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JP2002530345A - 鉄−デキストラン化合物の製造法 - Google Patents

鉄−デキストラン化合物の製造法

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JP2002530345A
JP2002530345A JP2000583540A JP2000583540A JP2002530345A JP 2002530345 A JP2002530345 A JP 2002530345A JP 2000583540 A JP2000583540 A JP 2000583540A JP 2000583540 A JP2000583540 A JP 2000583540A JP 2002530345 A JP2002530345 A JP 2002530345A
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JP
Japan
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dextran
iron
molecular weight
hydrogenation
compound
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JP2000583540A
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English (en)
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ハンス、ベーグ、アンドレーゼン
ラース、クリステンセン
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Pharmacosmos Holding AS
Original Assignee
Pharmacosmos Holding AS
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Publication date
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    • C08B37/0006Homoglycans, i.e. polysaccharides having a main chain consisting of one single sugar, e.g. colominic acid
    • C08B37/0009Homoglycans, i.e. polysaccharides having a main chain consisting of one single sugar, e.g. colominic acid alpha-D-Glucans, e.g. polydextrose, alternan, glycogen; (alpha-1,4)(alpha-1,6)-D-Glucans; (alpha-1,3)(alpha-1,4)-D-Glucans, e.g. isolichenan or nigeran; (alpha-1,4)-D-Glucans; (alpha-1,3)-D-Glucans, e.g. pseudonigeran; Derivatives thereof
    • C08B37/0021Dextran, i.e. (alpha-1,4)-D-glucan; Derivatives thereof, e.g. Sephadex, i.e. crosslinked dextran
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Abstract

(57)【要約】 ヒトおよび動物における鉄欠乏症の非経口治療において使用する鉄−デキストラン化合物の製造法において、最初に水素化を行った後酸化を行うことによってデキストラン分子上の還元性末端基を鉄と反応する前に転換させて、所望の比較的低分子量の安定な化合物が得られる。水素化した基対酸素化した基の比率を変化させることによって、生成する鉄−デキストラン化合物の平均分子量を変化させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の背景】発明の背景および先行技術 鉄欠乏性貧血は、包括的視点で観察すると、ヒトで極めてよく見られる、場合
によっては最もよく見られる、病理学的症状の一つとして報告されている。また
、ブタおよび他の家畜の近代的農場飼育においても、適当な予防対策を講じなけ
れば問題となる。
