ラニン残基、位置480に対応する位置のトレオニン残基、位置481に対応す
    る位置のプロリン残基、又は位置8に対応する位置のセリン残基が、アスペルギ
    ルス・ニゲル(Aspergillus niger)G1グルコアミラーゼの
    アミノ酸配列内でシステイン残基で置換されている請求項29〜35のいずれか
    に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記ペプチド伸長部が、前記グルコアミラーゼ酵素のトリ
    ペプチジルアミノペプチダーゼ開裂を防ぐことができる請求項29〜36のいず
    れかに記載の方法。
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