【0002】 鉄欠乏性貧血は鉄含有製剤の経口投与によって防止したり、治癒することがで
きることが多いが、多くの場合には経口投与のバイオアベイラビリティの変動を
回避し、有効投与を確実にするため、非経口投与可能な鉄製剤を用いるのが好ま
しい。
【0003】 従って、非経口使用、すなわち皮下、筋肉内または静脈内投与用の鉄含有製剤
は、長年に亙り獣医またはヒト医師の裁量に任されてきた。
【0004】 様々な鉄含有物質が、サッカレート化(saccharated)酸化第二鉄のような鉄欠
乏性貧血の非経口注射可能な製剤の成分として用いられまたは提案されてきた。
しかしながら、今日認められている最もよく用いられる製剤は、例えば第二鉄サ
ッカレートより毒性が低いので、デキストランとのオキシ水酸化第二鉄(または
水酸化第二鉄)の結合生成物を含んでなるものである。デキストランは、微生物
Leuconostoc mesenteroidesによって産生されるポリマー性炭水化物である。
【0005】 非経口注射用の鉄含有製剤は、ヘモグロビン合成用の鉄の入手が容易であり、
局部的または一般的副作用がなく、周囲温度での保存安定があり十分な保存寿命
を有するなど幾つかの要件を明らかに満足させるものである。
【0006】 貧血の治療のための鉄−デキストラン製剤は、数十年にわたって市販されてお
り、製造法および出発材料の選択における多くの変法が、これらの製剤の安定性
を向上させかつその投与時に得られる副作用の量を減少させる目的で提案されて
いる。
【0007】 これらの問題を扱っている特許の例として、下記のものを挙げることができる
【0008】 米国特許第2,885,393号明細書(1959年)には、デキストランの
平均分子量が30,000〜80,000ダルトン(Da)以下である鉄−デキ
ストラン錯体の基本的製造法が記載されている。これらの錯体のヒトの治療に対
する適合性は、この特許明細書には記載されていない。
【0009】 USRe.24,642号明細書(1959年)には、筋肉内注射を目的とす
る鉄溶液に対する要件が詳細に説明されており、この特許明細書の内容は、その
開示の一部として本明細書に引用される。この特許明細書には、水酸化第二鉄と
、25℃での平均固有粘度が約0.025〜約0.25のデキストランとの実質
的に非イオン性錯体、並びに上記デキストランを、第二鉄塩とアルカリ基剤との
インシテュー(in situ)での反応によって形成した水酸化第二鉄と接触するこ
とによる上記錯体の製造法が記載されている。デキストランの所望な分子量につ
いての情報は示されておらず、部分解重合は別として、デキストランの化学修飾
は全く提案されていない。
【0010】 米国特許第3,093,545号明細書。この特許明細書には、上記の最後の
特許明細書で調製したものと明らかに極めて類似している生成物の改良製造法に
おける温度およびpH値のような幾つかの詳細な事項が開示されている。
【0011】 英国特許第1,200,902号明細書(1970年)には、水酸化第二鉄の
インシテュー調製とは対照的に、水酸化第二鉄はデキストランと容易に錯体を形
成するので、水酸化第二鉄を制御された条件下で予め形成させるのが有利である
。重量平均分子量が例えば500〜50,000Daの範囲であり、好ましくは
1,000〜10,000Daの範囲である部分解重合デキストランだけでなく
、水素化デキストランまたは酸化デキストランまたはアルカリ処理デキストラン
のようなデキストランの改質形態または誘導体も理論的可能性として考慮される
ことが記載されている。しかしながら、具体的に記載されたデキストランは平均
分子量がそれぞれ3,000および5,000Daである酸化デキストランに過
ぎない。水酸化第二鉄は、デキストランと接触させる前に予め調製される。この
ことは、生成物がオキシ水酸化第二鉄からなり、この上にデキストランがインシ
テュー、すなわちデキストランの存在下で水酸化第二鉄を沈澱することによって
形成される一層均質な生成物と対照的にコーティングを形成することを意味して
いる。
【0012】 デンマーク国特許第117,730号明細書(1970年)では、分子量が2
,000〜10,000Daである水素化デキストランを水性媒質中で水酸化第
二鉄と反応させる方法が記載されている。実施例で用いられるデキストランの平
均分子量は、記載されていない。しかしながら、固有粘度は、平均分子量約5,
000Daに相当する約0.05として記載されている。
【0013】 また、デンマーク国特許第122,398号明細書(1972年)には、水酸
化第二鉄と錯体化合物を調製するための水素化デキストランの使用が開示されて
おり、非水素化デキストランを用いるときよりも実質的に低毒性が得られること
が記載されている。この特許明細書の主題は、加湿した水酸化第二鉄を乾燥した
水素化デキストランと混合し、場合によってはクエン酸またはクエン酸塩を添加
した後に混合物を加熱し、精製する方法である。
【0014】 米国特許第3,697,502号明細書(1972年)には、クエン酸をデキ
ストランに加え、同時にアルカリ金属水酸化物溶液および塩化第二鉄溶液を添加
する、鉄−デキストラン製剤の製造法が開示されている。デキストランの平均分
子量は、3,000〜20,000Daである。実施例で用いられるデキストラ
ンの分子量は、それぞれ7,000および10,000Daである。
【0015】 デンマーク国特許第129,353号明細書は、デキストランの平均分子量が
高々50,000Daである水酸化物第二鉄−デキストラン誘導体の類似製造法
に関し、そのポリマー鎖の末端基が改質され、末端還元性アンヒドログルコース
単位は相当するカルボン酸基に転換されている。デキストランの分子量について
示唆された限界は極めて広汎であり、すなわち500〜50,000Daであり
、好ましくは1,000〜10,000Daであるが、唯一の例示されたデキス
トランの平均分子量は5,000Daである。
【0016】 デンマーク国特許第129,942号明細書(1974年)は、上記の最後の
デンマーク国特許明細書と類似しており、水酸化物第二鉄のデキストランヘプト
ン酸またはデキストリンヘプトン酸との錯体の製造が記載されている。ヘプトン
酸は、相当するシアンハイドライド(cyanhydrids)の加水分解によって調製され
る。
【0017】 米国特許第4,827,945号明細書(1989年)および第5,102,
652号明細書(1992年)には、両方ともデキストランのようなポリマー材
料をコーティングしたまたは会合させた酸化鉄のような超常磁性金属酸化物が記
載されている。ポリマーを2つの異なる酸化段階で金属酸化物の混合物と接触さ
せて、超常磁性結合生成物を生成し、これを後で酸化して総ての金属酸化物を最
高の上記酸化段階に変換する。この生成物は、医療診断における磁気共鳴像形成
におけるコントラスト剤として特に有用である。しかしながら、これは鉄欠乏性
貧血の治療に用いることができるともいわれている。デキストランのような炭水
化物などのポリマーの分子量は、好ましくは5,000〜250,000Daで
ある。
【0018】 上記特許明細書に記載されているように、貧血の治療を目的とする鉄−デキス
トラン製剤を改良するため幾つかの試みが行われてきたが、最新技術に準じて調
製した製剤は未だ幾つかの欠点を有している。
【0019】 これは、患者によっては、これらの製剤が遅延型過敏症または重篤なアナフィ
ラキシー性副作用を引起し、呼吸困難、低血圧、発作および死などをもたらすこ
とがあるという事実の結果である。また、他の毒性反応が観察されることもある
。 その上、先行技術による製剤の幾つかは、安定性についての一般的要件を満た
すことができない。安定性の欠如は、液体のゼラチン化、または水酸化またはオ
キシ水酸化鉄の沈澱として現れることがある。 更に、市販の鉄−デキストラン製剤を投与されている患者のヘモグロビン合成
に対する上記製剤の促進作用は、投与後かなり遅れて現れ、所望のヘモグロビン
濃度の回復はしばしば所望されるより遅れて起こる。
【0020】同時係属出願技術 公表されていない同時係属デンマーク国特許出願第420/98号明細書(こ
の特許明細書の内容は、その開示の一部として本明細書に引用される)には、上
記の欠点のあるものを解決する発明が記載されている。この発明は、上記欠点の
多くが、出発材料として用いられるデキストラン中に加水分解が不十分な比較的
高分子量のデキストランが存在しかつ低分子量糖類が存在することと関連してい
るという認識に基づいている。
【0021】 この認識を利用して、例えば膜工程によって、重量平均分子量(Mw)が70
0〜1,400Daであり、好ましくは約1,000Daであり、数平均分子量
(Mn)が400〜1,400Daであり、デキストランの90重量%の分子量
が2,700Da未満であり、最高分子量を有するデキストランの10重量%画
分のMwが3,200Daを下回り、オキシ水酸化第二鉄と安定に会合した水素
化デキストランを含んでなる鉄−デキストラン化合物を製造する。
【0022】
【発明の概要】 上記で引用したデンマーク国特許出願第420/98号明細書の生成物は、毒
性反応が減少しかつ過敏症またはアナフィラキシー副作用の引起し易さを減少す
る点について実質的に改良されており、安定性についての改良も伴うが、最終的
鉄−デキストラン化合物の平均分子量、およびヒトおよび動物体におけるヘモグ
ロビン合成のための鉄の有効性を制御する手段が必要とされる。
【0023】 鉄含量が例えば15〜45重量%である鉄−デキストラン化合物を、重量平均
分子量が約1,000Daであり、実質的に総ての還元性アルデヒド基がアルコ
ール基に水素化されているデキストランを用いて調整する場合には、見掛けのピ
ーク分子量(Mp)は典型的には約140,000Daとなる。
【0024】 一層低分子量でありかつ安定性が向上した鉄−デキストラン化合物を製造し、
特に鉄がヒトおよび動物体でのヘモグロビン合成に容易に利用できる化合物を得
ることができることが望ましい。
【0025】 本発明は、加水分解デキストランの還元性アルデヒド基が鉄成分との反応前に
アルコールに部分的にしか水素化されず、実質的に総ての残っているアルデヒド
基がカルボキシル基に酸化される場合に比較的低分子量の安定な鉄−デキストラ
ンを得ることができるという認識に基づいている。デキストランがこのような前
処理を受けた場合に形成する鉄−デキストランの分子量は、場合によっては完全
な水素化によってのみ前処理された同様な加水分解デキストランを用いて製造し
た鉄−デキストランの分子量より実質的に低い。水素化された還元性基の量体酸
化された還元性基の量の比を調整することによって、生成する鉄−デキストラン
化合物の平均分子量に影響を及ぼすことが可能である。しかしながら、デキスト
ラン中の酸化された基の比率が高すぎると、鉄−デキストランの安定性は不十分
なものとなる。安定な生成物を得るには、酸化前のデキストラン中の還元性基の
量は15重量%に相当する値を超過してはならないことが明らかになった。
【0026】 従って、本発明は、デキストランの分子量を加水分解によって減少させ、その
官能性アルデヒド末端基を水素化によってアルコール基に転換し、水溶液として
の水素化デキストランを少なくとも1種類の水溶性第二鉄塩と結合させ、生成す
る溶液に塩基を加えて水酸化第二鉄を形成させ、生成する混合物を加熱して水酸
化第二鉄をデキストランとの会合化合物としてのオキシ水酸化第二鉄に変換する
、分子量が比較的小さくかつ分子量分布が狭い安定な鉄−デキストラン化合物の
製造法であって、水素化は部分的に過ぎないが、炭水化物の総量換算で多くても
15重量%還元糖を残し、第二鉄塩と結合させる前でかつ水素化を行った後に上
記デキストランに酸化を施し、実質的に総てのアルデヒド基がアルコールおよび
カルボキシル基に転換したデキストランを得るように上記水素化および酸化を行
うことを特徴とする前記製造法に関する。
【0027】 従って、水素化を、酸化前に未反応デキストランのアルデヒド基の一部が残る
部分水素化として行い、次に酸化を行って、アルデヒド基の上記部分をカルボン
酸基に実質的に完全に転換する。
【0028】 この順序の水素化および酸化によって、初期操作としての水素化を行うことに
よってアルコール形成水素化は主として比較的低分子量のデキストラン分子に結
合したアルデヒド基で起こるが、より高分子量デキストラン上のアルデヒド基は
主として酸化によって形成されるカルボン酸基は大部分がより高分子量のデキス
トランに導入されることを意味する酸化段階で反応するので、生成するアルコー
ルおよびカルボン酸の分布が有利になると考えられる。
【0029】 アルコール基およびカルボン酸基のそれぞれより低分子量画分およびより高分
子量画分上でのこの分布は、生成物の安定性が、アルコールおよびカルボン酸基
がランダムに分布しているときよりよくなり、特にカルボン酸基が主としてデキ
ストランの低分子量部分にあるときよりよくなることが予想されるので、有利で
ある。
【0030】 しかしながら、本発明は、上記の好ましい態様によって製造される生成物の安
定性が満足であることの理由に関する特定の理論に限定されない。
【0031】
【発明の具体的説明】
本発明により主として考慮されるものとしての比較的低分子量デキストランに
おいて、ポリマー鎖上の末端基(アルコール基に水素化されるまたはカルボン酸
基に酸化されるアルデヒド基)の影響は、官能性末端基の(重量換算での)画分
が高いので、高分子量のデキストランにおけるよりも実質的に一層顕著である。
従って、他の状況では不安定性を引起す可能性があるカルボン酸基が、デキスト
ラン分子の比較的高分子量画分に存在することが重要である。
【0032】 水溶液中で水素化ホウ素ナトリウムによって水素化を行うのが好ましい。
【0033】 酸化は、塩基性の水溶液中で、次亜塩素酸塩、好ましくは次亜塩素酸ナトリウ
ムによって行うのが好ましい。
【0034】 デキストラン分子の他の部位を攻撃することなくアルデヒド基をカルボン酸基
に変換するのに適する酸化容量を有する酸化剤を用いるのが重要である。生成す
るデキストランのNMR−分析に基づいた試験により、酸化によって導入される
総ての酸素原子はカルボン酸基に存在すると思われるので、次亜塩素酸ナトリウ
ムはこれに関して適当な酸化剤であることが明らかになった。
【0035】 本発明の方法は、原則的には特定の分子量および分子量分布を有するデキスト
ランの使用に限定されないが、鉄−デキストランの形成前に分子量が7,500
Da未満のデキストランを用いるのが好ましい。総合的に考察することによって
鉄欠乏性貧血の治療に最も適当であると考えられる生成物を得るには、加水分解
後であるが水溶性第二鉄塩と結合する前に、分子量が2,700Daを上回るデ
キストランを保持しておくのに適当なカットオフ値を有する膜を用いる1以上の
膜工程を行い、場合によってはその後に更に加水分解を行い、続いて小さめの分
子を除去するカットオフ値が340〜800Daの膜を用いる1以上の膜工程を
行うことによってデキストランを精製することを特徴とする方法の態様が好まし
い。
【0036】 更に特に好ましい態様は、 精製した水素化および酸化したデキストランと少なくとも1種類の水溶性第二
鉄塩とを含んでなる水溶液を調製し、 この水溶液のpHを塩基を加えることによって10を上回る値に調整し、 該混合物が黒色または暗褐色コロイド溶液に変化して0.45μmフィルター
で濾過することができるようになるまで、混合物を100℃を上回る温度に加熱
し、 濾過、加熱および膜工程および1種類以上の安定剤の添加を用いる中和、精製
および安定化、および必要に応じて該溶液を乾燥して、所望の鉄−デキストラン
化合物を安定な粉末として得る 工程の最終段階を含んでなる。 注射用液体は、この粉末を再溶解し、pHを調整し、濾過によって滅菌し、ア
ンプルまたはバイアルに充填することによって製造することができる。滅菌は、
充填したアンプルまたはバイアルをオートクレープ処理することによって行うこ
ともできる。 あるいは、乾燥操作を省略して、注射用液体を精製溶液から中間乾燥なしに製
造する。
【0037】 上記で説明したように、本発明の特徴は、水素化したデキストランのアルデヒ
ド基対酸化したアルデヒドデキストラン基の比、並びにこれらのキノキサリン総
比率の調整である。
【0038】 出発材料として用いられる加水分解デキストラン中の実質的に総ての還元性基
を水素化または酸化によって転換することが本質的なことである。これは、総て
の残存する還元性基が第二鉄化合物と接触するとこれと反応して、非経口投与に
より第二鉄化合物より毒性の強い第一鉄化合物を形成するからである。
【0039】 従って、本発明の方法の更に好ましい態様は、加水分解し水素化したデキスト
ランの酸化を行って、還元糖の含量を4重量%以下に減少させることを特徴とす
る。水素化前の加水分解デキストラン中の還元糖の量は、決定的なものではなく
、典型的には20〜50重量%の範囲である。
【0040】 本発明は、上記で定義した方法によって製造される鉄−デキストラン化合物で
あって、その見掛けのピーク分子量(Mp)が50,000〜150,000D
aであり、好ましくは70,000〜130,000Daであり、更に好ましく
は80,000〜120,000Daであり、その鉄含量が15〜45重量%で
あることを特徴とする化合物も含んでなる。このような鉄−デキストラン化合物
の水性製剤を鉄欠乏性貧血にかかっている患者に筋肉内注射すると、見掛けのピ
ーク分子量が150,000Da以上の市販の鉄−デキストラン化合物を基剤と
する製剤で相当量の鉄を注射するときより速やかにヘモグロビン産生に対する正
の影響を観察することができる。
【0041】 本発明の明細書および請求の範囲において、分子量の数値はゲル浸透クロマト
グラフィーによって測定される重量を表す。
【0042】 安定性は、70℃以上に10分間加熱した後の生成物のゲル形成または沈澱の
ような目に見える有害な変化の非存在として評価した。
【0043】 本発明は、非経口投与による鉄欠乏症の予防または治療のための医薬組成物で
あって、上記で定義した通りの化合物を含んでなることを特徴とする医薬組成物
でもある。
【0044】 このような医薬組成物は、好ましくは安定剤として有機ヒドロキシ酸の塩、好
ましくはクエン酸塩およびグルコン酸塩から選択されるものも含んでなる。
【0045】 最後に、本発明は、非経口投与による鉄欠乏症の予防または治療のための非経
口投与可能な治療組成物の調整のための上記で定義した鉄−デキストラン化合物
の使用を含んでなる。
【0046】
【実施例】
本発明を、下記の非制限的例によって更に説明する。
【0047】例1 (i) デキストランの加水分解、水素化および酸化 カットオフ値が<5,000Daの膜からの浸透物として集めた2,522kg
の加水分解デキストランを、pH1.5、95℃の温度で加水分解する。 加水分解をゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いてクロマトグラフィ
ー観察を行い、加水分解を行う酢酸の分子量が所望の値、すなわち700〜1,
400Daの重量平均分子量に到達したと判断されたときに、冷却によって停止
する。
【0048】 加水分解によって、低分子量デキストランが生成するが、グルコースも形成さ
れる。冷却および中和の後、グルコースおよび極めて低分子量のオリゴマーの量
を、カットオフ値が340〜800Daの膜工程によって減少させる。この工程
の後、デキストランの含量を旋光度(α 20−200)によって1,976kg
と決定し、還元糖の量をSomogyi試薬を用いて32.0重量%と決定する。
【0049】 還元容量を、最初に水素化ホウ素ナトリウムで処理することによって減少させ
る。939kgのデキストランに対して、18.4kgの水素化ホウ素ナトリウムを
塩基性pHで加える。この部分水素化によって、水素化されるアルデヒド基の中
では、比較的低分子量のデキストランが優勢であることが予想される。 水素化ホウ素ナトリウム処理の後、還元容量を6.53重量%に決定する。 次いで、溶液を中和してpH<7.0とした後、脱イオン化する。平均分子量
および分子量分布は、クロマトグラフィーによって決定する。
【0050】 クロマトグラフィーから、デキストランの90重量%の分子量が2,700D
a未満であり、最高分子量を有するデキストランの10重量%画分の重量平均分
子量(Mw)が3,200Daを下回ることも明らかである。 Mwは1,200であり、数平均分子量(Mn)は800Daである。 次に、酸化を、pH9.5および50℃で次亜塩素酸ナトリウムを用いて行う
。15%(w/v)NaOCl水溶液1075リットルを加える。 酸化の終了後、還元糖を0.9重量%として決定する。
【0051】 酸化の後、純水に対して透析濾過(diafiltration)を行い、比電気伝導率3mS
/cmを得る。デキストランの量は、この段階では635kgであった。NMR分析
では、総ての二重結合酸素原子はカルボン酸基として存在することを示していた
【0052】 (ii) 鉄−デキストランの合成 上記の方法で製造した300kgのデキストランは、300kgのFeCl・6
Oと混合した15%溶液としてのものである。 この攪拌混合物に、飽和水溶液としての250kgのNaCOを加えてp
H3.5とした後、濃NaOH水溶液(27%w/v)50リットルを用いてpH
を11.5に上昇させる。 このようにして得た混合物を100℃を上回る温度に加熱し、黒色または暗褐
色コロイド溶液に変化して0.45μmフィルターを介して濾過することができ
るようにする。溶液を冷却して、濃塩酸を用いてpH5.00まで中和して、濾
過する。溶液を膜工程を用いて精製し、溶液中の塩化物含量が5%w/v鉄を含む
溶液換算で0.68%未満となるようにする。
【0053】 溶液の塩化物含量が等張溶液を得るのに所望であるより少ない場合には、塩化
ナトリウムを加え、pHを最終的に5.6に調整し、溶液を0.45μm(ある
いは0.2μm)の膜フィルターを介して濾過する。 溶液を噴霧乾燥し、鉄−デキストラン粉末は市販または更に加工の準備ができ
る。 噴霧乾燥の代わりに、上記のように、例えば5%の鉄含量を有する注射用液体
を直接製造する目的で、溶液を用いることができる。
【0054】 注射または輸液液体を製造するための鉄−デキストラン粉末を用いて、この粉
末を水性媒質に再溶解するときには、pHをチェックして、必要ならば、調整し
、溶液を濾過によって滅菌した後、アンプルまたはバイアルに充填する。あるい
は、アンプルまたはバイアルに充填した後に、滅菌をオートクレープ処理によっ
て行うことができる。
【0055】例2 (i) デキストランの加水分解、水素化および酸化 この部分の合成は、上記の例1の(i)に記載した方法で行う。
【0056】 (ii) 鉄−デキストランの合成 12%溶液としての上記デキストラン240kgを、300kgのFeCl・6
Oと混合する。 攪拌混合物に飽和水溶液としてのNaCO250kgを加えて、pH値を3
.5とした後、混合物のpHを濃NaOH水溶液(27%w/v)50リットルを
用いてpH11.6まで上昇させる。 このようにして得た混合物を100℃を上回る温度に加熱し、黒色または暗褐
色コロイド溶液に変化して0.45μmフィルターを介して濾過することができ
るようにする。溶液を冷却して、濃塩酸を用いてpH5.3まで中和して、濾過
する。溶液を膜工程を用いて精製し、塩化物含量が5%w/v鉄を含む溶液換算で
0.68%未満となるようにする。
【0057】 溶液をこの段階で100℃を上回る温度に2時間加熱すると、見掛けのピーク
分子量(Mp)は冷却後には104898Daであることが分かる。溶液は安定
である。 溶液を噴霧乾燥し、鉄−デキストラン粉末をこのようにして完成する。
【0058】 この粉末は、約5%w/v鉄を含む鉄−デキストラン液体製剤の製造に適当であ
る。 いずれの例においても、鉄−デキストラン粉末の収率は、この方法に用いられ
る鉄換算で95%を上回る。
【0059】例3 他の鉄−デキストラン製剤を、例1および2に記載したものと同様の手続きを
用いて製造した。出発材料、中間体および結果の特徴を、下表に示す。
【0060】
【表1】
【0061】 従って、本発明の範囲内で様々な程度にまで水素化および酸化されたデキスト
ランを用いて安定な低分子量の鉄−デキストラン製剤を製造することができる。
【0062】例4(比較例) Mwが1209Daであり、還元糖の含量が26.6重量%のデキストラン6
04kgを、予備水素化なしに、NaOClの15%(w/v)水溶液1780リッ
トルでpH9.5、温度50℃で処理することによって酸化した。酸化の後、還
元糖の含量を0.54%と測定した。 この酸化デキストランを用いて鉄−デキストランを合成する予備的試みは失敗
したが、鉄およびデキストランを含む混合物は、総てのNa2CO3を加える前
にゲルを形成するからであった。このようなゲル化溶液を加熱しても、安定なコ
ロニーおよび濾過可能な溶液を形成しない。 この例は、酸化を行う前に水素化によってデキストラン中の還元性基の比率を
減少させることが本質的であることを示している。
【0063】例5 鉄−デキストラン溶液を、例2と同様にして調製した。 塩化物除去膜工程の後に、クエン酸10.5kgを水酸化ナトリウム水溶液に溶
解したものを用いて、pHを8.5に調整した。次に、溶液を100℃を上回る
温度に2時間加熱した。冷却後、pHを濃塩酸を用いて5.6に調整した。溶液
を、5.0w/v%鉄に相当する濃度に調整した。見掛けのピーク分子量を111
,666に決定し、この化合物は安定である。 この例を例2と比較することから、クエン酸塩を加えても鉄−デキストラン生
成物の分子量は有意に変化しないと思われる。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年5月27日(2000.5.27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】 米国特許第4,827,945号明細書(1989年)および第5,102,
652号明細書(1992年)には、両方ともデキストランのようなポリマー材
料をコーティングしたまたは会合させた酸化鉄のような超常磁性金属酸化物が記
載されている。ポリマーを2つの異なる酸化段階で金属酸化物の混合物と接触さ
せて、超常磁性結合生成物を生成し、これを後で酸化して総ての金属酸化物を最
高の上記酸化段階に変換する。この生成物は、医療診断における磁気共鳴像形成
におけるコントラスト剤として特に有用である。しかしながら、これは鉄欠乏性
貧血の治療に用いることができるともいわれている。デキストランのような炭水
化物などのポリマーの分子量は、好ましくは5,000〜250,000Daで
ある。 US−A−4,370,476号明細書には、デキストランポリカルボン酸水
酸化第二鉄錯体の調製が記載されている。水素化することができるデキストラン
を、第一段階で過ヨウ素酸塩を、第二段階で別の酸化剤を用いる二段階酸化工程
で処理し、デキストラン分子に沿う中間カルボキシル基と、末端基としてのヒド
ロキシルまたはカルボキシル基とのついを形成する。形成したデキストランポリ
カルボン酸を水酸化第二鉄と結合させて、錯体を形成させる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW Fターム(参考) 4C076 AA29 BB11 CC14 DD41 FF36 FF63 4C086 AA01 AA02 AA04 EA20 HA11 MA01 MA02 MA04 MA05 NA03 NA07 ZA55

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デキストランの分子量を加水分解によって減少させ、その官能性アルデヒド末
    端基を水素化によってアルコール基に転換し、水溶液としての前記デキストラン
    を少なくとも1種類の水溶性第二鉄塩と結合させ、生成する溶液に塩基を加えて
    水酸化第二鉄を形成させ、次いで生成する混合物を加熱して水酸化第二鉄をデキ
    ストランとの会合化合物としてのオキシ水酸化第二鉄に変換することを含んでな
    る、鉄−デキストラン化合物の製造法であって、 水素化は部分的に過ぎないが、炭水化物の総量換算で多くても15重量%還元
    糖を残し、第二鉄塩と結合させる前でかつ水素化を行った後に上記デキストラン
    に酸化を施し、実質的に総てのアルデヒド基がアルコールおよびカルボキシル基
    に転換したデキストランを得るように上記水素化および酸化を行うことを特徴と
    する、方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも1種類の第二鉄塩と結合する前のデキストランの分子量が7,00
    0Da未満である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 加水分解後であるが水溶性第二鉄塩と結合する前に、2,700Daを上回る
    デキストラン分子を保持するのに適当なカットオフ値を有する1以上の膜分離を
    行い、場合によってはその後に更に加水分解と、カットオフ値が340〜800
    Daである1以上の膜分離を行って小さな分子を除去することによって、デキス
    トランを精製する、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 デキストラン分子の還元糖含量が、酸化後には4重量%以下である、請求項1
    〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 【請求項5】 水素化を水溶液中において水素化ホウ素ナトリウムによって行う、請求項1〜
    4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 酸化を塩基性水溶液中において、次亜塩素酸、好ましくは次亜塩素酸ナトリウ
    ムによって行う、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 【請求項7】 水素化し及び酸化したデキストランと少なくとも1種類の水溶性第二鉄塩とを
    含んでなる水溶液を調製し、 上記水溶液のpHを塩基を添加して10を上回る値に調整し、 該混合物を、黒色または暗褐色コロイド溶液に変化し、0.45μmフィルタ
    ーで濾過可能になるまで、100℃を上回る温度に加熱し、 濾過、加熱および膜分離を用い、および1種類以上の安定剤を添加して、該溶
    液を精製および安定化し、 必要に応じて、該溶液を乾燥して、所望の鉄−デキストラン化合物を安定な粉
    末として得る 工程を含んでなる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 【請求項8】 安定化が、有機ヒドロキシ酸の少なくとも1種類の塩、好ましくはクエン酸塩
    およびグルコン酸から選択される塩、を添加することを含んでなる、請求項7に
    記載の方法。
  9. 【請求項9】 デキストランの分子量を加水分解によって減少させ、その官能性アルデヒド末
    端基を水素化によってアルコール基に転換する、デキストラン製剤の製造法であ
    って、 水素化は部分的に過ぎないが、炭水化物の総量換算で多くても15重量%還元
    糖を残し、次に上記デキストランに酸化を施し、実質的に総てのアルデヒド基が
    アルコールおよびカルボキシル基に転換したデキストランを得るように上記水素
    化および酸化を行うことを特徴とする、方法。
  10. 【請求項10】 見掛けのピーク分子量(Mp)が50,000〜150,000Daであり、
    好ましくは70,000〜130,000Daであり、更に好ましくは80,0
    00〜120,000Daであり、かつ、鉄含量が15〜45重量%である、請
    求項1〜8のいずれか一項に記載の方法によって製造される鉄−デキストラン化
    合物。
  11. 【請求項11】 請求項9に記載の方法によって得られる、デキストラン製剤。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載の方法によって得られる、請求項11に記載のデキストラン製
    剤。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載の化合物を含んでなる、非経口投与による鉄欠乏症の予防ま
    たは治療のための医薬組成物。
  14. 【請求項14】 有機ヒドロキシ酸の塩、好ましくはクエン酸塩およびグルコン酸塩から選択さ
    れる塩、を安定剤として含んでなる、請求項13に記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】 非経口投与による鉄欠乏症の予防または治療のための非経口投与可能な治療組
    成物を製造するための、請求項10に記載の鉄−デキストラン化合物の使用。
  16. 【請求項16】 鉄−デキストラン化合物の製造のための、請求項9に記載の方法によって得ら
    れるデキストラン製剤の使用。
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